JP2004325813A - 光合分波モジュール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光ファイバ7,8,9,10を保持した保持具3,5と屈折率分布型レンズ2,4とを有する第1及び第2のコリメータ14,15を備え、これら第1及び第2のコリメータ14,15の間に光学特性を有するバンドパスフィルタ20,エッジフィルタ21を配置する。バンドパスフィルタ20,エッジフィルタ21で反射した光信号を反射ポートの光ファイバ8,9に結束させ、全ての光フィルタを透過する光信号を透過ポートの光ファイバ10に結束させる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信分野で使われる光合分波モジュールの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
フィルタモジュールの従来技術として、光フィルタの特性である透過と反射を利用し、屈折率分布型レンズとファイバ保持具とで構成されるコリメータを対向に配置し、その間に光フィルタを配置し、光入射ポートの光信号を、光フィルタの透過ポートと反射ポートに合分波するものがある。
【0003】
そして、光通信に使用される光分波モジュールは、入射ポート、反射ポート、透過ポートで構成された3ポートタイプであり、図19に示されるように、使用する光部品は、2本の光ファイバ201,202を保持する保持具203、1本の光ファイバ204を保持する保持具205、2個の屈折率分布型レンズ206,207、1枚の光フィルタ208であり(例えば特願2002−194820)、これらは何れも高価な部品である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図19に示したものは、フィルタモジュール自体が1モジュールで1波長分(1ch分)の光信号を合分波するように設計されているため、チャンネル数や特性に応じて、必要な数だけモジュールを準備し、各モジュールを組み込む必要があった。例えば、8chMUX/DEMUXを製造する場合、従来技術ではモジュール数が8個と多く、高価なモジュール構成部品はch数に応じて必要となり、それぞれに加工の手間も必要となる為、安価なモジュールの提供が困難であった。したがって、モジュールを収納するMUX/DEMUX収納ケースの大型化の問題やモジュールの組み込み工数、モジュールを製造するための部品価格や使用点数、加工工数等の問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、このように課題を解決するものであり、複数の波長の光信号を1つのモジュールで合分波する光合分波モジュールを提供することを目的とする。
【0006】
本発明では、1つのモジュールから複数の波長(複数のch)の光信号を取り出すことにより、MUX/DEMUX収納ケースの小型化、モジュール組み込み工数の削減、モジュールの使用部品点数の削減、モジュール加工工数の削減ができ、1波長(ch)当たりで安価なモジュール、小型で安価なMUX/DEMUXの提供が可能となる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、光ファイバを保持した保持具と屈折率分布型レンズとを有する第1及び第2のコリメータを備え、これら第1及び第2のコリメータの間に光学特性を有する複数の光フィルタを配置し、第1のコリメータ側に配置された前記光フィルタが該第1のコリメータの屈折率分布型レンズの端面に平行であるものである。
【0008】
この請求項1の構成によれば、対向に配置されたコリメータ間に合分波するch数に応じて光フィルタを2枚以上配置し、おのおのの光フィルタの光学特性に応じて反射する光信号を反射ポートに結束させ、全ての光フィルタを透過する光信号を透過ポートに結束させることにより、複数波長の光信号を分波あるいは合波を行うものであり、光フィルタの枚数が2枚以上であることにより、1つのモジュールから2個以上の光信号を取り出すことが可能となる。
【0009】
また、請求項2の発明は、前記複数の光フィルタの反射面を第1のコリメータ側に配置したものである。
【0010】
この請求項2の構成によれば、第1のコリメータ側に反射面を向かせるのは、反射面と反射ポートの光ファイバまでの距離(レンズを含む)が近ければ、レンズの影響により光ファイバヘの入射角度が緩くなるので、反射ポートの光ファイバの結合が一層容易となる。
【0011】
ファイバへの入射角度がきついとファイバコア内に結合しても、ファイバ内で光線がコアからクラッドに抜けてしまうので、挿入損失が大きくなる。したがって、光ファイバへの入射角度が緩くなるように光フィルタの反射面から反射ポートの光ファイバまでの距離が近ければ、すなわちフィルタの反射面が第1のコリメータに向いていれば、反射ポートの光ファイバの挿入損失を小さくすることができる。
【0012】
また、請求項3の発明は、複数の前記光フィルタは、バンドパスフィルタとエッジフィルタとからものである。
【0013】
この請求項3の構成によれば、1モジュールを組み合わせる上で使用する光フィルタはバンドパスフィルタ1枚とエッジフィルタとを組み合わせ、バンドパスフィルタとは、特定の予め定めた幅を持った波長だけを透過するフィルタで、エッジフィルタとは、ある波長を境にして反射と透過に分かれるフィルタであり、入射ポート側からの光フィルタの順に、光学特性に対して透過できる波長帯域が狭くなっていき、フィルタを組み合わせ、その反射と透過により、光信号を分波できる。
【0014】
また、請求項4の発明は、前記第1のコリメータ側の光フィルタは、設定した波長帯域を透過するバンドパスフィルタであり、他の光フィルタはエッジフィルタであるものである。
【0015】
