JP2004269121A - 給送装置、記録装置及び液体噴射装置 - Google Patents

給送装置、記録装置及び液体噴射装置 Download PDF

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Yasuharu Harada
泰晴 原田
Masashi Furuyama
将史 古山
Tadahiro Yamashita
周大 山下
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Abstract

【課題】本発明の課題は、被記録媒体を正しい姿勢で確実に下流側に給送可能な給送装置、記録装置、及び液体噴射装置を提供すること。
【解決手段】被記録媒体Pに給送力を付与して下流側に給送する第1給送ローラ25と、この第1給送ローラ25が設けられた第1給送ローラ軸25aを軸支する第1給送ローラホルダ80と、第1給送ローラ25の下流側近傍に配置され、第1給送ローラ25によって給送された被記録媒体Pをより下流側に給送する第2給送ローラ21と、この第2給送ローラ21が設けられ回動する第2給送ローラ軸21aと、を備える給送装置であって、第1給送ローラホルダ80が、第2給送ローラ軸21aに取り付けられた構成であることを特徴とする。
【選択図】 図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、給送装置、記録装置及び液体噴射装置に関する。
より詳しくは、本発明はインク等の液体をそのヘッドから吐出(噴射)して被記録媒体(被噴射媒体)に記録を実行する(液体を付着させる)インクジェットプリンタなどの記録装置(液体噴射装置)に具備される給送装置、該給送装置を具備した記録装置及び液体噴射装置に関するものである。
【0002】
なお液体噴射装置とは、インクジェット式の記録ヘッドが用いられ、該記録ヘッドからインクを吐出して被記録媒体に記録を行うプリンタ、複写機及びファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに換えてその用途に対応する液体を前記記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから被記録媒体に相当する被噴射媒体に噴射して、前記液体を前記被噴射媒体に付着させる装置を含むものである。
【0003】
液体噴射ヘッドとして前記記録ヘッドの他に、液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。
【0004】
【従来の技術】
記録装置及び液体噴射装置の一例であるインクジェットプリンタ(以下、「プリンタ」という。)は、被記録媒体(液体噴射媒体)の一例である印刷用紙(以下、「用紙」という。)を記録実行手段(液体噴射実行手段)の一例である記録ヘッド下に向けて給送し、この記録ヘッドから液体の一例であるインクを吐出させることにより、当該用紙に記録(印刷)を実行するものである。
【0005】
このプリンタには、用紙セット部にセットされた用紙を記録ヘッドに向けて給送する給送(給紙)装置が備え付けられている。そして、この給送装置には、静止状態にある用紙に給送力を付与して給送動作を開始させる第1給送ローラと、この第1給送ローラによって給送された用紙をより下流側に向けて給送する第2給送ローラなどのローラが設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
このような構成の給送装置においては、第1給送ローラと第2給送ローラとが平行となるように配設されているにもかかわらず、装置の設計誤差や組立誤差等によってそれらの平行度が保たれないことがある。すなわち、これらのローラが平行に配設されないことにより、第1給送ローラの用紙給送方向と第2給送ローラの用紙給送方向とが異なることがあった。このような場合には、第1給送ローラによって給送された用紙を第2給送ローラによって給送するときに、この用紙に不要な力(例えば、用紙にシワを生じさせる力)が働き、シワなどの不具合を生じさせることがある。また、用紙が記録ヘッドに対して傾斜した姿勢のまま給送されることもあり、このような場合には、印刷が斜めに行われるなどの不具合を生じさせる。
【0007】
また、第1給送ローラに対しては給紙動作時にホッパの圧接動作によって用紙が押しつけられるため、この第1給送ローラを備えたローラ軸が押圧力によって撓み変形することがあった。このようにローラ軸が変形してしまった場合には、用紙に的確な給送力が付与できなくなり、給紙不良を起こす虞があった。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−68535号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような実情に鑑みなされたものであって、その課題は、被記録媒体を正しい姿勢で確実に下流側に給送可能な給送装置、記録装置、及び液体噴射装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様に係る給送装置は、被記録媒体に給送力を付与して下流側に給送する第1給送ローラと、この第1給送ローラが設けられた第1給送ローラ軸を軸支する第1給送ローラホルダと、前記第1給送ローラの下流側近傍に配置され、当該第1給送ローラによって給送された被記録媒体をより下流側に給送する第2給送ローラと、この第2給送ローラが設けられ回動する第2給送ローラ軸と、を備える給送装置であって、前記第1給送ローラホルダが、前記第2給送ローラ軸に取り付けられた構成であることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、第1給送ローラホルダが、第2給送ローラ軸に取り付けられた構成であるので、第2給送ローラと第1給送ローラとの相対位置を精度良く位置決めすることができる。すなわち、第1給送ローラ軸と第2給送ローラ軸とを精度良く平行に位置決めすることができ、これにより第1給送ローラの表面と第2給送ローラの表面とを平行度が高い状態で位置決めすることができる。従って、第1給送ローラによって給送された被記録媒体は、その姿勢を保ったまま第2給送ローラによってより下流側に給送される。
つまり、給送される被記録媒体には不要な力(第1給送ローラと第2給送ローラとの給送力作用方向が異なることによる、シワなどを生じさせる力)が働くことがないので、同じ方向の姿勢を支持したまま精度良く給送される。
【0012】
