JP2004291942A - 車両制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】走行状態の制御が開始される場合の制御遅れを抑制し、減衰特性の急激な変化を抑制する。
【解決手段】予め定められた設定時間が経過するまでの間に第1走行状態制御部による制御が開始されると予測される場合には(S4,6における判定がYES)、現在の制御指令値と開始条件が満たされた場合の制御指令値との中間制御指令値が作成され、その中間制御指令値で減衰特性制御アクチュエータが制御される(S7)。その後、開始条件が満たされた場合には、第1走行状態制御部によって作成された制御指令値で減衰特性制御アクチュエータが制御される(S10)。それによって、第1走行状態制御部による制御遅れを抑制し、減衰特性の急激な変化を抑制することができる。
【選択図】図3
【解決手段】予め定められた設定時間が経過するまでの間に第1走行状態制御部による制御が開始されると予測される場合には(S4,6における判定がYES)、現在の制御指令値と開始条件が満たされた場合の制御指令値との中間制御指令値が作成され、その中間制御指令値で減衰特性制御アクチュエータが制御される(S7)。その後、開始条件が満たされた場合には、第1走行状態制御部によって作成された制御指令値で減衰特性制御アクチュエータが制御される(S10)。それによって、第1走行状態制御部による制御遅れを抑制し、減衰特性の急激な変化を抑制することができる。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、車両の走行状態を制御する車両制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1には、走行する予定の道路の状態を表す情報を取得する走行予定道路状態取得装置を含む車両制御装置が記載されている。この車両制御装置においては、走行予定道路状態取得装置によって取得された道路の状態に基づいて、予め定められた設定時間経過後に走行状態の制御が開始されると予測された場合には、その走行状態の制御が開始される道路の箇所に至る直前に、その制御が開始される。
特許文献2には、減衰特性の制御が、車両の走行速度とステアリングホイールの操舵角度とに基づいて行われる車両制御装置が記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−114367号公報
【特許文献2】
特開平11−192827号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題、課題解決手段および効果】
本発明の課題は、車両の走行状態の制御において、制御遅れを抑制し、かつ、制御による急激な走行状態の変化を抑制することである。この課題は、車両制御装置を下記各態様の構成のものとすることによって解決される。各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまで、本明細書に記載の技術の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組み合わせが以下の各項に限定されると解釈されるべきではない。また、1つの項に複数の事項が記載されている場合、常に、すべての事項を一緒に採用しなければならないものではなく、一部の事項のみを取り出して採用することも可能である。
【0005】
以下の各項のうち、(1)項が請求項1に対応し、(3)項が請求項2に対応し、(4)が請求項3に対応する。また、(8)項〜(10)項が請求項4〜6に対応する。
【0006】
(1)車両の走行状態を制御可能な制御アクチュエータと、
その制御アクチュエータの制御指令値を決定し、その制御指令値に基づいて制御アクチュエータを制御することにより前記車両の走行状態を制御する第1走行状態制御部と、
車両が走行する予定の道路の状態を表す情報を取得する走行予定道路状態取得装置と、
その走行予定道路状態取得装置によって取得された道路の状態に基づいて、予め定められた設定時間経過後における前記第1走行状態制御部による前記制御アクチュエータの制御指令値を予測し、その予測値と現在の制御指令値との中間の値を中間制御指令値として決定し、その中間制御指令値に基づいて前記制御アクチュエータを制御する第2走行状態制御部と
を含むことを特徴とする車両制御装置。
本項に記載の車両制御装置においては、車両の走行状態が制御アクチュエータの制御により制御される。制御アクチュエータは制御指令値に基づいて制御される。制御指令値は第1走行状態制御部によって決定される場合や第2走行状態制御部によって決定される場合がある。
第1走行状態制御部は、車両の走行状態に基づいて決まる制御指令値で制御アクチュエータを制御するものであっても、路面の状態に基づいて決まる制御指令値で制御するものであってもよい。
第2走行状態制御部は、車両が走行する予定の道路の状態に基づいて制御アクチュエータを制御するものであり、中間制御指令値で制御する。
例えば、第2走行状態制御部において、車両が走行する予定の道路の状態に基づいて設定時間経過後の第1走行状態制御部による制御の制御指令値が予測され、その予測された制御指令値と現在の制御指令値との中間の値が中間制御指令値とされて、制御アクチュエータが制御されるようにすることができる。車両が走行する予定の道路の状態に基づけば設定時間経過後の第1走行状態制御部による制御指令値を予測することができるのであり、その予測された第1走行状態制御部による制御が行われる以前に、第2走行状態制御部による中間制御指令値の制御が行われる。
また、第2走行状態制御部において、車両が走行する予定の道路の状態に基づいて、設定時間が経過するまでに第1走行状態制御部による制御が開始されるかどうかが予測され、開始されると予測された場合に、その開始時の第1走行状態制御部による制御指令値が予測され、その予測値と現在の制御指令値の中間の値が中間制御指令値とされて、制御アクチュエータが制御されるようにすることができる。第2走行状態制御部による制御は、第1走行状態制御部による制御が開始されると予測された場合に行われるのであり、第1走行状態制御部による制御が開始される以前に行われる。
その結果、第1走行状態制御部によって決定された制御指令値に基づいて制御アクチュエータが制御される場合の、その制御遅れを抑制し、かつ、制御アクチュエータの制御による状態の変化を抑制することができる。
第1走行状態制御部、第2走行状態制御部は、制御指令値を作成するものであり、コンピュータを含む。これら第1走行状態制御部と第2走行状態制御部とは、同じコンピュータを含むものであっても、それぞれ別のコンピュータを含むものであってもよい。
制御アクチュエータは、コンピュータからの制御指令値である電気的な信号に応じて作動させられるものである。制御アクチュエータについては限定しない。
例えば、車両の走行状態がサスペンション装置の制御により制御される場合には、制御アクチュエータをショックアブソーバの減衰特性を制御する減衰特性制御アクチュエータとしたり、各輪毎の車高を調節する車高調整アクチュエータとしたりすること等ができる。減衰特性制御アクチュエータは、ショックアブソーバの上室と下室とを仕切るピストンに設けられたバルブを駆動する電動モータ等を含む。電動モータの制御によるバルブの制御により、ピストンの流路面積が変わり、それによって、減衰特性が変わる。車高調整アクチュエータは、各輪毎に設けられた流体チャンバの流体圧を調整するものであり、流体チャンバにおける流体の流入・流出を制御可能な電磁弁のソレノイド、流体チャンバに高圧の流体を供給するコンプレッサを駆動する電動モータ等を含む。電動モータによりコンプレッサが作動させられ、流体チャンバに高圧の流体が供給可能となる。また、電磁弁のソレノイドへの供給電流の制御により、流体チャンバにおける流体の流入・流出が制御される。
また、走行状態がステアリング装置の制御により制御される場合には、制御アクチュエータを前輪と後輪との少なくとも一方の転舵角度を制御する転舵角度制御アクチュエータとすることができる。転舵角度制御アクチュエータは、車輪に連結されたタイロッドを移動させる電動モータ等を含むものとすることができる。電動モータによりタイロッドが移動させられ、車輪が転舵される。
