JP2004304577A - 圧電デバイスおよびジャイロセンサ、圧電振動片及び圧電デバイスの製造方法、ならびに圧電デバイスを利用した携帯電話装置および圧電デバイスを利用した電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】溝付きの振動腕を備える圧電振動片を、寸法精度よく製造することができる圧電振動片と圧電デバイスの製造方法、およびこれらの方法により形成される圧電デバイスと圧電デバイス、ジャイロセンサ、ならびに圧電デバイスを利用した携帯電話と電子機器を提供すること。
【解決手段】基部51と、この基部から平行に延びる複数の振動腕34,35とを備え、各振動腕に長さ方向に延びる溝56,57を有する圧電振動片を収容した圧電デバイスであって、前記圧電振動片が、少なくとも前記振動腕にその幅方向の一方に凸となる異形形状74を備えているとともに、前記振動腕の前記一方と反対の方向に突出し、かつ面取りされている凸部73を有する圧電デバイス。
【選択図】 図4
【解決手段】基部51と、この基部から平行に延びる複数の振動腕34,35とを備え、各振動腕に長さ方向に延びる溝56,57を有する圧電振動片を収容した圧電デバイスであって、前記圧電振動片が、少なくとも前記振動腕にその幅方向の一方に凸となる異形形状74を備えているとともに、前記振動腕の前記一方と反対の方向に突出し、かつ面取りされている凸部73を有する圧電デバイス。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電デバイスおよびジャイロセンサ、圧電振動片及び圧電デバイスの製造方法の改良と、圧電デバイスを利用した携帯電話および電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
HDD(ハード・ディスク・ドライブ)、モバイルコンピュータ、あるいはICカード等の小型の情報機器や、携帯電話、自動車電話、またはページングシステム等の移動体通信機器において、パッケージ内に圧電振動片を収容した水晶振動子や水晶発振器等の圧電デバイスが広く使用されている。
図9は、このような圧電デバイスに使用される圧電振動片の公知の構成例を示しており(特許文献1参照)、図9は圧電振動片1の概略斜視図、図10は、図9のA−A線切断端面図である。
【0003】
図において、圧電振動片1は、例えば水晶の単結晶から形成されており、幅広の基部2と、この基部から同じ方向に平行に延びる2本の振動腕3,4とを備えている。振動腕3,4には、それぞれ、表裏面に長さ方向に延びる溝5,6が形成されている。この溝5,6には、図10に示すように、互いに分離され、異極となる励振電極7,8が形成されている。溝5,6内の励振電極7,8は、それぞれ振動腕3,4の両側面に設けられた励振電極8,7と対向されるようになっている。これにより、外部から励振電極7,8に駆動電圧が印加されることで、振動腕3,4内に効率よく電界が発生し、各振動腕3,4は、その先端部を互いに接近・離間されるように屈曲振動するようになっている。そして、このような振動に基づく振動周波数を取り出すことにより、制御用のクロック信号等の基準信号に利用されるようになっている。
【0004】
この圧電振動片1の各振動腕3,4と、これら振動腕3,4の溝5,6は以下の工程により形成されている。
尚、図11ないし図14の工程では、振動腕3と振動腕4の形成工程は共通しており同時に進行するため、振動腕4に対応する箇所だけ、その断面を示して説明する。また、この工程は振動腕4の表裏面について共通なので、煩雑さを避けるため、表面側にだけ符号を付して説明する。
【0005】
図11(a)に示すように、水晶ウエハ等の材料で形成した基板11の全面に、耐蝕膜12とレジスト13を順次塗布して、先ず、振動腕4の外形を形成する工程の準備を行う。
図11(b)に示すように、レジスト13をフォトエッチングにより振動腕4の幅に対応した寸法で残す。次いで図11(c)に示すように、耐蝕膜12をレジスト13の寸法に適合するようにエッチングして、図11(d)に示すように、レジスト13を全て除去する。これにより、耐蝕膜12が振動腕4の幅寸法に残されたことになる。
【0006】
次に、図11(e)に示すように、あらたに溝形成用レジスト14を全面に塗布する。続いて、図12(f)に示されているように、振動腕の中央部に溝を形成するために、溝形成用レジスト14の中央部を除去し、さらに両側の各溝形成用レジスト14a,14bの外縁は、耐蝕膜12の外縁と一致させるように、不要な溝形成用レジスト14を除去する。
次いで、図12(g)に示すように、水晶材料をウエットエッチングすると、図12(g)の点線の部分がエッチングにより除かれるが、この際、振動腕の幅方向の一端側に突出して水晶の異方性によりヒレ状の異形部9が形成される。
また、この外形エッチングの際には、基板11を構成する材料は、耐蝕膜12の外縁より内側に僅かに入り込んでエッチングされる。この現象を「サイドエッチング」と称する。つまり、ここでは、耐蝕膜12の幅よりも僅かに小さな幅に振動腕の外形が形成される。
【0007】
次に、図12(h)に示すように、溝形成用レジスト14a,14bに覆われていない耐蝕膜12を除去し、溝を形成しない部分に耐蝕膜12a,12bとして残す。
これにより露出した基板11の露出面をハーフエッチングすることにより、図12(i)に示すように、溝6を形成する。
最後に、溝形成用レジスト14a,14bと耐蝕膜12a,12bを除去することにより、図12(j)に示すように、溝6を有する振動腕4を形成することができる。
【0008】
【特許文献1】特開2002−76806
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このように製造される圧電振動片1では、以下の理由により、形状の完成精度が低く、振動性能に影響が生じる。
図13(g−1)は、図12で説明した外形形成エッチング工程の一部である図12(g)に対応しており、図13(h−1)は図12(h)に対応している。
すなわち、図12のこれらの工程は理想的な工程の進行を示しているが、実際には、図13のような不具合が生じることがある。
【0010】
図13(g−1)に示されているように、外形形成エッチングにおける水晶材料のウエットエッチングが終了に近づくと、サイドエッチングが進むことで、はみ出した溝形成用レジスト14bと耐蝕膜12の端部が、折れ曲がり、基板11の側面を覆ってしまう。この状態は図13(h−1)の溝のハーフエッチングの際まで残る。この側面を覆ってしまう溝形成用レジスト14bと耐蝕膜12の端部が基板11のサイドエッチングの進行を阻止してしまうので、そのサイドエッチング分を見込んで耐蝕膜12や溝形成用レジスト14の幅を決めておいても、設計どおりの加工寸法とならない。
【0011】
あるいは、図14(f−2)は、図12(f)の工程に対応している。すなわち、図12(f)では、耐蝕膜12に対して、溝形成用レジスト14a,14bが正しい位置となっているが、振動腕はきわめて狭い幅寸法であることから、耐蝕膜12に対して、溝形成用レジスト14a,14bの位置決め(アライメント)が微妙にずれる場合がある。図14(f−2)では、矢印方向に溝形成用レジスト14a,14bの位置がずれている。この状態では溝形成用レジスト14aの幅は溝形成用レジスト14bの幅と同じとならなければいけないのに、溝形成用レジスト14aの幅が溝形成用レジスト14bの幅よりも小さくなった状態で工程が進行する。この結果、溝6の形成位置も矢印方向にずれてしまう。このため、基板11の溝6をはさんだ両側の部分の幅W1とW2で寸法が相違することになり、振動性能に悪影響を与える。
【0012】
本発明は、溝付きの振動腕を備える圧電振動片を、寸法精度よく製造することができる圧電振動片と圧電デバイスの製造方法、およびこれらの方法により形成される圧電デバイス、ジャイロセンサ、ならびに圧電デバイスを利用した携帯電話と電子機器を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述の目的は、第1の発明によれば、基部と、この基部から平行に延びる複数の振動腕とを備え、各振動腕に長さ方向に延びる溝を有する圧電振動片を、圧電材料でなる基板をウエットエッチングすることにより形成する製造方法であって、前記基板をエッチングすることにより外形を形成するための外形エッチング工程と、ハーフエッチングにより前記溝を形成する溝形成工程とを有しており、前記外形エッチング工程が、前記基板に耐蝕膜を形成する工程と、前記耐蝕膜の幅を前記外形とほぼ一致する幅に調整する工程と、前記溝形成工程によりハーフエッチングで除去される溝部分を除く領域に対応して、前記耐蝕膜の上にレジストを配置する溝形成用レジストの塗布工程とを含んでいて、前記溝形成用レジストの塗布工程では、前記調整後の耐蝕膜の外縁よりも内側に前記溝形成用レジストの外縁を配置するようにした、圧電振動片の製造方法により、達成される。
【0014】
