JP2004345253A - プリンタ - Google Patents
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Abstract
【課題】媒体上の余白部分を少なくし、且つ、画像の途中で媒体が切断されることを防止できるプリンタを提供する。
【解決手段】プリンタは、媒体1を搬送するプラテンローラ3と、媒体1に画像を形成するプリントヘッド4と、媒体1を排出するための排出口5と、媒体1を切断するためのカッタ6とを備えている。さらに、媒体1の上方への変位を検知する変位センサ8を設け、この変位センサ8の出力に基づき、利用者が媒体1を切断しようとする動作を検知する。画像形成後、利用者の上記動作が変位センサ8により検知された場合には、プラテンローラ3により、媒体1の画像形成済みの部分をカッタ6の下流側まで搬送する。
【選択図】 図1
【解決手段】プリンタは、媒体1を搬送するプラテンローラ3と、媒体1に画像を形成するプリントヘッド4と、媒体1を排出するための排出口5と、媒体1を切断するためのカッタ6とを備えている。さらに、媒体1の上方への変位を検知する変位センサ8を設け、この変位センサ8の出力に基づき、利用者が媒体1を切断しようとする動作を検知する。画像形成後、利用者の上記動作が変位センサ8により検知された場合には、プラテンローラ3により、媒体1の画像形成済みの部分をカッタ6の下流側まで搬送する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ロール状に巻かれた媒体を用いるプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ロール状に巻かれた媒体(いわゆるロール紙)に画像を形成するプリンタが広く用いられている。このタイプのプリンタは、ロール紙の画像形成済みの部分を切断できるよう、排出口の近傍にカッタを備えている。利用者は、排出口から排出されたロール紙の先端を把持してカッタに押し当てることにより、ロール紙を切断する。このようなプリンタでは、媒体上の余白部分をできるだけ少なくするような搬送制御が行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−109446号公報(第4−5頁、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ロール紙を用いるプリンタでは、画像の途中でロール紙が切断されないよう、一枚の画像の形成が完了する毎に、その画像が形成された部分をカッタよりも下流側まで搬送する。そのため、上述した搬送制御を行ったとしても、プリントヘッドからカッタまでの距離以上の余白部分が媒体上に形成され、ロール紙全体で数枚ないし数十枚の画像に相当する無駄が生じるという問題がある。
【0005】
これに対し、利用者がロール紙を切断する前に、媒体を搬送するための特別な操作(例えばボタン操作)を行うようにすることは可能である。しかしながら、利用者にとって操作が煩雑になる上、操作をし忘れた場合には画像の途中でロール紙が切断されるという問題がある。
【0006】
この発明は、上述のような課題を解消するためになされたもので、媒体上の余白部分を少なくし、且つ、画像の途中で媒体が切断されることを防止できるプリンタを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るプリンタは、ロール状に巻かれた媒体を引き出して搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される前記媒体に画像を形成するプリントヘッドと、前記媒体を排出するための排出口と、前記媒体を切断するため前記排出口の近傍に設けられたカッタと、利用者が前記媒体を切断しようとする動作を検知する検知手段と、前記搬送手段及び前記プリントヘッドを制御する制御手段とを備えて構成される。前記制御手段は、前記媒体上に画像を形成したのち、前記検知手段が前記利用者の前記動作を検知した場合に、前記搬送手段により前記媒体の画像形成済みの部分を前記カッタよりも前記排出方向における下流側まで搬送する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
実施の形態1.
図1(A)は、この発明の実施の形態1に係るプリンタの構成を示す側面図である。このプリンタは、ロール状に巻かれた媒体1を保持するリール11と、リール11に巻かれた媒体1を引き出して搬送するプラテンローラ(搬送手段)3と、プラテンローラ3により搬送される媒体1に画像を形成するプリントヘッド4と、これらを収容する筐体10とを備えている。なお、プリントヘッド4は、例えばサーマルヘッドであり、媒体1としては感熱紙を用いる。
【0009】
プラテンローラ3は、弾性体よりなる表層を有するいわゆる弾性体ローラであって、モータ17(図2)の駆動力により回転駆動される。プラテンローラ3が図中時計回りに回転すると、リール11に巻かれた媒体1が引き出され、プラテンローラ3とプリントヘッド4との間のニップ部を通って図中右方向に搬送される。プラテンローラ3に対向して、ガイドシャフト(押圧部材)2が設けられている。このガイドシャフト2は、ニップ部よりも僅かにリール11側に配置されており、媒体1をプラテンローラ3の外周面に押圧するものである。
【0010】
プリントヘッド4は、プラテンローラ3の上方に配置されており、プラテンローラ3の軸方向と平行に配列された多数の発熱素子(図示せず)を備えている。このプリントヘッド4は、プラテンローラ3に対して接近及び離間する方向(すなわち上下方向)に変位できるよう、揺動レバー12に取り付けられている。揺動レバー12は、略水平方向に延在し、その長手方向の略中央部に設けられた支軸13を中心として揺動可能に構成されている。揺動レバー12の一端(図中右端)には、プリントヘッド4が取り付けられており、他端(図中左端)にはカムピン14が取り付けられている。このカムピン14は、揺動レバー12を揺動させるためのカム(変位手段)16に形成されたカム溝16aに係合している。
【0011】
