JP2004306345A - 自動見当制御装置のためのゲート設定方法および装置 - Google Patents
自動見当制御装置のためのゲート設定方法および装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】自動見当制御装置におけるゲートを、プリセットによって入り易くするゲート設定方法および装置を提供する。
【解決手段】見当合せを行なう印刷ユニットで印刷された対象見当マークと、その上流の印刷ユニットで印刷され基準とするための基準見当マークとを検出して見当合せを行なう自動見当制御装置のためのゲート設定方法および装置であって、対象見当マークを検出するときの対象検出ゲートの幅に対して、基準見当マークを検出するときの基準検出ゲートの幅を広く設定するようにしたゲート設定方法および装置。
【選択図】 図1
【解決手段】見当合せを行なう印刷ユニットで印刷された対象見当マークと、その上流の印刷ユニットで印刷され基準とするための基準見当マークとを検出して見当合せを行なう自動見当制御装置のためのゲート設定方法および装置であって、対象見当マークを検出するときの対象検出ゲートの幅に対して、基準見当マークを検出するときの基準検出ゲートの幅を広く設定するようにしたゲート設定方法および装置。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷機を制御する技術分野に属する。特に、自動見当制御装置が見当マークを検出するときのゲートの設定方法および装置に関する。
【0002】
【従来技術】
印刷品目の切替えによって版胴径が変るようなグラビア印刷機等においては、印刷開始時における印刷見当を合わせるために、すくなくともコンペンセータローラの位置を初期設定するプリセットが行なわれる(特許文献1〜4を参照)。一般に、プリセットにおいては、コンペンセータローラの位置だけでなく、自動見当制御装置におけるゲート、印刷版サイドレイ、等の多項目について初期設定が行なわれる。このプリセットは、印刷機の運転中に色の刷り位置のずれが生じないように制御する自動見当制御装置が正常に動作できる範囲に印刷見当を合わせる粗調整を目的としている。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−138872号公報
【特許文献2】
特開平5−254107号公報
【特許文献3】
特開平6−79863号公報
【特許文献4】
特開平10−278235号公報
【0004】
自動見当制御装置は、版胴の一回転における特定の角度範囲に見当マークが存在するときにだけ見当マークを検出する。すなわち、その特定の角度範囲はゲートとして設定され、自動見当制御装置はそのゲートが開いているときにだけ見当マークの検出信号を入力する。勿論、ゲートの目的は、重ね刷りの数だけ存在する各色の見当マークの中から、検出すべき見当マークを確実に検出し誤動作が生じないようにすることにある。その結果、プリセットにおいては、検出すべき見当マークをゲートが開いている範囲に収める(ゲートを入れる)ことが要求される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、プリセットを実行してもそれだけではゲートに入らないことがある。その原因を以下の▲1▼〜▲4▼に列挙する。▲1▼印刷原反であるウェブの材料が極めて多種多様であり、幅、厚さ、等の寸法もまちまちであるため、テンション等の印刷条件が規定されていても、伸び率が一定とはならない。▲2▼初期見当合わせに使用するウェブ(廃材)と、製品に使用するウェブとが異なる。▲3▼版胴に位相合わせ用のキー溝がないときには版胴を軸に装着した後歯付クラッチを開放して位相合わせを行なうが、そのとき歯1つ分のずれが発生し得る。▲4▼キー溝があっても遊びが在ったり摩耗していることがある。
【0006】
このような理由で、見当マークがゲートに入らないときには、印刷物を監視しながら、コンペンセータローラの位置修正、ゲートのアドレス修正、等が行なわれる。この作業はオペレータの熟練度に左右され、浪費する時間も多くなるため、生産性を低下させる大きな要因となっている。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、自動見当制御装置におけるゲートが、プリセットによって入り易い形態のゲートであるようにすることであって、そのためのゲート設定方法および装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題は下記の本発明によって解決される。すなわち、
本発明の請求項1に係るゲート設定方法は、見当合せを行なう印刷ユニットで印刷された対象見当マークと、その上流の印刷ユニットで印刷され基準とするための基準見当マークとを検出して見当合せを行なう自動見当制御装置のためのゲート設定方法であって、前記対象見当マークを検出するときの対象検出ゲートの幅に対して、前記基準見当マークを検出するときの基準検出ゲートの幅を広く設定するようにしたものである。
【0009】
本発明によれば、対象検出ゲートの幅に対して、基準検出ゲートの幅が広く設定されことによりコンペンセータ等の見当調節器における誤差の許容範囲が広がる。したがって、自動見当制御装置におけるゲートをプリセットによって入り易くするゲート設定方法が提供される。
【0010】
また本発明の請求項2に係るゲート設定方法は、請求項1に係るゲート設定方法において、印刷物における各見当マークが等間隔Lで並んだときに印刷見当が合う印刷条件において、見当マークの幅をdとするとき、前記対象検出ゲートの幅は最小でd×2、前記基準検出ゲートの幅は最大で(L−d)×2とするようにしたものである。本発明によれば、対象検出ゲートの幅が最小でd×2であるから対象見当マークを検出し損なうことがなく、また基準検出ゲートの幅が最大で(L−d)×2であるから他の見当マークを検出する誤りを小さくすることができ、好適な動作状態が得られる。
