JP2004289631A - デジタルカメラ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】デジタルカメラに第1〜第3の複数のプロセッサを設け、1回の撮影により得られる1画像(1フレーム)50を3つの領域(担当領域)52に分割し、第1〜第3のプロセッサに撮影信号処理を分担させると共に、各々の担当領域52の撮影信号処理に必要な領域として、第1〜第3のプロセッサにより、1画像50分のデジタル画像信号を互いに重複領域56を設けながら分割して取込まれるようにする。これにより、各プロセッサでは、互いの担当領域52の繋ぎ目L近傍の画素に対しても補間処理を含む撮影信号処理を施すことができる。すなわち、画像破綻を招くことなく、1画像分のデジタル画像データに対する撮影信号処理を複数のプロセッサに分担させて並列処理することができるので、撮影間隔を短縮可能である。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルカメラに係わり、特に、撮像素子により被写体を撮影して、被写体像を表す画像データを取得するデジタルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子の高解像度化に伴い、デジタルカメラの高画素化が進み、1000万画素を超えるようなものも開発されるようになってきている。デジタルカメラでは、画像の画素数が増えると、撮影1回当たりのデータ処理量が増え、撮影間隔(次の撮影が可能になるまでの待ち時間)が長くなってしまう。このため、従来より、デジタルカメラに撮影により得られたデジタル画像データ(以下、画像データ)を記録する記録手段を複数設け、複数の記録手段に画像データを並行して記録する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−23365号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術は、画像データの記録処理を高速化するためのものであり、記録処理の前に画像データに施す欠陥画素補正、エッジ強調処理、YC変換処理といった撮影信号処理を高速化することはできず、撮影間隔の短縮には限界があった。
【0005】
撮影信号処理の高速化のためには、1回の撮影で得られた1画像分の画像データを分割して、複数のプロセッサで1画像分の撮影信号処理を分担(並列処理)することが考えられる。しかしながら、撮影信号処理には周辺の多画素を用いた補間処理が含まれるため、単純に画像データを分割しただけでは、分割位置近傍の画素に対して補間処理を施すことができない。このため、各プロセッサで処理した画像を繋げた場合に繋ぎ目部分に画像破綻が発生してしまう。
【0006】
本発明は上記問題点を解消するためになされたもので、撮影間隔を短縮可能なデジタルカメラを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、撮像素子により被写体を撮影して、被写体像を表す画像データを取得するデジタルカメラであって、前記画像データに対する所定の撮影信号処理を分担して並列処理する複数の撮影信号処理手段を備え、各前記撮影信号処理手段が、当該撮影信号処理手段が担当する担当領域の前記撮影信号処理のために、前記担当領域が隣合う他の前記撮影信号処理手段と少なくとも一部を重複させて前記画像データを取り込む、ことを特徴としている。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、被写体像を表す画像データに対する撮影信号処理を複数の撮影信号処理手段で分担して並列処理する。このとき、各撮影信号処理手段では、当該撮影信号処理手段が担当する担当領域の撮影信号処理のために、担当領域が隣り合う他の撮影信号処理手と少なくとも一部を重複させて画像データを取り込む、すなわち担当領域が隣合う撮影信号処理手段間で重複領域を設けて画像データを分割して取り込むようにしたので、互いの担当領域の繋ぎ目近傍の画素に対しても補間処理を含む撮影信号処理を施すことができる。これにより、画像破綻を招くことなく、被写体像を表す画像データに対する撮影信号処理を複数の影信号処理手段に分担させて並列処理することができるので、撮影間隔を短縮可能である。
【0009】
このように複数の影信号処理手段で撮影信号処理を分担して並列処理した場合、その結果として、被写体像を各撮影信号処理手段の担当領域毎に分割した複数の画像データが得られる。この複数の画像データについては、請求項2に記載されているように、前記撮影信号処理手段による処理後の画像データを所定の記録メディアに記録するための記録手段を更に備え、前記記録手段による記録時に、前記複数の撮像信号処理手段により並列処理した結果得られた前記被写体像を前記担当領域毎に分割した複数の画像データを、当該被写体像を表す1つの画像データに再構成する、ようにするとよい。
【0010】
或いは、請求項3に記載されているように、前記撮影信号処理手段による処理後の画像データを所定の記録メディアに記録するための記録手段を更に備え、前記複数の撮像信号処理手段により並列処理した結果得られた前記被写体像を前記担当領域毎に分割した前記複数の画像データを別々に前記記録手段により記録するようにしてもよい。ところで、デジタルカメラは画像データに基づいて被写体像を表示するための表示手段を一般的に備えている。このように記録手段により複数の画像データを別々のデータとして所定の記録メディアに記録した場合には、表示手段は被写体像を表示するために、請求項4に記載されているように、前記表示手段による表示時に、前記記録手段により別々に記録した前記被写体像を前記担当領域毎に分割した複数の画像データを、当該被写体像を表す1つの画像データに再構成するようにするとよい。このためには、請求項5に記載されているように、前記記録手段は、同一の前記被写体像を構成する前記複数の画像データを関連付けて記録するとよい。
