JP2004339494A - 熱硬化型塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ポリエステル樹脂を用いた加工性と素地への密着性に優れた塗膜を形成可能な貯蔵安定性の良い熱硬化型塗料組成物を提供すること。
【解決手段】 カルボキシル基を酸価として5〜80mgKOH/g含有し、且つ重合性不飽和基を0.03〜0.9mmol/g含有する水酸基価が0.5〜50mgKOH/gのポリエステル樹脂(A)100重量部に対してレゾール型フェノール樹脂(B)を1〜50重量部含有してなることを特徴とする熱硬化型塗料組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、塗料の貯蔵安定性に優れ、硬化性、加工性及び素材との密着性に優れた塗膜を形成可能な熱硬化型塗料組成物に関するものである。
従来、缶内面用の有機溶剤型塗料としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とフェノール樹脂硬化剤とを組合わせた塗料が一般に使用されている。
しかしながら、近年、外因性内分泌攪乱化学物質(環境ホルモン)の一つとしてビスフェノールAが挙げられたことにより、塗膜からビスフェノールAが溶出しない塗料の開発が強く望まれるようになってきた。
また、一方でエポキシ樹脂系塗料を使用した塗膜の加工性が劣ることから、缶内外面用、自動車部品用、プレコート鋼板(PCM)用などでエポキシ樹脂系塗料に代わる加工性が良く、且つエポキシ樹脂系塗膜に匹敵する素材との密着性を有する塗膜を形成可能な塗料の開発要求が高まっている。
このような要求に答えるため、ポリエステル樹脂系塗料の開発が進められ、水酸基含有ポリエステル樹脂とレゾール型フェノール樹脂を含有する熱硬化型塗料が開発されてきた(例えば特許文献1等参照。)。
しかしながら、ポリエステル樹脂の加工性を上げようとすれば素地との密着性が低下する傾向にあるため、ビスフェノールA型エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂とカルボキシル基含有ポリエステル樹脂を含有する熱硬化型塗料が開発されてきた(例えば特許文献2等参照。)。しかしながらエポキシ樹脂を添加することにより加工性の低下を避けることは困難であった。
特開2002−201411号公報参照 特開2002−97409号公報参照
本発明の目的は、ポリエステル樹脂を用いた加工性と素地への密着性に優れた塗膜を形成可能な貯蔵安定性の良い熱硬化型塗料組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、カルボキシル基、水酸基及び不飽和基を有するポリエステル樹脂とレゾール型フェノール樹脂とを含有する塗料組成物を塗布、加熱硬化させることにより、加工性と素地への密着性に優れた塗膜を形成することができることを見出した。これは、ポリエステル樹脂中の不飽和基とフェノールが加熱されることによって、クロマン環を形成する反応が生じ、強固な架橋が生じるとともに、カルボキシル基と水酸基が素地との付着を強固にしているためと推測される。
かくして本発明は、カルボキシル基を酸価として5〜80mgKOH/g含有し、且つ重合性不飽和基を0.03〜0.9mmol/g含有する水酸基価が0.5〜50mgKOH/gのポリエステル樹脂(A)100重量部に対してレゾール型フェノール樹脂(B)を1〜50重量部含有してなることを特徴とする熱硬化型塗料組成物に関する。
また、本発明は、上記熱硬化型塗料組成物を塗装してなる塗装物品に関する。
本発明の熱硬化型塗料組成物は、カルボキシル基、水酸基及び重合性不飽和基を含有するポリエステル樹脂(A)とレゾール型フェノール樹脂(B)を含有してなるものであり、加熱することにより重合性不飽和基とフェノールとのクロマン環を形成する反応により架橋が進行して硬化するものであり、硬化性、加工性及び素材との密着性に優れた塗膜を形成することができる。
また、ポリエステル樹脂(A)中の水酸基とレゾール型フェノール樹脂(B)との反応も同時に進行し、より強固な皮膜が得られる。
本発明の熱硬化型塗料組成物は、硬化性に優れていながら塗料の貯蔵安定性にも優れており、且つ遊離のビスフェノールAを含有しない塗料であることから、缶内外面用、缶蓋用、自動車部品用、PCM用等に特に有用なものである。
本発明の熱硬化型塗料組成物は、ポリエステル樹脂(A)とレゾール型フェノール樹脂(B)とを含有してなるものである。