第1の発明の構成によれば、前記外形形成エッチング工程とは、水晶ウエハ等の圧電基板から、前記基部と、この基部から延びる各振動腕の外形を形成するためのエッチング工程である。この場合のエッチングは基板からこのような外形を完全に抜くように行うエッチングである。そして、溝形成工程では、外形形成エッチングの後で、溝を形成するためにハーフエッチングする工程である。そして、外形形成エッチング工程では、外形を形成するエッチングを行うとともに、溝のハーフエッチングの準備として、前記耐蝕膜の幅を前記外形とほぼ一致する幅に調整する工程の後で、前記溝形成工程によりハーフエッチングで除去される溝部分を除く領域に対応して、前記耐蝕膜の上にレジストを配置する溝形成用レジストの塗布工程を行う。この溝形成用レジストの塗布工程では、前記調整後の耐蝕膜の外縁よりも内側に前記溝形成用レジストを配置するようにしたので、外形形成エッチングの際に、サイドエッチングの進行によって、耐蝕膜の外縁よりも内側まで基板がエッチングされても、溝形成用レジストの外縁は耐蝕膜の外縁よりも内側に位置しているので、はみ出した溝形成用レジストの端部が折れ曲がり、基板のエッチングされるべき側面を覆うことがない。このため、従来のように、サイドエッチング不足により設計どおりの寸法とならないという事態を有効に回避することができる。
また、溝形成用レジストの塗布工程では、前記調整後の耐蝕膜の外縁よりも内側に前記溝形成用レジストの外縁を配置するようにしたことから、溝形成用レジストの幅が従来よりも狭くなっている。このため、耐蝕膜との関係で位置ずれを生じても、溝形成用に残される耐蝕膜の幅内に収まっていれば、溝形成位置がずれることがない。
かくして、本発明の効果として、溝付きの振動腕を備える圧電振動片を、寸法精度よく製造することができる。
【0015】
第2の発明は、第1の発明の構成において、前記レジストの塗布工程において塗布される前記溝形成用レジストの幅方向の両外縁間の寸法が、前記基板の外形エッチング工程により発生するサイドエッチング量を考慮した寸法に設定されていることを特徴とする。
第2の発明の構成によれば、前記溝形成用レジストの両外縁間の寸法が、前記基板の外形エッチング工程により発生するサイドエッチング量に対して、ほぼ同等だけ耐蝕膜の外縁よりも内側に位置していれば、その折れ曲がりを回避できる。
【0016】
第3の発明は、第2の発明の構成において、前記溝形成用レジストの塗布幅が、前記圧電材料のエッチング異方性に基づく機械軸(X軸)プラス側に形成される異形形状とバランスさせるために設ける機械軸(X軸)マイナス側の面取り凸部を考慮した幅に設定されていることを特徴とする。
第3の発明の構成によれば、前記溝形成用レジストの幅が、前記圧電材料のエッチング異方性に基づく異形形状に対応して耐蝕膜の外縁よりも内側に位置されていると、耐蝕膜を剥離後に、前記異形形状とほぼ対応する面取り凸部を残すことができる。
【0017】
また、上記目的は、第4の発明にあっては、基部と、この基部から平行に延びる複数の振動腕とを備え、各振動腕に長さ方向に延びる溝を有する圧電振動片を、パッケージまたはケース内に収容した圧電デバイスの製造方法であって、前記圧電振動片の製造工程が、前記基板をウエットエッチングすることにより外形を形成するための外形エッチング工程と、ハーフエッチングにより前記溝を形成する溝形成工程とを有しており、前記外形エッチング工程が、前記基板に耐蝕膜を形成する工程と、前記耐蝕膜の幅を前記外形とほぼ一致する幅に調整する工程と、前記溝形成工程によりハーフエッチングで除去される溝部分を除く領域に対応して、前記耐蝕膜の上にレジストを配置する溝形成用レジストの塗布工程とを含んでいて、前記溝形成用レジストの塗布工程では、前記調整後の耐蝕膜の外縁よりも内側に前記溝形成用レジストの外縁を配置するようにした圧電デバイスの製造方法により、達成される。
第4の発明の構成によれば、第1の発明の作用と同様の作用により圧電デバイスに収容された圧電振動片が寸法精度よく製造されることから、優れた振動性能を発揮できる圧電デバイスを得ることができる。
【0018】
さらにまた、上記目的は、第5の発明にあっては、基部と、この基部から平行に延びる複数の振動腕とを備え、各振動腕に長さ方向に延びる溝を有する圧電振動片を収容した圧電デバイスであって、前記圧電振動片が、少なくとも前記振動腕にその幅方向の一方に凸となる異形形状を備えているとともに、前記振動腕の前記一方と反対の方向に突出し、かつ面取りされている凸部を有する圧電デバイスにより、達成される。
第5の発明の構成によれば、前記振動腕に前記異形形状が形成されていると、振動腕のバランスが悪く、屈曲振動に振動腕の厚み方向の動きが作用して、振動性能が悪化する。これに対して、前記振動腕の前記一方と反対の方向に突出する面取りされた凸部を備えていれば、前記異形形状と前記凸部のバランスが向上して、理想的な屈曲振動で振動させることができる。
【0019】
第6の発明は、第5の発明の構成において、前記圧電デバイスがジャイロセンサであることを特徴とする。
第6の発明の構成によれば、検出すべき角速度が作用した場合に、ジャイロセンサが備える圧電振動片は、前記振動腕の前記一方と反対の方向に突出する面取りされた凸部を備えているので、前記異形形状と前記凸部とのバランスが向上して、理想的な屈曲振動で振動し、検出精度が向上する。
【0020】
上記目的は、第7の発明にあっては、パッケージまたはケース内に圧電振動片を収容した圧電デバイスを利用した携帯電話装置であって、前記圧電振動片が、少なくとも前記振動腕にその幅方向の一方に凸となる異形形状を備えているとともに、前記振動腕の前記一方と反対の方向に突出し、かつ面取りされている凸部を備えた面取り部を有する圧電デバイスにより、制御用のクロック信号を得るようにした、携帯電話装置により、達成される。
【0021】
上記目的は、第8の発明のあっては、パッケージまたはケース内に圧電振動片を収容した圧電デバイスを利用した電子機器であって、前記圧電振動片が、少なくとも前記振動腕にその幅方向の一方に凸となる異形形状を備えているとともに、前記振動腕の前記一方と反対の方向に突出し、かつ面取りされている凸部を備えた面取り部を有する圧電デバイスにより、制御用のクロック信号を得るようにした、電子機器により、達成される。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は、本発明の圧電デバイスの第1の実施の形態を示しており、図1はその概略平面図、図2は図1のB−B線概略断面図である。
図において、圧電デバイス30は、水晶振動子を構成した例を示しており、この圧電デバイス30は、パッケージ36内に圧電振動片32を収容している。パッケージ36は、例えば、絶縁材料として、酸化アルミニウム質のセラミックグリーンシートを成形して形成される複数の基板を積層した後、焼結して形成されている。複数の各基板は、その内側に所定の孔を形成することで、積層した場合に内側に所定の内部空間S2を形成するようにされている。
この内部空間S2が圧電振動片32を収容するための収容空間である。
すなわち、図2に示されているように、この実施形態では、パッケージ36は、例えば、下から第1の積層基板61、第2の積層基板62を重ねて形成されている。
【0023】
パッケージ36の内部空間S2内の図において左端部付近において、内部空間S2に露出して内側底部を構成する第1の積層基板61には、例えば、タングステンメタライズ上にニッケルメッキ及び金メッキで形成した電極部31,31が設けられている。
この電極部31,31は、外部と接続されて、駆動電圧を供給するものである。この各電極部31,31の上に導電性接着剤43,43が塗布され、この導電性接着剤43,43の上に圧電振動片32の基部51が載置されて、導電性接着剤43,43が硬化されるようになっている。尚、導電性接着剤43,43としては、接合力を発揮する接着剤成分としての合成樹脂剤に、銀製の細粒等の導電性の粒子を含有させたものが使用でき、シリコーン系、エポキシ系またはポリイミド系導電性接着剤等を利用することができる。
【0024】
圧電振動片32は、後述する製造工程により、圧電材料として、例えば水晶をエッチングして形成されており、本実施形態の場合、圧電振動片32は、小型に形成して、必要な性能を得るために、特に図3の概略斜視図で示す形状とされている。
すなわち、圧電振動片32は、パッケージ36側と固定される基部51と、この基部51を基端として、図において斜め右方に向けて、二股に別れて平行に延びる一対の振動腕34,35を備えており、全体が音叉のような形状とされた、所謂、音叉型圧電振動片が利用されている。
【0025】
圧電振動片32の各振動腕34,35には、それぞれ長さ方向に延びる長い有底の溝56,57が形成されている。この各溝56,57は、図3のC−C線切断端面図である図4に示されているように、各振動腕34,35の表裏両面に形成されている。
さらに、図3において、圧電振動片32の基部51の端部(図3では下端部)の幅方向両端付近には、引き出し電極52,53が形成されている。各引き出し電極52,53は、圧電振動片32の基部51の図示しない裏面にも同様に形成されている。
【0026】
