JP2004282489A - 画像処理装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】原稿を読み取って印刷出力する画像形成装置において、原稿下地の汚れが目立たない、高画質な画像が得られるようにする。
【解決手段】下地検知部100により原稿下地レベルを検知する。下地レイヤ部110は、検知された原稿下地レベルに基づき、下地レベルの画像領域を示す白トナー画像W(下地レイヤ情報J10)を生成し中間調生成部68に渡す。中間調生成部68は、入力された白トナー画像Wを、通常の画像データY,M,C,Kと同様に画像形成データに変換し、画像形成ユニット30の白トナー印字部に渡す。新聞紙や再生紙などの色付き原稿を読み取った際に生じ得る背景部分の汚れを白トナーで埋めることができ、汚れを目立たなくすることができる。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえばプリンタ装置、ファクシミリ装置、複写装置、あるいはそれらの機能を複数有する複合機など、画像を所定の出力媒体に形成するために利用される画像処理を実施する画像処理装置並びに画像形成装置に関する。たとえば、文字部分など高周波成分の多い画像を圧縮した際に発生するノイズを除去・低減する技術や、読み取った原稿に対応する画像を出力(いわゆる複写)する際の地肌部を除去・低減する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷装置、複写装置、FAX、あるいはスキャナなどの画像を取り扱う画像処理装置が知られている。
【0003】
たとえば印刷装置では、入力側であるパソコンなどで生成されたページ記述言語(PDL)の印刷データを受け取り、PDLを解釈して各ページのイメージデータを生成し、それを出力側であるプリントエンジンへ送出する。また、複写装置では、原稿を読み取ることで、1ページごとにイメージデータを生成し、それをプリントエンジンへ送出する。プリントエンジンは、受け取ったページ単位のイメージデータに基づいて、プリンタコントローラの制御の元で、画像記録部や定着器などが同期して印刷動作(画像形成動作)をすることになる。
【0004】
また、イメージデータを直ちにプリントエンジンに渡して出力するのではなく、一旦、ハードディスク装置などの記憶媒体に格納し、たとえば電子ソート処理などを施してから、所定のタイミングで出力処理を行なうこともある。
【0005】
一方、1出力単位全体(たとえばページ全体)のイメージデータは、データ量が非常に大きい。たとえば電子写真方式のカラーページプリンタでは、YMCKの4色のトナーに対応するラスタデータを必要とするとともに、白黒ページプリンタ以上に画質が要求されるため、1画素当たり複数のビット情報を持つのが一般的であり、たとえば、カラーデータの場合にはページ当たり数M〜数100MByte(メガバイト)にもなる。このため、画像を保持しておく記憶装置の記憶容量、あるいはネットワーク伝送時やプリントエンジンへイメージデータを転送する際の帯域幅や転送時間など(いわゆる転送負荷)が大きくなる、などの問題を招く。
【0006】
そこで、データ量を少なくするべく、イメージデータを一旦圧縮して保存し、その後、伸張してから、そのイメージデータをプリントエンジンなどの画像記録部に渡す仕組みがある(たとえば特許文献1,2を参照)。この際には、圧縮率を高めるため、一般的には、高圧縮可能な非可逆圧縮の方式が利用される。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−6238号公報
【特許文献2】
特開平10−166688号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、文字部分など高周波成分の多い画像を非可逆圧縮し伸張すると、元画像を忠実に再現することができず、画像が劣化し品質が低下するという問題がある。たとえば、静止画をJPEG(Joint Photographic Experts Group)などの非可逆圧縮画像フォーマットに従って圧縮すると、文字部の周りなど濃度が急に変化する部分では、モスキートノイズと呼ばれるノイズが発生し、画像が劣化し品質が著しく落ちる。
【0009】
一方、文書画像をスキャナで読み取り、読み取られた画像をディスプレイやプリンタで出力すると、原稿の地肌の濃淡も再現されるため、出力画像中に地肌の汚れが生じる。そして原稿がカラー画像の場合は、地色が白とはならない、いわゆる「カブリ」の現象が生じる。
【0010】
たとえば、白地に文章主体の原稿では、色紙や新聞紙、藁半紙、再生紙などを読取対象原稿として用いた場合、それ自体の紙の濃度が再生されて見苦しく再現されることがある。
【0011】
このような問題を解消する方法として、画像を出力する前に原稿地肌の汚れを除去する下地除去処理や地肌除去処理などといわれる技術が種々提案されている(たとえば特許文献3〜9を参照)。
【0012】
【特許文献3】
特開平2−224466号公報
【特許文献4】
特開平5−207280号公報
【特許文献5】
特開平6−197216号公報
【特許文献6】
特開平6−253135号公報
【特許文献7】
特開平8−51540号公報
【特許文献8】
特開平10−93835号公報
【特許文献9】
特開2003−8913号公報
【0013】
たとえば、白黒コピーの場合には、プリスキャンなどの手法を利用して地肌濃度(原稿の明度成分)を検出して、所定レベルより明るい部分が原稿の下地部分であるとして、その所定レベルより明るい部分を除去する処理を行なう。また、階調画像を対象とする場合やカラーコピーの場合には、単純に所定レベルより明るい部分を除去すると、画像品質の低下を招くので、たとえば、領域分離処理と組み合わせて、文字や線画を主要オブジェクトとする2値画像領域と写真や画像を主要オブジェクトとする多階調画像領域とに分離したり、あるいは白黒画像とカラー画像領域とに分離したりし、領域ごとに処理パラメータを切り替える手法も提案されている。
【0014】
また、カラー画像の場合には、原稿の下地色を検知し、その結果に応じてシステムバリュー(L*,a*,b*)信号に変換するマトリクスのパラメータを補正するなど、原稿の色分布に応じて色処理を制御する手法により、原稿下地色と同等の、特定の色情報のみを任意の色(目立たない色)に変換したり除去したりする手法も提案されている。またこの際には、原稿の淡色(ハイライト色)が忠実に再現されるようにする技術も考えられている。
【0015】
しかしながら、画像信号を明度、彩度、および色相を表す色空間上の信号に変換後、明度および彩度に応じて、白または白に近い色信号の濃度を下げることにより、原稿地肌の濃度や色を除去しているため、ユーザが意図しない画像まで除去されてしまったり、逆に除去できずにいた。
【0016】
一方、近年では、カラー画像の画像形成において、通常のC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のトナー以外に、さらに、白トナーを用いる画像形成装置が提案されている(特許文献10,11を参照)。
【0017】
【特許文献10】
特開2001−313797号公報
【特許文献11】
特開2001−341352号公報
【0018】
たとえば、特許文献10に記載の技術では、スキャナなどの画像読取装置により読み取った場合に、読取レンズなどの使用により、画像データ上のエッジの周囲に生じる、色ずれやボケによる滲みを防止し画像をシャープにする目的で白トナーを用いている。たとえば、滲み領域に白トナーを作用させることにより、エッジの内外での濃度差を際立たせて、このエッジ部分を強調することで、強調処理効果をより高めている。また、文字などの画像エッジ内部のエッジ領域を設定し、エッジ領域に白トナーを作用させる画素を決定することで、エッジの内外での濃度差を抑制し、画像の平滑化を行なっている。また、文字部分などでは鮮鋭さが優れ、写真画像などの部分は滑らかさが向上し、白色顕像剤を使用しないフィルタ処理のみの場合に比べて、さらに画質を向上させることができるようにしている。
【0019】
また、特許文献11に記載の技術では、画像のエッジ部が目立たない滑らかな高画質画像を得るために、画像に対し白トナーを作用させる手法を提案している。たとえば、斜めエッジ部分に生じるシャギーのギザギザに白トナーを被せて印字し、シャギーの角の尖り(とがり)をなくし、シャギーを滑らかにするスムージング効果を得ることで高精彩な画像を再現するようにしている。
【0020】
本発明は、上述の白トナーを作用させる技術思想、あるいはそれに類する技術思想を利用することで、読み取った原稿画像における下地成分を低減もしくは除去し、黄ばみなどの汚れがないきれいな画像を得ることを可能にする、下地除去処理技術の新たな仕組みを提案することを第1の目的とする。
【0021】