ポリエステル樹脂(A)
本発明の(A)成分であるポリエステル樹脂は、カルボキシル基を酸価として5〜80mgKOH/g、好ましくは10〜70mgKOH/g含有し、水酸基価が0.5〜50mgKOH/g、好ましくは3〜20mgKOH/gであり、且つ重合性不飽和基を0.03〜0.9mmol/g、好ましくは0.06〜0.8mmol/g含有してなるものである。
ポリエステル樹脂の酸価が低過ぎると素材との密着性が低下し、高過ぎると耐水性げ低下する。ポリエステル樹脂の水酸基価が低過ぎると硬化性が低下し、高過ぎると加工性が低下する。また、重合性不飽和基の含有量が少な過ぎると硬化性が低下し、多過ぎると加工性が低下する。
ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量としては、3,000〜50,000、特に5,000〜30,000の範囲内が好ましい。
ポリエステル樹脂にカルボキシル基、水酸基及び不飽和基を導入する方法としては、
(I)水酸基含有ポリエステル樹脂の水酸基の一部に無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸等の不飽和酸無水物を反応させる方法、
(II)カルボキシル基含有ポリエステル樹脂のカルボキシル基の一部とグリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート等のグリシジル基含有不飽和単量体のグリシジル基とを反応させる方法
等がある。
ポリエステル樹脂は、多価アルコールと多塩基酸との重縮合反応で得られるものであり、カルボキシル基に対して水酸基過剰の条件で反応させることで水酸基含有ポリエステル樹脂を、また、水酸基に対してカルボキシル基過剰の条件で反応させることでカルボキシル基含有ポリエステル樹脂を得ることができるが、先ず、水酸基含有ポリエステル樹脂を製造し、その水酸基に酸無水物を付加させることで、特定の酸価を付与して、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂を製造しても良い。該酸無水物としては、例えば無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ピロメリット酸等が挙げられる。
上記ポリエステル樹脂の原料である多価アルコールは、アルカンポリオール、オキシアルキレンポリオール、ポリオキシアルキレンポリオール、脂環式ポリオール等のポリオールであり、その代表例として、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、2−メチルグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール等のアルカンポリオール;ジエチレングリコール等のオキシアルキレンポリオール;トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリオキシアルキレンポリオール;1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ポリオール等が挙げられる。
また、多価アルコールと反応させる多塩基酸としては、例えば、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、ピメリン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸、ブタントリカルボン酸又はこれらの無水物等が挙げられる。
多価アルコールと多塩基酸との重縮合反応においては、重縮合触媒として、強プロトン酸、重金属酸化物等を使用することができる。強プロトン酸としては、例えば、硫酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等が挙げられる。また、重金属酸化物としては、例えばテトラブチルチタネート、酸化ジブチルスズ、三酸化アンチモン、二酸化マンガン等が挙げられる。
ポリエステル樹脂(A)は通常有機溶剤で希釈されて取扱い易い粘度に調整される。該有機溶剤としては、アルコール系溶剤、セロソルブ系溶剤、カルビトール系溶剤等が好ましい。この有機溶剤の具体例としては、n−ブタノール等のアルコール系溶剤;エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のセロソルブ系溶剤;ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のカルビトール系溶剤等を挙げることができる。
