JP2004299610A - 車両用ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステアリングホイールの位置調整作業を容易かつ効率的に行うことができる車両用ステアリング装置を提供する。
【解決手段】車体固定ブラケット11の内方にステアリングコラム12を設け、車体固定ブラケット11にテレスコピック用前側貫通孔22とテレスコピック用後側貫通孔23を形成し、テレスコピック用前側貫通孔22の周辺部に凹凸係合部24を形成し、ステアリングコラム12のハウジング26に、貫通ボルト孔28とシャフト孔29とを形成し、貫通ボルト孔28に貫通ボルト30を挿入し、貫通ボルト30に、凹凸係合部24に係合可能な凹凸面38を有するスライダ34を取り付け、シャフト孔29とテレスコピック用後側貫通孔23にシャフト44を挿入し、シャフト44に、ステアリングコラム12の上下動きを規制するチルト調整部材15を設けている。
【選択図】 図3
【解決手段】車体固定ブラケット11の内方にステアリングコラム12を設け、車体固定ブラケット11にテレスコピック用前側貫通孔22とテレスコピック用後側貫通孔23を形成し、テレスコピック用前側貫通孔22の周辺部に凹凸係合部24を形成し、ステアリングコラム12のハウジング26に、貫通ボルト孔28とシャフト孔29とを形成し、貫通ボルト孔28に貫通ボルト30を挿入し、貫通ボルト30に、凹凸係合部24に係合可能な凹凸面38を有するスライダ34を取り付け、シャフト孔29とテレスコピック用後側貫通孔23にシャフト44を挿入し、シャフト44に、ステアリングコラム12の上下動きを規制するチルト調整部材15を設けている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用ステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ステアリングコラムの車両前後位置及び高さ位置を調整するチルト・テレスコピック機構(以下「テレスコピック」は「テレスコ」と省略する)を有する車両用ステアリング装置がある。このテレスコ機構では、ステアリングホイールを把持する前後位置を調整する一方、チルト機構では、運転者の体格に合わせて上下方向の適正高さに調整する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−130418公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の車両用ステアリング装置においては、ステアリングホイールが前後方向のみならず上下方向にも同時に移動可能になるため、かえって位置調整作業が困難になるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、ステアリングホイールの位置調整作業を容易かつ効率的に行うことができる車両用ステアリング装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記請求項1に記載された車両用ステアリング装置は、車体部材に支持された車体固定ブラケットと、該車体固定ブラケットの内方に前後方向及び上下方向に移動自在に支持されたステアリングコラムとを備え、前記車体固定ブラケットの前方側及び後方側にそれぞれ前後方向に長く延びるテレスコピック用前側貫通孔とテレスコピック用後側貫通孔を形成し、テレスコピック用前側貫通孔の周辺部に断面凹凸状の凹凸係合部を形成する一方、これらのテレスコピック用前側貫通孔とテレスコピック用後側貫通孔に対応するステアリングコラムのハウジングの部位に、略真円状の貫通ボルト孔と上下方向に延びる長孔状のシャフト孔とをそれぞれ形成し、貫通ボルトを、ハウジングの貫通ボルト孔、前記凹凸係合部に係合可能な凹凸面を有するスライダ、及び車体固定ブラケットのテレスコピック用前側貫通孔に挿入して取り付ける一方、シャフトを、ハウジングのシャフト孔、車体固定ブラケットとステアリングコラムのハウジングとを相対的に押圧してステアリングコラムの上下動きを規制するチルトカム、及びテレスコピック用後側貫通孔に挿入して取り付けてなり、前記チルトカムによる押圧を、前記スライダによる凹凸係合部への係合よりも遅れて付与するように構成したことを特徴とする。
【0007】
前記請求項2に記載された車両用ステアリング装置は、請求項1に記載の車両用ステアリング装置であって、前記スライダを、貫通ボルトの端部に形成したネジ部に螺合し、貫通ボルトを回動することによってスライダを貫通ボルトの軸方向に移動自在に構成したことを特徴とする。
【0008】
前記請求項3に記載された車両用ステアリング装置は、請求項1又は2に記載の車両用ステアリング装置であって、前記貫通ボルトの端部にテレスコピック調整アームを固定する一方、前記シャフトに、ステアリングコラムを車体固定ブラケットによって相対的に締め付けるチルト調整部材と操作レバーとを固定し、これらのテレスコピック調整アームとチルト調整部材とを連結させ、操作レバーの締め付け方向への操作動きを、テレスコピック調整アームよりも遅れてチルト調整部材に伝える時間差付与機構を設けたことを特徴とする。
【0009】
前記請求項4に記載された車両用ステアリング装置は、請求項3に記載の車両用ステアリング装置であって、前記チルト調整部材は、操作レバーに結合してシャフトの回動方向に沿って溝孔が形成されたロックブラケットと、該ロックブラケットの軸孔に挿入されてガイドされるピンを有するチルトアームとからなり、前記溝孔の端部は、シャフトの回転方向から外れる方向に延びる係合溝部に形成され、前記ピンは前記係合溝部に係合する方向に付勢されており、これらの溝孔とピンによって前記時間差付与機構を形成していることを特徴とする。
