JP2004347790A - 光ファイバ部品の補強方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光ファイバ部品を補強器に固定する方法において、光ファイバ部品の光学特性の変化を抑制することができ、かつ、低コストで光ファイバ部品を固定することができる補強方法を提供する。
【解決手段】石英ガラスよりも低融点で、かつ、石英ガラスと線膨張率がほぼ等しい材料からなることを特徴とする光ファイバ部品の補強器1を用いて、固定部3に熱を加えて溶融させ、光ファイバ部品4の光ファイバ裸線5を固定する。
【選択図】 図1
【解決手段】石英ガラスよりも低融点で、かつ、石英ガラスと線膨張率がほぼ等しい材料からなることを特徴とする光ファイバ部品の補強器1を用いて、固定部3に熱を加えて溶融させ、光ファイバ部品4の光ファイバ裸線5を固定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石英光ファイバを用いて製造された光ファイバカプラや光ファイバグレーティング等の光ファイバ部品を補強器に固定する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、光ファイバ部品は外力や環境変化の影響を受けやすいため、補強器に固定することによって光学特性の安定化を図ることが行われている。石英光ファイバを用いて製造された光ファイバ部品、例えば光ファイバカプラや光ファイバグレーティングといった部品を固定する方法として、従来は、そのような部品と線膨張率がほぼ等しい石英製の補強器にエポキシやアクリル等の有機系接着剤を用いて固定する方法がある。最近の例としては、複数本の光ファイバを溶融延伸してなる融着延伸部を有する融着延伸型光ファイバ部品を補強部材上に接着剤で固定する方法(特許文献1参照)や、ファイバグレーティングが形成された光ファイバの固定方法(特許文献2参照)がある。
【0003】
従来の光ファイバ部品の補強方法の一例を図6及び図7に示す。この例では、光ファイバ部品として、光ファイバグレーティングを用いている。図6においては、光ファイバ11の長手方向に間隔を介した位置に、上側に突出形成された台状の光ファイバ固定部12が形成され、当該光ファイバ固定部12の表面側に光ファイバ挿入溝13が形成されている。光ファイバ11のファイバグレーティング形成領域15を挟む両側がそれぞれ前記光ファイバ固定部12の光ファイバ挿入溝13に挿入されている。そして、この例では、光ファイバ挿入溝13の上側に蓋部14が設けられており、当該蓋部14と前記光ファイバ挿入溝に囲まれた領域に光ファイバ11が接着剤16により固定されている。図7は、上記補強方法の断面構成を示す説明図である。この図においては、光ファイバ11は、その周囲を接着剤16によって完全に囲まれている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−267872号公報
【特許文献2】
特開2003−4952号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の技術のような接着剤を用いた光ファイバ部品の補強方法では、接着剤の線膨張率と、光ファイバ補強器や光ファイバ部品を構成する石英ガラスの線膨張率とが著しく異なるため、接着剤の硬化や環境温度の変化等によって接着剤が膨張したり収縮したりすることによって、光ファイバ部品にかかる張力が変化し、この張力により光ファイバ部品の表面の傷が成長し、光ファイバ部品の光学特性が変化する恐れがあるという問題がある。
【0006】
よって、本発明の課題は、光ファイバ部品を補強器に固定する方法において、光ファイバ部品の光学特性の変化を抑制することができる補強方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者は、上述の技術における問題点を解決するために、光ファイバ部品を補強器に固定する方法において、接着剤を用いない補強方法を発明した。また、この発明によれば、光ファイバ部品の補強に接着剤を用いないため、材料費や作業時間の点から従来よりも低コストで光ファイバ部品を補強することができることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
即ち、本発明の第1の発明は、光ファイバ部品本体を固定する固定部を有し、少なくともこの固定部が、石英ガラスよりも低融点であり、かつ、石英ガラスと線膨張率がほぼ等しい材料からなることを特徴とする光ファイバ部品の補強器である。
