JP2004287342A - ミキサ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スライドボリウムによるフェーダ30と、音源ユニット18とデータの授受を行う手段とを備えたミキサ装置において、フェーダ30が操作された場合に音源ユニット18に対してMIDIノートオンイベントデータ等の発音指示信号を出力する発音指示手段を設ける。この場合において、操作者の指等がフェーダ30のつまみへ接触あるいは接近したことを検出するタッチセンサ又は近接センサを設け、これらのセンサによってフェーダ30の操作の有無を検出するようにするとよい。さらに、フェーダ30が操作された場合に出力する発音指示信号に係る音量、音高又は音色を設定することができるようにするとよい。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、楽音信号の処理を行うミキサ装置に関し、特に、楽音発生装置に対する発音指示操作の受付方式に特徴を有するミキサ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ミキシング装置(ミキサ)に、入力ソースとして各種の楽音発生装置を接続することが行われている。そしてこの場合、これらの楽音発生装置に対して任意のタイミングで発音指示を与えるために、例えば鍵盤などの演奏操作子を別途用意し、MIDI(Musical Instruments Digital Interface)等を用いてそのミキサに接続して使用していた。
この発明に関連する技術を記載した文献としては、例えば特許文献1が挙げられる。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−142286号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、鍵盤を別途用意する場合には、鍵盤の分のコストが余計にかかることになるし、ミキサの近傍に鍵盤を置くスペースも必要になるという問題があった。単純にこのような鍵盤の代わりにミキサに鍵盤を設けることも考えられるが、これはミキサのコスト増につながるし、ミキサのコンソールの大型化により、かえって本来のミキシング操作が煩雑になってしまう等の問題がある。
【0005】
また、当然ながら、楽音発生装置に対して発音指示を与え、ミキサから楽音を出力させるには、ミキサの音量操作と鍵盤などの演奏操作による発音指示操作の双方が伴うことになる。ミキサのコンソール上で音量調整しながら、別途設置された鍵盤を演奏操作するのは、操作者にとってかなり困難なものとなりがちである。
この発明は、このような問題を解決し、ミキサ装置において、コストとスペースの増加を抑えながら、楽音発生装置に対する発音指示の操作を容易に行うことができるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明は、音量操作子と、楽音発生装置とデータの授受を行う手段とを備えたミキサ装置において、音量操作子が操作された場合に上記楽音発生装置に対して発音指示信号を出力する発音指示手段を設けたものである。
このようなミキサ装置において、上記音量操作子にタッチセンサ又は近接センサを設け、上記発音指示手段を、上記タッチセンサ又は上記近接センサが操作を検出した場合に発音指示信号を出力する手段とするとよい。
さらに、上記音量操作子が操作された場合に上記発音指示手段が出力する発音指示信号に係る音量、音高又は音色を設定する手段を設けるとよい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
まず、この発明のミキサ装置の実施形態であるデジタルミキサについて説明する。図1にそのデジタルミキサの概略構成を示す。
このデジタルミキサは、入力する波形データに対して各種の信号処理を行って出力する波形データ処理装置であり、図1に示すように、CPU11,メモリ12,外部機器I/F13,DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)14,コンソール20がシステムバス19によって接続されている。
【0008】
CPU11は、このデジタルミキサを統括制御する制御部であり、メモリ12に記憶された所要の制御プログラムを実行することにより、外部機器I/F13を介した通信の制御、DSP14における波形処理動作の制御、コンソール20からの操作情報の取得やコンソール20における表示及び操作子22の動作制御等の制御動作を行う。
メモリ12は、ROM,RAM,ハードディスク等によって構成され、CPU11が実行する制御プログラムや必要なデータ、あるいはユーザが作成した設定データ等を記憶したり、CPU11のワークメモリとして使用したりする記憶手段である。