さらに、走行状態が駆動装置や制御装置の制御により制御される場合(左側輪と右側輪との間のトルク差が制御される場合)には、駆動・制動トルク制御アクチュエータとすることができる。駆動・制動トルク制御アクチュエータは、駆動トルク制御アクチュエータと制動トルク制御アクチュエータとの少なくとも一方を含む。駆動トルク制御アクチュエータは、駆動源としてのエンジンや電動モータ等の作動状態を制御することによって駆動輪に加えられる駆動トルクを制御する。駆動トルク制御アクチュエータは、駆動源としてのエンジンへ供給される燃料の噴射量を制御可能な電磁弁のソレノイド、駆動源としての電動モータへの供給電流を制御する駆動回路等を含むものとすることができる。制動トルク制御アクチュエータは、各輪毎に設けられた摩擦ブレーキにおける摩擦係合部材のブレーキ回転体への押付力を制御することによって、各輪毎に加えられる制動トルクを制御する。制動トルク制御アクチュエータは、摩擦ブレーキにおける押付力が液圧による場合には、液圧ポンプを駆動する電動モータ、液圧を制御可能な電磁弁のソレノイド等を含み、押付力が電動モータの押圧力による場合には、電動モータの駆動回路等を含む。
(2)前記第1走行状態制御部が、前記車両の走行状態を表す物理量が予め定められた開始しきい値を越えた場合に開始条件が満たされたとして前記制御指令値の作成を開始する走行状態対応制御部を含む(1)項に記載の車両制御装置。
第1走行状態制御部においては、車両の走行状態を表す物理量が予め定められた開始しきい値を越えた場合に開始条件が満たされるとされる。この場合の車両の走行状態を表す物理量としては、例えば、横加速度、前後加速度、ヨーレイト、前輪または後輪の舵角、上下加速度、上下ストローク量、スリップ量等が該当する。これら物理量の少なくとも1つに基づけば、制御を開始すべき状態であるかどうかを正確に判断することができる。
(3)前記第2走行状態制御部が、前記走行予定道路状態取得装置によって取得された道路の状態に基づいて前記物理量の変化の状態を推定し、設定時間経過後にその物理量が前記開始しきい値を越えるかどうかを予測する制御開始予測部を含む(2)項に記載の車両制御装置。
走行予定道路状態取得装置によって取得された道路の状態に基づいて物理量の変化の状態が推定され、設定時間経過後にその物理量が開始しきい値を越えるかどうかが予測される。
物理量が設定時間経過後に開始しきい値を越える可能性が高いとされた場合に、制御アクチュエータが中間指令値で制御され、開始しきい値を越える可能性が低いとされた場合には中間指令値で制御されることはない。
(4)前記第1走行状態制御部が、前記走行予定道路状態取得装置によって取得された道路の状態に基づいて決まる車両の規範走行状態からの実際の走行状態の外れに基づいて、前記開始しきい値を決定する開始しきい値決定部を含む(2)項または(3)項に記載の車両制御装置。
第1走行状態制御部による制御が開始される場合の開始しきい値は、常に同じ値としても、車両の走行状態等に基づいて決まる値としてもよい。本項に記載の車両制御装置においては、道路の状態に基づいて決まる車両の規範走行状態からの実際の走行状態の外れに基づいて開始しきい値が決定される。
例えば、道路の状態に基づいて決まる規範状態に対して、実際の走行状態が遅れている場合には、開始しきい値を小さくすることができる。開始しきい値を小さくすれば、制御が開始され易くなり、道路の状態で決まる規範状態に速やかに近づけることができる。
また、規範状態より実際の走行状態の方が進んでいる場合には、開始しきい値を大きくすることができる。それによって、制御が開始され難くなり、不要な制御が開始されることを回避しつつ、規範状態に近づけることができる。
走行状態は、例えば、上下加速度、上下ストローク量、横加速度、ヨーレイト等で表すことができるが、運転者による運転操作部材の操作状態に基づいて取得することもできる。走行状態は運転操作部材の操作状態によって決まることが多いからである。例えば、運転操作部材には、操舵部材、アクセル操作部材、ブレーキ操作部材等が該当し、走行状態は、これら物理量の1つに基づいて、または、2つ以上に基づいて取得することができる。
(5)前記開始しきい値決定部が、前記規範走行状態からの実際の走行状態の外れの程度に基づいて前記開始しきい値を決定する外れ量対応開始しきい値決定部を含む(4)項に記載の車両制御装置。
開始しきい値は、規範状態からの走行状態の外れの程度に基づいて決定することができる。規範状態からの走行状態の外れの程度が大きい場合は小さい場合より開始しきい値の基準値からより大きく隔たったものとするのである。
このようにすることによって、走行状態をより速やかに規範状態に近づけることができる。
(6)前記開始しきい値決定部が、前記路面の状態と車両の走行状態との少なくとも一方に基づいて前記開始しきい値を決定する路面等対応開始しきい値決定部を含む(4)項に記載の車両制御装置。
(7)前記第1走行状態制御部が、前記道路の状態が予め定められた状態を越えた場合に、開始条件が満たされたとして前記制御指令値の作成を開始する道路状態対応制御部を含む(1)項に記載の車両制御装置。
第1走行状態制御部によれば、道路の状態を表す物理量が開始しきい値を越えた場合に開始条件が満たされたとされて、制御アクチュエータが制御される。
【0007】
(8)車両の走行状態を制御可能な制御アクチュエータと、
前記制御アクチュエータの制御指令値を決定し、その制御指令値に応じて制御アクチュエータを制御することより車両の走行状態を制御する第1走行状態制御部と、
その第1走行状態制御部の制御指令値が設定量以上変化する場合に、その変化量の中間的な量変化させて中間制御指令値を決定し、設定時間の間、その中間制御指令値に基づいて前記制御アクチュエータを制御する第2走行状態制御部と
を含むことを特徴とする車両制御装置。
本項に記載の車両制御装置においては、第1走行状態制御部による制御指令値が現在の制御指令から設定量以上変化する場合に、その変化量の中間的な量だけ制御指令値が変化させられる。そして、その中間の制御指令値で制御アクチュエータが制御されるのであるが、この中間制御指令値による制御は、設定時間の間続けられる。
第1走行状態制御部による制御は、第2走行状態制御部による設定時間の制御の後に開始される。第1走行状態制御部による制御は、設定時間経過後直ちに行われることが望ましい。
本項に記載の車両制御装置には、(1)項ないし(7)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。
(9)車両の走行状態を制御可能な制御アクチュエータと、
開始条件が満たされた場合に、その制御アクチュエータを作動させることにより、前記車両の走行状態を制御する走行状態制御装置と
を含む車両制御装置において、
前記走行状態制御装置を、前記開始条件が満たされる以前に、前記制御アクチュエータへの制御指令値を少なくとも2段階で変化させるものとしたことを特徴とする車両制御装置。
走行状態制御装置による制御アクチュエータの制御が少なくとも2段階で変化させられる。そのため、制御アクチュエータの急激な変化を抑制し、あるいは、制御アクチュエータの制御遅れを抑制することができる。
本項に記載の車両制御装置には、(1)項ないし(7)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。
(10)車両の走行状態を制御可能な制御アクチュエータと、
開始条件が満たされた場合に、その制御アクチュエータを作動させることにより、前記車両の走行状態を制御する走行状態制御装置と
を含む車両制御装置であって、
前記走行状態制御装置が、前記開始条件が満たされる以前に、前記制御アクチュエータへの制御指令値を中間的に変化させ、前記車両の走行状態と前記車両が走行する路面の状態との少なくとも一方が変化しても、その中間制御指令値を保持する制御指令値保持部を含むことを特徴とする車両制御装置。
