JP2004341608A - 機械装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、振動による性能のばらつきを改善することのできる機械装置を提供することにある。
【解決手段】本体12に対し直線運動する移動部14を備えた機械装置10において、該移動部14の運動方向に発生している移動部14のもつ固有振動を制御するアクティブ制振機構16を備え、該アクティブ制振機構16は、該移動部14に設けられ、該移動部14のもつ一又は二以上の固有振動のうち、該移動部14の運動方向に現在発生している固有振動を測定するセンサー18と、該移動部14に設けられ、該移動部14の運動方向に振動を発生するアクチュエータ20と、該センサー18により得られた移動部14に現在発生している移動部14の固有振動と逆相の振動を該アクチュエータ20に発生させるコントローラ22と、を備えたことを特徴とする機械装置10。
【選択図】 図1
【解決手段】本体12に対し直線運動する移動部14を備えた機械装置10において、該移動部14の運動方向に発生している移動部14のもつ固有振動を制御するアクティブ制振機構16を備え、該アクティブ制振機構16は、該移動部14に設けられ、該移動部14のもつ一又は二以上の固有振動のうち、該移動部14の運動方向に現在発生している固有振動を測定するセンサー18と、該移動部14に設けられ、該移動部14の運動方向に振動を発生するアクチュエータ20と、該センサー18により得られた移動部14に現在発生している移動部14の固有振動と逆相の振動を該アクチュエータ20に発生させるコントローラ22と、を備えたことを特徴とする機械装置10。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は機械装置、特にその制振機構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、例えば三次元測定機等の移動部を備えた精密機械装置は、高速化、高精度化が求められており、その高速化、高精度化に伴って、振動が発生しやすくなる。特に精密機械装置の性能のばらつき改善が求められており、精密機械装置の性能のばらつきの原因としては、振動の問題が重視されている。この振動を押さえることができれば、機械装置をさらに高速化、高精度化することができる。
したがって、精密機械装置の、より高速化、高精度化を図るために、従来は、弾性ゴムやスプリングを利用し振動を減衰させることが考えられる。
【0003】
また従来は、ステージ駆動時の反力を打ち消す技術であるが、これを精密機械装置の高速化、高精度化のために用いることも考えられる(特許文献1〜6等参照)。これはステージ駆動時の反力により、ステージと同程度のマスをステージと反対方向に直線運動させ、ステージ駆動時の反力を打ち消すものである。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−170765号公報
【特許文献2】
特開2002−175963号公報
【特許文献3】
特開2001−230178号公報
【特許文献4】
特開2001−118773号公報
【特許文献5】
特開2000−243811号公報
【特許文献6】
特開2000−216082号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、精密機械装置の、より高速化、高精度化のために、前記従来方法、つまり前記弾性ゴム等や、前記特許文献1〜6の技術を用いても、満足のゆく制振効果を得ることができなかった。
このように精密機械装置の、より高速化、高精度化を図ろうとすると、振動がより発生してしまうため、その高速化、高精度化にも限界があった。
【0006】
したがって、精密機械装置においては、振動による性能のばらつきは改善の余地が残されていたものの、従来はこれを解決することのできる適切な技術が存在しなかった。
本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は振動による性能のばらつきを改善することのできる機械装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明にかかる機械装置は、本体に対し直線運動する移動部を備えた機械装置において、アクティブ制振機構を備え、前記アクティブ制振機構は、センサーと、アクチュエータと、コントローラと、を備えることを特徴とする。
【0008】
ここで、前記アクティブ制振機構は、前記移動部の運動方向に発生している移動部のもつ固有振動を制御する。
また前記センサーは、前記移動部に設けられ、該移動部のもつ一又は二以上の固有振動のうち、該移動部の運動方向に現在発生している固有振動を測定する。
前記アクチュエータは、前記移動部に設けられ、該移動部の運動方向に振動を発生する。
前記コントローラは、前記センサーにより得られた移動部に現在発生している移動部の固有振動と逆相の振動を前記アクチュエータに発生させる。
【0009】
本発明の移動部のもつ固有振動としては、移動部を運動させない状態で予め得ておいた移動部の基準点に対する移動部のもつ固有振動が一例として挙げられる。
ここにいう逆相の振動とは、位相に関しては移動部のもつ固有振動の位相と逆位相であり、周波数に関しては移動部のもつ固有振動の周波数と同じ周波数であり、振幅に関して、その符号は移動部のもつ固有振動の振幅と正負が逆であるが、その大きさ(絶対値)は移動部のもつ固有振動の振幅と同じ大きさをもつものをいう。
ここにいう移動部のもつ固有振動とは、固有な単数の(共振)周波数をもつもの、あるいは複数の異なる(共振)周波数をもつものを含めていう。
【0010】
本発明の機械装置の性能としては、例えば測定精度、繰り返し精度、運動精度等が一例として挙げられる。
なお、本発明において、前記アクティブ制振機構は常時稼動されており、前記センサーは前記移動部の運動方向に現在発生している移動部の固有振動を常時測定している。前記アクチュエータは常時、前記移動部の運動方向に振動を発生している。前記コントローラは前記センサーにより得られた移動部に現在発生している固有振動と逆相の振動を、前記アクチュエータに常時発生させていることが好適である。
【0011】
また本発明においては、メモリを備える。前記コントローラは、前記センサーにより得られた移動部に現在発生している固有振動の制振に最適な前記アクチュエータへの制御情報を前記メモリより取得し、該取得された制御情報で該アクチュエータに振動を発生させることが好適である。
ここで、前記メモリは、前記移動部に前記アクティブ制振機構のうち少なくとも前記センサ及び前記アクチュエータを設け、該移動部を運動させない状態で予め得ておいた該移動部のもつ一又は二以上の固有振動の情報と、該移動部のもつ固有振動と逆相の振動を発生させるのに最適なアクチュエータへの制御情報との関係を記憶している。
【0012】
また本発明においては、アダプタを備えることが好適である。
ここで、前記アダプタは、前記移動部に着脱自在に設けられ、前記アクティブ制振機構のうち少なくとも前記センサー及び前記アクチュエータを保持する。
また本発明において、前記アクチュエータは、一対のフライホイールと、モータと、を備える。前記コントローラは、前記センサーにより得られた移動部に現在発生している移動部の固有振動と逆相の振動を前記フライホイールが発生するように、前記モータによる該フライホイールの回転数の制御を行わせることが好適である。
【0013】
ここで、前記フライホイールは、互いに反対方向に同じ速度で回転運動し、前記センサーにより得られた移動部に現在発生している固有振動と逆相の振動を該移動部の運動方向に発生する。
また前記モータは、前記センサーにより得られた移動部に現在発生している移動部の固有振動の周波数に基づいて定められた回転数で前記フライホイールを回転させる。
【0014】
また本発明において、前記移動部は三次元測定機のプローブであり、前記アクティブ制振機構のうち少なくとも前記センサー及び前記アクチュエータが前記三次元測定機のプローブに設けられていることが好適である。
ここにいう前記センサー及び前記アクチュエータが前記三次元測定機のプローブに設けられているとは、前記センサー及びアクチュエータをプローブに直接設けること、プローブを取り付けるためのスピンドルに設けることを含めていう。
【0015】