この請求項4の構成によれば、1モジュールを組み合わせる上で使用する光フィルタはバンドパスフィルタ1枚とエッジフィルタとを組み合わせ、バンドパスフィルタ(第1の光フィルタと言う)は第1のコリメータ側に配置し、複数のエッジフィルタ(第2,第3の光フィルタと言う)はそれ以後に配置する。1個のモジュールから複数の波長の光信号を取り出すために、第1の光フィルタ(バンドパスフィルタ)で使用されるものは、透過帯域は予め定めた波長範囲の光信号を全て透過するものであり、第2の光フィルタで使用されるものは、第1の光フィルタの透過帯域内で、反射する波長帯域の光信号を除く波長帯域が透過するものを使用し、第3の光フィルタで使用されるものは、第1と第2の光フィルタを同時に透過する透過帯域内において反射する光信号を除く波長帯域が透過するものを使用し、以後の光フィルタも同様に選択される。すなわち、入射ポート側からの光フィルタの順に、光学特性に対して透過できる波長帯域が狭くなっていき、第1のコリメータ側から光信号が進む順番に配置した場合、最後の光フィルタ(第2のコリメータ側の光フィルタ)を透過したときの透過帯域は1波長分となる。このことにより使用する光フィルタの数だけ光信号を合分波できる。
【0016】
例えば、光フィルタ2枚を使用した場合、入射した光信号は、まず、第1の光フィルタの反射面で反射し、レンズを通過して保持具内の入射ポートの光ファイバと対向位置にある光ファイバへ結束することができる。一方、透過した光信号は第2の光フィルタの反射面で反射した反射帯域と透過した透過帯域とに分けられ、透過した光信号の透過帯域は、第2のコリメータのレンズを通過し、保持具内の光ファイバへ結束する。一方、第2の光フィルタの反射面で反射した光信号の反射帯域は、第1の光フィルタを透過し、第1のコリメータ内のレンズを通過した後、保持具内の光ファイバへ結束することができる。
【0017】
したがって、光フィルタを2枚使用した場合、入射ポートの光ファイバの光信号を、第1の光フィルタによる反射帯域と、第1の光フィルタを透過し第2の光フィルタを反射する帯域と、第1及び第2の光フィルタともに透過する帯域に分波することができる。
【0018】
以上より第1の光フィルタ(バンドパスフィルタ)を第1のコリメータ側に配置し、第2の光フィルタ(エッジフィルタ)以後を第1の光フィルタ以後連続に配置するのは、上記の理由で1個のモジュールから複数の波長の光信号を合分波できるからである。また1個のモジュールを組み合わせる上で使用する光フィルタをバンドパスフィルタ1枚とエッジフィルタにするのは、例えばバンドパスフィルタとバンドパスフィルタの組合せでは、反射ポートである波長帯域で本来遮断されていなければならない光信号の抜けが見られるためである。
【0019】
請求項5記載の発明は、前記第1のコリメータの保持具は入射ポート及び反射ポートの光ファイバを保持し、これら入射ポート及び反射ポートの光ファイバを中心軸に対して同心円上に配置したものである。
【0020】
この請求項5の構成によれば、第1のコリメータのファイバ保持具の光ファイバ配置場所と、入射ポート及び反射ポートの光ファイバの位置関係を示したものである。第2の光フィルタ以後の反射ポートについては、第1のコリメータで構成されている保持具内の光ファイバへ結束しなければならない。第1のフィルタによる反射ポートの光ファイバの位置は、入射ポートと中心軸に対して180度対称の位置になり、その他の光フィルタによる反射ポートは、保持具内の入射ポート以外の任意の光ファイバ位置に各光部品をアライメントすることで結束できるようにする。すなわち保持具内のファイバのうち1本は入射ポート、残りの光ファイバでおのおのの光フィルタの反射光を受け取ることとなる。したがって第1のコリメータの保持具内のファイバ心線本数は、光フィルタ使用枚数によって決定されることになる。例えば、光フィルタ2枚ならファイバは、入射ポート1本+反射ポート(=フィルタ枚数)2本=3本使用になるため3心となる。
【0021】
以上の発明により、1つのモジュールから複数の波長の光信号を取り出すことができ、1波長当たりの光部品点数の削滅、加工工数の削減が可能となる。
【0022】
【発明の実施形態】
以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照して説明する。図1〜図13は本発明の第1実施形態を示し、図7〜図13により、参考例として、3ポートタイプのモジュールの基本構成を説明し、図1〜図6により、本発明の光モジュールの第1実施形態を説明する。
【0023】
まず、本発明では、挿入損失の低減を図るために、屈折率分布型レンズ端面での光束を光ファイバ中心部の径、例えば約9.5μmより小さくなるような構造、即ち、コリメータを構成する際と光モジュールを構成する際に、レンズ内を通過する光路を、斜め研磨されていることを利用し、できる限り短くなるように構成すること、調軸を容易にするために、保持具中心軸に対して、ファイバの配置が同心円上になるように配置すること、及び屈折率分布型レンズピッチを0.25より小さくし、光束の径をさらに絞り込む。尚、屈折率分布型レンズとしてGRINレンズが例示される。
【0024】
尚、レンズピッチは、レンズ内の光線の蛇行周期を示し、ピッチ0.25では、無限遠物の倒立像が出射端面上に結像できるレンズの長さであり、逆に点光源を入射端面の中心に置けば、平行性のよい光ビーム(Collimated beam)を取り出すことができる。また、ピッチ0.5は、入射端面においた物体の倒立像が出射端面上に結像するレンズ長さである。また、ピッチ0.75は、無限遠物体の正立実像が出射端面上に決像するレンズ長さである。
【0025】
入射された光が光ファイバから屈折率分布型レンズ内を通り、屈折率分布型レンズ端面のどこに位置するかについて説明する。屈折率分布型レンズは、円柱状のガラス母材の屈折率分布をレンズの中心軸から外周部に向かって放射状に付けることにより、形状は円柱状であるが、通常のレンズと同様の集光ができる。このレンズ内を光信号が通過する様は、数1で示される。即ち、レンズへの入射側のレンズ中心軸に対する位置及び入射角度が決まればレンズ出射側での光信号の位置が決まる。