また本発明は、上述の白トナーを作用させる技術思想、あるいはそれに類する技術思想を利用することで、画像を非可逆フォーマットにて圧縮し伸張した際に、文字部の周りなど濃度が急に変化する部分に生じるノイズを低減もしくは除去し、前記ノイズが目立たない高画質画像を得ることのできる画像処理装置や画像形成装置を提供することを第2の目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係る第1の画像処理装置は、画像読取装置により読み取られた原稿画像における下地成分を検出する下地検知部と、下地検知部により検知された原稿の下地成分に基づいて、原稿の下地部分を被覆するためのマスク画像を生成するマスク画像生成処理部と、マスク画像生成処理部により生成されたマスク画像を使用して、画像読取装置により読み取られた原稿画像における下地成分を、信号処理による画像合成により除去または低減する下地マスク処理部とを備えるものとした。
【0023】
本発明に係る第1の画像形成装置は、画像読取装置により読み取られた原稿画像における下地成分を検出する下地検知部と、下地検知部により検知された原稿の下地成分に基づいて、原稿の下地部分を被覆するためのマスク画像を生成するマスク画像生成処理部と、画像読取装置により読み取られた原稿画像に基づいて、有色顕像剤によって画像形成するための有色用画像形成データを生成する第1の画像形成データ生成部と、マスク画像生成処理部により生成されたマスク画像に基づいて、画像読取装置により読み取られた原稿画像における下地領域について、有色顕像剤とは異なる色である、たとえば白色顕像剤などの第2の顕像剤によって画像形成するための第2の画像形成データを生成する第2の画像形成データ生成部とを備えるものとした。
【0024】
なお、本発明に係る第1の画像処理装置や第1の画像形成装置においては、文字や線画を主要部とする画像領域や絵や写真を主要部とする画像領域を分離する画像情報像域分離部を設けて、この画像情報像域分離部により生成された像域情報に基づいて、文字や線画を主要部とする画像領域については対応する処理を実施し、絵や写真を主要部とする画像領域については対応する処理を禁止するようにするとよい。
【0025】
本発明に係る第2の画像処理装置は、画像形成の元となる処理対象画像(読取装置で読み取られた原稿画像に限らない)における下地成分を検出する下地検知部と、下地検知部により検知された原稿の下地成分に基づいて原稿の下地部分を被覆するためのマスク画像を生成するマスク画像生成処理部と、処理対象画像を圧縮し、この圧縮された画像を伸張する画像圧縮伸張処理部と、マスク画像生成処理部により生成されたマスク画像を使用して、画像圧縮伸張処理部により伸張された処理対象画像における下地成分を、信号処理による画像合成により除去または低減する下地マスク処理部とを備えるものとした。
【0026】
本発明に係る第2の画像形成装置は、画像形成の元となる処理対象画像(読取装置で読み取られた原稿画像に限らない)における下地成分を検出する下地検知部と、下地検知部により検知された処理対象画像の下地成分に基づいて処理対象画像の下地部分を被覆するためのマスク画像を生成するマスク画像生成処理部と、処理対象画像を圧縮し、この圧縮された画像を伸張する画像圧縮伸張処理部と、画像圧縮伸張処理部により伸張された処理対象画像に基づいて、有色顕像剤によって画像形成するための有色用画像形成データを生成する第1の画像形成データ生成部と、マスク画像生成処理部により生成されたマスク画像に基づいて、画像圧縮伸張処理部により伸張された処理対象画像における下地領域について、有色顕像剤とは異なる色である、たとえば白色顕像剤などの第2の顕像剤によって画像形成するための第2の画像形成データを生成する第2の画像形成データ生成部とを備えるものとした。
【0027】
また従属項に記載された発明は、本発明に係る画像処理装置や画像形成装置のさらなる有利な具体例を規定する。たとえば、マスク画像生成処理部は、生成したマスク画像を記憶する画像蓄積部、読み取られた原画像あるいは外部から入力された原画像と、画像蓄積部から読み出したマスク画像とを重ねて表示可能な画像データを生成し所定の表示デバイスに出力する画像表示制御部、およびマスク画像を編集可能なマスク画像編集部を有するものであるのがよい。この場合、マスク画像生成処理部は、マスク画像編集部により編集された処理済みのマスク画像を、後段の処理機能部である下地マスク処理部や第2の画像形成データ生成部が処理対象として使用する前記マスク画像として渡す。
【0028】
【作用】
本発明に係る上記第1の画像処理装置や第1の画像形成装置においては、読取装置で読み取られた原稿画像を処理対象画像とする。そして、この原稿画像の下地情報を検知して得たマスク画像を用いて、電子データ上でマスク画像と対応する元の原稿画像とを合成処理したり、記録媒体上への原稿画像に基づく画像形成時に、マスク画像に基づき白トナーを用いて画像形成する。
【0029】
また、本発明に係る上記第2の画像処理装置や第2の画像形成装置においては、読取装置で読み取られた原稿画像に限らず一般的な画像を処理対象画像とする。そして、この処理対象画像の下地情報を検知して得たマスク画像を用いて、電子データ上でマスク画像と対応する圧縮/伸張後の画像とを合成処理したり、記録媒体上への圧縮/伸張後の画像に基づく画像形成時に、マスク画像に基づき白トナーを用いて画像形成する。
【0030】
下地レイヤとして画像と同様な扱いができるようにしているので、下地除去やノイズ除去の必要のない領域には何らの影響を与えることなく、下地除去の必要がある領域に対してのみ的確に処理を適用することができる。必要があれば、下地レイヤ画像を編集・加工することもできる。この際には、処理不要な領域と処理を要する領域とを自動認識する仕組みを追加したり、あるいは原画像と下地レイヤ画像とを重ねて表示した上で、ユーザによる下地レイヤ画像の確認と編集・加工ができる仕組みを追加することもできる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0032】
<第1実施形態>
図1は、本発明に係る画像処理装置の一実施形態を搭載した、第1実施形態の画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。ここでは、画像形成装置1が複写装置であるとして説明する。
【0033】
図示する画像形成装置1は、画像読取装置10と、画像記録装置12とで構成されている。画像記録装置12は、前段色信号処理部40および後段色信号処理部60を有するプリント出力信号処理系統14と、有色顕像剤を用いて所定の記録媒体上に可視画像を形成する画像形成ユニット(プリントエンジン)30とを有する。
【0034】
画像読取装置10は、スキャナ部20と読取信号処理部22とを有する。スキャナ部20は、たとえばCCD(電荷転送型の固体撮像素子)からなるラインセンサ(イメージセンサ)で読取台上に載置された原稿を読み取り、この読み取った入力画像を赤R、緑G、青Bの各色成分のデジタル画像データに変換し読取信号処理部22に送る。
【0035】
読取信号処理部22は、たとえばシェーディング補正部24や、原稿の色彩を忠実に再現するための公知のEND変換(Equivalent Neutral Density;等価中性濃度変換)を行なう入力階調補正部26、あるいは図示しない増幅部やA/D変換部などを有している。なお、END変換に関しては、たとえば特公平6−101799号公報を参照するとよい。
【0036】
たとえば、ラインセンサからの赤、緑、青のアナログ画像信号は増幅部で所定のレベルまで増幅され、A/D変換回路でデジタル画像データに変換される。シェーディング補正部24は、このデジタル画像データに対し、ラインセンサの画素感度バラツキの補正や光学系の光量分布特性に対応したシェーディング補正を施す。入力階調補正部26は、シェーディング補正されたデジタル画像データに対し階調特性を調整した後、画像記録装置12の前段色信号処理部40に入力する。
【0037】
前段色信号処理部40は、入力色変換部42、画像情報像域分離部44、出力色変換部46、画像編集部47、および下地マスク処理部49を有する。また、本実施形態の特徴部分である白トナーを使用する技術思想(実際に白トナーを用いた印字を行なうか否かは問わない)を利用した画像形成を可能とする仕組みとして、前段色信号処理部40は、下地検知部100とマスク画像生成処理部の一例である下地レイヤ部110とを有する。下地検知部100における原稿の下地成分を検出する手法は、たとえばプリスキャンにより原稿画像を得、ヒストグラム解析などをして下地レベルを検出するなど、上述した特許文献3〜9などに記載の公知のあらゆる手法を利用してよい。ここでは各手法の説明を割愛する。
【0038】
