JP2004309227A - 計測装置、方位角計測装置及びキャリブレーションプログラム、並びにキャリブレーション方法 - Google Patents

計測装置、方位角計測装置及びキャリブレーションプログラム、並びにキャリブレーション方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コストを低減し、磁気センサの感度を簡単かつ正確に補正することができるとともに、磁気センサのオフセットを簡単に補正することができる計測装置を提供する。
【解決手段】3軸磁気センサ11の向きが3次元空間において変化した時の3軸出力を所定回数以上繰り返して取得し、直交座標系(x,y,z)上に、各主軸が直交座標系(x,y,z)の各座標軸に平行な楕円面を定め、繰り返し取得した測定データを直交座標系(x,y,z)上に配置し、配置した各測定点と楕円面との距離が最小となるように、感度補正係数αx,αy,αzおよび楕円面の中心座標であるオフセットCrx,Cry,Crzを統計的手法によって算出する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気センサの感度およびオフセットを補正する測定装置、方位角計測装置およびキャリブレーションプログラム、並びにキャリブレーション方法に係り、特に、コストを低減し、磁気センサの感度を簡単かつ正確に補正することができるとともに、磁気センサのオフセットを簡単に補正することができる計測装置、方位角計測装置およびキャリブレーションプログラム、並びにキャリブレーション方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
方位角計測装置においては、(1)磁気センサの感度が製品ごとにばらついていること、(2)磁気センサの感度が温度特性を有し、さらにその温度特性が製品ごとにばらついていることにより、正確な測定を行うため測定に先立って磁気センサの感度を補正する必要があった。
【0003】
従来、磁気センサの感度を補正するには、次の3つの方法が採用されていた。
第1の補正方法は、製造時に感度および温度特性が同一またはほぼ同一の磁気センサを選別して用いる。
第2の補正方法は、製造時に所定の温度・磁場中で磁気センサの感度を補正するための補正用データを測定し、測定した補正用データを不揮発性メモリに記憶して方位角計測装置に内蔵し、測定時に不揮発性メモリの補正用データに基づいて磁気センサの感度を補正する。
【0004】
第3の補正方法は、特許文献1に開示されている電子方位計の補正値算出方法を用い、環境が変化したときなど必要に応じて補正用データを測定し、方位角計測装置の不揮発性メモリに記憶し、測定時に不揮発性メモリの補正用データに基づいて磁気センサの感度を補正する。
一方、磁気センサの周辺にスピーカなどの着磁された部品が配置された場合、着磁された部品から漏れる磁場によって、磁気センサの出力にオフセットが発生する。
【0005】
したがって、磁気センサを用いて方位を検出する方位角計測装置では、磁気センサのオフセットによって、方位角の計算に誤差が生じることを防ぐために、磁気センサのオフセットを補正することを目的とした方位角計測装置のキャリブレーションを行うことが必要である。
このため、従来の方位角計測装置では、一例として、方位角計測装置を特定の軸回りに一定の角速度で回転させることにより、方位角計測装置のキャリブレーションを行っていた。
【0006】
図4は、方位角計測装置をz軸回りに一定の角速度で回転させた時の磁気センサの出力波形を示す図である。
図4において、携帯機器301をz軸回りに一定の角速度ωで回転させた場合、携帯機器301に搭載されたx軸ホール素子HExの出力Srxは、下式(1)で与えられる。
【0007】
Srx=aXYcos(ωt+θ)+X …(1)
ただし、aは、x軸ホール素子HExの感度、Xは、x軸ホール素子HExのオフセットである。
また、
XY=√(M +M
θ=tan−1(M/M
である。ただし、Mは、地磁気Mのx方向成分、Mは、地磁気Mのy方向成分である。
【0008】
したがって、x軸ホール素子HExの出力Srxの最大値Xmaxおよび最小値Xminは、下式(2),(3)で表すことができる。
max=aXY+X …(2)
min=−aXY+X …(3)
この結果、上式(2),(3)から、x軸ホール素子HExのオフセットXは、下式(4)で求めることができる。
【0009】
=(Xmax+Xmin)/2 …(4)
図5は、従来の方位角計測装置のキャリブレーション方法を示すフローチャートである。
図5において、携帯機器301のキャリブレーション開始ボタンを押す(ステップS21)。
【0010】
そして、x軸ホール素子HExが搭載された携帯機器301を水平に保ったまま、ゆっくり等速度で携帯機器301を1回転させる(ステップS22)。
そして、携帯機器301を1回転させたら、携帯機器301のキャリブレーション終了ボタンを押す(ステップS23)。
ここで、携帯機器301を1回転させる間に、x軸ホール素子HExの出力Srxの最大値Xmaxおよび最小値Xminを求め、これらの値を加算して2で割った値をx軸のオフセットXとすることで、x軸のキャリブレーションを行うことができる。
【0011】
【特許文献1】
特開2000−131068号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の第1の補正方法にあっては、同一またはほぼ同一の感度および温度特性を有する磁気センサを用いるのはコストの面で現実的ではない。
また、上記従来の第2の補正方法にあっては、温度制御可能な恒温槽および一定の磁場を発生させる装置が必要であり、また、補正用データを記憶するために方位角計測装置内に不揮発性メモリを設ける必要があるため、コストの上昇を招くという問題がある。
【0013】
また、上記従来の第3の補正方法にあっては、方位角計測装置を水平に保ちつつ、互いに直交する3方向に向けながら磁気センサの補正用データを測定する。方位角計測装置が携帯用である場合、手に持ってこのような操作を行うことは利用者にとって煩わしく、しかも測定中に水平を保てなかったり、向きが正確に直交しなかったりすれば方位角計算において誤差が発生する可能性がある。さらに、地磁気は0.01[mT]のオーダーであり非常に微弱であることから、磁気センサ出力データのS/N比がよくない。したがって、高々3回の測定では、正確な補正を行うことができないという問題がある。
【0014】
一方、オフセットを補正する上記従来の方位角計測装置にあっては、x軸ホール素子HExの出力Srxの最大値Xmaxおよび最小値Xminを求めるため、携帯機器301を特定の平面上で1周以上回転させる必要があった。
この結果、携帯機器301の回転速度が速すぎると、最大値Xmaxおよび最小値Xminを見落とすこととなり、逆に回転速度が遅すぎると、読み取りデータ数が膨大で、メモリがオーバフローするなど、一定の速度範囲から外れた場合に、キャリブレーション精度が劣化するという問題があった。
【0015】
このため、利用者は、キャリブレーションが成功するまでに試行錯誤を繰り返し、何度も携帯機器301を回転させるよう要求された。
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、コストを低減し、磁気センサの感度を簡単かつ正確に補正することができるとともに、磁気センサのオフセットを簡単に補正することができる計測装置、方位角計測装置およびキャリブレーションプログラム、並びにキャリブレーション方法を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る請求項1記載の計測装置は、ベクトル物理量を検出する3軸以上の検出手段と、前記検出手段の向きが3次元空間において変化した時の3軸出力を所定回数以上繰り返して取得する検出出力取得手段と、前記3軸出力を成分とする3次元座標上に、各主軸が前記3次元座標の各座標軸に平行な楕円面を定め、前記検出出力取得手段で繰り返し取得した3軸出力データ群に基づいて、前記楕円面の各主軸の長さを算出する楕円面解析手段と、前記楕円面解析手段で算出した楕円面の各主軸の長さに基づいて、前記検出手段の3軸出力を補正する出力補正手段とを備える。
【0017】
このような構成であれば、3次元空間において計測装置を移動・回転等させることによりその向きを任意の方向に変化させると、検出出力取得手段により、検出手段の向きが3次元空間において変化した時の3軸出力が所定回数以上繰り返して取得される。次いで、楕円面解析手段により、3軸出力を成分とする3次元座標上に、各主軸が3次元座標の各座標軸に平行な楕円面を定め、繰り返し取得された3軸出力データ群に基づいて、楕円面の各主軸の長さが算出される。そして、出力補正手段により、算出された楕円面の各主軸の長さに基づいて検出手段の3軸出力が補正される。
【0018】
これにより、計測装置の向きを任意の方向に変化させるだけで検出手段の各軸出力を補正することができる。ここで、検出手段の各軸出力を補正するためには、3軸出力データ群検出時の向きが変化する範囲には限定はなく、例えば、180度未満や90度未満であってもよいし、3軸出力データ群検出時に計測装置の位置が変化してもよい。したがって、検出手段の感度を補正する場合、利用者が何ら意識することなく、計測装置の移動時や通常操作時に、ベクトル物理量の計測値が変化するだけで、感度の補正を実現することが可能となるので、従来に比して、検出手段の感度を比較的簡単かつ正確に補正することができる。
【0019】
また、補正用データを記憶しておく必要がないため、不揮発性メモリを内蔵しなくてもよい。さらには、計測時に補正を行う構成であるので、製造時に検出手段の選別を行う必要もない。したがって、従来に比して、計測装置の製造コストを低減することができる。
さらに、本発明に係る請求項2記載の計測装置は、ベクトル物理量を検出する3軸以上の検出手段と、前記検出手段の向きが3次元空間において変化した時の3軸出力を所定回数以上繰り返して取得する検出出力取得手段と、前記3軸出力を成分とする3次元座標上に、各主軸が前記3次元座標の各座標軸に平行な楕円面を定め、前記検出出力取得手段で繰り返し取得した3軸出力データ群に基づいて、前記楕円面の中心座標を算出する楕円面解析手段と、前記楕円面解析手段で算出した中心座標に基づいて、前記検出手段の3軸出力を補正する出力補正手段とを備える。
【0020】
このような構成であれば、3次元空間において計測装置を移動・回転等させることによりその向きを任意の方向に変化させると、検出出力取得手段により、検出手段の向きが3次元空間において変化した時の3軸出力が所定回数以上繰り返して取得される。次いで、楕円面解析手段により、3軸出力を成分とする3次元座標上に、各主軸が3次元座標の各座標軸に平行な楕円面を定め、繰り返し取得された3軸出力データ群に基づいて、楕円面の中心座標が算出される。そして、出力補正手段により、算出された中心座標に基づいて検出手段の3軸出力が補正される。
【0021】
これにより、計測装置の向きを任意の方向に変化させるだけで検出手段の各軸出力を補正することができる。ここで、検出手段の各軸出力を補正するためには、3軸出力データ群検出時の向きが変化する範囲には限定はなく、例えば、180度未満や90度未満であってもよいし、3軸出力データ群検出時に計測装置の位置が変化してもよい。したがって、検出手段のオフセットを補正する場合、利用者が何ら意識することなく、計測装置の移動時や通常操作時に、ベクトル物理量の計測値が変化するだけで、オフセットの補正を実現することが可能となるので、従来に比して、検出手段のオフセットを比較的簡単に補正することができる。
【0022】
さらに、本発明に係る請求項3記載の計測装置は、ベクトル物理量を検出する2軸以上の検出手段と、前記検出手段の向きが所定の平面上にあるよう保ちながら変化した時の2軸出力を所定回数以上繰り返して取得する検出出力取得手段と、前記2軸出力を成分とする2次元座標上に、各主軸が前記2次元座標の各座標軸に平行な楕円を定め、前記検出出力取得手段で繰り返し取得した2軸出力データ群に基づいて、前記楕円の各主軸の長さを算出する楕円解析手段と、前記楕円解析手段で算出した楕円の各主軸の長さに基づいて、前記検出手段の2軸出力を補正する出力補正手段とを備える。