【0026】
【数1】
【0027】
ここで、rl:入射端面状の光線の位置(mm)
r・l:入射端面状の光線の角度(ラジアン)
r2:出射端面状の光線の位置(mm)
r・2:出射端面状の光線の角度(ラジアン)
Z:レンズ長(mm)
√(A):屈折率分布定数
NO:レンズ光軸上屈折率
上記数1により、光ファイバから出射した光信号が屈折率分布型レンズを通過し、ファイバ出射端から結合するファイバまでの反射ポート及び透過ポートでの光束の径を計算した結果を表1に示す。なお、計算の前提として、光ファイバの出射または入射に伴う開口数の条件を0.13とし、この角度から求められる光線の位置の幅を光の径にみたてた。
【0028】
また、ファイバ及びレンズの接合端面では斜め研磨処理がなされているので、光束は、楕円状となっている。光モジュールの構成部品の配置を示すため、結合装置を平面においたとき、斜め研磨面の長径方向が、平面より垂直方向になるようにし、その状態で光モジュールを真上からみた場合をトップ、真横から見た場合をサイドと定義する。そして、光結合装置の2つの屈折率分布型レンズ−保持具の接合面がサイドから見て平行、ハの字、逆ハの字となる位置関係があり、それぞれについて評価した。
【0029】
ここで、光モジュールを図面に基いて説明する。図7は光モジュールの正面図であり、光ファイバ106,107を保持した保持具103と屈折率分布型レンズ102及び光ファイバ108,109を保持した保持具105と屈折率分布型レンズ104を、それらの接合面103M,102M,104M,105Mを光の反射を低減させるために斜め8°に研磨し、さらには研磨後のファイバ端面にARコート処理をして接合した2つのコリメータ111,112を対向の位置に配置し、その屈折率分布型レンズ102,104と保持具103,105の接合面103M,102M,104M,105M同士が平行になるように配置したものである。尚、光ファイバ106,107,108,109にはシングルモードファイバが用いられている。また保持具103,105は、図8のように中心に光ファイバが2本保持できる挿通孔121を有し、接合面を103M,105Mを斜め8°に研磨することにより、図9の断面図に示すごとく、接合面103M,105M側のファイバ端面は斜めに研磨されており、かつ光ファイバ106,107,108,109は、斜め研磨の長径方向に並ぶように処理されている。そして、光ファイバ106が入射ポート、光ファイバ107が反射ポート、光ファイバ109が透過ポートである。
【0030】
図11及び図12に示すように、前記保持具103,105に屈折率分布型レンズ102,104を接合するが、屈折率分布型レンズ102,104の接合面102M,104Mも斜め8°に研磨され、保持具103,105及び屈折率分布型レンズ102,104がそれら接合面(研磨面)103M,102M,104M,105Mを合わせて直線上に接合できるようになっている。さらに、これらコリメータ111,112を対向する位置に配置するが、図12の正面図の場合は、コリメータ111の接合面103M,102Mとコリメータ112の接合面105M,104Mとの位置関係は、ハの字となり、入射したファイバ106からの光路長が屈折率分布型レンズ104内で最短光路を取れないため、コリメータ112での接合面104M,105Mにおける光束径が最大限小さくならない。
【0031】
図7の正面図の場合は、コリメータ111の接合面103M,102Mとコリメータ112の接合面105M,104Mとの位置関係は、平行になり、入射側ファイバ106からの光が屈折率分布型レンズ102及び屈折率分布型レンズ104内の光路を最短となるように通過するため、表1より光束径が20%以上小さくなる。すなわち、屈折率分布型レンズ102は、コモンポートの光ファイバ106側の長さが反射ポートの光ファイバ107側の長さより短くなるように接合面102Mを斜めに形成し、屈折率分布型レンズ104は、透過ポートの光ファイバ109側の長さが光ファイバ108側の長さより短くなるように接合面104Mを斜めに形成している。
【0032】
図13は、この光路の説明図であり、入射側ファイバ106の光が、斜め研磨されたファイバ106の端面から屈折率分布型レンズ102と光学素子101を通過後、屈折率分布型レンズ104を通過し透過側ファイバ109にて受け取り、光学素子101の裏面で反射した光は、反射側ファイバ107にて受け取る様を示している。屈折率分布型レンズ102の光路長は、斜め研磨により短くなっており、屈折率分布型レンズ104は長い側の光路を取るため、表1のように、反射ポート側の光束は小さくならないが、透過ポート側の光束は小さくなる。
【0033】
ここで、コリメータ111の接合面103M,102Mとコリメータ112の接合面105M,104Mとの位置関係について検討する。
【0034】
保持具と屈折率分布型レンズの接合面での光ファイバ配列の定義は、保持具の中心にファイバを2本挿入されている接合面(研磨面)103M,102M,105M,104Mから保持具を楕円に見て、ファイバが短径方向に横2本並ぶ配列を横配列、ファイバが長径方向に並ぶ配列を縦配列とした。すなわち、図10は図7の正面図におけるA−A線矢視図であり、接合面103Mは縦方向に長い楕円をなし、光ファイバ106,107が長径方向に並ぶ縦配列である。
【0035】
