JP2004264815A - 対物レンズ、光ピックアップ装置及び光情報記録再生装置 - Google Patents

対物レンズ、光ピックアップ装置及び光情報記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】温度特性及び波長特性を良好な状態で両立できる対物レンズ、特に光情報記録媒体の書き込み対応がなされた対物レンズ、光ピックアップ装置及び光情報記録再生装置を提供する。
【解決手段】 本発明の対物レンズは、波長λ1の光束に対する結像倍率m1が−1/4<m1<−1/15を満たす。また、波長λ1と波長λ2の光束の少なくとも一方に対して位相差を付与する位相差付与構造が形成されると共に、光軸を含む同心円状の中央領域と、この中央領域の周囲を覆う周辺領域とを備える。そして、周辺領域を通過する波長λ2の光束は第2の光情報記録媒体の情報記録面上に集光せずにフレア光となる。そして、フレア光により第2の光情報記録媒体の情報記録面上に形成される、光軸を中心とした同心円形状の内径を5μm以上100μm以下とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、対物レンズ、光ピックアップ装置及び光情報記録再生装置に関する。
近年、DVD(デジタルヴァーサタイルディスク)やCD(コンパクトディスク)などの光情報記録媒体(光ディスクともいう)が広く普及されている。これら光ディスクは使用波長、保護基板厚さが個々に定められている。特に前述のDVDとCDとでは保護基板厚さが異なっており、保護基板厚さの違いを補正できる対物レンズ(互換対物レンズ)に関して数多く開示されている。
互換対物レンズの例としては、使用波長の違いを利用して非球面表面に回折構造を設けて保護基板厚さを補正するものが公知となっている。また、プラスチック製の回折対物レンズで互換設計を行うと、通常のプラスチック製の対物レンズよりも温度特性が改善されることも公知である。
しかしながら、回折レンズの場合には、温度特性をより改善しようと回折作用を強めると、結果として波長特性の悪化や、回折ピッチが細くなることによる回折効率の低下などの光量ロスの発生や、温度依存性が高くなるといった不具合も併せ持つことになる。
従って、回折互換レンズの場合には温度特性や波長特性とのバランスが重要となる。
一方で光ディスクの記録や再生を行う光ピックアップ装置に関しては、装置の簡略化や小型化を図るべく、対物レンズに有限光束が入射するタイプや、情報の記録のための対物レンズの高NA化等の要求があるが、これら要求は温度特性にとって更に負荷をかけることになるため、温度特性と波長特性とのバランス設計がより難しくなる。
このような光ピックアップ装置用の対物レンズとしては、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。
特開2002−288867号公報
ところで、特許文献1に開示された対物レンズは、温度変化時に発生する球面収差を抑えるべく、光学材料の温度変化に対する屈折率変化(dn/dT)を規定し、上述した対物レンズのバランス設計を達成したものである。
従って、特許文献1の発明とは異なる観点から、あるいは、特許文献1の発明に対してさらなる構成要素を付加することにより、上述した温度特性及び波長特性のバランス設計を実現できる対物レンズが求められている。
本発明の課題は、上述の問題を考慮したものであり、温度特性及び波長特性を良好な状態で両立できる対物レンズ、特に光情報記録媒体の書き込み対応がなされた対物レンズを提供することである。また、この対物レンズを備える光ピックアップ装置及び光情報記録再生装置を提供することである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、第1の光源から出射される波長λ1の光束を保護基板厚t1の第1の光情報記録媒体の情報記録面上に集光させると共に第2の光源から出射される波長λ2(λ2>λ1)の光束を保護基板厚t2(t2>t1)の第2の光情報記録媒体の情報記録面上に集光させることにより、前記第1の光情報記録媒体と第2の光情報記録媒体の両方に対して情報の再生が可能であると共に、少なくとも一方に対して情報の記録が可能な光ピックアップ装置に用いられる対物レンズであって、前記波長λ1の光束に対する前記対物レンズの結像倍率m1が−1/4<m1<−1/15を満たし、前記対物レンズの少なくとも一方の光学面には、前記波長λ1と波長λ2の光束の少なくとも一方に対して位相差を付与する位相差付与構造が形成されると共に、該光学面が、光軸を含む同心円状の中央領域と、この中央領域の周囲を覆う周辺領域とを備え、前記波長λ1の光束は、前記中央領域及び周辺領域を通過して前記第1の光情報記録媒体の情報記録面上に集光し、前記波長λ2の光束のうち、前記中央領域を通過する光束は前記第2の光情報記録媒体の情報記録面上に集光し、前記周辺領域を通過する光束は前記第2の光情報記録媒体の情報記録面上に集光せずにフレア光となり、前記フレア光により前記第2の光情報記録媒体の情報記録面上に形成される、光軸を中心とした同心円形状の内径が5μm以上100μm以下であることを特徴とする。