【0010】
前記請求項5に記載された車両用ステアリング装置は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用ステアリング装置であって、前記車体固定ブラケットの凹凸係合部及びスライダの凹凸面は、共に、前後規制方向に一連の爪状に形成されており、これらのスライダと車体固定ブラケットとが噛んだ状態でも前記貫通ボルトが回動するように、スライダの凹凸面に円形座面を形成したことを特徴とする。
【0011】
【発明の効果】
前記請求項1に記載された車両用ステアリング装置によれば、前記チルト調整部材による押圧を、前記スライダによる凹凸係合部への係合よりも遅れて付与するように構成しているため、先に車両前後方向の位置決めを行うテレスコピック機構を作用させ、次に、上下方向の位置決めを行うチルト機構を作用させることができる。これによって、アクセルペダル等との距離を合わせてから、視認性の調整を行うことができるため、ステアリングホイールの位置調整を確実にかつ効率よく行うことができる。
【0012】
前記請求項2に記載された車両用ステアリング装置によれば、貫通ボルトを回動することによってスライダを貫通ボルトの軸方向に移動自在にしているため、貫通ボルトを回動させるという動作によって簡単かつ確実にスライダによるテレスコピック調整を行うことができる。
【0013】
前記請求項3に記載された車両用ステアリング装置によれば、操作レバーの締め付け方向への操作動きを、テレスコピック調整アームよりも遅れてチルト調整部材に伝える時間差付与機構を設けているため、操作レバーを締め付けるという一連の動作のみで、まず最初にテレスコピック調整を行ったのち、チルト調整を行うことができ、非常に効率的である。
【0014】
前記請求項4に記載された車両用ステアリング装置によれば、溝孔とピンによって前記時間差付与機構を形成しているため、操作レバーを回動してロックブラケットを回動させれば、その操作レバーの回動角度に応じて最初にテレスコピック調整を行ったのち、チルト調整を行うという時間差付与機構を確実に作用させることができる。つまり、ピンが通常状態では付勢されて係合溝部に係止されているため、ロックブラケットを徐々に回動させれば、その回動途中でピンが係合溝部から外れて軸孔内を移動することにより、チルト機構とテレスコピック機構において各々が作用するタイミングをずらすことができる。
【0015】
前記請求項5に記載された車両用ステアリング装置によれば、車体固定ブラケットの凹凸係合部及びスライダの凹凸面は、共に、前後規制方向の一連の爪状に形成されているため、スライダを車体固定ブラケットに係合させてテレスコピック調整を確実に行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は本発明の実施形態によるステアリング装置10の側面図を示している。このステアリング装置10は、図外のクロスカービーム等の車体部材に固定された車体固定ブラケット11と、該車体固定ブラケット11の内方側に取り付けられたステアリングコラム12とから構成されており、該ステアリングコラム12にはステアリングシャフト13が取り付けられている。詳細には後述するが、このステアリングコラム12には、操作レバー14が回動自在に軸支されており、該操作レバー14には、チルト調整部材15が連動して回動するように取り付けられ、チルト調整部材15は連結ロッド16を介してテレスコ調整アーム17に連結されている。
【0018】
図2は図1に示した車体固定ブラケット11の斜視図である。この車体固定ブラケット11は、車両前後方向に延設された上壁部18と、該上壁部18の左右両端から垂設された側壁部19a,19bとから一体に形成されており、左側の側壁部19aの上端内方には、後述するスライダ34のための回転止め部材20が車両前後方向に沿って延設されている。前記上壁部18の角部には4つの取付孔21が穿設されており、該取付孔21には前述したようにクロスカービーム側の支持ボルト(図示せず)が挿入及び締結されることにより、車体固定ブラケット11がクロスカービームに支持される。また、左右の側壁部19a,19bには車両前方側と車両後方側に、車両前後方向に延びるテレスコ用前側貫通孔22,22′とテレスコ用後側貫通孔23,23′(図2に現われず)が長孔状に延長して形成されている。これらの貫通孔22,22′、23,23′のうち、車両前方側のテレスコ用前側貫通孔22,22′は、車両後方側のテレスコ用後側貫通孔23,23′よりも上方側に配置されており、また、左側の側壁部19aの裏面側におけるテレスコ用前側貫通孔22,22′の周辺部には、断面爪状の凹凸係合部が形成されている。なお、側壁部19aの後方側の下端部には、車体固定ブラケット11の内方側(右側)に向けて屈曲したフランジ25が形成されており、該フランジ25は後述する固定側チルトカム47のための回転止めとなっている。
【0019】
図3は、図1のステアリングコラム12を示す分解斜視図であり、二点鎖線は車体固定ブラケット11の側壁部19aの位置を便宜的に示している。このステアリングコラム12を構成するハウジング26には、車両後方に向けて延びるステアリングシャフト13が取り付けられ、該ステアリングシャフト13の先端には図外のステアリングホイールが取り付けられ、また、前記ハウジング26には種々の部品が取り付けられている。以下に具体的に説明する。
【0020】
ハウジング26の両側面27,27には、前方側に貫通ボルト孔28が、後方側にはシャフト孔29がそれぞれ穿設されている。前記貫通ボルト孔28は略真円状に形成され、貫通ボルト30が挿入されており、シャフト孔29は前記貫通ボルト孔28を曲率中心とする略円弧状の長孔に形成されている。
