JP2004342191A - 光ピックアップのトラッキング制御方法 - Google Patents

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富行 沼田
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Abstract

【課題】トラッキングサーボ制御時における光学特性の低下を抑制する。
【解決手段】光ピックアップのトラッキング制御方法は、信号レベルVyが設定されたトラッキング揺動信号Syを出力するステップ(S206)と、反射光量信号をV(1)として取得するステップ(S208)と、信号レベル(−Vy)が設定されたトラッキング揺動信号Syを出力するステップ(S210)と、反射光量信号をV(2)として取得するステップ(S212)と、V(1)がV(2)を上回る場合に(S220にてYES)、バイアス信号Sbをアップするステップ(S222)と、V(1)がV(2)を上回らない場合に(S220にてNO)、バイアス信号Sbをダウンするステップ(S224)と、V(1)とV(2)とが同一である場合に(S216にてYES)、トラッキングサーボをオンに設定するステップ(S218)とを含む。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ピックアップのトラッキングを制御する技術に関し、特に、トラッキングサーボ制御による光学特性の低下を防止するトラッキングの制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)などの光ディスク装置が知られている。これらの光ディスク装置に用いられる光ピックアップには、一層の小型・軽量化の試みがなされている。また、より高密度に、あるいは高速に情報の記録再生を行なうためには、より高精度な光パワーの制御、光学特性の確保、あるいはサーボ性能が必要とされる。
【0003】
また、CDやDVDなどの複数の種類の光ディスクから情報を再生したり、あるいは情報を記録したりするために、赤外半導体レーザおよび赤色半導体レーザの2つの半導体レーザを搭載した光ピックアップも増えている。さらに、近年では、青色半導体レーザを用いた光ディスクも提案され、さらに、3つの半導体レーザを搭載した光ピックアップが開発されている。
【0004】
これら複数の半導体レーザを搭載した光ディスク装置においても、情報の記録時あるいは再生時における信頼性を確保するために、高品位な光学特性が望まれている。そこで、高精度な光パワーと、高品位な光学特性と、安定したサーボ性能とを実現するためには、対物レンズを透過する光ビームの強度分布の中心と、対物レンズの光軸の中心とを一致させる必要がある。
【0005】
一般に、光ビームの強度分布の中心と対物レンズの光軸の中心とは、光ピックアップを構成する各光学素子の寸法誤差、あるいは各光学部品の光ピックアップハウジングへの取り付け誤差などにより、大きくずれる場合がある。
【0006】
また、対物レンズは、光ディスクの偏芯(トラックの回転中心と光ディスクの回転軸とのずれ)などの外乱に対して、光ビームを正しくトラックに追従させるトラッキングサーボ制御を行なうために、トラッキング方向(ディスク半径方向)に可動するように構成される。このため、対物レンズがトラッキング方向にシフトしている場合には、光ビームの強度分布の中心と、対物レンズの光軸の中心とは一致しなくなるという問題がある。
【0007】
そこで、以下に示すように、この対物レンズを透過する光ビームの強度分布の中心ずれを低減あるいは補正する方法が、提案されている。
【0008】
たとえば、特開2000−155952号公報(特許文献1)は、強度分布の調整をレーザユニットで完了することができ、また小型化できる光ヘッド装置を開示する。この光ヘッド装置は、半導体レーザと、半導体レーザから光ビームを発生させるレーザユニットと、光ビームを集光して光学的情報記録媒体の記録面上に光スポットを集光する対物レンズと、記録面で反射された反射光束を受光する光検出器と、半導体レーザが発光点中心に自由に回転できる機構とを含む。
【0009】
特許文献1に開示された光ヘッド装置によると、半導体レーザは球面ホルダに取り付けられ、発光点の中心に対して自由に回転できる。このようにすると、ピックアップの組み立て時に、その球面ホルダをθx方向とθy方向とに回転させることにより、光ビームの強度分布中心と対物レンズの光軸中心とが揃うように調整することができる。その結果、対物レンズの光強度分布の強度ピーク点と対物レンズの中心軸とのずれを調整する機構を、半導体レーザとコリメートレンズとを組み合わせたユニットを水平方向および垂直方向に移動する、従来の機構よりも小さくすることができる。これにより、光ヘッド装置を小型化しつつ、強度分布の調整をレーザユニットで完了することができる。
【0010】
また、特開平10−40572号公報(特許文献2)は、対物レンズがその光軸に直交する方向に移動した場合における光学特性の劣化を防止することができる光ピックアップ装置を開示する。この光ピックアップ装置は、光源と、対物レンズと、対物レンズに入射される前の光束の光出力を検出する検出器と、複数の検出出力に基づいて、対物レンズの光軸に対する傾きを検出する回路とを含む。この検出出力は、検出器に含まれ、複数の受光部分を有する受光部から、それぞれが受光した光の強度に応じて出力される。
【0011】
特許文献2に開示された光ピックアップ装置によると、半導体レーザの傾き角は、分割された光検出器の2個の受光部が受光する光ビームの強度の差異に基づいて算出される。この傾き角に応じて、対物レンズのトラッキング方向への移動範囲の中心を変えることより、対物レンズの位置を調整し、対物レンズのトラッキング方向へのシフトにともなう光学特性の劣化を防止することができる。
