JP2004305262A - 生体組織接合具 - Google Patents
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Abstract
【課題】接合強度及び生体親和性が高く、生体組織形成に優れ、治癒速度を向上させる生体組織接合具を提供すること。
【解決手段】骨を接合して固定するものであって、生体吸収性材料(例えば、PLA)で構成されている接合具本体11を備えている。接合具本体11は、先端の一部が尖鋭でテーパ面を有する略円柱形状のピンであって、他端部側から中空部12が形成されている。この中空部12には、カルシウム化合物からなる、例えば、β―リン酸三カルシウム(β―TCP)で構成された骨補填材(生体組織補填材)13が顆粒状態で充填されている。骨補填材13には、細胞の活性を高める成長因子14が含浸されている構成とした。
【選択図】 図1
【解決手段】骨を接合して固定するものであって、生体吸収性材料(例えば、PLA)で構成されている接合具本体11を備えている。接合具本体11は、先端の一部が尖鋭でテーパ面を有する略円柱形状のピンであって、他端部側から中空部12が形成されている。この中空部12には、カルシウム化合物からなる、例えば、β―リン酸三カルシウム(β―TCP)で構成された骨補填材(生体組織補填材)13が顆粒状態で充填されている。骨補填材13には、細胞の活性を高める成長因子14が含浸されている構成とした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、骨接合材等の生体組織接合具に関する。
【0002】
【従来の技術】
骨等の生体組織を骨折等によって切断した際、切断された骨同士を互いに接合して再生するために、接合状態を維持させる様々な骨接合具が用いられている。
この骨接合具に使用される材料には、毒性がなく、固定に必要な強度とともに生体親和性等が要求されており、従来から様々な金属材料やセラミックス材料、生体内吸収性材料が使用されている。最近では、強度的に問題なくしかも遅発性化学反応の少ないポリ乳酸(PLA:PolyLactec Acid)が使用されるようになってきている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
【非特許文献1】
水野耕作、「骨接合材の現況と展望」、整形外科におけるバイオマテリアルの現況と展望−その可能性、整形外科、1997年7月、第48巻、第8号、p1094−1098
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の骨接合具の材料であるPLAは、生分解性があっても骨伝導能に乏しい。そのため、重症度が大きい患部に使用した場合、骨形成に時間がかかる一方、PLAが生体に吸収されるので接合強度が低下してしまい、接合した箇所に分離方向の力が作用すると、接合箇所に緩みや位置ずれが生じたり極端な場合には分離して、接合箇所の治癒に時間がかかるという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、接合強度及び生体親和性が高く、生体組織形成に優れ、治癒速度を向上させる生体組織接合具を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明の生体組織接合具は、生体吸収性材料で構成され内部に中空部が形成された接合具本体を備え、前記中空部にカルシウム化合物からなる生体組織補填材が充填されていることを特徴とする。
【0006】
この生体組織接合具によれば、生体吸収性材料で構成される接合具本体内部に、カルシウム化合物からなる生体組織補填材が充填されているので、接合具本体が生体内に吸収されて接合強度が低下しても、それに伴って内部に充填された生体組織補填材が周囲の生体組織と接触して生体組織形成作用を誘導する。そのため、生体組織補填材を足場として新しい生体組織が形成されてくるので接合部の強度を維持でき、患部の治癒速度を高めることができる。
【0007】
また、本発明では、前記生体組織接合具であって、前記生体組織補填材が、顆粒状リン酸三カルシウムであることが好ましい。
さらに、本発明では、前記生体組織接合具であって、前記生体組織補填材に、細胞の活性を高める成長因子が含有されていることが好ましい。
この生体組織接合具によれば、生体組織の活性がさらに高まり生体組織形成が促進するので、接合強度が維持されるとともに、患部の治癒速度をより速めることができる。
【0008】
本発明では、前記生体組織接合具であって、前記接合具本体に、外部と前記中空部とを連通する孔が設けられていることが好ましい。
この生体組織接合具によれば、孔を介して生体組織補填材と生体組織との接触が促進されるので、接合初期から生体組織形成を行うことができ、患部の治癒速度をより向上することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施形態に係る生体組織接合具について、図1及び図2を参照して説明する。
