JP2004338760A - 詰め替え用パウチ - Google Patents
詰め替え用パウチ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004338760A JP2004338760A JP2003137813A JP2003137813A JP2004338760A JP 2004338760 A JP2004338760 A JP 2004338760A JP 2003137813 A JP2003137813 A JP 2003137813A JP 2003137813 A JP2003137813 A JP 2003137813A JP 2004338760 A JP2004338760 A JP 2004338760A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pouch
- spout
- film
- heat
- sides
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Bag Frames (AREA)
Abstract
【解決手段】詰め替え用パウチ100 を、底部2 に底面フィルムを用いてガセット部6 を設けたスタンディングパウチ形式で形成し、上部のコーナー部に先端部と両側の側部をヒートシールしてなる注出口部10を設け、その先端部近傍に切り取り線11等の開封手段を設けると共に、注出口部10の内側のヒートシールラインが、先端側の開封位置から基部にかけて、平行な直線部分12とそれに連続する裾広がりの部分13とを有する形状に形成して構成する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体、粒状体など流動性を有する内容物を密封包装すると共に、自立性を備え、また、内容物を注出するための狭い幅の注出口部を備えた詰め替え用パウチに関し、更に詳しくは、注出口にプラスチックの成形物などによる別体の注出口を使用せず、ヒートシールにより所定の形状と寸法の注出口部を形成すると共に、その開封位置に開封手段を設けることにより、内容物の注出に最低限必要な注出口部の開口性およびその保形性などの使用適性を得られ、部材の削減と製造工程の簡略化により、生産性の向上とコストの低減を可能とした詰め替え用パウチに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、液体、粒状体などの流動性を有する内容物を密封包装し、使用時に内容物をボトルなどの他の容器に移し替えて使用する詰め替え用パウチとしては、内容物の移し替えを安全且つ容易に行うため、(1)パウチ上部の一部にプラスチックの成形物などによる注出口を取り付けたもの、或いは、(2)パウチ上部の一部にヒートシールにより狭い幅の注出口部を形成したものなどがある。
(1)のプラスチックの成形物による注出口を取り付けた詰め替え用パウチでは、キャップ付きの注出口を取り付けたもののほか、簡略化のために、注出口部をヒートシールにより形成すると共に、その部分の両側のフィルムに半身ずつ溝状の窪みを設け、その中に円筒状のプラスチック製小管を封じ込むように固定して取り付けた詰め替え用パウチがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、(2)のパウチ上部の一部にヒートシールにより狭い幅の注出口部を形成した詰め替え用パウチでは、注出の開始時に、注出口部の開口を容易にし、また、開口した注出口部の保形性をよくするために、注出口部を先細り形状にテーパーを付けて形成すると共に、注出口部のフィルムに熱エンボスなどの方法で膨らみ部を設け、更に注出口部を内容物の移し替えを行うボトルなどの容器の口部に差し込みやすくするため、注出口部の両側に切り欠き部を設けた詰め替え用パウチがある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−132069号公報(第2〜4頁、図1)
【特許文献2】
特開2000−118543号公報(第2〜7頁、図4、図5)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載された発明のパウチでは、注出口として、キャップ付きの注出口ではなく、円筒状のプラスチック製小管を用いているので、注出口のコストは低減できるが、注出口部の両側のフィルムに半身ずつ溝状の窪みを設け、その中に前記小管を固定しているため、溝状の窪みの成形および小管の取り付けなど製造工程が増し、製造コストが上昇する問題があり、また、得られたパウチは円筒状の小管や溝状の窪みを有するため、積み重ねて輸送や保管をする際に、嵩張り余分なスペースを必要とするなどの問題があった。
【0006】
また、特許文献2に記載された発明の詰め替え用パウチでは、注出口として、プラスチックの成形物によるキャップ付きの注出口や、前記円筒状のプラスチック製小管などの別部材を用いず、注出口部を、ヒートシールにより鋭角の先細り形状に形成すると共に、その両側に切り欠き部を設け、また、注出口部、または注出口部からパウチ本体部にかけて外側に膨らむ膨らみ部を設けて形成しているので、材料費が安く、且つ注出口部の開口性や保形性を良好にすることができ、口径が比較的小さいボトルなどに対しても、内容物を安全に移し替えることができる。
