JP2004317380A - 2軸検出型双音さ型振動ジャイロセンサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】二本のアーム部と該前記アーム部の両端をそれぞれ支持する二つの双音さ支持部とを一体的に構成すると共に前記アーム部の表面に駆動用電極を形成した双音さ型振動ジャイロセンサであって、二つの支持固定部と、該各支持固定部と前記各双音さ支持部との間をそれぞれ一体的に接続する二つの検出部と、前記検出部に形成した第1の検出電極と、前記アーム部の表面に形成した第2の検出電極とを備え、前記二つのアーム部を含む平面と直交する軸に対する回転の回転角速度に対応する第1の検出信号を前記第1の検出電極から出力すると共に、前記アーム部に平行な軸に対する回転の回転角速度に対応する第2の検出信号を前記第2の検出電極から出力したことを特徴とする2軸検出型双音さ型振動ジャイロセンサ。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コリオリ力を利用した双音さ型振動ジャイロセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
物体の回転を検出するセンサーとして、コリオリ力を応用した音さ型振動ジャイロセンサーが広く使われている。特に水平横置き型と呼ばれる音さ型振動ジャイロセンサは薄型化が可能であるため、カメラの手振防止用やカーナビゲーションシステム用等、その応用範囲は広い。
近年、車両の走行制御用途向けに水平横置きタイプの音さ型振動ジャイロセンサが研究されるようになってきた。車両の走行制御はまさに車両全体の安全性を左右する生命線であり、この用途向けの振動ジャイロセンサには、特に耐振動衝撃性能に優れ高精度のものが要求される。
【0003】
従来、電子情報通信学会技術報告US97−56、1997−09に薄型化を目的とした水平横置きタイプの音さ型振動ジャイロセンサが提案されている。しかしながら、このタイプは音さの根本を固定し音さの先端をフリーとした一点支持構造のものであるため、耐振動衝撃性能に弱いという問題点を抱えている。
そこで、本願発明者は耐振動衝撃性に優れ、かつ高精度で薄型化、小型化にも対応可能な水平横置き型の双音さ型振動ジャイロセンサを考案し、これを特願2002―264872号として出願している。
【0004】
図9(a)は特願2002―264872号における従来の双音さ型振動ジャイロセンサの外観図を示したものである。
図9(a)において、従来の双音さ型振動ジャイロセンサは、基板主面の法線方向が結晶Z軸方向となるようにカットしたZ板水晶薄片を双音さ形状に加工し、その表面に所定の電極を形成したものであって、一対の短冊状のアーム部1a、1bと前記アーム部1a、1bの表面に形成した駆動電極(図示省略)とを有する駆動部2と、前記駆動部2の両端を支持する双音さ支持部3a、3bと、検出電極(図示省略)を有し前記双音さ支持部3a、3bを介して前記アーム部1a、1bの振動を検出する検出部4a、4bと、前記検出部4a、4bの一端を支持すると共に前記検出電極(図示せず)に接続する一対の引き出し電極(図示せず)を有する支持固定部5a、5bとを備えている。
また、支持固定部5a、5bは接着材等でセンサのパッケージ等の取り付け面(水平面)に固定されて使用することとなるが、ここでは図示を省略する。
【0005】
図9に示した従来の双音さ型振動ジャイロセンサは次のように動作する。
まず、非回転時の状態を考える。駆動部2が有する駆動用電極(図示せず)に駆動信号を与えると、図2(b)に示すようにアーム部1a、1bは面内対称屈曲1次振動モードと呼ばれる屈曲振動(駆動モード)が発生する。このときアーム部1a、1bは互いに図中左右対称に振動する。
そこで、この駆動モードで振動している双音さ型振動ジャイロセンサに結晶Z軸周りの角速度(回転)を与える。すると、アーム部1a、1bのそれぞれには一方がY方向(図中上向き)、他方がY方向(図中下向き)のコリオリ力が働く。この結果、前記左右相反するコリオリ力によってアーム部1a、1bは図2(c)に示すような面内非対称屈曲2次モードと呼ばれる屈曲振動(検出モード)が発生する。
【0006】
このとき双音さ支持部3a、3bにはそれぞれモーメントが発生するので検出部4a、4bはこれに対応してX方向に振動する。その結果、前記振動に対応して検出部4a、4bにそれぞれ設けられた検出電極には極性が互いに反転する検出電圧が発生する。
