JP2004297029A - 基板保持装置及び研磨装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板の全体に亘って均一な押圧力を得ることができる基板保持装置及びこのような基板保持装置を備えた研磨装置を提供する。
【解決手段】研磨対象物である基板Wを保持して研磨面に押圧する基板保持装置であって、上下方向に移動可能な上下動部材6と、基板Wに当接する弾性部材7とを備え、弾性部材7は、基板Wの外周縁部に当接する当接部8と、当接部8から上方に延びて上下動部材6に接続される周壁部9とを備え、周壁部9は、上下方向に伸縮自在な伸縮部40を有する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、研磨対象物である基板を保持して研磨面に押圧する基板保持装置、特に、半導体ウェハ等の基板を研磨して平坦化する研磨装置において該基板を保持する基板保持装置に関するものである。また、本発明は、かかる基板保持装置を備えた研磨装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体デバイスがますます微細化され素子構造が複雑になり、またロジック系の多層配線の層数が増えるに伴い、半導体デバイスの表面の凹凸はますます増え、段差が大きくなる傾向にある。半導体デバイスの製造では薄膜を形成し、パターンニングや開孔を行う微細加工の後、次の薄膜を形成するという工程を何回も繰り返すためである。
【0003】
半導体デバイスの表面の凹凸が増えると、薄膜形成時に段差部での膜厚が薄くなったり、配線の断線によるオープンや配線層間の絶縁不良によるショートが起こったりするため、良品が取れなかったり、歩留まりが低下したりする傾向がある。また、初期的に正常動作をするものであっても、長時間の使用に対しては信頼性の問題が生じる。更に、リソグラフィ工程における露光時に、照射表面に凹凸があると露光系のレンズ焦点が部分的に合わなくなるため、半導体デバイスの表面の凹凸が増えると微細パターンの形成そのものが難しくなるという問題が生ずる。
【0004】
従って、半導体デバイスの製造工程においては、半導体デバイス表面の平坦化技術がますます重要になっている。この平坦化技術のうち、最も重要な技術は、化学的機械的研磨(CMP(Chemical Mechanical Polishing))である。この化学的機械的研磨は、研磨装置を用いて、シリカ(SiO)等の砥粒を含んだ研磨液を研磨パッド等の研磨面上に供給しつつ半導体ウェハなどの基板を研磨面に摺接させて研磨を行うものである。
【0005】
この種の研磨装置は、研磨パッドからなる研磨面を有する研磨テーブルと、半導体ウェハを保持するためのトップリング又はキャリアヘッド等と称される基板保持装置とを備えている。このような研磨装置を用いて半導体ウェハの研磨を行う場合には、基板保持装置により半導体ウェハを保持しつつ、この半導体ウェハを研磨テーブルに対して所定の圧力で押圧する。このとき、研磨テーブルと基板保持装置とを相対運動させることにより半導体ウェハが研磨面に摺接し、半導体ウェハの表面が平坦かつ鏡面に研磨される。
【0006】
このような研磨装置において、研磨中の半導体ウェハと研磨パッドの研磨面との間の相対的な押圧力が半導体ウェハの全面に亘って均一でない場合には、半導体ウェハの各部分に与えられる押圧力に応じて研磨不足や過研磨が生じてしまう。そのため、基板保持装置の半導体ウェハの保持面をゴム等の弾性材からなる弾性膜で形成し、弾性膜の裏面に空気圧等の流体圧を加え、半導体ウェハに対する押圧力を全面に亘って均一化することも行われている。
【0007】
上記研磨パッドは弾性を有するため、研磨中の半導体ウェハの外周縁部に加わる押圧力が不均一になり、半導体ウェハの外周縁部のみが多く研磨される、いわゆる「縁だれ」を起こしてしまう場合がある。このような縁だれを防止するため、半導体ウェハの外周縁をガイドリング又はリテーナリングによって保持すると共に、ガイドリング又はリテーナリングによって半導体ウェハの外周縁側に位置する研磨面を押圧する構造を備えた基板保持装置も用いられている。
【0008】
ここで、従来の基板保持装置について図20(a)及び図20(b)を参照して説明する。図20(a)及び図20(b)は従来の基板保持装置を示す部分断面図である。
図20(a)に示すように、基板保持装置は、トップリング本体2と、このトップリング本体2の内部に収容されたチャッキングプレート6と、このチャッキングプレート6に取付けられた弾性膜80とを備えた構成を有している。弾性膜80は、チャッキングプレート6の外周部に配置されており、半導体ウェハWの外周縁部に当接するようになっている。トップリング本体2の下端には環状のリテーナリング3が固定され、このリテーナリング3により半導体ウェハWの外周近傍の研磨面が押圧されるようになっている。
【0009】
チャッキングプレート6は、弾性を有する加圧シート13を介してトップリング本体2に取付けられており、チャッキングプレート6及び弾性膜80は、流体圧を受けてトップリング本体2及びリテーナリング3に対して一定の範囲内で上下方向に動くようになっている。このような構成を有する基板保持装置は、いわゆるフローティング式基板保持装置と称されている。弾性膜80、チャッキングプレート6の下面、及び半導体ウェハWの上面とにより画成される圧力室130には加圧流体が供給され、これにより、チャッキングプレート6が上昇し、同時に、半導体ウェハWが研磨面に押圧される。この状態で、研磨面に研磨液を供給しつつトップリング(基板保持装置)及び研磨面をそれぞれ独立に回転させることにより、半導体ウェハWの下面が平坦状に研磨される。
【0010】
研磨工程が終了した後は、トップリングに半導体ウェハWを吸着保持させ、この状態で、トップリングを移送位置に移動させ、チャッキングプレート6の下部から流体(例えば、加圧流体もしくは窒素と純水を混合したもの)を噴射して半導体ウェハWをリリースする。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のフローティング式の基板保持装置では、チャッキングプレート6が上昇するに従って、半導体ウェハWの外周縁部に接触している弾性膜80がチャッキングプレート6に引き上げられ、この弾性膜80が半導体ウェハWから離れてしまう。このため、半導体ウェハWの外周縁部において半導体ウェハWへの押圧力が局所的に変化してしまい、半導体ウェハWの外周縁部では研磨レートが低下し、その径方向内側の領域では研磨レートが上昇するという問題が生じていた。
【0012】
このような問題は弾性膜の硬度が高いほど顕著に現れるため、硬度の低い弾性膜を用いることによって弾性膜と半導体ウェハとの接触範囲を保持しようとする試みもなされている。しかしながら、フローティング式の基板保持装置では、リテーナリング3を研磨面に摺接しながら研磨が行われるため、経時的にリテーナリング3が磨耗し、半導体ウェハとチャッキングプレート6との距離が短くなる(図20(b)参照)。このため、半導体ウェハWの外周縁部における押圧力が変化してしまい、半導体ウェハWの外周縁部での研磨レート、即ち、研磨プロファイルが変化するという問題が生じていた。また、このような問題から、磨耗したリテーナリングを早期に交換する必要が生じ、リテーナリングのライフタイムが短く制限されていた。
【0013】
また、上記問題に加え、従来の基板保持装置では、研磨開始時に弾性膜と半導体ウェハとが十分に密着していない状態で加圧流体が供給されるため、弾性膜と半導体ウェハとの間から加圧流体が漏れてしまうという問題が生じていた。
【0014】
さらに、半導体ウェハをトップリングからリリースさせる工程において次のような問題が生じている。すなわち、半導体ウェハの裏面(上面)にナイトライドなどの膜が形成されている場合、弾性膜と半導体ウェハとの密着性が良好となるために弾性膜が半導体ウェハから離れない場合がある。この状態で流体が半導体ウェハに噴射され続けると、弾性膜は半導体ウェハに密着したまま伸び続け、流体圧により半導体ウェハが変形してしまい、最悪の場合には半導体ウェハが割れてしまうという問題が生じていた。
【0015】
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたもので、弾性膜を用いて形成された空間に加圧流体を加えることにより基板へ押圧力を与える基板保持装置において、研磨中及び基板の離脱など全工程においてより安定した加工ができる様にする。すなわち、基板の全体に亘って均一な押圧力を得ることができる基板保持装置及びこのような基板保持装置を備えた研磨装置を提供することを第1の目的とする。また、本発明は、基板を速やかに離すことができる基板保持装置及びこのような基板保持装置を備えた研磨装置を提供することを第2の目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、研磨対象物である基板を保持して研磨面に押圧する基板保持装置であって、上下方向に移動可能な上下動部材と、前記基板に当接する弾性部材とを備え、前記弾性部材は、前記基板の外周縁部に当接する当接部と、該当接部から上方に延びて前記上下動部材に接続される周壁部とを備え、前記周壁部は、上下方向に伸縮自在な伸縮部を有することを特徴とする。
【0017】
このように構成された本発明によれば、上下動部材(チャッキングプレート)の上昇に追従して伸縮部が下方に伸張するため、基板に当接している当接部の形状を保持することができる。従って、弾性部材と基板との接触範囲を一定に保つことが可能になり、基板の全面に亘って均一な押圧力を得ることが可能となる。
【0018】
また、リテーナリングが磨耗して上下動部材と基板との距離が変化した場合でも、距離の変化に追従して伸縮部が収縮するため、基板に当接している当接部の形状を保持することができる。これにより、基板の中心から外周部に至るまで均一な圧力で基板を押圧することができ、基板の全域に亘って均一な研磨レート、即ち、研磨プロファイルを実現することが可能となる。さらに、リテーナリングの磨耗に追従して伸縮部が収縮するため、磨耗が進んだリテーナリングを交換することなく、そのまま使用することが可能となる。