しかし、このような詰め替え用パウチでも、注出口部の両側に切り欠き部を設け、また、注出口部などに膨らみ部を設けているので、切り欠き部を設ける打ち抜き装置、および膨らみ部を設ける熱エンボスなどの成形装置が必要であり、特に膨らみ部の成形に際しては、パウチのフィルムが、通常、その基材フィルムに延伸フィルムを積層した構成で、必ずしも熱成形に適するものではなく、成形の加工速度を製袋の速度に合わせて維持するためには、成形装置が大がかりとなるなど、製造コストを上昇させる問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、成形物などによる別体の注出口を必要とせず、パウチ上部のコーナー部に所定の形状と寸法の注出口部をヒートシールにより設け、また、その開封位置に開封手段を設けるだけで、注出口部の両側の切り欠き部や、注出口部などの膨らみ部を設ける必要もなく、通常のスタンディングパウチなどと同様な工程で生産性よく製造でき、パウチの製造コストを大幅に低減することができ、しかも内容物の使用時には、例えば、ボトルなどの比較的口径の小さい容器に対しても安全に移し替えることができるという使用適性と共に、特に経済性に優れた詰め替え用パウチを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、以下の本発明により解決することができる。
即ち、請求項1に記載した発明は、前後の壁面フィルムと底面フィルムとで形成され、周囲の端縁部が袋状にヒートシールされてなるパウチにおいて、該パウチの底部が、前後の壁面フィルムの下部の間に、底面フィルムを内側に折り込んで挿入してなるガセット部を有する形式で形成され、内側に折り込まれた底面フィルムの両側部の端縁部に切り欠き部が設けられると共に、該ガセット部が、内側が両側から中央部にかけて凹状となるシールパターンでヒートシールされて形成され、胴部が、前後の壁面フィルムの両側部の端縁部をヒートシールして形成され、該パウチの上部のコーナー部に、先端部と両側の側部がヒートシールされてなる注出口部が設けられ、該注出口部の先端部近傍に開封手段が設けられると共に、該注出口部の内側のヒートシールラインが、先端側の開封位置から基部にかけて、平行な直線部分とそれに連続する裾広がりの部分とを有する形状に形成されていることを特徴とする詰め替え用パウチからなる。
【0009】
本発明において、注出口部の先端部近傍に設ける開封手段は、印刷などで表示した切り取り線などの開封指示線や開封指示マークでもよく、また、実際の引き裂きなどによる開封操作を容易にする以下のような易開封性手段であってもよい。これらの開封手段および易開封性手段は、いずれか一種を選択して使用してもよく、また、二種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0010】
前記易開封性手段としては、例えば、(イ)通常のパウチでも多用されるノッチを設ける方法のほか、(ロ)レーザー光照射などによるハーフカット線を設ける方法、(ハ)機械的方法によって細長くて小さな傷痕群をパウチの端部に形成する方法(その傷痕群を起点として、容易に引き裂きを可能としたもの)、(ニ)パウチの積層フィルム中に易引き裂き性フィルム、例えば一軸延伸フィルムを積層する方法(この場合、一軸延伸フィルムは、その延伸方向がパウチ(注出口部)の開封方向と一致するように用いることにより、容易に一定方向に引き裂いて開封できるようになる)、(ホ)カットテープなどを貼着する方法など種々の方法があり、前記開封指示線などの開封手段を含めて、これらの中から、一種を選択し、または二種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0011】
前記ノッチは、一字形やV字形のノッチが多く採用されているが、その形状に制限はなく、引き裂き方向に向かって尖った部分を有する形状であれば何でもよい。
ハーフカット線についても、連続する線状のハーフカット線のほか、ミシン目状など断続的なハーフカット線であってもよい。このようなハーフカット線は、一本でもよいが、引き裂き方向がずれた場合を想定して、中心のハーフカット線の両側に各1本、または各2本など複数のハーフカット線を、平行または中心のハーフカット線に収斂する形状などに設けることができる。
【0012】
また、前記パウチ底部のガセット部をヒートシールする内側が両側から中央部にかけて凹状となるシールパターンは、代表的な好ましい形状として、内側が両側から中央部にかけて円弧状に凹状となる船底形や、一定の幅と長さの底部から両側が外側に傾斜直線状に立ち上がる形状の船底形のシールパターンが挙げられるが、これらに限定されず、例えば、内側が鈍角のV字形、或いは横長に開いたU字形となるシールパターンなど、実質的に内側が両側から中央部にかけて凹状となるシールパターンであれば何でもよい。