ここで、本明細書中において対物レンズとは、光ピックアップ装置に光情報記録媒体を装填した状態で、最も光情報記録媒体に近い位置において、光情報記録媒体と対向して配置される集光作用を有する光学素子を指すが、単一のレンズ(単玉)のみで構成されているものに限定されず、複数のレンズを光軸方向に組み合わせて構成されるレンズ群をまとめたものであってもよく、更に、これら単一のレンズあるいは複数のレンズとともに、アクチュエータによって少なくともその光軸方向に移動可能な光学素子も含めたものであってもよい。
また、光情報記録媒体とはCD、DVD、CD−R、MD、MO、高密度光ディスク等の所定の波長の光束を用いて情報の再生及び/又は記録を行なう一般的な光ディスクを指す。
また、位相差付与構造とは、入射光束に対して所定の位相差を付与することにより、この光束に対して特定の作用を与える構造を指すものであり、必ずしも回折作用に限定されるものではない。
位相差付与構造としては、例えば、光軸を含む平面(子午断面)でその断面をみた場合に鋸歯状あるいは光軸方向に沿った階段状となった構造などを指す。
また、本明細書中において、保護基板とは光情報記録媒体の情報記録面を保護するために、情報記録面の光束入射面側に形成される光学的に透明な平行平板を指す。光源から出射された光束は、対物レンズによって保護基板を介して光情報記録媒体の情報記録面上に集光されることになる。
請求項1に記載の発明によれば、対物レンズの少なくとも一方の面に形成する位相差付与構造(例えば回折構造)により、各々の光情報記録媒体の基板厚補正と、第1の光情報記録媒体に関する温度特性の改善を図るものとする。
また、結像倍率m1が−1/4以下となると、軸外特性の悪化や、温度特性を改善するために回折作用を強めることによる波長特性の悪化が懸念される。また、結像倍率m1が−1/15以上となると光学系の全長が長くなり、光ピックアップ装置の大型化を招いてしまう。従って、結像倍率m1を上記範囲内とすることで、軸外特性の向上及び光ピックアップ装置の小型化を達成できる。
また、フレア光により第2の光情報記録媒体の情報記録面上に形成される、光軸を中心とした同心円形状の内径(フレア径d1)が100μmより大きくなる場合には回折作用が弱すぎるため対物レンズの温度特性を改善できない。また、フレア径d1が5μmより小さくなると、逆に回折作用が強すぎるため対物レンズの波長特性が悪化し、色収差が発生してしまう。従って、フレア径d1を5μm以上100μm以下とすることで、波長特性と温度特性を良好に両立できる。
また、対物レンズに位相差付与構造としての回折構造を形成する場合には、回折光の回折次数を中央領域と周辺領域とでそれぞれ適宜設定することで、光情報記録媒体の種類に応じた十分な光量を得ることができると共に、各種収差(軸上色収差、温度特性収差等)を精度良く補正することができる。
また、請求項1の構成において、例えば波長λ2の光束に対する対物レンズの結像倍率m2を上記結像倍率m1とほぼ等しくすることにより、各々の光情報記録媒体の基板厚補正が容易となる。また、同時に第1の光情報記録媒体での温度特性の改善が図れる。特に、第1の光情報記録媒体として現行のDVDを用い、第2の光情報記録媒体として現行のCDを用いる場合には、DVDとCDの結像倍率(m1とm2)を揃えておくことで、基板厚補正と、高い開口数が要求されるDVD側の温度特性の改善との両立が可能となる。従って、第1の光情報記録媒体と第2の光情報記録媒体の少なくとも一方に対する情報の記録を可能とする、いわゆる書き込み対応のために対物レンズの開口数を大きくした場合には、このように結像倍率を揃えた設定とすることが好ましい。