【0011】
なお、記録メディアは、デジタルカメラに内蔵されているものでもよいし、デジタルカメラに着脱可能に装填されているものであってもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明に係る実施形態の1例を詳細に説明する。
【0013】
図1に示すように、本実施の形態に係るデジタルカメラ10は、被写体像を結像させるためのレンズを含んで構成された光学ユニット12と、光学ユニット12を駆動するための駆動回路14と、光学ユニット12の光軸後方に配設され、1000万画素レベルで被写体像を撮影するCCDイメージセンサ(以下、単にCCDと称す)16と、CCD16の駆動を制御すると共に、CCD16から読み出された被写体像を示す出力信号に対して所定のアナログ信号処理を施すアナログフロントエンド18と、主として画像データに対して所定のデジタル信号処理を施すためのデジタル演算処理部20と、記録手段として、記録メディア22に対する各種データの読書きを制御するメディアインタフェース(I/F)24と、表示手段として、撮影によって得られた画像や各種情報を表示するための表示モニタ26と、撮影者によって操作される操作手段28と、所定のケーブルを介して接続されたPCなどの外部装置へ画像データを出力するための外部出力I/F30と、を備えて構成されている。
【0014】
なお、操作手段28には、図示は省略するが、静止画の撮影記録を指示する際に操作されるレリーズボタン、撮影モード/再生モードの何れかを選択するために操作されるモード切替スイッチ、各種パラメータを設定したり、再生モード選択時には再生対象の画像を指定するために操作されるカーソルボタン、本デジタルカメラ10の電源をON/OFFするために操作される電源スイッチなどが含まれる。
【0015】
光学ユニット12は、ステッピングモータ等の駆動源の駆動力により焦点位置を変更可能な機構(オートフォーカス(AF)機構)を備えたズームレンズ(焦点距離可変レンズ)であり、このAF機構及びズーム機構は、駆動回路14によって駆動される。なお、AF機構のみを備えた焦点距離固定レンズを用いてもよい。
【0016】
なお、本実施の形態では、合焦制御として、撮影によって得られた画像のコントラストが最大となるようにレンズ位置を調整する、所謂TTL(Through The Lens)方式を採用しており、撮影エリア内の予め定められた位置(AFフレーム)に存在する被写体に焦点が合うように、自動的に合焦制御が行われるようになっている。具体的には、撮影者による操作手段28のモード切替スイッチの操作により、撮影モードが選択されている場合には、レリーズボタンが半押しされることによって、自動的に合焦制御が行われる。
【0017】
この光学ユニット12の焦点位置に相当する位置に、撮像素子であるCCD16が配設されている。光学ユニット12を通過した光は、CCD16の受光面上に結像されるようになっている。
【0018】
CCD16の受光面上には、多数個の光電変換セルがマトリクス状に配列されており、各々のセルにおいて受光量に応じた信号電荷を蓄積し、当該蓄積した信号をアナログ画像信号として出力する。具体的に、本実施の形態では、CCD16として、所謂電子シャッター機能を有するインターライン型のCCDセンサを用いる。なお、本発明は、CCD16の種類を特に限定するものではない。また、CCD16の代わりに、CMOSイメージセンサを用いることもできる。
【0019】
このCCD16は、アナログフロントエンド18と接続されており、アナログフロントエンド18は、タイミングジェネレータ(TG)32と、アナログ処理回路34と、A/Dコンバータ(A/D)36と、を含んで構成されている。
【0020】
タイミングジェネレータ32は、主として、CCD16、アナログ処理回路34、及びA/Dコンバータ36を駆動させるためのタイミング信号(詳細後述)を生成して、各部に供給するものである。なお、このタイミングジェネレータ32は、アナログフロントエンド18とは別に設けてもよいし、CCD16に内蔵してもよい。
【0021】
CCD16は、このタイミングジェネレータ32からのタイミング信号と同期して、撮影した被写体像を表すアナログ画像信号(受光面上にマトリクス状に配列された多数個の光電変換セルの各々における受光量を表す信号)を出力する。CCD16から出力されたアナログ画像信号は、アナログフロントエンド18に入力されるようになっている。
【0022】
アナログフロントエンド18では、この入力されたアナログ画像信号に対して、タイミングジェネレータ32のタイミング信号と同期して、アナログ処理回路34により相関2重サンプリング処理を施し、且つRGB各色毎の感度調整を行った後、A/Dコンバータ36によりデジタル画像信号に変換して出力する。アナログフロントエンド18の出力端は、デジタル演算処理部20と接続されており、アナログフロントエンド18から出力されたデジタル画像信号は、デジタル演算処理部20へ伝達されるようになっている。
【0023】
デジタル演算処理部20は、撮影信号処理手段として複数のプロセッサ40を備え、且つ各プロセッサ40に対して、主としてCCD16による撮影によって得られた画像データを一時的に記憶するためのSDRAM42と、各種プログラム、パラメータなどが予め記憶されたROM44とが設けられている。各プロセッサ40は、対応するSDRAM42及びROM44とバス46を介して接続されており、SDRAM42及びROM44に任意にアクセスすることができるようになっている。
【0024】