【0021】
前記貫通ボルト30の左端部にはオネジ部31が形成され、右端部には周方向に沿って溝32が形成されており、該溝32にC形止め輪33が嵌合されている。これによって、テレスコ用前側貫通孔22,22′に挿入された貫通ボルト30は車幅方向左側に引っ張られても、C形止め輪33がハウジング26の右側の側壁部19bの右側面に当たって抜けないように構成されている。この貫通ボルト30にはスライダ34とテレスコ調整アーム17が挿入され、テレスコ調整アーム17は貫通ボルト30に、圧入や溶接等の手段によって固定されている。また、スライダ34は、ハウジング側(右側)の円筒部36と、該円筒部36の左側の矩形プレート37とから一体に形成されている。この矩形プレート37の側面は断面略爪状の凹凸面38に形成され、該凹凸面38の中央部には略リング状の円形座面39が形成され、該円形座面39の中央側には円筒部36に連通して内面にメネジが形成された貫通孔40が穿設されている。この矩形プレート37の凹凸面38は、車体固定ブラケット11の凹凸係合部24と噛み合って互いに係合自在に構成されている。前記スライダ34の円筒部36はハウジング26の貫通ボルト孔28に挿入されており、前述したように、車体固定ブラケット11の回転止め部材20の下面がスライダ34の矩形プレート37の上端に当接し、スライダ34が回転しないように構成されている。
【0022】
また、二点鎖線で示した車体固定ブラケット11の側壁部19aの外方、即ち左側にはテレスコ調整アーム17が前記貫通ボルト30に挿入されて配置されている。このテレスコ調整アーム17の下端部にはピン41が突設されており、後述するように、連結ロッド16を介して、チルト調整部材15を構成するチルトアーム42のピン43に連結されている。
【0023】
一方、前記シャフト孔29及びテレスコ用後側貫通孔23,23′にはシャフト44が挿入され、該シャフト44の右端部にも、前記貫通ボルト30と同様に、溝45及び該溝45に嵌合されるC形止め輪46が設けられている。このシャフト44には、固定側チルトカム47と可動側チルトカム48とからなるチルトカム49、チルトアーム42、ロックブラケット50、及び把持部51を有する操作レバー14が挿入されており、これらのうち、可動側チルトカム48、ロックブラケット50及び操作レバー14がシャフト44に固定されてシャフト44に常に連動して回動する。また、前記チルトカム49は、車体固定ブラケット11の側壁部19aの右側に配置され、前記チルトアーム42、ロックブラケット50、及び操作レバー14は車体固定ブラケット11の側壁部19aの左側に配置されている。前記固定側チルトカム47は、可動側チルトカム48に対向して配置されており、可動側チルトカム48が回動すると可動側チルトカム48が固定側チルトカム47から離れる方向に移動する。即ち、固定側チルトカム47は矩形形状をしており、可動側チルトカム48に面する部分に円筒突出部47aが設けられ、さらにこの突出部47aの頂面にはテーパー傾斜を有する突条47bが突出部47aの頂面の中心から放射状に4本、十字状に設けられている一方、これに対向する可動側チルトカム48は円形形状と呈しており、この固定側チルトカム47に面する部分には、同様にテーパー傾斜を有する突条48bが放射状に4本、十字状に設けられていることで、両方の突条47b,48bが互いに対向する位置になると、固定側チルトカム47と可動側チルトカム48の両者は車幅方向に離れ、チルトカムの一方を回転させて突条47bの間に他方の突条48bが入り込むようにさせると、両者が近づくようになっている。また、固定側チルトカム47はシャフト44に対して回動自在に挿入されている反面、可動側チルトカム48は、シャフト44に対して圧入等の結合方法によって不動、即ち、シャフト44と共に回動するように取り付けられている。また、これら固定側チルトカム47と可動側チルトカム48とは、シャフト44の上下動に伴ってシャフト孔29内を揺動する。ただし、固定側チルトカム47は、その下端部が前述した車体固定ブラケット11のフランジ25に当接して回動しないように構成されているため、シャフト孔29に沿って上下動はするが回動はしないように構成されている。そして、チルトアーム42には長軸方向に沿って長孔52が穿設され、該長孔52内に配設されたスプリング53によって通常状態においてピン43が下方に付勢されている。さらに、ロックブラケット50には、取付孔54の下方に該取付孔54を曲率中心とする溝孔55が形成されており、該溝孔55の端部は取付孔54から離れる方向に屈曲して延びる係合溝部56に形成されている。また、前述したように、テレスコ調整アーム17とチルトアーム42とは連結ロッド16を介して連結されており、チルトアーム42に連動してテレスコ調整アーム17が揺動する。なお、チルト調整部材15は、チルトアーム42とロックブラケット50とから構成されており、ピン43の端部にもC形止め輪57が嵌合されて、ピン43に連結ロッド16が確実に係合されている。
【0024】
図4は、図1のA−A線による拡大断面図である。図1は、操作レバー14を車両後方側の揺動限まで揺動させた状態であるため、テレスコ機構及びチルト機構は共に作用してロックされている。よって、図4に示すように、スライダ34の凹凸面38が車体固定ブラケット11の凹凸係合部24に係合し、ステアリングコラム12は車体固定ブラケット11に対して車両前後方向に移動しないようにロックされている。また、図5に示すように、チルトカム49においては、可動側チルトカム48が固定側チルトカム47に対して車幅方向に離反しており、ステアリングコラム12が車体固定ブラケット11に対して押しつけられて保持された状態になっている。
