JP2004331709A - ポリスチレン系樹脂、その製造方法、及びこれを含有する難燃性樹脂組成物 - Google Patents

ポリスチレン系樹脂、その製造方法、及びこれを含有する難燃性樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】難燃性能に優れたポリスチレン系樹脂及びこれを配合した難燃性・機械物性に優れた難燃性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するポリスチレン系樹脂。
【化1】
Figure 2004331709

(式中、Arは置換基を有しても良いフェニレン基、Arは置換基を有しても良いフェニル基を表す。また、mは2以上の整数を表す。)
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、難燃性に優れた新規なポリスチレン系樹脂およびこのものを含有する難燃性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリスチレン(PS)は、我々の生活の中で使用量の多い樹脂の一つであり、使用用途によっては、防火上の理由により難燃化された樹脂の使用が求められている。
【0003】
従来、PSの難燃化方法としては、主に難燃剤を添加することによって行われており、難燃剤としては、ハロゲン系化合物、リン系化合物、窒素系化合物、金属水和物などが用いられている。これら難燃剤の中でハロゲン系化合物は、難燃効果、樹脂物性、価格の面で他より優れていることから、これまで広く用いられてきたが、近年、環境保全の観点からハロゲンを含まない難燃剤の使用が増えてきている。また、ハロゲンを含まない他の難燃剤の性能は、総じてハロゲン系難燃剤に比べて難燃効果が低いことから、十分な難燃性を得るためには添加量を増やさなければならない(非特許文献1〜2)。
しかしながら、添加量の増加は、樹脂の物性に多大な影響を与えることから、より難燃効果の高い非ハロゲン系難燃剤の開発が求められていた。
【0004】
【非特許文献1】「最新 難燃剤・難燃化技術」技術情報協会、pp168−184(1999)
【非特許文献2】「難燃材料活用便覧」 テクノネット社、pp271−281(2002)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一方、PSは、元来、燃焼性の高い樹脂であるため、難燃剤のみで高い難燃性能を発現させることは極めて困難なことである。従って、難燃剤の働きをより効果的に発現させるためには、PS自体の燃焼性を化学構造の面から改良することによって抑制することが最も有効な手段である。
そこで本発明の目的は、PSに難燃作用が期待される化学構造を導入し、難燃性能に優れたポリスチレン系樹脂及びこれを配合した難燃性樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、Ar−OCOO−基がスチレンのフェニル基に導入された繰り返し単位を有するポリスチレン系樹脂が優れた難燃性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1) 下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するポリスチレン系樹脂。
【化2】
Figure 2004331709
(式中、Arは置換基を有しても良いフェニレン基、Arは置換基を有しても良いフェニル基を表す。また、mは2以上の整数を表す。)
(2) ポリ(ヒドロキシスチレン)と炭酸ジアリールを、塩基性触媒の存在下で、溶融エステル交換反応させることを特徴とする上記(1)に記載のポリスチレン系樹脂の製造方法。
(3) ポリ(ヒドロキシスチレン)とクロロギ酸アリールエステルを、アミンの存在下で、反応させることを特徴とする上記(1)に記載のポリスチレン系難燃性樹脂の製造方法。
(4) 上記(1)に記載のポリスチレン系樹脂の1種類又は2種類以上を含むことを特徴とする難燃性樹脂組成物。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
本発明の難燃性ポリスチレン系樹脂は、上記一般式(1)で示されるポリスチレン系樹脂を含むことを特徴としている。
【0010】
ここで、一般式(1)中のArは、置換基を有していても良いフェニレン基、Arは、置換基を有していても良いフェニル基である。この場合、置換基は特に制限はないが、これを例示すれば、炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、アルコキシル基、アミノ基、アミド基、アリール基、アシル基、ビニル基、アリル基、ヒドロキシ基、エステル基又はカルボキシル基等が挙げられる。また、その置換基の数および位置は特に限定されない。
【0011】
本発明のポリスチレン系難燃性樹脂の数平均分子量(Mn)および分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は、その数に特に限定はないが、好ましくは1000≦Mn≦100000、1.0≦Mw/Mn≦10である。また、主鎖のポリスチレン構造の立体構造は、非立体規則性、アイソ規則性、シンジオ規則性などいずれでもよく、特に限定されない。
【0012】