【0019】
本発明の好ましい態様は、前記伸縮部は、前記周壁部の所定の部位を周方向に沿って折り曲げることにより構成されていることを特徴とする。この場合において、前記伸縮部の折り曲げ箇所は、略円弧状の断面形状を有することが好ましい。これにより、伸縮部をスムーズに下方に伸張させることが可能となる。
本発明の好ましい他の態様は、前記伸縮部は、前記当接部よりも軟質の材料で形成されていることを特徴とする。
本発明の好ましい他の態様は、前記伸縮部は、前記周壁部の所定の部位を前記当接部よりも薄肉に形成することにより構成されていることを特徴とする。
【0020】
本発明の好ましい態様は、前記周壁部の前記伸縮部よりも下方に位置する部位は、前記当接部よりも硬質の材料で形成されていることを特徴とする。
本発明の好ましい他の態様は、前記周壁部の前記伸縮部よりも下方に位置する部位は、前記当接部よりも肉厚に形成されていることを特徴とする。
本発明の好ましい他の態様は、前記周壁部の前記伸縮部よりも下方に位置する部位には、前記弾性部材よりも硬度が高い硬質部材が埋設されていることを特徴とする。
本発明の好ましい他の態様は、前記周壁部の前記伸縮部よりも下方に位置する部位の表面には、前記弾性部材よりも硬度が高い硬質部材が固着されていることを特徴とする。
本発明の好ましい他の態様は、前記周壁部の前記伸縮部よりも下方に位置する部位の表面には、前記弾性部材よりも硬質の材料がコーティングされていることを特徴とする。
【0021】
このように構成された本発明によれば、周壁部の強度を高めることができ、研磨時に生じる弾性部材のねじれを防止することができる。
【0022】
本発明の好ましい他の態様は、前記当接部の上面に接触して前記当接部を前記基板に対して押圧する押圧部材を設けたことを特徴とする。
このように構成された本発明によれば、押圧部材によって当接部の下面を基板の上面に密着させることができ、当接部と基板との間から加圧流体が漏れてしまうことを防止することができる。
【0023】
本発明の好ましい他の態様は、前記押圧部材の下面に、径方向に延びる複数の溝を形成したことを特徴とする。
また、本発明の好ましい他の態様は、前記当接部の上面に流体を供給する流体供給口を前記押圧部材の下面に形成したことを特徴とする。
このように構成された本発明によれば、加圧流体を溝又は流体供給口を介して当接部の上面に速やかに供給することができる。従って、押圧部材により当接部を基板に押圧した状態で加圧流体により当接部を基板に押圧することができる。
【0024】
本発明の好ましい他の態様は、前記押圧部材と接触する前記当接部の上面に、周方向に延びる肉厚部を設けたことを特徴とする。この場合において、前記肉厚部は、略三角形状又は略円弧状の断面形状を有することが好ましい。
また、本発明の好ましい他の態様は、前記当接部に補強部材を埋設したことを特徴とする。
このように構成された本発明によれば、当接部の強度が高められるため、押圧部材により当接部を基板に対して押圧したときに当接部が周方向にうねってしまうことが防止される。これにより、当接部と基板との密着度が確保され、加圧流体の漏洩が防止される。
【0025】
本発明の好ましい他の態様は、前記当接部の上面に複数の凹凸を形成したことを特徴とする。
このように構成された本発明によれば、上下動部材と当接部との密着性を弱めることができ、上下動部材が上昇するときに、弾性部材の当接部が上下動部材に引き上げられてしまうことが防止される。
【0026】
本発明の他の態様は、請求項1乃至19のいずれか1項に記載の基板保持装置と、研磨面を有する研磨テーブルとを備えたことを特徴とする研磨装置である。また、本発明の他の態様は、請求項1乃至19のいずれか1項に記載の基板保持装置に研磨対象物である基板を保持させ、研磨面を有する研磨テーブルに前記基板を載置し、前記上下動部材を下降させ、前記当接部を前記基板に押圧しながら、前記上下動部材、前記弾性部材、及び前記基板とにより画成される圧力室に加圧流体を供給し、前記基板を前記研磨面に摺接させて前記基板を研磨することを特徴とする研磨方法である。
【0027】
本発明の他の態様は、基板を保持して研磨面に押圧する基板保持装置であって、前記基板とチャッキングプレートとの間に圧力室を形成するための弾性部材を備え、前記弾性部材の前記基板と接する当接部は、前記弾性部材の前記基板からの剥離を促進させる剥離促進部を有することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記剥離促進部は、前記当接部の周縁部に形成された切欠きであることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記当接部の一部は、前記弾性部材を形成する材料よりも前記基板との密着性が弱い材料から形成されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記当接部の全面又は一部には、しぼ加工が施されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記剥離促進部は、前記当接部の周縁部と、他の圧力室を形成する前記弾性部材とを連結する連結部であることを特徴とする
本発明の好ましい態様は、前記剥離促進部は、前記当接部の一部が上方に窪んだ窪み部であり、前記圧力室に加圧流体を供給したときに前記窪み部は前記基板に密着することを特徴とする。
【0028】
このように構成された本発明によれば、流体を基板の上面に噴射させることによって、剥離促進部を起点として当接部を基板から速やかに剥がすことが可能となる。従って、基板を流体圧などで損傷させることなくプッシャーなど基板昇降装置に受け渡すことができる。また、基板の種類、特に、基板の裏面(上面)に形成される膜の種類に影響を受けることなく、基板を弾性部材から良好にリリースすることができる。
【0029】
本発明の他の態様は、請求項22乃至27のいずれか1項に記載の基板保持装置と、研磨面を有する研磨テーブルとを備えたことを特徴とする研磨装置である。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る基板保持装置を備えた研磨装置の全体構成を示す断面図である。ここで、基板保持装置は、ポリッシング対象物である半導体ウェハ等の基板を保持して研磨テーブル上の研磨面に押圧する装置である。図1に示すように、本発明に係る基板保持装置を構成するトップリング1の下方には、上面に研磨パッド101を貼付した研磨テーブル100が設置されている。また、研磨テーブル100の上方には研磨液供給ノズル102が設置されており、この研磨液供給ノズル102によって研磨テーブル100上の研磨パッド101上に研磨液Qが供給されるようになっている。
【0031】
なお、市場で入手できる研磨パッドとしては種々のものがあり、例えば、ロデール社製のSUBA800、IC−1000、IC−1000/SUBA400(二層クロス)、フジミインコーポレイテッド社製のSurfin xxx−5、Surfin 000等がある。SUBA800、Surfin xxx−5、Surfin 000は繊維をウレタン樹脂で固めた不織布であり、IC−1000は硬質の発泡ポリウレタン(単層)である。発泡ポリウレタンは、ポーラス(多孔質状)になっており、その表面に多数の微細なへこみ又は孔を有している。
【0032】
トップリング1は、自在継手部10を介してトップリング駆動軸11に接続されており、トップリング駆動軸11はトップリングヘッド110に固定されたトップリング用エアシリンダ111に連結されている。このトップリング用エアシリンダ111によってトップリング駆動軸11は上下動し、トップリング1の全体を昇降させると共にトップリング本体2の下端に固定されたリテーナリング3を研磨テーブル100に押圧するようになっている。トップリング用エアシリンダ111はレギュレータR1を介して圧力調整部120に接続されている。この圧力調整部120は、加圧流体源から加圧空気等の加圧流体を供給することによって、あるいはポンプ等により真空引きすることによって圧力の調整を行うものである。この圧力調整部120によってトップリング用エアシリンダ111に供給される加圧空気の空気圧等をレギュレータR1を介して調整することができる。これにより、リテーナリング3が研磨パッド101を押圧する押圧力を調整することができる。
【0033】
また、トップリング駆動軸11はキー(図示せず)を介して回転筒112に連結されている。この回転筒112はその外周部にタイミングプーリ113を備えている。トップリングヘッド110にはトップリング用モータ114が固定されており、上記タイミングプーリ113は、タイミングベルト115を介してトップリング用モータ114に設けられたタイミングプーリ116に接続されている。従って、トップリング用モータ114を回転駆動することによってタイミングプーリ116、タイミングベルト115、及びタイミングプーリ113を介して回転筒112及びトップリング駆動軸11が一体に回転し、トップリング1が回転する。なお、トップリングヘッド110は、フレーム(図示せず)に回転可能に支持されたトップリングヘッドシャフト117によって支持されている。
【0034】
以下、本発明に係る基板保持装置を構成するトップリング1についてより詳細に説明する。図2は本発明の第1の実施形態におけるトップリングを示す縦断面図である。
図2に示すように、基板保持装置を構成するトップリング1は、内部に収容空間を有する円筒容器状のトップリング本体2と、トップリング本体2の下端に固定された環状のリテーナリング3とを備えている。トップリング本体2は金属やセラミックス等の強度及び剛性が高い材料から形成されている。また、リテーナリング3は、剛性の高い樹脂材又はセラミックス等から形成されている。
【0035】
トップリング本体2は、円筒容器状のハウジング部2aと、ハウジング部2aの円筒部の内側に嵌合される環状の加圧シート支持部2bと、ハウジング部2aの上面の外周縁部に嵌合された環状のシール部2cとを備えている。トップリング本体2のハウジング部2aの下端にはリテーナリング3が固定されている。このリテーナリング3の下部は内方に突出している。なお、リテーナリング3をトップリング本体2と一体的に形成することとしてもよい。