コリメータ111の接合面103M,102Mとコリメータ112の接合面105M,104Mとの位置関係は、2つのコリメータ111,112を対向位置に配置してモジュールとして屈折率分布型レンズと保持具の接合面2つが研磨角度で見える位置、すなわち正面図において接合面103M,102M,105M,104Mが垂直方向と傾斜する位置(以下、サイドと言う)より見て、逆ハの字、ハの字、平行となるように配置でき、それぞれを定義する。図面を参照して説明すると、図7は平行、図12はハの字である。また、装置を真上から見た状態をトップと定義する。図10において、リフレクトポートの接合面103Mに入射する光束径のトップ側から見た寸法φtと、サイド側から見た寸法φsを測定して表1に示す。すなわちφtは光束径の横寸法、φsは光束径の縦寸法である。尚、上述したように光ファイバ106,107,108,109のコアの直径約9.5μmである。
【0036】
【表1】
【0037】
表1に示す結果では、光ファイバ106,107,108,109を接合面103M,105Mに対して長径方向に2本並べて縦配列し、2つのコリメータ111,112の接合面が平行になるように配置(図7)した場合に、光ファイバ(透過ポート側)109の接合面105Mでの光束径が最も絞り込まれる。これは、入射した光が、屈折率分布型レンズ102,104内を斜め研磨した分だけ最短光路を通過するように配置したからである。
【0038】
なお、屈折率分布型レンズのピッチとしては、0.250を使用しているが、市販のピッチ0.230を反射ポート側の屈折率分布型レンズ102に使用した場合には、さらに光束径は小さくなる。
【0039】
しかし、この場合、光束が小さくなる位置が屈折率分布型レンズと保持具の接合面に対してやや距離を置く必要があり、組み立ての際に軸に対する角度調整の要素も考慮しなければならない。入手可能な屈折率分布型レンズのピッチとしては、0.248が適切であり、この場合の端面における光束径を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】
この場合は、透過ポート側だけでなく、反射ポート側でも光束径が小さくなるため、効果がより顕著になる。
【0042】
以下、本発明のモジュールの実施形態について説明する。4(2n:n=2)本のファイバを保持するファイバ保持具を使用した光モジュールを例にして図1〜図6に基づいて説明する。同図は、本発明の4本のファイバによるファイバ保持具の光モジュールの実施形態例であり、同径の3本の光ファイバ7,8,9を保持した保持具3と屈折率分布型レンズ2及び同径の1本の光ファイバ10を保持した保持具5と屈折率分布型レンズ4を備え、それらの接合面2M,3M,4M,5Mを光の反射を低減させるために図7と同様に斜め8°に研磨し、さらには研磨後のファイバにARコート処理をして接合した2つのコリメータ14,15を対向位置に配置し、そのレンズ2と保持具3の接合面2M,3Mとレンズ4と保持具5の接合面4M,5Mとが平行になるように配置したものである。光フィルタ1は、対向するコリメータ14,15間にレンズ2,4の端面2T,4Tと平行になるように配置され、また、光フィルタ1の反射面たる蒸着面1Jを第1のコリメータ14側になるように配置する。この場合、保持具3内において、入射ポートの光ファイバ6,8が反射ポートの光ファイバ7,9より長くなるように保持具3の接合面3Mを斜めに形成している。
【0043】
次に、図1に示す各光部品について説明する。尚、ファイバ保持具とレンズとの接合面が斜めに見える位置から見た状態をサイドと定義し、モジュールを真上からみた状態をトップと定義する。図1はモジュールをサイドから見た図であり、入力ポート側には、3本の光ファイバを保持する保持具3と屈折率分布型レンズ2とを接合してなる第1のコリメータ14を配置し、反射ポート側には、1本の光ファイバを保持する保持具5と、屈折率分布型レンズ4とを接合してなる第2のコリメータ15を配置する。図2及び図3は、図1で使用されるファイバ保持具3のA−A矢視図及びファイバ保持具5のB−B矢視図である。ここでのファイバ保持具3は光ファイバ7,8,9が3本挿通され、ファイバ保持具5は光ファイバ10が1本挿通されている。入射ポート側のファイバ保持具3は、中心軸Cを通る2本の直交線S,Sにそれぞれ外接する位置に3本の光ファイバ7,8,9を配置し、透過ポート側のファイバ保持具5は、中心軸Cから光ファイバのほぼ半径分シフトした位置に光ファイバ10を1本配置できるような構造を持っており、この光ファイバ10は中心軸Cを通る2本の直交線S,Sにそれぞれ外接する位置にある。尚、図2及び図3において、縦方向の直交線Sは、図1の側面図における垂直方向であり、横方向の直交線Sは図1の側面図における水平方向である。これらはファイバ保持具の光ファイバの組合せのほんの1例であり、限定するものでない。前記保持具3,5に屈折率分布型レンズ2,4を接合する場合、レンズ2,4の接合面2M,4Mも斜め8°に研磨され、さらにARコート処理され、保持具3,5及び屈折率分布型レンズ2,4がそれら接合面(研磨面)3M,2M,4M,5Mを合わせて直線上に接合できるようになっている。前記屈折率分布型レンズ2の先端には、反射面たる蒸着面20J,21Jを第1のコリメータ14側に向けて固定した第1の光フィルタたるバンドパスフィルタ20と第2の光フィルタたるエッジフィルタ21を配置し、それらフィルタ20,21を挟んで、コリメータ14,15を対向する位置に配置する。
【0044】
モジュールの組立では、エッジフィルタ21からの反射光をファイバ保持具3のファイバ8に結合させるため、アライメントを行う。光フィルタの光学特性は、第1のコリメータ14側に使用するバンドパスフィルタ20の光学特性(透過特性)として図5(A)の符号30で示すものを、また、第2のコリメータ15側に使用するエッジフィルタ21の光学特性(透過特性)として図5(A)の符号31で示すものを用いた。また、第2の光フィルタたるエッジフィルタ21は、そのバンドパスフィルタ20を透過した光信号が、蒸着面21Jで反射し、バンドパスフィルタ20を透過して入射ポートの横配列で隣りの光ファイバに入光するようにサイド側から見て蒸着面21Jが傾斜し、すなわち縦断面方向に対して蒸着面21Jが傾斜している。そして、保持具3,5、レンズ2,4及びバンドパスフィルタ20の中心軸が一直線上に並び、この直線に対してエッジフィルタ21の中心軸が傾斜している。