下地レイヤ部110は、下地検知部100で検知された原稿の下地濃度レベルが規定値Th1以上、規定値Th2以下の場合は、その濃度領域を示す下地レイヤ情報J10を生成し、必要に応じて編集や加工の処理を受けた後、処理済みの下地レイヤ情報J10を出力する。この下地レイヤ情報J10は、原稿の下地部分を表す画像を示すものであって、後段の処理部で、原稿の下地部分を被覆するためのマスク画像として使用される。すなわち、下地レイヤ部110は、下地検知部100により検知された原稿下地成分に基づいて、原稿の下地部分を被覆するためのマスク画像を生成する機能を有する。下地レイヤ部110は、下地レイヤ情報J10(すなわちマスク画像)を、下地マスク処理部49に入力する。
【0039】
前段色信号処理部40においては、先ず画像読取装置10の読取信号処理部22からの赤、緑、青のデジタル画像データ(色信号)を一旦図示しないページメモリに記憶する。そして、画像形成ユニット30にて使用する色材(顕像剤)の分光特性に対する色補正処理(これを特に前段階の色補正処理という)を施すことで、色濁りを防止する。
【0040】
入力色変換部42は、デジタル画像データを、外部機器との色情報交換に適した色信号、たとえば均等色空間の明度信号L*並びに彩度および色相を表す色度信号a*,b*(以下、それぞれ単にL,a,bと記す)に変換する。
【0041】
Lab信号で表された画像データ(Lab画像データ)は、出力色変換部46に入力される。なお、Lab画像データは、必要に応じて、たとえば画像情報像域分離部44にて、文字や線画などを主要部とする2値画像領域を抽出したり、画像(絵)や写真などを主要部とする多階調画像領域(中間調画像領域)を抽出したりすることで、2値画像領域や多階調画像領域を分離する画像領域(絵文字)分離処理が施される。あるいは、Lab画像データは出力色変換部46に入力された後、編集処理部45にて、色編集処理や、モアレを除去したり中間調データを平滑化する平滑化処理や、画像拡大や画像縮小などの画像編集処理が施される。
【0042】
画像情報像域分離部44にて生成された、2値画像領域と多階調画像領域とを区別する像域情報J12は、後段色信号処理部60に入力され、後段色信号処理部60における各部にて2値画像領域と多階調画像領域とに応じた処理を行なうために利用される。また、この像域情報J12は、下地マスク処理部49にも入力され、下地マスク処理部49における下地除去処理を行なう際に、文字部などの2値画像領域については下地除去処理が行なわれ、2値画像領域を除く多階調画像領域については、この下地除去処理を禁止するための制御情報としても利用される。像域情報J12としては、2値画像領域に該当する部分がアクティブ“1”で、それ以外がインアクティブ“0”であるデータとする。
【0043】
出力色変換部46は、Lab信号を、減法混色用に適した色信号に変換する。以降、色信号ごとに処理機能部が設けられ、それぞれに応じた処理がなされる。たとえば、出力色変換部46は、Lab信号で表されるLab表色系から、たとえばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、およびシアン(C)の各色信号で表されるYMC表色系、あるいはこれにブラック(K)を加えたCMYK表色系へのマッピング処理をし、プリント出力用に色分解されたラスタデータを生成する。
【0044】
下地マスク処理部49は、入力画像の下地濃度に応じてYMCK各色の画像データのうちの、所定の下地濃度以下の画像データをカット(無効化)する下地除去処理を施す、従来の下地除去処理部に相当する部分である。ただし、本実施形態の下地マスク処理部49では、下地濃度以下の画像データをカット(無効化)する処理とは異なり、下地レイヤ部110で生成された下地レイヤ情報J10に基づいて、原稿の下地成分を除去する(詳細は後述する)。
【0045】
前段色信号処理部40にて一連の処理(前段色信号処理)が施されたデジタル画像データは、後段色信号処理部60に入力される。後段色信号処理部60は、前段色信号処理部40からのデジタル画像データに対して印刷出力用の色補正処理を施し(これを特に後段の色補正処理という)、この色補正処理が施されたデジタル画像データに基づいて、印刷用の2値化データあるいは多値化データなどの画像形成データを生成し、画像形成ユニット30に渡す。このため、後段色信号処理部60は、画像編集部62、MTF補正部64、出力階調補正部66、および中間調生成部68を有する。画像編集部62とMTF補正部64とを纏めて、フィルタ処理部ともいう。
【0046】
画像編集部62は、前段色信号処理部40からのデジタル画像データ(CMYKなど)に応答して作成される出力画像のトナー像を調整するために、色分解の直線化または同様の処理をする。また、画像編集部62は、エッジ強調用空間フィルタを用いて、各色の画像データY,M,C,Kにエッジ強調処理を施すことで、画像のシャープネス(鮮鋭度)を調整する。
【0047】
MTF補正部64は、画像の空間周波数特性を補正するフィルタ処理を施す。出力階調補正部66は、エッジ強調およびMTF補正されたY,M,C,Kの各色のデジタル画像データを、たとえばルックアップテーブルを参照しガンマ補正する。また、出力階調補正部66は、プリント出力信号処理系統14の内部の特性値である濃度あるいは明度を表す各色の画像データY,M,C,Kを、画像形成ユニット30の特性値の面積率に応じて、色補正処理(TRC処理;Tone Reproduction Correction)する。
【0048】
画像形成データ生成部としての中間調生成部68は、前述の各処理が施されたデジタル画像データに基づいて、ハーフトーニング処理をして疑似中間調画像を表す2値化データあるいは多階調データなどの、画像形成ユニット30にて通常使用される有色顕像剤によって画像形成するための有色用画像形成データ(本例ではY,M,C,Kごとに)を得、この画像形成データY,M,C,Kを画像形成ユニット30に渡す。画像形成ユニット30をタンデム構成とする場合には、画像形成データY,M,C,Kは、タンデムギャップ分を吸収する図示しない画像メモリに一旦保存され、その後、所定タイミングで順次読み出されて画像形成ユニット30に渡される。
【0049】
画像形成ユニット30は、たとえば電子写真プロセスを利用するものであるのがよい。なお、画像形成ユニット30の画像形成方式については特に限定されるものではない。電子写真方式のものに限らず、たとえば感熱式プリンタや白インクを用いるインクジェットプリンタまたは粒子線写真プリンタなどで実施することもできる。また、カラー画像形成のものに限らず、モノクロ画像形成用のものであってもよい。
【0050】
以下、電子写真プロセスを利用するものとして説明する。電子写真プロセスを利用するものの場合、画像形成ユニット30は、この画像形成ユニット30の主要部をなす光走査装置で構成されたプリントエンジン31と、画像形成ユニット30の主にメカニカルな動作を制御するためのIOT(Image Output Terminal )コントローラ72とを有する。
【0051】
プリントエンジン31は、光ビームを発するレーザ光源38と、後段色信号処理部60から出力された画像形成データに従ってレーザ光源38を制御すなわち変調するレーザ駆動部37と、レーザ光源38から発せられた光ビームを感光性部材(たとえば感光体ドラム)32に向けて反射させるポリゴンミラー(回転多面鏡)39とを有する。なお、このプリントエンジン31の構成は一例であって、たとえばLED(Light Emitting Diode)光源を使用するなど、様々な形式のエンジンを使用し得る。
【0052】
プリントエンジン31は、タンデム型構成のものでは、たとえばY,M,C,Kの画像に対応する4つのエンジンが設けられる。また、マルチパス型構成では、1つのエンジンを用いて、トナー色を切り替え、たとえばK,Y,M,Cの出力色ごとに同様の画像形成プロセスを繰り返してカラー画像を形成する構成とする。
【0053】
このような構成により、画像形成ユニット30は、レーザ光源38が発生する光ビームをポリゴンミラー39上の複数の面で反射させて感光性部材32を露光し、スキャン走査によって感光性部材32上に潜像を形成する。潜像が形成されると、当該技術分野で公知である多数の方法のうち任意の方法に従って像を現像し、さらに所定の印刷媒体に転写してカラー画像を可視像として出力する。得られた印刷物は、図示しない定着器により定着され、印刷用紙は両面複写のために両面複写ユニットにより裏返されるか、または直ぐに排紙ユニットへ引き渡され排紙される。
【0054】
図2は、下地レイヤ部110の詳細構成例を示す図である。図示するように、下地レイヤ部110は、下地マスク画像生成部112、マスク画像表示制御部114、下地マスク編集部116、および下地マスク蓄積部118を有する。