これらの各引き出し電極52,53は、上述したように図1に示されているパッケージ側の電極部31,31と導電性接着剤43,43により接続される部分である。そして、各引き出し電極52,53は、図示されているように、各振動腕34,35の溝56,57内に設けた励振電極54,55と一体に接続されている。また、各励振電極54,55は、図4に示されているように各振動腕34,35の両側面にも形成されており、例えば、振動腕34に関しては、溝56内の励振電極54と、その側面部の励振電極55は互いに異極となるようにされている。また、振動腕35に関しては、溝57内の励振電極55と、その側面部の励振電極54は互いに異極となるようにされている。
【0027】
圧電振動片32の基部51と振動腕34,35との間には、基部51の幅方向に縮幅して設けた切欠き部もしくはくびれ部58,58を設けるようにしている。
これにより、基部51側への圧電振動片32の振動の漏れを防止して、CI(クリスタルインピーダンス)値を低減することができる。
【0028】
さらに、図4に示されているように、圧電振動片の各振動腕34,35の図において右側側面には、水晶等の圧電材料のエッチング異方性により形成されるヒレ状の突起もしくは突条でなる異形形状74が形成されている。これに対して、各振動腕34,35の左側の側面には、それぞれ上下に面取り部71,71を有し、これら面取り部71,71の間が僅かに凸となった凸部73が形成されている。
【0029】
本実施形態は以上のように構成されており、圧電デバイス30の圧電振動片32にあっては、振動腕34,35の一方の側面に異形形状74が形成されているの対して、反対の側面には、凸部73を備えている。この凸部73は、その上下位置が面取り部71,71とされており、凸部73の質量が異形形状74とほぼバランスされるようになっている。このため、従来では、振動腕に異形形状が形成されていると、振動腕のバランスが悪く、屈曲振動に振動腕の厚み方向の振動モードが作用して、振動性能が悪化する。これに対して、この圧電振動片32では異形形状74と凸部73とのバランスが向上して、振動腕の厚み方向であるZ方向の動きを抑制でき、理想的な屈曲振動で振動させることができる。
また、後述する製造工程により形成されるため、寸法精度よく形成されているから、特に振動性能に優れている。
【0030】
次に、図5は、本実施形態の圧電振動片32の製造方法の一例を説明するための主要な工程を示す工程図である。
本実施形態の製造工程において、図11及び図12で説明した従来の製造工程のうち図11の工程は本実施形態と同じであり変更点はない。このため図11の製造工程の説明は本実施形態の説明に援用し、変更点を中心に以下説明することで、本実施形態の圧電振動片32の製造方法を説明し、あわせて圧電デバイス30の製造方法の一例を説明する。
【0031】
尚、従来技術の説明で不足する点を補うと、基板11は、圧電材料のうち、例えば、圧電振動片32を複数もしくは多数分離することができる大きさの水晶ウエハが使用される。この基板11は工程の進行により音叉型の圧電振動片32とした際には、図3に示すX軸が電気軸、Y軸が機械軸及びZ軸が光軸となるように、圧電材料、例えば水晶の単結晶から切り出されることになる。また、水晶の単結晶から切り出す際、上述のX軸、Y軸及びZ軸からなる直交座標系において、X軸回りに、X軸とY軸とからなるXY平面を時計方向に約マイナス5度乃至プラス5度傾けて形成される。
基板11の表面(表裏面)には、スパッタリングもしくは蒸着等の手法により、形成される耐蝕膜12は、例えば、下地層としてのクロム層と、その上に被覆される金被覆層で構成される。
また、図11で使用されたレジスト13としては、例えば、ECA系、PGMEA系のポジ型レジストが好適に使用できる。
【0032】
(外形形成エッチング工程)
図5(f)に示すように、基板11の表裏面の耐蝕膜12−1(従来と同じもの)は、その幅寸法が従来とはことなって設定される。すなわち、この耐蝕膜12−1の幅寸法は、振動腕(この場合、図3の振動腕54を形成する)の幅寸法と一致している。そして、耐蝕膜12−1に重ねた溝形成用レジストを図示のような寸法とする。
【0033】
すなわち、溝形成用レジストは、上述したレジスト13と同じものが使用できるので、図11(e)と同様に塗布しておく。そして、図5(f)の工程では、溝が形成されるべき箇所において、溝幅を間にとって、幅方向に分離された溝形成用レジスト14a−1と14b−1とされる。しかも、各溝形成用レジスト14a−1と14b−1は、図示のように、耐蝕膜12−1の外縁より内側に配置される。
この各溝形成用レジスト14a−1と14b−1の配置位置は、基板11のX軸方向のサイドエッチング量に対して、ほぼ同等だけ耐蝕膜12−1の両側の外縁よりもそれぞれ内側に位置することが好ましい。また、後述するハーフエッチングによる面取り加工が行われることを考慮した寸法に定めることが好ましい。
【0034】
そして、図5(g)に示すように、圧電振動片32の外形から外側の部分として露出した基板11に関して、例えば、フッ酸溶液をエッチング液として、圧電振動片の外形のエッチングを行う(外形エッチング工程)。この外形エッチング工程は、6時間ないし15時間のウエットエッチングで、フッ酸溶液の濃度や種類、温度等により変化する。この実施形態では、エッチング液として、フッ酸、フッ化アンモニウムを用いて、その濃度として容量比1:1、温度65度±1度(摂氏)の条件により、12時間程度でエッチング工程が完了する。
【0035】
すなわち、本実施形態では、従来のように溝形成用レジストの幅寸法が大きくないので、これが折れ曲がって基板11の側面に回りこんで、側面にかぶることがないので、外形エッチング後の外形寸法を設計値とほとんど狂いなく合わせることができ、精密な寸法に形成することができる。
また、溝形成用レジスト14a−1と14b−1のそれぞれ幅は、従来よりも小さいことから、耐蝕膜12−1に対する位置が水平方向にずれても、図14(f−2)、図14(g−2)、図14(i−2)で説明したように、耐蝕膜12−1の外縁からはみ出して折れ曲がることがない。このため、振動腕に対する溝位置がずれることがないので、この点でも精密な加工が可能で、振動性能も向上する。
【0036】
(溝形成のためのハーフエッチング工程)
圧電振動片の外形が形成されたら、次に図5(h)に示すように、振動腕の溝部と細溝の部分の耐蝕膜12−1をヨウ化カリウム等のエッチング液を用いてウエットエッチングにより除去する。
つまり、耐蝕膜12−1は幅方向に12a−1と12b−1に分離され、間に溝を形成すべき開口が形成される。これと同時に耐蝕膜12−1の外縁の溝形成用レジスト14a−1と14b−1から外側に露出した部分も除去されるので、このような露出部分が折れ曲がって基板11の側面を覆うこともない。
これにより、図5(h)に示されているように、耐蝕膜12a−1および12b−1と同じ幅で溝形成用レジスト14a−1と14b−1が重なった状態となり、これらの外縁から基板11の一部が露出している。この露出寸法は、図5(f)で溝形成用レジスト14a−1と14b−1を配置した際に、耐蝕膜12−1の外縁より内側に位置させた寸法と同じである。
この状態でハーフエッチング工程を行う。
【0037】
すなわち、耐蝕膜12−1を除去して露出した基板11について、さらに、図5(i)に示すように、フッ酸溶液等を用いて、振動腕の溝部と細溝の部分のハーフエッチングを行う。
この実施形態では、エッチング液として、フッ酸、フッ化アンモニウムを用いて、その濃度として容量比1:1、温度65度±1度(摂氏)の条件により、30分ないし60分程度でハーフエッチング工程が完了する。
これにより、振動腕の溝57が形成されると同時に、耐蝕膜12a−1,12b−1および溝形成用レジスト14a−1と14b−1の外縁より露出した箇所に関して、図において左側の側面には、面取り部71が形成された凸部73が作られる。また、右側の側面には、異形形状74が形成される。
すなわち、この工程では、上記した露出寸法を利用して、異形形状74とバランスさせることができる面取り部71を備えた凸部73を簡単に形成することができる。
【0038】
次に、図5(j)に示すように、耐蝕膜12a−1,12b−1および溝形成用レジスト14a−1と14b−1を順次除去する。この状態は図3の圧電振動片32の電極が形成されていない状態である。
続いて、図示しないが、全面に電極を形成するための金属膜、例えば、クロムを下地として金を蒸着またはスパッタリング等の手法により形成する。この金属膜は、耐蝕膜と同じ下地層としてのクロム層と、その上に被覆される金被覆層で構成することができる。
その後フォトリソグラフィの手法により、図3で説明したような各電極を形成することにより、図3で説明した構造の圧電振動片32が完成する。
したがって、図3のように完成した圧電振動片32は、図1及び図2に示すように、パッケージ36の内部に、導電性接着剤43を利用して接合される。その後で、このパッケージ36にロウ材(例えば、低融点ガラス)を用いて蓋体39を接合することで、圧電デバイス30を完成することができる。
【0039】
図6は、本発明による圧電デバイスの第2の実施形態としてのジャイロセンサの概略構成を示す概略平面図であり、圧電材料としては第1の実施形態と同じ水晶が使用されている。
