JP2004269948A - 成膜装置、成膜方法および表示装置の製造方法 - Google Patents

成膜装置、成膜方法および表示装置の製造方法 Download PDF

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浩志 加納
Keizo Mori
圭三 森
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Abstract

【課題】長尺状の蒸着源を備える成膜装置および表示装置の製造方法において、基板に被着する材料の膜厚分布の均一化を図るようにすること。
【解決手段】本発明は、長尺状の坩堝13の上面に、その坩堝13の長手方向に沿って複数の開口11がライン状に並ぶよう設けられる蒸着源10を備えており、この坩堝13の上面と成膜対象となるガラス基板20とを対向配置した状態で蒸着源10とガラス基板20とを複数の開口11の並ぶ方向と略直交する方向に相対移動させながら坩堝13内の材料を複数の開口11を介して蒸発させてガラス基板20に成膜を行う成膜装置であり、この蒸着源10における長尺状の坩堝13の上面での両端部が各々ガラス基板20の中央寄りに向くよう傾斜しているものである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の開口が長尺状の坩堝の長手方向に沿って配置されてなる蒸着源と、成膜対象となる基板とを相対移動させながら例えば有機材料から成る有機層を形成する成膜装置、成膜方法および表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、平面型の表示装置として、有機EL(Electro Luminescence)素子を発光素子としたもの(以下「有機ELディスプレイ」という。)が注目を集めている。この有機ELディスプレイは、バックライトが不要な自発光型のフラットパネルディスプレイであり、自発光型に特有の視野角の広いディスプレイを実現できるという利点を有する。また、必要な画素のみを点灯させればよいため消費電力の点でバックライト型(液晶ディスプレイ等)に比べて有利であるとともに、今後実用化が期待されている高精細度の高速のビデオ信号に対して十分な応答性能を具備すると考えられている。
【0003】
このような有機ELディスプレイに用いられる有機EL素子は、一般に、有機材料を上下から電極(陽極および陰極)で挟み込む構造を持つ。そして、有機材料からなる有機層に対して、陽極から正孔が、陰極から電子がそれぞれ注入され、その有機層にて正孔と電子が再結合して発光が生じるようになっている。
【0004】
このとき、有機EL素子では、10V以下の駆動電圧で数百〜数万cd/mの輝度が得られる。また、有機材料(蛍光物質)を適宜選択することによって、所望する色彩の発光も得ることができる。これらのことから、有機EL素子は、マルチカラーまたはフルカラーの表示装置を構成するための発光素子として、非常に有望視されている。
【0005】
ところで、有機EL素子における有機層を形成する有機材料は、耐水性が低く、ウエットプロセスを利用できない。そのため、有機層を形成する際には、真空薄膜成膜技術を利用した真空蒸着を行うのが一般的である。すなわち、有機層を形成するための有機EL素子の製造装置としては、真空チャンバ内に有機材料の蒸着源を備えたものが広く用いられている。
【0006】
このような有機EL素子の製造装置では、通常、蒸着源として、有機材料を収めた坩堝と、その坩堝を加熱する熱源とを備えており、坩堝を加熱して有機材料を蒸発させることで、成膜対象物である有機EL素子の基板上に有機層を成膜するようになっている。
【0007】
また、このような製造装置の中には、成膜対象物である基板と坩堝との間にライン状に並ぶ複数の開口を介し、これらの相対位置を複数の開口が並ぶ方向と直交する方向に移動させることによって、その基板上への有機層の成膜を行うものもある(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