また、本発明のポリスチレン系樹脂は、少なくとも前記一般式(1)で示される繰り返し単位を含むものであるが、この場合、上記記載した範囲内で、同一の繰り返し単位を含むものでも、異なる繰り返し単位を含むものであってもよいし、また、Ar又はArが異なる2種以上のポリマー樹脂が混合されたものであってもよい。
【0013】
更に、本発明のポリスチレン系樹脂には、前記一般式(1)で示される繰り返し単位に加え、本発明の目的を阻害しない範囲で、下記一般式(2)から(4)で示される繰り返し単位を1種類または2種類以上を分子中に含むことができる。
【0014】
【化3】
Figure 2004331709
(式中、Xは置換基を表す。)
【0015】
Xは、1価の置換基であり、その種類には特に制限はないが、これを例示すれば、水素原子、炭素数1から10のアルキル基、フェニル基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、エーテル基、カルボキシル基、エステル基、アシル基、アミノ基、ニトリル基、アミド基、ビニル基等が挙げられる。
【0016】
【化4】
Figure 2004331709
(式中、Xは置換基を表す。)
【0017】
Xは、1価の置換基であり、その種類には特に制限はないが、これを例示すれば、炭素数1から10のアルキル基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、エーテル基、カルボキシル基、エステル基、アシル基、アミノ基、ニトリル基、アミド基、ビニル基等が挙げられる。
【0018】
【化5】
Figure 2004331709
(式中、Yは水素原子またはメチル基を表す。)
【0019】
本発明の新規なポリスチレン系樹脂は種々の方法によって合成することができる。
代表的な製造方法としては、(1)ポリ(ヒドロキシスチレン)と炭酸ジアリールを、塩基性触媒存在下で、溶融エステル交換反応させる方法、(2)ポリ(ヒドロキシスチレン)を、アミン存在下で、クロロギ酸アリールエステルと反応させる方法などを挙げることができる。
【0020】
まず、上記(1)の製造方法について説明する。
原料として用いるポリ(ヒドロキシスチレン)としては、ポリ(4−ビニルフェノール)、ポリ(3−ビニルフェノール)、ポリ(2−ビニルフェノール)などが挙げられる。他方の原料として用いる炭酸ジアリールとしては、炭酸ジフェニルなどが挙げられる。
【0021】
塩基性触媒としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、酸化亜鉛などの塩基性金属化合物、金属炭酸塩、金属酢酸塩、金属水素化物、第四級アンモニウム塩、ホスホニウム塩、4−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられる。
塩基性触媒の使用量は、特に限定されないが、ポリ(ヒドロキシスチレン)に対して、0.05〜0.1当量用いられる。
【0022】
炭酸ジアリールの使用量は、特に限定されるものではないが、溶剤的な働きを考慮してポリ(ヒドロキシスチレン)に対して、50〜100重量倍量用いることが好ましい。
【0023】
反応は、特に限定はないが窒素、アルゴン、ヘリウムなど不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。反応温度としては、特に限定はないが150〜250℃の範囲で実施されるのが好ましい。反応時間は、反応温度によるが、通常1〜24時間の範囲で実施され、好ましくは5〜10時間の範囲である。
【0024】
次に、上記(2)の製造方法について説明する。
原料として用いるポリ(ヒドロキシスチレン)としては、ポリ(4−ビニルフェノール)、ポリ(3−ビニルフェノール)、ポリ(2−ビニルフェノール)などが挙げられる。他方の原料として用いるクロロギ酸アリールエステルとしては、クロロギ酸フェニルエステル、ブロモギ酸フェニルエステルなどが挙げられる。クロロギ酸アリールエステルの使用量としては、ポリ(ヒドロキシスチレン)の水酸基に対して、1.0〜1.5当量用いることが好ましい。
【0025】
反応促進剤としては用いるアミンは特に制限はないが、トリエチルアミン、ジエチルアニリン、ピリジン、ジメチルアニリン、キノリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンなどが挙げられる。アミンの使用量としては、特に限定されないが好ましくは、クロロギ酸アリールエステルに対して、通常1〜1.3当量用いられる。
【0026】
反応に使用する溶剤としては、反応に不活性であればあらゆるものが適用可能であり、ジクロロメタン、ジブロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
溶剤の使用量としては、特に限定されるものではないが、反応原料の総重量に対して2〜50重量倍量の範囲が好ましい。
【0027】
反応は、特に限定はないが窒素、アルゴン、ヘリウムなど不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。反応温度としては、特に制限はないが0〜30℃の範囲で実施されるのが好ましい。反応時間としては、反応温度により左右され一概には言えないが、通常1〜24時間の範囲で実施され、好ましくは3から12時間の範囲である。
【0028】
本発明に係る上記ポリスチレン系樹脂は、ポリスチレンの有する性能を低下させることなく高度な難燃性が付与された樹脂である。したがって、このポリスチレン系樹脂を1種類又は2種類以上含有させた難燃性樹脂組成物は、高い難燃性を示すと共に良好な機械物性を与える。