本実施形態に係る骨接合具(生体組織接合具)10は、骨(生体組織)を接合して固定するものであって、図1に示すように、生体吸収性材料(例えば、PLA)で構成されている接合具本体11を備えている。
接合具本体11は、先端の一部が尖鋭でテーパ面を有する略円錐形状のピンであって、他端部側から内部に中空部12が形成されている。
【0010】
この中空部12には、カルシウム化合物、例えば、β―リン酸三カルシウム(β―TCP)で構成された骨補填材(生体組織補填材)13が顆粒状態で充填されている。
骨補填材13には、細胞の活性を高める成長因子14が含浸されている。成長因子14としては、例えば、PRP(platelet−rich plasma)等のサイトカインであって、骨の再生や血管形成などを促す作用を有する。
【0011】
次に、以上の構成からなる本実施形態の骨接合具10の作用を説明する。
この骨接合具10を、図2に示すように、事故等によって分離した骨同士を接合する際に使用する。
まず、一方の骨15に設けられた挿入部16から挿入し、他方の骨17に圧入して両者を接合する。骨接合具10の挿入後しばらくすると、接合具本体11を構成するPLAが加水分解し始めて周囲の生体内に吸収される。一方、内部に充填された骨補填材13及び成長因子14と周囲の骨組織とが接触し始める。
すると、成長因子14によって周囲の骨細胞の活性が高められて骨形成を誘導し、骨補填材11を足場とした新しい自家骨が形成される。
こうして、接合具本体11が体内に吸収されることによって接合具としての強度が低下しても新しい自家骨が形成されてくるので、一方の骨15と他方の骨17との接合が維持され、やがて両者は再び一体化した骨となって治癒する。
治癒後はPLAの加水分解が更に進行して全てが生体内に吸収され、最終的には自家骨と置換される。
【0012】
この骨接合具10によれば、接合具本体11が生体内に吸収されることにより、骨同士の接合強度が低下しても新しい骨組織が形成されて、強度低下をカバーするので接合強度が維持され、患部の治癒速度を高めることができる。
【0013】
次に、本発明に係る第2の実施形態について、図3及び図4を参照して説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態において説明した構成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
第2の実施形態が上記第1の実施形態と異なる点は、第2の実施形態では接合具本体18の中空部12と外部とを連通させる貫通孔(孔)19が設けられているとした点である。
【0014】
本実施形態に係る骨接合具20の接合具本体18は、第1の実施形態と同じPLAで構成されており、図3に示すように、先端の一部が尖状に突出しテーパ面を有する略円柱形状に形成され、スクリューとして円柱形状部の外周部にネジ山を有している。他端部21側からは接合具本体18の内部に向かって中空部12が形成されている。そして、接合具本体18の壁部には、中空部12と外部とを連通させる貫通孔19が設けられている。
中空部12には、第1の実施形態と同様に成長因子14が含浸された骨補填材13が充填されており、他端部21には蓋22が配設されている。
【0015】
次に、以上の構成からなる本実施形態の骨接合具20の作用について説明する。
図4に示すように、一方の骨15と他方の骨17との間に人工骨スペーサ23をわたして、人工骨スペーサ23に設けられた挿入口24から骨接合具20を挿入して螺着し、一方の骨15と他方の骨17とを接合する。接合後しばらくすると、接合具本体18を構成するPLAが加水分解し始めて生体内の吸収が開始する。同時に、貫通孔19に生体内の水分等が流入し、これを介して骨補填材13が成長因子14とともに一方の骨15及び他方の骨17と接触する。すると、骨細胞の活性が高まるので新しい骨が形成される。
この骨接合具20によれば、接合初期から接合した周囲の骨細胞の活性を高めて骨形成を行うことができるので、接合具本体18が生体内に吸収されて強度が低下しても、並行して骨補填材13及び成長因子14の働きによって新しい自家骨を形成し、一方の骨15と他方の骨17との接合を維持した状態でより短時間で治癒させることができる。
【0016】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、接合具本体18に貫通孔19を設けているが、図5に示すように、多数の孔を有する多孔体として接合具本体25を作製しても構わない。
また、接合具本体の材質は、生体親和性を有し接合部同士の分離を抑制できる強度を有する材質であればPLAに限らない。そして、内部に充填する生体組織補填材もβ―TCPのみならず、生体適合性があって、細胞が生体組織形成作用を生ずる際の足場となるものであればよく、HAP(HydoroxyAPatite)、α―TCP等他のカルシウム化合物材料でもよい。