【0011】
また本発明の請求項3に係るゲート設定方法は、請求項1または2に係るゲート設定方法において、前記見当合せを行なう印刷ユニットに装着した版胴の回転角度に対応するアドレスとして、前記対象検出ゲートと前記基準検出ゲートの各々について開くアドレスと閉じるアドレスを設定するようにしたものである。本発明によれば、見当合せを行なう印刷ユニットに装着した版胴の回転角度に対応するアドレスとして、開くアドレスと閉じるアドレスによりゲートが設定される。
【0012】
また本発明の請求項4に係るゲート設定装置は、見当合せを行なう印刷ユニットで印刷された対象見当マークと、その上流の印刷ユニットで印刷され基準とするための基準見当マークとを検出して見当合せを行なう自動見当制御装置のためのゲート設定装置であって、前記対象見当マークを検出するときの対象検出ゲートの幅に対して、前記基準見当マークを検出するときの基準検出ゲートの幅を広く設定するようにしたものである。
【0013】
本発明によれば、対象検出ゲートの幅に対して、基準検出ゲートの幅が広く設定されことによりコンペンセータ等の見当調節器における誤差の許容範囲が広がる。したがって、自動見当制御装置におけるゲートをプリセットによって入り易くするゲート設定装置が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について実施の形態を説明する。印刷機における印刷ユニットの構成を図1に示す。図1には第2印刷ユニットから第4印刷ユニットまでが示されている。各々の印刷ユニットにおいて、1は版胴、2は圧胴、3はコンペンセータローラ、100はウェブである。
【0015】
また、各々の印刷ユニットにおいて、T1は上流の印刷ユニットで印刷され基準とするための基準見当マークを検出するための基準見当マーク検出器、T2は見当合せを行なう印刷ユニットで印刷された対象見当マークを検出するための対象見当マーク検出器、W1は基準見当マーク検出器T1のゲート幅、W2は対象見当マーク検出器T2のゲート幅である。
【0016】
また、各々の印刷ユニットにおいて、Aは第1印刷ユニットにおける版胴1と圧胴2のニップ位置(印刷位置)から第1印刷ユニットの見当マーク(基準見当マーク)までの距離、Bは版胴1と圧胴2のニップ位置から対象見当マーク検出器T2までの距離、Lは基準見当マーク検出器T1から対象見当マーク検出器T2までの距離である。この距離Lは、通常は、印刷見当が合っている印刷物における基準見当マークから対象見当マークまでの距離と一致する。
【0017】
なお、図1に示す一例においては、すべての印刷ユニットの版胴は回転角度において同位相となっている。また、第1印刷ユニットの見当マークから順番に距離Lの間隔をおいて各見当マークが印刷されたときに印刷見当が合っている。すなわち、基準見当マークは、見当合せを行なう印刷ユニットの直前の印刷ユニットで印刷された見当マークである。
【0018】
まず、説明の全体を判り易くするために、従来のゲート設定について図1、図2を参照して説明する。その説明の後に、従来のゲート設定と対比させて本発明のゲート設定について説明する。図2はゲート幅を一定とする従来のゲート設定の説明図である。図2(A)は、印刷見当が合っているときの基準見当マーク検出器T1と対象見当マーク検出器T2が出力する信号をグラフで示したものである。また図2(B)は、印刷見当が検出限界近くまでずれているときの基準見当マーク検出器T1と対象見当マーク検出器T2が出力する信号をグラフで示したものである。
【0019】
それらのグラフにおいて縦方向はレベル(電圧値または電流値)軸(図示せず)となっており、横方向はウェブ100の移送距離軸となっている。また、基準見当マーク検出器T1が検出する基準見当マークと、対象見当マーク検出器T2が検出する対象見当マークはグラフにおいて縦の破線で示すゲートの内部にある凸形状の波形で示されている。
【0020】
図2に示すように、基準見当マーク検出器T1と対象見当マーク検出器T2に対するゲートは、各々の出力信号を示すグラフにおける縦の破線で示す移送距離軸上の起点と終点を有するゲートとして設定されている。このゲートの幅はWであってW=W1=W2、すなわち対象見当マーク検出器T1のゲート幅W1と、基準見当マーク検出器T2のゲート幅W2は同一である。このように従来のゲート設定においては一律のゲート幅Wが設定される。
【0021】
印刷見当が合っているときには、図2(A)に示すように、基準見当マーク検出器T1が検出する基準見当マークは、グラフにおいて縦の破線で示すゲートの中央に凸形状の波形で示されている。すなわちゲートの中央に存在する。また、印刷見当が合っているときには、図2(A)に示すように、対象見当マーク検出器T2が検出する対象見当マークは、グラフにおいて縦の破線で示すゲートの中央に凸形状の波形で示されている。すなわちゲートの中央に存在する。
【0022】
コンペンセータローラ3が適正位置から外れているために印刷見当がずれているときには、図2(B)に示すように、基準見当マーク検出器T1が検出する基準見当マークは、グラフにおいて縦の破線で示すゲートの中央から外れた位置に凸形状の波形で示されている。すなわちゲートの中央から外れた位置に存在する。一方、コンペンセータローラ3が適正位置から外れているために印刷見当がずれているときにおいても、図2(B)に示すように、対象見当マーク検出器T2が検出する対象見当マークは、グラフにおいて縦の破線で示すゲートの中央に凸形状の波形で示されている。すなわちゲートの中央に存在する。
【0023】