下地マスク画像生成部112は、全画素について、下地検知部100で検知された原稿の下地濃度レベルが規定値Th1以上、規定値Th2以下の場合は、その濃度領域を示す下地レイヤ情報を画素ごとに生成する。マスク画像表示制御部114は、下地マスク画像生成部112で生成された下地画像と原画像を重ねて表示用の画像データを生成し図示しない表示デバイス(たとえばCRTや液晶からなる表示デバイス)に渡し、これによりユーザが下地レイヤが適切に作成できたか確認を可能にする。下地マスク編集部116は、表示された下地マスク画像を最適に編集、加工し、下地レイヤ情報J10を出力する。下地マスク蓄積部118は、これら処理における中間データを保持する。
【0055】
図3は、第1実施形態の画像形成装置1における特徴部分である下地除去処理の作用を説明する図である。ここで、図3(A)は、下地検知部100における下地レベルを検知する手法の一例を示す図である。また、図3(B)および図3(C)は、下地マスク処理部49の一構成例を示す図である。図3(D)は、第1実施形態の下地除去処理と従来の下地除去処理(その一例)の各作用の違いを説明する図である。
【0056】
本例の下地検知部100は、入力色変換部42にて生成された明度データLに基づき、画像1枚分ごとに、累積ヒストグラムを生成する。たとえば、主に文字や線画などが印刷された原稿を画像読取装置10にて読み取ると、図3(A)に示すように、原稿の下地濃度部分の領域G1と文字や線画部分の領域G2とに分けられる。下地検知部100は、この累積ヒストグラムの情報を原稿の下地濃度レベルの情報として下地レイヤ部110に渡す。なお、ここで説明した下地レベル検知の手法は一例であって、これに限らず、たとえば、色度情報(a,b)を参照して、特定色のみを下地レベルとして検知する手法など、様々な検知手法を採用し得る。
【0057】
下地レイヤ部110は、下地マスク画像生成部112は、下地検知部100で検知された、累積ヒストグラムで示された下地濃度レベルが、規定値Th1以上で規定値Th2以下の濃度領域を下地レイヤとする。マスク画像表示制御部114は、下地マスク画像生成部112で生成された下地画像と原画像を重ねて液晶などからなる表示デバイス上に表示し、下地レイヤが適切に作成できたか確認を可能にする。下地マスク編集部116は、ユーザからの指示を受け、表示された下地マスク画像に対して、下地検知ミスを修正し、最適に編集、加工し下地レイヤを生成する。そして、原稿画像における、この下地レイヤに該当する領域を示す下地レイヤ情報J10(事実上のエリア情報)を下地マスク処理部49に渡す。下地レイヤ情報J10としては、下地部分に該当する部分がアクティブ“1”で、それ以外がインアクティブ“0”であるデータとする。
【0058】
下地マスク処理部49は、たとえば、図3(B)および図3(C)に示すように、一方の入力端子122に入力される画像データY,M,C,Kと、他方の入力端子124に入力される所定の値(背景データ)D0(Y,M,C,Kの色ごとに異なっていてよい)との何れか一方を、制御端子126,128に入力される情報に従って選択して、出力端子130に出力する切替スイッチ120を、入力データY,M,C,Kごとに備えて構成されている。
【0059】
ここで、図3(B)に示す第1構成例の切替スイッチ120は、制御端子126に、下地レイヤ部110からの下地レイヤ情報J10が入力されるようになっている。切替スイッチ120は、下地レイヤ部110で生成された下地レイヤ情報J10がアクティブ“1”である場合には入力端子124の背景データD0を選択し、それ以外は入力端子122に入力された画像データY,M,C,Kを選択する。これにより、原稿の下地部分が、背景データD0にて規定される背景画像に置き換えられる。よって、実質的には、スキャン時に読み取った原稿の地肌色を除去することが可能となる。
【0060】
また、図3(C)に示す第2構成例の切替スイッチ120は、その第1の制御端子126には、下地レイヤ部110からの下地レイヤ情報J10が入力される。また、第2の制御端子128には画像情報像域分離部44からの像域情報J12が入力される。切替スイッチ120は、下地レイヤ部110で生成された下地レイヤ情報J10がアクティブ“1”でかつ像域情報J12がアクティブ“1”である場合には入力端子124の背景データD0を選択し、それ以外は入力端子122に入力された画像データY,M,C,Kを選択する。
【0061】
これにより、文字や線画などが描かれている部分の原稿下地部分が、背景データD0にて規定される背景画像に置き換えられる。よって、文字や線画などが描かれている部分について、実質的には、スキャン時に読み取った原稿の地肌色を除去することが可能となる。一方、絵や写真などの多階調部分では、原稿の下地部分が除去されることなく、入力画像に基づいてそのまま描かれることとなる。画像の全面に下地除去処理を施す場合、多階調部分に下地除去に伴う画質劣化が生じ得るが、像域情報J12を参照して絵や写真などの多階調部分では下地除去処理がなされないよう制御することで、その画質劣化を防止することができる。また、絵や写真などを主要部とする多階調画像領域に対する下地除去処理の作動/禁止制御に拘わらず、少なくとも文字や線画を主要部とする2値画像領域に対しては下地除去処理を作動させるように制御することも可能となる。
【0062】
つまり、第1の構成例の下地マスク処理部49では、画像全面について下地レイヤ情報J10を利用した下地除去処理を実行する。これに対して、第2の構成例の下地マスク処理部49では、画像情報像域分離部44にて検知された像域情報J12を参照して、文字部などの2値画像領域については下地レイヤ情報J10を利用した下地除去処理を実行する一方、2値画像領域を除く階調画像領域については下地レイヤ情報J10を利用した下地除去処理を禁止する。つまり、実質的に、文字部などの2値画像領域のみに、下地レイヤ情報J10を利用した下地除去処理が施されるようにする。
【0063】
ここで、従来の下地除去処理と、第1実施形態の下地レイヤ情報J10を利用した下地除去処理との違いは、以下の通りである。すなわち、従来の下地除去処理では、たとえば、処理対象画像について、明度信号Lより下地レベルを検出し、明度信号Lあるいは色分解信号BGRで補正を行ない、色分解信号BGRからシステムバリュー(L,a,b)信号に変換するマトリクスのパラメータを補正することにより補正処理を実現する。さらに、記録信号の出力部に下地除去回路を設け、図3(D)の特性線d1に示すように、階調特性において、下地レベルの閾値Th3から折れ線補正を行なうことにより、不自然な階調飛びや全体的なシフトのない下地除去を実現する。
【0064】
これに対し、本実施形態の処理においては、下地レイヤ情報がアクティブ“1”、つまり、下地部分の時には、画像データを背景データD0に置き換え、下地レイヤ情報がアクティブ“0”、つまり、下地部分でない時には、画像データをそのまま素通しにする。これにより、下地部分は背景データD0に置きかえることで下地除去でき、下地部分でないところは、原画像の階調性を保持できる。よって、図3(E)に示すように、下地除去対象部分については、入力濃度に拘わらず地色レベルD0を任意に設定可能となる一方で、下地除去対象以外の部分については、入力濃度の階調特性には影響を与えない。つまり、下地除去処理の必要のない領域には何らの影響を与えることなく、下地除去の必要がある領域に的確に下地除去処理を適用することができる。必要に応じて、下地レイヤ画像を編集・加工することで、さらに精度のよい処理を実現することができる。
【0065】
このように、第1実施形態の下地レイヤ情報J10を利用した処理では、下地マスク編集部において、下地レイヤの精度を高めることができ、適切に編集された下地マスク画像で下地を除去できるため、たとえば再生紙を原稿とする複写を行なったときの黄ばみを除去することができ、きれいな画像出力が得られるようになる。
【0066】
また、付加的な効果として、背景データD0の設定値を変えることで、文字や絵柄の画像濃度や色度に影響を与えることなく、除去した下地レベルの画像(背景画像)のみを変更することが可能となる。たとえば、完全に除去することも可能であるし、画像形成ユニット30にて使用される印刷用紙の色合いに合わせることも可能となる。背景データD0の値をユーザ指定可能に構成すれば、背景をユーザの好みに応じて切り替えることも可能となる。このような効果は、濃度レベルや色度レベルの変化特性(階調特性)を変えることで地色除去処理を実現する前記手法では得ることのできない効果である。
【0067】
<第2実施形態>
図4は、本発明に係る画像処理装置の一実施形態を搭載した、第2実施形態の画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。この第2実施形態の画像形成装置1は、原画像の下地を検出して下地レイヤを作成し、検出した下地レベルが規定値Th1以上、規定値Th2以下の場合は、下地レイヤに白トナーを塗布する構成とした点に特徴を有する。なお、ここで用いる第2の顕像剤としての“白トナー”は一例であって、通常の印刷時に使用される有色顕像剤(本例ではY,M,C,Kの各トナー)とは異なる他の色のものであればよい。たとえば、色付きの印刷用紙に出力する場合には、白トナーに代えて、その印刷用紙とほぼ同色のトナーを使用することで、地色除去に使用した第2の顕像剤の色も印刷用紙の色に対して目立たないようにしてもよい。
