JP2004319412A - 燃料電池システムのガス減圧装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池に供給されるガス圧力を一定に保つこと。
【解決手段】ガス減圧装置は、ボディ21,22の内部空間27がダイアフラム28により計量室30と背圧室29に区画される。計量室30に隣接して弁座31と弁体36が設けられる。ダイアフラム28にガス圧力が作用すると、ダイアフラム28が変位して弁体36が弁座31に近付く方向へ移動する。調圧バネ43は、弁体36を弁座31から離す方向へダイアフラム28を付勢する。ダイアフラム28及び調圧バネ43等により弁体36を移動することで出口23からの水素ガスが減圧される。この装置は、ダイアフラム28に対して調圧バネ43の付勢力と反対方向の力を電磁力により与える電磁石40及び可動子41と、出口23のガス流量を検出する流量センサ7と、電磁力を調整するために検出されるガス流量に応じて電磁石41を制御する電子制御装置11と備える。
【選択図】 図2
【解決手段】ガス減圧装置は、ボディ21,22の内部空間27がダイアフラム28により計量室30と背圧室29に区画される。計量室30に隣接して弁座31と弁体36が設けられる。ダイアフラム28にガス圧力が作用すると、ダイアフラム28が変位して弁体36が弁座31に近付く方向へ移動する。調圧バネ43は、弁体36を弁座31から離す方向へダイアフラム28を付勢する。ダイアフラム28及び調圧バネ43等により弁体36を移動することで出口23からの水素ガスが減圧される。この装置は、ダイアフラム28に対して調圧バネ43の付勢力と反対方向の力を電磁力により与える電磁石40及び可動子41と、出口23のガス流量を検出する流量センサ7と、電磁力を調整するために検出されるガス流量に応じて電磁石41を制御する電子制御装置11と備える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、燃料電池システムの燃料電池に供給される燃料ガス又は酸化剤ガスを減圧するのに使用される燃料電池システムのガス減圧装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のガス減圧装置として、その一例が下記の特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の燃料電池システムでは、燃料電池に供給される燃料ガス(水素ガス)の圧力を、同じく燃料電池に供給される空気の圧力に応じて減少させるレギュレータが使用される。このレギュレータは、空気式の比例圧力制御弁からなり、エアコンプレッサから供給される空気の圧力信号を入力し、出口における水素ガスの圧力(出口圧力)が前記圧力信号に応じた所定範囲の圧力となるように減圧する。一般に、この種のレギュレータは、弁体に連結されるダイアフラムと、調圧バネ等のバネとを備え、ガスによりダイアフラムに作用する力とバネ付勢力との合成力をバランスさせて弁体の開度を調整することにより、ガス圧力を調整するようになっている。即ち、この種のレギュレータで、出口圧力は、ダイアフラムに作用して弁体を閉じる方向に働く。その反対に、調圧バネは、弁体を開く方向の付勢力をダイアフラムに与える。そして、出口圧力が低下するとき、調圧バネはダイアフラムを変位させて弁体をより大きく開かせ、出口圧力を上昇させる。これにより、レギュレータの出口圧力は一定に保たれる。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−373682号公報(第3−6頁,図1,2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来のレギュレータでは、調圧バネの荷重が、弁体の変位(ダイアフラムの変位)により変わるので、結果として出口圧力は変化することになった。これは、ダイアフラムが変位するときにバネが変形してバネ付勢力がバネ定数に従って変化することによる。図9に示すように、ダイアフラムに作用するガス圧力と調圧バネの付勢力は、互いに作用方向は逆であるが、ガス流量(弁体の開度)が増えるほど小さくなる。このため、図10に示すように、出口圧力は、ガス流量(弁体の開度)が増えるほど低くなる。ここで、本来、燃料電池システムで使用されるレギュレータの出口圧力は、ガス流量の多少にかかわらず一定となることが望まれる。しかし、前記従来のレギュレータでは、バネ定数の影響は避けられず、レギュレータに多量の水素ガスが流れたとき、その出口圧力が低下してしまう。
【0005】
また、燃料電池システムを停止させたときは、レギュレータの弁体を全閉にすることになり、図10に示すように、ガス流量が「0」になるときの出口圧力が上昇していた。このため、レギュレータの下流側に設けられる機器につき、厚肉化などの耐圧設計が必要となり、機器が大型化することになり、耐用期間も短縮する傾向にあった。
【0006】