【0013】
本発明の詰め替え用パウチは、前記のように構成されているので、以下に列記するような作用効果を得ることができる。
(1)パウチの底部が、前後の壁面フィルムの下部の間に、底面フィルムを内側に折り込んで挿入してなるガセット部を有する形式で形成され、内側に折り込まれた底面フィルムの両側部の端縁部に切り欠き部が設けられると共に、そのガセット部が、内側が両側から中央部にかけて凹状となるシールパターンでヒートシールされて形成されているので、内容物を充填したパウチは、底部が前後に大きく広がり、底部の外周にはヒートシール部による脚部が形成され、優れた自立性が付与される。従って、取扱いが容易になるほか、外観も優れたものとなり、更に、内容物の移し替えなどの操作も、注出の途中でパウチを立てて置くことができるので、一層楽に行うことができる。
(2)パウチに充填された内容物を使用する際には、パウチの上部のコーナー部に、先端部と両側部がヒートシールされてなる注出口部が設けられ、該注出口部の先端部近傍の開封位置に前述したような開封手段が設けられているので、注出口部を正しい位置で容易に開封することができる。
(3)内容物を、例えばボトルに移し替える場合でも、注出口部の両側部の内側のヒートシールラインが、先端側の開封位置から基部にかけて、平行な直線部分とそれに連続する裾広がりの部分とを有する形状に形成されているので、開封した注出口部の先端部をボトルの口部にあてがってパウチを傾けることにより、内容物が注出口部に流動し、その内圧で基部側の裾広がりの部分と先端側の平行な直線部分とで漏斗状をなして広がり、注出口部が保形性よく開口すると同時に、内容物が平行な先端部から注出角度が広がることなくスムーズに注出され、安全に移し替えることができる。
【0014】
請求項2に記載した発明は、前記注出口部の内側のヒートシールラインの前記平行な直線部分の幅と長さが、幅が12〜35mmの範囲であって、且つ、長さが該幅の0.6〜1.2倍の範囲となるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の詰め替え用パウチからなる。
【0015】
前記注出口部の内側のヒートシールラインの前記平行な直線部分は、開封された注出口部を内容物の内圧で自然に開口させると同時に、内容物の流速と注出方向および注出角度の広がりを適度の範囲に制御するために設けたものであり、そのためには、前記平行な直線部分の幅と長さを、幅が12〜35mmの範囲で、且つ、長さが該幅の0.6〜1.2倍の範囲となるように形成することが好ましい。
尚、前記幅の上限を35mmとしたのは、内容物を例えばボトルに移し替える場合、移し替えが行われるボトルの口径が通常22mm前後であるため、注出口部の口径がこれを超えないように設定したものであり、開口性のみを考えた場合は、上限は更に大きくしてもよい。
【0016】
前記平行な直線部分の幅が12mm未満で、長さが該幅の1.2倍を超える場合は、この部分の開口性が悪くなるため好ましくない。
前記平行な直線部分の幅が35mmを超える場合は、注出口部の口径が大きくなりすぎ、内容物を前記通常の口径のボトルに移し替えるような場合、内容物を外にこぼしやすくなるため好ましくない。
また、前記平行な直線部分の幅が12〜35mmの範囲であっても、長さが該幅の0.6倍未満の場合は、開口性はよいが、内容物注出時の圧力損失による流速の抑制が難しく、また、注出角度の広がりが大きくなりやすいため、前記と同様、内容物を前記通常の口径のボトルに移し替えるような場合、内容物を外にこぼしやすくなるため好ましくない。
【0017】
従って、前記のような構成を採ることにより、請求項1に記載した発明の作用効果に加えて、パウチに充填された内容物を他の容器に移し替える際、注出口部を容易に開口できると同時に、移し替えを行う容器が、口径の大きい容器の場合は元より、比較的口径の小さいボトルであっても、内容物を外にこぼすことなく一層安全に移し替えることができる。
【0018】
請求項3に記載した発明は、前記ガセット部をヒートシールするシールパターンが、内側が両側から中央部にかけて円弧状に凹状となるシールパターンであることを特徴とする請求項1または2に記載の詰め替え用パウチからなる。
【0019】
上記ガセット部をヒートシールするシールパターンは、内側が両側から中央部にかけて凹状となるシールパターンであれば特に限定はされないが、パウチに充填される内容物が液状物の場合は、内側が両側から中央部にかけて円弧状に凹状となるシールパターンが、パウチの角部を少なくすることができ、落下強度などの強度に優れる点で特に好ましい。
【0020】
従って、前記のような構成を採ることにより、請求項1または2に記載した発明の作用効果に加えて、内容物が充填されたパウチは、底部が前後に大きく広がると同時に、底面が滑らかな曲面状に形成されるので、自立性に優れると共に、落下強度など破袋強度にも一層優れた詰め替え用パウチを提供することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の詰め替え用パウチの製造に用いるフィルム、および詰め替え用パウチの製造方法など発明の実施の形態について説明する。