【0045】
次に、モジュール光路について説明する。図4より、入射ポートの光ファイバ7からの光信号を第1の光フィルタ20により、あらかじめ定めた波長帯の光信号のみを透過させ、他の波長の光は入射ポートの光ファイバ7の位置が、保持具3の中心軸Cに対して180度対称の位置にある反射ポートの光ファイバ8に反射することで取り除く。第1の光フィルタたるバンドパスフィルタ20を透過した透過光は、さらにエッジフィルタ21を通過する際、使用したエッジフィルタ21の光学特性が図5(A)の31の光学特性であれば、透過ポートの光ファイバ10に結合される光信号は図5(B)の符号32(λ1)で示される波長域に合分波される。第2の光フィルタであるエッジフィルタ21で反射された光信号は、反射ポートの光ファイバ9に結合され、図5(B)の符号33(λ2)で示される波長域に合分波することが可能となる。上述したように、光ファイバ7,8を中心軸Cに対して180度対称の位置に設け、図4のように蒸着面20Jをレンズ2の端面に平行とし、前記中心軸Cと直交するように配置すれば、入射ポートの光ファイバ7からの光信号は、蒸着面20Jで反射して、その光ファイバ7と中心軸Cに対して180度対称位置の光ファイバ8に入射するが、サイド側から見ると、第1のフィルタたるバンドパスフィルタ20を通過した光信号の向きと直交するように蒸着面21Jを向けることにより、この蒸着面21Jに反射した光信号は、反射ポートの光ファイバ8の真上で入射ポートの光ファイバ7の真横に位置する光ファイバ9に結合される。
【0046】
次に、図1〜図3の2波長合分波モジュール構成において、反射ポートの光ファイバ8,9と透過ポートの光ファイバ10に結合したときの光束径を計算で求めた。このときのファイバコア径を9.5μmとした。ファイバ保持具とレンズとの接合面が斜めに見える位置から見た状態をサイドと定義し、モジュールを真上からみた状態をトップと定義する。ファイバ開口数0.13のときの反射ポートと透過ポートの接合面に入射する光束径とその軸ズレ量の、トップ側から見た場合とサイド側から見た場合を表3に示した。
【0047】
【表3】
【0048】
この表3は、光束径の寸法φt,φsと光束の軸ズレを示し、この軸ズレについて図6に基いて説明すると、保持具3の接合面3Mを示し、反射ポートの光ファイバ8端面を拡大表示し、ファイバ8のコア8Kの縦方向中心Xcに対して、光束の中心が上方にずれた場合をプラス、下方にずれた場合をマイナスとしている。また、コア8Kの横方向中心Ycに対して一側にずれた場合をプラス、他側にずれた場合をマイナスとし、透過ポートも同様にして保持具5の接合面5Mに対して位置ズレを表示した。
【0049】
ここで反射ポートの光ファイバ8は、第1の光フィルタであるバンドパスフィルタ20による反射であり、反射ポートの光ファイバ9は、第2の光フィルタであるエッジフィルタ21による反射を受け取ったときのものである。コアの中心からの光束端部の位置は、コアの中心から一番離れた光束端部の位置であり、軸ズレ量に光束径×1/2の値を加えれば得られる。コアの半径は4.75μmであるからそれ以下であれば、光束がすべてコア内に入る位置となる。コアの半径以上、すなわち光束の一部がコアから外れるとロスが生じるが、この計算結果からではすべてコア内に入る位置なのでロスは生じない。
【0050】
計算結果より、反射ポート、透過ポートヘの光束はファイバのコアの径以内に収まっており、その光束径が約3μmと小さくできる。
【0051】
次に反射ポートと透過ポートの接合面に入射するモジュールの中心軸Cに対する入射角度を計算して求め、表4に示した。
【0052】
【表4】
【0053】
モジュールの中心軸Cに対する入射角度に対しては、ファイバ開口数0.13としているので、コアへの入射角度は限られている。その入射角度以外では、入射位置がコア径以内であってもファイバ内でクラッド側へ抜けてしまうので、損失が大きくなる。表4の反射ポートのファイブ9のトップ側の入射角度が、0.851degの違いだけでほぼファイバ開口数0.13内に一部入っているので、損失に対する影響は問題にならないほど小さい。
【0054】
試作した2波長合分波モジュールは2波の挿入損失が0.5dBと低損失で、アイソレーションが18dBと実使用レベルのアイソレーション15dBを満たすものであった。
【0055】
このように本実施形態では、請求項1に対応して、光ファイバ7,8,9,10を保持した保持具3,5と屈折率分布型レンズ2,4とを有する第1及び第2のコリメータ14,15を備え、これら第1及び第2のコリメータ14,15の間に光学特性を有する複数の光フィルタたるバンドパスフィルタ20,エッジフィルタ21を配置し、第1のコリメータ14側に配置されたバンドパスフィルタ20が該第1のコリメータ14の屈折率分布型レンズ2の端面2Tに平行であるから、対向に配置されたコリメータ14,15間に合分波するch数に応じて光フィルタを2枚以上配置し、おのおのの光フィルタの光学特性に応じて反射する光信号を反射ポートの光ファイバ8,9に結束させ、全ての光フィルタを透過する光信号を透過ポートの光ファイバ10に結束させることにより、複数波長の光信号を分波あるいは合波を行うものであり、光フィルタの枚数が2枚以上であることにより、1つのモジュールから2個以上の光信号を取り出すことが可能となる。
【0056】