この発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その第1の目的は、燃料電池に供給されるガス圧力を一定に保つことを可能とした燃料電池システムの減圧装置を提供することにある。この発明の第2の目的は、第1の目的に加え、燃料電池システムの停止時に燃料電池に作用するガス圧力を低減させることを可能とした燃料電池システムの減圧装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、燃料電池システムの燃料電池に供給されるガスを減圧するガス減圧装置であって、入口及び出口を含むボディと、ボディの内部空間を計量室と背圧室とに区画するダイアフラムと、入口と出口との間にて計量室に対応して設けられる弁座と、弁座に対応して設けられる弁体と、弁体はダイアフラムに連動可能に設けられることと、計量室にてダイアフラムにガス圧力が作用することにより、弁体を弁座に近付ける方向へダイアフラムが変位することと、弁体を弁座から離す方向へダイアフラムを付勢する調圧バネとを備え、少なくともダイアフラム及び調圧バネにより弁体を弁座に対して移動することにより、入口より計量室に入り出口から流れ出るガスを減圧するガス減圧装置において、ダイアフラムに対して調圧バネの付勢力と反対方向の力を電磁力により与えるための電磁力付与手段と、出口からのガス流量又はそのガス流量相当値を検出するためのガス流量検出手段と、検出されるガス流量又はガス流量相当値に応じて電磁力を調整するために電磁力付与手段を制御する制御手段とを備えたことを趣旨とする。
【0008】
上記発明の構成によれば、ダイアフラムが変位して弁座からの弁体の距離、即ち、弁体の開度が大きくなるほど、調圧バネが変形し、調圧バネの付勢力はそのバネ定数に従って小さくなり、ダイアフラムに作用する出口のガス圧力も低下することになる。ここで、弁体の開度が大きくなるほど、出口から流れ出るガス流量は多くなるが、そのガス流量又はガス流量相当値がガス流量検出手段により検出される。そして、その検出値に応じて電磁力付与手段が制御手段により制御されることにより、ダイアフラムに与えられる電磁力が調整される。従って、ダイアフラムには調圧バネの付勢力と反対方向の力が調整されて与えられ、ダイアフラムに作用する力が一定となり、出口のガス圧力が一定に保たれる。
【0009】
上記第2の目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、燃料電池システムの停止を検出するための停止検出手段を備え、制御手段は、停止が検出されたときに電磁力を消失させるために電磁力付与手段を制御することを趣旨とする。
【0010】
上記発明の構成によれば、停止検出手段により燃料電池システムの停止が検出されたときに、制御手段により電磁力付与手段が制御されて電磁力が消失させられる。従って、燃料電池システムの停止時には、弁体を弁座に近付けるために電磁力によりダイアフラムに与えられる力がなくなり、出口のガス圧力が低下する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の燃料電池システムのガス減圧装置を具体化した一実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1に、本実施の形態におけるガス減圧装置を含む燃料電池システムを概略構成図に示す。この燃料電池システムにおいて、酸化剤ガスとしての空気はコンプレッサ1により所定の圧力に昇圧される。昇圧された空気は、加湿器2により加湿されて燃料電池3に供給される。燃料電池3に供給される空気の圧力は、圧力センサ4により検出される。燃料電池3に供給された空気は、同電池3にて発電に使用された後、燃料電池3から空気オフガスとして排出され、圧力制御弁5を介して排出される。圧力制御弁5は、燃料電池3における空気の供給圧力を制御する。この燃料電池システムでは、燃料ガスとしての水素ガスが減圧弁6により減圧されて燃料電池3に供給される。燃料電池3に供給される水素ガスの流量(ガス流量)は、流量センサ7により検出される。ここで、減圧弁6は、燃料電池3に供給される空気の圧力に応じて、燃料電池3に供給される水素ガスの圧力を減少させる。水素ガスは、燃料電池3で発電に使用された後、燃料電池3から水素オフガスとして排出される。排出された水素オフガスは、水抜き器8により同ガス中に含まれる水分が分離され、ポンプ9により吸引されて、減圧弁6から流れ出る新しい水素ガスと合流して再び燃料電池3に供給される。水抜き器8に回収された水分は、パージ弁10を開弁することにより、必要に応じて適宜排出される。この燃料電池システムを制御するための電子制御装置(ECU)11には、圧力センサ4、減圧弁6及び流量センサ7がそれぞれ接続される。ECU11には、この燃料電池システムを起動・停止するために操作されるイグニションスイッチ(IG/SW)12が接続される。
【0013】
図2に、減圧弁6の断面図を含むガス減圧装置の概略構成図を示す。減圧弁6は、一体に組み付けられたロワボディ21とアッパボディ22を備える。ロワボディ21は、その左右に位置する出口23及び入口24を含む。出口23及び入口24には、管継手25,26が装着される。ロワボディ21とアッパボディ22との間に形成される内部空間27は、ダイアフラム28により、上側の背圧室29と下側の計量室30とに区画される。ダイアフラム28の外周縁は、両ボディ21,22の間に挟持される。
【0014】
