JP2004297439A - 画像補正装置、方法及びプログラム - Google Patents

画像補正装置、方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ダイナミックレンジが非常に小さい画像の濃度等も適正に補正可能とする。
【解決手段】処理対象の画像データを画素単位で間引いて縮小画像データを生成し(100)、R,G,B,Y,Cb,Crのヒストグラムを生成し(102)た後に、カラーバランス補正量を求め(104)、画像中の主要部領域を抽出して濃度補正条件を求め(106〜120)、彩度補正量を求め(122)、これらから第1の補正条件を設定する(124)。また、R,G,Bのヒストグラムからハイライト点の濃度値を各々抽出し(126)、Yのヒストグラムからシャドー点の階調値を抽出し、これらから第2の補正条件を設定する(130)。そして、画像のダイナミックレンジを求め(132)、ダイナミックレンジに応じて設定した重み係数を用いて第1の補正条件と第2の補正条件の加重平均に相当する変換データを生成し(134)、生成した変換データを用いて3D−LUTによって処理対象の画像データを変換する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像補正装置、方法及びプログラムに係り、特に、画像の濃度及び色バランスを補正するための画像補正方法、該画像補正方法を適用可能な画像補正装置、及び、コンピュータを前記画像補正装置として機能させるためのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
カメラやデジタルスチルカメラ(DSC)等の撮影装置を用いて任意の被写体を撮影することで得られた画像の濃度や色バランスを補正するための補正方法としては、従来より種々の補正方法が提案されており、例えば補正対象の画像から標準濃度領域の平均濃度を算出すると共に、補正対象の画像から抽出した主要画像部分の平均濃度及び面積率を算出し、算出結果に基づいて補正対象の画像の代表濃度を算出し、算出した代表濃度が目標濃度となるように濃度補正曲線を定め、該濃度補正曲線に基づいて補正対象の画像の濃度を補正する技術が提案されている(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−199221号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記技術は、例えば人物写真では人物の顔が最も注目される等のように、画像の観賞で注目されるのは一定の部分(主要画像部分)であることが殆どであるという事実に基づいており、上記技術を適用することで、大多数の画像については濃度等を適正に補正することができるが、上記技術は、極端な露出不足で撮影された画像等のように、ダイナミックレンジ(最大濃度と最小濃度の差)が非常に小さい画像の濃度等を適正に補正することが困難であるという欠点があった。
【0005】
最近、写真プリントの作成等の写真処理をインターネット経由で依頼する依頼形態が普及してきているが、この依頼形態では、写真フィルムに撮影記録された画像の同時プリントが依頼される場合と同様に、依頼主としての顧客自身により画像の内容が確認されることなく写真処理が依頼されることも多く、写真処理が依頼された画像の中に、上記のようにダイナミックレンジが非常に小さい画像が混在していることも増えてきている。このため、ダイナミックレンジが非常に小さい画像についても濃度等を適正に補正できる補正方式の確立が求められるようになってきている。
【0006】
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、ダイナミックレンジが非常に小さい画像の濃度等も適正に補正可能な画像補正装置、画像補正方法及びプログラムを得ることが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願発明者は、ダイナミックレンジが非常に小さい画像に対し、公知の種々の補正方法を適用して濃度等を補正し、補正結果を評価する実験を行った。その結果、ダイナミックレンジが非常に小さい画像に対しては、画像のハイライトに相当する階調値とシャドーに相当する階調値の差(すなわちダイナミックレンジ)が所定値となるように(元の画像よりも拡大されるように)濃度等を補正する補正方法を適用すれば、画像のダイナミックレンジが拡大されることで濃度等を適正に補正できるとの知見を得、本発明を成すに至った。
【0008】
上記に基づき請求項1記載の発明に係る画像補正装置は、補正対象画像の主要部領域を認識し、認識した主要部領域の特徴量に基づいて前記補正対象画像を補正するための第1の補正条件を演算する第1演算手段と、前記補正対象対象画像におけるハイライトに相当する階調値とシャドーに相当する階調値の差が所定値となるように前記補正対象画像を補正するための第2の補正条件を演算する第2演算手段と、前記補正対象画像のダイナミックレンジに基づいて前記第1の補正条件及び前記第2の補正条件に対する重みを設定する設定手段と、前記設定手段によって設定された重みに基づき、前記補正対象画像に対し、前記第1演算手段によって演算された第1の補正条件での補正と、前記第2演算手段によって演算された第2の補正条件での補正の加重平均に相当する補正を行う補正手段と、を含んで構成されている。
【0009】