【0017】
さらに、成長因子としては、PRPに限らず生体組織の再生において必要なものであればよく、BMP(Bone Morphogenetic Protein)、FGF(Fibroblast Growth Factor)、TGF−β(Transforming Growth Factor−β)、IGF(Insulin−like Growth Factor)、PDGF(Platelet−Derived Growth Factor)、VEGF(VascularEndothelial cell Growth Factor)などを単独又はこれらを複合させたものを補填してもよい。
【0018】
【発明の効果】
以上説明した本発明の生体組織接合具においては以下の効果を奏する。
本発明によれば、生体組織同士の接合強度を低下させずに接合状態を維持することができる。また、生体組織形成作用に優れるので、患部の治癒速度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における骨接合具の断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態における骨接合具の使用例を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態における骨接合具の断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態における骨接合具の使用例を示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態における骨接合具の他の例を示す図である。
【符号の説明】
10、20 骨接合具(生体組織接合具)
11、18、25 接合具本体
12 中空部
13 骨補填材(生体組織補填材)
14 成長因子
19 貫通孔(孔)
【発明の属する技術分野】
本発明は、骨接合材等の生体組織接合具に関する。
【0002】
【従来の技術】
骨等の生体組織を骨折等によって切断した際、切断された骨同士を互いに接合して再生するために、接合状態を維持させる様々な骨接合具が用いられている。
この骨接合具に使用される材料には、毒性がなく、固定に必要な強度とともに生体親和性等が要求されており、従来から様々な金属材料やセラミックス材料、生体内吸収性材料が使用されている。最近では、強度的に問題なくしかも遅発性化学反応の少ないポリ乳酸(PLA:PolyLactec Acid)が使用されるようになってきている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
【非特許文献1】
水野耕作、「骨接合材の現況と展望」、整形外科におけるバイオマテリアルの現況と展望−その可能性、整形外科、1997年7月、第48巻、第8号、p1094−1098
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の骨接合具の材料であるPLAは、生分解性があっても骨伝導能に乏しい。そのため、重症度が大きい患部に使用した場合、骨形成に時間がかかる一方、PLAが生体に吸収されるので接合強度が低下してしまい、接合した箇所に分離方向の力が作用すると、接合箇所に緩みや位置ずれが生じたり極端な場合には分離して、接合箇所の治癒に時間がかかるという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、接合強度及び生体親和性が高く、生体組織形成に優れ、治癒速度を向上させる生体組織接合具を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明の生体組織接合具は、生体吸収性材料で構成され内部に中空部が形成された接合具本体を備え、前記中空部にカルシウム化合物からなる生体組織補填材が充填されていることを特徴とする。
【0006】
この生体組織接合具によれば、生体吸収性材料で構成される接合具本体内部に、カルシウム化合物からなる生体組織補填材が充填されているので、接合具本体が生体内に吸収されて接合強度が低下しても、それに伴って内部に充填された生体組織補填材が周囲の生体組織と接触して生体組織形成作用を誘導する。そのため、生体組織補填材を足場として新しい生体組織が形成されてくるので接合部の強度を維持でき、患部の治癒速度を高めることができる。
【0007】
また、本発明では、前記生体組織接合具であって、前記生体組織補填材が、顆粒状リン酸三カルシウムであることが好ましい。
さらに、本発明では、前記生体組織接合具であって、前記生体組織補填材に、細胞の活性を高める成長因子が含有されていることが好ましい。
この生体組織接合具によれば、生体組織の活性がさらに高まり生体組織形成が促進するので、接合強度が維持されるとともに、患部の治癒速度をより速めることができる。
【0008】