【0009】
本発明の第2の発明は、全体が、石英ガラスよりも低融点であり、かつ、石英ガラスと線膨張率がほぼ等しい材料からなることを特徴とする光ファイバ部品の補強器である。
【0010】
本発明の第3の発明は、材料として酸化ホウ素を用いたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光ファイバ部品の補強器である。
【0011】
本発明の第4の発明は、 請求項1〜3のいずれか1項記載の光ファイバ部品の補強器の固定部を熱で溶融させ、光ファイバ部品を固定することを特徴とする光ファイバ部品の補強方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係る光ファイバ部品の補強器及び補強器への固定方法を用いた光ファイバ部品の補強構造の一例を図1(a)、図1(b)、図1(c)に示す。図1(a)は正面から見た状態を示す図であり、図1(b)は上から見た状態を示す図であり、図1(c)はA−B断面で光ファイバ部品の補強構造を切断した状態を示す図である。この例では、光ファイバ部品として光ファイバカプラを用いているが、光ファイバ部品の例としては、光ファイバカプラに限るものではない。
【0013】
この光ファイバカプラ4は2本の光ファイバ裸線を溶融延伸してなる溶融延伸部を有する溶融延伸型光ファイバカプラであって、光ファイバ裸線5の外径は125μmとされる。また、この光ファイバカプラ4に用いられる光ファイバは、補強器に接続していない部分は、外径125μmの光ファイバ裸線5の周囲に、紫外線硬化型樹脂、シリコーン樹脂等からなる低ヤング率の一次被覆層が設けられ、この上に紫外線硬化型樹脂、シリコーン樹脂等からなる高ヤング率の二次被覆層か設けられてなる外径250μmの光ファイバ素線6の状態で存在している。
【0014】
この例で用いられる補強器1の一例を図2(a)、図2(b)、図2(c)に示す。図2(a)は正面から見た状態を示す図であり、図2(b)は上から見た状態を示す図であり、図2(c)は側面から見た状態を示す図である。この補強器1は、基板の部分2と光ファイバ部品本体を固定する固定部3からなっており、基板の部分2は長手方向の長さが30mm、幅が3mm、厚さが2mm程度の板状のものであり、光ファイバ部品本体を固定する固定部3は長手方向の長さが5mm、幅が3mm、厚さが2mm程度の板状のものであるとされる。
この例の補強器1においては、光ファイバ部品本体を固定する固定部3をなす材料としては、石英ガラスの線膨張率0.4×10−6とほぼ等しい0.4〜0.7×10−6の線膨張率を有し、かつ、石英ガラスの融点1500℃よりも低融点のものが用いられ、具体的には、酸化ホウ素(B2O3;融点約400℃)等が用いられる。一方、基板の部分2をなす材料としては、特に限定はなく、例えば石英ガラスであってもよい。
【0015】
この例で用いられる補強器1のもう一つの例を図3(a)、図3(b)、図3(c)に示す。図3(a)は正面から見た状態を示す図であり、図3(b)は上から見た状態を示す図であり、図3(c)は側面から見た状態を示す図である。この補強器1は、基板の部分2と光ファイバ部品本体を固定する固定部3からなっており、基板の部分2は長手方向の長さが30mm、幅が3mm、厚さが2mm程度の板状のものであり、光ファイバ部品本体を固定する固定部3は長手方向の長さが5mm、幅が3mm、厚さが2mm程度の板状のものであるとされる。
この例の補強器1をなす材料としては、石英ガラスの線膨張率0.4×10−6とほぼ等しい0.4〜0.7×10−6の線膨張率を有し、かつ、石英ガラスの融点1500℃よりも低融点のものが用いられ、具体的には、酸化ホウ素(B2O3;融点約400℃)等が用いられる。
【0016】
本発明に係る光ファイバ部品の補強器への固定方法について説明する。この例では、光ファイバ部品として図1に示される光ファイバカプラを用いているが、光ファイバ部品の例としては、光ファイバカプラに限るものではない。また、補強器は、図3に示されるものを用いている。