【0036】
トップリング本体2のハウジング部2aの中央部の上方には、上述したトップリング駆動軸11が配設されており、トップリング本体2とトップリング駆動軸11とは自在継手部10により連結されている。この自在継手部10は、トップリング本体2及びトップリング駆動軸11とを互いに傾動可能とする球面軸受機構と、トップリング駆動軸11の回転をトップリング本体2に伝達する回転伝達機構とを備えており、トップリング駆動軸11からトップリング本体2に対して互いの傾動を許容しつつ押圧力及び回転力を伝達する。
【0037】
球面軸受機構は、トップリング駆動軸11の下面の中央に形成された球面状凹部11aと、ハウジング部2aの上面の中央に形成された球面状凹部2dと、両凹部11a,2d間に介装されたセラミックスのような高硬度材料からなるベアリングボール12とから構成されている。一方、回転伝達機構は、トップリング駆動軸11に固定された駆動ピン(図示せず)とハウジング部2aに固定された被駆動ピン(図示せず)とから構成される。トップリング本体2が傾いても被駆動ピンと駆動ピンは相対的に上下方向に移動可能であるため、これらは互いの接触点をずらして係合し、回転伝達機構がトップリング駆動軸11の回転トルクをトップリング本体2に確実に伝達する。
【0038】
トップリング本体2とトップリング本体2に一体に固定されたリテーナリング3との内部に画成された空間内には、環状のホルダーリング5と、トップリング本体2内部の収容空間内で上下動可能な概略円盤状のチャッキングプレート(上下動部材)6とが収容されている。このチャッキングプレート6は金属材料から形成されていてもよいが、研磨すべき半導体ウェハがトップリングに保持された状態で、渦電流を用いた膜厚測定方法でその表面に形成された薄膜の膜厚を測定する場合などにおいては、磁性を持たない材料、例えば、PPS、PEEK、フッ素系樹脂やセラミックスなどの絶縁性の材料から形成されていることが好ましい。
【0039】
ホルダーリング5とトップリング本体2との間には弾性を有する加圧シート13が張設されている。この加圧シート13は、一端をトップリング本体2のハウジング部2aと加圧シート支持部2bとの間に挟み込み、他端をホルダーリング5とチャッキングプレート6との間に挟み込んで固定されている。トップリング本体2、チャッキングプレート6、ホルダーリング5、及び加圧シート13によってトップリング本体2の内部に圧力室21が形成されている。図2に示すように、圧力室21にはチューブ、コネクタ等からなる流体路32が連通されており、圧力室21は流体路32上に配置されたレギュレータR2を介して圧力調整部120に接続されている。なお、加圧シート13は、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリウレタンゴム、シリコンゴムなどの強度及び耐久性に優れたゴム材によって形成されている。
【0040】
なお、加圧シート13がゴムなどの弾性体である場合に、加圧シート13をリテーナリング3とトップリング本体2との間に挟み込んで固定した場合には、弾性体としての加圧シート13の弾性変形によってリテーナリング3の下面において好ましい平面が得られなくなってしまう。従って、これを防止するため、本実施形態では、別部材として加圧シート支持部2bを設けて、これをトップリング本体2のハウジング部2aと加圧シート支持部2bとの間に挟み込んで固定している。なお、リテーナリング3をトップリング本体2に対して上下動可能としたり、リテーナリング3をトップリング本体2とは独立に押圧可能な構造としたりすることもでき、このような場合には、必ずしも上述した加圧シート13の固定方法が用いられるとは限らない。
【0041】
チャッキングプレート6の外周縁部には、トップリング1によって保持される半導体ウェハWの外周縁部に当接する環状のエッジメンブレン(弾性部材)7が設けられている。このエッジメンブレン7の上端は、チャッキングプレート6の外周縁部と環状のエッジリング4との間に挟み込まれており、これにより、エッジメンブレン7がチャッキングプレート6に取付けられる。
【0042】
エッジメンブレン7の内部には圧力室22が形成されている。この圧力室22には、チューブ、コネクタ等からなる流体路33が連通されており、圧力室22はこの流体路33上に配置されたレギュレータR3を介して圧力調整部120に接続されている。なお、エッジメンブレン7は、加圧シート13と同様に、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリウレタンゴム、シリコンゴム等の強度及び耐久性に優れたゴム材によって形成されている。また、エッジメンブレン7を形成するゴム材としては、硬度(duro)が20〜60のものが好適に使用される。
【0043】
半導体ウェハWを研磨する際、トップリング1の回転に伴い半導体ウェハWも回転するが、上述したエッジメンブレン7だけでは半導体ウェハWとの接触範囲が小さく、回転トルクを伝達しきれないおそれがある。このため、半導体ウェハWに当接して、半導体ウェハWに十分なトルクを伝達する環状の中間エアバッグ19がチャッキングプレート6の下面に固定されている。この中間エアバッグ19は、エッジメンブレン7の径方向内側に配置され、半導体ウェハWに十分なトルクを伝達するだけの接触面積をもって半導体ウェハWと接触する。
【0044】
中間エアバッグ19は、半導体ウェハWの上面に当接する弾性膜91と、弾性膜91を着脱可能に保持するエアバッグホルダー92とから構成されている。エアバッグホルダー92は、チャッキングプレート6の下面に形成された環状溝6aにねじ(図示せず)を介して固定されている。中間エアバッグ19を構成する弾性膜91の上端は、環状溝6aとエアバッグホルダー92との間に挟まれており、これにより、弾性膜91がチャッキングプレート6の下面に着脱可能に取付けられる。
【0045】
中間エアバッグ19の内部には、弾性膜91とエアバッグホルダー92とによって圧力室23が形成されている。この圧力室23には、チューブ、コネクタ等からなる流体路34が連通されており、圧力室23はこの流体路34上に配置されたレギュレータR4を介して圧力調整部120に接続されている。なお、弾性膜91は、加圧シート13と同様に、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリウレタンゴム、シリコンゴム等の強度及び耐久性に優れたゴム材によって形成されている。
【0046】
エッジメンブレン7、中間エアバッグ19、半導体ウェハW、及びチャッキングプレート6によって画成される環状の空間は、圧力室24として構成されている。この圧力室24にはチューブ、コネクタ等からなる流体路35が連通しており、圧力室24はこの流体路35上に配置されたレギュレータR5を介して圧力調整部120に接続されている。
【0047】
また、中間エアバッグ19、半導体ウェハW、及びチャッキングプレート6によって画成される円形の空間は、圧力室25として構成されている。この圧力室25にはチューブ、コネクタ等からなる流体路36が連通しており、圧力室25はこの流体路36上に配置されたレギュレータR6を介して圧力調整部120に接続されている。なお、上記流体路32,33,34,35,36は、トップリングヘッド110の上端部に設けられたロータリージョイント(図示せず)を介して各レギュレータR2〜R6に接続されている。
【0048】
トップリング本体2のシール部2cが嵌合されるハウジング部2aの上面の外周縁付近には、環状の溝からなる洗浄液路51が形成されている。この洗浄液路51は流体路30に連通されており、この流体路30を介して洗浄液(純水)が供給される。また、洗浄液路51から延びハウジング部2a、加圧シート支持部2bを貫通する連通孔53が複数箇所設けられており、この連通孔53はエッジメンブレン7の外周面とリテーナリング3との間のわずかな間隙Gへ連通されている。
【0049】
エッジメンブレン7の外周面とリテーナリング3との間には、わずかな間隙Gがあるので、ホルダーリング5とチャッキングプレート6及びチャッキングプレート6に取付けられたエッジメンブレン7等の部材は、トップリング本体2及びリテーナリング3に対して上下方向に移動可能で、フローティングする構造となっている。チャッキングプレート6には、その外周縁部から外方に突出する突起6cが複数箇所に設けられており、この突起6cがリテーナリング3の内方に突出している部分の上面に係合することにより、上記チャッキングプレート6等の部材の下方への移動が所定の位置までに制限される。
【0050】
ここで、図3(a)乃至図3(c)を参照して中間エアバッグ19について詳細に説明する。図3(a)乃至図3(c)は、図2の中間エアバッグを示す拡大断面図である。
図3(a)に示すように、本実施形態における中間エアバッグ19の弾性膜91は、外方に張り出したつば91aを有する中間当接部91bと、つば91aとの間に環状の凹部93を形成しつつ、つば91aの基部91cから外方に延びる延出部91dと、エアバッグホルダー92を介してチャッキングプレート6に接続される接続部91eとを有している。延出部91dは、つば91aの基部91cから外方に向かってつば91aの先端よりも内方の位置まで延びており、この延出部91dの外方端部から上方に向かって上記接続部91eが延びている。これらのつば91a、中間当接部91b、接続部91e、延出部91dは弾性を有する同一の材料で一体に形成されている。また、中間当接部91bの中央部には開口91fが形成されている。
【0051】