請求項1記載の発明に係る第1演算手段は、補正対象画像の主要部領域を認識し、認識した主要部領域の特徴量に基づいて前記補正対象画像を補正するための第1の補正条件を演算する。これにより、ダイナミックレンジが非常に小さい一部の画像を除いた大多数の画像について濃度等を適正に補正できる補正条件(第1の補正条件)を得ることができる。また、請求項1記載の発明に係る第2演算手段は、補正対象対象画像におけるハイライトに相当する階調値とシャドーに相当する階調値の差が所定値となるように(例えば前記階調値の差が元の画像より拡大されるように)補正対象画像を補正するための第2の補正条件を演算する。これにより、ダイナミックレンジが非常に小さい画像について濃度等を適正に補正できる補正条件(第2の補正条件)を得ることができる。
【0010】
また、請求項1記載の発明では、補正対象画像のダイナミックレンジに基づいて、第1の補正条件及び第2の補正条件に対する重みが設定手段によって設定される。なお、上記の重みは、例えば補正対象画像のダイナミックレンジが比較的大きい場合には第1の補正条件に対する重みが大きくなり、ダイナミックレンジが非常に小さい場合には第2の補正条件に対する重みが大きくなるように設定することができる。
【0011】
そして、請求項1記載の発明に係る補正手段は、設定手段によって設定された重みに基づき、第1演算手段によって演算された第1の補正条件での補正と、第2演算手段によって演算された第2の補正条件での補正の加重平均に相当する補正を補正対象画像に対して行う。このように、請求項1記載の発明では、補正対象画像に対する補正の内容(第1の補正条件での補正と第2の補正条件での補正の比重)を、補正対象画像のダイナミックレンジに応じて変化させることができるので、ダイナミックレンジが非常に小さい画像の濃度等も適正に補正することが可能となる。
【0012】
なお、請求項1記載の発明において、第1演算手段は、例えば請求項2に記載したように、補正対象画像のうち彩度が所定値以下の画素群の色座標上での分布に基づいて色バランスの補正条件を設定すると共に、認識した主要部領域の特徴量から求めた補正対象濃度が所定の目標濃度に変換されるように濃度の補正条件を設定し、第1の補正条件として、設定した補正条件で補正対象画像の色バランス及び濃度を補正する補正条件を演算するように構成することができる。これにより、補正対象画像が異種光源による照明下で撮影された画像である場合にも、補正対象画像の色バランスを適正に補正できる補正条件を得ることができ、第1の補正条件として、ダイナミックレンジが非常に小さい一部の画像を除いた大多数の画像の濃度や色バランスを適正に補正できる補正条件を得ることができる。
【0013】
また、請求項1記載の発明において、第2演算手段は、例えば請求項3に記載したように、第2の補正条件として、補正対象画像における各色成分毎のハイライトに相当する階調値が各々第1の所定値になり、補正対象画像におけるシャドーに相当する階調値が第2の所定値となるように補正対象画像を補正する補正条件を演算するように構成することができる。これにより、補正対象画像が異種光源による照明下で撮影された画像である場合にも、補正対象画像の色バランスを適正に補正できる補正条件を得ることができ、第2の補正条件として、ダイナミックレンジが非常に小さい画像の濃度や色バランスを適正に補正できる補正条件を得ることができる。
【0014】
また、請求項1記載の発明において、第1の補正条件及び第2の補正条件は補正演算の演算式等であってもよいが、第1の補正条件及び第2の補正条件が、補正対象画像を変換することで補正対象画像を補正するための変換条件である場合には、補正手段は、例えば請求項4に記載したように、第1の補正条件に相当する変換条件と第2の補正条件に相当する変換条件の加重平均に相当する変換条件を求め、該求めた変換条件に従って補正対象画像を変換することで、前記加重平均に相当する補正を行うように構成することができる。
【0015】
また、請求項4記載の発明において、補正手段は3次元ルックアップテーブルを含んで構成することができ、この場合補正手段は、例えば請求項5に記載したように、求めた変換条件を前記3次元ルックアップテーブルにセットした後に補正対象画像のデータを入力することで補正を行うことができる。これにより、第1の補正条件での補正と第2の補正条件での補正の加重平均に相当する補正を簡単な処理によって実現することができる。
【0016】
請求項6記載の発明に係る画像補正方法は、補正対象画像の主要部領域を認識し、認識した主要部領域の特徴量に基づいて前記補正対象画像を補正するための第1の補正条件を演算し、且つ、前記補正対象対象画像におけるハイライトに相当する階調値とシャドーに相当する階調値の差が所定値となるように前記補正対象画像を補正するための第2の補正条件を演算すると共に、前記補正対象画像のダイナミックレンジに基づいて前記第1の補正条件及び前記第2の補正条件に対する重みを設定し、設定した重みに基づき、前記補正対象画像に対し、前記演算した第1の補正条件での補正と、前記演算した第2の補正条件での補正の加重平均に相当する補正を行うので、請求項1記載の発明と同様に、ダイナミックレンジが非常に小さい画像の濃度等も適正に補正することが可能となる。
【0017】
請求項7記載の発明に係るプログラムは、コンピュータを、補正対象画像の主要部領域を認識し、認識した主要部領域の特徴量に基づいて前記補正対象画像を補正するための第1の補正条件を演算する第1演算手段、前記補正対象対象画像におけるハイライトに相当する階調値とシャドーに相当する階調値の差が所定値となるように前記補正対象画像を補正するための第2の補正条件を演算する第2演算手段、前記補正対象画像のダイナミックレンジに基づいて前記第1の補正条件及び前記第2の補正条件に対する重みを設定する設定手段、前記設定手段によって設定された重みに基づき、前記補正対象画像に対し、前記第1演算手段によって演算された第1の補正条件での補正と、前記第2演算手段によって演算された第2の補正条件での補正の加重平均に相当する補正を行う補正手段として機能させる。
【0018】