本項に記載の車両制御装置においては、開始条件が満たされる以前に、中間制御指令値が、車両の走行状態と路面の状態との少なくとも一方が変化しても保持される。ただし、開始条件が満たされた後においては、制御指令値は、車両の走行状態や路面の状態に基づいて変化させられることが望ましい。その場合には、中間制御指令値が保持されるのは開始条件が満たされない間となり、走行状態と路面の状態との少なくとも一方が、開始条件が満たされるまで変化した後は、中間制御指令値が保持されることはない。換言すれば、中間制御指令値が保持されるのは、走行状態と路面の状態との少なくとも一方が開始条件を満たさない限りにおいて変化する場合なのである。
本項に記載の車両制御装置には、(1)項ないし(7)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態である車両制御装置としてのサスペンション装置について図面に基づいて詳細に説明する。
図1において、符号10はナビゲーションシステムを示す。ナビゲーションシステム10は、情報処理装置12,記憶装置14,現在位置取得装置16,走行状態検出装置18,表示装置20,音声出力装置22等を含む。
記憶装置14は、地図情報、道路の状態を表す情報等を記憶する。
現在位置取得装置16は、受信装置を含み、人工衛星やビーコンからの情報を受信し、それに基づいて現在の自車両の絶対位置を取得する。走行状態検出装置18は、走行速度センサ、操舵角センサやヨーレイトセンサ等と、地磁気センサとを含み、車両の走行速度、走行方向等を検出する。
表示装置20はディスプレイを含み、地図情報で表される道路等を表示する。音声出力装置22は、音声等を出力する。
情報処理装置12は、コンピュータを主体とするものであり、走行予定道路状態取得部30等を含む。走行予定道路状態取得部30は、記憶装置14に記憶された情報、現在位置、走行状態等に基づいて現在の地図上の位置を表す情報を取得するとともに、設定時間が経過するまでの間に走行する道路の状態(接近する道路の状態)を表す情報を取得する。表示装置20,音声出力装置22等は情報処置装置12によって制御される。
【0009】
ナビゲーションシステム10にはサスペンション装置38が接続される。
サスペンション装置38は、サスペンションECU40,走行速度検出装置42,操舵角度検出装置44,横加速度検出装置46,減衰特性制御アクチュエータ48,ショックアブソーバ50等を含む。減衰特性制御アクチュエータは、車体側部材と車輪側部材との間に設けられたショックアブソーバ50のピストンに設けられたバルブを作動させる電動モータを含むものであり、その電動モータの制御により、バルブが制御され、ショックアブソーバ50のピストンに設けられた流路面積が制御される。流路面積が大きい場合は小さい場合より、減衰特性が柔らかくなり、乗り心地がソフトになる。減衰特性制御アクチュエータ48は、流路面積を連続的に制御可能なものであっても、段階的に制御可能なものであってもよい。
【0010】
サスペンションECU40はコンピュータを主体とするものであり、開始しきい値取得部50,第1走行状態制御部52,第2走行状態制御部54等を含む。
サスペンションECU40には、ナビゲーションシステム10から車両が現在走行中の道路の状態を表す情報、車両が接近する道路の状態を表す情報(設定時間経過するまでに走行する道路の状態を表す情報)等が供給され、それに基づいて減衰特性制御アクチュエータ48等が制御される。
第1走行状態制御部52は、車両の走行状態に基づいて減衰特性制御アクチュエータ48を制御するものであり、開始しきい値取得部50は、第1走行状態制御部52による制御が開始される場合の開始しきい値を取得するものであり、第2走行状態制御部52は、第1走行状態制御部52による制御が開始される以前に減衰特性制御アクチュエータ48を中間的に制御するものである。
【0011】
まず、サスペンション装置38における制御の概要について説明する。
第1走行状態制御部52は、車両の走行状態を表す物理量が開始しきい値を越えた場合に減衰特性制御アクチュエータ48の制御を開始する。制御指令値が作成されて、その制御指令値で減衰特性制御アクチュエータ48が制御される。本実施形態においては、車両の走行状態を表す物理量としての横加速度検出装置46によって検出される横加速度が採用される。横加速度が開始しきい値を越えた場合に、旋回制御が行われるのであり、減衰特性が、例えば、ロールを抑制するように制御される。旋回制御は、横加速度に基づいて行われても、ヨーレイトに基づいて行われても、操舵角度等に基づいて行われてもよい。
開始しきい値取得部50によって開始しきい値が取得されるが、開始しきい値は予め決められている場合や、路面の状態や走行状態等に基づいて決められる場合等がある。本実施形態においては、ナビゲーションシステム10から送信されてサスペンションECU40において受信した車両の現在走行中の道路の状態や接近中の道路の状態を表す情報に基づいて、どのような操舵が行われるべきかが取得される。そして、その操舵規範状態を表す規範値と運転者の実際の操舵状態を表す物理量である実際値とに基づいて開始しきい値が決定される。実際値が規範値で決まる規範範囲内にある場合には、開始しきい値が予め定められた値(基準開始しきい値)に決定され、範囲内にない場合には、外れ量に基づいて開始しきい値が決定される。本実施形態においては、道路の状態の表す情報として、道路の湾曲の程度を表す情報が採用される。道路の湾曲の程度に基づいて操舵部材の操作状態の規範値が求められるのである。
【0012】
本実施形態においては、操舵規範状態が操舵速度で表される。その一例を図2に示す。実線が示す規範値としての操舵速度に対して、実際の操舵速度が破線で表される規範範囲内にある場合には、開始しきい値は基準開始しきい値とされる。規範範囲内にない場合であって、操舵が遅れている場合には、開始しきい値が一点鎖線で表すように基準開始しきい値より小さくされ、操舵が進んでいる場合には、二点鎖線で表すように基準開始しきい値より大きくされる。なお、図2において、規範値、実際値が操舵速度で表され、開始しきい値が前述のように横加速度で表される。
【0013】
横加速度が開始しきい値より小さく、第1走行状態制御部52による制御が開始される前に、減衰特性制御アクチュエータ48は、第2走行状態制御部54によって制御される。第2走行状態制御部54は、現在の減衰制御アクチュエータ48への制御指令値D0と開始条件が満たされた場合に第1走行状態制御部52によって決定される制御指令値Drefとの中間の値Dmである中間制御指令値で減衰特性制御アクチュエータ48を制御する。現在の制御指令値D0は、第1走行状態制御部52による制御も第2走行状態制御部54による制御も行われない状態、すなわち、通常の状態における制御指令値であり、ベース値と称することができる。ベース値は、減衰特性が、柔らかめの値に設定されている。
【0014】
減衰特性の制御を図3のフローチャートに基づいて説明する。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、現在の減衰特性制御アクチュエータ48の制御指令値がベース値であるかどうかが判定される。ベース値である場合には、S2において、ナビゲーションシステム10から供給された設定時間経過までの間の道路の状態を表す情報に基づいて、横加速度の変化状態を推定し、S3において、開始しきい値を取得する。S4において、推定された横加速度の変化状態に基づいて、設定時間が経過するまでの間に開始しきい値を越えるかどうかが判定される。例えば、図4に示すように、横加速度が破線P1のように変化するか、一点鎖線P2のように変化するか、二点鎖線P3のように変化するかどうかが推定され、それによって、設定時間が経過するまでの間に制御が開始される可能性があるかどうかが判定されるのである。
図4に示す場合において、例えば、横加速度が破線P1、一点鎖線P2のように変化すると推定された場合には、制御が開始される可能性が高いと判定され、二点鎖線P3のように変化すると推定された場合には、制御が開始される可能性は低いと判定される。
【0015】