【0025】
次いで、前記構成を有するステアリング装置10において、テレスコ機構及びチルト機構を作用させる手順を説明する。なお、図6,8,11において、便宜上、説明に重要な部位は実線で示し、重要性が低い部位は二点鎖線で示している。
【0026】
図6は、テレスト機構とチルト機構を共に解除した状態を示すステアリング装置10である。操作レバー14は最も車両前方側に押し込んでいるため、この操作レバー14に連動してロックブラケット50も最も車両前方側に回動した状態となっている。また、チルトアーム42のピン43はスプリング53によってロックブラケット50の溝孔55の係合溝部56に押し込まれて係止されているため、テレスコ調整アームは連結ロッド16を介して最も車両前方側に回動している。ここで、図7に示すように、テレスコ調整アーム17には貫通ボルト30のオネジ部31が螺合しているため、スライダ34は、車体固定ブラケット11の凹凸係合部24から最も離反した状態となっている。
【0027】
図8は、前記操作レバー14を車両後方側に向けて途中まで回動させた、いわゆるハーフストロークの状態におけるステアリング装置10を示している。この状態では、テレスコ機構は作用してロックされ、チルト機構はまだ作用せずにフリーの状態である。操作レバー14を車両後方に向けて回動させるとロックブラケット50も連動して後方側に回動する。また、チルトアーム42のピン43は、スプリング53によって付勢されているため、ロックブラケット50の溝孔55の係合溝部56に納められたままであるため、連結ロッド16を介してテレスコ調整アーム17も車両後方側に回動する。貫通ボルト30も同様に連動して回動するため、図9に示すように、スライダ34は車体固定ブラケット11の側壁部19aに向けて移動し、スライダ34の凹凸面38が車体固定ブラケット11の凹凸係合部24に係合する。そして、図10に示すように、操作レバー14に連動して可動側チルトカム48も多少回動するが、可動側チルトカム48と固定側チルトカム47との相対距離は変化していないため、図8に示すようにステアリングコラム12は上下方向に揺動させることができ、チルト機構はまだ作用していない。これによって、操作レバー14をハーフストロークさせれば、ステアリングコラム12の車両前後方向のロック、即ちテレスコ機構のみが作用する。
【0028】
こののち、図11に示すように、操作レバー14を更に車両後方側に回動させれば、ロックブラケット50も連動して回動する。ここで、チルトアーム42のピン43はスプリング53の付勢力に抗してロックブラケット50の係合溝部56から外れ、溝孔55内を車両前方側に相対的に移動するため、テレスコ調整アーム17は、図8の状態からこれ以上回動することがない。また、操作レバー14には可動側チルトカム48が同期して回動するため、図12に示すように、可動側チルトカム48は固定側チルトカム47から離反するように車幅方向に移動する。これによって、車体固定ブラケット11の側壁部19aは、ハウジング26から押圧力を受けて、上下方向の揺動を阻止するように固定され、チルト機構が作用する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態によるステアリング装置を示す側面図である。
【図2】図1の車体固定ブラケットを示す斜視図である。
【図3】図1のステアリングコラムを示す分解斜視図である。
【図4】図1のA−A線による拡大断面図である。
【図5】図1のB−B線による拡大断面図である。
【図6】テレスト機構とチルト機構を共に解除した状態を示すステアリング装置の側面図である。
【図7】図7のC−C線による拡大断面図である。
【図8】テレスト機構を作用させてチルト機構のみを解除した状態を示すステアリング装置の側面図である。
【図9】図8のD−D線による拡大断面図である。
【図10】図8のE−E線による拡大断面図である。
【図11】テレスト機構とチルト機構の双方を作用させた状態を示すステアリング装置の側面図である。
【図12】図11のF−F線による拡大断面図である。
【符号の説明】
10…ステアリング装置
11…車体固定ブラケット
12…ステアリングコラム
14…操作レバー
15…チルト調整部材
17…テレスコピック調整アーム
22…テレスコピック用前側貫通孔
23…テレスコピック用後側貫通孔
24…凹凸係合部
26…ハウジング
28…貫通ボルト孔
29…シャフト孔
30…貫通ボルト
31…オネジ部
34…スライダ
38…凹凸面
39…円形座面
42…チルトアーム
43…ピン
44…シャフト
49…チルトカム
50…ロックブラケット
55…溝孔
56…係合溝部
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用ステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ステアリングコラムの車両前後位置及び高さ位置を調整するチルト・テレスコピック機構(以下「テレスコピック」は「テレスコ」と省略する)を有する車両用ステアリング装置がある。