【0012】
また、特開平7−14242号公報(特許文献3)は、2つの光スポットを同程度の品位で得ることのできる2ビーム光ヘッド装置を開示する。この2ビーム光ヘッド装置は、2つの光ビームを対物レンズに導く差異に対物レンズの光軸に対して2つの光ビームの強度分布の中心がほぼ対照的な位置に振り分けられるように、対物レンズおよび2つの光ビームを作成する光源が構成される。
【0013】
特許文献3に開示された2ビーム光ヘッド装置によると、2つの光ビームの、それぞれの強度分布の中心の中間位置と、対物レンズの光軸中心とが一致するように、光ピックアップが組み立てられるため、ほぼ同一品位の2つの光ビームを得ることができる。
【0014】
さらに、特開平9−128784号公報(特許文献4)は、対物レンズがシフトした場合に記録媒体に与えられる光量の変動を防止できる光ヘッド装置を開示する。この光ヘッド装置は、記録媒体からの反射戻り光を検知する受光素子と、発光素子の発光強度を変更する変更回路と、受光素子にて受光された光量を検出する検出回路と、検出された光量に応じて発光強度の変更の状態を制御する回路とを含む。
【0015】
特許文献4に開示された光ヘッド装置によると、光ディスクからの反射光量を検出し、光ディスクに照射される光ビームのパワーが大幅に減衰した場合には、半導体レーザの駆動電流を制御することにより、発光パワーが増加される。これにより、対物レンズがトラッキング方向にシフトされた場合において、対物レンズの出射パワーの低下を防止することができる。
【0016】
【特許文献1】
特開2000−155952号公報
【0017】
【特許文献2】
特開平10−40572号公報
【0018】
【特許文献3】
特開平7−14242号公報
【0019】
【特許文献4】
特開平9−128784号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、後述する問題点のために、上述した要求、すなわち、光ピックアップの小型化、情報の記録あるいは再生における高密度あるいは高速化、光ピックアップ系の調整精度や光学特性に関して、さらに精度あるいは品位を向上させることができなかった。
【0021】
第1に、特許文献1に開示された光ヘッド装置によると、CD用赤外レーザチップとDVD用赤色レーザチップとの2つのレーザチップを搭載した半導体レーザが1つのパッケージを構成する場合には、それぞれの光ビームの強度分布の中心と、対物レンズの光軸の中心とを一致させる調整ができない。さらに、この調整はピックアップ組み立て時に行なわれるため、経時変化に対する対応ができない。その結果、光ヘッド装置の光学特性が低下するという問題があった。
【0022】
第2に、特許文献2に開示された光ピックアップ装置によると、半導体レーザから出射される光ビームの対物レンズの光軸に対する傾きは、半導体レーザより発せられ、対物レンズに入射する前の光ビームの一部を用いることにより検出される。そのため、対物レンズの位置がピックアップ組み立て時の初期状態から変化した場合には、その傾きを正しく検出することができない。たとえば、光ディスク装置が傾けられて使用された場合には、対物レンズがその自重によってトラッキング方向に移動するため、実際の光軸の傾きと検出された傾きとの間に差が発生する。その結果、光ビームの強度分布の中心と対物レンズの光軸の中心とを正確に一致させることができないため、光学特性が向上しないという問題があった。
【0023】
第3に、特許文献3に開示された2ビーム光ヘッド装置によると、2つの光ビームの強度分布の中心の中間が対物レンズの光軸の中心となるように調整される。そのため、それぞれの光ビームを最適に調整することができないという問題があった。
【0024】
第4に、特許文献4に開示された光ヘッド装置によると、半導体レーザのパワーは、対物レンズのトラッキング方向へのシフトにともなって補正される。しかし、光ビームの強度分布の中心と、対物レンズの光軸の中心とがずれた場合に生じる収差等の光学特性の劣化を解決することができないという問題があった。
【0025】
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、経時変化あるいは光ピックアップの自重による影響を受けることなく光学特性の劣化を防止することができる、光ピックアップのトラッキング制御方法を提供することである。
【0026】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る光ピックアップのトラッキング制御方法は、光ディスク装置が備える光ピックアップのトラッキングを制御する方法である。その光ディスク装置は、対物レンズにより集光された光ビームによって情報を光ディスクに記録あるいは再生する。このトラッキング制御方法は、光ピックアップのトラッキングサーボ制御を開始する前に、対物レンズをトラッキング方向に揺動する揺動ステップと、光ビームの強度分布の中心を検出する検出ステップと、対物レンズを検出された強度分布の中心に移動するステップと、対物レンズが中心に移動された後に、トラッキングサーボ制御を開始するステップとを含む。
【0027】
