JP2004278643A - プランジャポンプ用クランクユニット - Google Patents

プランジャポンプ用クランクユニット Download PDF

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Abstract

【課題】回転軸2aを回転駆動する為に要するトルクを大きくしたり、ラジアルニードル軸受4bの耐久性を低下させたりする事なく、軽量化を図る。
【解決手段】このラジアルニードル軸受4bを構成する、金属板を曲げ形成して成るクランク外輪7bの両端部に、第一、第二の鍔部29、30を形成する。そして、これら両鍔部29、30を、それぞれ第一の玉軸受19を構成する第一の外輪26或は第二の間座22に当接若しくは近接対向させる事により、上記クランク外輪7bの軸方向に関する位置決めを図る。上記第二の鍔部30に、上記第二の間座22側が凸曲面である曲面部33を形成し、この第二の鍔部30と上記第二の間座22との接触面積を小さくし、上記クランク外輪7bの変位に対する、グリースの剪断抵抗を小さく抑える。又、上記ラジアルニードル軸受4bを構成するニードル15、15の長さを、上記第一、第二の鍔部29、30同士の間に配列できる限り大きくする。この構成により、上記課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、各種液体を圧縮して吐出する為のプランジャポンプに組み込んで回転運動を(軸方向の)往復運動に変換する、プランジャポンプ用クランクユニットの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばアンチロックブレーキシステム(ABS)やトラクションコントロールシステム(TCS)、更にはプレビュー制御を行なうブレーキシステムでは、運転者によるブレーキペダルの操作とは独立して、制動用のホイールシリンダに圧油を送り込む必要がある。この様な圧油は、電動モータにより駆動されるプランジャポンプにより作り出して、アキュムレータに貯めておく。又、このプランジャポンプには、上記電動モータにより回転駆動される回転軸の回転運動を、シリンダ孔内に嵌装したプランジャの往復運動に変換する為のクランクユニットが組み込まれている。
【0003】
この様なプランジャポンプ用クランクユニットとして従来から、例えば特許文献1、2に記載されたものが知られている。図3は、このうちの特許文献1に記載されたプランジャポンプ用のクランクユニット1を示している。このクランクユニット1は、図示しない電動モータ等の駆動源により回転駆動される回転軸2の回転運動を、この回転軸2の中間部に固設された偏心カム部3とラジアルニードル軸受4とを介して、それぞれがスリーブ5、5の中心孔(シリンダ孔)内に油密に嵌装したプランジャ6、6に伝達する様に構成している。この為にこれら各プランジャ6、6を図示しないばねにより押圧して、これら各プランジャ6、6の端面を、上記ラジアルニードル軸受4のクランク外輪7の外周面に、弾性的に突き当てている。従って、上記各プランジャ6、6は上記回転軸2の回転に伴い、上記クランク外輪7の外周面の偏心運動と上記ばねの弾力に基づいて上記各スリーブ5、5の中心孔内で軸方向に往復移動する。そして、図示しない吸入ポートから吸引した油を加圧してから、やはり図示しない吐出ポートから吐出する。
【0004】
上記回転軸2は、ケーシング8内に、上記偏心カム部3を軸方向両側から挟む状態で設けられた1対の転がり軸受9、9により、回転自在に支持している。これら各転がり軸受9、9を構成する内輪10、10は上記回転軸2に締り嵌めで外嵌固定し、同じく外輪11、11は上記ケーシング8に、がたつきなく内嵌している。又、上記各内輪10、10と上記偏心カム部3との間には、それぞれ内輪10、10の側から順番に、スペーサ12、12とワッシャ13、13とを設けている。これら両ワッシャ13、13の片側面外径寄り部分は上記ラジアルニードル軸受4のクランク外輪7の軸方向端面に、当接若しくは近接対向させて、このクランク外輪7の軸方向に関する位置決めを図っている。