【0009】
外部機器I/F13は、PC(パーソナルコンピュータ)17やMIDIに対応した楽音発生装置である音源ユニット18等の外部機器と通信を行うためのインタフェースであり、例えばIEEE1394(Institute of Electrical and Electronic Engineers 1394)規格やRS232C(Recommended Standard 232 version C)規格に準拠したインタフェースを用いることができる。あるいは、ネットワークカード等を用いてLAN(ローカルエリアネットワーク)を介した通信を行うことができるようにしてもよい。
なお、PC17は、このデジタルミキサにおける設定や動作の指示を行うための補助的なインタフェースとして使用するためのものである。音源ユニット18は、MIDI規格のデータとして転送されてくるノートオンやノートオフ等の指示および音量,音高,音色等の設定に従って波形データを出力するユニットである。
【0010】
DSP14は、コンソール20の操作及びそれに応じたCPU11からの指示によって指定される各種パラメータに従って、入力部15から入力する音響信号である波形データに対してミキシング、イコライジング、エフェクト処理等の各種の信号処理を行って出力部16に出力するユニットである。そして、多チャンネル(ch)の波形データを同時に処理可能である。
入力部15からは例えば112chの波形データを入力可能であり、アナログ信号を入力する場合にはA/Dコンバータによってデジタル信号に変換するものとする。なお、ここから入力する波形データは、ハードディスク等の記憶装置から読み出したデータでもよい。結線の図示は省略しているが、音源ユニット18が出力する波形データも、ここから入力する。
また、出力部16からは例えば48chの波形データを出力可能であり、アナログ信号を出力する場合にはデジタル信号をD/Aコンバータによって変換して出力するものとする。
【0011】
コンソール20は、このデジタルミキサに対する操作を受け付けたり、各種メッセージ等を表示したりするためのユニットである。そして、液晶ディスプレイ等による表示器21と操作子22とを備えている。
操作子22は、このデジタルミキサに対する種々の設定指示や操作指示を受け付けるためのものであり、フェーダ30やロータリーエンコーダ23を始め、種々のスイッチやダイヤル、ボタン等によって構成されている。
【0012】
図3にこのコンソール20に設けた操作子22のうちこの発明に関連する部分の構成を模式的に示す。実際のデジタルミキサにおいてはここに示したもの以外にも種々の操作子を設けているが、その詳細についてはこの発明とは直接関係ないため、図示及び説明を省略する。
図3に示すように、コンソール20には操作子として、割り当てられた入力chや出力chについての設定操作を行うための複数のchスロット40a〜40n(総称する場合は符号「40」を用いる)と、種々のパラメータの設定操作を行うための共用設定操作子であるロータリーエンコーダ23,カーソルキー24,エンタキー25と、後述のようにフェーダ30の機能を切り換えるためのフェーダ切換キー26とを設けている。
【0013】
そして、各chスロット40には、フェーダ30,選択スイッチ41,パンスイッチ42,高音域,中音域,低音域のイコライザ設定スイッチ43,44,45を備えている。
このうち選択スイッチ41は、設定操作の対象とするchを選択するための選択操作子である。選択スイッチ41を押下すると、その選択スイッチ41を含むchスロット40を設定操作の対象として選択したことになり、そのchスロットに割り当てられているchのパラメータと、そのchスロットのフェーダ30を発音指示操作子として機能させる場合の発音指示の内容の設定を行うことができる状態になる。また、発光ダイオード等によるランプを点灯させることにより、選択されているchスロットを表示することができる。そして、上述の共用設定操作子を操作することにより、選択されたchスロットに対応するchのパラメータや発音指示の内容を設定することができる。設定時の画面表示や操作方法については、適宜公知の方式を採用すればよいので、説明を省略する。
【0014】
パンスイッチ42は、入力チャンネル毎にその左右のバランスを設定するパンニング調整を行うための音像定位制御操作子であり、ダイヤル式のスイッチを採用し、絶対位置に関係無く操作量と回転方向のみを検出するロータリーエンコーダを採用している。各イコライザ設定スイッチ43,44,45は、それぞれ高音域,中音域,低音域の出力レベルを設定するためのスイッチであり、やはりロータリーエンコーダを採用している。