筐体10は、媒体1の搬送方向においてプリントヘッド4及びプラテンローラ3の下流側(図中右側)に、媒体1を排出するための排出口5を有している。排出口5の上部には、カッタ6が取り付けられている。このカッタ6は、筐体10の外側の面に固定されており、カッタ6の下端部は排出口5の上端部よりも下側に突出している。すなわち、利用者が、排出口5から外部に排出された媒体1の先端を把持して上方に引き上げることにより、媒体1がカッタ6の下端部に接触して切断されるようになっている。
【0012】
排出口5の近傍には、媒体1の上方への変位を検知する変位センサ(検知手段)8が取り付けられている。変位センサ8は、筐体10の内側の面に、排出口5の上方に位置するように取り付けられている。変位センサ8は、例えば静電容量センサであり、媒体1との距離に応じて出力が変化するようになっている。利用者が媒体1を切断するために媒体1を引っ張ると、変位センサ8と媒体1との距離が短くなるため、変位センサ8の出力が変化し、これにより利用者が媒体1を切断しようとする動作を検知することができる。
【0013】
このプリンタでは、共通のモータ17の動力を利用して、上述したプリントヘッド4の昇降とプラテンローラ3の回転とを行っている。これは、特開平8−258367号公報に記載された機構によるものであるが、以下に簡単に説明する。図1(B)は、プリントヘッド4の昇降及びプラテンローラ3の回転を行う機構を説明するための図であり、プラテン3、リール11及び媒体1はそれぞれ一点鎖線で示されている。
【0014】
図1(B)に示すように、プリントヘッド4を昇降させるためのカム16には、このカム16と同軸の昇降用ギア15が取り付けられている。カム16と昇降用ギア15との間には、ディスク状の摩擦部材(図示せず)が軸方向に挟持されている。昇降用ギア15と、プラテンローラ3に取り付けられたプラテンギア21とは、4つのギア22,23,24,25からなるギア列(連動手段)により連動されており、このギア列はモータ17(図2)により回転駆動される。また、揺動レバー12は、図示しないばね部材により、図中反時計回りに揺動するよう付勢されている。
【0015】
カム16と昇降用ギア15とは、それぞれ独立に回転できるよう支持されているが、両者の間に介在する摩擦部材との摩擦により、カム16が昇降用ギア15に従動して回転できるよう構成されている。昇降用ギア15が図中時計回りに回転すると、摩擦部材との摩擦によりカム16が図中時計回りに回転する。カム16が図中時計回りに回転すると、カム溝16aとカムピン14との係合により揺動レバー12が図中時計回りに揺動し、プリントヘッド4が下降する。カムピン14がカム溝16aの端部に当接すると、カム16はそれ以上回転しないが、昇降用ギア15は摩擦部材と摺接しながら回転を続けることができる。一方、昇降用ギア15が図中反時計回りに回転すると、摩擦部材との摩擦によりカム16が図中反時計回りに回転する。カム16が図中反時計回りに回転すると、カム溝16aとカムピン14との係合により揺動レバー12が図中反時計回りに揺動し、プリントヘッド4が上昇する。
【0016】
なお、この実施の形態1では、プリントヘッド4の昇降とプラテンローラ3の回転とをそれぞれ別々の動力源により行うようにしてもよい。
【0017】
図2は、この実施の形態1に係るプリンタの制御系の一例を示すブロック図である。このプリンタの制御部(制御手段)7は、プリントヘッド4を画像データに応じて発熱制御するヘッド駆動回路18と、上述したモータ17を駆動制御するモータドライバ19とを制御する。制御部7には、変位センサ8から、媒体1との距離に応じた出力信号が入力される。なお、制御部7は、画像データの蓄積などに必要なメモリ等も含むものである。また、モータ17は、昇降用ギア15及びプラテンギア21を図中時計回りに回転させる方向(正方向)、及び昇降用ギア15及びプラテンギア21を反時計回りに回転させる方向(逆方向)に回転可能である。
【0018】
次に、この実施の形態1に係るプリンタの動作について説明する。制御部7に画像データが入力されると、制御部7は、モータドライバ19を介してモータ17を正方向に回転駆動し、図1に示したギア列22〜25を介して昇降用ギア15及びプラテンギア21を図中時計回りに回転させる。昇降用ギア15が図中時計回りに回転すると、上述したようにカム16が図中時計回りに回転し、カム溝16aとカムピン14との係合により揺動レバー12が図中時計回りに揺動する。これにより、プリントヘッド4が下降し、プラテンローラ3との間で媒体1を挟み込む。また、プラテンギア21の図中時計回りの回転に伴い、プラテンローラ3が図中時計回りに回転し、リール11に巻かれた媒体1を引き出して図中右方向に搬送する。
【0019】
制御部7は、プリントヘッド4がプラテンローラ3との間で媒体1を挟み込む位置(下降位置)に達したのち、ヘッド駆動回路18(図2)を介してプリントヘッド4の発熱制御を開始する。プリントヘッド4の各発熱素子をライン毎の画像データに応じて発熱制御しつつ、プラテンローラ3の回転により媒体1を順次搬送することにより、媒体1上に画像が形成される。
【0020】
制御部7は、媒体1上に一枚の画像を形成した後、媒体1を搬送制御上必要な距離(すなわち、以下で説明する媒体1の引き戻し量以上に設定される距離)だけさらに搬送し、次いで、モータ17を逆方向に所定量回転させる。これにより、昇降用ギア15及びプラテンギア21が図中反時計回りに回転し、上述した摩擦部材の作用によりカム16が図中反時計回りに回転する。カム16の図中反時計回りの回転に伴い、カム溝16aとカムピン14との係合により揺動レバー12が図中反時計回りに揺動し、プリントヘッド4が上昇してプラテンローラ3から離間する。なお、プリントヘッド4の上昇時には、プラテンローラ3も図中反時計回りに回転するため、媒体1は所定量だけ引き戻されることになる。また、プリントヘッド4がプラテンローラ3から離間した後も、媒体1はガイドシャフト2によってプラテンローラ3の外周面に押圧されている。このようにして、一枚の画像を形成する工程が完了する。
【0021】
図3は、一枚の画像を形成した後に媒体1を切断する際の動作を模式的に示す図である。図3(A)は、一枚の画像Pを形成した後、プリントヘッド4を上昇させ、さらにプラテンローラ3の回転を停止した状態を示す。この状態では、媒体1上に形成された画像Pの後端は、プリントヘッド4とプラテンローラ3との間のニップ部の僅かに下流側(排出口5側)に位置している。言い換えると、一枚の画像Pを形成する毎に、媒体1は、プリントヘッド4とカッタ6との距離Dよりも短い距離だけ搬送されている。
