JP2004343408A - 補間フレーム作成装置、画像復号化装置、補間フレーム作成方法および補間フレーム作成プログラム - Google Patents

補間フレーム作成装置、画像復号化装置、補間フレーム作成方法および補間フレーム作成プログラム Download PDF

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寿郎 笹井
Toshiyuki Kondo
敏志 近藤
Shinya Sumino
眞也 角野
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Abstract

【課題】本発明の課題は、補間フレーム用メモリを削減することが可能な補間フレーム作成装置、画像復号化装置、補間フレーム作成方法および補間フレーム作成プログラムを提供することにある。
【解決手段】補間フレーム作成部111は、画像フレームを補間するための補間フレームを作成する補間フレーム作成部であって、画像フレーム用メモリ107と、作成処理部108とを備えている。画像フレーム用メモリ107は、補間フレームを作成する基準となる基準フレームを記憶する。作成処理部108は、1つの補間用ベクトルに基づいて、画像フレーム用メモリ107に記憶された基準フレームの読み出しを制御し、補間フレームとして出力させる。1つの補間用ベクトルは、基準フレームと補間フレームとの相対的な動きを画素を単位として示す。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
補間フレーム作成装置、特に、画像フレームを補間するための補間フレームを作成する補間フレーム作成装置に関する。本発明は、さらに、画像復号化装置、補間フレーム作成方法、および補間フレーム作成プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビ、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話、あるいはその他の画像信号を表示する装置において、画像信号を構成する画像フレームから、画像フレームを補間する補間フレームを作成し、作成された補間フレームを画像フレームに内挿して表示させる技術が知られている。この技術は、例えば、情報量を削減するため低フレームレートで伝送された画像信号を滑らかに表示することなどを目的として利用されている。
【0003】
図24に、上記従来技術を実現するための補間フレーム作成装置401を示す。補間フレーム作成装置401は、入力画像信号410を構成する画像フレームを補間する補間フレームを作成し、画像フレームと補間フレームとから構成される出力画像信号411を出力する装置である。補間フレーム作成装置401は、主に、動き補償符号化された符号化画像信号を復号化する画像復号化装置などにおいて備えられており(例えば、特許文献1参照)、動き補償ベクトルMCVを利用して補間フレームを作成する。
【0004】
補間フレーム作成装置401は、画像フレーム用メモリ402と、補間フレーム作成部403と、補間フレーム用メモリ404と、信号切換部405とから構成される。
【0005】
画像フレーム用メモリ402は、入力画像信号410を画像フレーム毎に記憶する。
【0006】
補間フレーム作成部403は、画像フレーム用メモリ402に記憶された画像フレームのうち、補間フレームを作成する基準となる基準フレームと、符号化画像信号を復号化する際などに得られる動き補償ベクトルMCVとから補間フレームを作成する。具体的には、基準フレームを構成する画像ブロックについての動き補償ベクトルMCVを補間フレームの内挿比に従って内分し、内分された動き補償ベクトルMCVを用いて画像ブロックを変位させ、補間フレームを構成する画素領域を作成する。
【0007】
補間フレーム用メモリ404は、補間フレーム作成部403により作成される画素領域を順次記憶し、補間フレームとする。
【0008】
信号切換部405は、画像フレーム用メモリ402が記憶する画像フレームと補間フレーム用メモリ404が記憶する補間フレームとを制御部(図示せず)からの制御により切り換えて、出力画像信号411として出力する。
【0009】
【特許文献1】
特開平7−177514号公報(第1図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来の補間フレーム作成装置が動き補償ベクトルを用いて補間フレームを作成する際には、画像フレーム用メモリと補間フレーム用メモリとを必要する。これは、基準フレームを画像ブロック毎に処理し、処理結果を順次補間フレーム用メモリに記憶させる必要があるからである。
【0011】
しかし、補間フレーム作成装置のコスト削減および回路規模削減のため、できるだけ少ないメモリで装置を構成することが望まれる。
【0012】
また、動き補償ベクトルを用いず、基準フレームを構成する画像ブロックの動きベクトルを用いた補間フレーム作成装置においても、同様にメモリの削減が望まれる。
【0013】
そこで、本発明では、補間フレーム用メモリを削減することが可能な補間フレーム作成装置、画像復号化装置、補間フレーム作成方法および補間フレーム作成プログラムを提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の補間フレーム作成装置は、画像フレームを補間するための補間フレームを作成する補間フレーム作成装置であって、記憶手段と、制御手段とを備えている。記憶手段は、補間フレームを作成する基準となる基準フレームを記憶する。制御手段は、1つの補間用ベクトルに基づいて、記憶手段に記憶された基準フレームの読み出しを制御し、補間フレームとして出力させる。1つの補間用ベクトルは、基準フレームと補間フレームとの相対的な動きを画素を単位として示す。
【0015】
ここで、記憶手段は、例えば、画像フレームを少なくとも1枚以上記憶できるフレームメモリであって、VRAM、SRAM、DRAMなどで構成される(以下、この欄において同じ)。また、フレームとは、順次走査画像におけるフレームであっても、飛び越し走査画像におけるフレームまたはフィールドであってもよい(以下、この欄において同じ)。
【0016】
1つの補間用ベクトルは、基準フレームと補間フレームとの画素単位のずれを示すベクトルである。制御手段は、1つの補間用ベクトルに基づいて、記憶手段に記憶された基準フレームのアドレスを指定して読み出し、補間フレームとして出力させる。ここで、指定されるアドレスは、1つの補間用ベクトルに応じて決定される。
【0017】
この補間フレーム作成装置では、記憶手段に対する基準フレームの読み出しの制御に基づいて補間フレームが出力される。このため、作成された補間フレームを記憶する補間フレーム用の記憶手段を設ける必要がなくなる。
【0018】
請求項2に記載の補間フレーム作成装置は、請求項1に記載の補間フレーム作成装置であって、制御手段は、基準フレームの動きに関する動き関連情報に基づいて、1つの補間用ベクトルを導出する。
【0019】
ここで、動き関連情報とは、例えば、基準フレームを復号化するための符号化画像信号を構成する符号化ブロック毎の動き補償ベクトル、あるいは基準フレームを構成する画像ブロック毎について検出された動きベクトルなどである。
【0020】
制御手段は、動き関連情報に基づいて、基準フレームと補間フレームとの相対的な動きを画素を単位として示す1つの補間用ベクトルを導出する。動き補償ベクトルあるいは動きベクトルは、整数画素精度でなくても良いが、導出される1つの補間用ベクトルは、整数画素を単位とする。また、1つの補間用ベクトルは、例えば、画像ブロック毎に得られる動き関連情報の全部あるいは一部の平均値あるいは最頻値を補間フレームの内挿比で内分あるいは外分したベクトルとして導出される。ここで、内挿比は、例えば、動き関連情報が示すフレームと補間フレームとの位置に基づいて定められる。より具体的には、例えば、内挿比は、基準フレームと基準フレームの動き関連情報を導出する際に参照する画像フレームである参照フレームとの時間的距離に対する、基準フレームと補間フレームとの時間的距離の割合などとして定められる。
【0021】
この補間フレーム作成装置では、制御手段は、基準フレームの動き関連情報から導出された1つの補間用ベクトルに基づいて、基準フレームの読み出しを制御し、補間フレームを出力させる。このため、画像フレームを滑らかに補間する補間フレームを作成することが可能となる。
【0022】
請求項3に記載の補間フレーム作成装置は、請求項2に記載の補間フレーム作成装置であって、制御手段は、動き関連情報の大きさに基づいて、補間フレームの作成枚数を変化させる。
【0023】
制御手段は、例えば、動き関連情報が大きい場合、補間フレームの作成枚数を増加させる。すなわち、動き関連情報が大きい場合には、1つの補間用ベクトルを導出する時間間隔を短くするとともに、記憶手段に補間フレームを出力させる時間間隔を短くする。
【0024】
この補間フレーム作成装置では、画像フレームをより滑らかに補間する補間フレームを作成することが可能となる。
【0025】
請求項4に記載の補間フレーム作成装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の補間フレーム作成装置であって、基準フレームは、補間フレームに対して、表示順が時間的に後方の画像フレームである。
【0026】
この補間フレーム作成装置は、補間フレームを出力する際に、補間フレームに対して、表示順が時間的に後方の基準フレームのみを利用する。このため、基準フレームに対して、表示順が時間的に前方の画像フレームを記憶していた記憶手段のメモリ領域は、補間フレームの出力前に解放される。
【0027】
この補間フレーム作成装置では、補間フレームを出力するためには、記憶手段には、基準フレームのみが記憶されていればよい。このため、記憶手段の備えるメモリ領域を有効に利用すること、あるいは記憶手段のメモリ領域を削減することが可能となる。
【0028】
請求項5に記載の画像復号化装置は、復号化手段と、記憶手段と、制御手段とを備えている。復号化手段は、動き補償符号化された符号化画像信号を復号化する。記憶手段は、復号化された画像フレームを記憶する。制御手段は、記憶手段により、画像フレームを補間するための補間フレームを出力させる手段であって、1つの補間用ベクトルに基づいて、記憶手段に記憶された基準フレームの読み出しを制御し、補間フレームとして出力させる。1つの補間用ベクトルは、補間フレームを作成する基準となる基準フレームと補間フレームとの相対的な動きを画素を単位として示す。
【0029】
ここで、符号化画像信号は、例えば、H.261符号化、MPEG−1符号化、MPEG−2符号化あるいはMPEG−4符号化などにより動き補償符号化された画像信号である。
【0030】
1つの補間用ベクトルは、基準フレームと補間フレームとの画素単位のずれを示すベクトルである。制御手段は、1つの補間用ベクトルに基づいて、記憶手段に記憶された基準フレームを、例えば、アドレス指定により読み出し、補間フレームを出力させる。このとき、指定されるアドレスは、1つの補間用ベクトルに基づいて変更される。
【0031】
この画像復号化装置では、記憶手段に対する基準フレームの読み出しの制御に基づいて補間フレームが出力される。このため、作成された補間フレームを記憶する補間フレーム用の記憶手段を設ける必要がなくなる。
【0032】
