JP5081436B2 - 質量分析装置及び質量分析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、質量分析計及びその動作方法に関する。
リニアトラップは内部でMS分析が可能であり、プロテオーム解析などに広く用いられている。従来、リニアトラップにトラップされたイオンの質量選択的イオン排出が、どのように行われていたのかについて以下説明を行う。
リニアトラップにおける質量選択的イオン排出の例として特許文献1が記載されている。軸方向から入射されたイオンをリニアトラップ内に蓄積した後、必要に応じてイオン選択やイオン解離を行なう。その後、対向する一対の四重極ロッド電極間に補助交流電界を印加し、特定イオンを径方向へ励起することができる。トラッピングRF電圧をスキャンすることにより質量選択的に径方向へとイオン排出される。径方向の四重極電界により形成される調和擬ホテンシャルを質量分離に用いており、質量分解能は高い。
また、リニアトラップにおける質量選択的イオン排出の例として特許文献2が記載されている。軸方向から入射されたイオンを蓄積した後、必要に応じてイオン選択やイオン解離を行なう。その後、対向する一対の四重極ロッド電極間に補助交流電圧を印加するなどして径方向にイオンを励起する。径方向に励起されたイオンは、四重極ロッド電極と出口側端電極との間に生じるFringing Fieldにより、軸方向へとイオン排出される。補助交流電圧の周波数または、トラッピングRF電圧の振幅値をスキャンする。径方向の四重極電界により形成される調和擬ホテンシャルを質量分離に用いており、質量分解能は高い。軸上付近ではRF電圧の影響は低く排出エネルギーは小さい。
また、リニアトラップにおける質量選択的イオン排出の例として特許文献3が記載されている。軸方向から入射されたイオン蓄積を行う。四重極ロッド電極間には、羽根電極が挿入されており、羽根電極と四重極ロッド電極間のDCバイアスによって、リニアトラップ軸上に調和ポテンシャルが形成される。その後、羽根電極間に補助交流電圧を印加することにより軸方向に質量選択的にイオン排出する。DCバイアスまたは補助交流電圧の周波数をスキャンする。軸上付近ではRF電圧の影響は低く排出エネルギーは小さい。
一方、四重極質量フィルターもよく知られている質量分析法であり、その操作の簡便性から広く用いられている。四重極質量フィルターの例として特許文献4が記載されている。四重極質量フィルターでは線形四重極高周波電場と線形四重極静電場をそれぞれ適当な強さで組み合わせて、特定の質量電荷比のイオンのみ選択的に通過できるようにしている。四重極フィルターでは一般的に四重極ロッド電極の軸方向の長さが長いほど分解能が向上する。これは四重極ロッド電極の軸方向の長さが長いほどイオンが四重極ポテンシャル中を運動する時間が長くなるためである。
四重極質量フィルターと特許文献2に記載されている方式のリニアトラップの併用について非特許文献1に記載されている。電極に印加する電圧を切り替えることで同一の質量分析部を四重極質量フィルターまたはリニアトラップとして動作させる。四重極質量フィルターとして動作させる場合には、線形四重極高周波電場と線形四重極静電場をそれぞれ適当な強さで組み合わせて特定の質量のイオンのみ選択的に通過できるようにしている。一方、特許文献2に記載されている方式のリニアトラップとして動作させる場合イオンを四重極ロッドの全領域にトラップさせてから、補助交流電圧を印加して質量選択的にイオンを排出する。特許文献2に記載されている方式のリニアトラップではイオンを四重極ロッドの一部のみにトラップすることはできず、必ず四重極ロッドの全領域にトラップされる。
米国特許5420425 米国特許6177668 米国特許5783824 米国特許2950389 Rapid Communication in Mass Spectrometry誌 第16巻 512ページ(2002年)
本発明の課題は、排出効率が高く、かつ排出されるイオンの空間的広がりが小さいリニアトラップとしての動作と、質量分解能が高い質量フィルターとしての動作を切り替えることができる質量分析装置を提供することである。上記の性能を満たす質量分析装置が実現できればDuty Cycleを向上することが可能である。
特許文献1〜3にはロッド部をイオントラップとして動作させる方法のみ記載されており四重極質量フィルター動作の記述はない。
特許文献4にはリニアトラップと四重極質量フィルターの併用については記載されていない。
非特許文献1の場合においてイオントラップ動作時にはイオンはFringing Fieldを用いて軸方向に排出される。Fringing Fieldは四重極ロッド電極の終端付近にのみ存在するので四重極ロッド電極の終端付近のイオンしか排出されない。そのためトラップの長さが長くなると排出効率が低下する。一方で四重極質量フィルター動作時には高分解能を得るために長いロッドが必要でありその両立が不可能であった。
本発明の質量分析装置及び方法においては、多重極ロッド電極の一端と他端との間に設けられた第2の電極を制御することにより、導入されたイオンを多重極ロッド電極の一部にトラップして排出する動作と、質量選択的に通過させる動作とを切替えることを特徴とする。ここで、第2の電極とは、多重極ロッド電極を第1の電極とした場合の、多重極ロッド電極の一端と他端との間に設けられた電極のことをいう。