【0022】
利用者が媒体1の切断を行わず、引き続き次の画像形成を行う場合には、図3(A)に示した状態から再びモータ17を正方向に回転駆動し、新たな画像形成工程を開始する。従って、先に形成した画像と新たに形成される画像との間には、僅かな余白部分が生じるのみである。
【0023】
一方、図3(B)に示すように、画像Pを形成した後に、利用者が媒体1を切断するためにその先端を把持して引っ張ると、媒体1のガイドシャフト2とプラテンローラ3との挟持位置よりも下流側の部分が上方に変位し、これにより変位センサ8の出力が変化する。制御部7は、変位センサ8の出力の変化により、利用者が媒体1を切断しようとしていると判断し、モータ17を正方向に回転駆動する。これにより、プラテンローラ3が図中時計回りに回転し、媒体1を、画像Pの後端がカッタ6よりも下流側(図中右側)に達するまで搬送する。このとき、プラテンローラ3の回転と連動してプリントヘッド4が下降するが、この状態ではプリントヘッド4は加熱制御されていないので、不都合は生じない。
【0024】
利用者は、媒体1を把持したまま、媒体1の搬送が完了するのを待ち、その後、図3(C)に示すように媒体1を上方に引き上げてカッタ6に接触させ、媒体1を切断する。画像Pの後端がカッタ6よりも下流側に位置しているため、画像Pの途中で媒体1が切断されることがない。
【0025】
一般に、利用者は、画像を一枚形成する毎に媒体1を切断するよりは、複数の画像を続けて形成してから媒体1を切断することが多い。従って、通常時(一枚毎に切断を行わないとき)には、図3(A)に示した状態から直ちに次の画像形成工程を開始することにより、媒体1に生じる余白部分を少なくすることができる。また、媒体1の切断を行う際には、図3(C)に示したように、媒体1の画像Pが形成された部分がカッタ6の下流側まで搬送されるため、画像Pの途中で媒体1が切断されることもない。
【0026】
なお、誤動作を防止するため、変位センサ8の検知信号に基づく媒体1の搬送は、一枚の画像を形成するごとに1回に制限されている。従って、利用者が媒体1を切断する際に、媒体1を上下に複数回揺らしてしまったとしても、媒体1の搬送は1回しか行われず、無駄な余白部分を生じることはない。
【0027】
次に、この実施の形態1の比較例について説明する。図4(A)は、比較例に係るプリンタの構成を示す模式図である。この比較例に係るプリンタは、プラテンローラ103とプリントヘッド104との間で媒体101を挟み込んで画像を形成するものであり、画像が形成された媒体101は排出口105から排出される。但し、この比較例に係るプリンタでは、一枚の画像を形成する毎に、媒体101の画像Pが形成された部分をカッタ106の下流側まで搬送し(図4(B))、利用者がカッタ106により媒体101の切断を行うようになっている(図4(C))。従って、媒体101上には、常に、プリントヘッド104からカッタ106までの距離よりも長い余白部分が形成されることになり、無駄が多くなる。
【0028】
これに対し、実施の形態1に係るプリンタによれば、利用者が媒体1の切断を行う場合を除き、一枚毎の画像を形成した後の搬送距離を最小限に抑えることができるため、媒体1上の余白部分を少なくすることができる。また、利用者が媒体1の切断を行う場合には、媒体1の画像が形成された部分がカッタ6の下流側まで搬送されるので、画像の途中で媒体1が切断されることもない。
【0029】
以上説明したように、この実施の形態1に係るプリンタによれば、利用者が媒体1を切断しようとする動作を検知した場合にのみ、媒体1の画像が形成された部分をカッタ6の下流側まで搬送するよう構成したので、一枚毎の画像を形成した後の媒体1の搬送量を必要最小限に抑え、これにより媒体1上に生じる余白部分を少なくすることが可能になる。その結果、媒体1の無駄を低減し、プリンタのランニングコストを低減することができる。
【0030】
また、利用者が媒体1の切断を行う場合には、その動作を変位センサ8により検知し、媒体1の画像が形成された部分をカッタ6の下流側まで搬送するようにしたので、画像の途中で媒体1が切断されることもない。さらに、利用者は媒体1を引っ張る以外の特別な操作を行う必要がないため、操作が簡単であり、また、操作忘れにより画像の途中で媒体1を切断してしまうおそれもない。
【0031】
さらに、変位センサ8が、排出口5の近傍における媒体1のカッタ6側への変位を検知するようになっているため、利用者が媒体1を引っ張ったときに、これを確実に検知することができる。
【0032】
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2に係るプリンタの構成を示す図である。この実施の形態2は、利用者が媒体1を切断しようとする動作を、圧力センサ9によって検知するようにしたものである。この圧力センサ(検知手段)9は、筐体10の内側の面に、排出口5の上側に位置するように取り付けられている。また、圧力センサ9の接触子9aは、排出口5の上端よりも下方に突出している。利用者が媒体1を切断しようとして媒体1を引っ張り始めると、図5に一点鎖線で示すように、媒体1の先端部分(すなわち、利用者に把持された部分)と、ガイドシャフト2とプラテンローラ3とにより挟持された部分との間に張力が付与される。張力が付与された媒体1は、圧力センサ9の接触子9aを上方に付勢し、これにより圧力センサ9は媒体1の張力変化を検知する。
【0033】
この実施の形態2に係るプリンタでは、画像を形成した後に、利用者が媒体1を切断のために引っ張ると、制御部7(図2)が、圧力センサ9の出力変化に基づき、利用者が媒体1を切断しようとしていると判断する。これにより、制御部7は、モータ17を正方向に回転駆動してプラテンローラ3を図中時計回りに回転させ、媒体1を、画像の後端がカッタ6よりも下流側(図中右側)に達するまで搬送する。利用者は、媒体1を把持したまま、媒体1の搬送が完了するのを待ち、その後、媒体1を上方に引き上げてカッタ6に接触させ、媒体1を切断する。その他の構成及び動作は、実施の形態1と同様である。
【0034】
以上説明したように、実施の形態2によれば、上述した実施の形態1の効果に加え、媒体1に生じる張力変化を圧力センサ9により検知するようにしたので、利用者が媒体1を切断しようとする動作をより確実に検知することができる。
【0035】
実施の形態3.