請求項6に記載の画像復号化装置は、請求項5に記載の画像復号化装置であって、基準フレームは、補間フレームに対して、表示順が時間的に後方の画像フレームである。
【0033】
この画像復号化装置は、補間フレームを出力する際に、補間フレームに対して、表示順が時間的に後方の基準フレームのみを利用する。
【0034】
この補間フレーム作成装置では、補間フレームを出力するためには、記憶手段には、基準フレームのみが記憶されていればよい。このため、記憶手段の備えるメモリ領域を有効に利用すること、あるいは記憶手段のメモリ領域を削減することが可能となる。
【0035】
請求項7に記載の画像復号化装置は、請求項6に記載の画像復号化装置であって、記憶手段は、画像フレームを1枚ずつ交互に記憶する2つのメモリ領域を有している。
【0036】
ここで、2つのメモリ領域とは、物理的に独立した記憶手段であっても、1つの記憶手段に設けられる仮想的な領域であってもよい。
【0037】
記憶手段は、復号化された画像フレームを1枚ずつ交互に記憶する。2つのメモリ領域には、表示順が時間的に前後する画像フレームが記憶される。表示順が時間的に前方の画像フレームは、時間的に後方の画像フレームを復号化する際に利用可能となっている。制御手段は、時間的に後方の画像フレームを基準フレームとして、基準フレームの読み出しを制御し、補間フレームを出力させる。この際、時間的に前方の画像フレームを記憶しているメモリ領域を解放することが可能である。
【0038】
この画像復号化装置では、基準フレームに対して時間的に前方の画像フレームを記憶していた記憶手段のメモリ領域は、補間フレームの出力前に解放される。このため、基準フレームに対して時間的に後方の画像フレームを基準フレームを利用して復号化しつつ、基準フレームに対して時間的に前方の画像フレームを記憶していた記憶手段のメモリ領域に記憶することが可能となる。これにより、記憶手段の備えるメモリ領域を有効に利用すること、あるいは記憶手段のメモリ領域を削減することが可能となる。
【0039】
請求項8に記載の補間フレーム作成方法は、画像フレームを補間するための補間フレームを作成する補間フレーム作成方法であって、ベクトル導出ステップと、補間フレーム作成ステップとを備えている。ベクトル導出ステップは、補間フレームを作成する基準となる基準フレームと補間フレームとの相対的な動きを画素を単位として示す1つの補間用ベクトルを導出する。補間フレーム作成ステップは、導出された1つの補間用ベクトルに基づいて、記憶された基準フレームの読み出しを制御し、補間フレームを作成する。
【0040】
1つの補間用ベクトルは、基準フレームと補間フレームとの画素単位のずれを示すベクトルである。補間フレーム作成ステップは、1つの補間用ベクトルに基づいて、記憶手段に記憶された基準フレームのアドレスを指定して読み出し、補間フレームとして出力させる。ここで、指定されるアドレスは、1つの補間用ベクトルに応じて決定される。
【0041】
この補間フレーム作成方法では、記憶手段に対する基準フレームの読み出しの制御に基づいて補間フレームが出力される。このため、作成された補間フレームを記憶する補間フレーム用の記憶手段を設ける必要がなくなる。
【0042】
請求項9に記載の補間フレーム作成プログラムは、コンピュータにより、画像フレームを補間するための補間フレームを作成する補間フレーム作成方法を行うための補間フレーム作成プログラムであって、補間フレーム作成プログラムは、コンピュータに、ベクトル導出ステップと、補間フレーム作成ステップを備える補間フレーム作成方法を行わせるものである。ベクトル導出ステップは、補間フレームを作成する基準となる基準フレームと補間フレームとの相対的な動きを画素を単位として示す1つの補間用ベクトルを導出する。補間フレーム作成ステップは、導出された1つの補間用ベクトルに基づいて、記憶された基準フレームの読み出しを制御し、補間フレームを作成する。
【0043】
1つの補間用ベクトルは、基準フレームと補間フレームとの画素単位のずれを示すベクトルである。補間フレーム作成ステップは、1つの補間用ベクトルに基づいて、記憶手段に記憶された基準フレームのアドレスを指定して読み出し、補間フレームとして出力させる。ここで、指定されるアドレスは、1つの補間用ベクトルに応じて決定される。
【0044】
この補間フレーム作成プログラムでは、記憶手段に対する基準フレームの読み出しの制御に基づいて補間フレームが出力される。このため、作成された補間フレームを記憶する補間フレーム用の記憶手段を設ける必要がなくなる。
【0045】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態について、図1〜図16を用いて説明する。
【0046】
(1)画像復号化装置101
図1に、本発明の第1実施形態としての画像復号化装置101を示す。画像復号化装置101は、動き補償符号化された符号化画像信号115から画像フレームを復号化する装置である。さらに、画像復号化装置101は、復号化された画像フレームを補間する補間フレームを作成し、画像フレームと補間フレームとから構成される出力画像信号116を出力する。すなわち、画像復号化装置101は、符号化画像信号115から画像フレームを復号化するとともに、フレーム周波数を変換し、出力画像信号116を出力する装置である。
【0047】
画像復号化装置101は、例えば、テレビ、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話、あるいはその他の出力画像信号116を表示させる装置に内蔵あるいは接続される。
【0048】
ここで、動き補償符号化とは、画像信号を構成する画像フレーム間の時間的冗長度を削減し情報量を圧縮することを目的とし、画像フレームを構成する画像ブロックの動き補償ベクトルを用いて行われる符号化である。例えば、動画像信号圧縮の国際規格であるMPEG(Moving Picture Experts Group)では、符号化に際して、画面内符号化と画面間予測符号化の2つの符号化方法が用いられる。画面内符号化は、画像フレームをそのフレーム内の情報だけで符号化する方法であり、この方法で符号化された画像フレームをIピクチャと呼んでいる。画面間予測符号化とは、画像フレームをそのフレーム内の情報と他のフレームの情報との両方を用いて符号化する方法であり、この方法で符号化された画像フレームをPピクチャまたはBピクチャと呼んでいる。さらに、PピクチャまたはBピクチャにおいては、画面間予測符号化に動き補償符号化を適用した動き補償画面間符号化が用いられている。
【0049】
第1実施形態では、符号化画像信号115がIピクチャとPピクチャとで符号化された画像信号であるとして以下説明を行う。
【0050】
(1−1)画像復号化装置101の構成
図1に示す画像復号化装置101は、復号化部110と、補間フレーム作成部111とから構成される。復号化部110は、可変長復号化部102と、逆量子化部103と、逆直交変換部104と、動き補償部105とを有している。補間フレーム作成部111は、画像フレーム用メモリ107と、作成処理部108とを有している。
【0051】
可変長復号化部102は、符号化画像信号115から、画像フレームを構成する画像ブロックの符号化情報を復号化し、符号化モード、動き補償ベクトルMCV、量子化情報および量子化DCT係数などを分離する。言い換えれば、可変長復号化部102は、動き補償符号化された符号化画像信号115を可変長復号化する。
【0052】
逆量子化部103は、量子化DCT係数から量子化ステップの変換対応表に基づいてDCT係数を出力する。言い換えれば、逆量子化部103は、可変長復号化部102により出力された可変長復号化信号を逆量子化する。
【0053】
逆直交変換部104は、DCT係数を画素データに変換する。言い換えれば、逆直交変換部104は、逆量子化部103により出力された逆量子化信号を逆直交変換する。
【0054】
画素データは、画面内符号化された画像ブロックの場合、そのまま画像フレームを構成する復号化画像信号117として出力される。一方、画面間予測符号化された画像ブロックの場合、動き補償部105で作成された動き補償予測画素データが加算され、画像フレームを構成する復号化画像信号117として出力される。復号化画像信号117は、画像フレーム毎に画像フレーム用メモリ107に記憶される。言い換えれば、画像フレーム用メモリ107は、動き補償予測画素データと逆直交変換部104により出力された逆直交変換信号とに基づいて作成された画像フレームを記憶する。
【0055】
動き補償部105は、符号化画像信号115から分離された動き補償ベクトルMCVと、画像フレーム用メモリ107が記憶する画像フレームとから動き補償予測画素データを作成する。言い換えれば、動き補償部105は、可変長復号化部102により出力された可変長復号化信号のうち動き補償ベクトルMCVに基づいて、動き補償予測画素データを出力する。
【0056】
補間フレーム作成部111は、符号化画像信号115から分離された動き補償ベクトルMCVに基づいて、画像フレーム用メモリ107が記憶する画像フレームのアドレスを指定して読み出し、補間フレームとして出力させる。画像フレーム用メモリ107は、記憶する画像フレームを所定の時間間隔で出力するとともに、作成処理部108の制御を受けて、記憶する画像フレームを補間フレームとして出力する。すなわち、画像フレーム用メモリ107から画像フレームと補間フレームとから構成される出力画像信号116が出力される。補間フレーム作成部111の動作については、後ほど詳しく説明を加える。
【0057】
以下、補間フレームとして読み出す対象となる画像フレームを特に「基準フレーム」という。
【0058】
(1−2)補間フレーム作成部111の動作
補間フレーム作成部111は、上述のように、画像フレーム用メモリ107と、作成処理部108とを有している。
【0059】
画像フレーム用メモリ107は、2つのフレームメモリである第1メモリ120および第2メモリ121を有している。第1メモリ120および第2メモリ121は、復号化画像信号117を画像フレーム毎に交互に記憶する。ここで、第1メモリ120および第2メモリ121は、例えば、画像フレームを少なくとも1枚以上記憶できるフレームメモリであって、VRAM、SRAM、DRAMなどで構成される
また、画像フレーム用メモリ107は、作成処理部108の制御を受けて、記憶する基準フレームを補間フレームとして出力する。
【0060】
作成処理部108は、動き補償ベクトルMCVに基づいて、基準フレームと補間フレームとの相対的な動きを画素を単位として示す1つの補間用ベクトルを導出する。さらに、1つの補間用ベクトルに基づいて、基準フレームを記憶する第1メモリ120あるいは第2メモリ121の読み出しアドレスを変更して読み出し、補間フレームを出力させる。
【0061】
(1−2−1)1つの補間用ベクトルの導出
図2を用いて、1つの補間用ベクトルの導出について説明する。図2(a)は、復号化画像信号117を構成する画像フレームを示している。図2の左方から右方に向かって、時間経過を示している。すなわち、画像フレームI0から画像フレームP4に向かう方向が時間的に後方に表示される順番となる。以降、特に断らない場合は、表示順であるものとする。図2(a)の各画像フレームの符号のアルファベット部(I0,P1,P2,P3,P4,・・・のI,P,P,P,・・・)は、それぞれの画像フレームの符号化の際のピクチャタイプを示している。また、図2(a)では、符号化の際に動き補償を行った画像フレーム同士を矢印で関係づけて表している。すなわち、矢印の根に位置する画像フレームの符号化に際して、矢印の先に位置する画像フレーム(以下、符号化参照フレームという)を参照して、動き補償符号化したことを表している。