このようにすれば、有機材料が不要な方向に飛散してしまうのを防ぎ得るため、例えば有機層の成膜が複数層に及ぶ場合であっても、少ない材料消費量で効率良く成膜を行うことが可能となり、結果として迅速かつ低コストで有機EL素子を製造することができるからである。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−348659号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような蒸着源がライン状の開口を介して有機材料を蒸発させる製造装置では、以下に述べるような課題が生じる。すなわち、通常、坩堝から蒸発する有機材料は、一つの開口から放射状に広がって飛散しつつ、成膜対象物である有機EL素子の基板に到達する。したがって、開口がライン状に規則正しく並んでいると、そのラインの中央付近における基板上では、多くの開口からの有機材料が到達して、成膜される膜厚が厚くなるが、ラインの両端縁側における基板上では、有機材料が到達してくる開口の数が少なくなるので、成膜される膜厚が薄くなる傾向にある。つまり、複数の開口がライン状に規則正しく並んでいると、そのラインの長さ方向における有機材料の分布にばらつきが生じてしまうことになる。
【0011】
このような分布ばらつきを解消するためには、熱源をラインの長さ方向に複数に分割して、それぞれの分割領域毎に膜厚モニタを用いて蒸着速度制御(レート制御)を行うことを可能にしつつ、ライン両端縁側での熱源の温度をラインの中央付近よりも高く設定することが考えられる。
【0012】
このようにすれば、ライン両端縁側での単位面積あたりの有機材料の蒸発量を、ラインの中央付近と略同じ量に制御することが可能となるからである。ところが、同一ライン上における複数の熱源を異なる温度で制御することは、制御系同士で相互干渉が起こることが多く、不安定な制御系になり易い。さらには、複数の制御系による分割制御を行っても、両端縁側の膜厚が薄くなるという傾向を完全に解消することは困難である。
【0013】
また、両端縁側の膜厚が薄くなる傾向にある場合には、その薄くなる部分、すなわちラインの端縁側近傍の部分については有機EL素子の構成に用いずに、ラインの中央付近の部分のみを有機EL素子の構成に用いるようにすることも考えられる。ところが、そのためには、それだけ長いライン型の蒸着源を用意する必要があり、結果として製造装置の大型化を招いてしまうことになる。さらには、ラインの端縁側近傍の部分に蒸着した有機材料が無駄になってしまうため、材料使用効率やコスト等の観点からは非常に好ましくない。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような課題を解決するために成されたものである。すなわち、本発明は、長尺状の坩堝の上面に、その坩堝の長手方向に沿って複数の開口がライン状に並ぶよう設けられる蒸着源を備えており、この坩堝の上面と成膜対象となる基板とを対向配置した状態で蒸着源と基板とを複数の開口の並ぶ方向と略直交する方向に相対移動させながら坩堝内の材料を複数の開口を介して蒸発させて基板に成膜を行う成膜装置であり、蒸着源の坩堝の上面における両端部が各々基板の中央寄りに向くよう傾斜しているものである。
【0015】
また、蒸着源における複数の開口をライン状に配置し、複数の開口と成膜対象となる基板とを対向配置した状態で、蒸着源と基板とを複数の開口の配置方向と略直交する方向に相対移動させながら複数の開口から材料を蒸発させ、基板へ成膜を行う成膜方法においては、複数の開口から基板に向けて材料を蒸発させる際、複数の開口のうち両端部に配置される開口から蒸発する材料の主要方向を各々基板の中央寄りに向けるようにしている。また、この成膜方法を含む表示装置の製造方法でもある。
【0016】
このような構成から成る本発明では、坩堝の上面における両端部に配置される開口から飛散する材料が基板の中央寄りに向かって放射状に広がることとなる。これにより、蒸着源の両端部と中央付近とで基板表面における単位面積あたりの材料蒸発量を略同等にでき、蒸着源の長手方向に沿った材料の分布を均一にして、成膜厚さの差を無くすことができるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づき説明する。なお、本実施形態では、成膜装置を有機EL素子の製造装置として説明する。図1は、本実施形態に係る製造装置の概略構成例を示す模式図、図2はその製造装置の要部の構成例を示す模式図、図3はその製造装置によって成膜された膜厚分布例を示す説明図である。
【0018】
先ず、有機EL素子の製造装置の概略構成について説明する。ここで説明する製造装置は、有機EL素子のガラス基板上に有機層を成膜するためのもので、図1(a)に示すように、図示しない真空チャンバ内に配設された有機材料の蒸着源10と、その蒸着源10とガラス基板20との相対位置を可変させるための搬送手段とを備えている。