また、請求項1に記載の構成において、結像倍率m1とm2とを異なる値(例えばm1>m2)とした場合、第2の光情報記録媒体におけるワーキングディスタンスWDを、m1=m2とした場合のWDよりも長くすることができ、対物レンズと第2の光情報記録媒体の情報記録面との干渉を防止できる。また、対物レンズ側のNAが大きくなり、結果として対物レンズに入射する波長λ2の光束の光量を多くすることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の対物レンズであって、前記結像倍率m1、前記波長λ1の光束による前記対物レンズの像側の開口数NA1、前記波長λ2の光束による前記対物レンズの像側の開口数NA2が、−1/4<m1<−1/10、0.60<NA1<0.70、0.45<NA2<0.55を満たすことを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、対物レンズをCDとDVDの互換用として好適に用いることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の対物レンズであって、プラスチック材料により構成され、前記フレア光により前記第2の光情報記録媒体の情報記録面上に形成される、光軸を中心とした同心円形状の内径が5μm以上50μm以下であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、温度変化による特性の変化量が大きいプラスチック製の対物レンズであっても、上記フレア径d1を5μm以上50μm以下に抑えて、波長特性と温度特性を良好に両立できる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の対物レンズであって、前記波長λ2の光束に対する前記対物レンズの結像倍率m2が−1/4<m2<−1/15を満たすことを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、第2の光情報記録媒体に対する温度特性と波長特性とをバランスさせたレンズ設計を行うことができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の対物レンズであって、前記結像倍率m1と前記波長λ2の光束に対する前記対物レンズの結像倍率m2とがほぼ等しいことを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、第1の光情報記録媒体と第2の光情報記録媒体の両者に対する温度特性と波長特性とをバランスさせたレンズ設計を行うことができる。つまり、結像倍率m1とm2をほぼ等しくすることにより、各々の光情報記録媒体の基板厚補正が容易となる。また、同時に第1の光情報記録媒体での温度特性の改善が図れる。特に、第1の光情報記録媒体として現行のDVDを用い、第2の光情報記録媒体として現行のCDを用いる場合には、DVDとCDの結像倍率(m1とm2)を揃えておくことで、基板厚補正と、高い開口数が要求されるDVD側の温度特性の改善との両立が可能となる。従って、第1の光情報記録媒体と第2の光情報記録媒体の少なくとも一方に対する情報の記録を可能とする、いわゆる書き込み対応のために対物レンズの開口数を大きくした場合には、このように結像倍率を揃えた設定とすることが特に重要となる。
また、第1の光源と第2の光源とが一体化された光源を使用する場合には、共役点の関係上、光情報記録媒体からの反射光を感知するセンサーの共通化が可能となる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の対物レンズであって、前記位相差付与構造としての回折構造が前記周辺領域に形成され、該回折構造により回折作用を受ける前記波長λ1の光束の2次〜6次回折光のいずれかを利用して情報の再生及び/又は記録を行ない、該回折構造に関するブレーズ化波長λB2がλ1とほぼ等しいことを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、第1の光情報記録媒体にのみ利用する周辺領域においては、ブレーズ化波長λB2は波長λ1と等しくする方が第1の光情報記録媒体における光量の確保には有利である。また、高回折次数とした場合には波長依存性が強まるという弱点がある一方で、回折構造のピッチが広がるので回折効率が高くなり、光量の確保の観点では有利となる。従って、トータルバランスを考えると波長λ1の光束の2次〜4次回折光が好ましく、光量を高めたい場合には5又は6次回折光が好ましい。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の対物レンズであって、前記位相差付与構造としての回折構造が前記中央領域に形成され、該回折構造により回折作用を受ける前記波長λ1の光束と波長λ2の光束それぞれの1次回折光を利用して情報の再生及び/又は記録を行ない、該回折構造に関するブレーズ化波長λB1が、λ1<λB1<λ2を満たすことを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、波長λ1及び波長λ2の光束の1次回折光を利用するので、光量を確保でき、また、波長依存性を回避できる。