【0062】
以下、画像フレームP3を基準フレームとして、画像フレームP2と画像フレームP3とを補間する補間フレームCF3(図2(d)参照)を作成する場合について説明する。
【0063】
図2(b)は、作成処理部108が取得した画像フレームP3の動き補償ベクトルMCV3である。動き補償ベクトルMCV3は、画像フレームP3を構成する画像ブロック毎に取得された動き補償ベクトルである。動き補償ベクトルMCV3は、符号化参照フレームである画像フレームP2を構成する画素領域に対する、画像フレームP3の画像ブロックの動きを表している。
【0064】
図2(c)は、動き補償ベクトルMCV3を代表する1つの代表ベクトルV3を表している。ここで、代表ベクトルV3は、▲1▼画像フレームP3全体の動き補償ベクトルMCV3の平均値、▲2▼画像フレームP3の外周縁に位置する画像ブロックの動き補償ベクトルMCV3の平均値、▲3▼画像フレームP3の中央部に位置する画像ブロックの動き補償ベクトルMCV3の平均値、▲4▼画像フレームP3中の所定の画像ブロック以外の動き補償ベクトルMCV3の平均値、▲5▼画像フレームP3全体の動き補償ベクトルMCV3の最頻値などとして導出される。ここで、▲4▼の所定の画像ブロックとは、例えば、画面内符号化され、動き補償ベクトルを有しない画像ブロックなどである。
【0065】
図2(d)は、1つの代表ベクトルV3を内分する1つの補間用ベクトルCV3を表している。また1つの補間用ベクトルCV3は、整数成分を有するように作成される。すなわち、1つの補間用ベクトルCV3は、画像フレームP3と補間フレームCF3との相対的な動きを画素を単位として示している。
【0066】
作成処理部108は、1つの代表ベクトルV3の大きさに対する1つの補間用ベクトルCV3の大きさの割合が[t]の場合、画像フレームP2と画像フレームP3との時間的距離を[(1−t):t]に内分するタイミングで、補間フレームCF3を出力する。すなわち、補間フレームCF3を出力するタイミング(補間フレームCF3の画像フレームP2およびP3に対する内挿位置)は、作成された1つの補間用ベクトルCV3の大きさによって変化することとなる。作成処理部108は、画像フレーム用メモリ107に対して、画像フレームP3を記憶するアドレスの指定を行い、補間フレームCF3の読み出しを行わせる。
【0067】
なお、1つの補間用ベクトルCV3は、1つの代表ベクトルV3を近似的に内分するものであってもよい。例えば、2次元のベクトルとして表現される1つの代表ベクトルV3を内分し、かつ、一方のベクトル成分が整数である内分ベクトルを導出する。さらに、導出された内分ベクトルの他の一方のベクトル成分を四捨五入などにより整数とする。これにより、双方のベクトル成分が整数である1つの補間用ベクトルCV3を作成する。この場合、補間フレームを作成するタイミングは、1つの代表ベクトルV3の大きさに対する内分ベクトルの大きさの割合によって決定される。
【0068】
(1−2−2)アドレスの指定
〈1〉
図3を用いて、作成処理部108による、画像フレームP3を記憶するアドレスの指定について説明する。
【0069】
図3は、1つの補間用ベクトルCV3により仮想的に変位された画像フレームP3’を示している。画像フレームP3’と補間フレームCF3とは、重複領域130において重複している。また、1つの補間用ベクトルCV3は、整数成分を有し、画素を単位とした動きを表している。このため、重複領域130では、画像フレームP3’と補間フレームCF3との画素同士が丁度重なり合い、画素単位でずれることなく構成されている。
【0070】
補間フレームCF3の作成が行われる際に、作成処理部108は、画像フレーム用メモリ107のアドレスを指定して読み出しを行わせる。具体的には、作成処理部108は、重複領域130に対応する画像フレームP3上の領域131を記憶するアドレスを指定し、補間フレームCF3の重複領域130を出力させる。また、補間フレームCF3上の重複領域130以外の領域である非重複領域135についても、作成処理部108は、画像フレームP3の画素値を記憶するアドレスを指定して出力を行わせる。
【0071】
図4および図5を用いて、さらに詳しく説明する。
図4は、図3の補間フレームCF3を含む平面における補間フレームCF3と画像フレームP3’との位置関係を示している。
【0072】
ここで、説明の容易のため、補間フレームCF3および画像フレームP3(画像フレームP3’)は、8画素のフレーム幅を持つラインを6ライン持つとする。すなわち、縦6画素、横8画素からなるとする。さらに、画像フレームP3(画像フレームP3’)のi行j列(1≦i≦6,1≦j≦8)の画素値を記憶する画像フレーム用メモリ107のアドレスを[bij]とする。また、1つの補間用ベクトルCV3は、図4の右方向をx方向、上方向をy方向として、(x,y)=(−3,2)と表されているとする。すなわち、x方向に[−3画素]、y方向に[2画素]の成分を有しているとする。
【0073】
作成処理部108は、補間フレームCF3を作成する際に、ラスタ走査の要領で、画像フレームP3を記憶する画像フレーム用メモリ107のアドレスを指定する。すなわち、補間フレームCF3の左上の画素132から右方向に向かってアドレスの指定を繰り返し、右下の画素133までのアドレスの指定を行う。
【0074】
例えば、図4では、作成処理部108は、補間フレームCF3の左上の画素132の画素値を記憶するアドレスとして、アドレス[b34]を指定する。さらに、右方向に向かって、アドレス[b35]〜[b38]の指定を行う。
【0075】
ここで、画像フレームP3’と補間フレームCF3との非重複領域135については、画像フレーム用メモリ107の記憶する画像フレームP3の画素値を用いて補完する。
【0076】
図5を用いて、非重複領域135の補完について説明する。
作成処理部108は、重複領域130の端の画素134に対してアドレス[b38]を指定した後は、重複領域130の端の画素134に対して指定したアドレス[b38]を、必要回数繰り返し指定する。ここで、繰り返し回数は、1つの補間用ベクトルCV3のx方向成分から導出可能である。すなわち、画像フレームP3’と補間フレームCF3とのx方向のずれの量を示す、1つの補間用ベクトルCV3のx方向成分の大きさだけ重複領域130の端画素134に対して指定したアドレス[b38]を繰り返す。図5では、3回繰り返してアドレス[b38]を指定している。同様にして、重複領域130の最終ライン(最も下に位置するライン)が属するライン136までのアドレスの指定を行う
さらに、補間フレームCF3の残りのラインについては、ライン136で指定したアドレスを、必要回数繰り返し指定する。ここで、繰り返し回数は、1つの補間用ベクトルCV3のy方向成分から導出可能である。すなわち、画像フレームP3’と補間フレームCF3とのy方向のずれの量を示す、1つの補間用ベクトルCV3のy方向成分の大きさだけライン136で指定したアドレスを繰り返す。図5では、ライン136で指定したのと同じアドレスが2回繰り返して指定されている。
【0077】
以上により、補間フレームCF3の読み出しが完了する。
なお、アドレスはラスタ走査の要領で指定しなくてもよい。例えば、図4では、作成処理部108は、1つの補間用ベクトルCV3により、重複領域130を算出し、重複領域130および非重複領域135に対して、あらかじめ決めた順序によりアドレスの指定を行ってもよい。
【0078】
〈2〉
図4および図5では、1つの補間用ベクトルCV3がx−y平面の第2象限に位置するベクトルであるとして、アドレスの指定について説明した。ここで、1つの補間用ベクトルCV3が他の象限に位置する場合のアドレスの指定について説明する。
【0079】
図6は、1つの補間用ベクトルCV3がx−y平面の第4象限に位置するベクトルである場合を示している。1つの補間用ベクトルCV3は、(x,y)=(3,−2)の成分を有しているとする。ここで、補間フレームCF3と画像フレームP3’とは、重複領域138において重複している。
【0080】
作成処理部108は、補間フレームCF3を作成する際に、例えば、ラスタ走査の要領で、画像フレームP3を記憶する画像フレーム用メモリ107のアドレスを指定する。
【0081】
1つの補間用ベクトルCV3のy方向成分が負の値を有する場合、作成処理部108は、画像フレームP3’の第1ライン140を記憶するアドレスを、必要回数繰り返し指定する。ここで、繰り返し回数は、1つの補間用ベクトルCV3のy方向成分から導出可能である。すなわち、画像フレームP3’と補間フレームCF3とのy方向のずれの量を示す、1つの補間用ベクトルCV3のy方向成分の大きさだけ第1ライン140を記憶するアドレスの指定を繰り返す。図6では、第1ライン140と同じアドレスを2回繰り返して指定している。
【0082】
重複領域138を含むラインにおける非重複領域139は、重複領域138の画素であって、重複領域138と非重複領域139との境界に位置する画素を記憶するアドレスを必要回数繰り返し指定して補完する。ここで、繰り返し回数は、1つの補間用ベクトルCV3のx方向成分から導出可能である。すなわち、画像フレームP3’と補間フレームCF3とのx方向のずれの量を示す、1つの補間用ベクトルCV3のx方向成分の大きさだけ重複領域138の端のアドレスを繰り返す。図6では、画素群141に対して、3回繰り返してアドレス[b11]を指定している。
【0083】
重複領域138では、画像フレームP3における重複領域138に対応する領域のアドレスが指定される。
【0084】
〈3〉
アドレスの指定は、以下の様にまとめられる。
【0085】
作成処理部108は、補間フレーム(例えば、補間フレームCF3など)を作成するために補間フレームを作成する基準となる基準フレーム(例えば、画像フレームP3など)を記憶する画像フレーム用メモリ107のアドレスを指定する。指定は、以下の様に行われる。なお、補間フレームの右方向をx方向、上方向をy方向と定義する。
【0086】
▲1▼補間フレーム上における、補間フレームと1つの補間用ベクトルにより仮想的に変位された基準フレームとの重複領域(以下、単に重複領域という)に対しては、重複領域に対応する基準フレーム上の領域を記憶するアドレスが指定される。
【0087】
▲2▼1つの補間用ベクトルのy方向成分が負の値を有する場合、重複領域を含まないラインに対しては、基準フレームの第1ライン(最も上に位置するライン)を記憶するアドレスが必要回数繰り返して指定される。ここで、必要回数は、1つの補間用ベクトルのy方向成分の大きさとして求められる。
【0088】
▲3▼1つの補間用ベクトルのy方向成分が正の値を有する場合、重複領域を含まないラインに対しては、重複領域を含む最終ライン(最も下に位置するライン)で指定したアドレスが必要回数繰り返して指定される。ここで、必要回数は、1つの補間用ベクトルのy方向成分の大きさとして求められる。
【0089】
▲4▼重複領域および非重複領域を含むラインにおける非重複領域に対しては、重複領域の画素であって、重複領域と非重複領域の境界に位置する画素を記憶するアドレスが必要回数繰り返して指定される。ここで、必要回数は、1つの補間用ベクトルのx方向成分の大きさとして求められる。
【0090】
(2)補間フレーム作成方法