なお、本実施の形態では一例として、第1〜第3の3つのプロセッサ40を備えた場合を説明する。また、以下では、各プロセッサを区別する場合は、第1のプロセッサ40A、第2のプロセッサ40B、第3のプロセッサ40Cと称し、SDRAM42、ROM44、及びバス46についても対応するプロセッサを示すアルファベット(A/B/C)を符号末尾に付与して説明する。
【0025】
各プロセッサ40は、それぞれアナログフロントエンド18及びメディアI/F24と各種情報を授受可能に接続されている。各プロセッサ40は、アナログフロントエンド18からデジタル演算処理部20に出力されたデジタル画像信号を取り込むことができる。また、各プロセッサ40は、取り込んだデジタル画像信号を、それぞれ対応するSDRAM42の所定領域に画像データとして一旦格納した後、SDRAM42から画像データを読出して、所定のデジタル信号処理を施した後、それぞれ対応するSDRAM42に書き戻す。
【0026】
このときプロセッサ40で実行されるデジタル信号処理には、例えば、CCD16の欠陥画素に対応する画像データを当該欠陥画素の周辺の画素に対応する画像データを用いて補正する欠陥画素補正処理、画像の明るさを補正するγ補正処理、画像を先鋭化にするエッジ強調処理、色のバランス調整を行うゲイン補正処理(所謂、ホワイトバランス補正処理)、及びR(赤)、G(緑)、B(青)の3原色の画像データをY信号(輝度信号)及びC信号(色差信号)に変換するYC変換処理が含まれ、SDRAM42に書き戻されるデータは、YC変換処理後のデータ(YC信号)である。
【0027】
このSDRAM42に書き戻された画像データは、ユーザから撮影記録が指示された場合には、各々対応するプロセッサ40により読み出され、所定の圧縮形式(例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式等)で圧縮する圧縮処理が行われた後、メディアI/F24を介して同一の記録メディア22へ記録される。なお、記録メディア22としては、マイクロドライブ、スマートメディア、PCカート、マイクロドライブ、マルチメディアカード(MMC)、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、メモリスティックなどの種々の形態が可能であり、使用されるメディアに応じた信号処理手段とインターフェースが適用される。
【0028】
なお、以下では、プロセッサ40において画像データに対して実行される処理(デジタル信号処理や圧縮処理)のことを撮影信号処理と総称して説明する。
【0029】
ここで、本実施形態に係わるデジタルカメラ10においては、撮影信号処理の高速化のために、図2に示すように、1回の撮影により得られる1画像(1フレーム)50を3つの領域(担当領域)52に分割し、第1〜第3のプロセッサ40A〜Cに撮影信号処理を分担させるようになっている。なお、図2では、1画像50が3αライン(α:正の整数)で構成されている場合を示しており、画像をライン方向にαライン毎に均等に3分割した場合を示している。また、図2では、担当領域52の符号末尾に、担当するプロセッサ40A〜Cを表すアルファベット(A/B/C)を付与している。
【0030】
このために、各プロセッサ40には、画像データの他に、タイミングジェネレータ32により発生されたタイミング信号もアナログフロントエンド18から供給されるようになっている。なお、タイミング信号については、遅延回路を介するなどして、CCD16から画像信号を読み出して、アナログフロントエンド18でアナログ信号処理及びA/D変換処理して、デジタル画像信号が出力されるまでに応じた時間だけ遅延されて供給されるようにするとよい。
【0031】
各プロセッサ40では、タイミングジェネレータ32からのタイミング信号に基づいて、各々予め定められたタイミングで、アナログフロントエンド18から出力されたデジタル画像信号の取り込みを開始・終了することで、各々の担当領域52の撮影信号処理に必要な領域(以下、取込領域)54の画像データを取り込んで、担当領域52の撮影信号処理を行うようになっている。このためのデジタル画像信号の取込開始・終了タイミングを定める設定値(後述する画像取込開始ラインA、終了ラインB)については、ROM44に予め記憶されているものとする。なお、図2では、取込領域54の符号末尾に、担当するプロセッサ40A〜Cを表すアルファベット(A/B/C)を付与している。
【0032】
また、撮影信号処理には、注目画素の値をその周辺の多画素を用いて補間処理する演算が含まれている。例えば、エッジ強調処理では、図3(A)に示すような3画素×3画素分の係数を表した2次元フィルタを用い、注目画素の値を、当該注目画素とその周辺の画素の計9画素を用いてた補間処理(一般に、フィルタリングとも称される)を行うことで、原画像からラプラシアン画像を減算して画像を先鋭化する。すなわち、図3(B)に示すように、2次元フィルタの中心に相当する画素を注目画素P(x,y)とし、当該注目画素とその周辺の画素の計9画素の各々に、図3(A)の2次元フィルタに示されている対応する係数を乗じて加算し、その結果を注目画素P(x,y)の値とする。具体的に、図3の例では、
の演算により、注目画素P(x,y)の値が求められる。このような2次元フィルタを画像上を移動させながら各画素について上記の如く演算を行うことにより、原画像を先鋭化した画像を表す画像データを得ることができる。
【0033】
本実施形態では、このような周辺の多画素を用いた補間処理を考慮して、図2に示すように、各プロセッサ40の取込領域54には、担当領域52が隣り合うプロセッサ40間で、画像の分割位置となる両者の担当領域の繋ぎ目Lの近傍が重複するように重複領域56が設けられている。図2の例では、繋ぎ目Lの上下βライン(β:αより小さい正の整数)ずつの計2βライン分の画像データについては、担当領域52が隣り合う両者のプロセッサ40に取り込まれるようになっている。すなわち、第1〜第3のプロセッサ40では、互いに重複領域56を設けながら、画像データを分割して取込む。