本発明の三次元測定機としては、三次元座標測定機と呼ばれるものであり、互いに直交する案内と、案内の移動量を求めるスケール及びプローブをもち、それぞれの移動量からプローブの三次元座標値を求めることのできる機械装置を用いることができる。
本発明の三次元測定機のプローブとしては、被測定物上の点の三次元座標を検出するための検出器であり、接触式と非接触式を含む。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の好適な一実施形態について説明する。
図1には本発明の一実施形態にかかる機械装置の概略構成が示されている。
なお、本実施形態では、制振対象となる移動部として、三次元測定機のプローブが設けられた状態でX軸方向に運動するZ軸スピンドルを想定し、プローブのX軸方向の固有振動の制振を行う例について説明する。
【0017】
同図に示す三次元測定機(機械装置)10は、三次元測定機本体(本体)12に対しX軸方向(運動方向)に直線運動するZ軸スピンドル(移動部)14と、アクティブ制振機構16を備える。
前記アクティブ制振機構16は、センサー18と、アクチュエータ20と、コントローラ22を備える。
このアクティブ制振機構16は、Z軸スピンドル14の運動方向であるX軸方向に発生しているZ軸スピンドル14のもつ固有振動を制御する。
【0018】
前記センサー18は、例えば振動加速度センサー等を含み、プローブ(図示省略)が取り付けられるZ軸スピンドル14の先端部に設けられる。
このセンサー18は、Z軸スピンドル14のもつ一又は二以上の固有振動のうち、Z軸スピンドル14のX軸方向に現在発生している固有振動の成分、例えばその周波数、位相、振幅等の振動性を常時測定している。
またこのセンサー18よりの信号は順次、コントローラ22に入力される。
【0019】
前記アクチュエータ20は、Z軸スピンドル14に設けられる。
このアクチュエータ20は、Z軸スピンドル14のX軸方向に振動を常時発生しており、Z軸スピンドル14を常時加振している。
【0020】
前記コントローラ22は、例えばメモリ26と、CPU28等を備える。このCPU28は、例えば振動成分取得部30と、制御情報取得部32と、指示部34等を備える。
このコントローラ22は、駆動回路24を介してアクチュエータ20の動作を制御する。つまりこのコントローラ22は、センサー18により得られたZ軸スピンドル14に現在発生しているZ軸スピンドル14の固有振動と逆相の振動を、アクチュエータ20に常時発生させている。
【0021】
ここで、前記メモリ26は、Z軸スピンドル14の先端部にセンサー18及びアクチュエータ20を設け、該Z軸スピンドル14を運動させない状態で予め得ておいたZ軸スピンドル14のもつ一又は二以上の固有振動と、該Z軸スピンドル14の先端部のもつ固有振動と逆相の振動を発生させるのに最適なアクチュエータ20への制御情報との関係を記憶している。
【0022】
本実施形態においては、Z軸スピンドル14を運動させない状態でアクチュエータ20により振動を発生させる。その際に周波数を変えながら、振動振幅をセンサー18によりモニタする。コントローラ22は、その振動振幅のピークが閾値を越えると、Z軸スピンドル14の固有周波数としてメモリ26に記憶している。
前記振動成分取得部30は、センサー18よりの信号より、Z軸スピンドル14に現在発生している固有振動の成分(周波数、振幅、位相等)を常時取得している。
【0023】
前記制御情報取得部32は、センサー18により得られたZ軸スピンドル14に現在発生している固有振動の制振に最適なアクチュエータ20への制御情報をメモリ26より取得する。
前記指示部34は、制御情報取得部32により得られた制御情報でアクチュエータ20に振動を常時発生させている。
なお、本実施形態においては、CMM用制御装置36と、データ処理装置38を備える。
【0024】
前記CMM用制御装置36は、例えばコンピュータ等よりなり、三次元測定機本体12の各軸の移動及び測定の操作を、該コンピュータによる数値制御で行う。
前記データ処理装置38は、三次元測定機本体12の測定動作によって得られたXYZ座標値から、必要とする被測定物の穴径や穴位置・段差などの寸法を求める。
【0025】
本実施形態にかかる三次元測定機10は概略以上のように構成され、以下にその作用について説明する。
本実施形態においては、三次元測定機10の測定精度のばらつき改善を目的として、Z軸スピンドル14の先端部にアクティブ制振機構16を設け、三次元測定機本体12のもつ固有振動と逆相の振動を、Z軸スピンドル14の先端部に加えることにより、三次元測定機本体12のもつ固有振動を削減することができるので、三次元測定機10の高精度化を達成することができる。
【0026】
すなわち、三次元測定機本体12のZ軸スピンドル14の先端部にはプローブが搭載されており、測定の際に、プローブ先端の測定子が被測定物に接触した瞬間のXYZ座標を入力して測定を実行する。
このような三次元測定機10では、Z軸スピンドル14の高速移動後の残留振動や、測定時低速移動時の振動が特に問題となる。
【0027】
すなわち、プローブを高速で被測定物の測定部位近傍へ位置決めするが、その際に、高速位置決め開始の加速時点で加速Gが加わり、さらに減速時点で減速Gが加わる。このような外力が高速移動時のZ軸先端部の振動原因となる。
その後、低速の測定速度でプローブの測定子を被測定物に接触させる。その接触時点のXYZ軸座標値を読み取ると共に、直にプローブの相対運動を停止させるが、このような微動にて測定している時にも、微小振動が発生し、バラツキ誤差が発生する場合が多い。
【0028】
そこで、本実施形態においては、Z軸スピンドル14の先端部にセンサー18及びアクチュエータ20を設け、少なくともZ軸スピンドル14の減速開始時点及び低速移動時点で、微振動の逆位相でZ軸スピンドル14を加振するアクティブ制振を行うことが好ましい。
すなわち、コントローラ22は、Z軸スピンドル14の高速移動後の残留振動を押さえるために、高速移動後の減速時のタイミングでZ軸スピンドル14のアクティブ制御を行う。
【0029】
また位置決め後、Z軸スピンドル14は測定速度で被測定物へ接近していくので、この時点で振動が残っている可能性があるから、コントローラ22は、Z軸スピンドル14の測定時の低速振動の除去のために測定速度で移動時のタイミングでも、Z軸スピンドル14のアクティブ制振を行う。
このようなZ軸スピンドル14のアクティブ制振により、Z軸スピンドル14の先端部に現在発生している固有振動と、アクチュエータ20により加えられる振動とが、互いに打ち消し合い、理論上はZ軸スピンドル14に発生する固有振動がゼロとなる。
【0030】
この結果、本実施形態においては、Z軸スピンドル14の高速移動後の残留振動が特に問題となるPOINT測定時と、Z軸スピンドル14の低速測定時の振動が特に問題となるSCANNING測定時においても、Z軸スピンドル14に発生する振動を大幅に削減することができる。
したがって、本実施形態においては、Z軸スピンドル14の振動による三次元測定機10の測定精度のばらつき改善が図られるので、三次元測定機10の高精度化を実現することができる。
【0031】
常時稼動
本実施形態においては、アクティブ制振の稼動タイミングについて検討を行った結果、少なくともZ軸スピンドル14に振動性が検出されたときのみ、アクチュエータ20を稼動させること、つまり前述のようなZ軸スピンドル14の減速開始時点、低速移動時点で直ちに制振を行うことは勿論重要であるが、アクティブ制振機構16を常時稼動させておくことが、より好ましいことがわかった。
【0032】
すなわち、アクチュエータ20においては、制振制御を行っている状態(アクチュエータ20が稼動している状態)から、制振制御を行わない状態(アクチュエータ20が稼動していない状態)までの過渡状態を制御することが困難なことがある。
そこで、本実施形態において特徴的なことは、センサー18を常時稼動させ、常にアクチュエータ20の振動の制御を行ったことである。また本発明者らにより、常時、Z軸スピンドル14に固有振動が発生していることも確認されていることからも、アクティブ制振機構16は、常時、稼動していることが、特に好ましい。
【0033】
このために本実施形態においては、センサー18が、三次元測定機10のZ軸スピンドル14のX軸方向に現在発生している固有振動を常時測定している。
前記アクチュエータ20は、常時、X軸方向に振動を発生している。