図6は、本発明の実施の形態3に係るプリンタを示す図である。この実施の形態3は、利用者が媒体を切断しようとする動作を、他の用途のために設けられた検知手段によって検知するようにしたものである。具体的には、プリントヘッド4の位置を検知するマイクロスイッチ(検知手段)20を用いて、利用者が媒体1を切断しようとする動作を検知する。
【0036】
実施の形態1において説明したように、プリントヘッド4を昇降するための昇降用ギア15と、プラテンローラ3に取り付けられたプラテンギア21とは、4つのギア22,23,24,25からなるギア列により連動されている。また、プリントヘッド4の位置を検知するため、カム16に隣接してマイクロスイッチ20が設けられている。マイクロスイッチ20は、カム16に形成された凹凸などを検知し、プリントヘッド4が下降位置(プラテンローラ3との間で媒体1を挟持する位置)にあるか否かを検知するものである。プリンタの制御部7(図2)は、マイクロスイッチ20によりプリントヘッド4が下降位置にあることを検知してから、プリントヘッド4の発熱制御を開始するようになっている。
【0037】
この実施の形態3に係るプリンタでは、画像を形成した後に、利用者が媒体1を切断しようとして媒体1を引っ張り始めると、媒体1はガイドシャフト2によりプラテンローラ3に押圧されているため、摩擦力によりプラテンローラ3も図中時計回りに回転する。このプラテンローラ3の回転は、プラテンギア21、ギア22〜25、昇降用ギア15及び摩擦部材を介してカム16に伝達され、その結果、カム16が図中時計回りに回転し、揺動レバー12が揺動してプリントヘッド4が下降する。マイクロスイッチ20は、プリントヘッド4が下降位置に達したことを検知すると、制御部7(図2)に検知信号を出力する。制御部7は、画像形成後にマイクロスイッチ20からの検知信号を受けた場合には、利用者が媒体1を切断しようとしていると判断し、モータ17を正方向に回転駆動する。これにより、プラテンローラ3が図中時計回りに回転し、媒体1を、画像の後端がカッタ6よりも下流側(図中右側)に達するまで搬送する。利用者は、媒体1を把持したまま、媒体1の搬送が完了するのを待ち、その後、媒体1を上方に引き上げてカッタ6に接触させ、媒体1を切断する。その他の構成及び動作は、実施の形態1と同様である。
【0038】
以上説明したように、実施の形態3によれば、上述した実施の形態1の効果に加えて、他の目的で設けられたマイクロスイッチ20を用いることができるので、変位センサ8(図1)や圧力センサ9(図5)を設ける必要がなくなり、部品コストを低減することができる。
【0039】
なお、上述した実施の形態1〜3では、変位センサ8(図1)、圧力センサ9(図5)及びマイクロスイッチ(図6)をそれぞれ用いたが、利用者が媒体1を切断しようとする動作を検知できるものであれば、他の検知手段を用いることも可能である。
【0040】
また、実施の形態3では、プリントヘッド4の昇降と、プラテンローラ3の回転とが連動して行われる必要があるが、実施の形態1及び2においては、両者が連動している必要はなく、それぞれ独立した駆動源により行うことができる。
【0041】
さらに、上述した実施の形態1〜3では、プリントヘッド4をサーマルヘッドとしたが、他の種類のヘッドであってもよい。また、媒体1としては、プリントヘッドの種類に応じた種々の媒体を用いることができる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、利用者が媒体を切断しようとする動作が検知されたときに、媒体の画像形成済みの部分を排出口の外部まで搬送するよう構成したため、媒体の切断を行わない場合には搬送距離を必要最小限に抑えることができ、その結果、余白部分の総量を少なくすることができる。すなわち、媒体の無駄を最小限に抑制し、これによりランニングコストを低減することができる。また、利用者が切断を行おうとするときには、その動作を検知手段により検知し、媒体の画像形成済みの部分をカッタの下流側まで搬送するため、画像の途中で媒体の切断が行われることもない。さらに、利用者は、媒体を切断しようとする動作(例えば、媒体を引っ張る動作)以外に特別な操作を行う必要がないため、操作が簡単であり、また、操作のし忘れにより画像の途中で媒体を切断してしまうおそれもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係るプリンタの構成を示す側面図(A)及びその駆動系を示す概略図(B)である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るプリンタの制御系の一例を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係るプリンタにおいて、媒体を切断する際の動作を説明するための模式図である。
【図4】比較例に係るプリンタの従来のプリンタにおいて、媒体を切断する際の動作を説明するための模式図である。
【図5】この発明の実施の形態2に係るプリンタの構成を示す側面図である。
【図6】この発明の実施の形態3に係るプリンタの構成を示す側面図である。
【符号の説明】
1 媒体、 2 ガイドシャフト、 3 プラテンローラ、 4 プリントヘッド、 5 排出口、 6 カッタ、 7 制御部、 8 変位センサ、 9 圧力センサ、 10 筐体、 12 揺動レバー、 15 昇降用ギア、 16カム、 16a カム溝、 17 モータ、 20 マイクロスイッチ、 21 プラテンギア、 22,23,24,25 ギア。
【発明の属する技術分野】
この発明は、ロール状に巻かれた媒体を用いるプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ロール状に巻かれた媒体(いわゆるロール紙)に画像を形成するプリンタが広く用いられている。このタイプのプリンタは、ロール紙の画像形成済みの部分を切断できるよう、排出口の近傍にカッタを備えている。利用者は、排出口から排出されたロール紙の先端を把持してカッタに押し当てることにより、ロール紙を切断する。このようなプリンタでは、媒体上の余白部分をできるだけ少なくするような搬送制御が行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−109446号公報(第4−5頁、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ロール紙を用いるプリンタでは、画像の途中でロール紙が切断されないよう、一枚の画像の形成が完了する毎に、その画像が形成された部分をカッタよりも下流側まで搬送する。そのため、上述した搬送制御を行ったとしても、プリントヘッドからカッタまでの距離以上の余白部分が媒体上に形成され、ロール紙全体で数枚ないし数十枚の画像に相当する無駄が生じるという問題がある。
【0005】
これに対し、利用者がロール紙を切断する前に、媒体を搬送するための特別な操作(例えばボタン操作)を行うようにすることは可能である。しかしながら、利用者にとって操作が煩雑になる上、操作をし忘れた場合には画像の途中でロール紙が切断されるという問題がある。
【0006】
この発明は、上述のような課題を解消するためになされたもので、媒体上の余白部分を少なくし、且つ、画像の途中で媒体が切断されることを防止できるプリンタを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るプリンタは、ロール状に巻かれた媒体を引き出して搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される前記媒体に画像を形成するプリントヘッドと、前記媒体を排出するための排出口と、前記媒体を切断するため前記排出口の近傍に設けられたカッタと、利用者が前記媒体を切断しようとする動作を検知する検知手段と、前記搬送手段及び前記プリントヘッドを制御する制御手段とを備えて構成される。前記制御手段は、前記媒体上に画像を形成したのち、前記検知手段が前記利用者の前記動作を検知した場合に、前記搬送手段により前記媒体の画像形成済みの部分を前記カッタよりも前記排出方向における下流側まで搬送する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
実施の形態1.