【0015】
フェーダ30は、通常は入力チャンネル毎にその音量を設定するためのスライドボリウム(可変抵抗器)による音量操作子であり、その操作部であるつまみ35を操作して適当な位置に移動させることにより、対応するchスロットに割り当てられたchの音量の設定値を定めることができる。しかし、音源ユニット18への発音指示信号の出力を指示するための発音指示操作子としても用いることができ、この点がこの発明の特徴である。そして、フェーダ切換キー26の操作によってフェーダ30をこの2つのうちどちらとして機能させるかを切り換えることができる。
【0016】
このフェーダ30の内部構成を図2に示す。
図2に示すように、フェーダ30はスライドボリウム31とタッチセンサ34とを備えている。スライドボリウム31は、つまみ35の位置を検出するための可変抵抗33を備えており、グランド電圧Gと基準電圧Hとの間でつまみ35の位置に応じた位置で出力VRを取り出し、これをA/D変換してその位置を示すデータとして出力する。また、CPU11からの制御信号によって制御されるドライブモータ32を設け、これを駆動してつまみ35を自動的に所要の位置に移動させることができるいわゆるムービングフェーダとしているが、これは必須ではない。
タッチセンサ34は、つまみ35に何らかの物体、例えば操作者の指が接触したことを検出するためのセンサであり、つまみ35の移動がなくても、単に操作者が触れただけで、フェーダ30が操作されたと検出することができる。このタッチセンサ34は、手指など人体の誘導効果を利用した近接センサや、あるいは操作による振動や衝撃を検出する公知の適当なセンサを用いて構成することができる。
【0017】
次に、上述したデジタルミキサにおける発音指示動作に関する処理について説明する
このデジタルミキサにおいて、CPU11は、所定のタイミング毎に、各操作子の操作の有無を検出し、コンソール20からの操作指示を受け付けると共に、その内容を動作に反映させる処理を行っている。図4及び図5のフローチャートにこの処理の一部を示すが、この発明に関連する処理の内容を明確にするため、発音指示動作に関連する処理のみを示しており、それ以外の部分については図示及び説明を省略する。
【0018】
CPU11は、上述のように、所定のタイミングで図4のフローチャートに示す処理を開始し、まずステップS1で操作イベントの有無及び各chの選択状態を検出する。以下の処理でイベントの有無や状態を基に何らかの判断を行う場合には、全てここで検出した内容に従って判断するものとする。なお、何らかの操作イベントがあった場合にその旨を示すフラグをメモリ12のRAMに記憶させておき、これをステップS1で参照すれば、操作イベントの有無の検出を行うことができる。このフラグの管理処理は特に図示しないが、操作イベントに対応する処理が終了した時点でクリアするものとする。
【0019】
ステップS1の後はステップS2に進み、選択されているchスロットの有無を判断する。なければステップS3に進む。そして、いずれかの選択スイッチのオン(押下)イベントがあった場合にはステップS4でそのオンイベントのあった選択スイッチ41のランプを点灯させ、対応するchスロットを選択状態に設定して図5のステップS11に進む。オンイベントがなかった場合にはそのままステップS11に進む。
また、ステップS2で選択されているchスロットがあれば、ステップS5に進む。そして、ここでロータリーエンコーダ23等の共用設定操作子の操作イベントがあれば、ステップS6でその操作内容に従って選択されているchスロットについての設定処理を行って、図5のステップS11に進む。
【0020】
ところで、前述のように、この設定処理には、選択されているchスロットに割り当てられているchのパラメータの設定と、そのchスロットのフェーダ30を発音指示操作子として機能させる場合の発音指示の内容の設定とがある。操作者は、フェーダ30が音量操作子として機能しているか発音指示操作子として機能しているかに関わらず、これらのパラメータや項目を任意に選択して設定することができる。ここで、前者のパラメータは例えばデエンファシス,ノイズゲート,コンプレッサ,ディレイ,オン,センドレベル調整,ミュート等の公知のものであるが、後者は、フェーダ30が操作された場合に出力する発音指示信号に係るタッチ、音量、音高又は音色等である。
【0021】