【0005】
特許文献1に記載されたプランジャポンプ用クランクユニットの構成は上述の通りであるが、上記ラジアルニードル軸受4のクランク外輪7に関しては、金属素材に鍛造加工、切削加工等を施して厚肉円筒状とした、所謂ソリッド型のものを使用している。これに対して特許文献2には、図4に示す様に、偏心カム部3aの外周面とプランジャ6の端面(図3参照)との間に設けるラジアルニードル軸受4aのクランク外輪(シェル)7aを、金属板に塑性加工を施す事により構成した構造が記載されている。又、上記特許文献2に記載された構造の場合には、上記クランク外輪7aの軸方向に関する位置決めに就いては、このクランク外輪7aの軸方向端部に形成した内向フランジ状の鍔部14の内周縁部を、転がり軸受9を構成する内輪10(図3参照)と偏心カム部3aの端面との間に進入させる事により図っている。これに伴って、位置決めの為のスペーサ12、12及びワッシャ13、13は省略している。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−49646号公報
【特許文献2】
特表2003−502603号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図3に示した従来構造の場合、それぞれが金属製である、ラジアルニードル軸受4のクランク外輪7及びスペーサ12、12の容積が嵩み、クランクユニット1全体としての重量が嵩む事が避けられない。又、位置決め用のワッシャ13、13の片側面外径寄り部分と上記クランク外輪7の両端面とが広い面積で当接若しくは近接対向するので、これら各面同士が相対変位する事に対する抵抗が大きくなる。即ち、プランジャポンプの運転時に、上記クランク外輪7は回転する事なく径方向に変位するのに対して、上記ワッシャ13、13は径方向に変位する事なく回転する。従って上記各面同士は、回転方向にも径方向にも相対変位する。又、これら各面同士の間には潤滑の為のグリースが、これら各面同士の間に掛け渡される状態(膜を形成した状態)で存在する。そして、これら各面同士が相対変位する際には、このグリースの膜に加わる剪断応力が、これら各面同士が相対変位する事に対する抵抗となる。この抵抗は、これら各面同士の間に存在するグリースの面積が広い程大きくなる。この様な理由により上記図3に示した従来構造の場合には、回転軸2を回転駆動する為に要するトルクが大きくなって、駆動源となる電動モータの大型化が必要になり、設置スペース及び重量の増大を招く為、改良が望まれる。
【0008】
これに対して特許文献2に記載された構造の場合には、クランク外輪7aの薄肉化、及びスペーサ12、12及びワッシャ13、13の省略に伴う軽量化を図れる反面、上記クランク外輪7aを含むラジアルニードル軸受4aの容量確保の面からは不利になる。この理由は、このラジアルニードル軸受4aを構成する複数本のニードル15、15を保持する保持器16と上記クランク外輪7aの端部に形成した鍔部14との干渉防止の必要上、この保持器16の軸方向寸法を短くせざるを得ない為である。この保持器16の軸方向寸法が短くなり、この保持器16に保持される上記各ニードル15、15の軸方向寸法が短くなると、上述の様に、ラジアルニードル軸受4aの容量確保の面からは不利になる。又、上記クランク外輪7aの軸方向中心と上記各ニードル15、15の軸方向中心とが不一致になる為、これら各ニードル15、15の転動面と、上記クランク外輪7aの内周面に設けた外輪軌道17との転がり接触部の接触面圧を(軸方向に関して)均一化する面からは不利になる。この接触面圧が不均一になると、上記転動面及び外輪軌道17の転がり疲れ寿命確保の面からは不利になる。