このテレスコ機構では、ステアリングホイールを把持する前後位置を調整する一方、チルト機構では、運転者の体格に合わせて上下方向の適正高さに調整する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−130418公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の車両用ステアリング装置においては、ステアリングホイールが前後方向のみならず上下方向にも同時に移動可能になるため、かえって位置調整作業が困難になるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、ステアリングホイールの位置調整作業を容易かつ効率的に行うことができる車両用ステアリング装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記請求項1に記載された車両用ステアリング装置は、車体部材に支持された車体固定ブラケットと、該車体固定ブラケットの内方に前後方向及び上下方向に移動自在に支持されたステアリングコラムとを備え、前記車体固定ブラケットの前方側及び後方側にそれぞれ前後方向に長く延びるテレスコピック用前側貫通孔とテレスコピック用後側貫通孔を形成し、テレスコピック用前側貫通孔の周辺部に断面凹凸状の凹凸係合部を形成する一方、これらのテレスコピック用前側貫通孔とテレスコピック用後側貫通孔に対応するステアリングコラムのハウジングの部位に、略真円状の貫通ボルト孔と上下方向に延びる長孔状のシャフト孔とをそれぞれ形成し、貫通ボルトを、ハウジングの貫通ボルト孔、前記凹凸係合部に係合可能な凹凸面を有するスライダ、及び車体固定ブラケットのテレスコピック用前側貫通孔に挿入して取り付ける一方、シャフトを、ハウジングのシャフト孔、車体固定ブラケットとステアリングコラムのハウジングとを相対的に押圧してステアリングコラムの上下動きを規制するチルトカム、及びテレスコピック用後側貫通孔に挿入して取り付けてなり、前記チルトカムによる押圧を、前記スライダによる凹凸係合部への係合よりも遅れて付与するように構成したことを特徴とする。
【0007】
前記請求項2に記載された車両用ステアリング装置は、請求項1に記載の車両用ステアリング装置であって、前記スライダを、貫通ボルトの端部に形成したネジ部に螺合し、貫通ボルトを回動することによってスライダを貫通ボルトの軸方向に移動自在に構成したことを特徴とする。
【0008】
前記請求項3に記載された車両用ステアリング装置は、請求項1又は2に記載の車両用ステアリング装置であって、前記貫通ボルトの端部にテレスコピック調整アームを固定する一方、前記シャフトに、ステアリングコラムを車体固定ブラケットによって相対的に締め付けるチルト調整部材と操作レバーとを固定し、これらのテレスコピック調整アームとチルト調整部材とを連結させ、操作レバーの締め付け方向への操作動きを、テレスコピック調整アームよりも遅れてチルト調整部材に伝える時間差付与機構を設けたことを特徴とする。
【0009】
前記請求項4に記載された車両用ステアリング装置は、請求項3に記載の車両用ステアリング装置であって、前記チルト調整部材は、操作レバーに結合してシャフトの回動方向に沿って溝孔が形成されたロックブラケットと、該ロックブラケットの軸孔に挿入されてガイドされるピンを有するチルトアームとからなり、前記溝孔の端部は、シャフトの回転方向から外れる方向に延びる係合溝部に形成され、前記ピンは前記係合溝部に係合する方向に付勢されており、これらの溝孔とピンによって前記時間差付与機構を形成していることを特徴とする。
【0010】
前記請求項5に記載された車両用ステアリング装置は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用ステアリング装置であって、前記車体固定ブラケットの凹凸係合部及びスライダの凹凸面は、共に、前後規制方向に一連の爪状に形成されており、これらのスライダと車体固定ブラケットとが噛んだ状態でも前記貫通ボルトが回動するように、スライダの凹凸面に円形座面を形成したことを特徴とする。
【0011】
【発明の効果】
前記請求項1に記載された車両用ステアリング装置によれば、前記チルト調整部材による押圧を、前記スライダによる凹凸係合部への係合よりも遅れて付与するように構成しているため、先に車両前後方向の位置決めを行うテレスコピック機構を作用させ、次に、上下方向の位置決めを行うチルト機構を作用させることができる。これによって、アクセルペダル等との距離を合わせてから、視認性の調整を行うことができるため、ステアリングホイールの位置調整を確実にかつ効率よく行うことができる。
【0012】
前記請求項2に記載された車両用ステアリング装置によれば、貫通ボルトを回動することによってスライダを貫通ボルトの軸方向に移動自在にしているため、貫通ボルトを回動させるという動作によって簡単かつ確実にスライダによるテレスコピック調整を行うことができる。
【0013】
前記請求項3に記載された車両用ステアリング装置によれば、操作レバーの締め付け方向への操作動きを、テレスコピック調整アームよりも遅れてチルト調整部材に伝える時間差付与機構を設けているため、操作レバーを締め付けるという一連の動作のみで、まず最初にテレスコピック調整を行ったのち、チルト調整を行うことができ、非常に効率的である。
【0014】
前記請求項4に記載された車両用ステアリング装置によれば、溝孔とピンによって前記時間差付与機構を形成しているため、操作レバーを回動してロックブラケットを回動させれば、その操作レバーの回動角度に応じて最初にテレスコピック調整を行ったのち、チルト調整を行うという時間差付与機構を確実に作用させることができる。つまり、ピンが通常状態では付勢されて係合溝部に係止されているため、ロックブラケットを徐々に回動させれば、その回動途中でピンが係合溝部から外れて軸孔内を移動することにより、チルト機構とテレスコピック機構において各々が作用するタイミングをずらすことができる。
【0015】