また、このように本実施形態では、請求項2に対応して、光フィルタたるバンドパスフィルタ20の反射面たる蒸着面20J、バンドパスフィルタ21の反射面たる蒸着面21J及びバンドパスフィルタ22の反射面たる蒸着面22Jを第1のコリメータ14側に配置したから、第1のコリメータ14側に反射面を向かせるのは、反射面と反射ポートの光ファイバ9までの距離(レンズを含む)が近ければ、レンズ2の影響により光ファイバ9ヘの入射角度が緩くなるので、反射ポートの光ファイバ9の結合が一層容易となる。そして、ファイバへの入射角度がきついとファイバコア内に結合しても、ファイバ内で光線がコアからクラッドに抜けてしまうので、挿入損失が大きくなる。したがって、光ファイバへの入射角度が緩くなるようにすれば、反射ポートの光ファイバの挿入損失を小さくすることができる。
【0057】
また、このように本実施形態では、請求項3に対応して、複数の光フィルタは、バンドパスフィルタ20とエッジフィルタ21とからなるから、1モジュールを組み合わせる上で使用する光フィルタはバンドパスフィルタ20とエッジフィルタ21とを組み合わせ、バンドパスフィルタ20とは、特定の予め定めた幅を持った波長だけを透過するフィルタで、エッジフィルタ21とは、ある波長を境にして反射と透過に分かれるフィルタであり、入射ポート側からの光フィルタの順に、光学特性に対して透過できる波長帯域が狭くなっていき、フィルタを組み合わせ、その反射と透過により、光信号を分波できる。
【0058】
また、このように本実施形態では、請求項4に対応して、第1のコリメータ14側の光フィルタは、設定した波長帯域を透過するバンドパスフィルタ20であり、他の光フィルタはエッジフィルタ21であるから、1モジュールを組み合わせる上で使用する光フィルタはバンドパスフィルタ20とエッジフィルタ21とを組み合わせ、バンドパスフィルタ(第1の光フィルタ)20は第1のコリメータ14側に配置し、エッジフィルタ(第2の光フィルタ)21はそれ以後に配置する。1個のモジュールから複数の波長の光信号を取り出すために、第1の光フィルタ(バンドパスフィルタ20)で使用されるものは、透過帯域は予め定めた波長範囲の光信号を全て透過するものであり、第2の光フィルタ(エッジフィルタ21)で使用されるものは、第1の光フィルタ20の透過帯域内で、反射する波長帯域の光信号を除く波長帯域が透過するものを使用し、第2の光フィルタであるエッジフィルタ21で使用されるものは、第1の光フィルタであるバンドパスフィルタ20を透過する透過帯域内において反射する光信号を除く波長帯域が透過するものを使用する。すなわち、入射ポート側からの光フィルタの順に、光学特性に対して透過できる波長帯域が狭くなっていき、第1のコリメータ14側から光信号が進む順番に配置した場合、最後の光フィルタであるエッジフィルタ21(第2のコリメータ15側の光フィルタ)を透過したときの透過帯域は1波長分となる。このことにより使用する光フィルタの数だけ光信号を合分波できる。
【0059】
例えば、光フィルタ2枚を使用した場合、入射した光信号は、まず、第1の光フィルタの反射面たる蒸着面20Jで反射し、レンズ2を通過して保持具3内の入射ポートの光ファイバ7と対向位置にある反射ポートの光ファイバ8へ結束することができる。一方、透過した光信号は第2の光フィルタの蒸着面21Jで反射した反射帯域と透過した透過帯域とに分けられ、透過した光信号の透過帯域は、第2のコリメータ15のレンズ4を通過し、保持具5内の透過ポートの光ファイバ10へ結束する。一方、第2の光フィルタの反射面たる蒸着面21Jで反射した光信号の反射帯域は、第1の光フィルタたるバンドパスフィルタ20を透過し、第1のコリメータ14内のレンズ2を通過した後、保持具3内の別の反射ポートの光ファイバ9へ結束することができる。
【0060】
したがって、光フィルタを2枚使用した場合、入射ポートの光ファイバ7の光信号を、第1の光フィルタたるバンドパスフィルタ20による反射帯域と、バンドパスフィルタ20は透過し第2の光フィルタたるエッジフィルタ21は反射する帯域と、バンドパスフィルタ20及びエッジフィルタ21ともに透過する帯域に分波することができる。
【0061】
以上より第1の光フィルタたるバンドパスフィルタ20を第1のコリメータ14側に配置し、第2の光フィルタたるエッジフィルタ20以後(エッジフィルタ20より第2のコリメータ15側)を第1の光フィルタたるバンドパスフィルタ20以後連続に配置するのは、上記の理由で1個のモジュールから複数の波長の光信号を合分波できるからである。また1個のモジュールを組み合わせる上で使用する光フィルタをバンドパスフィルタ20の1枚とエッジフィルタ21にするのは、例えばバンドパスフィルタ20とバンドパスフィルタ21の組合せでは、反射ポートである波長帯域で本来遮断されていなければならない光信号の抜けが見られるためである。
【0062】
また、このように本実施形態では、請求項5に対応して、第1のコリメータ14の保持具3は入射ポート及び反射ポートの光ファイバ7,8,9を保持し、これら入射ポート及び反射ポートの光ファイバ7,8,9を中心軸Cに対して同心円上に配置した。これにより、第1のコリメータ14のファイバ保持具3の光ファイバ配置場所と、入射ポート及び反射ポートの光ファイバの位置関係を示し、第2の光フィルタ以後の反射ポートについては、第1のコリメータ14で構成されている保持具3内の光ファイバへ結束するように構成する。第1のフィルタによる反射ポートの光ファイバ8の位置は、入射ポートの光ファイバ7と中心軸Cに対して180度対称の位置になり、その他の光フィルタによる反射ポート9は、保持具3内の入射ポート以外の任意の光ファイバ位置にアライメントすることで結束できるようにする。すなわち保持具3内のファイバのうち1本は入射ポート、残りの光ファイバでおのおのの光フィルタの反射光を受け取ることとなる。したがって第1のコリメータ14の保持具3内のファイバ心線本数は、光フィルタ使用枚数によって決定されることになる。例えば、光フィルタ2枚ならファイバは、入射ポート1本+反射ポート(=フィルタ枚数)2本=3本使用になるため3心となる。
【0063】
