JP2004283151A - 親油性小麦デンプンを用いた腎臓病患者用パンの製造方法 - Google Patents

親油性小麦デンプンを用いた腎臓病患者用パンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】小麦デンプンを乾熱処理(120℃−5時間)すると、小麦デンプンに強い親油性の生じることが知られたが、本発明では低タンパク質、高カロリー、低食塩を必要とする腎臓病患者のためのパンを製造するために、この現象を用いて小麦デンプンに親油性を与え、油脂を結合させ、パンドウに混合して低タンパク質、高カロリー、低食塩のパンを製造するという課題である。
【解決手段】小麦デンプンを乾熱処理(120℃、5時間)し、親油化した小麦デンプンに油脂を結合し、これをパン製造に用いる解決手段をとった。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、小麦デンプンの乾熱処理によって小麦デンプンに得られる強い親油性を利用してデンプン粒に液状あるいは固形状の油脂を結合させた後パンドウに混入し、そのままベーキングしてタンパク質含量の低い、高カロリーパンを製造し、低タンパク質、高カロリーを必要とする腎臓病患者のためのパンを製造する技術分野である。このように乾熱処理小麦デンプンに油脂を結合させて製パンに供すると、ベーキング後も油脂はなお強く小麦デンプンに結合し、これを食べた時、口腔内におけるパン食感は単にパンに油脂を混入しただけの時のような油のにじみ、遊離した油脂の不快な食感、まずさ等が消失する。こうして製造したパンは、その中に多量の油脂が含有されているにもかかわらず、違和感を感じること無く、普通のパンと同様の食感でパンをおいしく食べることができるという発明で腎臓病患者に福音を与えるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来も腎臓病患者のためのパンは製造され、現在市販されているロールパンには100g当たりエネルギー294−440kcal、タンパク質3.8−4.2g、脂質23.5g、食塩0.2−0.6gというパンもあるが、単に材料に油脂を混合させてあるだけのため、食べた時の口腔内での油脂の食感は腎臓病患者にとって必ずしも食べやすいものではない。これに対し、本発明では小麦デンプンを120℃、5時間乾熱処理するとデンプンに強い親油性の生じる性質を利用し、多量の油脂を小麦デンプンに結合させ、この油脂結合デンプンをパンドウ中に混入させ、そのままベーキングするというものであり、油脂はパン中に単に混入しているだけでなく小麦デンプンに結合した状態でパン中に存在することになる。そのため遊離の油脂とは異なるため、食べた時に油脂としての食感はあまり感ぜられず、従来の油脂未添加のパン(ふつうパン)と同様の食感のパンが得られる。そのため腎臓病患者はこのように多量に油脂が含まれているパンにもかかわらず、違和感なくこのパンを普通パンと同様に食べることができる。
【0003】
【発明が解決しようする課題】
従来の腎臓病患者用パンは、単に油脂混入しただけのパンであり、遊離状の油脂が食パン中で示す不快な食感は腎臓病患者の食欲を失い、精神的にも、体の健康面でも不都合なものであった。この点を改良したより優れたものの開発が望まれていた。この不快な油脂の食感を防いで腎臓病患者の喜ぶ食感をもった製パンを行うことが課題である。このため油脂がパン組織中で遊離状態ではなく結合状態のものが望まれた。本発明は油脂を小麦デンプンに結合状態させ、これをパンに入れて食べた時の食感に油脂の不快感を感ぜさせないようなパンを作ることを課題とした。
【0004】
【発明を解決しようとするための手段】
単に油脂を遊離の状態でパンの中に混入させた場合は、口腔内で油脂独特の不快な食感が残り腎臓病患者には食べにくい。この遊離の油脂の状態を解決するために、油脂をパンドウに混入する前に乾熱処理した親油性小麦デンプンに結合させ、その後でパンドウに混入する方法をとり、パンを食べた時、口腔内での遊離油脂独特の不快な食感をなくす手段をとった。すなわちまず小麦デンプンに乾熱処理(120℃、5時間)を行い、デンプンを親油化し、この性質で油脂を強く小麦デンプンに結合させる。パン製造後も油脂の小麦デンプンへの結合の性質はそのまま保持され、食べた時も遊離した油脂のような不快な食感は消失することになる。
【0005】
【発明実施の形態】
小麦デンプンの乾熱処理は120℃、5時間行った。小麦デンプンの親油性はデンプン1g当り6〜7mlのナタネ油、大豆油、キャノラー油を結合することが出来た。製パン時には小麦デンプン600gに油脂750mlを結合させ、これを小麦粉バッター2090gに加え、製パンを行った。