ロワボディ21は、出口23及び入口24の他に、出口23と入口24との間に設けられる弁座31と、弁座31に隣接する弁室32と、出口通路33及び入口通路34とを含む。弁座31は、その中心に弁孔31aを含む。弁孔31aは計量室30及び出口通路33を介して出口23に通じる。弁室32は、入口通路34を介して入口24に通じる。弁室32には、弁体ホルダ35が設けられる。弁体ホルダ35には、弁座31に対応する弁体36が往復動可能に設けられる。弁体36が弁座31に当接することにより、入口24と出口23との間を遮断する。弁体36が弁座31から離れることにより、入口24と出口23との間が連通する。ダイアフラム28の中央に設けられるホルダ37には、弁体36が連結される。弁体36は、ダイアフラム28に連動可能に設けられる。弁体ホルダ35には、弁体36を弁座31に当接する方向へ付勢する復帰バネ38が設けられる。この実施の形態で、計量室30においてダイアフラム28にガス圧力が作用することにより、弁体36を弁座31に近付ける方向へダイアフラム28が変位する。
【0015】
アッパボディ22の上部には、コア39を中心にして電磁石40が設けられる。コア39の下側には、可動子41が往復動可能に設けられる。可動子41は、ホルダ37に連結される。コア39の上部には、調節ネジ42が設けられる。調節ネジ42と可動子41との間には、調圧バネ43が設けられる。調圧バネ43は、弁体36を弁座31から離す方向へダイアフラム28を付勢する。この実施の形態の減圧弁6は、ダイアフラム28、調圧バネ43及び復帰バネ38により弁体36を弁座31に対して移動することにより、入口24より計量室30に入り出口23から流れ出る水素ガスを減圧するようになっている。
【0016】
この実施の形態では、通電により電磁石40に電磁力を発生させることにより、可動子41が調圧バネ43の付勢力に抗して電磁石40に吸引され、上方へ移動(往動)するようになっている。また、通電停止により電磁石40の電磁力を消失させることにより、可動子41が調圧バネ43の付勢力により下方へ移動(復動)するようになっている。このように電磁力により可動子41を移動させることにより、調圧バネ43の付勢力が調整されるようになっている。この実施の形態では、電磁石40及び可動子41により、ダイアフラム28に対して調圧バネ43の付勢力と反対方向の力を電磁力により与えるための本発明の電磁力付与手段が構成される。
【0017】
この実施の形態で、前述した流量センサ7は、出口23からのガス流量を検出するための本発明のガス流量検出手段に相当する。ECU11は、検出されるガス流量に応じて電磁力を調整するために電磁石40等を制御する本発明の制御手段に相当する。更に、前述したイグニションスイッチ(IG/SW)12は、燃料電池システムの停止を検出するための本発明の停止検出手段に相当する。そして、ECU11は、燃料電池システムの停止が検出されたときに、電磁力を消失させるために、電磁石40に対する通電を停止することにより、電磁石40の電磁力を消失させるようになっている。
【0018】
図3に、減圧弁6を制御するためにECU11が実行する制御プログラムをフローチャートに示す。
【0019】
先ず、ステップ100で、ECU11は、イグニションスイッチ(IG/SW)12がONされたか否かを判断する。この判断結果が否定である場合、ECU11は、その後の処理を終了する。この判断結果が肯定である場合、ECU11は、処理をステップ110へ移行する。
【0020】
ステップ110で、ECU11は、流量センサ7によるガス流量の検出値を読み込む。次いで、ステップ120で、ECU11は、ガス流量の検出値に基づき、電磁石40に対する通電値を算出する。この実施の形態で、予め、ガス流量の値に対する最適な通電値が、マップデータの形で設定されている。ECU11は、このマップデータを参照することにより、最適な通電値を算出することになる。ここでは、ガス流量に反比例した通電値が算出される。そして、ステップ130で、ECU11は、算出された通電値に基づき電磁石40に通電する。
【0021】
その後、ステップ140で、ECU11は、イグニションスイッチ(IG/SW)12がOFFされたか否かを判断する。この判断結果が否定である場合、ECU11は、処理をステップ110へ戻す。この判断結果が肯定である場合、ECU11は、処理をステップ150で、電磁石40に対する通電を停止し、その後の処理を一旦停止する。
【0022】
以上説明した本実施の形態におけるガス減圧装置によれば、ダイアフラム28が変位して弁座31からの弁体36の距離、即ち、弁体36の開度が大きくなるほど、調圧バネ43が変形し、調圧バネ43の付勢力はそのバネ定数に従って小さくなり、ダイアフラム28に作用する出口23の水素ガス圧力も低下することになる。
【0023】
ここで、弁体36の開度が大きくなるほど、出口23から流れ出るガス流量は多くなるが、このガス流量が流量センサ7により検出される。そして、その検出値に応じて電磁石40がECU11により通電制御されてダイアフラム28に与えられる電磁力が調整される。従って、ダイアフラム28には調圧バネ43の付勢力と反対方向の力が与えられ、ダイアフラム28に作用する力が一定となり、出口23のガス圧力が一定に保たれる。この結果、燃料電池3に供給される水素ガスの圧力を一定に保つことができる。このように、ガス流量が変化しても一定圧力の水素ガスを燃料電池3に供給できることから、燃料電池3につき良好な性能を確保することができる。
【0024】