もちろん、これらのうち複数のパラメータを選択的に設定することができるようにしてもよい。これらの設定内容は、必要に応じて読み出すことができるようにメモリ12の特定の領域に記憶しておく。また、音高については、音階で指定するようにしても周波数で指定するようにしてもよい。音色についても、予め記憶してある音色データの番号で指定するようにしてもよいし、音響効果の組み合わせで指定するようにしてもよい。なお、「タッチ」とは、音量に応じて出力波形データの振幅だけでなくフィルタや音色も変える場合の設定の呼び名である。MIDI規格においては、「タッチ」と「音量」を合わせて鍵盤楽器の押鍵速度に相当する「ベロシティ」として設定し、ベロシティに応じて出力波形データの振幅のみを変えるかフィルタや音色も変えるかは、音源ユニット18側の設定によって決めるようにしている。
【0022】
一方、ステップS5で操作イベントがなかった場合には、ステップS7に進む。そして、いずれかの選択スイッチのオンイベントがあった場合にはステップS8で選択されていたchスロットの選択スイッチ41のランプを消灯し、対応するchスロットを非選択状態に設定する。そしてステップS9でそのオンイベントが選択されていなかったchスロットについてのものであれば、ステップS4そのオンイベントのあった選択スイッチと対応するchスロットを選択状態に設定して図5のステップS11に進む。
すなわち、選択されているchスロットの選択スイッチ41が再度押下された場合にはそのchスロットを非選択状態とし、それ以外のchスロットの選択スイッチ41が押下された場合には選択状態のchスロットをそのchスロットに切り換える。
ステップS7又はS9の判断がNOであれば、そのまま図5のステップS11に進む。
【0023】
図5のステップS11乃至S14の処理では、フェーダ切換キー26のオンイベントがあった場合に、フェーダ30を音量操作子として機能させる通常モードとフェーダ30を発音指示操作子として機能させるフェーダプレイモードとをトグル方式で切り換える。この処理においては、CPU11が切換手段として機能する。
【0024】
次に、ステップS15に進み、フェーダプレイモードであればステップS16に進む。そして、フェーダ30に備えたタッチセンサ34がつまみ35への接触、すなわちフェーダ30の操作を検出したことを示すフェーダタッチオンイベントがあった場合には、ステップS17に進む。そして、そのイベントがあったフェーダ30についての発音指示信号に係るタッチ、音量、音高又は音色等の設定を読み出し、発音指示信号として、その設定に基づいたMIDIノートオンイベントデータを作成して音源ユニット18に出力して処理を終了する。この処理においてはCPU11が発音指示手段として機能する。
なお、MIDI規格では、音色はプログラムチェンジイベントによって指定するので、音色の変更が必要になった場合には、ノートオンイベントデータの他にこのイベントのデータも出力するものとする。また、フェーダプレイモードにおいては、フェーダ30のつまみ35が移動された場合でも、対応するchについての音量の設定は変更しない。
【0025】
また、ステップS16でフェーダタッチオンイベントがなければステップS18に進む。そして、タッチセンサ34がつまみ35への接触の終了すなわちフェーダ30の操作終了を検出したことを示すフェーダタッチオフイベントがあった場合には、ステップS19に進む。そして、そのイベントがあったフェーダ30についての発音指示信号に係るタッチ、音量、音高又は音色等の設定を読み出し、発音停止指示信号として、そのフェーダ30の操作に応じて出力したMIDIノートオンイベントデータに対応するMIDIノートオフイベントデータを作成して音源ユニット18に出力して処理を終了する。この処理においてはCPU11が発音停止指示手段として機能する。
【0026】
ステップS18でフェーダタッチオフイベントがなかった場合には、そのまま処理を終了する。また、ステップ15でフェーダプレイモードでなかった場合にはステップS20に進み、フェーダ30を音量操作子として機能させる従来の場合と同様に、フェーダ30の操作に応じて対応するchの音量設定を変更する処理を行って処理を終了する。ドライブモータ32を駆動してつまみ35を移動させる処理もここに含むものとする。
【0027】
なお、ステップS17で出力されたMIDIノートオンイベントデータを受信した音源ユニット18は、発音動作を開始し、そのデータにおいて指定されたタッチ、音量、音高又は音色等に従って波形メモリから必要なデータを読み出し、振幅や周波数の変更や各種音響効果の付与等の必要な処理を施して、波形データとして出力する。そして、この波形データをDSP14の入力部15から入力し、DSP14によるミキシング処理に供することができる。
なお、ステップS19で出力されたMIDIノートオフイベントデータは、発音停止を指示するデータではあるが、これは例えば電子ピアノで言えば離鍵を示すデータに相当する。従って、音源ユニット18はこれを受信した場合でも直ちに発音動作を停止するとは限らず、残響が設定されている場合には引き続きその残響に係る波形データの出力を行うものである。