図6において、X方向は水晶の電気軸、Y方向は水晶の機械軸、Z方向は水晶の光軸(成長軸)を示している。
図7(a)は、図6のジャイロセンサ80に角速度ωが作用した場合に、各電極間に生じる電界の様子を、図6のD−D線断面図として矢印により示したもので、図7(b)は、図7(a)の等価回路である。
【0040】
図6において、ジャイロセンサ80は、センサ本体81が、圧電材料等を使用したパッケージ98内に収容されており、このパッケージ98内は、第1の実施形態で説明したのとほぼ同様に、センサ本体81を収容できる形態の箱状に形成されており、センサ本体81を励振する励振回路等の駆動手段と、センサ本体81からの振動を検出する回路等を備えている(図示せず)。
【0041】
センサ本体81は、水晶をエッチングして第1の実施形態の圧電振動片と同じ工程により形成されている。図6において、センサ本体81のほぼ正方形の基部82はパッケージ98に対して固定されている。基部82からは、それぞれ左右の方向に基部82と一体に形成された支持部83,83が延びている。支持部83,83は、基部82の一部である。
各支持部83,83の端部には、各支持部83,83の延びる方向と直交する方向に、各支持部83,83の端部を起点として、両方向に延出された励振用振動腕84,84が設けられている。つまり、基部82からその一部である各支持部83,83を介して、励振用振動腕84,84が互いに平行に延びている。そして、各励振用振動腕84,84には、それぞれ長さ方向に並んだ長い溝94,94が設けられており、第1の実施形態と同様に励振電極が形成されている(図示せず)。この溝94,94は、図3で説明した第1の実施形態の溝と同じ構成であり、上述した製造工程と共通する手法でハーフエッチングにより形成されている。
【0042】
さらに、図6において固定部82の上下の辺のほぼ中央部には、上記各支持部83,83の延びる方向と直交する方向に、2つの検出用振動腕85,85が形成されている。一方の検出用振動腕85は、図6において上方に延びており、他方の検出用振動腕85は、図6において下方に延びていて、検出用振動腕85,85と、各支持部83,83の端部に設けられた各励振用振動腕84,84は、互いに平行とされている。
【0043】
図6において、ジャイロセンサ80の励振用振動腕84,84は、駆動手段としての図示しない励振回路から、駆動用電圧が印加されることにより、矢印E,Eに示すように、その先端部どうしが接近したり離間したりするようにして振動する。この際に、図6に示すように、紙面の平面内で固定部82の中心Oの回りに、回転角速度ωが働くと、コリオリの力Fcは、図6のF,Fの方向に働く。この振動は、支持部83,83と固定部82を介して検出用振動腕85,85に伝えられる。つまり、励振用振動腕84,84は、X軸方向の振動の方向と、回転角速度ωとのベクトル積の方向に働くコリオリの力Fcを受けて、次式にしたがって、Y軸に沿って(プラスY方向とマイナスY方向に交互に)振動するようになっている(ウオーク振動)。この振動は支持部83,83を介して検出用振動腕85,85に伝えられる。
Fc=2mV・ω(mは、励振用振動腕84,84の振動部分の質量、Vは励振用振動腕84,84の速度)・・・・・・(1)式
【0044】
これを図7について見ると、検出用振動腕85の上記H方向の振動によって、検出用振動腕85の一方の検出用電極95と他方の検出用電極96の間には、矢印で示すような電界が生じる。この検出用振動腕85の振動に基づく電界は、信号として取り出され、かくして回転角速度ωの検出を行うことができる。
したがって、本実施形態によれば、励振用振動腕84,84にそれぞれ溝94,94,94,94を形成するに際して、上述した工程と同様の構成を利用することにより、寸法精度よく形成することができ、各溝94,94,94,94の形成位置も各振動腕の中央部に正確に位置させて形成することができる。
このため、検出性能に優れたジャイロセンサ80を形成することができる。
【0045】
図8は、本発明の上述した実施形態に係る圧電デバイスを利用した電子機器の一例としてのデジタル式携帯電話装置の概略構成を示す図である。
図において、送信者の音声を受信するマイクロフォン308及び受信内容を音声出力とするためのスピーカ309を備えており、さらに、送受信信号の変調及び復調部に接続された制御部としての集積回路等でなるコントローラ(CPU)301を備えている。
コントローラ301は、送受信信号の変調及び復調の他に画像表示部としてのLCDや情報入力のための操作キー等でなる情報の入出力部302や、RAM,ROM等でなる情報記憶手段(メモリ)303の制御を行うようになっている。このため、コントローラ301には、圧電デバイス30が取り付けられて、その出力周波数をコントローラ301に内蔵された所定の分周回路(図示せず)等により、制御内容に適合したクロック信号として利用するようにされている。このコントローラ301に取付けられる圧電デバイス30は、圧電デバイス30単体でなくても、圧電デバイス30と、所定の分周回路等とを組み合わせた発振器であってもよい。
【0046】
コントローラ301は、さらに、温度補償水晶発振器(TCXO)305と接続され、温度補償水晶発振器305は、送信部307と受信部306に接続されている。これにより、コントローラ301からの基本クロックが、環境温度が変化した場合に変動しても、温度補償水晶発振器305により修正されて、送信部307及び受信部306に与えられるようになっている。
【0047】
このように、デジタル式携帯電話装置300のような電子機器に、上述した実施形態に係る圧電デバイス30を利用することにより、パッケージに収容されている圧電振動片32が寸法精度良く正確に製造されているから、信頼性の高い品質を備えたデジタル式携帯電話装置300を得ることができる。
【0048】
本発明は上述の実施形態に限定されない。各実施形態の各構成はこれらを適宜組み合わせたり、省略し、図示しない他の構成と組み合わせることができる。
また、この発明は、パッケージ内に圧電振動片を収容するものであれば、水晶振動子、水晶発振器、ジャイロ、角度センサ等の名称にかかわらず、全ての圧電振動片とこれを利用した圧電デバイスに適用することができる。
また、上述の実施形態では、パッケージにセラミックを使用した箱状のものを利用しているが、このような形態に限らず、金属製のシリンダー状のケース等のパッケージと同等のものに圧電振動片を収容するものであれば、いかなるパッケージやケースを伴うものについても本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧電デバイスの第1の実施形態を示す概略平面図。
【図2】図1のB−B線概略断面図。
【図3】図1の圧電デバイスのパッケージに収容される圧電振動片の概略斜視図。
【図4】図3のC−C線切断端面図。
【図5】図3の圧電振動片の製造工程の主要部を工程順に示す図。
【図6】本発明の圧電デバイスの第2の実施形態を示す概略平面図。
【図7】図6の圧電デバイスの検出用振動腕のD−D線概略断面図。
【図8】本発明の実施形態に係る圧電デバイスを利用した電子機器の一例としてのデジタル式携帯電話装置の概略構成を示す図。
【図9】従来の圧電振動片の構成例を示す概略斜視図。
【図10】図9のA−A線切断端面図。
【図11】図9の圧電振動片の製造工程を順番に示す工程図。
【図12】図9の圧電振動片の製造工程を順番に示す工程図。
【図13】図9の圧電振動片の製造工程における課題を説明する説明図。
【図14】図9の圧電振動片の製造工程における課題を説明する説明図。
【符号の説明】
30・・・圧電デバイス、32・・・圧電振動片 、34,35・・・振動腕、56,57・・・溝、71・・・面取り部、73・・・凸部、74・・・異形形状、80・・・圧電デバイス(ジャイロセンサ)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電デバイスおよびジャイロセンサ、圧電振動片及び圧電デバイスの製造方法の改良と、圧電デバイスを利用した携帯電話および電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
HDD(ハード・ディスク・ドライブ)、モバイルコンピュータ、あるいはICカード等の小型の情報機器や、携帯電話、自動車電話、またはページングシステム等の移動体通信機器において、パッケージ内に圧電振動片を収容した水晶振動子や水晶発振器等の圧電デバイスが広く使用されている。
図9は、このような圧電デバイスに使用される圧電振動片の公知の構成例を示しており(特許文献1参照)、図9は圧電振動片1の概略斜視図、図10は、図9のA−A線切断端面図である。
【0003】