本発明の詰め替え用パウチの製造に用いるフィルムは、主にプラスチックを主体とする積層フィルムが用いられるが、特に限定はされず、例えば、各種液体用パウチなどに用いられている公知の積層フィルムは、いずれも使用することができる。
これらの中から、包装する内容物の種類や必要とされる強度、性能、その他使用条件に応じて適するものを適宜選択して使用することができる。
【0022】
好ましく使用できる積層フィルムの構成の代表的な例として、以下のような構成が挙げられる。
(1) ONフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(2) ONフィルム/接着剤/一軸延伸または二軸延伸HDPEフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(3) ONフィルム/接着剤/一軸延伸または二軸延伸PPフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(4) ONフィルム/接着剤/一軸延伸または二軸延伸PPフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(5) ONフィルム(シリカまたはアルミナまたはアルミニウム蒸着層)/接着剤/一軸延伸または二軸延伸PPフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(6) ONフィルム/接着剤/EVOHフィルム/接着剤/一軸延伸または二軸延伸PPフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(7) ONフィルム/アンカーコート層/共押し出しコート層(HDPE層/L・LDPE層)(シーラント層はL・LDPE層)
(8) ONフィルム/アンカーコート層/共押し出しコート層(HDPE層/LDPE層)/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
【0023】
(9) PETフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(10)PETフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/ONフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(11)PETフィルム(シリカまたはアルミナまたはアルミニウム蒸着層)/接着剤/ONフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(12)PETフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(13)PETフィルム/接着剤/EVOHフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく様々な組み合わせの積層フィルムを使用することができる。
【0024】
上記において、ONフィルムは2軸延伸ナイロンフィルム、L・LDPEは直鎖状低密度ポリエチレン、HDPEは高密度ポリエチレン、LDPEは低密度ポリエチレン、PPフィルムはポリプロピレンフィルム、PETフィルムは2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、EVOHフィルムはエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルムを指すものである。
各層の間の接着剤は、通常、その積層をドライラミネーション法で行うため、2液硬化型ポリウレタン系接着剤などの公知のドライラミネーション用接着剤が用いられる。
また、アンカーコートは、押し出しコーティングで樹脂を積層する際、接着性を向上させるために基材フィルム側に予めコーティングするものでプライマーコートの一種である。
【0025】
前記の積層フィルムの構成において、最外層のONフィルム、PETフィルムは、基材フィルムとしてパウチに機械的強度や印刷適性を付与し、中間層に用いた一軸延伸HDPEフィルム、一軸延伸PPフィルムは、その延伸方向をパウチの注出口部を開封する際の引き裂き方向と一致するように用いることにより、引き裂きの方向性を一層安定化させることができる。また、中間層に二軸延伸HDPEフィルム、二軸延伸PPフィルムを用いた場合は、積層フィルムの厚さを増し、その剛性や機械的強度を高めると共に、水蒸気バリヤー性なども向上させることができる。
そして、アルミニウム箔、シリカまたはアルミナまたはアルミニウム蒸着層、EVOHフィルムなどは、各種のガスバリヤー性を付与し、充填される内容物の保存性を高めるために積層するものである。特にシリカおよびアルミナの蒸着層は透明であるため、EVOHフィルムも含めてパウチに透明性とガスバリヤー性の両方が必要とされる場合に好適に使用することができる。