次に、S5において、開始しきい値に基づいて、第1走行状態制御部52による制御の開始時の制御指令値Drefが推定される。そして、S6において、現在の横加速度と開始しきい値との差が設定値以下であるかどうかが判定される。現在の横加速度が、開始しきい値より設定値だけ小さい開始予測しきい値を越えたかどうかが判定されるのである。開始予測しきい値を越えた場合には、S7において、制御指令値が現在の減衰特性の値D0と制御開始時の値Drefとの中間の値Dmに決定され、それによって減衰特性制御アクチュエータ48が制御される。中間制御指令値Dmは、例えば、現在制御指令値D0と開始条件が満たされた場合の制御指令値Drefとの平均値とすることができるが、それに限らない。現在制御指令値D0と開始条件が満たされた場合の制御指令値Drefとの間の値であればよい。
S4において、推定された横加速度の変化状態に基づいて、設定時間が経過するまでの間に制御が開始される可能性が低いとされた場合、制御が開始される可能性があっても、S6において、横加速度が開始予測しきい値を越えない場合には、制御指令値はベース値D0のままである。
【0016】
開始しきい値は図5のフローチャートで表されるサブルーチンの実行に従って取得される。S51において、ナビゲーションシステム10から供給された情報に基づいて、現在走行中の道路の状態が曲がった状態にあるか、設定時間経過後に走行する道路の状態が曲がった状態であるかかのいずれかであるかどうかが判定される。道路の半径や曲率等で表される道路の状態が予め定められた設定状態を越えている場合に、旋回中あるいは旋回する予定であるとされるのである。いずれでもない場合には、S52において、予め定められている基準開始しきい値に決定される。
旋回中または旋回直前である場合には、S53において、走行速度が求められ、S54において、道路状態、走行速度に基づいて、操舵速度の規範値が求められる。そして、S55において、操舵速度が規範範囲内にあるかどうかが判定され、規範範囲内にない場合には、開始しきい値が図2に示すように決定されるのである。このように決定された開始しきい値がS6等において利用される。
【0017】
次にS1が実行された場合には、制御指令値が中間値Dmにされているため、判定がNOとなり、S8における判定がYESとなる。次に、S9において横加速度が開始しきい値を越えたかどうかが判定される。開始しきい値を越えた場合には、S10において第1走行状態制御部52による制御が行われる。開始しきい値を越えていない場合には、第1走行状態制御部52による制御が開始されることはない。
次に、S11において、実際の横加速度が図4に示す開始予測しきい値以上であるかどうかが判定される。開始予測しきい値以上である場合には、制御指令値は中間値Dmのままであるが、開始予測しきい値より小さくなった場合、例えば、図4の一点鎖線P2に示すように変化した場合には、S12において、制御指令値がベース値D0に戻される。
【0018】
第1走行状態制御部52による制御が開始された場合には、S1,8における判定がいずれもNOとなり、S13において、制御の終了条件が満たされるかどうかが判定される。満たされない場合には、S10が実行されるのであり、第1走行状態制御部52による制御が継続して行われる。終了条件が満たされた場合には、S14において制御指令値が中間値Dmに戻される。
【0019】
制御指令値が中間値Dmに戻された場合には、S8における判定がYESとなって、S9以降が実行される。この場合において、横加速度が開始予測しきい値より小さい場合には、S12においてベース値D0に戻される。
制御指令値がベース値D0に戻された場合には、S1における判定がYESとなって、上述の場合と同様に、S2以降が実行される。
【0020】
このように、本実施形態においては、第1走行状態制御部52による制御が開始される以前に、減衰特性制御アクチュエータ48が中間値Dmで制御されるため、第1走行状態制御部52による制御遅れを抑制し、あるいは、減衰特性の急激な変化を抑制することができる。その結果、運転者の乗り心地の低下を抑制することができる。
【0021】
なお、上記実施形態においては、開始条件が満たされるかどうかを判断するための物理量が横加速度とされ、開始しきい値を決めるための物理量が操舵速度とされたが、それに限らない。
例えば、第1走行状態制御部52によって旋回状態が制御される場合には、開始条件が満たされるかどうかを判断するための物理量としては、ヨーレイト、操舵角および車速、ロール姿勢等、また、これらのうちの2つ以上を採用することができる。また、開始しきい値を決めるための物理量は舵角としたり操舵角速度としたりすることができる。さらに、開始しきい値を決めるための物理量は、ステアリングホイール以外の運転操作部材の操舵状態としたり、旋回状態を表す走行状態を表す物理量とすることもできる。また、これら開始条件が満たされるかどうかを判定するための物理量と開始しきい値を決めるための物理量とは、同じであっても、異なっていてもよい。第1走行状態制御部52による制御も同様である。
さらに、上記実施形態においては、減衰特性の制御が行われる場合について説明したが、サスペンション装置において車高調整が行われる場合にも適用することができる。また、サスペンション装置における制御に限らず、ステアリング装置の制御、駆動伝達装置の制御、駆動装置、制動装置の制御にも同様に適用することができる。
【0022】
さらに、上記実施形態においては、第1走行状態制御部52が車両の走行状態に基づいて減衰特性制御アクチュエータを制御するものであったが、ナビゲーションシステムから供給された道路状態を表す情報に基づいて、または、ナビゲーションシステムからの制御指令信号に応じて制御するものであってもよい。この場合においても、制御が開始される以前に、第2走行状態制御部54によって制御指令値が中間値にされる。
その他、本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題、課題解決手段および効果〕に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である車両制御装置全体を概念的に示す図である。
【図2】上記車両制御装置において、車両が走行する路面の状態に基づいて求められた操舵規範値を表す図である。
【図3】上記車両制御装置のサスペンション装置のROMに格納された減衰特性制御プログラムを表すフローチャートである。
【図4】上記車両の横加速度の変化状態を表す図である。
【図5】上記図3のフローチャートの一部を示すフローチャートである。
【符号の説明】
12:情報処理装置 40:サスペンションECU 48:減衰特性制御アクチュエータ 50:開始しきい値取得部 52:第1走行状態制御部 54:第2走行状態制御部
【発明が属する技術分野】
本発明は、車両の走行状態を制御する車両制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1には、走行する予定の道路の状態を表す情報を取得する走行予定道路状態取得装置を含む車両制御装置が記載されている。この車両制御装置においては、走行予定道路状態取得装置によって取得された道路の状態に基づいて、予め定められた設定時間経過後に走行状態の制御が開始されると予測された場合には、その走行状態の制御が開始される道路の箇所に至る直前に、その制御が開始される。
特許文献2には、減衰特性の制御が、車両の走行速度とステアリングホイールの操舵角度とに基づいて行われる車両制御装置が記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−114367号公報
【特許文献2】
特開平11−192827号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題、課題解決手段および効果】