よって、検出部4a、4bは非回転時(駆動モード時)にはX方向の振動成分がほとんど発生せず、回転時(検出モード時)にのみX方向の振動成分を発生するので、検出部4a、4bから出力する前記二つの検出電圧の差動成分を検出信号とすれば、回転角速度に比例した電圧を検出信号として得ることができる。なお、回転方向が逆になると検出信号の極性が反転する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の双音さ型振動ジャイロセンサは次のような問題点があった。
すなわち、従来の双音さ型振動ジャイロセンサはZ軸周りの回転しか検出できない構造となっている。また、双音さ型のものに限らず一般の振動ジャイロセンサは回転の検出軸が一つであり、検出軸と直交する軸に対する回転を検出することができない構造となっている。
【0008】
このため、車載を目的とする場合には直交する2軸または3軸に対する回転角速度を同時に検出しなければならないので、少なくとも振動ジャイロセンサを2個または3個搭載し、各振動ジャイロセンサの検出軸を互いに直交するような配置としている。
しかしながら、複数の振動ジャイロセンサを搭載することは、車両内部においてスペースを占有することにもなるので小型化が困難である。更に、複数の振動ジャイロセンサを必要とするので当然コストも高くなってしまうという問題点を抱えていた。
【0009】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、耐振動衝撃性に優れ、かつ高精度で小型化にも対応可能な水平横置き型の2軸検出音さ型振動ジャイロセンサを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決する為に本発明に係わる請求項1記載の発明は、二本のアーム部と該前記アーム部の両端をそれぞれ支持する二つの双音さ支持部とを一体的に構成すると共に前記アーム部の表面に駆動用電極を形成した双音さ型振動ジャイロセンサであって、二つの支持固定部と、該各支持固定部と前記各双音さ支持部との間をそれぞれ一体的に接続する二つの検出部と、前記検出部に形成した第1の検出電極と、前記アーム部の表面に形成した第2の検出電極とを備え、前記二つのアーム部を含む平面と直交する軸に対する回転の回転角速度に対応する第1の検出信号を前記第1の検出電極から出力すると共に、前記アーム部に平行な軸に対する回転の回転角速度に対応する第2の検出信号を前記第2の検出電極から出力するようにしたものである。従って本構成で直交する2軸方向に対する回転を同時に検出することが可能となる。
【0011】
本発明に係わる請求項2記載の発明は、請求項1において前記駆動電極を前記アーム部の二本とも、或いはいずれか一本の表面に形成したものである。
本発明に係わる請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2において、前記第2の検出電極を前記アーム部の二本とも、或いはいずれか一本の表面に形成したものである。従って、請求項2または請求項3の構成によって、駆動電極と第2の検出電極との形成における電極配置の自由度を向上させる効果を持つ。
【0012】
本発明に係わる請求項4記載の発明は、請求項1、請求項2、または請求項3において、前記双音さ型振動ジャイロセンサの素材として二本のアーム部を含む平面の法線方向が結晶軸のZ軸となるようにカットした水晶を用いたものである。
本発明に係わる請求項5記載の発明は、請求項1、請求項2、請求項3、または請求項4において、前記検出部を短冊状に形成したものである。
従って、請求項4または請求項5の構成で高精度とする効果がある。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図示した実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は本発明に係わる2軸検出型双音さ型振動ジャイロセンサの外観図を示したものであって、(a)は上面図、(b)は底面図(上面から透過して見た状態)、(c)は側面図を示したものである。なお、図1の紙面と平行な面が水平面(取付面)であり、側面図には取り付け用の台座に接着材等で固定した状態を図示している。
【0014】