このような構成とすることで、半導体ウェハWを中間エアバッグ19の中間当接部91bに密着させた後(図3(b)参照)、チャッキングプレート6を上方に持ち上げて研磨を行う場合には、接続部91eによる上向きの力が延出部91dによって横方向あるいは斜め方向の力に変換されてつば91aの基部91cに加えられることとなる(図3(c)参照)。従って、つば91aの基部91cに加わる上向きの力を極めて小さくすることができ、中間当接部91bには過剰な上向きの力が加わることがない。このため、基部91cの近傍に真空が形成されることがなく、つば91aを除く中間当接部91bの全面において均一な研磨レートを実現することができる。この場合において、接続部91eの厚さやつば91aの長さを径方向内側と外側とで変えてもよく、また延出部91dの長さも径方向内側と外側で変えることもできる。更に、研磨される半導体ウェハ上の膜種や研磨パッドの種類により、つば91aの厚みを変えてもよい。半導体ウェハに伝えられる抵抗、研磨トルクが大きい場合は、つば91aのねじれを防ぐため、厚くするのが好ましい。
【0052】
次に、本実施形態に係るエッジメンブレン7について図4(a)乃至図4(c)を参照して詳細に説明する。図4(a)は本発明の第1の実施形態に係るエッジメンブレンの全体構成を示す断面図であり、図4(b)及び図4(c)は図2に示す基板保持装置の部分断面図である。
【0053】
本実施形態に係るエッジメンブレン(弾性部材)7は、半導体ウェハWの外周縁部に当接する環状の当接部8と、この当接部8から上方に延びてチャッキングプレート6に接続される環状の周壁部9とを備えている。この周壁部9は、外周壁部9aと、外周壁部9aよりも径方向内側に配置された内周壁部9bとから構成されている。当接部8は、周壁部9(外周壁部9a及び内周壁部9b)から径方向内側に向かって張り出した形状を有している。外周壁部9aと内周壁部9bとの間に位置する当接部8の部位には、周方向に延びる切れ目18が設けられ、これにより、当接部8は外周壁部9aと内周壁部9bとの間において外当接部8aと内当接部8bとに分断されている。
【0054】
図4(b)及び図4(c)に示すように、外周壁部9a及び内周壁部9bは、環状のエッジリング4の外周面及び内周面に沿って上方に延び、それぞれの上端がチャッキングプレート6とエッジリング4の上面との間に挟みこまれている。エッジリング4はねじ(図示せず)によりチャッキングプレート6に固定されており、これにより、エッジメンブレン7がチャッキングプレート6に着脱可能に取付けられる。上述した流体路33はエッジリング4の内部を鉛直方向に貫通し、エッジリング4の下面で開口している。従って、エッジリング4、エッジメンブレン7、及び半導体ウェハWにより画成された環状の圧力室22は流体路33に連通し、流体路33及びレギュレータR3を介して圧力調整部120に接続されている。
【0055】
周壁部9は上下方向に、即ち、半導体ウェハWに対して略垂直方向に伸縮自在な伸縮部40を有している。より具体的には、周壁部9を構成する外周壁部9aは、上下方向に伸縮自在な伸縮部40aを有しており、この伸縮部40aは、外周壁部9aの一部が周方向に沿って内方に折り曲げられた後、さらに外方に折り返された構成を有している。この伸縮部40aは、外当接部8a近傍に位置し、エッジリング4よりも下方の位置に設けられている。また、周壁部9を構成する内周壁部9bにも上下方向に伸縮自在な伸縮部40bが設けられている。この伸縮部40bは、内周壁部9bの下端近傍の部位が周方向に沿って内方に折り曲げられた形状を有している。このような伸縮部40a,40bを外周壁部9a及び内周壁部9bにそれぞれ設けたことにより、当接部8(外当接部8a及び内当接部8b)の形状を保持した状態で外周壁部9a及び内周壁部9bを大きく伸縮させることができる。従って、図4(c)に示すように、チャッキングプレート6が上昇したときに、このチャッキングプレート6の動きに伸縮部40a,40bが追従して伸張し、エッジメンブレン7と半導体ウェハWとの接触範囲を一定に維持することができる。
【0056】
上述したチャッキングプレート6の上方の圧力室21及び上記圧力室22,23,24,25には、各圧力室に連通される流体路32,33,34,35,36を介して加圧空気等の加圧流体を供給する、あるいは大気圧や真空にすることができるようになっている。即ち、流体路32,33,34,35,36上に配置されたレギュレータR2〜R6によってそれぞれの圧力室21,22,23,24,25に供給される加圧流体の圧力を調整することができる。これにより各圧力室21,22,23,24,25の内部の圧力を各々独立に制御する又は大気圧や真空にすることができるようになっている。
【0057】
上述したように、エッジメンブレン7の下端面には径方向内側に張り出した当接部8(内当接部8b)が設けられ、中間エアバッグ19の下端面にはつば91aが設けられているが、これらの当接部8(内当接部8b)及びつば91aは、圧力室22,23,24に供給される加圧流体によって半導体ウェハWに密着する。このため、圧力室22,23,24の加圧流体がエッジメンブレン7及び中間エアバッグ19の下面に回りこむことがない。即ち、当接部8及びつば91aは、加圧流体によって半導体ウェハWに押圧されるので、エッジメンブレン7及び中間エアバッグ19と半導体ウェハWとの密着性が確保される。従って、圧力室22,23,24,25の各圧力を安定して制御することが可能になる。
【0058】
この場合において、各圧力室22,23,24,25に供給される加圧流体や大気圧開放時に各圧力室に流入する空気の温度をそれぞれ制御することとしてもよい。このようにすれば、半導体ウェハ等の研磨対象物の被研磨面の裏側から研磨対象物の温度を直接制御することができる。特に、各圧力室の温度を独立に制御することとすれば、CMPにおける化学的研磨の化学反応速度を制御することが可能となる。
【0059】
次に、このように構成されたトップリング1の動作について詳細に説明する。上記構成の研磨装置において、半導体ウェハWの搬送時には、トップリング1の全体を半導体ウェハWの移送位置に位置させる。研磨対象となる半導体ウェハWの直径が200mmの場合は圧力室23を、300mmの場合は圧力室24を流体路34又は流体路35を介して圧力調整部120に接続する。そして、圧力調整部120を介して圧力室23又は圧力室24を真空引きする。この圧力室23又は圧力室24の吸引作用によりトップリング1の下端面に半導体ウェハWが真空吸着される。そして、半導体ウェハWを吸着した状態でトップリング1を移動させ、トップリング1の全体を研磨面(研磨パッド101)を有する研磨テーブル100の上方に位置させる。なお、半導体ウェハWの側端部はリテーナリング3によって保持され、半導体ウェハWがトップリング1から飛び出さないように、若しくは半導体ウェハWが横ズレしないようになっている。
【0060】
次いで、圧力室23又は圧力室24による半導体ウェハWの吸着を解除し、それとほぼ同時に、トップリング駆動軸11に連結されたトップリング用エアシリンダ111を作動させてトップリング1の下端に固定されたリテーナリング3を所定の押圧力で研磨テーブル100の研磨面に押圧する。その後、圧力室21に加圧流体を供給してチャッキングプレート6を下降させ、エッジメンブレン7及び中間エアバッグ19を半導体ウェハWに対して押圧する。これにより、エッジメンブレン7及び中間エアバッグ19の下面を半導体ウェハWの上面に確実に密着させることができる。この状態で、圧力室22,23,24,25にそれぞれ所定の圧力の加圧流体を供給し、チャッキングプレート6を上昇させると共に、半導体ウェハWを研磨テーブル100の研磨面に押圧する。この時、チャッキングプレート6の上昇に追従してエッジメンブレン7の伸縮部40a,40bが伸張するため、エッジメンブレン7の下面(当接部8)と半導体ウェハWの外周縁部との接触範囲が一定に維持される。そして、予め研磨液供給ノズル102から研磨液Qを流すことにより、研磨パッド101に研磨液Qが保持され、半導体ウェハWの研磨される面(下面)と研磨パッド101との間に研磨液Qが存在した状態で研磨が行われる。
【0061】
このように、本実施形態に係るトップリング(基板保持装置)1によれば、エッジメンブレン7と半導体ウェハWの外周縁部との接触範囲が一定に維持されるので、半導体ウェハWの外周縁部での押圧力の変化を防止することができる。従って、半導体ウェハWの外周縁部を含む全面を均一な押圧力で研磨面に押圧することができる。その結果、半導体ウェハWの外周縁部での研磨レートの低下を防止することができ、さらには、外周縁部の径方向内側に位置する領域での研磨レートの局所的な上昇を防止することができる。具体的には、直径200mmの半導体ウェハの場合では半導体ウェハの外周縁部から約20mmに位置する領域、直径300mmの半導体ウェハの場合では半導体ウェハの外周縁部から約25mmに位置する領域での研磨レートの上昇が防止できる。
【0062】
また、エッジメンブレン7の当接部8に周方向に延びる切れ目18を設けたことにより、周壁部9(外周壁部9a及び内周壁部9b)の下方への伸張性を向上させることができる。従って、圧力室22に供給される加圧流体の圧力を下げた場合でも、エッジメンブレン7と半導体ウェハWとの接触範囲を良好に保つことができ、より少ない押圧力で半導体ウェハWを押圧することができる。
【0063】
ここで、半導体ウェハWの圧力室22,23,24,25の下方に位置する部分は、それぞれ圧力室22,23,24,25に供給される加圧流体の圧力で研磨面に押圧される。従って、圧力室22,23,24,25に供給される加圧流体の圧力をそれぞれ制御することにより、半導体ウェハWの全面を均一な力で研磨面に押圧することができ、半導体ウェハWの全面に亘って均一な研磨レートを得ることができる。また、同様に、レギュレータR2によって圧力室21に供給される加圧流体の圧力を調整し、リテーナリング3が研磨パッド101を押圧する押圧力を変更することができる。このように、研磨中に、リテーナリング3が研磨パッド101を押圧する押圧力と各圧力室22,23,24,25が半導体ウェハWを研磨パッド101に押圧する押圧力を適宜調整することにより、半導体ウェハWの研磨プロファイルを制御することができる。なお、半導体ウェハWには、中間エアバッグ19の当接部を介して流体から押圧力が加えられる部分と、加圧流体の圧力そのものが半導体ウェハWに加わる部分とがあるが、これらの部分に加えられる押圧力は同一圧力である。