導入されたイオンを多重極ロッド電極の一部にトラップして排出する動作の場合には、第2の電極の電圧制御により、導入されたイオンを、多重極ロッド電極の一方の端と第2の電極との間にトラップするか、または、第2の電極と出口側電極の電圧制御により、導入されたイオンを、出口側電極と第2の電極との間にトラップする。
そして、質量選択的に通過させる動作の場合には、第2の電極と多重極ロッド電極との間の電位差を無くすように制御する。また、多重極ロッド電極への電圧の高さを変化させることにより、検出部にて質量スペクトルを取得することができる。
さらに、本発明のイオントラップの操作方法では、多重極ロッド電極の一端と他端との間に設けられた第2の電極を用い、導入されたイオンを、多重極ロッド電極の一部にトラップして振動させ、振動した前記イオンを、第2の電極の電圧制御により、多重極ロッド電極の中心軸方向へ排出する工程と、導入されたイオンに対し、第2の電極と多重極ロッド電極との間の電位差を無くすように制御して、質量ごとにフィルタリングする工程との切替えを操作することを特徴とする。
本発明によれば、排出効率が高いリニアトラップとしての動作と、質量分解能が高い質量フィルターとしての動作を切り替えることができる質量分析装置が実現する。
(実施例1)
図1は、本方式の質量分析装置の構成図である。図1(A)は装置全体図、図1(B)は径方向装置断面図、図1(C)はリニアトラップ部の軸方向断面図である。また、図中1A,1B,1C,1Dは、矢印方向から見た場合の断面図であることを示す。エレクトロスプレーイオン源、大気圧化学イオン源、大気圧光イオン源、大気圧マトリックス支援レーザー脱離イオン源、マトリックス支援レーザー脱離イオン源などのイオン源1で生成されたイオンは細孔2を通過して差動排気部5に導入される。差動排気部はポンプ20で排気される。差動排気からイオンは細孔3を通過して分析部6へと導入される。分析部はポンプ21で排気され、10-4Torr以下(1.3×10-2Pa以下)に維持される。細孔17を通過したイオンは質量分析部7へと導入される。質量分析部は、リニアトラップ部を構成する電極の電圧を制御する制御部19を有する。質量分析部から排出されたイオンは出口側端電極12等により加速され、細孔18を通過し、検出器8により検出される。検出器としては、電子増倍管やシンチレーターと光電子増倍管との組み合わせたタイプのものなどが一般に用いられる。
はじめにリニアトラップとして動作させる場合について説明する。リニアトラップとして動作させる場合、質量分析部7はバッファーガスが導入され、10-4Torr〜10-2Torr(1.3×10-2Pa〜1.3Pa)に維持されている。導入されたイオンは、入口側端電極11、四重極ロッド電極10、前部羽根電極13、トラップ電極14に挟まれた領域にトラップされる。この領域にトラップされたイオンは後に述べる方法により、特定質量数のイオンが共鳴振動され、引出し電極15が形成する引出し電界により軸方向へと排出される。図1にこのときの排出されるイオンの軌道101を模式的に示した。トラップ電極14、引出し電極15はイオンの通過軌道近辺に位置するため、薄板状の電極を用いても良いし、ワイヤ状電極を使用しても良い。ワイヤ状の電極を用いた方がイオン透過率のロスが小さくなるが電極の形状の加工性は低くなる。正イオン測定の典型的な印加電圧について以下説明する。また、後部羽電極16が無くてもリニアトラップとしての動作は可能であるが、後部羽電極16を用いることでイオンをより効率よく排出することができる。
測定シーケンスを図2に示す。四重極ロッド電極10のオフセット電位には、前後の電極電圧により+−数10Vが印加されることもあるが、以下四重極ロッド電極10の各部電極の電圧を記述するときには、四重極ロッド電極10のオフセット電位を0としたときの値と定義する。四重極ロッド電極10に振幅100V〜5000V、周波数500kHz-2MHz程度の高周波電圧(トラップRF電圧)を印加する。このとき対向した四重極ロッド電極(図中(10a、10c)および(10b、10d):以下この定義に従う)は同位相のトラップRF電圧を印加し、一方、隣接した四重極ロッド電極(図中(10a、10b)、(10b、10c)、(10c、10d)および(10d、10a):以下この定義に従う)には逆位相のトラップRF電圧が印加される。
測定は3つのシーケンスで行われる。トラップ時間には、トラップRF電圧の振幅値を100〜1000V程度に設定する。他の電極への印加電圧の一例として、入口側端電極11を20V、前部羽根電極13を0V、トラップ電極14を20V、引出し電極15を20V、後部羽根電極16、後部端電極12を20V程度に設定する。四重極電界の径方向にはトラップRF電圧により擬ポテンシャルが、四重極電界の中心軸方向にはDCポテンシャルが形成されるため、細孔17を通過したイオンは、入口側端電極11、四重極ロッド電極10、前部羽根電極13、トラップ電極14に挟まれた領域100にほぼ100%トラップされる。トラップ時間の長さは1ms〜1000ms程度でリニアトラップへのイオン導入量に大きく依存する。トラップ時間が長すぎると、イオン量が増え、リニアトラップ内部でスペースチャージと呼ばれる現象が起きる。スペースチャージが起こると後述する質量スキャン時にスペクトル質量数の位置がシフトしてしまうなどの問題が生じる。逆に、イオン量が少なすぎると十分な統計誤差を生じ十分なS/Nの質量スペクトルを得ることができない。