図1に示した双音さ型振動ジャイロセンサは、基板主面の法線方向が結晶Z軸方向となるようにカットしたZ板水晶薄片を双音さ形状に加工し、その表面に所定の電極を形成したものであって、一対の短冊状のアーム部1a、1bと前記アーム部1a、1bの表面に形成した後述する駆動電極及び後述する第2の検出電極とを有する駆動検出部6と、前記駆動検出部6の両端を支持する双音さ支持部3a、3bと、一対からなる第1の検出電極7aを有し前記双音さ支持部3aを介して前記アーム部1a、1bの振動を検出する検出部4aと、一対からなる第1の検出電極7bを有し前記双音さ支持部3bを介して前記アーム部1a、1bの振動を検出する検出部4bと、前記検出部4aの一端を支持すると共に前記第1の検出電極7aに接続する一対の引き出し電極8aを有する支持固定部5aと、前記検出部4bの一端を支持すると共に前記検出電極7bに接続する一対の引き出し電極8bを有する支持固定部5bとを備えている。ここで、図1において図示した第1の検出電極7a、7bと引き出し電極8a、8bの電極パターンは裏面にも同様な電極パターンが形成され、側面のパターンを介して接続されている。
【0015】
更に、図1の駆動検出部6において、上面と底面と側面には駆動電極及び第2の検出電極が形成されているが、これらの電極パターンの配置例を図2に示す。
図2は、図1のA−A’部分、B−B’部分、及びC−C’部分のそれぞれの断面を図示したものである。図2において、D+、D−は駆動電極9a、9bを表し、Sy1+及びSy1−は左のアーム部1a表面に形成した一対の第2の検出電極10aを表し、Sy2+及びSy2−は右のアーム部1b表面に形成した一対の第2の検出電極10bを表している。なお、前記第2の検出電極10aと前記第2の検出電極10bとは互いに独立した電極として形成されている。
また、駆動電極9a(D+)、9b(D−)のそれぞれには互いに極性の反転した駆動信号を印加するようになっており、Gは接地電極11、Mはモニター用電極12である。
【0016】
なお、前記駆動電極9a、9bと第2の検出電極10aと第2の検出電極10bと接地電極11とモニター用電極12は、図1において双音さ支持部3a、3bにそれぞれ引き出され、ここに引き出し電極13a(D+)、13b(D−)、13c(Sy1+、Sy1−)、13d(Sy2+、Sy2−)、13e(G)、13f(M)が形成されている。
【0017】
図1に示した双音さ型振動ジャイロセンサは次のように動作する。
まず、非回転時の状態を考える。引き出し電極13a(D+)、13b(D−)のそれぞれに互いに極性の反転した駆動信号を与えると、これがアーム部1a、1bに形成された駆動電極9a(D+)、9b(D−)にそれぞれ伝わり、アーム部1a、1bには図3(a)に示すような面内対称屈曲1次振動モードと呼ばれる屈曲振動(駆動モード)が発生する。このときアーム部1a、1bは互いに左右対称(X方向)に振動する。
【0018】
ただし、アーム部1a、1b両端の支持部分については極力左右に振れないようにアーム部1a、1bの中央部分とは逆方向に動くように駆動電極9a、9bを配置している。これは、非回転の状態におけるアーム部1a、1b中央の屈曲振動による歪みがアーム部1a、1bと双音さ支持部3a、3bとの接続部分にかかると、これが検出部4a、4bへと伝わってしまうからである。よって、非回転時の屈曲振動(駆動モード)においては前記接続部分が極力動かないように考慮し、アーム部1a、1b両端の左右の動きを抑えている。
【0019】
次に、この駆動モードで振動している双音さ型振動ジャイロセンサに結晶Z軸、すなわち2本のアーム部1a、1bの中央を含む平面に対して直交する軸の周りの回転のみを与える。例えば、図1(a)において時計回りの回転が生じると、アーム部1a、1bが互いに遠ざかる方向に振動しているときには、左アーム1aに同図下向きのコリオリ力が働き右アーム部1bに同図上向きのコリオリ力が働く。
また、アーム部1a、1bが互いに近づく方向に振動しているときには、左アーム部1aに同図上向きのコリオリ力が働き右アーム部1bには同図下向きのコリオリ力が働く。従って、アーム部1a、1bには同図上下方向(y方向)にすべるように互いに逆向きにコリオリ力が働くので、アーム部1a、1bには図3(b)に示すような面内非対称屈曲2次モードと呼ばれる屈曲振動(第1の屈曲振動)が生じる。このとき、前記第1の屈曲振動によって双音さ支持部3a、3bにはそれぞれモーメントが発生するので、検出部4a、4bはこれに対応してX方向に振動する。
【0020】
従って、前記検出部4a、4bのX方向の振動に対応して、検出部4a、4bに設けられた第1の検出電極7a、7bにはそれぞれ極性が互いに反転した二つの検出電圧(第1の検出信号)が発生する。そして、これが支持固定部5a、5bに形成した引き出し電極8a、8bを介して出力される。
