JP2004267371A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技者が遊技装置の設定に関与でき、より能動的に遊技参加可能な遊技機、遊技プログラム、及びサーバを提供する。
【解決手段】遊技盤上に発射された遊技球が特定の入球口に入球したことを受けて当選かはずれかを所定の抽選確率で抽選する抽選手段と、前記抽選手段による抽選結果を受けて変動・停止される、複数の識別情報からなる複数の識別情報群を表示する表示手段と、前記抽選手段による抽選結果が当選し、前記表示手段に表示された識別情報が所定の当選組合せで停止表示された場合、通常遊技状態から遊技者に有利な大当たり遊技状態へ移行させる大当たり実行手段と、遊技盤上に発射された遊技球の挙動が所定の条件を満たしたことを契機として前記識別情報群の変動方向を変化させる変動方向設定手段とを設けた。
【選択図】 図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
遊技機の1つとしてパチンコ遊技装置がある。近年のパチンコ遊技装置は、やはり遊技機の1つであるスロットマシンのように、図柄からなる識別情報を組み合わせる遊技形態が取り入れられた、所謂「可変表示ゲーム」を実行する遊技形態が採用されている。
【0003】
上記近年のパチンコ遊技装置では、遊技球を発射して入賞口の一種である始動口へ入賞させ、その入賞に基づき当選かはずれかを抽選し、抽選結果に応じて表示部上に識別情報を変動表示させ、抽選結果が当選となって識別情報が予め定められた組合せ(以下、「当選組合せ」という)で停止表示された場合には、入賞口の一種である大入賞口を開放して、遊技者に有利な状態である所謂「大当たり遊技状態」を発生させるようにしている。
【0004】
しかし、かかるパチンコ遊技装置は、可変表示ゲームに関わる各種設定がパチンコ遊技装置内で既に定められており、遊技者が介入する余地がなかった。従って、遊技者は、パチンコ遊技装置を変えない限りは同じ演出の可変表示ゲームを行うしか無く、例え、最初にパチンコ遊技装置を選択する段階で自身の好みにあった演出を行うパチンコ遊技装置を選択していたとしても、長時間遊技を行っていくうちに飽きてしまうおそれがあった。
【0005】
そこで、遊技者が機能設定に介入できる遊技機として、図柄の設定に関与できるようにした遊技機が提案された(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
これは、複数の図柄表示領域を有し、開始命令を受けた場合に各図柄表示領域それぞれに対して図柄を移動状態で表示し、停止命令を受けた場合に各図柄表示領域それぞれに対して図柄を停止状態で表示する図柄表示手段と、前記各図柄表示領域に対して当り図柄を指定する当り図柄選択手段と、前記当り図柄選択手段により前記各図柄表示領域に対して指定された当り図柄と、図柄表示手段により各図柄表示領域に表示される図柄とを比較し、その比較結果に基づいて当たり外れを判定する判定手段と、を備えた構成となっている。
【0007】
すなわち、各図柄表示領域に対して当り図柄を指定する当り図柄選択手段を備えていることに特徴がある。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−317037号公報(第2〜第6頁)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した従来の遊技機では、遊技者が当り図柄(当選組合せ)を設定できるといっても、同当り図柄で停止表示されるまでの期間は従来と何ら変わりのない変動態様で図柄が変動表示されるので、可変表示ゲームの最後に抽選結果に応じて図柄が停止表示されるまでの間、可変表示ゲームは単調なものとなりやすかった。従って、遊技者の興味を可変表示ゲームに引きつけることができず、遊技者を飽きさせてしまうおそれがあった。
【0010】
本発明では上記課題を解決することのできる遊技機を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1記載の本発明では、遊技盤上に発射された遊技球が特定の入球口に入球したことを受けて当選かはずれかを所定の抽選確率で抽選する抽選手段と、前記抽選手段による抽選結果を受けて変動・停止される、複数の識別情報からなる複数の識別情報群を表示する表示手段と、前記抽選手段による抽選結果が当選し、前記表示手段に表示された識別情報が所定の当選組合せで停止表示された場合、通常遊技状態から遊技者に有利な大当たり遊技状態へ移行させる大当たり実行手段と、遊技盤上に発射された遊技球の挙動が所定の条件を満たしたことを契機として前記識別情報群の変動方向を変化させる変動方向設定手段とを具備することにした。
【0012】
また、請求項2記載の本発明では、各識別情報群毎に所定の条件を設定し、同所定の条件に応じて前記各識別情報群毎に変動方向を変化させるようにした。
【0013】
また、請求項3記載の本発明では、識別情報群の変動方向を複数通り設定するとともに、各変動方向に対応する複数の条件を設定し、遊技球の挙動が満たした条件に応じて識別情報群の変動方向が決定されるようにした。
【0014】
【発明の実施の形態】
本実施の形態に係る遊技機は、遊技盤上に発射された遊技球が特定の入球口に入球したことを受けて当選かはずれかを所定の抽選確率で抽選し、抽選結果を受けて変動・停止表示される複数の識別情報からなる複数の識別情報群を表示可能とするとともに、抽選結果が当選の場合、前記識別情報の当選組合せを選択し、通常遊技状態から遊技者に有利な大当たり遊技状態へ移行させるようにした遊技機であって、遊技盤上に発射された遊技球の挙動が所定の条件を満たしたことを契機として前記識別情報群の変動方向を変化させるようにしたものである。
【0015】
すなわち、遊技盤上に発射された遊技球が特定の入球口に入球したことを受けて当選かはずれかを所定の抽選確率で抽選する抽選手段と、前記抽選手段による抽選結果を受けて変動・停止される、複数の識別情報からなる複数の識別情報群を表示する表示手段と、前記抽選手段による抽選結果が当選し、前記表示手段に表示された識別情報が所定の当選組合せで停止表示された場合、通常遊技状態から遊技者に有利な大当たり遊技状態へ移行させる大当たり実行手段と、遊技盤上に発射された遊技球の挙動が所定の条件を満たしたことを契機として前記識別情報群の変動方向を変化させる変動方向設定手段とを具備している。
【0016】
上記抽選手段、大当たり実行手段は、実質的には遊技機内部に設けられた制御部が担っている。
【0017】
また、数字を含む文字、記号、絵柄又は模様等の図柄からなる識別情報を変動・停止表示する表示手段は、液晶若しくはCRTからなるディスプレイとすることができる。なお、表示手段としては、本実施の形態では前記識別情報を変動停止表示させるもののほか、さらに、7セグメント表示器やランプ類、或いはスピーカなどの音声出力装置なども含まれる。また、表示手段は、前記制御部により制御可能とするとよい。
【0018】
また、変動方向設定手段は、遊技者が識別情報群の変動方向を変化させるための入力機構と、識別情報群の変動方向の設定に関して各種制御を行う制御機構とを備えており、入力機構に関しては、実質的には遊技球を発射させるための発射ハンドルが担っている。一方、制御機構に関しては、実質的には前記遊技機内に設けられた制御部が担っている。
【0019】
そして、上記遊技機の制御部内には、下記のステップを含むパチンコ遊技プログラムが格納されており、これが実行されることになる。
【0020】
すなわち、同パチンコ遊技プログラムは、遊技盤上に発射された遊技球が特定の入球口に入球したことを受けて当選かはずれかを抽選するステップと、抽選結果を受けて複数の識別情報からなる複数の識別情報群をそれぞれ変動・停止表示させるステップと、抽選結果が当選の場合、前記識別情報を所定の当選組合せで停止表示させるとともに、通常遊技状態から遊技者に有利な大当たり遊技状態へ移行させるステップとを有する遊技プログラムにおいて、遊技盤上に発射された遊技球の挙動が所定の条件を満たしたことを契機にして前記識別情報群の変動方向を変化させるステップを含むものである。
【0021】
上記した「遊技球が特定の入球口に入球したことを受けて当選かはずれかを所定の抽選確率で抽選する」というのは、遊技球が一般に始動口と呼ばれる特定の入賞口に入球したことを受けて、制御部によって内部抽選を行い、当選か否か、すなわち大当たりかはずれかを決定することである。このとき、当選する抽選確率は例えば1/320というように一定である。
【0022】