また、本発明の第2の態様に係る給送装置は、前記第1の態様において、前記第1給送ローラホルダは、さらに、強度部材に固定された構成であることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、第1給送ローラホルダは、さらに、強度部材に固定された構成であるので、被記録媒体給送時に第1給送ローラ軸に働く力(例えば、給送負荷によって第1給送ローラ軸を撓ませるように作用する力)を、第1給送ローラ軸を軸支する第1給送ローラホルダを介して強度部材で受けることができる。また同様に、被記録媒体給送動作時に第2給送ローラ軸に働く力(例えば、第2給送ローラ軸を撓ませるように作用する力)を、第1給送ローラホルダを介して強度部材で受けることができる。すなわち、第1給送ローラホルダが第2給送ローラ軸と強度部材とに取り付けられることによって、第1給送ローラ軸及び第2給送ローラ軸を強度部材に連係させているので、被記録媒体給送動作時に第1給送ローラ軸及び第2給送ローラ軸に働く力を強度部材に伝達させてこれで受けることができる。従って、第1給送ローラ軸及び第2給送ローラ軸に撓みなどの不具合を生じさせることがない。
【0014】
また、本発明の第3の態様に係る給送装置は、前記第2の態様において、前記第2給送ローラに対向する位置には当該第2給送ローラに押圧し、重送されようとする被記録媒体を規制する重送規制手段が配設されていることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、第2給送ローラに対向する位置には第2給送ローラに押圧し、重送されようとする被記録媒体を規制する重送規制手段が配設された構成であるので、重送規制手段の第2給送ローラに対する押圧によって第2給送ローラ軸には、軸を撓ませるように作用する力が働く。
【0016】
しかし、前記した第2給送ローラ軸に働く力を、第1給送ローラホルダを介して強度部材で受けることができる。すなわち、第1給送ローラホルダが第2給送ローラ軸と強度部材とに取り付けられた構成であるため第2給送ローラ軸と強度部材とが連係され、重送規制手段の第2給送ローラに対する押圧によって第2給送ローラ軸に働く力を強度部材に伝達させてこれで受けることができる。従って、第2給送ローラ軸に撓みなどの不具合を生じさせることがない。
【0017】
また、本発明の第4の態様に係る給送装置は、前記第2の態様または前記第3の態様において、前記第1給送ローラホルダには、前記第1給送ローラ軸外周に設けられた第1歯車と、前記第2給送ローラ軸外周に設けられた第2歯車とにかみあう中間歯車が設けられ、この中間歯車は、被記録媒体給送動作時において前記第2歯車に働く力の作用方向上に前記強度部材が位置するように配設されていることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、第1給送ローラホルダには、第1給送ローラ軸外周に設けられた第1歯車と第2給送ローラ軸外周に設けられた第2歯車とにかみあうように中間歯車が設けられているので、第2給送ローラ軸の回動力を中間歯車を介して第1給送ローラ軸に効率よく伝達することができ、これにより第1給送ローラを第2給送ローラに連動させて回動させることができる。また、中間歯車を第1歯車と第2歯車とにかみあうように配設したことによって、第1給送ローラの回動方向を第2給送ローラの回動方向と同方向(例えば、被記録媒体を下流側に給送する方向)に回動させることができる。また、第1歯車、第2歯車及び中間歯車の相対位置を精度良く位置決めすることができ、各歯車のかみあいによる動力伝達をより一層効率よく行うことができる。
【0019】
また、中間歯車は、被記録媒体給送動作時において第2歯車に働く力の作用方向上に強度部材が位置するように配設されているため、この第2歯車に働く力を強度部材で確実に受けることができる。従って、第1給送ローラの回動負荷が大きい場合(すなわち、第2歯車に働く力が大きい場合)であっても、第2給送ローラ軸の撓みなどの不具合が確実に規制され、これにより各歯車の相対位置が維持される(すなわち、それぞれの歯車の相対位置に変化を生じさせない)。従って、動力伝達を長期間に渡って安定して行うことができる。
【0020】
また、本発明の第5の態様に係る給送装置は、前記第4の態様において、前記中間歯車の軸は、前記第1給送ローラホルダの一方のサイドフレームに軸支されており、かつ、その軸支部分が当該中間歯車の歯幅より長く構成されていることを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、動力伝達時に中間歯車に働く力(すなわち、中間歯車の軸方向を変位させようと作用する力)を確実に規制することができる。従って、中間歯車による第1歯車及び第2歯車とのかみあいを良好に保つことができ、もって動力伝達を効率よく、かつ確実に行うことができる。
【0022】
また、本発明の第6の態様に係る給送装置は、前記第4の態様または前記第5の態様において、前記第1歯車、前記第2歯車及び前記中間歯車は、前記第1給送ローラホルダのサイドフレームの内面に沿って配設されることを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、第1歯車、第2歯車及び中間歯車とが第1給送ローラホルダのサイドフレームの内面に沿って配設されることにより、各歯車が精度良く位置決めされる。従って、これらの歯車のかみあいが良好に行われ、動力伝達が効率よく、かつ確実に行われる。
【0024】
また、本発明の第7の態様に係る給送装置は、前記第1の態様から前記第6の態様のいずれかの態様において、前記第1給送ローラホルダは、前記第2給送ローラ軸を挟み込む挟着部を有していることを特徴とする。本発明によれば、第1給送ローラホルダを容易に第2給送ローラ軸に取り付けることができ、組立作業が容易である。
【0025】
また、本発明の第8の態様に係る記録装置は、被記録媒体に記録を行う記録装置であって、前記第1の態様から前記第7の態様のいずれかの態様に記載の給送装置を具備していることを特徴とする。この発明によれば、正しい姿勢で給送された被記録媒体に対して記録が実行可能であるので、記録精度が良い給送装置である。
【0026】
また、本発明の第9の態様に係る液体噴射装置は、被噴射媒体に給送力を付与して下流側に給送する第1給送ローラと、この第1給送ローラが設けられた第1給送ローラ軸を軸支する第1給送ローラホルダと、前記第1給送ローラの下流側近傍に配置され、当該第1給送ローラによって給送された被噴射媒体をより下流側に給送する第2給送ローラと、この第2給送ローラが設けられ回動する第2給送ローラ軸と、を備える液体噴射装置であって、前記第1給送ローラホルダが、前記第2給送ローラ軸に取り付けられた構成であることを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の「給送装置」を具備した「記録装置」及び「液体噴射装置」の一実施形態であるインクジェットプリンタ(以下、「プリンタ」という。)1の構成について図面に沿って説明する。