なお、前記第1の検出信号としてはZ軸周りの回転角速度に比例した電圧が得られるが、Z軸周りの回転方向が逆になるとアーム部1a、1bそれぞれに働くコリオリ力の方向が反転し、これに応じて第1の検出信号の極性も反転するので、駆動信号に対する第1の検出信号の位相差を測定しておけばZ軸に対する回転方向の検出が可能である。
【0021】
一方、双音さ型振動ジャイロセンサに結晶Y軸、すなわち2本のアーム部1a、1bの長手方向を軸とする回転のみを与えたときを考える。例えば図1において、Y軸時計回りに回転が生じると、アーム部1a、1bが互いに遠ざかる方向に振動しているときには、左アーム1aにZ方向上向き、すなわち同図紙面を垂直上向きに貫く方向にコリオリ力が働き、右アーム部1bにZ方向下向きにコリオリ力が働く。
また、アーム部1a、1bが互いに近づく方向に振動しているときには、左アーム部1aにZ方向下向きのコリオリ力が働き、右アーム部1bにはZ方向上向きのコリオリ力が働く。この結果、前記相反するコリオリ力によってアーム部1a、1bには図3(c)に示すようなZ軸方向の屈曲振動(第2の屈曲振動)が生じる
【0022】
このとき、駆動検出部6のアーム部1a、1bに形成された第2の検出電極10a(Sy1+、Sy1−)と第2の検出電極10b(Sy2+、Sy2−)それぞれには、前記第2の屈曲振動に応じて駆動信号と同期した第2の検出信号が発生する。これが、双音さ支持部3aに形成した引き出し電極13c、13dに伝わり、ここからY軸周りの回転に対する第2の検出信号が出力される。
【0023】
ここで、双音さ型振動ジャイロセンサにZ軸に対する回転とY軸に対する回転とが同時に加わった場合、アーム部1a、1bとしては前記第1の屈曲振動と第2の屈曲振動が複合した状態になる。また、一方の回転を止めても他方の回転に対するコリオリ力にほとんど影響を与えず、第1,第2の屈曲振動は互いに独立したものと考えてよいので、第1の検出信号と第2の検出信号は互いに独立した信号として扱うことができる。
【0024】
すなわち、アーム部1a、1bは、非回転時(駆動モード時)或いはZ軸周りの回転時(Z軸検出モード時)にはZ方向にほとんど振動せず、Y軸周りの回転(Y軸検出モード時)が加わったときにのみZ方向に振動する。従って、引き出し電極13c、13dから出力する前記第2の検出信号の差動成分を検出信号とすれば、Y軸周りの回転角速度に比例した電圧を検出信号として得ることができる。
ここで、Y軸まわりの回転方向が逆になるとアーム部1a、1bそれぞれに働くコリオリ力の方向が反転し、これに応じて第2の検出信号の極性も反転するので、駆動信号に対する第2の検出信号の位相差を測定しておけばY軸まわりの回転方向の検出が可能である。
【0025】
なお、第2の検出信号はアーム部1a、1bからそれぞれ一対ずつ出力しているが、いずれか一方の出力のみを用いるようにしてもよい。
本実施例においては、左右のアーム部1a、1bそれぞれに電極を対称的に形成配置しているため、第2の検出信号を2対独立に出力できるようになっている。
【0026】
このように、本願発明である2軸検出型双音さ型振動ジャイロセンサは、直交する二つの回転検出軸を備え、Y軸周りの回転とZ軸周りの回転とをそれぞれ区別して検出し、それぞれの回転に対する第1,第2の検出信号を同時かつ独立に出力することができるので、車両等へ複数のセンサを搭載することを不要とし小型化及び省スペース化を図ることができる。
【0027】
以上、本願発明である2軸検出型双音さ型振動ジャイロセンサにおいて、駆動電極及び第2の検出電極とがアーム部1a、1bの両方の表面に形成されたものとして説明したが、本発明にあってはこれに限らず、駆動電極及び第2の検出電極はいずれか一方のアーム部の表面に形成したものでも良い。
図4〜図8はアーム部1a、1bに形成する駆動電極と第2の検出電極の他の配置例を示したものである。以下、これらの配置例について簡単に説明する。
図4は駆動電極及び第2の検出電極を左右のアーム部に配置した例である。図2のものと電極配置は異なるが、アーム部の上面、側面、或いは底面のいずれかに駆動電極と第2の検出電極と接地電極とモニタ電極が配置されている。
【0028】
図5、6は駆動電極を左側のアーム部にのみ配置し、第2の検出電極を右側のアーム部にのみ配置した例である。この配置例では駆動信号は左側のアーム部にのみ印加されるので左側のアーム部に屈曲振動が励振されるが、同時に左側アーム部に励振された屈曲振動の反作用で左側のアーム部にも屈曲振動が生じ、左右のアームは同期して互いに反対方向に動く。よって、図2、4の電極配置例のものと同様に左側アーム部の第2の検出電極から検出信号を出力することができる。