前記コントローラ22は、センサー18により刻々と検出されるZ軸スピンドル14に現在発生している固有振動と逆相の振動を、アクチュエータ20に常時発生させている。
この結果、本実施形態においては、振動性が検出されたときのみ、アクチュエータ20を稼動させるものに比較し、アクチュエータ20によるZ軸スピンドル14のアクティブ制振が、より確実に及び容易に行える。
【0034】
振動性
本実施形態においては、より好適なアクティブ制振について検討を行った結果、制振制御の前に、センサー18よりの信号波形の変化が、Z軸スピンドル14にかかる加速度Gや減速Gによるものなのか、或いは振動性によるなのかを正しく区別することが、特に好ましいことがわかった。この結果、センサー18よりの信号に基づいて、より好適なアクティブ制振よりが行える。
以下に、センサー18よりの信号の振動性に基づいてアクティブ制振を行う例について具体的に説明する。
【0035】
すなわち、Z軸スピンドル14の剛性が非常に高く、Z軸スピンドル14に振動がほとんど発生しないと、センサー18は加速度Gや減速Gのみを出力することになる。しかしながら、これは振動性ではないので、コントローラ22によるアクチュエータ20への新しい制振制御の指示は、振動性を検出してから行うことが、特に好ましい。
このためにコントローラ22は、センサー18よりの信号波形の変化の有無を監視している。センサー18よりの信号波形の変化があると、その変化が振動によるものなのか、或いは加速度によるものなのかを判定する。
【0036】
本実施形態においては、コントローラ22は、Z軸スピンドル14の固有振動の周波数に対応する振動周波数が、メモリ26に記憶されているか否かに基づいて、センサー18よりの信号波形の変化が振動性によるものか否かを判定している。
すなわち、コントローラ22は、センサー18よりの信号に関して、メモリ26に対応する振動周波数があれば、これを振動性と判定し、一方、メモリ26に対応する振動周波数がなければ、これを振動性でないと判定する。
【0037】
そして、コントローラ22は、センサー18よりの信号波形より振動性が検出されなければ、アクチュエータ20への制御情報を変えることなく、直前の制御情報をそのまま用いる。
一方、コントローラ22は、センサー18よりの信号波形より直前とは異なる振動性が検出されると、直前とは異なる固有振動の制振のために最適な制御情報をメモリ26より取得する。そしてコントローラ22は、新たに得られた制御情報でアクチュエータ20に振動を発生させる。
【0038】
このようにコントローラ22は、センサー18よりの信号波形に基づいて、現在発生しているZ軸スピンドル14の固有振動の変化を常時監視し、異なる振動性が検出されると、直ぐにその固有振動に応じた最適なアクチュエータ20の動作制御を行うことにより、振動性の判定の工夫のないものに比較し、センサー18よりの信号に基づいて、Z軸スピンドル14のアクティブ制振が、より確実に行える。
【0039】
アダプタ
本実施形態においては、アクティブ制振機構の三次元測定機本体への搭載の仕方について検討を行った結果、少なくともセンサー及びアクチュエータをアダプター化することが、特に好ましいことがわかった。この結果、三次元測定機本体への汎用性が向上される。
以下に、センサー及びアクチュエータのアダプター化について、具体的に説明する。
【0040】
図2には本実施形態にかかるアクティブ制振機構の、三次元測定機本体12への好適な搭載例が示されている。
同図において、前記アクティブ制振機構のうちセンサー及びアクチュエータは、アダプタ40に保持された状態でZ軸スピンドル14の先端部に着脱自在に設けられている。
本実施形態においては、アダプタ40の上部がZ軸スピンドル14の下部に着脱自在に構成されており、アダプタ40の下部がプローブアダプタ44に着脱自在に構成されている。
【0041】
このように本実施形態においては、Z軸スピンドル14に対し、アクティブ制振機構を保持しているアダプタ40を着脱自在とすることにより、専用の三次元測定機に対してだけでなく、既存の三次元測定機に対しても、本実施形態のアクティブ制振機構16の付加が容易となる。
このため、本実施形態においては、アクティブ制振機構16が固定式のものに比較し、既存の三次元測定機に対しての汎用性も向上されるので、より多くの三次元測定機に対して、測定精度のばらつき改善を図ることができる。
【0042】
[三次元測定機本体]
なお、三次元測定機本体12は、本体ベース46と、測定テーブル48と、本体ベース46に固定の門柱50を備える。
測定テーブル48は、本体ベース46に対し図中、矢印Y方向に移動自在に設けられ、被測定物を図中、矢印Y方向に移動する。
Z軸スピンドル14は、門柱50に対し、図中、矢印X方向、矢印Z方向に移動自在に設けられ、プローブ42を図中、矢印X方向、矢印Z方向に移動する。
【0043】
ここで、本実施形態においては、プローブ42を図中、矢印X方向に移動しており、プローブ42の固有振動は図中、矢印X方向に発生する。この図中矢印X方向の固有振動を制振している。
このようにプローブ42の固有振動は図中、矢印X方向に発生しているので、アクチュエータも、図中、矢印X方向に振動させている。
【0044】
本実施形態においては、少なくともZ軸スピンドル14の高速移動時、つまりプローブ42を図中、矢印X方向への高速移動時の残留振動を除去するには、高速移動後の減速時のタイミングでアクティブ制御を行う。
また本実施形態においては、少なくともZ軸スピンドル14の低速測定時、つまりプローブ42の図中、矢印X方向への低速移動時の低速振動を除去するには、測定速度で移動時のタイミングでアクティブ制振を行う。
【0045】
アクチュエータ
本実施形態においては、アクチュエータについて検討を行った結果、フライホイールを用いることが、特に好ましいことがわかった。
すなわち、本実施形態においては、アクチュエータとして空圧や油圧の直動シリンダを用いることもできるが、フライホイール等の回転体を用いることが設計のしやすさや、製造のしやすさの点で優れているので、より好ましい。
【0046】
また直動体に比較し、モータなどの回転をそのまま用いることのできる回転体の方が、設計、製造が容易となるからである。またリニアモータによる直動体も考えられるが、直線ガイドが必要になるので、構造面で複雑になり、制振が難しくなることがあるからである。
そこで、本実施形態においては、アクチュエータとして特にフライホイールを用いることが好ましい。
この結果、本実施形態においては、単一方向の振動の抑制を、高効率で、単純な機械装置構成で行えるので、設計、製造が容易となる。
【0047】
図3には、本実施形態において好適に用いられるフライホイールを用いたアクティブ制振機構が示されている。
同図に示すアダプタ40は、基礎枠51と、アクチュエータ20と、センサ18を備える。基礎枠51にアクチュエータ20と、センサ18が保持されている。
センサ18は、基礎枠(基準点)51に対する振動性を測定する。
【0048】
アクチュエータ20は、回転軸がZ軸方向のモータ52、回転軸がZ軸方向の、一対のギア54,56と、回転軸がZ軸方向の、一対のフライホイール58,60を備える。
このアクチュエータ20は、モータ52の回転軸にギア54と、フライホイール58が設けられている。
【0049】
このモータ52の回転はフライホイール58に伝えられると共に、ギア54,56を介してフライホイール60に伝えられる。
これにより、フライホイール58,60は、互いに反対方向に同じ速度で回転運動し、センサー18により得られたZ軸スピンドルに現在発生している固有振動と逆相の振動を、X軸方向に発生する。
ここで、モータ52は、コントローラにより、センサー18により得られたZ軸スピンドルに現在発生しているZ軸スピンドルの固有振動の周波数に基づいて定められた周波数でフライホイール58,60を回転させている。
【0050】
振動方向の限定
なお、前述のように本実施形態にかかる三次元測定機10は、テーブル移動形のため、Z軸スピンドル14は、X軸方向の振動を主に生じる。したがって、フライホイール58,60の配置を図4に示すような配置とすることにより、アクチュエータ20の振動を、Z軸スピンドルの振動方向であるX軸方向に対応させることができる。
【0051】
すなわち、フライホイール58,60は、同一の偏心状態で軸支され、それぞれ回転軸55,57を中心に反対方向に回転運動する。ここで、フライホイール58,60は、図4(A)に示されるような姿勢1では、X方向の負の方向にモーメント59,61が発生する。このためアクチュエータには、X方向の負の方向にモーメントが2倍発生する。
