JP2004349010A - 燃料電池装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池の故障と誤って扱ってしまうのを防止すること。
【解決手段】複数のセル1aを備える燃料電池本体部1、および、その燃料電池本体部1の運転を制御する運転制御手段2を備える燃料電池3が搭載され、運転制御手段2が、燃料電池本体部1を運転させた状態において、複数のセル1aの夫々について出力電圧値を監視して、それら複数の出力電圧値のうちでのばらつき値が異常判定値以上となると、異常状態であると判別するように構成されている燃料電池装置であって、運転制御手段2が、新品状態からの燃料電池本体部の積算運転時間が設定時間に達するまでは、ばらつき値が異常判定値よりも大きい値の新品用の異常判定値以上となると、異常状態であると判別するように構成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】複数のセル1aを備える燃料電池本体部1、および、その燃料電池本体部1の運転を制御する運転制御手段2を備える燃料電池3が搭載され、運転制御手段2が、燃料電池本体部1を運転させた状態において、複数のセル1aの夫々について出力電圧値を監視して、それら複数の出力電圧値のうちでのばらつき値が異常判定値以上となると、異常状態であると判別するように構成されている燃料電池装置であって、運転制御手段2が、新品状態からの燃料電池本体部の積算運転時間が設定時間に達するまでは、ばらつき値が異常判定値よりも大きい値の新品用の異常判定値以上となると、異常状態であると判別するように構成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のセルを備える燃料電池本体部、および、その燃料電池本体部の運転を制御する運転制御手段を備える燃料電池が搭載され、
前記運転制御手段が、前記燃料電池本体部を運転させた状態において、前記複数のセルの夫々について出力電圧値を監視して、それら複数の出力電圧値のうちでのばらつき値が異常判定値以上となる異常状態であるか否かを判別するように構成されている燃料電池装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のような燃料電池装置を搭載した燃料電池搭載車は、運転制御手段が燃料電池本体部を運転させることにより、走行駆動用の電動モータに電力を供給し、その走行駆動用の電動モータを駆動源として車体を走行させる電気自動車として構成され、運転制御手段が、燃料電池本体部を運転させた状態において、複数のセルの夫々について出力電圧値を監視して、それら複数の出力電圧値のうちでのばらつき値が異常判定値以上となると、異常状態であると判別して、燃料電池の故障と扱うようにしているものである。
【0003】
上記のような燃料電池装置において、従来では、運転制御手段が、燃料電池本体部を運転させた状態において、複数のセルの夫々について出力電圧値を検出し、それらの複数の出力電圧値の平均値と各セルについての出力電圧値との差電圧値の夫々をばらつき値として求めて、求めた複数のばらつき値のうちのいずれかが異常判定値以上となると異常状態であると判別して、燃料電池の故障と扱うようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−243882号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような燃料電池装置では、運転制御手段が、単に、前記ばらつき値が異常判定値以上となると、異常状態であると判別しているので、どのような状況下であっても、前記ばらつき値が異常判定値以上となることにより、故障と扱われてしまい、未だ故障と扱わなくてもよいときにも、燃料電池の故障と扱ってしまう虞があった。
【0006】
未だ故障と扱わなくてもよいときにも、燃料電池の故障と扱ってしまう点について説明を加えると、例えば、燃料電池が固体高分子型の場合を例に挙げると、新品状態からの燃料電池本体部の積算運転時間が短いときには、イオン交換膜がなじんでいないことに起因して、複数のセルの夫々についての出力電圧値にばらつきが生じることになる。
また、燃料電池本体の運転を停止してから運転が再開されるまでの非運転時間が長くなったときには、イオン交換膜が乾燥していることに起因して、複数のセルの夫々についての出力電圧値にばらつきが生じることになる。
したがって、新品状態からの燃料電池本体部の積算運転時間が短いときや、燃料電池本体の運転を停止してから運転が再開されるまでの非運転時間が長くなったときには、燃料電池の故障以外の原因によって、複数のセルの夫々についての出力電圧値にばらつきが生じて、複数の出力電圧値のうちでのばらつき値が異常判定値以上となることがあり、このような場合には、未だ故障と扱わなくてもよいときにも、燃料電池の故障と扱ってしまうことになる。
【0007】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、燃料電池の故障と誤って扱ってしまうのを防止することができる燃料電池装置を提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に記載の発明によれば、複数のセルを備える燃料電池本体部、および、その燃料電池本体部の運転を制御する運転制御手段を備える燃料電池が搭載され、
前記運転制御手段が、前記燃料電池本体部を運転させた状態において、前記複数のセルの夫々について出力電圧値を監視して、それら複数の出力電圧値のうちでのばらつき値が異常判定値以上となる異常状態であるか否かを判別するように構成されている燃料電池装置において、
前記運転制御手段が、新品状態からの前記燃料電池本体部の積算運転時間が設定時間に達するまでは、前記ばらつき値が前記異常判定値よりも大きい値の新品用の異常判定値以上となると、前記異常状態であると判別するように構成されている。
【0009】
すなわち、運転制御手段は、新車状態からの燃料電池本体部の積算運転時間が設定時間に達するまでは、前記ばらつき値が異常判定値よりも大きい値の新品用の異常判定値以上となると、異常状態であると判別して、燃料電池の故障と扱い、新品状態からの燃料電池本体部の積算運転時間が設定時間に達したあとには、前記ばらつき値が異常判定値以上となると、異常状態であると判別して、燃料電池の故障と扱うことになる。