本発明の課題は、車両の走行状態の制御において、制御遅れを抑制し、かつ、制御による急激な走行状態の変化を抑制することである。この課題は、車両制御装置を下記各態様の構成のものとすることによって解決される。各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまで、本明細書に記載の技術の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組み合わせが以下の各項に限定されると解釈されるべきではない。また、1つの項に複数の事項が記載されている場合、常に、すべての事項を一緒に採用しなければならないものではなく、一部の事項のみを取り出して採用することも可能である。
【0005】
以下の各項のうち、(1)項が請求項1に対応し、(3)項が請求項2に対応し、(4)が請求項3に対応する。また、(8)項〜(10)項が請求項4〜6に対応する。
【0006】
(1)車両の走行状態を制御可能な制御アクチュエータと、
その制御アクチュエータの制御指令値を決定し、その制御指令値に基づいて制御アクチュエータを制御することにより前記車両の走行状態を制御する第1走行状態制御部と、
車両が走行する予定の道路の状態を表す情報を取得する走行予定道路状態取得装置と、
その走行予定道路状態取得装置によって取得された道路の状態に基づいて、予め定められた設定時間経過後における前記第1走行状態制御部による前記制御アクチュエータの制御指令値を予測し、その予測値と現在の制御指令値との中間の値を中間制御指令値として決定し、その中間制御指令値に基づいて前記制御アクチュエータを制御する第2走行状態制御部と
を含むことを特徴とする車両制御装置。
本項に記載の車両制御装置においては、車両の走行状態が制御アクチュエータの制御により制御される。制御アクチュエータは制御指令値に基づいて制御される。制御指令値は第1走行状態制御部によって決定される場合や第2走行状態制御部によって決定される場合がある。
第1走行状態制御部は、車両の走行状態に基づいて決まる制御指令値で制御アクチュエータを制御するものであっても、路面の状態に基づいて決まる制御指令値で制御するものであってもよい。
第2走行状態制御部は、車両が走行する予定の道路の状態に基づいて制御アクチュエータを制御するものであり、中間制御指令値で制御する。
例えば、第2走行状態制御部において、車両が走行する予定の道路の状態に基づいて設定時間経過後の第1走行状態制御部による制御の制御指令値が予測され、その予測された制御指令値と現在の制御指令値との中間の値が中間制御指令値とされて、制御アクチュエータが制御されるようにすることができる。車両が走行する予定の道路の状態に基づけば設定時間経過後の第1走行状態制御部による制御指令値を予測することができるのであり、その予測された第1走行状態制御部による制御が行われる以前に、第2走行状態制御部による中間制御指令値の制御が行われる。
また、第2走行状態制御部において、車両が走行する予定の道路の状態に基づいて、設定時間が経過するまでに第1走行状態制御部による制御が開始されるかどうかが予測され、開始されると予測された場合に、その開始時の第1走行状態制御部による制御指令値が予測され、その予測値と現在の制御指令値の中間の値が中間制御指令値とされて、制御アクチュエータが制御されるようにすることができる。第2走行状態制御部による制御は、第1走行状態制御部による制御が開始されると予測された場合に行われるのであり、第1走行状態制御部による制御が開始される以前に行われる。
その結果、第1走行状態制御部によって決定された制御指令値に基づいて制御アクチュエータが制御される場合の、その制御遅れを抑制し、かつ、制御アクチュエータの制御による状態の変化を抑制することができる。
第1走行状態制御部、第2走行状態制御部は、制御指令値を作成するものであり、コンピュータを含む。これら第1走行状態制御部と第2走行状態制御部とは、同じコンピュータを含むものであっても、それぞれ別のコンピュータを含むものであってもよい。
制御アクチュエータは、コンピュータからの制御指令値である電気的な信号に応じて作動させられるものである。制御アクチュエータについては限定しない。
例えば、車両の走行状態がサスペンション装置の制御により制御される場合には、制御アクチュエータをショックアブソーバの減衰特性を制御する減衰特性制御アクチュエータとしたり、各輪毎の車高を調節する車高調整アクチュエータとしたりすること等ができる。減衰特性制御アクチュエータは、ショックアブソーバの上室と下室とを仕切るピストンに設けられたバルブを駆動する電動モータ等を含む。電動モータの制御によるバルブの制御により、ピストンの流路面積が変わり、それによって、減衰特性が変わる。車高調整アクチュエータは、各輪毎に設けられた流体チャンバの流体圧を調整するものであり、流体チャンバにおける流体の流入・流出を制御可能な電磁弁のソレノイド、流体チャンバに高圧の流体を供給するコンプレッサを駆動する電動モータ等を含む。電動モータによりコンプレッサが作動させられ、流体チャンバに高圧の流体が供給可能となる。また、電磁弁のソレノイドへの供給電流の制御により、流体チャンバにおける流体の流入・流出が制御される。
また、走行状態がステアリング装置の制御により制御される場合には、制御アクチュエータを前輪と後輪との少なくとも一方の転舵角度を制御する転舵角度制御アクチュエータとすることができる。転舵角度制御アクチュエータは、車輪に連結されたタイロッドを移動させる電動モータ等を含むものとすることができる。電動モータによりタイロッドが移動させられ、車輪が転舵される。
さらに、走行状態が駆動装置や制御装置の制御により制御される場合(左側輪と右側輪との間のトルク差が制御される場合)には、駆動・制動トルク制御アクチュエータとすることができる。駆動・制動トルク制御アクチュエータは、駆動トルク制御アクチュエータと制動トルク制御アクチュエータとの少なくとも一方を含む。駆動トルク制御アクチュエータは、駆動源としてのエンジンや電動モータ等の作動状態を制御することによって駆動輪に加えられる駆動トルクを制御する。駆動トルク制御アクチュエータは、駆動源としてのエンジンへ供給される燃料の噴射量を制御可能な電磁弁のソレノイド、駆動源としての電動モータへの供給電流を制御する駆動回路等を含むものとすることができる。制動トルク制御アクチュエータは、各輪毎に設けられた摩擦ブレーキにおける摩擦係合部材のブレーキ回転体への押付力を制御することによって、各輪毎に加えられる制動トルクを制御する。制動トルク制御アクチュエータは、摩擦ブレーキにおける押付力が液圧による場合には、液圧ポンプを駆動する電動モータ、液圧を制御可能な電磁弁のソレノイド等を含み、押付力が電動モータの押圧力による場合には、電動モータの駆動回路等を含む。
(2)前記第1走行状態制御部が、前記車両の走行状態を表す物理量が予め定められた開始しきい値を越えた場合に開始条件が満たされたとして前記制御指令値の作成を開始する走行状態対応制御部を含む(1)項に記載の車両制御装置。
第1走行状態制御部においては、車両の走行状態を表す物理量が予め定められた開始しきい値を越えた場合に開始条件が満たされるとされる。この場合の車両の走行状態を表す物理量としては、例えば、横加速度、前後加速度、ヨーレイト、前輪または後輪の舵角、上下加速度、上下ストローク量、スリップ量等が該当する。これら物理量の少なくとも1つに基づけば、制御を開始すべき状態であるかどうかを正確に判断することができる。
(3)前記第2走行状態制御部が、前記走行予定道路状態取得装置によって取得された道路の状態に基づいて前記物理量の変化の状態を推定し、設定時間経過後にその物理量が前記開始しきい値を越えるかどうかを予測する制御開始予測部を含む(2)項に記載の車両制御装置。
走行予定道路状態取得装置によって取得された道路の状態に基づいて物理量の変化の状態が推定され、設定時間経過後にその物理量が開始しきい値を越えるかどうかが予測される。
物理量が設定時間経過後に開始しきい値を越える可能性が高いとされた場合に、制御アクチュエータが中間指令値で制御され、開始しきい値を越える可能性が低いとされた場合には中間指令値で制御されることはない。
(4)前記第1走行状態制御部が、前記走行予定道路状態取得装置によって取得された道路の状態に基づいて決まる車両の規範走行状態からの実際の走行状態の外れに基づいて、前記開始しきい値を決定する開始しきい値決定部を含む(2)項または(3)項に記載の車両制御装置。