【0029】
また、本発明のポリスチレン系樹脂を含有させた難燃性樹脂組成物は、その目的を阻害しない範囲で、その他の樹脂や難燃剤、難燃助剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、無機充填剤等の添加剤を含んでいてもよい。
【0030】
その他の樹脂としては、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂や、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−ビニルアセテート共重合体、石油樹脂、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、発砲ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体(以下ABSと略す)、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
さらに、熱可塑性樹脂を2種以上混合したポリカーボネート−ABS、ポリフェニレンエーテル−ポリスチレン等に代表されるポリマーアロイ等も例示できる。また、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−ビニルアセテート共重合体、石油樹脂、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、発砲ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ABS、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル等の熱可塑性樹脂や熱可塑性樹脂を2種以上混合したポリカーボネート−ABS、ポリフェニレンエーテル−ポリスチレン等に代表されるポリマーアロイも好適な樹脂として例示される。
【0031】
難燃剤としては、例えば、リン系化合物、臭素含有化合物、有機スルホン酸金属塩、有機ケイ素化合物、金属水和物等が、難燃助剤としては、三酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダ、テフロン(登録商標)、ポリエーテルイミド、ホウ酸亜鉛、メラミンシアヌレート等が、酸化防止剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系等の紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系、亜リン酸エステル系、リン酸エステル系、アミン系等が、光安定剤、帯電防止剤としては、ヒンダードアミン系等が、無機充填剤としては、タルクやグラスファイバー等が挙げられる。
【0032】
上記難燃性樹脂組成物に対するその他の樹脂の配合量は、配合する樹脂の種類や目的とする難燃性能により異なり、特に限定されるものではないが、ポリスチレン系樹脂100重量部に対して1〜100重量部配合することが好ましく、さらに難燃性樹脂組成物としての効果をより発揮させるために2〜100重量部配合することが好ましい。
【0033】
難燃性樹脂に対するその他の樹脂の配合方法としては、熱硬化性樹脂に配合する場合には、例えば、あらかじめポリスチレン系難燃性樹脂を樹脂原料に分散させた後硬化させればよく、熱可塑性樹脂に配合する場合には、例えば、必要な配合試剤を混合し、二軸押出機等を用いてペレット化してもよい。これらの方法で得られた難燃性樹脂組成物の加工方法は、特に限定されるものではなく、例えば押出成型、射出成型等を行い、目的とする成型品を得ることもできる。
【0034】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0035】
実施例1
冷却管を備えた200ミリリットルのガラスフラスコに攪拌子を入れ、ポリ(4−ビニルフェノール)(アルドリッチ社製、重量平均分子量:約8000)を0.2グラム、炭酸ジフェニルを18グラム、4−ジメチルアミノピリジンを10ミリグラムそれぞれ導入した。容器内を窒素で置換した後、180℃のオイルバスに入れることにより反応を開始した。10時間後、内容物を多量のメタノールに投入することにより反応を停止し、ポリマーを再沈させた。ポリマーは、ろ過により回収し、メタノールで数回洗浄した。収量:165ミリグラム。得られたポリマーを塩化メチレンで分別したところ、可溶なポリマー:128ミリグラムと不溶なポリマー:37ミリグラムであった。塩化メチレンに可溶なポリマーの重量平均分子量(Mw)および分子量分散度(Mw/Mn)は、それぞれ22500および2.1であった。
【0036】
得られた塩化メチレンに可溶なポリマーについて、核磁気共鳴スペクトルを測定した結果を以下に示す。
【0037】
核磁気共鳴スペクトル(CDClH, 単位はppm):δ1.2〜1.5(b、2H)、1.5〜2.0(b、1H)、6.2〜6.7(b、2H)、6.7〜7.2(b、2H)、7.3(b、3H)、7.4(b、4H)
【0038】
核磁気共鳴スペクトル(CDCl13C, 単位はppm):δ40、42〜46、120.4、120.8、126、128.2,129,8,149、151、152
【0039】
実施例2