また、上記大当たりは、大当たり遊技状態終了後に通常遊技状態へ復帰する通常大当たりと、大当たり遊技状態終了後に、抽選手段による抽選結果の当選確率を高めた特別遊技状態に移行する特別(確変)大当たりとからなる。なお、特別(確変)大当たりによる特別遊技状態終了後は、次の大当たり遊技状態(通常大当たり、特別大当たりいずれでもよい)が発生するまで、内部抽選による大当たりへの当選確率が1/60と高確率となる。
【0023】
また、上記識別情報群は、それぞれが複数の識別情報からなり、かかる識別情報としては、例えば、算用数字を利用した図柄を用いることができる。この他にも、漢数字を利用した図柄、ローマ数字を利用した図柄、記号を利用した図柄、干支や星座の画像を利用した図柄等の様々な図柄を用いてもよい。
【0024】
本実施の形態では、前記発射ハンドルを操作して遊技球を発射させ、その遊技球の挙動が所定の条件を満たした場合(例えば、遊技球が特定の入賞口に入賞したり、特定の部位を通過したり、特定の釘に衝突したりした場合)には、前記識別情報群の変動方向を変化させるようにしており、次に識別情報群が変動表示されるときには、新たに選択された変動方向に識別情報が変動表示される。
【0025】
このように、遊技球の挙動に応じて識別情報の変動方向を変化させるようにしているので、識別情報が変動表示されて、その後抽選結果に応じて停止表示されるという一連の可変表示ゲームが行なわれている間中、遊技者に対して従来の可変表示ゲームとは違う目新しさを印象づけることができ、長時間の遊技においても遊技者の視線を可変表示ゲームに引きつけることができる。その結果、遊技者を飽きさせることなく遊技を楽しませることができる。
【0026】
しかも、識別情報の変動方向の変化は、発射ハンドルを操作して発射した遊技球の挙動によるので、識別情報群の変動方向を設定するために新たに専用の設定操作部を設ける必要がなく、コストをかけることなく識別情報群の変動方向を設定可能とすることができる。また、遊技者は、従来より行なっている遊技球の発射操作によって識別情報群の変動方向を設定できるので、違和感なく円滑に識別情報群の変動方向を設定することができる。
【0027】
また、識別情報群の変動方向を変化させるために必要な遊技球の挙動(所定の条件)を遊技者に知らしめて、遊技者自身が意図的に識別情報群の変動方向を設定できるようにすれば、遊技者は、識別情報群の変動方向を変化させるべく、遊技球の挙動が所定の条件を満たすように遊技球を発射させることになるので、遊技者に識別情報の変動方向を変化させる楽しみを与えることができるとともに、その設定操作自体も楽しませることができる。
【0028】
なお、識別情報群の変動方向が変化する契機となる遊技球の挙動(所定の条件)を、遊技者に知らせないようにしたり、抽選等によってその都度違えるようにしたりして、遊技球がどのような挙動を取ったときに識別情報群の変動方向が変化するのかが遊技者に分からないようにし、遊技に意外性をもたせることもできる。
【0029】
さらに、識別情報群の変動方向の設定が、キー操作などと違って発射した遊技球の挙動という不確定要素に依存することになるので、識別情報群が思わぬ方向に変動したりすることがあり、識別情報群の変動方向の設定にもゲーム性が加味されることによる面白みが付加される。
【0030】
なお、遊技者が選択可能な変動方向は、好みが各人各様の様々な遊技者に対応できるように、上下方向や左右方向だけでなく、斜め方向、或いは3次元的に奥行き(前後)方向にも設定できるようにしておくことが望ましい。また、識別情報群の変動方向を変化させるか否かだけを遊技球の挙動によって決定するようにして、実際の変動方向に関しては、抽選等によって遊技機の制御部で決定するようにしても良い。
【0031】
さらに、遊技者が新たに識別情報群の変動方向を設定するタイミングは特に限定されるものではないが、遊技機全体の制御が複雑になるのを避けるためにも、設定を開始するタイミングに関しては、遊技球の発射モータが停止しており、かつ識別情報の変動表示が行われていないときに制限しておくことが好ましい。そして、このように遊技球の発射モータが停止しており、かつ識別情報の変動表示が行われていない休止状態の場合は、遊技盤上のディスプレイに識別情報群の変動方向の設定が可能である旨を示す表示がなされるようにしておくとよい。
【0032】
なお、一旦設定が開始された後には、当然ながら発射モータは作動することとなり、発射された遊技球が各種入賞口に入球することもあるが、設定が完了するまでは、設定開始前に続いて識別情報の変動表示等の通常遊技が行なわれないようにする。また、設定用に発射した遊技球が無駄にならないように、発射した分だけ遊技球を返還するか、或いは入賞口への入球に応じて賞球の払い出しを行うのが望ましい。
【0033】
ここで、上述してきた変動方向設定手段を備えた本実施の形態に係る遊技機についてまとめてみると、その基本形態としては、以下のとおりである。
【0034】
始動口に1つの遊技球が入ったことを受けて、「通常大当たり」、「特別大当たり(確変大当たり)」及び「はずれ」のいずれかを所定の確率で内部抽選する抽選手段と、同抽選手段による抽選結果を受けて変動・停止表示される複数の識別情報からなる複数の識別情報群を表示可能とした表示手段と、前記抽選手段による抽選結果が当選し、前記表示手段に表示された識別情報が所定の当選組合せで停止表示された場合、通常遊技状態から遊技者に有利な大当たり遊技状態へ移行させる大当たり実行手段とを備えている。
【0035】
上記構成において本実施の形態に係るパチンコ遊技機の特徴となるのは、前記識別情報群の変動方向について、遊技者が変動方向設定手段である発射ハンドルを操作して遊技球を発射し、同遊技球の挙動が所定の条件を満たしたことを契機として外部より変化させることができるようにしたことにあり、以下の形態がある。
【0036】
[1]遊技盤上に発射された遊技球の挙動が所定の条件を満たしたことを契機として、複数の識別情報群の変動方向を同時に変化させるようにした。
【0037】
すなわち、複数の識別情報群の変動方向を一緒に変化させる契機となる遊技球の挙動パターンがパチンコ遊技機内部のROM等に予め記憶されており、識別情報群の変動方向を変更すべく発射ハンドルの操作によって遊技球が発射された場合、当該発射された遊技球の挙動と、前記識別情報群の変動方向を変化させる契機となる遊技球の挙動パターンとを比較して、両者が一致した場合に複数の識別情報群の変動方向を同時に変化させるのである。なお、複数の識別情報群とは、表示手段に表示される全ての識別情報群であってもよいし、そのうちのいくつかであってもよい。
【0038】
また、識別情報群の変動方向をどの方向に変化させるかは、パチンコ遊技機内部で抽選によって決定したり、従来の変動方向から0〜360度の所定の角度分だけ回転させた方向とするようにしたり(例えば、所定の角度を180度とし、従来の変動方向から180度回転させて変動方向を正反対とするようにしたり)する方法が考えられる。
【0039】
上述のようにして遊技者が設定した識別情報群の変動方向は、パチンコ遊技機内部のRAM等に記憶される。そして、次の可変表示ゲームからは、新たに設定された変動方向に対応させて識別情報群を変動表示させ、内部抽選により決定した抽選結果を受けて、識別情報群を停止表示させる。
【0040】
[1]の本実施の形態に係るパチンコ遊技機によれば、複数の識別情報群の変動方向を同時に変化させるので、単純な制御で、且つ短時間で全ての識別情報群の変動方向を設定することができる。従って、全ての識別情報群が常に同方向に変動表示されることとなるので、識別情報群の変動表示に統一性があり、見やすい変動表示とすることができる。
【0041】
[2]上記[1]のパチンコ遊技機において、識別情報群の変動方向を複数通り設定するとともに、各変動方向に対応する複数の条件を設定し、遊技球の挙動が満たした条件に応じて識別情報群の変動方向を変化させるようにした。
【0042】
すなわち、発射された遊技球の挙動と変動方向とが一対一に対応したもので、発射された遊技球の挙動パターンと、同遊技球の挙動に対応する識別情報群の変動方向とがパチンコ遊技機内部のROM等に予め記憶されており、遊技球の挙動に応じて識別情報群の変動方向を変化させるのである。
【0043】
[2]の本実施の形態に係るパチンコ遊技機によれば、遊技者に遊技球の挙動と識別情報群の変動方向との相対関係を知らせておけば、遊技者が自ら識別情報群の変動方向を設定することが可能となる。従って、遊技者に識別情報の変動方向を設定する楽しみを与えることができる。しかも、可変表示ゲームにおいて識別情報が変動表示される際には、遊技者が自ら設定した変動方向によって可変表示ゲームが開始されることとなるので、遊技者の喜びを倍増させることができると共に、満足度を高めることができる。
【0044】
[3]各識別情報群毎に所定の条件を設定し、各識別情報群毎に前記所定の条件に応じて変動方向を変化させるようにした。
【0045】
すなわち、識別情報群の変動方向を変化させる契機となる遊技球の挙動パターンが、各識別情報群毎にパチンコ遊技機内部のROM等に予め記憶されており、発射された遊技球の挙動と、前記遊技球の挙動パターンとを各識別情報群毎に比較して、両者が一致した場合に識別情報群の変動方向をそれぞれ変化させるのである。なお、各識別情報群の変動方向をどの方向に変化させるかは、前記[1]同様にすればよい。
【0046】
上述のようにして遊技者が設定した識別情報群の変動方向は、パチンコ遊技機内部のRAM等に記憶される。そして、次の可変表示ゲームからは、新たに設定された変動方向に対応させて識別情報群を変動表示させ、内部抽選により決定した当選結果を受けて、識別情報群を停止表示させる。
【0047】
[3]の本実施の形態に係るパチンコ遊技機によれば各識別情報群毎に所定の条件を設定しているので、当該識別情報群毎に異なる遊技球の挙動と変動方向の変化との相対関係を遊技者に知らせておけば、遊技者は、識別情報群の変動方向を変化させるべく、遊技球に各識別情報群毎に違った挙動をさせようとすることとなり、設定操作に変化を付けて、遊技者に設定操作を飽きさせることなく楽しませることができる。一方、遊技者に遊技球が果たすべき所定条件が分からないようにしておけば、遊技球が同じ挙動を取ったとしても、各識別情報群毎に変動方向が変化したりしなかったりするので、意外性があり、変動表示をおもしろくすることができる。
【0048】
また、各識別情報群毎に変動方向を設定するので、各識別情報群毎に変動方向を違えることが可能となり、識別情報群の変動表示のバリエーションを増やして、遊技者を飽きさせることなく遊技を楽しませることができる。
【0049】
[4]上記[3]のパチンコ遊技機において、各識別情報群の変動方向を複数通り設定するとともに、各変動方向に対応する複数の条件を設定し、遊技球の挙動が満たした条件に応じて各識別情報群の変動方向を変化させるようにした。
【0050】
すなわち、発射された遊技球の挙動と識別情報群毎の変動方向とが一対一に対応したもので、発射された遊技球の挙動と、同遊技球の挙動に対応する識別情報群の変動方向とが各識別情報群毎にパチンコ遊技機内部のROM等に予め記憶されており、遊技球の挙動に応じて各識別情報群毎に変動方向を変化させるのである。
【0051】
上述したパチンコ遊技機においては、例えば、遊技球の1つの挙動に、どの識別情報群をどの方向に変動させるのかという2つの条件を対応させるようにして、発射された遊技球の挙動に応じて、特定の識別情報群を特定の方向に変動させるようにすることもできるし、或いは、各識別情報群を1つずつ順番に設定するようにして、遊技球の1つの挙動に、識別情報群をどの方向に変動させるのかという条件だけを対応させることにより、各識別情報群の変動方向をそれぞれ個別に設定可能とすることもできる。
【0052】
前者の場合、設定可能な識別情報群が特定の識別情報群に限定されないので、複数の識別情報群の変動方向を並行して設定することができる。しかも、遊技盤上に発射された遊技球が所定の挙動を取った場合、その挙動に対応する識別情報群と変動方向とはそれぞれ1つずつしかないので、パチンコ遊技機の内部における制御を単純化することができる。
【0053】
一方、後者の場合は、設定可能な識別情報群が1つずつに限定されるので、各識別情報群の変動方向をそれぞれ確実に変化させることが可能となる。
【0054】
しかも、遊技盤上に発射された遊技球が所定の挙動を取った場合、その挙動に対応する変動方向が複数存在することもあり得る、すなわち、ある識別情報群においてはその挙動に対応する変動方向が例えば上から下であり、別の識別情報群においてはその挙動に対応する変動方向が例えば左から右である場合もあり得る。従って、このように各識別情報群毎に異なる遊技球の挙動と変動方向との相対関係を遊技者に知らせておけば、例えば、複数の識別情報を同じ方向に変動させようとしても、設定に際しては、各識別情報群毎に遊技者が狙う箇所が変わってくることとなり、設定に変化を付けて、遊技者に設定操作をゲーム感覚で行わせて飽きさせることなく楽しませることができる。
【0055】
[4]の本実施の形態に係るパチンコ遊技機によれば、各識別情報群毎に変動方向を設定することができ、しかも、それぞれの識別情報群で変動方向を違えることができるので、識別情報群の変動態様に様々なバリエーションを設けることができるとともに、例えば、最後に停止表示される図柄を含む識別情報群のみ変動方向を違えたりして、特定の識別情報群のみを目立たせることも可能となる。
【0056】
上述してきた遊技機としては、必ずしも実際の鋼球からなる遊技球を用いる必要はなく、パチンコ遊技盤を遊技画面として画像表示するディスプレイ上に仮想遊技球を映像として打出し可能な遊技ハンドル(操作部)と、パチンコ遊技プログラムを実行する制御部とを備えた映像パチンコ遊技機であっても構わない。さらに、表示手段としての表示部と制御部とを備えた業務用若しくは家庭用のゲーム機に適用することも可能である。
【0057】
またさらには、汎用のコンピュータや携帯端末装置等に各種の制御を行うソフトウェアをインストールしたものにも適用できる。この場合、上述してきた遊技盤を含む遊技機画像の表示を実行させることのできる表示プログラムを含むパチンコ遊技プログラムを格納した記憶媒体を介して遊技を行うことができる。或いは、インターネットなどを介して前記パチンコ遊技プログラムをダウンロードして遊技することができる。つまり、遊技機としては、サーバと端末機(クライアント)とに分割して構成したものであってもよい。
【0058】
そのために、本発明は、上述したように、遊技盤上に発射された遊技球が特定の入球口に入球したことを受けて当選かはずれかを抽選するステップと、抽選結果を受けて複数の識別情報からなる複数の識別情報群をそれぞれ変動・停止表示させるステップと、抽選結果が当選の場合、前記識別情報を所定の当選組合せで停止表示させるとともに、通常遊技状態から遊技者に有利な大当たり遊技状態へ移行させるステップとを有する遊技プログラムにおいて、遊技盤上に発射された遊技球の挙動が所定の条件を満たしたことを契機にして前記識別情報群の変動方向を変化させるステップを含む遊技プログラムとして提供することもできる。
【0059】
また、端末機と通信可能であり、パチンコ遊技機を示す遊技機画像を各端末機に表示可能としたサーバとしても提供可能としている。
【0060】
そして、かかるサーバにおいて、前記遊技機画像中の仮想遊技盤上に発射された仮想遊技球が特定の入球部に入球したと認識されたことを受けて当選かはずれかを所定の抽選確率で抽選し、前記パチンコ遊技機画像中に複数の識別情報からなる複数の識別情報群をそれぞれ変動・停止表示させ、抽選結果が当選の場合、前記識別情報を所定の当選組合せで停止表示させるとともに、通常遊技状態から遊技者に有利な大当たり遊技状態へ移行可能とし、しかも、前記仮想遊技盤上に発射された仮想遊技球の挙動が所定の条件を満たしたことを契機にして前記識別情報群の変動方向を変化させる制御を、各端末機に対して行うのである。
【0061】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいてより具体的に説明する。
【0062】
(パチンコ遊技装置の構成)
図1に本実施の形態に係るパチンコ遊技装置の正面図を示す。なお、本実施の形態におけるパチンコ遊技装置は上述の[4]に相当する。
【0063】
図1に示すように、パチンコ遊技装置10は、矩形枠状の本体枠12に矩形板状の遊技盤14を組込み、同遊技盤14の前面に前記本体枠12の窓枠16を設け、さらに、同窓枠16の下側で本体枠12の前面に上皿20及び下皿22を設けるとともに、同下皿22の右側に発射ハンドル26を配設して構成している。本実施の形態では、前記発射ハンドル26を変動方向設定手段の入力機構としている。
【0064】
上皿20の右側部上面には、識別情報群の変動方向の設定開始ボタンfを設けている。20aは上皿20内の遊技球を下皿22へ送るバイパス路開閉ボタン、46はスピーカである。
【0065】
また、遊技盤14の前面には複数の障害釘(図1では入賞口の直上方に略平行に設けた一対の障害釘を除いて省略している)を打ち込んでいる。なお、釘を打ち込むような構成とせず、遊技盤14を樹脂素材で成形し、この樹脂素材の遊技盤14に金属製の棒状体を遊技盤14の前方向に突出するように突設する構成としてもよく、かかる構成とした遊技装置(所謂パチコン機)にも本発明を適用することができる。前記発射ハンドル26の裏側には発射モータ28を、周縁部にはタッチセンサ29を設けている。26aは発射モータ一時停止ボタンである。
【0066】
発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて上述した複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって落下し、後述する各種入賞口に入らなかった遊技球は、遊技盤14の中央最下部に位置する排出口から回収される。
【0067】
遊技盤14を拡大した拡大正面図を図2に示す。なお図2においても図1同様に障害釘の大部分を省略している。
【0068】
遊技盤14の前面の略中央には、表示手段としての液晶からなる表示装置32を設けている。なお、表示装置32は、遊技者が見得るような位置であればパチンコ遊技装置10の何処の位置に設けても構わない。
【0069】
52は小型の副表示装置であり、表示情報である数字や記号等からなる普通図柄を、変動と停止とを繰り返すように可変表示する。
【0070】
表示装置32の左右側部には、球通過検出器55(55a,55b)を設け、この球通過検出器55が遊技球の通過を検出したときには、前記普通図柄が変動し、所定の図柄で停止表示されると、ソレノイド57により可動片58(58a,58b)を駆動し、始動口44に遊技球が入りやすくなるようにする。
【0071】
上述した副表示装置52の左右両側には、4つの保留ランプ34(34a〜34d)を設けている。
【0072】
また、遊技盤14の下部には、大当たり入賞装置Mを設けている。かかる大当たり入賞装置Mは、後述する可変表示ゲームによって大当たり遊技状態になった場合にソレノイド48により駆動されて大入賞口38を開放状態とするシャッタ40と、同シャッタ40の後方に配され、ソレノイド205により駆動されて左右に傾動するスイング板(図示せず)とを備えており、前記シャッタ40の開放時に、スイング板を介して遊技球が特定領域に入球すると、シャッタ40は所定時間経過或いは所定数入球後においても次のシャッタ40の開放が約束され、これが所定限度回数(例えば、15回)まで繰り返されて遊技者にとって有利な大当たり遊技状態を実現するようにしている。さらに、遊技盤14には一般入賞口50,54(54a,54b,54c,54d)及び第2の一般入賞口56(56a,56b,56c,56d)を設けている。
【0073】
また、表示装置32の下部には、後述する可変表示ゲームが開始される契機となる特定の入球口としての始動口44を設けている。
【0074】
さらに、前記表示装置32の左右両側には、遊技球の経路を所定の方向に誘導するための風車状の転動誘導部材60(60a,60b)を設けるとともに、遊技盤14の外側の上左側と上右側とには、装飾ランプ36(36a及び36b)を設けている。
【0075】
(パチンコ遊技装置の制御)
本実施の形態に係るパチンコ遊技装置10の制御回路を示すブロック図を図3に示す。
【0076】
図示するように、制御部61は、中央処理回路(以下、CPUと称する)66と、インターフェイス回路群62,72と、ROM68、RAM72と、これらに接続し、中央処理回路(以下、CPUと称する)66にデータ信号又はアドレス信号を入出力する入出力バス64とを備えている。
【0077】
上記インターフェイス回路群62には、前記発射ハンドル26と、前記タッチセンサ29を接続するとともに、前記設定開始ボタンfを接続している。遊技者が設定開始ボタンfを押したときには、これを識別情報群の変動方向の設定開始の合図と見なして、設定開始信号をインターフェイス回路群62を介して入出力バス64に供給する。特に、本実施の形態では、設定開始ボタンfによる設定開始信号の発信を、発射ハンドル26が所定期間にわたって回動操作されておらず(遊技球の発射モータ28が停止しており)、識別情報の変動表示が表示装置32上で行われておらず、且つ後述する球検出センサ43により大入賞口38への入球が検知されていないときにのみ実行するようにして、設定入力の開始タイミングを制限している。
【0078】
また、インターフェイス回路群62には、各入賞口に設けた球検知センサ42、43を接続しており、球検知センサ42は遊技球が前記始動口44を通過したときに、球検知センサ43は遊技球が大入賞口38、一般入賞口54、第2の一般入賞口56、さらには排出口53を通過したときに、検出信号をインターフェイス回路群62に供給する。さらに、インターフェイス回路群62には、球通過検出器55(左側球通過検出器55a,右側球通過検出器55b)を接続しており、同球通過検出器55は遊技球が通過したことを検出したときに検出信号をインターフェイス回路群62に供給する。
【0079】
前記ROM68は、パチンコ遊技装置10の遊技全体の流れを制御する遊技プログラムを含む制御プログラムや、個々の識別情報やそれらの組合せ等を記憶している。本実施の形態における遊技プログラムは、遊技盤14上に発射された遊技球が特定の入球口である始動口44に入球したことを受けて当選かはずれかを抽選するステップと、抽選結果を受けて複数の識別情報からなる複数の識別情報群を表示装置32上でそれぞれ変動・停止表示させるステップと、抽選結果が当選の場合、前記識別情報を所定の当選組合せで停止表示させるとともに、通常遊技状態から遊技者に有利な大当たり遊技状態へ移行させるステップとを有する遊技プログラムであって、遊技盤上に発射された遊技球の挙動が所定の条件を満たしたことを契機にして前記識別情報群の変動方向を変化させるステップを含む。
【0080】
従って、かかるプログラムを実行することにより、可変表示ゲームを伴うパチンコ遊技を楽しみながら、かつ当選かはずれかの抽選結果を受けて変動・停止表示する識別情報群の変動方向を、遊技者が変化させることができるという新たな楽しみを与えることができるとともに、従来の可変表示ゲームとは違う目新しさを印象づけ、遊技者の視線を可変表示ゲームに引きつけることができる。その結果、遊技者を飽きさせることなく遊技を楽しませることができる。
【0081】
また、ROM68は、前記表示装置32において可変表示ゲームが実行される際に、変動表示や停止表示される識別情報の画像データ、演出画面として表示される画面画像としてのキャラクタを示すキャラクタ画像データ、表示装置32の背景を構成する背景画像データ、及び動画映像画像データ、並びに遊技に用いる音データ、前記制御プログラムを実行するための初期データや、前記装飾ランプ36の点滅動作パターンを制御するプログラム等を記憶している。
【0082】
また、ROM68は、パチンコ遊技装置10が休止状態にあるときに表示装置32に表示される、識別情報群の変動方向の設定が可能である旨を示す画像データや、識別情報群の変動方向の設定を行う際に表示装置32に表示される、設定操作を補助するための各種画像データや、遊技者により設定された識別情報群の変動方向を報知する画像データを記憶している。
【0083】
さらに、ROM68は、通常大当たりと特別大当たりとを発生させる抽選を行うために必要な確率テーブルや当該確率テーブルを用いて抽選を行うためのプログラムなどを記憶している。
【0084】
一方、前記RAM70は、上述した各プログラムで使用するフラグや変数の値、さらに上述した如く遊技盤上に発射された遊技球の挙動に応じて新たに入力設定された識別情報群の変動方向に関する情報を記憶している。すなわち、かかる新たな入力データを含め、CPU66による演算結果や遊技の履歴を示す累積リーチデータ、累積変動数及び累積大当たり回数を記憶している。
【0085】
そして、制御部61内のCPU66は、ROM68から所定のプログラムを呼び出して実行することにより演算処理を行い、この演算処理の結果に基づいて前述の遊技者により新たに設定された識別情報群の変動方向に関する情報や各種画像データ並びに音データを、電子データとして伝送に関する制御やその他の制御を行う。また、CPU66は、上述した新たに遊技者により設定された識別情報群の変動方向に関する情報を読み出して、表示装置32において識別情報が変動表示されるように制御したり、複数の識別情報の図柄の相互の組合せ状態が表示装置32において所定のタイミングで停止表示されるように制御している。
【0086】
また、前記インターフェイス回路群72には、表示装置32、副表示装置52、スピーカ46、発射モータ28、保留ランプ34及び装飾ランプ36、可動片58(58a,58b)やシャッタ40を駆動するソレノイド48,57,205、並びに払出装置59を接続している。そして、インターフェイス回路群72は、CPU66における演算処理の結果に応じて上述した各装置類それぞれを制御すべく駆動信号や駆動電力を供給する。
【0087】
前述した表示装置32は、変動図柄表示部と演出画面表示部とからなり、CPU66の制御によりこれらの2つの表示部に表示される画面の双方を合成して表示する。
【0088】
また、保留ランプ34は、始動口44に入った遊技球のうち、図柄を変動表示させるに有効な回数を示すものであり、払出装置59は、遊技球の入賞に応じて上皿20又は下皿22に予め定められた数の遊技球を払い出すものである。
【0089】
本実施の形態では、上述したCPU66などからなる演算処理装置により制御部61が構成され、表示装置32により表示部が構成されている。なお、本実施の形態ではCPU66などからなる演算処理装置が1つとしているが、必ずしも1つである必要はない。メインの演算処理装置としての主制御部と、画像表示を司るサブの演算処理装置としての副制御部を含む構成とすることもできる。また、上記したROM68やRAM70も、複数個備える構成であっても構わない。
【0090】
(パチンコ遊技装置10の動作)
本実施の形態に係るパチンコ遊技装置10は上述してきた構成となっており、その動作を以下に説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技装置10は起動しており、上述したCPU66において用いられる変数は所定の値に初期化され、定常動作しているものとする。
【0091】
まず、パチンコ遊技装置10は、パチンコ遊技を制御するパチンコ遊技プログラムを実行し、かかるプログラムから所定のタイミングで図4に示す遊技球検出ルーチンを呼び出して実行するとともに、図9に示す本発明の要旨ともなる識別情報群の変動方向の設定を受け付けることができる変動方向設定処理ルーチンを呼び出して実行するようにしている。
【0092】
すなわち、本実施の形態では、前記遊技球検出ルーチンの実行中に、発射ハンドル26が所定期間にわたって回動操作されておらず(遊技球の発射モータ28が停止しており)、識別情報の変動表示が表示装置32上で行われておらず、且つ球検出センサ43により大入賞口38への入球が検知されていないときがあれば、前記変動方向設定処理ルーチンを随時呼び出して、遊技者が識別情報群の変動方向を設定できる。
【0093】
遊技球検出ルーチンでは、最初に、入賞口(一般入賞口50及び54a〜54d並びに第2の一般入賞口56a〜56d)に遊技球が入ったか否かを検出する(ステップS11)。
【0094】
ステップS11において、上記入賞口に遊技球が入ったと判別したときには、入賞口の種類に応じて予め定められた数の遊技球を払い出す処理を実行する(ステップS12)。
【0095】
次に、始動口44に遊技球が入ったか否かを判断する(ステップS13)。このステップS13において、始動口44に遊技球が入ったと判別したときには内部抽選実行処理(ステップS14)を実行し、次いで可変表示ゲームを実行する。ステップS14における内部抽選実行処理では、「通常大当たり」、「特別大当たり」及び「はずれ」のいずれか1つの結果を発生させる処理を行うもので、この内部抽選実行処理及び可変表示ゲームについては後に詳述する。
【0096】
さらに、球通過検出器55a,55bを遊技球が通過したか否かを判断する(ステップS16)。球通過検出器55a,55bを遊技球が通過したと判別したときには、普通図柄を変動表示させる処理を実行する(ステップS17)。
【0097】
次に、上述したステップS14において呼び出されて実行される内部抽選実行処理を行うサブルーチンを図5に示す。
なお、以下の説明において、変動図柄とは、表示装置32に表示される識別情報のうちで変動表示されている最中の図柄を指し、停止図柄とは、この変動表示される変動図柄が最終的に停止したときに表示される図柄を指すものとする。
【0098】
上述した抽選実行処理が開始されると、まず、CPU66の演算処理による内部抽選処理を実行する(ステップS100)。すなわち、CPU66は、ROM68に記憶された内部抽選に用いられる確率テーブルをRAM70に設定するとともに、乱数のサンプリングを行う。
【0099】
なお、確率テーブルをRAM70に設定する処理は、ステップS100を実行するたびに行う必要はなく、常にRAM70に設定しておいてもよい。また、ROM68に内部抽選に用いられる確率テーブルを複数記憶させておき、必要に応じて異なる確率テーブルをRAM70に設定することとして、通常大当たりを発生させる確率、特別大当たりを発生させる確率、及び、はずれを発生させる確率を変更させることもできる。
【0100】
次に、「通常大当たり」、「特別大当たり」及び「はずれ」のうち、どの結果が得られたかについて判断する(ステップS101)。ステップS101において、はずれの抽選結果が得られたと判断した場合、CPU66は、はずれに対応する抽選データをRAM70に記憶する(ステップS102)。このとき、はずれが発生したことになる。なお、この抽選データは、後述する可変表示ゲームを実行する際に用いられるデータであり、CPU66は、当該抽選データに基づき、後述する可変表示ゲーム処理ルーチンにおいて、変動図柄を所定の組合せで停止表示させる。
【0101】
ステップS101において、通常大当たりの結果が得られたと判断した場合、CPU66は、通常大当たりに対応する抽選データなどをRAM70に記憶し(ステップS103)、さらに、通常大当たり情報を記憶する(ステップS104)。このとき、通常大当たりが発生したことになる。
【0102】
また、ステップS101において、特別大当たりの結果が得られたと判断した場合、CPU66は、特別大当たりに対応する抽選データなどをRAM70に記憶し(ステップS107)、さらに、特別大当たり情報を記憶する(ステップS108)。このとき、特別大当たりが発生したことになる。
【0103】
次いで、大当たり遊技状態が発生しているか否かを判断し(ステップS110)、大当たり遊技状態が発生していると判断した場合、本サブルーチンを終了する。
【0104】
一方、ステップS110において、大当たり遊技状態が発生していないと判断した場合、進行(表示)中の可変表示ゲームが存在するか否か判断する(ステップS111)。なお、進行(表示)中の可変表示ゲームとは、現在、表示装置32に表示され、遊技者が見ることが可能な状態にあり、変動図柄が停止表示される前の可変表示ゲームである。すなわち、進行(表示)中の可変表示ゲームが存在するということは、既に、1つの遊技球が始動口44に入り、後述する可変表示ゲーム処理ルーチンが実行されているということである。
【0105】
ステップS111において、進行(表示)中の可変表示ゲームが存在しないと判断した場合、後述する可変表示ゲームを実行する(ステップS112)。一方、進行(表示)の可変表示ゲームが存在すると判断した場合、本サブルーチンを終了する。
【0106】
次に、図5に示すステップS112において呼び出されて実行される可変表示ゲーム処理を行うサブルーチンについて、図6を用いて説明する。本サブルーチンが呼び出されることにより、表示装置32において表示されていた固定画面を通常画面へと切り替え、可変表示ゲームを開始する。なお、固定画面とは、表示装置32において実行される可変表示ゲームは実行されておらず、パチンコ遊技装置10においてパチンコ遊技のみが進行している際に表示装置32に表示される画面をいう。また、通常画面とは、表示装置32において可変表示ゲームが開始され表示装置32に表示される図柄が変動表示されてから、可変表示ゲームがリーチとなったり大当たりとなったりしたときの状態に至るまでのあいだに、表示装置32に表示される演出画面をいう。
【0107】
可変表示ゲームは、複数の識別情報の変動表示が開始されてから停止表示されるまでを1回とするゲームである。本パチンコ遊技装置10において予め設定されている識別情報は、「1」、「2」、…、「12」からなる12個の算用数字からなる図柄を1つの組として、これらの12個の図柄を表示装置32に順次表示し、その図柄が移動するように表示しつつ、図柄自身が変化するように表示する。
【0108】
例えば、表示装置32において、図柄の「1」を表示装置32の上から下へスクロールするように表示した後、図柄の「2」を上から下へスクロールするように表示し、続いて図柄の「3」を同様に上から下へスクロールするように表示するのである。そして、図柄の「1」から図柄の「12」までをこのような態様で表示した後、再び図柄の「1」をスクロールするように表示し、同様の表示を順次繰り返すのである。表示装置32においてこのように図柄を表示することにより、「1」から「2」へと、「2」から「3」へと、図柄がスクロールされながら順次変化して「12」まで表示され、次に再び「1」が表示されることとなるのである。
【0109】
本実施の形態では、遊技者によって設定された図柄の変動方向に関する情報が制御部61のRAM70に記憶されており、図柄を変動表示する際、RAM70から当該情報が読込まれ、遊技者が設定した変動方向に対応させて図柄を変動表示する。なお、図柄の変動方向の設定処理の詳細については後に詳述する。
【0110】
なお、上述した図柄の組(識別情報群)は、スロットマシンにおいて用いられる1本のリールに表示された図柄の組に対応する概念である。
【0111】
さらに、可変表示ゲームが表示装置32において実行されるときには、複数の組の各々に属する図柄を表示する。例えば、3つの組に属する図柄の各々を横方向に配列させて表示することとした場合には、1つの組に属する図柄は表示装置32の左側に表示され、他の組に属する図柄は表示装置32の中央に表示され、残りの組に属する図柄は表示装置32の右側に表示される。
【0112】
このように識別情報である図柄を表示することにより、表示部である表示装置32には複数の識別情報が表示されることとなる。なお、可変表示ゲームが実行される際における組の数は、3つに限られることはなく、3以外の複数個の組に属する図柄を表示装置32に表示することとしもよい。
【0113】
更に、1つの組に属する図柄について複数個の図柄を表示することとしてもよく、例えば、1つの組に属する3つの図柄を同時に変動表示するように表示することとし、3つの組について表示することとした場合には、表示装置32には、合計9個の図柄が変動表示されることとなる。
【0114】
そして、複数の組に属する図柄を変動表示した後、変動表示されていた全ての図柄を所定のタイミングで停止表示した際に、これらの図柄の組合せが所定の組合せに合致して停止表示されたときには、遊技者から見れば可変表示ゲームが大当たり(通常大当たり)に当選したことになり、通常大当たり遊技状態が発生し、遊技者に対して有利な状態の提供が行われる。
【0115】
前述した内部抽選処理によって、CPU66の演算処理による内部抽選処理を実行し、上述したステップS102、S103またはS107においてRAM70に記憶した抽選データに基づいて、変動表示されていた複数の組に属する図柄を全て停止表示させて図柄が確定したときにおける図柄の組合せを予め決定し、可変表示ゲームが開始されると、図6に示すように、抽選データを更新(減少)させる(ステップS201)。すなわち、CPU66は、RAM70に記憶された抽選データの中から、今回の可変表示ゲーム処理に使用する抽選データを可変表示ゲーム処理領域に呼び出し、これまで抽選データが記憶されていた領域からは当該抽選データを消去する処理を行う。
【0116】
次に、選択された背景画像の画面構成情報がRAM70に生成される(ステップS202)。すなわち、CPU66によって、内部抽選処理の結果や、可変表示ゲームの進行状況等に応じて、背景画像を選択するプログラムが、ROM68から呼び出され実行される。
【0117】
次に、CPU66によって実行され得られた結果に基づいて、選択された背景画像の画面構成情報が、随時、CPU66によって、RAM70に生成される。上記背景画像としては、特に限定されるものではなく、可変表示ゲームの進行状況や、上記内部抽選処理の結果に基づいて、CPU66によって、適宜選択される。
【0118】
次に、選択されたキャラクタ画像の画面構成情報がRAM70に生成される(ステップS203)。すなわち、上記プログラムの実行結果に基づいて、CPU66により選択されたキャラクタ画像の画面構成情報が、RAM70に生成される。このとき、例えば、1/60秒や、1/30秒等毎の一定間隔の周期(フレームスパン)で、キャラクタ画像の先頭位置が所定の移動量分ずれるように制御することにより、キャラクタ画像に動きを与えて表示させることができる。なお、キャラクタを示す画像については、必ずしも常に表示装置32上に表示されている必要はない。上記キャラクタ画像としては、例えば、図7に示すような動物(犬)を示す画像等を挙げることができる。
【0119】
次いで、識別情報である変動図柄の画面構成情報が、上記プログラムの実行結果に基づいて、CPU66によって、RAM70に生成される(ステップS204)。
【0120】
上記変動図柄を構成する各図柄となる画像の画面構成情報は、上述したプログラムに基づいて、CPU66により生成される。遊技者により識別情報群の変動方向が設定されている場合(後述する変動方向設定処理において、変動方向に関する情報がRAM70に記憶された場合)には、当該遊技者が設定した変動方向へと前記変動図柄の画像がずれてゆくように画面構成情報を生成する。また、各変動図柄となる画像が、所定の順序で順次生成されるように制御して、変動図柄の変動表示を行うことができる。さらに、フレームスパンや、画面構成情報の読み出しの先頭位置等を調整することによって、変動図柄の変動速度を制御することができるため、背景画像において、展開されている物語等に応じて、変動図柄の変動を滑らかにさせ、背景画像と、変動図柄との融合を図ることも可能である。
【0121】
次に、1つの変動図柄を停止表示させるタイミングであるか否かを判断する(ステップS206)。すなわち、複数、例えば、三つの組のうち、1つの組に属する図柄を停止表示させるタイミングであるか否かを判断する。
【0122】
変動図柄を停止表示させるタイミングであると判断したときには、CPU66によって、1つの変動図柄を停止表示させる態様で変動図柄を表す変動図柄画像が選択され、該変動図柄画像の画面構成情報がRAM70に生成される(ステップS207)。
【0123】
次いで、ステップS202〜207において、RAM70に生成された画面構成情報に基づいて、CPU66によって、ROM68から、上記画面構成情報に対応する各画像データが読み出される。読み出された各画像データは、その後、上記画面構成情報内の表示される優先順位や、位置等に関する情報によって、表示装置32に表示される画像データとされた後、表示装置32に送信されて表示される(ステップS208)。上述したステップS202〜S208の処理は、後述するステップS209において複数の組に属する図柄の全てが停止表示されたと判別されるまで繰り返し実行される。このように処理を繰り返し実行することにより、所定の態様でスクロールするように図柄を変動表示することができ、また、キャラクタ画像も所定の動作をするように表示することができる。
【0124】
ステップS208の処理を実行した後、複数の組に属する図柄の全てが停止表示されたか否かを判断する(ステップS209)。
【0125】
複数の組に属する図柄の全てが停止表示されていないと判断したときには、処理をステップS202に戻す。一方、複数の組に属する図柄の全てが停止表示されたと判断したときには、RAM70に記憶された通常大当たり情報若しくは特別大当たり情報が存在するか否かを判断する(ステップS210)。
【0126】
大当たり情報が存在すると判断した場合、大当たり実行処理を行い(ステップS211)、大当たり遊技状態を発生させ、遊技者に対して有利な状態の提供を行う。
【0127】
一方、RAM70に記憶された大当たり情報が存在しないと判断した場合、RAM70に記憶された抽選データが存在するか否かを判断する(ステップS214)。RAM70に記憶された抽選データが存在しないと判断した場合、待機中の可変表示ゲームは存在しないことになるので、本サブルーチンを終了する。
【0128】
一方、ステップS214において、RAM70に記憶された抽選データが存在すると判断した場合、待機中の可変表示ゲームが存在することになるので、RAM70に記憶された抽選データのうち、最も古い抽選データを読み出し(ステップS215)、処理をステップS201に戻す。その後、CPU66は、読み出した抽選データに基づいて、ステップS201〜S209の処理を繰り返し実行することになる。
【0129】
ここで、実際に本パチンコ遊技装置10で遊技する状況を想定し、図7を参照しながら同パチンコ遊技装置10の表示装置32に表示される画面画像について簡単に説明する。
【0130】
遊技者が発射ハンドル26を操作して遊技球を次々と打ち出している間、図7(a)に示すように、本実施の形態では、表示装置32の上部側に3つの識別情報群(リール帯)を横一列に配置させて表示している。ここでは、「1」〜「12」までの算用数字による図柄を利用して1つの識別情報群を構成している。かかる識別情報群の下方には、キャラクタ画像の犬及び背景画像の林からなる演出画像が表示される。
【0131】
そして、遊技盤14に打ち出された遊技球が始動口44に入球すると、前述したように内部抽選が行われ、その結果を受けて可変表示ゲーム処理ルーチンが実行される。
【0132】
前記内部抽選実行処理ルーチンのステップS100において、特別大当たり又は通常大当たりに当選した場合であれば、それらの大当たり情報に基づいた演出画像を伴って可変表示ゲームが開始され、識別情報の変動表示が開始される。すなわち、各識別情報群の図柄がそれぞれ下方へとスクロール移動されるように表示され、キャラクタ画像である犬が地面を掘り起こしている演出画像が表示される(図7(b))。
【0133】
そして、特別大当たり又は通常大当たりを示す当選組合せが表示される場合には、図7(c)に示すように、キャラクタ画像である犬が地中からたくさんの骨を掘り当てた様子が演出画像として表示されるとともに、例えば、最終変動図柄が「7」に確定して「7」「7」「7」で停止表示され、このように、識別情報が所定の組合せで停止表示された場合は、大当たり遊技状態を発生させる。
【0134】
以上説明してきたように、可変表示ゲームにおいては、識別情報、キャラクタ画像及び背景画像を必要に応じて変動・停止表示し、各種演出を行うようにしている。そして、本実施の形態は、このうち、識別情報群の変動方向を遊技者の操作により設定変更できるようにしたことに特徴を有する。そこで、以下に識別情報群の変動方向設定処理について説明する。
【0135】
前述したように、本実施の形態では、左側、中央、右側と3つの識別情報群を横一列に並べて表示装置32に表示しており、遊技者が識別情報群の変動方向を設定する場合は、発射ハンドル26を操作して遊技盤14上に遊技球を発射させ、その発射された遊技球の挙動に応じて各識別情報群毎に変動方向を設定していく。
【0136】
また、遊技球の挙動は、遊技盤14上に設けられた各種入賞口(一般入賞口54a〜54d、第2の一般入賞口56a〜56d、大入賞口38、始動口44)、転動誘導部材60a,60b、球通過検出器55a,55b等のパチンコ遊技用に設けられた構造物を利用して検出するようにしている。すなわち、かかるパチンコ遊技用構造物を遊技球が通過した際に、同パチンコ遊技用構造物に設けたセンサや検出器等により遊技球が通過したことを検出して、その検出信号に基づき識別情報群の変動方向を変化させるのである。
【0137】
しかも、各パチンコ遊技用構造物毎に、上から下、下から上、左から右、右から左等の変動方向を振り分けて、遊技球がどのパチンコ遊技用構造物を通過したかに応じて異なる方向に変動方向を変化させるようにしている。
【0138】
例えば、一般入賞口54a〜54dを遊技球が通過したときには、識別情報群が右から左へと変動表示されるように変動方向を変化させ、第2の一般入賞口56a〜56dを遊技球が通過したときには、識別情報群が左から右へと変動表示されるように変動方向を変化させ、転動誘導部材60a,60bを遊技球が通過したときには、識別情報群が上から下へと変動表示されるように変動方向を変化させ、球通過検出器55a,55bを遊技球が通過したときには、識別情報群が下から上へと変動表示されるように変動方向を変化させるのである。そして、遊技球がいずれのパチンコ遊技用構造物も通過しなかった場合には、識別情報群の変動方向を変化させることなく、従来通りの変動方向を引き続き採用するようにしている。
【0139】
なお、本実施の形態では、1つの遊技球が複数のパチンコ遊技用構造物を通過した場合には、最初に通過したパチンコ遊技用構造物からの検出信号を採用するようにしている。しかし、これに限られるものではなく、例えば最後に通過したパチンコ遊技用構造物からの検出信号を採用したり、或いは、通過したパチンコ遊技用構造物の組合せにより変動方向を決定したりすることもできる。
【0140】
また、本実施の形態では、遊技球の挙動を検出するためにパチンコ遊技用構造物に設けられている既存のセンサや検出器等を利用しているが、これに限らず、遊技球の挙動を検出するために専用のセンサ等を遊技盤14上に新たに設けても良い。
【0141】
また、本実施の形態では、制御が複雑にならないように、識別情報群の変動方向の設定中に発射した遊技球が遊技盤14上の入賞口(始動口44や一般入賞口54a〜54dや第2の一般入賞口56a〜56d)に入球したとしても、通常のパチンコ遊技中のように賞球を払い出したり、可変表示ゲームを実行したりしないようにしており、発射球数のみ下皿22に払い戻すこととしている。
【0142】
しかし、これに限らず、識別情報群の変動方向の設定中に発射した遊技球が遊技盤14上の入賞口に入球した場合に、通常のパチンコ遊技中のように賞球の払い出しや可変表示ゲームの実行を行って、設定中においても遊技を平行して楽しめるようにすることもできる。或いは、設定が終わるまで賞球の払い出しや可変表示ゲームの実行を一時的に保留させて、設定中は識別情報群の変動方向の設定に集中できるようにすると共に、設定終了後は設定中の入賞口への入球を無駄にすることなく保留されている賞球の払い出しや可変表示ゲームの実行を行って、遊技者を楽しませるようにすることもできる。或いは、設定中に発射された遊技球は全て識別情報群の変動方向の設定のためだけに利用するものとして、一切の賞球の払い出しや可変表示ゲームの実行を行わないようにし、遊技球の消費を促進することもできる。
【0143】
また、識別情報群の変動方向は、上下左右に限らず、360度どの方向であってもよい。
【0144】
ここで、より具体的に変動方向設定処理について説明していくと、前述したように、本実施の形態では、識別情報群の変動方向の設定変更は、発射ハンドル26が所定期間にわたって回動操作されておらず(遊技球の発射モータ28が停止しており)、識別情報の変動表示が表示装置32上で行われておらず、且つ球検出センサ43により大入賞口38への入球が検知されていないときに行うようにしており、そのような休止状態となった場合には、遊技盤14上の表示装置32に、図8(a)に示すような識別情報の変動方向の設定が可能である旨を示す画像(以下、設定紹介画像という)を表示するようにしている。
【0145】
そして、かかる設定紹介画像の表示中に設定開始ボタンfが押された場合には、これから識別情報の変動方向の設定が開始されるものと判断して、変動方向設定処理ルーチンを呼び出して実行する。
【0146】
図9に変動方向設定処理ルーチンを示しており、かかるルーチンに基づき変動方向設定処理が開始されると、まず、識別情報群の変動方向を設定する手順を案内し(ステップS401)、続いて識別情報の変動方向の選択を受け付ける。設定手順は、図8(b)に示すような設定手順を表した変動方向設定画像を表示装置32に表示することにより案内することができる。或いは、スピーカ46により設定手順を報知することもできる。
【0147】
なお、図8(a)に示す設定紹介画像から、図8(b)に示す変動方向設定画像へ切り換えるタイミングとしては、上述したようにステップS401の処理に伴って切り換える以外にも、例えば、1球目が発射されたことを検知した後に切り換えるようにしたり、前記設定紹介画像が表示されてから所定時間が経過した後に切り換えるようにしたりすることができる。
【0148】
ここでは、3つの識別情報群の変動方向を設定するために遊技球を3球発射するよう、前記変動方向設定画像により遊技者に促すようにしている。そして、1球目に発射された遊技球の挙動により、左側の識別情報群の変動方向を設定し、2球目に発射された遊技球の挙動により、中央の識別情報群の変動方向を設定し、3球目に発射された遊技球の挙動により、右側の識別情報群の変動方向を設定することを遊技者に報知するようにしている。
【0149】
すなわち、まず、1球目の遊技球が発射されたか否かを判断する(ステップS402)。遊技球の発射は、例えば、発射ハンドル26が回動操作された際に発信される信号を検出することにより確認することができる。
【0150】
まだ、1球目の遊技球が発射されていないと判別した場合には、発射されたと判別されるまで前記ステップS402の処理を繰り返す。そして、1球目の遊技球が発射されたと判別した場合には、1球目の遊技球の挙動に応じて、左側の識別情報群の変動方向を変更する(ステップS403)。すなわち、RAM70に記憶されている変動方向に関する情報を、遊技球の挙動に応じて新たに決定された内容に更新して、変動方向を確定する。
【0151】
例えば、左側の識別情報群の変動方向が「上から下」に設定されているときに上記ステップS403の処理が行われ、1球目の遊技球が一般入賞口54a〜54dを通過したことが検出され、しかも、この一般入賞口54a〜54dの通過という遊技球の挙動に対応して予め定められている識別情報の変動方向が「右から左」である場合には、左側の識別情報群の変動方向を「上から下」から「右から左」に変更する。
【0152】
同様に、中央の識別情報群、及び右側の識別情報群に関しても、2球目或いは3球目の遊技球が発射されたか否かを判断し(ステップS404或いはステップS406)、まだ2球目或いは3球目の遊技球が発射されていないと判別した場合には、発射されたと判別されるまで前記ステップS404或いはステップS406の処理を繰り返す。そして、2球目或いは3球目の遊技球が発射されたと判別した場合には、かかる2球目或いは3球目の遊技球の挙動に応じて、中央の識別情報群、或いは右側の識別情報群の変動方向を変更する(ステップS405或いはステップS407)。すなわち、RAM70に記憶されている変動方向に関する情報を、遊技球の挙動に応じて新たに決定された内容に更新して、変動方向を確定する。
【0153】
例えば、中央の識別情報群の変動方向が「上から下」に設定されているときに上記ステップS405の処理が行われ、2球目の遊技球が排出口53を通過したことが検出され、しかも、この排出口53の通過という遊技球の挙動に対応して予め定められている識別情報の変動方向が存在しなかった場合には、中央の識別情報群の変動方向を変更することなく「上から下」のまま維持する。
【0154】
また、右側の識別情報群の変動方向が「上から下」に設定されているときに上記ステップS407の処理が行われ、3球目の遊技球が転動誘導部材60a,60bを通過したことが検出され、しかも、この転動誘導部材60a,60bの通過という遊技球の挙動に対応して予め定められている識別情報の変動方向が「左から右」である場合には、右側の識別情報群の変動方向を「上から下」から「左から右」に変更する。
【0155】
その後、各識別情報群毎に新たに設定された変動方向を遊技者に報知し(ステップS408)、本サブルーチンを終了する。例えば、図8(c)に示すような新たに設定された変動方向を示す画像(以下、変動方向決定画像という)を表示装置32に表示することにより報知することができる。
【0156】
なお、図8(b)に示す変動方向設定画像から、図8(c)に示す変動方向決定画像へ切り換えるタイミングとしては、上述したようにステップS408の処理に伴って切り換える以外にも、例えば、3球目の遊技球が発射されたことを検知した後、或いは遊技球の検知が3回行われた後に、さらに所定時間が経過したことを受けて切り換えるようにすることもできる。
【0157】
上記変動方向設定処理によりRAM70に記憶された変動方向に関する情報は、前述した如く識別情報の変動表示を行なう際にCPU66によって呼び出される。そして、CPU66は、当該RAM70より呼び出した変動方向に関する情報に従って識別情報を変動表示させるのである。これにより、識別情報群を新たに設定した変動方向に基づき変動表示させることができる。
【0158】
なお、上述した実施形態においては、1球目に発射された遊技球が、2球目及び3球目の遊技球よりも早く、一般入賞口54a〜54dに入賞したり転動誘導部材60(60a,60b)に衝突するなどして所定の条件を満たすことを前提に説明しており、また、発射された遊技球が、遊技盤14上で所定の条件を2度満たすことが無い(転動誘導部材60(60a,60b)に衝突した後に一般入賞口54a〜54dに入賞するなどして1球の遊技球で所定の条件を2度満たすことが無い)ことを前提に説明しているが、実際には1球目に発射された遊技球よりも2球目あるいは3球目に発射された遊技球の方が先に所定の条件を満たしたり、1球の遊技球が上述したように所定の条件を2度満たす場合もある。
【0159】
このような場合については、発射された遊技球の挙動を発射された順番で管理することは困難であるため、遊技球が発射された順番(何球目に発射されたのか)に関係することなく、遊技盤14上で所定の条件が満たされた回数や位置などその結果のみによって、識別情報群毎に変動方向を変化させるようにすればよい。
【0160】
図10には、上述のようにして変動方向設定処理がなされた後の可変表示ゲームにおいて表示装置32に表示される画面画像を示している。図10(a)及び図10(b)は共に可変表示ゲーム中に識別情報群が変動表示されている状態を示しており、前記変動方向設定処理において識別情報群の変動方向をどのように設定するかによって、図10(a)に示すように、複数の識別情報群を全て異なる方向に変動表示させることもできるし、図10(b)に示すように、複数の識別情報群を全て同方向に変動表示させることもできる。
【0161】
また、遊技盤14上に発射された遊技球の挙動が所定の条件を満たさなかった場合には、図10(a)に示す中央の識別情報群のように、変動方向が変化されることなく従来通り上から下へと識別情報群が変動表示されるのである。
【0162】
このように、本実施の形態においては、遊技者が設定した変動方向が、実際の識別情報の変動方向に反映される。
【0163】
【発明の効果】
本発明によれば、遊技者に図柄の変動方向を変化させる楽しみを与えることができるとともに、従来の可変表示ゲームとは違う目新しさを印象づけ、遊技者の視線を可変表示ゲームに引きつけることができる。その結果、遊技者を飽きさせることなく遊技を楽しませることができる。
【0164】
しかも、遊技球の挙動と識別情報群の変動方向との相対関係を遊技者に知らせておけば、遊技者は、個々の好みで変動方向の設定が自由に行えるので、オリジナル性が高くなって、遊技者の満足度も著しく高まるとともに、能動的に遊技参加している意識も高まり、パチンコ遊技の面白さが深まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係るパチンコ遊技装置の概観を示す正面図である。
【図2】同パチンコ遊技装置の遊技盤面の拡大正面図である。
【図3】同パチンコ遊技装置の制御回路を示すブロック図である。
【図4】パチンコ遊技装置において実行される遊技球を検出する処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図5】内部抽選実行処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図6】可変表示ゲーム処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】可変表示ゲームにおいて表示部に表示される画面画像の説明図である。
【図8】識別情報群の変動方向を設定変更する際に表示される画面の一例を示す模式図である。
【図9】識別情報群に対する変動方向設定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】可変表示ゲームにおいて表示部に表示される画面画像の説明図である。
【符号の説明】
S サーバ
10 パチンコ遊技装置(遊技機)
26 発射ハンドル
32 表示装置(表示部)
38 大入賞口
40 シャッタ
61 制御部
66 CPU
64 入出力バス
68 ROM
70 RAM

Claims (3)

  1. 遊技盤上に発射された遊技球が特定の入球口に入球したことを受けて当選かはずれかを所定の抽選確率で抽選する抽選手段と、
    前記抽選手段による抽選結果を受けて変動・停止される、複数の識別情報からなる複数の識別情報群を表示する表示手段と、
    前記抽選手段による抽選結果が当選し、前記表示手段に表示された識別情報が所定の当選組合せで停止表示された場合、通常遊技状態から遊技者に有利な大当たり遊技状態へ移行させる大当たり実行手段と、
    遊技盤上に発射された遊技球の挙動が所定の条件を満たしたことを契機として前記識別情報群の変動方向を変化させる変動方向設定手段と、
    を具備することを特徴とする遊技機。
  2. 各識別情報群毎に所定の条件を設定し、同所定の条件に応じて前記各識別情報群毎に変動方向を変化させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 識別情報群の変動方向を複数通り設定するとともに、各変動方向に対応する複数の条件を設定し、遊技球の挙動が満たした条件に応じて識別情報群の変動方向が決定されるようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の遊技機。
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