【0023】
このような構成であれば、所定の平面上にあるよう保ちながら計測装置を移動・回転等させることによりその向きを任意の方向に変化させると、検出出力取得手段により、検出手段の向きが所定の平面上にあるよう保ちながら変化した時の2軸出力が所定回数以上繰り返して取得される。次いで、楕円解析手段により、2軸出力を成分とする2次元座標上に、各主軸が2次元座標の各座標軸に平行な楕円を定め、繰り返し取得された2軸出力データ群に基づいて、楕円の各主軸の長さが算出される。そして、出力補正手段により、算出された楕円の各主軸の長さに基づいて検出手段の2軸出力が補正される。
【0024】
これにより、計測装置の向きを所定の平面上にあるよう保ちながら任意の方向に変化させるだけで検出手段の各軸出力を補正することができる。ここで、検出手段の各軸出力を補正するためには、2軸出力データ群検出時の向きが変化する範囲には限定はなく、例えば、180度未満や90度未満であってもよいし、2軸出力データ群検出時に計測装置の位置が変化してもよい。したがって、検出手段の感度を補正する場合、利用者が何ら意識することなく、計測装置の移動時や通常操作時に、ベクトル物理量の計測値が変化するだけで、感度の補正を実現することが可能となるので、従来に比して、検出手段の感度を比較的簡単かつ正確に補正することができる。
【0025】
また、補正用データを記憶しておく必要がないため、不揮発性メモリを内蔵しなくてもよい。さらには、計測時に補正を行う構成であるので、製造時に検出手段の選別を行う必要もない。したがって、従来に比して、計測装置の製造コストを低減することができる。
さらに、本発明に係る請求項4記載の計測装置は、ベクトル物理量を検出する2軸以上の検出手段と、前記検出手段の向きが所定の平面上にあるよう保ちながら変化した時の2軸出力を所定回数以上繰り返して取得する検出出力取得手段と、前記2軸出力を成分とする2次元座標上に、各主軸が前記2次元座標の各座標軸に平行な楕円を定め、前記検出出力取得手段で繰り返し取得した2軸出力データ群に基づいて、前記楕円の中心座標を算出する楕円解析手段と、前記楕円解析手段で算出した中心座標に基づいて、前記検出手段の2軸出力を補正する出力補正手段とを備える。
【0026】
このような構成であれば、所定の平面上にあるよう保ちながら計測装置を移動・回転等させることによりその向きを任意の方向に変化させると、検出出力取得手段により、検出手段の向きが所定の平面上にあるよう保ちながら変化した時の2軸出力が所定回数以上繰り返して取得される。次いで、楕円解析手段により、2軸出力を成分とする2次元座標上に、各主軸が2次元座標の各座標軸に平行な楕円を定め、繰り返し取得された2軸出力データ群に基づいて、楕円の中心座標が算出される。そして、出力補正手段により、算出された中心座標に基づいて検出手段の2軸出力が補正される。
【0027】
これにより、計測装置の向きを所定の平面上にあるよう保ちながら任意の方向に変化させるだけで検出手段の各軸出力を補正することができる。ここで、検出手段の各軸出力を補正するためには、2軸出力データ群検出時の向きが変化する範囲には限定はなく、例えば、180度未満や90度未満であってもよいし、2軸出力データ群検出時に計測装置の位置が変化してもよい。したがって、検出手段のオフセットを補正する場合、利用者が何ら意識することなく、計測装置の移動時や通常操作時に、ベクトル物理量の計測値が変化するだけで、オフセットの補正を実現することが可能となるので、従来に比して、検出手段のオフセットを比較的簡単に補正することができる。
【0028】
一方、上記目的を達成するために、本発明に係る請求項5記載の方位角計測装置は、地磁気を検出する3軸以上の地磁気検出手段と、前記地磁気検出手段の向きが3次元空間において変化した時の3軸出力を所定回数以上繰り返して取得する検出出力取得手段と、前記3軸出力を成分とする3次元座標上に、各主軸が前記3次元座標の各座標軸に平行な楕円面を定め、前記検出出力取得手段で繰り返し取得した3軸出力データ群に基づいて、前記楕円面の各主軸の長さおよび中心座標を算出する楕円面解析手段と、前記楕円面解析手段で算出した楕円面の各主軸の長さおよび中心座標に基づいて、前記地磁気検出手段の3軸出力を補正する出力補正手段とを備える。
【0029】
このような構成であれば、3次元空間において方位角計測装置を移動・回転等させることによりその向きを任意の方向に変化させると、検出出力取得手段により、地磁気検出手段の向きが3次元空間において変化した時の3軸出力が所定回数以上繰り返して取得される。次いで、楕円面解析手段により、3軸出力を成分とする3次元座標上に、各主軸が3次元座標の各座標軸に平行な楕円面を定め、繰り返し取得された3軸出力データ群に基づいて、楕円面の各主軸の長さおよび中心座標が算出される。そして、出力補正手段により、算出された楕円面の各主軸の長さおよび中心座標に基づいて地磁気検出手段の3軸出力が補正される。
【0030】
これにより、方位角計測装置の向きを任意の方向に変化させるだけで地磁気検出手段の各軸出力を補正することができる。ここで、地磁気検出手段の各軸出力を補正するためには、3軸出力データ群検出時の向きが変化する範囲には限定はなく、例えば、180度未満や90度未満であってもよいし、3軸出力データ群検出時に方位角計測装置の位置が変化してもよい。したがって、地磁気検出手段の感度またはオフセットを補正する場合、利用者が何ら意識することなく、方位角計測装置の移動時や通常操作時に、地磁気の計測値が変化するだけで、感度またはオフセットの補正を実現することが可能となるので、従来に比して、地磁気検出手段の感度を比較的簡単かつ正確に補正することができるとともに、地磁気検出手段のオフセットを比較的簡単に補正することができる。
【0031】
また、補正用データを記憶しておく必要がないため、不揮発性メモリを内蔵しなくてもよい。さらには、計測時に補正を行う構成であるので、製造時に地磁気検出手段の選別を行う必要もない。したがって、従来に比して、方位角計測装置の製造コストを低減することができる。
さらに、本発明に係る請求項6記載の方位角計測装置は、地磁気を検出する2軸以上の地磁気検出手段と、前記地磁気検出手段の向きが所定の平面上にあるよう保ちながら変化した時の2軸出力を所定回数以上繰り返して取得する検出出力取得手段と、前記2軸出力を成分とする2次元座標上に、各主軸が前記2次元座標の各座標軸に平行な楕円を定め、前記検出出力取得手段で繰り返し取得した2軸出力データ群に基づいて、前記楕円の各主軸の長さおよび中心座標を算出する楕円解析手段と、前記楕円解析手段で算出した楕円の各主軸の長さおよび中心座標に基づいて、前記地磁気検出手段の2軸出力を補正する出力補正手段とを備える。
【0032】
このような構成であれば、所定の平面上にあるよう保ちながら方位角計測装置を移動・回転等させることによりその向きを任意の方向に変化させると、検出出力取得手段により、地磁気検出手段の向きが所定の平面上にあるよう保ちながら変化した時の2軸出力が所定回数以上繰り返して取得される。次いで、楕円解析手段により、2軸出力を成分とする2次元座標上に、各主軸が2次元座標の各座標軸に平行な楕円を定め、繰り返し取得された2軸出力データ群に基づいて、楕円の各主軸の長さおよび中心座標が算出される。そして、出力補正手段により、算出された楕円の各主軸の長さおよび中心座標に基づいて地磁気検出手段の2軸出力が補正される。
【0033】
これにより、方位角計測装置の向きを任意の方向に変化させるだけで地磁気検出手段の各軸出力を補正することができる。ここで、地磁気検出手段の各軸出力を補正するためには、2軸出力データ群検出時の向きが変化する範囲には限定はなく、例えば、180度未満や90度未満であってもよいし、2軸出力データ群検出時に方位角計測装置の位置が変化してもよい。したがって、地磁気検出手段の感度またはオフセットを補正する場合、利用者が何ら意識することなく、方位角計測装置の移動時や通常操作時に、地磁気の計測値が変化するだけで、感度またはオフセットの補正を実現することが可能となるので、従来に比して、地磁気検出手段の感度を比較的簡単かつ正確に補正することができるとともに、地磁気検出手段のオフセットを比較的簡単に補正することができる。
【0034】
また、補正用データを記憶しておく必要がないため、不揮発性メモリを内蔵しなくてもよい。さらには、計測時に補正を行う構成であるので、製造時に地磁気検出手段の選別を行う必要もない。したがって、従来に比して、方位角計測装置の製造コストを低減することができる。
さらに、本発明に係る請求項7記載の方位角計測装置は、請求項5および6のいずれかに記載の方位角計測装置において、前記楕円面解析手段は、前記検出出力取得手段で繰り返し取得した3軸出力データ群を前記3次元座標上に配置し、配置した各測定点と前記楕円面との距離が最小となるように、前記楕円面の各主軸の長さおよび中心座標を統計的手法によって算出するようになっている。
【0035】
このような構成であれば、楕円面解析手段により、繰り返し取得された3軸出力データ群が3次元座標上に配置され、配置された各測定点と楕円面との距離が最小となるように、楕円面の各主軸の長さおよび中心座標が統計的手法によって算出される。
さらに、本発明に係る請求項8記載の方位角計測装置は、請求項7記載の方位角計測装置において、前記楕円面解析手段は、初期値を与えて反復計算により収束解を最適解として求める多次元最適化手法により、前記すべての測定点について当該測定点と前記楕円面との距離に相当する値の総和を算出する誤差総和演算式を解き、前記楕円面の各主軸の長さおよび中心座標を算出するようになっている。
【0036】
このような構成であれば、楕円面解析手段により、多次元最適化手法により誤差総和演算式が解かれ、楕円面の各主軸の長さおよび中心座標が算出される。ここで、多次元最適化手法は、初期値を与えて反復計算により収束解を最適解として求める最適化手法である。また、誤差総和演算式は、すべての測定点についてその測定点と楕円面との距離に相当する値の総和を算出する演算式であるので、楕円面の各主軸の長さおよび中心座標に対応した変数を少なくとも含んで構成される。
【0037】
さらに、本発明に係る請求項9記載の方位角計測装置は、請求項7記載の方位角計測装置において、前記楕円面解析手段は、初期値を与えて反復計算により収束解を最適解として求める多次元最適化手法により、前記すべての測定点について当該測定点と前記楕円面との距離に相当する値の総和を算出する誤差総和演算式を解き、前記楕円面の中心座標を算出する第1解析処理と、前記第1解析処理で算出した値に基づいて、前記誤差総和演算式を前記楕円面の各主軸の長さに対応した変数で偏微分した誤差総和偏微分演算式により、前記楕円面の各主軸の長さを算出する第2解析処理と、前記第2解析処理で算出した値が収束するまで前記第1解析処理および前記第2解析処理を繰り返し行う第3解析処理とを行うようになっている。
【0038】
このような構成であれば、楕円面解析手段により、第1解析処理、第2解析処理および第3解析処理が行われる。
第1解析処理では、多次元最適化手法により誤差総和演算式が解かれ、楕円面の中心座標が算出される。ここで、多次元最適化手法は、初期値を与えて反復計算により収束解を最適解として求める最適化手法である。また、誤差総和演算式は、すべての測定点についてその測定点と楕円面との距離に相当する値の総和を算出する演算式であるので、楕円面の中心座標に対応した変数を少なくとも含んで構成される。
【0039】
第2解析処理では、第1解析処理で算出された値に基づいて、誤差総和偏微分演算式により、楕円面の各主軸の長さが算出される。ここで、誤差総和偏微分演算式は、誤差総和演算式を楕円面の各主軸の長さに対応した変数で偏微分した演算式であるので、楕円面の各主軸の長さに対応した変数を少なくとも含んで構成される。
第3解析処理では、第2解析処理で算出された値が収束するまで第1解析処理および第2解析処理が繰り返し行われる。