溶融延伸型の光ファイバカプラ4を補強器1の上方に配置させる。このとき、前記光ファイバカプラ4の延伸部両側のガラス部分が、光ファイバ部品本体を固定する固定部3の上方に位置するようにする。次に光ファイバ部品本体を固定する固定部3に熱を加えて溶融させる。加熱溶融の一例を図4(a)、図4(b)に示す。図4(a)は補強器1を上から見た状態を示す図であり、図4(b)は補強器1をC−D断面で切断した状態を示す図である。光ファイバ部品本体を固定する固定部3を加熱溶融する斜線部7の範囲としては、符号8で示される幅が1mmであり、符号9で示される深さが1mmとされる。加熱方法としては、炭酸ガスレーザを用いる方法がある。そして、当該斜線部7が再び硬化する前に、光ファイバカプラ4の延伸部両側のファイバが斜線部7に内包されるようにして光ファイバを光ファイバ部品本体を固定する固定部3に固定する。光ファイバカプラ4を下ろす際、ファイバ長手方向に一定の張力が保たれるようにしておく。
【0017】
本発明に係る光ファイバ部品の補強器及び補強器への固定方法を用いた光ファイバ部品の補強構造のもう一つの例を図5(a)、図5(b)、図5(c)に示す。図5(a)は正面から見た状態を示す図であり、図5(b)は上から見た状態を示す図であり、図5(c)は補強器のE−F断面で光ファイバ部品の補強構造を切断した状態を示す図である。この例では、光ファイバ部品として光ファイバカプラを用いている。この例は、図3に示される補強器1を2つ光ファイバカプラ4に対して対になるように上下に配置させ、各々の補強器について、前記固定方法で説明した図4に示される斜線部7の部分を加熱溶融し、光ファイバカプラ4を挟み込むようにして、2つの補強器で固定したものである。
【0018】
本発明に係る光ファイバ部品の補強器及び補強器への固定方法を用いることによって、光ファイバカプラ以外の光ファイバ部品、例えば、光ファイバグレーティングも同様の方法で補強することができる。
【0019】
本発明に係る光ファイバ部品の補強器は、その材質が酸化ホウ素(B2O3)等であって、その融点が石英ガラスの融点1500℃よりも低く、その線膨張率が石英ガラスの線膨張率とほぼ等しい。そのため、この補強器の一部を加熱溶融し、光ファイバ部品を溶融部に内包させるようにして固定させることにより、光ファイバ部品の張力変化を抑制し、光ファイバ部品の表面の傷の成長を抑制し、光ファイバ部品の光学特性の変化を抑制させることができる。また、本発明に係る光ファイバ部品の補強器への固定方法においては、接着剤を用いないため、材料費や作業時間の点から従来よりも低コストで光ファイバ部品を補強することができる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、光ファイバ部品の補強器への固定において、光ファイバ部品の光学特性の変化を抑制させることができる。また、本発明によれば、光ファイバ部品の補強器への固定において、接着剤を用いないため、材料費や作業時間の点から従来よりも低コストで光ファイバ部品を補強することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバ部品の補強構造の一例を示す模式図であって、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は補強器のA−B断面で光ファイバ部品の補強構造を切断した状態を示す断面図である。
【図2】本発明の光ファイバ部品の補強器の一例を示す模式図であって、(a)は正面断面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【図3】本発明の光ファイバ部品の補強器のもう一つの例を示す模式図であって、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【図4】本発明の光ファイバ部品の補強器の加熱溶融の一例を示す模式図であって、(a)は平面図、(b)はC−D断面で補強器を切断した状態を示す断面図である。
【図5】本発明の光ファイバ部品の補強構造のもう一つの例を示す模式図であって、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は補強器のE−F断面で光ファイバ部品の補強構造を切断した状態を示す断面図である。
【図6】従来の光ファイバ部品の補強方法の一例を示す説明図である。
【図7】図6に示す従来の光ファイバ部品の補強方法の断面構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・光ファイバ部品の補強器、2・・・基板の部分、3・・・光ファイバ部品本体を固定する固定部
【発明の属する技術分野】