【0034】
なお、重複領域56のサイズは、注目画素と当該注目画素の補間処理に用いる周辺画素との位置関係、言いかえるとフィルタのサイズに応じて定めればよい。例えば、撮影信号処理で行われる各種の補間処理の中で用いられる最大のフィルタサイズが図3で示したような3画素×3画素である場合、重複領域56は、少なくとも繋ぎ目Lの上下1ラインずつの計2ライン以上であればよい。
【0035】
また、第1〜第3のプロセッサ40A〜Cの各々は、図1に示すようにバス48に接続されており、バス48を介して相互に通信可能となっている。第1〜第3のプロセッサ40A〜Cは、このバス48を介した通信により、各々で処理した画像データを送受信可能であると共に、互いの状況を把握することもできる。
【0036】
第1〜第3のプロセッサ40A〜Cの少なくとも1つ、本実施形態では具体的に第1のプロセッサ40Aは、表示モニタ26及び外部出力I/F30と接続されている。第1のプロセッサ40Aの制御により、撮影した画像を表示モニタ26に表示したり、外部出力I/F30から外部装置に撮影により得られた画像データを出力することができる。なお、外部装置へ出力する画像データの指定は、外部出力I/F30を介して外部装置から入力される。
【0037】
また、表示モニタ26は、撮影モード選択時には、CCD16による連続的な撮像によって得られた動画像(スルー画像)を表示し、ファインダとして使用できるものとして構成されている。このように表示モニタ26をファインダとして使用する場合には、第2、第3のプロセッサ40は、各々が処理したYC変換後の画像データを第1のプロセッサ40Aに送信し、第1のプロセッサ40は、第1〜第3のプロセッサ40で処理したYC変換後の各画像データ(YC信号)を所定方式(例えば、NTSC方式)の映像信号に変換する表示制御回路(図示省略)を介して順次表示モニタ26に出力する。これによって、表示モニタ26にスルー画像が表示されることになる。
【0038】
なお、スルー画像については、CCD16の全画素分のデータを用いる必要はなく、画素数が多くてスルー画像を略リアルタイムで表示することが困難な場合には、撮影された画像を間引いて用いるようにするとよい。この場合の画像の間引き処理は、プロセッサ40でデジタル画像処理により行うようにしてもよいが、より高速化のためには、CCD16からの画像信号を間引きながら読出したり、各プロセッサ40で画像信号を間引きながら取り込むことで行われるようにするとよい。
【0039】
また、第1〜第3のプロセッサ40A〜Cの何れか1つのプロセッサ、本実施形態では具体的に第1のプロセッサ40Aは、他のプロセッサ40の処理を含めた該デジタルカメラ10全体の動作の制御を行うマスタープロセッサとして用いられる。
【0040】
このため、マスタープロセッサとしての第1のプロセッサ40Aは、駆動回路14、タイミングジェネレータ32、及び操作手段28とも接続されている。第1のプロセッサ40Aは、操作手段28の***作に応じて、駆動回路14、タイミングジェネレータ32、及び各プロセッサ40の動作を制御することで、該デジタルカメラ10全体の動作を制御することができる。
【0041】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0042】
本実施形態に係わるデジタルカメラ10においては、撮影者による操作手段28の電源スイッチの操作により、電源がONされると起動される。撮影者は、該デジタルカメラ10で撮影を行う場合には、操作手段28のモード切替スイッチを操作して撮影モードを選択する。撮影者により撮影モードが選択された場合は、デジタルカメラ10では、図4に示す如く動作する。
【0043】
すなわち、デジタルカメラ10は、撮影モードが選択されると、まず図4のステップ100において、マスタープロセッサとしての第1のプロセッサ40Aの制御により、光学ユニット12を介したCCD16の連続的な撮影を開始し、表示モニタ26にスルー画像を表示させる。撮影者は、このスルー画像により被写体像を確認しながら撮影画角を調整して、操作手段28のレリーズスイッチを操作する。詳しくは、レリーズスイッチの半押しすることにより、第1のプロセッサ40Aの制御により駆動回路を駆動させてデジタルカメラ10に合焦制御を実行させ、その後、レリーズボタンが全押しして、撮影記録指示を入力する。
【0044】
デジタルカメラ10では、この操作手段28のレリーズスイッチの***作により、撮影記録指示が入力されると、次のステップ102からステップ104に進み、撮影処理、すなわち、第1のプロセッサ40の制御によりタイミングジェネレータ32が駆動されて、CCD16に合焦制御により合焦された状態の被写体像を撮影させる。
【0045】
これにより、タイミングジェネレータ32のタイミング信号に同期して、撮影された被写体像を表すアナログ画像信号がCCD16から順次出力されてアナログフロントエンド18に入力される。そして、アナログフロントエンド18により、CCD16から入力されたアナログ画像信号に対して、相関2重サンプリング処理、及びRGB各色毎の感度調整といった所定のアナログ信号処理が施された後A/D変換されて、デジタル画像信号が出力される。
【0046】
次のステップ106では、第1のプロセッサ40Aにより、当該第1のプロセッサ40Aと共に他のプロセッサ40B、40Cにもデジタル画像信号の取込を指示することで、第1〜第3のプロセッサ40A〜Cにより、アナログフロントエンド18から出力される1画像分のデジタル画像信号を、図2で示したように互いに重複領域56を設けながら分割して取込む。
【0047】