【0040】
さらに、本発明に係る請求項10記載の方位角計測装置は、請求項7記載の方位角計測装置において、前記楕円面解析手段は、前記すべての測定点について当該測定点と前記楕円面との距離に相当する値の総和を算出する誤差総和演算式を前記楕円面の中心座標に対応した変数で偏微分した第1誤差総和偏微分演算式に、前記楕円面の各主軸の長さを初期値として与え、前記第1誤差総和偏微分演算式により、前記楕円面の中心座標を算出する第1解析処理と、前記第1解析処理で算出した値に基づいて、前記誤差総和演算式を前記楕円面の各主軸の長さに対応した変数で偏微分した第2誤差総和偏微分演算式により、前記楕円面の各主軸の長さを算出する第2解析処理と、前記第2解析処理で算出した値が収束するまで、前記第1解析処理および前記第2解析処理を繰り返し行う第3解析処理とを行うようになっている。
【0041】
このような構成であれば、楕円面解析手段により、第1解析処理、第2解析処理および第3解析処理が行われる。
第1解析処理では、楕円面の各主軸の長さが初期値として第1誤差総和偏微分演算式に与えられ、第1誤差総和偏微分演算式により楕円面の中心座標が算出される。ここで、第1誤差総和偏微分演算式は、誤差総和演算式を楕円面の中心座標に対応した変数で偏微分した演算式であり、誤差総和演算式は、すべての測定点についてその測定点と楕円面との距離に相当する値の総和を算出する演算式であるので、それら演算式は、楕円面の中心座標に対応した変数を少なくとも含んで構成される。
【0042】
第2解析処理では、第1解析処理で算出された値に基づいて、第2誤差総和偏微分演算式により楕円面の各主軸の長さが算出される。ここで、第2誤差総和偏微分演算式は、誤差総和演算式を楕円面の各主軸の長さに対応した変数で偏微分した演算式であるので、楕円面の各主軸の長さに対応した変数を少なくとも含んで構成される。
【0043】
第3解析処理では、第2解析処理で算出した値が収束するまで、第1解析処理および第2解析処理が繰り返し行われる。
さらに、本発明に係る請求項11記載の方位角計測装置は、請求項5ないし10のいずれかに記載の方位角計測装置において、前記楕円面解析手段は、前記3軸出力のうち変化の度合いが最小のものについてその変化の度合いが所定値以下であるときは、前記3軸出力のうち変化の度合いが最小のもの以外の特定2軸出力を成分とする2次元座標上に、各主軸が2次元座標の各座標軸に平行な楕円を定め、前記検出出力取得手段で繰り返し取得した3軸出力データ群のうち前記特定2軸出力に係るものに基づいて、前記楕円の各主軸の長さおよび中心座標を算出するようになっている。
【0044】
このような構成であれば、3軸出力のうち変化の度合いが最小のものについてその変化の度合いが所定値以下であると、楕円面解析手段により、3軸出力のうち変化の度合いが最小のもの以外の特定2軸出力を成分とする2次元座標上に、各主軸が2次元座標の各座標軸に平行な楕円を定め、繰り返し取得された3軸出力データ群のうち特定2軸出力に係るものに基づいて、楕円の各主軸の長さおよび中心座標が算出される。
【0045】
本発明に係る方位角計測装置は、方位角計測装置を移動・回転等させることにより、地磁気検出手段の向きが3次元空間において変化した時の3軸出力を所定回数以上繰り返して取得するが、地磁気検出手段の3軸のうちいずれかの軸(以下、この段落において特定軸という。)に垂直な面上でのみ方位角計測装置を移動・回転等させると、特定軸の出力がほとんど変化しない。そのため、特定軸の出力データを含む3軸出力データ群に基づいて楕円面の各主軸の長さおよび中心座標を算出してもそれらの値を正確に得られない場合がある。この場合、請求項11記載の方位角計測装置のように、むしろ、特定軸の出力データを除く2軸出力データ群に基づいて楕円の各主軸の長さおよび中心座標を算出した方が正確な値が得られる。
【0046】
さらに、本発明に係る請求項12記載の方位角計測装置は、請求項5ないし11のいずれかに記載の方位角計測装置において、前記出力補正手段は、前記楕円面解析手段で算出した各主軸の長さおよび中心座標に基づいて、前記地磁気検出手段の3軸出力について感度およびオフセットを補正するようになっている。
このような構成であれば、出力補正手段により、算出された各主軸の長さおよび中心座標に基づいて、地磁気検出手段の3軸出力について感度およびオフセットが補正される。
【0047】
さらに、本発明に係る請求項13記載の方位角計測装置は、請求項5ないし12のいずれかに記載の方位角計測装置において、前記楕円面解析手段は、前記検出出力取得手段により各軸出力を所定回数繰り返し取得して、各軸出力における最大値と最小値との差分を算出する第1の差分算出手段と、前記第1の差分算出手段により算出された差分が所定値以上かどうかを判断する第1の差分判断手段とを備え、前記第1の差分算出手段により算出された差分が所定値以上の場合、前記検出出力取得手段により所定回数繰り返して取得された前記各軸出力を前記楕円面解析の対象とする。
【0048】
このような構成であれば、方位角計測装置の向きが静止していたり、僅かしか変化していなかった場合に、楕円面の各主軸の長さおよび中心座標が大きな誤差を含んで算出されることを防止することができ、楕円面の各主軸の長さおよび中心座標の算出精度を向上させて、感度およびオフセットのキャリブレーション精度を高く保つことができる。
【0049】
さらに、本発明に係る請求項14記載の方位角計測装置は、請求項5ないし12のいずれかに記載の方位角計測装置において、前記出力補正手段は、前記楕円面解析手段により算出された楕円面の各主軸の長さおよび前記楕円面解析手段により以前に算出された楕円面の各主軸の長さのばらつき若しくは前記楕円面解析手段により算出された楕円面の中心座標および前記楕円面解析手段により以前に算出された楕円面の中心座標のばらつきを算出するばらつき算出手段を備え、前記ばらつき算出手段の算出結果に基づいて前記楕円面解析手段により算出された楕円面の各主軸の長さおよび中心座標を破棄する。
【0050】
このような構成であれば、地磁気の検出出力にノイズ等で大きな誤差が含まれている場合や、特に2軸の地磁気検出手段の向きが所定の平面から外れて変化したような場合に、楕円面の各主軸の長さおよび中心座標を誤って算出して不適切な出力補正が行われてしまうことを防止することができる。
さらに、本発明に係る請求項15記載の方位角計測装置は、請求項5ないし14のいずれかに記載の方位角計測装置において、方位角計測の実行中、方位角計測のために取得された各軸出力を用いて楕円面の各主軸の長さおよび中心座標の算出と出力補正をバックグラウンドで実行し、各軸出力の補正を随時行う。
【0051】
このような構成であれば、利用者が方位角計測を行うことで、各軸出力の補正を自動的に行うことが可能となる。
さらに、本発明に係る請求項16記載の方位角計測装置は、請求項5ないし15のいずれかに記載の方位角計測装置において、前記楕円面解析手段により算出された楕円面の各主軸の長さおよび前記楕円面解析手段により以前に算出された楕円面の各主軸の長さのばらつき若しくは前記楕円面解析手段により算出された楕円面の中心座標および前記楕円面解析手段により以前に算出された楕円面の中心座標のばらつきを算出する第2のばらつき算出手段と、前記第2のばらつき算出手段での算出結果に基づいて前記出力補正手段による補正の良好性に関する良好性情報を作成する良好性情報作成手段とを備える。
【0052】
このような構成であれば、第2のばらつき算出手段により、算出された楕円面の各主軸の長さと以前に算出された楕円面の各主軸の長さとのばらつき若しくは算出された楕円面の中心座標と以前に算出された楕円面の中心座標のばらつきが算出され、良好性情報作成手段により、そのばらつきの算出結果に基づいて良好性情報が作成される。
【0053】
さらに、本発明に係る請求項17記載の方位角計測装置は、請求項16記載の方位角計測装置において、前記良好性情報作成手段は、前記出力補正手段による補正の良好度を複数に区分しておき、前記第2のばらつき算出手段で算出したばらつきの度合いに応じて前記区分のいずれかに分類し、その区分に対応した良好度を示す良好性情報を作成するようになっている。
【0054】
このような構成であれば、良好性情報作成手段により、算出されたばらつきの度合いに応じて区分のいずれかに分類され、その区分に対応した良好度を示す良好性情報が作成される。
さらに、本発明に係る請求項18記載の方位角計測装置は、請求項5ないし17のいずれかに記載の方位角計測装置において、前記出力補正手段は、前記楕円面の各軸の長さを算出する軸長算出手段と、前記軸長算出手段により算出された楕円面の各軸の長さが所定範囲外かどうかを判断する軸長判断手段とを備え、前記軸長算出手段により算出された楕円面の各軸の長さが所定範囲外の場合、その出力データを破棄するようになっている。
【0055】
このような構成であれば、軸長算出手段により、楕円面の各軸の長さが算出され、軸長判断手段により、算出された楕円面の各軸の長さが所定範囲外かどうかが判断される。そして、算出された楕円面の各軸の長さが所定範囲外の場合には、その出力データが破棄される。
さらに、本発明に係る請求項19記載の方位角計測装置は、請求項5ないし17のいずれかに記載の方位角計測装置において、前記楕円面の各軸の長さを算出する第2の軸長算出手段と、前記第2の軸長算出手段により算出された楕円面の各軸の長さに基づいて方位角計測結果の信頼性に関する信頼性情報を作成する信頼性情報作成手段とを備える。
【0056】
このような構成であれば、第2の軸長算出手段により、楕円面の各軸の長さが算出され、信頼性情報作成手段により、算出された楕円面の各軸の長さに応じた信頼度合いを示す信頼性情報が作成される。
さらに、本発明に係る請求項20記載の方位角計測装置は、請求項19記載の方位角計測装置において、前記信頼性情報作成手段は、前記方位角計測結果の信頼度を複数に区分しておき、前記第2の軸長算出手段により算出された楕円面の各軸の長さを複数の閾値と比較して前記区分のいずれかに分類し、その区分に対応した信頼度を示す信頼性情報を作成するようになっている。
【0057】
このような構成であれば、信頼性情報作成手段により、算出された楕円面の各軸の長さが複数の閾値と比較されて区分のいずれかに分類され、その区分に対応した信頼度を示す信頼性情報が作成される。
一方、上記目的を達成するために、本発明に係る請求項21記載のキャリブレーションプログラムは、地磁気を検出する3軸以上の地磁気検出手段を利用可能なコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記地磁気検出手段の向きが3次元空間において変化した時の3軸出力を所定回数以上繰り返して取得する検出出力取得手段、前記3軸出力を成分とする3次元座標上に、各主軸が前記3次元座標の各座標軸に平行な楕円面を定め、前記検出出力取得手段で繰り返し取得した3軸出力データ群に基づいて、前記楕円面の各主軸の長さおよび中心座標を算出する楕円面解析手段、並びに前記楕円面解析手段で算出した楕円面の各主軸の長さおよび中心座標に基づいて、前記地磁気検出手段の3軸出力を補正する出力補正手段として実現される処理を前記コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0058】
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、請求項5記載の方位角計測装置と同等の作用が得られる。
さらに、本発明に係る請求項22記載のキャリブレーションプログラムは、地磁気を検出する2軸以上の地磁気検出手段を利用可能なコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記地磁気検出手段の向きが所定の平面上にあるよう保ちながら変化した時の2軸出力を所定回数以上繰り返して取得する検出出力取得手段、前記2軸出力を成分とする2次元座標上に、各主軸が前記2次元座標の各座標軸に平行な楕円を定め、前記検出出力取得手段で繰り返し取得した2軸出力データ群に基づいて、前記楕円の各主軸の長さおよび中心座標を算出する楕円解析手段、並びに前記楕円解析手段で算出した楕円の各主軸の長さおよび中心座標に基づいて、前記地磁気検出手段の2軸出力を補正する出力補正手段として実現される処理を前記コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0059】
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、請求項6記載の方位角計測装置と同等の作用が得られる。
一方、上記目的を達成するために、本発明に係る請求項23記載のキャリブレーション方法は、地磁気計測における3軸の検出方向を3次元空間において変化させるステップと、前記検出方向が変化した時の地磁気計測の3軸出力を取得するステップと、前記3軸出力の取得が所定回数以上か判定するステップと、前記3軸出力を成分とする3次元座標上に、各主軸が前記3次元座標の各座標軸に平行な楕円面を定め、前記所定回数以上取得した3軸出力データ群に基づいて、前記楕円面の各主軸の長さおよび中心座標を算出するステップと、前記算出した楕円面の各主軸の長さおよび中心座標に基づいて、前記3軸出力を補正するステップとを含む。
【0060】
さらに、本発明に係る請求項24記載のキャリブレーション方法は、地磁気計測における2軸の検出方向を所定の平面上にあるよう保ちながら変化させるステップと、前記検出方向が変化した時の地磁気計測の2軸出力を取得するステップと、前記2軸出力の取得が所定回数以上か判定するステップと、前記2軸出力を成分とする2次元座標上に、各主軸が前記2次元座標の各座標軸に平行な楕円を定め、前記所定回数以上取得した2軸出力データ群に基づいて、前記楕円の各主軸の長さおよび中心座標を算出するステップと、前記算出した楕円の各主軸の長さおよび中心座標に基づいて、前記2軸出力を補正するステップとを含む。
【0061】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1ないし図3は、本発明に係る計測装置、方位角計測装置およびキャリブレーションプログラム、並びにキャリブレーション方法の第1の実施の形態を示す図である。
本実施の形態は、本発明に係る計測装置、方位角計測装置およびキャリブレーションプログラム、並びにキャリブレーション方法を、図2に示すように、携帯機器201の3軸磁気センサ11の感度およびオフセットを補正する場合について適用したものである。
【0062】
図1は、本発明を適用する携帯機器201の概観構成を透視して示す斜視図である。
図1において、携帯機器201には、表示部202およびアンテナ203が設けられるとともに、地磁気を3軸についてそれぞれ計測して、方位角を求めるための方位角計測装置が内蔵されている。
【0063】
ここで、方位角計測装置には、地磁気Mのx方向成分Mxを計測するx軸ホール素子HEx、地磁気Mのy方向成分Myを計測するy軸ホール素子HEyおよび地磁気Mのz方向成分Mzを計測するz軸ホール素子HEzが設けられ、x軸ホール素子HEx、y軸ホール素子HEyおよびz軸ホール素子HEzは、各感磁面が各軸に対して垂直になるように配置されている。
【0064】
図2は、本発明に係る方位角計測装置の概略構成を示すブロック図である。
図2において、方位角計測装置には、3軸磁気センサ11、磁気センサ駆動電源部12、チョッパ部13、差動入力アンプ14、A/D変換部15、補正計算部16、方位角計算部17、オフセット・感度補正係数算出部18、オフセット情報記憶部19aおよび感度補正情報記憶部19bが設けられ、3軸磁気センサ11には、x軸ホール素子HEx、y軸ホール素子HEyおよびz軸ホール素子HEzが設けられている。
【0065】
なお、x軸ホール素子HEx、y軸ホール素子HEyおよびz軸ホール素子HEzは地磁気を検出するためのもので、例えば、InSbやInAs、GaAsなどの化合物半導体系またはSiモノリシック系であることが好ましい。
チョッパ部13は、x軸ホール素子HEx、y軸ホール素子HEyおよびz軸ホール素子HEzをそれぞれ駆動する端子を切り換えるためのもので、磁気センサ駆動電源部12から出力された駆動電圧を、x軸ホール素子HEx、y軸ホール素子HEyおよびz軸ホール素子HEzにそれぞれ印加し、x軸ホール素子HEx、y軸ホール素子HEyおよびz軸ホール素子HEzから出力された信号を時分割的に差動入力アンプ14に出力する。
【0066】
ここで、チョッパ部13は、例えば、90°チョッパ駆動や360°チョッパ駆動などを用いることができる。なお、90°チョッパ駆動では、x軸ホール素子HEx、y軸ホール素子HEyおよびz軸ホール素子HEzを駆動する際に、x軸ホール素子HEx、y軸ホール素子HEyおよびz軸ホール素子HEzの出力に含まれるホール素子自身のオフセット項を大部分キャンセルすることができる。
【0067】
また、360°チョッパ駆動では、x軸ホール素子HEx、y軸ホール素子HEyおよびz軸ホール素子HEzの出力に含まれるホール素子自身のオフセット項だけでなく、後段の差動入力アンプ14自身による電気的なオフセット項も容易にキャンセルすることができる。
そして、x軸ホール素子HEx、y軸ホール素子HEyおよびz軸ホール素子HEzから出力された信号は、差動入力アンプ14でそれぞれ増幅され、ここで増幅された出力増幅値がA/D変換部15でデジタル信号に変換された後、補正計算部16に入力される。
【0068】
ここで、x軸ホール素子HExの出力増幅値Srxは、下式(5)で表すことができ、y軸ホール素子HEyの出力増幅値Sryは、下式(6)で表すことができ、z軸ホール素子HEzの出力増幅値Srzは、下式(7)で表すことができる。
【0069】
【数1】
Figure 2004309227
【0070】
【数2】
Figure 2004309227
【0071】
【数3】
Figure 2004309227
【0072】
ただし、axは、x軸ホール素子HExの感度[V/T]、Crxは、x軸ホール素子HExのオフセット[V]、ayは、y軸ホール素子HEyの感度[V/T]、Cryは、y軸ホール素子HEyのオフセット[V]、azは、z軸ホール素子HEzの感度[V/T]、Crzは、z軸ホール素子HEzのオフセット[V]、Mxは、地磁気Mのx方向成分[T]、Myは、地磁気Mのy方向成分[T]、Mzは、地磁気Mのz方向成分[T]である。
【0073】
そして、オフセット情報記憶部19aには、x軸ホール素子HEx、y軸ホール素子HEyおよびz軸ホール素子HEzのオフセットがそれぞれオフセット情報として記憶されるとともに、感度補正情報記憶部19bには、x軸ホール素子HEx、y軸ホール素子HEyおよびz軸ホール素子HEzのばらつきを補正するための感度補正係数がそれぞれ感度補正情報として記憶される。
【0074】
方位角計測実行中は、補正計算部16は、これらのオフセット情報および感度補正情報を用いることにより、x軸ホール素子HEx、y軸ホール素子HEyおよびz軸ホール素子HEzの出力増幅値Srx、Sry、Srzをそれぞれ補正し、地磁気Mのx、y、z軸成分Mx、My、Mzだけを取り出し、方位角計算部17に出力する。
【0075】
そして、方位角計算部17は、地磁気Mのx、y、z軸成分Mx、My、Mzの符号と、θ=tan−1(My/Mx)の式に基づいて、方位角θを算出する。
キャリブレーション実行中は、x軸ホール素子HEx、y軸ホール素子HEyおよびz軸ホール素子HEzの各出力増幅値Srx、Sry、Srzは、オフセット・感度補正係数算出部18に出力される。
【0076】
オフセット・感度補正係数算出部18は、携帯機器201の向きが3次元空間において任意に変化している時に、x軸ホール素子HEx、y軸ホール素子HEyおよびz軸ホール素子HEzの各出力増幅値Srx、Sry、Srzを所定回数以上取得し、取得した出力増幅値Srx、Sry、Srzに基づいて、x軸ホール素子HEx、y軸ホール素子HEyおよびz軸ホール素子HEzの感度補正係数およびオフセットをそれぞれ算出し、算出した感度補正係数を感度補正情報記憶部19bに、算出したオフセットをオフセット情報記憶部19aにそれぞれ格納する。
次に、感度補正係数およびオフセットの算出方法を説明する。
まず、感度補正係数を下式(8)により定義する。
【0077】
【数4】
Figure 2004309227
【0078】
ただし、αxは、x軸ホール素子HExの感度補正係数、αyは、y軸ホール素子HEyの感度補正係数、αzは、z軸ホール素子HEzの感度補正係数、a0は、感度補正後の3軸磁気センサ11の感度[V/T]である。
さらに、感度補正後の3軸磁気センサ11の出力増幅値およびオフセットを下式(9)〜(14)により定義する。
【0079】
【数5】
Figure 2004309227
【0080】
【数6】
Figure 2004309227
【0081】
【数7】
Figure 2004309227
【0082】
【数8】
Figure 2004309227
【0083】
【数9】
Figure 2004309227
【0084】
【数10】
Figure 2004309227
【0085】
ただし、Sxは、x軸ホール素子HExの感度補正後の出力増幅値[V]、Cxは、x軸ホール素子HExの感度補正後のオフセット[V]、Syは、y軸ホール素子HEyの感度補正後の出力増幅値[V]、Cyは、y軸ホール素子HEyの感度補正後のオフセット[V]、Szは、z軸ホール素子HEzの感度補正後の出力増幅値[V]、Czは、z軸ホール素子HEzの感度補正後のオフセット[V]である。
上式(9)〜(14)を上式(5)〜(7)に代入すると、下式(15)〜(17)が得られる。
【0086】
【数11】
Figure 2004309227
【0087】
【数12】
Figure 2004309227
【0088】
【数13】
Figure 2004309227
【0089】
一方、地磁気は、下式(18)により定義される。
【0090】
【数14】
Figure 2004309227
【0091】
ただし、Mは、地磁気[T]である。
キャリブレーション実行中は、携帯機器201の向きだけが変わり場所の移動がないのであれば、地磁気Mは、一定値として見なせる。したがって、上式(15)〜(17)を変形して上式(18)に代入すると、下式(19)が得られる。
【0092】
【数15】
Figure 2004309227
【0093】
すなわち、直交座標系(x,y,z)において点(Sx,Sy,Sz)は、常に点(Cx,Cy,Cz)から一定の距離a0Mをおいて位置することになる。
図3は、キャリブレーション方法の概念を説明する図である。
図3において、携帯機器201の向きを任意の様々な方向に向けながら地磁気MをN回測定して取得された測定データを、x軸ホール素子HExの感度補正前の出力増幅値については、S1rx,S2rx,…,SNrx[V]とし、y軸ホール素子HEyの感度補正前の出力増幅値については、S1ry,S2ry,…,SNry[V]とし、z軸ホール素子HEzの感度補正前の出力増幅値については、S1rz,S2rz,…,SNrz[V]とする。さらに、これらの値で特定される測定点P1(S1rx,S1ry,S1rz),P2(S2rx,S2ry,S2rz),…,PN(SNrx,SNry,SNrz)を直交座標系(x,y,z)にそれぞれ配置する。
【0094】
感度補正係数αx,αy,αzが既知であると仮定し、直交座標系(x,y,z)の各軸について下式(20)〜(22)のスケーリングを行ったとすると、直交座標系(x,y,z)において測定点P1,P2,…,PNは、スケーリング後の直交座標系(x’,y’,z’)において下式(23)〜(25)に示すように変換される。
【0095】
【数16】
Figure 2004309227
【0096】
【数17】
Figure 2004309227
【0097】
【数18】
Figure 2004309227
【0098】
【数19】
Figure 2004309227
【0099】
【数20】
Figure 2004309227
【0100】
【数21】
Figure 2004309227
【0101】
ただし、S1x,S2x,…,SNxは、下式(26)により得られ、S1y,S2y,…SNyは、下式(27)により得られ、S1z,S2z,…SNzは、下式(28)により得られる。
【0102】
【数22】
Figure 2004309227
【0103】
【数23】
Figure 2004309227
【0104】
【数24】
Figure 2004309227
【0105】
ただし、S1x,S2x,…,SNxは、x軸ホール素子HExの感度補正後の出力増幅値[V]、S1y,S2y,…,SNyは、y軸ホール素子HEyの感度補正後の出力増幅値[V]、S1z,S2z,…,SNzは、z軸ホール素子HEzの感度補正後の出力増幅値[V]である。また、M1x,M2x,…,MNxは、地磁気のx軸方向の成分[T]、M1y,M2y,…,MNyは、地磁気のy軸方向の成分[T]、M1z,M2z,…,MNzは、地磁気のz軸方向の成分[T]である。
すると、上式(18)により下式(29)が得られ、上式(19)により下式(30)が得られる。
【0106】
【数25】
Figure 2004309227
【0107】
【数26】
Figure 2004309227
【0108】
すなわち、スケーリング後の直交座標系(x’,y’,z’)において測定点P1’,P2’,…,PN’は、いずれも点(Cx,Cy,Cz)からみて一定の距離a0Mをおいて位置することになる。
さらに、上式(12)〜(14)および上式(26)〜(28)を変形して上式(30)に代入すると、下式(31)が得られる。
【0109】
【数27】
Figure 2004309227
【0110】
すなわち、直交座標系(x,y,z)において測定点P1,P2,…,PNは、いずれも各主軸が直交座標系(x,y,z)の各座標軸に平行で、各主軸の長さがa0M/αx,a0M/αy,a0M/αzでかつ中心座標が(Crx,Cry,Crz)の楕円面上に位置することになる。
したがって、見方を変えれば次のことが言える。
【0111】
測定点P1,P2,…,PNが直交座標系(x,y,z)に分布しているとし、適当なスケーリングファクタαx,αy,αzを設定して上式(20)〜(22)により直交座標系(x,y,z)をスケーリングした結果、スケーリング後の直交座標系(x’,y’,z’)において測定点P1’,P2’,…,PN’のすべてがある点(Cx,Cy,Cz)から等しい距離に位置するようになったとする。このとき、αx,αy,αzが感度補正係数に、Cx,Cy,Czが感度補正後のオフセットに相当する。
【0112】
または、直交座標系(x,y,z)において、各主軸が直交座標系(x,y,z)の各座標軸に平行な楕円面を設定したとき、測定点P1,P2,…,PNのすべてが楕円面上に位置するようになったとする。このとき、各主軸の長さは感度補正係数αx,αy,αz、感度補正後の磁気センサの感度α0および地磁気Mからなる係数a0M/αx,a0M/αy,a0M/αzに相当し、中心座標は感度補正前のオフセットCrx,Cry,Crzに相当する。
【0113】
以上の考え方に基づいて、測定データから感度補正係数αx,αy,αzおよびオフセットCx,Cy,Czを算出する方法を導出することができる。なお、方位角計算において必要な情報は、地磁気のx,y,z軸方向成分相互の比であって絶対値ではないため、a0およびMを算出する必要はなく、これまでの式にたびたび出てきたa0Mには、計算に都合のよい任意の値を設定してよい。
【0114】
なお、以下の具体例では、数式の複雑化をなるべく避けるために、適宜Cx,Cy,Cz若しくはCrx,Cry,Crzのいずれか一方の算出を行っているが、両者の関係は、上式(12)〜(14)の通りであり、意味は同じである。
3軸磁気センサ11の出力増幅値に含まれる誤差がほとんど無視し得るものと仮定するならば、互いに異なる任意の6方向に携帯機器201を向け、それぞれ地磁気を測定すればよい。
【0115】
上式(31)は、αx,αy,αzおよびオフセットCrx,Cry,Crzに関する6次元の非線形連立方程式であり、解析的に解くことは困難であるが、数値計算(例えば、Newton−Raphson法)で解くことができる。
なお、下式(32),(33)とおいて上式(31)を変形すると、下式(34)に示すようなp,qおよびオフセットCx,Cy,Czに関する5次元の非線形連立方程式を得ることができる。
【0116】
【数28】
Figure 2004309227
【0117】
【数29】
Figure 2004309227
【0118】
【数30】
Figure 2004309227
【0119】
上式(34)は、上式(31)と比べて次元が一つ少ないので計算量を少なくすることができる。
一方、注意しなければならないことは、実際に測定される地磁気の強度は、0.01[mT]オーダーであり、非常に微弱であるため、3軸磁気センサ11の出力増幅値には相当のノイズが含まれているということである。
【0120】
そのため、測定回数Nをなるべく大きくして、統計的手法を用いて感度補正係数αx,αy,αzおよびオフセットCx,Cy,Czの算出を行う必要があり、その具体例を以下に示す。
感度補正係数αx,αy,αzおよびオフセットCrx,Cry,Crzが算出されたとして、スケーリング後の直交座標系(x’,y’,z’)におけるi回目の測定データに対応する測定点Pi’(Six,Siy,Siz)から点(Cx,Cy,Cz)までの距離diは、下式(35)により得られる。
【0121】
【数31】
Figure 2004309227
【0122】
もし、測定データにノイズが含まれておらず、かつ、感度補正係数αx,αy,αzおよびオフセットCrx,Cry,Crzの算出が正しく行われた場合は、すべての測定データについてdi=a0Mとなる。しかし、実際には測定データにノイズが含まれているため両者は等しくならない。そこで、i回目の測定データに対する測定誤差および2乗総和を、下式(36),(37)により定義する。
【0123】
【数32】
Figure 2004309227
【0124】
【数33】
Figure 2004309227
【0125】
上式(12)〜(14)および上式(26)〜(28)を変形して上式(37)に代入すると、下式(38)が得られる。
【0126】
【数34】
Figure 2004309227
【0127】
この2乗総和Sが最小となるように、感度補正係数αx,αy,αzおよびオフセットCrx,Cry,Crzを算出するのが算出方法として妥当である。
次に、2乗総和Sが最小となるように、感度補正係数αx,αy,αzおよびオフセットCrx,Cry,Crzを算出する方法を説明する。
感度補正係数αx,αy,αzおよびオフセットCrx,Cry,Crzのすべてを独立変数として、多次元最適化手法(例えば、共役勾配法)を用いて、上式(38)のSを最小にすることができる。なお、共役勾配法については、「W.H.Press,S.A.Teukolsky,W.T.Vetterling and B.P.Flannery,”Numerical Recipies in C,Second Edition”,Cambridge University Press,USA,1992,pp.420−425」に詳しい。
【0128】
多次元最適化手法として共役勾配法を用いる場合、各独立変数によるSの導関数を計算する必要があるが、上式(38)を、感度補正係数αx,αy,αzおよびオフセットCrx,Cry,Crzでそれぞれ偏微分した下式(39)〜(44)を用いればよい。
【0129】
【数35】
Figure 2004309227
【0130】
【数36】
Figure 2004309227
【0131】
【数37】
Figure 2004309227
【0132】
【数38】
Figure 2004309227
【0133】
【数39】
Figure 2004309227
【0134】
【数40】
Figure 2004309227
【0135】
共役勾配法を用いた算出方法は、第2および第3の実施の形態における算出方法と比して手順が簡単であり、プログラムステップ数を抑えたい場合には好都合である。
次に、本実施の形態の動作を説明する。
キャリブレーションを行う場合は、携帯機器201を移動・回転等させることによりその向きを任意の方向に変化させると、オフセット・感度補正係数算出部18により、3軸磁気センサ11の向きが3次元空間において変化した時の3軸出力が所定回数以上繰り返して取得される。次いで、直交座標系(x,y,z)上に、各主軸が直交座標系(x,y,z)の各座標軸に平行な楕円面を定め、繰り返し取得された測定データが直交座標系(x,y,z)上に配置され、配置された各測定点と楕円面との距離が最小となるように、楕円面の各主軸の長さおよび中心座標が統計的手法によって算出される。具体的には、共役勾配法により上式(38)のSを最小にして、感度補正係数αx,αy,αzおよび楕円面の中心座標であるオフセットCrx,Cry,Crzが算出される。そして、算出された感度補正係数αx,αy,αzは、感度補正情報記憶部19bに、算出されたオフセットCrx,Cry,Crzは、オフセット情報記憶部19aにそれぞれ格納される。
【0136】
方位角を計測する場合は、補正計算部16により、感度補正情報記憶部19bの感度補正係数αx,αy,αzおよびオフセット情報記憶部19aのオフセットCrx,Cry,Crzに基づいて、x軸ホール素子HEx、y軸ホール素子HEyおよびz軸ホール素子HEzの出力増幅値Srx、Sry、Srzがそれぞれ補正され、地磁気Mのx、y、z軸成分Mx、My、Mzだけが取り出され、方位角計算部17に出力される。そして、方位角計算部17により、地磁気Mのx、y、z軸成分Mx、My、Mzの符号と、θ=tan−1(My/Mx)の式に基づいて、方位角θが算出される。
【0137】
このようにして、本実施の形態では、3軸磁気センサ11の向きが3次元空間において変化した時の3軸出力を所定回数以上繰り返して取得し、直交座標系(x,y,z)上に、各主軸が直交座標系(x,y,z)の各座標軸に平行な楕円面を定め、繰り返し取得した測定データを直交座標系(x,y,z)上に配置し、配置した各測定点と楕円面との距離が最小となるように、感度補正係数αx,αy,αzおよび楕円面の中心座標であるオフセットCrx,Cry,Crzを統計的手法によって算出するようになっている。
【0138】
これにより、携帯機器201の向きを任意の方向に変化させるだけで3軸磁気センサ11の感度またはオフセットを補正することができるので、従来に比して、3軸磁気センサ11の感度を比較的簡単かつ正確に補正することができるとともに、3軸磁気センサ11のオフセットを比較的簡単に補正することができる。また、不揮発性メモリを携帯機器201に内蔵する必要もなく、製造時に3軸磁気センサ11の選別を行う必要もないので、従来に比して、携帯機器201の製造コストを低減することができる。
【0139】
さらに、本実施の形態では、共役勾配法により上式(38)のSを最小にして、感度補正係数αx,αy,αzおよびオフセットCrx,Cry,Crzを算出するようになっている。
これにより、測定データに誤差が含まれていても、感度補正係数αx,αy,αzおよびオフセットCrx,Cry,Crzを比較的正確に算出することができる。したがって、3軸磁気センサ11の感度またはオフセットをさらに正確に補正することができる。
【0140】
上記第1の実施の形態において、3軸磁気センサ11は、請求項1若しくは2記載の検出手段、または請求項5、12若しくは21記載の地磁気検出手段に対応し、補正計算部16は、請求項1、2、5、12または21記載の出力補正手段に対応し、オフセット・感度補正係数算出部18は、請求項1、2、5、7若しくは21記載の検出出力取得手段、または請求項1、2、5、7、8、12若しくは21記載の楕円面解析手段に対応している。また、測定データは、請求項1、2、5、7、21または23記載の3軸出力データ群に対応し、共役勾配法は、請求項8記載の多次元最適化手法に対応している。
【0141】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。なお、以下、上記第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、上記第1の実施の形態と重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
本実施の形態は、本発明に係る計測装置、方位角計測装置およびキャリブレーションプログラム、並びにキャリブレーション方法を、図2に示すように、携帯機器201の3軸磁気センサ11の感度およびオフセットを補正する場合について適用したものであり、上記第1の実施の形態と異なるのは、上式(38)のSを最小にする方法として他の算出方法を採用した点にある。
【0142】
上式(38)のSが最小となるように、感度補正係数αx,αy,αzおよびオフセットCrx,Cry,Crzを算出する方法を説明する。
上式(39)〜(41)は、上式(38)のSが最小となるとき、下式(45)〜(47)に示すように右辺がゼロとなる。
【0143】
【数41】
Figure 2004309227
【0144】
【数42】
Figure 2004309227
【0145】
【数43】
Figure 2004309227
【0146】
上式(45)〜(47)を行列で表現すると、下式(48)に示すようになり、αx,αy,αzに関する連立一次方程式になっていることがわかる。
【0147】
【数44】
Figure 2004309227
【0148】
したがって、次のステップ(1)〜(4)の手順で、感度補正係数αx,αy,αzおよびオフセットCrx,Cry,Crzを算出することができる。
(1)感度補正係数αx,αy,αzに適当な初期値を設定する。
(2)オフセットCrx,Cry,Crzを独立変数として、多次元最適化手法を用いて上式(38)のSを最小にする。多次元最適化手法として、共役勾配法を用いる場合、Sの導関数として上式(42)〜(44)を計算すればよい。
(3)上式(48)を解いてαx,αy,αzを算出する。
(4)感度補正係数αx,αy,αzが収束しているか否かを判定し、収束していないと判定したときは、ステップ(2),(3)を繰り返し行う。
【0149】
このようにして、本実施の形態では、感度補正係数αx,αy,αzに初期値を設定するステップ(1)と、多次元最適化手法により上式(38)を解いてオフセットCrx,Cry,Crzを算出するステップ(2)と、連立一次方程式である上式(48)を解いて感度補正係数αx,αy,αzを算出するステップ(3)と、ステップ(3)で算出した感度補正係数αx,αy,αzが収束するまでステップ(2),(3)を繰り返し行うステップ(4)とを含む。
【0150】
これにより、多次元最適化手法により感度補正係数αx,αy,αzだけを算出するので、上記第1の実施の形態における算出方法に比して、収束解を早く得ることができる。したがって、感度補正係数αx,αy,αzおよびオフセットCrx,Cry,Crzを比較的高速に算出することができる。
【0151】
上記第2の実施の形態において、3軸磁気センサ11は、請求項1若しくは2記載の検出手段、または請求項5、12若しくは21記載の地磁気検出手段に対応し、補正計算部16は、請求項1、2、5、12または21記載の出力補正手段に対応し、オフセット・感度補正係数算出部18は、請求項1、2、5、7若しくは21記載の検出出力取得手段、または請求項1、2、5、7、9、12若しくは21記載の楕円面解析手段に対応している。また、測定データは、請求項1、2、5、7、21または23記載の3軸出力データ群に対応し、共役勾配法は、請求項9記載の多次元最適化手法に対応し、ステップ(2)は、請求項9記載の第1解析処理に対応し、ステップ(3)は、請求項9記載の第2解析処理に対応している。
【0152】
また、上記第2の実施の形態において、ステップ(4)は、請求項9記載の第3解析処理に対応している。
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。なお、以下、上記第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、上記第1の実施の形態と重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0153】
本実施の形態は、本発明に係る計測装置、方位角計測装置およびキャリブレーションプログラム、並びにキャリブレーション方法を、図2に示すように、携帯機器201の3軸磁気センサ11の感度およびオフセットを補正する場合について適用したものであり、上記第1の実施の形態と異なるのは、上式(38)のSを最小にする方法として他の算出方法を採用した点にある。
【0154】
上式(38)のSが最小となるように、感度補正係数αx,αy,αzおよびオフセットCrx,Cry,Crzを算出する方法を説明する。
上式(37)をオフセットCx,Cy,Cz,a0Mで偏微分すると、下式(49)〜(52)が得られる。
【0155】
【数45】
Figure 2004309227
【0156】
【数46】
Figure 2004309227
【0157】
【数47】
Figure 2004309227
【0158】
【数48】
Figure 2004309227
【0159】
上式(49)〜(52)は、上式(37)のSが最小となるとき、右辺がゼロとなる。したがって、下式(53)〜(56)が得られる。
【0160】
【数49】
Figure 2004309227
【0161】
【数50】
Figure 2004309227
【0162】
【数51】
Figure 2004309227
【0163】
【数52】
Figure 2004309227
【0164】
上式(56)を上式(53)〜(55)に代入すると、下式(57)〜(59)が得られ、オフセットCx,Cy,Czに関する連立一次方程式が導出される。
【0165】
【数53】
Figure 2004309227
【0166】
【数54】
Figure 2004309227
【0167】
【数55】
Figure 2004309227
【0168】
ただし、上式(57)〜(59)の各値は、下式(60)〜(77)により得られる。
【0169】
【数56】
Figure 2004309227
【0170】
【数57】
Figure 2004309227
【0171】
【数58】
Figure 2004309227
【0172】
【数59】
Figure 2004309227
【0173】
【数60】
Figure 2004309227
【0174】
【数61】
Figure 2004309227
【0175】
【数62】
Figure 2004309227
【0176】
【数63】
Figure 2004309227
【0177】
【数64】
Figure 2004309227
【0178】
【数65】
Figure 2004309227
【0179】
【数66】
Figure 2004309227
【0180】
【数67】
Figure 2004309227
【0181】
【数68】
Figure 2004309227
【0182】
【数69】
Figure 2004309227
【0183】
【数70】
Figure 2004309227
【0184】
【数71】
Figure 2004309227
【0185】
【数72】
Figure 2004309227
【0186】
【数73】
Figure 2004309227
【0187】
したがって、次のステップ(1)〜(4)の手順で、感度補正係数αx,αy,αzおよびオフセットCrx,Cry,Crzを算出することができる。
(1)感度補正係数αx,αy,αzに適当な初期値を設定する。
(2)上式(26)〜(28)により、S1rx,S2rx,…,SNrx,S1ry,S2ry,…,SNry,S1rz,S2rz,…,SNrzから、S1x,S2x,…,SNx,S1y,S2y,…,SNy,S1z,S2z,…,SNzを算出する。
(3)上式(57)〜(59)を解いてオフセットCx,Cy,Czを算出する。
(4)上式(12)〜(14)により、オフセットCx,Cy,Czから、オフセットCrx,Cry,Crzを算出する。
(5)上式(48)を解いてαx,αy,αzを算出する。
(6)感度補正係数αx,αy,αzが収束しているか否かを判定し、収束していないと判定したときは、ステップ(2)〜(5)を繰り返し行う。
【0188】
このようにして、本実施の形態では、上式(57)〜(59)によりオフセットCrx,Cry,Crzを算出するステップ(1)〜(4)と、ステップ(1)〜(4)で算出した値に基づいて上式(48)により感度補正係数αx,αy,αzを算出するステップ(5)と、ステップ(1)〜(4)で算出した値が収束するまでステップ(2)〜(5)を繰り返し行うステップ(6)とを含む。
【0189】
これにより、上記第2の実施の形態における算出方法に比して、収束解を早く得ることができる。したがって、感度補正係数αx,αy,αzおよびオフセットCrx,Cry,Crzを比較的高速に算出することができる。
上記第3の実施の形態において、3軸磁気センサ11は、請求項1若しくは2記載の検出手段、または請求項5、12若しくは21記載の地磁気検出手段に対応し、補正計算部16は、請求項1、2、5、12または21記載の出力補正手段に対応し、オフセット・感度補正係数算出部18は、請求項1、2、5、7若しくは21記載の検出出力取得手段、または請求項1、2、5、7、10、12若しくは21記載の楕円面解析手段に対応している。また、測定データは、請求項1、2、5、7、21または23記載の3軸出力データ群に対応し、ステップ(1)〜(4)は、請求項10記載の第1解析処理に対応し、ステップ(5)は、請求項10記載の第2解析処理に対応し、ステップ(6)は、請求項10記載の第3解析処理に対応している。
【0190】
なお、上記第1ないし第3の実施の形態においては、方位角計測装置が携帯機器201に組み込まれていることを前提に説明したが、PDA(Personal Digital Assistant)やノートパソコンなどの携帯機器201に対して抜き差し(脱着)可能な容器に方位角計測装置を収容し、この方位角計測装置を携帯機器201に装着して使用するようにしてもよい。
【0191】
例えば、ノートパソコンに標準装備されているPCカードスロットに挿入されるPCMCIAカードの中に、方位角計測装置とそのデータ処理IC、インターフェースICなどを設け、そのドライバとして、上述したキャリブレーション機能を組み込むようにしてもよい。
PCカードスロットは、機械的および電気的な特性に対する規格はあるが、スロット内部の漏洩磁束密度等の磁気的な特性に対する規格は無いため、汎用のPCMCIAカードの中に設けた方位角計測装置は、ノートパソコンから発生する漏洩磁束密度をあらかじめ予測することができない。
【0192】
ここで、PCMCIAカードの中に方位角計測装置のキャリブレーション機能を組み込むことにより、PCカードスロットの漏洩磁場が携帯機器201ごとにばらつく場合においても、方位角計測装置のオフセットを精度よく補正することができ、特定の携帯機器201に限られることなく、方位角計測装置を自由に装着して使用することが可能となる。
【0193】
なお、PCMCIAカードには、方位角計測装置以外にも、傾斜角センサや、GPS(Global Positioning System)の信号処理IC、アンテナなどを一緒に搭載するようにしてもよいし、カード形式も、PCMCIAカードに限られることなく、CFカードスロットに対応させるようにしてもよい。
また、上記第1ないし第3の実施の形態においては、磁気センサとしてホール素子を用いた場合を例にとって説明したが、磁気センサが必ずしもホール素子に限定されることなく、例えば、ブラックスゲートセンサなどを用いるようにしてもよい。
【0194】
また、上記第1ないし第3の実施の形態において、オフセット・感度補正係数算出部18は、直交座標系(x,y,z)上に、各主軸が直交座標系(x,y,z)の各座標軸に平行な楕円面を定め、繰り返し取得した測定データに基づいて、感度補正係数αx,αy,αzおよびオフセットCrx,Cry,Crzを算出するように構成したが、これに限らず、出力増幅値Sx、Sy、Szのうち変化の度合いが最小のものについてその変化の度合いが所定値以下であるときは、変化の度合いが所定値以下の出力増幅値に対応する座標軸を特定軸とし、直交座標系(x,y,z)から特定軸を除いた2次元直交座標系上に、各軸が2次元直交座標系の各座標軸に平行な楕円を定め、出力増幅値Sx、Sy、Szのうち特定軸に対応するもの以外のものに基づいて、感度補正係数αx,αy,αzおよびオフセットCrx,Cry,Crzのうち特定軸に対応するもの以外のものを算出するように構成することもできる。
【0195】
これにより、3軸磁気センサ11の3軸のうちいずれかの軸に垂直な面上でのみ方位角計測装置を移動・回転等させた場合であっても、感度補正係数αx,αy,αzおよびオフセットCrx,Cry,Crzのうち方位角計測装置を移動・回転等させた面に平行な2軸に対応するものについて比較的正確に算出することができる。
【0196】
この場合において、オフセット・感度補正係数算出部18は、請求項11記載の検出出力取得手段、または請求項11記載の楕円面解析手段に対応し、測定データは、請求項11記載の3軸出力データ群に対応している。
また、上記第1ないし第3の実施の形態においては、オフセット・感度補正係数算出部18で行う処理をハードウェアにより実現する場合について説明したが、これに限らず、携帯機器201を、CPU、ROMおよびRAMをバス接続したコンピュータとして構成し、CPUがこれらの処理を実行するようにしてもよい。この場合、ROMにあらかじめ格納されている制御プログラムを実行するように構成してもよいが、これらの手順を示したプログラムが記憶された記憶媒体から、そのプログラムをRAMに読み込んで実行するようにしてもよい。
【0197】
ここで、記憶媒体とは、RAM、ROM等の半導体記憶媒体、FD、HD等の磁気記憶型記憶媒体、CD、CDV、LD、DVD等の光学的読取方式記憶媒体、MO等の磁気記憶型/光学的読取方式記憶媒体であって、電子的、磁気的、光学的等の読み取り方法のいかんにかかわらず、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体であれば、あらゆる記憶媒体を含むものである。
【0198】
また、上記第1ないし第3の実施の形態においては、本発明に係る計測装置、方位角計測装置およびキャリブレーションプログラム、並びにキャリブレーション方法を、図2に示すように、携帯機器201の3軸磁気センサ11の感度およびオフセットを補正する場合について適用したが、これに限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他の場合にも適用可能である。
【0199】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る請求項1または3記載の計測装置によれば、計測装置の向きを任意の方向に変化させるだけで検出手段の感度を補正することができるので、従来に比して、検出手段の感度を比較的簡単かつ正確に補正することができるという効果が得られる。また、不揮発性メモリを内蔵する必要もなく、製造時に検出手段の選別を行う必要もないので、従来に比して、計測装置の製造コストを低減することができるという効果も得られる。
【0200】
さらに、本発明に係る請求項2または4記載の計測装置によれば、計測装置の向きを任意の方向に変化させるだけで検出手段のオフセットを補正することができるので、従来に比して、検出手段のオフセットを比較的簡単に補正することができるという効果が得られる。
一方、本発明に係る請求項5ないし20記載の方位角計測装置によれば、方位角計測装置の向きを任意の方向に変化させるだけで地磁気検出手段の感度またはオフセットを補正することができるので、従来に比して、地磁気検出手段の感度を比較的簡単かつ正確に補正することができるとともに、地磁気検出手段のオフセットを比較的簡単に補正することができるという効果が得られる。また、不揮発性メモリを内蔵する必要もなく、製造時に地磁気検出手段の選別を行う必要もないので、従来に比して、方位角計測装置の製造コストを低減することができるという効果も得られる。
【0201】
さらに、本発明に係る請求項7ないし10記載の方位角計測装置によれば、各測定点と楕円面との距離が最小となるように、楕円面の各主軸の長さおよび中心座標を統計的手法によって算出するので、3軸出力データに測定誤差が含まれていても、楕円面の各主軸の長さおよび中心座標を比較的正確に算出することができる。したがって、地磁気検出手段の感度またはオフセットをさらに正確に補正することができるという効果も得られる。
【0202】
さらに、本発明に係る請求項8記載の方位角計測装置によれば、多次元最適化手法により誤差総和演算式を解いて楕円面の各主軸の長さおよび中心座標を算出するので、楕円面の各主軸の長さおよび中心座標をさらに正確に算出することができる。したがって、地磁気検出手段の感度またはオフセットをさらに正確に補正することができるという効果も得られる。
【0203】
さらに、本発明に係る請求項9記載の方位角計測装置によれば、楕円面の各主軸の長さを多次元最適化手法によらずに連立一次方程式を解くことにより算出するので、請求項8記載の方位角計測装置に比して、収束解を早く得ることができる。したがって、楕円面の各主軸の長さおよび中心座標を比較的高速に算出することができるという効果も得られる。
【0204】
さらに、本発明に係る請求項10記載の方位角計測装置によれば、多次元最適手法によらず第1解析処理と第2解析処理との反復計算により楕円面の各主軸の長さおよび中心座標を算出するので、請求項9記載の方位角計測装置に比して、収束解を早く得ることができる。したがって、楕円面の各主軸の長さおよび中心座標を比較的高速に算出することができるという効果も得られる。
【0205】
さらに、本発明に係る請求項11記載の方位角計測装置によれば、地磁気検出手段の3軸のうちいずれかの軸に垂直な面上でのみ方位角計測装置を移動・回転等させた場合であっても、残りの2軸について地磁気検出手段の感度またはオフセットを補正することができるという効果も得られる。
さらに、本発明に係る請求項13記載の方位角計測装置によれば、方位角計測装置の向きが静止していたり、僅かしか変化していなかった場合に、楕円面の各主軸の長さおよび中心座標が大きな誤差を含んで算出されることを防止することができ、楕円面の各主軸の長さおよび中心座標の算出精度を向上させて、感度およびオフセットのキャリブレーション精度を高く保つことができるという効果も得られる。
【0206】
さらに、本発明に係る請求項14記載の方位角計測装置によれば、地磁気の検出出力にノイズ等で大きな誤差が含まれている場合や、特に2軸の地磁気検出手段の向きが所定の平面から外れて変化したような場合に、誤った感度若しくはオフセット値を算出して不適切な出力補正が行われてしまうことを防止することができるという効果も得られる。
【0207】
さらに、本発明に係る請求項15記載の方位角計測装置によれば、利用者が方位角計測を行うことで、各軸出力の補正を自動的に行うことが可能となるという効果も得られる。
さらに、本発明に係る請求項16または17記載の方位角計測装置によれば、ユーザは良好性情報を参照すれば、出力補正手段による補正の良好性を把握することができるという効果も得られる。
【0208】
さらに、本発明に係る請求項17記載の方位角計測装置によれば、区分ごとに対応した良好度(例えば、優、良、可のような良好度)を得ることができるので、出力補正手段による補正の良好性がさらに把握しやすくなるという効果も得られる。
さらに、本発明に係る請求項18記載の方位角計測装置によれば、静的な外部環境磁場が存在している場合や、地磁気がシールドされているような場合に、地磁気が正しく検出されていないにもかかわらず方位角計測が行われてしまうことを防止することができるという効果も得られる。
【0209】
さらに、本発明に係る請求項19または20記載の方位角計測装置によれば、ユーザは信頼性情報を参照すれば、方位角計測結果の信頼性を把握することができるという効果も得られる。
さらに、本発明に係る請求項20記載の方位角計測装置によれば、区分ごとに対応した信頼度(例えば、優、良、可のような信頼度)を得ることができるので、方位角計測結果の信頼性がさらに把握しやすくなるという効果も得られる。
【0210】
一方、本発明に係る請求項21記載のキャリブレーションプログラムによれば、請求項5記載の方位角計測装置と同等の効果が得られる。
さらに、本発明に係る請求項22記載のキャリブレーションプログラムによれば、請求項6記載の方位角計測装置と同等の効果が得られる。
一方、本発明に係る請求項23記載のキャリブレーション方法によれば、請求項5記載の方位角計測装置と同等の効果が得られる。
さらに、本発明に係る請求項24記載のキャリブレーション方法によれば、請求項6記載の方位角計測装置と同等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する携帯機器201の概観構成を透視して示す斜視図である。
【図2】本発明に係る方位角計測装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】キャリブレーション方法の概念を説明する図である。
【図4】方位角計測装置をz軸回りに一定の角速度で回転させた時の磁気センサの出力波形を示す図である。
【図5】従来の方位角計測装置のキャリブレーション方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
201 携帯機器
202 表示部
203 アンテナ
11 3軸磁気センサ
HEx x軸ホール素子
HEy y軸ホール素子
HEz z軸ホール素子
12 磁気センサ駆動電源部
13 チョッパ部
14 差動入力アンプ
15 A/D変換部
16 補正計算部
17 方位角計算部
18 オフセット・感度補正係数算出部
19a オフセット情報記憶部
19b 感度補正情報記憶部

Claims (24)

  1. ベクトル物理量を検出する3軸以上の検出手段と、
    前記検出手段の向きが3次元空間において変化した時の3軸出力を所定回数以上繰り返して取得する検出出力取得手段と、
    前記3軸出力を成分とする3次元座標上に、各主軸が前記3次元座標の各座標軸に平行な楕円面を定め、前記検出出力取得手段で繰り返し取得した3軸出力データ群に基づいて、前記楕円面の各主軸の長さを算出する楕円面解析手段と、
    前記楕円面解析手段で算出した楕円面の各主軸の長さに基づいて、前記検出手段の3軸出力を補正する出力補正手段とを備えることを特徴とする計測装置。
  2. ベクトル物理量を検出する3軸以上の検出手段と、
    前記検出手段の向きが3次元空間において変化した時の3軸出力を所定回数以上繰り返して取得する検出出力取得手段と、
    前記3軸出力を成分とする3次元座標上に、各主軸が前記3次元座標の各座標軸に平行な楕円面を定め、前記検出出力取得手段で繰り返し取得した3軸出力データ群に基づいて、前記楕円面の中心座標を算出する楕円面解析手段と、
    前記楕円面解析手段で算出した中心座標に基づいて、前記検出手段の3軸出力を補正する出力補正手段とを備えることを特徴とする計測装置。
  3. ベクトル物理量を検出する2軸以上の検出手段と、
    前記検出手段の向きが所定の平面上にあるよう保ちながら変化した時の2軸出力を所定回数以上繰り返して取得する検出出力取得手段と、
    前記2軸出力を成分とする2次元座標上に、各主軸が前記2次元座標の各座標軸に平行な楕円を定め、前記検出出力取得手段で繰り返し取得した2軸出力データ群に基づいて、前記楕円の各主軸の長さを算出する楕円解析手段と、
    前記楕円解析手段で算出した楕円の各主軸の長さに基づいて、前記検出手段の2軸出力を補正する出力補正手段とを備えることを特徴とする計測装置。
  4. ベクトル物理量を検出する2軸以上の検出手段と、
    前記検出手段の向きが所定の平面上にあるよう保ちながら変化した時の2軸出力を所定回数以上繰り返して取得する検出出力取得手段と、
    前記2軸出力を成分とする2次元座標上に、各主軸が前記2次元座標の各座標軸に平行な楕円を定め、前記検出出力取得手段で繰り返し取得した2軸出力データ群に基づいて、前記楕円の中心座標を算出する楕円解析手段と、
    前記楕円解析手段で算出した中心座標に基づいて、前記検出手段の2軸出力を補正する出力補正手段とを備えることを特徴とする計測装置。
  5. 地磁気を検出する3軸以上の地磁気検出手段と、
    前記地磁気検出手段の向きが3次元空間において変化した時の3軸出力を所定回数以上繰り返して取得する検出出力取得手段と、
    前記3軸出力を成分とする3次元座標上に、各主軸が前記3次元座標の各座標軸に平行な楕円面を定め、前記検出出力取得手段で繰り返し取得した3軸出力データ群に基づいて、前記楕円面の各主軸の長さ及び中心座標を算出する楕円面解析手段と、
    前記楕円面解析手段で算出した楕円面の各主軸の長さ及び中心座標に基づいて、前記地磁気検出手段の3軸出力を補正する出力補正手段とを備えることを特徴とする方位角計測装置。
  6. 地磁気を検出する2軸以上の地磁気検出手段と、
    前記地磁気検出手段の向きが所定の平面上にあるよう保ちながら変化した時の2軸出力を所定回数以上繰り返して取得する検出出力取得手段と、
    前記2軸出力を成分とする2次元座標上に、各主軸が前記2次元座標の各座標軸に平行な楕円を定め、前記検出出力取得手段で繰り返し取得した2軸出力データ群に基づいて、前記楕円の各主軸の長さ及び中心座標を算出する楕円解析手段と、
    前記楕円解析手段で算出した楕円の各主軸の長さ及び中心座標に基づいて、前記地磁気検出手段の2軸出力を補正する出力補正手段とを備えることを特徴とする方位角計測装置。
  7. 請求項5及び6のいずれかにおいて、
    前記楕円面解析手段は、前記検出出力取得手段で繰り返し取得した3軸出力データ群を前記3次元座標上に配置し、配置した各測定点と前記楕円面との距離が最小となるように、前記楕円面の各主軸の長さ及び中心座標を統計的手法によって算出するようになっていることを特徴とする方位角計測装置。
  8. 請求項7において、
    前記楕円面解析手段は、初期値を与えて反復計算により収束解を最適解として求める多次元最適化手法により、前記すべての測定点について当該測定点と前記楕円面との距離に相当する値の総和を算出する誤差総和演算式を解き、前記楕円面の各主軸の長さ及び中心座標を算出するようになっていることを特徴とする方位角計測装置。
  9. 請求項7において、
    前記楕円面解析手段は、初期値を与えて反復計算により収束解を最適解として求める多次元最適化手法により、前記すべての測定点について当該測定点と前記楕円面との距離に相当する値の総和を算出する誤差総和演算式を解き、前記楕円面の中心座標を算出する第1解析処理と、
    前記第1解析処理で算出した値に基づいて、前記誤差総和演算式を前記楕円面の各主軸の長さに対応した変数で偏微分した誤差総和偏微分演算式により、前記楕円面の各主軸の長さを算出する第2解析処理と、
    前記第2解析処理で算出した値が収束するまで前記第1解析処理及び前記第2解析処理を繰り返し行う第3解析処理とを行うようになっていることを特徴とする方位角計測装置。
  10. 請求項7において、
    前記楕円面解析手段は、前記すべての測定点について当該測定点と前記楕円面との距離に相当する値の総和を算出する誤差総和演算式を前記楕円面の中心座標に対応した変数で偏微分した第1誤差総和偏微分演算式に、前記楕円面の各主軸の長さを初期値として与え、前記第1誤差総和偏微分演算式により、前記楕円面の中心座標を算出する第1解析処理と、
    前記第1解析処理で算出した値に基づいて、前記誤差総和演算式を前記楕円面の各主軸の長さに対応した変数で偏微分した第2誤差総和偏微分演算式により、前記楕円面の各主軸の長さを算出する第2解析処理と、
    前記第2解析処理で算出した値が収束するまで、前記第1解析処理及び前記第2解析処理を繰り返し行う第3解析処理とを行うようになっていることを特徴とする方位角計測装置。
  11. 請求項5乃至10のいずれかにおいて、
    前記楕円面解析手段は、前記3軸出力のうち変化の度合いが最小のものについてその変化の度合いが所定値以下であるときは、前記3軸出力のうち変化の度合いが最小のもの以外の特定2軸出力を成分とする2次元座標上に、各主軸が2次元座標の各座標軸に平行な楕円を定め、前記検出出力取得手段で繰り返し取得した3軸出力データ群のうち前記特定2軸出力に係るものに基づいて、前記楕円の各主軸の長さ及び中心座標を算出するようになっていることを特徴とする方位角計測装置。
  12. 請求項5乃至11のいずれかにおいて、
    前記出力補正手段は、前記楕円面解析手段で算出した各主軸の長さ及び中心座標に基づいて、前記地磁気検出手段の3軸出力について感度及びオフセットを補正するようになっていることを特徴とする方位角計測装置。
  13. 請求項5乃至12のいずれかにおいて、
    前記楕円面解析手段は、
    前記検出出力取得手段により各軸出力を所定回数繰り返し取得して、各軸出力における最大値と最小値との差分を算出する第1の差分算出手段と、
    前記第1の差分算出手段により算出された差分が所定値以上かどうかを判断する第1の差分判断手段とを備え、
    前記第1の差分算出手段により算出された差分が所定値以上の場合、前記検出出力取得手段により所定回数繰り返して取得された前記各軸出力を前記楕円面解析の対象とすることを特徴とする方位角計測装置。
  14. 請求項5乃至12のいずれかにおいて、
    前記出力補正手段は、
    前記楕円面解析手段により算出された楕円面の各主軸の長さ及び前記楕円面解析手段により以前に算出された楕円面の各主軸の長さのばらつき若しくは前記楕円面解析手段により算出された楕円面の中心座標及び前記楕円面解析手段により以前に算出された楕円面の中心座標のばらつきを算出するばらつき算出手段を備え、
    前記ばらつき算出手段の算出結果に基づいて前記楕円面解析手段により算出された楕円面の各主軸の長さ及び中心座標を破棄することを特徴とする方位角計測装置。
  15. 請求項5乃至14のいずれかにおいて、
    方位角計測の実行中、方位角計測のために取得された各軸出力を用いて楕円面の各主軸の長さ及び中心座標の算出と出力補正をバックグラウンドで実行し、各軸出力の補正を随時行うことを特徴とする方位角計測装置。
  16. 請求項5乃至15のいずれかにおいて、
    前記楕円面解析手段により算出された楕円面の各主軸の長さ及び前記楕円面解析手段により以前に算出された楕円面の各主軸の長さのばらつき若しくは前記楕円面解析手段により算出された楕円面の中心座標及び前記楕円面解析手段により以前に算出された楕円面の中心座標のばらつきを算出する第2のばらつき算出手段と、
    前記第2のばらつき算出手段での算出結果に基づいて前記出力補正手段による補正の良好性に関する良好性情報を作成する良好性情報作成手段とを備えることを特徴とする方位角計測装置。
  17. 請求項16において、
    前記良好性情報作成手段は、前記出力補正手段による補正の良好度を複数に区分しておき、前記第2のばらつき算出手段で算出したばらつきの度合いに応じて前記区分のいずれかに分類し、その区分に対応した良好度を示す良好性情報を作成するようになっていることを特徴とする方位角計測装置。
  18. 請求項5乃至17のいずれかにおいて、
    前記出力補正手段は、
    前記楕円面の各軸の長さを算出する軸長算出手段と、
    前記軸長算出手段により算出された楕円面の各軸の長さが所定範囲外かどうかを判断する軸長判断手段とを備え、
    前記軸長算出手段により算出された楕円面の各軸の長さが所定範囲外の場合、その出力データを破棄するようになっていることを特徴とする方位角計測装置。
  19. 請求項5乃至17のいずれかにおいて、
    前記楕円面の各軸の長さを算出する第2の軸長算出手段と、
    前記第2の軸長算出手段により算出された楕円面の各軸の長さに基づいて方位角計測結果の信頼性に関する信頼性情報を作成する信頼性情報作成手段とを備えることを特徴とする方位角計測装置。
  20. 請求項19において、
    前記信頼性情報作成手段は、前記方位角計測結果の信頼度を複数に区分しておき、前記第2の軸長算出手段により算出された楕円面の各軸の長さを複数の閾値と比較して前記区分のいずれかに分類し、その区分に対応した信頼度を示す信頼性情報を作成するようになっていることを特徴とする方位角計測装置。
  21. 地磁気を検出する3軸以上の地磁気検出手段を利用可能なコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    前記地磁気検出手段の向きが3次元空間において変化した時の3軸出力を所定回数以上繰り返して取得する検出出力取得手段、
    前記3軸出力を成分とする3次元座標上に、各主軸が前記3次元座標の各座標軸に平行な楕円面を定め、前記検出出力取得手段で繰り返し取得した3軸出力データ群に基づいて、前記楕円面の各主軸の長さ及び中心座標を算出する楕円面解析手段、並びに
    前記楕円面解析手段で算出した楕円面の各主軸の長さ及び中心座標に基づいて、前記地磁気検出手段の3軸出力を補正する出力補正手段として実現される処理を前記コンピュータに実行させるためのプログラムであることを特徴とするキャリブレーションプログラム。
  22. 地磁気を検出する2軸以上の地磁気検出手段を利用可能なコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    前記地磁気検出手段の向きが所定の平面上にあるよう保ちながら変化した時の2軸出力を所定回数以上繰り返して取得する検出出力取得手段、
    前記2軸出力を成分とする2次元座標上に、各主軸が前記2次元座標の各座標軸に平行な楕円を定め、前記検出出力取得手段で繰り返し取得した2軸出力データ群に基づいて、前記楕円の各主軸の長さ及び中心座標を算出する楕円解析手段、並びに
    前記楕円解析手段で算出した楕円の各主軸の長さ及び中心座標に基づいて、前記地磁気検出手段の2軸出力を補正する出力補正手段として実現される処理を前記コンピュータに実行させるためのプログラムであることを特徴とするキャリブレーションプログラム。
  23. 地磁気計測における3軸の検出方向を3次元空間において変化させるステップと、
    前記検出方向が変化した時の地磁気計測の3軸出力を取得するステップと、
    前記3軸出力の取得が所定回数以上か判定するステップと、
    前記3軸出力を成分とする3次元座標上に、各主軸が前記3次元座標の各座標軸に平行な楕円面を定め、前記所定回数以上取得した3軸出力データ群に基づいて、前記楕円面の各主軸の長さ及び中心座標を算出するステップと、
    前記算出した楕円面の各主軸の長さ及び中心座標に基づいて、前記3軸出力を補正するステップとを含むことを特徴とするキャリブレーション方法。
  24. 地磁気計測における2軸の検出方向を所定の平面上にあるよう保ちながら変化させるステップと、
    前記検出方向が変化した時の地磁気計測の2軸出力を取得するステップと、
    前記2軸出力の取得が所定回数以上か判定するステップと、
    前記2軸出力を成分とする2次元座標上に、各主軸が前記2次元座標の各座標軸に平行な楕円を定め、前記所定回数以上取得した2軸出力データ群に基づいて、前記楕円の各主軸の長さ及び中心座標を算出するステップと、
    前記算出した楕円の各主軸の長さ及び中心座標に基づいて、前記2軸出力を補正するステップとを含むことを特徴とするキャリブレーション方法。
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