さらに、波長λ1及び波長λ2の光束の1次回折光を利用する場合に、中央領域に形成する回折構造に関するブレーズ化波長λB1を、λ1<λB1<λ2の範囲内とする。ここで、例えば、λB1<λ1とした場合、λ2の回折効率がλ1と比較して極端に低くなり、また、λB1>λ2とした場合、λ1の回折効率がλ2と比較して極端に低くなってしまう。従って、十分な光量の確保が可能となる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の対物レンズであって、前記周辺領域を通過した前記波長λ2の光束による、前記対物レンズの近軸像点を基準とした場合の球面収差量の絶対値が5μm以上100μm以下であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、球面収差量d2の絶対値が100μmより大きくなると、対物レンズの温度特性が悪化してしまう。また、球面収差量d2の絶対値が5μmより小さくなると、対物レンズの波長特性が悪化し、色収差が発生してしまう。また、光検出器による合焦検出やトラック検出時に、集光スポットを光軸上のフレア光から分離できず、合焦検出及びトラック検出の精度が低下してしまう。
従って、フレア光による光軸上の球面収差量d2の絶対値を5μm以上100μm以下とすることにより、波長特性と温度特性を良好に両立でき、さらに、合焦検出及びトラック検出の精度低下を防止できる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の対物レンズを備えることを特徴とする。
請求光10に記載の発明は、請求項9に記載の光ピックアップ装置であって、前記波長λ2の光束に対する前記第2の光源から前記第2の光情報記録媒体の情報記録面上までの光学系倍率M2と、前記波長λ2の光束に対する前記対物レンズの結像倍率m2とが、M2<m2を満たすことを特徴とする。
請求項10に記載の発明によれば、第2の光源から第2の光情報記録媒体の情報記録面上までの光学系中に、例えば正の屈折力を有するカップリングレンズ等の光学素子を配置してM2<m2を満たす構成にすることにより、この光学素子を配置しない場合と比較して、第2の光源から出射される波長λ2の光束のうち、第2の光情報記録媒体の情報記録面上における集光スポットの形成に寄与する光束の光量を多くすることができる。
請求項11に記載の発明は、請求項9又は10に記載の光ピックアップ装置を備えることを特徴とする。
本発明によれば、温度特性及び波長特性を良好な状態で両立できる対物レンズ、特に光情報記録媒体の書き込み対応がなされた対物レンズ、光ピックアップ装置及び光情報記録再生装置を得られる。
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図1に示すように、光ピックアップ装置1は、光源としての半導体レーザ2、半導体レーザ2から出射された波長λ1とλ2の発散光を通過させると共に光情報記録媒体10(本実施の形態においてはDVD又はCD)で反射した光束を分岐するビームスプリッタ3、光束をDVD又はCDの情報記録面12上に集光させる対物レンズ20、対物レンズ20を所定の方向に移動させる2次元アクチュエータ(図示せず)、凹レンズ4、DVD又はCDからの反射光を検出する光検出器5等から概略構成される。
さらに、光源(半導体レーザ2)は、波長λ1の光束を出射する第1の光源(図示せず)と波長λ2の光束を出射する第2の光源(図示せず)とを一体化したものであり、発光点から光情報記録媒体の表面までの距離を第1の光情報記録媒体と第2の光情報記録媒体とで等しくしている。また、光検出器5の位置は、発光点位置の戻り光学系位置と共役であるため、第1の光情報記録媒体と第2の光情報記録媒体とで共通化している。対物レンズ20は2次元アクチュエータにより各々デフォーカス制御が行なわれる。
なお、説明の便宜上、DVDとCDを一つの図で表している。また、符合11は、情報記録面12を保護するために情報記録面12上に形成される保護基板を指す。また、本実施の形態においては、波長λ1の光束はDVD用、波長λ2の光束はCD用として用いるものとする。
図2に示すように、対物レンズ20は光源側の光学機能面(入射面21)と光情報記録媒体10側の光学機能面(出射面22)の両面が非球面の単レンズである。
入射面21上であって、光軸Lを中心とした一定高さ(光軸からの距離h=h0)以下の中央領域A1には、入射光束に対して所定の位相差を付与する位相差付与構造30が形成されている。
本実施の形態においては、位相差付与構造30は光軸Lを中心としたほぼ同心円状に形成され、入射光束を回折させる作用を有する回折輪帯31により構成されている。