詳しくは、前述のアナログフロントエンド18では、タイミングジェネレータ32のタイミング信号に同期して出力された信号に対して、アナログ信号処理及びA/D変換を行って出力するので、デジタル画像信号もタイミングジェネレータ32のタイミング信号に同期してアナログフロントエンド18から出力されることになる。タイミングジェネレータ32のタイミング信号は、各プロセッサ40にも供給されているので、各プロセッサ40では、このタイミング信号により、画像上におけるアナログフロントエンド18から出力されているデジタル画像信号の位置を把握し、互いに重複領域56を設けて定められた各々の取込領域54に相当するデジタル画像信号を選択して取り込むことができる。
【0048】
ここで、具体的に、CCD16としてインターライン型のCCDセンサを用いた場合に、撮影時にタイミングジェネレータ32においてCCD16を駆動するために生成される信号を説明する。図5には、この場合にタイミングジェネレータ32により生成される各種タイミング信号の一例が示されている。
【0049】
図5に示すように、タイミングジェネレータ32は、撮影時には、所定周期とされた撮像系の垂直同期信号VD及び水平同期信号HDを生成して、CCD16に出力する。また、タイミングジェネレータ32は、CCD16に備えられた受光素子から垂直転送路に信号電荷を移送するための信号であるトランスファゲート信号TGと、CCD16に備えられたオーバードレインにより余剰電荷を掃き出すタイミングを示すオーバーフロードレイン信号OFDと、を垂直同期信号VDに同期させて生成して、CCD16に供給する。
【0050】
ここで、垂直同期信号VDの1周期内において、トランスファゲート信号TGがアクティブレベル(図5の例ではハイレベル)である期間が終了してから、オーバーフロードレイン信号OFDのアクティブレベル(図5の例ではハイレベル)である期間が終了するまでの期間が、CCD16の電子シャッタの動作期間と略同一となる。CCD16では、オーバーフロードレイン信号OFDにより余剰電荷を定期的に掃き出すことで、ブルーミングの発生を防止しながら、トランスファゲート信号TGがローレベル時に信号電荷を蓄積し、トランスファゲート信号TGが立ち上がってアクティブレベルになると、全ての受光素子に蓄積した信号電荷を垂直転送路に移送する。垂直転送路に移送された信号電荷は、垂直方向に順次転送されて、水平転送路から水平同期信号HDと同期させて1ライン分づつ画像信号として出力される。
【0051】
タイミングジェネレータ32は、このような各種タイミング信号によりCCD16を駆動させて、CCD16から水平同期信号HDの入力毎に1ライン分ずつ、垂直同期信号VDの1周期で1画像(1フレーム)分のアナログ画像信号を出力させることができる。
【0052】
各プロセッサ40では、上記のようなタイミングジェネレータ32のタイミング信号によりCCD16が駆動される場合、例えば図6に示す処理を実行することで、各々の取込領域54に相当するデジタル画像信号を取り込むことができる。なお、図6は一例として示すものであり、本発明は、デジタル画像信号を取り込むための処理を図6に示す処理に限定されるものではない。
【0053】
また、ROM44A〜Cに、各々対応するプロセッサ40A〜Cのデジタル画像信号の取込開始・終了タイミングを定める設定値として、画像取込開始ラインA、終了ラインBの値(ただしA<B)が予め記憶されているものとする。具体的には、ROM44Aには、第1のプロセッサの取込開始ラインA=1、終了ラインB=α+βが記憶されている。ROM44Bには、第2のプロセッサの取込開始ラインA=α−β、終了ラインB=2α+βが記憶されている。ROM44Cには、第1のプロセッサの取込開始ラインA=2α−β、終了ラインB=3αが記憶されている。
【0054】
図6に示すように、各プロセッサ40では、タイミングジェネレータ32からの垂直同期信号VDが入力されると、ステップ150からステップ152に進み、各々対応するROM44に予め記憶されている取込開始ラインA、終了ラインBの設定値を読み込むと共に、次のステップ154で、アナログフロントエンド18から何ライン目のデジタル画像信号が出力されるのかを示すカウンタの値Lをリセットする(L=0)。
【0055】
その後は、タイミングジェネレータ32からの水平同期信号HDの入力を待機し、水平同期信号HDが入力されたら、次のステップ156からステップ158に進み、カウンタの値Lをインクリメントする(L=L+1)。このインクリメント後のカウンタの値Lがステップ152で読み込んだ取込開始ラインAと等しくなるまでは、次のステップ160からステップ162を介してステップ156に戻り、同様の処理を繰り返す。そして、カウンタの値Lが取込開始ラインAと等しくなったら(L=A)、ステップ160からステップ164に進み、デジタル画像信号の取込を開始する。
【0056】
すなわち、垂直同期信号VD入力後は、アナログフロントエンド18から水平同期信号HDと同期してライン単位でデジタル画像信号が出力されているが、各プロセッサ40では、カウンタの値Lが取込開始ラインAと等しくなるまでは、水平同期信号HDの1回の入力毎に、カウンタ値をインクリメントして、何ライン目のデジタル画像信号が出力されるのかを示すライン数のカウントのみを行う。カウンタの値Lが取込開始ラインAと等しくなると、プロセッサ40は、デジタル画像信号の取込を開始し、取込開始ラインA以降のデジタル画像信号を順次受信して、各々対応するSDRAM42に画像データとして格納していく。
【0057】
ステップ164のデジタル画像信号の取込開始後は、ステップ156に戻り、同様に、水平同期信号HDの入力を待機し、水平同期信号HDが入力されたら次のステップ158でカウンタの値をインクリメントする。そして、カウンタの値Lがステップ152で読み込んだ終了ラインBと等しくなるまでは、次のステップ160からステップ162を介してステップ156に戻る。すなわち、デジタル画像信号を取込中もライン数のカウント動作が継続されることになる。