【0064】
上述のようにして、トップリング用エアシリンダ111によるリテーナリング3の研磨パッド101への押圧力と、圧力室22,23,24,25に供給する加圧流体による半導体ウェハWの研磨パッド101への押圧力とを適宜調整して半導体ウェハWの研磨が行われる。そして、研磨が終了した際は、圧力室22,23,24,25への加圧流体の供給を止め、各圧力室を大気圧に開放する。その後、圧力室23又は圧力室24に負圧を形成することにより、半導体ウェハWをトップリング1の下端面に再び真空吸着させる。この時、圧力室21内の圧力を大気圧に開放するか、もしくは負圧にする。これは、圧力室21の圧力を高いままにしておくと、チャッキングプレート6の下面によって半導体ウェハWが研磨面に局所的に押圧されることになってしまうためである。
【0065】
上述のように半導体ウェハWを吸着させた後、トップリング1の全体を半導体ウェハの移送位置に位置させ、圧力室23又は圧力室24による真空吸着を解除する。そして、流体路35から半導体ウェハWに流体(例えば、加圧流体もしくは窒素と純水を混合したもの)を噴射して半導体ウェハWをリリースする。
【0066】
ところで、エッジメンブレン7の外周面とリテーナリング3との間のわずかな間隙Gには、研磨に用いられる研磨液Qが浸入してくるが、この研磨液Qが固着すると、ホルダーリング5、チャッキングプレート6、及びエッジメンブレン7などの部材のトップリング本体2及びリテーナリング3に対する円滑な上下動が妨げられる。そのため、流体路30を介して環状の洗浄液路51に洗浄液(純水)を供給する。これにより、複数の連通孔53より間隙Gの上方に純水が供給され、純水が間隙Gを洗い流して上述した研磨液Qの固着が防止される。この純水の供給は、研磨後の半導体ウェハがリリースされ、次に研磨される半導体ウェハが吸着されるまでの間に行われるのが好ましい。
【0067】
次に、本発明の第2の実施形態に係る基板保持装置について図5(a)及び図5(b)を参照して説明する。図5(a)及び図5(b)は本発明の第2の実施形態に係る基板保持装置を示す部分断面図である。なお、特に説明しない構成については上述した第1の実施形態と同様であるので重複する説明を省略する。
【0068】
図5(a)に示すように、外周壁部9aの伸縮部40aは、外周壁部9aの上端の近くに設けられている。また、エッジリング4の外周面には、伸縮部40aを収容する環状の収容溝4aが周方向に沿って形成されている。この収容溝4aは、図5(b)に示すように、伸縮部40aが下方に伸張したときでも伸縮部40aとエッジリング4とが接触しない程度の幅を有している。また、エッジリング4には、外当接部(当接部)8aの上面に接触して外当接部8aを半導体ウェハWの外周縁部に対して押圧する押圧部材45が設けられている。この押圧部材45の下面には、径方向に延びる複数の溝46が形成されており、流体路33を介して圧力室22に供給された加圧流体がこれらの溝46を介して外当接部(当接部)8aの上面に供給されるようになっている。なお、本実施形態においては、押圧部材45はエッジリング4と一体的に形成されているが、この押圧部材45を別部材として構成してもよい。
【0069】
次に、上述のように構成された本実施形態に係る基板保持装置の動作について説明する。なお、特に説明しない動作については、上述した第1の実施形態と同様であるので重複する説明を省略する。
トップリング1により半導体ウェハWを研磨面上に載置した後、圧力室21に加圧流体を供給してチャッキングプレート6及びエッジリング4を下降させる。このとき、押圧部材45の下面を外当接部(当接部)8aの上面に接触させ、この押圧部材45により外当接部8aを半導体ウェハWに対して所定の圧力で押圧する。これにより、エッジメンブレン7と半導体ウェハWとが十分に密着される。この状態で、各圧力室22,23,24,25に加圧流体を供給する。
【0070】
流体路33を介して圧力室22に導入された加圧流体は、溝46を介して外当接部8aの上面に速やかに供給される。従って、加圧流体が圧力室22に供給されると同時に、この加圧流体によって外当接部8aが半導体ウェハWに対して押圧される。加圧流体の供給に伴ってチャッキングプレート6は上昇し、外周壁部9aに設けられた伸縮部40a及び内周壁部9bに設けられた伸縮部40bが伸張する。このとき、伸縮部40aは、エッジリング4に設けられた収容溝4aの内部で変形するためエッジリング4との接触が防止され、これにより、良好な伸縮性が確保される。このようにして、各圧力室22,23,24,25によって半導体ウェハWを研磨面に対して押圧しながら、半導体ウェハWが研磨される。
【0071】
このように構成された基板保持装置によれば、押圧部材45によりエッジメンブレン7を半導体ウェハWに密着させることができるため、圧力室22に供給された加圧流体の漏洩を防止することができる。また、加圧流体を溝46を介して速やかに外当接部8aの上面に供給することができ、押圧部材45によりエッジメンブレン7を押圧した状態で加圧流体による外当接部8aの押圧を開始することができる。さらに、伸縮部40aを外周壁部9aの上端近傍に位置させたことにより、この外周壁部9aの伸縮性を高めることができると共に、周方向へのねじれが防止され、エッジメンブレン7に常に同じ挙動をさせることができる。
【0072】
次に、本発明の第3の実施形態におけるエッジメンブレン7について図6(a)及び図6(b)を参照して説明する。図6(a)は本発明の第3の実施形態に係る基板保持装置を示す部分断面図であり、図6(b)は本発明の第3の実施形態におけるエッジメンブレンの他の構成例を示す部分断面図である。なお、特に説明しない構成及び動作については上述した第2の実施形態と同様であるので重複する説明を省略する。
【0073】
図6(a)に示すように、押圧部材45が接触する外当接部(当接部)8aの上面には周方向に沿って肉厚部48が形成されている。この肉厚部48は略円弧状の断面形状を有している。また、外当接部8aの強度を補強するための補強部材50が外当接部8aに埋設されている。押圧部材45の下面には段差が設けられており、下方に位置する第1押圧面45aは外当接部8aに接触し、上方に位置する第2押圧面45bは肉厚部48に接触するようになっている。第1押圧面45a及び第2押圧面45bには、径方向に延びる複数の溝46a,46bがそれぞれ形成されている。これらの溝46a,46bを設けたことによって、上述した第2の実施形態と同様に、押圧部材45によりエッジメンブレン7を押圧させた状態で加圧流体による外当接部(当接部)8aの押圧を開始することができる。
【0074】
本実施形態によれば、押圧部材45が接触する外当接部8aに肉厚部48を形成し、さらに、外当接部8aに補強部材50を埋設したことにより、外当接部8aの強度が高められ、これにより、押圧部材45により外当接部8aを半導体ウェハWに対して押圧したときに外当接部8aが周方向にねじれてしまうことを防止することができる。従って、エッジメンブレン7と半導体ウェハWとの間の密着性を良好に維持することができ、加圧流体の漏洩を防止することができる。
【0075】
また、肉厚部48の断面形状を略円弧状としたことにより、圧力室22に浸入した研磨液が肉厚部48で固着しにくくなり、さらには、押圧部材45の下面(第2押圧面45b)と肉厚部48との密着性を弱めて押圧部材45を肉厚部48から離れやすくすることができる。なお、当接部8を補強する手段として、肉厚部48又は補強部材50のいずれか一方のみを用いてもよい。また、図6(b)に示すように、肉厚部48の断面形状は、三角形状であってもよい。
【0076】
次に、本発明の第4の実施形態に係る基板保持装置について図7を参照して説明する。図7は本発明の第4の実施形態に係る基板保持装置を示す部分断面図である。なお、特に説明しない構成及び動作については上述した第3の実施形態と同様である。本実施形態に係る基板保持装置と第3の実施形態に係る基板保持装置との構成上の相違点は、押圧部材の下面に溝を設ける代わりに、加圧流体を当接部の上面に供給するための流体供給口をエッジリングに設けた点である。
【0077】
図7に示すように、エッジリング4の内部には、流体路33に連通される通孔180が形成されている。この通孔180は、3つの開口部、即ち、外当接部(当接部)8aに向けて開口する第1開口部(流体供給口)180aと、内周壁部9bの伸縮部40bに向けて開口する第2開口部180bと、エッジリング4の外周面で開口する第3開口部180cとを有している。流体路33を介して通孔180に導入された加圧流体は、エッジリング4の内部において3方向に分岐され、第1開口部180aから外当接部8aの上面に、第2開口部180bから内周壁部9bの伸縮部40bに、そして、第3開口部180cから外周壁部9aの裏面に供給される。
【0078】
このような構成により、押圧部材45により外当接部8aが押圧された状態で、加圧流体が外当接部8aの上面に供給される。従って、上述した第3の実施形態と同様に、押圧部材45によりエッジメンブレン7を押圧させた状態で加圧流体による外当接部(当接部)8aの押圧を開始することができる。
【0079】
次に、本発明の第5の実施形態におけるエッジメンブレンについて図8(a)及び図8(b)を参照して説明する。図8(a)は本発明の第5の実施形態におけるエッジメンブレンを示す断面図であり、図8(b)は本発明の第5の実施形態におけるエッジメンブレンの他の構成例を示す断面図である。
【0080】
第1の実施形態におけるエッジメンブレンでは、周壁部の一部を周方向に沿って折り曲げることによって伸縮部が構成されているが、図8(a)に示すように、周壁部9を当接部8よりも軟質の材料で形成することによって伸縮部40を構成してもよい。また、図8(b)に示すように、周壁部9を当接部8よりも薄肉に形成することによって伸縮部40を構成してもよい。これらの構成例によっても、上述した実施形態の伸縮部と同様に、周壁部9を上下方向に、即ち、半導体ウェハに対して垂直方向に伸縮させることが可能となる。
【0081】