また、図5、6の配置例から分かるように駆動電極及び第2の検出電極は少なくともいずれか一方のアーム部に備えていればよい。
【0029】
図7、8は駆動電極と第2の検出電極とのいずれも左右のアーム部に配置した例であり、第2の検出電極の配置のみ上下非対称の配置となっているが、このような電極配置でも検出は可能である。なお、以上説明した図4〜8の電極配置例に合わせて、双音さ支持部3a、3bに形成する引き出し電極の配置を適宜変更することが可能であり、図1に図示した引き出し電極13a、13b、13c、13d、13e、13fの配置例と全く同じにする必要はない。従って、本発明において電極配置の自由度は比較的高い。
【0030】
また、本発明に係わる2軸検出型双音さ型振動ジャイロセンサにおいて、基板主面の法線方向が結晶Z軸方向となるようにカットしたZ板水晶薄片を加工したものを材料としたが、本発明にあってはこれに限らず、圧電セラミックスを材料としてもよいし、或いは他の圧電素子を材料として使うことも可能である。
【0031】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように、コリオリ力を利用した角速度センサにおいて、水平横置きタイプの双音さ型振動ジャイロセンサとし、直交する二つの回転検出軸を備え、前記回転検出軸に対応した二つの検出信号を同時かつ独立に出力するように構成したので、自動車等で利用する上で必要とされる耐振動性、耐衝撃性に優れ、省スペース化及び小型化が可能とする高精度な角速度センサを提供する上で著効を奏す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る2軸検出型双音さ型振動ジャイロセンサの外観図。
【図2】本発明に係る2軸検出型双音さ型振動ジャイロセンサの第1の電極配置例。
【図3】本発明に係る2軸検出型双音さ型振動ジャイロセンサの屈曲振動の様子を示した図。
【図4】本発明に係る2軸検出型双音さ型振動ジャイロセンサの第2の電極配置例。
【図5】本発明に係る2軸検出型双音さ型振動ジャイロセンサの第3の電極配置例。
【図6】本発明に係る2軸検出型双音さ型振動ジャイロセンサの第4の電極配置例。
【図7】本発明に係る2軸検出型双音さ型振動ジャイロセンサの第5の電極配置例。
【図8】本発明に係る2軸検出型双音さ型振動ジャイロセンサの第6の電極配置例。
【図9】従来の双音さ型振動ジャイロセンサの外観図。
【符号の説明】
1a、1b…アーム部
2…駆動部
3a、3b…双音さ支持部
4a、4b…検出部
5a、5b…支持固定部
6…駆動検出部
7a、7b…第1の検出電極
8a、8b…引き出し電極
9a、9b…駆動電極
10a、10b…第2の検出電極
11…接地電極
12…モニタ電極
13a、13b、13c、13d、13e、13f…引き出し電極
Claims (5)
- 二本のアーム部と該前記アーム部の両端をそれぞれ支持する二つの双音さ支持部とを一体的に構成すると共に前記アーム部の表面に駆動用電極を形成した双音さ型振動ジャイロセンサであって、
二つの支持固定部と、該各支持固定部と前記各双音さ支持部との間をそれぞれ一体的に接続する二つの検出部と、前記検出部に形成した第1の検出電極と、前記アーム部の表面に形成した第2の検出電極とを備え、前記二つのアーム部を含む平面と直交する軸に対する回転の回転角速度に対応する第1の検出信号を前記第1の検出電極から出力すると共に、
前記アーム部に平行な軸に対する回転の回転角速度に対応する第2の検出信号を前記第2の検出電極から出力したことを特徴とする2軸検出型双音さ型振動ジャイロセンサ。 - 前記駆動電極を前記アーム部の二本とも、或いはいずれか一本の表面に形成したことを特徴とする請求項1記載の2軸検出型双音さ型振動ジャイロセンサ。
- 前記第2の検出電極を前記アーム部の二本とも、或いはいずれか一本の表面に形成したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の2軸検出型双音さ型振動ジャイロセンサ。
- 前記双音さ型振動ジャイロセンサの素材として二本のアーム部を含む平面の法線方向が結晶軸のZ軸となるようにカットした水晶を用いたことを特徴とする請求項1、請求項2、または請求項3記載の2軸検出型双音さ型振動ジャイロセンサ。
- 前記検出部を短冊状に形成したことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、または請求項4記載の2軸検出型双音さ型振動ジャイロセンサ。
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