第1の発明によると、光ピックアップのトラッキングサーボ制御を開始する前に、対物レンズがトラッキング方向(光ディスクの半径方向)に揺動される。なお、トラッキングサーボ制御とは、光ディスクから情報を読み取るために、光ピックアップからの出射光をそのディスクの情報記録面(たとえば、情報記録トラック)上に常に照射するように、光ピックアップを制御することをいう。検出ステップにて、対物レンズにより集光された光ビームの強度分布の中心が検出される。移動ステップにて、対物レンズは、その強度分布の中心に移動される。対物レンズがその中心に移動された後、トラッキングサーボ制御が開始される。このようにすると、光ピックアップのトラッキングサーボ制御が開始される時には、光ビームの強度分布の中心と対物レンズの光軸の中心とが一致しているため、たとえば、光ディスク装置が経時変化している場合、あるいは、対物レンズの自重により位置が変化している場合にも、光ピックアップ等の光学系の精度の低下を防止することができる。これにより、経時変化あるいは光ピックアップの自重による影響を受けることなく光学特性の劣化を防止することができる、光ピックアップのトラッキング制御方法を提供することができる。
【0028】
第2の発明に係る光ピックアップのトラッキング制御方法は、光ディスク装置が備える光ピックアップのトラッキングを制御する方法である。その光ディスク装置は、対物レンズにより集光された光ビームによって情報を光ディスクのトラックに記録あるいは再生する。このトラッキング制御方法は、光ピックアップのトラッキングサーボ制御を開始する前に、対物レンズをトラッキング方向に揺動する揺動ステップと、光ビームの強度分布の中心を検出する検出ステップと、光ディスクの偏芯によるトラックの変位の中心を検出するステップと、検出された強度分布の中心と検出された変位の中心とが一致するように、トラッキングサーボ制御を開始する開始ステップとを含む。
【0029】
第2の発明によると、揺動ステップにて、トラッキングを開始する前に、対物レンズはトラッキング方向に揺動される。検出ステップにて、対物レンズによって集光された光ビームの強度分布の中心が検出される。光ディスクの偏芯によるトラックの変位の中心が検出されると、実行ステップにて、光ビームの強度分布の中心とトラックの偏芯による変位の中心とが一致するように、トラッキングサーボ制御が実行される。このようにすると、トラッキングサーボ制御が実行される前に、対物レンズはトラックの変位の中心まで移動されるため、対物レンズの移動量を低減することができる。また、光ビームによる信号の劣化は抑制され、光学特性の低下も防止される。これにより、光学特性の劣化を防止することができる、光ピックアップのトラッキング制御方法を提供することができる。
【0030】
第3の発明に係る光ピックアップのトラッキング制御方法は、第1または第2の発明の構成に加えて、光ディスクからの反射光量を算出するステップをさらに含む。検出ステップは、算出された反射光量が最大となる位置を、光ビームの強度分布の中心として検出するステップを含む。
【0031】
第3の発明によると、光ディスクからの反射光量が算出されると、その反射光量が最大となる位置が、光ビームの強度分布の中心として検出される。このようにすると、反射光量に基づいて対物レンズを移動した上でトラッキングサーボの制御を実行することができるため、光学特性の劣化を防止することができる。
【0032】
第4の発明に係る光ピックアップのトラッキング制御方法は、第1または第2の発明の構成に加えて、プッシュプル信号の振幅を算出するステップをさらに含む。検出ステップは、算出された振幅が最大となる位置を、光ビームの強度分布の中心として検出するステップを含む。
【0033】
第4の発明によると、プッシュプル信号の振幅が算出されると、その振幅が最大となる位置が、光ビームの強度分布の中心として検出される。プッシュプル信号とは、光ディスクに集光された光ビームがトラックを横切る際に発生する信号である。このようにすると、プッシュプル信号の振幅に基づいてトラッキングを実行することができる。したがって、たとえば対物レンズの移動量に対するプッシュプル信号の振幅の変化量が他の物理量(たとえば光ディスクからの反射光量)よりも大きい場合には、対物レンズの移動の精度を向上させることができるため、光学特性を向上することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0035】
<第1の実施の形態>
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る光ピックアップのトラッキングの制御方法について説明する。図1は、本実施の形態に係るトラッキングの制御方法を実行する光ディスク装置1000の制御ブロック図である。
【0036】
この光ディスク装置1000は、光ディスク101と、スピンドルモータ102と、光ピックアップ103と、波形処理回路108と、差動回路109と、制御回路110と、サーボ位相補償回路111と、スイッチ回路112と、揺動信号加算回路113と、バイアス信号加算回路114と、アクチュエータ駆動回路115とを含む。光ピックアップ103は、対物レンズ104と、再生信号検出用フォトダイオード105と、トラッキングサーボ信号検出用フォトダイオード106と、トラッキングアクチュエータコイル107とを含む。
【0037】
DVDやCDその他の光ディスク101は、スピンドルモータ102により回転駆動される。光ディスク101には、光ピックアップ103に設けられた半導体レーザ等の発光素子(図示しない)から出射され、対物レンズ104により集光された光ビームが照射される。照射された光ビームは、光ディスク101にて反射されて、対物レンズ104を再び通過し、いくつかの光学素子(図示しない)を経たのち、再生信号検出用フォトダイオード105、あるいはトラッキングサーボ信号検出用フォトダイオード106に到達する。
【0038】