請求項7記載の発明に係るプログラムは、コンピュータ(例えばDSC等の撮影装置やその他の機器に内蔵されたコンピュータであってもよい)を、上記の第1演算手段、第2演算手段、設定手段及び補正手段として機能させるプログラムであるので、コンピュータが請求項7記載の発明に係るプログラムを実行することにより、コンピュータが請求項1に記載の画像補正装置として機能することになり、請求項1記載の発明と同様に、ダイナミックレンジが非常に小さい画像の濃度等も適正に補正することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。図1には本発明が適用されたカラープリンタ10が示されている。カラープリンタ10は、各感熱発色層を備えた長尺状のカラー感熱記録紙12に画像を記録する構成であり、カラー感熱記録紙12はロール状に巻かれた記録紙ロール13として装置本体11の内部にセットされる。
【0020】
カラー感熱記録紙12は一対の給紙ローラ14によって挟持され、モータ16の駆動力が伝達されて給紙ローラ14が回転されることで下流側へ給紙される。給紙ローラ14の下流側には、複数の発熱素子をライン状に配列した発熱素子アレイ19が取り付けられたサーマルヘッド18が配置されている。サーマルヘッド18は回転軸20を中心として回転可能とされており、図示しないモータの駆動力が伝達されることで、発熱素子アレイ19がカラー感熱記録紙12に圧着する記録位置(破線で示す位置)又はカラー感熱記録紙12から離間する退避位置(実線で示す位置)へ移動される。
【0021】
また、発熱素子アレイ19に対向する部位にはプラテンローラ22が配置されている。プラテンローラ22はカラー感熱記録紙12の搬送に応じて回転し、カラー感熱記録紙12を支持することでカラー感熱記録紙12と発熱素子アレイ19との接触状態の安定性を向上させる。カラー感熱記録紙12への画像記録時、サーマルヘッド18は、プリントデータ(後述)に応じて発熱素子アレイ19の各発熱素子を所定温度に発熱させ、カラー感熱記録紙12の各感熱発色層を選択的に発色させる。
【0022】
サーマルヘッド18の下流側には、画像記録時にカラー感熱記録紙12を搬送するための一対の搬送ローラ26が配置されている。搬送ローラ26はモータ16の駆動力が伝達されて回転される。そして、カラー感熱記録紙12は、給紙ローラ14及び搬送ローラ26により、記録紙ロール13から引き出される給紙方向又は記録紙ロール13に巻き戻される巻戻し方向に搬送される。
【0023】
また、サーマルヘッド18と搬送ローラ26の間には定着装置28が配置されている。定着装置28は、イエロー用紫外線ランプ29、マゼンダ用紫外線ランプ30、及び、紫外線ランプ29,30から発せられた紫外線をカラー感熱記録紙12へ向けて反射させるためのリフレクタ31を備えている。紫外線ランプ29,30から発せられた紫外線により、カラー感熱記録紙12の画像記録済みのイエロー感熱発色層及びマゼンダ感熱発色層は、再度加熱されても発色しないように定着される。
【0024】
また、搬送ローラ26の下流側にはプリント排出口34が形成されており、プリント排出口34と搬送ローラ26の間には、カラー感熱記録紙12を切断する切断装置32が配置されている。切断装置32で切断されたカラー感熱記録紙12は、プリント排出口34を介して装置本体11の外部へ排出される。
【0025】
次に、図2を参照してカラープリンタ10の制御系の構成について説明する。カラープリンタ10はその装置全体の動作を司るCPU60及びI/O回路62を備え、CPU60にはRAM86及びROM88が接続されている。RAM86の記憶領域には、CPU60が各種の処理を行う際に一時的にデータを記憶するためのワーク領域等が形成されている。また、ROM88には後述する画像補正処理を行うための画像補正プログラムが記憶されている。なお、この画像補正プログラムは請求項7に記載のプログラムに対応している。
【0026】
また、I/O回路62にはデジタルスチルカメラ(DSC)64(の記録メディア)やコンピュータ66が接続され、DSC64又はコンピュータ66から画像データ(例えば各画素の色をR,G,B各8ビットで表す画像データ)が入力される。I/O回路62にはフレームメモリ68が接続されており、I/O回路62に入力された画像データはフレームメモリ68に記憶される。なお、I/O回路62にはビデオ出力端子が設けられており、該ビデオ出力端子を介してI/O回路62と接続されるディスプレイ70には、ビデオ出力端子を介して出力された画像データ(NTSC方式のコンポジット信号)が表す画像が表示される。
【0027】
また、フレームメモリ68にはメモリコントローラ72及びプリントデータ形成部74に接続されている。フレームメモリ68に記憶された画像データは、CPU60によって画像補正処理が行われることで補正された後に、CPU60によってメモリコントローラ72が制御されることでフレームメモリ68から読み出され、プリントデータ形成部74へ出力される。プリントデータ形成部74は、フレームメモリ68から入力された画像データに基づき、発熱素子アレイ19を駆動するプリントデータを生成する。プリントデータ形成部74で生成されたプリントデータはヘッドドライバ76に供給される。ヘッドドライバ76は、入力されたプリントデータに応じて、発熱素子アレイ19の各発熱素子を発熱させる。これにより、発熱素子アレイ19の各発熱素子によってカラー感熱記録紙12の各感熱発色層に画像が記録されることになる。
【0028】
次に本実施形態の作用として、カラー感熱記録紙12に記録すべき画像を表す画像データが、DSC64又はコンピュータ66から入力されてフレームメモリ68に記憶され、ROM88に記憶されている画像補正プログラムがCPU60によって実行されることで実現される画像補正処理について、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0029】