本発明では、前記生体組織接合具であって、前記接合具本体に、外部と前記中空部とを連通する孔が設けられていることが好ましい。
この生体組織接合具によれば、孔を介して生体組織補填材と生体組織との接触が促進されるので、接合初期から生体組織形成を行うことができ、患部の治癒速度をより向上することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施形態に係る生体組織接合具について、図1及び図2を参照して説明する。
本実施形態に係る骨接合具(生体組織接合具)10は、骨(生体組織)を接合して固定するものであって、図1に示すように、生体吸収性材料(例えば、PLA)で構成されている接合具本体11を備えている。
接合具本体11は、先端の一部が尖鋭でテーパ面を有する略円錐形状のピンであって、他端部側から内部に中空部12が形成されている。
【0010】
この中空部12には、カルシウム化合物、例えば、β―リン酸三カルシウム(β―TCP)で構成された骨補填材(生体組織補填材)13が顆粒状態で充填されている。
骨補填材13には、細胞の活性を高める成長因子14が含浸されている。成長因子14としては、例えば、PRP(platelet−rich plasma)等のサイトカインであって、骨の再生や血管形成などを促す作用を有する。
【0011】
次に、以上の構成からなる本実施形態の骨接合具10の作用を説明する。
この骨接合具10を、図2に示すように、事故等によって分離した骨同士を接合する際に使用する。
まず、一方の骨15に設けられた挿入部16から挿入し、他方の骨17に圧入して両者を接合する。骨接合具10の挿入後しばらくすると、接合具本体11を構成するPLAが加水分解し始めて周囲の生体内に吸収される。一方、内部に充填された骨補填材13及び成長因子14と周囲の骨組織とが接触し始める。
すると、成長因子14によって周囲の骨細胞の活性が高められて骨形成を誘導し、骨補填材11を足場とした新しい自家骨が形成される。
こうして、接合具本体11が体内に吸収されることによって接合具としての強度が低下しても新しい自家骨が形成されてくるので、一方の骨15と他方の骨17との接合が維持され、やがて両者は再び一体化した骨となって治癒する。
治癒後はPLAの加水分解が更に進行して全てが生体内に吸収され、最終的には自家骨と置換される。
【0012】
この骨接合具10によれば、接合具本体11が生体内に吸収されることにより、骨同士の接合強度が低下しても新しい骨組織が形成されて、強度低下をカバーするので接合強度が維持され、患部の治癒速度を高めることができる。
【0013】
次に、本発明に係る第2の実施形態について、図3及び図4を参照して説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態において説明した構成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
第2の実施形態が上記第1の実施形態と異なる点は、第2の実施形態では接合具本体18の中空部12と外部とを連通させる貫通孔(孔)19が設けられているとした点である。
【0014】
本実施形態に係る骨接合具20の接合具本体18は、第1の実施形態と同じPLAで構成されており、図3に示すように、先端の一部が尖状に突出しテーパ面を有する略円柱形状に形成され、スクリューとして円柱形状部の外周部にネジ山を有している。他端部21側からは接合具本体18の内部に向かって中空部12が形成されている。そして、接合具本体18の壁部には、中空部12と外部とを連通させる貫通孔19が設けられている。
中空部12には、第1の実施形態と同様に成長因子14が含浸された骨補填材13が充填されており、他端部21には蓋22が配設されている。
【0015】
次に、以上の構成からなる本実施形態の骨接合具20の作用について説明する。
図4に示すように、一方の骨15と他方の骨17との間に人工骨スペーサ23をわたして、人工骨スペーサ23に設けられた挿入口24から骨接合具20を挿入して螺着し、一方の骨15と他方の骨17とを接合する。接合後しばらくすると、接合具本体18を構成するPLAが加水分解し始めて生体内の吸収が開始する。同時に、貫通孔19に生体内の水分等が流入し、これを介して骨補填材13が成長因子14とともに一方の骨15及び他方の骨17と接触する。すると、骨細胞の活性が高まるので新しい骨が形成される。
この骨接合具20によれば、接合初期から接合した周囲の骨細胞の活性を高めて骨形成を行うことができるので、接合具本体18が生体内に吸収されて強度が低下しても、並行して骨補填材13及び成長因子14の働きによって新しい自家骨を形成し、一方の骨15と他方の骨17との接合を維持した状態でより短時間で治癒させることができる。
【0016】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、接合具本体18に貫通孔19を設けているが、図5に示すように、多数の孔を有する多孔体として接合具本体25を作製しても構わない。
