JP2004281724A - 基板処理装置及び半導体デバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板1を処理する処理容器は、その上部にガス供給ライン6を有し、外周部に排気口7を備える。ガス供給ライン6は、反応ガス供給ライン6aの他に非反応ガス供給ライン6bを有する。反応ガス供給ライン6aはシャワーヘッド5の略中心部以外に接続される。非反応ガス供給ライン6bは、反応ガス供給ライン6aから供給される反応ガスの流れを制御するために、基板1の中心部に対向するシャワーヘッド5の略中心部に接続される。シャワーヘッド5は、蓋板11、蓋板11の下方に設けられ2種以上のガスを混合する混合室12、混合室12の底部を構成して混合されたガスをシャワー状に処理室50内に供給する分散板13から構成される。ガス供給ライン6a、6bを構成する配管15a、15bは前記蓋板11に接続される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は基板処理装置及び半導体デバイスの製造方法に係り、特にシャワーヘッドを用いてガスを供給するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造装置やLCD製造装置等といった基板処理装置は、基板にガスを供給することにより基板への薄膜形成、不純物ドーピング、表面処理などを行う。このような処理を行う従来の基板処理装置として、シャワーヘッドを用いてガスを供給するタイプの枚葉式熱CVD装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この枚葉式熱CVD装置を用いて基板上に薄膜を成膜するには、処理室内で基板を加熱し、処理室上部に接続したガス供給ラインからシャワーヘッドを介して処理室内の基板表面にシャワー状に成膜ガスを供給する。この際、基板上を流れる成膜ガスが熱エネルギーにより化学反応を起こして基板上に薄膜が成膜される。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−302770号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述したシャワーヘッドを用いてガス供給を行う従来の装置では、基板を処理する工程で、ガス流量や成膜圧力等といった成膜条件などにより、基板の中心部に対向する処理室の中央で反応ガスの流れに淀みができたり、ガス濃度分布が不均一になってガス不足が起こったりするなどの不具合がある。このため基板処理に改善の余地があった。これは半導体デバイスの製造方法でも共通する。
【0005】
本発明の課題は、上述した従来技術の問題点を解消して、基板の中心部で反応ガスの流れやガス濃度分布に起因する不具合が発生するのを防止することが可能な基板処理装置及び半導体デバイスの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
基板の中心部に発生する基板処理の不具合は、例えば膜厚異常や膜質異常として発生する。膜厚異常や膜質異常は、分割ヒータを用いて基板の温度を領域制御し基板面内の処理量を部分的に調整することによって、ある程度防止することは可能であるが、必ずしも十分ではない。
【0007】
また、ある種の成膜では、例えばボロンドープトアモルファスシリコン(Boron Doped a−Si)膜のように不純物混入膜を形成するような場合では、基板の温度を制御しても基板の中心部の膜厚を調整できず、基板の中心部の膜厚異常を防止できなかった。これは、ボロンドープトアモルファスシリコンの成膜では、アレニウスプロットで言うと供給律速領域、すなわち成膜速度は成膜温度(基板温度)よりも反応ガスの供給量で決定する領域での成膜となっているからだと考えられる。また、基板中心部に発生する膜厚異常点が、分割ヒータにより形成することができるヒータ領域よりも小さい場合、分割ヒータ制御によって膜厚異常点のみを膜厚調整することは困難であるからだとも考えられる。