次に、本発明の第6の実施形態におけるエッジメンブレンについて図9(a)及び図9(b)を参照して説明する。図9(a)は本発明の第6の実施形態におけるエッジメンブレンを示す断面図であり、図9(b)は本発明の第6の実施形態におけるエッジメンブレンの伸縮性を説明するための参考図である。なお、本実施形態におけるエッジメンブレンの基本的構成は第2の実施形態におけるエッジメンブレンと同様である。
【0082】
図9(a)に示すように、伸縮部40の折り曲げ箇所71、及び周壁部9と当接部8との結合箇所72は、いずれも略円弧状の断面形状を有している。図9(b)に示すように、部材同士の結合箇所が角型の断面形状の場合、一般に、これらの部材を上下に伸張させた後においても上記結合箇所に角型の断面形状が残留し、伸張性が阻害される。一方、部材同士の結合箇所が略円弧状の断面形状の場合、上記結合箇所が柔軟に変形し、良好な伸張性を得ることができる。従って、上述のような構成とすることで、伸縮部40を含む周壁部9をスムーズに伸張させることができる。
【0083】
次に、本発明の第7の実施形態におけるエッジメンブレンについて図10(a)乃至図10(e)を参照して説明する。図10(a)は本発明の第7の実施形態におけるエッジメンブレンを示す断面図であり、図10(b)乃至図10(e)は、それぞれ本発明の第7の実施形態におけるエッジメンブレンの他の構成例を示す断面図である。なお、本実施形態におけるエッジメンブレンの基本的構成は第2の実施形態におけるエッジメンブレンと同様である。
【0084】
一般に、研磨時においては、トップリングに保持された半導体ウェハと研磨面との間には摩擦力が生じるため、エッジメンブレンが周方向にねじれてしまい、エッジメンブレンと半導体ウェハとの密着性が損なわれるおそれがある。そこで、このようなエッジメンブレンのねじれを防止するために、図10(a)乃至図10(e)に示すエッジメンブレン7では、いずれも、周壁部9の伸縮部40よりも下方に位置する部位の強度が高められている。
【0085】
より具体的には、図10(a)に示すエッジメンブレン7では、周壁部9の伸縮部40よりも下方に位置する部位が当接部8よりも硬質の材料で形成されている。図10(b)に示すエッジメンブレン7では、周壁部9の伸縮部40よりも下方に位置する部位が当接部8よりも肉厚に形成されている。図10(c)に示すエッジメンブレン7では、周壁部9の伸縮部40よりも下方に位置する部位に、エッジメンブレン7よりも硬度が高い硬質部材96が埋設されている。図10(d)に示すエッジメンブレン7では、周壁部9の伸縮部40よりも下方に位置する部位には、エッジメンブレン7よりも硬度が高い硬質部材96が固着されている。図10(e)に示すエッジメンブレン7では、周壁部9の伸縮部40よりも下方に位置する部位にエッジメンブレン7よりも硬質の材料97がコーティングされている。なお、上記硬質部材96としては、防錆性に優れたステンレスなどの金属や、樹脂などが好適に使用される。上述のように構成されたエッジメンブレン7によれば、研磨時におけるエッジメンブレン7の周方向へのねじれが防止され、エッジメンブレン7と半導体ウェハとの密着性を良好に維持することが可能になる。
【0086】
次に、本発明の第8の実施形態に係る基板保持装置について図11(a)及び図11(b)を参照して説明する。図11(a)及び図11(b)は本発明の第8の実施形態に係る基板保持装置を示す部分断面図である。なお、特に説明しない構成及び動作については上述した第1の実施形態と同様であるので重複する説明を省略する。
【0087】
図11(a)に示すように、外周壁部9aは、外当接部8aに近接した位置で周方向に沿って径方向内側に折り曲げられており、これにより、伸縮部40aが構成されている。この伸縮部40aはエッジリング4の下方に設けられている。外周壁部(周壁部)9aの径方向外側には、エッジメンブレン7とリテーナリング3との接触を防止するための保護部材190が設けられている。なお、この保護部材190は、チャッキングプレート6の外周縁部においてチャッキングプレート6と一体的に形成されているが、別部材として設けてもよい。このような構成により、エッジメンブレン7とチャッキングプレート6との接触が防止され、チャッキングプレート6の上下動作をスムーズにすることができる。
【0088】
次に、本発明の第9の実施形態に係る基板保持装置について説明する。なお、特に説明しない構成及び動作については上述した第1の実施形態と同様であるので重複する説明を省略する。
【0089】
当接部8を構成する外当接部8a及び内当接部8bの上面には、複数の微小な凹凸(図示せず)が形成されている。このような凹凸を形成する加工法としては、例えばしぼ加工が好適である。ここで、しぼ加工とは、被加工物の表面に規則的あるいは不規則的な凹凸を形成して粗面加工を施す加工法である。このような凹凸を外当接部8a及び内当接部8bの上面に形成することによって、チャッキングプレート6と内当接部8bとの密着性を弱めることができる。これにより、チャッキングプレート6が上昇するときに、エッジメンブレン7の内当接部8bがチャッキングプレート6と共に上昇してしまうことが防止される。また、上述した第2の実施形態のように押圧部材45を外当接部8aに接触させる場合にも、押圧部材45を外当接部8aから容易に離すことができる。なお、当接部8を構成する外当接部8a及び内当接部8bの下面にも、複数の微小な凹凸が形成されている。これにより、研磨終了後に基板をエッジメンブレン7から容易にリリースすることができる。
【0090】
上述の実施形態では、流体路32,33,34,35,36をそれぞれ別個に設けたが、これらの流体路を統合したり、各圧力室同士を連通させたりするなど、半導体ウェハWに加えるべき押圧力の大きさや加える位置により自由に改変することが可能である。また、上述した実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0091】
上述した実施形態においては、研磨パッドにより研磨面が形成されることとしたが、これに限られるものではない。例えば、固定砥粒により研磨面を形成してもよい。固定砥粒は、砥粒をバインダ中に固定し板状に形成されたものである。固定砥粒を用いた研磨においては、固定砥粒から自生した砥粒により研磨が進行する。固定砥粒は砥粒とバインダと気孔により構成されており、例えば砥粒には平均粒径0.5μm以下の酸化セリウム(CeO)、バインダにはエポキシ樹脂を用いる。このような固定砥粒は硬質の研磨面を構成する。また、固定砥粒には、上述した板状のものの他に、薄い固定砥粒層の下に弾性を有する研磨パッドを貼付して二層構造とした固定砥粒パッドも含まれる。その他の硬質の研磨面としては、上述したIC−1000がある。
【0092】
次に、本発明の第10の実施形態に係る基板保持装置について図12(a)乃至図14を参照して説明する。図12(a)は本発明の第10の実施形態に係る基板保持装置の一部を示す断面図であり、図12(b)は図12(a)のA線矢視図である。図13は図12(a)のB線矢視図であり、図14は本発明の第10の実施形態に係る基板保持装置が備える中間エアバッグの斜視図である。なお、特に説明しない構成及び動作については上述した第1の実施形態と同様であるので重複する説明を省略する。
【0093】
中間エアバッグ200を構成する中間メンブレン201(弾性部材、第1の実施形態における弾性膜91に相当)は、半導体ウェハWに当接する中間当接部202を備えている。この中間当接部202は、外中間当接部202aと内中間当接部202bとを備えており、外中間当接部202aは内中間当接部202bの半径方向外側に配置されている。外中間当接部202a及び内中間当接部202b(以下、総称するときは単に中間当接部202という)は、圧力室23から外側に張り出したノーズ205a,205b(第1の実施形態におけるつば91aに相当)と圧力室23の内側に配置される基部206a,206bとをそれぞれ備えている。
【0094】
また、中間メンブレン201は、ノーズ205a,205bに接続され、中間当接部202と略平行に延びる延出部203a,203bと、延出部203a,203bの端部から上方に延びてエアバッグホルダー92を介してチャッキングプレート6に接続される接続部204a,204bとを更に有している。圧力室23は、中間メンブレン201、エアバッグホルダー92、及び半導体ウェハWによって画成されている。
【0095】
図13及び図14に示すように、それぞれのノーズ205a,205bは、複数の円弧状の切欠き(剥離促進部)210を有しており、これらの切欠き210はノーズ205a,205bの周縁部において周方向に沿って等間隔に形成されている。図13に示すように、切欠き210が形成されている中間当接部202の部位202cは、中間当接部202の他の部位よりも半導体ウェハWとの密着性が低い材料から形成されている。また、この部位202cの表面(半導体ウェハWに当接する面)にはしぼ加工(梨地加工,ブラスト加工)が施されている。なお、しぼ加工を中間当接部202の表面全体に施してもよい。ここで、しぼ加工とは、部材の表面に微小な凹凸を形成することを意味する。
【0096】
ノーズ205a,205bの周縁部には、上方に窪んだ窪み部(剥離促進部)225が形成されている。図12(b)に示すように、窪み部225と半導体ウェハWとの間には隙間226が形成されている。圧力室23,24,25(図2参照)に加圧流体を供給したときには、窪み部225は半導体ウェハWの上面に密着し、これにより圧力室23の気密性が得られる。このとき、隙間226は形成されない。一方、圧力室23,24,25内を、例えば大気圧にまで減圧させたときには、窪み部225は半導体ウェハWの上面から離間する。窪み部225が形成される位置は、チャッキングプレート6が下降したときに、チャッキングプレート6の下部が窪み部225に当接する位置であることが好ましい。このような位置では、チャッキングプレート6により窪み部225が下方に押圧され、圧力室23内をシールすることができる。なお、本実施形態では、窪み部225はそれぞれの切欠き部210に形成されているが、窪み部225の形成箇所は切欠き部210の位置に限定されるものではない。