図1(A)は、この発明の実施の形態1に係るプリンタの構成を示す側面図である。このプリンタは、ロール状に巻かれた媒体1を保持するリール11と、リール11に巻かれた媒体1を引き出して搬送するプラテンローラ(搬送手段)3と、プラテンローラ3により搬送される媒体1に画像を形成するプリントヘッド4と、これらを収容する筐体10とを備えている。なお、プリントヘッド4は、例えばサーマルヘッドであり、媒体1としては感熱紙を用いる。
【0009】
プラテンローラ3は、弾性体よりなる表層を有するいわゆる弾性体ローラであって、モータ17(図2)の駆動力により回転駆動される。プラテンローラ3が図中時計回りに回転すると、リール11に巻かれた媒体1が引き出され、プラテンローラ3とプリントヘッド4との間のニップ部を通って図中右方向に搬送される。プラテンローラ3に対向して、ガイドシャフト(押圧部材)2が設けられている。このガイドシャフト2は、ニップ部よりも僅かにリール11側に配置されており、媒体1をプラテンローラ3の外周面に押圧するものである。
【0010】
プリントヘッド4は、プラテンローラ3の上方に配置されており、プラテンローラ3の軸方向と平行に配列された多数の発熱素子(図示せず)を備えている。このプリントヘッド4は、プラテンローラ3に対して接近及び離間する方向(すなわち上下方向)に変位できるよう、揺動レバー12に取り付けられている。揺動レバー12は、略水平方向に延在し、その長手方向の略中央部に設けられた支軸13を中心として揺動可能に構成されている。揺動レバー12の一端(図中右端)には、プリントヘッド4が取り付けられており、他端(図中左端)にはカムピン14が取り付けられている。このカムピン14は、揺動レバー12を揺動させるためのカム(変位手段)16に形成されたカム溝16aに係合している。
【0011】
筐体10は、媒体1の搬送方向においてプリントヘッド4及びプラテンローラ3の下流側(図中右側)に、媒体1を排出するための排出口5を有している。排出口5の上部には、カッタ6が取り付けられている。このカッタ6は、筐体10の外側の面に固定されており、カッタ6の下端部は排出口5の上端部よりも下側に突出している。すなわち、利用者が、排出口5から外部に排出された媒体1の先端を把持して上方に引き上げることにより、媒体1がカッタ6の下端部に接触して切断されるようになっている。
【0012】
排出口5の近傍には、媒体1の上方への変位を検知する変位センサ(検知手段)8が取り付けられている。変位センサ8は、筐体10の内側の面に、排出口5の上方に位置するように取り付けられている。変位センサ8は、例えば静電容量センサであり、媒体1との距離に応じて出力が変化するようになっている。利用者が媒体1を切断するために媒体1を引っ張ると、変位センサ8と媒体1との距離が短くなるため、変位センサ8の出力が変化し、これにより利用者が媒体1を切断しようとする動作を検知することができる。
【0013】
このプリンタでは、共通のモータ17の動力を利用して、上述したプリントヘッド4の昇降とプラテンローラ3の回転とを行っている。これは、特開平8−258367号公報に記載された機構によるものであるが、以下に簡単に説明する。図1(B)は、プリントヘッド4の昇降及びプラテンローラ3の回転を行う機構を説明するための図であり、プラテン3、リール11及び媒体1はそれぞれ一点鎖線で示されている。
【0014】
図1(B)に示すように、プリントヘッド4を昇降させるためのカム16には、このカム16と同軸の昇降用ギア15が取り付けられている。カム16と昇降用ギア15との間には、ディスク状の摩擦部材(図示せず)が軸方向に挟持されている。昇降用ギア15と、プラテンローラ3に取り付けられたプラテンギア21とは、4つのギア22,23,24,25からなるギア列(連動手段)により連動されており、このギア列はモータ17(図2)により回転駆動される。また、揺動レバー12は、図示しないばね部材により、図中反時計回りに揺動するよう付勢されている。
【0015】
カム16と昇降用ギア15とは、それぞれ独立に回転できるよう支持されているが、両者の間に介在する摩擦部材との摩擦により、カム16が昇降用ギア15に従動して回転できるよう構成されている。昇降用ギア15が図中時計回りに回転すると、摩擦部材との摩擦によりカム16が図中時計回りに回転する。カム16が図中時計回りに回転すると、カム溝16aとカムピン14との係合により揺動レバー12が図中時計回りに揺動し、プリントヘッド4が下降する。カムピン14がカム溝16aの端部に当接すると、カム16はそれ以上回転しないが、昇降用ギア15は摩擦部材と摺接しながら回転を続けることができる。一方、昇降用ギア15が図中反時計回りに回転すると、摩擦部材との摩擦によりカム16が図中反時計回りに回転する。カム16が図中反時計回りに回転すると、カム溝16aとカムピン14との係合により揺動レバー12が図中反時計回りに揺動し、プリントヘッド4が上昇する。
【0016】