【0008】
本発明者は、鋭意研究した結果、基板温度を制御するのではなく、反応ガスの流れや濃度分布を制御することに着目した。
【0009】
通常、反応ガス供給ラインからは、これを構成する配管内で非反応ガス(希釈用不活性ガス)と反応ガスとが混合されてシャワーヘッドを介して処理室内に供給される。この反応ガスと混合する非反応ガスの流量を変えることで、プロセス条件(例えば、反応ガスの分圧)を変えることはできるが、処理室の中央で反応ガスの流れや濃度分布を制御することは難しい。
【0010】
そこで、本発明者は、反応ガスと非反応ガスとの混合ガスを供給する反応ガス供給ラインとは別に、非反応ガスを単独で供給することが可能な非反応ガス供給ラインを設け、その非反応ガス供給ラインを基板の中心部に対向するシャワーヘッドの中心部に接続して、そこから非反応ガスを基板の中心部に流すことで、基板中心部で反応ガスの流れを変えることができるか、もしくは反応ガスの濃度分布を変えるこができるとの知見を得て、本発明を創案するに至ったものである。
【0011】
第1の発明は、基板を処理する処理室と、処理室内の基板と対向して接続され前記処理室内にガスを供給するためのシャワーヘッドと、前記シャワーヘッドに接続され、該シャワーヘッドを介して処理室内に反応ガスを供給するための反応ガス供給ラインと、前記シャワーヘッドに接続され、該シャワーヘッドを介して処理室内に非反応ガスを供給するための非反応ガス供給ラインと、を備え、前記非反応ガス供給ラインは基板の中心部と対向するシャワーヘッドの略中心部に接続されることを特徴とする基板処理装置である。
【0012】
非反応ガス供給ラインをシャワーヘッドの略中心部に接続するという簡単な構造で、基板の中心部で反応ガスの流れやガス濃度分布に起因する処理異常が発生しても、非反応ガスで反応ガスの流れやガス濃度分布を制御することによって基板中心部での処理異常の発生を防止することができる。
【0013】
ここで、反応ガス供給ラインと非反応ガス供給ラインとを構成する配管を同軸的に設けて反応ガス供給ラインの配管を非反応ガス供給ラインの配管の外周に配置することにより、あるいは反応ガス供給ラインを基板の中心部と対向するシャワーヘッドの略中心部からずらして設けることにより、 非反応ガス供給ラインを基板の中心部と対向するシャワーヘッドの略中心部に接続することができる。
【0014】
第2の発明は、基板を処理室内に搬入する工程と、処理室内に搬入された基板にシャワーヘッドを介して反応ガスと非反応ガスとを供給して基板を処理する工程と、処理された基板を処理室内から搬出する工程と、を有する半導体デバイスの製造方法であって、前記処理工程では、前記非反応ガスを基板の中心部と対向するシャワーヘッドの略中心部に接続されたガスラインより処理室内に供給することを特徴とする半導体デバイスの製造方法である。
【0015】
処理工程で、非反応ガスを基板の中心部と対向するシャワーヘッドの略中心部に接続されたガスラインより処理室内に供給して、この非反応ガスによりシャワーヘッドを介して供給される反応ガスの流れやガス濃度を制御すると、非反応ガスによって基板の中心部に供給される反応ガスの流れやガス濃度を制御することができる。したがって、基板の中心部における基板処理の不具合を防止できる。
【0016】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、反応ガス供給ラインは、基板の中心部と対向するシャワーヘッドの略中心部以外の部分に接続されることを特徴とする基板処理装置、又は半導体デバイスの製造方法である。
【0017】
反応ガス供給ラインが基板の中心部と対向するシャワーヘッドの略中心部以外の部分に接続されると、基板の中心部と対向するシャワーヘッドの略中心部に接続した非反応ガス供給ラインから容易に反応ガスの流れやガス濃度を制御することができる。
【0018】
第4の発明は、第1ないし第3の発明において、処理時に基板を回転させることを特徴とする基板処理装置、又は半導体デバイスの製造方法である。