【0026】
また、最内層のシーラント層としては、L・LDPEフィルムの例のみを挙げたが、L・LDPEフィルムは、ヒートシールの安定性や耐内容物性、例えば界面活性剤に対する耐ストレスクラッキング性などに優れており、特に液状の内容物を包装する場合には好適に使用することができる。
【0027】
シーラント層には上記のほか、充填される内容物に応じて、エチレン・αオレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリプロピレン、ポリエステル系樹脂なども適宜選択して使用することができる。
【0028】
特に、エチレン・αオレフィン共重合体でメタロセン系触媒などシングルサイト触媒を用いて重合したものは、分子量分布の幅が狭く、共重合比も安定しているため、低温ヒートシール性や、熱間シール性に優れており、本発明の詰め替え用パウチのように、ヒートシール部にフィルムの重なりの差による段差のあるパウチのシーラント層には、シール抜けによるピンホールの発生を防止できる点で適している。
更に、前記共重合体にオレフィン系エラストマーをブレンドしたものを用いることにより、シーラント層の熱流動性が改善され、前記段差によるピンホールの発生も一層効果的に防止することができる。
【0029】
次に、以上のような積層フィルムを用いて製造する本発明の詰め替え用パウチの製造方法について説明する。
本発明の詰め替え用パウチは、底部をガセット形式で形成して自立性を付与した形態であるため、基本的には、従来のスタンディングパウチ用の製袋機を利用して製造することができる。
【0030】
只、本発明の詰め替え用パウチは、通常のスタンディングパウチとは、パウチの上部のコーナー部に、ヒートシールにより前記形状の注出口部を設け、その注出口部の先端部近傍の開封位置に開封手段を設けている点で異なるため、必要に応じてこれらの加工装置をスタンディングパウチ用の製袋機に追加付設することにより、容易に製造することができる。
具体的には、注出口部に関しては、その形状に対応する形状のシールヘッドを備えたヒートシール装置を追加付設すればよく、開封手段に関しては、例えば、印刷による切り取り線などの開封指示線のみの場合は、パウチのデザインの印刷の際、同時に印刷できるので、特に加工装置を追加する必要はないが、ノッチやハーフカット線などの易開封性手段を設ける場合は、その打ち抜き装置やレーザー光照射装置などを追加付設して製造することができる。
【0031】
【実施例】
以下に、図面を用いて本発明を更に具体的に説明する。但し、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の図面に限定されるものではない。
図1は、本発明の詰め替え用パウチの一実施例の構成を示す正面図である。
図2は、図1に示した詰め替え用パウチの注出口部の詳細を説明する部分拡大図である。
【0032】
図1に示した詰め替え用パウチ100は、その底部と胴部が、通常のスタンディングパウチと同様な形式で形成されており、底部2が、前後の壁面フィルム1、1′の下部の間に、底面フィルムを内側に折り返して、底面フィルム折り返し部3まで挿入してなるガセット部6を有する形式で形成され、内側に折り込まれた底面フィルムの両側部の端縁部には、それぞれ、底面フィルム切り欠き部4、4が設けられ、ガセット部6が、内側が両側から中央部にかけて円弧状に凹状となるシールパターンの底部シール部5でヒートシールして形成され、胴部が、前後の壁面フィルム1、1′の両側部の端縁部を側部シール部7、7でヒートシールして形成されている。
【0033】
そして、詰め替え用パウチ100の上部のコーナー部(図において左側のコーナー部)には、先端部と両側の側部が注出口部シール部8でヒートシールされてなる斜め外側上方に向く注出口部10が設けられており、この注出口部10の先端部近傍の開封位置には、開封手段として、この場合、印刷による切り取り線11が設けられ、また、注出口部10は、内容物の注出路を形成する両側部内側のヒートシールラインが、先端側の開封位置、即ち、切り取り線11から基部にかけて、平行な直線部分12と、それに連続する裾広がりの部分13とを有する形状に形成されて構成されている。
【0034】
尚、パウチ100の上部のうち、注出口部10を設けたコーナー部以外の部分は上部シール部9でヒートシールするが、この部分は、内容物の充填口に使用するため、内容物の充填前は未シールの開口部とし、内容物の充填後にヒートシールして密封する。
また、図1では注出口部10の開封位置に、開封手段として、印刷による切り取り線11のみを設けたが、切り取り線11により開封位置を正確に指示できるので、実際の開封には鋏などの道具が必要となるが、誤使用がなく正しく使用することができる。また、切り取り線11の形成には、特別な加工装置を必要としないため、製造工程を簡略化でき、生産性がよくコストメリットが得られる。
只、鋏などの道具の使用が煩わしく、手で簡単に引き裂いて開封したい場合は、切り取り線11と共に、ノッチ、またはノッチとハーフカット線などの易開封性手段を組み合わせて設けることにより、対応することができる。