なお、この実施の形態1では、プリントヘッド4の昇降とプラテンローラ3の回転とをそれぞれ別々の動力源により行うようにしてもよい。
【0017】
図2は、この実施の形態1に係るプリンタの制御系の一例を示すブロック図である。このプリンタの制御部(制御手段)7は、プリントヘッド4を画像データに応じて発熱制御するヘッド駆動回路18と、上述したモータ17を駆動制御するモータドライバ19とを制御する。制御部7には、変位センサ8から、媒体1との距離に応じた出力信号が入力される。なお、制御部7は、画像データの蓄積などに必要なメモリ等も含むものである。また、モータ17は、昇降用ギア15及びプラテンギア21を図中時計回りに回転させる方向(正方向)、及び昇降用ギア15及びプラテンギア21を反時計回りに回転させる方向(逆方向)に回転可能である。
【0018】
次に、この実施の形態1に係るプリンタの動作について説明する。制御部7に画像データが入力されると、制御部7は、モータドライバ19を介してモータ17を正方向に回転駆動し、図1に示したギア列22〜25を介して昇降用ギア15及びプラテンギア21を図中時計回りに回転させる。昇降用ギア15が図中時計回りに回転すると、上述したようにカム16が図中時計回りに回転し、カム溝16aとカムピン14との係合により揺動レバー12が図中時計回りに揺動する。これにより、プリントヘッド4が下降し、プラテンローラ3との間で媒体1を挟み込む。また、プラテンギア21の図中時計回りの回転に伴い、プラテンローラ3が図中時計回りに回転し、リール11に巻かれた媒体1を引き出して図中右方向に搬送する。
【0019】
制御部7は、プリントヘッド4がプラテンローラ3との間で媒体1を挟み込む位置(下降位置)に達したのち、ヘッド駆動回路18(図2)を介してプリントヘッド4の発熱制御を開始する。プリントヘッド4の各発熱素子をライン毎の画像データに応じて発熱制御しつつ、プラテンローラ3の回転により媒体1を順次搬送することにより、媒体1上に画像が形成される。
【0020】
制御部7は、媒体1上に一枚の画像を形成した後、媒体1を搬送制御上必要な距離(すなわち、以下で説明する媒体1の引き戻し量以上に設定される距離)だけさらに搬送し、次いで、モータ17を逆方向に所定量回転させる。これにより、昇降用ギア15及びプラテンギア21が図中反時計回りに回転し、上述した摩擦部材の作用によりカム16が図中反時計回りに回転する。カム16の図中反時計回りの回転に伴い、カム溝16aとカムピン14との係合により揺動レバー12が図中反時計回りに揺動し、プリントヘッド4が上昇してプラテンローラ3から離間する。なお、プリントヘッド4の上昇時には、プラテンローラ3も図中反時計回りに回転するため、媒体1は所定量だけ引き戻されることになる。また、プリントヘッド4がプラテンローラ3から離間した後も、媒体1はガイドシャフト2によってプラテンローラ3の外周面に押圧されている。このようにして、一枚の画像を形成する工程が完了する。
【0021】
図3は、一枚の画像を形成した後に媒体1を切断する際の動作を模式的に示す図である。図3(A)は、一枚の画像Pを形成した後、プリントヘッド4を上昇させ、さらにプラテンローラ3の回転を停止した状態を示す。この状態では、媒体1上に形成された画像Pの後端は、プリントヘッド4とプラテンローラ3との間のニップ部の僅かに下流側(排出口5側)に位置している。言い換えると、一枚の画像Pを形成する毎に、媒体1は、プリントヘッド4とカッタ6との距離Dよりも短い距離だけ搬送されている。
【0022】
利用者が媒体1の切断を行わず、引き続き次の画像形成を行う場合には、図3(A)に示した状態から再びモータ17を正方向に回転駆動し、新たな画像形成工程を開始する。従って、先に形成した画像と新たに形成される画像との間には、僅かな余白部分が生じるのみである。
【0023】
一方、図3(B)に示すように、画像Pを形成した後に、利用者が媒体1を切断するためにその先端を把持して引っ張ると、媒体1のガイドシャフト2とプラテンローラ3との挟持位置よりも下流側の部分が上方に変位し、これにより変位センサ8の出力が変化する。制御部7は、変位センサ8の出力の変化により、利用者が媒体1を切断しようとしていると判断し、モータ17を正方向に回転駆動する。これにより、プラテンローラ3が図中時計回りに回転し、媒体1を、画像Pの後端がカッタ6よりも下流側(図中右側)に達するまで搬送する。このとき、プラテンローラ3の回転と連動してプリントヘッド4が下降するが、この状態ではプリントヘッド4は加熱制御されていないので、不都合は生じない。
【0024】
利用者は、媒体1を把持したまま、媒体1の搬送が完了するのを待ち、その後、図3(C)に示すように媒体1を上方に引き上げてカッタ6に接触させ、媒体1を切断する。画像Pの後端がカッタ6よりも下流側に位置しているため、画像Pの途中で媒体1が切断されることがない。
【0025】