第1走行状態制御部による制御が開始される場合の開始しきい値は、常に同じ値としても、車両の走行状態等に基づいて決まる値としてもよい。本項に記載の車両制御装置においては、道路の状態に基づいて決まる車両の規範走行状態からの実際の走行状態の外れに基づいて開始しきい値が決定される。
例えば、道路の状態に基づいて決まる規範状態に対して、実際の走行状態が遅れている場合には、開始しきい値を小さくすることができる。開始しきい値を小さくすれば、制御が開始され易くなり、道路の状態で決まる規範状態に速やかに近づけることができる。
また、規範状態より実際の走行状態の方が進んでいる場合には、開始しきい値を大きくすることができる。それによって、制御が開始され難くなり、不要な制御が開始されることを回避しつつ、規範状態に近づけることができる。
走行状態は、例えば、上下加速度、上下ストローク量、横加速度、ヨーレイト等で表すことができるが、運転者による運転操作部材の操作状態に基づいて取得することもできる。走行状態は運転操作部材の操作状態によって決まることが多いからである。例えば、運転操作部材には、操舵部材、アクセル操作部材、ブレーキ操作部材等が該当し、走行状態は、これら物理量の1つに基づいて、または、2つ以上に基づいて取得することができる。
(5)前記開始しきい値決定部が、前記規範走行状態からの実際の走行状態の外れの程度に基づいて前記開始しきい値を決定する外れ量対応開始しきい値決定部を含む(4)項に記載の車両制御装置。
開始しきい値は、規範状態からの走行状態の外れの程度に基づいて決定することができる。規範状態からの走行状態の外れの程度が大きい場合は小さい場合より開始しきい値の基準値からより大きく隔たったものとするのである。
このようにすることによって、走行状態をより速やかに規範状態に近づけることができる。
(6)前記開始しきい値決定部が、前記路面の状態と車両の走行状態との少なくとも一方に基づいて前記開始しきい値を決定する路面等対応開始しきい値決定部を含む(4)項に記載の車両制御装置。
(7)前記第1走行状態制御部が、前記道路の状態が予め定められた状態を越えた場合に、開始条件が満たされたとして前記制御指令値の作成を開始する道路状態対応制御部を含む(1)項に記載の車両制御装置。
第1走行状態制御部によれば、道路の状態を表す物理量が開始しきい値を越えた場合に開始条件が満たされたとされて、制御アクチュエータが制御される。
【0007】
(8)車両の走行状態を制御可能な制御アクチュエータと、
前記制御アクチュエータの制御指令値を決定し、その制御指令値に応じて制御アクチュエータを制御することより車両の走行状態を制御する第1走行状態制御部と、
その第1走行状態制御部の制御指令値が設定量以上変化する場合に、その変化量の中間的な量変化させて中間制御指令値を決定し、設定時間の間、その中間制御指令値に基づいて前記制御アクチュエータを制御する第2走行状態制御部と
を含むことを特徴とする車両制御装置。
本項に記載の車両制御装置においては、第1走行状態制御部による制御指令値が現在の制御指令から設定量以上変化する場合に、その変化量の中間的な量だけ制御指令値が変化させられる。そして、その中間の制御指令値で制御アクチュエータが制御されるのであるが、この中間制御指令値による制御は、設定時間の間続けられる。
第1走行状態制御部による制御は、第2走行状態制御部による設定時間の制御の後に開始される。第1走行状態制御部による制御は、設定時間経過後直ちに行われることが望ましい。
本項に記載の車両制御装置には、(1)項ないし(7)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。
(9)車両の走行状態を制御可能な制御アクチュエータと、
開始条件が満たされた場合に、その制御アクチュエータを作動させることにより、前記車両の走行状態を制御する走行状態制御装置と
を含む車両制御装置において、
前記走行状態制御装置を、前記開始条件が満たされる以前に、前記制御アクチュエータへの制御指令値を少なくとも2段階で変化させるものとしたことを特徴とする車両制御装置。
走行状態制御装置による制御アクチュエータの制御が少なくとも2段階で変化させられる。そのため、制御アクチュエータの急激な変化を抑制し、あるいは、制御アクチュエータの制御遅れを抑制することができる。
本項に記載の車両制御装置には、(1)項ないし(7)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。
(10)車両の走行状態を制御可能な制御アクチュエータと、
開始条件が満たされた場合に、その制御アクチュエータを作動させることにより、前記車両の走行状態を制御する走行状態制御装置と
を含む車両制御装置であって、
前記走行状態制御装置が、前記開始条件が満たされる以前に、前記制御アクチュエータへの制御指令値を中間的に変化させ、前記車両の走行状態と前記車両が走行する路面の状態との少なくとも一方が変化しても、その中間制御指令値を保持する制御指令値保持部を含むことを特徴とする車両制御装置。
本項に記載の車両制御装置においては、開始条件が満たされる以前に、中間制御指令値が、車両の走行状態と路面の状態との少なくとも一方が変化しても保持される。ただし、開始条件が満たされた後においては、制御指令値は、車両の走行状態や路面の状態に基づいて変化させられることが望ましい。その場合には、中間制御指令値が保持されるのは開始条件が満たされない間となり、走行状態と路面の状態との少なくとも一方が、開始条件が満たされるまで変化した後は、中間制御指令値が保持されることはない。換言すれば、中間制御指令値が保持されるのは、走行状態と路面の状態との少なくとも一方が開始条件を満たさない限りにおいて変化する場合なのである。
本項に記載の車両制御装置には、(1)項ないし(7)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態である車両制御装置としてのサスペンション装置について図面に基づいて詳細に説明する。
図1において、符号10はナビゲーションシステムを示す。ナビゲーションシステム10は、情報処理装置12,記憶装置14,現在位置取得装置16,走行状態検出装置18,表示装置20,音声出力装置22等を含む。
記憶装置14は、地図情報、道路の状態を表す情報等を記憶する。
現在位置取得装置16は、受信装置を含み、人工衛星やビーコンからの情報を受信し、それに基づいて現在の自車両の絶対位置を取得する。走行状態検出装置18は、走行速度センサ、操舵角センサやヨーレイトセンサ等と、地磁気センサとを含み、車両の走行速度、走行方向等を検出する。
表示装置20はディスプレイを含み、地図情報で表される道路等を表示する。音声出力装置22は、音声等を出力する。
情報処理装置12は、コンピュータを主体とするものであり、走行予定道路状態取得部30等を含む。走行予定道路状態取得部30は、記憶装置14に記憶された情報、現在位置、走行状態等に基づいて現在の地図上の位置を表す情報を取得するとともに、設定時間が経過するまでの間に走行する道路の状態(接近する道路の状態)を表す情報を取得する。表示装置20,音声出力装置22等は情報処置装置12によって制御される。
【0009】
ナビゲーションシステム10にはサスペンション装置38が接続される。
サスペンション装置38は、サスペンションECU40,走行速度検出装置42,操舵角度検出装置44,横加速度検出装置46,減衰特性制御アクチュエータ48,ショックアブソーバ50等を含む。減衰特性制御アクチュエータは、車体側部材と車輪側部材との間に設けられたショックアブソーバ50のピストンに設けられたバルブを作動させる電動モータを含むものであり、その電動モータの制御により、バルブが制御され、ショックアブソーバ50のピストンに設けられた流路面積が制御される。流路面積が大きい場合は小さい場合より、減衰特性が柔らかくなり、乗り心地がソフトになる。減衰特性制御アクチュエータ48は、流路面積を連続的に制御可能なものであっても、段階的に制御可能なものであってもよい。
【0010】