【0068】
第1実施形態では、従来技術で示した白トナーを作用させるという技術思想を利用するが、実際には白トナーを作用させずに、白トナーを塗布すべき部分(原稿下地部分)を電子的に画像合成するようにしていたが、この第2実施形態では、白トナーを塗布すべき部分(原稿下地部分)に、実際に白トナーを塗布する。このため、画像形成ユニット30には、白トナーを印字するエンジンが設けられる。以下、第1実施形態の構成と異なる点についてのみ説明する。
【0069】
下地除去処理を除く機能部分の構成で、図1に示したものと異なる点は、接続ライン90を介して外部からデータを取り込む外部インタフェース部43が前段色信号処理部40に設けられ、画像形成装置1が複合機として機能するように構成されている点である。また、外部からの画像に対する下地処理は、外部インタフェース部43で行なう構成とする。下地検知部100は、画像読取装置10による読取画像を処理対象とするため設けている。下地情報に対する編集・加工のため、下地レイヤ部110は設けている。実際に白トナーを塗布する際には、下地レイヤ部110での編集・加工済みの情報Wを使う。白トナーを塗布することで、下地除去処理を実行するので、画像データにて下地除去処理を実行する下地マスク処理部49は不要であるので、取り外している。
【0070】
外部インタフェース部43は、画像形成装置1をプリンタとして使ったり、ファクシミリ端末として使ったりする際に利用される。たとえば、画像形成装置1をプリンタとして使う場合には、外部インタフェース部43は、図示しない画像入力端末側にて用意されたドキュメントDOCを表すPDLデータを、出力単位ごと(1ページごと)にLab信号でレンダリング(描画展開)する。同様に、画像形成装置1をカラーFAX装置として使用する場合には、外部インタフェース部43は、図示しないFAX装置からTIFF(Tagged Image File Format)形式などのFAXデータを受信し、FAX画像をLab信号にてラスタライズする。
【0071】
下地除去処理の機能部分の構成で、回路ブロック図における第1実施形態との相違点は、以下の通りである。先ず、外部インタフェース部43は、取り込んだ画像について下地検知処理を実施する。このための構成は下地検知部100と同様のものでよい。また下地検知部100は、画像読取装置10にて読み取られた画像に対して下地検知処理を実行する。これにより、後述する2アップ画像におけるスキャン原稿部分の下地レベルを検知可能となる。
【0072】
下地レイヤ部110は、検知された原稿の下地濃度レベルが規定値Th1以上、規定値Th2以下の場合は、その濃度領域を示す下地レイヤ情報J10を出力する。たとえば、下地レイヤ情報J10を白トナー印字に利用する場合、下地レイヤ部110は、白トナーを作用させる画素を決定する。たとえば、下地検知部100で検知された原稿の下地濃度レベルが規定値Th1以上、規定値Th2以下の場合は、その濃度領域の画素を、白トナーを塗布する画素に割り当てる。そして、下地レイヤ部110は、この白トナーを塗布する画素を示す下地レイヤ情報J10を、白トナー画像Wとして、中間調生成部68に渡す。
【0073】
中間調生成部68は、通常使用される有色顕像剤とは異なる色である、第2の顕像剤(本例では白トナー)に応じた画像形成データを生成する第2の画像形成データ生成部の機能を備えるものとする。中間調生成部68は、入力された白トナー画像W(下地レイヤ情報J10)を、通常の画像データY,M,C,Kと同様に、疑似中間調画像を表す2値化データあるいは多階調データなどの画像形成データに変換する。なお、対応する色画像Y,M,C,Kとのディレイ合わせも行なう。中間調生成部68は、この白トナー印字用の白トナー画像Wを画像形成ユニット30の白トナー印字部(エンジン)に渡す。
【0074】
なお、中間調生成部68は、画像情報像域分離部44にて検知された像域情報J12を参照して、文字部などの2値画像領域のみについて、白トナーが塗布されるように処理してもよい。すなわち、画像形成ユニット30にて原稿下地部分の画像に白トナーを作用させる際に、文字部などの2値画像領域については実際に白トナー塗布が行なわれ、多階調画像領域については白トナー塗布処理を禁止する。
【0075】
図5は、白トナーによる画像形成を実行可能に構成されている画像形成ユニット30の一構成例を示す図である。画像形成ユニット30は、一方向に順次一定間隔をおいて並置された出力色Y,M,C,K,Wの各色のプリントエンジン31を有するタンデム構成のものである。以下、各色のプリントエンジン31のそれぞれに符号Y,M,C,K,Wを付して示し、纏めていうときには色の符号を省略して示す。その他の部材についても同様である。
【0076】
なお、図示した例では、通常の4つの出力色Y,M,C,Kの他に、この第2実施形態特有のプリントエンジン31として、白トナー印字用のW(ホワイト)を使用する。なお、通常色は、Y,M,C,Kに限らず、たとえば第5色としてのグレイ(灰色)Gyなどより多くの出力色を含むものであってもよいし、ブラック(K)を除くY,M,Cの3色であってもよい。
【0077】
図示した例では、各単色トナー像の形成順(プリントエンジン31の刷り順)が、K→Y→M→C→Wというように、白色顕像剤によって画像形成するためのホワイトW用のエンジンが最後になっている。これは、印刷用紙上において白トナー像が最上層となるように、少なくとも白トナー像が最後に形成される必要があるためである。
【0078】
プリントエンジン31の中央部には、感光性部材32が配され、この感光性部材32の周囲には、一次帯電器33、現像器34、および転写帯電器35などが配設され、さらに画像形成データに基づいて潜像を感光性部材32に記録するためのポリゴンミラー39などの書込走査光学系を有する。
【0079】
また画像形成ユニット30は、プリントエンジン31に印刷用紙を搬送するための用紙カセット41と搬送路42とを備えている。また先端検出器44が、用紙カセット41から各プリントエンジン31に搬送される印刷用紙の搬送路42上に近接して設けられている。先端検出器44は、レジストローラ42aを通じて転写ベルト(搬送ベルト)43上に送り出された印刷用紙の先端をたとえば光学的に検出して先端検出信号を得、この先端検出信号をプリント出力信号処理系統14に送る。
【0080】
プリント出力信号処理系統14は、画像形成ユニット30から入力された先端検出信号に同期して、画像読取装置10からの赤,緑,青の画像データR,G,Bに所定の画像処理を施した後、K,Y,M,Cの画像形成データ(たとえばオンオフ2値化トナー信号)と、白トナー印字用の画像形成データWを得、画像処理済みのK,Y,M,C,Wの各色の画像形成データを順次一定間隔(いわゆるタンデムギャップ分)をおいて画像形成ユニット30に入力する。
【0081】
画像形成ユニット30においては先ず、潜像形成用の光源としての半導体レーザ38Kは、画像処理部20からのブラック(K)の画像形成データによって駆動されることで、ブラックの画像形成データを光信号に変換し、この変換されたレーザ光をポリゴンミラー39に向けて照射する。このレーザ光は、さらに反射ミラー47K,48K,49Kを介して一次帯電器33Kによって帯電された感光性部材32K上を走査することで、感光性部材32K上に静電潜像を形成する。この静電潜像は、ブラックのトナーが供給される現像器34Kによってトナー像とされ、このトナー像は、搬送ベルト43上の用紙が感光性部材32Kを通過する間に転写帯電器35Kによって用紙上に転写される。そして転写後は、クリーナ36Kによって感光性部材32K上から余分なトナーが除去される。
【0082】
同様に、半導体レーザ38Y,38M,38C,38Wは、画像処理部20からブラックの画像形成データに対して順次一定間隔をおいて得られる対応するY,M,C,Wの各色の画像形成データによって駆動されることで、各色の画像形成データを光信号に変換し、この変換されたレーザ光をポリゴンミラー39に向けて照射する。このレーザ光は、さらに反射ミラー47Y〜49Y,47M〜49M,47C〜49C,47W〜49Wを介して一次帯電器33Y,33M,33C,33Wによって帯電された感光性部材32Y,32M,32C,32W上を走査することで、感光性部材32Y,32M,32C,32W上に静電潜像を順次形成する。
【0083】
各静電潜像は、各色のトナーが供給される現像器34Y,34M,34C,34Wによって順次トナー像とされ、各トナー像は、搬送ベルト43上の用紙が対応する感光性部材32Y,32M,32C,32Wを通過する間に対応する転写帯電器35Y,35M,35C,35Wによって用紙上に順次転写される。