再生信号検出用フォトダイオード105とトラッキングサーボ信号検出用フォトダイオード106とは、同一のフォトダイオードが兼用される場合がある。トラッキングサーボ信号の検出方法によっては、さらに分割されたフォトダイオードが、トラッキングサーボ信号検出用フォトダイオード106として用いられる場合もある。また、フォーカスサーボ信号検出用のフォトダイオードも兼用されたり、あるいは独立して設けられたりする場合もある。ここでは、以下の説明を簡単にするために、1つの再生信号検出用フォトダイオード105と、2つのトラッキングサーボ信号検出用フォトダイオード106とが光ディスク装置1000に使用される場合について説明する。
【0039】
光ディスク101のトラックには、記録された情報信号ピットが存在する。照射された光ビームがそのトラックを追従すると、反射光は情報信号ピットに応じて変調され、記録された情報は、反射光量の変化として再生信号処理回路(図示しない)によって検出される。
【0040】
また、再生信号検出用フォトダイオード105によって検出された信号は、LPF(Low Pass Filter)処理、増幅処理その他の処理を実行する波形処理回路108に入力される。波形処理回路108は、情報信号ピットによって変調された信号からその信号の低周波成分のみを抽出し、変調成分を除去する。反射光量は、このようにして処理された信号に基づいて検出され、反射光量信号Stとして制御回路110に入力される。
【0041】
なお、上記したように波形処理回路108が反射光量を検出する構成に代えて、たとえば、2分割されたトラッキングサーボ信号検出用フォトダイオード106の出力の和を加算回路(図示しない)にて加算することにより、反射光量を検出してもよい。
【0042】
トラッキングサーボ信号検出用フォトダイオード106によって検出された信号は、差動回路109に入力される。差動回路109は、その信号を演算および増幅して、プッシュプル信号Spを生成する。このプッシュプル信号Spは、制御回路110およびサーボ位相補償回路111に入力される。
【0043】
光ビームがトラックに照射されると、反射光のファーフィールドパターンは、トラックによる回折、すなわちトラックと光ビームとの相対位置関係による回折によって変化する。このトラックによる回折、いわゆるボールパターンの変化は、分割されたトラッキングサーボ信号検出用フォトダイオード106により検出される。プッシュプル信号Spは、その変化の差として得られる。このプッシュプル信号Spは、トラッキングサーボ信号として使用される。トラッキングサーボ信号には、たとえば、対物レンズのシフトにともなうオフセットを補正した差動プッシュプル信号(DPP(Differential Push Pull)信号)が用いられる場合もあるが、ここでは、その説明は繰り返さない。
【0044】
サーボ位相補償回路111の出力は、スイッチ回路112を介して、揺動信号加算回路113の一方の入力端子に入力される。揺動信号加算回路113の出力は、さらに、バイアス信号加算回路114の一方の入力端子に入力される。バイアス信号加算回路114の出力は、アクチュエータ駆動回路115に入力される。アクチュエータ駆動回路115は、トラッキングアクチュエータコイル107の電流を制御することにより、アクチュエータ(図示しない)に取り付けられた対物レンズ104をトラッキング方向(ディスク半径方向)に可動させる。
【0045】
制御信号Ssは、制御回路110からスイッチ回路112に入力され、スイッチ回路112のON/OFFがその信号によって切り換えられる。揺動信号Syは、制御回路110から揺動信号加算回路113に入力される。バイアス信号Sbは、制御回路110からバイアス信号加算回路114に入力される。
【0046】
このように、トラッキングサーボ制御は、トラッキングサーボ信号検出用フォトダイオード106から、差動回路109、サーボ位相補償回路111、アクチュエータ駆動回路115、トラッキングアクチュエータコイル107の一連のサーボループによって、実行される。
【0047】
図2を参照して、本実施の形態に係る光ピックアップのトラッキング制御方法を実行する光ディスク装置1000の制御構造について説明する。
【0048】
ステップ(以下、ステップを「S」と表わす。)202にて、光ディスク装置1000の制御回路110は、バイアス信号Sbをゼロにリセットする。これにより、バイアス信号加算回路114に入力される信号は、そのまま出力される。
【0049】
S204にて、制御回路110は、フォーカスサーボをオンに設定する。これにより、たとえばフォーカスサーボを開始するための信号が出力される。なお、フォーカスサーボとは、光ディスク101の情報記録面が、対物レンズ104を介して出射される光ビームのビームウェスト付近または対物レンズ104の焦点深度内に常に存在するように、フォーカスアクチュエータ(図示しない)によって対物レンズ104を移動する焦点制御をいう。
【0050】
S206にて、制御回路110は、トラッキング揺動信号Syを揺動信号加算回路113に出力する。このとき、対物レンズ104のディスク半径の内周側へのシフト量(たとえば200μm)に相当する、予め定められた信号レベルVyが、トラッキング揺動信号Syとして設定される。このトラッキング揺動信号Syがバイアス信号加算回路114を経てアクチュエータ駆動回路115に送られると、対物レンズ104は、その信号に対応するシフト量(たとえば200μm)だけ、内周側に移動する。このようにして、対物レンズ104はトラッキング方向(ディスク半径方向)に揺動される。
【0051】
S208にて、制御回路110は、波形処理回路108から入力された信号に基づいて反射光量信号Stを検出する。この反射光量信号Stは、ディスク反射光量の総和に比例する信号である。対物レンズ104がシフトした場合に生じる対物レンズ104からの出射光量の変動は、この反射光量信号Stに基づいて検出される。この信号Stは電圧値に換算され、信号レベルV(1)としてメモリ(図示しない)に格納される。
【0052】