図4に、ガス流量と各部の力との関係をグラフに示す。図5に、ガス流量と減圧弁6の出口23のガス圧力との関係をグラフに示す。このグラフからも分かるように、調圧バネ43の付勢力はガス流量が「0」から「100」へ増加するに連れて、「100」から「90」へ減少する。この付勢力の変化に合わせて、調圧バネ43の付勢力と反対方向の力が可動子41によりダイアフラム28に与えられる。この実施の形態では、図4のグラフに示すように、ガス流量が「0」から「100」へ増えるほど、可動子41による力(上向き)が「10」から「0」へ徐々に少なくなるように設定される。即ち、ガス流量が「0」のときは、可動子41による力が最大の「10」となり、ガス流量が最大の「100」になるに連れて、可動子41による力が「0」になるように設定される。これにより、ダイアフラム28に作用する力の合成力が一定値である「90」に調整される。この結果、図5のグラフに示すように、減圧弁6の出口23における水素ガスの圧力が、同出口23から流れ出るガス流量の変化に対して変化しなくなる。
【0025】
また、この実施の形態におけるガス減圧装置によれば、イグニションスイッチ(IG/SW)12により燃料電池システムの停止が検出されたときに、ECU11により電磁石40による電磁力が消失させられる。従って、燃料電池システムの停止時には、弁体36を弁座31に近付ける方向の力が電磁力によりダイアフラム28に与えられなくなり、その出口23のガス圧力が直ちに低下する。この結果、燃料電池システムの停止時に燃料電池3に作用する水素ガスの圧力を低減させることができる。このように、燃料電池システムの停止時に水素ガスの圧力を低減できるので、燃料電池23の耐圧設計を厳重にする必要がなくなり、燃料電池3の小型化や長寿命化に役立てることができる。
【0026】
図6に、ガス流量に対する各部力の関係をグラフに示す。図7に、ガス流量に対する減圧弁6の出口23におけるガス圧力の関係をグラフに示す。図6,7のグラフに示す実験では、図5,6とは異なり、便宜上、ガス流量の変化に対して可動子41の力を変える制御は行っていない。弁体36の全閉時(ガス流量が「0」となるとき)にのみ、電磁石40の電磁力を消失させることにより、可動子41の力を「0」にしている。このグラフからも分かるように、ガス流量が「0」となるときに、可動子41の力を「0」にすることにより、ダイアフラム28に作用する力が急激に低下する。この結果、図7のグラフに示すように、減圧弁6の出口23における水素ガスの圧力を急激に低減できるようになる。
【0027】
尚、この発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で以下のように実施することもできる。
【0028】
(1)前記実施の形態では、本発明のガス減圧装置を、燃料電池システムにおいて燃料電池3に供給される水素ガスを減圧するために使用した。これに対し、本発明のガス減圧装置を、燃料電池システムにおいて燃料電池に供給される空気を減圧するために使用することもできる。
【0029】
(2)前記実施の形態では、本発明のガス流量検出手段として、ガス流量を検出する流量センサ7を使用した。これに対し、本発明のガス流量検出手段として、ガス流量相当値である「弁体の開度」を検出する開度センサ等をガス流量検出手段として使用することもできる。
【0030】
(3)前記実施の形態では、図1に示す燃料電池システムにガス減圧装置を具体化したが、図8に示す燃料電池システムにガス減圧装置を具体化することもできる。図8において、流量センサ7の下流側には、水素ガスの圧力を検出するための別の圧力センサ13が設けられる。この構成で、ECU11は、減圧弁6の出口における水素ガスの圧力を一定に制御するために、別の圧力センサ13の検出値をフィードバックするようになっている。
【0031】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明の構成によれば、ダイアフラムには調圧バネの付勢力と反対方向の力が与えられ、ダイアフラムに作用する力が一定となり、出口のガス圧力が一定に保たれる。この結果、燃料電池に供給されるガス圧力を一定に保つことができる。
【0032】
請求項2に記載の発明の構成によれば、燃料電池システムの停止時には、弁体を弁座に近付ける方向の力が電磁力によりダイアフラムに与えられなくなり、出口のガス圧力が低下する。この結果、請求項1に記載の発明の効果に加え、燃料電池システムの停止時に燃料電池に作用するガス圧力を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態に係り、燃料電池システムを示す概略構成図。
【図2】減圧弁の断面図を含むガス減圧装置を示す概略構成図。
【図3】減圧弁の制御プログラムを示すフローチャート。
【図4】ガス流量と各部の力との関係を示すグラフ。
【図5】ガス流量と減圧弁出口のガス圧力との関係を示すグラフ。
【図6】ガス流量と各部の力との関係を示すグラフ。
【図7】ガス流量と減圧弁出口のガス圧力との関係を示すグラフ。
【図8】別の実施の形態に係り、燃料電池システムを示す概略構成図。
【図9】ガス流量に対する出力荷重の関係を示すグラフ。
【図10】ガス流量に対する出口圧力の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
3 燃料電池
6 減圧弁
7 流量センサ(ガス流量検出手段)
11 ECU(制御手段)
12 IG/SW(停止検出手段)
21 ロワボディ
22 アッパボディ
23 出口
24 入口
27 内部空間
28 ダイアフラム
29 背圧室
30 計量室
31 弁座
36 弁体