【0019】
特に処理時に基板を回転させる場合に、非反応ガスによって基板の中心部に供給される反応ガスの流れやガス濃度を有効に制御することができる。したがって、基板の中心部における基板の処理の不具合を防止できる。
【0020】
第5の発明は、第1ないし第4の発明において、前記非反応ガスの流量を制御することを特徴とする基板処理装置、又は半導体デバイスの製造方法である。
【0021】
シャワーヘッドの中心部から供給する非反応ガスの流量を制御すると、非反応ガス供給ラインから処理室内に供給される非反応ガスの流量によって、基板の中心部の膜厚もしくは膜質の調整を容易に行うことができる。
【0022】
第6の発明は、第1ないし第5の発明において、前記処理とは熱CVD法により、基板上にボロンドープトシリコン膜を成膜する処理であることを特徴とする基板処理装置、又は半導体デバイスの製造方法である。
【0023】
特に、ボロンドープトシリコン膜を基板上に成膜する場合には、基板の温度制御によっては基板中心部の膜厚及び膜質を制御することが困難であるが、第1ないし第5の発明を適用することにより、基板中心部の膜厚及び膜質を制御することができるようになる。ボロンドープトシリコン膜としては、ボロンドープトアモルファスシリコン膜が好適である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る基板処理装置及び半導体デバイスの製造方法を、単一基板の処理を行う枚葉式熱CVD装置に適用した実施の形態について説明する。
【0025】
図1は半導体デバイスの製造方法を実施するための枚葉式熱CVD装置(以下単に、熱CVD装置という)における成膜時の要部断面図である。図2は同じく熱CVD装置の概略断面図であり、(a)はヒータユニット及びサセプタが下降して搬送工程を行うことが可能な搬送位置にある状態を示す図、(b)はヒータユニット及びサセプタが上昇して成膜工程を行うことが可能な成膜位置にある状態を示す図である。
【0026】
図2において、熱CVD装置は、基板1を処理する処理容器30と、処理容器30と隣接してこれとの間で基板1を搬送する基板搬送容器39とを有する。
【0027】
処理容器30は、上部が開口した容器本体31と、容器本体31の上部開口を塞ぐ蓋体32とから構成されて、内部に密閉構造の処理室50を形成している。
【0028】
蓋体32にはシャワーヘッド5とガス供給ライン6とが設けられる。シャワーヘッド5は、処理室50内の基板1と対向して設けられ処理室50内にガスを供給するために設けられる。このシャワーヘッド5は、蓋体32の上部に形成した開口に設けられこの開口を塞ぐ蓋板11と、蓋板11の下方に設けられ多数のガス孔を有してガスをシャワー状に分散させるガス分散板13と、蓋板11とガス分散板11との間に形成され複数のガスを混合する混合室12とから構成される。
【0029】
ガス供給ライン6はシャワーヘッド5に接続され、シャワーヘッド5を介して基板処理室50内にガスを供給するように構成されている。ガス供給ライン6は、具体的にはシャワーヘッド5の蓋板11に接続されて混合室12と連通するガス供給管15と、ガス供給管15に設けられたガス流量制御器(MFC)16と、ガス供給源17とを備えて、基板処理室50内に所望のガス種を所望のガス流量、所望のガス比率で供給することが可能となるように構成されている。
【0030】
容器本体31には排気口7、搬送口8、及びサセプタ2を有するヒータユニット20が設けられる。排気口7は、容器本体31の上側部に設けられ、容器本体31の上部内周に形成された環状路14と連通し、環状路14を介して基板処理室50内を排気するように構成されている。また、搬送口8は、容器本体31の排気口7よりも下方の一側部に設けられ、搬送容器39内に形成される基板搬送室40から処理容器30内の基板処理室50に搬送口8を介してシリコンウェハ等の処理前の基板1を搬入し、または基板処理室50から基板搬送室40に処理後の基板1を搬出するように構成されている。なお、容器本体31の搬送口8には、基板搬送室40と基板処理室50との雰囲気隔離を行う開閉弁9が開閉自在に設けられている。