本発明のプランジャポンプ用クランクユニットは、この様な不都合を何れも解消すべく発明したものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のプランジャポンプ用クランクユニットは、回転軸と、偏心カム部と、内輪軌道と、第一、第二の転がり軸受と、クランク外輪と、複数本のニードルと、第一の間座と、第二の間座とを備える。
このうちの回転軸は、電動モータ或はエンジン等の駆動源により回転駆動される。
又、上記偏心カム部は、上記回転軸の中間部に、一体成形或は締り嵌めによる外嵌固定等により、固設されている。
又、上記内輪軌道は、上記偏心カム部の外周面に設けられたもので、上記回転軸に対し偏心した円筒状である。
又、上記第一、第二の転がり軸受は、上記偏心カム部を軸方向両側から挟む状態で、上記回転軸の周囲に設けられている。即ち、上記第一、第二の転がり軸受を構成する第一、第二の内輪を、上記回転軸に、締り嵌めにより外嵌固定している。
又、上記クランク外輪は、肌焼鋼等の金属板を曲げ形成する事により造られたもので、円筒部の軸方向両端部にそれぞれが内向フランジ状である、第一、第二の鍔部を設けている。
又、上記各ニードルは、上記クランク外輪の内周面に設けられた円筒状の外輪軌道と上記内輪軌道との間に設けられている。
又、上記第一の間座は、上記第一の転がり軸受を構成する第一の内輪の軸方向端面と上記偏心カム部の軸方向一端面との間に設けられている。
更に、上記第二の間座は、上記第二の転がり軸受を構成する第二の内輪の軸方向端面と上記偏心カム部の軸方向他端面との間に設けられている。
【0010】
そして、上記第一の転がり軸受を構成する第一の外輪の軸方向端面と上記第一の鍔部の外側面とを径方向に関する相対変位を可能に当接若しくは近接対向させている。これと共に、上記第二の間座の一部側面と上記第二の鍔部の外側面とを、径方向及び回転方向に関する相対変位を可能に当接若しくは近接対向させている。これらにより、上記クランク外輪の軸方向に関する位置決めを図っている。
且つ、上記第二の鍔部の内径側部分を、全周に亙って上記第二の間座の一部側面から離れる方向に曲げ形成している。この曲げ形成により、この第二の間座の一部側面と上記第二の鍔部の外側面とが互いに当接若しくは近接対向する面積を、上記内径側部分を曲げ形成しない場合に比べて低減している。
【0011】
【作用】
上述の様に構成する本発明のプランジャポンプ用クランクユニットが、回転軸の回転運動を偏心カム部及びラジアルニードル軸受を介してプランジャに伝達し、このプランジャを軸方向に往復運動させる際の作用は、前述した特許文献1、2に記載される等により従来から知られているプランジャポンプ用クランクユニットと同様である。
特に、本発明のプランジャポンプ用クランクユニットの場合には、伝達可能な動力を低くしたり、耐久性を劣化させたりする事なく、軽量化及び駆動トルクの低減を図れる。
【0012】
即ち、本発明のプランジャポンプ用クランクユニットの場合には、クランク外輪として、金属板を曲げ形成する事により造ったものを使用している為、前述の特許文献1に記載されたものに比べて軽量化を図れる。又、上記クランク外輪の軸方向の位置決めの為に第二の間座の一部側面と当接若しくは近接対向させた第二の鍔部の外側面内径側部分を曲げ形成して、上記第二の間座の一部側面と上記第二の鍔部の外側面とが互いに当接若しくは近接対向する面積を低減している為、これら両面同士が相対変位する為に要する力を低減できる。この為、上記回転軸を回転駆動する為に要する駆動トルクの低減を図れる。
【0013】