このように、コンペンセータローラ3を適正位置から外すと、自分の色の見当マークを示す凸形状の信号(*で示す)はゲートに対して位置を変えず、他の色の見当マークを示す凸形状の信号はゲートに対して位置を変える。位置を変えた結果、基準見当マーク検出器T1が検出する基準見当マークがゲートの外部にはみ出すと、自動見当制御装置は正常に動作することができなくなる。また、位置を変えた結果、対象見当マーク検出器T2が検出すべき対象見当マーク以外の色の見当マークがゲートの内部に進入すると、自動見当制御装置は正常に動作することができなくなる。コンペンセータローラ3が適正位置から外れても自動見当制御装置が正常に動作する範囲は、従来のゲート設定においては一律のゲート幅Wによって決まる。
【0024】
次に、本発明のゲート設定について図1、図3を参照して説明する。図3は対象検出ゲートの幅に対して、基準検出ゲートの幅を広く設定する本発明のゲート設定の説明図である。図3(A)は、印刷見当が合っているときの基準見当マーク検出器T1と対象見当マーク検出器T2が出力する信号をグラフで示したものである。また図3(B)は、印刷見当が検出限界までずれているときの基準見当マーク検出器T1と対象見当マーク検出器T2が出力する信号をグラフで示したものである。
【0025】
それらのグラフにおいて縦方向はレベル(電圧値または電流値)軸(図示せず)となっており、横方向はウェブ100の移送距離軸となっている。また、基準見当マーク検出器T1が検出する基準見当マークはグラフにおいて縦の破線で示す基準検出ゲートの内部にある凸形状の波形で示されている。また、対象見当マーク検出器T2が検出する対象見当マークはグラフにおいて縦の破線で示す対象検出ゲートの内部にある凸形状の波形で示されている。
【0026】
図3に示すように、基準見当マーク検出器T1に対する基準検出ゲートと、対象見当マーク検出器T2に対する対象検出ゲートは、各々の出力信号を示すグラフにおける縦の破線で示す移送距離軸上の起点と終点を有するゲートとして設定されている。基準検出ゲートの幅はW1、対象検出ゲートの幅はW2であってW1>W2、すなわち本発明のゲート設定においては対象検出ゲートの幅W2に対して基準検出ゲートの幅W1が広く設定される。
【0027】
印刷見当が合っているときには、図3(A)に示すように、基準見当マーク検出器T1が検出する基準見当マークは、グラフにおいて縦の破線で示す基準検出ゲートの中央に凸形状の波形で示されている。すなわち基準検出ゲートの中央に存在する。また、印刷見当が合っているときには、図3(A)に示すように、対象見当マーク検出器T2が検出する対象見当マークは、グラフにおいて縦の破線で示す対象検出ゲートの中央に凸形状の波形で示されている。すなわち対象検出ゲートの中央に存在する。
【0028】
コンペンセータローラ3が適正位置から外れているために印刷見当がずれているときには、図3(B)に示すように、基準見当マーク検出器T1が検出する基準見当マークは、グラフにおいて縦の破線で示すゲートの中央から外れた位置に凸形状の波形で示されている。すなわちゲートの中央から外れた位置に存在する。一方、コンペンセータローラ3が適正位置から外れているために印刷見当がずれているときにおいても、図3(B)に示すように、対象見当マーク検出器T2が検出する対象見当マークは、グラフにおいて縦の破線で示すゲートの中央に凸形状の波形で示されている。すなわちゲートの中央に存在する。
【0029】
このように、コンペンセータローラ3を適正位置から外すと、自分の色の見当マークを示す凸形状の信号(*で示す)は基準検出ゲートと対象検出ゲートの両方に対して位置を変えず、他の色の見当マークを示す凸形状の信号は基準検出ゲートと対象検出ゲートの両方に対して位置を変える。位置を変えた結果、基準見当マーク検出器T1が検出する基準見当マークが基準検出ゲートの外部にはみ出すと、自動見当制御装置は正常に動作することができなくなる。また、位置を変えた結果、対象見当マーク検出器T2が検出すべき対象見当マーク以外の色の見当マークが対象検出ゲートの内部に進入すると、自動見当制御装置は正常に動作することができなくなる。
【0030】
前述の従来のゲート設定においては一律のゲート幅Wが設定されるが、本発明においては、基準検出ゲートの幅W1は、対象検出ゲートの幅W2に対して広く設定される。すなわち、基準見当マーク検出器T1が検出する基準見当マークが基準検出ゲートの外部にはみ出し難くなる。したがって、コンペンセータローラ3が適正位置から外れても自動見当制御装置が正常に動作する範囲は広がる。
【0031】
また、前述の従来のゲート設定においては一律のゲート幅Wが設定されるが、本発明においては、対象検出ゲートの幅W2は、基準検出ゲートの幅W1に対して狭く設定される。すなわち、基準見当マーク検出器T2が検出すべき対象見当マーク以外の色の見当マークが対象検出ゲートの内部に進入し難くなる。したがって、コンペンセータローラ3が適正位置から外れても自動見当制御装置が正常に動作する範囲は広がる。
【0032】
たとえば、一般的な見当マーク間の距離は20mmである。また、縦横の印刷見当を合わせるための見当マークの幅はたとえば5mmである。このとき従来のゲート設定においては、ゲート幅は15mm程度に設定される。この状態では、対象見当マークがゲートの中央に入っているものとすると、ウェブ100の距離で±5mm程度の誤差を許容する。一方、本発明の方法では、W1,W2は各々11mm、27mm程度が適当であって、そのときには±11mm程度の誤差を許容する。
【0033】
より一般的には、印刷物における各見当マークが等間隔Lで並んだときに印刷見当が合う印刷条件において、見当マークの幅をdとするとき、対象検出ゲートの幅は最小でd×2、基準検出ゲートの幅は最大で(L−d)×2とすると好適である。また、実際に設定するゲートの幅としては、さらに10%程度の余裕を見て、対象検出ゲートの幅はd×2.2、基準検出ゲートの幅は(L−d)×1.8とすると好適である。
【0034】