前記請求項5に記載された車両用ステアリング装置によれば、車体固定ブラケットの凹凸係合部及びスライダの凹凸面は、共に、前後規制方向の一連の爪状に形成されているため、スライダを車体固定ブラケットに係合させてテレスコピック調整を確実に行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は本発明の実施形態によるステアリング装置10の側面図を示している。このステアリング装置10は、図外のクロスカービーム等の車体部材に固定された車体固定ブラケット11と、該車体固定ブラケット11の内方側に取り付けられたステアリングコラム12とから構成されており、該ステアリングコラム12にはステアリングシャフト13が取り付けられている。詳細には後述するが、このステアリングコラム12には、操作レバー14が回動自在に軸支されており、該操作レバー14には、チルト調整部材15が連動して回動するように取り付けられ、チルト調整部材15は連結ロッド16を介してテレスコ調整アーム17に連結されている。
【0018】
図2は図1に示した車体固定ブラケット11の斜視図である。この車体固定ブラケット11は、車両前後方向に延設された上壁部18と、該上壁部18の左右両端から垂設された側壁部19a,19bとから一体に形成されており、左側の側壁部19aの上端内方には、後述するスライダ34のための回転止め部材20が車両前後方向に沿って延設されている。前記上壁部18の角部には4つの取付孔21が穿設されており、該取付孔21には前述したようにクロスカービーム側の支持ボルト(図示せず)が挿入及び締結されることにより、車体固定ブラケット11がクロスカービームに支持される。また、左右の側壁部19a,19bには車両前方側と車両後方側に、車両前後方向に延びるテレスコ用前側貫通孔22,22′とテレスコ用後側貫通孔23,23′(図2に現われず)が長孔状に延長して形成されている。これらの貫通孔22,22′、23,23′のうち、車両前方側のテレスコ用前側貫通孔22,22′は、車両後方側のテレスコ用後側貫通孔23,23′よりも上方側に配置されており、また、左側の側壁部19aの裏面側におけるテレスコ用前側貫通孔22,22′の周辺部には、断面爪状の凹凸係合部が形成されている。なお、側壁部19aの後方側の下端部には、車体固定ブラケット11の内方側(右側)に向けて屈曲したフランジ25が形成されており、該フランジ25は後述する固定側チルトカム47のための回転止めとなっている。
【0019】
図3は、図1のステアリングコラム12を示す分解斜視図であり、二点鎖線は車体固定ブラケット11の側壁部19aの位置を便宜的に示している。このステアリングコラム12を構成するハウジング26には、車両後方に向けて延びるステアリングシャフト13が取り付けられ、該ステアリングシャフト13の先端には図外のステアリングホイールが取り付けられ、また、前記ハウジング26には種々の部品が取り付けられている。以下に具体的に説明する。
【0020】
ハウジング26の両側面27,27には、前方側に貫通ボルト孔28が、後方側にはシャフト孔29がそれぞれ穿設されている。前記貫通ボルト孔28は略真円状に形成され、貫通ボルト30が挿入されており、シャフト孔29は前記貫通ボルト孔28を曲率中心とする略円弧状の長孔に形成されている。
【0021】
前記貫通ボルト30の左端部にはオネジ部31が形成され、右端部には周方向に沿って溝32が形成されており、該溝32にC形止め輪33が嵌合されている。これによって、テレスコ用前側貫通孔22,22′に挿入された貫通ボルト30は車幅方向左側に引っ張られても、C形止め輪33がハウジング26の右側の側壁部19bの右側面に当たって抜けないように構成されている。この貫通ボルト30にはスライダ34とテレスコ調整アーム17が挿入され、テレスコ調整アーム17は貫通ボルト30に、圧入や溶接等の手段によって固定されている。また、スライダ34は、ハウジング側(右側)の円筒部36と、該円筒部36の左側の矩形プレート37とから一体に形成されている。この矩形プレート37の側面は断面略爪状の凹凸面38に形成され、該凹凸面38の中央部には略リング状の円形座面39が形成され、該円形座面39の中央側には円筒部36に連通して内面にメネジが形成された貫通孔40が穿設されている。この矩形プレート37の凹凸面38は、車体固定ブラケット11の凹凸係合部24と噛み合って互いに係合自在に構成されている。前記スライダ34の円筒部36はハウジング26の貫通ボルト孔28に挿入されており、前述したように、車体固定ブラケット11の回転止め部材20の下面がスライダ34の矩形プレート37の上端に当接し、スライダ34が回転しないように構成されている。
【0022】
また、二点鎖線で示した車体固定ブラケット11の側壁部19aの外方、即ち左側にはテレスコ調整アーム17が前記貫通ボルト30に挿入されて配置されている。このテレスコ調整アーム17の下端部にはピン41が突設されており、後述するように、連結ロッド16を介して、チルト調整部材15を構成するチルトアーム42のピン43に連結されている。
【0023】
一方、前記シャフト孔29及びテレスコ用後側貫通孔23,23′にはシャフト44が挿入され、該シャフト44の右端部にも、前記貫通ボルト30と同様に、溝45及び該溝45に嵌合されるC形止め輪46が設けられている。このシャフト44には、固定側チルトカム47と可動側チルトカム48とからなるチルトカム49、チルトアーム42、ロックブラケット50、及び把持部51を有する操作レバー14が挿入されており、これらのうち、可動側チルトカム48、ロックブラケット50及び操作レバー14がシャフト44に固定されてシャフト44に常に連動して回動する。また、前記チルトカム49は、車体固定ブラケット11の側壁部19aの右側に配置され、前記チルトアーム42、ロックブラケット50、及び操作レバー14は車体固定ブラケット11の側壁部19aの左側に配置されている。