しかも、上記作用を発揮させる為に、何れの鍔部も、その内径を各ニードルの軸方向端面を抑え付ける為に必要とするよりも小さくする必要はない。従って、必要とすれば、上記各ニードルを転動自在に保持する為の保持器の軸方向両端部を第一、第二の鍔部の内径側部分に進入させて、この保持器の軸方向寸法を十分に大きくできる。従って、上記各ニードルの軸方向寸法を、これら各ニードルを上記第一、第二の鍔部同士の間に組み込める限り大きくできる。この結果、上記クランク外輪を含むラジアルニードル軸受の容量を十分に確保できるだけでなく、上記クランク外輪の軸方向中心と上記各ニードルの軸方向中心とを一致させる事ができる。そして、これら各ニードルの転動面と、上記クランク外輪の内周面に設けた外輪軌道との転がり接触部の接触面圧を均一化し、上記転動面及び外輪軌道の転がり疲れ寿命の確保を図れる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1〜2は、本発明の実施の形態の1例を示している。本例のプランジャポンプ用のクランクユニット1aは、回転軸2aと、偏心カム部3bと、内輪軌道18と、それぞれが第一、第二の転がり軸受である単列深溝型の第一、第二の玉軸受19、20と、クランク外輪7bと、複数本のニードル15、15と、第一の間座21と、第二の間座22とを備える。このうちの回転軸2aは、電動モータ或はエンジン等の、図示しない駆動源により回転駆動される。又、上記偏心カム部3bは、上記回転軸2aの中間部に、カム筒23を、焼嵌め等で外嵌固定する事により、固設されている。このカム筒23の内周面と外周面とは互いに偏心しており、このカム筒23を上記回転軸2aに外嵌固定した状態で、このカム筒23の外周面に形成した円筒状の上記内輪軌道18は、上記回転軸2aに対して偏心した状態となる。
【0015】
又、上記第一、第二の玉軸受19、20は、上記偏心カム部3bを軸方向両側から挟む状態で、上記回転軸2aの周囲に設けられている。即ち、上記第一、第二の玉軸受19、20を構成する第一、第二の内輪24、25を、上記回転軸2aに、締り嵌めにより外嵌固定している。これに対して、上記第一、第二の玉軸受19、20を構成する第一、第二の外輪26、27は、上記クランクユニット1aをプランジャポンプに組み込んだ状態で、このプランジャポンプのケーシングに、がたつきなく内嵌される。尚、図示の例では、ケーシングの形状に合わせて、このケーシング内への組み付け時に先端側となる第一の玉軸受19の外径を、同じく基端側になる第二の玉軸受20の外径よりも小さくしている。但し、この様な第一、第二の玉軸受19、20の外径の相違は、上記ケーシングの内面形状に合わせた設計的なもので、本発明の要旨とは関係ない。言い換えれば、本発明を実施する場合に、第一、第二の玉軸受19、20の外径を等しくしても良い。又、先端側に設ける第一の玉軸受19に代えて、シェル型ニードル軸受を、第一の転がり軸受として使用する事もできる。この場合に、上記回転軸2aの先端部外周面を、上記シェル型ニードル軸受の内輪軌道として使用する事もできる。
【0016】
又、前記クランク外輪7bは、肌焼鋼等の金属板に絞り加工等の曲げ加工を施す事により造られたもので、円筒部28の軸方向両端部に、それぞれが内向フランジ状である、第一、第二の鍔部29、30を設けている。又、上記各ニードル15、15は、上記クランク外輪7bの内周面に設けられた円筒状の外輪軌道17aと上記内輪軌道18との間に設けられている。上記各ニードル15、15の軸方向長さは、上記第一、第二の鍔部29、30の間隔よりも僅かに短くして、上記各ニードル15、15がこれら第一、第二の鍔部29、30の間で、円滑に転動できる様にしている。この為に、上記各ニードル15、15を転動自在に保持する為の保持器16aの軸方向両端部を、上記第一、第二の鍔部29、30の内径側部分に進入させている。この為に、少なくとも上記保持器16aの軸方向両端部の外径寸法を、上記第一、第二の鍔部29、30の内径寸法よりも小さくしている。
【0017】
又、上記第一の間座21は、上記第一の玉軸受19を構成する第一の内輪24の軸方向端面(図1の上端面)と上記偏心カム部3bの軸方向一端面(図1の下端面)との間に設けられている。本例の場合、上記第一の間座21は、断面矩形で全体を円環状としており、上記偏心カム部3aと別体のものを、前記回転軸2aに外嵌している。但し、第一の間座21を、この偏心カム部3aと一体にする事もできる。何れにしても、この第一の間座21は、上記第一の内輪24及び上記偏心カム部3aと共に、上記回転軸2aの回転に伴って回転する。
【0018】
更に、前記第二の間座22は、上記第二の玉軸受20を構成する第二の内輪25の軸方向端面(図1の下端面)と、上記偏心カム部3bの軸方向他端面(図1の上端面)との間に設けられている。本例の場合に上記第二の間座22は、径方向寸法が小さい第一間座素子31と、径方向寸法が大きい第二間座素子32とを軸方向に重ね合わせて、断面L字形で全体を円環状として成る。そして、このうちの第一間座素子31を上記第二の内輪25の軸方向端面に、第二間座素子32を上記偏心カム部3bの軸方向他端面に、それぞれ突き当てている。尚、金属板を曲げ加工する事により、又は鍛造或は削り出し加工により、上記第二の間座22を一体に形成する事もできる。何れにしても、この第二の間座22も、上記第二の内輪25及び上記偏心カム部3bと共に、上記回転軸2aの回転に伴って回転する。
【0019】
そして、上記第一の玉軸受19を構成する第一の外輪26の軸方向端面(図1の上端面)と前記第一の鍔部29の外側面(図1の下面)とを、径方向に関する相対変位を可能に当接若しくは近接対向させている。これと共に、上記第二の間座22の片側面(図1の下面)外径寄り部分と前記第二の鍔部30の外側面(図1の上面)とを、径方向及び回転方向に関する相対変位を可能に当接若しくは近接対向させている。これらにより、上記第一、第二の鍔部29、30をその両端部に設けた、前記クランク外輪7bの軸方向に関する位置決めを図っている。
【0020】
更に本例のクランクユニット1aの場合には、上記第二の鍔部30の内径側部分を、全周に亙って上記第二の間座22の一部側面から離れる方向に曲げ形成している。即ち、前記円筒部28のうちで上記第二の鍔部30を形成すべき端部を径方向内側及び軸方向内側(図1〜2の下側)に向け、中心角が90度を超える状態にまで曲げ形成する事により、上記端部に断面円弧形の曲面部33を、全周に亙って形成している。更に、この曲面部33の内周縁部を、この曲面部33の曲げ方向とは逆方向に曲げ形成する事により、この内周縁部に径方向に関する幅が狭い、平坦部34を、全周に亙って形成している。この平坦部34は、上記曲面部33の端縁が前記各ニードル15、15の端面と極く狭い面積で当接(エッジ当り)する事を防止して、これら各ニードル15、15の端面と上記第二の鍔部30との当接部の油膜が破壊されるのを防止する為に設けている。
【0021】
本例のクランクユニット1aの場合には、上記第二の鍔部30の基端部(外周縁部)に、前記第二の間座22の片側面側が凸曲面である上記曲面部33を形成する事により、この第二の間座22の片側面外径寄り部分と上記第二の鍔部30の外側面とが互いに当接若しくは近接対向する面積を低減している。即ち、上記曲面部33と上記第二の間座22の片側面側とは、この曲面部33のうちで最もこの片側面側に突出した部分で、ほぼ線接触する状態となる。従って、上記面積を小さくできる。
【0022】
上述の様に構成する本発明のプランジャポンプ用のクランクユニット1aが、前記回転軸2aの回転運動を偏心カム部3b及びラジアルニードル軸受4bを介してプランジャ6、6(図3参照)に伝達し、これら各プランジャ6、6を軸方向に往復運動させる際の作用は、前述した特許文献1、2に記載される等により従来から知られているクランクユニット1と同様である。即ち、上記回転軸2aと共に上記偏心カム部3bが回転すると、この偏心カム部3bの周囲に上記各ニードル15、15を介して支持された前記クランク外輪7bが径方向に変位する。このクランク外輪7bは、上記各プランジャ6、6の突き当てに伴って回転しない為、このクランク外輪7bは、回転する事なく径方向にのみ変位して、上記各プランジャ6、6を軸方向に往復移動させる。そして、これら各プランジャ6、6が、ブレーキオイル等の液体を吸入ポートから吸引し加圧してから、吐出ポートより吐出する。