次に、上述の対象検出ゲートと基準検出ゲートの各々について開くアドレスと閉じるアドレスを設定する方法について図1、図4を参照して説明する。ここで、アドレスとは、見当合せを行なう印刷ユニットに装着した版胴の回転角度に対応するアドレスのことである。複数の印刷ユニットの版胴は、印刷機の1本のラインシャフトによって共通した駆動が行なわれるため、回転位相において同期している。したがって、ラインシャフトの回転を検出する回転検出器(ロータリーエンコーダ等)により複数の印刷ユニットの版胴の回転を検出することができる。
【0035】
回転検出器は版胴1回転を等分する所定数のパルスを出力する。したがって、パルス数を計数することにより回転角度を検出することができる。アドレスは、版胴の基準回転角度(原点)においてパルス数を0として(リセットして)計数したパルス数と一致する。図4はゲートの開閉を行うアドレスを表として示す図である。図4におけるA,B,L,W1,W2は、図1において説明したものと同一である。また、Cは版胴の円周、Pは回転検出器が版胴1回転において出力するパルス数である。また、「INT A」はAの整数部(小数点以下を捨てる)、「A mod B」はAをBで除算した余りである。
【0036】
図4に表として示すゲート開とゲート閉のアドレスは、次の▲1▼〜▲6▼のようにして得ることができる。
▲1▼印刷版、すなわちウェブ100の印刷面における単位距離(1mm)当たりのパルス数はP/Cで与えられる。
▲2▼第1印刷ユニット(上流の印刷ユニット)で印刷された基準見当マークが、第2印刷ユニットの基準見当マーク検出器T2に到達するまでの距離は(A+B+L)となる。また、第2印刷ユニットの対象見当マーク検出器T1に到達するまでの距離も(A+B+L)となる。
▲3▼したがって、原点から(A+B+L)・P/Cだけパルス数を計数したところで各見当マークは各検出器T1,T2に到達することとなる(「・」は「×」と同一である)。
【0037】
▲4▼ゲートの開閉は、そのパルス数を中心として基準検出ゲートの幅W1、対象検出ゲートの幅W2を振分けた位置で行うこととなる。たとえば、第2印刷ユニットの対象見当マーク検出器T1が対象見当マークを検出するときの対象検出ゲートは、(INT(((A+B−W1/2+L)・P/C) mod P)で開かれ、(INT(((A+B+W1/2+L)・P/C) mod P)で閉じられる。また第2印刷ユニットの基準見当マーク検出器T2が基準見当マークを検出するときの基準検出ゲートは、(INT(((A+B−W2/2+L)・P/C) mod P)で開かれ、(INT(((A+B+W2/2+L)・P/C) mod P)で閉じられる。
▲5▼以下同様に、第3印刷ユニット、・・・、第N印刷ユニットについても、図4に示す表のように与えられる。
【0038】
以上、本発明におけるゲートの設定について実施の形態により説明を行なった。本発明のゲート設定方法および装置は、このような対象検出ゲートと基準検出ゲートの各々について開くアドレスと閉じるアドレスを演算する演算部と、その演算したアドレスに基づいて自動見当制御装置のゲート設定を行う設定部を有する。この演算と設定は、マイクロコンピューター、パーソナルコンピュータ、プログラムシーケンスコントローラ、等のデータ処理装置において実施することができる。本発明のゲート設定方法および装置は、独立した装置だけに限定されない。印刷機のプリセットシステムや自動見当制御装置、その他の装置に組み込むことができる。
【0039】
【発明の効果】
以上のとおりであるから、本発明の請求項1に係るゲート設定方法によれば、自動見当制御装置におけるゲートをプリセットによって入り易くするゲート設定方法が提供される。
また本発明の請求項2に係るゲート設定方法によれば、対象見当マークを検出し損なうことがなく、基準検出ゲート以外の見当マークを検出する誤りを小さくすることができ、好適な動作状態が得られる。
また本発明の請求項3に係るゲート設定方法によれば、見当合せを行なう印刷ユニットに装着した版胴の回転角度に対応するアドレスとして、開くアドレスと閉じるアドレスによりゲートが設定される。
また本発明の請求項4に係るゲート設定装置によれば、自動見当制御装置におけるゲートをプリセットによって入り易くするゲート設定装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】印刷機における印刷ユニットの構成を示す図である。
【図2】ゲート幅を一定とする従来のゲート設定の説明図である。
【図3】対象検出ゲートの幅に対して、基準検出ゲートの幅を広く設定する本発明のゲート設定の説明図である。
【図4】ゲートの開閉を行うアドレスを表として示す図である。
【符号の説明】
1 版胴
2 圧胴
3 コンペンセータローラ
100 ウェブ
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷機を制御する技術分野に属する。特に、自動見当制御装置が見当マークを検出するときのゲートの設定方法および装置に関する。
【0002】
【従来技術】
印刷品目の切替えによって版胴径が変るようなグラビア印刷機等においては、印刷開始時における印刷見当を合わせるために、すくなくともコンペンセータローラの位置を初期設定するプリセットが行なわれる(特許文献1〜4を参照)。一般に、プリセットにおいては、コンペンセータローラの位置だけでなく、自動見当制御装置におけるゲート、印刷版サイドレイ、等の多項目について初期設定が行なわれる。このプリセットは、印刷機の運転中に色の刷り位置のずれが生じないように制御する自動見当制御装置が正常に動作できる範囲に印刷見当を合わせる粗調整を目的としている。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−138872号公報
【特許文献2】
特開平5−254107号公報