40 電磁石
【発明の属する技術分野】
この発明は、燃料電池システムの燃料電池に供給される燃料ガス又は酸化剤ガスを減圧するのに使用される燃料電池システムのガス減圧装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のガス減圧装置として、その一例が下記の特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の燃料電池システムでは、燃料電池に供給される燃料ガス(水素ガス)の圧力を、同じく燃料電池に供給される空気の圧力に応じて減少させるレギュレータが使用される。このレギュレータは、空気式の比例圧力制御弁からなり、エアコンプレッサから供給される空気の圧力信号を入力し、出口における水素ガスの圧力(出口圧力)が前記圧力信号に応じた所定範囲の圧力となるように減圧する。一般に、この種のレギュレータは、弁体に連結されるダイアフラムと、調圧バネ等のバネとを備え、ガスによりダイアフラムに作用する力とバネ付勢力との合成力をバランスさせて弁体の開度を調整することにより、ガス圧力を調整するようになっている。即ち、この種のレギュレータで、出口圧力は、ダイアフラムに作用して弁体を閉じる方向に働く。その反対に、調圧バネは、弁体を開く方向の付勢力をダイアフラムに与える。そして、出口圧力が低下するとき、調圧バネはダイアフラムを変位させて弁体をより大きく開かせ、出口圧力を上昇させる。これにより、レギュレータの出口圧力は一定に保たれる。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−373682号公報(第3−6頁,図1,2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来のレギュレータでは、調圧バネの荷重が、弁体の変位(ダイアフラムの変位)により変わるので、結果として出口圧力は変化することになった。これは、ダイアフラムが変位するときにバネが変形してバネ付勢力がバネ定数に従って変化することによる。図9に示すように、ダイアフラムに作用するガス圧力と調圧バネの付勢力は、互いに作用方向は逆であるが、ガス流量(弁体の開度)が増えるほど小さくなる。このため、図10に示すように、出口圧力は、ガス流量(弁体の開度)が増えるほど低くなる。ここで、本来、燃料電池システムで使用されるレギュレータの出口圧力は、ガス流量の多少にかかわらず一定となることが望まれる。しかし、前記従来のレギュレータでは、バネ定数の影響は避けられず、レギュレータに多量の水素ガスが流れたとき、その出口圧力が低下してしまう。
【0005】
また、燃料電池システムを停止させたときは、レギュレータの弁体を全閉にすることになり、図10に示すように、ガス流量が「0」になるときの出口圧力が上昇していた。このため、レギュレータの下流側に設けられる機器につき、厚肉化などの耐圧設計が必要となり、機器が大型化することになり、耐用期間も短縮する傾向にあった。
【0006】
この発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その第1の目的は、燃料電池に供給されるガス圧力を一定に保つことを可能とした燃料電池システムの減圧装置を提供することにある。この発明の第2の目的は、第1の目的に加え、燃料電池システムの停止時に燃料電池に作用するガス圧力を低減させることを可能とした燃料電池システムの減圧装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、燃料電池システムの燃料電池に供給されるガスを減圧するガス減圧装置であって、入口及び出口を含むボディと、ボディの内部空間を計量室と背圧室とに区画するダイアフラムと、入口と出口との間にて計量室に対応して設けられる弁座と、弁座に対応して設けられる弁体と、弁体はダイアフラムに連動可能に設けられることと、計量室にてダイアフラムにガス圧力が作用することにより、弁体を弁座に近付ける方向へダイアフラムが変位することと、弁体を弁座から離す方向へダイアフラムを付勢する調圧バネとを備え、少なくともダイアフラム及び調圧バネにより弁体を弁座に対して移動することにより、入口より計量室に入り出口から流れ出るガスを減圧するガス減圧装置において、ダイアフラムに対して調圧バネの付勢力と反対方向の力を電磁力により与えるための電磁力付与手段と、出口からのガス流量又はそのガス流量相当値を検出するためのガス流量検出手段と、検出されるガス流量又はガス流量相当値に応じて電磁力を調整するために電磁力付与手段を制御する制御手段とを備えたことを趣旨とする。
【0008】
上記発明の構成によれば、ダイアフラムが変位して弁座からの弁体の距離、即ち、弁体の開度が大きくなるほど、調圧バネが変形し、調圧バネの付勢力はそのバネ定数に従って小さくなり、ダイアフラムに作用する出口のガス圧力も低下することになる。ここで、弁体の開度が大きくなるほど、出口から流れ出るガス流量は多くなるが、そのガス流量又はガス流量相当値がガス流量検出手段により検出される。そして、その検出値に応じて電磁力付与手段が制御手段により制御されることにより、ダイアフラムに与えられる電磁力が調整される。従って、ダイアフラムには調圧バネの付勢力と反対方向の力が調整されて与えられ、ダイアフラムに作用する力が一定となり、出口のガス圧力が一定に保たれる。
【0009】