【0019】
蒸着源10は、いわゆるライン型と呼ばれるもので、ガラス基板20との相対位置可変方向と略直交する方向にライン状に一列に並ぶ複数の開口11を有している。さらに詳しくは、図1(b)に示すように、上面に開口11を有し内部に有機材料12を収めた耐熱性の容器である坩堝13と、その坩堝13の下方に設置された熱源14とを備えている。
【0020】
熱源14は、例えば熱電対および温度調整器により構成され温度制御されたヒータからなるものである。このような構成により、蒸着源10では、熱源14が坩堝13を加熱すると、その中の有機材料12が蒸発し、開口11を通って飛散するようになっている。
【0021】
また、搬送手段は、ガラス基板20を移動させることで、蒸着源10とガラス基板20との相対位置を可変させるようになっている。このとき、ガラス基板20の移動は、真空中で行う必要がある。そのため、搬送手段としては、ガラス基板20を搭載した台車をワイヤに接続し、そのワイヤを外部からサーボモータ等によって定速駆動して引っ張る、といったシンプルな方式を採用することが考えられる。ただし、脱ガスの対策等がなされていれば、周知技術であるボールネジやベルトコンベア等による搬送方式を用いても構わないことは勿論である。
【0022】
ところで、本実施形態で説明する製造装置は、図1、図2(a)に示すように、蒸着源10における開口11の配設される面すなわち坩堝13の上面に大きな特徴がある。この蒸着源10では、対向配置されたガラス基板20の進行方向と略直交する辺の長さを充分にカバーするだけの蒸着幅(全長)を有している。そして、従来のものは、通常、図2(b)に示すように、蒸着源10の上面が平面であり、その蒸着幅の全域にわたって開口11が蒸着源10の側面方向から見て同じ高さ、同じ角度で並んでいる。
【0023】
ところが、本実施形態に係る製造装置の蒸着源10では、図2(a)に示すように、蒸着源10上面の両端部がガラス基板20の中央寄りに向くよう傾斜している構造であり、開口11はその傾斜している面に対して略垂直に穿設される。つまり、蒸着源10の坩堝13の上面における両端部の垂線方向が、ガラス基板20の中央寄りに向くような傾斜が設けられている。
【0024】
ここで、坩堝13の上面の両端部の傾斜は、坩堝13内の有機材料12の種類や開口11の形状や大きさ等を考慮しつつ、後述するように単位面積あたりの蒸着量がライン全域にわたって略一定となるよう適宜決定すればよい。例えば、坩堝13の上面中央部に対して10°〜20°の傾斜となっている。
【0025】
また、蒸着源10上面の両端部の傾斜は、単位面積あたりの蒸着量がライン全域にわたって略一定となり得るものであれば、蒸着源10上面の傾斜が線形に高くなるものであっても、あるいは非線形(例えば段階的や曲面的)に高くなるものであってもよい。なお、開口11の形状や大きさ等については、これらの違いが蒸着量に影響を及ぼすのを避けるため、ライン全域にわたって一定であるものとする。
【0026】
ここで、坩堝13の大きさの一例を示す。坩堝13の長手方向に沿った全長が600mm、開口11の直径が2mm、開口11のピッチが5mmである場合、坩堝13の両端部の傾斜部分の長さが各々150mmとなる。この坩堝13の両端部における傾斜部分の長さは開口11の直径やピッチが変わらなければほぼ一定であり、坩堝13の全長に依存しない。したがって、坩堝13の全長が短くなると上面は傾斜(もしくは曲面)のみで構成される場合もある。
【0027】
続いて、以上のように構成された製造装置における成膜方法およびこの成膜方法を含む表示装置(有機ELディスプレイ)の製造方法について説明する。ガラス基板20上への有機層の成膜にあたっては、成膜対象物となるガラス基板20がハンドリングロボットや搬送コンベア等によって真空チャンバ内に搬送される。そして、蒸着源10の坩堝13が熱源14により加熱温度制御され、その中の有機材料12が蒸発し開口11を通って飛散している状態で、その蒸着源10の上方側を搬送手段がガラス基板20を一定速度で移動させる。これにより、坩堝13の上面と対向し相対移動するガラス基板20の坩堝対向面(蒸着面)には、有機材料12の薄膜が形成されることになる。
【0028】
ただし、このときに、蒸着源10の開口11が図2(b)に示したように同じ高さで規則正しく並んでいると、一つの開口11からは有機材料12が広がりを持って飛散するため、ガラス基板20上に成膜される有機層の膜厚は、図3中に破線で示すように、蒸着源10の中央付近に対応する位置ほど厚く、逆に両端部に対応する位置ほど薄くなる傾向にある。