図7に、画像復号化装置101における補間フレーム作成方法を説明するフローチャートを示す。それぞれのステップの詳細な内容は、上記(1)で説明したのと同様であるので、詳しい説明は省略する。
【0091】
作成処理部108は、取得した動き補償ベクトルMCVに基づいて、補間フレームを作成する基準となる基準フレームと補間フレームとの相対的な動きを画素を単位として示す1つの補間用ベクトルを導出する(ステップS150)。
【0092】
作成処理部108は、1つの補間用ベクトルに基づいて、基準フレームを記憶する第1メモリ120あるいは第2メモリ121のアドレスの指定を行い、補間フレームの読み出しを行わせる。(ステップS151)。
【0093】
(3)第1実施形態の効果
(3−1)アドレスの指定による補間フレーム作成の効果
画像復号化装置101では、基準フレームと補間フレームとの画素単位のずれを示すベクトルである1つの補間用ベクトルに基づいて、基準フレームを記憶する画像フレーム用メモリ107のアドレスの指定を行い、補間フレームを出力する。ここで、1つの補間用ベクトルが整数成分を持つベクトルであるため、読み出しアドレスの変更による補間フレームの導出が可能となる。
【0094】
このため、補間フレームを記憶しておく補間フレーム用メモリを備える必要がなく、画像復号化装置101のコストを削減することが可能となる。
【0095】
また、1つの補間用ベクトルは、基準フレームについての動き補償ベクトルMCVから導出されるため、基準フレームの代表的な動きを表している。このため、1つの補間用ベクトルにより補間される画像フレームの視覚的印象を向上することが可能となる。特に、画像フレームにより表示される物体の動きを滑らかにすることが可能となる。
【0096】
また、画像復号化装置101は、作成処理部108を除いて、通常の画像復号化装置の構成を変更するものではない。このため、画像復号化装置101の大半は汎用部品で作成することが可能であり、コストを削減することが可能である。
【0097】
(3−2)読み出し対象となる画像フレームを限定することの効果
第1実施形態では、補間フレームCF3に対して、表示順が時間的に後方の画像フレームP3を基準フレームとして補間フレームCF3の作成を行うと説明した。ここで、補間フレームCF3に対して、表示順が時間的に前方の画像フレームP2を基準フレームとして補間フレームCF3の作成を行うことも可能である。しかし、画像フレームP3を基準フレームとして補間フレームCF3の作成を行うとしたことにより、画像復号化装置101では、画像フレーム用メモリ107を削減する効果が得られている。
【0098】
図8を用いて、読み出し対象となる画像フレームを補間フレームに対して表示順が時間的に後方の画像フレームに限定することの効果について説明する。
【0099】
図8(a)は、そのような限定を行わない場合の画像フレーム用メモリの占有状況を示している。図8(b)は、限定を行う場合の画像フレーム用メモリの占有状況を示している。図8(b)は、図8(a)に比して、必要なメモリを1枚分削減できることを示している。以下この理由について説明する。
【0100】
図8(a)では、画像復号化装置は、画像フレームI0,P1,P2,P3,P4,・・・を順次復号化する(図2(a)参照)。復号化された画像フレームは、復号化されるともに、第1〜第3メモリに記憶される。第1〜第3メモリに書き込まれた画像フレームは、表示順が時間的に後方の画像フレームを復号化する際に利用されるため、少なくとも1枚後ろの画像フレームの復号化が終わるまで記憶されている必要がある。さらに、第1〜第3メモリに書き込まれた画像フレームは、補間フレームの作成に利用される可能性がある間は、記憶されている必要がある。図8(a)では、補間フレームCF1,CF2,CF3は、それぞれ画像フレームI0,P2,P3を利用して作成されている。
【0101】
画像フレームI0は、時刻[t0]に復号化が開始され、第1メモリに記憶される。画像フレームI0は、画像フレームP1の復号化に利用される。このため、少なくとも画像フレームP1の復号化が終わる時刻まで第1メモリに記憶されている必要がある。なお、復号化された画像フレームP1は、第2メモリに記憶される。
【0102】
画像フレームI0は、画像フレームP1の表示が開始されるまでは補間フレームCF1の作成に利用される可能性がある。これは、補間フレームCF1が画像フレームI0のアドレスを変更して読み出すことにより表示されているためである。このため、画像フレームI0は、時刻[t5]までは第1メモリに記憶されている必要がある。
【0103】
一方、時刻[t4]において、画像フレームP2の復号化が開始される。これは、少なくとも画像フレームのフレームレート以上のタイミングで復号化する必要があるからである。時刻[t4]において、第1メモリ、第2メモリには、画像フレームI0,P1が記憶されている。このため、時刻[t4]に復号化が開始された画像フレームP2は、第3メモリに記憶する必要がある。
【0104】
時刻[t5]において、第1メモリは解放される。これにより、時刻[t6]に復号化が開始される画像フレームP3は、第1メモリに記憶可能である。
【0105】
以上のように、補間フレームの作成において、読み出し対象となる画像フレームを補間フレームに対して表示順が時間的に後方の画像フレームに限定しない場合、画像フレーム用メモリは、少なくとも3つのメモリを備える必要がある。
【0106】
一方、図8(b)は、そのような限定を行った場合の画像フレーム用メモリ107の占有状況を示している。
【0107】
図8(b)では、画像復号化装置101は、画像フレームI0,P1,P2,P3,P4,・・・を順次復号化する。復号化された画像フレームは、復号化されるともに、第1メモリ120または第2メモリ121(図1参照)に記憶される。第1メモリ120または第2メモリ121に書き込まれた画像フレームは、表示順が時間的に後方の画像フレームを復号化する際に利用される。このため、少なくとも1枚後ろの画像フレームの復号化が終わるまで記憶されている必要がある。さらに、第1メモリ120または第2メモリ121に書き込まれた画像フレームは、補間フレームの作成に利用される可能性がある間は、記憶されている必要がある。図8(b)では、補間フレームCF1,CF2,CF3は、それぞれ画像フレームP1,P2,P3を利用して作成されている。
【0108】
画像フレームI0は、時刻[t0]に復号化が開始され、第1メモリ120に記憶される。画像フレームI0は、画像フレームP1の復号化に利用される。このためため、少なくとも画像フレームP1の復号化が終わる時刻まで第1メモリ120に記憶されている必要がある。なお、復号化された画像フレームP1は、第2メモリ121に記憶される。
【0109】
画像フレームI0の表示終了時刻である時刻[t4]において、第1メモリ120は解放される。画像フレームI0より表示順が時間的に後方の補間フレームCF1の作成には、画像フレームP1のみが利用され、画像フレームI0は、利用されないからである。このため、第1メモリ120は、時刻[t4]において復号化が開始された画像フレームP2を記憶することができる。
【0110】
以上のように、補間フレームの作成において、読み出し対象となる画像フレームを補間フレームに対して表示順が時間的に後方の画像フレームに限定する場合、画像フレーム用メモリ107は、2つのメモリを備えれば十分となる。このため、画像フレーム用メモリ107の削減が可能となる。さらには、画像復号化装置101のコストを削減することが可能となる。
【0111】
(4)第1実施形態の変形例
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0112】
(4−1)1つの補間用ベクトルの導出の変形例
〈1〉
図2(d)の説明において、補間フレームの作成は、1つの代表ベクトルV3を内分するベクトルであって、整数成分を有する1つの補間用ベクトルCV3と、1つの代表ベクトルV3との比によって定まるタイミングで行われると説明した。
【0113】
ここで、補間フレームは、あらかじめ設定されたタイミングで作成されるものであってもよい。
【0114】
これについて、図9を用いて説明する。
例えば、補間フレームを画像フレームのフレーム周波数を2倍にするように作成する場合、作成処理部108は、1つの代表ベクトルVに対して、方向を変えずに大きさを2分の1とする内分ベクトルDVを導出する。導出された内分ベクトルDVが整数成分を持つ場合、内分ベクトルDVを1つの補間用ベクトルCVとする(図9(a)参照)。一方、導出された内分ベクトルDVが整数成分を持たない場合、整数成分を持つベクトルであって、内分ベクトルDVとの距離が最も近いベクトルを1つの補間用ベクトルCVとする(図9(b)参照)。
【0115】
これにより、あらかじめ設定されたタイミングで画像フレーム用メモリ107が記憶する基準フレームのアドレスを指定して補間フレームを作成することが可能となる。
【0116】
また、あらかじめ設定されたタイミングは、動き補償ベクトルMCVの大きさまたは1つの代表ベクトルVの大きさによって変更されるものであっても良い。
【0117】
例えば、画像フレームのフレーム周波数、出力画像信号116を表示する表示装置の最大表示レートまたは画像復号化装置101の補間フレーム作成能力により、作成可能な補間フレームの最大枚数を決定する。動き補償ベクトルMCVの大きさ、または1つの代表ベクトルVの大きさがある一定値以上の場合に、その最大枚数分の補間フレームを作成する。
【0118】
これにより、動き補償ベクトルMCVの大きさまたは1つの代表ベクトルVの大きさが大きい場合、補間フレームを作成するタイミングを変更し、補間枚数を増やすことができる。このため、画像フレームをより滑らかに補間することが可能となる。
【0119】
〈2〉
図2(d)において、1つの代表ベクトルV3を内分し、かつ整数成分を有するベクトルという条件を満たすベクトルが複数求められる場合には、それぞれのタイミングで複数枚の補間フレームを作成しても良い。
【0120】
これについて、図10を用いて説明する。
例えば、1つの代表ベクトルV3を内分するベクトルであって、整数成分を有する複数の1つの補間用ベクトルCV11,CV12が求められるとする(図10(a)参照)。この場合、それぞれの1つの補間用ベクトルCV11,CV12が、1つの代表ベクトルVを内分するタイミングで、補間フレームCF11,CF12の作成が行われる。例えば、1つの代表ベクトルV3と1つの補間用ベクトルCV11,CV12との大きさの比を[l:m:n]とすると、画像フレームP2と画像フレームP3との時間的距離を[l−m:m]に内分するタイミングで、補間フレームCF11が出力され、[l−n:n]に内分するタイミングで補間フレームCF12が出力される。すなわち、補間フレームCF11,CF12が出力されるタイミングは、求められた複数の1つの補間用ベクトルCV11,CV12の大きさによって変化することとなる。
【0121】
なお、それぞれの1つの補間用ベクトルCV11,CV12は、1つの代表ベクトルV3を近似的に内分するものであってもよい。これについては、上記「(1−2−1)1つの補間用ベクトルの導出」において、説明したのと同様であるので説明は省略する。
【0122】
これにより、複数の補間フレームを作成できる。このため、より滑らかな出力画像信号116を得ることが可能となり、出力画像信号116の視覚的印象が向上する。
【0123】
〈3〉
図2(d)において、1つの代表ベクトルV3を内分し、かつ整数成分を有するベクトルという条件を満たすベクトルが求められない場合、1つの補間用ベクトルを近似的に求めても良い。