ステップ100では、フレームメモリ68に記憶されている処理対象の画像データを読み出し、読み出した処理対象の画像データを画素単位で間引くことで、元の画像データが表す画像を縮小した画像(例えば128画素×92画素、160画素×120画素程度のサムネイル画像)を表す縮小画像データを生成する。またステップ102では、ステップ100で生成した縮小画像データからR,G,Bのヒストグラムを生成すると共に、縮小画像データを所定の演算式に従ってYCbCr表色系のデータへ変換し、変換によって得られたYCbCr表色系のデータY,Cb,CrからY,Cb,Crのヒストグラムを生成する。
【0030】
次のステップ104〜124では、本発明に係る第1の補正条件に相当する変換データを求める処理を行う。すなわち、ステップ104では、縮小画像データから得られたYCbCr表色系のデータY,Cb,Crに基づいてカラーバランス補正量を設定する。具体的には、まずYCbCr色空間上に、例として図4に示すようにY軸に沿って延びるグレイ検出ゾーンを設定する。図4の例では、グレイ検出ゾーンとして、各々楕円体状で中間輝度付近での半径が相違している2種類のグレイ検出ゾーン(グレイ検出ゾーン(内側)及びグレイ検出ゾーン(外側))を示している。
【0031】
次に、縮小画像データから得られたデータY,Cb,Crに基づいて、縮小画像データ上の各画素のうち、YCbCr色座標上での位置が各グレイ検出ゾーン内に位置している画素を抽出し、グレイ検出ゾーン(内側)内に位置している画素の色バランスGrayIn_Cb,GrayIn_Crを求めると共に、グレイ検出ゾーン(内側)の外側に位置しておりかつグレイ検出ゾーン(外側)内に位置している画素の色バランスGrayOut_Cb,GrayOut_Crを求める。そして、処理対象の画像のグレイバランスGray_Cb,Gray_Crを次の(1)式に従って求める。
Gray_Cb=(GrayIn_Cb+GrayOut_Cb)/2
Gray_Cr=(GrayIn_Cr+GrayOut_Cr)/2 …(1)
なお、処理対象の画像のグレイバランスとして、上記のように各グレイ検出ゾーン内に位置している画素の色バランスの平均を求めることに代えて、各グレイ検出ゾーンに対して各々重みを付与し、各グレイ検出ゾーン内に位置している画素の色バランスの加重平均を求めるようにしてもよい。
【0032】
また、カラーバランス補正量Cb_offset,Cr_offsetとしては、処理対象の画像のグレイバランスGray_Cb,Gray_Crをそのまま用い、グレイバランスGray_Cb,Gray_Crが各々0となるように設定してもよいが、処理対象の画像データがDSC64から入力された画像データ(例えばEXIF形式やその他の形式の画像ファイル)である場合、該画像データには撮影時の撮影条件を表す撮影情報が付加されているので、この撮影情報のうち撮影輝度BV(Brightness Value)に基づいて定まる係数を処理対象の画像のグレイバランスGray_Cb,Gray_Crに乗じた値をカラーバランス補正量Cb_offset,Cr_offsetとして用いる(次の(2)式参照)ようにしてもよい。
Cb_offset=Gray_Cb×f(BV)
Cr_offset=Gray_Cr×f(BV) …(2)
【0033】
なお、上式において、関数f(BV)は撮影輝度BVに応じて値が変化する強度係数であり、例えばBV<0(夜景や花火のシーン)の場合にはf(BV)=1.0、0≦BV<1(薄暗いタングステン光源、蛍光灯、ミックス光源下のシーン)の場合にはf(BV)=0.1×BV+1、1≦BV<3(通常の室内のシーン)の場合にはf(BV)=1.1、3≦BV<6(日中野外や逆光気味のシーン)の場合にはf(BV)=−2×BV/15+1.5、6≦BV(晴天日中野外や海山のシーン)の場合にはf(BV)=0.7となるように定めることができる。
【0034】
また、撮影情報にはストロボを使用して撮影したか否かを表す情報も含まれているが、該情報を利用し、撮影時にストロボが使用されたか否かに応じて強度係数を変更するようにしてもよい。例えば上記の例では、撮影輝度BVが若干暗いシーンに対応する値のときに強度係数を1より大きい値にしているが、ストロボを使用して撮影された場合には画像のグレイバランスが適切であることが比較的多いので、強度係数の値を小さくする(例えば0.8程度の値にする)ようにしてもよい。
【0035】
ステップ106では縮小画像を複数の領域に分割するための閾値を設定する。すなわち、まず縮小画像の各画素のうちの特定画素P0に対し、特定画素P0と特定画素P0の周囲に存在する8近傍の画素P1〜P8(図5参照)との輝度差を演算し、その平均値(平均輝度差)を演算する。また、特定画素P0とその8近傍の画素P1〜P8との色差を演算し、その平均値(平均色差)も演算する。そして上記の演算を縮小画像の各画素に対して各々行い、各画素毎の平均輝度差の平均値(画面内平均輝度差Ymean)を求める。
【0036】
本実施形態において、縮小画像を複数の領域へ分割することは、縮小画像の各画素について、平均輝度差及び平均色差が閾値以上か否かに基づき、領域の境界に相当する画素か否かを判断することによって行う。このため、縮小画像を分割したときの分割領域の数は閾値に応じて変化する。例として図6には、画面内平均輝度差Ymeanに係数を乗じた値を平均輝度差の閾値として用い、多数の自然画像(縮小画像)に対して領域分割を行って分割領域の数を求めることを、係数の値を変更しながら繰り返したときの、係数の値と分割領域の数(最大領域数、平均領域数及び最小領域数)との関係を示す。
【0037】