ここで、図1はプリンタの外観斜視図であり、図2はプリンタの外観を構成するカバー体を取り外した状態における外観斜視図であり、図3はプリンタの用紙搬送経路の説明に供する側断面概略図であり、図4はプリンタの用紙搬送経路の説明に供する平面図であり、図5はプリンタの給紙部を示す要部斜視図であり、図6はホッパに用紙をセットした状態を示す給紙部の側面図であり、図7は手差しトレイに用紙をセットした状態を示す給紙部の側面図であり、図8は給紙ローラ近傍を示す給紙部の要部拡大側面図であり、図9は本実施形態に係るピックアップローラホルダの側面図であり、図10は同ピックアップローラホルダの正面図であり、図11及び図12は用紙排出経路の説明に供する要部側断面図である。
【0028】
図1において、「被記録媒体」及び「被噴射媒体」の一例としての印刷用紙(以下、「用紙」という。)Pにインク滴を吐出することによって記録(印刷)を行うプリンタ1は、装置本体部2と、この装置本体部2の下にオプション給紙ユニット(以下、「OPTユニット」という。)3とを連結可能に構成されている。装置本体部2は給紙部、記録部、排紙部等(詳細は後述)を有し、一方、OPTユニット3は、上部の装置本体部2に向けてセットされた用紙Pを1枚ずつ給紙する給紙部(図示せず)を備えている。
【0029】
このプリンタ1は、用紙給送用カセットとして装置本体部2に給紙トレイ200を、OPTユニット3に給紙トレイ300を有し、双方の給紙トレイに複数枚(本実施形態では、それぞれ普通紙500枚程度)の用紙Pを略水平姿勢として積層状態でセットできるようになっている。そして、装置本体部2の側においては、給紙トレイ200が装置本体部2に対して着脱可能に設けられている。また、給紙トレイ200の上部には用紙Pを手差しでセットして給送可能な手差しトレイ60が構成されている。OPTユニット3の側においては、給紙トレイ300がOPTユニット3に対して着脱可能に設けられており、OPTユニット3から取り外した状態で用紙Pのセットが可能となっている。
【0030】
プリンタ1は、記録の行われた用紙Pを排出する排出部として装置本体部2の上部に、記録面を下向きにして用紙Pを装置前方側に向けて排出するフェイスダウン(以下、「Fd」と略称する。)用紙排出口400と、これとは別に記録面を上向きにして装置後方側に向けて排出するフェイスアップ(以下、「Fu」と略称する。)用紙排出口500とを有している。
【0031】
Fd用紙排出口400の側においては、装置手前側に設けられた回動軸を中心にして回動することにより、装置手前側に向けて開くことのできるカバー450が設けられている。図1は、このカバー450を開いた状態を示すものであり、このように開いた状態において、カバー450はFd用紙排出口400から排出される用紙Pをスタックする排紙スタッカとして機能する。また、閉じた状態においては、装置上部の外観を構成するとともに装置内部への塵埃等の浸入を防止する機能を果たす。他方のFu用紙排出口500の側においては、排紙スタッカ550が傾斜姿勢で設けられていて、Fu用紙排出口500から排出された用紙Pは、この排紙スタッカ550上に傾斜姿勢で順次積層される。
【0032】
また、装置本体部2の上部には、用紙搬送経路を開放可能な開閉蓋410が設けられている。これにより、用紙搬送経路において紙ジャムなどの不具合が生じた場合に適切に処理できるようになっている。
【0033】
続いて、図2は、プリンタ1の外観を構成するカバー体を取り外した状態を示すものである。図2において、装置本体部2の上部前方側には、インクカートリッジ132をプリンタ1の幅方向(後述する記録ヘッド10の主走査方向)に複数個(本実施形態では4個)セットするためのカートリッジ取付フレーム130が設けられている。本実施形態に係るプリンタ1においては、このカートリッジ取付フレーム130にブラック色、シアン色、マゼンダ色、イエロー色の、計4個のインクカートリッジ132を着脱可能に装着できるようになっている。このインクカートリッジ132は、プリンタ1の外観を構成するカートリッジカバー138(図1参照)を開放させることで露呈されるように構成され、カートリッジカバー138を開放した状態において装置前方側から後方側に向けて差し込むようにして装着可能となり、装置前方側に引き出すことで取り外すことができるようになっている。そして、各インクカートリッジ132のインクは図示しないインクチューブを介して、後述する記録ヘッド10からインク滴として吐出される。
【0034】
次に、図3を参照しながらプリンタ1の用紙搬送経路について概説する。なお図3において右手側が装置前方側、左手側が装置後方側である。
プリンタ1は、装置下部前方側から装置上部後方側に向けて斜めに用紙Pを搬送する用紙搬送経路を有し、傾斜した搬送経路上において用紙Pに記録を行い、記録の行われた用紙Pを斜め上方(装置前方側又は装置後方側)に向けて排出する構成を有している。また、プリンタ1は、用紙Pの表面と裏面との両面にインクジェット記録を行うべく、表面に記録の行われた用紙Pを反転させ、そして再び記録部8へと搬送するための両面記録用の反転経路を有している。
【0035】
より詳しくは、プリンタ1の用紙搬送経路は、給紙部7と、記録部8と、フェイスダウン(Fd)排出部5と、フェイスアップ(Fu)排出部6と、用紙反転部4と、から大略構成される。なお、図3での図示及び説明を省略するが、給紙部7の下には上述したOPTユニット3が装着されることにより、記録部8へと用紙を給紙する給紙部が更に追加される。
【0036】
以下、本実施形態に係るプリンタの構成部ごとに説明する。なお、ここでは用紙反転部4についての説明は省略する。さらに、以下では用紙搬送経路の上流側を「上流側」と言い、用紙搬送経路の下流側を「下流側」と言うこととする。
【0037】
[給紙部]
次に、本実施形態に係るプリンタ1の給紙部7の構成について図3から図10を参照しつつ説明する。
給紙部7は、装置下部前方側に構成され、ホッパ203と、手差しトレイ60と、ガイド部材50と、「第1給送ローラ」の一例であるピックアップローラ25と、「第2給送ローラ」の一例である給紙ローラ21と、「重送規制手段」の一例であるリバースローラ23とを有している。
【0038】
ホッパ203は、図6に示す如く、給紙トレイ200(図1参照)にセットされた複数枚の用紙Pを、積層状態として略水平姿勢で支持し、ピックアップローラ25との圧接点から上流側に設けられた回動軸203aを中心にして揺動することにより、ホッパ駆動手段(図示せず)によって該ピックアップローラ25に対して圧接及び離間動作可能に構成されている。この圧接動作によりホッパ203または手差しトレイ60にセットされた用紙Pをピックアップローラ25に押圧させることができるようになっている。すなわち、ホッパ203は、ホッパ203にセットされた用紙P(図6参照)をピックアップローラ25に押圧させる手段と、手差しトレイ60にセットされた用紙P(図7参照)をピックアップローラ25に押圧させる手段とを兼用するように構成されている。