各回折輪帯31は光軸Lに沿った平面(子午断面)でみた場合に鋸歯状に形成されており、各回折輪帯31に入射する波長λ1とλ2の光束に対して所定の光路差を付与することにより光束に回折作用を与えるようになっている。
本実施の形態においては、回折構造により回折作用を受ける波長λ1及び波長λ2の光束それぞれの1次回折光を利用して、情報の記録及び/又は記録を行なうものとする。なお、回折構造による回折光の発生原理については周知であるため説明を省略する。
各回折輪帯31の始点31aと終点31b(図2に一箇所だけ示す)は図2に示す所定の非球面S(以下、「母非球面」という。)上に位置しており、各回折輪帯31の形状は母非球面Sに対する光軸L方向への変位量で規定することができる。なお、回折輪帯31の設計手法については周知であるため説明を省略する。
入射面21上であって、中央領域A1の周囲を覆う位置には周辺領域A2が形成されており、本実施の形態においては、周辺領域A2にも位相差付与構造としての回折構造32(回折輪帯)が形成されている。
また、波長λ1の光束に対する結像倍率m1と波長λ2の光束に対する結像倍率m2はほぼ等しく、かつ、−1/4<m1<−1/15を満たすように設計されている。
このように、結像倍率m1とm2をほぼ等しくすることにより、DVDとCDの基板厚補正と、高い開口数が要求されるDVD側の温度特性の改善との両立が可能となる。従って、書き込み対応のために対物レンズの開口数を大きくした場合には、このように結像倍率を揃えた設定とすることが特に重要となる。
なお、結像倍率m1とm2とを異なる値(例えばm1>m2)としてもよい。この場合、第2の光情報記録媒体におけるワーキングディスタンスWDを、m1=m2とした場合のWDよりも長くすることができ、対物レンズと第2の光情報記録媒体の情報記録面との干渉を防止できる。また、対物レンズ側のNAが大きくなり、結果として対物レンズに入射する波長λ2の光束の光量を多くすることができる。
また、結像倍率m1(m2も同様)が−1/4以下となると軸外特性の悪化を招き、−1/15以上となると光学系の全長が長くなり光ピックアップ装置の大型化を招いてしまう。
特に、波長λ1の光束に対する結像倍率m1が−1/4<m2<−1/10を満たし、波長λ1の光束による対物レンズの像側の開口数NA1が0.60<NA1<0.70を満たし、さらに、波長λ2の光束による対物レンズの像側の開口数NA2が、0.45<NA2<0.55を満たすように対物レンズを設計することにより、対物レンズ及び光ピックアップ装置をCDとDVDの互換用として好適に用いることができる。
次に、上述のように構成された対物レンズ20を備える光ピックアップ装置1の動作について説明する。
まず半導体レーザ2光源から出射された波長のλ1とλ2の光束はビームスプリッタ3及び絞りを通過して対物レンズ20の入射面21に至る。
そして、図2に示すように、入射面21に入射する光束のうち、中央領域A1を通過する波長λ1とλ2の光束は回折輪帯31により回折作用を受けて出射される。そして、これら波長λ1の光束と波長λ2の光束の1次回折光が、それぞれDVDとCDの情報記録面12上に収束し、光軸L上にスポットPを形成する。
また、入射面21に入射する光束のうち、周辺領域A2を通過する波長λ1の光束は、回折輪帯31により回折作用を受けて出射される。そして、波長λ1の光束の1次回折光が、DVDの情報記録面12上に収束し、光軸L上にスポットPを形成する。
また、周辺領域を通過する波長λ2の光束は、回折輪帯32により回折作用を受けて出射される。
ところが、この出射光は上記スポットPには収束せず、CDの情報記録面12上であってスポットPが形成されている位置から光軸Lに対して垂直な方向に僅かにずれた位置に到達する。
このように、周辺領域A2に入射する光束はフレア光となり情報記録面12上のスポットPに収束しないことから、対物レンズ20が絞りとしての機能も有することになる。
次に、スポットPに集光した波長λ1とλ2の光束はそれぞれ情報記録面12で情報ピットにより変調されて反射される。反射した光束は再び対物レンズ20を通過して、ビームスプリッタ3で反射して分岐される。
分岐された光束は凹レンズ4を経て光検出器5に入射する。光検出器5は入射光のスポットを検出して信号を出力し、その出力された信号を用いてDVD又はCDに記録された情報の読み取り信号を得る。
また、光検出器5上でのスポットの形状変化や位置変化による光量変化等を検出して合焦検出やトラック検出が行われる。この検出結果に基づいて図示しない2次元アクチュエータは各光束がスポットとして情報記録面12上に結像するように、対物レンズ20をフォーカス方向及びトラッキング方向に移動させる。