【0031】
処理容器30の基板処理室50内に、前述したサセプタ2を有するヒータユニット20が昇降自在に設けられ、ヒータユニット20にはヒータユニット20の上部開口を塞ぐ基板保持体としてのサセプタ2が設けられる。サセプタ2の表面に基板1が保持され、基板1はサセプタ2を介してヒータユニット20によって加熱されるようになっている。
【0032】
ヒータユニット20は中空体で構成され、上部にサセプタ2を装着するサセプタ用装着部を有し、下部に処理容器30の底部中央に設けた開口に挿通された筒状の支持軸21を有する。ヒータユニット20は、そのサセプタ用装着部にサセプタ2が装着されることにより内部が密閉構造となる。中空体のヒータユニット20の内部にサセプタ2を介して基板1を所望の温度に加熱可能な抵抗加熱ヒータ3が設けられる。
【0033】
処理容器30内の底部に複数の支持ピン4が立設され、これらの支持ピン4はヒータユニット20及びサセプタ2を貫通可能になっており、ヒータユニット20の昇降に応じて、サセプタ2の表面から出没自在になるように構成されている。
【0034】
熱CVD装置は、ヒータユニット20及びサセプタ2が下降して搬送工程を行うことが可能な位置にあるとき(図2(a)。以下、この位置を搬送位置Aという)、複数の支持ピン4がサセプタ2から突出して複数の支持ピン4上に基板1を支持可能にし、基板処理室50と基板搬送室40との間で搬送口8を介して基板1の搬送、搬出が行えるように構成されている。また、熱CVD装置は、ヒータユニット20及びサセプタ2が上昇して、搬送位置Aより上方の中間位置を経て成膜工程を行うことが可能な位置にあるとき(図2(b)。以下、この位置を基板処理位置Bという)、支持ピン4は関与せず、サセプタ2上に基板1が載置されるように構成されている。
【0035】
ヒータユニット20は、その支持軸21が昇降機構10に連結されて基板処理室50内を昇降するように設けられている。支持軸21の外周には支持軸21の直線運動をシールするためのベローズ18が設けられる。昇降機構10は、基板搬入工程、基板処理工程、基板搬出工程などの各工程で、基板処理室50内のヒータユニット20の上下方向の位置(搬送位置A、基板処理位置B等)を多段階に調整できるよう構成されている。
【0036】
また、ヒータユニット20は回転可能になっている。すなわち、前述した筒状の支持軸21を図示しない回転機構により回転自在として、支持軸21を中心にヒータユニット20を回転自在に設け、基板1を保持した状態でサセプタ2を任意の速度で回転できるように構成されている。一方、ヒータユニット20内に設けた抵抗加熱ヒータ3は固定とし、筒状の支持軸21内に挿通した図示しない固定部によって支持している。このようにサセプタ2を回転自在とし、抵抗加熱ヒータ3を固定とすることによって、抵抗加熱ヒータ3に対してサセプタ2を相対回転させるようになっている。なお、ヒータユニット20を昇降及び回転させる複合機構には、公知の手段を採用することができる。
【0037】
ところで、図1に示すように、本実施の形態では、特に、処理容器30の蓋体32上部に設けられる上記ガス供給ライン6は、反応ガスを導入する反応ガス供給ライン6aの他に、反応ガス制御用の非反応ガスを導入する非反応ガス供給ライン6bを有している。このうち、非反応ガス供給ライン6bは基板1の中心部と対向するシャワーヘッド5の略中心部に接続される。また、反応ガス供給ライン6aは、基板1の中心部と対向するシャワーヘッド5の略中心部以外の部分に接続される。
【0038】
具体的には、非反応ガス供給ライン6bを構成する非反応ガス供給管15bは、基板1の中心部と対向するシャワーヘッド5の蓋板11の中心部に接続する。また、反応ガス供給ライン6aを構成する反応ガス供給管15aは基板1の中心部と対向する蓋板11の中心以外の周辺部に接続して、非反応ガス供給管15bが接続されているシャワーヘッド5の中心部から外れるようにする。非反応ガス供給管15b及び反応ガス供給管15aには、MFC16b、16aがそれぞれ設けられて、処理室50内に供給する非反応ガス及び反応ガスの流量を個別に制御することが可能になっている。また、非反応ガス供給管15b、反応ガス供給管15aには、非反応ガス供給源17b、反応ガス供給源17aがそれぞれ設けられている。
【0039】
なお、図において昇降機構10、回転機構、抵抗加熱ヒータ3、MFC16(16a、16b)等を制御する制御手段は省略してある。
【0040】
上述したような熱CVD装置において基板上に薄膜を堆積させるには、搬送工程で基板1を処理室50内に搬入し、成膜工程で処理室50内に搬入された基板1にシャワーヘッド5を介して反応ガスと非反応ガスとを供給して基板1を処理し、搬出工程で処理された基板1を処理室50内から搬出する。
【0041】
搬入工程において、ヒータユニット20は搬送位置Aにあって基板1を加熱可能な状態にあり、処理容器30の開閉弁9は開いている。基板1は、図示しない搬送機構により、基板搬送室40から基板処理室50に搬送口8を介して搬入され、複数の支持ピン4に支持される(図2(a))。開閉弁9は基板搬入後に閉じられる。図示しない真空ポンプによって、排気口7から環状路14を介して基板処理室50内が排気される。
【0042】
成膜工程において、まず昇降機構10により、ヒータユニット20及びサセプタ2は搬送位置A(図2(a))から基板処理位置Bまで上昇するが、基板処理位置Bに到達する前に基板1が支持ピン4からサセプタ2に移載され、ヒータユニット20によりサセプタ2を介して基板1は直接加熱されるようになる。基板処理位置Bでサセプタ2上に移載された基板1はシャワーヘッド5に近接して対面する(図1、図2(b))。この状態で、必要に応じてヒータユニット20を回転機構により回転させて基板1を回転させる。
【0043】
そして、処理室50内の、回転する基板1の表面にシャワーヘッド5を介してガス供給ライン6(6a、6b)から、矢印に示すように反応ガスと非反応ガスとを供給しつつ排気口7から排気する。この過程で、基板1上に所定の膜が成膜される。反応ガスは、基板1の中心部に対向するシャワーヘッド5の中心部以外の部分に接続された反応ガス供給ライン6aからシャワーヘッド5内に導入される。また、非反応ガスは、基板1の中心部に対向するシャワーヘッド5の中心部に接続された非反応ガス供給ライン6bからシャワーヘッド5内に導入される。シャワーヘッド5内に導入された反応ガスと非反応ガスとはシャワーヘッド5を構成する混合室12で混合され、分散板13からシャワー状に処理室50内に供給される。このとき、シャワーヘッド5の中心部以外の部分からシャワーヘッド5内に導入された反応ガスは、シャワーヘッド5の中心部からシャワーヘッド5内に導入された非反応ガスによって、その流れが制御される。非反応ガスによる反応ガスの制御は、シャワーヘッド5から基板1の中心部に供給される反応ガスの流れに淀みが生じないよう、又は基板1の中心部で反応ガス濃度分布の不均一に起因した反応ガス不足が生じないような形で行われる。このような基板1の中心部における反応ガス流の制御や反応ガス濃度分布の制御は、非反応ガスの流量に応じて調整してやることができる。このため、非反応ガス供給管15に設けたMFC16によって、不具合が生じる基板の中心部における膜厚もしくは膜質の調整が最適となるように、非反応ガス供給管15bを通る非反応ガスの流量が調整される。
【0044】
搬出工程において、基板処理後、ヒータユニット20は搬送位置Aまで降下する(図2(a))。降下の際、支持ピン4は再び基板1を突き上げ、サセプタ2と基板1との間に搬送のための隙間を作る。基板1は搬送口8から搬送機構により基板搬送室40へ運び出される。
【0045】
ここで上述した成膜工程でボロンドープトアモルファスシリコン膜を成膜するための条件を例示すると、次のようになる。