本願発明者によれば、縮小画像の総画素数の2割程度の数の領域に縮小画像を分割すれば、元の処理対象の画像の特徴が反映された領域分割が可能であることが判明している。従って、縮小画像の総画素数に基づき図6に示す関係を用いて係数を決定し、決定した係数を画面内平均輝度差Ymeanに乗ずることで平均輝度差の閾値を求めることができる。
【0038】
例えば縮小画像が160画素×120画素の画像である場合、総画素数は19200であり、適当な分割領域の数は総画素数の2割である3840となる。図5に示す係数の値と分割領域の数(平均領域数)との関係において、分割領域の数が3840となるときの係数の値は0.5であるので、画面内平均輝度差Ymeanに0.5を乗じた値を平均輝度差の閾値とすることができる。なお、平均色差の閾値については、予め固定的に定めておいてもよいし、各画素毎の平均色差の平均値(画面内平均色差)に応じて値を変更するようにしてもよい。
【0039】
次のステップ108では、ステップ106で決定した閾値を用いて縮小画像を複数の領域に分割する。具体的には、例えば縮小画像上の隣り合う画素の平均輝度差及び平均色差を比較し、平均輝度差の差が閾値以下でかつ平均色差の差が閾値以下の場合には、該隣り合う画素同士を同一領域の画素とすることを、縮小画像を順にスキャンしながら繰り返す。これにより、縮小画像は、領域内の輝度及び色相が各々略均一な複数の領域に分割されることになる。また、領域分割が終了すると、各領域毎に平均濃度や彩度等の特徴量を演算する。
【0040】
ステップ110では、分割によって得られた複数の領域から主要部領域でないと推定される領域を除去する。すなわち、まず各領域の彩度を所定値と比較し、彩度が所定値以上の領域を除去する。続いて、以下の(3)式に従って第1の限界濃度DFminを求めると共に、(4)式に従って第2の限界濃度DFmaxを求める。
DFmin=(Dmin+Dstd)/2 …(3)
DFmax=(Dmax+Dstd)/2 …(4)
但し、Dminは縮小画像の最低濃度、Dmaxは縮小画像の最高濃度、Dstdは基準濃度(例えばDstd=0.75)である。次に、未除去の領域のうち、平均濃度が第1の限界濃度DFmin以上又は第2の限界濃度DFmax以下の領域を除去候補領域として抽出する。
【0041】
次に、除去候補領域として抽出した各領域について、次の(5)式に従って濃度フェリア・モーメントdfmntを各々演算する。
dfmnt=|dav−Dstd|×s …(5)
但し、davは除去候補領域の平均濃度、sは除去候補領域の面積である。そして、各除去候補領域の濃度フェリア・モーメントdfmntの値を比較し、濃度フェリア・モーメントdfmntの値の降順に所定数の除去候補領域を除去する。従って、ステップ110の処理により、高彩度の領域が除去されると共に、低輝度(高濃度)又は高輝度(低濃度)で比較的大面積の領域が除去されることになる。
【0042】
ステップ112では、ステップ110の処理を経て除去されずに残存している領域全体の平均濃度Davを演算する。またステップ114では、残存している領域の中から主要部領域として色相が肌色の領域を抽出し、抽出した主要部領域の平均濃度Ds及び面積率Rsを演算する。なお、上記の「色相が肌色」という条件以外に、例えば「面積が規定値以内」「中心位置が縮小画像の四隅から所定値以上離間している」「細長い形状でない」等の条件を付加して主要部領域を抽出するようにしてもよい。
【0043】
次のステップ116では補正対象濃度Dtargを演算する。この演算は、まず例として図7に示すような変換条件に従い、主要部領域の面積率Rsを補正係数coef(Rs)へ変換した後に、平均濃度Dav、主要部領域の平均濃度Ds及び補正係数coef(Rs)を次の(6)式に代入することで実現することができる。
Dtarg=[[3−2×coef(Rs)]×Dav+2×coef(Rs)×Ds]/3 …(6)
そしてステップ118では、ステップ116で求めた補正対象濃度Dtargを、固定的に定められた基準濃度Dstdへ変換する濃度補正カーブを設定する。これにより、例として図8に示すような濃度補正カーブが得られる。なお、基準濃度Dstdに代えて、次の(7)式で規定される目標濃度Dtargを用いてもよい。
Dtarg=Dstd−C1×coef(Rs) …(7)
但し、C1は処理対象の画像が逆光シーンを撮影した画像か否かに応じて値が0又は1となる定数である。
【0044】
またステップ120では、ステップ118で設定した濃度補正カーブに基づいて輝度補正カーブを生成する。すなわち、まずステップ102で生成したYのヒストグラムにおいて、輝度Yの最大値からの累積画素数が総画素数の0.4%となる点(ハイライト点)に相当する輝度Ymaxを求めると共に、輝度Yの最小値からの累積画素数が総画素数の0.4%となる点(シャドー点)に相当する輝度Yminを求める。
【0045】
そして、例えば図9に示すように、輝度入力値Yinがハイライト点に相当する輝度Ymaxのときには最大輝度(例えば輝度出力値Youtが8ビットであれば255)へ変換され、輝度入力値Yinがシャドー点に相当する輝度Yminのときには最小輝度(例えば輝度出力値Youtが0)へ変換されると共に、輝度入力値Yinが輝度Ymaxと輝度Yminの間に相当する中間階調の値のときには、ステップ118で設定した濃度補正カーブに応じた変換特性で輝度出力値へ変換されるように輝度補正カーブの変換特性を設定し、設定した変換特性で輝度の変換が行われるように輝度補正カーブを生成する。
【0046】
これにより、輝度入力値Yinに対し、主要部領域を抽出して求めた補正対象濃度Dtargを基準濃度Dstdへ変換する濃度補正を行って(このときコントラストの補正も同時に行われる)輝度出力値Youtとして出力する輝度補正カーブが得られることになる。また、ステップ122では縮小画像データに基づいて彩度補正量を演算する。なお、彩度補正量の演算については説明を省略するが、例えば特開2001−218078号公報に記載の技術を適用することができる。