本発明は、石英光ファイバを用いて製造された光ファイバカプラや光ファイバグレーティング等の光ファイバ部品を補強器に固定する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、光ファイバ部品は外力や環境変化の影響を受けやすいため、補強器に固定することによって光学特性の安定化を図ることが行われている。石英光ファイバを用いて製造された光ファイバ部品、例えば光ファイバカプラや光ファイバグレーティングといった部品を固定する方法として、従来は、そのような部品と線膨張率がほぼ等しい石英製の補強器にエポキシやアクリル等の有機系接着剤を用いて固定する方法がある。最近の例としては、複数本の光ファイバを溶融延伸してなる融着延伸部を有する融着延伸型光ファイバ部品を補強部材上に接着剤で固定する方法(特許文献1参照)や、ファイバグレーティングが形成された光ファイバの固定方法(特許文献2参照)がある。
【0003】
従来の光ファイバ部品の補強方法の一例を図6及び図7に示す。この例では、光ファイバ部品として、光ファイバグレーティングを用いている。図6においては、光ファイバ11の長手方向に間隔を介した位置に、上側に突出形成された台状の光ファイバ固定部12が形成され、当該光ファイバ固定部12の表面側に光ファイバ挿入溝13が形成されている。光ファイバ11のファイバグレーティング形成領域15を挟む両側がそれぞれ前記光ファイバ固定部12の光ファイバ挿入溝13に挿入されている。そして、この例では、光ファイバ挿入溝13の上側に蓋部14が設けられており、当該蓋部14と前記光ファイバ挿入溝に囲まれた領域に光ファイバ11が接着剤16により固定されている。図7は、上記補強方法の断面構成を示す説明図である。この図においては、光ファイバ11は、その周囲を接着剤16によって完全に囲まれている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−267872号公報
【特許文献2】
特開2003−4952号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の技術のような接着剤を用いた光ファイバ部品の補強方法では、接着剤の線膨張率と、光ファイバ補強器や光ファイバ部品を構成する石英ガラスの線膨張率とが著しく異なるため、接着剤の硬化や環境温度の変化等によって接着剤が膨張したり収縮したりすることによって、光ファイバ部品にかかる張力が変化し、この張力により光ファイバ部品の表面の傷が成長し、光ファイバ部品の光学特性が変化する恐れがあるという問題がある。
【0006】
よって、本発明の課題は、光ファイバ部品を補強器に固定する方法において、光ファイバ部品の光学特性の変化を抑制することができる補強方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者は、上述の技術における問題点を解決するために、光ファイバ部品を補強器に固定する方法において、接着剤を用いない補強方法を発明した。また、この発明によれば、光ファイバ部品の補強に接着剤を用いないため、材料費や作業時間の点から従来よりも低コストで光ファイバ部品を補強することができることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
即ち、本発明の第1の発明は、光ファイバ部品本体を固定する固定部を有し、少なくともこの固定部が、石英ガラスよりも低融点であり、かつ、石英ガラスと線膨張率がほぼ等しい材料からなることを特徴とする光ファイバ部品の補強器である。
【0009】
本発明の第2の発明は、全体が、石英ガラスよりも低融点であり、かつ、石英ガラスと線膨張率がほぼ等しい材料からなることを特徴とする光ファイバ部品の補強器である。
【0010】
本発明の第3の発明は、材料として酸化ホウ素を用いたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光ファイバ部品の補強器である。
【0011】
本発明の第4の発明は、 請求項1〜3のいずれか1項記載の光ファイバ部品の補強器の固定部を熱で溶融させ、光ファイバ部品を固定することを特徴とする光ファイバ部品の補強方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係る光ファイバ部品の補強器及び補強器への固定方法を用いた光ファイバ部品の補強構造の一例を図1(a)、図1(b)、図1(c)に示す。図1(a)は正面から見た状態を示す図であり、図1(b)は上から見た状態を示す図であり、図1(c)はA−B断面で光ファイバ部品の補強構造を切断した状態を示す図である。この例では、光ファイバ部品として光ファイバカプラを用いているが、光ファイバ部品の例としては、光ファイバカプラに限るものではない。