【0023】
特に、本例のプランジャポンプ用のクランクユニット1aの場合には、伝達可能な動力を低くしたり、耐久性を劣化させたりする事なく、軽量化及び駆動トルクの低減を図れる。
即ち、本例のクランクユニット1aの場合には、上記クランク外輪7bとして、金属板を曲げ形成する事により造ったものを使用している為、前述の特許文献1に記載されたものに比べて軽量化を図れる。
【0024】
又、本例の場合には、上記クランク外輪7bの軸方向の位置決めの為に第二の間座22の一部側面と当接若しくは近接対向する第二の鍔部30の外側面内径側部分を、この一部側面から離れる方向に曲げ形成して、当該部分に平坦部34を形成している。そして、この平坦部34と上記第二の間座22の一部側面との間に、厚さ寸法が十分に大きな隙間空間35を介在させている。そして、上記第二の間座22の一部側面と上記第二の鍔部30の外側面とが互いに当接若しくは近接対向する面積を低減している為、これら両面同士が相対変位する為に要する力を低減できる。即ち、上記隙間空間35にはグリースの膜が存在しないか、仮に存在してものその厚さが大きくなるので、当該グリースの膜部分で生じる剪断抵抗は小さいもので済む。単位面積当りの剪断抵抗が大きいグリースの膜は、上記第二の間座22の片側面側と前記曲面部33のうちで最もこの片側面側に突出した部分とが線接触する、極く狭い部分のみとなる。この為、上記第二の間座22と上記クランク外輪7bとの相対変位に対して上記グリースの膜が抵抗となる程度を低く抑えて、前記回転軸2aを回転駆動する為に要する駆動トルクの低減を図れる。
【0025】
しかも、上記作用を発揮させる為に、第一、第二の鍔部29、30の何れも、その内径を各ニードル15、15の軸方向端面を抑え付ける為に必要とするよりも小さくする必要はない。従って、図示の様に、上記各ニードル15、15を転動自在に保持する為の保持器16aの軸方向両端部を上記第一、第二の鍔部29、30の内径側部分に進入させて、上記保持器16aの軸方向寸法を十分に大きくできる。この為、上記各ニードル15、15の軸方向寸法を、これら各ニードル15、15を上記第一、第二の鍔部29、30同士の間に組み込める限り大きくできる。この結果、上記クランク外輪7bを含むラジアルニードル軸受4bの容量を十分に確保できるだけでなく、上記クランク外輪7bの軸方向中心と上記各ニードル15、15の軸方向中心とを一致させる事ができる。そして、これら各ニードル15、15の転動面と、上記クランク外輪7bの内周面に設けた外輪軌道17aとの転がり接触部の接触面圧を均一化し、上記転動面及び外輪軌道17aの転がり疲れ寿命の確保を図れる。
【0026】
尚、本発明による作用・効果を得る為には、図示の例の様に、第一、第二の鍔部29、30のうちで第二の間座22と当接若しくは近接対向する第二の鍔部30にのみ、前記曲面部33を形成すれば足りる。但し、この第二の鍔部30に加えて第一の鍔部29の側にも同様の曲面部を形成すれば、クランク外輪7bの組み付け方向を規制する必要がなくなり、クランクユニット1aの組立性向上(組立作業の容易化)を図れる。尚、第一の間座と第二の間座との称呼は便宜的なもので、第二の間座22と当接若しくは近接対向する鍔部が第二の鍔部となり、反対側の鍔部が第一の鍔部となる事は明らかである。
【0027】
又、回転軸2aの回転速度が高く、重量が円周方向に関して不均一であるカム筒23の回転に伴って生じる振動が無視できない場合には、上記第二の間座22の一部でこのカム筒23の厚肉部分と直径方向反対側部分の重量を増大させて、回転バランスを調整する事もできる。この部分の重量を増大させるには、この部分の肉厚を(上記カム筒23と反対側に向け)大きくしたり、或はこの部分の直径を大きくしたり、これらを併用したりする。