【0124】
図11を用いて、具体的に説明する。例えば、1つの代表ベクトルV3の始点(矢印の根)を始点とし、1つの代表ベクトルV3の始点と終点(矢印の先)とを結ぶ線分との距離が最も近い整数点153を終点とするベクトルを1つの補間用ベクトルCV13として求めても良い。
【0125】
(4−2)アドレスの指定の変形例
図5を用いて説明した非重複領域135の補完は、他の方法により行われても良い。
【0126】
具体的には、▲1▼画像フレームP3の同じ位置の画素を貼り付ける、▲2▼重複領域130の外周縁の画素領域を用いて滑らかに補完するなどの方法により補完がおこなわれる。
【0127】
図12および図13を用いて、それぞれについて説明する。
図12(a)は、1つの補間用ベクトルCV3により仮想的に変位された画像フレームP3’と補間フレームCF3との位置関係を示している。画像フレームP3’と補間フレームCF3とは、重複領域130において重複している。画像フレームP3(画像フレームP3’)には、格子の画像が表示されているとする。
【0128】
図12(b)に、上記▲1▼の補完方法により作成された補間フレームCF3の画像を示す。補間フレームCF3において、重複領域130は、画像フレームP3において対応する領域131(図3参照)を記憶するアドレスの読み出しにより作成される。非重複領域135は、画像フレームP3における同じ位置を記憶するアドレスの読み出しにより作成される。
【0129】
図12(c)に、上記▲1▼の補完方法において指定される、画像フレームP3を記憶するアドレスを示す。非重複領域135において、画像フレームP3の同じ位置のアドレスが指定されている。なお、図12(c)は、図4と同様の標記方法により示されている。
【0130】
図13(a)は、図12(a)と同様、1つの補間用ベクトルCV3により仮想的に変位された画像フレームP3’と補間フレームCF3との位置関係を示している。画像フレームP3’と補間フレームCF3とは、重複領域130において重複している。画像フレームP3(画像フレームP3’)には、格子の画像が表示されているとする。
【0131】
図13(b)に、上記▲2▼の補完方法により作成された補間フレームCF3の画像を示す。補間フレームCF3において、重複領域130のうちの一部である領域155は、画像フレームP3’において対応する領域を記憶するアドレスの読み出しにより作成される。重複領域130のうちの他の一部である領域156および非重複領域135は、画像フレームP3’において領域156に対応する領域を記憶するアドレスの読み出し回数を変更して補完される。すなわち、領域156に対応する画像フレームP3’の画素を領域156および非重複領域135に引き延ばすように補完が行われる。
【0132】
図13(c)に、上記▲2▼の補完方法において指定される、画像フレームP3を記憶する画像フレーム用メモリ107のアドレスを示す。重複領域130のうち、の一部の領域155においては、画像フレームP3’において対応する領域を記憶するアドレスがそのまま指定される。領域156および非重複領域135は、画像フレームP3’において領域156に対応する領域を記憶するアドレスの読み出し回数を変更して補完される。例えば、ライン158において、画像フレームP3’において領域156に対応する領域を記憶するアドレスは、アドレス[b37]および[b38]であるが、この2つのアドレスを繰り返して指定することにより、領域156および非重複領域135を補完している。図13(c)ライン158では、アドレス[b37]が2回、アドレス[b38]が3回指定されている。
【0133】
ここで、非重複領域135の補完に用いられる重複領域130のうちの一部の領域156の大きさは自由に設定可能である。この領域156が大きいほど(領域155が小さいほど)領域156および非重複領域135を滑らかに補完することが可能であるが、画像全体の歪みは大きくなる。
【0134】
(4−3)補間フレーム作成部111の変形例
補間フレーム作成部111は、画像復号化装置101に内蔵されず、独立して動作するものであってもよい。
【0135】
図14に、補間フレーム作成装置161を示す。補間フレーム作成装置161は、画像フレーム用メモリ162と、動きベクトル検出部163と、作成処理部164とを備えている。
【0136】
画像フレーム用メモリ162は、入力画像信号170を画像フレーム毎に記憶する。動きベクトル検出部163は、記憶された画像フレームを構成する画像ブロックの動きベクトルを検出する。作成処理部164は、画像ブロック毎に求められた動きベクトルから、1つの補間用ベクトルを導出する。1つの補間用ベクトルは、上記(1−2−1)で述べた手順を画像ブロック毎に得られた動きベクトルに適用して行われる。さらに、作成処理部164は、導出した1つの補間用ベクトルに基づいて、画像フレーム用メモリ162の記憶する画像フレームを、読み出しアドレスを指定して読み出す。アドレスの指定については、上記(1−2−2)あるいは上記(4−1)で述べたのと同様の手順で行われる。
【0137】
(4−4)画像フレーム用メモリ107の変形例
画像フレーム用メモリ107は、第1メモリ120および第2メモリ121を備えていると説明した。ここで、変形例としての画像フレーム用メモリ107は、さらに第3メモリおよび第4メモリを備えており、同時に4枚の画像フレームを記憶できるものであっても良い。
【0138】
この場合、符号化画像信号115は、Iピクチャ、PピクチャおよびBピクチャとで符号化された画像信号であっても良い。
【0139】
図15(a)に、復号化画像信号117を構成する画像フレームを示す。図15の左方から右方に向かって、時間経過を示している。すなわち、画像フレームI0から画像フレームP6に向かう方向が時間的に後方に表示される順番となる。以降、特に断らない場合は、表示順であるものとする。図15(a)の各画像フレームの符号のアルファベット部(I0,B1,B2,P3,・・・のI,B,B,P,・・・)は、それぞれの画像フレームの符号化の際のピクチャタイプを示している。また、符号化の際に動き補償を行った画像フレーム同士を矢印で関係づけて表している。すなわち、矢印の根に位置する画像フレームの符号化に際して、矢印の先に位置する画像フレーム(以下、符号化参照フレームという)を参照して、動き補償符号化したことを表している。
【0140】
ここで、上記「(1−2)補間フレーム作成部111の動作」で述べたのと同様に、補間フレームに対して、表示順が時間的に後方の画像フレームを基準フレームとして補間フレームの作成を行う。
【0141】
〈1〉1つの補間用ベクトルの導出
Pピクチャからの1つの補間用ベクトルの導出は、上記「(1−2)補間フレーム作成部111の動作」で述べたのと同様の手順により行われる。例えば、画像フレームP3と補間フレームCF3との相対的な動きを示す1つの補間用ベクトルが導出される。
【0142】
Bピクチャからの1つの補間用ベクトルの導出は、次のように行われる。例えば、画像フレームB1は、画像フレームI0および画像フレームP3を符号化参照フレームとして符号化されている。そこで、画像フレームB1を構成する画像ブロック毎に取得される動き補償ベクトルのうち、時間的に前方の画像フレームI0に対して得られる動き補償ベクトルMCV1から上記「(1−2)補間フレーム作成部111の動作」で述べた手順により補間フレームCF1に対する1つの補間用ベクトルを導出する。なお、時間的に後方の画像フレームP3に対して得られる動き補償ベクトルMCV2から上記「(1−2)補間フレーム作成部111の動作」で述べた手順により補間フレームCF1に対する1つの補間用ベクトルを導出してもよい。この場合、動き補償ベクトルMCV2から導出される1の代表ベクトルを外分して1つの補間用ベクトルを導出することとなる。
【0143】
〈2〉変形例としての画像フレーム用メモリ107の占有状況
図16に、変形例としての画像フレーム用メモリ107の占有状況を示す。図15(b)の順序で表示される出力画像信号116に対して、復号化は、画像フレームI0,P3,B1,B2,P6,B4,B5,・・・の順序で行われる。復号化された画像フレームは、変形例としての画像フレーム用メモリ107に記憶される。
【0144】
例えば、画像フレームI0は、時刻[t0]に復号化が開始され、第1メモリに記憶される。画像フレームI0は、画像フレームP3,B1,B2の復号化に利用される。このため、少なくとも画像フレームB2の復号化が終わる時刻まで第1メモリに記憶されている必要がある。順次復号化される画像フレームP3,B1,B2,P6,B4,B5,・・・は、解放されている第1〜第4メモリに記憶される。
【0145】
作成処理部108は、補間フレームCF1,CF2,CF3,・・・を作成する際に、表示順が時間的に後方の画像フレームを基準フレームとして補間フレームの作成を行う。例えば、補間フレームCF1,CF2,CF3,・・・の作成には、それぞれ画像フレームB1,B2,P3,・・・が利用される。作成処理部108は、変形例としての画像フレーム用メモリ107に対して、〈1〉で述べた1つの補間用ベクトルに基づいて、基準フレームの読み出しアドレスを指定する。これにより、補間フレームCF1,CF2,CF3,・・・が読み出される。詳しい動作は、上記「(1−2)補間フレーム作成部111の動作」で述べたのと同様であるので省略する。
【0146】
〈3〉読み出し対象となる画像フレームを限定することの効果
補間フレームCF1,CF2,CF3,・・・に対して、表示順が時間的に前方あるいは後方のどちらの画像フレームも読み出し対象とすると、読み出し先の画像フレーム用メモリを特定してから1つの補間用ベクトルを導出するなど、処理が煩雑となる。例えば、図16において、時刻[t6]に補間フレームCF1を作成する際に、第1メモリに記憶される画像フレームI0を対象としてアドレスを指定するのか(時刻[t6]点線矢印参照)、あるいは第3メモリに記憶される画像フレームB1を対象としてアドレスを指定するのか(時刻[t6]実線矢印参照)決定する必要がある。
【0147】
一方、読み出し対象となる画像フレームを限定することにより、実線の矢印で示したメモリへのアクセスを行えば良く、メモリアクセスの制御が容易になる。
【0148】
(4−5)その他
上記実施形態において、フレームとは、順次走査画像におけるフレームであっても、飛び越し走査画像におけるフレームまたはフィールドであってよい。
【0149】
上記実施形態において、符号化画像信号115は、例えば、H.261符号化、MPEG−1符号化、MPEG−2符号化あるいはMPEG−4符号化などにより動き補償符号化された画像信号であってよい。
【0150】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態について、図17〜図19を用いて説明する。
【0151】
(1)画像復号化装置201
図17に、本発明の第2実施形態としての画像復号化装置201を示す。画像復号化装置201の構成は、図1の画像復号化装置101とほぼ同様の構成であるため、同様の部分には同じ符号を付し、説明を省略する。以下、相違点である、画像フレーム用メモリ207と、作成処理部208と、表示用メモリ209とについて説明を加える。
【0152】
また、[第1実施形態]と同様に、符号化画像信号115は、IピクチャとPピクチャとで符号化された画像信号であるとして以下説明を行う。
【0153】