レゾール型フェノール樹脂(B)
本発明の熱硬化型塗料組成物の(B)成分であるレゾール型フェノール樹脂は、上記ポリエステル樹脂(A)に含有される重合性不飽和基との架橋に用いられる。また、ポリエステル樹脂(A)中の水酸基との架橋も同時に進行し、より強靭な塗膜が形成される。
上記レゾール型フェノール樹脂(B)は、フェノール類とホルムアルデヒド類とを反応触媒の存在下で加熱して縮合反応させて、メチロール基を導入してなるものであり、導入したメチロール基はアルキルエーテル化されていてもよい。
上記フェノール樹脂を構成するフェノール成分としては、例えば、o−クレゾール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−エチルフェノール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、p−tert−アミノフェノール、p−ノニルフェノール、p−シクロヘキシルフェノール等の2官能性フェノール類、石炭酸、m−クレゾール、m−エチルフェノール、3,5−キシレノール、m−メトキシフェノール等の3官能性フェノール類、2,4−キシレノール、2,6−キシレノール等の1官能性フェノール類、ビスフェノールB、ビスフェノールF等の4官能性フェノール類等の単独又は2種類以上の組み合わせが挙げられる。ここで、ビスフェノールA型のフェノール樹脂は、ビスフェノールAの溶出の可能性があり使用しないことが望ましい。これらは1種で、又は2種以上混合して使用することができる。
フェノール樹脂架橋剤の製造に用いられるホルムアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド又はトリオキサンなどが挙げられ、1種で、又は2種以上混合して使用することができる。
レゾール型フェノール樹脂(B)の配合量は、ポリエステル樹脂(A)の固形分100重量部に対して1〜50重量部、特に5〜35重量部、さらに特に10〜30重量部の範囲内であることが、硬化性と加工性のバランスの観点から適している。
また、硬化性をさらに高めるために酸性硬化触媒を添加することが好ましい。酸性硬化触媒としては、例えばりん酸、スルホン酸化合物又はスルホン酸化合物のアミン中和物が好適に用いられる。スルホン酸化合物の代表例としては、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸などを挙げることができる。スルホン酸化合物のアミン中和物におけるアミンとしては、1級アミン、2級アミン、3級アミンのいずれであってもよい。
また、酸性硬化触媒の添加量は、ポリエステル樹脂(A)の固形分100重量部に対して0.1〜5.0重量部、特に0.3〜3.0重量部の範囲内であることが、硬化性の観点から適している。
熱硬化型塗料組成物には、さらに必要に応じてその他の樹脂;有機溶剤;着色顔料、光輝性顔料、体質顔料、防錆顔料等の顔料類;はじき防止剤、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤、潤滑剤、紫外線吸収剤などの従来公知の塗料用添加剤などを含有することができる。
その他の樹脂として、特に数平均分子量が8,000〜100,000の高分子ポリエステル樹脂が、得られる皮膜の加工性を向上させることができ好ましい。該高分子ポリエステル樹脂の含有量は、ポリエステル樹脂(A)の固形分100重量部に対して5〜100重量部程度が適している。
本発明の熱硬化型水性塗料組成物の用途は特に限定するものではなく、自動車外板用、自動車部品用、一般工業用、缶外面用、缶内面用、缶蓋外面用、缶蓋内面用、金属製クロージャー外面用、金属製クロージャー内面用、金属製キャップ外面用、金属製キャップ内面用などに好適に用いることができるが、食用缶等の缶内面用被覆組成物として特に好適に使用できる。また、本水性塗料組成物は、加工性、耐チッピング性等に優れるため、自動車中塗り塗料用、自動車部品用等にも特に有用である。被覆用素材としては、例えば、アルミニウム板、鉄鋼板等の金属板、鉄鋼板の表面に亜鉛、クロム、スズ、アルミニウム等をメッキしたメッキ鋼板、これらの鋼板の表面をクロム酸、リン酸鉄、リン酸亜鉛で化成処理した処理鋼板等の各種金属素材に適用できる。金属素材の表面に該組成物を塗布する手段としては、例えば、ロールコーティング、スプレー塗装、刷毛塗り、吹き付け塗り、浸漬電着等のそれ自体既知の任意の方法を用いることができる。また、塗布膜厚は、通常2〜30μm程度が適しており、塗膜の焼付けは、一般に、約150〜約280℃、好ましくは約180℃〜約260℃の温度で、約20〜600秒間、好ましくは約30〜300秒間行われる。