一方、フライホイール58,60が、同図(B)に示されるような姿勢2では、Y方向のモーメント59,61がお互いに打ち消し合い、モーメントがゼロとなる。
【0052】
またフライホイール58,60が、同図(C)に示されるような姿勢3では、X方向の正の方向にモーメント59,61が発生する。このためアクチュエータにはX方向の正の方向にモーメントが2倍発生する。
一方、フライホイール58,60が、同図(D)に示されるような姿勢4では、Y方向のモーメント59,61がお互いに打ち消し合い、モーメントがゼロとなる。
【0053】
このようなフライホイール58,60の回転により、X方向の正負方向にモーメントが周期的に発生すると、アクチュエータに振動が発生するため、同図ではこのようなフライホイール58,60の配置により、アクチュエータに、X方向の正負方向のみに振動を発生することができる。
そこで、このようにして得られたアクチュエータのX方向の正負方向にのみの振動を用いて、次のような制振を行う。
【0054】
すなわち、センサーにより、図5(A)に示されるような固有振動の信号62が検出されると、同図(B)に示されるような固有振動の信号62と逆相の振動の信号64をアクチュエータに発生させる。
すると、一方の振動成分の山の部分が他方の振動成分の谷の部分に位置することとなり、現在発生している固有振動とアクチュエータの振動とは打消し合う。
この結果、Z軸スピンドルに現在発生している振動は、理論上、同図(C)に示すように振動振幅がゼロとなり、消えてしまうのである。
【0055】
[同期]
ここで、コントローラは、前述のようなアクティブ制振制御を行うために、センサーからの固有振動の信号62と、モータの角速度を同期させることが必要である。これにより同図(B)に示されるようなセンサーよりの固有振動の信号62と逆相の振動の信号64をアクチュエータに発生させることができる。
【0056】
[回転数]
またZ軸スピンドルの先端部に発生する振動は、その構造体固有のものであるから、予めセンサーで検出し、その振動の周波数成分と大きさを算出しておき、その振動の大きさに合わせてフライホイールの大きさを選定しておくことが好ましい。
【0057】
またフライホイールの周波数は、モータの回転数で調節することが好ましい。すなわち、フライホイールの回転数は、Z軸スピンドルが振動する固有振動数に基づいてモータの回転数を調節することができるので、その回転数における慣性モーメントに基づいて、フライホイールの質量、及びアンバランス量を決定することができる。
【0058】
[フライホイールの形状]
またフライホイールの形状は、任意のものを用いることができるが、加工の容易性等から、特に半円形が好ましい。
【0059】
[常時稼動]
特にフライホイールを用いたものにおいては、制振制御を行っている状態(フライホイールが回転している状態)から、制振制御を行わない状態(フライホイールが回転していない状態)までの過渡状態を制御することが困難なことがある。
このため、特にフライホイールを用いたアクチュエータにおいては、センサーを常時稼動させ、常にフライホイールの回転数の制御を行うことが、より好ましい。
【0060】
以上のように本実施形態にかかる三次元測定機によれば、Z軸スピンドル先端部にアクティブ制振機構のうち少なくともセンサ及びアクチュエータを設け、三次元測定機のもつ固有振動と逆相の振動をZ軸スピンドル先端部に加えることとした。
この結果、本実施形態においては、機械装置のもつ固有振動を削減することができる。したがって、本実施形態においては、振動による三次元測定機の測定精度のばらつき改善を図ることができるので、三次元測定機の高精度化が達成できる。
【0061】
しかも、本実施形態においては、前述のようなアクティブ制振機構を付加するのみで、三次元測定機の測定精度のばらつき改善を、構造体の剛性アップなしで図ることができるので、低価格で三次元測定機の性能向上が図られる。
なお、本発明は前記構成に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【0062】
例えば前記構成では三次元測定機にアクティブ制振機構を用いた例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、移動部を備えた機械装置でれば、任意のものに適用することができる。例えば前記三次元測定機をはじめとする座標測定機、工作機械、一般の加工機械、位置決め装置等にも好適に用いることができる。
【0063】
また、本実施形態では、振動を発生するアクチュエータとして、フライホイールを回転させて制振を行う構造について説明したが、これに限らず、所定の質量を有する重りに移動部の固有振動と逆相の振動を与えて制振を行う構造であっても良い。この際に重りは、ピエゾ素子などの圧電素子、空圧や油圧のピストン、あるいはボイスコイルなどの電磁駆動源によって振動が印加されるものでも良い。
【0064】
さらに、移動部の固有振動は一軸方向へのみ発生し、制振のための振動も同一方向において発生させるものについてのみ説明したが、これに限られず、振動方向は二軸方向(平面内振動)、あるいは三軸方向(立体振動)であってもよい。要は、センサーによって固有振動の振動方向と振幅及び周期を検出して、この固有振動を打ち消すように、固有振動とは逆相かつ同一振幅、同一周期の振動をアクチュエータで発生させればよい。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように本発明にかかる機械装置によれば、その移動部の運動方向に現在発生している移動部のもつ固有振動を制御するアクティブ制振機構を備えることとしたので、性能のばらつき改善を図ることができる。
また本発明においては、前記アクティブ制振機構を常時稼動させておくことにより、前記性能のばらつき改善を、さらに図ることができる。
【0066】
また本発明においては、予め得ておいた移動部の固有振動と逆相の振動を発生させるのに最適なアクチュエータへの制御情報を記憶しているメモリを備えることにより、前記性能のばらつき改善を、より容易に及び確実に図ることができる。
また本発明においては、前記センサー及びアクチュエータをアダプタに保持させることにより、より多くの機械装置に対して、前記性能のばらつき改善を図ることができる。
【0067】
また本発明においては、前記アクチュエータにフライホイールを用いることにより、より安価に前記性能のばらつき改善を図ることができる。
さらに本発明においては、三次元測定機のプローブに前記アクティブ制振機構を備えることにより、三次元測定機の性能のばらつき改善を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる機械装置の概略構成の説明図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるアクティブ制振機構の三次元測定機への具体的な搭載例である。
【図3】本発明の一実施形態にかかるアクティブ制振機構の具体的な説明図である。
【図4】図3に示したアクティブ制振機構のフライホイールの姿勢特性の説明図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかるアクティブ制振機構による制振の説明図である。
【符号の説明】
10 三次元測定機(機械装置)
12 三次元測定機本体(本体)
14 Z軸スピンドル(移動部)
16 アクティブ制振機構
18 振動加速度センサー(センサー)
20 アクチュエータ
22 コントローラ
42 プローブ
【発明の属する技術分野】
本発明は機械装置、特にその制振機構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、例えば三次元測定機等の移動部を備えた精密機械装置は、高速化、高精度化が求められており、その高速化、高精度化に伴って、振動が発生しやすくなる。特に精密機械装置の性能のばらつき改善が求められており、精密機械装置の性能のばらつきの原因としては、振動の問題が重視されている。この振動を押さえることができれば、機械装置をさらに高速化、高精度化することができる。
したがって、精密機械装置の、より高速化、高精度化を図るために、従来は、弾性ゴムやスプリングを利用し振動を減衰させることが考えられる。
【0003】