【0035】
このような構成を採ることにより、内容物の充填は、未シールの上部シール部9が十分な幅を有するので、この部分から容易に充填することができる。
例えば、液状の内容物を充填し、上部シール部9を脱気シールして密封したパウチ100は、底部が前後に大きく広がると共に、底部の外周には底部シール部5により環状の脚部が形成されるので、優れた自立性が付与され、取り扱いが容易になるほか、外観も優れたものになる。
パウチ100に充填された内容物を使用する際には、注出口部10の先端部近傍の開封位置に切り取り線11が設けられているので、この部分を鋏などで切り取ることにより、注出口部10を正しい位置で容易に開封することができる。
【0036】
そして、内容物を、例えばボトルに移し替える場合は、開封された注出口部10の先端部をボトルの口部にあてがって、パウチ100を傾けることにより、内容物が注出口部10側に流動し、その内圧で注出口部10の内側が、基部側の裾広がりの部分13と先端側の平行な直線部分12とで漏斗状をなして広がり、注出口部10が保形性よく開口すると同時に、内容物が平行な直線部分12の先端から注出角度が広がることなくスムーズに注出され、安全に移し替えることができる。
【0037】
尚、前記注出口部10に関しては、図2に、図1に示した詰め替え用パウチ100の注出口部10の拡大図を示したので、図2を参照して注出口部10の更に好ましい形状を説明する。
図2において、注出口部10が、注出口部シール部8により斜め外側上方を向くように形成され、注出口部10の先端部近傍の開封位置に切り取り線11が設けられると共に、その内側の内容物の注出路を形成する両側部内側のヒートシールラインが、先端側の切り取り線11から基部にかけて、平行な直線部分12とそれに連続する裾広がりの部分13とを有する形状に形成されていることは先に説明した通りであるが、パウチ100に充填された内容物を注出する際の、注出口部10の開口を容易にすると共に、口径が22mm前後の通常の口径のボトルに対しても安全且つ容易に内容物の移し替えを行えるように、内容物の注出方向を安定化させ、また、注出速度(流速)および注出角度の広がりを適度の範囲に調節するためには、前記平行な直線部分12の幅(w)と長さ(l)を、幅(w)を12〜35mmの範囲とし、且つ長さ(l)を幅(w)の0.6〜1.2倍の範囲となるように形成することが更に好ましい。
【0038】
前記幅(w)が12mm未満で、長さ(l)が幅(w)の1.2倍を超える場合は、注出口部10の平行な直線部分12の開口性が悪くなるため好ましくない。
前記幅(w)が35mmを超える場合は、前記通常の口径のボトルに対して、開口した注出口部10の先端部、即ち、平行な直線部分12の口径が大きくなりすぎ、内容物を外にこぼしやすくなるため好ましくない。
また、平行な直線部分12の幅(w)が12〜35mmの範囲であっても、長さ(l)が幅(w)の0.6倍未満の場合は、開口性には優れるが、内容物注出時の圧力損失による流速の抑制効果が得られず、また、注出角度の広がりが大きくなるため、内容物を外にこぼしやすくなるため好ましくない。
従って、注出口部10を前記のように形成することにより、開口性がよく、且つ、前記通常の口径のボトルに対しても、内容物を安全且つ容易に移し替えることのできる注出口部10を一層確実に形成することができる。
【0039】
尚、本発明の詰め替え用パウチは、自立性に優れると共に、内容物を注出する際の、内容物の流速、注出方向、注出角度の広がりなどを適度の範囲に調節できるので、単に詰め替え用パウチとして好適に使用できるだけではなく、そのまま内容物を小出しに注出して使用する用途にも使用できるものである。
【0040】
【発明の効果】
以上、詳しく説明したように、本発明によれば、液体、粒状体などの流動性を有する内容物を密封包装すると共に、自立性を備え、また、内容物を注出するための狭い幅の注出口部を備えた詰め替え用パウチであって、プラスチックの成形物などによる別体の注出口を必要とせず、ヒートシールにより、開口性がよく、また、比較的口径の小さなボトルなどに対しても安全且つ容易に内容物の移し替えが可能な注出口部を形成でき、部材や製造工程の簡略化が可能で、生産性および使用適性に優れると共に、経済性にも優れた詰め替え用パウチ提供できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の詰め替え用パウチの一実施例の構成を示す正面図である。
【図2】図1に示した詰め替え用パウチの注出口部の詳細を説明する部分拡大図である。
【符号の説明】
1、1′壁面フィルム
2 底部
3 底面フィルム折り返し部
4 底面フィルム切り欠き部
5 底部シール部
6 ガセット部
7 側部シール部
8 注出口部シール部
9 上部シール部
10 注出口部
11 切り取り線
12 平行な直線部分
13 裾広がりの部分
w 幅
l 長さ
100 詰め替え用パウチ
Claims (3)