缶用途の場合、金属素材を缶状に加工した後に缶に塗装しても、また、予め平板に塗装した後に缶状に加工してもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、以下、「部」及び「%」はいずれも重量基準によるものとする。
ポリエステル樹脂の合成
合成例1
水分離が可能な還流装置を有する4つ口フラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール38.18部、グリセリン17.74部、ビスヒドロキシエチレングリコールテレフタレート(BHET)411.4部、シクロヘキシルジカルボン酸(CHDA)198.99部、イソフタル酸160.04部及び消泡剤少量を入れて160℃まで加熱・攪拌し、160℃に達したところで触媒であるモノブチル酸化錫0.075部を加え、160℃から240℃まで4時間かけて昇温した後240℃で3時間の脱水縮合反応を行い、酸価が8mgKOH/gになったところで加熱を停止し、冷却を行い、溶剤の還流に気を付けながらシクロヘキサノンを添加して固形分が85%のポリエステル樹脂溶液A−1を得た。得られたポリエステル樹脂の酸価は8mgKOH/g、水酸基価は24mgKOH/g及び数平均分子量は約6,500であり、重合性不飽和基は含有していない。
合成例2
水分離が可能な還流装置を有する4つ口フラスコに、ポリエステル樹脂溶液A−1を117.6g加えて、窒素雰囲気下150℃まで昇温し、150℃に到達したところで、無水マレイン酸3.7部及びトリブチルアミン0.037部を加えて付加反応を2時間かけて行なった後加熱を停止し冷却を行い、溶剤の還流に気を付けながらシクロヘキサノンを添加して固形分が85%のポリエステル樹脂溶液A−2を得た。得られたポリエステル樹脂の酸価は28mgKOH/g、水酸基価は4mgKOH/gであった。このポリエステル樹脂の重合性不飽和基の含有量は、計算上0.36mmol/gである。
合成例3
合成例2において付加する無水マレイン酸3.7部をテトラヒドロ無水フタル酸6.0部に置き換える以外は、合成例2と同様にして合成を行い、固形分が85%のポリエステル樹脂溶液A−3を得た。得られたポリエステル樹脂の酸価は28mgKOH/g、水酸基価は4mgKOH/gであった。このポリエステル樹脂の重合性不飽和基の含有量は、計算上0.36mmol/gである。
合成例4
合成例2において付加する無水マレイン酸3.7部を無水マレイン酸2.5部及び無水トリメリット酸1.25部に置き換える以外は、合成例2と同様にして合成を行い、固形分が85%のポリエステル樹脂溶液A−4を得た。得られたポリエステル樹脂の酸価は28mgKOH/g、水酸基価は9mgKOH/gであった。このポリエステル樹脂の重合性不飽和基の含有量は、計算上0.18mmol/gである。
合成例5
合成例2において付加する無水マレイン酸3.7部をメチルシクロヘキセントリカルボキシリックアンハイドライド4.0部に置き換える以外は、合成例2と同様にして合成を行い、固形分が85%のポリエステル樹脂溶液A−5を得た。得られたポリエステル樹脂の酸価は28mgKOH/g、水酸基価は14mgKOH/gであった。このポリエステル樹脂の重合性不飽和基の含有量は、計算上0.18mmol/gである。
合成例6
水分離が可能な還流装置を有する4つ口フラスコに、ポリエステル樹脂溶液A−1を117.6g加えて、窒素雰囲気下150℃まで昇温し、150℃に到達したところで、無水トリメリット酸2.9部及びトリブチルアミン0.029部を加えて付加反応を2時間かけて行なった後120℃まで冷却を行い、グリシジルメタクリレート1.0gを加えて120℃で反応を行い、酸価が20mgKOH/gになったところで冷却し、溶剤の還流に気を付けながらシクロヘキサノンを添加して固形分が85%のポリエステル樹脂溶液A−6を得た。得られたポリエステル樹脂の酸価は20mgKOH/g、水酸基価は12mgKOH/gであった。このポリエステル樹脂の重合性不飽和基の含有量は、計算上0.21mmol/gである。
合成例7