【0006】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
中種法で製パンを行う。
▲1▼ パン用小麦粉(700g)、生イースト(25g)、水(400g)を低スピード2分間、中スピード2分間で各々ミキシングし、生地温度28℃で120分間、27℃、65%のホイロ中で発酵する。
▲2▼ 120℃、5時間乾熱処理した小麦デンプン600gにキャノラー油700gを加えよく混合し、1時間冷蔵庫内に放置する。
▲3▼ ▲1▼で発酵した中種にパン用小麦粉300g、砂糖100g、食塩10g、生イースト5g、粉飴100g、水450gを入れ、低スピード4分間、高スピード14分間ミキシングする。次に無塩バター(50g)を入れ、低スピード2分間、中スピード1分間ミキシングする。
次に▲2▼で作ったキャノラー油の結合した乾熱処理小麦デンプンを混合し、低スピードで2分間撹拌する。丸めて20分間発酵させ、120gに分割後丸めて15分間ベンチタイムをとりモルダーを通して10分間さらにベンチタイムをとり、2回モルダーを通してパンケースに入れる。35℃85%のホイロ中で50分間発酵させる。ベーキングは上火180℃、下火220℃で20分間行う。表1、2にその結果を示した。
Figure 2004283151
実施例2
家庭用製パン器を用いて行った実施例である。デンプンに吸着させた油量はデンプン重量の50%とした。デンプンにあらかじめ油を混合吸着させ、その後、他の材料とともに製パン器中で焼き上げる。表3に試験結果を示した。小麦粉に対し乾熱処理デンプンの添加量、及び油量を変えた。
Figure 2004283151
実験例5の場合の栄養計算結果から、パン100g当たりのエネルギーは359Kcal 、タンパク質5.8g,脂質10.8g,糖質57.1g,塩分1.2gであった。パンから油がにじみ出てくることはなく、デンプンにしっかりと油が結合されたままパンが焼き上がっている。
【0008】
【発明の効果】
腎臓病患者用の食事には低タンパク質、高カロリー、低食塩量が求められている。毎日の患者用の食事としてパンの必要性は大きいが、正常人の食べるパン(ふつうパン)では高タンパク質、高食塩、低エネルギーのため、腎臓病患者には不適である。このため小麦粉中のタンパク質含量を低下させるためにデンプンを加え、同時に炭水化物のエネルギーをパンに与えることができる。さらに高エネルギーを与えるために油脂は効果的であるが、その油脂を直接パン中に混入し食べることは困難である。なるべく油脂の不快な食感を感じないようにして食べることが大切である。単にパン中に油脂を混在するだけでは小麦粉の持つ強い親水性の性質のために油脂はパン組織に馴染みにくくにじみ出てくる。そこで本発明では小麦デンプンに親油性を与え、油脂をデンプンに結合させ、小麦粉ドウ中に良く馴染んだ状態でパンを焼き、油脂のにじみがなく、不快な食感を与えないパンをつくることを目指した。その結果、パン100gに445Kcalの油脂を結合状態にすることに成功し、食べた時も油脂の存在をあまり感じないほどの腎臓病患者に喜ばれるパンが発明された。

Claims (6)

  1. 乾熱処理した小麦デンプンの示す親油性を用いた腎臓病患者用低タンパク質、低食塩、高カロリーパンの製造方法。
  2. 乾熱処理したデンプンの親油性を用いて、小麦粉に対し70%までの油脂を加えることができる腎臓病患者用パンの製造方法。
  3. デンプンの製造方法は、乾熱小麦デンプン(2kg)をトレーに厚さ2〜3cmぐらいになるように敷き、水400mlの憤霧後、乾熱処理、開放系で120℃に5時間乾燥後、粉砕する。加熱方法は、ドラム中で回転しながら行う方法も可能である。
  4. 小麦デンプン以外の他の穀物デンプンでも同一の条件で親油性デンプンを得ることができる。
  5. 小麦粉(タンパク質含量15〜16%)にその重量の60%のデンプンを加え、小麦粉のタンパク質含量を希釈し、低タンパク質含量のパン製造をするものである。
  6. 食塩添加量を下げて製パンし、低食塩含量の腎臓病患者用パンとする。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019088241A (ja) * 2017-11-15 2019-06-13 千葉製粉株式会社 パン用熱処理小麦粉、パン用ミックス粉、および、パン類の製造方法

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