【0047】
そしてステップ124では、ステップ104で設定されたカラーバランス補正量、ステップ106〜120の処理によって設定された輝度補正カーブ、及び、ステップ122で演算された彩度補正量に基づいて、図10に示すように、入力されたR,G,BのデータをYCbCr表色系のデータへ変換し、データYに対し輝度補正カーブに応じた濃度補正(及びコントラスト補正)を行ったことに相当するデータY’へ変換すると共に、データCb,Crに対してカラーバランス補正量に応じたカラーバランス補正を行ったことに相当するデータCb’,Cr’へ変換し、更にデータCb’,Cr’に対して彩度補正量に応じた彩度補正を行ったことに相当するデータCb”,Cr”へ変換し、変換後のY’,Cb”,Cr”のデータをR’,G’,B’のデータへ変換することを、一回の変換により実現するための変換データ(本発明に係る第1の補正条件に相当)を設定する。
【0048】
なお、上記の変換は3次元ルックアップテーブル(3D−LUT)を用いて行われるが、本実施形態では変換データ(入力データと対応付けて記憶する、出力データを規定するデータ)のデータ量を削減するために変換データの間引きを行っており、R,G,B各8ビットのデータの各々が、8ビットのデータで表現可能な数値範囲(0〜255)を8刻みで分割したときの分割位置に相当する値であった場合の変換データのみを記憶しておき、3D−LUTに入力されたR,G,Bのデータに対応する変換データが存在しない場合は、記憶されている変換データから出力データを補間演算によって求めるようにしている。
【0049】
このため、ステップ124における変換データの設定は、格子点(互いに直交するR,G,Bの各座標軸で規定されるRGB色空間上に分布する、R,G,B各8ビットのデータで表現可能な色再現範囲を、8ビットのデータで表現可能な256階調を8階調毎に区切ったときの境界に相当する位置で分割することで、前記色再現範囲を格子状に多数の立方体領域へ区切ったときの個々の矩形領域の頂点に相当する点)に対応するR,G,Bのデータについてのみ、前述した一連の変換(R,G,B→R’,G’,B’の変換)を行い、変換後のデータを変換前のデータと対応付けることによって成される。
【0050】
上記により、ダイナミックレンジが非常に小さい画像を除く大多数の画像の濃度や色バランス、彩度等を適正に補正できる変換データを得ることができる。なお、上述したステップ104〜124は本発明に係る第1演算手段(詳しくは請求項2に記載の第1演算手段)に対応している。
【0051】
次のステップ126〜130では、本発明に係る第2の補正条件に相当する変換データを求める処理を行う。すなわち、ステップ126ではステップ102で生成したR,G,Bのヒストグラムからハイライト点(濃度R又は濃度G又は濃度Bの最小からの累積画素数が総画素数の0.4%となる点)に相当する濃度Rmax,Gmax,Bmaxを各々抽出する。またステップ128では、ステップ102で生成した輝度Y(Y=0.299×R+0.587×G+0.114×B)のヒストグラムからシャドー点(輝度Yの最小値からの累積画素数が総画素数の0.4%となる点)に相当する階調値Yminを求める。
【0052】
そしてステップ130では、R,G,Bの各色成分について、例として図11に示すように、ハイライト点に相当する濃度値Rmax又は濃度値Gmax又は濃度値Bmaxを255、シャドー点に相当する階調値Yminを0に変換し、かつ中間階調を線形変換する変換条件を定め、入力されたR,G,Bのデータを、上記で定めた変換条件に従ってR’,G’,B’のデータへ変換することを3D−LUTによって実現するための変換データ(本発明に係る第2の補正条件に相当)を設定する。なお、上記の変換条件を演算式で表すと以下のようになる。
R’=255×(R−Ymin)/(Rmax−Ymin)
G’=255×(G−Ymin)/(Gmax−Ymin)
B’=255×(B−Ymin)/(Bmax−Ymin)
また、ステップ130における変換データの設定についても、格子点に対応するR,G,Bのデータについてのみ、定めた変換条件に基づく変換(R,G,B→R’,G’,B’の変換)を行い、変換後のデータを変換前のデータと対応付けることによって成される。
【0053】
上記の処理により、ハイライト点に相当する濃度値とシャドー点に相当する濃度値の差を最大(255)とする変換条件(ダイナミックレンジを最大限拡大する変換条件)を実現する変換データが得られるので、該変換データに従って画像データを変換することで、ダイナミックレンジが非常に小さい画像の濃度等を適正に補正することができる。また、上記の変換データによって実現される変換条件は、ハイライト点に相当する濃度値Rmax,Gmax,Bmaxを各々同一の値(=255)に変換する変換条件であるので、例えば処理対象の画像が異種光源による照明下で撮影された画像である等の理由で、処理対象の画像中のハイライト点に異種光源特有の色味が付いている場合にも、上記の変換データによる変換を行うことでハイライト点の色味が白となるように補正されることになり、異種光源補正も同時に行われることになる。なお、上述したステップ126〜130は本発明に係る第2演算手段(詳しくは請求項3に記載の第2演算手段)に対応している。
【0054】
ステップ132では、縮小画像におけるY輝度の最大値dmax及び最小値dminを求め、次の(8)式に従い画像のダイナミックレンジdを演算する。
d=dmax−dmin …(8)
ステップ134では、ステップ132で求めたダイナミックレンジdに基づき、第1の補正条件に相当する変換データに対する重み係数c(d)を求める。重み係数c(d)としては、例えば図12にも示すように、
d≦d1の場合 :c(d)=0