【特許文献3】
特開平6−79863号公報
【特許文献4】
特開平10−278235号公報
【0004】
自動見当制御装置は、版胴の一回転における特定の角度範囲に見当マークが存在するときにだけ見当マークを検出する。すなわち、その特定の角度範囲はゲートとして設定され、自動見当制御装置はそのゲートが開いているときにだけ見当マークの検出信号を入力する。勿論、ゲートの目的は、重ね刷りの数だけ存在する各色の見当マークの中から、検出すべき見当マークを確実に検出し誤動作が生じないようにすることにある。その結果、プリセットにおいては、検出すべき見当マークをゲートが開いている範囲に収める(ゲートを入れる)ことが要求される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、プリセットを実行してもそれだけではゲートに入らないことがある。その原因を以下の▲1▼〜▲4▼に列挙する。▲1▼印刷原反であるウェブの材料が極めて多種多様であり、幅、厚さ、等の寸法もまちまちであるため、テンション等の印刷条件が規定されていても、伸び率が一定とはならない。▲2▼初期見当合わせに使用するウェブ(廃材)と、製品に使用するウェブとが異なる。▲3▼版胴に位相合わせ用のキー溝がないときには版胴を軸に装着した後歯付クラッチを開放して位相合わせを行なうが、そのとき歯1つ分のずれが発生し得る。▲4▼キー溝があっても遊びが在ったり摩耗していることがある。
【0006】
このような理由で、見当マークがゲートに入らないときには、印刷物を監視しながら、コンペンセータローラの位置修正、ゲートのアドレス修正、等が行なわれる。この作業はオペレータの熟練度に左右され、浪費する時間も多くなるため、生産性を低下させる大きな要因となっている。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、自動見当制御装置におけるゲートが、プリセットによって入り易い形態のゲートであるようにすることであって、そのためのゲート設定方法および装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題は下記の本発明によって解決される。すなわち、
本発明の請求項1に係るゲート設定方法は、見当合せを行なう印刷ユニットで印刷された対象見当マークと、その上流の印刷ユニットで印刷され基準とするための基準見当マークとを検出して見当合せを行なう自動見当制御装置のためのゲート設定方法であって、前記対象見当マークを検出するときの対象検出ゲートの幅に対して、前記基準見当マークを検出するときの基準検出ゲートの幅を広く設定するようにしたものである。
【0009】
本発明によれば、対象検出ゲートの幅に対して、基準検出ゲートの幅が広く設定されことによりコンペンセータ等の見当調節器における誤差の許容範囲が広がる。したがって、自動見当制御装置におけるゲートをプリセットによって入り易くするゲート設定方法が提供される。
【0010】
また本発明の請求項2に係るゲート設定方法は、請求項1に係るゲート設定方法において、印刷物における各見当マークが等間隔Lで並んだときに印刷見当が合う印刷条件において、見当マークの幅をdとするとき、前記対象検出ゲートの幅は最小でd×2、前記基準検出ゲートの幅は最大で(L−d)×2とするようにしたものである。本発明によれば、対象検出ゲートの幅が最小でd×2であるから対象見当マークを検出し損なうことがなく、また基準検出ゲートの幅が最大で(L−d)×2であるから他の見当マークを検出する誤りを小さくすることができ、好適な動作状態が得られる。
【0011】
また本発明の請求項3に係るゲート設定方法は、請求項1または2に係るゲート設定方法において、前記見当合せを行なう印刷ユニットに装着した版胴の回転角度に対応するアドレスとして、前記対象検出ゲートと前記基準検出ゲートの各々について開くアドレスと閉じるアドレスを設定するようにしたものである。本発明によれば、見当合せを行なう印刷ユニットに装着した版胴の回転角度に対応するアドレスとして、開くアドレスと閉じるアドレスによりゲートが設定される。
【0012】
また本発明の請求項4に係るゲート設定装置は、見当合せを行なう印刷ユニットで印刷された対象見当マークと、その上流の印刷ユニットで印刷され基準とするための基準見当マークとを検出して見当合せを行なう自動見当制御装置のためのゲート設定装置であって、前記対象見当マークを検出するときの対象検出ゲートの幅に対して、前記基準見当マークを検出するときの基準検出ゲートの幅を広く設定するようにしたものである。
【0013】
本発明によれば、対象検出ゲートの幅に対して、基準検出ゲートの幅が広く設定されことによりコンペンセータ等の見当調節器における誤差の許容範囲が広がる。したがって、自動見当制御装置におけるゲートをプリセットによって入り易くするゲート設定装置が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について実施の形態を説明する。印刷機における印刷ユニットの構成を図1に示す。図1には第2印刷ユニットから第4印刷ユニットまでが示されている。各々の印刷ユニットにおいて、1は版胴、2は圧胴、3はコンペンセータローラ、100はウェブである。
【0015】
また、各々の印刷ユニットにおいて、T1は上流の印刷ユニットで印刷され基準とするための基準見当マークを検出するための基準見当マーク検出器、T2は見当合せを行なう印刷ユニットで印刷された対象見当マークを検出するための対象見当マーク検出器、W1は基準見当マーク検出器T1のゲート幅、W2は対象見当マーク検出器T2のゲート幅である。
【0016】