上記第2の目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、燃料電池システムの停止を検出するための停止検出手段を備え、制御手段は、停止が検出されたときに電磁力を消失させるために電磁力付与手段を制御することを趣旨とする。
【0010】
上記発明の構成によれば、停止検出手段により燃料電池システムの停止が検出されたときに、制御手段により電磁力付与手段が制御されて電磁力が消失させられる。従って、燃料電池システムの停止時には、弁体を弁座に近付けるために電磁力によりダイアフラムに与えられる力がなくなり、出口のガス圧力が低下する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の燃料電池システムのガス減圧装置を具体化した一実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1に、本実施の形態におけるガス減圧装置を含む燃料電池システムを概略構成図に示す。この燃料電池システムにおいて、酸化剤ガスとしての空気はコンプレッサ1により所定の圧力に昇圧される。昇圧された空気は、加湿器2により加湿されて燃料電池3に供給される。燃料電池3に供給される空気の圧力は、圧力センサ4により検出される。燃料電池3に供給された空気は、同電池3にて発電に使用された後、燃料電池3から空気オフガスとして排出され、圧力制御弁5を介して排出される。圧力制御弁5は、燃料電池3における空気の供給圧力を制御する。この燃料電池システムでは、燃料ガスとしての水素ガスが減圧弁6により減圧されて燃料電池3に供給される。燃料電池3に供給される水素ガスの流量(ガス流量)は、流量センサ7により検出される。ここで、減圧弁6は、燃料電池3に供給される空気の圧力に応じて、燃料電池3に供給される水素ガスの圧力を減少させる。水素ガスは、燃料電池3で発電に使用された後、燃料電池3から水素オフガスとして排出される。排出された水素オフガスは、水抜き器8により同ガス中に含まれる水分が分離され、ポンプ9により吸引されて、減圧弁6から流れ出る新しい水素ガスと合流して再び燃料電池3に供給される。水抜き器8に回収された水分は、パージ弁10を開弁することにより、必要に応じて適宜排出される。この燃料電池システムを制御するための電子制御装置(ECU)11には、圧力センサ4、減圧弁6及び流量センサ7がそれぞれ接続される。ECU11には、この燃料電池システムを起動・停止するために操作されるイグニションスイッチ(IG/SW)12が接続される。
【0013】
図2に、減圧弁6の断面図を含むガス減圧装置の概略構成図を示す。減圧弁6は、一体に組み付けられたロワボディ21とアッパボディ22を備える。ロワボディ21は、その左右に位置する出口23及び入口24を含む。出口23及び入口24には、管継手25,26が装着される。ロワボディ21とアッパボディ22との間に形成される内部空間27は、ダイアフラム28により、上側の背圧室29と下側の計量室30とに区画される。ダイアフラム28の外周縁は、両ボディ21,22の間に挟持される。
【0014】
ロワボディ21は、出口23及び入口24の他に、出口23と入口24との間に設けられる弁座31と、弁座31に隣接する弁室32と、出口通路33及び入口通路34とを含む。弁座31は、その中心に弁孔31aを含む。弁孔31aは計量室30及び出口通路33を介して出口23に通じる。弁室32は、入口通路34を介して入口24に通じる。弁室32には、弁体ホルダ35が設けられる。弁体ホルダ35には、弁座31に対応する弁体36が往復動可能に設けられる。弁体36が弁座31に当接することにより、入口24と出口23との間を遮断する。弁体36が弁座31から離れることにより、入口24と出口23との間が連通する。ダイアフラム28の中央に設けられるホルダ37には、弁体36が連結される。弁体36は、ダイアフラム28に連動可能に設けられる。弁体ホルダ35には、弁体36を弁座31に当接する方向へ付勢する復帰バネ38が設けられる。この実施の形態で、計量室30においてダイアフラム28にガス圧力が作用することにより、弁体36を弁座31に近付ける方向へダイアフラム28が変位する。
【0015】
アッパボディ22の上部には、コア39を中心にして電磁石40が設けられる。コア39の下側には、可動子41が往復動可能に設けられる。可動子41は、ホルダ37に連結される。コア39の上部には、調節ネジ42が設けられる。調節ネジ42と可動子41との間には、調圧バネ43が設けられる。調圧バネ43は、弁体36を弁座31から離す方向へダイアフラム28を付勢する。この実施の形態の減圧弁6は、ダイアフラム28、調圧バネ43及び復帰バネ38により弁体36を弁座31に対して移動することにより、入口24より計量室30に入り出口23から流れ出る水素ガスを減圧するようになっている。
【0016】
この実施の形態では、通電により電磁石40に電磁力を発生させることにより、可動子41が調圧バネ43の付勢力に抗して電磁石40に吸引され、上方へ移動(往動)するようになっている。また、通電停止により電磁石40の電磁力を消失させることにより、可動子41が調圧バネ43の付勢力により下方へ移動(復動)するようになっている。このように電磁力により可動子41を移動させることにより、調圧バネ43の付勢力が調整されるようになっている。この実施の形態では、電磁石40及び可動子41により、ダイアフラム28に対して調圧バネ43の付勢力と反対方向の力を電磁力により与えるための本発明の電磁力付与手段が構成される。