【0028】
以上のような処理を行うことにより、音量操作子であるフェーダ30によって音源ユニットに対する発音指示を行うことができる。従って、デジタルミキサの本体だけで発音指示を行うことができ、発音指示のための新たな操作子を設ける必要もない。また、発音指示の際にフェーダ30を大きく動かす必要がないので、操作も容易である。すなわち、このようなデジタルミキサによれば、コストとスペースの増加を抑えながら、音源ユニットに対する発音指示の操作を容易に行うことができるようにすることができる。
タッチセンサによって音量操作子の操作を検出するようにすれば、実際に操作子を動かさなくても触れるだけで発音を指示することができ、操作性がよくなる。近年のデジタルミキサに備えるフェーダにはタッチセンサを有するものが多いので、このような場合にはタッチセンサを用いることにしてもコストアップにはならない。
また、音量操作子が操作された場合に出力する発音指示信号に係る音量、音高又は音色を設定することができるようにすれば、音源ユニットに出力させる音を指定でき、さらに利便性が向上する。
【0029】
〔変形例〕
なお、以上説明した実施形態はこの発明を適用したデジタルミキサの一例に過ぎず、種々の変形が考えられる。
例えば、以上説明した実施形態ではタッチセンサ34によってフェーダ30の操作を検出するものとしたが、つまみ35の移動の有無によってフェーダ30の操作を検出するようにしてもよい、このような構成とすれば、タッチセンサは必須ではない。この場合には、発音停止指示信号は、操作から所定時間後に送信するようにするか、つまみ35の移動量に応じた時間後に送信するようにすることが考えられる。
また、タッチセンサ34に代えて、つまみ35に操作者の指等の何らかの物体が近接(接触も含む)したことを検出する近接センサを用いてもよい。つまみ35と物体との距離を計測可能な近接センサを用いて時系列的にその距離を計測すれば、例えば操作者の指がつまみ35に近づく速さや遠ざかる速さを検出し、鍵盤の押鍵速度や離鍵速度に相当する情報を取得することができる。そして、これらの情報を発音指示信号や発音停止指示信号の内容に、例えばMIDI規格の場合にはベロシティの設定として、反映させることもできる。このような近接センサとしては、例えばつまみ35の近傍の静電容量の変化を検出するセンサを用いることができる。
【0030】
また、以上説明した実施形態では、フェーダ30を音量操作子として機能させるか発音指示操作子として機能させるかを、フェーダ切換キー26を押下する毎に全てのchスロットのフェーダについて一括してトグル方式で切り換える例について説明したが、一部のchスロットのフェーダについてのみ切り換えるようにしてもよい。また、一群のchスロット毎に切り換えスイッチを設けるようにしてもよい。あるいは、スイッチ操作に従って機能の切り換えを行うか否かを、共用設定操作子等によってchスロット毎に設定できるようにしてもよい。
さらに、フェーダ切換キー26を設けず、フェーダ30を音量操作子として機能させるか発音指示操作子として機能させるかを、chスロット毎に設定できるようにしてもよい。このような設定は、発音指示の内容の設定と同様な操作で、設定項目の1つとして行うことができるようにするとよい。
【0031】
さらにまた、以上説明した実施形態ではフェーダ30が操作された場合に出力する発音指示信号に係るタッチ、音量、音高又は音色等をchスロット毎に設定する例について説明したが、音高については、chスロット毎に予め所定の値を割り当てておき、この値を用いるようにしてもよい。フェーダ30を含むchスロットは通常左右に多数並べて設けるので、例えば左から右に行くにつれて徐々に高くなるように各chスロットに音高を割り当てておけば、多数のフェーダ30を用いて鍵盤楽器に近い操作感覚でメロディーを演奏できるようになる。
【0032】
あるいは、フェーダ30のつまみ35の位置に応じて音高を設定するようにしてもよい。このようにすれば、音高の設定値を視覚的に把握できるようになる。この場合には、音高の調整はつまみ35を移動させて行うことになるが、選択スイッチ41と共用設定操作子を用いるよりも変更操作を容易に行うことができる。
また、このようにした場合、フェーダ30としてムービングフェーダを用いていれば、フェーダ30の機能が音量操作子から発音指示操作子に切り換えられた場合に、そのchスロットに設定されている音高に対応する位置に自動的に移動させるようにするとよい。逆に発音指示操作子から音量操作子に切り換えられた場合には、そのchスロットに割り当てられたchについて設定されている音量に対応する位置に自動的に移動させるようにするとよい。
【0033】