【0084】
このようにK,Y,M,C,Wの各色のトナー像が順次多重転写された用紙は、搬送ベルト43上から剥離され、定着ローラ45によってトナーが定着されて、複写機の外部に排出される。
【0085】
このように、画像形成ユニット30では、中間調生成部68から供給される白トナー印字用のデータによる、白トナー画像形成を実行可能に構成されている。つまり、第2実施形態の画像形成装置1は、最終段に白トナー印字用のプリントエンジン31Wが配され、通常色にて印字出力された画像に対して白トナーを作用させる処理が可能に構成されている。
【0086】
なお、画像形成ユニット30の構成は上述したものに限らず、たとえば、中間転写ベルトを1つあるいは2つ備えた中間転写IBT(Intermediate Belt Transfer)方式のものとする、あるいは1つのエンジンを用いて、トナー色を切り替え、出力色ごとに同様の画像形成プロセスを繰り返してカラー画像を形成するマルチパス構成とするなど、様々な変更が可能である。変更時には、印刷用紙上において白トナー像が最上層となるように、少なくとも白トナー像を形成するプリントエンジン31Wの配置を考慮する。
【0087】
図6は、第2実施形態の画像形成装置1における特徴部分である、白トナー印字を行なうことで下地除去処理を実施する作用を説明する図である。ここで、図6(A)は、下地除去処理を行なわない場合の出力画像の例を示し、図6(B)は、第2実施形態による下地除去処理を行なった場合の出力画像の例を示す。何れも、用紙に色味のある原稿を読み取った画像(スキャン原稿)と、パソコンなどの端末装置にて生成された文書データなどの電子データ原稿とを、1つの用紙上に割り付けて出力する“2アップ処理”の画像を示している。この2アップ処理”の画像は、パソコンなどの端末装置にて用意され、外部インタフェース部43を介して、複合機の機能をなす画像形成装置1に入力される。
【0088】
電子原稿とスキャン原稿とでは、下地である背景の色が異なる。電子原稿は、ほぼ完全に白であるが、スキャン原稿は画像が描かれている用紙の色味を持つ。たとえば、再生紙を使用した原稿を読み取った場合、読み取られた画像は、薄い黄色味を帯びる。このため、スキャン原稿に対して下地除去処理を行なわずに、電子原稿と2アップ処理をして白色用紙に印刷出力すると、そのプリント出力画像は、図6(A)に示すように、電子原稿側の背景は白となるが、スキャン原稿側の背景には、下地の背景色がそのまま印字され、汚れた画像が出力される。
【0089】
一方、第2実施形態の画像形成装置1においては、2アップ画像のスキャン原稿の地色レベルを検知して、所定範囲(本例では下地レイヤ情報がアクティブ“1”の範囲)の地色部分を白トナーで印字する。すなわち、スキャン原稿に対して、白トナー印字を行なうことで下地除去処理を実施する。このため、図6(B)に示すように、スキャン時に読み取った地肌の色をキャンセルすることが可能となる。
【0090】
なお、この図6(B)に示す例では、スキャン原稿の全面について、下地部分を白トナーで埋めているが、これに限らず、必要部分のみを白トナーで埋めるようにしてもよい。たとえば、画像情報像域分離部44にてスキャン原稿部分について像域分離処理を行なって像域情報J12を得、この像域情報J12を参照する方法が考えられる。この場合、文字部や線画部などの2値画像領域は白トナーで埋める処理を実施し、それ以外の多階調画像や電子原稿部分については白トナーで埋める処理を禁止する。こうすることで、スキャン原稿に対して、文字部のみ地肌を白トナーで埋めることにより、スキャン時に読み取った地肌の色をキャンセルすることができる。
【0091】
なお、上述した事例では、2アップ画像の外部のパソコンなどから取り込んだ2アップ画像を、白トナー塗布を利用した地色除去処理の対象画像としていたが、画像読取装置10にて読み取った画像を処理対象画像としてもよいのは言うまでもない。
【0092】
以上のように、上記第2実施形態の画像形成装置1の構成によっても、再生紙などを原稿とする複写を行なったときの黄ばみなどが、印刷出力の画像に現れる汚れの問題を解消することができ、第1実施形態と同様に、きれいな画像出力が得られるようになる。
【0093】
<第3実施形態>
図7は、本発明に係る画像処理装置の一実施形態を搭載した、第3実施形態の画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。この第3実施形態の構成は、画像を非可逆圧縮し伸長した際に文字部の周りなどに生じるノイズを、上述の白トナーを作用させる技術思想を利用することで低減するものである。そして、この第3実施形態では、第1実施形態と同様に、実際には白トナーを作用させずに、白トナーを塗布すべき部分(原稿下地部分)を電子的に画像合成する点に特徴を有する。以下、上述した第1および第2実施形態との相違点を中心に、画像形成装置1の構成を説明する。
【0094】
画像形成装置1は、下地検知部100および下地レイヤ部110を備える。これらは、上記第1および第2実施形態のものと同様のものである。なお、前段色信号処理部40側には下地マスク処理部49が設けられていない。
【0095】
また、画像形成装置1は、前段色信号処理部40と後段色信号処理部60との間に、イメージ圧縮伸張処理部50を有する。前段色信号処理部40にて一連の処理(前段色信号処理)が施されたデジタル画像データは、イメージ圧縮伸張処理部50に入力される。イメージ圧縮伸張処理部50は、印刷イメージをたとえばJPEGの非可逆圧縮フォーマットなどの圧縮画像フォーマットで圧縮し、不揮発性の記憶媒体の一例であるハードディスク装置(HDD;Hard Disc Device)54に一時的に格納(圧縮保存)したり、圧縮保存された印刷イメージを伸長したりするために使用する。
【0096】
このため、イメージ圧縮伸張処理部50は、たとえば、パラメータ設定部51、符号化部52、書込部53、復号化部56、および読出部57を備える。また、この第3実施形態の構成特有のものとして、下地マスク処理部59を復号化部56の後段に備える。この下地マスク処理部59の基本的な機能は、第1実施形態の下地マスク処理部49と同様である。
【0097】
パラメータ設定部51は、符号化部52における符号化の際の圧縮パラメータを決定する。次にパラメータ設定部51は、決定した各色成分用の符号化パラメータを、対応する色成分用の符号化部52およびに復号化部56に入力する。
【0098】
符号化部52は、設定された符号化パラメータを用い、たとえばDCT(Discrete Cosine Transform )などの直行変換符号化やベクトル量子化などの方法により符号化し非可逆圧縮して符号化画像データ(符号化色信号)を生成する。この後、書込部83は、符号化部52により非可逆圧縮されたY,M,C,Kの各色の符号化画像データを、画像格納部の一例であるハードディスク装置54に略同時に書き込む。像域別に圧縮フォーマットを異なるものとしてもよい。
【0099】
なお符号化部52は、Y,M,C,Kの画像データだけでなく、下地レイヤ部110にて得られた下地レイヤ情報J10も圧縮してハードディスク装置54に保存する。この際には、下地レイヤ情報J10に対しては、可逆圧縮フォーマットを使用する。
【0100】
画像形成ユニット30としてタンデム構成のものを使用する場合、イメージ圧縮伸張処理部50にてタンデムギャップ吸収機能も果たすようにする。このため、下地レイヤ情報J10は、Y,M,C,Kの面ごとに用意し、画像データY,M,C,Kに対応付けて保存する。
【0101】
この後、画像形成ユニット30の図示しない先端検出器からの先端検出信号(副走査方向の印字始点を示す信号)に同期して、読出部57がハードディスク装置54からY,M,C,Kの各色の符号化画像データと対応する下地レイヤ情報J10とを順次一定間隔をおいて読み出して復号化部56に入力する。復号化部56は、ハードディスク装置54から順次一定間隔をおいて読み出されたY,M,C,Kの各色の符号化画像データと対応する下地レイヤ情報J10とを、パラメータ設定部51により設定された符号化パラメータを用い、符号化部52における符号化に対応する復号化をして、元の画像データ(復号化色信号)および下地レイヤ情報J10に戻す。
【0102】
下地マスク処理部59は、復号化部56にて複合された下地レイヤ情報J10を使用して、復号化部56にて伸張された画像Y,M,C,Kをマスクすることで、非可逆圧縮と伸張とを行なうことで発生するノイズを低減する(詳細は後述する)。
【0103】
画像編集部62は、イメージ圧縮伸張処理部50からのデジタル画像データ(CMYKなど)に応答して作成される出力画像のトナー像を調整するために、色分解の直線化または同様の処理をする。また、画像編集部62は、エッジ強調用空間フィルタを用いて、復号化部56から順次一定間隔をおいて読み出されたY,M,C,Kの各色の復号化画像データを、エッジ強調処理することで、画像のシャープネス(鮮鋭度)を調整する。