また従来は、ステージ駆動時の反力を打ち消す技術であるが、これを精密機械装置の高速化、高精度化のために用いることも考えられる(特許文献1〜6等参照)。これはステージ駆動時の反力により、ステージと同程度のマスをステージと反対方向に直線運動させ、ステージ駆動時の反力を打ち消すものである。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−170765号公報
【特許文献2】
特開2002−175963号公報
【特許文献3】
特開2001−230178号公報
【特許文献4】
特開2001−118773号公報
【特許文献5】
特開2000−243811号公報
【特許文献6】
特開2000−216082号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、精密機械装置の、より高速化、高精度化のために、前記従来方法、つまり前記弾性ゴム等や、前記特許文献1〜6の技術を用いても、満足のゆく制振効果を得ることができなかった。
このように精密機械装置の、より高速化、高精度化を図ろうとすると、振動がより発生してしまうため、その高速化、高精度化にも限界があった。
【0006】
したがって、精密機械装置においては、振動による性能のばらつきは改善の余地が残されていたものの、従来はこれを解決することのできる適切な技術が存在しなかった。
本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は振動による性能のばらつきを改善することのできる機械装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明にかかる機械装置は、本体に対し直線運動する移動部を備えた機械装置において、アクティブ制振機構を備え、前記アクティブ制振機構は、センサーと、アクチュエータと、コントローラと、を備えることを特徴とする。
【0008】
ここで、前記アクティブ制振機構は、前記移動部の運動方向に発生している移動部のもつ固有振動を制御する。
また前記センサーは、前記移動部に設けられ、該移動部のもつ一又は二以上の固有振動のうち、該移動部の運動方向に現在発生している固有振動を測定する。
前記アクチュエータは、前記移動部に設けられ、該移動部の運動方向に振動を発生する。
前記コントローラは、前記センサーにより得られた移動部に現在発生している移動部の固有振動と逆相の振動を前記アクチュエータに発生させる。
【0009】
本発明の移動部のもつ固有振動としては、移動部を運動させない状態で予め得ておいた移動部の基準点に対する移動部のもつ固有振動が一例として挙げられる。
ここにいう逆相の振動とは、位相に関しては移動部のもつ固有振動の位相と逆位相であり、周波数に関しては移動部のもつ固有振動の周波数と同じ周波数であり、振幅に関して、その符号は移動部のもつ固有振動の振幅と正負が逆であるが、その大きさ(絶対値)は移動部のもつ固有振動の振幅と同じ大きさをもつものをいう。
ここにいう移動部のもつ固有振動とは、固有な単数の(共振)周波数をもつもの、あるいは複数の異なる(共振)周波数をもつものを含めていう。
【0010】
本発明の機械装置の性能としては、例えば測定精度、繰り返し精度、運動精度等が一例として挙げられる。
なお、本発明において、前記アクティブ制振機構は常時稼動されており、前記センサーは前記移動部の運動方向に現在発生している移動部の固有振動を常時測定している。前記アクチュエータは常時、前記移動部の運動方向に振動を発生している。前記コントローラは前記センサーにより得られた移動部に現在発生している固有振動と逆相の振動を、前記アクチュエータに常時発生させていることが好適である。
【0011】
また本発明においては、メモリを備える。前記コントローラは、前記センサーにより得られた移動部に現在発生している固有振動の制振に最適な前記アクチュエータへの制御情報を前記メモリより取得し、該取得された制御情報で該アクチュエータに振動を発生させることが好適である。
ここで、前記メモリは、前記移動部に前記アクティブ制振機構のうち少なくとも前記センサ及び前記アクチュエータを設け、該移動部を運動させない状態で予め得ておいた該移動部のもつ一又は二以上の固有振動の情報と、該移動部のもつ固有振動と逆相の振動を発生させるのに最適なアクチュエータへの制御情報との関係を記憶している。
【0012】
また本発明においては、アダプタを備えることが好適である。
ここで、前記アダプタは、前記移動部に着脱自在に設けられ、前記アクティブ制振機構のうち少なくとも前記センサー及び前記アクチュエータを保持する。
また本発明において、前記アクチュエータは、一対のフライホイールと、モータと、を備える。前記コントローラは、前記センサーにより得られた移動部に現在発生している移動部の固有振動と逆相の振動を前記フライホイールが発生するように、前記モータによる該フライホイールの回転数の制御を行わせることが好適である。
【0013】
ここで、前記フライホイールは、互いに反対方向に同じ速度で回転運動し、前記センサーにより得られた移動部に現在発生している固有振動と逆相の振動を該移動部の運動方向に発生する。
また前記モータは、前記センサーにより得られた移動部に現在発生している移動部の固有振動の周波数に基づいて定められた回転数で前記フライホイールを回転させる。
【0014】
また本発明において、前記移動部は三次元測定機のプローブであり、前記アクティブ制振機構のうち少なくとも前記センサー及び前記アクチュエータが前記三次元測定機のプローブに設けられていることが好適である。
ここにいう前記センサー及び前記アクチュエータが前記三次元測定機のプローブに設けられているとは、前記センサー及びアクチュエータをプローブに直接設けること、プローブを取り付けるためのスピンドルに設けることを含めていう。
【0015】
本発明の三次元測定機としては、三次元座標測定機と呼ばれるものであり、互いに直交する案内と、案内の移動量を求めるスケール及びプローブをもち、それぞれの移動量からプローブの三次元座標値を求めることのできる機械装置を用いることができる。
本発明の三次元測定機のプローブとしては、被測定物上の点の三次元座標を検出するための検出器であり、接触式と非接触式を含む。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の好適な一実施形態について説明する。
図1には本発明の一実施形態にかかる機械装置の概略構成が示されている。
なお、本実施形態では、制振対象となる移動部として、三次元測定機のプローブが設けられた状態でX軸方向に運動するZ軸スピンドルを想定し、プローブのX軸方向の固有振動の制振を行う例について説明する。
【0017】
同図に示す三次元測定機(機械装置)10は、三次元測定機本体(本体)12に対しX軸方向(運動方向)に直線運動するZ軸スピンドル(移動部)14と、アクティブ制振機構16を備える。
前記アクティブ制振機構16は、センサー18と、アクチュエータ20と、コントローラ22を備える。
このアクティブ制振機構16は、Z軸スピンドル14の運動方向であるX軸方向に発生しているZ軸スピンドル14のもつ固有振動を制御する。
【0018】
前記センサー18は、例えば振動加速度センサー等を含み、プローブ(図示省略)が取り付けられるZ軸スピンドル14の先端部に設けられる。
このセンサー18は、Z軸スピンドル14のもつ一又は二以上の固有振動のうち、Z軸スピンドル14のX軸方向に現在発生している固有振動の成分、例えばその周波数、位相、振幅等の振動性を常時測定している。
またこのセンサー18よりの信号は順次、コントローラ22に入力される。
【0019】
前記アクチュエータ20は、Z軸スピンドル14に設けられる。
このアクチュエータ20は、Z軸スピンドル14のX軸方向に振動を常時発生しており、Z軸スピンドル14を常時加振している。
【0020】
前記コントローラ22は、例えばメモリ26と、CPU28等を備える。このCPU28は、例えば振動成分取得部30と、制御情報取得部32と、指示部34等を備える。
このコントローラ22は、駆動回路24を介してアクチュエータ20の動作を制御する。つまりこのコントローラ22は、センサー18により得られたZ軸スピンドル14に現在発生しているZ軸スピンドル14の固有振動と逆相の振動を、アクチュエータ20に常時発生させている。
【0021】