また、接合具本体の材質は、生体親和性を有し接合部同士の分離を抑制できる強度を有する材質であればPLAに限らない。そして、内部に充填する生体組織補填材もβ―TCPのみならず、生体適合性があって、細胞が生体組織形成作用を生ずる際の足場となるものであればよく、HAP(HydoroxyAPatite)、α―TCP等他のカルシウム化合物材料でもよい。
【0017】
さらに、成長因子としては、PRPに限らず生体組織の再生において必要なものであればよく、BMP(Bone Morphogenetic Protein)、FGF(Fibroblast Growth Factor)、TGF−β(Transforming Growth Factor−β)、IGF(Insulin−like Growth Factor)、PDGF(Platelet−Derived Growth Factor)、VEGF(VascularEndothelial cell Growth Factor)などを単独又はこれらを複合させたものを補填してもよい。
【0018】
【発明の効果】
以上説明した本発明の生体組織接合具においては以下の効果を奏する。
本発明によれば、生体組織同士の接合強度を低下させずに接合状態を維持することができる。また、生体組織形成作用に優れるので、患部の治癒速度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における骨接合具の断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態における骨接合具の使用例を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態における骨接合具の断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態における骨接合具の使用例を示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態における骨接合具の他の例を示す図である。
【符号の説明】
10、20 骨接合具(生体組織接合具)
11、18、25 接合具本体
12 中空部
13 骨補填材(生体組織補填材)
14 成長因子
19 貫通孔(孔)
Claims (4)
- 生体吸収性材料で構成され内部に中空部が形成された接合具本体を備え、
前記中空部にカルシウム化合物からなる生体組織補填材が充填されていることを特徴とする生体組織接合具。 - 前記生体組織補填材が、顆粒状リン酸三カルシウムであることを特徴とする請求項1記載の生体組織接合具。
- 前記生体組織補填材に、細胞の活性を高める成長因子が含有されていることを特徴とする請求項1又は2記載の生体組織接合具。
- 前記接合具本体に、外部と前記中空部とを連通する孔が設けられていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の生体組織接合具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003099019A JP2004305262A (ja) | 2003-04-02 | 2003-04-02 | 生体組織接合具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003099019A JP2004305262A (ja) | 2003-04-02 | 2003-04-02 | 生体組織接合具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004305262A true JP2004305262A (ja) | 2004-11-04 |
Family
ID=33463596
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003099019A Pending JP2004305262A (ja) | 2003-04-02 | 2003-04-02 | 生体組織接合具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004305262A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011019900A (ja) * | 2009-07-16 | 2011-02-03 | Tyco Healthcare Group Lp | 複合固定デバイス |
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2003
- 2003-04-02 JP JP2003099019A patent/JP2004305262A/ja active Pending
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