次に質量スキャン時間には、トラップRF電圧振幅を低い方(100V-1000V)から高い方(500V-5000V)へとスキャンし、イオンを順次排出する。入口側端電極電圧を20V、後部羽根電極16、後部端電極12を−10Vから−40V程度に設定する。トラップ電極14には3V〜10V程度、引出し電極には−10Vから−40V程度が印加される。このときトラップ電極14の電圧値を高いほう(10-8V)から低いほう(3-4V)に掃引すると一回のスキャンでより広い質量範囲の質量スペクトルを得ることができる。前部羽根電極13は隣接した四重極ロッド電極10の間にそれぞれ挿入される。一対の対向した前部羽根電極13a、13cとの間に補助交流電圧(振幅0.01V〜1V、周波数10kHz - 500kHz)が印加される。この際、補助共鳴電界方向がトラップ電極方向と90°直交し、かつ引出し電極方向と同一方向に一致する方向を選択する(図中13a−13cの方向)。補助交流電圧の振幅値は固定しても良いが、スキャン中に補助交流電圧の振幅値を変動させることにより、より広い範囲で分解能の良いスペクトルを得ることができる。共鳴した特定質量のイオンは隣接する四重極ロッドの中間方向31の方向に強制振動する。軌道振幅が広がったイオンはトラップ電極14と引出し電極15の電位差(VT−VE)により生じる電場が生成する領域に達し、軸方向へと排出される。図1中にこのとき排出されるイオンの軌道101を模式的に示した。
トラップRF電圧振幅VRFと質量数m/zとの間には〔数1〕の関係がある。
Figure 0005081436
このときr0は、ロッド電極10と四重極中心との距離である。また、qejは、トラップRF電圧の角周波数Ωと補助交流電圧周波数ωの比から一義的に算出できる数値であり、この関係を図3に表示する。以上のようにVRFとm/zを関連付けることにより、質量スペクトルを得ることができる。1次の共鳴のみを考慮すれば、補助交流周波数の周波数が高いほど低質量、低いほど高質量のイオンに対応する。質量スキャン時間の長さは10msから200ms程度であり、検出したい質量範囲にほぼ比例する。最後に、排除時間ではすべての電圧を0にして、トラップ外へとすべてのイオンを排出する。また、上記3つのシーケンスを繰り返し行うことにより、S/Nの良い質量スペクトルを積算することもある。排除時間の長さは1ms程度である。なお、上述した3つのシーケンス以外にも各シーケンス間に数ms程度のイオンクーリング時間を設置して良い。イオンクーリング時間では次のシーケンスの開始条件と同じ値に設定しておくことによりイオンの初期状態を安定化することができる。
以上のようにして、得られた質量スペクトルを図4に示す。1ppmレセルピン/メタノール溶液をエレクトロスプレーイオン化でイオン化した。スキャン速度1000Th/s、補助交流電圧の周波数250 kHzで測定した。レセルピンの分子イオンの1Thずつ離れた同位体ピーク(609.3、610.3、611.3)が分離して検出可能である。半値幅約0.5 Thから質量分解能(M/△M)1200が得られた。また、DC電場により排出したイオン強度と比較した結果、このときのイオン排出効率は約50%であった。従来方式の軸方向排出リニアトラップの排出効率は10〜20%であり(非特許文献1)、本方式の排出効率は従来方式のものよりも高い。また、本方式では四重極ロッドの一部にイオンをトラップするためリニアトラップ動作時の排出効率は四重極ロッドの長さには依存しない。
次に四重極質量フィルターとして動作させる場合について説明する。質量分析部に到るまでの装置構成および質量分析部以降の装置構成については、リニアトラップとして動作させた場合と同様であり、省略する。
四重極質量フィルターとして動作させる場合、質量分析部7はバッファーガスを導入せず、10-5Torr〜10-4Torr(1.3×10-3Pa〜1.3×10-2Pa)に維持されている。図5(A)に四重極質量フィルターとして用いる場合の電圧印加の一例を示す。四重極ロッド電極10にはリニアトラップとして動作させる場合と同様にトラップRF電圧(振幅 100V〜5000V、周波数500kHz-2MHz)が印加される。トラップ電極14、引き出し電極15、前部羽根電極13、後部羽根電極16は0Vに設定し、出口側端電極12には5〜40V程度の電圧を印加する。他の電極への電圧印加の一例として入口側端電極11の電圧は0Vに設定する。導入されたイオンは四重極ロッド電極10の端と出口側端電極12との間のFringing Fieldにより質量選択的に排出される。このときトラップRF電圧振幅を低い方(100V-1000V)から高い方(500V-5000V)又は高い方(500V-5000V) から低い方(100V-1000V)にスキャンすることで質量スペクトルが得られる。またトラップRF電圧振幅を一定に保つことで特定のm/zのイオンのみを連続的に通過させることもできる。尚、四重極ロッド電極のオフセット電位が0でない場合には、トラップ電極14、引き出し電極15の電位は、このオフセット電位と等しくなるように制御する。