ここで、前記メモリ26は、Z軸スピンドル14の先端部にセンサー18及びアクチュエータ20を設け、該Z軸スピンドル14を運動させない状態で予め得ておいたZ軸スピンドル14のもつ一又は二以上の固有振動と、該Z軸スピンドル14の先端部のもつ固有振動と逆相の振動を発生させるのに最適なアクチュエータ20への制御情報との関係を記憶している。
【0022】
本実施形態においては、Z軸スピンドル14を運動させない状態でアクチュエータ20により振動を発生させる。その際に周波数を変えながら、振動振幅をセンサー18によりモニタする。コントローラ22は、その振動振幅のピークが閾値を越えると、Z軸スピンドル14の固有周波数としてメモリ26に記憶している。
前記振動成分取得部30は、センサー18よりの信号より、Z軸スピンドル14に現在発生している固有振動の成分(周波数、振幅、位相等)を常時取得している。
【0023】
前記制御情報取得部32は、センサー18により得られたZ軸スピンドル14に現在発生している固有振動の制振に最適なアクチュエータ20への制御情報をメモリ26より取得する。
前記指示部34は、制御情報取得部32により得られた制御情報でアクチュエータ20に振動を常時発生させている。
なお、本実施形態においては、CMM用制御装置36と、データ処理装置38を備える。
【0024】
前記CMM用制御装置36は、例えばコンピュータ等よりなり、三次元測定機本体12の各軸の移動及び測定の操作を、該コンピュータによる数値制御で行う。
前記データ処理装置38は、三次元測定機本体12の測定動作によって得られたXYZ座標値から、必要とする被測定物の穴径や穴位置・段差などの寸法を求める。
【0025】
本実施形態にかかる三次元測定機10は概略以上のように構成され、以下にその作用について説明する。
本実施形態においては、三次元測定機10の測定精度のばらつき改善を目的として、Z軸スピンドル14の先端部にアクティブ制振機構16を設け、三次元測定機本体12のもつ固有振動と逆相の振動を、Z軸スピンドル14の先端部に加えることにより、三次元測定機本体12のもつ固有振動を削減することができるので、三次元測定機10の高精度化を達成することができる。
【0026】
すなわち、三次元測定機本体12のZ軸スピンドル14の先端部にはプローブが搭載されており、測定の際に、プローブ先端の測定子が被測定物に接触した瞬間のXYZ座標を入力して測定を実行する。
このような三次元測定機10では、Z軸スピンドル14の高速移動後の残留振動や、測定時低速移動時の振動が特に問題となる。
【0027】
すなわち、プローブを高速で被測定物の測定部位近傍へ位置決めするが、その際に、高速位置決め開始の加速時点で加速Gが加わり、さらに減速時点で減速Gが加わる。このような外力が高速移動時のZ軸先端部の振動原因となる。
その後、低速の測定速度でプローブの測定子を被測定物に接触させる。その接触時点のXYZ軸座標値を読み取ると共に、直にプローブの相対運動を停止させるが、このような微動にて測定している時にも、微小振動が発生し、バラツキ誤差が発生する場合が多い。
【0028】
そこで、本実施形態においては、Z軸スピンドル14の先端部にセンサー18及びアクチュエータ20を設け、少なくともZ軸スピンドル14の減速開始時点及び低速移動時点で、微振動の逆位相でZ軸スピンドル14を加振するアクティブ制振を行うことが好ましい。
すなわち、コントローラ22は、Z軸スピンドル14の高速移動後の残留振動を押さえるために、高速移動後の減速時のタイミングでZ軸スピンドル14のアクティブ制御を行う。
【0029】
また位置決め後、Z軸スピンドル14は測定速度で被測定物へ接近していくので、この時点で振動が残っている可能性があるから、コントローラ22は、Z軸スピンドル14の測定時の低速振動の除去のために測定速度で移動時のタイミングでも、Z軸スピンドル14のアクティブ制振を行う。
このようなZ軸スピンドル14のアクティブ制振により、Z軸スピンドル14の先端部に現在発生している固有振動と、アクチュエータ20により加えられる振動とが、互いに打ち消し合い、理論上はZ軸スピンドル14に発生する固有振動がゼロとなる。
【0030】
この結果、本実施形態においては、Z軸スピンドル14の高速移動後の残留振動が特に問題となるPOINT測定時と、Z軸スピンドル14の低速測定時の振動が特に問題となるSCANNING測定時においても、Z軸スピンドル14に発生する振動を大幅に削減することができる。
したがって、本実施形態においては、Z軸スピンドル14の振動による三次元測定機10の測定精度のばらつき改善が図られるので、三次元測定機10の高精度化を実現することができる。
【0031】
常時稼動
本実施形態においては、アクティブ制振の稼動タイミングについて検討を行った結果、少なくともZ軸スピンドル14に振動性が検出されたときのみ、アクチュエータ20を稼動させること、つまり前述のようなZ軸スピンドル14の減速開始時点、低速移動時点で直ちに制振を行うことは勿論重要であるが、アクティブ制振機構16を常時稼動させておくことが、より好ましいことがわかった。
【0032】
すなわち、アクチュエータ20においては、制振制御を行っている状態(アクチュエータ20が稼動している状態)から、制振制御を行わない状態(アクチュエータ20が稼動していない状態)までの過渡状態を制御することが困難なことがある。
そこで、本実施形態において特徴的なことは、センサー18を常時稼動させ、常にアクチュエータ20の振動の制御を行ったことである。また本発明者らにより、常時、Z軸スピンドル14に固有振動が発生していることも確認されていることからも、アクティブ制振機構16は、常時、稼動していることが、特に好ましい。
【0033】
このために本実施形態においては、センサー18が、三次元測定機10のZ軸スピンドル14のX軸方向に現在発生している固有振動を常時測定している。
前記アクチュエータ20は、常時、X軸方向に振動を発生している。
前記コントローラ22は、センサー18により刻々と検出されるZ軸スピンドル14に現在発生している固有振動と逆相の振動を、アクチュエータ20に常時発生させている。
この結果、本実施形態においては、振動性が検出されたときのみ、アクチュエータ20を稼動させるものに比較し、アクチュエータ20によるZ軸スピンドル14のアクティブ制振が、より確実に及び容易に行える。
【0034】
振動性
本実施形態においては、より好適なアクティブ制振について検討を行った結果、制振制御の前に、センサー18よりの信号波形の変化が、Z軸スピンドル14にかかる加速度Gや減速Gによるものなのか、或いは振動性によるなのかを正しく区別することが、特に好ましいことがわかった。この結果、センサー18よりの信号に基づいて、より好適なアクティブ制振よりが行える。
以下に、センサー18よりの信号の振動性に基づいてアクティブ制振を行う例について具体的に説明する。
【0035】
すなわち、Z軸スピンドル14の剛性が非常に高く、Z軸スピンドル14に振動がほとんど発生しないと、センサー18は加速度Gや減速Gのみを出力することになる。しかしながら、これは振動性ではないので、コントローラ22によるアクチュエータ20への新しい制振制御の指示は、振動性を検出してから行うことが、特に好ましい。
このためにコントローラ22は、センサー18よりの信号波形の変化の有無を監視している。センサー18よりの信号波形の変化があると、その変化が振動によるものなのか、或いは加速度によるものなのかを判定する。
【0036】
本実施形態においては、コントローラ22は、Z軸スピンドル14の固有振動の周波数に対応する振動周波数が、メモリ26に記憶されているか否かに基づいて、センサー18よりの信号波形の変化が振動性によるものか否かを判定している。
すなわち、コントローラ22は、センサー18よりの信号に関して、メモリ26に対応する振動周波数があれば、これを振動性と判定し、一方、メモリ26に対応する振動周波数がなければ、これを振動性でないと判定する。
【0037】
そして、コントローラ22は、センサー18よりの信号波形より振動性が検出されなければ、アクチュエータ20への制御情報を変えることなく、直前の制御情報をそのまま用いる。
一方、コントローラ22は、センサー18よりの信号波形より直前とは異なる振動性が検出されると、直前とは異なる固有振動の制振のために最適な制御情報をメモリ26より取得する。そしてコントローラ22は、新たに得られた制御情報でアクチュエータ20に振動を発生させる。
【0038】