ここで、本発明においては、図2及び図3に示すように、上記波長λ2の光束のフレア光により情報記録面12上に形成される、光軸Lを中心とした同心円40の内径d1(以下、「フレア径d1」という)が、5μm以上で100μm以下となるように対物レンズが設計されている。なお、この条件を満たす対物レンズ及び光ピックアップ装置の設計手法は、当業者にとって周知の技術であるため、説明を省略する。
フレア径d1が100μmより大きくなると、対物レンズの温度特性が悪化してしまう。また、フレア径d1が5μmより小さくなると、対物レンズの波長特性が悪化し、色収差が発生してしまう。
従って、フレア径d1を5μm以上100μm以下とすることで、波長特性と温度特性を良好に両立できる。
なお、対物レンズをプラスチック材料で構成する場合には、プラスチック製の対物レンズは温度変化による特性の変化量が大きいことを考慮して、上記フレア径d1を5μm以上50μm以下に抑えることがより好ましい。
また、図2に示すように、合焦位置を基準として、フレア光による光軸L上の球面収差量d2の絶対値が5μm以上100μm以上となるように対物レンズを設計することがより好ましい。なお、球面収差がオーバーとなる方向を正とする。
球面収差量d2の絶対値が100μmより大きくなると、対物レンズの温度特性が悪化してしまう。また、球面収差量d2の絶対値が5μmより小さくなると、対物レンズの波長特性が悪化し、色収差が発生してしまい、また、光検出器5による合焦検出やトラック検出時に、上記スポットPを光軸L上のフレア光から分離できず、合焦検出及びトラック検出の精度が低下してしまう。
従って、フレア光による光軸L上の球面収差量d2の絶対値を5μm以上100μm以下とすることにより、波長特性と温度特性を良好に両立でき、さらに、合焦検出及びトラック検出の精度低下を防止できる。
また、上述のように、本実施の形態においては、回折構造により回折作用を受ける波長λ1及び波長λ2の光束それぞれの1次回折光を利用して、情報の記録及び/又は再生を行なうものとしている。
図4は、本発明に係る対物レンズに形成した回折構造により、波長600nm〜800nmの各光束に回折作用を与えた場合の、回折次数と回折効率との関係を示すものである。
図4より、波長600nm〜800nmのいずれの光束であっても、1次回折光の回折効率が最も高いことが分かる。また、1次回折光以外の回折光では、波長の変化量に対する回折効率の変化量が大きい、いわゆる波長依存性が高くなるため波長特性が悪化してしまう。
従って、波長λ1及び波長λ2の光束共に1次回折光を利用して情報の記録及び/又は再生を行なうことが、光量の確保及び波長依存性の回避の観点から最も好ましいと判断できる。
また、波長λ1及び波長λ2の光束の1次回折光を利用する場合には、中央領域に形成する回折構造に関するブレーズ化波長λB1を、λ1<λB1<λ2の範囲内とすることが好ましい。これは、図4から分かるように、例えば、λB1<λ1とした場合、λ2の回折効率がλ1と比較して極端に低くなり、また、λB1>λ2とした場合、λ1の回折効率がλ2と比較して極端に低くなってしまうからである。
また、周辺領域に形成する回折構造に関するブレーズ化波長λB2を波長λ1とほぼ等しい値とし、この回折構造により回折作用を受ける波長λ1の光束に関しては2次〜6次の回折光を利用して情報の記録及び/又は再生を行なうこととしてもよい。
DVDにのみ利用する周辺領域においては、ブレーズ化波長λB2は波長λ1と等しくする方が第1の光情報記録媒体における光量の確保には有利である。また、回折次数に関しても高回折次数とした場合には波長依存性が強まるという弱点がある一方で、回折構造のピッチが広がるので回折効率が高くなり、光量の確保の観点では有利となる。従って、トータルバランスを考えると波長λ1の光束の2次〜4次回折光が好ましく、光量を高めたい場合には5又は6次回折光が好ましい。
また、本実施の形態においては、中央領域と周辺領域に回折輪帯が形成されるものとしたが、本発明に係る対物レンズはこれに限定されるものではなく、例えば、図5〜図7に示すような対物レンズであっても良い。
図5に示す対物レンズ50は、中央領域A1に位相差付与構造としての回折輪帯51を備え、周辺領域A2が屈折面52で構成されたものである。
図6に示す対物レンズ60は、中央領域A1と周辺領域A2共に位相差付与構造を備えるが、中央領域A1の位相差付与構造は、光軸Lを中心として同心円状に形成された階段状の段差61からなる。
各段差は光軸Lから離れるに従って光源側に突出するように形成されており、各段差に入射する特定波長の光束に対して所定の位相差を付与することにより光束に回折作用と同様の作用を与えるようになっている。また、各段差の形状は母非球面Sに対する光軸L方向への変位量で規定することができる。