他に通常の四重極質量フィルターのように四重極ロッド電極10に直流電圧(10-1000V)、交流電圧(100-5000V)を印加するなどして四重極質量フィルター動作を行うことも可能である。四重極ロッド電極10に対向した四重極ロッド電極には同極性、隣接した四重極ロッド電極には逆極性の直流電圧を印加する(四重極静電圧)。このときの電圧印加の一例を図5(B)に示す。ここでトラップRF電圧と四重極静電圧は四重極質量フィルターを透過させたいm/z付近のイオンのみが四重極電界中で安定振動するように選ぶ。この場合も四重極ロッド電極10に印加する四重極静電圧(10-1000V)、トラップRF電圧(100-5000V)を一定の比率に維持して掃引することで質量スペクトルを得ることができる。またトラップRF電圧と四重極静電圧を一定に保つことで特定のm/zのイオンのみを連続的に通過させることもできる。図1中にこのとき質量フィルターを通過するイオンの軌道102を模式的に示す。
またガスバルブ等を設けリニアトラップ動作時にバッファーガス導入を行い、四重極質量フィルター動作時にはガスの導入を停止することにより四重極質量フィルター動作時の質量分解能やイオンの透過率を向上することができる。この操作は、制御部19が制御してもよい。
一般的に四重極質量フィルターの質量分解能は四重極ロッド10の長さが長いほど高くなる。本方式では四重極ロッドの一部にイオンをトラップするためリニアトラップ動作時の排出効率は四重極ロッドの長さに依存しない。そのため四重極ロッドの長さを十分長くとることが出来、四重極質量フィルター動作時の質量分解能が従来方式より大幅に向上する。
以上のようにして、得られた質量スペクトルを図6に示す。100 ppmのレセルピン/メタノール溶液をエレクトロスプレーイオン化した。スキャン速度は100 Th、トラップRF周波数は780kHzに設定した。質量数609.3、610.3, 611.3のイオンピークが確認できる。このうち質量数609.3のイオンピークから質量分解能(M/△M>1000)が得られた。
(実施例2)
図7は、本方式質量分析装置の構成図である。また、図7Aに断面図を記載した。質量分析部に到るまでの装置構成および質量分析部以降の装置構成については、実施例1と同様であり、省略する。
はじめにリニアトラップとして動作させる場合について説明する。リニアトラップとして動作させる場合、質量分析部7はバッファーガスが導入され、10-4Torr〜10-2Torr(1.3×10-2Pa〜1.3Pa)に維持されている。トラップ電極14は薄板状の電極を用いても良いし、ワイヤ状電極を使用しても良い。ワイヤ状の電極を用いた方がイオン透過率のロスが小さくなるが電極の形状の加工性は低くなる。
図8に実施例2の測定シークエンスを示す。測定は3つのシーケンスで行われる。トラップ時間には、四重極ロッド電極10にトラップRF電圧(振幅 100V〜5000V、周波数500kHz-2MHz)を印加する。他の電極への印加電圧の一例として入口側端電極11を5-20V、トラップ電極14を5-20V、出口側端電極12を10-50Vに設定する。四重極電界の径方向にはトラップRF電圧により擬ポテンシャルが、四重極電界の中心軸方向にはトラップ電極14と出口側端電極12の間にDCポテンシャルが形成される。このため実施例2では導入されたイオンはトラップ電極14四重極ロッド電極10出口側端電極12に囲まれた領域100にトラップされる。次に質量スキャン時間には、対向する一対の四重極ロッド電極間に補助交流電圧(振幅0.01V〜1V、周波数10kHz〜500kHz)を印加する。他の電極への印加電圧の一例として入口側端電極11を10-50V、トラップ電極14を10-50 V、出口側端電極12を5Vから30V程度に設定する。補助交流電圧によって径方向に励起されたイオンは四重極ロッド電極10の端と出口側端電極12の間のFringing Fieldによって軸方向に排出される。図7中にこのときの排出されるイオンの軌道101を模式的に示す。トラップRF電圧振幅を低い方(100V-1000V)から高い方(500V-5000V)へとスキャンすることで質量スペクトルを得ることができる。質量スキャン時間の長さは10msから200ms程度であり、検出したい質量範囲にほぼ比例する。最後に、排除時間ではすべての電圧を0にして、トラップ外へとすべてのイオンを排出する。排除時間の長さは1ms程度である。
次に四重極質量フィルターとして動作させる場合について説明する。質量分析部に到るまでの装置構成および質量分析部以降の装置構成については、リニアトラップとして動作させた場合と同様であり、省略する。四重極質量フィルターとして動作させる場合、質量分析部7はバッファーガスを導入せず、10-5Torr〜10-4Torr(1.3×10-3Pa〜1.3×10-2Pa)に維持されている。四重極質量フィルター動作時にはトラップ電極14を0Vに設定する。他の電極への電圧印加については実施例1と同様であり省略する。
実施例2は実施例1に比べ、電極数が減少しコストが低減できる利点がある。また羽根電極が四重極電界に与える影響を低減できるため、リニアトラップとして動作させたときの質量分解能が向上するが、四重極ロッド電極へ印加する電源は複雑になる。
(実施例3)
図9は、本方式質量分析装置の構成図である。また、図9Aに断面図を記載した。質量分析部に到るまでの装置構成および質量分析部以降の装置構成については、実施例1と同様であり、省略する。