また、各々の印刷ユニットにおいて、Aは第1印刷ユニットにおける版胴1と圧胴2のニップ位置(印刷位置)から第1印刷ユニットの見当マーク(基準見当マーク)までの距離、Bは版胴1と圧胴2のニップ位置から対象見当マーク検出器T2までの距離、Lは基準見当マーク検出器T1から対象見当マーク検出器T2までの距離である。この距離Lは、通常は、印刷見当が合っている印刷物における基準見当マークから対象見当マークまでの距離と一致する。
【0017】
なお、図1に示す一例においては、すべての印刷ユニットの版胴は回転角度において同位相となっている。また、第1印刷ユニットの見当マークから順番に距離Lの間隔をおいて各見当マークが印刷されたときに印刷見当が合っている。すなわち、基準見当マークは、見当合せを行なう印刷ユニットの直前の印刷ユニットで印刷された見当マークである。
【0018】
まず、説明の全体を判り易くするために、従来のゲート設定について図1、図2を参照して説明する。その説明の後に、従来のゲート設定と対比させて本発明のゲート設定について説明する。図2はゲート幅を一定とする従来のゲート設定の説明図である。図2(A)は、印刷見当が合っているときの基準見当マーク検出器T1と対象見当マーク検出器T2が出力する信号をグラフで示したものである。また図2(B)は、印刷見当が検出限界近くまでずれているときの基準見当マーク検出器T1と対象見当マーク検出器T2が出力する信号をグラフで示したものである。
【0019】
それらのグラフにおいて縦方向はレベル(電圧値または電流値)軸(図示せず)となっており、横方向はウェブ100の移送距離軸となっている。また、基準見当マーク検出器T1が検出する基準見当マークと、対象見当マーク検出器T2が検出する対象見当マークはグラフにおいて縦の破線で示すゲートの内部にある凸形状の波形で示されている。
【0020】
図2に示すように、基準見当マーク検出器T1と対象見当マーク検出器T2に対するゲートは、各々の出力信号を示すグラフにおける縦の破線で示す移送距離軸上の起点と終点を有するゲートとして設定されている。このゲートの幅はWであってW=W1=W2、すなわち対象見当マーク検出器T1のゲート幅W1と、基準見当マーク検出器T2のゲート幅W2は同一である。このように従来のゲート設定においては一律のゲート幅Wが設定される。
【0021】
印刷見当が合っているときには、図2(A)に示すように、基準見当マーク検出器T1が検出する基準見当マークは、グラフにおいて縦の破線で示すゲートの中央に凸形状の波形で示されている。すなわちゲートの中央に存在する。また、印刷見当が合っているときには、図2(A)に示すように、対象見当マーク検出器T2が検出する対象見当マークは、グラフにおいて縦の破線で示すゲートの中央に凸形状の波形で示されている。すなわちゲートの中央に存在する。
【0022】
コンペンセータローラ3が適正位置から外れているために印刷見当がずれているときには、図2(B)に示すように、基準見当マーク検出器T1が検出する基準見当マークは、グラフにおいて縦の破線で示すゲートの中央から外れた位置に凸形状の波形で示されている。すなわちゲートの中央から外れた位置に存在する。一方、コンペンセータローラ3が適正位置から外れているために印刷見当がずれているときにおいても、図2(B)に示すように、対象見当マーク検出器T2が検出する対象見当マークは、グラフにおいて縦の破線で示すゲートの中央に凸形状の波形で示されている。すなわちゲートの中央に存在する。
【0023】
このように、コンペンセータローラ3を適正位置から外すと、自分の色の見当マークを示す凸形状の信号(*で示す)はゲートに対して位置を変えず、他の色の見当マークを示す凸形状の信号はゲートに対して位置を変える。位置を変えた結果、基準見当マーク検出器T1が検出する基準見当マークがゲートの外部にはみ出すと、自動見当制御装置は正常に動作することができなくなる。また、位置を変えた結果、対象見当マーク検出器T2が検出すべき対象見当マーク以外の色の見当マークがゲートの内部に進入すると、自動見当制御装置は正常に動作することができなくなる。コンペンセータローラ3が適正位置から外れても自動見当制御装置が正常に動作する範囲は、従来のゲート設定においては一律のゲート幅Wによって決まる。
【0024】
次に、本発明のゲート設定について図1、図3を参照して説明する。図3は対象検出ゲートの幅に対して、基準検出ゲートの幅を広く設定する本発明のゲート設定の説明図である。図3(A)は、印刷見当が合っているときの基準見当マーク検出器T1と対象見当マーク検出器T2が出力する信号をグラフで示したものである。また図3(B)は、印刷見当が検出限界までずれているときの基準見当マーク検出器T1と対象見当マーク検出器T2が出力する信号をグラフで示したものである。
【0025】
それらのグラフにおいて縦方向はレベル(電圧値または電流値)軸(図示せず)となっており、横方向はウェブ100の移送距離軸となっている。また、基準見当マーク検出器T1が検出する基準見当マークはグラフにおいて縦の破線で示す基準検出ゲートの内部にある凸形状の波形で示されている。また、対象見当マーク検出器T2が検出する対象見当マークはグラフにおいて縦の破線で示す対象検出ゲートの内部にある凸形状の波形で示されている。
【0026】
図3に示すように、基準見当マーク検出器T1に対する基準検出ゲートと、対象見当マーク検出器T2に対する対象検出ゲートは、各々の出力信号を示すグラフにおける縦の破線で示す移送距離軸上の起点と終点を有するゲートとして設定されている。基準検出ゲートの幅はW1、対象検出ゲートの幅はW2であってW1>W2、すなわち本発明のゲート設定においては対象検出ゲートの幅W2に対して基準検出ゲートの幅W1が広く設定される。
【0027】
印刷見当が合っているときには、図3(A)に示すように、基準見当マーク検出器T1が検出する基準見当マークは、グラフにおいて縦の破線で示す基準検出ゲートの中央に凸形状の波形で示されている。すなわち基準検出ゲートの中央に存在する。また、印刷見当が合っているときには、図3(A)に示すように、対象見当マーク検出器T2が検出する対象見当マークは、グラフにおいて縦の破線で示す対象検出ゲートの中央に凸形状の波形で示されている。すなわち対象検出ゲートの中央に存在する。