前記固定側チルトカム47は、可動側チルトカム48に対向して配置されており、可動側チルトカム48が回動すると可動側チルトカム48が固定側チルトカム47から離れる方向に移動する。即ち、固定側チルトカム47は矩形形状をしており、可動側チルトカム48に面する部分に円筒突出部47aが設けられ、さらにこの突出部47aの頂面にはテーパー傾斜を有する突条47bが突出部47aの頂面の中心から放射状に4本、十字状に設けられている一方、これに対向する可動側チルトカム48は円形形状と呈しており、この固定側チルトカム47に面する部分には、同様にテーパー傾斜を有する突条48bが放射状に4本、十字状に設けられていることで、両方の突条47b,48bが互いに対向する位置になると、固定側チルトカム47と可動側チルトカム48の両者は車幅方向に離れ、チルトカムの一方を回転させて突条47bの間に他方の突条48bが入り込むようにさせると、両者が近づくようになっている。また、固定側チルトカム47はシャフト44に対して回動自在に挿入されている反面、可動側チルトカム48は、シャフト44に対して圧入等の結合方法によって不動、即ち、シャフト44と共に回動するように取り付けられている。また、これら固定側チルトカム47と可動側チルトカム48とは、シャフト44の上下動に伴ってシャフト孔29内を揺動する。ただし、固定側チルトカム47は、その下端部が前述した車体固定ブラケット11のフランジ25に当接して回動しないように構成されているため、シャフト孔29に沿って上下動はするが回動はしないように構成されている。そして、チルトアーム42には長軸方向に沿って長孔52が穿設され、該長孔52内に配設されたスプリング53によって通常状態においてピン43が下方に付勢されている。さらに、ロックブラケット50には、取付孔54の下方に該取付孔54を曲率中心とする溝孔55が形成されており、該溝孔55の端部は取付孔54から離れる方向に屈曲して延びる係合溝部56に形成されている。また、前述したように、テレスコ調整アーム17とチルトアーム42とは連結ロッド16を介して連結されており、チルトアーム42に連動してテレスコ調整アーム17が揺動する。なお、チルト調整部材15は、チルトアーム42とロックブラケット50とから構成されており、ピン43の端部にもC形止め輪57が嵌合されて、ピン43に連結ロッド16が確実に係合されている。
【0024】
図4は、図1のA−A線による拡大断面図である。図1は、操作レバー14を車両後方側の揺動限まで揺動させた状態であるため、テレスコ機構及びチルト機構は共に作用してロックされている。よって、図4に示すように、スライダ34の凹凸面38が車体固定ブラケット11の凹凸係合部24に係合し、ステアリングコラム12は車体固定ブラケット11に対して車両前後方向に移動しないようにロックされている。また、図5に示すように、チルトカム49においては、可動側チルトカム48が固定側チルトカム47に対して車幅方向に離反しており、ステアリングコラム12が車体固定ブラケット11に対して押しつけられて保持された状態になっている。
【0025】
次いで、前記構成を有するステアリング装置10において、テレスコ機構及びチルト機構を作用させる手順を説明する。なお、図6,8,11において、便宜上、説明に重要な部位は実線で示し、重要性が低い部位は二点鎖線で示している。
【0026】
図6は、テレスト機構とチルト機構を共に解除した状態を示すステアリング装置10である。操作レバー14は最も車両前方側に押し込んでいるため、この操作レバー14に連動してロックブラケット50も最も車両前方側に回動した状態となっている。また、チルトアーム42のピン43はスプリング53によってロックブラケット50の溝孔55の係合溝部56に押し込まれて係止されているため、テレスコ調整アームは連結ロッド16を介して最も車両前方側に回動している。ここで、図7に示すように、テレスコ調整アーム17には貫通ボルト30のオネジ部31が螺合しているため、スライダ34は、車体固定ブラケット11の凹凸係合部24から最も離反した状態となっている。
【0027】
図8は、前記操作レバー14を車両後方側に向けて途中まで回動させた、いわゆるハーフストロークの状態におけるステアリング装置10を示している。この状態では、テレスコ機構は作用してロックされ、チルト機構はまだ作用せずにフリーの状態である。操作レバー14を車両後方に向けて回動させるとロックブラケット50も連動して後方側に回動する。また、チルトアーム42のピン43は、スプリング53によって付勢されているため、ロックブラケット50の溝孔55の係合溝部56に納められたままであるため、連結ロッド16を介してテレスコ調整アーム17も車両後方側に回動する。貫通ボルト30も同様に連動して回動するため、図9に示すように、スライダ34は車体固定ブラケット11の側壁部19aに向けて移動し、スライダ34の凹凸面38が車体固定ブラケット11の凹凸係合部24に係合する。そして、図10に示すように、操作レバー14に連動して可動側チルトカム48も多少回動するが、可動側チルトカム48と固定側チルトカム47との相対距離は変化していないため、図8に示すようにステアリングコラム12は上下方向に揺動させることができ、チルト機構はまだ作用していない。これによって、操作レバー14をハーフストロークさせれば、ステアリングコラム12の車両前後方向のロック、即ちテレスコ機構のみが作用する。
【0028】