はじめにリニアトラップとして動作させる場合について説明する。リニアトラップとして動作させる場合、質量分析部7はバッファーガスが導入され、10-4Torr〜10-2Torr(1.3×10-2Pa〜1.3Pa)に維持されている。トラップ電極14は薄板状の電極を用いても良いし、ワイヤ状電極を使用しても良い。ワイヤ状の電極を用いた方がイオン透過率のロスが小さくなるが電極の形状の加工性は低くなる。実施例3の測定シークエンスは補助交流電圧が四重極ロッド電極10ではなく羽根電極13に印加される点を除けば実施例2の測定シークエンスと同様である。測定は3つのシーケンスで行われる。
トラップ時間には、四重極ロッド電極10にトラップRF電圧(振幅 100V〜5000V、周波数500kHz-2MHz)を印加する。他の電極への印加電圧の一例として入口側端電極11を5-20V、トラップ電極14を5-20V、出口側端電極12を10-50Vに設定する。四重極電界の径方向にはトラップRF電圧により擬ポテンシャルが、四重極電界の中心軸方向にはトラップ電極14と出口側端電極12の間にDCポテンシャルが形成される。このため実施例2では導入されたイオンはトラップ電極14四重極ロッド電極10出口側端電極12に囲まれた領域100にトラップされる。
次に質量スキャン時間には、羽電極13(a, c)間に補助交流電圧(振幅0.01V〜1V、周波数10kHz〜500kHz)を印加する。他の電極への印加電圧の一例として入口側端電極11を10-50V、トラップ電極14を10-50 V、出口側端電極12を5Vから30V程度に設定する。補助交流電圧によって径方向に励起されたイオンは四重極ロッド電極10の端と出口側端電極12の間のFringing Fieldによって軸方向に排出される。図9中にこのとき排出されるイオンの軌道101を模式的に示す。トラップRF電圧振幅を低い方(100V-1000V)から高い方(500V-5000V)へとスキャンすることで質量スペクトルを得ることができる。質量スキャン時間の長さは10msから200ms程度であり、検出したい質量範囲にほぼ比例する。
最後に、排除時間ではすべての電圧を0にして、トラップ外へとすべてのイオンを排出する。排除時間の長さは1ms程度である。
次に四重極質量フィルターとして動作させる場合について説明する。質量分析部に到るまでの装置構成および質量分析部以降の装置構成については、リニアトラップとして動作させた場合と同様であり、省略する。四重極質量フィルターとして動作させる場合、質量分析部7はバッファーガスを導入せず、10-5Torr〜10-4Torr(1.3×10-3Pa〜1.3×10-2Pa)に維持されている。四重極質量フィルター動作時にはトラップ電極14を0Vに設定する。他の電極への電圧印加については実施例1と同様であり省略する。
実施例3は実施例1に比べ、電極数が減少しコストが低減できる利点がある。実施例2に比べて四重極ロッド電極へ印加する電源は単純になるが質量分解能は低下する。
(実施例4)
図10(a)は、本方式を実施した質量分析装置の構成図である。また、図10(b)に断面図を記載した。また図10(c)に羽根電極50への電圧印加の様子を示した。質量分析部に到るまでの装置構成および質量分析部以降の装置構成については、実施例1と同様であり、省略する。
リニアトラップとして動作させる場合について説明する。リニアトラップとして動作させる場合、質量分析部7はバッファーガスが導入され、10-4Torr〜10-2Torr(1.3×10-2Pa〜1.3Pa)に維持されている。
図11に実施例4の測定シークエンスを示す。測定は3つのシーケンスで行われる。
トラップ時間には、四重極ロッド電極10にトラップRF電圧(振幅 100V〜5000V、周波数500kHz-2MHz)を印加する。また羽根電極50に10-100Vの直流電圧を印加する。他の電極への印加電圧の一例として入口側端電極11を5-20V、出口側端端電極12を10-100Vに設定する。四重極電界の径方向にはトラップRF電圧により擬ポテンシャルが、四重極電界の中心軸方向には羽根電極50と四重極ロッド電極10間のDCバイアスによって調和擬ポテンシャルが形成される。このため実施例4では導入されたイオンは羽根電極50、四重極ロッド電極10に囲まれた領域100にトラップされる。
次に質量スキャン時間には、羽根電極50に直流電圧(20-300V)に加えて補助交流電圧(振幅0.01V〜1V、周波数10kHz〜500kHz)を印加する。補助交流電圧の位相は径方向に隣接及び対向する羽根電極間(図中(50a, 50b, 50c, 50d)及び(50e, 50f, 50g, 50h))では同位相、軸方向で対向する羽根電極間(図中(50a, 50e)、(50b, 50f)、(50c, 50g)及び(50d, 50h))で逆位相になるようにする。他の電極への電圧印加の一例として出口側端電極12を0Vから10V程度、入口側端電極を10Vから100V程度に設定する。補助交流電圧によって質量選択的に励起されたイオンは軸方向に排出される。図10中にこのとき排出されるイオンの軌道101を模式的に示す。補助交流電圧の周波数を高い方(300-500kHz)から低い方(10-50kHz)に又は低いほうから高いほうにスキャンすることで質量スペクトルを得ることができる。質量スキャン時間の長さは10msから200ms程度であり、検出したい質量範囲にほぼ比例する。