また、ノートオン信号の送出後、つまみ35に触れたままこれを動かした場合に、そのノートオン信号に従って発音している楽音の音高を変化させるようにしてもよい。このような機能は、例えばつまみ35の移動に応じてMIDI規格のピッチチェンジデータを音源ユニット18に対して出力することにより、実現できる。
音高に代えて、音量や音色をつまみ35の位置によって調整できるようにしてもよい。この場合、発音中の変更については、MIDI規格の各種コントロールチェンジ等のリアルタイムメッセージをつまみ35の移動に応じて音源ユニット18に対して出力することにより、実現できる。
【0034】
さらにまた、フェーダ30としてムービングフェーダを用いる場合には、フェーダ30の機能が発音指示操作子に切り換えられた場合に、そのつまみ35を所定の基準位置に移動させ、その位置を基準としたつまみ35の変位量に応じて、発音指示信号に係る音高,音量,音色等のパラメータを設定するようにしてもよい。ただし、一度に設定できるパラメータは1種類のみである。この場合、操作者がつまみ35から手を離した場合につまみ35を自動的に基準位置に移動させるようにするとよい。
【0035】
さらにまた、以上の説明では、発音指示信号を始めとする演奏情報のフォーマットとしてMIDI規格のものを用いるものとしたが、音源ユニット18が対応していれば、別のフォーマットのものを用いてもよい。また、音源ユニット18については、デジタルミキサの外部に設ける例について説明したが、内部に設けるようにしてもよい。さらに、音源ユニット18は独立した筐体を備えるユニットである必要はなく、波形データを出力可能であれば単体の音源チップ等を用いてもよい。
また、音量操作子としては、スライドボリウムの他、スライド式エンコーダを使用してもよい。スライド式に限らず、回転型ボリウム、ロータリーエンコーダ等のつまみにタッチセンシング機能を持たせるようにしても、もちろん本発明を適用可能である。
また、ここではこの発明をデジタルミキサに適用した例について説明したが、これ以外にも、音量操作子を備えた種々の波形データ処理装置に適用可能である。アナログミキサに適用することも、もちろん可能である。
【0036】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明のデジタルミキサによれば、コストとスペースの増加を抑えながら、音源ユニットに対する発音指示の操作を容易に行うことができるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のミキサ装置の実施形態であるデジタルミキサの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示したフェーダ30の構成をより詳細に示すブロック図である。
【図3】図1に示したコンソール20に設けた操作子22のうちこの発明に関連する部分の構成を模式的に示す図である。
【図4】図1に示したデジタルミキサにおける、コンソール20からの操作指示を受け付けてその内容を動作に反映させる処理のうち、発音指示動作に関連する処理を示すフローチャートである。
【図5】図4の続きの処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11…CPU、12…メモリ、13…外部機器I/F、14…DSP、15…入力部、16…出力部、17…PC、18…音源ユニット、19…システムバス、20…コンソール、21…表示器、22…操作子、23…ロータリーエンコーダ、24…カーソルキー、25…エンタキー、26…フェーダ切換キー、30…フェーダ、31…スライドボリウム、32…ドライブモータ、33…可変抵抗、34…タッチセンサ、35…つまみ、40…chスロット、41…選択スイッチ、42…パンスイッチ、43,44,45…イコライザ設定スイッチ
Claims (3)
- 音量操作子と、楽音発生装置とデータの授受を行う手段とを備えたミキサ装置であって、
該音量操作子が操作された場合に前記楽音発生装置に対して発音指示信号を出力する発音指示手段を設けたことを特徴とするミキサ装置。 - 請求項1記載のミキサ装置であって、
前記音量操作子はタッチセンサ又は近接センサを備え、前記発音指示手段は、前記タッチセンサ又は前記近接センサが操作を検出した場合に発音指示信号を出力する手段であることを特徴とするミキサ装置。 - 請求項1又は2記載のミキサ装置であって、
前記音量操作子が操作された場合に前記発音指示手段が出力する発音指示信号に係る音量、音高又は音色を設定する手段を設けたことを特徴とするミキサ装置。
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