周辺領域A2の位相差付与構造は光軸Lを中心とした鋸歯状の回折輪帯62で構成されている。
図7に示す対物レンズ70は、中央領域A1に位相差付与構造を備え、周辺領域A2に屈折面71を備える。
中央領域A1の位相差付与構造は、光軸Lを中心として同心円状に形成された階段状の段差72からなり、各段差に入射する特定波長の光束に対して所定の位相差を付与することにより光束に回折作用と同様の作用を与えるようになっている。
なお、本実施の形態においては、対物レンズ20の入射面21に中央領域A1と周辺領域A2を設けるものとしたが、これに限らず、例えばこれら領域A1、A2を出射面22に設けても良く、あるいは、これら領域A1、A2を入射面21と出射面22の両方に設けても良い。
また、光ピックアップ装置を、図8に示すような構成としてもよい。
この光ピックアップ装置80は、第1の光源81と第2の光源82とを別体に配置し、第2の光源82と第1のビームスプリッタ83の間に、正の屈折力を有するカップリングレンズ84を配置し、更に第1の光源81からの出射光を反射して対物レンズ20に入射させる第2のビームスプリッタ85を備える点が上記光ピックアップ装置1と異なる点である。
このように、第2の光源82とビームスプリッタ83の間に、正の屈折力を有するカップリングレンズ84を配置し、波長λ2の光束に関する第2の光源82から第2の光情報記録媒体の情報記録面12上までの光学系倍率M2が対物レンズ10単体の結像倍率m2よりも小さくなる、つまりM2<m2を満たす構成とすることにより、カップリングレンズ84を配置しない光ピックアップ装置1の構成と比較して、第2の光源82から出射される波長λ2の光束のうち、第2の光情報記録媒体の情報記録面12上における集光スポットの形成に寄与する光束の光量を多くすることができる。
なお、カップリングレンズ84は、第2の光源82から第2の光情報記録媒体の情報記録面12上までの光学系中に配置されていればよく、また、図1に示したような、第1の光源と第2の光源とを一体化した光源2を用いてもよい。
なお、図示は省略するが、上述した光ピックアップ装置10及び80に、光情報記録媒体を回転自在に保持する回転駆動装置やこれら各種装置の駆動を制御する制御装置等を組み合わせることで、光情報記録媒体に対する情報の記録及び光情報記録媒体に記録された情報の再生のうち少なくとも一方の実行が可能な光情報記録再生装置を得ることができる。
[実施例1]
次に、対物レンズ及び光ピックアップ装置の第1の実施例について説明する。
本実施例においては、回折構造により回折作用を受ける波長λ1(DVD)及び波長λ2(CD)の光束それぞれの1次回折光を利用する。そして、DVDでは情報の再生のみを行ない、CDでは情報の再生と記録(書き込み)を行なうようになっている。
本実施例においては、図2に示したものと同様に、両面非球面の単レンズである対物レンズの一方の光学面(入射面)上であって、光軸Lからの高さhが1.489mm以下の中央領域A1と1.489mm以上の周辺領域にそれぞれ位相変調手段としての回折輪帯を備えるものである。
なお、図2は本実施例で使用する対物レンズの概略図を示すものである。従って、回折輪帯の数や、レンズ径に対する中央領域と周辺領域が径方向に占める割合などは、本実施例の対物レンズと必ずしも一致するものではない。
表1、表2に対物レンズのレンズデータを示す。
Figure 2004264815
Figure 2004264815
表1に示すように、本実施例の対物レンズは、第1の光源から出射される波長λ1=655nmのときの焦点距離f1=2.50mm、像側開口数NA1=0.60、結像倍率m1=−1/7に設定されており、第2の光源から出射される波長λ2=785nmのときの焦点距離f2=2.51mm、像側開口数NA2=0.51、結像倍率m2=−1/7.1に設定されている。
表1中の面番号2、2´はそれぞれ対物レンズの入射面のうち光軸Lからの高さhが1.489mm以下の中央領域A1、hが1.489mm以上の周辺領域A2、面番号3は出射面を示している。また、riは曲率半径、diは第i面から第i+1面までの光軸L方向の位置、niは各面の屈折率を表している。
対物レンズの第2面、第2´面、第3面は、それぞれ次式(数1)に表1及び表2に示す係数を代入した数式で規定される、光軸Lの周りに軸対称な非球面に形成されている。
また、第2面の回折構造に関するブレーズ化波長λB1は730nm、第2´面の回折構造に関するブレーズ化波長λB2は655nmである。
Figure 2004264815
ここで、X(h)は光軸L方向の軸(光の進行方向を正とする)、κは円錐係数、A2iは非球面係数である。