サスペンションECU40はコンピュータを主体とするものであり、開始しきい値取得部50,第1走行状態制御部52,第2走行状態制御部54等を含む。
サスペンションECU40には、ナビゲーションシステム10から車両が現在走行中の道路の状態を表す情報、車両が接近する道路の状態を表す情報(設定時間経過するまでに走行する道路の状態を表す情報)等が供給され、それに基づいて減衰特性制御アクチュエータ48等が制御される。
第1走行状態制御部52は、車両の走行状態に基づいて減衰特性制御アクチュエータ48を制御するものであり、開始しきい値取得部50は、第1走行状態制御部52による制御が開始される場合の開始しきい値を取得するものであり、第2走行状態制御部52は、第1走行状態制御部52による制御が開始される以前に減衰特性制御アクチュエータ48を中間的に制御するものである。
【0011】
まず、サスペンション装置38における制御の概要について説明する。
第1走行状態制御部52は、車両の走行状態を表す物理量が開始しきい値を越えた場合に減衰特性制御アクチュエータ48の制御を開始する。制御指令値が作成されて、その制御指令値で減衰特性制御アクチュエータ48が制御される。本実施形態においては、車両の走行状態を表す物理量としての横加速度検出装置46によって検出される横加速度が採用される。横加速度が開始しきい値を越えた場合に、旋回制御が行われるのであり、減衰特性が、例えば、ロールを抑制するように制御される。旋回制御は、横加速度に基づいて行われても、ヨーレイトに基づいて行われても、操舵角度等に基づいて行われてもよい。
開始しきい値取得部50によって開始しきい値が取得されるが、開始しきい値は予め決められている場合や、路面の状態や走行状態等に基づいて決められる場合等がある。本実施形態においては、ナビゲーションシステム10から送信されてサスペンションECU40において受信した車両の現在走行中の道路の状態や接近中の道路の状態を表す情報に基づいて、どのような操舵が行われるべきかが取得される。そして、その操舵規範状態を表す規範値と運転者の実際の操舵状態を表す物理量である実際値とに基づいて開始しきい値が決定される。実際値が規範値で決まる規範範囲内にある場合には、開始しきい値が予め定められた値(基準開始しきい値)に決定され、範囲内にない場合には、外れ量に基づいて開始しきい値が決定される。本実施形態においては、道路の状態の表す情報として、道路の湾曲の程度を表す情報が採用される。道路の湾曲の程度に基づいて操舵部材の操作状態の規範値が求められるのである。
【0012】
本実施形態においては、操舵規範状態が操舵速度で表される。その一例を図2に示す。実線が示す規範値としての操舵速度に対して、実際の操舵速度が破線で表される規範範囲内にある場合には、開始しきい値は基準開始しきい値とされる。規範範囲内にない場合であって、操舵が遅れている場合には、開始しきい値が一点鎖線で表すように基準開始しきい値より小さくされ、操舵が進んでいる場合には、二点鎖線で表すように基準開始しきい値より大きくされる。なお、図2において、規範値、実際値が操舵速度で表され、開始しきい値が前述のように横加速度で表される。
【0013】
横加速度が開始しきい値より小さく、第1走行状態制御部52による制御が開始される前に、減衰特性制御アクチュエータ48は、第2走行状態制御部54によって制御される。第2走行状態制御部54は、現在の減衰制御アクチュエータ48への制御指令値D0と開始条件が満たされた場合に第1走行状態制御部52によって決定される制御指令値Drefとの中間の値Dmである中間制御指令値で減衰特性制御アクチュエータ48を制御する。現在の制御指令値D0は、第1走行状態制御部52による制御も第2走行状態制御部54による制御も行われない状態、すなわち、通常の状態における制御指令値であり、ベース値と称することができる。ベース値は、減衰特性が、柔らかめの値に設定されている。
【0014】
減衰特性の制御を図3のフローチャートに基づいて説明する。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、現在の減衰特性制御アクチュエータ48の制御指令値がベース値であるかどうかが判定される。ベース値である場合には、S2において、ナビゲーションシステム10から供給された設定時間経過までの間の道路の状態を表す情報に基づいて、横加速度の変化状態を推定し、S3において、開始しきい値を取得する。S4において、推定された横加速度の変化状態に基づいて、設定時間が経過するまでの間に開始しきい値を越えるかどうかが判定される。例えば、図4に示すように、横加速度が破線P1のように変化するか、一点鎖線P2のように変化するか、二点鎖線P3のように変化するかどうかが推定され、それによって、設定時間が経過するまでの間に制御が開始される可能性があるかどうかが判定されるのである。
図4に示す場合において、例えば、横加速度が破線P1、一点鎖線P2のように変化すると推定された場合には、制御が開始される可能性が高いと判定され、二点鎖線P3のように変化すると推定された場合には、制御が開始される可能性は低いと判定される。
【0015】
次に、S5において、開始しきい値に基づいて、第1走行状態制御部52による制御の開始時の制御指令値Drefが推定される。そして、S6において、現在の横加速度と開始しきい値との差が設定値以下であるかどうかが判定される。現在の横加速度が、開始しきい値より設定値だけ小さい開始予測しきい値を越えたかどうかが判定されるのである。開始予測しきい値を越えた場合には、S7において、制御指令値が現在の減衰特性の値D0と制御開始時の値Drefとの中間の値Dmに決定され、それによって減衰特性制御アクチュエータ48が制御される。中間制御指令値Dmは、例えば、現在制御指令値D0と開始条件が満たされた場合の制御指令値Drefとの平均値とすることができるが、それに限らない。現在制御指令値D0と開始条件が満たされた場合の制御指令値Drefとの間の値であればよい。
S4において、推定された横加速度の変化状態に基づいて、設定時間が経過するまでの間に制御が開始される可能性が低いとされた場合、制御が開始される可能性があっても、S6において、横加速度が開始予測しきい値を越えない場合には、制御指令値はベース値D0のままである。
【0016】
開始しきい値は図5のフローチャートで表されるサブルーチンの実行に従って取得される。S51において、ナビゲーションシステム10から供給された情報に基づいて、現在走行中の道路の状態が曲がった状態にあるか、設定時間経過後に走行する道路の状態が曲がった状態であるかかのいずれかであるかどうかが判定される。道路の半径や曲率等で表される道路の状態が予め定められた設定状態を越えている場合に、旋回中あるいは旋回する予定であるとされるのである。いずれでもない場合には、S52において、予め定められている基準開始しきい値に決定される。
旋回中または旋回直前である場合には、S53において、走行速度が求められ、S54において、道路状態、走行速度に基づいて、操舵速度の規範値が求められる。そして、S55において、操舵速度が規範範囲内にあるかどうかが判定され、規範範囲内にない場合には、開始しきい値が図2に示すように決定されるのである。このように決定された開始しきい値がS6等において利用される。
【0017】
次にS1が実行された場合には、制御指令値が中間値Dmにされているため、判定がNOとなり、S8における判定がYESとなる。次に、S9において横加速度が開始しきい値を越えたかどうかが判定される。開始しきい値を越えた場合には、S10において第1走行状態制御部52による制御が行われる。開始しきい値を越えていない場合には、第1走行状態制御部52による制御が開始されることはない。
次に、S11において、実際の横加速度が図4に示す開始予測しきい値以上であるかどうかが判定される。開始予測しきい値以上である場合には、制御指令値は中間値Dmのままであるが、開始予測しきい値より小さくなった場合、例えば、図4の一点鎖線P2に示すように変化した場合には、S12において、制御指令値がベース値D0に戻される。
【0018】