【0104】
図8は、第3実施形態の画像形成装置1における特徴部分である、下地レイヤ情報J10を使用したノイズ低減処理を説明する図である。ここで、図8(A)は、圧縮前の原稿画像の一例を示す図である。図8(B)は、この原稿画像について下地検知部100で地色レベルを検知し、その結果に基づいて下地レイヤ部110にて生成した下地レイヤ情報J10が示す下地レイヤ画像の一例を示す図である。何れも、図中、濃度の高い部分がアクティブな部分を示す。図8(A)に示す原稿画像は文字のみが描かれた2値画像であり、これに対応する図8(B)の下地レイヤ画像は、図8(A)に示す原稿画像をネガポジ反転した画像とほぼ等価である。
【0105】
また、図8(C)と図8(D)は、第3実施形態のノイズ低減処理の効果を説明する図である。ここで、図8(C)は復号化部56による伸張処理直後の画像の一例を示す。図8(D)は、この伸張処理後の画像に対して下地マスク処理部59にて処理された画像の一例を示す。
【0106】
静止画をJPEGなどの非可逆フォーマットで圧縮し伸張すると、画像を完全に元の状態に復元することができない。特に、文字部の周りなど濃度が急に変化する部分では、図8(C)にて一部を拡大して示しているように、モスキートノイズと呼ばれるノイズが発生し、画像が劣化し品質が著しく落ちる。このノイズは、画像を圧縮する前にはなかったものである。
【0107】
これに対して、この第3実施形態の画像形成装置1では、下地マスク処理部59にて、下地レイヤ部110にて予め圧縮前に生成しておいた下地レイヤ情報J10を使って、このようなモスキートノイズが発生している伸張画像に対してマスクを掛ける。これにより、モスキートノイズが実質的に下地レイヤで塗り潰された状態となり、モスキートノイズがきれいに消える。
【0108】
このように、第3実施形態の画像形成装置1によれば、圧縮前に予め画像の下地部分を示す下地レイヤ画像を生成しておき、伸張後の画像に対して、その下地レイヤ画像を用いてマスクを掛ける(電子的に画像合成する)ようにしたので、非可逆フォーマットによる圧縮/伸長時に発生するノイズを低減もしくは除去することが可能となった。
【0109】
<第4実施形態>
図9は、本発明に係る画像処理装置の一実施形態を搭載した、第4実施形態の画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。この第4実施形態の構成は、第3実施形態の構成と同様に、画像を非可逆圧縮し伸長した際に生じるノイズを、上述の白トナーを作用させる技術思想を利用することで低減するものであり、かつ、白トナーを塗布すべき部分(原稿下地部分)に、実際に白トナーを塗布する。以下、第3実施形態の構成と異なる点についてのみ説明する。
【0110】
この第4実施形態では、実際に白トナーを塗布するので、第3実施形態の構成とは異なり、下地マスク処理部59を取り外している。その代わりに、下地レイヤ情報J10を、第2実施形態と同様に白トナー画像Wとして取り扱う。このため、復号化部56にて伸張(復号)された下地レイヤ情報J10(白トナー画像W)を、後段色信号処理部60内を通さずに、直接に中間調生成部68に渡す。以下、第2実施形態と同様である。ただし、対応する色画像Y,M,C,Kとのディレイ合わせだけはする。画像形成ユニット30には、白トナー印字用のエンジンが設けられる。
【0111】
したがって、この第4実施形態の画像形成装置1によれば、圧縮前に予め画像の下地部分を示す下地レイヤ画像を生成しておき、伸張後の画像に対して、その下地レイヤ画像を用いて白トナーで印字することができ、非可逆フォーマットによる圧縮/伸長時に発生するノイズを白トナーで塗り潰す(ノイズを除去する)ことができる。よって、伸張後の画像における文字周辺部などに現れるモスキートノイズが目立たない高画質画像を得ることができる。
【0112】
なお、下地の全面に白トナーを塗布するとトナー消費量が増える。この第4実施形態の構成は、非可逆フォーマットによる圧縮/伸長時に発生する文字部の周りなどに生じるノイズを低減する目的のものであり、少なくともノイズが発生する文字部周辺に白トナーが塗布されるようにすれば十分である。たとえば、下地レイヤ部110にて下地レイヤ情報J10を生成する際、先ず、通常通りの処理により文字エッジを忠実に反映した第1の下地レイヤ(図8(B)の画像)を生成する。この第1の下地レイヤに対してさらに、文字部周辺について黒画素に対する縮小処理(白画素に対する膨張処理)を施した第2の下地レイヤ(図8(B)の白画素部分が膨張)を生成する。そして、第1の下地レイヤと第2の下地レイヤとの間で排他的論理和(EX−OR)をとる。この排他的論理和の結果が示す画像は、文字周辺部のみがアクティブとなる画像である。これを下地レイヤ情報J10として使用して圧縮/伸長後の画像に白トナーを塗布すれば、ノイズが発生する文字部周辺にのみ白トナーを塗布することができ、トナー消費量を抑えつつノイズを確実に目立たなくすることができる。
【0113】
なお、上記各実施形態では、複写装置をベースとした事例を説明したが、画像形成装置1は、複写装置に限定されない。たとえば、画像の下地情報を検知して得た下地レイヤ画像と対応する元画像とを電子データ上で合成処理する第1実施形態の構成は、たとえばスキャナ側に設けてもよい。このスキャナは、複写装置に備えられている画像読取装置10としてのものに限らず、別体のものでもよい。たとえば、ネットワーク接続されたものであってもよい。
【0114】
上記実施形態では、原画像と下地レイヤ画像とを重ねて表示した上で、ユーザによる下地レイヤ画像の確認と編集・加工ができる仕組みを適用していたが、これに限らず、最初に作成した下地レイヤ画像に対して自動的に編集・加工ができる仕組みを適用することも可能である。たとえば、絵柄部分と文字部分とを自動的に切り分ける、公知の絵文字分離処理を適用し、自動検知された絵柄部分については下地レイヤ画像から除外することで、絵柄部分に対して下地除去処理やノイズ除去処理を実行しないようにすることができる。従来の仕組みでは、階調特性カーブを切り替えることで下地除去処理を実行するので、画像全体に対して処理が加えられので、このようなことを実行することはできない。
【0115】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、画像の下地情報を検知して得た下地レイヤ画像を用いて、電子データ上で下地レイヤ画像と対応する元画像とを合成処理することとした。あるいは、画像の下地情報を検知して得た下地レイヤ画像を用いて、白トナー用の画像形成データを生成するようにした。この白トナー用の画像形成データを用いることで、記録媒体上への画像形成時に下地レイヤ画像部分を白トナーを用いて画像形成することを可能にした。
【0116】
これにより、従来の地色除去処理と同様に、本願発明の構成によっても、たとえば、新聞紙や再生紙などの色付き原稿を読み取った際に生じ得る背景部分の汚れを除去することができ、きれいな画像出力が得られるようになった。
【0117】
下地除去のための情報として下地レイヤ画像を用いることができるようにしているので、下地除去処理の必要のない領域には何らの影響を与えることなく、下地除去の必要がある領域に的確に除去処理を適用することができる。必要に応じて、下地レイヤ画像を編集・加工することで、さらに精度のよい処理を実現することができる。
【0118】
また、高周波成分の多い文字部分を非可逆圧縮し伸張した際に発生し得るノイズを除去することができ、高画質な出力を得ることができるようになった。この場合にも、下地除去処理と同様に、必要のない領域には何らの影響を与えることなく、ノイズ除去の必要がある領域に的確に除去処理を適用することができる。必要に応じて、レイヤ画像を編集・加工することで、さらに精度のよい処理を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像処理装置の一実施形態を搭載した、第1実施形態の画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】下地レイヤ部の詳細構成例を示す図である。
【図3】第1実施形態の画像形成装置における特徴部分である下地除去処理の作用を説明する図である。
【図4】本発明に係る画像処理装置の一実施形態を搭載した、第2実施形態の画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】白トナーによる画像形成を実行可能に構成されている画像形成ユニットの一構成例を示す図である。
【図6】第2実施形態の画像形成装置にて白トナー印字を行なうことで下地除去処理を実施する作用を説明する図である。