合成例2において付加する無水マレイン酸3.7部を無水トリメリット酸3.6部に置き換える以外は、合成例2と同様にして合成を行い、固形分が85%のポリエステル樹脂溶液A−7を得た。得られたポリエステル樹脂の酸価は28mgKOH/g、水酸基価は14mgKOH/gであった。このポリエステル樹脂には重合性不飽和基を含有していない。
合成例8
合成例2において付加する無水マレイン酸3.7部を無水コハク酸3.8部に置き換える以外は、合成例2と同様にして合成を行い、固形分が85%のポリエステル樹脂溶液A−8を得た。得られたポリエステル樹脂の酸価は28mgKOH/g、水酸基価は4mgKOH/gであった。このポリエステル樹脂には重合性不飽和基を含有していない。
合成例9
水分離が可能な還流装置を有する4つ口フラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール36.0部、エチレングリコール37.2部、テレフタル酸49.8部、イソフタル酸39.84部、シクロヘキシルジカルボン酸51.6部、アジピン酸7.3部及び消泡剤少量を入れて、160℃まで加熱・攪拌し、160℃に達したところで触媒であるモノブチル酸化錫0.075部を加えて、160℃から240℃まで4時間かけて昇温した後240℃で3時間の脱水縮合反応を行い、酸価が10mgKOH/gになったところで加熱を停止し、冷却を行い、溶剤の還流に気を付けながらシクロヘキサノンを添加して固形分が85%のポリエステル樹脂溶液A−9を得た。得られたポリエステル樹脂の酸価は10mgKOH/g、水酸基価は55mgKOH/g及び数平均分子量は約1,700であり、重合性不飽和基は含有していない。
合成例10
水分離が可能な還流装置を有する4つ口フラスコに、ポリエステル樹脂溶液A−9を117.6部加えて窒素雰囲気下150℃まで昇温し、150℃に到達したところで、無水トリメリット酸14.0部、無水マレイン酸3.0部及びトリブチルアミン0.17部を加えて付加反応を2時間かけて行なった後、加熱を停止し冷却を行い、溶剤の還流に気を付けながらシクロヘキサノンを添加して固形分が85%のポリエステル樹脂溶液A−10を得た。得られたポリエステル樹脂の酸価は93mgKOH/g、水酸基価は5mgKOH/gであった。このポリエステル樹脂の重合性不飽和基の含有量は、計算上0.27mmol/gである。
レゾール型フェノール樹脂の合成
合成例11
4つ口フラスコに、m−クレゾール100部、37%ホルムアルデヒド水溶液178部及び水酸化ナトリウム1部を加え、60℃で3時間反応させた後、減圧下、50℃で1時間脱水した。次いでn−ブタノール100部とリン酸3部を加え、110〜120℃で2時間反応を行なった。反応終了後、得られた溶液を濾過して生成したリン酸ナトリウムを濾別し、固形分約50%のレゾール型フェノール樹脂溶液B−1を得た。得られた樹脂は、数平均分子量750でベンゼン核1核当たり平均メチロール基数が0.3個及び平均アルコキシメチル基数が1.2であった。
合成例12
合成例9においてm−クレゾール100部の替わりにビスフェノールA100部を使用する以外は合成例9と同様に行ない固形分約50%のレゾール型フェノール樹脂溶液B−2を得た。得られた樹脂は、数平均分子量880で、ベンゼン核1核当たり平均メチロール基数が0.4個及び平均アルコキシメチル基数が1.2個であった。
合成例13
4つ口フラスコに、石炭酸188部及び37%ホルムアルデヒド水溶液324部を仕込み、50℃に加熱し内容物を均一に溶解した。次に、酢酸亜鉛を添加、混合して系内のpHが5.0になるように調整した後、90℃に加熱し5時間反応を行なった。次いで50℃に冷却し、32%水酸化カルシウム水分散液をゆっくり添加しpHを8.5に調整した後、50℃で4時間反応を行なった。反応終了後、20%塩酸でpHを4.5に調整した後、キシレン/n−ブタノール/シクロヘキサノン=1/2/1(重量比)の混合溶剤で樹脂分の抽出を行ない、触媒、中和塩を除去し、次いで減圧下で共沸脱水し、固形分約60%のレゾール型フェノール樹脂溶液B−3を得た。得られた樹脂は、数平均分子量320で、ベンゼン核1核当たり平均メチロール基数が1.3個及び平均アルコキシメチル基数が0.2個であった。
合成例14