反応ガスはドーパントガスとなるB2H6を含むSiH4であり、非反応ガスはN2ガスである。なお、SiH4の代わりにSi2H6を用いてもよい。その場合、供給流量は、例えば、100〜300sccmとなる。またN2ガスのガス流量は、反応ガス供給ガスライン6aから反応ガスとともに流すN2ガスと、非反応ガス供給ライン6bから流すN2ガスとのトータルである。
【0046】
また図3に、ここで上述した成膜工程における反応ガス(Process Gas)及び非反応ガス(N2)のガスチャートを示す。横軸は時間、縦軸は流量(slm)である。基板をスタンバイする予熱(Preheat)時から、反応ガス(Process Gas)を流している成膜(Deposition)時を経て、残存ガスを処理室50から除去するアフターパージ(After Purge)時に至るまで、常に反応ガス供給ライン6aからは非反応ガス(N2)を流し、また非反応ガス供給ライン6bからは非反応ガス(Center N2)を流している。例えば、基板搬送圧力が真空であるときの成膜工程では、非反応ガスのTotal流量をN2=20slmとした場合、反応ガス供給ライン6aからN2=16slmを流し、非反応ガス供給ライン6bからN2=4slmを流す。
【0047】
上述した実施の形態によれば、非反応ガス供給ライン6bをシャワーヘッド5の略中心部に接続するという簡単な構造で、基板1の中心部で反応ガスの流れやガス濃度分布に起因する処理異常が発生しても、非反応ガス供給ライン6bから処理室50内に供給される非反応ガスによってシャワープレート5を介して基板1の中心部に供給される反応ガスの流れを制御することができる。したがって、基板1中心部での処理異常の発生を防止することができる。
【0048】
特に、成膜時に基板1を回転させる場合に、非反応ガス供給ライン6bから処理室50内に導入される非反応ガスによって、基板1の中心部に供給される反応ガスの流れやガス濃度分布を有効に制御することができる。したがって、基板1中心部での処理異常の発生を有効に防止することができる。
【0049】
また、非反応ガスの流量を制御するMFC16bによって、非反応ガス供給ライン6bから処理室50内に供給される非反応ガスの流量を制御すると、ガス流量や成膜圧力といった成膜条件などにより、処理室の中央で生じるガスの淀み、あるいはガス不足を、非反応ガスの流量によって適切に調整することができる。したがって、基板中心部での膜厚もしくは膜質の調整を有効に行うことができ、基板の中心部での膜厚異常、膜質異常の発生を有効に防止することができる。その結果、膜厚・膜質の面内均一特性の良好な半導体デバイスが得られるとともに、歩留りを向上することができる。
【0050】
また、反応ガス供給ライン6aをシャワーヘッド5の略中心部からずらすだけで、非反応ガス供給ライン6bをシャワーヘッド5の略中心部に容易に設けることができる。
【0051】
特に、ボロンドープトアモルファスポリシリコン膜を成膜する場合には、基板の温度制御によっては制御することが困難であった基板中心部の膜厚及び膜質を制御することができるようになる。
【0052】
【実施例】
図1に示す熱CVD装置において、シャワーヘッド5の中心部に非反応ガスとしてN2ガスを供給したときに、そのN2ガス流量が基板中心部の膜厚に与える影響について、図4及び図5の実験結果を用いて説明する。図4はN2流量とボロンドープトアモルファスシリコン膜の膜厚のライン測定結果を示し、図5は膜厚の面内測定結果を示す。
【0053】
図4は、図5で測定した面内測定点のうちXライン上の7点をピックアップしたものであり、φ300mm基板上を50mm間隔でライン測定した結果である。縦軸は膜厚を平均値で規格化したものであり、横軸は基板中心からの基板Xライン上の距離(Position)である。
【0054】
また図4及び図5ともに成膜条件は、
(なお、ガス流量はトータルが20slmになるように設定)
である。
【0055】