d1<d<d2の場合:c(d)=(d−d1)/(d2−d1)
d≧d2の場合 :c(d)=1
なる特性を有する関数を用いることができる。そして、求めた重み係数c(d)に基づき、第1の補正条件に相当する変換データと第2の補正条件に相当する変換データの加重平均に相当する変換データを生成する。
【0055】
なお、上記の変換データの生成は、変換データの設定についても、各格子点について次の(9)式の演算を各々行うことで実現できる。
f(r,g,b)=c(d)×p(r,g,b)+(1−c(d))×q(r,g,b) …(9)
但し、p(r,g,b)は第1の補正条件に相当する変換データのうち特定の格子点に対応する変換データ、q(r,g,b)は第2の補正条件に相当する変換データのうち特定の格子点に対応する変換データ、f(r,g,b)は特定格子点に対応する加重平均に相当する変換データである。
【0056】
上述したように、ステップ134で生成した変換データは、第1の補正条件に相当する変換データと第2の補正条件に相当する変換データを、画像のダイナミックレンジに応じた重み係数c(d)を用いて重み付けして平均化したに相当する変換条件を表す変換データであるので、該変換データを用いて処理対象の画像データを変換することで、処理対象の画像のダイナミックレンジの大小に拘らず、処理対象の画像の濃度等を適正に補正することができる。
【0057】
なお、上述したステップ132及びステップ134のうち重み係数c(d)を求める処理は本発明に係る設定手段に対応しており、ステップ134のうち加重平均に相当する変換データを求める処理は、該変換データに従って処理対象の画像データを実際に変換する処理と共に、本発明に係る補正手段(詳しくは請求項4,5に記載の補正手段)に対応している。
【0058】
上述した画像補正処理が終了すると、CPU60は画像補正処理によって得られた変換データを3D−LUTとして機能する変換テーブルに設定する。そして、フレームメモリ68に記憶されている処理対象の画像データを、個々の画素のデータを単位として順に取り出し、変換データを設定した変換テーブルに基づいて順次変換する。
【0059】
この変換は、まず取り出した画素データ(R,G,B各8ビットのデータ)を出力データと対応付ける変換データが変換テーブルに登録されているか(すなわち格子点位置に相当するデータであるか)否かを判断し、変換テーブルに登録されていた場合には、画素データと対応付けて変換テーブルに登録されている出力データ(R,G,B各8ビットのデータ)を出力し、画素データが変換テーブルに登録されていなかった場合には、RGB色空間上で画素データの座標位置の周囲に位置している複数の格子点位置のデータと対応付けて変換テーブルに登録されている複数の出力データに基づいて、画素データに対応する出力データを補間演算によって求めることによって成される。上記の変換により、処理対象の画像のダイナミックレンジの大小に拘らず、処理対象の画像の濃度等が適正に補正されることになる。
【0060】
3D−LUTによる変換を経た処理対象の画像データは、一旦フレームメモリ68に記憶された後にプリントデータ形成部74へ入力され、プリントデータ形成部74によってプリントデータへ変換される。このプリントデータがヘッドドライバ76に供給され、ヘッドドライバ76がプリントデータに応じて発熱素子アレイ19の各発熱素子を発熱させることで、カラー感熱記録紙12の各感熱発色層に画像が記録される。そして、画像が記録されたカラー感熱記録紙12は、定着装置28によって画像が定着された後に、切断装置32によって画像齣単位で切断され、プリント排出口34を介して装置本体11の外部へ排出されることになる。
【0061】
なお、上記では本発明に係る第1の補正条件での補正と本発明に係る第2の補正条件での補正の加重平均に相当する補正を実現するための変換データを求め、求めた変換データを3D−LUTに設定して処理対象の画像データを変換することで、処理対象の画像データに対して前記加重平均に相当する補正を行う態様を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、前記加重平均に相当する補正を行うための演算式を求め、処理対象の画像データに対して前記演算式に従って補正演算を施すことで、前記加重平均に相当する補正を行うようにしてもよい。
【0062】
また、上記ではカラー感熱記録紙12に画像を記録する構成のカラープリンタ10における画像データの補正に本発明を適用した例を説明したが、本発明はデジタル画像の補正に広く適用可能であり、例えば写真フィルムに記録された画像を読み取ることでデータ化し、印画紙に露光記録することで写真プリントを作成する場合の補正に適用したり、デジタルスチルカメラ(DSC)等によって被写体を撮像することで得られた画像データに対する補正(例えばインターネット等のネットワーク経由で依頼された写真処理を行う際の画像補正)に適用することも可能である。
【0063】
また、上記で説明した画像補正処理を実現するための画像補正プログラムと、画像補正処理によって生成された変換データに基づいて画像データを変換することで画像データを補正する変換プログラムをDSCに記憶させておくことで、本発明に係る画像補正をDSCで行わせるようにしてもよい。この態様では、DSCが本発明に係る画像補正装置として機能することになる。
【0064】