S210にて、制御回路110は、トラッキング揺動信号Syを揺動信号加算回路113に出力する。このトラッキング揺動信号Syは、S206におけるシフト量と同じ量(たとえば200μm)だけ、対物レンズ104をディスク半径の外周側に移動させる信号である。したがって、S206にて設定された信号レベルと反対の符号を有する信号レベル(すなわち、−Vy)がトラッキング揺動信号Syとして設定される。このトラッキング揺動信号Syがバイアス信号加算回路114を経てアクチュエータ駆動回路115に送られると、対物レンズ104は、その信号レベルに対応する量だけ、外周側に移動する。
【0053】
S212にて、制御回路110は、波形処理回路108から入力される信号に基づいて反射光量信号Stを検出する。この信号Stは電圧値に変換され、信号レベルV(2)としてメモリ(図示しない)に格納される。
【0054】
S214にて、制御回路110は、トラッキング揺動信号Syをゼロにリセットする。
【0055】
S216にて、制御回路110は、信号レベルV(1)と信号レベルV(2)とが等しいか否かを判断する。信号レベルV(1)と信号レベルV(2)とが等しいと判断されると(S216にてYES)、処理はS218に移される。もしそうでないと(S216にてNO)、処理はS220に移される。
【0056】
S218にて、制御回路110は、トラッキングサーボをオンに設定する。このとき、トラッキングサーボをアクティブにするための制御信号Ssが制御回路110からスイッチ回路112に出力される。その結果、スイッチ回路112は閉じられるため、サーボ位相補償回路111が出力する信号に基づいて、トラッキングサーボの制御が実行される。その後、処理は終了する。
【0057】
S220にて、制御回路110は、信号レベルV(1)は信号レベルV(2)よりも大きいか否かを判断する。信号レベルV(1)は信号レベルV(2)よりも大きいと判断されると(S220にてYES)、処理はS222に移される。もしそうでないと(S220にてNO)、処理はS224に移される。
【0058】
S222にて、制御回路110は、信号レベルをVbだけ増加したバイアス信号Sbを出力する。これにより、バイアス信号Sbに相当する電流がトラッキングアクチュエータコイル107に加えられ、対物レンズ104は、現状の位置からディスク半径の内周側に移動する。なお、信号レベルVbは、たとえば光ディスク装置1000の特性に応じて予め定められた値(たとえば10μm)であるが、任意に設定できるようにしてもよい。その後、処理はS206に戻される。
【0059】
S224にて、制御回路110は、信号レベルをVbだけ減少させたバイアス信号Sbを出力する。これにより、バイアス信号Sbに相当する電流がトラッキングアクチュエータコイル107に加えられ、対物レンズ104は、現状の位置からディスク半径の内周側に移動する。なお、信号レベルVbは、たとえば光ディスク装置1000の特性に応じて予め定められた値(たとえば10μm)であるが、任意に設定できるようにしてもよい。その後、処理はS206に戻される。
【0060】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る光ピックアップのトラッキング制御方法を実行する光ディスク装置1000の動作について説明する。
【0061】
バイアス信号Sbがリセットされ(S202)、フォーカスサーボが開始される(S204)。トラッキング揺動信号Syが出力されると(S206)、対物レンズ104は、トラッキング揺動信号Syに対応するシフト量だけ光ディスク101の内周側に移動する。対物レンズ104を介して取得される光ディスク101からの反射光量に基づいて反射光量信号Stが検出され(S208)、信号レベルV(1)としてメモリに一時的に保存される。トラッキング揺動信号Syが再び出力されると(S210)、対物レンズ104は、トラッキング揺動信号Syに対応するシフト量だけ光ディスク101の外周側に移動する。対物レンズ104を介して取得される光ディスク101からの反射光量に基づいて反射光量信号Stが検出され(S212)、信号レベルV(2)としてメモリに一時的に保存される。
【0062】
信号レベルV(1)と信号レベルV(2)とが一致せず(S216にてNO)、信号レベルV(1)が信号レベルV(2)よりも大きい場合には(S220にてYES)、制御回路110は、信号Sbだけ増加したバイアス信号Sbを出力する(S222)。
【0063】
トラッキング揺動信号Syが再び出力されて対物レンズ104の揺動処理が繰り返された後(S206〜S214)、光ディスク101からの反射光量に基づいて検出された反射光量信号Stに対応する信号レベルV(1)およびV(2)が等しくなると(S216にてYES)、トラッキングサーボがオンに設定され(S218)、トラッキングサーボの制御が実行される。
【0064】
図3を参照して、対物レンズ104の特性について説明する。図3は、対物レンズ104の移動量と反射光量信号Stとの関係を表わす図である。信号レベルは、対物レンズ104の移動量(以下、レンズシフトという。)が0である位置における信号レベルを100%として正規化されている。
【0065】
図3に示すように、反射光量は、内周側に50μm程度移動した位置を中心として、内外周方向へのレンズシフトに対して対称的に低下する。レンズシフトが0μmである位置は、トラッキング揺動信号Syやバイアス信号Sbがゼロにリセットされ、トラッキングアクチュエータ107に電流が流れていない場合における対物レンズ104の位置を表わす。
【0066】