この実験では、シャワーヘッド5の中心部に接続したN2ガス供給ライン15bからシャワーヘッド5内へ導入するN2ガスの流量を、0.0slm、2.5slm、4.0slm、5.0slmと、非反応ガスを流さない場合も含めて変えた。菱形、四角形、三角形、及び円形で示す測定点は、それぞれ0.0slm、2.5slm、4.0slm、5.0slmの流量のN2ガスを中心部から供給したときの取得データを示す。ここで、0.0slm、すなわち供給量ゼロのデータはシャワーヘッドの中心部に非反応ガスを供給していなかった従来例のデータを意味する。これより、シャワーヘッドの中心部から処理室内に供給するN2流量により、基板中心部の膜厚が変化していることがわかる。
【0056】
また、図5に示す膜厚の面内測定結果は、測定装置(ナノメトリクス・ジャパン社製 NANOSPEC/AFT M5500)にて基板面内の所定箇所を49点測定したときのものである。基板面内に閉曲線で描かれている等厚線の単位は図4の縦軸と同じである。この実験データからはつぎのことが言える。2.5slmのときは膜厚均一性が±MaxMin8.0%と大きいが、膜厚の分布パターンは同心円状に揃っている。4.0slmのとき膜厚均一性が±MaxMin3.15%と最も膜厚均一性が良く、膜厚分布パターンも同心円状に揃っている。5.0slmのときは±MaxMin5.83%と膜厚均一性は2.5slmのときよりも改善されているが、膜厚分布パターンが内周部では同心状になっているが、外周部で大きく乱れていることがわかる。
【0057】
このような図5の実験データをもとに図4の実験データを考察すると、つぎのことが言える。膜厚均一性を±MaxMin3%以下にすることを目標とすると、N2ガスの供給量は3.5slm〜4.5slmの範囲が好ましい。3.5slm未満だと、中心部の膜厚が厚くなり過ぎ、面内膜厚のばらつきも大きくなっていく。そして0.0slmで従来例と同じになり、基板中心部の膜厚が非常に厚くなることがわかる。4.5slmを超えると、逆に中心部の膜厚が薄くなり過ぎ、面内膜厚のばらつきも大きくなる。また、基板に供給される成膜ガス量も低下するから膜質にも影響を与える。したがって、N2ガスの供給量は上記目標を満たす3.5slm〜4.5slmの範囲が好ましく、特に4.0slmのときは基板中心部の膜厚規格値が100%近くに抑えられ均一性が最も良いので好ましい。なお、成膜条件が変わると上記好適範囲も変わる。なお、ガス流量が2.5slm及び5.0slmのときは、膜厚均一性が±6〜9%程度であるから目標値には達しないが、ガス流量がゼロの従来例よりは改善されていることがわかる。
【0058】
また、上述した図4及び図5の実験データから、非反応ガス供給ライン6bを接続する基板中心部と対向するシャワーヘッド5の略中心部は、膜厚の面内均一性を±MaxMin3%以下にすることを目標とすると、φ300mm基板の場合、中心より半径50mm程度のガス流れを制御すればよいことから、図4に示す基板Xライン上の距離(Position)50mmと100mmとの測定点から類推して、その中間、すなわちシャワーヘッドの中心より半径75mm程度の円内に入っていればよいことになる。
【0059】
なお、上述した実施の形態では、Bをドープするボロンドープトポリシリコン膜を成膜する場合に、シャワーヘッドの中心部からN2ガスを供給しない場合、周辺部に比べ基板中心部の膜厚が厚くなる傾向があることを説明した。これに対してPをドープするリンドープトポリシリコン膜を形成する場合は、シャワーヘッドの中心からN2ガスを供給しない場合、Bドープの場合と逆に、周辺部に比べ基板中心部の膜厚が薄くなる傾向があり、この原因も反応ガスのガス流れによるものと考えられる。また、シャワーヘッドの中心からN2ガスを供給しない場合、Pドープの場合では、基板中心部で抵抗率が高くなっており、この原因は結晶性、すなわち膜質が違うことが原因と考えられる。したがって、BドープとPドープとは上述した共通点があることから、本発明を適用することによって、Bドープ、Pドープともに膜厚の改善のみならず、抵抗率などの膜質の改善も可能になると考える。