【0058】
その後、カウンタの値Lが終了ラインBと等しくなったら(L=B)、ステップ162からステップ166に進み、デジタル画像信号の取込を終了して、図6の処理は終了される。
【0059】
このような処理により、各プロセッサ40A〜Cでは、アナログフロントエンド18から出力される1画像分のデジタル画像信号から、各々の取込領域に相当するデジタル画像信号のみを取り込むことができる。すなわち、第1〜第3のプロセッサ40A〜Cにより、1画像分のデジタル画像信号が互いに重複領域56を設けながら分割して取込まれることになる。
【0060】
その後、デジタルカメラ10では、図4の次のステップ108に進み、各プロセッサ40で、各々が取り込んでSDRAM42に格納した画像データに対して、撮影信号処理を施す。詳しくは、各プロセッサ40では、まず、SDRAM42から画像データを読み出して、欠陥画素補正処理、γ補正処理、エッジ強調処理、ゲイン補正処理を施し、YC変換処理によりYC信号に変換してSDRAM42に書き戻す。続いて、各プロセッサ40は、記録メディア22に記録するために、SDRAM42から再び画像データ(ただしYC信号に変換後のデータ)を読み出して、JPEG形式などで圧縮する。
【0061】
そして、次のステップ110では、全てのプロセッサ40での撮影信号処理が終了するまで待機する。なお、撮影信号処理の終了判断については、本実施の形態では、各プロセッサ40が圧縮処理が終了したものから処理終了を互いに通知し合い、この通知により、マスタープロセッサとしての第1のプロセッサ40Aにおいて、全てのプロセッサ40の撮影信号処理が終了したか否かを判断するようになっている。
【0062】
全てのプロセッサ40での撮影信号処理が終了したら、次のステップ110からステップ112に進み、各プロセッサ40により、撮影信号処理後の各々の担当領域52の画像データを、メディアI/F24を介して記録メディア22に順に記録する。すなわち、第1〜第3のプロセッサ40A〜Cにより分割処理した1画像分の画像データが同一の記録メディア22に記録されることになる。
【0063】
このようにして、記録メディア22に記録された第1〜第3のプロセッサ40A〜Cにより分割処理した1画像分の画像データは、撮影者による操作手段28のモード切替スイッチの操作により、撮影した画像を再生表示するための再生モードが選択されて、再生が指示された場合に、例えば、マスタープロセッサである第1のプロセッサ40Aにより、記録メディア22から読み出される。そして、第1のプロセッサ40Aにより、読み出した画像データに対して所定の画像伸張処理を施した後、図示しない表示制御回路を介して表示モニタ26に転送することで、表示モニタ26に表示(再生表示)する。
【0064】
ここで、前述のステップ112では、第1〜第3のプロセッサ40A〜Cにより分割処理した各々の担当領域52の画像データを、1つのファイルとして記録メディア22に記録してもよいし、それぞれ別々のファイルとして記録メディア22に記録してもよい。
【0065】
ただし、分割処理した画像データを1つのファイルとして記録する場合は、記録メディア22で採用しているファイルシステムを考慮する必要がある。例えば、一般にデジタルカメラ10で記録メディア22のファイルシステムとして採用しているFAT(File Allocation Table)システムでは、ファイルへのアクセスは所定情報量(例えば512Byte)であるセクタ単位で行われるが、ファイルに対する物理セクタの割当は、物理セクタの2のべき乗となるクラスタ単位で行われる。すなわち、記録メディア22へのデータの処理記録はクラスタ単位で行われることになる。
【0066】
このような場合は、図7(A)に示すようにデータを書き込むとよい。すなわち、まず、第1のプロセッサ40Aにより、当該第1のプロセッサ40Aで処理したデータをファイルシステムにより割当てられた記録メディア22のクラスタ60に書き込んでいく。このとき、第1のプロセッサ40Aで処理したデータのサイズが、記録メディア22のクラスタ60のサイズの倍数になるとは限らず、第1のプロセッサ40Aによりデータが書き込まれる最終クラスタ(以下、第1のプロセッサの最終クラスタと称す)60Aの途中で、第1のプロセッサ40Aによるデータの書き込みが終了することがある。
【0067】
このため、第1のプロセッサ40Aの次に記録メディア22へのデータの書き込みを行う第2のプロセッサ40Bでは、第1のプロセッサの最終クラスタ60Aからデータを一旦読み出し、第1のプロセッサ40Aによる書き込みデータの最後と、当該第2のプロセッサ40Bで処理したデータの先頭とを繋げて(再整列と称す)、連続アドレスとして第1のプロセッサの最終クラスタ60Aに書き戻す。第1のプロセッサの最終クラスタ60Aへデータを書き戻した後は、第2のプロセッサ40Bは、当該第2のプロセッサ40Bで処理したデータを続けて、ファイルシステムにより割当てられた記録メディア22の次のクラスタ60へと順に書き込んでいく。
【0068】
そして、第2のプロセッサ40による記録メディア22へのデータの書き込みが終了したら、第3のプロセッサ40によりデータの書き込みを開始するが、このときも、同様に、第2のプロセッサの最終クラスタのデータを一旦読出して、当該第3のプロセッサCで処理したデータと再整列させて、連続アドレスで第2のプロセッサの最終クラスタに書き戻して、当該第3のプロセッサ40Cで処理したデータを書き込んでいけばよい。これにより、第1〜第3のプロセッサ40A〜Cにより分割処理されたデータを連続アドレスで1つのファイルとして記録メディア22に記録することができる。