一般に、利用者は、画像を一枚形成する毎に媒体1を切断するよりは、複数の画像を続けて形成してから媒体1を切断することが多い。従って、通常時(一枚毎に切断を行わないとき)には、図3(A)に示した状態から直ちに次の画像形成工程を開始することにより、媒体1に生じる余白部分を少なくすることができる。また、媒体1の切断を行う際には、図3(C)に示したように、媒体1の画像Pが形成された部分がカッタ6の下流側まで搬送されるため、画像Pの途中で媒体1が切断されることもない。
【0026】
なお、誤動作を防止するため、変位センサ8の検知信号に基づく媒体1の搬送は、一枚の画像を形成するごとに1回に制限されている。従って、利用者が媒体1を切断する際に、媒体1を上下に複数回揺らしてしまったとしても、媒体1の搬送は1回しか行われず、無駄な余白部分を生じることはない。
【0027】
次に、この実施の形態1の比較例について説明する。図4(A)は、比較例に係るプリンタの構成を示す模式図である。この比較例に係るプリンタは、プラテンローラ103とプリントヘッド104との間で媒体101を挟み込んで画像を形成するものであり、画像が形成された媒体101は排出口105から排出される。但し、この比較例に係るプリンタでは、一枚の画像を形成する毎に、媒体101の画像Pが形成された部分をカッタ106の下流側まで搬送し(図4(B))、利用者がカッタ106により媒体101の切断を行うようになっている(図4(C))。従って、媒体101上には、常に、プリントヘッド104からカッタ106までの距離よりも長い余白部分が形成されることになり、無駄が多くなる。
【0028】
これに対し、実施の形態1に係るプリンタによれば、利用者が媒体1の切断を行う場合を除き、一枚毎の画像を形成した後の搬送距離を最小限に抑えることができるため、媒体1上の余白部分を少なくすることができる。また、利用者が媒体1の切断を行う場合には、媒体1の画像が形成された部分がカッタ6の下流側まで搬送されるので、画像の途中で媒体1が切断されることもない。
【0029】
以上説明したように、この実施の形態1に係るプリンタによれば、利用者が媒体1を切断しようとする動作を検知した場合にのみ、媒体1の画像が形成された部分をカッタ6の下流側まで搬送するよう構成したので、一枚毎の画像を形成した後の媒体1の搬送量を必要最小限に抑え、これにより媒体1上に生じる余白部分を少なくすることが可能になる。その結果、媒体1の無駄を低減し、プリンタのランニングコストを低減することができる。
【0030】
また、利用者が媒体1の切断を行う場合には、その動作を変位センサ8により検知し、媒体1の画像が形成された部分をカッタ6の下流側まで搬送するようにしたので、画像の途中で媒体1が切断されることもない。さらに、利用者は媒体1を引っ張る以外の特別な操作を行う必要がないため、操作が簡単であり、また、操作忘れにより画像の途中で媒体1を切断してしまうおそれもない。
【0031】
さらに、変位センサ8が、排出口5の近傍における媒体1のカッタ6側への変位を検知するようになっているため、利用者が媒体1を引っ張ったときに、これを確実に検知することができる。
【0032】
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2に係るプリンタの構成を示す図である。この実施の形態2は、利用者が媒体1を切断しようとする動作を、圧力センサ9によって検知するようにしたものである。この圧力センサ(検知手段)9は、筐体10の内側の面に、排出口5の上側に位置するように取り付けられている。また、圧力センサ9の接触子9aは、排出口5の上端よりも下方に突出している。利用者が媒体1を切断しようとして媒体1を引っ張り始めると、図5に一点鎖線で示すように、媒体1の先端部分(すなわち、利用者に把持された部分)と、ガイドシャフト2とプラテンローラ3とにより挟持された部分との間に張力が付与される。張力が付与された媒体1は、圧力センサ9の接触子9aを上方に付勢し、これにより圧力センサ9は媒体1の張力変化を検知する。
【0033】
この実施の形態2に係るプリンタでは、画像を形成した後に、利用者が媒体1を切断のために引っ張ると、制御部7(図2)が、圧力センサ9の出力変化に基づき、利用者が媒体1を切断しようとしていると判断する。これにより、制御部7は、モータ17を正方向に回転駆動してプラテンローラ3を図中時計回りに回転させ、媒体1を、画像の後端がカッタ6よりも下流側(図中右側)に達するまで搬送する。利用者は、媒体1を把持したまま、媒体1の搬送が完了するのを待ち、その後、媒体1を上方に引き上げてカッタ6に接触させ、媒体1を切断する。その他の構成及び動作は、実施の形態1と同様である。
【0034】
以上説明したように、実施の形態2によれば、上述した実施の形態1の効果に加え、媒体1に生じる張力変化を圧力センサ9により検知するようにしたので、利用者が媒体1を切断しようとする動作をより確実に検知することができる。
【0035】
実施の形態3.