4つ口フラスコに、p−クレゾール108部、37%ホルムアルデヒド水溶液216部及び25%水酸化ナトリウム水溶液160部を仕込み、窒素気流下で50℃にて反応させた後、100℃まで昇温し100℃で更に1時間反応させ、塩酸で中和後、n−ブタノール/キシレン=1/1(重量比)の混合溶剤で樹脂分の抽出を行ない、次いで減圧下で共沸脱水し、固形分約60%のレゾール型フェノール樹脂溶液B−4を得た。得られた樹脂は、数平均分子量350で、ベンゼン核1核当たり平均メチロール基数が0.7個及びアルコキシメチル基数が0.1個であった。
塗料組成物の作成(缶用)
実施例1
容器にポリエステル樹脂溶液A−2を100部(固形分85部)、フェノール樹脂溶液B−1を30部(固形分15部)、シクロヘキサノンを200部及びNACURE5925(米国キングインダストリイズ社製、ドデシルベンゼンスルホン酸のアミン塩、有効成分25%)を3部仕込み、攪拌して塗料組成物を得た。
実施例2〜8及び比較例2〜7
実施例1と同様にして後記表1に示す配合比率に従って配合し各塗料組成物を得た。
比較例1
実施例1においてフェノール樹脂溶液B−1を配合する替わりにサイメル303(三井サイテック社製、ヘキサメトキシメチルメラミン樹脂、固形分100%)15部を配合する以外は実施例1と同様にして塗料組成物を得た。
試験用塗板の作成及び性能試験(1)
厚さ0.26mmの#5182アルミニウム板(リン酸クロメート処理板)に上記実施例及び比較例で得られた各塗料組成物を乾燥塗布量が75mg/100cmになるようにバーコーターにて塗布し、焼付時間20秒で素材到達最高温度(PMT)が280℃になる条件で焼付を行った。
得られた各試験塗板のTベンド加工性及び加工部レトルト密着性について下記試験方法に従って試験を行った。得られた結果を後記表1に示す。
試験方法
Tベンド加工性:試験塗板を長さ5cm×幅4cmの大きさに切断し、特殊ハゼ折り型衝撃試験器を用い、塗膜面が外側になるように下部を長さ方向に2つ折りにした試験塗板の折り曲げ部の間に厚さ0.26mmのアルミニウム板を2枚挟んで試験器に設置し、接触面が平らな重さ3kgの鉄の錘を高さ50cmから落下させて折り曲げ部に衝撃を与えた後、折り曲げ先端部に6.5Vの電圧を6秒間通過させた際の、折り曲げ先端部の2cm幅の電流値(mA)を測定し、下記基準にて評価した。
◎:10mA未満。
○:10mA以上で20mA未満。
△:20mA以上で40mA未満。
×:40mA以上。
加工部レトルト密着性:上記Tベンド加工試験後の試料を、水に浸漬し、オートクレーブ中にて125℃で30分間処理した後、折り曲げ先端部に6.5Vの電圧を6秒間通過させた際の、折り曲げ先端部2cm幅の電流値(mA)を測定し、下記基準にて評価した。
◎:40mA未満。
○:40mA以上で60mA未満。
△:60mA以上で80mA未満。
×:80mA以上。
Figure 2004339494
塗料組成物の作成(PCMプライマー用)
実施例9
ポリエステル樹脂溶液A−2を100部、二酸化チタン顔料30部及びトリポリリン酸アルミニウム60部を配合し、ソルベッソ150(エッソ石油社製、芳香族炭化水素系溶剤)/シクロヘキサノン=1/1の混合溶剤にて粘度を調整した後、ペブルミルを用いて分散を行なった。次いで、この分散物にレゾール型フェノール樹脂溶液B−1を30部、サイメル303を5部及びNACURE5225(米国キング・インダストリイズ社製、ドデシルベンゼンスルホン酸のアミン塩、有効成分25%)を1部加えて均一に混合し、更に上記混合溶剤を加えて粘度が約80秒(フォードカップ#4/25℃)になるように調整してプライマー用塗料組成物を得た。
実施例10〜16及び比較例8〜14
実施例9と同様にして後記表2に示す配合比率に従って配合、分散を行って各塗料組成物を得た。
試験用塗板の作成及び性能試験(2)
厚さ0.5mmのクロメート処理された溶融亜鉛メッキ鋼板に上記実施例及び比較例で得られた塗料組成物を乾燥膜厚で5μmとなるようにバーコーターにて塗布し、焼付時間が20秒でPMTが220℃になる条件で焼付けた後、さらにKPカラー1510ブルー(関西ペイント社製、ポリエステル系上塗り塗料、青色、硬化塗膜のTg約50℃)を乾燥膜厚で15μmとなるようにバーコーターにて塗布し、焼付時間が30秒で素材到達最高温度(PMT)が230℃になる条件で焼付けて各試験塗板を得た。
得られた各試験塗板について下記試験方法に従って試験を行った。得られた結果を後記表2に示す。
試験方法