【0060】
また、上述した実施の形態では、ボロンドープトアモルファスシリコン膜の成膜について説明したが、リンドープトアモルファスシリコン膜やその他のCVD膜についても本発明を適用することが可能である。また、膜厚等制御用の非反応ガスはN2のみならず、Arなどその他の不活性ガスを任意に選ぶことができる。
【0061】
また、上述した実施の形態では、反応ガス供給ライン6aをシャワーヘッド5の略中心部からずらした部分に接続することにより、 非反応ガス供給ライン6bを基板1の中心部と対向するシャワーヘッド5の略中心部に接続するようにしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、処理室50内に供給するガス供給管15を二重管構造とし、この二重管をシャワーヘッドの中心部に接続して、外管から反応ガスを供給し、内管から非反応ガスを供給するようにしてもよい。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、シャワーヘッド中心部から供給する非反応ガスにより、シャワーヘッドを介して供給される反応ガスを制御するようにしたので、基板の中心部で生じる基板処理の不具合を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態による半導体デバイスの製造方法を実施するための枚葉式熱CVD装置の要部断面図である。
【図2】実施の形態による熱CVD装置の概略断面図である。
【図3】実施の形態による成膜工程における反応ガス及び非反応ガスのガスチャートである。
【図4】シャワーヘッドの中心部から供給するN2流量と、基板上に成膜されるボロンドープトアモルファスシリコン膜の膜厚のライン測定結果を示す図である。
【図5】シャワーヘッドの中心部から供給するN2流量と、基板上に成膜されるボロンドープトアモルファスシリコン膜の膜厚の面内測定結果を示す図である。
【符号の説明】
1 基板
2 サセプタ
5 シャワーヘッド
6a 反応ガス供給ライン
6b 非反応ガス供給ライン
7 排気口
15a 反応ガス供給管
15b 非反応ガス供給管
20 ヒータユニット
50 処理室
Claims (2)
- 基板を処理する処理室と、
処理室内の基板と対向して設けられ前記処理室内にガスを供給するためのシャワーヘッドと、
前記シャワーヘッドに接続され、該シャワーヘッドを介して処理室内に反応ガスを供給するための反応ガス供給ラインと、
前記シャワーヘッドに接続され、該シャワーヘッドを介して処理室内に非反応ガスを供給するための非反応ガス供給ラインと、
を備え、
前記非反応ガス供給ラインは基板の中心部と対向するシャワーヘッドの略中心部に接続される
ことを特徴とする基板処理装置。 - 基板を処理室内に搬入する工程と、
処理室内に搬入された基板にシャワーヘッドを介して反応ガスと非反応ガスとを供給して基板を処理する工程と、
処理された基板を処理室内から搬出する工程と、
を有する半導体デバイスの製造方法であって、
前記処理工程では、非反応ガスを基板の中心部と対向するシャワーヘッドの略中心部に接続されたガスラインより前記処理室内に供給することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008218877A (ja) * | 2007-03-07 | 2008-09-18 | Hitachi Kokusai Electric Inc | 基板処理装置および半導体装置の製造方法 |
TWI460028B (zh) * | 2010-10-01 | 2014-11-11 | Wonik Ips Co Ltd | 基板處理裝置的清洗方法 |
-
2003
- 2003-03-17 JP JP2003071235A patent/JP2004281724A/ja active Pending
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