以上の発明により、1つのモジュールから複数の波長の光信号を取り出すことができ、1波長当たりの光部品点数の削滅、加工工数の削減が可能となる。
【0064】
図14〜図18は本発明の第2実施形態を示し、上記第1実施形態と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例は3波長合分波モジュールタイプであり、入射ポート側には4本の光ファイバ7,8,9,11を保持する保持具3と屈折率分布型レンズ2を接合した第1コリメータ14と、透過ポート側には1本の光ファイバ10を保持する保持具5と屈折率分布型レンズ4を接合した第2のコリメータ15と、その間に光フィルタ3枚が挿入され、これら光フィルタは、第1のコリメータ14側から第2のコリメータ15側に向ってバンドパスフィルタ20,エッジフィルタ21,エッジフィルタ22の順で並んでいる。図15は、図14で使用されるファイバ保持3,5のA−A矢視図とB−B矢視図である。ファイバ保持具3は、中心軸Cに対して対称的に光ファイバ7,8,9,11が4本配置され、すなわち中心軸Cを通る2本の直交線S,Sにそれぞれ外接する位置に配置され、ファイバ保持具5は、中心軸Cから光ファイバ10のほぼ半径分シフトした位置に光ファイバ10を1本配置できるような構造を持っており、この光ファイバ10は中心軸Cを通る2本の直交線S,Sにそれぞれ外接する位置にある。尚、保持具3は、円柱状で中心軸Cに対して同心円上に4本の光ファイバーを配置できる挿入孔50を持ち、この挿入孔50は取付部であって、4本の光ファイバに対応して略正方形形状に形成されており、各光ファイバはその挿入孔50の角部により位置決めされる。第1のコリメータ14側から第2のコリメータ15側に並んだ第1、第2、第3の光フィルタは、あらかじめ定められた所要の光学特性を持ち、その特性を図18(A)に示した。第1のコリメータ14側から順に、第1の光フィルタたるバンドパスフィルタ20の光学特性(透過特性)は図18(A)の符号30に示すものであり、第2の光フィルタたるエッジフィルタ21の透過特性は図18(A)の符号31に示すものであり、第3の光フィルタであるエッジフィルタ22の透過特性は図18(A)の符号34に示すものである。
【0065】
このように本実施形態では、第1実施形態で示したモジュールの構成に加えて、第3の光フィルタとして、第2の光フィルタと第2のコリメータ15との間にエッジフィルタ22を配置し、このエッジフィルタ22で反射した光信号を受ける反射ポートの光ファイバ11を保持具3に配置したものである。また、第3の光フィルタたるエッジフィルタ22は、バンドパスフィルタ20及びエッジフィルタ21を透過した光信号が、蒸着面22Jで反射し、それらフィルタ21,20を透過して入射ポートの縦配列で隣りの光ファイバに入光するようにトップ側から見て蒸着面22Jが傾斜し、すなわち平面方向に対して蒸着面22Jが傾斜している。すなわち、バンドパスフィルタ20とエッジフィルタ21とを通過した光信号の向きと直交するように蒸着面22Jを向けることにより、蒸着面22Jに反射した光信号は、反射ポートの光ファイバ8の真横で入射ポートの光ファイバ7の真下に位置する光ファイバ11に結合される。
【0066】
次に、モジュール光路について説明する。図17より第1の光フィルタたるバンドパスフィルタ20は、入射ポート7からの光信号を、合分波するあらかじめ定めた波長範囲の光信号をすべて透過するもので、この例では3波長分である。それ以外の波長の光信号は、第1の光フィルタたるバンドパスフィルタ20の蒸着面20Jで反射させ、第1のコリメータ14の保持具3内の反射ポートの光ファイバ8(第1の反射ポート)に結合する。透過した3波長分の光信号は、第2の光フィルタたるエッジフィルタ21により透過する2波長と、蒸着面21Jで反射する1波長で分けられる。この蒸着面21Jで反射する1波長分47(λ2)は光ファイバ9(第2の反射ポート)に結合される。エッジフィルタ21を透過した2波長分の光信号は、第3の光フィルタたるエッジフィルタ22により透過帯と反射帯で1波長ずつ分けられる。この場合、46(λ3)が蒸着面22Jに反射して光ファイバ11(第3の反射ポート)に結合、45(λ1)が透過し第2のコリメータ15の保持具5内の透過ポートの光ファイバ10に結合される。
【0067】
同様に図6の3波長合分波モジュール構成において、反射ポートと透過ポートのファイバに結合したときの光束径を計算で求めた。表5に反射ポートと透過ポートの接合面に入射する光束径とその軸ズレ量の、トップ側から見た場合とサイド側から見た場合を示した。
【0068】
【表5】
【0069】
ここで反射ポートの光ファイバ8は、第1の光フィルタであるバンドパスフィルタ20による反射であり、反射ポートの光ファイバ9は、第2の光フィルタであるエッジフィルタ21による反射であり、反射ポートの光ファイバ11は、第3の光フィルタであるエッジフィルタ22による反射を受け取ったときのものである。計算結果より、反射ポート、透過ポートの光束はファイバのコア径以内に収まっており、その光束径が約3μmと小さくできる。
【0070】
同様に反射ポートと透過ポートの接合面に入射するモジュールの中心軸に対する入射角度を計算して求め、表6に示した。
【0071】
【表6】
【0072】
表6の反射ポートの光ファイバ9のトップ側の入射角度と反射ポートの光ファイバ11のサイド側の入射角度が、ファイバ開口数0.13内に入っていないが、前記同様に損失に対する影響は小さいので問題にしなくてよい。
【0073】