【0029】
本実施形態では、蒸着源10の開口11が図2(a)に示したように坩堝13の上面の両端部が内側に向けて(ガラス基板20の中央寄りに向くよう)傾斜している構造であり、開口11はその傾斜している面に配設されているので、その両端部における開口11から飛散する有機材料の主要方向(飛散分布量が最も多い方向)がガラス基板20の中央寄りに向かう状態となり、その主要方向を中心として放射状に広がるようになる。
【0030】
したがって、単位面積あたりの有機材料12の蒸着量がガラス基板20の中心付近と両端部とで略同等になる。つまり、図3中に実線で示すように、基板中心付近と両端部とで有機材料12の分布を均一にすることができ、結果として有機層の成膜厚さの差を無くすことができるようになる。
【0031】
従来の蒸着源のように坩堝の上面が平面の場合には、各開口から飛散する有機材料の主要方向がガラス基板の蒸着面に対して略垂直となり、これを中心として放射状に広がるため、坩堝の両端部における開口から飛散する有機材料のうち主要方向より外側のものはガラス基板に到達しない状態となる。
【0032】
本実施形態では、坩堝13における両端部の開口11から飛散する有機材料12の主要方向がガラス基板20の中央寄りに向かう状態となり、この方向を中心として放射状に広がることで、主要方向よりも外側となる有機材料12もガラス基板20に到達して無駄なくガラス基板20へ成膜できるようになる。これにより、従来のガラス基板の両端部に近づくほど薄くなる傾向を補う形になるため、単位面積あたりの有機材料12の蒸着量をガラス基板20の中心付近と両端部とで略同等にできる。
【0033】
したがって、複数の開口11がライン状に並んでいても、そのラインの長さ方向における有機材料12の分布にばらつきが生じることがなく、有機層の成膜厚さの差を無くすことができる。このような成膜方法を有機EL素子の製造や有機ELディスプレイ等の表示装置の製造方法に適用することで、画面の均質化を図ることが可能となる。
【0034】
しかも、ライン型の蒸着源10における上面の両端部の傾斜構造を最適化することで、熱源14の加熱温度制御に依存することなく、蒸着レートが一定のままでも、有機材料12の分布の均一化が図れるようになる。換言すると、図3に示す基板位置に対する膜厚分布を略均一にできるような傾斜構造を採用することで、複雑な熱源14の温度調整を行うことなく、所望温度となるように制御するだけで、有機材料12の分布の均一化を図りつつ、ガラス基板20上に成膜される有機層の膜厚調整を行い得るようになる。
【0035】
また、このときの熱源14の加熱温度制御は、膜厚モニタによるモニタリング結果を基にして行ってもよい。詳しくは、周知の膜厚モニタを用いて蒸着源10からの有機材料12の蒸着速度(蒸着レート)を検出して、ガラス基板20上に成膜された有機層の膜厚をモニタリングし、そのモニタリング結果を基にして蒸着速度が一定となるように、熱源14の加熱温度をコントロールすることが考えられる。このような加熱温度制御を行えば、蒸着源10上面の両端縁側の傾斜構造による成膜厚さの均一化と併せて、有機層の膜厚調整をより一層高精度に行うことができるようになる。
【0036】
また、熱源14の加熱温度制御は、熱源14の全体に対して一律に行うことで安定した温度制御の実現が容易となるが、諸条件の変化で膜厚分布が変わることを補うため、坩堝13の長手方向に複数の熱源を配置して温度制御部によって各々の熱源の温度制御を行うようにしてもよい。
【0037】
この場合、それぞれの分割領域毎に加熱温度制御を行えるので、例えば坩堝13の両端部での温度を中央付近よりも高く設定するといったことが可能となる。このようにすれば、温度の可変量が蒸着源10における上面を平面構造で構成した場合の温度制御に比較して少なくて済み、また分割領域毎の加熱温度制御によりガラス基板20上における成膜厚さの均一化をより一層確実なものとすることができる。
【0038】
さらに、分割領域毎の加熱温度制御を行う場合には、膜厚モニタによるモニタリングも分割領域毎に個別に行うようにすることが考えられる。図4は、膜厚モニタによる熱源制御を行う場合の構成図である。すなわち、ガラス基板20における蒸着源10の長手方向に沿った位置に対応して複数の膜厚モニタM1〜M3を配置し、これらの膜厚モニタM1〜M3で得たモニタリング結果を温度制御部40に送る。