画像フレーム用メモリ207は、図1の画像フレーム用メモリ107と同様に、2つのフレームメモリである第1メモリ220および第2メモリ221を有している。第1メモリ220および第2メモリ221は、復号化画像信号117を画像フレーム毎に交互に記憶する。ここで、第1メモリ220および第2メモリ221は、例えば、画像フレームを少なくとも1枚以上記憶できるフレームメモリであって、VRAM、SRAM、DRAMなどで構成される。
【0154】
画像フレーム用メモリ207は、復号化された画像フレームを表示用メモリ209に転送して記憶させる。
【0155】
作成処理部208は、図1の作成処理部108と同様に、補間フレームを作成する基準となる基準フレームの動き補償ベクトルMCVを取得し、1つの補間用ベクトルを導出する。1つの補間用ベクトルの導出については、[第1実施形態]で説明したのと同様であるので説明は省略する。また、1つの補間用ベクトルに基づいて、表示用メモリ209が記憶する基準フレームのアドレスを指定して読み出し、補間フレームとして出力させる。
【0156】
表示用メモリ209は、画像フレームを少なくとも1枚以上記憶できるフレームメモリであって、VRAM、SRAM、DRAMなどで構成される。また、所定のタイミングで、記憶する画像フレームの読み出しを行い、図示しないRAMDAC(RAM Digital−to−Analog Converter)などにより処理を行った後、ディスプレイなどの表示装置(図示せず)に表示を行う。さらに、表示用メモリ209は、作成処理部208から基準フレームを記憶するアドレスの指定を受け、補間フレームの読み出しを行う。
【0157】
(2)第2実施形態の効果
画像復号化装置201では、補間フレームを作成して記憶しておく必要がないなど、[第1実施形態](3−1)で記載したのと同様の効果を得ることが可能となる。
【0158】
さらに、補間フレームを作成するための基準フレームを補間フレームに対して時間的に後方に位置する画像フレームと限定することにより、画像フレーム用メモリ207から表示用メモリ209への画像フレームの転送タイミングを一定にすることができる。
【0159】
図18を用いて、この効果について説明を行う。
図18(a)は、補間フレームを作成するための基準フレームを補間フレームに対して時間的に後方に位置する画像フレームと限定しない場合の画像フレームの転送タイミングを説明する説明図である。図18(b)は、この限定を行った場合の効果を説明する説明図である。
【0160】
図18(a)では、画像復号化装置は、画像フレームI0,P1,P2,P3,P4,・・・を順次復号化する。復号化された画像フレームは、復号化されるともに、第1メモリあるいは第2メモリに記憶される。第1メモリあるいは第2メモリに記憶された画像フレームは、時間的に後方に位置する画像フレームを復号化する際に利用されるため、少なくとも1枚後ろの画像フレームの復号化が終わるまで記憶されている必要がある。
【0161】
また、第1メモリあるいは第2メモリに記憶された画像フレームは、表示されるタイミングあるいは補間フレームとして読み出されるために必要とされるタイミングで表示用メモリに転送される。
【0162】
例えば、図18(a)では、補間フレームCF1,CF2,CF3を作成するために、それぞれ画像フレームI0,P2,P3が利用されるとする。すなわち、補間フレームを作成するための基準フレームは、補間フレームに対して時間的に後方に位置する画像フレームに限定されていない。
【0163】
この場合、第1メモリあるいは第2メモリから表示用メモリに画像フレームを転送するタイミングは、それぞれ、時刻[t3],[t5],[t6],[t8]である必要があるが、そのタイミングは一定していない。
【0164】
このため、転送のタイミングを制御することが煩雑であり、転送ミスを引き起こすおそれもある。
【0165】
一方、図18(b)では、補間フレームCF1,CF2,CF3を作成するために、それぞれ画像フレームP1,P2,P3が利用されている。すなわち、補間フレームを作成するための基準フレームは、補間フレームに対して時間的に後方に位置する画像フレームに限定されている。
【0166】
この場合、第1メモリあるいは第2メモリから表示用メモリに画像フレームを転送するタイミングは、それぞれ、時刻[t2],[t4],[t6],[t8]、となり、転送のタイミングが一定する。すなわち、画像フレームが補間フレームを作成するのに必要とされるタイミングとは無関係に表示用メモリ209への画像フレームの転送を行えばよい。このため転送のタイミングの制御が容易となり、例えば、画像フレーム用メモリ207から表示用メモリ209への画像フレームの転送を制御する制御部(図示せず)などを単純な回路構成で実現することが可能となる。
【0167】
(3)第2実施形態の変形例
(3−1)画像フレーム用メモリ207の変形例
画像フレーム用メモリ207は、第1メモリ120および第2メモリ121を備えていると説明した。ここで、変形例としての画像フレーム用メモリ207は、さらに第3メモリを備えており、同時に3枚の画像フレームを記憶できるものであっても良い。
【0168】
この場合、符号化画像信号115は、Iピクチャ、PピクチャおよびBピクチャとで符号化された画像信号であっても良い。
【0169】
ここで、補間フレームを作成するための基準フレームを補間フレームに対して時間的に後方に位置する画像フレームと限定することにより、変形例としての画像フレーム用メモリ207を削減するという効果が得られている。
【0170】
図19を用いて、この効果について説明する。
図19に、変形例としての画像フレーム用メモリ207の占有状況を示す。図15(b)の順序で表示される出力画像信号116に対して、復号化は、画像フレームI0,P3,B1,B2,P6,B4,B5,・・・の順序で行われる。復号化された画像フレームは、変形例としての画像フレーム用メモリ207に記憶される。
【0171】
図19(a)は、補間フレームを作成するための基準フレームを補間フレームに対して時間的に後方に位置する画像フレームと限定しない場合の画像フレーム用メモリの占有状況である。図19(b)は、この限定を行った場合の変形例としての画像フレーム用メモリ207の占有状況である。
【0172】
図19(a)では、補間フレームCF1,CF2,CF3,・・・の作成には、それぞれ画像フレームI0,B1,B2,P3,・・・が利用される。すなわち、補間フレームを作成するための基準フレームを補間フレームに対して時間的に前方に位置する画像フレームとしている。
【0173】
画像フレームI0は、時刻[t0]に復号化が開始され、第1メモリに記憶される。画像フレームI0は、画像フレームP3,B1,B2の復号化に利用される。このため、少なくとも画像フレームB2の復号化が終わる時刻まで第1メモリに記憶されている必要がある。
【0174】
画像フレームP3は、時刻[t2]に復号化が開始され、第2メモリに記憶される。画像フレームP3は、画像フレームB1,B2,P6,B4,B5の復号化に利用される。このため、少なくとも画像フレームB5の復号化が終わる時刻まで第2メモリに記憶されている必要がある。
【0175】
画像フレームB1は、時刻[t4]に復号化が開始され、第3メモリに記憶される。ここで、表示用メモリ209は、画像フレームI0の表示開始時刻[t5]から、補間フレームCF1の表示終了時刻[t7]までは、画像フレームI0を記憶している必要がある。画像フレームI0は、補間フレームCF1の作成に利用されるからである。このため、第3メモリは、表示用メモリ209が解放される時刻[t7]まで、記憶する画像フレームB1を転送することができない。
【0176】
画像フレームB2は、時刻[t6]に復号化が開始される。ここで、時刻[t6]においては、第1〜第3メモリは解放されていない。このため、画像フレームB2は、第4メモリに記憶される。
【0177】
この後復号化される画像フレームは、順次解放された第1〜第4メモリに記憶される。
【0178】
以上のように、補間フレームを作成するための基準フレームを補間フレームに対して表示順が時間的に後方の画像フレームに限定しない場合、画像フレーム用メモリは、少なくとも4つのメモリを備える必要がある。
【0179】
図19(b)は、そのような限定を行った場合の変形例としての画像フレーム用メモリ207の占有状況を示している。すなわち、補間フレームCF1,CF2,CF3,・・・の作成には、それぞれ画像フレームB1,B2,P3,・・・を利用し、補間フレームを作成するための基準フレームを補間フレームに対して表示順が時間的に後方の画像フレームとしている。
【0180】
画像フレームI0およびP3により、第1メモリおよび第2メモリは、図19(a)について説明したのと同様に占有される。
【0181】
画像フレームB1は、時刻[t4]に復号化が開始され、第3メモリに記憶される。ここで、表示用メモリ209は、画像フレームI0の表示開始時刻[t5]から、画像フレームI0の表示終了時刻[t6]まで画像フレームI0を記憶していればよい。画像フレームI0は、補間フレームCF1の作成に利用されないからである。このため、第3メモリは、表示用メモリ209が解放される時刻[t6]において、記憶する画像フレームB1を転送する。表示用メモリ209に転送された画像フレームB1は、時刻[t6]〜時刻[t7]において、作成処理部208の制御により、アドレスを指定され、補間フレームCF1として読み出される。
【0182】
画像フレームB2は、時刻[t6]に復号化が開始される。ここで、時刻[t6]においては、第3メモリが解放されている。このため、画像フレームB2は、第3メモリに記憶される。
【0183】
この後復号化される画像フレームは、順次解放された第1〜第3メモリに記憶される。
【0184】
以上のように、補間フレームを作成するための基準フレームを補間フレームに対して表示順が時間的に後方の画像フレームに限定する場合、画像フレーム用メモリは、3つのメモリを備えれば十分となる。このため、画像フレーム用メモリの削減が可能となる。さらには、画像復号化装置201のコストを削減することが可能となる。
【0185】
また、図19(a)では、補間フレームを作成するための基準フレームを補間フレームに対して表示順が時間的に前方の画像フレームとしたが、時間的に前方あるいは後方のどちらの画像フレームを基準フレームとしてもよい場合には、画像フレーム用メモリから表示用メモリ209への画像フレームの転送タイミングの制御が煩雑となり、転送ミスを引き起こすおそれもある。一方、補間フレームを作成するための基準フレームを補間フレームに対して表示順が時間的に後方の画像フレームに限定する場合には、変形例としての画像フレーム用メモリ207から表示用メモリ209に画像フレームを転送するタイミングは、それぞれ、時刻[t4],[t6],[t8]、・・・となり、転送のタイミングが一定する。このため、転送のタイミングの制御が容易となり、例えば、変形例としての画像フレーム用メモリ207から表示用メモリ209への画像フレームの転送を制御する制御部(図示せず)などを単純な回路構成で実現することが可能となる。
【0186】
(3−2)その他
図17に示す画像復号化装置201において、作成処理部208および表示用メモリ209は、必ずしも画像復号化装置201に内蔵されていなくても良い。例えば、出力画像信号116を表示する表示装置(図示せず)において備えられ、画像復号化装置201と別体として動作するものであってもよい。