加工部密着性:塗装板を70mm×150mmに切断し、20℃の恒温室において、2T折り曲げ加工(塗装板の表面を外側にして折り曲げ、その内側に塗装板と同じ厚さの板を2枚はさみ、上記塗装板を万力にて180度折り曲げする加工)し、次いで折り曲げ部分にセロハン粘着テープを貼り付け、そのテープを瞬時に剥がしたときの折り曲げ加工部の塗膜の剥がれ程度を評価した。塗装板としては、塗装後後処理を行なっていない塗板(1次)及び塗装後沸騰水中に2時間浸漬した塗装板(2次)の2種類を用いた。
◎:加工部に塗膜の剥がれが認められない。
○:加工部に塗膜の剥がれが僅かに認められる。
△:加工部に塗膜の剥がれがかなり認められる。
×:加工部全面の塗膜が剥離。
耐食性:塗装板を70mm×150mmに切断し、裏面及び切断部を防錆塗料にてシールした。シールした塗装板の中央に素地に達するクロスカットを入れ、塗装板の端から約1cmの個所に2T折り曲げ加工を施したものを塩水噴霧試験に供した。塩水噴霧試験は、JIS Z−2371に準じて行ない、試験時間は500時間とし、各試験板について加工部における錆発生程度及びクロスカット部の平均フクレ幅を、それぞれ下記基準にて評価した。
加工部
◎:加工部に錆の発生が認められない。
○:錆の発生程度が加工部の長さの10%未満であるが認められる。
△:錆の発生程度が加工部の長さの10%以上30%未満である。
×:錆の発生程度が加工部の長さの30%以上である。
クロスカット部
◎:クロスカット部にフクレが認められない。
○:カット傷から片側の平均フクレ幅が1mm未満であるが認められる。
△:カット傷から片側の平均フクレ幅が1mm以上5mm未満である。
×:カット傷から片側の平均フクレ幅が5mm以上。
耐スクラッチ性:20℃の恒温室において、コインスクラッチテスター(自動化技研工業社製)を用いて、塗装板の塗面に10円硬貨の縁を45度の角度に保ち、3kgの荷重をかけて押し付けながら10円硬貨を10mm/秒の速度で30mm引っ張って塗面に傷を付けた時の傷の程度を目視にて評価した。
◎:傷の部分に金属の素地は見られない。
○:傷の部分に金属の素地が僅かに見られる。
△:傷の部分に金属の素地がかなり見られる。
×:傷の部分に塗膜が殆ど残らず金属の素地が奇麗に見られる。
Figure 2004339494

Claims (8)

  1. カルボキシル基を酸価として5〜80mgKOH/g含有し、且つ重合性不飽和基を0.03〜0.9mmol/g含有する水酸基価が0.5〜50mgKOH/gのポリエステル樹脂(A)100重量部に対してレゾール型フェノール樹脂(B)を1〜50重量部含有してなることを特徴とする熱硬化型塗料組成物。
  2. ポリエステル樹脂(A)が、オイルフリーポリエステル樹脂である請求項1に記載の熱硬化型塗料組成物。
  3. ポリエステル樹脂(A)が、水酸基含有ポリエステル樹脂と不飽和酸無水物とを反応して得られるものである請求項1又は2に記載の熱硬化型塗料組成物。
  4. ポリエステル樹脂(A)が、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂のカルボキシル基の一部とグリシジル基含有不飽和単量体のグリシジル基とを反応させて得られたものである請求項1又は2に記載の熱硬化型塗料組成物。
  5. 被塗物上に、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱硬化型塗料組成物を塗装し、焼付けてなる塗装物品。
  6. 塗装膜厚が、乾燥膜厚として1〜50μmの範囲内のものである請求項5に記載の塗装物品。
  7. 被塗物が、缶用金属素材である請求項5又は6に記載の塗装物品。
  8. 被塗物が、必要に応じて電着塗膜が形成されてなる自動車用金属素材である請求項5又は6に記載の塗装物品。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007302792A (ja) * 2006-05-11 2007-11-22 Kansai Paint Co Ltd アニオン電着塗料組成物
JP2013144753A (ja) * 2012-01-16 2013-07-25 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd 塗料組成物およびそれを用いた缶蓋
JP2019172933A (ja) * 2018-03-29 2019-10-10 三菱ケミカル株式会社 不飽和基含有ポリエステル系樹脂、プライマー組成物、水性液、プライマー層付き基材フィルム及びプリズムシート

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