最後に、排除時間ではすべての電圧を0にして、トラップ外へとすべてのイオンを排出する。排除時間の長さは1ms程度である。
次に四重極質量フィルターとして動作させる場合について説明する。質量分析部に到るまでの装置構成および質量分析部以降の装置構成については、リニアトラップとして動作させた場合と同様であり、省略する。四重極質量フィルターとして動作させる場合、質量分析部7はバッファーガスを導入せず、10-5Torr〜10-4Torr(1.3×10-3Pa〜1.3×10-2Pa)に維持されている。四重極質量フィルター動作時には羽根電極50を0Vに設定する。他の電極への電圧印加については実施例1と同様であり省略する。
実施例4は実施例1、2、3に比べ、リニアトラップとして動作させた場合、トラップRF電圧に無関係にイオンの排出を行うことができるのでイオン分子反応や、MS/MS解析を行う上で有利である。またイオンを励起する方向とイオンが排出される方向が一致しているので高い排出効率を得ることができる。一方、電極の形状は実施例1,2に比べて複雑になる。また軸方向のトラップポテンシャルが静電調和ポテンシャルであるため実施例1,2に比べてイオンの軸方向の空間分布が狭く、スペースチャージを起こし易い。
(実施例5)
図12は、本方式を実施した質量分析装置の構成図である。また、図12Aに断面図を記載した。質量分析部に到るまでの装置構成および質量分析部以降の装置構成については、実施例1と同様であり、省略する。
はじめにリニアトラップとして動作させる場合について説明する。リニアトラップとして動作させる場合、質量分析部7はバッファーガスが導入され、10-4Torr〜10-2Torr(1.3×10-2Pa〜1.3Pa)に維持されている。トラップ電極14は薄板状の電極を用いても良いし、ワイヤ状電極を使用しても良い。ワイヤ状の電極を用いた方がイオン透過率のロスが小さくなるが電極の形状の加工性は低くなる。
図13に実施例5の測定シークエンスを示す。測定は3つのシーケンスで行われる。
トラップ時間には、四重極ロッド電極10にトラップRF電圧(振幅 100V〜5000V、周波数500kHz-2MHz)を印加する。他の電極への印加電圧の一例としてトラップ電極14を5-20V、出口側端電極12を10-50Vに設定する。四重極電界の径方向にはトラップRF電圧により擬ポテンシャルが、四重極電界の中心軸方向にはトラップ電極14と出口側端電極12の間にDCポテンシャルが形成される。このため実施例5では導入されたイオンはトラップ電極14、四重極ロッド電極10出口側端電極12に囲まれた領域100にトラップされる。
次に質量スキャン時間には、対向する一対の四重極ロッド電極間に補助交流電圧(振幅5V〜100V、周波数10kHz〜500kHz)を印加する。他の電極への印加電圧の一例としてトラップ電極14を10-50 V、出口側端電極12を10-50V程度に設定する。補助交流電圧によって径方向に励起されたイオンは四重極ロッド電極10に空けられたスロット60を通って径方向に排出される。図12中にこのとき排出されるイオンの軌道101を模式的に示す。トラップRF電圧振幅を低い方(100V-1000V)から高い方(500V-5000V)へとスキャンすることで質量スペクトルを得ることができる。質量スキャン時間の長さは10msから200ms程度であり、検出したい質量範囲にほぼ比例する。最後に、排除時間ではすべての電圧を0にして、トラップ外へとすべてのイオンを排出する。排除時間の長さは1ms程度である。
次に四重極質量フィルターとして動作させる場合について説明する。質量分析部に到るまでの装置構成および質量分析部以降の装置構成については、リニアトラップとして動作させた場合と同様であり、省略する。四重極質量フィルターとして動作させる場合、質量分析部7はバッファーガスを導入せず、10-5Torr〜10-4Torr(1.3×10-3Pa〜1.3×10-2Pa)に維持されている。四重極質量フィルター動作時にはトラップ電極14を0Vに設定する。他の電極への電圧印加については実施例1と同様であり省略する。
実施例5は実施例1、4に比べ、電極数が減少しコストが低減できる利点がある。また径方向にイオンを共鳴励起してそのまま径方向に排出するためイオンの排出速度が速い。しかし、イオンを共鳴排出する時に四重極ロッドに印加するkVオーダーの電圧が印加されるため、排出エネルギーの広がりは数100eV以上になる。また四重極ロッド電極へ印加する電源が複雑になるという問題もある。
(実施例6)
図14は、本方式を実施した質量分析装置の構成図である。イオン源から質量分析部7に到るまでの過程および質量分析部7から質量選択的にイオンを排出する過程においては実施例1と同様であり省略する。
実施例6では質量分析部7から質量選択的に排出されたイオンを衝突解離部74に導入する。このとき質量分析部7はリニアトラップとして動作させても良いし四重極質量フィルターとして動作させてもよい。MS/MS解析を行う場合には四重極質量フィルターとして動作させて特定のイオンを連続的に通過させるとイオンの利用効率が高くなる。
衝突解離部74は、入口側端電極71、多重極ロッド電極75、出口側端電極73より形成され、内部は1mTorr〜30mTorr(0.13Pa〜4Pa)程度の窒素、Arなどが導入されている。細孔70から導入されたイオンは衝突解離部で解離する。この際、四重極ロッド電極10 のオフセット電位と多重極ロッド電極75のオフセット電位との電位差を20V〜100V程度に設定することにより効率的に衝突解離を進行することができる。