このようにコントローラ22は、センサー18よりの信号波形に基づいて、現在発生しているZ軸スピンドル14の固有振動の変化を常時監視し、異なる振動性が検出されると、直ぐにその固有振動に応じた最適なアクチュエータ20の動作制御を行うことにより、振動性の判定の工夫のないものに比較し、センサー18よりの信号に基づいて、Z軸スピンドル14のアクティブ制振が、より確実に行える。
【0039】
アダプタ
本実施形態においては、アクティブ制振機構の三次元測定機本体への搭載の仕方について検討を行った結果、少なくともセンサー及びアクチュエータをアダプター化することが、特に好ましいことがわかった。この結果、三次元測定機本体への汎用性が向上される。
以下に、センサー及びアクチュエータのアダプター化について、具体的に説明する。
【0040】
図2には本実施形態にかかるアクティブ制振機構の、三次元測定機本体12への好適な搭載例が示されている。
同図において、前記アクティブ制振機構のうちセンサー及びアクチュエータは、アダプタ40に保持された状態でZ軸スピンドル14の先端部に着脱自在に設けられている。
本実施形態においては、アダプタ40の上部がZ軸スピンドル14の下部に着脱自在に構成されており、アダプタ40の下部がプローブアダプタ44に着脱自在に構成されている。
【0041】
このように本実施形態においては、Z軸スピンドル14に対し、アクティブ制振機構を保持しているアダプタ40を着脱自在とすることにより、専用の三次元測定機に対してだけでなく、既存の三次元測定機に対しても、本実施形態のアクティブ制振機構16の付加が容易となる。
このため、本実施形態においては、アクティブ制振機構16が固定式のものに比較し、既存の三次元測定機に対しての汎用性も向上されるので、より多くの三次元測定機に対して、測定精度のばらつき改善を図ることができる。
【0042】
[三次元測定機本体]
なお、三次元測定機本体12は、本体ベース46と、測定テーブル48と、本体ベース46に固定の門柱50を備える。
測定テーブル48は、本体ベース46に対し図中、矢印Y方向に移動自在に設けられ、被測定物を図中、矢印Y方向に移動する。
Z軸スピンドル14は、門柱50に対し、図中、矢印X方向、矢印Z方向に移動自在に設けられ、プローブ42を図中、矢印X方向、矢印Z方向に移動する。
【0043】
ここで、本実施形態においては、プローブ42を図中、矢印X方向に移動しており、プローブ42の固有振動は図中、矢印X方向に発生する。この図中矢印X方向の固有振動を制振している。
このようにプローブ42の固有振動は図中、矢印X方向に発生しているので、アクチュエータも、図中、矢印X方向に振動させている。
【0044】
本実施形態においては、少なくともZ軸スピンドル14の高速移動時、つまりプローブ42を図中、矢印X方向への高速移動時の残留振動を除去するには、高速移動後の減速時のタイミングでアクティブ制御を行う。
また本実施形態においては、少なくともZ軸スピンドル14の低速測定時、つまりプローブ42の図中、矢印X方向への低速移動時の低速振動を除去するには、測定速度で移動時のタイミングでアクティブ制振を行う。
【0045】
アクチュエータ
本実施形態においては、アクチュエータについて検討を行った結果、フライホイールを用いることが、特に好ましいことがわかった。
すなわち、本実施形態においては、アクチュエータとして空圧や油圧の直動シリンダを用いることもできるが、フライホイール等の回転体を用いることが設計のしやすさや、製造のしやすさの点で優れているので、より好ましい。
【0046】
また直動体に比較し、モータなどの回転をそのまま用いることのできる回転体の方が、設計、製造が容易となるからである。またリニアモータによる直動体も考えられるが、直線ガイドが必要になるので、構造面で複雑になり、制振が難しくなることがあるからである。
そこで、本実施形態においては、アクチュエータとして特にフライホイールを用いることが好ましい。
この結果、本実施形態においては、単一方向の振動の抑制を、高効率で、単純な機械装置構成で行えるので、設計、製造が容易となる。
【0047】
図3には、本実施形態において好適に用いられるフライホイールを用いたアクティブ制振機構が示されている。
同図に示すアダプタ40は、基礎枠51と、アクチュエータ20と、センサ18を備える。基礎枠51にアクチュエータ20と、センサ18が保持されている。
センサ18は、基礎枠(基準点)51に対する振動性を測定する。
【0048】
アクチュエータ20は、回転軸がZ軸方向のモータ52、回転軸がZ軸方向の、一対のギア54,56と、回転軸がZ軸方向の、一対のフライホイール58,60を備える。
このアクチュエータ20は、モータ52の回転軸にギア54と、フライホイール58が設けられている。
【0049】
このモータ52の回転はフライホイール58に伝えられると共に、ギア54,56を介してフライホイール60に伝えられる。
これにより、フライホイール58,60は、互いに反対方向に同じ速度で回転運動し、センサー18により得られたZ軸スピンドルに現在発生している固有振動と逆相の振動を、X軸方向に発生する。
ここで、モータ52は、コントローラにより、センサー18により得られたZ軸スピンドルに現在発生しているZ軸スピンドルの固有振動の周波数に基づいて定められた周波数でフライホイール58,60を回転させている。
【0050】
振動方向の限定
なお、前述のように本実施形態にかかる三次元測定機10は、テーブル移動形のため、Z軸スピンドル14は、X軸方向の振動を主に生じる。したがって、フライホイール58,60の配置を図4に示すような配置とすることにより、アクチュエータ20の振動を、Z軸スピンドルの振動方向であるX軸方向に対応させることができる。
【0051】
すなわち、フライホイール58,60は、同一の偏心状態で軸支され、それぞれ回転軸55,57を中心に反対方向に回転運動する。ここで、フライホイール58,60は、図4(A)に示されるような姿勢1では、X方向の負の方向にモーメント59,61が発生する。このためアクチュエータには、X方向の負の方向にモーメントが2倍発生する。
一方、フライホイール58,60が、同図(B)に示されるような姿勢2では、Y方向のモーメント59,61がお互いに打ち消し合い、モーメントがゼロとなる。
【0052】
またフライホイール58,60が、同図(C)に示されるような姿勢3では、X方向の正の方向にモーメント59,61が発生する。このためアクチュエータにはX方向の正の方向にモーメントが2倍発生する。
一方、フライホイール58,60が、同図(D)に示されるような姿勢4では、Y方向のモーメント59,61がお互いに打ち消し合い、モーメントがゼロとなる。
【0053】
このようなフライホイール58,60の回転により、X方向の正負方向にモーメントが周期的に発生すると、アクチュエータに振動が発生するため、同図ではこのようなフライホイール58,60の配置により、アクチュエータに、X方向の正負方向のみに振動を発生することができる。
そこで、このようにして得られたアクチュエータのX方向の正負方向にのみの振動を用いて、次のような制振を行う。
【0054】
すなわち、センサーにより、図5(A)に示されるような固有振動の信号62が検出されると、同図(B)に示されるような固有振動の信号62と逆相の振動の信号64をアクチュエータに発生させる。
すると、一方の振動成分の山の部分が他方の振動成分の谷の部分に位置することとなり、現在発生している固有振動とアクチュエータの振動とは打消し合う。
この結果、Z軸スピンドルに現在発生している振動は、理論上、同図(C)に示すように振動振幅がゼロとなり、消えてしまうのである。
【0055】
[同期]
ここで、コントローラは、前述のようなアクティブ制振制御を行うために、センサーからの固有振動の信号62と、モータの角速度を同期させることが必要である。これにより同図(B)に示されるようなセンサーよりの固有振動の信号62と逆相の振動の信号64をアクチュエータに発生させることができる。
【0056】
[回転数]
またZ軸スピンドルの先端部に発生する振動は、その構造体固有のものであるから、予めセンサーで検出し、その振動の周波数成分と大きさを算出しておき、その振動の大きさに合わせてフライホイールの大きさを選定しておくことが好ましい。
【0057】
またフライホイールの周波数は、モータの回転数で調節することが好ましい。すなわち、フライホイールの回転数は、Z軸スピンドルが振動する固有振動数に基づいてモータの回転数を調節することができるので、その回転数における慣性モーメントに基づいて、フライホイールの質量、及びアンバランス量を決定することができる。