【0097】
次に、上述のように構成されたトップリング(基板保持装置)の半導体ウェハをリリースするときの動作について図2を参照して説明する。研磨工程が終了した後、圧力室22,23,24,25への加圧流体の供給を止め、各圧力室22,23,24,25を大気圧に開放する。次いで、圧力室21に加圧流体を供給してチャッキングプレート6を下降させ、当接部8(図4参照)及び中間当接部202(図12(a)参照)を半導体ウェハWの上面に均一に密着させる。この状態で、圧力室23又は圧力室24に負圧を形成することにより、半導体ウェハWをトップリング1の下端面に再び真空吸着させる。
【0098】
次に、トップリング1を移動させて研磨テーブル100(図1参照)からオーバーハングさせ、その位置で圧力室21に負圧を形成してチャッキングプレート6を上昇させる。なお、トップリング1を移動させる(オーバーハングさせる)ときに圧力室21に負圧を形成するようにしてもよい。その後、トップリング1を上昇させ、移送位置に配置された図示しないプッシャー(基板昇降装置)の上に移動させ、圧力室23又は圧力室24による真空吸着を解除する。
【0099】
そして、流体路35もしくは流体路34から半導体ウェハWに流体(例えば、加圧流体もしくは窒素と純水を混合したもの)を噴射する。なお、半導体ウェハWの直径が300mmの場合には流体路35から流体を噴射し、半導体ウェハWの直径が200mmの場合には流体路34から流体を噴射する。そして、流体が半導体ウェハWに噴射されると、中間当接部202は、切欠き210及び窪み部225を起点として半導体ウェハWから剥がれ始め、これにより圧力室23内に周囲雰囲気の気体が入り込む。従って、中間当接部202によって形成された圧力室23内のシール状態が破壊され、半導体ウェハWが中間エアバッグ200から速やかにリリースされる。このように、中間当接部202に切欠き(半径方向において幅の短い部位)210を設けることによって半導体Wから中間当接部202、特にノーズ205a,205bを容易に剥離させることができ、中間エアバッグ200から半導体ウェハWを速やかにリリースすることができる。
【0100】
また、中間当接部202の一部を密着性の低い材料から形成し、さらに、中間当接部202の一部にしぼ加工を施したことにより、中間エアバッグ200から半導体ウェハWを良好にリリースすることができる。なお、流体路35から流体を噴射すると同時に、半導体ウェハWと中間当接部202との間に純水などの流体を供給することが好ましい。これにより、半導体ウェハWを中間エアバッグ200から更に良好にリリースことができる。
【0101】
次に本発明の第11の実施形態に係る基板保持装置について図15を参照して説明する。図15は本発明の第11の実施形態に係る基板保持装置が備える弾性部材を示す裏面図である。なお、特に説明しない構成及び動作については上述した第1及び第10の実施形態と同様であるので重複する説明を省略する。
【0102】
図15に示すように、弾性部材は、最外周側に配置されるエッジメンブレン7と、エッジメンブレン7の半径方向内側に配置される中間メンブレン201とを備えている。エッジメンブレン7を構成する内当接部8bの内周縁部、外中間当接部202aのノーズ205a、及び内中間当接部202bのノーズ205bには、それぞれ切欠き210が形成されている。このような構成により、流体路35もしくは流体路34(図2参照)からの流体の供給に伴ってエッジメンブレン7及び中間メンブレン201を半導体ウェハWから速やかに剥がすことができる。なお、半導体ウェハWの直径が300mmの場合には流体路35から流体を噴射し、半導体ウェハWの直径が200mmの場合には流体路34から流体を噴射する。この場合において、流体路35もしくは流体路34から流体を噴射すると同時に、半導体ウェハWと当接部8及び中間当接部202との間に純水などの流体を供給することが好ましい。
【0103】
次に、本発明の第12の実施形態に係る基板保持装置について図16乃至図19を参照して説明する。図16は、本発明の第12の実施形態に係る基板保持装置が備える弾性部材の第1例を示す裏面図である。図17は、本発明の第12の実施形態に係る基板保持装置が備える弾性部材の第2例を示す裏面図である。図18は、本発明の第12の実施形態に係る基板保持装置が備える弾性部材の第3例を示す裏面図である。図19は、本発明の第12の実施形態に係る基板保持装置が備える弾性部材の第4例を示す裏面図である。なお、特に説明しない構成及び動作については上述した第1及び第10の実施形態と同様であるので重複する説明を省略する。
【0104】
図16乃至図19に示すように、弾性部材は、最外周側に配置されるエッジメンブレン7と、エッジメンブレン7の半径方向内側に配置される中間メンブレン201とを備えている。図16に示す本実施形態に係る第1例では、エッジメンブレン7の当接部8と中間メンブレン201の中間当接部202とは、複数の連結部(剥離促進部)220を介して互いに連結されている。すなわち、当接部8の内当接部8bと外中間当接部202aのノーズ205aとは、連結部220を介して互いに連結されている。連結部220はノーズ205aの周縁部から半径方向に延び、周方向に沿って等間隔に配置されている。
【0105】
図17に示す本実施形態に係る第2例では、内当接部8bと外中間当接部202aとは、環状の連結部220を介して一体的に連結されており、これにより内当接部8b、外中間当接部202a、及び連結部220は環状の一体部材として形成されている。
【0106】
図18に示す本実施形態に係る第3例では、内当接部8bとノーズ205aとは、半径方向に延びる複数の連結部220を介して互いに連結されている。連結部220と内当接部8bとの接合部、及び連結部220とノーズ205aとの接合部には、この部位での応力集中を防止するためのフィレット(隅肉部)230が形成されている。
【0107】
図19に示す本実施形態に係る第4例では、内当接部8bとノーズ205aとは、半径方向に対して斜めに延びる複数の連結部220を介して互いに連結されている。
【0108】
図16乃至図19に示す構成において、ノーズ205aの伸びが連結部220によって規制されるため、ノーズ205aが半導体ウェハWの下方への動きに伴って伸びてしまうことが防止される。従って、流体路35若しくは流体路34から流体を噴射することによって半導体ウェハWを弾性部材(エッジメンブレン7及び中間メンブレン201)から速やかにリリースさせることができる。この場合において、半導体ウェハWの直径が300mmの場合には流体路35から流体を噴射し、半導体ウェハWの直径が200mmの場合には流体路34から流体を噴射する。この時、半導体ウェハWと当接部8及び中間当接部202との間に純水などの流体を供給することが好ましい。なお、本実施形態において内当接部8bとノーズ205aの周縁部とを連結部220によって連結した理由は、外中間当接部202aのノーズ205aが半導体ウェハWから最も剥がれにくいことが実験的に判明しているからである。
【0109】
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【0110】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、上下動部材(チャッキングプレート)の上昇に追従して伸縮部が下方に伸張するため、基板に当接している当接部の形状を保持することができる。従って、弾性部材と基板との接触範囲を一定に保つことが可能になり、基板の全面に亘って均一な押圧力を得ることが可能となる。
【0111】
また、リテーナリングが磨耗して上下動部材と基板との距離が変化した場合でも、距離の変化に追従して伸縮部が収縮するため、基板に当接している当接部の形状を保持することができる。これにより、基板の中心から外周部に至るまで均一な圧力で基板を押圧することができ、基板の全域に亘って均一な研磨レート、即ち、研磨プロファイルを実現することが可能となる。さらに、リテーナリングの磨耗に追従して伸縮部が収縮するため、磨耗が進んだリテーナリングを交換することなく、そのまま使用することが可能となる。
【0112】
さらに本発明によれば、流体を基板の上面に噴射させることによって、剥離促進部を起点として当接部を基板から速やかに剥がすことが可能となる。従って、基板を流体圧などで損傷させることなくプッシャーなど基板昇降装置に受け渡すことができる。また、基板の種類、特に、基板の裏面(上面)に形成される膜の種類に影響を受けることなく、基板を弾性部材から良好にリリースすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る基板保持装置を備えた研磨装置の全体構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るトップリングを示す縦断面図である。
【図3】図3(a)乃至図3(c)は、図2の中間エアバッグを示す拡大断面図である。
【図4】図4(a)は本発明の第1の実施形態に係るエッジメンブレンの全体構成を示す断面図であり、図4(b)及び図4(c)は図2に示す基板保持装置の部分断面図である。
【図5】図5(a)及び図5(b)は本発明の第2の実施形態に係る基板保持装置を示す部分断面図である。
【図6】図6(a)は本発明の第3の実施形態に係る基板保持装置を示す部分断面図であり、図6(b)は本発明の第3の実施形態におけるエッジメンブレンの他の構成例を示す部分断面図である。
【図7】本発明の第4の実施形態に係る基板保持装置を示す部分断面図である。
【図8】図8(a)は本発明の第5の実施形態におけるエッジメンブレンを示す断面図であり、図8(b)は本発明の第5の実施形態におけるエッジメンブレンの他の構成例を示す断面図である。
【図9】図9(a)は本発明の第6の実施形態におけるエッジメンブレンを示す断面図であり、図9(b)は本発明の第6の実施形態におけるエッジメンブレンの伸縮性を説明するための参考図である。
【図10】図10(a)は本発明の第7の実施形態におけるエッジメンブレンを示す断面図であり、図10(b)乃至図10(e)は、それぞれ本発明の第7の実施形態におけるエッジメンブレンの他の構成例を示す断面図である。