【0028】
【発明の効果】
本発明は、上述の様に構成し作用するので、伝達可能な動力が高く(容量が大きく)、優れた耐久性を有し、しかも、軽量で駆動トルクが低いプランジャポンプ用クランクユニットを得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す断面図。
【図2】図1のA部拡大図。
【図3】従来構造の第1例を示す断面図。
【図4】同第2例を示す部分断面図。
【符号の説明】
1、1a クランクユニット
2、2a 回転軸
3、3a、3b 偏心カム部
4、4a、4b ラジアルニードル軸受
5 スリーブ
6 プランジャ
7、7a、7b クランク外輪
8 ケーシング
9 転がり軸受
10 内輪
11 外輪
12 スペーサ
13 ワッシャ
14 鍔部
15 ニードル
16、16a 保持器
17、17a 外輪軌道
18 内輪軌道
19 第一の玉軸受
20 第二の玉軸受
21 第一の間座
22 第二の間座
23 カム筒
24 第一の内輪
25 第二の内輪
26 第一の外輪
27 第二の外輪
28 円筒部
29 第一の鍔部
30 第二の鍔部
31 第一間座素子
32 第二間座素子
33 曲面部
34 平坦部
35 隙間空間

Claims (6)

  1. 駆動源により回転駆動される回転軸と、この回転軸の中間部に固設された偏心カム部と、この偏心カム部の外周面に設けられた、この回転軸に対し偏心した円筒状の内輪軌道と、この偏心カム部を軸方向両側から挟む状態で上記回転軸の周囲に設けられた第一、第二の転がり軸受と、金属板を曲げ形成する事により造られて円筒部の軸方向両端部にそれぞれが内向フランジ状である第一、第二の鍔部を設けたクランク外輪と、このクランク外輪の内周面に設けられた円筒状の外輪軌道と上記内輪軌道との間に設けられた複数本のニードルと、上記第一の転がり軸受を構成する第一の内輪の軸方向端面と上記偏心カム部の軸方向一端面との間に設けられた第一の間座と、上記第二の転がり軸受を構成する第二の内輪の軸方向端面と上記偏心カム部の軸方向他端面との間に設けられた第二の間座とを備え、上記第一の転がり軸受を構成する第一の外輪の軸方向端面と上記第一の鍔部の外側面とを径方向に関する相対変位を可能に当接若しくは近接対向させると共に、上記第二の間座の一部側面と上記第二の鍔部の外側面とを径方向及び回転方向に関する相対変位を可能に当接若しくは近接対向させる事により、上記クランク外輪の軸方向に関する位置決めを図り、且つ、上記第二の鍔部の内径側部分を、全周に亙って上記第二の間座の一部側面から離れる方向に曲げ形成する事により、この第二の間座の一部側面と上記第二の鍔部の外側面とが互いに当接若しくは近接対向する面積を、上記内径側部分を曲げ形成しない場合に比べて低減して成るプランジャポンプ用クランクユニット。
  2. 各ニードルを転動自在に保持する為の保持器の軸方向両端部が、第一、第二の鍔部の内径側部分に存在する、請求項1に記載したプランジャポンプ用クランクユニット。
  3. 第二の鍔部に加えて、第一の鍔部の内径側部分も、クランク外輪の軸方向中央部に向け全周に亙って曲げ形成した、請求項1〜2の何れかに記載したプランジャポンプ用クランクユニット。
  4. 第一の間座が偏心カム部と一体である、請求項1〜3の何れかに記載したプランジャポンプ用クランクユニット。
  5. 第一、第二の転がり軸受が単列深溝型の玉軸受である、請求項1〜4の何れかに記載したプランジャポンプ用クランクユニット。
  6. 第一の転がり軸受がシェル型ニードル軸受であり、第二の転がり軸受が単列深溝型の玉軸受である、請求項1〜4の何れかに記載したプランジャポンプ用クランクユニット。
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