このような特性を有する対物レンズ104の初期状態(位置、傾きの程度等)は、対物レンズ104を備える光ディスク装置1000の位置によって異なる。たとえば、光ディスク装置1000が傾けて、あるいは、縦置きに配置される場合には、対物レンズ104は自重によって位置を変える場合もあるため、その初期状態は、どのようであるかは不確定である。したがって、上述したように、トラッキングサーボ制御を実行する前に対物レンズ104を揺動して移動することにより(S206〜S214)、光学特性が低下しない位置において、光ディスク装置1000は、トラッキングサーボ制御を実行することができる。
【0067】
以上のようにして、本実施の形態に係る光ピックアップのトラッキング制御方法によると、光ディスク装置1000において、対物レンズ104はトラッキング方向に揺動され、対物レンズ104は、光ビームの強度分布の中心と対物レンズ104の光軸の中心とが一致する位置に移動され、その後に、トラッキングの制御が実行される。このようにすると、対物レンズ104がその自重によってシフトしている場合、経時変化によって最適状態から変化している場合、あるいは、複数の半導体レーザを備えたピックアップにおいて対物レンズ104の最適な位置がレーザ毎に異なる場合であっても、最適な位置に配置された対物レンズ104に基づいて、トラッキングサーボ制御を実行することができる。これにより、経時変化あるいは光ピックアップの自重による影響を受けることなく光学特性の劣化を防止することができる光ピックアップのトラッキング制御方法を提供することができる。
【0068】
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る光ピックアップのトラッキング制御方法を実行する光ディスク装置は、差動回路109から出力されるプッシュプル信号Spに基づいて対物レンズ104を揺動する点で、第1の実施の形態と異なる。このプッシュプル信号Spは、光ディスク101に集光された光ビームがトラックを横切る際に発生する信号である。
【0069】
なお、本実施の形態に係る光ディスク装置のハードウェア構成は、前述の第1の実施の形態と同じである。その機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は、ここでは繰り返さない。
【0070】
図4を参照して、本実施の形態に係る光ピックアップのトラッキング制御方法を実行する光ディスク装置の制御構造について、図1を参照しつつ説明する。なお、前述の第1の実施の形態におけるステップと同じステップには同一の番号を付し、それらについての説明は、ここでは繰り返さない。
【0071】
S408にて、制御回路110は、差動回路109からプッシュプル信号Spを取得する。このプッシュプル信号Spは、光ディスク101に集光された光ビームがトラックを横切る際に発生する信号である。このプッシュプル信号Spの振幅値は電圧値に変換され、信号レベルV(1)としてメモリ(図示しない)に格納される。
【0072】
S412にて、制御回路110は、差動回路109からプッシュプル信号Spを取得する。このプッシュプル信号Spの振幅値は電圧値に変換され、信号レベルV(2)としてメモリ(図示しない)に格納される。
【0073】
以上の構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る光ピックアップのトラッキング制御方法を実行する光ディスク装置1000の動作について説明する。なお、第1の実施の形態における動作と同じ動作の説明は、ここでは繰り返さない。
【0074】
シフト量Vyが設定されたトラッキング揺動信号Syが出力されると(S206)、電流がトラッキングアクチュエータ駆動回路115からトラッキングアクチュエータコイル107に供給され、対物レンズ104が移動する。差動回路109が光ディスク101からの反射光量に基づいてプッシュプル信号Spを出力すると、制御回路110は、その信号Spを取得する(S408)。このプッシュプル信号Spの振幅値は、信号レベルV(1)としてメモリに記憶される。
【0075】
その後、トラッキング揺動信号Syが再度出力されると(S210)、対物レンズ104が再び移動し、制御回路110はプッシュプル信号Spを再び取得する(S412)。この信号Spの振幅値は、信号レベルV(2)としてメモリに記憶される。
【0076】
その後、V(1)とV(2)とが等しくない間(S216にてNO)、対物レンズ104の揺動が継続され(S206〜S214)、V(1)とV(2)とが等しくなると(S216にてYES)、トラッキングサーボがオンに設定される(S218)。
【0077】
図5を参照して、本実施の形態に係る光ピックアップのトラッキング制御方法を実行する光ディスク装置1000の特性について説明する。図5は、対物レンズ104のシフト量と、プッシュプル信号Spとの関係を表わす図である。信号レベルは、対物レンズ104のレンズシフト0におけるプッシュプル信号Spの値を100%として正規化されている。
【0078】
図5に示されるように、たとえば、レンズシフトが±300μmの範囲において、プッシュプル信号Spの振幅値の最小値は、最大値の40%程度の大きさである。すなわち、対物レンズ104のシフトによって光ビームに収差が発生するような場合には、プッシュプル信号Spの振幅値の変化量は、反射光量信号Stの変化量よりも大きくなる。このようにすると、対物レンズ104のシフトによる光学特性の変化の検出精度を向上させることができる。
【0079】
以上のようにして、本実施の形態に係る光ピックアップのトラッキング制御方法を実行する光ディスク装置によると、対物レンズ104はプッシュプル信号Spに基づいてトラッキング方向に揺動される。レンズシフトに対するプッシュプル信号Spの変化量は、反射光量信号Stの変化量よりも大きいため、光ビームの強度分布の中心を精度よく検出することができる。その結果、対物レンズ104を最適な位置に移動させることができるため、トラッキングサーボ制御の実行時における信号品質の劣化を抑制することができる。