第1走行状態制御部52による制御が開始された場合には、S1,8における判定がいずれもNOとなり、S13において、制御の終了条件が満たされるかどうかが判定される。満たされない場合には、S10が実行されるのであり、第1走行状態制御部52による制御が継続して行われる。終了条件が満たされた場合には、S14において制御指令値が中間値Dmに戻される。
【0019】
制御指令値が中間値Dmに戻された場合には、S8における判定がYESとなって、S9以降が実行される。この場合において、横加速度が開始予測しきい値より小さい場合には、S12においてベース値D0に戻される。
制御指令値がベース値D0に戻された場合には、S1における判定がYESとなって、上述の場合と同様に、S2以降が実行される。
【0020】
このように、本実施形態においては、第1走行状態制御部52による制御が開始される以前に、減衰特性制御アクチュエータ48が中間値Dmで制御されるため、第1走行状態制御部52による制御遅れを抑制し、あるいは、減衰特性の急激な変化を抑制することができる。その結果、運転者の乗り心地の低下を抑制することができる。
【0021】
なお、上記実施形態においては、開始条件が満たされるかどうかを判断するための物理量が横加速度とされ、開始しきい値を決めるための物理量が操舵速度とされたが、それに限らない。
例えば、第1走行状態制御部52によって旋回状態が制御される場合には、開始条件が満たされるかどうかを判断するための物理量としては、ヨーレイト、操舵角および車速、ロール姿勢等、また、これらのうちの2つ以上を採用することができる。また、開始しきい値を決めるための物理量は舵角としたり操舵角速度としたりすることができる。さらに、開始しきい値を決めるための物理量は、ステアリングホイール以外の運転操作部材の操舵状態としたり、旋回状態を表す走行状態を表す物理量とすることもできる。また、これら開始条件が満たされるかどうかを判定するための物理量と開始しきい値を決めるための物理量とは、同じであっても、異なっていてもよい。第1走行状態制御部52による制御も同様である。
さらに、上記実施形態においては、減衰特性の制御が行われる場合について説明したが、サスペンション装置において車高調整が行われる場合にも適用することができる。また、サスペンション装置における制御に限らず、ステアリング装置の制御、駆動伝達装置の制御、駆動装置、制動装置の制御にも同様に適用することができる。
【0022】
さらに、上記実施形態においては、第1走行状態制御部52が車両の走行状態に基づいて減衰特性制御アクチュエータを制御するものであったが、ナビゲーションシステムから供給された道路状態を表す情報に基づいて、または、ナビゲーションシステムからの制御指令信号に応じて制御するものであってもよい。この場合においても、制御が開始される以前に、第2走行状態制御部54によって制御指令値が中間値にされる。
その他、本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題、課題解決手段および効果〕に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である車両制御装置全体を概念的に示す図である。
【図2】上記車両制御装置において、車両が走行する路面の状態に基づいて求められた操舵規範値を表す図である。
【図3】上記車両制御装置のサスペンション装置のROMに格納された減衰特性制御プログラムを表すフローチャートである。
【図4】上記車両の横加速度の変化状態を表す図である。
【図5】上記図3のフローチャートの一部を示すフローチャートである。
【符号の説明】
12:情報処理装置 40:サスペンションECU 48:減衰特性制御アクチュエータ 50:開始しきい値取得部 52:第1走行状態制御部 54:第2走行状態制御部
Claims (6)
- 車両の走行状態を制御可能な制御アクチュエータと、
その制御アクチュエータの制御指令値を決定し、その制御指令値に基づいて制御アクチュエータを制御することにより前記車両の走行状態を制御する第1走行状態制御部と、
車両が走行する予定の道路の状態を表す情報を取得する走行予定道路状態取得装置と、
その走行予定道路状態取得装置によって取得された道路の状態に基づいて、予め定められた設定時間経過後における前記第1走行状態制御部による前記制御アクチュエータの制御指令値を予測し、その予測値と現在の制御指令値との中間の値を中間制御指令値として決定し、その中間制御指令値に基づいて前記制御アクチュエータを制御する第2走行状態制御部と
を含むことを特徴とする車両制御装置。 - 前記第1走行状態制御部が、前記車両の走行状態を表す物理量が予め定められた開始しきい値を越えた場合に開始条件が満たされたとして前記制御指令値の作成を開始する走行状態対応制御部を含み、
前記第2走行状態制御部が、前記走行予定道路状態取得装置によって取得された道路の状態に基づいて前記物理量の変化の状態を推定し、設定時間経過後にその物理量が前記開始しきい値を越えるかどうかを予測する制御開始予測部を含む請求項1に記載の車両制御装置。 - 前記第1走行状態制御部が、前記車両の走行状態を表す物理量が予め定められた開始しきい値を越えた場合に開始条件が満たされたとして、前記制御指令値の作成を開始する走行状態対応制御部と、前記走行予定道路状態取得装置によって取得された道路の状態に基づいて決まる車両の規範走行状態からの実際の走行状態の外れに基づいて、前記開始しきい値を決定する開始しきい値決定部とを含む請求項1または2に記載の車両制御装置。
- 車両の走行状態を制御可能な制御アクチュエータと、
前記制御アクチュエータの制御指令値を決定し、その制御指令値に応じて制御アクチュエータを制御することより車両の走行状態を制御する第1走行状態制御部と、
その第1走行状態制御部の制御指令値が設定量以上変化する場合に、その変化量の中間的な量変化させて中間制御指令値を決定し、設定時間の間、その中間制御指令値に基づいて前記制御アクチュエータを制御する第2走行状態制御部と
を含むことを特徴とする車両制御装置。 - 車両の走行状態を制御可能な制御アクチュエータと、
開始条件が満たされた場合に、その制御アクチュエータを作動させることにより、前記車両の走行状態を制御する走行状態制御装置と
を含む車両制御装置において、
前記走行状態制御装置を、前記開始条件が満たされる以前に、前記制御アクチュエータへの制御指令値を少なくとも2段階で変化させるものとしたことを特徴とする車両制御装置。 - 車両の走行状態を制御可能な制御アクチュエータと、
開始条件が満たされた場合に、その制御アクチュエータを作動させることにより、前記車両の走行状態を制御する走行状態制御装置と
を含む車両制御装置であって、
前記走行状態制御装置が、前記開始条件が満たされる以前に、前記制御アクチュエータへの制御指令値を中間的に変化させ、前記車両の走行状態と前記車両が走行する路面の状態との少なくとも一方が変化しても、その中間制御指令を保持する制御指令値保持部を含むことを特徴とする車両制御装置。
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JP2005112041A (ja) * | 2003-10-03 | 2005-04-28 | Aisin Aw Co Ltd | 車両用サスペンション制御システム及びサスペンション制御方法 |
JP2008290583A (ja) * | 2007-05-24 | 2008-12-04 | Toyota Motor Corp | 車両制御装置 |
JP2009078649A (ja) * | 2007-09-26 | 2009-04-16 | Aisin Aw Co Ltd | スタビライザ制御装置、スタビライザ制御方法およびスタビライザ制御プログラム |
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2003
- 2003-03-28 JP JP2003090911A patent/JP2004291942A/ja not_active Withdrawn
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