- 前後の壁面フィルムと底面フィルムとで形成され、周囲の端縁部が袋状にヒートシールされてなるパウチにおいて、該パウチの底部が、前後の壁面フィルムの下部の間に、底面フィルムを内側に折り込んで挿入してなるガセット部を有する形式で形成され、内側に折り込まれた底面フィルムの両側部の端縁部に切り欠き部が設けられると共に、該ガセット部が、内側が両側から中央部にかけて凹状となるシールパターンでヒートシールされて形成され、胴部が、前後の壁面フィルムの両側部の端縁部をヒートシールして形成され、該パウチの上部のコーナー部に、先端部と両側の側部がヒートシールされてなる注出口部が設けられ、該注出口部の先端部近傍に開封手段が設けられると共に、該注出口部の内側のヒートシールラインが、先端側の開封位置から基部にかけて、平行な直線部分とそれに連続する裾広がりの部分とを有する形状に形成されていることを特徴とする詰め替え用パウチ。
- 前記注出口部の内側のヒートシールラインの前記平行な直線部分の幅と長さが、幅が12〜35mmの範囲であって、且つ、長さが該幅の0.6〜1.2倍の範囲となるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の詰め替え用パウチ。
- 前記ガセット部をヒートシールするシールパターンが、内側が両側から中央部にかけて円弧状に凹状となるシールパターンであることを特徴とする請求項1または2に記載の詰め替え用パウチ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003137813A JP2004338760A (ja) | 2003-05-15 | 2003-05-15 | 詰め替え用パウチ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003137813A JP2004338760A (ja) | 2003-05-15 | 2003-05-15 | 詰め替え用パウチ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004338760A true JP2004338760A (ja) | 2004-12-02 |
Family
ID=33527393
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003137813A Pending JP2004338760A (ja) | 2003-05-15 | 2003-05-15 | 詰め替え用パウチ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004338760A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006273338A (ja) * | 2005-03-28 | 2006-10-12 | Dainippon Printing Co Ltd | 詰め替え用パウチ |
JP2011143928A (ja) * | 2010-01-12 | 2011-07-28 | Toppan Printing Co Ltd | 自立袋 |
KR101218350B1 (ko) * | 2010-03-23 | 2013-01-16 | (주)신우아이엠에스 | 누설되지 아니하는 유출부를 구비한 밀폐 비닐봉지 |
JP2014141285A (ja) * | 2013-01-25 | 2014-08-07 | Toppan Printing Co Ltd | 自立性包装袋 |
WO2018083980A1 (ja) * | 2016-11-07 | 2018-05-11 | 東洋製罐株式会社 | スパウト付きパウチ |
JP2018079982A (ja) * | 2016-11-07 | 2018-05-24 | 東洋製罐株式会社 | スパウト付きパウチ |
-
2003
- 2003-05-15 JP JP2003137813A patent/JP2004338760A/ja active Pending
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006273338A (ja) * | 2005-03-28 | 2006-10-12 | Dainippon Printing Co Ltd | 詰め替え用パウチ |
JP2011143928A (ja) * | 2010-01-12 | 2011-07-28 | Toppan Printing Co Ltd | 自立袋 |
KR101218350B1 (ko) * | 2010-03-23 | 2013-01-16 | (주)신우아이엠에스 | 누설되지 아니하는 유출부를 구비한 밀폐 비닐봉지 |
JP2014141285A (ja) * | 2013-01-25 | 2014-08-07 | Toppan Printing Co Ltd | 自立性包装袋 |
WO2018083980A1 (ja) * | 2016-11-07 | 2018-05-11 | 東洋製罐株式会社 | スパウト付きパウチ |