【0017】
この実施の形態で、前述した流量センサ7は、出口23からのガス流量を検出するための本発明のガス流量検出手段に相当する。ECU11は、検出されるガス流量に応じて電磁力を調整するために電磁石40等を制御する本発明の制御手段に相当する。更に、前述したイグニションスイッチ(IG/SW)12は、燃料電池システムの停止を検出するための本発明の停止検出手段に相当する。そして、ECU11は、燃料電池システムの停止が検出されたときに、電磁力を消失させるために、電磁石40に対する通電を停止することにより、電磁石40の電磁力を消失させるようになっている。
【0018】
図3に、減圧弁6を制御するためにECU11が実行する制御プログラムをフローチャートに示す。
【0019】
先ず、ステップ100で、ECU11は、イグニションスイッチ(IG/SW)12がONされたか否かを判断する。この判断結果が否定である場合、ECU11は、その後の処理を終了する。この判断結果が肯定である場合、ECU11は、処理をステップ110へ移行する。
【0020】
ステップ110で、ECU11は、流量センサ7によるガス流量の検出値を読み込む。次いで、ステップ120で、ECU11は、ガス流量の検出値に基づき、電磁石40に対する通電値を算出する。この実施の形態で、予め、ガス流量の値に対する最適な通電値が、マップデータの形で設定されている。ECU11は、このマップデータを参照することにより、最適な通電値を算出することになる。ここでは、ガス流量に反比例した通電値が算出される。そして、ステップ130で、ECU11は、算出された通電値に基づき電磁石40に通電する。
【0021】
その後、ステップ140で、ECU11は、イグニションスイッチ(IG/SW)12がOFFされたか否かを判断する。この判断結果が否定である場合、ECU11は、処理をステップ110へ戻す。この判断結果が肯定である場合、ECU11は、処理をステップ150で、電磁石40に対する通電を停止し、その後の処理を一旦停止する。
【0022】
以上説明した本実施の形態におけるガス減圧装置によれば、ダイアフラム28が変位して弁座31からの弁体36の距離、即ち、弁体36の開度が大きくなるほど、調圧バネ43が変形し、調圧バネ43の付勢力はそのバネ定数に従って小さくなり、ダイアフラム28に作用する出口23の水素ガス圧力も低下することになる。
【0023】
ここで、弁体36の開度が大きくなるほど、出口23から流れ出るガス流量は多くなるが、このガス流量が流量センサ7により検出される。そして、その検出値に応じて電磁石40がECU11により通電制御されてダイアフラム28に与えられる電磁力が調整される。従って、ダイアフラム28には調圧バネ43の付勢力と反対方向の力が与えられ、ダイアフラム28に作用する力が一定となり、出口23のガス圧力が一定に保たれる。この結果、燃料電池3に供給される水素ガスの圧力を一定に保つことができる。このように、ガス流量が変化しても一定圧力の水素ガスを燃料電池3に供給できることから、燃料電池3につき良好な性能を確保することができる。
【0024】
図4に、ガス流量と各部の力との関係をグラフに示す。図5に、ガス流量と減圧弁6の出口23のガス圧力との関係をグラフに示す。このグラフからも分かるように、調圧バネ43の付勢力はガス流量が「0」から「100」へ増加するに連れて、「100」から「90」へ減少する。この付勢力の変化に合わせて、調圧バネ43の付勢力と反対方向の力が可動子41によりダイアフラム28に与えられる。この実施の形態では、図4のグラフに示すように、ガス流量が「0」から「100」へ増えるほど、可動子41による力(上向き)が「10」から「0」へ徐々に少なくなるように設定される。即ち、ガス流量が「0」のときは、可動子41による力が最大の「10」となり、ガス流量が最大の「100」になるに連れて、可動子41による力が「0」になるように設定される。これにより、ダイアフラム28に作用する力の合成力が一定値である「90」に調整される。この結果、図5のグラフに示すように、減圧弁6の出口23における水素ガスの圧力が、同出口23から流れ出るガス流量の変化に対して変化しなくなる。
【0025】
また、この実施の形態におけるガス減圧装置によれば、イグニションスイッチ(IG/SW)12により燃料電池システムの停止が検出されたときに、ECU11により電磁石40による電磁力が消失させられる。従って、燃料電池システムの停止時には、弁体36を弁座31に近付ける方向の力が電磁力によりダイアフラム28に与えられなくなり、その出口23のガス圧力が直ちに低下する。この結果、燃料電池システムの停止時に燃料電池3に作用する水素ガスの圧力を低減させることができる。このように、燃料電池システムの停止時に水素ガスの圧力を低減できるので、燃料電池23の耐圧設計を厳重にする必要がなくなり、燃料電池3の小型化や長寿命化に役立てることができる。
【0026】
図6に、ガス流量に対する各部力の関係をグラフに示す。図7に、ガス流量に対する減圧弁6の出口23におけるガス圧力の関係をグラフに示す。図6,7のグラフに示す実験では、図5,6とは異なり、便宜上、ガス流量の変化に対して可動子41の力を変える制御は行っていない。弁体36の全閉時(ガス流量が「0」となるとき)にのみ、電磁石40の電磁力を消失させることにより、可動子41の力を「0」にしている。このグラフからも分かるように、ガス流量が「0」となるときに、可動子41の力を「0」にすることにより、ダイアフラム28に作用する力が急激に低下する。この結果、図7のグラフに示すように、減圧弁6の出口23における水素ガスの圧力を急激に低減できるようになる。