こののち、図11に示すように、操作レバー14を更に車両後方側に回動させれば、ロックブラケット50も連動して回動する。ここで、チルトアーム42のピン43はスプリング53の付勢力に抗してロックブラケット50の係合溝部56から外れ、溝孔55内を車両前方側に相対的に移動するため、テレスコ調整アーム17は、図8の状態からこれ以上回動することがない。また、操作レバー14には可動側チルトカム48が同期して回動するため、図12に示すように、可動側チルトカム48は固定側チルトカム47から離反するように車幅方向に移動する。これによって、車体固定ブラケット11の側壁部19aは、ハウジング26から押圧力を受けて、上下方向の揺動を阻止するように固定され、チルト機構が作用する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態によるステアリング装置を示す側面図である。
【図2】図1の車体固定ブラケットを示す斜視図である。
【図3】図1のステアリングコラムを示す分解斜視図である。
【図4】図1のA−A線による拡大断面図である。
【図5】図1のB−B線による拡大断面図である。
【図6】テレスト機構とチルト機構を共に解除した状態を示すステアリング装置の側面図である。
【図7】図7のC−C線による拡大断面図である。
【図8】テレスト機構を作用させてチルト機構のみを解除した状態を示すステアリング装置の側面図である。
【図9】図8のD−D線による拡大断面図である。
【図10】図8のE−E線による拡大断面図である。
【図11】テレスト機構とチルト機構の双方を作用させた状態を示すステアリング装置の側面図である。
【図12】図11のF−F線による拡大断面図である。
【符号の説明】
10…ステアリング装置
11…車体固定ブラケット
12…ステアリングコラム
14…操作レバー
15…チルト調整部材
17…テレスコピック調整アーム
22…テレスコピック用前側貫通孔
23…テレスコピック用後側貫通孔
24…凹凸係合部
26…ハウジング
28…貫通ボルト孔
29…シャフト孔
30…貫通ボルト
31…オネジ部
34…スライダ
38…凹凸面
39…円形座面
42…チルトアーム
43…ピン
44…シャフト
49…チルトカム
50…ロックブラケット
55…溝孔
56…係合溝部
Claims (5)
- 車体部材に支持された車体固定ブラケット(11)と、該車体固定ブラケット(11)の内方に前後方向及び上下方向に移動自在に支持されたステアリングコラム(12)とを備え、前記車体固定ブラケット(11)の前方側及び後方側にそれぞれ前後方向に長く延びるテレスコピック用前側貫通孔(22)とテレスコピック用後側貫通孔(23)を形成し、テレスコピック用前側貫通孔(22)の周辺部に断面凹凸状の凹凸係合部(24)を形成する一方、これらのテレスコピック用前側貫通孔(22)とテレスコピック用後側貫通孔(23)に対応するステアリングコラム(12)のハウジング(26)の部位に、略真円状の貫通ボルト孔(28)と上下方向に延びる長孔状のシャフト孔(29)とをそれぞれ形成し、
貫通ボルト(30)を、ハウジング(26)の貫通ボルト孔(28)、前記凹凸係合部(24)に係合可能な凹凸面(38)を有するスライダ(34)、及び車体固定ブラケット(11)のテレスコピック用前側貫通孔(22)に挿入して取り付ける一方、
シャフト(44)を、ハウジング(26)のシャフト孔(29)、車体固定ブラケット(11)とステアリングコラム(12)のハウジング(26)とを相対的に押圧してステアリングコラム(12)の上下動きを規制するチルトカム(49)、及びテレスコピック用後側貫通孔(23)に挿入して取り付けてなり、
前記チルトカム(49)による押圧を、前記スライダ(34)による凹凸係合部(24)への係合よりも遅れて付与するように構成したことを特徴とする車両用ステアリング装置。 - 前記スライダ(34)を、貫通ボルト(30)の端部に形成したネジ部(31)に螺合し、貫通ボルト(30)を回動することによってスライダ(34)を貫通ボルト(30)の軸方向に移動自在に構成したことを特徴とする請求項1に記載の車両用ステアリング装置。
- 前記貫通ボルト(30)の端部にテレスコピック調整アーム(17)を固定する一方、前記シャフト(44)に、ステアリングコラム(12)を車体固定ブラケット(11)によって相対的に締め付けるチルト調整部材(15)と操作レバー(14)とを固定し、これらのテレスコピック調整アーム(17)とチルト調整部材(15)とを連結させ、操作レバー(14)の締め付け方向への操作動きを、テレスコピック調整アーム(17)よりも遅れてチルト調整部材(15)に伝える時間差付与機構を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用ステアリング装置。
- 前記チルト調整部材(15)は、操作レバー(14)に結合してシャフト(44)の回動方向に沿って溝孔(55)が形成されたロックブラケット(50)と、該ロックブラケット(50)の溝孔(55)に挿入されてガイドされるピン(43)を有するチルトアーム(42)とからなり、前記溝孔(55)の端部は、シャフト(44)の回転方向から外れる方向に延びる係合溝部(56)に形成され、前記ピン(43)は前記係合溝部(56)に係合する方向に付勢されており、これらの溝孔(55)とピン(43)によって前記時間差付与機構を形成していることを特徴とする請求項3に記載の車両用ステアリング装置。
- 前記車体固定ブラケット(11)の凹凸係合部(24)及びスライダ(34)の凹凸面(38)は、共に、前後規制方向に一連の爪状に形成されており、これらのスライダ(34)と車体固定ブラケット(11)とが噛んだ状態でも前記貫通ボルト(30)が回動するように、スライダ(34)の凹凸面(38)に円形座面(39)を形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用ステアリング装置。
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