冷却管を備えた200ミリリットルのガラスフラスコに攪拌子を入れ、ポリ(4−ビニルフェノール)(アルドリッチ社製、重量平均分子量:約8000)を0.2グラム、炭酸ジフェニルを18グラム、4−メチルピリジンを10ミリグラムそれぞれ導入した。容器内を窒素で置換した後、210℃のオイルバスに入れることにより反応を開始した。5時間後、内容物を多量のメタノールに投入することにより反応を停止し、ポリマーを再沈させた。ポリマーは、ろ過により回収し、メタノールで数回洗浄した。収量:199ミリグラム。得られたポリマーを塩化メチレンで分別したところ、可溶なポリマー:137ミリグラムと不溶なポリマー:62ミリグラムであった。塩化メチレンに可溶なポリマーの重量平均分子量(Mw)および分子量分散度(Mw/Mn)は、それぞれ23200および2.1であった。
【0040】
得られた塩化メチレンに可溶なポリマーについて、核磁気共鳴スペクトルを測定した結果を以下に示す。
【0041】
核磁気共鳴スペクトル(CDClH, 単位はppm):δ1.2〜1.5(b、2H)、1.5〜2.0(b、1H)、6.2〜6.7(b、2H)、6.7〜7.2(b、2H)、7.3(b、3H)、7.4(b、4H)
【0042】
核磁気共鳴スペクトル(CDCl13C, 単位はppm):δ40、42〜46、120.4、120.8、126、128.2,129,8,149、151、152
【0043】
実施例3
100ミリリットルのガラスフラスコに攪拌子を入れ、ポリ(4−ビニルフェノール)(アルドリッチ社製、重量平均分子量:約8000)を1.0グラム導入した後、容器内を窒素で置換した。そこに脱水したテトラヒドロフランとトリエチルアミンを30ミリリットルおよび1.2ミリリットルそれぞれ加えてポリ(4−ビニルフェノール)を溶解した。系内をアイスバスで冷やしながら1.0ミリリットルのクロロギ酸フェニルエステルをゆっくりと加えた。その後、室温で6時間攪拌し、メタノールを投入することにより反応を停止した。反応溶液を多量のメタノール中に投入することでポリマーを再沈させ、ろ過により回収し、さらにメタノールで数回洗浄した。収量:1.44グラム。得られたポリマーを塩化メチレンで分別したところ、可溶なポリマー:1.44グラムと不溶なポリマー:0グラムであった。塩化メチレンに可溶なポリマーの重量平均分子量(Mw)および分子量分散度(Mw/Mn)は、それぞれ18700および1.6であった。
【0044】
得られた塩化メチレンに可溶なポリマーについて、核磁気共鳴スペクトルを測定した結果を以下に示す。
【0045】
核磁気共鳴スペクトル(CDClH, 単位はppm):δ1.2〜1.5(b、2H)、1.5〜2.0(b、1H)、6.2〜6.7(b、2H)、6.7〜7.2(b、2H)、7.3(b、3H)、7.4(b、4H)
【0046】
核磁気共鳴スペクトル(CDCl13C, 単位はppm):δ40、42〜46、120.4、120.8、126、128.2,129,8,149、151、152
【0047】
比較例1
ポリスチレン(アルドリッチ社製、平均重量分子量:約280,000)
【0048】
比較例2
ポリ(4−ビニルフェノール)(アルドリッチ社製、重量平均分子量:約8000)
【0049】
実施例1〜実施例3で得られた塩化メチレンに可溶なポリマーおよび比較例1および比較例2を熱重量分析(TGA)を下記のように行った。その結果を表1に示す。
なお、熱重量分析(TGA)は、マック・サイエンス社製TGA−DTA2000Sを用いて、窒素気流下10℃/minの昇温速度で室温から1000℃まで測定した。
【0050】
【表1】
Figure 2004331709
【0051】
比較例1および比較例2では、550℃に至る前にほとんど全部が分解しているが、実施例1〜実施例3で得られた塩化メチレンに可溶なポリマーは、いずれにおいても16重量%前後の残存率を示し、炭化物を形成しやすいことがわかる。
【0052】
実施例3および比較例1のポリマーをUL−94水平燃焼試験方法に準拠して燃焼性の評価を行った。その結果を表2に示す。
【0053】
【表2】
Figure 2004331709
【0054】
実施例3と比較例1を比較すると、本発明のポリスチレン系樹脂は通常のポリスチレンよりも優れた難燃性を示すことがわかる。
【0055】
【発明の効果】
本発明のポリスチレン系樹脂は、ポリスチレンの有する性能を低下させることなく高度な難燃性が付与された樹脂である。また、この本発明のポリスチレン系樹脂を含有させた難燃性樹脂組成物は、高い難燃性を示すと共に良好な機械物性を与える。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するポリスチレン系樹脂。
    Figure 2004331709
    (式中、Arは置換基を有してもよいフェニレン基、Arは置換基を有してもよいフェニル基を表す。また、mは2以上の整数を表す。)
  2. ポリ(ヒドロキシスチレン)と炭酸ジアリールを、塩基性触媒の存在下で、溶融エステル交換反応させることを特徴とする請求項1に記載のポリスチレン系樹脂の製造方法。
  3. ポリ(ヒドロキシスチレン)とクロロギ酸アリールエステルを、アミンの存在下で、反応させることを特徴とする請求項1に記載のポリスチレン系難燃性樹脂の製造方法。
  4. 請求項1に記載の樹脂の1種類又は2種類以上を含むことを特徴とする難燃性樹脂組成物。
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