【図7】本発明に係る画像処理装置の一実施形態を搭載した、第3実施形態の画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図8】第3実施形態の画像形成装置における、下地レイヤ情報を使用したノイズ低減処理を説明する図である。
【図9】本発明に係る画像処理装置の一実施形態を搭載した、第4実施形態の画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…画像出力端末、10…画像読取装置、12…画像記録装置、14…プリント出力信号処理系統、20…スキャナ部、22…読取信号処理部、24…シェーディング補正部、26…入力階調補正部、30…画像形成ユニット、31…プリントエンジン、37…レーザ駆動部、38…レーザ光源、39…ポリゴンミラー、40…前段色信号処理部、42…入力色変換部、43…外部インタフェース部、44…画像情報像域分離部、46…出力色変換部、48…下色除去部、49,59…下地マスク処理部、50…イメージ圧縮伸張処理部、51…パラメータ設定部、52…符号化部、53…書込部、54…ハードディスク装置、56…復号化部、57…読出部、60…後段色信号処理部、62…画像編集部、64…MTF補正部、66…出力階調補正部、68…中間調生成部、72…IOTコントローラ、100…下地検知部、110…下地レイヤ部、120…切替スイッチ、D0…背景データ、J10…下地レイヤ情報(マスク画像)、J12…像域情報

Claims (11)

  1. 画像読取装置により読み取られた原稿画像における下地成分を検出する下地検知部と、
    前記下地検知部により検知された前記原稿の下地成分に基づいて、前記原稿の下地部分を被覆するためのマスク画像を生成するマスク画像生成処理部と、
    前記マスク画像生成処理部により生成された前記マスク画像を使用して、前記画像読取装置により読み取られた前記原稿画像における下地成分を、信号処理による画像合成により除去または低減する下地マスク処理部と
    を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記画像読取装置により読み取られた前記原稿画像について、文字や線画を主要部とする画像領域を抽出して、その像域を示す像域情報を生成する画像情報像域分離部を備え、
    前記下地マスク処理部は、前記画像情報像域分離部により生成された前記像域情報に基づいて、前記文字や線画を主要部とする画像領域の前記下地成分について前記画像合成を実施する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記画像読取装置により読み取られた前記原稿画像について、絵や写真を主要部とする画像領域を抽出して、その像域を示す像域情報を生成する画像情報像域分離部を備え、
    前記下地マスク処理部は、前記画像情報像域分離部により生成された前記像域情報に基づいて、前記絵や写真を主要部とする画像領域の前記下地成分については前記画像合成を禁止する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 画像読取装置により読み取られた原稿画像における下地成分を検出する下地検知部と、
    前記下地検知部により検知された前記原稿の下地成分に基づいて、前記原稿の下地部分を被覆するためのマスク画像を生成するマスク画像生成処理部と、
    前記画像読取装置により読み取られた原稿画像に基づいて、有色顕像剤によって画像形成するための有色用画像形成データを生成する第1の画像形成データ生成部と、
    前記マスク画像生成処理部により生成された前記マスク画像に基づいて、前記画像読取装置により読み取られた前記原稿画像における下地領域について、前記有色顕像剤とは異なる色である、第2の顕像剤によって画像形成するための第2の画像形成データを生成する第2の画像形成データ生成部と
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 前記画像読取装置により読み取られた前記原稿画像について、文字や線画を主要部とする画像領域を抽出して、その像域を示す像域情報を生成する画像情報像域分離部を備え、
    前記第2の画像形成データ生成部は、前記画像情報像域分離部により生成された前記像域情報に基づいて、前記文字や線画を主要部とする画像領域の前記下地成分について前記第2の画像形成データの生成を実施する
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記画像読取装置により読み取られた前記原稿画像について、絵や写真を主要部とする画像領域を抽出して、その像域を示す像域情報を生成する画像情報像域分離部を備え、
    前記第2の画像形成データ生成部は、前記絵や写真を主要部とする画像領域の前記下地成分について前記第2の画像形成データの生成を禁止する
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の画像形成装置。
  7. 画像形成の元となる処理対象画像における下地成分を検出する下地検知部と、
    前記下地検知部により検知された前記原稿の下地成分に基づいて、前記原稿の下地部分を被覆するためのマスク画像を生成するマスク画像生成処理部と、
    前記処理対象画像を圧縮し、この圧縮された画像を伸張する画像圧縮伸張処理部と、
    前記マスク画像生成処理部により生成された前記マスク画像を使用して、前記画像圧縮伸張処理部により伸張された前記処理対象画像における下地成分を、信号処理による画像合成により除去または低減する下地マスク処理部と
    を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  8. 画像形成の元となる処理対象画像における下地成分を検出する下地検知部と、
    前記下地検知部により検知された前記処理対象画像の下地成分に基づいて、前記処理対象画像の下地部分を被覆するためのマスク画像を生成するマスク画像生成処理部と、
    前記処理対象画像を圧縮し、この圧縮された画像を伸張する画像圧縮伸張処理部と、
    前記画像圧縮伸張処理部により伸張された処理対象画像に基づいて、有色顕像剤によって画像形成するための有色用画像形成データを生成する第1の画像形成データ生成部と、
    前記マスク画像生成処理部により生成された前記マスク画像に基づいて、前記画像圧縮伸張処理部により伸張された処理対象画像における下地領域について、前記有色顕像剤とは異なる色である、第2の顕像剤によって画像形成するための第2の画像形成データを生成する第2の画像形成データ生成部と
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  9. 前記第2の画像形成データ生成部は、前記第2の顕像剤として、白色顕像剤を使用するものである
    ことを特徴とする請求項4,5,6,8のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記マスク画像生成処理部は、生成したマスク画像を記憶する画像蓄積部と、原画像と前記画像蓄積部から読み出したマスク画像とを重ねて表示可能な画像データを生成し所定の表示デバイスに出力する画像表示制御部と、前記マスク画像を編集可能なマスク画像編集部とを有し、前記マスク画像編集部により編集された処理済みのマスク画像を、前記下地マスク処理部が処理対象として使用する前記マスク画像として渡す
    ことを特徴とする請求項1,2,3,7のうちの何れか1項に記載の画像処理装置。
  11. 前記マスク画像生成処理部は、生成したマスク画像を記憶する画像蓄積部と、原画像と前記画像蓄積部から読み出したマスク画像とを重ねて表示可能な画像データを生成し所定の表示デバイスに出力する画像表示制御部と、前記マスク画像を編集可能なマスク画像編集部とを有し、前記マスク画像編集部により編集された処理済みのマスク画像を、前記第2の画像形成データ生成部が処理対象として使用する前記マスク画像として渡す
    ことを特徴とする請求項4,5,6,8,9のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
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JP2009211468A (ja) * 2008-03-05 2009-09-17 Seiko Epson Corp プリンタ制御方法および装置ならびにプリンタ制御プログラム
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KR101508977B1 (ko) * 2012-08-16 2015-04-08 네이버 주식회사 이미지 분석에 의한 이미지 자동 편집 장치, 방법 및 컴퓨터 판독 가능한 기록 매체

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