解離生成したフラグメントイオンは、細孔72、細孔80と通過し、飛行時間型質量分析部85へと導入される。飛行時間型質量分析部はポンプ22により排気され、10-6Torr以下(1.3×10-4Pa以下)に維持される。
なお、実施例中では、4本のロッド状電極よりなる衝突解離室を例示しているが、ロッド電極の本数は6本、8本、10本またはそれ以上でも良いし、レンズ状電極を多数配置し、各々に位相の異なるRF電圧を印加した構成であっても良い。いずれにしても、衝突解離部として使用可能な構成であれば同様に本発明は適用できる。
飛行時間型質量分析部へ導入されたイオンは押しだし加速電極81により定期的に直交方向に加速され、引出し加速電極82により加速された後、リフレクトロン電極83により反射され、MCP(マイクロチャンネルプレート)等よりなる検出器84で検出される。押しだし加速から検出までの時間により質量数が、信号強度によりイオン強度が分かるため、フラグメントイオンに関する質量スペクトルを得ることができる。このフラグメントイオンは、リニアトラップから排出された特定m/zのプリカーサーイオンに対するフラグメントイオンであるから、リニアトラップで排出されたイオンの質量を1次側、飛行時間型質量分析部で検出されたイオンの質量を2次側、信号強度を3次元側として、3次元的な質量スペクトルを得ることができる。このような情報からプリカーサーイオンスキャンやニュートラルロススキャンで得られる情報も得ることが可能である。
この衝突解離以外にも、この部分に磁場を印加して、電子を入射すれば電子捕獲解離が可能であるし、レーザー光を入射することによる光解離なども可能である。
実施例1から5に共通するが、出口側もしくは入口側端電極としてメッシュ状の電極を用いて良いし、トラップ電極、引出し電極にはワイヤ状以外の形状の電極(薄板状)を用いることも可能である。また、実施例ではロッド電極を四重極として記載しているが、多重極であればよい。さらに、質量スキャンの方式として、トラップRF電圧周波数およびその振幅、補助共鳴電圧周波数、電圧振幅の複数を同時に変化させても良い。
本方式の実施例1。 実施例1のリニアトラップ動作時の測定シーケンス。 本方式の効果の説明図。 本方式の効果の説明図。 本方式の四重極質量フィルター動作時の測定シーケンス。 本方式の効果の説明図。 本方式の実施例2。 本方式の実施例2のリニアトラップ動作時の測定シークエンス。 本方式の実施例3。 本方式の実施例4。 実施例4のリニアトラップ動作時の測定シークエンス。 本方式の実施例5。 実施例5のリニアトラップ動作時の測定シークエンス。 本方式の実施例6。
符号の説明
1…イオン源、2…細孔、3…四重極ロッド電極、5…差動排気部、6…分析部、7…リニアトラップ部、8…検出器、10…四重極ロッド電極、11…入口側端電極、12…出口側端電極、13…前部羽根電極、14…トラップ電極、15…引出し電極、16…後部羽根電極、17…細孔、18…細孔、19…電圧制御部、30…補助交流電源、31…振動励起方向、50…羽根電極、 51…直流電源、 60…スロット、 70…細孔、 71…入口側端電極、72…細孔、73…出口側端電極、74…衝突解離部、75…多重極ロッド電極、80…細孔、81…押出し加速電極、82…引出し加速電極、83…リフレクトロン、84…検出器、100…イオンのトラップされる領域、101…排出されるイオンの軌道、102…質量フィルター動作時にフィルターを通過するイオンの軌道。

Claims (18)

  1. イオン化されたイオンが導入される入口側電極、出口側電極、多重極ロッド電極を備えたイオントラップと、
    前記多重極ロッド電極の一端と他端との間に設けられ、前記導入されたイオンを制御する第2の電極と、
    前記電極にかける電圧を制御する制御部と、
    前記イオントラップから排出されたイオンを検出する検出器又は質量分析計とを備え、
    前記制御部は、前記第2の電極の電圧を制御することにより、導入されたイオンを前記多重極ロッド電極の一部にトラップして、前記トラップされたイオンのうちある質量範囲のイオンのみを前記検出器又は前記質量分析計の方向に質量選択的に排出し、前記イオンのうち排出されなかった質量のイオンはトラップされた状態に保持する動作と、質量フィルタ動作とを切替えることを特徴とする質量分析装置。
  2. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記制御部は、前記第2の電極の電圧制御により、導入されたイオンを、前記多重極ロッド電極の一方の端と前記第2の電極との間にトラップすることを特徴とする質量分析装置。
  3. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記制御部は、前記第2の電極と前記出口側電極の電圧制御により、導入されたイオンを、前記出口側電極と前記第2の電極との間にトラップすることを特徴とする質量分析装置。
  4. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記制御部は、前記第2の電極と前記多重極ロッド電極との間の電位差をなくすように制御して、導入されたイオンを質量選択的に通過させることを特徴とする質量分析装置。