【0013】
この光ファイバカプラ4は2本の光ファイバ裸線を溶融延伸してなる溶融延伸部を有する溶融延伸型光ファイバカプラであって、光ファイバ裸線5の外径は125μmとされる。また、この光ファイバカプラ4に用いられる光ファイバは、補強器に接続していない部分は、外径125μmの光ファイバ裸線5の周囲に、紫外線硬化型樹脂、シリコーン樹脂等からなる低ヤング率の一次被覆層が設けられ、この上に紫外線硬化型樹脂、シリコーン樹脂等からなる高ヤング率の二次被覆層か設けられてなる外径250μmの光ファイバ素線6の状態で存在している。
【0014】
この例で用いられる補強器1の一例を図2(a)、図2(b)、図2(c)に示す。図2(a)は正面から見た状態を示す図であり、図2(b)は上から見た状態を示す図であり、図2(c)は側面から見た状態を示す図である。この補強器1は、基板の部分2と光ファイバ部品本体を固定する固定部3からなっており、基板の部分2は長手方向の長さが30mm、幅が3mm、厚さが2mm程度の板状のものであり、光ファイバ部品本体を固定する固定部3は長手方向の長さが5mm、幅が3mm、厚さが2mm程度の板状のものであるとされる。
この例の補強器1においては、光ファイバ部品本体を固定する固定部3をなす材料としては、石英ガラスの線膨張率0.4×10−6とほぼ等しい0.4〜0.7×10−6の線膨張率を有し、かつ、石英ガラスの融点1500℃よりも低融点のものが用いられ、具体的には、酸化ホウ素(B2O3;融点約400℃)等が用いられる。一方、基板の部分2をなす材料としては、特に限定はなく、例えば石英ガラスであってもよい。
【0015】
この例で用いられる補強器1のもう一つの例を図3(a)、図3(b)、図3(c)に示す。図3(a)は正面から見た状態を示す図であり、図3(b)は上から見た状態を示す図であり、図3(c)は側面から見た状態を示す図である。この補強器1は、基板の部分2と光ファイバ部品本体を固定する固定部3からなっており、基板の部分2は長手方向の長さが30mm、幅が3mm、厚さが2mm程度の板状のものであり、光ファイバ部品本体を固定する固定部3は長手方向の長さが5mm、幅が3mm、厚さが2mm程度の板状のものであるとされる。
この例の補強器1をなす材料としては、石英ガラスの線膨張率0.4×10−6とほぼ等しい0.4〜0.7×10−6の線膨張率を有し、かつ、石英ガラスの融点1500℃よりも低融点のものが用いられ、具体的には、酸化ホウ素(B2O3;融点約400℃)等が用いられる。
【0016】
本発明に係る光ファイバ部品の補強器への固定方法について説明する。この例では、光ファイバ部品として図1に示される光ファイバカプラを用いているが、光ファイバ部品の例としては、光ファイバカプラに限るものではない。また、補強器は、図3に示されるものを用いている。
溶融延伸型の光ファイバカプラ4を補強器1の上方に配置させる。このとき、前記光ファイバカプラ4の延伸部両側のガラス部分が、光ファイバ部品本体を固定する固定部3の上方に位置するようにする。次に光ファイバ部品本体を固定する固定部3に熱を加えて溶融させる。加熱溶融の一例を図4(a)、図4(b)に示す。図4(a)は補強器1を上から見た状態を示す図であり、図4(b)は補強器1をC−D断面で切断した状態を示す図である。光ファイバ部品本体を固定する固定部3を加熱溶融する斜線部7の範囲としては、符号8で示される幅が1mmであり、符号9で示される深さが1mmとされる。加熱方法としては、炭酸ガスレーザを用いる方法がある。そして、当該斜線部7が再び硬化する前に、光ファイバカプラ4の延伸部両側のファイバが斜線部7に内包されるようにして光ファイバを光ファイバ部品本体を固定する固定部3に固定する。光ファイバカプラ4を下ろす際、ファイバ長手方向に一定の張力が保たれるようにしておく。
【0017】
本発明に係る光ファイバ部品の補強器及び補強器への固定方法を用いた光ファイバ部品の補強構造のもう一つの例を図5(a)、図5(b)、図5(c)に示す。図5(a)は正面から見た状態を示す図であり、図5(b)は上から見た状態を示す図であり、図5(c)は補強器のE−F断面で光ファイバ部品の補強構造を切断した状態を示す図である。この例では、光ファイバ部品として光ファイバカプラを用いている。この例は、図3に示される補強器1を2つ光ファイバカプラ4に対して対になるように上下に配置させ、各々の補強器について、前記固定方法で説明した図4に示される斜線部7の部分を加熱溶融し、光ファイバカプラ4を挟み込むようにして、2つの補強器で固定したものである。