【0039】
また、ピックアップローラ25と接触する箇所には、「摩擦部材」の一例であるコルク部材204が設けられており、ホッパ203にセットされた用紙Pをその摩擦作用によって保持しているとともに、給送動作時には用紙Pをこのコルク部材204とピックアップローラ25とで狭持することにより、重送されようとする用紙Pを規制する。さらに、図示するようにコルク部材204をホッパ203の下流側(先端側)に設けたことにより、種々のサイズの用紙Pに対応させることができる。
【0040】
ホッパ203の上部には手差しトレイ60が配設されており、用紙Pを手差し給紙できるようになっている。この手差しトレイ60は、上流側のトレイ本体部61と、下流側の可撓性部材からなるルミナー66により構成されている。このルミナー66は、図7に示す如く、トレイ本体部61の下流端部からピックアップローラ25より下流側であり、かつ、ホッパ203または当該手差しトレイ60にセットされる用紙P先端位置より上流側まで延在して設けられている。すなわち、ホッパ203のピックアップローラ25に対する圧接によってこのホッパ203と接触する箇所であり、また、手差しトレイ60またはホッパ203にセットされた用紙P先端位置に対応する箇所にルミナー66が配設されている。また、ピックアップローラ25とは接触することがないように、その周囲は切欠されている(図5参照)。
【0041】
このような構成により、手差しトレイ60に用紙Pをセットする場合に、トレイ本体部61の用紙載置面61aからルミナー66の上面に沿って案内させることにより、用紙Pを容易にピックアップローラ25下にセットすることができる。なお、可撓性部材であるルミナー66の可撓性の程度は、ルミナー66の素材、厚み、トレイ本体部61下流端部から先端までの長さなどにより適宜調整することができる。
【0042】
さらに、手差しトレイ60には用紙Pの幅方向(図7における紙面前後方向)にスライド移動可能に構成され、セットされた用紙Pの側辺を規制するエッジガイド62が設けられている。これにより手差しトレイ60にセットされた用紙Pは、その一側辺を固定側エッジガイドとして機能する図示しないフレームにあてがわれ、他側辺をこのエッジガイド62によって規制されることにより精度良く位置決めされ、その姿勢を維持したまま給送される。なお、このエッジガイド62は、図5に示すように、偏倚して設けられたピックアップローラ25と反対側に設けられている。すなわち、ピックアップローラ25が設けられている側がセットされる用紙Pの基準となるものである。
【0043】
また、本実施形態に係る手差しトレイ60は、図6に示す如く、トレイ本体部61から用紙載置面61aに沿って突出形成された一対の回動軸63及びスライド軸64によってフレーム(図示せず)に取り付けられている。回動軸63は手差しトレイ60を側視して円形に形成され、トレイ本体部61の下流側位置に設けられ、当該手差しトレイ60の用紙載置面61aに対して略垂直方向(図6において上下方向)に延びる長穴に形成された軸受穴53によって支持されている。このような構成により、回動軸63が軸受穴53中を移動することで手差しトレイ60をその軸受穴53方向に変位させることができる。
【0044】
一方、スライド軸64は手差しトレイ60を側視して略長方形に形成され、トレイ本体部61の上流側位置に設けられ、当該手差しトレイ60の用紙載置面61aに対して略垂直方向(図6において上下方向)に延びる長穴に形成されたスライド穴54によって支持されている。このような構成により、スライド軸64がスライド穴54中を移動することで手差しトレイ60を、回動軸63を支点として回動させることができるようになっている。これにより手差しトレイ60を持ち上げることができ当該手差しトレイ60の下、すなわちホッパ203上の空間を大きく確保することができる。従って、ホッパ203への用紙Pのセットを容易に行うことができるとともに、セットした用紙Pに不具合が生じた場合に適切な処理をすることができる。なお、通常時では手差しトレイ60の自重によって回動軸63及びスライド軸64は、軸受穴53及びスライド穴54の下端に位置決めされている(図6及び図7参照)。
【0045】
ホッパ203の下流側には用紙Pの幅方向に長く形成された側面視略「への字形」のガイド部材50が設けられている。このガイド部材50には、ホッパ203または手差しトレイ60にセットされる用紙Pの先端が当接することによって位置決めされる、略垂直な当接面50aが構成されている。これにより用紙Pをホッパ203または手差しトレイ60にセットする場合に容易に精度良く位置決めすることができ、操作性を高めることができる。また、この当接面50aは給送される用紙Pをガイドするガイド面50bと連続して設けられているとともに、用紙P幅方向に所定の間隔をもって形成されたリブ51(図5参照)が、当接面50aからガイド面50bまで連続して構成されている。このような構成により、用紙Pをリブ51に沿ってスムーズに給送させることができる。なお、リバースローラ23の配設位置は切欠されており、このリバースローラ23が用紙P裏面に接触できるようになっている。
【0046】
ピックアップローラ25は円柱状に形成され、そのピックアップローラ軸25aがピックアップローラホルダ80に自由回動可能に軸支されることにより支持されている。そして、このピックアップローラ25を軸支したピックアップローラホルダ80が、後述するように給紙ローラ軸21aと強度部材56に取り付けられることによって正確に位置決めされている(図8参照)。
【0047】
ピックアップローラ25の外周面は高摩擦材(例えば、ゴム材)によって構成されており、用紙Pの表面(印刷面)に接触してこれを確実に給送できるようになっている。そして、ホッパ203の圧接動作により該ホッパ203上にセットされた最上位の用紙Pと接触し、この接触状態で、後述するように給紙ローラ軸21aから回動力を付与されて回動することにより、ホッパ203にセットされた用紙Pを下流側の給紙ローラ21及びリバースローラ23に向けて送り出す。また、手差しトレイ60に用紙Pがセットされている場合には、ホッパ203の圧接によってこの用紙Pと接触し、この接触状態で同様に回動することにより、手差しトレイ60にセットされた用紙Pを下流側に向けて送り出す。すなわち、ホッパ203または手差しトレイ60にセットされて静止状態にある用紙Pに給送力を付与して給送動作を開始させるものである。
【0048】
このように本実施形態のプリンタ1は、ホッパ203にセットされた用紙P(図6参照)をピックアップローラ25によって給送する通常給送経路と、手差しトレイ60にセットされた用紙P(図7参照)をピックアップローラ25によって給送する手差し給送経路とを有しており、手差しトレイ60にセットされた用紙Pがホッパ203にセットされた用紙Pより優先的に給送されるように構成されている。ここで、「通常給送経路」における「通常」とは、手差しトレイ60に用紙Pをセットしない限りにおいて使用されるものであり、また使用頻度が大であることによる。従って、例えばホッパ203にセットされている用紙Pと異なる用紙Pに記録(印刷)したい場合に、その異なる用紙Pを手差し給送経路を経て給送させることができ、利便性が高い。
【0049】
ピックアップローラ25の下流側近傍には、給紙ローラ21及びリバースローラ23が配設されている。これらのローラは、ピックアップローラ25によって給送された用紙Pをより下流側(記録部8)に向けて給送するものである。
【0050】
給紙ローラ21は、円柱状に形成され、図4及び図5に示すように用紙Pの幅方向(記録ヘッド10の主走査方向)に延在する給紙ローラ軸21aの偏倚した位置に配設されている。そして、給紙ローラ軸21aが駆動手段(図示せず)によって回動することにより回動駆動し、ピックアップローラ25によって給送された用紙Pに給送力を付与する。この給紙ローラ21の外周面は高摩擦材(例えば、ゴム材)によって形成されており、給紙ローラ21が回動した際には用紙Pを確実に給送できるようになっている。また、給紙ローラ軸21aには所定の間隔をもって回転板24が設けられており、幅広の用紙Pを給送する場合にその上面に接触することにより浮き上がりを規制している。
【0051】
リバースローラ23は円柱状に形成され、給紙ローラ21に対向した位置(すなわち、用紙給送経路において給紙ローラ21と同様に偏倚した位置)に配設されており、給紙ローラ21に対して圧接及び離間動作可能なホルダ(図示せず)に軸支されている。そして、図示しない駆動手段によって用紙Pを上流側(すなわち、ホッパ203側)に戻す方向に回動可能に構成されている。このリバースローラ23の外周面は高摩擦材(例えば、ゴム材)によって形成されており、重送されようとする用紙Pを確実に規制できるようになっている。
【0052】
すなわち、給紙ローラ21は用紙Pを下流側に給送する回転方向(図6において時計方向)に回転駆動され、一方、リバースローラ23は用紙Pを上流側に戻すような回転方向(図6において時計方向)に回転駆動可能に構成されている。そして、ピックアップローラ25によって送り出された用紙Pは、給紙ローラ21とリバースローラ23との間で狭持された状態で給紙ローラ21が回転することにより、最上位の用紙Pが次位以降の用紙Pから分離され、最上位の用紙P(すなわち、1枚の用紙)のみがガイド面50bに沿って斜め上方に向けて給送されて下流側の搬送駆動ローラ28に至る。そして、用紙Pの先端が搬送駆動ローラ28と搬送従動ローラ29とに狭持された後にはリバースローラ23は、搬送駆動ローラ28による用紙Pの搬送動作を妨げることがないように、つまり搬送負荷(バックテンション)を与えることがないように、給紙ローラ21から離間するようになっている。
【0053】
次に、ピックアップローラ25の駆動機構について図8から図10を参照しつつ説明する。ここで、図8は給紙ローラ近傍を示す要部拡大側面図であり、右手側が装置前方側(上流側)であり、左手側が装置後方側(下流側)である。図9はピックアップローラホルダの側面図であり、図10はピックアップローラホルダを下流側から視た場合の正面図である。
【0054】
ピックアップローラホルダ80はその上流側下方でピックアップローラ25が設けられたピックアップローラ軸25aを自由回動可能に軸支している。ピックアップローラホルダ80は、給紙ローラ軸21aの軸方向に対して直交するように構成されたサイドフレーム81に形成された挟着部83において給紙ローラ軸21aに取り付けられるとともに、その上部に構成された螺合部89において強度部材56に固定されて正確に位置決めされる。強度部材56は、給紙ローラ軸21aの軸方向と平行に延在して配設されており、プリンタ1のサイドに立設されたフレーム(図示せず)に取り付けられ、プリンタ1の骨格を構成するものである。
【0055】
ピックアップローラホルダ80の上部には螺合部89の他に、強度部材56の穴(図示せず)に嵌め込まれる複数の突起部87、及び強度部材56の上面に引っ掛かる掛着部88が構成されており(図9参照)、ピックアップローラホルダ80を精度良く位置決めし、強度部材56に固定できるようになっている。給紙ローラ軸21aとの挟着部83には、給紙ローラ軸21aの回動を妨げることがないように潤滑剤が塗布されていて、給紙ローラ軸21aに回動負荷を与えることがないようになっている。また、挟着部83の近傍には切込部84が形成されており、ピックアップローラホルダ80を容易に給紙ローラ軸21aに取り付けられるようになっている。従って、組立工程時にピックアップローラホルダ80を給紙ローラ軸21aに取り付けて、その位置決めを簡易に行うことができる。なお、ピックアップローラホルダ80は、給紙ローラ軸21aに対して着脱自在に取り付けられている。
【0056】
このような構成により、給紙ローラ軸21aにピックアップローラホルダ80を取り付けた状態(図8参照)において、給紙ローラ軸21aとピックアップローラ軸25aとが精度良くそれらの相対位置が平行となるように位置決めされる。従って、給紙ローラ21の表面とピックアップローラ25の表面とを高い精度で平行にすることができ、ピックアップローラ25によって給送された用紙Pをその姿勢を保ったまま給紙ローラ21によって、より下流側に給送することができる。すなわち、ピックアップローラ25の給送力作用方向と給紙ローラ21の給送力作用方向が異なる場合には、給送される用紙Pに不要な力(例えば、シワを生じさせる力)が働きシワなどの不具合を生じさせる虞がある。しかし本実施形態に係るプリンタ1においてはこのようなことがなく、用紙Pは同じ方向の姿勢を維持したまま給送される。従って、用紙Pに対して斜めに記録(印刷)されるなどの不具合を生じることが無く、高い記録(印刷)精度が得られる。
【0057】
また、ピックアップローラ軸25aを給紙ローラ軸21aと同じように用紙幅方向に長く構成する必要がないので、部品点数を削減して装置構成を簡素化することができる。また、ピックアップローラ軸25aを短軸にすることができるので、軸強度を上げることができ、用紙給送動作時にピックアップローラ25に対してホッパ203が圧接してもその押圧力によって変形する虞がない。
【0058】