図6は、本発明の実施の形態3に係るプリンタを示す図である。この実施の形態3は、利用者が媒体を切断しようとする動作を、他の用途のために設けられた検知手段によって検知するようにしたものである。具体的には、プリントヘッド4の位置を検知するマイクロスイッチ(検知手段)20を用いて、利用者が媒体1を切断しようとする動作を検知する。
【0036】
実施の形態1において説明したように、プリントヘッド4を昇降するための昇降用ギア15と、プラテンローラ3に取り付けられたプラテンギア21とは、4つのギア22,23,24,25からなるギア列により連動されている。また、プリントヘッド4の位置を検知するため、カム16に隣接してマイクロスイッチ20が設けられている。マイクロスイッチ20は、カム16に形成された凹凸などを検知し、プリントヘッド4が下降位置(プラテンローラ3との間で媒体1を挟持する位置)にあるか否かを検知するものである。プリンタの制御部7(図2)は、マイクロスイッチ20によりプリントヘッド4が下降位置にあることを検知してから、プリントヘッド4の発熱制御を開始するようになっている。
【0037】
この実施の形態3に係るプリンタでは、画像を形成した後に、利用者が媒体1を切断しようとして媒体1を引っ張り始めると、媒体1はガイドシャフト2によりプラテンローラ3に押圧されているため、摩擦力によりプラテンローラ3も図中時計回りに回転する。このプラテンローラ3の回転は、プラテンギア21、ギア22〜25、昇降用ギア15及び摩擦部材を介してカム16に伝達され、その結果、カム16が図中時計回りに回転し、揺動レバー12が揺動してプリントヘッド4が下降する。マイクロスイッチ20は、プリントヘッド4が下降位置に達したことを検知すると、制御部7(図2)に検知信号を出力する。制御部7は、画像形成後にマイクロスイッチ20からの検知信号を受けた場合には、利用者が媒体1を切断しようとしていると判断し、モータ17を正方向に回転駆動する。これにより、プラテンローラ3が図中時計回りに回転し、媒体1を、画像の後端がカッタ6よりも下流側(図中右側)に達するまで搬送する。利用者は、媒体1を把持したまま、媒体1の搬送が完了するのを待ち、その後、媒体1を上方に引き上げてカッタ6に接触させ、媒体1を切断する。その他の構成及び動作は、実施の形態1と同様である。
【0038】
以上説明したように、実施の形態3によれば、上述した実施の形態1の効果に加えて、他の目的で設けられたマイクロスイッチ20を用いることができるので、変位センサ8(図1)や圧力センサ9(図5)を設ける必要がなくなり、部品コストを低減することができる。
【0039】
なお、上述した実施の形態1〜3では、変位センサ8(図1)、圧力センサ9(図5)及びマイクロスイッチ(図6)をそれぞれ用いたが、利用者が媒体1を切断しようとする動作を検知できるものであれば、他の検知手段を用いることも可能である。
【0040】
また、実施の形態3では、プリントヘッド4の昇降と、プラテンローラ3の回転とが連動して行われる必要があるが、実施の形態1及び2においては、両者が連動している必要はなく、それぞれ独立した駆動源により行うことができる。
【0041】
さらに、上述した実施の形態1〜3では、プリントヘッド4をサーマルヘッドとしたが、他の種類のヘッドであってもよい。また、媒体1としては、プリントヘッドの種類に応じた種々の媒体を用いることができる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、利用者が媒体を切断しようとする動作が検知されたときに、媒体の画像形成済みの部分を排出口の外部まで搬送するよう構成したため、媒体の切断を行わない場合には搬送距離を必要最小限に抑えることができ、その結果、余白部分の総量を少なくすることができる。すなわち、媒体の無駄を最小限に抑制し、これによりランニングコストを低減することができる。また、利用者が切断を行おうとするときには、その動作を検知手段により検知し、媒体の画像形成済みの部分をカッタの下流側まで搬送するため、画像の途中で媒体の切断が行われることもない。さらに、利用者は、媒体を切断しようとする動作(例えば、媒体を引っ張る動作)以外に特別な操作を行う必要がないため、操作が簡単であり、また、操作のし忘れにより画像の途中で媒体を切断してしまうおそれもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係るプリンタの構成を示す側面図(A)及びその駆動系を示す概略図(B)である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るプリンタの制御系の一例を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係るプリンタにおいて、媒体を切断する際の動作を説明するための模式図である。
【図4】比較例に係るプリンタの従来のプリンタにおいて、媒体を切断する際の動作を説明するための模式図である。
【図5】この発明の実施の形態2に係るプリンタの構成を示す側面図である。
【図6】この発明の実施の形態3に係るプリンタの構成を示す側面図である。
【符号の説明】
1 媒体、 2 ガイドシャフト、 3 プラテンローラ、 4 プリントヘッド、 5 排出口、 6 カッタ、 7 制御部、 8 変位センサ、 9 圧力センサ、 10 筐体、 12 揺動レバー、 15 昇降用ギア、 16カム、 16a カム溝、 17 モータ、 20 マイクロスイッチ、 21 プラテンギア、 22,23,24,25 ギア。
Claims (6)
- ロール状に巻かれた媒体を引き出して搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される前記媒体に画像を形成するプリントヘッドと、
前記媒体を排出するための排出口と、
前記媒体を切断するため、前記排出口の近傍に設けられたカッタと、
利用者が前記媒体を切断しようとする動作を検知する検知手段と、
前記搬送手段及び前記プリントヘッドを制御する制御手段と
を備え、
前記制御手段は、前記媒体上に画像を形成したのち、前記検知手段が前記利用者の前記動作を検知した場合に、前記搬送手段により、前記媒体の画像形成済みの部分を前記カッタよりも前記排出の方向における下流側まで搬送することを特徴とするプリンタ。 - 前記搬送手段は、一の画像の形成を完了する毎に、前記プリントヘッドから前記カッタまでの距離よりも短い距離だけ、前記媒体を前記排出の方向に搬送することを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。
- 前記検知手段は、前記媒体が前記カッタに接近する方向に変位したことを検知する変位センサを有することを特徴とする請求項1又は2に記載のプリンタ。
- 前記検知手段は、前記媒体に生じる張力の変化を検知する圧力センサを有することを特徴とする請求項1又は2に記載のプリンタ。
- 前記搬送手段は、回転駆動されるプラテンローラと、このプラテンローラに対して前記媒体を押圧する押圧部材とを有し、
前記検知手段は、前記媒体が前記押圧部材により前記プラテンローラに押圧される位置よりも前記排出口側に配置されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のプリンタ。 - 前記プリントヘッドを、前記搬送手段に対して接近及び離間する方向に変位させる変位手段と、
前記変位手段と前記搬送手段とを連動させる連動手段とをさらに有し、
前記利用者の前記動作により前記搬送手段に外力が加えられると、前記連動手段及び前記変位手段を介して前記プリントヘッドが変位し、
前記検知手段は、前記プリントヘッドの変位に基づいて、前記利用者の前記動作を検知することを特徴とする請求項1又は2に記載のプリンタ。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20060220 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081111 |
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A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20090407 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |