JP2004308483A - 内燃機関の蒸発燃料処理装置 - Google Patents

内燃機関の蒸発燃料処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は内燃機関の蒸発燃料処理装置に関し、燃料タンクの密閉が解かれるのと同期して排出されるベーパがキャニスタの大気孔から吹き抜けるのを防ぐことを目的とする。
【解決手段】燃料タンク10と連通するキャニスタ26を設ける。燃料タンク10とキャニスタ26との間に封鎖弁28を設ける。キャニスタ26の大気孔50に、大気孔50を開閉する機能を有する負圧ポンプモジュール52を連通させる。キャニスタ26を内燃機関の吸気通路38に導通させるパージ通路34およびパージVSV36を設ける。燃料タンク10が吸気通路38およびキャニスタ26の双方と導通する際に、タンク内圧が判定圧力を超えている場合には大気孔50を閉塞し、一方、タンク内圧が判定圧力以下である場合は大気孔50を開放する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の蒸発燃料処理装置に係り、特に、燃料タンクの内部で発生する蒸発燃料が大気に放出されるのを防止するための蒸発燃料処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開平6−33838号公報に開示されるように、燃料タンクと連通するキャニスタを備える蒸発燃料処理装置が開示されている。この装置は、燃料タンクとキャニスタとを連通する経路に、燃料タンクを密閉状態とすることのできるタンク内圧制御弁を備えている。タンク内圧制御弁は、内燃機関の停止中は燃料タンクを密閉し、内燃機関の作動中はタンク内圧が適当な大気圧近傍値となるように制御される。このような制御によれば、内燃機関の停止中に燃料タンク内のベーパが大気に放出されるのを防ぎ、かつ、内燃機関の作動中に、給油の実行に備えてタンク内圧を適当な圧力に維持しておくことができる。
【0003】
上述した従来の装置においては、内燃機関の停止中にはタンク内圧制御弁の開弁圧を高圧に設定しておき、一方、内燃機関の作動中はその開弁圧を低圧に変更することが必要である。ところで、その開弁圧が高圧から低圧に切り換えられた直後は、タンク内圧が切り換え後の低い開弁圧以下となるまで燃料タンク内のベーパが排出される事態が生ずる。そして、このようにして多量のベーパが燃料タンクから排出されると、そのベーパをキャニスタが捕獲しきれず、キャニスタの大気孔からベーパが吹き抜ける事態が生じ得る。
【0004】
上記従来の装置は、このような吹き抜けの発生を防ぐべく、タンク内圧制御弁の開弁圧の切り換えを、ベーパが吸気通路にパージされている時期と同期して行うこととしている。この場合、開弁圧の切り換えに伴って燃料タンクから排出されてくるベーパを、直接吸気通路側に吸引させることができるため、ベーパがキャニスタの大気孔から吹き抜け難い状況を作り出すことができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−33838号公報
【特許文献2】
実開平4−17156号公報
【特許文献3】
特開平5−223025号公報
【特許文献4】
実開平5−96457号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、タンク内圧が十分に高圧であるような場合は、開弁圧の切り換えに伴って、パージにより処理しきれない量のベーパが燃料タンクから排出されることがある。このような状況下では、開弁圧の切り換えがパージと同期して行われたとしても、燃料タンクから排出されたベーパの一部がキャニスタから吹き抜ける可能性が否定できない。この点、上記従来の装置は、開弁圧の切り換えに伴うベーパの吹き抜けを防止する機能に関して、更なる改良を余地を残すものであった。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、燃料タンクの密閉が解かれるのと同期して排出されるベーパがキャニスタの大気孔から吹き抜けるのを有効に防ぐことのできる内燃機関の蒸発燃料処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、上記の目的を達成するため、燃料タンクを密閉して蒸発燃料の流出を禁止する機能を有する内燃機関の蒸発燃料処理装置であって、
前記燃料タンクと連通するキャニスタと、
前記燃料タンクと前記キャニスタとの間に介在する封鎖弁と、
前記キャニスタの大気孔を開閉する開閉弁と、
前記キャニスタを内燃機関の吸気通路に導通させるパージ機構と、
前記燃料タンクが前記吸気通路および前記キャニスタの双方と導通する際に、タンク内圧が判定圧力を超えている場合には前記開閉弁を閉弁状態とし、一方、タンク内圧が判定圧力以下である場合は前記開閉弁を開弁状態とする開閉弁制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
また、第2の発明は、燃料タンクを密閉して蒸発燃料の流出を禁止する機能を有する内燃機関の蒸発燃料処理装置であって、
前記燃料タンクと連通するキャニスタと、
前記燃料タンクと前記キャニスタとの間に介在する封鎖弁と、
前記キャニスタを内燃機関の吸気通路に導通させるパージ機構と、
前記燃料タンクが前記吸気通路および前記キャニスタの双方と導通する際に、前記燃料タンクから排出されるベーパ量を調整するベーパ排出量調整手段と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
また、第3の発明は、第2の発明において、前記ベーパ排出量調整手段は、前記封鎖弁の開度を調整する開度調整手段であることを特徴とする。
【0011】
また、第4の発明は、第3の発明において、前記開度調整手段は、タンク内圧に基づいて前記封鎖弁の開度を調整することを特徴とする。
【0012】
また、第5の発明は、第3の発明において、前記開度調整手段は、前記吸気通路に流入するパージガスの流量に基づいて前記封鎖弁の開度を調整することを特徴とする。
【0013】
また、第6の発明は、第1乃至第5の発明の何れかにおいて、内燃機関の停止中は前記封鎖弁を閉弁状態とし、内燃機関の作動中は、前記キャニスタから前記吸気通路へ蒸発燃料がパージされている場合に前記封鎖弁を開弁状態とする封鎖弁制御手段を備えることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0015】
実施の形態1.
[装置構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1の蒸発燃料処理装置の構成を説明するための図である。図1に示すように、本実施形態の装置は、燃料タンク10を備えている。燃料タンク10には、タンク内圧Ptnkを測定するためのタンク内圧センサ12が設けられている。タンク内圧センサ12は、大気圧に対する相対圧としてタンク内圧Ptnkを検出し、その検出値に応じた出力を発生するセンサである。また、燃料タンク10の内部には、燃料の液面を検出するための液面センサ14が配置されている。
【0016】
燃料タンク10には、ROV(Roll Over Valve)16,18を介してベーパ通路20が接続されている。ベーパ通路20は、その途中に封鎖弁ユニット24を備えており、その端部においてキャニスタ26に連通している。封鎖弁ユニット24は、封鎖弁28とリリーフ弁30を備えている。封鎖弁28は、無通電の状態で閉弁し、外部から駆動信号が供給されることにより開弁状態となる常時閉タイプの電磁弁である。リリーフ弁30は、燃料タンク10側の圧力がキャニスタ26側の圧力に比して十分に高圧となった場合に開弁する正方向リリーフ弁と、その逆の場合に開弁する逆方向リリーフ弁とからなる機械式の双方向逆止弁である。リリーフ弁30の開弁圧は、例えば、正方向が20kPa、逆方向が15kPa程度に設定されている。
【0017】
キャニスタ26は、パージ孔32を備えている。パージ孔32には、パージ通路34が連通している。パージ通路34は、その途中にパージVSV(Vacuum Switching Valve)36を備えていると共に、その端部において内燃機関の吸気通路38に連通している。内燃機関の吸気通路38には、エアフィルタ40、エアフロメータ42、スロットルバルブ44などが設けられている。パージ通路34は、スロットルバルブ44の下流において吸気通路38に連通している。
【0018】
キャニスタ26の内部には、ベーパ吸着部46とバッファ部48とが設けられている。また、キャニスタ26には、大気孔50が設けられている。ベーパ吸着部46およびバッファ部48は何れも活性炭で満たされている。ベーパ吸着部46の活性炭は、ベーパ通路20を通って流入してきたガスが大気孔50に吹き抜ける場合に、その中に含まれている蒸発燃料を吸着することができる。一方、バッファ部48の活性炭は、パージ孔32から流出するパージガス中のベーパ濃度の急変を防ぐことができる。
【0019】
キャニスタ26の大気孔50には、負圧ポンプモジュール52を介して大気通路54が連通している。大気通路54は、その途中にエアフィルタ56を備えている。大気通路54の端部は、燃料タンク10の給油口58の近傍において大気に開放されている。
【0020】
負圧ポンプモジュール52は、負圧ポンプおよび切り替え弁(何れも図示せず)を備えている。切り替え弁は、キャニスタ26の大気孔50を大気通路54に導通させる大気開放状態と、その大気孔50を負圧ポンプの吸入孔に連通させる負圧導入状態とを選択的に実現することのできる弁機構である。負圧ポンプモジュール52によれば、切り替え弁を大気開放状態とすることでキャニスタ26の内部を大気に開放することができる。また、切り替え弁を負圧導入状態として負圧ポンプを作動させることによりキャニスタ26の内部に負圧を導入することができ、その状態で負圧ポンプを停止させることにより、キャニスタ26の大気孔50を閉塞することができる。
【0021】
図1に示すように、本実施形態の蒸発燃料処理装置は、ECU60を備えている。ECU60は、車両の駐車中において経過時間を計数するためのソークタイマを内蔵している。ECU60には、上述したタンク内圧センサ12や封鎖弁28、或いは負圧ポンプモジュール52と共に、リッドスイッチ62、およびリッドオープナー開閉スイッチ64が接続されている。また、リッドオープナー開閉スイッチ64には、ワイヤーによりリッド手動開閉装置66が連結されている。
【0022】
リッドスイッチ62は、給油口58を覆うリッド(車体の蓋)68を開けるための要求をECU60に伝えるためのスイッチである。ECU60は、リッドスイッチ62が操作されると、リッドオープナー開閉スイッチ64に対して、リッド68の開動作を要求する信号を供給する。リッドオープナー開閉スイッチ64は、リッド68を閉状態に維持する機構であり、ECU60から上記信号を受けると、或いは、リッド手動開閉装置66に開動作が施されると、リッド68の閉状態を解除する。
【0023】
[装置の基本動作の説明]
次に、本実施形態の蒸発燃料処理装置の動作について説明する。
(1)駐車中
本実施形態の蒸発燃料処理装置は、車両の駐車中は、原則として封鎖弁28を閉弁状態に維持する。封鎖弁28が閉弁状態とされると、リリーフ弁30が閉じている限り燃料タンク10はキャニスタ26から切り放される。従って、本実施形態の蒸発燃料処理装置においては、タンク内圧Ptnkがリリーフ弁30の正方向開弁圧(20kPa)を超えない限り、車両の駐車中に蒸発燃料が新たにキャニスタ26に吸着されることはない。また、タンク内圧Ptnkが、リリーフ弁30の逆方向開弁圧(−15kPa)を下回らない限り、車両の駐車中に燃料タンク10の内部に空気が吸入されることはない。
【0024】
(2)給油中
本実施形態の装置では、車両の停車中に、タンク内圧Ptnkが大気圧より高圧となることがある。このような状況下でタンクキャップが開かれると、燃料タンク10の内部に存在する蒸発燃料が大気に放出されやすい。そこで、この装置は、車両の停車中に給油の実行が要求された場合は、つまり、リッドスイッチ62が操作された場合は、先ず、タンク内圧Ptnkの減圧を図り、タンク内圧Ptnkが十分に低下した後に給油口58の開口を許可する。
【0025】
より具体的には、ECU60は、車両の停車中にリッドスイッチ62の操作を検知すると、先ず、封鎖弁28を開状態とする。この際、負圧ポンプモジュール52内の切り替え弁は大気孔50を開放しているため、大気封鎖弁28が開かれると、燃料タンク10内のガスはキャニスタ26の内部を流通し、蒸発燃料を含まない状態で大気孔50から流出する。その結果、タンク内圧Ptnkが低下し、その値Ptnkが判定圧力Ptnkh以下になるとリッド68の閉状態が解除される。
【0026】
リッド68のロックが解除されると、リッド68を開き、更にタンクキャップを外して、給油を開始することが可能となる。換言すると、本実施形態の装置では、タンク内圧Ptnkが判定圧力Ptnkh以下に低下するまでは、タンクキャップを外す行為、つまり、給油口58を開口する行為が禁止される。このため、この装置によれば、給油の際に、蒸発燃料が給油口58から大気へ放出されるのを有効に防ぐことができる。
【0027】
ECU60は、以後、液面センサ14の出力や経過時間、或いはリッド68の閉じ動作等に基づいて給油の終了を検出する。そして、給油の終了が検出されるまでは封鎖弁28を開状態に維持し、その終了が検出できたら、その時点で封鎖弁28を再び閉状態とする。上記の処理によれば、給油の実行中は燃料タンク10からキャニスタ26へのガスの流出が許容され、その結果、良好な給油特性を得ることができる。そして、給油の終了後は、再び燃料タンク10を密閉状態とすることができるため、蒸発燃料の大気放出を十分に抑制することができる。
【0028】
(3)走行中
以上説明した通り、本実施形態の装置は、リッドスイッチ62が操作された後、燃料タンク10の圧抜きを行った後にリッド68のロックを解除する。つまり、本実施形態の装置においては、リッドスイッチ62が操作された後、現実に給油が許可されるまでの間に、圧抜きに要する待ち時間が発生する。そして、この待ち時間は、リッドスイッチ62の操作時点におけるタンク内圧Ptnkが高いほど長時間となる。
【0029】
給油が開始される以前に、キャニスタ26に多量の燃料が吸着されていると、給油の際に燃料タンク10からキャニスタ26に流入してくる蒸発燃料が、キャニスタ26を吹き抜けて大気に放出される事態が生ずる。このため、キャニスタ26に吸着されている燃料の量は、給油の実行に備えて、常時少量に抑えられていることが望ましい。
【0030】
キャニスタ26における燃料吸着量を少量とするためには、車両の走行中(内燃機関の作動中)に、常に封鎖弁28を閉じておき、燃料タンク10からキャニスタ26へ向かう蒸発燃料の流れを一切禁止することが望ましい。しかしながら、車両の走行中に常に封鎖弁28が閉じられるとすると、タンク内圧Ptnkが著しく高圧となり、給油の際に不当に長い待ち時間が発生する。そこで、本実施形態の装置は、車両の走行中は、蒸発燃料がキャニスタ26に吸着されない範囲で適宜封鎖弁28を開弁してタンク内圧Ptnkを大気圧近傍値に維持することとしている。
【0031】
具体的には、ECU60は、吸気通路38へのパージが行われていることを条件に、タンク内圧Ptnkが目標上限値(>大気圧)を超える場合に封鎖弁28を開き、タンク内圧Ptnkが目標下限値(>大気圧)に達するまでその状態を維持する。この制御によれば、長期間にわたってパージがカットされない限り、タンク内圧Ptnkは目標上限値と目標下限値の間に維持される。つまり、タンク内圧Ptnkが目標上限値を超えて不当に高圧化するのを防ぐことができる。そして、封鎖弁28がパージの実行中に限って開かれるため、燃料タンク10から排出される蒸発燃料を吸気通路38に導くことが可能であり、その結果、キャニスタ26内の燃料吸着量の増加を十分に抑制することができる。
【0032】
[基本動作に伴う課題とその解決手法の説明]
既述した通り、本実施形態の装置は、車両の停車中は原則として封鎖弁28を閉状態に維持する。この場合、タンク内圧Ptnkは、リリーフ弁30の開弁圧である20kPaまで上昇し得る。車両の走行中に封鎖弁28の開弁圧となる目標上限値は、リリーフ弁30の開弁圧に比して十分に低い圧力である。従って、内燃機関の始動時にタンク内圧Ptnkが20kPa付近にまで上昇していた場合は、上記の基本動作によれば、パージの開始と同時に封鎖弁28が開き、蒸発燃料を含むガスが多量に燃料タンク10から排出されることになる。
【0033】
パージの実行中は、大気孔50から空気を取り込むために、原則として、負圧ポンプモジュール52内の切り替え弁は、大気孔50を開放する状態に維持される。このような状況下で燃料タンク10からキャニスタ26に多量のガスが流入すると、その一部は吸気通路38へ導かれるものの、その残部はベーパ吸着部46を通って大気孔50の外へと流通する。そして、大気孔50へ向かって流れるガス中の蒸発燃料量がベーパ吸着部46で捕獲できる量を超える場合には、蒸発燃料の大気への吹き抜けが生ずる。
【0034】
同様の現象は、車両の走行中に長期間にわたってパージがカットされたような場合にも起こり得る。つまり、本実施形態の装置は、パージカット中は封鎖弁28の開弁を禁止する。従って、そのカットが長期間にわたって継続されると、タンク内圧Ptnkが、目標上限値に比して著しく高い圧力となることがある。このような状況下で、パージの再開に伴って封鎖弁28が開かれれば、燃料タンク10からキャニスタ26に向けて多量のガスが排出され、その結果、キャニスタ26の大気孔50から蒸発燃料が大気中に吹き抜ける事態が生じ得る。
【0035】
そこで、本実施形態において、ECU60は、封鎖弁28の開弁要求が生じた際に、蒸発燃料の大気への吹き抜けが生ずる程度にタンク内圧Ptnkが高圧であるか否かを判断し、その判断が肯定される場合には、負圧ポンプモジュール52により大気孔50を閉塞したうえで封鎖弁28の開弁を許可することとした。以下、この機能を実現するための具体的な処理内容について説明する。
【0036】
図2は、上記の機能を実現するためにECU60が実行する制御ルーチンのフローチャートを示す。
図2に示すルーチンでは、先ず、内燃機関が運転中であるか否かが判別される(ステップ100)。
その結果、内燃機関が運転中でないと判別された場合は、車両が駐車中であるものとして、封鎖弁28が閉状態とされる(ステップ102)。
【0037】
一方、上記ステップ100において、内燃機関が運転中であると判別された場合は、車両が走行中であるものとして、現時点におけるタンク内圧Ptnkが計測される(ステップ104)。
【0038】
次に、封鎖弁28が、現在開いているか閉じているかが判別される(ステップ106)。
【0039】
その結果、封鎖弁28が閉じていると判別された場合は、次に、タンク内圧Ptnkが、所定圧力▲1▼(>大気圧)より高圧であるか否かが判別される(ステップ108)。
所定圧力▲1▼は、既述した目標上限値に相当し、給油時の圧抜きに要する時間が不当に長時間となるのを防ぐ観点より実験的に設定された値である。
【0040】
タンク内圧Ptnkが、所定圧力▲1▼より高くないと判別された場合は、封鎖弁28を開く必要はないと判断することができる。この場合、以後、速やかに今回の処理サイクルが終了される。一方、タンク内圧Ptnkが所定圧力▲1▼より高いと判断された場合は、α%を超えるパージ率PGRでパージが行われているか否かが判別される(ステップ110)。
【0041】
ここで、パージ率PGRとは、パージVSV36を通って吸気通路38に流れ込むガスの流量(パージ流量QPG)と、吸気通路38に流入する空気量(吸入空気量Ga)との比QPG/Gaである。パージ流量QPGは、パージVSV36の開度と吸気管圧力Pmとにより一義的に決定される値である。本実施形態の装置は、内燃機関の運転状態等に応じて目標のパージ率PGRを設定し、その目標が実現されるように、吸入空気量Gaや吸気管圧力Pmに基づいてパージVSV36の開度を制御する。
【0042】
キャニスタ26には、パージ率PGRが大きいほど大きな吸気負圧が導入される。従って、パージ率PGRが大きいほど、燃料タンク10から排出されるガスを多量に吸気通路38へ導くことができる。上記ステップ110において用いられる判定値αは、封鎖弁28を開いて燃料タンク10から蒸発燃料を排出させるうえで必要な最小限のパージ率PGRとして設定された値である。従って、PGR>αが成立しないと判別された場合は、以後、封鎖弁28を閉じるべくステップ102の処理が行われた後、今回の処理サイクルが終了される。一方、上記ステップ110において、パージ率PGRがα%より大きいと判別された場合は、封鎖弁28を開くべく、以下の処理が実行される。
【0043】
すなわち、上記ステップ110において、パージ率PGRがα%より大きいと判断された場合は、先ず、タンク内圧Ptnkが所定圧力▲3▼より大きいか否かが判別される(ステップ112)。
所定圧力▲3▼は、内燃機関の運転中におけるタンク内圧Ptnkの目標上限値、つまり、所定圧力▲1▼より更に高い圧力であり、タンク内圧Ptnkがその値を超えている状況下では、封鎖弁28が開かれると、パージが実行されていても大気孔50から蒸発燃料が吹き抜ける可能性のある圧力の境界値(下限値)である。従って、タンク内圧Ptnkが所定圧力▲3▼を超えている場合は、大気孔50を開放したままで封鎖弁28が開けば蒸発燃料の吹き抜けが生ずる可能性があると判断できる。
【0044】
図2に示すルーチンでは、上記ステップ112においてPtnk>所定圧力▲3▼が成立すると判別された場合は、負圧ポンプモジュール52の切り替え弁(CCV)が、大気孔50を閉塞する状態に制御される(ステップ114)。
一方、Ptnk>所定圧力▲3▼が成立しないと判別された場合は、その切り替え弁(CCV)は、大気孔50を開放する状態に制御される(ステップ116)。
そして、ステップ114及び116の何れかの処理が実行された後、封鎖弁28の開弁処理が行われる(ステップ118)。
【0045】
上記の処理によれば、封鎖弁28の開弁に伴って蒸発燃料の吹き抜けが生ずる可能性がある場合には、大気孔50を閉じることによりその吹き抜けを確実に防ぐことができる。この場合、燃料タンク10から排出されるガスは、その全てがバッファ部48を通過して吸気通路38へとパージされることになる。一方、蒸発燃料が吹き抜ける可能性がない状況下では、大気孔50が開放状態とされるため、キャニスタ26に空気を取り込みつつパージを進め得る状況を維持することができる。このため、本実施形態の装置によれば、封鎖弁28の開弁直後においても良好なエミッション特性を維持し、かつ、キャニスタ26のパージを効率的に進めることができる。
【0046】
図2に示すルーチン中、上記ステップ106において、封鎖弁28が開いていると判別された場合は、タンク内圧Ptnkが所定圧力▲2▼以下に低下しているか否かが判別される(ステップ120)。
所定圧力▲2▼は、既述した目標下限値に相当する値であり、実験的に、大気圧以上の適当な値に設定されている。
【0047】
タンク内圧Ptnkが所定圧力▲2▼以下に低下していないと判別された場合は、以後、上記ステップ110以降の処理が実行される。従って、この場合は、パージ率PGRがα%以下となっていない限り、封鎖弁28は開状態に維持される。一方、タンク内圧Ptnkが所定圧力▲2▼以下に低下していると判断された場合は、燃料タンク10から蒸発燃料が過剰に流出するのを避けるべく、上記ステップ102の処理、すなわち、封鎖弁28を閉じる処理が実行される。
【0048】
上記の処理によれば、内燃機関の運転中は、α%を超えるパージ率PGRでパージが行われている限り、タンク内圧Ptnkを所定圧力▲1▼と▲2▼との間に制御することができる。また、封鎖弁28の開弁がパージの実行中に限って許可されるため、タンク内圧Ptnkを上記範囲に制御する過程でキャニスタ26内の吸着燃料量が増えるのも防ぐことができる。このため、本実施形態の装置によれば、車両の走行中に、キャニスタ26を十分に清浄に保ちつつ、タンク内圧Ptnkを大気圧近傍値に制御することができる。
【0049】
以上説明した通り、図6に示すルーチンによれば、内燃機関の停止中は封鎖弁28を閉じておき、その運転中は、適宜封鎖弁28を開くことによりタンク内圧Ptnkを大気圧近傍に制御することができる。そして、このルーチンによれば、タンク内圧Ptnkが高い状況下では、キャニスタ26の大気孔50を閉じた後の封鎖弁28を開くことができる。このため、本実施形態の装置によれば、内燃機関の停止時におけるエミッション特性を良好に維持し、かつ、給油時の待ち時間を短時間としつつ、内燃機関の運転中にも優れたエミッション特性を実現することができる。
【0050】
尚、上述した実施の形態1においては、負圧ポンプモジュール52の切り替え弁が前記第1の発明における「開閉弁」に、パージ通路34およびパージVSVが前記第1の発明における「パージ機構」に、それぞれ相当していると共に、ECU60が、上記ステップ112〜116の処理を実行することにより前記第1の発明における「開閉弁制御手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU60が、上記ステップ100、102、110および118の処理を実行することにより前記第6の発明における「封鎖弁制御手段」が実現されている。
【0051】
実施の形態2.
次に、図3乃至図5を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
上述した実施の形態1の装置は、キャニスタ26の大気孔50から蒸発燃料が吹き抜ける可能性のある状況下で封鎖弁28を開く必要がある場合には、大気孔50を閉塞した状態で封鎖弁28を開くことにより蒸発燃料の吹き抜けを防止している。これに対して、本実施形態の装置は、そのような状況下では、大気孔50は開放したまま、封鎖弁28の開度を調整することにより、つまり、燃料タンク10から排出されるガス量を調整することにより、蒸発燃料の吹き抜けを防止する。
【0052】
図3は、本実施形態において、ECU60が上記の機能を実現するために実行する制御ルーチンのフローチャートである。本実施形態の装置は、実施の形態1の装置において、ECU60に、既述した図2に示すルーチンに代えて、図3に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。尚、図3において、上記図2に示すステップと同一のステップには、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
【0053】
すなわち、図3に示すルーチンでは、ステップ110においてパージ率PGRがα%を超えていると判別された場合、つまり、ステップ100〜110の処理により封鎖弁28を開くべきことが判別された場合に、先ず、その時点におけるタンク内圧Ptnkとパージ量とに基づいて、封鎖弁28の開弁時間T1と閉弁時間T2が決定される(ステップ130)。
【0054】
図4(A)および図4(B)は、それぞれECU60が開弁時間T1および閉弁時間T2を決定する際に参照するマップの一例を示す。図4(A)に示すように、開弁時間T1は、タンク内圧が高く、パージ量が少ないほど大きな値に設定される。一方、閉弁時間T2は、図4(B)に示すように、タンク内圧が高く、パージ量が少ないほど小さな値に設定される。つまり、開弁時間T1は、蒸発燃料が大気孔50から吹き抜け易いほど小さな値に決定され、一方、閉弁時間T2は、蒸発燃料の吹き抜けが生じ易いほど大きな値に決定される。
【0055】
図3に示すルーチンでは、T1およびT2が決定されると、その後、開弁時間T1だけ封鎖弁28を開弁する処理(ステップ132)、および閉弁時間T2だけ封鎖弁28を閉弁する処理(ステップ134)が続けて行われる。
【0056】
図5は、上記の処理により実現される本実施形態の装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。より具体的には、図5(A)は封鎖弁28の動作を示すタイミングチャートであり、図5(B)はタンク内圧Ptnkの変化を示すタイミングチャートである。
【0057】
これらの図に示す通り、本実施形態の装置では、封鎖弁28が(T1+T2)のデューティ周期、および{T1/(T1+T2)}×100のデューティ比で駆動され、その結果、タンク内圧Ptnkは段階的に減圧される。T1およびT2は、蒸発燃料の吹き抜けが生じ易いほど上記のデューティ比が小さくなるように決定される。そして、そのデューティ比が小さいほど燃料タンク10内のガスは排出され難くなる。このため、本実施形態の装置によれば、封鎖弁28の開弁に伴って燃料タンク10から排出されるガス量を不必要に抑制することなく、蒸発燃料を吹き抜けさせない量に抑制することができる。
【0058】
封鎖弁28の開弁は、タンク内圧Ptnkの減圧を目的として行われる。この要求を早期に満たすためには、燃料タンク10から排出されるガス量が不必要に制限されないことが望ましい。一方、良好なエミッション特性を維持するためには、燃料タンク10から排出されるガス量が、蒸発燃料の吹き抜けを生じさせない量に抑制されることが必要である。更に、封鎖弁28の耐久性に着目すれば、封鎖弁28の開閉回数は、最小限度に抑えられることが望ましい。
【0059】
図3に示すルーチンによれば、これら3つの要求が何れも満たされるように封鎖弁28を開閉させることができる。このため、本実施形態の装置によれば、内燃機関の作動中に、封鎖弁28の耐久性を著しく悪化させることなく、かつ、エミッション特性の悪化を伴うことなく、タンク内圧Ptnkを速やかに減圧することができる。
【0060】
ところで、上述した実施の形態2においては、封鎖弁28の開弁時間T1と閉弁時間T2の双方を適宜設定することとしているが、その設定の対象はこれに限定されるものではない。すなわち、開弁時間T1と閉弁時間T2の一方を固定値とし、他方のみを適宜設定することしてもよい。
【0061】
また、上述した実施の形態2においては、開弁時間T1および閉弁時間T2を、タンク内圧Ptnkおよびパージ量の双方に基づいて決定することとしているが、その決定の手法はこれに限定されるものではない。すなわち、開弁時間T1および閉弁時間T2は、簡易的には、タンク内圧Ptnkのみに基づいて、或いはパージ量のみに基づいて決定することとしてもよい。
【0062】
また、上述した実施の形態2においては、開弁時間T1および閉弁時間T2を決定することにより封鎖弁28の動作パターンを定めることとしているが、そのパターンを決める手法はこれに限定されるものではない。すなわち、封鎖弁28の動作パターンは、例えば、その駆動デューティ比により、或いは、その駆動デューティの周期により、更には、それら両者の組み合わせにより定めることとしてもよい。
【0063】
また、上述した実施の形態2においては、封鎖弁28の開弁が要求される場合に、常に封鎖弁28の動作パターンを決定することとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、封鎖弁28の開弁が要求された場合に、タンク内圧Ptnkが高圧(例えば、実施の形態1における所定圧力▲3▼を超える圧力)である場合にのみその動作パターンの決定処理を行い、タンク内圧Ptnkが低圧である場合には、その動作パターンの決定処理を省略して、封鎖弁28を全開状態とすることとしてもよい。
【0064】
尚、上述した実施の形態2においては、パージ通路34およびパージVSVが前記第2の発明における「パージ機構」に相当していると共に、ECU60が上記ステップ130〜134の処理を実行することにより前記第2の発明における「ベーパ排出量調整手段」および前記第3の発明における「開度調整手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態2においては、ECU60が、上記ステップ100、102、110および132の処理を実行することにより前記第6の発明における「封鎖弁制御手段」が実現されている。
【0065】
実施の形態3.
次に、図6を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
封鎖弁28の開弁に伴う蒸発燃料の吹き抜けは、燃料タンク10から排出される単位時間あたりのガス量がある限界値を超えることにより発生する。従って、蒸発燃料の吹き抜けは、単位時間当たりの排出ガス量が上記の限界値以下に制限できれば防ぐことができる。
【0066】
上述した実施の形態2の装置は、封鎖弁28の開弁パターン(開弁時間T1、閉弁時間T2、デューティ比、デューティ周期など)を上記の要求が満たされるように決定し、そのパターンで封鎖弁28を駆動することにより蒸発燃料の吹き抜けを防止している。これに対して、本実施形態の装置は、封鎖弁28が一回開くことにより生ずるタンク内圧Ptnkの減圧量ΔPを上記の要求に従って規制することにより蒸発燃料の吹き抜けを防止する。
【0067】
図6は、上記の機能を実現するためにECU60が実行する制御ルーチンのフローチャートである。本実施形態の装置は、実施の形態1の装置において、ECU60に、既述した図2に示すルーチンに代えて、図6に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。尚、図6において、上記図2に示すステップと同一のステップには、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
【0068】
すなわち、図6に示すルーチンでは、ステップ110においてパージ率PGRがα%を超えていると判別された場合に、先ず、その時点におけるタンク内圧Ptnkとパージ量とに基づいて、蒸発燃料の吹き抜けを生じさせることなくタンク内圧Ptnkに与えうる最大の減圧量ΔPが減圧目標値ΔPtnkgtとして決定される(ステップ140)。
ECU60は、減圧目標値ΔPtnkgtに関するマップを有しており、本ステップ140では、そのマップに従ってΔPtnkgtが決定される。このマップは、図4(A)に示す開弁時間T1のマップと同様に、タンク内圧Ptnkが高いほど、また、パージ量が少ないほどΔPtnkgtが小さな値となるように設定されている。従って、減圧目標値ΔPtnkgtは、蒸発燃料の吹き抜けが生じやすい環境下ほど小さな値に設定される。
【0069】
図6に示すルーチンでは、次に、タンク内圧Ptnkに生じた減圧量ΔPが減圧目標値ΔPtnkgtより小さいか否かが判別される(ステップ142)。
その結果、ΔP<ΔPtnkgtが成立すると判別された場合は、タンク内圧Ptnkの減圧量ΔPが、未だ目標減圧値ΔPtnkgtに達していないと判断できる。この場合、封鎖弁28が開弁状態に制御された後(ステップ144)、今回の処理サイクルが終了される。
一方、上記ステップ142において、ΔP<ΔPtnkgtが成立しないと判別された場合は、タンク内圧Ptnkに、既に目標減圧値ΔPtnkgt以上の減圧が発生したと判断できる。この場合、封鎖弁28が閉じられた後(ステップ102)、今回の処理サイクルが終了される。
【0070】
上記の処理によれば、封鎖弁28は、蒸発燃料の吹き抜けを生じさせない値ΔPtnkgtだけタンク内圧Ptnkが減圧される毎に必ず閉弁されることになる。このため、図6に示すルーチンによれば、単位時間当たりに燃料タンク10から排出されるガス量を抑制することができ、蒸発燃料の吹き抜けを防ぐことができる。また、このルーチンによれば、減圧目標値ΔPtnkgtが不必要に小さな値に設定されることがないため、タンク内圧Ptnkの早期減圧を可能とし、かつ、封鎖弁28の作動回数の低減を図ることができる。従って、本実施形態の装置によれば、実施の形態2の装置と同様の効果を達成することができる。
【0071】
ところで、上述した実施の形態3においては、封鎖弁28の開弁に伴ってタンク内圧Ptnkに発生させるべき減圧目標値ΔPtnkgtを、タンク内圧Ptnkとパージ量に基づいて決定することとしているが、その決定手法はこれに限定されるものではない。すなわち、減圧目標値ΔPtnkgtは、簡易的には、タンク内圧Ptnkのみに基づいて、或いはパージ量のみに基づいて決定することとしてもよい。更に、より厳密には、減圧目標値ΔPtnkgtは、封鎖弁28の開弁時に燃料タンク10内に残存している燃料の量(つまり、燃料タンク10内の空間容積)を考慮して決定することとしても良い。単位時間当たりに燃料タンク10から流出するガス量は燃料タンク10内の空間容積に応じて変化するため、その要素を考慮することによれば、蒸発燃料の吹き抜けを生じさせることなく最大限にタンク内圧Ptnkの減圧を図るうえで、封鎖弁28の開弁動作をより正確に制御することが可能である。
【0072】
尚、上述した実施の形態3においては、ECU60が上記ステップ102および140〜144の処理を実行することにより前記第2の発明における「ベーパ排出量調整手段」および前記第3の発明における「開度調整手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態3においては、ECU60が、上記ステップ100、102、110および144の処理を実行することにより前記第6の発明における「封鎖弁制御手段」が実現されている。
【0073】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
第1の発明によれば、燃料タンクを吸気通路およびキャニスタの双方と導通させる際に、タンク内圧が高圧である場合はキャニスタの大気孔を閉塞し、タンク内圧が低圧である場合はその大気孔を開放することができる。このため、本発明によれば、タンク内圧が高い状況下では大気孔からの蒸発燃料の吹き抜けを防止し、一方、タンク内圧が低い状況下では、大気孔から空気を取り込んで効率良くパージを進めることができる。