また、ピックアップローラホルダ80は、上述したように給紙ローラ軸21aに取り付けられ、かつ強度部材56に固定されている。このような構成により、用紙給送動作時にホッパ203がピックアップローラ25に圧接動作してもその押圧力を強度部材56で受けることができ、ピックアップローラ軸25aに変形などの不具合を生じさせることがない。また同様に、給紙ローラ21に対してリバースローラ23が圧接動作してもその押圧力を強度部材56で受けることができ、給紙ローラ軸21aに変形などの不具合を生じさせることがない。
【0059】
すなわち、用紙給送動作時には、ピックアップローラ25に対するホッパ203の圧接動作によってその押圧力がピックアップローラ軸25aに、リバースローラ23の給紙ローラ21に対する圧接動作によってその押圧力が給紙ローラ軸21aに働き、ピックアップローラ軸25a及び給紙ローラ軸21aを撓ませようと作用する。しかし、ピックアップローラ軸25aはピックアップローラホルダ80支持され、このピックアップローラホルダ80を介して強度部材56と連係し、給紙ローラ軸21aも同様にピックアップローラホルダ80を介して強度部材56に連係した構成であるので、ピックアップローラ軸25a及び給紙ローラ軸21aに働く力を強度部材56で確実に受けることができる。従って、ピックアップローラ軸25a及び給紙ローラ軸21aに撓み変形などの不具合を生じさせることがないので、給紙ローラ21とピックアップローラ25との平行度が保たれ、用紙Pを同じ方向の姿勢を維持したまま下流側に給送させることができる。
【0060】
また、ピックアップローラ軸25aの外周には、「第1歯車」の一例であるピックアップローラ平歯車75が構成されており、このピックアップローラ平歯車75より下流側に配置された「中間歯車」の一例である中間平歯車73とかみあうようになっている。中間平歯車73は中間歯車軸74の外周に構成されている。中間歯車軸74は、図10に示す如くピックアップローラホルダ80の一方のサイドフレーム81に自由回動可動に軸支されており、かつ、このサイドフレーム81を貫通した部分においてもサイドフレーム81に一体成型された軸支部分81aによって軸支されている。このような構成により、動力伝達時に中間平歯車73に働く力(例えば、中間歯車軸74を倒そうとする力)を確実に抑制することができる。従って、歯車の配設位置が保たれ、歯車のかみあいによって動力伝達を確実に行うことができる。なお、本実施形態においては、中間歯車軸74の軸支される部分の長さが、当該中間平歯車74の歯幅の2倍程度となるように構成されている。
【0061】
給紙ローラ軸21aの外周には、「第2歯車」の一例である給紙ローラ平歯車71が構成されており、前記した中間平歯車73とかみあうようになっている。すなわち、図8に示すように給紙ローラ平歯車71、中間平歯車73及びピックアップローラ平歯車75によって歯車列が構成されており、給紙ローラ軸21aの回動力をピックアップローラ25に伝達できるようになっている。従って、給紙ローラ軸21aが駆動手段(図示せず)によって用紙Pを下流側に給送する方向(図8において時計方向)に回動することにより、給紙ローラ平歯車71とかみあう中間平歯車73が回動(図8において反時計方向)し、この中間平歯車73とかみあうピックアップローラ平歯車75を、用紙Pを下流側に給送する方向(図8において時計方向)に回動させることができる。
【0062】
このような構成により、給紙ローラ軸21aの回動力を伝達させてピックアップローラ25を回動させることができ、同一の駆動手段を利用することができる。すなわち、給紙ローラ21に連動させてピックアップローラ25を回動させることができるので、ピックアップローラ25によって給送された用紙Pを確実に給紙ローラ21でより下流側に給送することができる。また、上述したようにピックアップローラホルダ80の位置決めが精度良くなされているので、これらの歯車のかみあいを良好に保つことができ、効率よく動力伝達を行うことができる。
【0063】
また、給紙ローラ平歯車71、中間平歯車73及びピックアップローラ平歯車75は、ピックアップローラホルダ80のサイドフレーム81の内面に沿って配設されるように構成されている。このような構成により、これらの歯車が精度良く位置決めされ、もってかみあいを良好にすることができるので、動力伝達が効率良く、かつ確実に行われる。
【0064】
また、中間平歯車73は、給送動作時(すなわち、給紙ローラ軸21aの回動時)において給紙ローラ平歯車71に働く力(すなわち、圧力角方向に働く力)の作用方向上に強度部材56が位置するように配設されている。このような構成により、給紙ローラ平歯車71に働く力をピックアップローラホルダ80を介して強度部材56で確実に受けることができる。従って、ピックアップローラ25の回動負荷が大きく(すなわち、ピックアップローラ25にホッパ203が圧接動作し、用紙Pを給送し始める状態)なり、給紙ローラ平歯車71に働く力が大きくなった場合においても、この力を強度部材56で受けることによって給紙ローラ平歯車71をその配設位置で確実に支持することができる。つまり、それぞれの歯車の相対位置に変位を生じさせることなく維持することができるので、これらの歯車による動力伝達を長期間に渡って安定して行うことができる。
【0065】
また、ピックアップローラホルダ80は、上述したように用紙給送動作時には、ホッパ203のピックアップローラ25に対する圧接、及びリバースローラ23の給紙ローラ21に対する圧接によって強度部材56に向けて押圧されるので、強度部材56に対する固定手段を簡素化することができる。
【0066】
[記録部]
次に、記録部7の構成について図3及び図4を参照しつつ説明する。
給紙部7の下流側に設けられた記録部8は、搬送駆動ローラ28と、搬送従動ローラ29と、「液体噴射ヘッド」の一例としての記録ヘッド10と、プラテン20と、排紙駆動ローラ32と、排紙従動ローラ33と、排紙補助ローラ35a,35bとを有している。
【0067】
搬送駆動ローラ28は図示しない駆動モータによって回転駆動され、搬送従動ローラ29は搬送駆動ローラ28に接して従動回転する。搬送従動ローラ29は、図4に示すように1つの搬送従動ローラホルダ26の下流側(図4における上側)に2つ、自由回転可能に軸支されている。また、搬送従動ローラホルダ26は、主走査方向(図4の左右方向)に4つ配設されている。
【0068】
さらに、搬送従動ローラホルダ26において搬送従動ローラ29の下流側近傍には、ガイドローラ30が自由回転可能に軸支されている。このガイドローラ30は、用紙Pのプラテン20からの浮き上がりを防止する機能を果たすものであり、これにより用紙Pと記録ヘッド10との距離が安定し、適切な記録品質を得ることが可能となる。
【0069】