【0039】
温度制御部40には、坩堝13の例えば両端部と中央部に対応して個別に熱源141〜143および熱電対51〜53が配置されており、膜厚モニタM1〜M3によるモニタリング結果に応じて各熱源141〜143の温度制御を行うことができるようになっている。
【0040】
このような各熱源141〜143による温度制御によってそれぞれ個別のレート制御(蒸着速度制御)をしながら、蒸着源10上面の両端部の傾斜構造による成膜厚さの均一化と併せて、膜厚の分布を一定に保つようにしてもよい。このようにすれば、有機層の膜厚調整の更なる高精度化が期待できる。なお、図4では3つの熱原141〜143、熱電対51〜53および膜厚モニタM1〜M3を配置する例を示しているが、本発明はこれに限定されない。
【0041】
加熱温度制御の対象となる蒸着源10は、図1(a)に示したように、真空チャンバ内に一つのみを配設するのではなく、複数のものを並列配置してもよい。ただし、その場合であっても、各蒸着源10上面の両端縁側は傾斜構造で構成されているものとする。
【0042】
各蒸着源10の坩堝13内には、それぞれ異なる有機材料12を収めておくことが考えられる。このように、真空チャンバ内に複数の蒸着源10を並列配置した場合には、その上方にてガラス基板20を移動させることで、そのガラス基板20が各蒸着源10と対向する位置を順に通過する。したがって、ガラス基板20上には、各蒸着源10からの有機材料が順に積層されることになる。すなわち、積層構造の有機層の成膜が連続的に行い得るようになる。
【0043】
次に、以上のような構成の製造装置を用いて製造される有機EL素子について簡単に説明する。図5は有機EL素子の概略構成例を示す模式図であり、図6はその製造の際に用いられる治具の構成例を示す模式図である。
【0044】
図5に示すように、有機EL素子21は、ガラス基板20上に形成されたもので、それぞれ異なる材料からなる複数の有機層21a〜21dが順次積層されてなるものである。なお、ここでは、積層される層数が四つである場合を例に挙げているが、これに限定されないことは勿論である。これら複数の有機層21a〜21dの成膜は、複数の蒸着源10が並列配置された製造装置を用いて連続的に行っても、あるいは一つの蒸着源10のみが配設された製造装置を用いて順次個別に行っても構わない。
【0045】
ところで、ガラス基板20上には、図示はしていないが、例えばR,G,Bの各色成分に対応した複数の有機EL素子21が、所定パターンに従ってマトリクス状に縦横に配列されている。各有機EL素子21の間の相違は、有機層21a〜21dを構成する有機材料(蛍光物質)にある。これにより、これらガラス基板20および各有機EL素子21を備えて構成された有機ELディスプレイでは、各有機EL素子に所定波長の光を選択的に発生させて、カラー画像の表示を行うことが可能になるのである。
【0046】
このようなカラー画像を表示するための各有機EL素子21の配列は、例えばR,G,Bの各色成分に対応したパターニング成膜によって各有機EL素子21を形成することで実現可能となる。
【0047】
ここで、パターニング成膜のために用いられる治具の概略構成について説明する。パターニング成膜は、図6に示すように、平板状に形成され、鉄(Fe)やニッケル(Ni)等の強磁性体からなるメタルマスク31を用いて行われる。メタルマスク31には、所定の成膜パターンに対応した複数の開孔32が穿設されている。
【0048】
そして、被成膜物であるガラス基板20の一面側を覆うようにそのガラス基板20と密着した状態で、ガラス基板20の他面側に配された磁石33が発生させる磁力によって固定されるようになっている。このように構成される治具を、メタルマスク31を蒸着源10に向けた状態で、その蒸着源10上を一定速度で移動させれば、ガラス基板20上には、所定パターンの成膜を行うことができる。
【0049】
また、複数種類のメタルマスク31を用意すれば、異なるパターンの多層成膜を行うこともでき、結果として複数の有機EL素子21を縦横に配列することが可能となるのである。
【0050】
なお、本実施形態では、本発明の実施の好適な具体例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々変形することが可能である。すなわち、本実施形態で説明した製造装置を構成する一連の構成要素の材質、形状、動作機構等は、必ずしもこれらに限られるものではなく、各構成要素の機能を同様に確保することが可能な限り、自由に変更可能である。