【0018】
本発明に係る光ファイバ部品の補強器及び補強器への固定方法を用いることによって、光ファイバカプラ以外の光ファイバ部品、例えば、光ファイバグレーティングも同様の方法で補強することができる。
【0019】
本発明に係る光ファイバ部品の補強器は、その材質が酸化ホウ素(B2O3)等であって、その融点が石英ガラスの融点1500℃よりも低く、その線膨張率が石英ガラスの線膨張率とほぼ等しい。そのため、この補強器の一部を加熱溶融し、光ファイバ部品を溶融部に内包させるようにして固定させることにより、光ファイバ部品の張力変化を抑制し、光ファイバ部品の表面の傷の成長を抑制し、光ファイバ部品の光学特性の変化を抑制させることができる。また、本発明に係る光ファイバ部品の補強器への固定方法においては、接着剤を用いないため、材料費や作業時間の点から従来よりも低コストで光ファイバ部品を補強することができる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、光ファイバ部品の補強器への固定において、光ファイバ部品の光学特性の変化を抑制させることができる。また、本発明によれば、光ファイバ部品の補強器への固定において、接着剤を用いないため、材料費や作業時間の点から従来よりも低コストで光ファイバ部品を補強することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバ部品の補強構造の一例を示す模式図であって、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は補強器のA−B断面で光ファイバ部品の補強構造を切断した状態を示す断面図である。
【図2】本発明の光ファイバ部品の補強器の一例を示す模式図であって、(a)は正面断面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【図3】本発明の光ファイバ部品の補強器のもう一つの例を示す模式図であって、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【図4】本発明の光ファイバ部品の補強器の加熱溶融の一例を示す模式図であって、(a)は平面図、(b)はC−D断面で補強器を切断した状態を示す断面図である。
【図5】本発明の光ファイバ部品の補強構造のもう一つの例を示す模式図であって、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は補強器のE−F断面で光ファイバ部品の補強構造を切断した状態を示す断面図である。
【図6】従来の光ファイバ部品の補強方法の一例を示す説明図である。
【図7】図6に示す従来の光ファイバ部品の補強方法の断面構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・光ファイバ部品の補強器、2・・・基板の部分、3・・・光ファイバ部品本体を固定する固定部
Claims (4)
- 光ファイバ部品本体を固定する固定部を有し、少なくともこの固定部が、石英ガラスよりも低融点であり、かつ、石英ガラスと線膨張率がほぼ等しい材料からなることを特徴とする光ファイバ部品の補強器。
- 全体が、石英ガラスよりも低融点であり、かつ、石英ガラスと線膨張率がほぼ等しい材料からなることを特徴とする光ファイバ部品の補強器。
- 材料として酸化ホウ素を用いたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光ファイバ部品の補強器。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の光ファイバ部品の補強器の固定部を熱で溶融させ、光ファイバ部品を固定することを特徴とする光ファイバ部品の補強方法。
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JP2003143555A JP2004347790A (ja) | 2003-05-21 | 2003-05-21 | 光ファイバ部品の補強方法 |
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2003
- 2003-05-21 JP JP2003143555A patent/JP2004347790A/ja active Pending
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