【0028】
コンペンセータローラ3が適正位置から外れているために印刷見当がずれているときには、図3(B)に示すように、基準見当マーク検出器T1が検出する基準見当マークは、グラフにおいて縦の破線で示すゲートの中央から外れた位置に凸形状の波形で示されている。すなわちゲートの中央から外れた位置に存在する。一方、コンペンセータローラ3が適正位置から外れているために印刷見当がずれているときにおいても、図3(B)に示すように、対象見当マーク検出器T2が検出する対象見当マークは、グラフにおいて縦の破線で示すゲートの中央に凸形状の波形で示されている。すなわちゲートの中央に存在する。
【0029】
このように、コンペンセータローラ3を適正位置から外すと、自分の色の見当マークを示す凸形状の信号(*で示す)は基準検出ゲートと対象検出ゲートの両方に対して位置を変えず、他の色の見当マークを示す凸形状の信号は基準検出ゲートと対象検出ゲートの両方に対して位置を変える。位置を変えた結果、基準見当マーク検出器T1が検出する基準見当マークが基準検出ゲートの外部にはみ出すと、自動見当制御装置は正常に動作することができなくなる。また、位置を変えた結果、対象見当マーク検出器T2が検出すべき対象見当マーク以外の色の見当マークが対象検出ゲートの内部に進入すると、自動見当制御装置は正常に動作することができなくなる。
【0030】
前述の従来のゲート設定においては一律のゲート幅Wが設定されるが、本発明においては、基準検出ゲートの幅W1は、対象検出ゲートの幅W2に対して広く設定される。すなわち、基準見当マーク検出器T1が検出する基準見当マークが基準検出ゲートの外部にはみ出し難くなる。したがって、コンペンセータローラ3が適正位置から外れても自動見当制御装置が正常に動作する範囲は広がる。
【0031】
また、前述の従来のゲート設定においては一律のゲート幅Wが設定されるが、本発明においては、対象検出ゲートの幅W2は、基準検出ゲートの幅W1に対して狭く設定される。すなわち、基準見当マーク検出器T2が検出すべき対象見当マーク以外の色の見当マークが対象検出ゲートの内部に進入し難くなる。したがって、コンペンセータローラ3が適正位置から外れても自動見当制御装置が正常に動作する範囲は広がる。
【0032】
たとえば、一般的な見当マーク間の距離は20mmである。また、縦横の印刷見当を合わせるための見当マークの幅はたとえば5mmである。このとき従来のゲート設定においては、ゲート幅は15mm程度に設定される。この状態では、対象見当マークがゲートの中央に入っているものとすると、ウェブ100の距離で±5mm程度の誤差を許容する。一方、本発明の方法では、W1,W2は各々11mm、27mm程度が適当であって、そのときには±11mm程度の誤差を許容する。
【0033】
より一般的には、印刷物における各見当マークが等間隔Lで並んだときに印刷見当が合う印刷条件において、見当マークの幅をdとするとき、対象検出ゲートの幅は最小でd×2、基準検出ゲートの幅は最大で(L−d)×2とすると好適である。また、実際に設定するゲートの幅としては、さらに10%程度の余裕を見て、対象検出ゲートの幅はd×2.2、基準検出ゲートの幅は(L−d)×1.8とすると好適である。
【0034】
次に、上述の対象検出ゲートと基準検出ゲートの各々について開くアドレスと閉じるアドレスを設定する方法について図1、図4を参照して説明する。ここで、アドレスとは、見当合せを行なう印刷ユニットに装着した版胴の回転角度に対応するアドレスのことである。複数の印刷ユニットの版胴は、印刷機の1本のラインシャフトによって共通した駆動が行なわれるため、回転位相において同期している。したがって、ラインシャフトの回転を検出する回転検出器(ロータリーエンコーダ等)により複数の印刷ユニットの版胴の回転を検出することができる。
【0035】
回転検出器は版胴1回転を等分する所定数のパルスを出力する。したがって、パルス数を計数することにより回転角度を検出することができる。アドレスは、版胴の基準回転角度(原点)においてパルス数を0として(リセットして)計数したパルス数と一致する。図4はゲートの開閉を行うアドレスを表として示す図である。図4におけるA,B,L,W1,W2は、図1において説明したものと同一である。また、Cは版胴の円周、Pは回転検出器が版胴1回転において出力するパルス数である。また、「INT A」はAの整数部(小数点以下を捨てる)、「A mod B」はAをBで除算した余りである。
【0036】
図4に表として示すゲート開とゲート閉のアドレスは、次の▲1▼〜▲6▼のようにして得ることができる。
▲1▼印刷版、すなわちウェブ100の印刷面における単位距離(1mm)当たりのパルス数はP/Cで与えられる。
▲2▼第1印刷ユニット(上流の印刷ユニット)で印刷された基準見当マークが、第2印刷ユニットの基準見当マーク検出器T2に到達するまでの距離は(A+B+L)となる。また、第2印刷ユニットの対象見当マーク検出器T1に到達するまでの距離も(A+B+L)となる。
▲3▼したがって、原点から(A+B+L)・P/Cだけパルス数を計数したところで各見当マークは各検出器T1,T2に到達することとなる(「・」は「×」と同一である)。
【0037】
▲4▼ゲートの開閉は、そのパルス数を中心として基準検出ゲートの幅W1、対象検出ゲートの幅W2を振分けた位置で行うこととなる。たとえば、第2印刷ユニットの対象見当マーク検出器T1が対象見当マークを検出するときの対象検出ゲートは、(INT(((A+B−W1/2+L)・P/C) mod P)で開かれ、(INT(((A+B+W1/2+L)・P/C) mod P)で閉じられる。また第2印刷ユニットの基準見当マーク検出器T2が基準見当マークを検出するときの基準検出ゲートは、(INT(((A+B−W2/2+L)・P/C) mod P)で開かれ、(INT(((A+B+W2/2+L)・P/C) mod P)で閉じられる。