JP2018079982A (ja) * | 2016-11-07 | 2018-05-24 | 東洋製罐株式会社 | スパウト付きパウチ |
JP2018079981A (ja) * | 2016-11-07 | 2018-05-24 | 東洋製罐株式会社 | スパウト付きパウチ |
CN109906189A (zh) * | 2016-11-07 | 2019-06-18 | 东洋制罐株式会社 | 带有流出口的袋 |
CN109906189B (zh) * | 2016-11-07 | 2020-02-07 | 东洋制罐株式会社 | 带有流出口的袋 |
CN111114989A (zh) * | 2016-11-07 | 2020-05-08 | 东洋制罐株式会社 | 带有流出口的袋 |
CN111114989B (zh) * | 2016-11-07 | 2022-04-05 | 东洋制罐株式会社 | 带有流出口的袋 |
US11358772B2 (en) | 2016-11-07 | 2022-06-14 | Toyo Seikan Co., Ltd. | Spouted pouch |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2001018989A (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JP3883632B2 (ja) | スタンディングパウチ | |
JP4060943B2 (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JP2004338760A (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JP2002211595A (ja) | 係止部付き袋 | |
JP4676597B2 (ja) | 自立性袋 | |
JP2001341755A (ja) | 自立性袋 | |
JP2001114298A (ja) | 複合容器 | |
JP4811542B2 (ja) | 自立性袋 | |
JP2001002089A (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JP4270635B2 (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JP2001048197A (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JP4268255B2 (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JP2000085801A (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JP4028324B2 (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JP2002019790A (ja) | 自立性袋 | |
JP4028079B2 (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JP4549565B2 (ja) | 袋 | |
JP2001018990A (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JPH11245955A (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JPH11321883A (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JP4334702B2 (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JPH11321886A (ja) | 変形ガセットパウチ | |
JP2001039453A (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JP4781506B2 (ja) | 自立性袋 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060511 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20080522 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080529 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080715 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20090113 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |