JP2004335417A - イオントラップ質量分析方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】イオントラップ31の前段に、イオンを急加速し、衝突誘起解離を起こす第1イオンガイド21、スリット電極22、第2イオンガイド23が設置される。分離カラム4にて分離した試料はイオン源5でイオン化され、第1イオンガイド21、スリット電極22、第2イオンガイド23により衝突誘起解離が起こされMS2が行われる。MS2が行われたイオンをイオントラップ31に導入し、イオントラップ31においてMS3を行う。イオントラップ31内の操作をMS3に限定することによりイオントラップ31の動作時間が短縮され、一定時間内の操作回数を増加することができ、検出感度を向上することが可能となる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、イオントラップ質量分析方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
質量分析装置は、試料分子に電荷を付加してイオン化を行い、生成したイオンを電場または磁場により質量電荷比に分離し、その量を検出器にて電流値として計測する機器である。
【0003】
この質量分析装置は高感度であり、一般の分析装置に比べ、定量性及び同定能力に優れている。
【0004】
近年、ライフサイエンス分野ではゲノム解析に代わるペプチド解析が注目され、高感度で同定能力の優れた質量分析装置の有効性が再評価されてきた。
【0005】
質量分析装置にて試料を測定すると、質量電荷比単位の電流値が得られる。これをマススペクトルと呼ぶ。このマススペクトルは測定する試料の構造によって異なり、そのマススペクトルのパターンから試料の構造の情報を得ることができる。
【0006】
しかし、試料中の構成成分が複雑であったり、得られたマススペクトル情報が成分の特定に不十分である場合がある。特に、質量分析装置では質量電荷比により分子イオンを分離するため、異なる構造であったとしても、質量電荷比が同一の場合、分子イオンを区別するのが困難になる。
【0007】
これを解決するため、MSn分析が考案された。このMSn分析とは、分子イオンを質量分析装置に取り込み、特定質量数以外のイオンを排除し、選択した分子イオンと中性分子との衝突を起こすことにより、分子イオンの一部の結合を破壊し、結合の切れたイオンを測定する方法である。
【0008】
この中性分子と衝突させ選択した分子イオンの結合を切ることを衝突誘起解離(CID)と呼び、イオン取り込み、イオン選択、衝突誘起解離の一連の操作の、その繰返し回数によって、MS2やMS3などと呼ぶ。
【0009】
分子中の原子間の結合はその構造や結合の種類によって結合エネルギーが異なるため、結合エネルギーが低い箇所ほど衝突誘起解離によって切断される。
【0010】
分子イオンと中性分子との衝突時に、分子イオンの結合を切断するのに必要な運動エネルギーを分子イオンに与えることにより、分子イオン特有のフラグメントイオンが生成し、分子イオンの構造を知ることができる。
【0011】
さらに、MSn分析の繰返し回数が多くなれば、より多くの構造情報を得ることができる。
【0012】
質量分析装置はイオンを分離する操作および構成により多様な種類が挙げられるが、MSn分析を行うのに適した構成のひとつにイオントラップ質量分析装置が挙げられる。
【0013】
イオントラップ質量分析装置は、特定の質量電荷比のイオンがイオントラップ内に滞在するような四重極電界を形成し、四重極電界を変化させることによりイオン選択および衝突誘起解離を行うことができる。
【0014】
そして、衝突誘起解離を行った後、イオンを検出器に誘導することなく、衝突誘起解離によって生成されたイオンを再度イオン選択および衝突誘起解離を行えば、複数回のMSn分析を行うことが可能となる。
【0015】
イオントラップ質量分析装置の公知技術としては、特許文献1及び特許文献2に記載されたものがある。
【0016】
特許文献1記載の技術においては、イオン化室は、イオントラップが配置された第2の空間と、イオントラップが配置されていない第1の空間とに仕切り壁により仕切られている。この仕切り壁には、第1の空間と第2の空間とが連通されるスリットが形成されている。
【0017】
仕切り壁を形成することにより、第1空間のガス圧を増加させることにより、サンプルガスに対する紫外光の照射体積を増加してイオンの生成量を増加し、質量分析装置の計測感度を向上させるように構成されている。
【0018】
また、特許文献2記載の技術においては、1つの分析装置内に、測定質量数範囲が異なるイオントラップ質量分析計が複数配置される。そして、イオンは、イオンレンズ及びイオンガイドにガイドされて、ディフレクタ内に導入され、このディフレクタで発生された電界に従って、質量数の相違により、2つの質量分析計のうちのいずれかに導入される。
【0019】
それぞれの質量分析計のイオン導入前段には、ゲート電極が配置され、後段には、レンズ電極が配置されている。これらゲート電極、レンズ電極に印加される電圧によって、イオン蓄積時には、外部からのイオンの導入が許可され、イオン検出時には、イオントラップ質量分析計から外部へのイオンの導出が許可される。
【0020】
【特許文献1】
特開2002−181790号公報
【特許文献2】
特開平11−144675号公報
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来技術におけるイオントラップ質量分析装置にてMSn分析を行う場合には以下のような問題がある。
【0022】
(a)四重極電界内に安定に存在し得る以上の運動エネルギーを衝突誘起解離の際に与えられたイオンは、イオントラップ内に閉じ込めておくことができず、イオントラップの外に排出されるため、MSnが繰り返された場合、検出感度が低下する。
【0023】
(b)衝突誘起解離に費やす時間が短い場合、解離反応のための十分なエネルギーを分子イオンに与えることができず、開裂イオンの生成効率が低くなる。そのため、衝突誘起解離にそれに十分な時間を与える必要があるが、その分、1シーケンスの時間が長くなり、単位時間当たりの検出感度が低くなる。
【0024】
イオントラップ質量分析装置は、イオン分離や衝突誘起解離の間、新しいイオンを取り込むことができず、その間にイオン源から輸送されるイオンは測定に用いられない。
【0025】
つまり、MSnの繰返し回数が多いほど、さらに、イオン分離および衝突誘起解離に費やす時間が長いほど、(a)に示すイオンの損失と(b)に示すイオン源にて生成されたイオンの測定効率の減少とが助長される。
【0026】
本発明の目的は、イオントラップ質量分析装置のMSn分析の感度を向上可能なイオントラップ質量分析方法及び装置を実現することである。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、次のように構成される。
【0028】
(1)イオントラップ質量分析方法において、試料を成分単位に第1のイオン分離を行い、分離した試料をイオン化し、イオン化した試料の第1の衝突誘起解離を行ってイオントラップに導き、イオントラップ内で第2のイオン分離を行った後、第2の衝突誘起解離を行って、質量分離を行いイオンを検出する。
または、イオントラップ内で第2のイオン分離を行った後、第2の衝突誘起解離を行い、イオントラップの後段に配置される質量分離部でイオンを質量電荷比で質量分離して、イオンを検出する。
【0029】
(2)好ましくは、上記(1)において、第1の衝突誘起解離は、電位勾配を有する複数の電極により行われる。
【0030】
(3)イオントラップ質量分析装置において、試料を導入する試料導入部と、導入した試料を成分単位に第1のイオン分離を行う試料分離部と、分離した試料をイオン化するイオン化部と、イオン化した試料の第1の衝突解離を行ってイオントラップに導くイオンガイド部と、導かれたイオンを閉じ込め、第2のイオン分離、第2の衝突誘起解離、及び質量分離を行うイオントラップと、質量分離されたイオンを検出する検出部とを備える。
【0031】
(4)イオントラップ質量分析装置において、試料を導入する試料導入部と、導入した試料を成分単位に第1のイオン分離を行う試料分離部と、分離した試料をイオン化するイオン化部と、イオン化した試料の第1の衝突誘起解離を行ってイオントラップに導くイオンガイド部と、導かれたイオンを閉じ込め、第2のイオン分離及び第2の衝突誘起解離を行うイオントラップと、イオンを質量電荷比で分離する質量分離部と、質量分離されたイオンを検出する検出部とを備える。
【0032】
(5)好ましくは、上記(3)又は(4)において、上記イオンガイド部は、電位勾配を有する複数の電極を有する。
【0033】
(6)また、好ましくは、上記(5)において、上記複数の電極は、第1の電圧が印加される第1のイオンガイド電極と、第1の電圧より小さい第2の電圧が印加される第2のイオンガイド電極と、第1のイオンガイド電極と第2のイオン電極との間に配置され、上記第1の電圧より大の第3電圧が印加される8スリット電極を有し、イオン化した試料は、第1のガイド電極からスリット電極及び第2の電極を通過される。
【0034】
本発明によれば、MS2である第1のイオン分離を行い、その後、イオントラップにイオンを取り込むためのイオンガイドによりイオンを急加速して、衝突誘起解離を行い、イオントラップ内ではMS3のみ行うように構成されている。
【0035】
したがって、イオントラップ質量分析装置のMSn分析の感度を向上可能なイオントラップ質量分析方法及び装置を実現することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0037】
図1に本発明の一実施形態である質量分析装置の概略構成図である。図1において、移動相1は送液ポンプ2により流路に導入される。そして、試料がサンプルインジェクタ3から導入され、分離カラム4に導入される。
【0038】
分離カラム4に導入された試料は、分離カラム4により成分単位に分離され、イオン源5に送られる。
【0039】
イオン源5はキャピラリの形状をしており、その先端に数kVの高電圧を印加することで、静電噴霧が行われる。この静電噴霧により生成されたイオンは、数百Vに帯電した第1細孔11に引き寄せられ、真空チャンバ51に導入され、第2細孔12を介して、第1イオンガイド21に送られる。
【0040】
真空チャンバ51の内部は、ターボ分子ポンプ61、62及びロータリーポンプ65による真空排気と、第1細孔11からの自然吸気により、10−3Torr程度の真空度に保たれる。
【0041】
第1イオンガイド21には8重極を使用し、この第1イオンガイド21に高周波電圧が印加されることにより高周波電場が形成され、イオンが収束される。
【0042】
ここで、本発明の一実施形態では、第1イオンガイド21の後段にスリット電極22及び第2イオンガイド23を配置し、その間に、後述する電位の傾斜を形成することにより、衝突誘起解離を誘発し、分子結合の切断されたイオンをイオントラップ31に輸送する。
【0043】
スリット電極22にはアインツェルレンズを使用し、第2イオンガイド23には第1イオンガイド11と同様な8重極を使用して、高周波電場を形成する。
【0044】
また、スリット電極22は真空チャンバ51内に配置され、第2イオンガイド23は真空チャンバ52内に配置される。
【0045】
ここで、図2に示すように、スリット電極22の近傍において衝突誘起解離を起こすため、第1イオンガイド21のオフセット電圧Vg1、スリット電極22の電圧Vs、第2イオンガイド23のオフセット電圧Vg2を、Vs>Vg1>Vg2となるように印加する。
【0046】
電圧Vsは電圧Vg1よりも高い電圧であるため、スリット電極22の直前でイオンは減速される。そして、電圧Vg2は電圧Vg1より小であり、電圧Vsと大きな電位勾配を生じている。この急激な電位勾配によりイオンが急加速される。急加速されたイオンは、第1細孔11から真空チャンバ51内に入る空気などの中性分子と衝突を繰り返し、衝突誘起解離が起こる。
【0047】
発明者の実験によれば、例えば、電圧Vsを45V、電圧Vg1を50V、電圧Vg2を35Vと設定した場合で衝突誘起解離が生じた。このスリット電極22の電圧Vsを調整することにより、衝突誘起解離の程度を変更することができる。
【0048】
この衝突誘起解離によって分子結合が切断されたイオンは第2イオンガイド23で収束され、イオントラップ31に輸送される。そして、イオントラップ31内にてMS3を行い、後段するフォーカス電極32で収束して、検出器41でイオン検出を行う。
【0049】
本発明の一実施形態では、イオントラップ31内においてMS3のみを行うため、イオントラップ31の動作時間を短縮し、単位時間での操作回数を増やすことにより感度を向上することできる。
【0050】
図3は、本発明の一実施形態において、スリット電極22の衝突誘起解離によるイオントラップ質量分析装置の動作について、マススペクトルを用いた説明図である。
【0051】
また、図4は、本発明とは異なり、スリット電極を配置せず、衝突誘起解離はイオントラップ内のみで行うイオントラップ質量分析装置の動作について、マススペクトルを用いた説明図である。
【0052】
なお、図3及び図4における、マススペクトルの横軸は質量電荷比であり、縦軸は検出器の電流値である。また、図3、図4中の各マススペクトルはイオン分離や衝突誘起解離の各ステップにおいて、イオンを検出した場合に予測されるマススペクトルである。
【0053】
まず、図3の(1)に示すマススペクトルの試料は、分離カラム4でMS2の成分分離が行われた後(図3の(2))、イオン源5でイオン化される。そして、第1イオンガイド21を透過後、スリット電極22、第2イオンガイド23により衝突誘起解離が行われる(図3の(3))。
【0054】
そして、イオントラップ31に取り込まれ(図3の(4))、MS3を行うため、トラップされたイオンの中から目的のイオンを残すようにイオンの分離が行われる(図3の(5))。そして、分離されたイオンを衝突誘起解離し、イオンを生成し(図4の(6))、質量分離排出をおこない、検出器41で検出する。
【0055】
これに対して、図4に示す例の場合は、図4の(1)に示すマススペクトルの試料は、分離カラムで成分分離が行われた後(図4の(2))、イオン源でイオン化される。そして、イオンガイドを透過後、イオントラップに取り込まれる(図4の(3))。
【0056】
トラップされたイオンの中から目的のイオンを残すようにイオンの分離が行われる(図4の(4))。そして、分離されたイオンを衝突誘起解離し、その娘イオンを生成し(図4の(5))、イオントラップに閉じ込める。
【0057】
さらに、MS3を行うため、図4の(5)に示したマススペクトルの中から目的の娘イオンを分離し(図4の(6))、衝突誘起解離を行い、孫イオンを生成する(図4の(7))。そして、質量分離排出をおこない、検出器で検出する。
【0058】
このように、図4の例のように、イオントラップ内のみで衝突誘起解離を行う例において、MS3を行うには、イオントラップ内部で、2回のイオン分離と2回の衝突誘起解離を行う必要がある。
【0059】
図4に示した例のイオントラップ質量分析装置の場合は、図4に示したマススペクトル(3)から(7)までの操作をイオントラップ内で行っているため、電圧の掃引時間およびイオン軌道の安定時間を含めて、サンプルにもよるが、1シーケンスに約140msec必要であった。
【0060】
これに対して、図3に示す本発明の一実施形態の場合は、継続的にMS2のイオン分離を分離カラム4で行い、衝突誘起解離をスリット電極22で行うため、イオントラップ31ではMS3のみを行うこととなり、MS2のイオン分離と衝突誘起解離の時間を排除することができる。
【0061】
これにより、本発明の一実施形態においては、1シーケンスに必要とする時間を約80msecに短縮できることになり、単位時間当たりのイオントラップ31の操作回数が増え、S/N比が向上し、検出感度を上げることができる。特に、結合エネルギーの大きな分子イオンの場合、衝突誘起解離に長い時間が必要となるため、本発明による効果は大きい。
【0062】
ここで、図4に示した例は、衝突誘起解離をイオントラップ内のみで行う場合であって、分離カラムを使用する場合の例であるが、分離カラムを用いない場合も考えられる。
【0063】
図5は、衝突誘起解離をイオントラップ内のみで行う場合であって、分離カラムを使用しない場合のイオントラップ質量分析装置の動作について、マススペクトルを用いた説明図である。
【0064】
図5の例の場合は、(1)に示すマススペクトルの試料が、イオントラップに取り込まれた後、イオン分離→衝突誘起解離→イオン分離→衝突誘起解離が行われ、MS2及びMS3共にイオントラップ内で行われる。
【0065】
したがって、図5の例の場合も、図4の例と同様に、1シーケンスで約140msec必要である。
【0066】
以上のように、本発明の一実施形態によれば、分離カラムによりMS2であるイオン分離を行い、その後、イオントラップにイオンを取り込むためのイオンガイドによりイオンを急加速して、衝突誘起解離を行い、イオントラップ内ではMS3のみ行うように構成したので、イオントラップ質量分析装置のMSn分析の感度を向上可能なイオントラップ質量分析方法及び装置を実現することができる。
【0067】
なお、上述した一実施形態において、スリット電極22の電圧を第1イオンガイド21のオフセット電圧付近にすると衝突誘起解離は行われず、イオントラップの動作はMS2になる。
【0068】
また、上述した一実施形態においては、イオンガイドを8重極と述べたが4重極や6重極などのマルチポールでもよい。そして、スリット電極22前段の第1イオンガイド21において質量分離操作を行えば、イオン分離の精度を上げることが可能である。
【0069】
また、イオントラップ31の後段に飛行時間型質量分析装置などの質量分離部を配置すれば、イオントラップ31からの排出を質量分離することなく操作することができるため、1シーケンスに必要とする時間をさらに短縮することができる。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、イオントラップの前段にてMS2が行われるため、イオントラップ内ではMS3のみを行えばよいので、MS3時のイオントラップの動作時間が短縮し、単位時間当たりのイオントラップの操作回数が増え、S/N比が向上し、検出感度を上げることができる。
【0071】
したがって、イオントラップ質量分析装置のMSn分析の感度を向上可能なイオントラップ質量分析方法及び装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である質量分析装置の概略構成図である。
【図2】第1イオンガイド、第2イオンガイドおよびスリット電極に印加される電位勾配の概念図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるイオントラップ質量分析装置の動作説明図である。
【図4】本発明とは異なり、衝突誘起解離はイオントラップ内のみで行う一例におけるイオントラップ質量分析装置の動作説明図である。
【図5】本発明とは異なり、衝突誘起解離はイオントラップ内のみで行う他の例におけるイオントラップ質量分析装置の動作説明図である。
【符号の説明】
1 移動相
2 送液ポンプ
3 サンプルインジェクタ
4 分離カラム
5 イオン源
11 第1細孔
12 第2細孔
21 第1イオンガイド
22 スリット電極
23 第2イオンガイド
31 イオントラップ
32 フォーカス電極
41 イオン検出器
51、52 真空チャンバ
61、 62 ターボ分子ポンプ
65 ロータリーポンプ
Claims (7)
- 試料を成分単位に第1のイオン分離を行い、分離した試料をイオン化し、イオン化した試料の第1の衝突誘起解離を行ってイオントラップに導き、イオントラップ内で第2のイオン分離を行った後、第2の衝突誘起解離を行って、質量分離を行い、イオンを検出することを特徴とするイオントラップ質量分析方法。
- 試料を成分単位に第1のイオン分離を行い、分離した試料をイオン化し、イオン化した試料の第1の衝突誘起解離を行ってイオントラップに導き、イオントラップ内で第2のイオン分離を行った後、第2の衝突誘起解離を行い、イオントラップの後段に配置された質量分離部でイオンを質量電荷比で質量分離して、イオンを検出することを特徴とするイオントラップ質量分析方法。
- 請求項1または2記載のイオントラップ質量分析方法において、上記第1の衝突誘起解離は、電位勾配を有する複数の電極により行われることを特徴とするイオントラップ質量分析方法。
- 試料を導入する試料導入部と、導入した試料を成分単位に第1のイオン分離を行う試料分離部と、
分離した試料をイオン化するイオン化部と、
イオン化した試料の第1の衝突誘起解離を行ってイオントラップに導くイオンガイド部と、
導かれたイオンを閉じ込め、第2のイオン分離、第2の衝突誘起解離、及び質量分離を行うイオントラップと、
質量分離されたイオンを検出する検出部と、
を備えることを特徴とするイオントラップ質量分析装置。 - 試料を導入する試料導入部と、導入した試料を成分単位に第1のイオン分離を行う試料分離部と、
分離した試料をイオン化するイオン化部と、
イオン化した試料の第1の衝突解離を行ってイオントラップに導くイオンガイド部と、
導かれたイオンを閉じ込め、第2のイオン分離及び第2の衝突誘起解離を行うイオントラップと、
イオンを質量電荷比で分離する質量分離部と、
質量分離されたイオンを検出する検出部と、
を備えることを特徴とするイオントラップ質量分析装置。 - 請求項4または5記載のイオントラップ質量分析装置において、上記イオンガイド部は、電位勾配を有する複数の電極を有することを特徴とするイオントラップ質量分析装置。
- 請求項6記載のイオントラップ質量分析装置において、上記複数の電極は、第1の電圧が印加される第1のイオンガイド電極と、第1の電圧より小さい第2の電圧が印加される第2のイオンガイド電極と、第1のイオンガイド電極と第2のイオン電極との間に配置され、上記第1の電圧より大の第3電圧が印加される8スリット電極を有し、イオン化した試料は、第1のガイド電極からスリット電極及び第2の電極を通過されることを特徴とするイオントラップ質量分析装置。
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