【0069】
また、圧縮形式によっては、例えば、JPEG形式におけるリスタートコード(RST)のように、読み飛ばしを指示するコードが使用可能なものもある。このような場合には、図7(B)に示すようにデータを書き込むとよい。すなわち、まず、第1のプロセッサ40Aにより、当該第1のプロセッサ40Aで処理したデータをファイルシステムにより割当てられた記録メディア22のクラスタ60に書き込んでいき、データの書き込みが終了したら、最後にリスタートコード62を書き込む。最終クラスタ60Aにおけるリスタートコード62以降のアドレスについては、再生時には読み飛ばされるので、あたかもダミーデータ64を挿入したかの如く扱うことができる。
【0070】
次に、第2のプロセッサ40により、当該第2のプロセッサ40Aで処理したデータをファイルシステムにより割当てられた次のクラスタの先頭から書き込んでいき、データの書き込みが終了したら、同様に最後にリスタートコード62を書き込む。最後に、第3のプロセッサ40により、当該第3のプロセッサ40Cで処理したデータをファイルシステムにより割当てられた次のクラスタの先頭から書き込んでいけばよい。このようにリスタートコード62を用いることで、第1〜第3のプロセッサ40A〜Cにより分割処理されたデータを1つのファイルとして記録メディア22に記録することもでき、且つ図7(A)の場合と比較して、最終クラスタのデータを読み出して再整列した後書き戻すという複雑な処理が不要となるので、より高速にデータを記録することが可能となる。
【0071】
一方、第1〜第3のプロセッサ40により分割処理した画像データを別々のファイルとして記録メディア22に記録する場合は、各プロセッサで処理した画像データのファイルを互いに関連付け、同一の画像を構成するものであることを判別可能にする必要がある。この関連付けは、同一の画像を構成する画像データ(画像ファイル)のファイル名や当該データの格納位置を表すアドレスをテーブルデータとして保持するようにしてもよいが、同一の画像を構成するファイル同士を判別可能なように各画像ファイルに対してファイル名を付与するのが簡単である。
【0072】
例えば、図8(A)に示すように、第1〜第3のプロセッサ40A〜C毎に、分割処理した画像データのファイル70を格納するためのフォルダ72(同図では、「imegeA」、「imageB」、「imageC」とフォルダ名の末尾に対応するプロセッサ40を表すアルファベットを付与している)を記録メディア22に設け、第1〜第3のプロセッサ40A〜Cにより、撮影毎に互いに同一のファイル名を付与して、各々で処理した画像データのファイル70を対応するフォルダ72内に格納すればよい。
【0073】
これにより、ファイル名から同一の画像を構成するファイル70同士を把握可能であり、且つ当該ファイル70が格納されているフォルダ72から何れのプロセッサ40で処理されたものであるか、すなわち1画像の何れの部分を表す画像データであるのかを判別することができる。画像再生時には、例えば第1のプロセッサ40により、各フォルダ72から同一のファイル名、例えば「bunkatu01」というファイル名のファイル70を読み出して、各々に所定の画像伸張処理を施すと共に、各ファイル70が格納されていたフォルダ72に基づいて当該ファイル70の画像データが1画像の何れの部分を表すものであるのかを判別して、1画像分の画像データを再構成し、表示モニタ26に再生表示させればよい。
【0074】
また、例えば、図8(B)に示すように、第1〜第3のプロセッサ40A〜Cにより、各々で処理した画像データのファイル70に対して、撮影毎に互いに同一のファイル名(同図では、「bunkatuXX」(XX:撮影順番を示す番号など各撮影毎に変更される))を付与し、且つこのファイル名に各プロセッサ40を識別するための符号を付加して(同図では、ファイル名末尾に、対応するプロセッサを表すアルファベット(A/B/C)を付加)、記録メディア22の同一フォルダ74内に格納するようにしてもよい。
【0075】
これにより、第1〜第3のプロセッサ40A〜Cにより、分割処理した画像データを別々のファイル70として、同一のフォルダ74に格納するようにした場合でも、ファイル名から同一の画像を構成するファイル同士を判別可能であると共に、何れのプロセッサ40で処理されたものであるか、すなわち1画像の何れの部分を表す画像データであるのかを判別することができる。画像再生時には、例えば第1のプロセッサ40により、ファイル名により、同一の画像を構成するファイル同士を判別して、例えば「bunkatu01A」、「bunkatu01B」、「bunkatu01C」というファイル名の3つのファイル70を読み出して、各々に所定の画像伸張処理を施すと共に、各ファイル70のファイル名末尾のアルファベットにより画像データが1画像の何れの部分を表すものであるのかを判別して、1画像分の画像データを再構成し、表示モニタ26に再生表示させることができる。
【0076】
このように、本実施の形態では、デジタルカメラ10に第1〜第3のプロセッサ40A〜Cと複数のプロセッサを設け、1回の撮影により得られる1画像(1フレーム)50を3つの領域(担当領域)52A〜Cに分割して、第1〜第3のプロセッサ40A〜Cに撮影信号処理を分担させると共に、各々の担当領域52の撮影信号処理に必要な領域として、第1〜第3のプロセッサ40A〜Cにより、1画像分のデジタル画像信号を互いに重複領域56を設けながら分割して取込まれるようにしたので、各プロセッサ40では、互いの担当領域52の繋ぎ目L近傍の画素に対しても補間処理を含む撮影信号処理を施すことができる。すなわち、画像破綻を招くことなく、1画像分の画像データに対する撮影信号処理を複数のプロセッサ40に分担させて並列処理することができるので、撮影間隔を短縮可能である。また、デジタルカメラ10の高画素化が進んだ場合でも、プロセッサ40及び書き込み可能な記録メディア22の個数を増やすだけで、撮影間隔の延長を防止可能である。