【0074】
第2の発明によれば、燃料タンクが吸気通路およびキャニスタの双方と導通する際に、燃料タンクから排出されるベーパの量を適度に調整することができる。このため、本発明によれば、燃料タンクを吸気通路およびキャニスタの双方と連通させる必要がある場合に、燃料タンク内のベーパがキャニスタの大気孔から大気中へ吹き抜けるのを防ぐことができる。
【0075】
第3の発明によれば、キャニスタと燃料タンクとの間に介在する封鎖弁の開度を調整することにより、燃料タンクから排出されるベーパの量を調整することができる。
【0076】
第4の発明によれば、ベーパ排出量を調整するための封鎖弁の開度調整を、タンク内圧に基づいて行うことができる。このため、本発明によれば、タンク内圧が如何なる値であるかに関わらず、ベーパ排出量を適量に調整することができる。
【0077】
第5の発明によれば、ベーパ排出量を調整するための封鎖弁の開度調整を、パージガス流量に基づいて行うことができる。このため、本発明によれば、燃料タンクから排出されるベーパ量を、パージ量に見合った適切な量とすることができる。
【0078】
第6の発明によれば、内燃機関の停止中は封鎖弁を閉じておくことでベーパの吹き抜けを防止し、内燃機関の作動中はパージと同期して封鎖弁を開くことによりタンク内圧を大気圧近傍値に維持しておくことができる。そして、本発明によれば、内燃機関の始動時や長期にわたるパージカットの直後など、タンク内圧が高圧となっている場合には、パージの開始に伴って燃料タンクが吸気通路とキャニスタの双方と導通されると同時に開閉弁が閉じられるため、そのような状況下でのキャニスタからのベーパの吹き抜けを確実に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の構成を説明するための図である。
【図2】本発明の実施の形態1の装置において実行される制御ルーチンのフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態2の装置において実行される制御ルーチンのフローチャートである。
【図4】図4(A)は図3に示すルーチンの実行過程で参照される開弁時間T1のマップの一例である。図4(B)は同ルーチンの実行過程で参照される閉弁時間T2のマップの一例である
【図5】図3に示すルーチンが実行されることにより実現される実施の形態2の装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】本発明の実施の形態3の装置において実行される制御ルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
10 燃料タンク
12 タンク内圧センサ
20 ベーパ通路
26 キャニスタ
28 封鎖弁
38 吸気通路
50 大気孔
52 負圧ポンプモジュール
60 ECU(Electronic Control Unit)

Claims (6)

  1. 燃料タンクを密閉して蒸発燃料の流出を禁止する機能を有する内燃機関の蒸発燃料処理装置であって、
    前記燃料タンクと連通するキャニスタと、
    前記燃料タンクと前記キャニスタとの間に介在する封鎖弁と、
    前記キャニスタの大気孔を開閉する開閉弁と、
    前記キャニスタを内燃機関の吸気通路に導通させるパージ機構と、
    前記燃料タンクが前記吸気通路および前記キャニスタの双方と導通する際に、タンク内圧が判定圧力を超えている場合には前記開閉弁を閉弁状態とし、一方、タンク内圧が判定圧力以下である場合は前記開閉弁を開弁状態とする開閉弁制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の蒸発燃料処理装置。
  2. 燃料タンクを密閉して蒸発燃料の流出を禁止する機能を有する内燃機関の蒸発燃料処理装置であって、
    前記燃料タンクと連通するキャニスタと、
    前記燃料タンクと前記キャニスタとの間に介在する封鎖弁と、
    前記キャニスタを内燃機関の吸気通路に導通させるパージ機構と、
    前記燃料タンクが前記吸気通路および前記キャニスタの双方と導通する際に、前記燃料タンクから排出されるベーパ量を調整するベーパ排出量調整手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の蒸発燃料処理装置。
  3. 前記ベーパ排出量調整手段は、前記封鎖弁の開度を調整する開度調整手段であることを特徴とする請求項2記載の内燃機関の蒸発燃料処理装置。
  4. 前記開度調整手段は、タンク内圧に基づいて前記封鎖弁の開度を調整することを特徴とする請求項3記載の内燃機関の蒸発燃料処理装置。
  5. 前記開度調整手段は、前記吸気通路に流入するパージガスの流量に基づいて前記封鎖弁の開度を調整することを特徴とする請求項3記載の内燃機関の蒸発燃料処理装置。
  6. 内燃機関の停止中は前記封鎖弁を閉弁状態とし、内燃機関の作動中は、前記キャニスタから前記吸気通路へ蒸発燃料がパージされている場合に前記封鎖弁を開弁状態とする封鎖弁制御手段を備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の内燃機関の蒸発燃料処理装置。
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