搬送駆動ローラ28の下流側には、記録ヘッド10と、プラテン20とが傾斜姿勢で上下に対向するように設けられている。ここで、記録部8における用紙搬送経路は図3に示すように傾斜角を有し、本実施形態においては、水平面に対して約60°の傾斜角を有するように用紙搬送経路が構成されている。従って、プラテン20と記録ヘッド10とは、図示するように傾斜姿勢で設けられている。記録ヘッド10はキャリッジ11の下部に設けられ、このキャリッジ11は主走査方向(図3の紙面表裏方向)に延びるキャリッジガイド軸13に取り付けられ、このキャリッジガイド軸13によってガイドされながら主走査方向に往復移動する。
【0070】
プラテン20には、図4に示すように、副走査方向(すなわち、用紙搬送方向。図4の上下方向。)に延びるリブ20aが主走査方向に所定の間隔をおいて形成されている。そして、用紙Pはこのリブ20aによって記録ヘッド10との距離が規制される。また、プラテン20には、隣接するリブ20aの間に用紙Pのサイズ(幅寸法)を検出するための主走査方向に延びる長孔20bが形成されている。そして、キャリッジ11のプラテン20との対向面には、プラテン20に向けて放射する光の反射成分を検出する光センサ(図示せず)が設けられていて、用紙Pとプラテン20との反射率差を利用して用紙Pの幅寸法を検出することができるようになっている。しかし、用紙Pとプラテン20との反射率差が小さい場合には、用紙Pの幅寸法を適切に検出することができない場合がある。このような場合に本実施形態では、光を長孔20bに向けて放射するように構成し、これによって用紙Pの幅寸法をより一層正確に検出できるようにしている。
【0071】
キャリッジ11は、本実施形態においてはインクカートリッジを搭載せず、インクカートリッジ取付フレーム130に装着されたインクカートリッジ132から、インクチューブ(図示せず)を介して記録ヘッド10へとインクが供給されるように構成されている。また、各色のインクカートリッジ132には、インクの色などの固定情報の他、インク残量などの変動情報の各インクカートリッジに関する情報を記憶したチップ135が装着されており、主走査方向に往復移動するキャリッジ11に設けられたアンテナ基板19との間で信号の交換を行っている。これにより、チップ135に記憶された各種情報をプリンタ1の制御部(図示せず)へと伝達できるようになっている。
【0072】
記録ヘッド10の下流側には、回転駆動される排紙駆動ローラ32と、該排紙駆動ローラ32に接して従動回転する排紙従動ローラ33とが設けられている。そして、記録ヘッド10によって記録の行われた用紙Pは、排紙駆動ローラ32の回転によって下流側へ排紙される。また、排紙従動ローラ33の上流側には、排紙補助ローラ35a,35bが設けられていて、これにより、用紙Pのプラテン20からの浮き上がりがより一層防止される。なお、排紙従動ローラ33と、排紙補助ローラ35a,35bとは、インク滴が吐出された用紙Pの記録面と接触するため、記録面と点接触する歯付きローラによって構成されている。
【0073】
ここで、排紙駆動ローラ32及び排紙従動ローラ33は、図4に示すように主走査方向の配置位置が、リブ20aの形成位置と一致するように設けられている。さらに、補助ローラ35bの主走査方向の配置位置は、隣接する2つのリブ20aのほぼ中間となるように設けられ、かつ、用紙Pの記録面と接触する接触点がリブ20aの上面よりもやや下に位置するように構成されている。このような構成により、用紙Pがインク滴を吸収することにより膨潤しても、その伸び分が隣接するリブ20aの間に逃げ、結果として用紙Pには規則的な波打ち状態(コックリング)が形成される。すなわち、リブ20aの位置で山となり、補助ローラ35bの位置で谷となる波打ち状態が形成され、これによって用紙Pと記録ヘッド10との距離が著しく不均一となるといった不具合を防止している。
【0074】
[排出部]
次に、記録の行われた用紙Pを排出する排出部について図3、図11及び図12を参照しつつ説明する。本実施形態に係るプリンタ1は、用紙Pをフェイスダウン(Fd)用紙排出口400から排出させるフェイスダウン(Fd)排出部5と、フェイスアップ(Fu)用紙排出口500から排出させるフェイスアップ(Fu)排出部6とを有している。まず、フェイスダウン(Fd)排出部5から説明する。
【0075】
[フェイスダウン(Fd)排出部]
記録部8の下流側に設けられたFd排出部5は、屈曲ローラ37と、Fd排出駆動ローラ41と、Fd排出従動ローラ43と、を備えている。排紙駆動ローラ32の下流側には、該排紙駆動ローラ32によって記録部8から排紙された用紙Pを、フェイスダウン(Fd)経路またはフェイスアップ(Fu)経路のいずれかに切り替えるFd/Fu切替部材90が設けられている。Fd経路は用紙PをFd用紙排出口400から排出するための用紙搬送経路であり、Fu経路はFu用紙排出口500から排出するための用紙搬送経路である。
Fd/Fu切替部材90は、揺動軸90aを中心にして、用紙搬送経路を側視して揺動可能(図3の時計方向及び反時計方向)に設けられ、揺動することにより、記録部8から排紙された用紙Pの進行方向を切り替える。
【0076】
図11は、Fd/Fu切替部材90が、記録部8から排紙された用紙Pの進行方向をFd経路に切り替えた状態を示している。記録部8から排紙された用紙P先端は、Fd/Fu切替部材90に形成された滑らかな湾曲面90bに当接する。そして、用紙P先端は、湾曲面90bと、該湾曲面90bの下流側に設けられた外側ガイド部材91とに接しながら進み、やがてFd排出駆動ローラ41とFd排出従動ローラ43とによって狭持される。Fd排出駆動ローラ41はゴムローラからなり、図示しない駆動手段によって回転駆動され、一方のFd排出従動ローラ43は歯付きローラからなり、Fd排出駆動ローラ41に接して従動回転する。そして、Fd排出駆動ローラ41が回転駆動されることにより、Fd排出口400(図1参照)から装置前方(矢印「Fd」で示す方向)に向けて記録の行われた用紙Pが排出される。
【0077】
用紙Pが上記Fd経路を進行して排出される場合には、用紙Pは記録面を内側にして略U字形の形状に湾曲させられて排出される。従って、Fd経路を進行して排出される場合には、排紙スタッカ450(図1参照)に積重される用紙Pは、記録(印刷)した順に順序良く積み重ねられる。
【0078】
[フェイスアップ(Fu)排出部]
次に、フェイスアップ(Fu)排出部6について説明する。このFu排出部6は、記録部8の下流側であって装置本体部2の後方側(図3の左側)に設けられており、Fu排出駆動ローラ45と、Fu排出従動ローラ47とを備えている。用紙PがFu経路を進行して排出される場合には、Fd/Fu切替部材90は、図11に示す状態から揺動軸90aを中心として反時計方向に揺動することにより、図12に示すように、記録部8から排紙された用紙Pが斜め上方(図12の左上方向)に真っ直ぐに進む用紙搬送経路が形成される。そして記録部8から排紙された用紙Pは、Fu排出駆動ローラ45とFu排出従動ローラ47とによって狭持される。
【0079】
そして、Fu排出駆動ローラ45が回転駆動することにより、Fu用紙排出口500(図1参照)から装置後方(矢印「Fu」で示す方向)に向けて排出される。なお、Fu排出従動ローラ47は歯付きローラからなり、ゴムローラによって形成されたFu排出駆動ローラ45に接して従動回動するように構成されている。また、Fu排出従動ローラ47の下流側近傍には歯付きローラからなるFu排出補助ローラ49が設けられ、Fu排出駆動ローラ45による用紙Pの排出動作を補助する。また、このとき屈曲ローラ37は、用紙Pの記録面の、Fd/Fu切替部材90への接触を防止する機能を果たす。
【0080】
用紙PがFu経路を進行して排出される場合には、用紙Pに湾曲状態が形成されず、記録面を上にして記録部8からほぼ真っ直ぐに排出される。従って、上記Fu経路を利用することにより、厚手の用紙やコシの強い用紙でも無理なく記録を行い、かつ、適切に排出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るインクジェットプリンタの外観斜視図。
【図2】同プリンタの外観斜視図。
【図3】同プリンタの用紙搬送経路を示す側断面概略図。
【図4】同プリンタの用紙搬送経路を示す平面図。
【図5】同プリンタの給紙部を示す要部斜視図。
【図6】用紙をホッパにセットした状態を示す給紙部の側面図。
【図7】用紙を手差しトレイにセットした状態を示す給紙部の側面図。
【図8】給紙ローラ近傍を示す要部拡大側面図。
【図9】本実施形態に係るピックアップローラホルダの側面図。
【図10】同ピックアップローラホルダの正面図。
【図11】用紙排出経路を示す要部拡大側断面図。
【図12】用紙排出経路を示す要部拡大側断面図。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ、 2 装置本体部、
3 オプション給紙ユニット、 4 用紙反転部、
5 フェイスダウン排出部、 6 フェイスアップ排出部、 7 給紙部、
8 記録部、 10 記録ヘッド、 11 キャリッジ、
13 キャリッジガイド軸、 19 アンテナ基板、 20 プラテン、
21 給紙ローラ、 23 リバースローラ、 24 回転板、
25 ピックアップローラ、 26 搬送従動ローラホルダ、
28 搬送駆動ローラ、 29 搬送従動ローラ、 30 ガイドローラ、
32 排紙駆動ローラ、 33 排紙従動ローラ、
35a,35b 排紙補助ローラ、 37 屈曲ローラ、
41 Fd排出駆動ローラ、 43 Fd排出従動ローラ、
45 Fu排出駆動ローラ、 47 Fu排出従動ローラ、
49 Fu排出補助ローラ、 50 ガイド部材、 51 リブ、
53 軸受穴、 54 スライド穴、 56 強度部材、
60 手差しトレイ、 61 手差しトレイ本体部、 62 エッジガイド、
63 回動軸、 64 スライド軸、 66 ルミナー、
71 給紙ローラ平歯車、 73 中間平歯車、 74 中間歯車軸、
75 ピックアップローラ平歯車、 80 ピックアップローラホルダ、
81 サイドフレーム、 83 挟着部、 84 切込部、 87 突起部、
88 掛着部、 89 螺合部、 90 Fd/Fu切替部材、
91 外側ガイド部材、 130 カートリッジ取付フレーム、
132 インクカートリッジ、 135 チップ、
138 カートリッジカバー、 200 給紙トレイ、 203 ホッパ、
204 コルク部材、 300 給紙トレイ、 400 Fd用紙排出口、
410 開閉蓋、 450 カバー、 500 Fu用紙排出口、
550 排紙スタッカ、 P 用紙

Claims (9)

  1. 被記録媒体に給送力を付与して下流側に給送する第1給送ローラと、この第1給送ローラが設けられた第1給送ローラ軸を軸支する第1給送ローラホルダと、
    前記第1給送ローラの下流側近傍に配置され、当該第1給送ローラによって給送された被記録媒体をより下流側に給送する第2給送ローラと、この第2給送ローラが設けられ回動する第2給送ローラ軸と、を備える給送装置であって、
    前記第1給送ローラホルダが、前記第2給送ローラ軸に取り付けられた構成であることを特徴とする、給送装置。
  2. 請求項1において、前記第1給送ローラホルダは、さらに、強度部材に固定された構成であることを特徴とする、給送装置。
  3. 請求項2において、前記第2給送ローラに対向する位置には当該第2給送ローラに押圧し、重送されようとする被記録媒体を規制する重送規制手段が配設されていることを特徴とする、給送装置。
  4. 請求項2または請求項3において、前記第1給送ローラホルダには、前記第1給送ローラ軸外周に設けられた第1歯車と、前記第2給送ローラ軸外周に設けられた第2歯車とにかみあう中間歯車が設けられ、
    この中間歯車は、被記録媒体給送動作時において前記第2歯車に働く力の作用方向上に前記強度部材が位置するように配設されていることを特徴とする、給送装置。
  5. 請求項4において、前記中間歯車の軸は、前記第1給送ローラホルダの一方のサイドフレームに軸支されており、かつ、その軸支部分が当該中間歯車の歯幅より長く構成されていることを特徴とする、給送装置。
  6. 請求項4または請求項5において、前記第1歯車、前記第2歯車及び前記中間歯車は、前記第1給送ローラホルダのサイドフレームの内面に沿って配設されることを特徴とする、給送装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項において、前記第1給送ローラホルダは、前記第2給送ローラ軸を挟み込む挟着部を有していることを特徴とする、給送装置。
  8. 被記録媒体に記録を行う記録装置であって、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の給送装置を具備していることを特徴とする、記録装置。
  9. 被噴射媒体に給送力を付与して下流側に給送する第1給送ローラと、この第1給送ローラが設けられた第1給送ローラ軸を軸支する第1給送ローラホルダと、
    前記第1給送ローラの下流側近傍に配置され、当該第1給送ローラによって給送された被噴射媒体をより下流側に給送する第2給送ローラと、この第2給送ローラが設けられ回動する第2給送ローラ軸と、を備える液体噴射装置であって、
    前記第1給送ローラホルダが、前記第2給送ローラ軸に取り付けられた構成であることを特徴とする、液体噴射装置。
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