更に、パーソナル・コンピュータ(PC)等で実行するための画像処理ソフトに、上記の画像補正プログラム及び変換プログラムを付加することで、本発明に係る画像補正をPCで行わせるようにしてもよい。この態様ではPCが本発明に係る画像補正装置として機能することになる。また、上記の画像処理ソフトも請求項7に記載のプログラムに対応している。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、補正対象画像の主要部領域を認識し、認識した主要部領域の特徴量に基づいて演算した第1の補正条件と、補正対象対象画像におけるハイライトに相当する階調値とシャドーに相当する階調値の差が所定値となるように演算した第2の補正条件に対する重みを、補正対象画像のダイナミックレンジに基づいて設定し、補正対象画像に対し、第1の補正条件での補正と第2の補正条件での補正の加重平均に相当する補正を行うようにしたので、ダイナミックレンジが非常に小さい画像の濃度等も適正に補正することが可能となる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るカラープリンタの概略構成図である。
【図2】カラープリンタの制御系の概略構成を示すブロック図である。
【図3】画像補正処理の内容を示すフローチャートである。
【図4】グレイ検出ゾーンの一例を示す概念図である。
【図5】特定画素とその周囲の8近傍の画素を示す概念図である。
【図6】画面内平均輝度差Ymeanに乗ずる係数の値と分割領域の数(最大領域数、平均領域数及び最小領域数)との関係の一例を示す線図である。
【図7】主要部領域の面積率Rsと補正係数coef(Rs)との関係の一例を示す線図である。
【図8】濃度補正カーブの一例を示す線図である。
【図9】輝度補正カーブの一例を示す線図である。
【図10】第1の変換条件による変換の概要を示す概念図である。
【図11】第2の変換条件の変換特性の一例を示す線図である。
【図12】ダイナミックレンジdと重み係数c(d)との関係の一例を示す線図である。
【符号の説明】
10 カラープリンタ
12 カラー感熱記録紙
18 サーマルヘッド
28 定着装置
32 切断装置
60 CPU
68 フレームメモリ

Claims (7)

  1. 補正対象画像の主要部領域を認識し、認識した主要部領域の特徴量に基づいて前記補正対象画像を補正するための第1の補正条件を演算する第1演算手段と、
    前記補正対象対象画像におけるハイライトに相当する階調値とシャドーに相当する階調値の差が所定値となるように前記補正対象画像を補正するための第2の補正条件を演算する第2演算手段と、
    前記補正対象画像のダイナミックレンジに基づいて前記第1の補正条件及び前記第2の補正条件に対する重みを設定する設定手段と、
    前記設定手段によって設定された重みに基づき、前記補正対象画像に対し、前記第1演算手段によって演算された第1の補正条件での補正と、前記第2演算手段によって演算された第2の補正条件での補正の加重平均に相当する補正を行う補正手段と、
    を含む画像補正装置。
  2. 前記第1演算手段は、前記補正対象画像のうち彩度が所定値以下の画素群の色座標上での分布に基づいて色バランスの補正条件を設定すると共に、認識した主要部領域の特徴量から求めた補正対象濃度が所定の目標濃度に変換されるように濃度の補正条件を設定し、前記第1の補正条件として、設定した補正条件で補正対象画像の色バランス及び濃度を補正する補正条件を演算することを特徴とする請求項1記載の画像補正装置。
  3. 前記第2演算手段は、前記第2の補正条件として、前記補正対象画像における各色成分毎のハイライトに相当する階調値が各々第1の所定値になり、前記補正対象画像におけるシャドーに相当する階調値が第2の所定値となるように補正対象画像を補正する補正条件を演算することを特徴とする請求項1記載の画像補正装置。
  4. 前記第1の補正条件及び第2の補正条件は、前記補正対象画像を変換することで補正するための変換条件であり、前記補正手段は、第1の補正条件に相当する変換条件と第2の補正条件に相当する変換条件の加重平均に相当する変換条件を求め、該求めた変換条件に従って補正対象画像を変換することで、前記加重平均に相当する補正を行うことを特徴とする請求項1記載の画像補正装置。
  5. 前記補正手段は3次元ルックアップテーブルを含んで構成され、前記求めた変換条件を前記3次元ルックアップテーブルにセットした後に補正対象画像のデータを入力することで前記補正を行うことを特徴とする請求項4記載の画像補正装置。
  6. 補正対象画像の主要部領域を認識し、認識した主要部領域の特徴量に基づいて前記補正対象画像を補正するための第1の補正条件を演算し、
    且つ、前記補正対象対象画像におけるハイライトに相当する階調値とシャドーに相当する階調値の差が所定値となるように前記補正対象画像を補正するための第2の補正条件を演算すると共に、
    前記補正対象画像のダイナミックレンジに基づいて前記第1の補正条件及び前記第2の補正条件に対する重みを設定し、
    設定した重みに基づき、前記補正対象画像に対し、前記演算した第1の補正条件での補正と、前記演算した第2の補正条件での補正の加重平均に相当する補正を行う画像補正方法。
  7. コンピュータを、
    補正対象画像の主要部領域を認識し、認識した主要部領域の特徴量に基づいて前記補正対象画像を補正するための第1の補正条件を演算する第1演算手段、
    前記補正対象対象画像におけるハイライトに相当する階調値とシャドーに相当する階調値の差が所定値となるように前記補正対象画像を補正するための第2の補正条件を演算する第2演算手段、
    前記補正対象画像のダイナミックレンジに基づいて前記第1の補正条件及び前記第2の補正条件に対する重みを設定する設定手段、
    前記設定手段によって設定された重みに基づき、前記補正対象画像に対し、前記第1演算手段によって演算された第1の補正条件での補正と、前記第2演算手段によって演算された第2の補正条件での補正の加重平均に相当する補正を行う補正手段
    として機能させるためのプログラム。
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