【0080】
<第3の実施の形態>
以下、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0081】
図6を参照して、本実施の形態に係る光ピックアップのトラッキング制御方法を実行する光ディスク装置3000について説明する。この光ディスク装置3000は、第1の実施の形態に係る光ディスク装置1000(図1)の構成に加えて、周波数/電圧変換回路616を含む。その他のハードウェア構成は、第1の実施の形態と同じである。それらの機能および作用も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は、ここでは繰り返さない。
【0082】
図6に示すように、周波数/電圧変換回路(以下、「F/V変換回路」と表わす。)616の出力側は、制御回路110の入力側に接続される。F/V変換回路616の入力側は、差動回路109の出力側に接続される。
【0083】
差動回路109からのプッシュプル信号Spは、制御回路110とF/V変換回路616とに入力される。F/V変換回路616の信号Svは、制御回路110に入力される。F/V変換回路616は、入力されたプッシュプル信号Spを周波数/電圧変換して、信号Svを出力する。
【0084】
図7を参照して、本実施の形態に係るF/V変換回路616の入出力特性について説明する。図7(A)は、フォーカスサーボがオンに設定された状態における、光ディスク101に集光された光ビームがトラックを横切る際に発生するプッシュプル信号Spの波形を表わす図である。図7(B)は、その信号Spが入力されるF/V変換回路616からの信号Svの波形を表わす図である。
【0085】
図7(A)において、光ビームによるトラックの横断は、トラック中心と光ディスクの回転中心との間のずれ(いわゆる偏芯)によって発生するものである。トラックの横断の周期が長くなっている部分(図7(A)におけるXあるいはY)は、偏芯によるトラックの横断の折り返し点であり、光ディスク101が1/2回転する毎に発生する。そのトラックの横断速度は、その中間点付近で最大となる。したがって、図7(B)に示すように、F/V変換回路616の信号Svのレベルは、この折り返し点で最小となり、その中間付近で最大となる。
【0086】
図8を参照して、本実施の形態に係る光ピックアップのトラッキング制御方法を実行する光ディスク装置3000の制御構造について説明する。本実施の形態に係る制御方法は、信号レベルV(1)とV(2)とが等しく、かつ、F/V変換回路616からの信号Svが最大値となる場合にトラッキングサーボが実行される点で、第1および第2の実施の形態と異なる。その他の処理は、前述の各実施の形態と同じであるので、ここでは説明を繰り返さない。
【0087】
S818にて、光ディスク装置3000の制御回路110は、F/V変換回路616からの信号Svを取得する。この信号Svは、取得される都度、メモリ(図示しない)に記憶される。
【0088】
S820にて、制御回路110は、信号Svが最大であるか否かを判断する。信号Svは最大であると判断されると(S820にてYES)、処理はS218に移される。もしそうでないと(S820にてNO)、処理はS818に戻される。
【0089】
ここで、信号Svが最大となるタイミング、すなわち偏芯の折り返しとなる位置の中間点の検出方法について説明する。信号Svの大きさ(絶対値)は、光ディスク101の偏芯量によって変化する。この偏芯量は、光ディスク101がスピンドルモータ102にチャッキングされた(つかまれた)状態によって異なる。すなわち、光ディスク101の偏芯量が大きい場合には、信号Svの平均レベルは大きくなる。一方、その偏芯量が小さい場合には、その平均レベルは小さくなる。したがって、信号Svが最大となるタイミングは、その信号Svの前後に取得される出力信号のレベルとの相対値から検出される。
【0090】
図9を参照して、光ディスクの偏芯によるトラックの変位について説明する。図9は、光ディスク装置3000における光ディスク101のトラックの変位を表わす図である。位置aおよびbは、偏芯するトラックの折り返しの位置を表わす。位置cは、位置aおよび位置bの中間の位置を表わす。
【0091】
図9において、トラッキングサーボ制御は、トラック偏芯の折り返しとなる位置の中間(すなわち、位置c)を検出した後にオンに設定される。したがって、対物レンズ104がトラックの偏芯に追従することにより発生する対物レンズ104のシフト量は、外周側の距離(すなわち、位置aと位置bとの距離)と内周側の距離(位置bと位置cとの距離)との間で、ほぼ均等となる。
【0092】
このように、トラックの偏芯にともなう対物レンズ104のシフト量を、内周と外周との間で均等となるように振り分けることにより、仮に、トラックの偏芯の折り返しとなる位置aにおいて、トラッキングサーボ制御の実行を開始した場合に比べて、対物レンズ104のシフト量を半分にすることができる。その結果、信号品質の大幅な劣化が防止されるため、高品位な光学特性を実現し、情報の記録あるいは再生の信頼性を確保することができる。
【0093】
以上のようにして、本実施の形態に係るトラッキングの制御方法を実行する光ディスク装置3000によると、トラッキングサーボ制御が開始される前に、対物レンズがトラッキング方向に揺動され、光ビームの強度分布の中心が検出され、さらに光ディスクのトラックの変位の中心が検出される。トラッキングサーボの制御は、このようにして検出された光ビームの強度分布の中心とトラックの変位の中心とが一致するように実行される。したがって、トラックの偏芯に対する追従によって対物レンズ104がシフトした場合にも、対物レンズ104を最適な位置に配置した上で、トラッキングサーボ制御を実現することができる。これにより、経時変化あるいは対物レンズ104の自重等による光学特性の低下を防止することができる、光ピックアップのトラッキング制御方法を提供することができる。
【0094】
なお、S222あるいはS224にてバイアス信号Sbに加減算される信号レベルVbを、細かな変化量で設定することにより、対物レンズ104を最適な位置に配置することができるが、トラッキングサーボ制御への引き込みに要する時間が長くなる場合もある。したがって、予め適切な値を信号レベルVbとして設定してもよい。このようにすると、その引き込みに要する時間が長くなることを防止することができる。
【0095】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1および第2の実施の形態に係る光ピックアップのトラッキング制御方法を実行する光ディスク装置のブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る光ピックアップのトラッキング制御方法を実行する光ディスク装置の制御構造を表わすフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る光ピックアップのトラッキング制御方法を実行する光ディスク装置の特性を説明するための図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る光ピックアップのトラッキング制御方法を実行する光ディスク装置の制御構造を表わすフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る光ピックアップのトラッキング制御方法を実行する光ディスク装置の特性を説明するための図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る光ピックアップのトラッキング制御方法を実行する光ディスク装置のブロック図である。
【図7】図6に示した光ディスク装置の作動特性を説明するための図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る光ピックアップのトラッキング制御方法を実行する光ディスク装置の制御構造を表わすフローチャートである。
【図9】図6に示した光ディスク装置における光ディスクの偏芯によるトラックの変位を説明するための図である。
【符号の説明】
101 光ディスク、102 スピンドルモータ、103 光ピックアップ、104 対物レンズ、105 再生信号検出用フォトダイオード、106 トラッキングサーボ信号検出用フォトダイオード、107 トラッキングアクチュエータコイル、108 波形処理回路、109 差動回路、110 制御回路、111 サーボ位相補償回路、112 スイッチ回路、113 揺動信号加算回路、114 バイアス信号加算回路、115 アクチュエータ駆動回路、616 周波数/電圧変換回路(F/V変換回路)、1000,3000 光ディスク装置。

Claims (4)

  1. 光ディスク装置が備える光ピックアップのトラッキングを制御するトラッキング制御方法であって、前記光ディスク装置は、対物レンズにより集光された光ビームによって情報を光ディスクに記録あるいは再生し、前記トラッキング制御方法は、
    前記光ピックアップのトラッキングサーボ制御を開始する前に、前記対物レンズをトラッキング方向に揺動する揺動ステップと、
    前記光ビームの強度分布の中心を検出する検出ステップと、
    前記対物レンズを前記検出された強度分布の中心に移動するステップと、
    前記対物レンズが前記中心に移動された後に、前記トラッキングサーボ制御を開始するステップとを含む、光ピックアップのトラッキング制御方法。
  2. 光ディスク装置が備える光ピックアップのトラッキングを制御するトラッキング制御方法であって、前記光ディスク装置は、対物レンズにより集光された光ビームによって情報を光ディスクのトラックに記録あるいは再生し、前記トラッキング制御方法は、
    前記光ピックアップのトラッキングサーボ制御を開始する前に、前記対物レンズをトラッキング方向に揺動する揺動ステップと、
    前記光ビームの強度分布の中心を検出する検出ステップと、
    前記光ディスクの偏芯による前記トラックの変位の中心を検出するステップと、
    前記検出された強度分布の中心と前記検出された変位の中心とが一致するように、前記トラッキングサーボ制御を開始する開始ステップとを含む、光ピックアップのトラッキング制御方法。
  3. 前記トラッキング制御方法は、前記光ディスクからの反射光量を算出するステップをさらに含み、
    前記検出ステップは、前記算出された反射光量が最大となる位置を、前記光ビームの強度分布の中心として検出するステップを含む、請求項1または2に記載の光ピックアップのトラッキング制御方法。
  4. 前記トラッキング制御方法は、プッシュプル信号の振幅を算出するステップをさらに含み、
    前記検出ステップは、前記算出された振幅が最大となる位置を、前記光ビームの強度分布の中心として検出するステップを含む、請求項1または2に記載の光ピックアップのトラッキング制御方法。
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JP2010267342A (ja) * 2009-05-15 2010-11-25 Funai Electric Co Ltd 光ピックアップ及び光ディスク装置

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