このように本実施形態では、請求項1に対応して、光ファイバ7,8,9,11,10を保持した保持具3,5と屈折率分布型レンズ2,4とを有する第1及び第2のコリメータ14,15を備え、これら第1及び第2のコリメータ14,15の間に光学特性を有する複数の光フィルタたるバンドパスフィルタ20,エッジフィルタ21,22を配置し、第1のコリメータ14側に配置されたバンドパスフィルタ20が該第1のコリメータ14の屈折率分布型レンズ2の端面2Tに平行であり、バンドパスフィルタ20の反射面たる蒸着面20J、バンドパスフィルタ21の反射面たる蒸着面21J及びバンドパスフィルタ22の反射面たる蒸着面22Jを第1のコリメータ14側に配置し、第1のコリメータ14の保持具3は入射ポート及び反射ポートの光ファイバ7,8,9,11を保持し、これら入射ポート及び反射ポートの光ファイバ7,8,9,11を中心軸Cに対して同心円上に配置したから、上記第1実施形態と同様な作用・効果を奏する。
【0074】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。
【0075】
【発明の効果】
請求項1の発明は、光ファイバを保持した保持具と屈折率分布型レンズとを有する第1及び第2のコリメータを備え、これら第1及び第2のコリメータの間に光学特性を有する複数の光フィルタを配置し、第1のコリメータ側に配置された前記光フィルタが該第1のコリメータの屈折率分布型レンズの端面に平行であるものであり、複数の波長の光信号を1つのモジュールで合分波する光合分波モジュールを提供できる。
【0076】
また、請求項2の発明は、前記複数の光フィルタの反射面を第1のコリメータ側に配置したことを特徴とする請求項1記載の光合分波モジュール。
【0077】
また、請求項3の発明は、複数の前記光フィルタは、バンドパスフィルタとエッジフィルタとからなるものであり、複数の波長の光信号を1つのモジュールで合分波する光合分波モジュールを提供できる。
【0078】
また、請求項4の発明は、前記第1のコリメータ側の光フィルタは、設定した波長帯域を透過するバンドパスフィルタであり、他の光フィルタはエッジフィルタであるものであり、複数の波長の光信号を1つのモジュールで合分波する光合分波モジュールを提供できる。
【0079】
また、請求項5の発明は、前記第1のコリメータの保持具は入射ポート及び反射ポートの光ファイバを保持し、これら入射ポート及び反射ポートの光ファイバを中心軸に対して同心円上に配置したものであり、複数の波長の光信号を1つのモジュールで合分波する光合分波モジュールを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す合分波モジュールの正面図である。
【図2】同上、図1のA−A線断面図である。
【図3】同上、図1のB−B線断面図である。
【図4】同上、光路説明図であり、図4(A)はトップ側から見たものであり、図4(B)はサイド側から見たものである。
【図5】同上、光学特性を示すグラフ図であり、図5(A)は光フィルタの光学特性、図5(B)は合分波された光信号の波長域を示す。
【図6】同上、接合面の正面図であり、一部を拡大表示している。
【図7】参考例に係わる光モジュールの実施形態例の正面図であり、両側のコリメータの接合面が平行をなす。
【図8】同上、光モジュールの保持具の斜視図である。
【図9】同上、光モジュールの保持具とファイバ配置を示す断面図である。
【図10】同上、図7のA−A線矢視図である。
【図11】同上、光モジュールの保持具とファイバと屈折率分布型レンズで構成されるコリメータの正面図である。
【図12】同上、他の光モジュールの正面図であり、両側のコリメータの接合面がハの字の配置をなす。
【図13】同上、光モジュールの光路説明図である。
【図14】本発明の第2実施形態を示す合分波モジュールの正面図である。
【図15】同上、図14のA−A線断面図である。
【図16】同上、図14のB−B線断面図である。
【図17】同上、光路説明図であり、図17(A)はトップ側から見たものであり、図17(B)はサイド側から見たものである。
【図18】同上、光学特性を示すグラフ図であり、図18(A)は光フィルタの光学特性、図18(B)は合分波された光信号の波長域を示す。
【図19】従来例の光モジュールの正面図である。
【符号の説明】
2 屈折率分布型レンズ
3 保持具
4 屈折率分布型レンズ
5 保持具
2M,3M,4M,5M 接合面
7 入射ポートの光ファイバ
8 反射ポートの光ファイバ(第1の反射ポート)
9 反射ポートの光ファイバ(第2の反射ポート)
10 透過ポートの光ファイバ
14 コリメータ
15 コリメータ
20 バンドパスフィルタ(第1の光フィルタ)
20J 蒸着面(反射面)
21 エッジフィルタ(第2の光フィルタ)
21J 蒸着面(反射面)
11 反射ポートの光ファイバ(第3の反射ポート)
22 エッジフィルタ(第3の光フィルタ)
22J 蒸着面(反射面)
Claims (5)
- 光ファイバを保持した保持具と屈折率分布型レンズとを有する第1及び第2のコリメータを備え、これら第1及び第2のコリメータの間に光学特性を有する複数の光フィルタを配置し、第1のコリメータ側に配置された前記光フィルタが該第1のコリメータの屈折率分布型レンズの端面に平行であることを特徴とする光合分波モジュール。
- 前記複数の光フィルタの反射面を第1のコリメータ側に配置したことを特徴とする請求項1記載の光合分波モジュール。
- 複数の前記光フィルタは、バンドパスフィルタとエッジフィルタとからなることを特徴とする請求項1又は2記載の光合分波モジュール。
- 前記第1のコリメータ側の光フィルタは、設定した波長帯域を透過するバンドパスフィルタであり、他の光フィルタはエッジフィルタであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光合分波モジュール。
- 前記第1のコリメータの保持具は入射ポート及び反射ポートの光ファイバを保持し、これら入射ポート及び反射ポートの光ファイバを中心軸に対して同心円上に配置したことを特徴とする請求項1記載の光合分波モジュール。
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