したがって、新品状態からの燃料電池本体部の積算運転時間が設定時間に達するまでは、イオン交換膜がなじんでいないことに起因して、複数のセルの夫々についての出力電圧値にばらつきが生じて、前記ばらつき値が異常判定値以上となっても、燃料電池の故障と扱われず、燃料電池の故障に起因して、前記ばらつき値が異常判定値よりも大きい値の新品用の異常判定値以上となってはじめて、燃料電池の故障と扱われることになる。
【0010】
ちなみに、複数の出力電圧値のうちでのばらつき値は、複数のセルの夫々についての出力電圧値のばらつき度合いを示す値であればよく、例えば、複数のセルの夫々についての出力電圧値の平均値と各セルについての出力電圧値との差電圧値の夫々をばらつき値として求めたり、複数のセルの夫々についての出力電圧値のうち、最大出力電圧値と最小出力電圧値との差電圧値をばらつき値として求めることができる。
【0011】
以上のことから、燃料電池の故障以外の原因によって、複数のセルの夫々についての出力電圧値にばらつきが生じる未だ故障と扱わなくてもよいときにも、燃料電池の故障と扱ってしまうのを防止することができることとなって、燃料電池の故障と誤って扱ってしまうのを防止することができる燃料電池装置を提供できるに至った。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、複数のセルを備える燃料電池本体部、および、その燃料電池本体部の運転を制御する運転制御手段を備える燃料電池が搭載され、
前記運転制御手段が、前記燃料電池本体部を運転させた状態において、前記複数のセルの夫々について出力電圧値を監視して、それら複数の出力電圧値のうちでのばらつき値が異常判定値以上となる異常状態であるか否かを判別するように構成されている燃料電池装置において、
前記運転制御手段は、前記燃料電池本体部の運転を停止してから運転が再開されるまでの非運転時間が設定時間以上の場合には、前記ばらつき値が前記異常判定値よりも大きい値の長時間停止用の異常判定値以上となると、前記異常状態であると判別するように構成されている。
【0013】
すなわち、運転制御手段は、燃料電池本体部の運転を停止してから運転が再開されるまでの非運転時間が設定時間未満の場合には、前記ばらつき値が異常判定値以上となると、異常状態であると判別して、燃料電池の故障と扱い、前記非運転時間が設定時間以上の場合には、前記ばらつき値が異常判定値よりも大きい値の長時間停止用の異常判定値以上となってはじめて、異常状態であると判別して、燃料電池の故障と扱うことになる。
したがって、前記非運転時間が設定時間以上の場合には、イオン交換膜が乾燥していることに起因して、複数のセルの夫々についての出力電圧値にばらつきが生じて、前記ばらつき値が異常判定値以上となっても、燃料電池の故障と扱われず、燃料電池の故障に起因して、前記ばらつき値が異常判定値よりも大きい値の長時間停止用の異常判定値以上となってはじめて、燃料電池の故障と扱われることになる。
【0014】
ちなみに、請求項1の発明において説明した如く、複数の出力電圧値のうちでのばらつき値は、複数のセルの夫々についての出力電圧値のばらつき度合いを示す値であればよく、例えば、複数のセルの夫々についての出力電圧値の平均値と各セルについての出力電圧値との差電圧値の夫々をばらつき値として求めたり、複数のセルの夫々についての出力電圧値のうち、最大出力電圧値と最小出力電圧値との差電圧値をばらつき値として求めることができる。
【0015】
以上のことから、燃料電池の故障以外の原因によって、複数のセルの夫々についての出力電圧値にばらつきが生じる未だ故障と扱わなくてもよいときにも、燃料電池の故障と扱ってしまうのを防止することができることとなって、燃料電池の故障と誤って扱ってしまうのを防止することができる燃料電池装置を提供できるに至った。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる燃料電池装置を搭載した燃料電池搭載車について図面に基づいて説明する。
この燃料電池搭載車は、複数のセル1aを備える燃料電池本体部1、および、その燃料電池本体部1の運転を制御する運転制御手段としての運転制御部2を備える燃料電池としての燃料電池システム3が搭載され、運転制御部2が燃料電池本体を運転させることにより、燃料電池本体1から走行駆動用の電動モータ4に電力を供給して、その電動モータ4を駆動源として車体を走行させる電気自動車として構成されている。
前記燃料電池本体部1は、例えば、100個のセル1aを積層状態で設けて、詳述はしないが、複数のセル1aの夫々において、燃料ガスとしての水素ガスと酸素含有ガスとしての空気とが夫々供給されて、水素と酸素との電気化学的な反応により発電を行う固体高分子型の燃料電池にて構成されている。
【0017】
ちなみに、図示はしないが、燃料電池本体部1とは別に2次電池として充電可能なバッテリーが搭載され、走行駆動用の電動モータ4の作動を制御するためのモータ制御部も設けられ、図1においては、電動モータ4、バッテリー、モータ制御部などを負荷として示している。
そして、燃料電池本体部1の発電が停止してもこのバッテリーの電力により走行可能で、バッテリーの充電状態が十分であれば燃料電池本体部1の発電を停止させることで水素ガスの消費量を抑制するようにしたり、車体走行中にブレーキ操作によって減速するときに電動モータ4から発生する回生電力をバッテリーに充電することができるように構成されている。
また、モータ制御部は、アクセルペダルの踏み込み量の情報及び車速の検出情報等に基づいて目標走行駆動力を求め、その目標走行駆動力を出力するように走行駆動用の電動モータ4の作動を制御するように構成されている。
【0018】
前記燃料電池システム3は、複数のセル1aを備えて発電作動する燃料電池本体部1、燃料電池本体部1に水素を供給するための水素ボンベ5、燃料電池本体部1に空気を供給するためのモータ駆動式のコンプレッサ6、燃料電池本体部1から排出される水素ガスや空気、および、電気化学反応により発生した水などを外部に排出させるための排気管7、燃料電池本体部1を冷却するための放熱用のラジエータ8などを備えて構成されている。
【0019】
前記水素ボンベ5は、燃料電池本体部1に供給するための燃料ガスの一例である水素ガスを高圧状態で充填した状態で貯蔵するように構成されている。