図において、圧電振動片1は、例えば水晶の単結晶から形成されており、幅広の基部2と、この基部から同じ方向に平行に延びる2本の振動腕3,4とを備えている。振動腕3,4には、それぞれ、表裏面に長さ方向に延びる溝5,6が形成されている。この溝5,6には、図10に示すように、互いに分離され、異極となる励振電極7,8が形成されている。溝5,6内の励振電極7,8は、それぞれ振動腕3,4の両側面に設けられた励振電極8,7と対向されるようになっている。これにより、外部から励振電極7,8に駆動電圧が印加されることで、振動腕3,4内に効率よく電界が発生し、各振動腕3,4は、その先端部を互いに接近・離間されるように屈曲振動するようになっている。そして、このような振動に基づく振動周波数を取り出すことにより、制御用のクロック信号等の基準信号に利用されるようになっている。
【0004】
この圧電振動片1の各振動腕3,4と、これら振動腕3,4の溝5,6は以下の工程により形成されている。
尚、図11ないし図14の工程では、振動腕3と振動腕4の形成工程は共通しており同時に進行するため、振動腕4に対応する箇所だけ、その断面を示して説明する。また、この工程は振動腕4の表裏面について共通なので、煩雑さを避けるため、表面側にだけ符号を付して説明する。
【0005】
図11(a)に示すように、水晶ウエハ等の材料で形成した基板11の全面に、耐蝕膜12とレジスト13を順次塗布して、先ず、振動腕4の外形を形成する工程の準備を行う。
図11(b)に示すように、レジスト13をフォトエッチングにより振動腕4の幅に対応した寸法で残す。次いで図11(c)に示すように、耐蝕膜12をレジスト13の寸法に適合するようにエッチングして、図11(d)に示すように、レジスト13を全て除去する。これにより、耐蝕膜12が振動腕4の幅寸法に残されたことになる。
【0006】
次に、図11(e)に示すように、あらたに溝形成用レジスト14を全面に塗布する。続いて、図12(f)に示されているように、振動腕の中央部に溝を形成するために、溝形成用レジスト14の中央部を除去し、さらに両側の各溝形成用レジスト14a,14bの外縁は、耐蝕膜12の外縁と一致させるように、不要な溝形成用レジスト14を除去する。
次いで、図12(g)に示すように、水晶材料をウエットエッチングすると、図12(g)の点線の部分がエッチングにより除かれるが、この際、振動腕の幅方向の一端側に突出して水晶の異方性によりヒレ状の異形部9が形成される。
また、この外形エッチングの際には、基板11を構成する材料は、耐蝕膜12の外縁より内側に僅かに入り込んでエッチングされる。この現象を「サイドエッチング」と称する。つまり、ここでは、耐蝕膜12の幅よりも僅かに小さな幅に振動腕の外形が形成される。
【0007】
次に、図12(h)に示すように、溝形成用レジスト14a,14bに覆われていない耐蝕膜12を除去し、溝を形成しない部分に耐蝕膜12a,12bとして残す。
これにより露出した基板11の露出面をハーフエッチングすることにより、図12(i)に示すように、溝6を形成する。
最後に、溝形成用レジスト14a,14bと耐蝕膜12a,12bを除去することにより、図12(j)に示すように、溝6を有する振動腕4を形成することができる。
【0008】
【特許文献1】特開2002−76806
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このように製造される圧電振動片1では、以下の理由により、形状の完成精度が低く、振動性能に影響が生じる。
図13(g−1)は、図12で説明した外形形成エッチング工程の一部である図12(g)に対応しており、図13(h−1)は図12(h)に対応している。
すなわち、図12のこれらの工程は理想的な工程の進行を示しているが、実際には、図13のような不具合が生じることがある。
【0010】
図13(g−1)に示されているように、外形形成エッチングにおける水晶材料のウエットエッチングが終了に近づくと、サイドエッチングが進むことで、はみ出した溝形成用レジスト14bと耐蝕膜12の端部が、折れ曲がり、基板11の側面を覆ってしまう。この状態は図13(h−1)の溝のハーフエッチングの際まで残る。この側面を覆ってしまう溝形成用レジスト14bと耐蝕膜12の端部が基板11のサイドエッチングの進行を阻止してしまうので、そのサイドエッチング分を見込んで耐蝕膜12や溝形成用レジスト14の幅を決めておいても、設計どおりの加工寸法とならない。
【0011】
あるいは、図14(f−2)は、図12(f)の工程に対応している。すなわち、図12(f)では、耐蝕膜12に対して、溝形成用レジスト14a,14bが正しい位置となっているが、振動腕はきわめて狭い幅寸法であることから、耐蝕膜12に対して、溝形成用レジスト14a,14bの位置決め(アライメント)が微妙にずれる場合がある。図14(f−2)では、矢印方向に溝形成用レジスト14a,14bの位置がずれている。この状態では溝形成用レジスト14aの幅は溝形成用レジスト14bの幅と同じとならなければいけないのに、溝形成用レジスト14aの幅が溝形成用レジスト14bの幅よりも小さくなった状態で工程が進行する。この結果、溝6の形成位置も矢印方向にずれてしまう。このため、基板11の溝6をはさんだ両側の部分の幅W1とW2で寸法が相違することになり、振動性能に悪影響を与える。
【0012】
本発明は、溝付きの振動腕を備える圧電振動片を、寸法精度よく製造することができる圧電振動片と圧電デバイスの製造方法、およびこれらの方法により形成される圧電デバイス、ジャイロセンサ、ならびに圧電デバイスを利用した携帯電話と電子機器を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述の目的は、第1の発明によれば、基部と、この基部から平行に延びる複数の振動腕とを備え、各振動腕に長さ方向に延びる溝を有する圧電振動片を、圧電材料でなる基板をウエットエッチングすることにより形成する製造方法であって、前記基板をエッチングすることにより外形を形成するための外形エッチング工程と、ハーフエッチングにより前記溝を形成する溝形成工程とを有しており、前記外形エッチング工程が、前記基板に耐蝕膜を形成する工程と、前記耐蝕膜の幅を前記外形とほぼ一致する幅に調整する工程と、前記溝形成工程によりハーフエッチングで除去される溝部分を除く領域に対応して、前記耐蝕膜の上にレジストを配置する溝形成用レジストの塗布工程とを含んでいて、前記溝形成用レジストの塗布工程では、前記調整後の耐蝕膜の外縁よりも内側に前記溝形成用レジストの外縁を配置するようにした、圧電振動片の製造方法により、達成される。
【0014】
第1の発明の構成によれば、前記外形形成エッチング工程とは、水晶ウエハ等の圧電基板から、前記基部と、この基部から延びる各振動腕の外形を形成するためのエッチング工程である。この場合のエッチングは基板からこのような外形を完全に抜くように行うエッチングである。そして、溝形成工程では、外形形成エッチングの後で、溝を形成するためにハーフエッチングする工程である。そして、外形形成エッチング工程では、外形を形成するエッチングを行うとともに、溝のハーフエッチングの準備として、前記耐蝕膜の幅を前記外形とほぼ一致する幅に調整する工程の後で、前記溝形成工程によりハーフエッチングで除去される溝部分を除く領域に対応して、前記耐蝕膜の上にレジストを配置する溝形成用レジストの塗布工程を行う。この溝形成用レジストの塗布工程では、前記調整後の耐蝕膜の外縁よりも内側に前記溝形成用レジストを配置するようにしたので、外形形成エッチングの際に、サイドエッチングの進行によって、耐蝕膜の外縁よりも内側まで基板がエッチングされても、溝形成用レジストの外縁は耐蝕膜の外縁よりも内側に位置しているので、はみ出した溝形成用レジストの端部が折れ曲がり、基板のエッチングされるべき側面を覆うことがない。このため、従来のように、サイドエッチング不足により設計どおりの寸法とならないという事態を有効に回避することができる。
また、溝形成用レジストの塗布工程では、前記調整後の耐蝕膜の外縁よりも内側に前記溝形成用レジストの外縁を配置するようにしたことから、溝形成用レジストの幅が従来よりも狭くなっている。このため、耐蝕膜との関係で位置ずれを生じても、溝形成用に残される耐蝕膜の幅内に収まっていれば、溝形成位置がずれることがない。
かくして、本発明の効果として、溝付きの振動腕を備える圧電振動片を、寸法精度よく製造することができる。
【0015】
第2の発明は、第1の発明の構成において、前記レジストの塗布工程において塗布される前記溝形成用レジストの幅方向の両外縁間の寸法が、前記基板の外形エッチング工程により発生するサイドエッチング量を考慮した寸法に設定されていることを特徴とする。
第2の発明の構成によれば、前記溝形成用レジストの両外縁間の寸法が、前記基板の外形エッチング工程により発生するサイドエッチング量に対して、ほぼ同等だけ耐蝕膜の外縁よりも内側に位置していれば、その折れ曲がりを回避できる。
【0016】
第3の発明は、第2の発明の構成において、前記溝形成用レジストの塗布幅が、前記圧電材料のエッチング異方性に基づく機械軸(X軸)プラス側に形成される異形形状とバランスさせるために設ける機械軸(X軸)マイナス側の面取り凸部を考慮した幅に設定されていることを特徴とする。
第3の発明の構成によれば、前記溝形成用レジストの幅が、前記圧電材料のエッチング異方性に基づく異形形状に対応して耐蝕膜の外縁よりも内側に位置されていると、耐蝕膜を剥離後に、前記異形形状とほぼ対応する面取り凸部を残すことができる。
【0017】
また、上記目的は、第4の発明にあっては、基部と、この基部から平行に延びる複数の振動腕とを備え、各振動腕に長さ方向に延びる溝を有する圧電振動片を、パッケージまたはケース内に収容した圧電デバイスの製造方法であって、前記圧電振動片の製造工程が、前記基板をウエットエッチングすることにより外形を形成するための外形エッチング工程と、ハーフエッチングにより前記溝を形成する溝形成工程とを有しており、前記外形エッチング工程が、前記基板に耐蝕膜を形成する工程と、前記耐蝕膜の幅を前記外形とほぼ一致する幅に調整する工程と、前記溝形成工程によりハーフエッチングで除去される溝部分を除く領域に対応して、前記耐蝕膜の上にレジストを配置する溝形成用レジストの塗布工程とを含んでいて、前記溝形成用レジストの塗布工程では、前記調整後の耐蝕膜の外縁よりも内側に前記溝形成用レジストの外縁を配置するようにした圧電デバイスの製造方法により、達成される。
第4の発明の構成によれば、第1の発明の作用と同様の作用により圧電デバイスに収容された圧電振動片が寸法精度よく製造されることから、優れた振動性能を発揮できる圧電デバイスを得ることができる。
【0018】
さらにまた、上記目的は、第5の発明にあっては、基部と、この基部から平行に延びる複数の振動腕とを備え、各振動腕に長さ方向に延びる溝を有する圧電振動片を収容した圧電デバイスであって、前記圧電振動片が、少なくとも前記振動腕にその幅方向の一方に凸となる異形形状を備えているとともに、前記振動腕の前記一方と反対の方向に突出し、かつ面取りされている凸部を有する圧電デバイスにより、達成される。
第5の発明の構成によれば、前記振動腕に前記異形形状が形成されていると、振動腕のバランスが悪く、屈曲振動に振動腕の厚み方向の動きが作用して、振動性能が悪化する。これに対して、前記振動腕の前記一方と反対の方向に突出する面取りされた凸部を備えていれば、前記異形形状と前記凸部のバランスが向上して、理想的な屈曲振動で振動させることができる。
【0019】
第6の発明は、第5の発明の構成において、前記圧電デバイスがジャイロセンサであることを特徴とする。
第6の発明の構成によれば、検出すべき角速度が作用した場合に、ジャイロセンサが備える圧電振動片は、前記振動腕の前記一方と反対の方向に突出する面取りされた凸部を備えているので、前記異形形状と前記凸部とのバランスが向上して、理想的な屈曲振動で振動し、検出精度が向上する。
【0020】
上記目的は、第7の発明にあっては、パッケージまたはケース内に圧電振動片を収容した圧電デバイスを利用した携帯電話装置であって、前記圧電振動片が、少なくとも前記振動腕にその幅方向の一方に凸となる異形形状を備えているとともに、前記振動腕の前記一方と反対の方向に突出し、かつ面取りされている凸部を備えた面取り部を有する圧電デバイスにより、制御用のクロック信号を得るようにした、携帯電話装置により、達成される。
【0021】
上記目的は、第8の発明のあっては、パッケージまたはケース内に圧電振動片を収容した圧電デバイスを利用した電子機器であって、前記圧電振動片が、少なくとも前記振動腕にその幅方向の一方に凸となる異形形状を備えているとともに、前記振動腕の前記一方と反対の方向に突出し、かつ面取りされている凸部を備えた面取り部を有する圧電デバイスにより、制御用のクロック信号を得るようにした、電子機器により、達成される。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は、本発明の圧電デバイスの第1の実施の形態を示しており、図1はその概略平面図、図2は図1のB−B線概略断面図である。
図において、圧電デバイス30は、水晶振動子を構成した例を示しており、この圧電デバイス30は、パッケージ36内に圧電振動片32を収容している。パッケージ36は、例えば、絶縁材料として、酸化アルミニウム質のセラミックグリーンシートを成形して形成される複数の基板を積層した後、焼結して形成されている。複数の各基板は、その内側に所定の孔を形成することで、積層した場合に内側に所定の内部空間S2を形成するようにされている。
この内部空間S2が圧電振動片32を収容するための収容空間である。
すなわち、図2に示されているように、この実施形態では、パッケージ36は、例えば、下から第1の積層基板61、第2の積層基板62を重ねて形成されている。
【0023】
パッケージ36の内部空間S2内の図において左端部付近において、内部空間S2に露出して内側底部を構成する第1の積層基板61には、例えば、タングステンメタライズ上にニッケルメッキ及び金メッキで形成した電極部31,31が設けられている。
この電極部31,31は、外部と接続されて、駆動電圧を供給するものである。この各電極部31,31の上に導電性接着剤43,43が塗布され、この導電性接着剤43,43の上に圧電振動片32の基部51が載置されて、導電性接着剤43,43が硬化されるようになっている。尚、導電性接着剤43,43としては、接合力を発揮する接着剤成分としての合成樹脂剤に、銀製の細粒等の導電性の粒子を含有させたものが使用でき、シリコーン系、エポキシ系またはポリイミド系導電性接着剤等を利用することができる。
【0024】
圧電振動片32は、後述する製造工程により、圧電材料として、例えば水晶をエッチングして形成されており、本実施形態の場合、圧電振動片32は、小型に形成して、必要な性能を得るために、特に図3の概略斜視図で示す形状とされている。
すなわち、圧電振動片32は、パッケージ36側と固定される基部51と、この基部51を基端として、図において斜め右方に向けて、二股に別れて平行に延びる一対の振動腕34,35を備えており、全体が音叉のような形状とされた、所謂、音叉型圧電振動片が利用されている。
【0025】
圧電振動片32の各振動腕34,35には、それぞれ長さ方向に延びる長い有底の溝56,57が形成されている。この各溝56,57は、図3のC−C線切断端面図である図4に示されているように、各振動腕34,35の表裏両面に形成されている。
さらに、図3において、圧電振動片32の基部51の端部(図3では下端部)の幅方向両端付近には、引き出し電極52,53が形成されている。各引き出し電極52,53は、圧電振動片32の基部51の図示しない裏面にも同様に形成されている。
【0026】
これらの各引き出し電極52,53は、上述したように図1に示されているパッケージ側の電極部31,31と導電性接着剤43,43により接続される部分である。そして、各引き出し電極52,53は、図示されているように、各振動腕34,35の溝56,57内に設けた励振電極54,55と一体に接続されている。また、各励振電極54,55は、図4に示されているように各振動腕34,35の両側面にも形成されており、例えば、振動腕34に関しては、溝56内の励振電極54と、その側面部の励振電極55は互いに異極となるようにされている。また、振動腕35に関しては、溝57内の励振電極55と、その側面部の励振電極54は互いに異極となるようにされている。
【0027】
圧電振動片32の基部51と振動腕34,35との間には、基部51の幅方向に縮幅して設けた切欠き部もしくはくびれ部58,58を設けるようにしている。
これにより、基部51側への圧電振動片32の振動の漏れを防止して、CI(クリスタルインピーダンス)値を低減することができる。
【0028】
さらに、図4に示されているように、圧電振動片の各振動腕34,35の図において右側側面には、水晶等の圧電材料のエッチング異方性により形成されるヒレ状の突起もしくは突条でなる異形形状74が形成されている。これに対して、各振動腕34,35の左側の側面には、それぞれ上下に面取り部71,71を有し、これら面取り部71,71の間が僅かに凸となった凸部73が形成されている。
【0029】
本実施形態は以上のように構成されており、圧電デバイス30の圧電振動片32にあっては、振動腕34,35の一方の側面に異形形状74が形成されているの対して、反対の側面には、凸部73を備えている。この凸部73は、その上下位置が面取り部71,71とされており、凸部73の質量が異形形状74とほぼバランスされるようになっている。このため、従来では、振動腕に異形形状が形成されていると、振動腕のバランスが悪く、屈曲振動に振動腕の厚み方向の振動モードが作用して、振動性能が悪化する。これに対して、この圧電振動片32では異形形状74と凸部73とのバランスが向上して、振動腕の厚み方向であるZ方向の動きを抑制でき、理想的な屈曲振動で振動させることができる。
また、後述する製造工程により形成されるため、寸法精度よく形成されているから、特に振動性能に優れている。
【0030】
次に、図5は、本実施形態の圧電振動片32の製造方法の一例を説明するための主要な工程を示す工程図である。
本実施形態の製造工程において、図11及び図12で説明した従来の製造工程のうち図11の工程は本実施形態と同じであり変更点はない。このため図11の製造工程の説明は本実施形態の説明に援用し、変更点を中心に以下説明することで、本実施形態の圧電振動片32の製造方法を説明し、あわせて圧電デバイス30の製造方法の一例を説明する。
【0031】
尚、従来技術の説明で不足する点を補うと、基板11は、圧電材料のうち、例えば、圧電振動片32を複数もしくは多数分離することができる大きさの水晶ウエハが使用される。この基板11は工程の進行により音叉型の圧電振動片32とした際には、図3に示すX軸が電気軸、Y軸が機械軸及びZ軸が光軸となるように、圧電材料、例えば水晶の単結晶から切り出されることになる。また、水晶の単結晶から切り出す際、上述のX軸、Y軸及びZ軸からなる直交座標系において、X軸回りに、X軸とY軸とからなるXY平面を時計方向に約マイナス5度乃至プラス5度傾けて形成される。
基板11の表面(表裏面)には、スパッタリングもしくは蒸着等の手法により、形成される耐蝕膜12は、例えば、下地層としてのクロム層と、その上に被覆される金被覆層で構成される。
また、図11で使用されたレジスト13としては、例えば、ECA系、PGMEA系のポジ型レジストが好適に使用できる。
【0032】
(外形形成エッチング工程)
図5(f)に示すように、基板11の表裏面の耐蝕膜12−1(従来と同じもの)は、その幅寸法が従来とはことなって設定される。すなわち、この耐蝕膜12−1の幅寸法は、振動腕(この場合、図3の振動腕54を形成する)の幅寸法と一致している。そして、耐蝕膜12−1に重ねた溝形成用レジストを図示のような寸法とする。
【0033】
すなわち、溝形成用レジストは、上述したレジスト13と同じものが使用できるので、図11(e)と同様に塗布しておく。そして、図5(f)の工程では、溝が形成されるべき箇所において、溝幅を間にとって、幅方向に分離された溝形成用レジスト14a−1と14b−1とされる。しかも、各溝形成用レジスト14a−1と14b−1は、図示のように、耐蝕膜12−1の外縁より内側に配置される。
この各溝形成用レジスト14a−1と14b−1の配置位置は、基板11のX軸方向のサイドエッチング量に対して、ほぼ同等だけ耐蝕膜12−1の両側の外縁よりもそれぞれ内側に位置することが好ましい。また、後述するハーフエッチングによる面取り加工が行われることを考慮した寸法に定めることが好ましい。
【0034】
そして、図5(g)に示すように、圧電振動片32の外形から外側の部分として露出した基板11に関して、例えば、フッ酸溶液をエッチング液として、圧電振動片の外形のエッチングを行う(外形エッチング工程)。この外形エッチング工程は、6時間ないし15時間のウエットエッチングで、フッ酸溶液の濃度や種類、温度等により変化する。この実施形態では、エッチング液として、フッ酸、フッ化アンモニウムを用いて、その濃度として容量比1:1、温度65度±1度(摂氏)の条件により、12時間程度でエッチング工程が完了する。
【0035】
すなわち、本実施形態では、従来のように溝形成用レジストの幅寸法が大きくないので、これが折れ曲がって基板11の側面に回りこんで、側面にかぶることがないので、外形エッチング後の外形寸法を設計値とほとんど狂いなく合わせることができ、精密な寸法に形成することができる。
また、溝形成用レジスト14a−1と14b−1のそれぞれ幅は、従来よりも小さいことから、耐蝕膜12−1に対する位置が水平方向にずれても、図14(f−2)、図14(g−2)、図14(i−2)で説明したように、耐蝕膜12−1の外縁からはみ出して折れ曲がることがない。このため、振動腕に対する溝位置がずれることがないので、この点でも精密な加工が可能で、振動性能も向上する。
【0036】
(溝形成のためのハーフエッチング工程)
圧電振動片の外形が形成されたら、次に図5(h)に示すように、振動腕の溝部と細溝の部分の耐蝕膜12−1をヨウ化カリウム等のエッチング液を用いてウエットエッチングにより除去する。
つまり、耐蝕膜12−1は幅方向に12a−1と12b−1に分離され、間に溝を形成すべき開口が形成される。これと同時に耐蝕膜12−1の外縁の溝形成用レジスト14a−1と14b−1から外側に露出した部分も除去されるので、このような露出部分が折れ曲がって基板11の側面を覆うこともない。
これにより、図5(h)に示されているように、耐蝕膜12a−1および12b−1と同じ幅で溝形成用レジスト14a−1と14b−1が重なった状態となり、これらの外縁から基板11の一部が露出している。この露出寸法は、図5(f)で溝形成用レジスト14a−1と14b−1を配置した際に、耐蝕膜12−1の外縁より内側に位置させた寸法と同じである。
この状態でハーフエッチング工程を行う。
【0037】
すなわち、耐蝕膜12−1を除去して露出した基板11について、さらに、図5(i)に示すように、フッ酸溶液等を用いて、振動腕の溝部と細溝の部分のハーフエッチングを行う。
この実施形態では、エッチング液として、フッ酸、フッ化アンモニウムを用いて、その濃度として容量比1:1、温度65度±1度(摂氏)の条件により、30分ないし60分程度でハーフエッチング工程が完了する。
これにより、振動腕の溝57が形成されると同時に、耐蝕膜12a−1,12b−1および溝形成用レジスト14a−1と14b−1の外縁より露出した箇所に関して、図において左側の側面には、面取り部71が形成された凸部73が作られる。また、右側の側面には、異形形状74が形成される。
すなわち、この工程では、上記した露出寸法を利用して、異形形状74とバランスさせることができる面取り部71を備えた凸部73を簡単に形成することができる。
【0038】
次に、図5(j)に示すように、耐蝕膜12a−1,12b−1および溝形成用レジスト14a−1と14b−1を順次除去する。この状態は図3の圧電振動片32の電極が形成されていない状態である。
続いて、図示しないが、全面に電極を形成するための金属膜、例えば、クロムを下地として金を蒸着またはスパッタリング等の手法により形成する。この金属膜は、耐蝕膜と同じ下地層としてのクロム層と、その上に被覆される金被覆層で構成することができる。
その後フォトリソグラフィの手法により、図3で説明したような各電極を形成することにより、図3で説明した構造の圧電振動片32が完成する。
したがって、図3のように完成した圧電振動片32は、図1及び図2に示すように、パッケージ36の内部に、導電性接着剤43を利用して接合される。その後で、このパッケージ36にロウ材(例えば、低融点ガラス)を用いて蓋体39を接合することで、圧電デバイス30を完成することができる。
【0039】
図6は、本発明による圧電デバイスの第2の実施形態としてのジャイロセンサの概略構成を示す概略平面図であり、圧電材料としては第1の実施形態と同じ水晶が使用されている。
図6において、X方向は水晶の電気軸、Y方向は水晶の機械軸、Z方向は水晶の光軸(成長軸)を示している。
図7(a)は、図6のジャイロセンサ80に角速度ωが作用した場合に、各電極間に生じる電界の様子を、図6のD−D線断面図として矢印により示したもので、図7(b)は、図7(a)の等価回路である。
【0040】
図6において、ジャイロセンサ80は、センサ本体81が、圧電材料等を使用したパッケージ98内に収容されており、このパッケージ98内は、第1の実施形態で説明したのとほぼ同様に、センサ本体81を収容できる形態の箱状に形成されており、センサ本体81を励振する励振回路等の駆動手段と、センサ本体81からの振動を検出する回路等を備えている(図示せず)。
【0041】
センサ本体81は、水晶をエッチングして第1の実施形態の圧電振動片と同じ工程により形成されている。図6において、センサ本体81のほぼ正方形の基部82はパッケージ98に対して固定されている。基部82からは、それぞれ左右の方向に基部82と一体に形成された支持部83,83が延びている。支持部83,83は、基部82の一部である。
各支持部83,83の端部には、各支持部83,83の延びる方向と直交する方向に、各支持部83,83の端部を起点として、両方向に延出された励振用振動腕84,84が設けられている。つまり、基部82からその一部である各支持部83,83を介して、励振用振動腕84,84が互いに平行に延びている。そして、各励振用振動腕84,84には、それぞれ長さ方向に並んだ長い溝94,94が設けられており、第1の実施形態と同様に励振電極が形成されている(図示せず)。この溝94,94は、図3で説明した第1の実施形態の溝と同じ構成であり、上述した製造工程と共通する手法でハーフエッチングにより形成されている。
【0042】
さらに、図6において固定部82の上下の辺のほぼ中央部には、上記各支持部83,83の延びる方向と直交する方向に、2つの検出用振動腕85,85が形成されている。一方の検出用振動腕85は、図6において上方に延びており、他方の検出用振動腕85は、図6において下方に延びていて、検出用振動腕85,85と、各支持部83,83の端部に設けられた各励振用振動腕84,84は、互いに平行とされている。
【0043】