▲5▼以下同様に、第3印刷ユニット、・・・、第N印刷ユニットについても、図4に示す表のように与えられる。
【0038】
以上、本発明におけるゲートの設定について実施の形態により説明を行なった。本発明のゲート設定方法および装置は、このような対象検出ゲートと基準検出ゲートの各々について開くアドレスと閉じるアドレスを演算する演算部と、その演算したアドレスに基づいて自動見当制御装置のゲート設定を行う設定部を有する。この演算と設定は、マイクロコンピューター、パーソナルコンピュータ、プログラムシーケンスコントローラ、等のデータ処理装置において実施することができる。本発明のゲート設定方法および装置は、独立した装置だけに限定されない。印刷機のプリセットシステムや自動見当制御装置、その他の装置に組み込むことができる。
【0039】
【発明の効果】
以上のとおりであるから、本発明の請求項1に係るゲート設定方法によれば、自動見当制御装置におけるゲートをプリセットによって入り易くするゲート設定方法が提供される。
また本発明の請求項2に係るゲート設定方法によれば、対象見当マークを検出し損なうことがなく、基準検出ゲート以外の見当マークを検出する誤りを小さくすることができ、好適な動作状態が得られる。
また本発明の請求項3に係るゲート設定方法によれば、見当合せを行なう印刷ユニットに装着した版胴の回転角度に対応するアドレスとして、開くアドレスと閉じるアドレスによりゲートが設定される。
また本発明の請求項4に係るゲート設定装置によれば、自動見当制御装置におけるゲートをプリセットによって入り易くするゲート設定装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】印刷機における印刷ユニットの構成を示す図である。
【図2】ゲート幅を一定とする従来のゲート設定の説明図である。
【図3】対象検出ゲートの幅に対して、基準検出ゲートの幅を広く設定する本発明のゲート設定の説明図である。
【図4】ゲートの開閉を行うアドレスを表として示す図である。
【符号の説明】
1 版胴
2 圧胴
3 コンペンセータローラ
100 ウェブ
Claims (4)
- 見当合せを行なう印刷ユニットで印刷された対象見当マークと、その上流の印刷ユニットで印刷され基準とするための基準見当マークとを検出して見当合せを行なう自動見当制御装置のためのゲート設定方法であって、
前記対象見当マークを検出するときの対象検出ゲートの幅に対して、前記基準見当マークを検出するときの基準検出ゲートの幅を広く設定することを特徴とするゲート設定方法。 - 請求項1記載のゲート設定方法において、印刷物における各見当マークが等間隔Lで並んだときに印刷見当が合う印刷条件において、見当マークの幅をdとするとき、前記対象検出ゲートの幅は最小でd×2、前記基準検出ゲートの幅は最大で(L−d)×2とすることを特徴とするゲート設定方法。
- 請求項1または2記載のゲート設定方法において、前記見当合せを行なう印刷ユニットに装着した版胴の回転角度に対応するアドレスとして、前記対象検出ゲートと前記基準検出ゲートの各々について開くアドレスと閉じるアドレスを設定することを特徴とするゲート設定方法。
- 見当合せを行なう印刷ユニットで印刷された対象見当マークと、その上流の印刷ユニットで印刷され基準とするための基準見当マークとを検出して見当合せを行なう自動見当制御装置のためのゲート設定装置であって、
前記対象見当マークを検出するときの対象検出ゲートの幅に対して、前記基準見当マークを検出するときの基準検出ゲートの幅を広く設定することを特徴とするゲート設定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003101034A JP2004306345A (ja) | 2003-04-04 | 2003-04-04 | 自動見当制御装置のためのゲート設定方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003101034A JP2004306345A (ja) | 2003-04-04 | 2003-04-04 | 自動見当制御装置のためのゲート設定方法および装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004306345A true JP2004306345A (ja) | 2004-11-04 |
Family
ID=33464957
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003101034A Withdrawn JP2004306345A (ja) | 2003-04-04 | 2003-04-04 | 自動見当制御装置のためのゲート設定方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004306345A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5959779B1 (ja) * | 2015-03-02 | 2016-08-02 | ハイデルベルガー ドルツクマシーネン アクチエンゲゼルシヤフトHeidelberger Druckmaschinen AG | 自動的な位置決定方法 |
-
2003
- 2003-04-04 JP JP2003101034A patent/JP2004306345A/ja not_active Withdrawn
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