【0187】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態として、補間フレーム作成方法、補間フレーム作成プログラム、補間フレーム作成装置および画像復号化装置の応用例と、それを用いたシステムとを図20〜図23を用いて説明する。
【0188】
図20は、コンテンツ配信サービスを実現するコンテンツ供給システムex100の全体構成を示すブロック図である。通信サービスの提供エリアを所望の大きさに分割し、各セル内にそれぞれ固定無線局である基地局ex107〜ex110が設置されている。
【0189】
このコンテンツ供給システムex100は、例えば、インターネットex101にインターネットサービスプロバイダex102および電話網ex104、および基地局ex107〜ex110を介して、コンピュータex111、PDA(personal digital assistant)ex112、カメラex113、携帯電話ex114、カメラ付きの携帯電話ex115などの各機器が接続される。
【0190】
しかし、コンテンツ供給システムex100は図20のような組合せに限定されず、いずれかを組み合わせて接続するようにしてもよい。また、固定無線局である基地局ex107〜ex110を介さずに、各機器が電話網ex104に直接接続されてもよい。
【0191】
カメラex113はデジタルビデオカメラ等の動画撮影が可能な機器である。また、携帯電話は、PDC(Personal Digital Communications)方式、CDMA(Code Division Multiple Access)方式、W−CDMA(Wideband−Code Division Multiple Access)方式、若しくはGSM(Global System for Mobile Communications)方式の携帯電話機、またはPHS(Personal Handyphone System)等であり、いずれでも構わない。
【0192】
また、ストリーミングサーバex103は、カメラex113から基地局ex109、電話網ex104を通じて接続されており、カメラex113を用いてユーザが送信する符号化処理されたデータに基づいたライブ配信等が可能になる。撮影したデータの符号化処理はカメラex113で行っても、データの送信処理をするサーバ等で行ってもよい。また、カメラex116で撮影した動画データはコンピュータex111を介してストリーミングサーバex103に送信されてもよい。カメラex116はデジタルカメラ等の静止画、動画が撮影可能な機器である。この場合、動画データの符号化はカメラex116で行ってもコンピュータex111で行ってモードちらでもよい。また、符号化処理はコンピュータex111やカメラex116が有するLSIex117において処理することになる。なお、画像符号化・復号化用のソフトウェアをコンピュータex111等で読み取り可能な記録媒体である何らかの蓄積メディア(CD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスクなど)に組み込んでもよい。さらに、カメラ付きの携帯電話ex115で動画データを送信してもよい。このときの動画データは携帯電話ex115が有するLSIで符号化処理されたデータである。
【0193】
このコンテンツ供給システムex100では、ユーザがカメラex113、カメラex116等で撮影しているコンテンツ(例えば、音楽ライブを撮影した映像等)を符号化処理してストリーミングサーバex103に送信する一方で、ストリーミングサーバex103は要求のあったクライアントに対して上記コンテンツデータをストリーム配信する。クライアントとしては、符号化処理されたデータを復号化することが可能な、コンピュータex111、PDAex112、カメラex113、携帯電話ex114等がある。このようにすることでコンテンツ供給システムex100は、符号化されたデータをクライアントにおいて受信して再生することができ、さらにクライアントにおいてリアルタイムで受信して復号化し、再生することにより、個人放送をも実現可能になるシステムである。また、コンテンツの再生に際しては、上記実施形態の画像復号化装置、補間フレーム作成装置、補間フレーム作成方法あるいは補間フレーム作成方法を実現する補間フレーム作成プログラムを用いてもよい。例えば、コンピュータex111、PDAex112、カメラex113、携帯電話ex114等は、上記実施形態で示した補間フレーム作成方法を実現する補間フレーム作成プログラムを備えていてもよい。
【0194】
一例として携帯電話について説明する。
図21は、上記実施形態の補間フレーム作成装置を用いた携帯電話ex115を示す図である。携帯電話ex115は、基地局ex110との間で電波を送受信するためのアンテナex201、CCDカメラ等の映像、静止画を撮ることが可能なカメラ部ex203、カメラ部ex203で撮影した映像、アンテナex201で受信した映像等が復号化されたデータを表示する液晶ディスプレイ等の表示部ex202、操作キーex204群から構成される本体部、音声出力をするためのスピーカ等の音声出力部ex208、音声入力をするためのマイク等の音声入力部ex205、撮影した動画もしくは静止画のデータ、受信したメールのデータ、動画のデータもしくは静止画のデータ等、符号化されたデータまたは復号化されたデータを保存するための記録メディアex207、携帯電話ex115に記録メディアex207を装着可能とするためのスロット部ex206を有している。記録メディアex207はSDカード等のプラスチックケース内に電気的に書換えや消去が可能な不揮発性メモリであるEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)の一種であるフラッシュメモリ素子を格納したものである。
【0195】
さらに、携帯電話ex115について図22を用いて説明する。携帯電話ex115は表示部ex202および操作キーex204を備えた本体部の各部を統括的に制御するようになされた主制御部ex311に対して、電源回路部ex310、操作入力制御部ex304、画像符号化部ex312、カメラインターフェース部ex303、LCD(Liquid Crystal Display)制御部ex302、補間フレーム作成部ex314、画像復号化部ex309、多重分離部ex308、記録再生部ex307、変復調回路部ex306および音声処理部ex305が同期バスex313を介して互いに接続されている。
【0196】
電源回路部ex310は、ユーザの操作により終話および電源キーがオン状態にされると、バッテリパックから各部に対して電力を供給することによりカメラ付ディジタル携帯電話ex115を動作可能な状態に起動する。
【0197】
携帯電話ex115は、CPU、ROMおよびRAM等でなる主制御部ex311の制御に基づいて、音声通話モード時に音声入力部ex205で集音した音声信号を音声処理部ex305によってディジタル音声データに変換し、これを変復調回路部ex306でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部ex301でディジタルアナログ変換処理および周波数変換処理を施した後にアンテナex201を介して送信する。また携帯電話ex115は、音声通話モード時にアンテナex201で受信した受信信号を増幅して周波数変換処理およびアナログディジタル変換処理を施し、変復調回路部ex306でスペクトラム逆拡散処理し、音声処理部ex305によってアナログ音声信号に変換した後、これを音声出力部ex208を介して出力する。
【0198】
さらに、データ通信モード時に電子メールを送信する場合、本体部の操作キーex204の操作によって入力された電子メールのテキストデータは操作入力制御部ex304を介して主制御部ex311に送出される。主制御部ex311は、テキストデータを変復調回路部ex306でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部ex301でディジタルアナログ変換処理および周波数変換処理を施した後にアンテナex201を介して基地局ex110へ送信する。
【0199】
データ通信モード時に画像データを送信する場合、カメラ部ex203で撮像された画像データをカメラインターフェース部ex303を介して画像符号化部ex312に供給する。また、画像データを送信しない場合には、カメラ部ex203で撮像した画像データをカメラインターフェース部ex303およびLCD制御部ex302を介して表示部ex202に直接表示することも可能である。
【0200】
画像符号化部ex312は、カメラ部ex203から供給された画像データを圧縮符号化することにより符号化画像データに変換し、これを多重分離部ex308に送出する。また、このとき同時に携帯電話ex115は、カメラ部ex203で撮像中に音声入力部ex205で集音した音声を音声処理部ex305を介してディジタルの音声データとして多重分離部ex308に送出する。
【0201】
多重分離部ex308は、画像符号化部ex312から供給された符号化画像データと音声処理部ex305から供給された音声データとを所定の方式で多重化し、その結果得られる多重化データを変復調回路部ex306でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部ex301でディジタルアナログ変換処理および周波数変換処理を施した後にアンテナex201を介して送信する。
【0202】
データ通信モード時にホームページ等にリンクされた動画像ファイルのデータを受信する場合、アンテナex201を介して基地局ex110から受信した受信信号を変復調回路部ex306でスペクトラム逆拡散処理し、その結果得られる多重化データを多重分離部ex308に送出する。
【0203】
また、アンテナex201を介して受信された多重化データを復号化するには、多重分離部ex308は、多重化データを分離することにより画像データの符号化ビットストリームと音声データの符号化ビットストリームとに分け、同期バスex313を介して当該符号化画像データを画像復号化部ex309に供給すると共に当該音声データを音声処理部ex305に供給する。
【0204】
次に、画像復号化部ex309は、画像データの符号化ビットストリームを復号することにより再生動画像データを生成し、これをLCD制御部ex302を介して表示部ex202に供給し、これにより、例えばホームページにリンクされた動画像ファイルに含まれる動画データが表示される。さらに、補間フレーム作成部ex314は、上記実施形態の補間フレーム作成方法にて再生動画像データを補間するデータを作成し、再生動画像データを再生する。このとき同時に音声処理部ex305は、音声データをアナログ音声信号に変換した後、これを音声出力部ex208に供給し、これにより、例えばホームページにリンクされた動画像ファイルに含まる音声データが再生される。
【0205】