そして、この水素ボンベ5から水素ガス供給路9を通して水素ガスを燃料電池本体部1に供給するように構成され、この水素ガス供給路9には、レギュレータ10、電磁遮断弁11などが設けられている。
なお、水素ボンベ5内の水素貯蔵量が減ったときには水素ガスを充填する必要があるが、水素ガスの充填作業は図示しない充填用の供給路を通して行われる。
【0020】
前記燃料電池本体部1から排出される水素ガスを水素排気路12を通して排気管7に供給して、外部に排出させるように構成され、水素排気路12には、その経路を開閉自在な水素排気遮断弁13が設けられている。
前記燃料電池本体部1の電気化学反応により発生した水も水素ガスとともに水素排気路12を通して外部に排出するように構成され、水素排気遮断弁13は、通常は閉状態であり、設定時間が経過するごとに経路を開放させて水素ガスや水を排出させるようにしている。
【0021】
前記モータ駆動式のコンプレッサ6は、エアークリーナ14および吸気路15を通して車体外部から空気を吸引するとともに、その空気を空気供給路16を通して燃料電池本体部1に供給するように構成されている。
また、このコンプレッサ6から空気供給路16を通して供給される空気は加湿器17にて加湿された後に燃料電池本体部1に供給される。
【0022】
前記燃料電池本体部1から排出される空気を空気排気路18を通して排気管7に供給して、外部に排出させるように構成されている。
そして、空気排気路18には、排気管7よりも空気流動方向上手側の途中箇所に水素排気路12の排出側端部が連通接続され、この接続箇所にて、燃料電池本体部1から排出される空気と、燃料電池本体部1から排出される水素ガスが合流した合流ガスが水を含む状態で排気管7を通して外部に排出させるように構成されている。
【0023】
前記燃料電池本体部1の内部を冷却するための冷却水を冷却水循環路19を通してラジエータ8との間で循環通流させるように構成され、冷却水循環路19には、冷却水を強制的に循環通流させる循環ポンプ20が設けられている。
【0024】
前記運転制御部2は、マイクロコンピュータを利用して、各部に備えられる各種のセンサ類の検出情報に基づいて、コンプレッサ6、循環ポンプ20、および、各部に備えられる各種の弁など、燃料電池システム3全体の運転作動を制御するように構成されている。
また、運転制御部2は、燃料電池本体部1を運転させた状態において、複数のセル1aの夫々について出力電圧値を監視して、それら複数の出力電圧値のうちでのばらつき値を求めて、そのばらつき値が設定値以上となると、燃料電池本体部1の運転を停止して、燃料電池システム3の故障と扱うように構成されている。
【0025】
前記運転制御部2において、前記ばらつき値に基づいて燃料電池本体部1の運転を停止させる構成について説明を加えると、運転制御部2は、燃料電池本体部1を運転させているときに、常時、複数のセル1aの夫々についての出力電圧値を検出して、それら複数の出力電圧値の平均値と各セル1aについての出力電圧値との差電圧値の夫々をばらつき値として求めるようにしている。
【0026】
そして、運転制御部2は、新品状態、すなわち新車状態からの燃料電池本体部1の積算運転時間が設定時間(例えば、1時間)に達するまでは、前記ばらつき値が異常判定値よりも大きい値の新車用の異常判定値以上となると、異常状態であると判別して、燃料電池本体部1の運転を停止させ、新車状態からの燃料電池本体部の積算運転時間が設定時間(例えば、1時間)に達したあとには、前記ばらつき値が異常判定値以上となると、異常状態であると判別して、燃料電池本体部1の運転を停止させるように構成されている。
【0027】
説明を加えると、運転制御部2は、新車状態からの燃料電池本体部1の積算運転時間が設定時間(例えば、1時間)に達するまでは、求めた複数のばらつき値のうちのいずれかが新車用の異常判定値以上となると、異常状態であると判別して、燃料電池本体部1の運転を停止させるようにしている。
また、運転制御部2は、新車状態からの燃料電池本体部の積算運転時間が設定時間(例えば、1時間)に達したあとには、求めた複数のばらつき値のうちのいずれかが異常判定値以上となると、異常状態であると判別して、燃料電池本体部1の運転を停止させるようにしている。
【0028】
ただし、新車用の異常判定値は、新品用の異常判定値であり、例えば、複数の出力電圧値の平均値の15パーセント程度に設定され、異常判定値は、例えば、複数の出力電圧値の平均値の10パーセント程度に設定され、新車用の異常判定値の方が、異常判定値よりも大きい値が設定されている。
【0029】
また、運転制御部2は、燃料電池本体部1の運転を停止してから運転が再開されるまでの非運転時間が設定時間未満の場合には、前記ばらつき値が異常判定値以上となると、異常状態であると判別して、燃料電池本体部1の運転を停止させ、前記非運転時間が設定時間以上の場合には、前記ばらつき値が異常判定値よりも大きい値の長時間停止用の異常判定値以上となると、異常状態であると判別して、燃料電池本体部1の運転を停止させるように構成されている。
【0030】
説明を加えると、運転制御部2は、新車状態からの燃料電池本体部1の積算運転時間が設定時間(例えば、1時間)に達したあとにおいて、燃料電池本体部1の運転を停止してから運転が再開されるまでの非運転時間が設定時間未満の場合には、求めた複数のばらつき値のうちのいずれかが異常判定値以上となると、異常状態であると判別して、燃料電池本体部1の運転を停止させるようにしている。
また、運転制御部2は、新車状態からの燃料電池本体部1の積算運転時間が設定時間(例えば、1時間)に達したあとにおいて、前記非運転時間が設定時間以上の場合には、燃料電池本体部1の運転を再開させてから設定時間(例えば、1時間)が経過するまで、求めた複数のばらつき値のうちのいずれかが長時間停止用の異常判定値以上となると、異常状態であると判別して、燃料電池本体部1の運転を停止させるようにしている。
【0031】
ただし、長時間停止用の異常判定値は、例えば、複数の出力電圧値の平均値の15パーセント程度に設定され、異常判定値は、例えば、複数の出力電圧値の平均値の10パーセント程度に設定され、長時間停止用の異常判定値の方が、異常判定値よりも大きい値が設定されている。
【0032】
ちなみに、運転制御部2は、新車状態からの燃料電池本体部1の積算運転時間や燃料電池本体部1の運転を停止してから運転が再開されるまでの非運転時間については、タイマーなどにて計時するように構成されている。
【0033】
前記運転制御部2が前記ばらつき値に基づいて燃料電池本体部1の運転を停止させる動作について、図2のフローチャートに基づいて説明を加える。
まず、新車状態からの燃料電池本体部1の積算運転時間が設定時間(例えば、1時間)に達していなければ、求めた複数のばらつき値のうちのいずれかが新車用の異常判定値以上となると、燃料電池本体部1の運転を停止させる(ステップ1〜3)。
そして、新車状態からの燃料電池本体部1の積算運転時間が設定時間(例えば、1時間)に達したあとにおいて、燃料電池本体部1の運転を停止してから運転が再開されるまでの非運転時間が設定時間未満の場合には(ステップ1,4)、求めた複数のばらつき値のうちのいずれかが異常判定値以上となると、燃料電池本体部1の運転を停止させる(ステップ5,3)。
【0034】
新車状態からの燃料電池本体部1の積算運転時間が設定時間(例えば、1時間)に達したあとにおいて、前記非運転時間が設定時間以上の場合で、燃料電池本体部1の運転を再開してから設定時間(例えば、1時間)が経過していなければ(ステップ1,4,6)、求めた複数のばらつき値のうちのいずれかが長時間停止用の異常判定値以上となると、燃料電池本体部1の運転を停止させる(ステップ7,3)。
また、新車状態からの燃料電池本体部1の積算運転時間が設定時間(例えば、1時間)に達したあとにおいて、前記非運転時間が設定時間以上の場合でも、燃料電池本体部1の運転を再開してから設定時間(例えば、1時間)が経過していると(ステップ1,4,6)、求めたばらつき値のうちのいずれかが異常判定値以上となると、燃料電池本体部1の運転を停止させる(ステップ5,3)。
【0035】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、運転制御部2が、複数の出力電圧値のうちでのばらつき値が異常判定値に基づいて異常状態であるか否かを判別する構成として、新車状態からの燃料電池本体部1の積算運転時間が設定時間(例えば、1時間)に達するまでは、前記ばらつき値が異常判定値よりも大きい値の新車用の異常判定値以上となると、異常状態であると判別する構成と、燃料電池本体部1の運転を停止してから運転が再開されるまでの非運転時間が設定時間未満の場合には、前記ばらつき値が異常判定値以上となると、異常状態であると判別する構成とを採用しているが、いずれか一方の構成のみを採用して実施することが可能である。
【0036】
すなわち、運転制御部2を、新車状態からの燃料電池本体部1の積算運転時間が設定時間(例えば、1時間)に達するまでは、前記ばらつき値が異常判定値よりも大きい値の新車用の異常判定値以上となると、異常状態であると判別するように構成したり、逆に、運転制御部2を、燃料電池本体部1の運転を停止してから運転が再開されるまでの非運転時間が設定時間未満の場合には、前記ばらつき値が異常判定値以上となると、異常状態であると判別するように構成する。
【0037】
(2)上記実施形態では、新車用の異常判定値と長時間停止用の異常判定値を、例えば、複数の出力電圧値の平均値の15パーセント程度に設定して、同様の値としているが、新車用の異常判定値と長時間停止用の異常判定値とが、異常判定値よりも大きい値であれば、異なる値としてもよい。
【0038】
(3)上記実施形態では、運転制御部2が、燃料電池本体部1を運転させているときに、常時、複数のセル1aの夫々についての出力電圧値を検出して、それら複数の出力電圧値の平均値と各セル1aについての出力電圧値との差電圧値の夫々をばらつき値として求めるようにしているが、ばらつき値については、複数のセル1aの夫々についての出力電圧値のばらつき度合いを示す値であればよく、例えば、複数のセル1aの夫々についての出力電圧値のうち、最大出力電圧値と最小出力電圧値との差電圧値をばらつき値として求めることも可能である。
【0039】
(4)上記実施形態では、新車用の異常判定値が、時間経過にかかわらず、一定の値としているが、新車用の異常判定値を時間経過に伴って変更してもよい。
例えば、燃料電池本体部1の積算運転時間時間が大きくなるほど、新車用の異常判定値が小さくなるように、新車用の異常判定値を時間経過に伴って段階的にまたは比例的に小さくなるように設定して実施することも可能である。
【0040】
(5)上記実施形態では、長時間停止用の異常判定値が、時間経過にかかわらず、一定の値としているが、長時間停止用の異常判定値を時間経過に伴って変更してもよい。
例えば、燃料電池本体部1の運転を再開させてからの経過時間が大きくなるほど、長時間停止用の異常判定値が小さくなるように、長時間停止用の異常判定値を時間経過に伴って段階的にまたは比例的に小さくなるように設定して実施することも可能である。
【0041】
(6)上記実施形態では、運転制御部2が、異常状態であると判別すると、燃料電池本体部1の運転を停止させるようにしているが、異常状態であると判別することにより行う異常用処理については適宜変更が可能であり、例えば、警報ランプを点灯させたり、燃料電池本体部1の出力を抑えるなど、各種の異常用処理を行うことが可能である。
【0042】
(7)上記実施形態では、積算運転時間を、タイマーなどの計時により時間としているが、例えば、キーの投入回数や積算走行距離など、時間以外の情報にて代用することも可能である。
【0043】
(8)上記実施形態では、本発明にかかる燃料電池装置を搭載した燃料電池搭載車を例示したが、単なる燃料電池装置として実施することも可能であり、燃料電池装置を搭載する対象についても適宜変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料電池搭載車の概略構成図
【図2】運転制御部の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
1 燃料電池本体部
1a セル
2 運転制御手段
3 燃料電池
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のセルを備える燃料電池本体部、および、その燃料電池本体部の運転を制御する運転制御手段を備える燃料電池が搭載され、
前記運転制御手段が、前記燃料電池本体部を運転させた状態において、前記複数のセルの夫々について出力電圧値を監視して、それら複数の出力電圧値のうちでのばらつき値が異常判定値以上となる異常状態であるか否かを判別するように構成されている燃料電池装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のような燃料電池装置を搭載した燃料電池搭載車は、運転制御手段が燃料電池本体部を運転させることにより、走行駆動用の電動モータに電力を供給し、その走行駆動用の電動モータを駆動源として車体を走行させる電気自動車として構成され、運転制御手段が、燃料電池本体部を運転させた状態において、複数のセルの夫々について出力電圧値を監視して、それら複数の出力電圧値のうちでのばらつき値が異常判定値以上となると、異常状態であると判別して、燃料電池の故障と扱うようにしているものである。
【0003】
上記のような燃料電池装置において、従来では、運転制御手段が、燃料電池本体部を運転させた状態において、複数のセルの夫々について出力電圧値を検出し、それらの複数の出力電圧値の平均値と各セルについての出力電圧値との差電圧値の夫々をばらつき値として求めて、求めた複数のばらつき値のうちのいずれかが異常判定値以上となると異常状態であると判別して、燃料電池の故障と扱うようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−243882号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような燃料電池装置では、運転制御手段が、単に、前記ばらつき値が異常判定値以上となると、異常状態であると判別しているので、どのような状況下であっても、前記ばらつき値が異常判定値以上となることにより、故障と扱われてしまい、未だ故障と扱わなくてもよいときにも、燃料電池の故障と扱ってしまう虞があった。
【0006】
未だ故障と扱わなくてもよいときにも、燃料電池の故障と扱ってしまう点について説明を加えると、例えば、燃料電池が固体高分子型の場合を例に挙げると、新品状態からの燃料電池本体部の積算運転時間が短いときには、イオン交換膜がなじんでいないことに起因して、複数のセルの夫々についての出力電圧値にばらつきが生じることになる。
また、燃料電池本体の運転を停止してから運転が再開されるまでの非運転時間が長くなったときには、イオン交換膜が乾燥していることに起因して、複数のセルの夫々についての出力電圧値にばらつきが生じることになる。
したがって、新品状態からの燃料電池本体部の積算運転時間が短いときや、燃料電池本体の運転を停止してから運転が再開されるまでの非運転時間が長くなったときには、燃料電池の故障以外の原因によって、複数のセルの夫々についての出力電圧値にばらつきが生じて、複数の出力電圧値のうちでのばらつき値が異常判定値以上となることがあり、このような場合には、未だ故障と扱わなくてもよいときにも、燃料電池の故障と扱ってしまうことになる。
【0007】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、燃料電池の故障と誤って扱ってしまうのを防止することができる燃料電池装置を提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に記載の発明によれば、複数のセルを備える燃料電池本体部、および、その燃料電池本体部の運転を制御する運転制御手段を備える燃料電池が搭載され、
前記運転制御手段が、前記燃料電池本体部を運転させた状態において、前記複数のセルの夫々について出力電圧値を監視して、それら複数の出力電圧値のうちでのばらつき値が異常判定値以上となる異常状態であるか否かを判別するように構成されている燃料電池装置において、
前記運転制御手段が、新品状態からの前記燃料電池本体部の積算運転時間が設定時間に達するまでは、前記ばらつき値が前記異常判定値よりも大きい値の新品用の異常判定値以上となると、前記異常状態であると判別するように構成されている。
【0009】
すなわち、運転制御手段は、新車状態からの燃料電池本体部の積算運転時間が設定時間に達するまでは、前記ばらつき値が異常判定値よりも大きい値の新品用の異常判定値以上となると、異常状態であると判別して、燃料電池の故障と扱い、新品状態からの燃料電池本体部の積算運転時間が設定時間に達したあとには、前記ばらつき値が異常判定値以上となると、異常状態であると判別して、燃料電池の故障と扱うことになる。
したがって、新品状態からの燃料電池本体部の積算運転時間が設定時間に達するまでは、イオン交換膜がなじんでいないことに起因して、複数のセルの夫々についての出力電圧値にばらつきが生じて、前記ばらつき値が異常判定値以上となっても、燃料電池の故障と扱われず、燃料電池の故障に起因して、前記ばらつき値が異常判定値よりも大きい値の新品用の異常判定値以上となってはじめて、燃料電池の故障と扱われることになる。
【0010】
ちなみに、複数の出力電圧値のうちでのばらつき値は、複数のセルの夫々についての出力電圧値のばらつき度合いを示す値であればよく、例えば、複数のセルの夫々についての出力電圧値の平均値と各セルについての出力電圧値との差電圧値の夫々をばらつき値として求めたり、複数のセルの夫々についての出力電圧値のうち、最大出力電圧値と最小出力電圧値との差電圧値をばらつき値として求めることができる。
【0011】
以上のことから、燃料電池の故障以外の原因によって、複数のセルの夫々についての出力電圧値にばらつきが生じる未だ故障と扱わなくてもよいときにも、燃料電池の故障と扱ってしまうのを防止することができることとなって、燃料電池の故障と誤って扱ってしまうのを防止することができる燃料電池装置を提供できるに至った。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、複数のセルを備える燃料電池本体部、および、その燃料電池本体部の運転を制御する運転制御手段を備える燃料電池が搭載され、
前記運転制御手段が、前記燃料電池本体部を運転させた状態において、前記複数のセルの夫々について出力電圧値を監視して、それら複数の出力電圧値のうちでのばらつき値が異常判定値以上となる異常状態であるか否かを判別するように構成されている燃料電池装置において、
前記運転制御手段は、前記燃料電池本体部の運転を停止してから運転が再開されるまでの非運転時間が設定時間以上の場合には、前記ばらつき値が前記異常判定値よりも大きい値の長時間停止用の異常判定値以上となると、前記異常状態であると判別するように構成されている。
【0013】
すなわち、運転制御手段は、燃料電池本体部の運転を停止してから運転が再開されるまでの非運転時間が設定時間未満の場合には、前記ばらつき値が異常判定値以上となると、異常状態であると判別して、燃料電池の故障と扱い、前記非運転時間が設定時間以上の場合には、前記ばらつき値が異常判定値よりも大きい値の長時間停止用の異常判定値以上となってはじめて、異常状態であると判別して、燃料電池の故障と扱うことになる。
したがって、前記非運転時間が設定時間以上の場合には、イオン交換膜が乾燥していることに起因して、複数のセルの夫々についての出力電圧値にばらつきが生じて、前記ばらつき値が異常判定値以上となっても、燃料電池の故障と扱われず、燃料電池の故障に起因して、前記ばらつき値が異常判定値よりも大きい値の長時間停止用の異常判定値以上となってはじめて、燃料電池の故障と扱われることになる。
【0014】
ちなみに、請求項1の発明において説明した如く、複数の出力電圧値のうちでのばらつき値は、複数のセルの夫々についての出力電圧値のばらつき度合いを示す値であればよく、例えば、複数のセルの夫々についての出力電圧値の平均値と各セルについての出力電圧値との差電圧値の夫々をばらつき値として求めたり、複数のセルの夫々についての出力電圧値のうち、最大出力電圧値と最小出力電圧値との差電圧値をばらつき値として求めることができる。
【0015】
以上のことから、燃料電池の故障以外の原因によって、複数のセルの夫々についての出力電圧値にばらつきが生じる未だ故障と扱わなくてもよいときにも、燃料電池の故障と扱ってしまうのを防止することができることとなって、燃料電池の故障と誤って扱ってしまうのを防止することができる燃料電池装置を提供できるに至った。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる燃料電池装置を搭載した燃料電池搭載車について図面に基づいて説明する。
この燃料電池搭載車は、複数のセル1aを備える燃料電池本体部1、および、その燃料電池本体部1の運転を制御する運転制御手段としての運転制御部2を備える燃料電池としての燃料電池システム3が搭載され、運転制御部2が燃料電池本体を運転させることにより、燃料電池本体1から走行駆動用の電動モータ4に電力を供給して、その電動モータ4を駆動源として車体を走行させる電気自動車として構成されている。
前記燃料電池本体部1は、例えば、100個のセル1aを積層状態で設けて、詳述はしないが、複数のセル1aの夫々において、燃料ガスとしての水素ガスと酸素含有ガスとしての空気とが夫々供給されて、水素と酸素との電気化学的な反応により発電を行う固体高分子型の燃料電池にて構成されている。
【0017】
ちなみに、図示はしないが、燃料電池本体部1とは別に2次電池として充電可能なバッテリーが搭載され、走行駆動用の電動モータ4の作動を制御するためのモータ制御部も設けられ、図1においては、電動モータ4、バッテリー、モータ制御部などを負荷として示している。
そして、燃料電池本体部1の発電が停止してもこのバッテリーの電力により走行可能で、バッテリーの充電状態が十分であれば燃料電池本体部1の発電を停止させることで水素ガスの消費量を抑制するようにしたり、車体走行中にブレーキ操作によって減速するときに電動モータ4から発生する回生電力をバッテリーに充電することができるように構成されている。
また、モータ制御部は、アクセルペダルの踏み込み量の情報及び車速の検出情報等に基づいて目標走行駆動力を求め、その目標走行駆動力を出力するように走行駆動用の電動モータ4の作動を制御するように構成されている。
【0018】
前記燃料電池システム3は、複数のセル1aを備えて発電作動する燃料電池本体部1、燃料電池本体部1に水素を供給するための水素ボンベ5、燃料電池本体部1に空気を供給するためのモータ駆動式のコンプレッサ6、燃料電池本体部1から排出される水素ガスや空気、および、電気化学反応により発生した水などを外部に排出させるための排気管7、燃料電池本体部1を冷却するための放熱用のラジエータ8などを備えて構成されている。
【0019】
前記水素ボンベ5は、燃料電池本体部1に供給するための燃料ガスの一例である水素ガスを高圧状態で充填した状態で貯蔵するように構成されている。
そして、この水素ボンベ5から水素ガス供給路9を通して水素ガスを燃料電池本体部1に供給するように構成され、この水素ガス供給路9には、レギュレータ10、電磁遮断弁11などが設けられている。
なお、水素ボンベ5内の水素貯蔵量が減ったときには水素ガスを充填する必要があるが、水素ガスの充填作業は図示しない充填用の供給路を通して行われる。
【0020】
前記燃料電池本体部1から排出される水素ガスを水素排気路12を通して排気管7に供給して、外部に排出させるように構成され、水素排気路12には、その経路を開閉自在な水素排気遮断弁13が設けられている。
前記燃料電池本体部1の電気化学反応により発生した水も水素ガスとともに水素排気路12を通して外部に排出するように構成され、水素排気遮断弁13は、通常は閉状態であり、設定時間が経過するごとに経路を開放させて水素ガスや水を排出させるようにしている。
【0021】
前記モータ駆動式のコンプレッサ6は、エアークリーナ14および吸気路15を通して車体外部から空気を吸引するとともに、その空気を空気供給路16を通して燃料電池本体部1に供給するように構成されている。
また、このコンプレッサ6から空気供給路16を通して供給される空気は加湿器17にて加湿された後に燃料電池本体部1に供給される。
【0022】
前記燃料電池本体部1から排出される空気を空気排気路18を通して排気管7に供給して、外部に排出させるように構成されている。
そして、空気排気路18には、排気管7よりも空気流動方向上手側の途中箇所に水素排気路12の排出側端部が連通接続され、この接続箇所にて、燃料電池本体部1から排出される空気と、燃料電池本体部1から排出される水素ガスが合流した合流ガスが水を含む状態で排気管7を通して外部に排出させるように構成されている。
【0023】
前記燃料電池本体部1の内部を冷却するための冷却水を冷却水循環路19を通してラジエータ8との間で循環通流させるように構成され、冷却水循環路19には、冷却水を強制的に循環通流させる循環ポンプ20が設けられている。
【0024】
前記運転制御部2は、マイクロコンピュータを利用して、各部に備えられる各種のセンサ類の検出情報に基づいて、コンプレッサ6、循環ポンプ20、および、各部に備えられる各種の弁など、燃料電池システム3全体の運転作動を制御するように構成されている。
また、運転制御部2は、燃料電池本体部1を運転させた状態において、複数のセル1aの夫々について出力電圧値を監視して、それら複数の出力電圧値のうちでのばらつき値を求めて、そのばらつき値が設定値以上となると、燃料電池本体部1の運転を停止して、燃料電池システム3の故障と扱うように構成されている。
【0025】
前記運転制御部2において、前記ばらつき値に基づいて燃料電池本体部1の運転を停止させる構成について説明を加えると、運転制御部2は、燃料電池本体部1を運転させているときに、常時、複数のセル1aの夫々についての出力電圧値を検出して、それら複数の出力電圧値の平均値と各セル1aについての出力電圧値との差電圧値の夫々をばらつき値として求めるようにしている。
【0026】
そして、運転制御部2は、新品状態、すなわち新車状態からの燃料電池本体部1の積算運転時間が設定時間(例えば、1時間)に達するまでは、前記ばらつき値が異常判定値よりも大きい値の新車用の異常判定値以上となると、異常状態であると判別して、燃料電池本体部1の運転を停止させ、新車状態からの燃料電池本体部の積算運転時間が設定時間(例えば、1時間)に達したあとには、前記ばらつき値が異常判定値以上となると、異常状態であると判別して、燃料電池本体部1の運転を停止させるように構成されている。
【0027】
説明を加えると、運転制御部2は、新車状態からの燃料電池本体部1の積算運転時間が設定時間(例えば、1時間)に達するまでは、求めた複数のばらつき値のうちのいずれかが新車用の異常判定値以上となると、異常状態であると判別して、燃料電池本体部1の運転を停止させるようにしている。
また、運転制御部2は、新車状態からの燃料電池本体部の積算運転時間が設定時間(例えば、1時間)に達したあとには、求めた複数のばらつき値のうちのいずれかが異常判定値以上となると、異常状態であると判別して、燃料電池本体部1の運転を停止させるようにしている。
【0028】
ただし、新車用の異常判定値は、新品用の異常判定値であり、例えば、複数の出力電圧値の平均値の15パーセント程度に設定され、異常判定値は、例えば、複数の出力電圧値の平均値の10パーセント程度に設定され、新車用の異常判定値の方が、異常判定値よりも大きい値が設定されている。
【0029】
また、運転制御部2は、燃料電池本体部1の運転を停止してから運転が再開されるまでの非運転時間が設定時間未満の場合には、前記ばらつき値が異常判定値以上となると、異常状態であると判別して、燃料電池本体部1の運転を停止させ、前記非運転時間が設定時間以上の場合には、前記ばらつき値が異常判定値よりも大きい値の長時間停止用の異常判定値以上となると、異常状態であると判別して、燃料電池本体部1の運転を停止させるように構成されている。
【0030】
説明を加えると、運転制御部2は、新車状態からの燃料電池本体部1の積算運転時間が設定時間(例えば、1時間)に達したあとにおいて、燃料電池本体部1の運転を停止してから運転が再開されるまでの非運転時間が設定時間未満の場合には、求めた複数のばらつき値のうちのいずれかが異常判定値以上となると、異常状態であると判別して、燃料電池本体部1の運転を停止させるようにしている。
また、運転制御部2は、新車状態からの燃料電池本体部1の積算運転時間が設定時間(例えば、1時間)に達したあとにおいて、前記非運転時間が設定時間以上の場合には、燃料電池本体部1の運転を再開させてから設定時間(例えば、1時間)が経過するまで、求めた複数のばらつき値のうちのいずれかが長時間停止用の異常判定値以上となると、異常状態であると判別して、燃料電池本体部1の運転を停止させるようにしている。
【0031】
ただし、長時間停止用の異常判定値は、例えば、複数の出力電圧値の平均値の15パーセント程度に設定され、異常判定値は、例えば、複数の出力電圧値の平均値の10パーセント程度に設定され、長時間停止用の異常判定値の方が、異常判定値よりも大きい値が設定されている。
【0032】
ちなみに、運転制御部2は、新車状態からの燃料電池本体部1の積算運転時間や燃料電池本体部1の運転を停止してから運転が再開されるまでの非運転時間については、タイマーなどにて計時するように構成されている。
【0033】
前記運転制御部2が前記ばらつき値に基づいて燃料電池本体部1の運転を停止させる動作について、図2のフローチャートに基づいて説明を加える。
まず、新車状態からの燃料電池本体部1の積算運転時間が設定時間(例えば、1時間)に達していなければ、求めた複数のばらつき値のうちのいずれかが新車用の異常判定値以上となると、燃料電池本体部1の運転を停止させる(ステップ1〜3)。
そして、新車状態からの燃料電池本体部1の積算運転時間が設定時間(例えば、1時間)に達したあとにおいて、燃料電池本体部1の運転を停止してから運転が再開されるまでの非運転時間が設定時間未満の場合には(ステップ1,4)、求めた複数のばらつき値のうちのいずれかが異常判定値以上となると、燃料電池本体部1の運転を停止させる(ステップ5,3)。
【0034】
新車状態からの燃料電池本体部1の積算運転時間が設定時間(例えば、1時間)に達したあとにおいて、前記非運転時間が設定時間以上の場合で、燃料電池本体部1の運転を再開してから設定時間(例えば、1時間)が経過していなければ(ステップ1,4,6)、求めた複数のばらつき値のうちのいずれかが長時間停止用の異常判定値以上となると、燃料電池本体部1の運転を停止させる(ステップ7,3)。
また、新車状態からの燃料電池本体部1の積算運転時間が設定時間(例えば、1時間)に達したあとにおいて、前記非運転時間が設定時間以上の場合でも、燃料電池本体部1の運転を再開してから設定時間(例えば、1時間)が経過していると(ステップ1,4,6)、求めたばらつき値のうちのいずれかが異常判定値以上となると、燃料電池本体部1の運転を停止させる(ステップ5,3)。
【0035】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、運転制御部2が、複数の出力電圧値のうちでのばらつき値が異常判定値に基づいて異常状態であるか否かを判別する構成として、新車状態からの燃料電池本体部1の積算運転時間が設定時間(例えば、1時間)に達するまでは、前記ばらつき値が異常判定値よりも大きい値の新車用の異常判定値以上となると、異常状態であると判別する構成と、燃料電池本体部1の運転を停止してから運転が再開されるまでの非運転時間が設定時間未満の場合には、前記ばらつき値が異常判定値以上となると、異常状態であると判別する構成とを採用しているが、いずれか一方の構成のみを採用して実施することが可能である。
【0036】
すなわち、運転制御部2を、新車状態からの燃料電池本体部1の積算運転時間が設定時間(例えば、1時間)に達するまでは、前記ばらつき値が異常判定値よりも大きい値の新車用の異常判定値以上となると、異常状態であると判別するように構成したり、逆に、運転制御部2を、燃料電池本体部1の運転を停止してから運転が再開されるまでの非運転時間が設定時間未満の場合には、前記ばらつき値が異常判定値以上となると、異常状態であると判別するように構成する。
【0037】
(2)上記実施形態では、新車用の異常判定値と長時間停止用の異常判定値を、例えば、複数の出力電圧値の平均値の15パーセント程度に設定して、同様の値としているが、新車用の異常判定値と長時間停止用の異常判定値とが、異常判定値よりも大きい値であれば、異なる値としてもよい。
【0038】
(3)上記実施形態では、運転制御部2が、燃料電池本体部1を運転させているときに、常時、複数のセル1aの夫々についての出力電圧値を検出して、それら複数の出力電圧値の平均値と各セル1aについての出力電圧値との差電圧値の夫々をばらつき値として求めるようにしているが、ばらつき値については、複数のセル1aの夫々についての出力電圧値のばらつき度合いを示す値であればよく、例えば、複数のセル1aの夫々についての出力電圧値のうち、最大出力電圧値と最小出力電圧値との差電圧値をばらつき値として求めることも可能である。
【0039】
(4)上記実施形態では、新車用の異常判定値が、時間経過にかかわらず、一定の値としているが、新車用の異常判定値を時間経過に伴って変更してもよい。
例えば、燃料電池本体部1の積算運転時間時間が大きくなるほど、新車用の異常判定値が小さくなるように、新車用の異常判定値を時間経過に伴って段階的にまたは比例的に小さくなるように設定して実施することも可能である。
【0040】
(5)上記実施形態では、長時間停止用の異常判定値が、時間経過にかかわらず、一定の値としているが、長時間停止用の異常判定値を時間経過に伴って変更してもよい。
例えば、燃料電池本体部1の運転を再開させてからの経過時間が大きくなるほど、長時間停止用の異常判定値が小さくなるように、長時間停止用の異常判定値を時間経過に伴って段階的にまたは比例的に小さくなるように設定して実施することも可能である。
【0041】
(6)上記実施形態では、運転制御部2が、異常状態であると判別すると、燃料電池本体部1の運転を停止させるようにしているが、異常状態であると判別することにより行う異常用処理については適宜変更が可能であり、例えば、警報ランプを点灯させたり、燃料電池本体部1の出力を抑えるなど、各種の異常用処理を行うことが可能である。
【0042】
(7)上記実施形態では、積算運転時間を、タイマーなどの計時により時間としているが、例えば、キーの投入回数や積算走行距離など、時間以外の情報にて代用することも可能である。
【0043】
(8)上記実施形態では、本発明にかかる燃料電池装置を搭載した燃料電池搭載車を例示したが、単なる燃料電池装置として実施することも可能であり、燃料電池装置を搭載する対象についても適宜変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料電池搭載車の概略構成図
【図2】運転制御部の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
1 燃料電池本体部
1a セル
2 運転制御手段
3 燃料電池
Claims (2)
- 複数のセルを備える燃料電池本体部、および、その燃料電池本体部の運転を制御する運転制御手段を備える燃料電池が搭載され、
前記運転制御手段が、前記燃料電池本体部を運転させた状態において、前記複数のセルの夫々について出力電圧値を監視して、それら複数の出力電圧値のうちでのばらつき値が異常判定値以上となる異常状態であるか否かを判別するように構成されている燃料電池装置であって、
前記運転制御手段が、新品状態からの前記燃料電池本体部の積算運転時間が設定時間に達するまでは、前記ばらつき値が前記異常判定値よりも大きい値の新品用の異常判定値以上となると、前記異常状態であると判別するように構成されている燃料電池装置。 - 複数のセルを備える燃料電池本体部、および、その燃料電池本体部の運転を制御する運転制御手段を備える燃料電池が搭載され、
前記運転制御手段が、前記燃料電池本体部を運転させた状態において、前記複数のセルの夫々について出力電圧値を監視して、それら複数の出力電圧値のうちでのばらつき値が異常判定値以上となる異常状態であるか否かを判別するように構成されている燃料電池装置であって、
前記運転制御手段は、前記燃料電池本体部の運転を停止してから運転が再開されるまでの非運転時間が設定時間以上の場合には、前記ばらつき値が前記異常判定値よりも大きい値の長時間停止用の異常判定値以上となると、前記異常状態であると判別するように構成されている燃料電池装置。
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Cited By (1)
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WO2006132393A1 (ja) * | 2005-06-06 | 2006-12-14 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | 異常判定装置 |
-
2003
- 2003-05-20 JP JP2003142064A patent/JP2004349010A/ja active Pending
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WO2006132393A1 (ja) * | 2005-06-06 | 2006-12-14 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | 異常判定装置 |
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