【0051】
この場合においても、本実施形態の場合と同様の効果を得ることができる。例えば、本実施形態では、板状のガラス基板20上に有機EL素子21を形成する場合を例に挙げて説明したが、樹脂材料からなるフィルム素材等のようなロール状の基板であっても、また有機EL素子21を用いた有機ELディスプレイ以外の表示装置の製造であっても適用可能である。
【0052】
また、本実施形態では長尺状の坩堝13を用いる成膜方法を説明したが、複数の分割された坩堝をライン状に配置して、両端部となる坩堝の開口から蒸発する材料の主要方向を基板の中央寄りに向けるようにしても同様である。
【0053】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、長尺状の蒸着源を具備する成膜装置であっても、複雑な制御や材料の無駄等を要することなく、その長手方向における材料の膜厚分布を略同等にすることができ、均一な膜厚の成膜を行うことが可能となる。これにより、表示装置の画質均一化を図ることが可能となる。
【0054】
また、本発明では、基板の幅と略同等の長手方向長さの蒸着源を用いて基板に対する蒸着を行うことができる。したがって、必要以上に長い蒸着源を用いることなく成膜を行うことができ、成膜装置の小型化を図ることが可能となる。
【0055】
その上、長尺状の蒸着源、すなわちライン状に並んだ開口の両端部に対応する基板の位置まで均一な膜厚分布が得られるので、蒸着可能な領域を基板の両端部近傍まで確保することができる。そのため、材料が無駄になってしまうこともなく使用効率を上げて有効利用を図ることができ、材料使用効率やコスト等の観点からも好適なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る製造装置の概略構成例を示す模式図である。
【図2】製造装置の要部の構成例を示す模式図である。
【図3】製造装置によって成膜された膜厚分布例を示す説明図である。
【図4】膜厚モニタによる熱源制御を行う場合の構成図である。
【図5】有機EL素子の概略構成例を示す模式図である。
【図6】製造の際に用いられる治具の構成例を示す模式図である。
【符号の説明】
10…蒸着源、11…開口、12…有機材料、13…坩堝、14…熱源、20…ガラス基板、40…温度制御部

Claims (6)

  1. 長尺状の坩堝の上面に、その坩堝の長手方向に沿って複数の開口がライン状に並ぶよう設けられる蒸着源を備えており、前記坩堝の上面と成膜対象となる基板とを対向配置した状態で前記蒸着源と前記基板とを前記複数の開口の並ぶ方向と略直交する方向に相対移動させながら前記坩堝内の材料を前記複数の開口を介して蒸発させて前記基板に成膜を行う成膜装置において、
    前記蒸着源は、前記坩堝の上面における両端部が各々前記基板の中央寄りに向くよう傾斜している
    ことを特徴とする成膜装置。
  2. 前記坩堝の上面における両端部は曲面によって構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
  3. 前記坩堝の長手方向に沿って配置される複数の熱源と、
    前記複数の熱源を各々制御する温度制御手段と
    を備えていることを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
  4. 前記坩堝の長手方向に沿った位置に対応して前記基板に被着した前記材料の膜厚を検出する複数の膜厚検出手段を備えており、
    前記温度制御手段は、前記複数の膜厚検出手段による膜厚の検出結果に応じて前記複数の熱源を制御する
    ことを特徴とする請求項3記載の成膜装置。
  5. 蒸着源における複数の開口をライン状に配置し、前記複数の開口と成膜対象となる基板とを対向配置した状態で、前記蒸着源と前記基板とを前記複数の開口の配置方向と略直交する方向に相対移動させながら前記複数の開口から材料を蒸発させ、前記基板へ成膜を行う成膜方法において、
    前記複数の開口から前記基板に向けて前記材料を蒸発させる際、前記複数の開口のうち両端部に配置される前記開口から蒸発して飛散する前記材料の主要方向を各々前記基板の中央寄りに向けるようにする
    ことを特徴とする成膜方法。
  6. 請求項5記載の成膜方法を含む
    ことを特徴とする表示装置の製造方法。
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