【0027】
尚、この発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で以下のように実施することもできる。
【0028】
(1)前記実施の形態では、本発明のガス減圧装置を、燃料電池システムにおいて燃料電池3に供給される水素ガスを減圧するために使用した。これに対し、本発明のガス減圧装置を、燃料電池システムにおいて燃料電池に供給される空気を減圧するために使用することもできる。
【0029】
(2)前記実施の形態では、本発明のガス流量検出手段として、ガス流量を検出する流量センサ7を使用した。これに対し、本発明のガス流量検出手段として、ガス流量相当値である「弁体の開度」を検出する開度センサ等をガス流量検出手段として使用することもできる。
【0030】
(3)前記実施の形態では、図1に示す燃料電池システムにガス減圧装置を具体化したが、図8に示す燃料電池システムにガス減圧装置を具体化することもできる。図8において、流量センサ7の下流側には、水素ガスの圧力を検出するための別の圧力センサ13が設けられる。この構成で、ECU11は、減圧弁6の出口における水素ガスの圧力を一定に制御するために、別の圧力センサ13の検出値をフィードバックするようになっている。
【0031】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明の構成によれば、ダイアフラムには調圧バネの付勢力と反対方向の力が与えられ、ダイアフラムに作用する力が一定となり、出口のガス圧力が一定に保たれる。この結果、燃料電池に供給されるガス圧力を一定に保つことができる。
【0032】
請求項2に記載の発明の構成によれば、燃料電池システムの停止時には、弁体を弁座に近付ける方向の力が電磁力によりダイアフラムに与えられなくなり、出口のガス圧力が低下する。この結果、請求項1に記載の発明の効果に加え、燃料電池システムの停止時に燃料電池に作用するガス圧力を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態に係り、燃料電池システムを示す概略構成図。
【図2】減圧弁の断面図を含むガス減圧装置を示す概略構成図。
【図3】減圧弁の制御プログラムを示すフローチャート。
【図4】ガス流量と各部の力との関係を示すグラフ。
【図5】ガス流量と減圧弁出口のガス圧力との関係を示すグラフ。
【図6】ガス流量と各部の力との関係を示すグラフ。
【図7】ガス流量と減圧弁出口のガス圧力との関係を示すグラフ。
【図8】別の実施の形態に係り、燃料電池システムを示す概略構成図。
【図9】ガス流量に対する出力荷重の関係を示すグラフ。
【図10】ガス流量に対する出口圧力の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
3 燃料電池
6 減圧弁
7 流量センサ(ガス流量検出手段)
11 ECU(制御手段)
12 IG/SW(停止検出手段)
21 ロワボディ
22 アッパボディ
23 出口
24 入口
27 内部空間
28 ダイアフラム
29 背圧室
30 計量室
31 弁座
36 弁体
40 電磁石
Claims (2)
- 燃料電池システムの燃料電池に供給されるガスを減圧するガス減圧装置であって、
入口及び出口を含むボディと、
前記ボディの内部空間を計量室と背圧室とに区画するダイアフラムと、
前記入口と前記出口との間にて前記計量室に対応して設けられる弁座と、
前記弁座に対応して設けられる弁体と、
前記弁体は前記ダイアフラムに連動可能に設けられることと、
前記計量室にて前記ダイアフラムにガス圧力が作用することにより、前記弁体を前記弁座に近付ける方向へ前記ダイアフラムが変位することと、
前記弁体を前記弁座から離す方向へ前記ダイアフラムを付勢する調圧バネと
を備え、少なくとも前記ダイアフラム及び前記調圧バネにより前記弁体を前記弁座に対して移動することにより、前記入口より前記計量室に入り前記出口から流れ出るガスを減圧するガス減圧装置において、
前記ダイアフラムに対して前記調圧バネの付勢力と反対方向の力を電磁力により与えるための電磁力付与手段と、
前記出口からのガス流量又はそのガス流量相当値を検出するためのガス流量検出手段と、
前記検出されるガス流量又はガス流量相当値に応じて前記電磁力を調整するために前記電磁力付与手段を制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする燃料電池システムのガス減圧装置。 - 前記燃料電池システムの停止を検出するための停止検出手段を備え、前記制御手段は、前記停止が検出されたときに前記電磁力を消失させるために前記電磁力付与手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システムのガス減圧装置。
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2003
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