  5. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記制御部は、前記多重極ロッド電極への電圧の高さを変化させることにより、前記検出部にて質量スペクトルを取得することを特徴とする質量分析装置。
  6. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記第2の電極は、前記多重極ロッドの隣合うロッド間に径方向に向けて設けられ、薄板状又はワイヤ状であることを特徴とする質量分析装置。
  7. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記多重極ロッド電極の一端と前記第2の電極の間又は前記多重極ロッド電極の他端と前記第2の電極の間の少なくともいずれか一方に位置し、前記重極ロッド電極の隣り合うロッド間に設けられた羽電極を有し、前記制御部は、前記羽電極へ補助交流電圧を印加することを特徴とする質量分析装置。
  8. 請求項7に記載の質量分析装置において、前記制御部は、前記羽電極への電圧制御により、導入されたイオンを、前記羽電極と前記多重極ロッド電極に囲まれた部分にトラップすることを特徴とする質量分析装置。
  9. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記イオントラップと前記質量分析計との間に、前記イオントラップから排出されたイオンを解離させる解離部を有することを特徴とする質量分析装置。
  10. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記制御部は、前記イオントラップに導入するガスを制御するものであって、導入されたイオンを前記多重極ロッド電極の一部にトラップする動作の場合にはガス導入を行い、質量選択的に通過させる動作の場合にはガス導入を行わないよう制御することを特徴とする質量分析装置。
  11. イオン源で生成されたイオンを導入し、導入された前記イオンを高周波電圧を印加した多重極ロッド電極を有するイオントラップ中で、前記多重極ロッド電極の一端と他端との間に設けられた第2の電極を用いて制御する質量分析方法であって、
    1)導入されたイオンを、前記多重極ロッド電極の一部にトラップして振動させ、振動した前記イオンを、前記第2の電極の電圧制御により、前記トラップされたイオンのうちある質量範囲のイオンのみを前記検出器又は前記質量分析計の方向に質量選択的に排出し、前記イオンのうち排出されなかった質量のイオンはトラップされた状態に保持する工程と、
    2)導入されたイオンを、質量ごとにフィルタリングする工程とを切り替え制御する工程と、
    前記排出又はフィルタリングされたイオンを分析部において分析する工程と
    を有することを特徴とする質量分析方法。
  12. 請求項11に記載の質量分析方法において、前記1)の工程において、前記多重極ロッド電極の間に挿入された羽電極へ交流電圧を印加し、前記イオントラップに導入されたイオンの一部を振動させることを特徴とする質量分析方法。
  13. 請求項11に記載の質量分析方法において、前記1)の工程において、前記多重極ロッド電極へ交流電圧を印加することにより、前記イオントラップに導入されたイオンの一部を振動させることを特徴とする質量分析方法。
  14. 請求項11に記載の質量分析方法において、前記2)の工程において、前記多重極ロッド電極と前記第2の電極との電位差をなくすように制御して、導入されたイオンを質量選択的に通過させることを特徴とする質量分析方法。
  15. 請求項11に記載の質量分析方法において、前記2)の工程において、前記多重極ロッド電極の電圧の高さを変化させ、質量スペクトルを取得することを特徴とする質量分析方法。
  16. 請求項11に記載の質量分析方法において、前記分析する工程は、排出又はフィルタリングされたイオンを解離する工程と、解離したイオンを質量分離して検出する工程とを有することを特徴とする質量分析方法。
  17. 請求項11に記載の質量分析方法において、前記工程1)の場合には前記イオントラップへバッファーガスを導入し、前記工程2)の場合には前記イオントラップへバッファーガスを導入しないことを特徴とする質量分析方法。
  18. イオン源で生成されたイオンを導入し、導入された前記イオンを高周波電圧を印加した多重極ロッド電極を有するイオントラップ中で前記多重極ロッド電極の一端と他端との間に設けられた第2の電極を用いて制御するイオントラップの操作方法であって、
    1)導入されたイオンを、前記多重極ロッド電極の一部にトラップして振動させ、振動した前記イオンを、前記第2の電極の電圧制御により、前記トラップされたイオンのうちある質量範囲のイオンのみを前記検出器又は前記質量分析計の方向に質量選択的に排出し、前記イオンのうち排出されなかった質量のイオンはトラップされた状態に保持する工程と、
    2)導入されたイオンに対し、前記第2の電極と前記多重極ロッド電極との間の電位差を無くすように制御して、質量ごとにフィルタリングする工程との切替えを操作することを特徴とするイオントラップの操作方法。
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