【0058】
[フライホイールの形状]
またフライホイールの形状は、任意のものを用いることができるが、加工の容易性等から、特に半円形が好ましい。
【0059】
[常時稼動]
特にフライホイールを用いたものにおいては、制振制御を行っている状態(フライホイールが回転している状態)から、制振制御を行わない状態(フライホイールが回転していない状態)までの過渡状態を制御することが困難なことがある。
このため、特にフライホイールを用いたアクチュエータにおいては、センサーを常時稼動させ、常にフライホイールの回転数の制御を行うことが、より好ましい。
【0060】
以上のように本実施形態にかかる三次元測定機によれば、Z軸スピンドル先端部にアクティブ制振機構のうち少なくともセンサ及びアクチュエータを設け、三次元測定機のもつ固有振動と逆相の振動をZ軸スピンドル先端部に加えることとした。
この結果、本実施形態においては、機械装置のもつ固有振動を削減することができる。したがって、本実施形態においては、振動による三次元測定機の測定精度のばらつき改善を図ることができるので、三次元測定機の高精度化が達成できる。
【0061】
しかも、本実施形態においては、前述のようなアクティブ制振機構を付加するのみで、三次元測定機の測定精度のばらつき改善を、構造体の剛性アップなしで図ることができるので、低価格で三次元測定機の性能向上が図られる。
なお、本発明は前記構成に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【0062】
例えば前記構成では三次元測定機にアクティブ制振機構を用いた例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、移動部を備えた機械装置でれば、任意のものに適用することができる。例えば前記三次元測定機をはじめとする座標測定機、工作機械、一般の加工機械、位置決め装置等にも好適に用いることができる。
【0063】
また、本実施形態では、振動を発生するアクチュエータとして、フライホイールを回転させて制振を行う構造について説明したが、これに限らず、所定の質量を有する重りに移動部の固有振動と逆相の振動を与えて制振を行う構造であっても良い。この際に重りは、ピエゾ素子などの圧電素子、空圧や油圧のピストン、あるいはボイスコイルなどの電磁駆動源によって振動が印加されるものでも良い。
【0064】
さらに、移動部の固有振動は一軸方向へのみ発生し、制振のための振動も同一方向において発生させるものについてのみ説明したが、これに限られず、振動方向は二軸方向(平面内振動)、あるいは三軸方向(立体振動)であってもよい。要は、センサーによって固有振動の振動方向と振幅及び周期を検出して、この固有振動を打ち消すように、固有振動とは逆相かつ同一振幅、同一周期の振動をアクチュエータで発生させればよい。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように本発明にかかる機械装置によれば、その移動部の運動方向に現在発生している移動部のもつ固有振動を制御するアクティブ制振機構を備えることとしたので、性能のばらつき改善を図ることができる。
また本発明においては、前記アクティブ制振機構を常時稼動させておくことにより、前記性能のばらつき改善を、さらに図ることができる。
【0066】
また本発明においては、予め得ておいた移動部の固有振動と逆相の振動を発生させるのに最適なアクチュエータへの制御情報を記憶しているメモリを備えることにより、前記性能のばらつき改善を、より容易に及び確実に図ることができる。
また本発明においては、前記センサー及びアクチュエータをアダプタに保持させることにより、より多くの機械装置に対して、前記性能のばらつき改善を図ることができる。
【0067】
また本発明においては、前記アクチュエータにフライホイールを用いることにより、より安価に前記性能のばらつき改善を図ることができる。
さらに本発明においては、三次元測定機のプローブに前記アクティブ制振機構を備えることにより、三次元測定機の性能のばらつき改善を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる機械装置の概略構成の説明図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるアクティブ制振機構の三次元測定機への具体的な搭載例である。
【図3】本発明の一実施形態にかかるアクティブ制振機構の具体的な説明図である。
【図4】図3に示したアクティブ制振機構のフライホイールの姿勢特性の説明図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかるアクティブ制振機構による制振の説明図である。
【符号の説明】
10 三次元測定機(機械装置)
12 三次元測定機本体(本体)
14 Z軸スピンドル(移動部)
16 アクティブ制振機構
18 振動加速度センサー(センサー)
20 アクチュエータ
22 コントローラ
42 プローブ
Claims (6)
- 本体に対し直線運動する移動部を備えた機械装置において、
前記移動部の運動方向に発生している移動部のもつ固有振動を制御するアクティブ制振機構を備え、
前記アクティブ制振機構は、前記移動部に設けられ、該移動部のもつ一又は二以上の固有振動のうち、該移動部の運動方向に現在発生している固有振動を測定するセンサーと、
前記移動部に設けられ、該移動部の運動方向に振動を発生するアクチュエータと、
前記センサーにより得られた移動部に現在発生している移動部の固有振動と逆相の振動を前記アクチュエータに発生させるコントローラと、
を備えたことを特徴とする機械装置。 - 請求項1記載の機械装置において、
前記アクティブ制振機構は、常時稼動されており、
前記センサーは、前記移動部の運動方向に現在発生している移動部の固有振動を常時測定し、
前記アクチュエータは、常時、前記移動部の運動方向に振動を発生し、
前記コントローラは、前記センサーにより得られた移動部に現在発生している固有振動と逆相の振動を、前記アクチュエータに常時発生させていることを特徴とする機械装置。 - 請求項1又は2記載の機械装置において、
前記移動部に前記アクティブ制振機構のうち少なくとも前記センサ及び前記アクチュエータを設け、該移動部を運動させない状態で予め得ておいた該移動部のもつ一又は二以上の固有振動の情報と、該移動部のもつ固有振動と逆相の振動を発生させるのに最適なアクチュエータへの制御情報との関係を記憶しているメモリを備え、
前記コントローラは、前記センサーにより得られた移動部に現在発生している固有振動の制振に最適な前記アクチュエータへの制御情報を前記メモリより取得し、該取得された制御情報で該アクチュエータに振動を発生させることを特徴とする機械装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の機械装置において、
前記移動部に着脱自在に設けられ、前記アクティブ制振機構のうち少なくとも前記センサー及び前記アクチュエータを保持するアダプタを備えたことを特徴とする機械装置。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の機械装置において、
前記アクチュエータは、互いに反対方向に同じ速度で回転運動し、前記センサーにより得られた移動部に現在発生している固有振動と逆相の振動を該移動部の運動方向に発生する少なくとも一対のフライホイールと、
前記センサーにより得られた移動部に現在発生している移動部の固有振動の周波数に基づいて定められた回転数で前記フライホイールを回転させるモータと、
を備え、
前記コントローラは、前記センサーにより得られた移動部に現在発生している移動部の固有振動と逆相の振動を前記フライホイールが発生するように、前記モータによる該フライホイールの回転数の制御を行わせることを特徴とする機械装置。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の機械装置において、
前記移動部は三次元測定機のプローブであり、前記アクティブ制振機構のうち少なくとも前記センサー及び前記アクチュエータが前記三次元測定機のプローブに設けられていることを特徴とする機械装置。
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