【0077】
なお、上記では、主として、撮影者による撮影記録指示の入力に呼応してCCDにより撮影された被写体像を表す1画像分のデジタル画像信号を複数のプロセッサ40により分割取込して、複数のプロセッサで撮影信号処理を分担する場合を説明したが、スルー画像を表示するために連続的に撮影した各画像のデジタル画像信号についても、同様に、複数のプロセッサ40により分割取込して、撮影信号処理を分担して行うとよい。また、上記では、静止画を撮影するデジタルカメラを説明したが、動画を撮影するデジタルカメラであってもよい。
【0078】
また、上記では、説明の簡便化のために、CCD16として、画像の圧縮処理方向と同一の方向に画像信号を読み出すタイプ(水平読出タイプと称す)のCCDセンサを用いる場合を前提に説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、より高速に画像信号が読み出すために注目されている圧縮方向と読出し方向が直交するタイプ(垂直読出タイプと称す)のCCDセンサを用いてもよい。垂直読出タイプのCCDセンサを用いる場合は、画像データの各画素の配置を縦横並び替えて、90度回転させる処理が必要となるが、複数のプロセッサ40を用いて分割処理することにより、この回転処理も高速に処理することができ、撮影信号処理に回転処理が追加されたとしても、垂直読出タイプのCCDを用いたことによるメリットを享受することができる。言いかえると、複数のプロセッサ40を用いて画像データを分割処理することにより、撮影信号処理として、従来技術では処理速度の点から断念せざる得なかった処理を実行することができる。
【0079】
【発明の効果】
上記に示したように、本発明は、デジタルカメラの撮影間隔を短縮することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るデジタルカメラの電気系の構成を示すブロック図である。
【図2】第1〜第3のプロセッサにより1画像を分割処理するために定めた各々の担当領域と取込領域の関係を示す概念図である。
【図3】(A)は二次元フィルタの一例、(B)は(A)の二次元フィルタを用いた補間処理を説明するための概念図である。
【図4】本実施の形態に係るデジタルカメラの撮影モード選択時の動作を示すフローチャートである。
【図5】インターライン型のCCDセンサを駆動するためにタイミングジェネレータにより生成される各種タイミング信号の一例を示すフローチャートである。
【図6】取込領域に相当するデジタル画像信号を取り込むために、第1〜第3のプロセッサで実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】(A)、(B)は、第1〜第3のプロセッサで処理したデータを1つのファイルとして記録メディアに記録する場合の記録方法を説明するための図である。
【図8】(A)、(B)は、第1〜第3のプロセッサで処理したデータを別々のファイルとして記録メディアに記録する場合の記録方法を説明するための図である。
【符号の説明】
10 デジタルカメラ
12 光学ユニット
14 駆動回路
16 CCDセンサ
18 アナログフロントエンド
20 デジタル演算処理部
22 記録メディア
24 メディアI/F
26 表示モニタ
28 操作手段
32 タイミングジェネレータ
34 アナログ処理回路
36 A/Dコンバータ
40 プロセッサ
50 画像
52 担当領域
54 取込領域
56 重複領域
Claims (5)
- 撮像素子により被写体を撮影して、被写体像を表す画像データを取得するデジタルカメラであって、
前記画像データに対する所定の撮影信号処理を分担して並列処理する複数の撮影信号処理手段を備え、
各前記撮影信号処理手段が、当該撮影信号処理手段が担当する担当領域の前記撮影信号処理のために、前記担当領域が隣合う他の前記撮影信号処理手段と少なくとも一部を重複させて前記画像データを取り込む、ことを特徴とするデジタルカメラ。 - 前記撮影信号処理手段による処理後の画像データを所定の記録メディアに記録するための記録手段を更に備え、
前記記録手段による記録時に、前記複数の撮像信号処理手段により並列処理した結果得られた前記被写体像を前記担当領域毎に分割した複数の画像データを、当該被写体像を表す1つの画像データに再構成する、ことを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ。 - 前記撮影信号処理手段による処理後の画像データを所定の記録メディアに記録するための記録手段を更に備え、
前記複数の撮像信号処理手段により並列処理した結果得られた前記被写体像を前記担当領域毎に分割した前記複数の画像データを別々に前記記録手段により記録する、ことを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ。 - 前記画像データに基づいて被写体像を表示するための表示手段を更に備え、
前記表示手段による表示時に、前記記録手段により別々に記録した前記被写体像を前記担当領域毎に分割した複数の画像データを、当該被写体像を表す1つの画像データに再構成する、ことを特徴とする請求項3に記載のデジタルカメラ。 - 前記記録手段は、同一の前記被写体像を構成する前記複数の画像データを関連付けて記録する、ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のデジタルカメラ。
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