図6において、ジャイロセンサ80の励振用振動腕84,84は、駆動手段としての図示しない励振回路から、駆動用電圧が印加されることにより、矢印E,Eに示すように、その先端部どうしが接近したり離間したりするようにして振動する。この際に、図6に示すように、紙面の平面内で固定部82の中心Oの回りに、回転角速度ωが働くと、コリオリの力Fcは、図6のF,Fの方向に働く。この振動は、支持部83,83と固定部82を介して検出用振動腕85,85に伝えられる。つまり、励振用振動腕84,84は、X軸方向の振動の方向と、回転角速度ωとのベクトル積の方向に働くコリオリの力Fcを受けて、次式にしたがって、Y軸に沿って(プラスY方向とマイナスY方向に交互に)振動するようになっている(ウオーク振動)。この振動は支持部83,83を介して検出用振動腕85,85に伝えられる。
Fc=2mV・ω(mは、励振用振動腕84,84の振動部分の質量、Vは励振用振動腕84,84の速度)・・・・・・(1)式
【0044】
これを図7について見ると、検出用振動腕85の上記H方向の振動によって、検出用振動腕85の一方の検出用電極95と他方の検出用電極96の間には、矢印で示すような電界が生じる。この検出用振動腕85の振動に基づく電界は、信号として取り出され、かくして回転角速度ωの検出を行うことができる。
したがって、本実施形態によれば、励振用振動腕84,84にそれぞれ溝94,94,94,94を形成するに際して、上述した工程と同様の構成を利用することにより、寸法精度よく形成することができ、各溝94,94,94,94の形成位置も各振動腕の中央部に正確に位置させて形成することができる。
このため、検出性能に優れたジャイロセンサ80を形成することができる。
【0045】
図8は、本発明の上述した実施形態に係る圧電デバイスを利用した電子機器の一例としてのデジタル式携帯電話装置の概略構成を示す図である。
図において、送信者の音声を受信するマイクロフォン308及び受信内容を音声出力とするためのスピーカ309を備えており、さらに、送受信信号の変調及び復調部に接続された制御部としての集積回路等でなるコントローラ(CPU)301を備えている。
コントローラ301は、送受信信号の変調及び復調の他に画像表示部としてのLCDや情報入力のための操作キー等でなる情報の入出力部302や、RAM,ROM等でなる情報記憶手段(メモリ)303の制御を行うようになっている。このため、コントローラ301には、圧電デバイス30が取り付けられて、その出力周波数をコントローラ301に内蔵された所定の分周回路(図示せず)等により、制御内容に適合したクロック信号として利用するようにされている。このコントローラ301に取付けられる圧電デバイス30は、圧電デバイス30単体でなくても、圧電デバイス30と、所定の分周回路等とを組み合わせた発振器であってもよい。
【0046】
コントローラ301は、さらに、温度補償水晶発振器(TCXO)305と接続され、温度補償水晶発振器305は、送信部307と受信部306に接続されている。これにより、コントローラ301からの基本クロックが、環境温度が変化した場合に変動しても、温度補償水晶発振器305により修正されて、送信部307及び受信部306に与えられるようになっている。
【0047】
このように、デジタル式携帯電話装置300のような電子機器に、上述した実施形態に係る圧電デバイス30を利用することにより、パッケージに収容されている圧電振動片32が寸法精度良く正確に製造されているから、信頼性の高い品質を備えたデジタル式携帯電話装置300を得ることができる。
【0048】
本発明は上述の実施形態に限定されない。各実施形態の各構成はこれらを適宜組み合わせたり、省略し、図示しない他の構成と組み合わせることができる。
また、この発明は、パッケージ内に圧電振動片を収容するものであれば、水晶振動子、水晶発振器、ジャイロ、角度センサ等の名称にかかわらず、全ての圧電振動片とこれを利用した圧電デバイスに適用することができる。
また、上述の実施形態では、パッケージにセラミックを使用した箱状のものを利用しているが、このような形態に限らず、金属製のシリンダー状のケース等のパッケージと同等のものに圧電振動片を収容するものであれば、いかなるパッケージやケースを伴うものについても本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧電デバイスの第1の実施形態を示す概略平面図。
【図2】図1のB−B線概略断面図。
【図3】図1の圧電デバイスのパッケージに収容される圧電振動片の概略斜視図。
【図4】図3のC−C線切断端面図。
【図5】図3の圧電振動片の製造工程の主要部を工程順に示す図。
【図6】本発明の圧電デバイスの第2の実施形態を示す概略平面図。
【図7】図6の圧電デバイスの検出用振動腕のD−D線概略断面図。
【図8】本発明の実施形態に係る圧電デバイスを利用した電子機器の一例としてのデジタル式携帯電話装置の概略構成を示す図。
【図9】従来の圧電振動片の構成例を示す概略斜視図。
【図10】図9のA−A線切断端面図。
【図11】図9の圧電振動片の製造工程を順番に示す工程図。
【図12】図9の圧電振動片の製造工程を順番に示す工程図。
【図13】図9の圧電振動片の製造工程における課題を説明する説明図。
【図14】図9の圧電振動片の製造工程における課題を説明する説明図。
【符号の説明】
30・・・圧電デバイス、32・・・圧電振動片 、34,35・・・振動腕、56,57・・・溝、71・・・面取り部、73・・・凸部、74・・・異形形状、80・・・圧電デバイス(ジャイロセンサ)。
Claims (8)
- 基部と、この基部から平行に延びる複数の振動腕とを備え、各振動腕に長さ方向に延びる溝を有する圧電振動片を、圧電材料でなる基板をウエットエッチングすることにより形成する製造方法であって、
前記基板をエッチングすることにより外形を形成するための外形エッチング工程と、
ハーフエッチングにより前記溝を形成する溝形成工程と
を有しており、
前記外形エッチング工程が、
前記基板に耐蝕膜を形成する工程と、
前記耐蝕膜の幅を前記外形とほぼ一致する幅に調整する工程と、
前記溝形成工程によりハーフエッチングで除去される溝部分を除く領域に対応して、前記耐蝕膜の上にレジストを配置する溝形成用レジストの塗布工程と
を含んでいて、
前記溝形成用レジストの塗布工程では、前記調整後の耐蝕膜の外縁よりも内側に前記溝形成用レジストの外縁を配置するようにした
ことを特徴とする、圧電振動片の製造方法。 - 前記レジストの塗布工程において塗布される前記溝形成用レジストの幅方向の両外縁間の寸法が、前記基板の外形エッチング工程により発生するサイドエッチング量を考慮した寸法に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片の製造方法。
- 前記溝形成用レジストの塗布幅が、前記圧電材料のエッチング異方性に基づく機械軸(X軸)プラス側に形成される異形形状とバランスさせるために設ける機械軸(X軸)マイナス側の面取り凸部を考慮した幅に設定されていることを特徴とする請求項2に記載の圧電振動片の製造方法。
- 基部と、この基部から平行に延びる複数の振動腕とを備え、各振動腕に長さ方向に延びる溝を有する圧電振動片を、パッケージまたはケース内に収容した圧電デバイスの製造方法であって、
前記圧電振動片の製造工程が、
前記基板をウエットエッチングすることにより外形を形成するための外形エッチング工程と、
ハーフエッチングにより前記溝を形成する溝形成工程と
を有しており、
前記外形エッチング工程が、
前記基板に耐蝕膜を形成する工程と、
前記耐蝕膜の幅を前記外形とほぼ一致する幅に調整する工程と、
前記溝形成工程によりハーフエッチングで除去される溝部分を除く領域に対応して、前記耐蝕膜の上にレジストの外縁を配置する溝形成用レジストの塗布工程と
を含んでいて、
前記溝形成用レジストの塗布工程では、前記調整後の耐蝕膜の外縁よりも内側に前記溝形成用レジストを配置するようにした
ことを特徴とする圧電デバイスの製造方法。 - 基部と、この基部から平行に延びる複数の振動腕とを備え、各振動腕に長さ方向に延びる溝を有する圧電振動片を収容した圧電デバイスであって、
前記圧電振動片が、少なくとも前記振動腕にその幅方向の一方に凸となる異形形状を備えているとともに、前記振動腕の前記一方と反対の方向に突出し、かつ面取りされている凸部を有する
ことを特徴とする圧電デバイス。 - 前記圧電デバイスがジャイロセンサであることを特徴とする請求項5に記載の圧電デバイス。
- パッケージまたはケース内に圧電振動片を収容した圧電デバイスを利用した携帯電話装置であって、
前記圧電振動片が、少なくとも前記振動腕にその幅方向の一方に凸となる異形形状を備えているとともに、前記振動腕の前記一方と反対の方向に突出し、かつ面取りされている凸部を備えた面取り部を有する圧電デバイスにより、制御用のクロック信号を得るようにしたことを特徴とする、携帯電話装置。 - パッケージまたはケース内に圧電振動片を収容した圧電デバイスを利用した電子機器であって、
前記圧電振動片が、少なくとも前記振動腕にその幅方向の一方に凸となる異形形状を備えているとともに、前記振動腕の前記一方と反対の方向に突出し、かつ面取りされている凸部を備えた面取り部を有する圧電デバイスにより、制御用のクロック信号を得るようにしたことを特徴とする、電子機器。
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