なお、上記システムの例に限られず、最近は衛星、地上波によるディジタル放送が話題となっており、図23に示すようにディジタル放送用システムにも上記実施形態の画像復号化装置、補間フレーム作成装置、補間フレーム作成方法あるいは補間フレーム作成方法を実現する補間フレーム作成プログラムを組み込むことができる。具体的には、放送局ex409では映像情報の符号化ビットストリームが電波を介して通信または放送衛星ex410に伝送される。これを受けた放送衛星ex410は、放送用の電波を発信し、この電波を衛星放送受信設備をもつ家庭のアンテナex406で受信し、テレビ(受信機)ex401またはセットトップボックス(STB)ex407などの装置により符号化ビットストリームを復号化してこれを再生する。ここで、テレビ(受信機)ex401またはセットトップボックス(STB)ex407などの装置が上記実施形態の画像復号化装置、補間フレーム作成装置を備えていてもよい。また、上記実施形態の補間フレーム作成方法を用いるものであってもよい。さらに、上記実施形態の補間フレーム作成方法を実現する補間フレーム作成プログラムを備えていてもよい。また、記録媒体であるCDやDVD等の蓄積メディアex402に記録した符号化ビットストリームを読み取り、復号化する再生装置ex403にも上記実施形態の画像復号化装置、補間フレーム作成装置、補間フレーム作成方法あるいは補間フレーム作成方法を実現する補間フレーム作成プログラムを実装することが可能である。この場合、再生された映像信号はモニタex404に表示される。また、ケーブルテレビ用のケーブルex405または衛星/地上波放送のアンテナex406に接続されたセットトップボックスex407内に上記実施形態の画像復号化装置、補間フレーム作成装置を実装し、これをテレビのモニタex408で再生する構成も考えられる。このときセットトップボックスではなく、テレビ内に補間フレーム作成装置を組み込んでも良い。また、アンテナex411を有する車ex412で放送衛星ex410からまたは基地局ex107等から信号を受信し、車ex412が有するカーナビゲーションex413等の表示装置に動画を再生することも可能である。
【0206】
更に、画像信号を符号化し、記録媒体に記録することもできる。具体例としては、DVDディスクex421に画像信号を記録するDVDレコーダや、ハードディスクに記録するディスクレコーダなどのレコーダex420がある。更にSDカードex422に記録することもできる。レコーダex420が上記実施形態の画像復号化装置、補間フレーム作成装置を備えていれば、DVDディスクex421やSDカードex422に記録した画像信号を補間して再生し、モニタex408に表示することができる。
【0207】
なお、カーナビゲーションex413の構成は例えば図22に示す構成のうち、カメラ部ex203とカメラインターフェース部ex303、画像符号化部ex312を除いた構成が考えられ、同様なことがコンピュータex111やテレビ(受信機)ex401等でも考えられる。
【0208】
また、上記携帯電話ex114等の端末は、符号化器・復号化器を両方持つ送受信型の端末の他に、符号化器のみの送信端末、復号化器のみの受信端末の3通りの実装形式が考えられる。
【0209】
このように、上記実施形態の画像復号化装置、補間フレーム作成装置、補間フレーム作成方法あるいは補間フレーム作成方法を実現する補間フレーム作成プログラムを上述したいずれの機器・システムに用いることは可能であり、上記実施形態で説明した効果を得ることができる。
【0210】
【発明の効果】
請求項1に記載の補間フレーム作成装置では、記憶手段に対する基準フレームの読み出しの制御に基づいて補間フレームが出力される。このため、作成された補間フレームを記憶する補間フレーム用の記憶手段を設ける必要がなくなる。
【0211】
請求項2に記載の補間フレーム作成装置では、制御手段は、基準フレームの動き関連情報から導出された1つの補間用ベクトルに基づいて、基準フレームの読み出しを制御し、補間フレームを出力させる。このため、画像フレームを滑らかに補間する補間フレームを作成することが可能となる。
【0212】
請求項3に記載の補間フレーム作成装置では、画像フレームをより滑らかに補間する補間フレームを作成することが可能となる。
【0213】
請求項4に記載の補間フレーム作成装置では、補間フレームを出力するためには、記憶手段には、基準フレームのみが記憶されていればよい。このため、記憶手段の備えるメモリ領域を有効に利用すること、あるいは記憶手段のメモリ領域を削減することが可能となる。
【0214】
請求項5に記載の画像復号化装置では、記憶手段に対する基準フレームの読み出しの制御に基づいて補間フレームが出力される。このため、作成された補間フレームを記憶する補間フレーム用の記憶手段を設ける必要がなくなる。
【0215】
請求項6に記載の画像復号化装置では、補間フレームを出力するためには、記憶手段には、基準フレームのみが記憶されていればよい。このため、記憶手段の備えるメモリ領域を有効に利用すること、あるいは記憶手段のメモリ領域を削減することが可能となる。
【0216】
請求項7に記載の画像復号化装置では、基準フレームに対して時間的に前方の画像フレームを記憶していた記憶手段のメモリ領域は、補間フレームの出力前に解放される。このため、基準フレームに対して時間的に後方の画像フレームを基準フレームを利用して復号化しつつ、基準フレームに対して時間的に前方の画像フレームを記憶していた記憶手段のメモリ領域に記憶することが可能となる。これにより、記憶手段の備えるメモリ領域を有効に利用すること、あるいは記憶手段のメモリ領域を削減することが可能となる。
【0217】
請求項8に記載の補間フレーム作成方法では、記憶手段に対する基準フレームの読み出しの制御に基づいて補間フレームが出力される。このため、作成された補間フレームを記憶する補間フレーム用の記憶手段を設ける必要がなくなる。
【0218】
請求項9に記載の補間フレーム作成プログラムでは、記憶手段に対する基準フレームの読み出しの制御に基づいて補間フレームが出力される。このため、作成された補間フレームを記憶する補間フレーム用の記憶手段を設ける必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としての画像復号化装置101の構成を示すブロック図。
【図2】1つの補間用ベクトルの導出について説明する説明図。
【図3】作成処理部108による、画像フレームP3を記憶するアドレスの指定について説明する説明図。
【図4】重複領域130に対するアドレスの指定について説明する説明図。
【図5】非重複領域135に対するアドレスの指定について説明する説明図。
【図6】他の1つの補間用ベクトルCV3によるアドレスの指定について説明する説明図。
【図7】本発明の第1実施形態としての補間フレーム作成方法を示すフローチャート。
【図8】第1実施形態の効果について説明する説明図。
【図9】1つの補間用ベクトルの導出の変形例について説明する説明図。
【図10】1つの補間用ベクトルの導出の変形例について説明する説明図。
【図11】1つの補間用ベクトルの導出の変形例について説明する説明図。
【図12】アドレスの指定の変形例について説明する説明図。
【図13】アドレスの指定の変形例について説明する説明図。
【図14】補間フレーム作成部111の変形例としての補間フレーム作成装置161の構成を示すブロック図。
【図15】復号化画像信号117を構成する画像フレームを説明する説明図。
【図16】変形例としての画像フレーム用メモリ107の占有状況を説明する説明図。
【図17】本発明の第2実施形態としての画像復号化装置201の構成を示すブロック図。
【図18】第2実施形態の効果について説明する説明図。
【図19】第2実施形態の変形例の効果について説明する説明図。
【図20】コンテンツ供給システムの全体構成を示すブロック図。
【図21】本発明の補間フレーム作成装置を搭載する携帯電話の例。
【図22】携帯電話のブロック図。
【図23】ディジタル放送用システムの例。
【図24】従来技術としての補間フレーム作成装置401の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
101 画像復号化装置
102 可変長復号化部
103 逆量子化部
104 逆直交変換部
105 動き補償部
107 画像フレーム用メモリ
108 作成処理部
110 復号化部
111 補間フレーム作成部
115 符号化画像信号
116 出力画像信号
117 復号化画像信号
120 第1メモリ
121 第2メモリ
CF 補間フレーム
V 1つの代表ベクトル
CV 1つの補間用ベクトル
DV 内分ベクトル
MCV 動き補償ベクトル

Claims (9)

  1. 画像フレームを補間するための補間フレームを作成する補間フレーム作成装置であって、
    前記補間フレームを作成する基準となる基準フレームを記憶する記憶手段と、
    前記基準フレームと前記補間フレームとの相対的な動きを画素を単位として示す1つの補間用ベクトルに基づいて、前記記憶手段に記憶された前記基準フレームの読み出しを制御し、前記補間フレームとして出力させる制御手段と、
    を備える補間フレーム作成装置。
  2. 前記制御手段は、前記基準フレームの動きに関する動き関連情報に基づいて、前記1つの補間用ベクトルを導出する、
    請求項1に記載の補間フレーム作成装置。
  3. 前記制御手段は、前記動き関連情報の大きさに基づいて、前記補間フレームの作成枚数を変化させる、
    請求項2に記載の補間フレーム作成装置。
  4. 前記基準フレームは、前記補間フレームに対して、表示順が時間的に後方の画像フレームである、
    請求項1〜3のいずれかに記載の補間フレーム作成装置。
  5. 動き補償符号化された符号化画像信号を復号化する復号化手段と、
    復号化された画像フレームを記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段により、前記画像フレームを補間するための補間フレームを出力させる手段であって、前記補間フレームを作成する基準となる基準フレームと前記補間フレームとの相対的な動きを画素を単位として示す1つの補間用ベクトルに基づいて、前記記憶手段に記憶された前記基準フレームの読み出しを制御し、前記補間フレームとして出力させる制御手段と、
    を備える画像復号化装置。
  6. 前記基準フレームは、前記補間フレームに対して、表示順が時間的に後方の画像フレームである、
    請求項5に記載の画像復号化装置。
  7. 前記記憶手段は、前記画像フレームを1枚ずつ交互に記憶する2つのメモリ領域を有している、
    請求項6に記載の画像復号化装置。
  8. 画像フレームを補間するための補間フレームを作成する補間フレーム作成方法であって、
    前記補間フレームを作成する基準となる基準フレームと前記補間フレームとの相対的な動きを画素を単位として示す1つの補間用ベクトルを導出するベクトル導出ステップと、
    導出された前記1つの補間用ベクトルに基づいて、記憶された前記基準フレームの読み出しを制御し、前記補間フレームを作成する補間フレーム作成ステップと、
    を備える補間フレーム作成方法。
  9. コンピュータにより、画像フレームを補間するための補間フレームを作成する補間フレーム作成方法を行うための補間フレーム作成プログラムであって、
    前記補間フレーム作成プログラムは、コンピュータに
    前記補間フレームを作成する基準となる基準フレームと前記補間フレームとの相対的な動きを画素を単位として示す1つの補間用ベクトルを導出するベクトル導出ステップと、
    導出された前記1つの補間用ベクトルに基づいて、記憶された前記基準フレームの読み出しを制御し、前記補間フレームを作成する補間フレーム作成ステップと、
    を備える補間フレーム作成方法
    を、行わせるものである補間フレーム作成プログラム。
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