【図11】図11(a)及び図11(b)は本発明の第8の実施形態に係る基板保持装置を示す部分断面図である。
【図12】図12(a)は本発明の第10の実施形態に係る基板保持装置の一部を示す断面図であり、図12(b)は図12(a)のA線矢視図である。
【図13】図13は図12(a)のB線矢視図である。
【図14】本発明の第10の実施形態に係る基板保持装置が備える中間エアバッグの斜視図である。
【図15】本発明の第11の実施形態に係る基板保持装置が備える弾性部材を示す裏面図である。
【図16】本発明の第12の実施形態に係る基板保持装置が備える弾性部材の第1例を示す裏面図である。
【図17】本発明の第12の実施形態に係る基板保持装置が備える弾性部材の第2例を示す裏面図である。
【図18】本発明の第12の実施形態に係る基板保持装置が備える弾性部材の第3例を示す裏面図である。
【図19】本発明の第12の実施形態に係る基板保持装置が備える弾性部材の第4例を示す裏面図である。
【図20】図20(a)及び図20(b)は従来の基板保持装置を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 トップリング
2 トップリング本体
2a ハウジング部
2b 加圧シート支持部
2c シール部
2d 球面状凹部
3 リテーナリング
4 エッジリング
4a 収容溝
5 ホルダーリング
6 チャッキングプレート(上下動部材)
6c 突起
7 エッジメンブレン(弾性部材)
8 当接部
8a 外当接部
8b 内当接部
9 周壁部
9a 外周壁部
9b 内周壁部
10 自在継手部
11 トップリング駆動軸
11a 球面状凹部
12 ベアリングボール
13 加圧シート
18 切れ目
19 中間エアバッグ
21,22,23,24,25 圧力室
30,32,33,34,35,36 流体路
40,40a,40b 伸縮部
45 押圧部材
46,46a,46b 溝
48 肉厚部
50 補強部材
51 洗浄液路
53 連通孔
71 折り曲げ箇所
72 結合箇所
80,91 弾性膜
91a つば
91b 中間当接部
91c 基部
91d 延出部
91e 接続部
91f 開口
92 エアバッグホルダー
93 凹部
96 硬質部材
97 硬質の材料
100 研磨テーブル
101 研磨パッド
102 研磨液供給ノズル
110 トップリングヘッド
111 トップリング用エアシリンダ
112 回転筒
113,116 タイミングプーリ
114 トップリング用モータ
115 タイミングベルト
117 トップリングヘッドシャフト
120 圧力調整部
180 通孔
180a 第1開口部(流体供給口)
180b 第2開口部
180c 第3開口部
190 保護部材
200 中間エアバッグ
201 中間メンブレン(弾性部材)
202 中間当接部
202a 外中間当接部
202b 内中間当接部
203a,203b 延出部
204a,204b 接続部
205a,205b ノーズ
206a,206b 基部
210 切欠き(剥離促進部)
220 連結部(剥離促進部)
225 窪み部(剥離促進部)
226 隙間
230 フィレット
G 間隙
Q 研磨液
R1,R2,R3,R4,R5,R6 レギュレータ
W 半導体ウェハ

Claims (28)

  1. 研磨対象物である基板を保持して研磨面に押圧する基板保持装置であって、
    上下方向に移動可能な上下動部材と、
    前記基板に当接する弾性部材とを備え、
    前記弾性部材は、前記基板の外周縁部に当接する当接部と、該当接部から上方に延びて前記上下動部材に接続される周壁部とを備え、
    前記周壁部は、上下方向に伸縮自在な伸縮部を有することを特徴とする基板保持装置。
  2. 前記周壁部は、外周壁部と、該外周壁部よりも径方向内側に配置された内周壁部とから構成され、前記伸縮部は、前記外周壁部及び前記内周壁部のうち少なくとも一方に設けられ、前記当接部は、前記外周壁部と前記内周壁部との間において分断されていることを特徴とする請求項1に記載の基板保持装置。
  3. 前記伸縮部は、前記周壁部の所定の部位を周方向に沿って折り曲げることにより構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の基板保持装置。
  4. 前記伸縮部の折り曲げ箇所は、略円弧状の断面形状を有することを特徴とする請求項3に記載の基板保持装置。
  5. 前記伸縮部は、前記当接部よりも軟質の材料で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の基板保持装置。
  6. 前記伸縮部は、前記周壁部の所定の部位を前記当接部よりも薄肉に形成することにより構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の基板保持装置。
  7. 研磨対象物である基板を保持して研磨面に押圧する基板保持装置であって、
    上下方向に移動可能な上下動部材と、
    前記基板に当接する弾性部材とを備え、
    前記弾性部材は、前記基板の外周縁部に当接する当接部と、該当接部から上方に延びて前記上下動部材に接続される周壁部とを備え、
    前記周壁部は、外周壁部と、該外周壁部よりも径方向内側に配置された内周壁部とから構成され、前記当接部は、前記外周壁部と前記内周壁部との間において分断されていることを特徴とする基板保持装置。
  8. 前記周壁部の前記伸縮部よりも下方に位置する部位は、前記当接部よりも硬質の材料で形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の基板保持装置。
  9. 前記周壁部の前記伸縮部よりも下方に位置する部位は、前記当接部よりも肉厚に形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の基板保持装置。
  10. 前記周壁部の前記伸縮部よりも下方に位置する部位には、前記弾性部材よりも硬度が高い硬質部材が埋設されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の基板保持装置。
  11. 前記周壁部の前記伸縮部よりも下方に位置する部位の表面には、前記弾性部材よりも硬度が高い硬質部材が固着されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の基板保持装置。
  12. 前記周壁部の前記伸縮部よりも下方に位置する部位の表面には、前記弾性部材よりも硬質の材料がコーティングされていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の基板保持装置。
  13. 前記当接部の上面に接触して前記当接部を前記基板に対して押圧する押圧部材を設けたことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の基板保持装置。
  14. 前記押圧部材の下面に、径方向に延びる複数の溝を形成したことを特徴とする請求項13に記載の基板保持装置。
  15. 前記当接部の上面に流体を供給する流体供給口を前記押圧部材の下面に形成したことを特徴とする請求項13に記載の基板保持装置。
  16. 前記押圧部材と接触する前記当接部の上面に、周方向に延びる肉厚部を設けたことを特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載の基板保持装置。
  17. 前記肉厚部は、略三角形状又は略円弧状の断面形状を有することを特徴とする請求項16に記載の基板保持装置。
  18. 前記当接部に補強部材を埋設したことを特徴とする請求項13乃至17のいずれか1項に記載の基板保持装置。
  19. 前記当接部の上面に複数の凹凸を形成したことを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載の基板保持装置。
  20. 請求項1乃至19のいずれか1項に記載の基板保持装置と、研磨面を有する研磨テーブルとを備えたことを特徴とする研磨装置。
  21. 請求項1乃至19のいずれか1項に記載の基板保持装置に研磨対象物である基板を保持させ、
    研磨面を有する研磨テーブルに前記基板を載置し、
    前記上下動部材を下降させ、
    前記当接部を前記基板に押圧しながら、前記上下動部材、前記弾性部材、及び前記基板とにより画成される圧力室に加圧流体を供給し、
    前記基板を前記研磨面に摺接させて前記基板を研磨することを特徴とする研磨方法。
  22. 基板を保持して研磨面に押圧する基板保持装置であって、前記基板とチャッキングプレートとの間に圧力室を形成するための弾性部材を備え、
    前記弾性部材の前記基板と接する当接部は、前記弾性部材の前記基板からの剥離を促進させる剥離促進部を有することを特徴とする基板保持装置。
  23. 前記剥離促進部は、前記当接部の周縁部に形成された切欠きであることを特徴とする請求項22に記載の基板保持装置。
  24. 前記当接部の一部は、前記弾性部材を形成する材料よりも前記基板との密着性が弱い材料から形成されていることを特徴とする請求項22又は23に記載の基板保持装置。
  25. 前記当接部の全面又は一部には、しぼ加工が施されていることを特徴とする請求項22乃至24のいずれか1項に記載の基板保持装置。
  26. 前記剥離促進部は、前記当接部の周縁部と、他の圧力室を形成する前記弾性部材とを連結する連結部であることを特徴とする請求項22に記載の基板保持装置。
  27. 前記剥離促進部は、前記当接部の一部が上方に窪んだ窪み部であり、前記圧力室に加圧流体を供給したときに前記窪み部は前記基板に密着することを特徴とする請求項22に記載の基板保持装置。
  28. 請求項22乃至27のいずれか1項に記載の基板保持装置と、研磨面を有する研磨テーブルとを備えたことを特徴とする研磨装置。
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