また、回折輪帯のピッチは数2の光路差関数に、表2に示す係数を代入した数式で規定される。
Figure 2004264815
ここで、B2iは光路差関数の係数である。
図9(a)は、波長λ1=655nmの光束と保護基板厚が0.6mm、即ち、DVDにおける球面収差量と瞳座標(縦軸の1がNA0.60に相当する。)を示すグラフであり、図9(b)は、波長λ2=785nmの光束と保護基板厚が1.2mm、即ち、CDにおける球面収差量と瞳座標(縦軸の1がNA0.60に相当する。)を示すグラフである。
図9(a)、(b)から、DVDとCD共に必要開口数内において球面収差が良好に補正されていることが分かる。
図10は、温度特性及び波長特性を示すものである。
DVD使用時における温度特性について検証すると、温度上昇が+30度、波長λ1の変化量が+6nmの時に、球面収差は0.029λrms程度の増加に留まった。これより、温度特性について実用上問題がないことが分かった。
また、DVD使用時における波長特性について検証すると、波長λ1の変化量が−10nmの時に、球面収差は0.029λrms程度の増加に留まった。これより、温度特性について実用上問題がないことが分かった。
CD使用時における温度特性について検証すると、温度上昇が+30度、波長λ1の変化量が+8.1nmの時に、球面収差は0.007λrms程度の増加に留まった。これより、温度特性について実用上問題がないことが分かった。
また、CD使用時における波長特性について検証すると、波長λ1の変化量が−10nmの時に、球面収差は0.019λrms程度の増加に留まった。これより、温度特性について実用上問題がないことが分かった。
以上より、DVDとCDに対して十分な互換性を有することが確認された。
[実施例2]
次に、対物レンズ及び光ピックアップ装置の第2の実施例について説明する。
本実施例においても、実施例1と同様に、回折構造により回折作用を受ける波長λ1(DVD)及び波長λ2(CD)の光束それぞれの1次回折光を利用するものである。そして、DVDとCD共に情報の再生と記録(書き込み)を行なうようになっている。
本実施例においては、図2に示した、両面非球面の単レンズである対物レンズの一方の光学面(入射面)上であって、光軸Lからの高さhが1.489mm以下の中央領域A1と1.489mm以上の周辺領域にそれぞれ位相変調手段としての回折輪帯を備えるものである。
表3、表4に対物レンズのレンズデータを示す。
Figure 2004264815
Figure 2004264815
表3に示すように、本実施例の対物レンズは、第1の光源から出射される波長λ1=655nmのときの焦点距離f1=2.50mm、像側開口数NA1=0.65、結像倍率m1=−1/7に設定されており、第2の光源から出射される波長λ2=785nmのときの焦点距離f2=2.52mm、像側開口数NA2=0.51、結像倍率m2=−1/7.1に設定されている。
表3中の面番号2、2´はそれぞれ対物レンズの入射面のうち光軸Lからの高さhが1.489mm以下の中央領域A1、hが1.489mm以上の周辺領域A2、面番号3は出射面を示している。また、riは曲率半径、diは第i面から第i+1面までの光軸L方向の位置、niは各面の屈折率を表している。
対物レンズの第2面、第2´面、第3面は、それぞれ上記数1に表3及び表4に示す係数を代入した数式で規定される、光軸Lの周りに軸対称な非球面に形成されている。
また、第2面の回折構造に関するブレーズ化波長λB1は730nm、第2´面の回折構造に関するブレーズ化波長λB2は655nmである。
また、回折輪帯のピッチは上記数2の光路差関数に、表4に示す係数を代入した数式で規定される。
図11(a)は、波長λ1=655nmの光束と保護基板厚が0.6mm、即ち、DVDにおける球面収差量と瞳座標(縦軸の1がNA0.65に相当する。)を示すグラフであり、図11(b)は、波長λ2=785nmの光束と保護基板厚が1.2mm、即ち、CDにおける球面収差量と瞳座標(縦軸の1がNA0.65に相当する。)を示すグラフである。
図11(a)、(b)から、DVDとCD共に、必要開口数内において球面収差が良好に補正されていることが分かる。
図12は、温度特性及び波長特性を示すものである。
DVD使用時における温度特性について検証すると、温度上昇が+30度、波長λ1の変化量が+6nmの時に、球面収差は0.045λrms程度の増加に留まった。これより、温度特性について実用上問題がないことが分かった。
また、DVD使用時における波長特性について検証すると、波長λ1の変化量が−10nmの時に、球面収差は0.035λrms程度の増加に留まった。これより、温度特性について実用上問題がないことが分かった。
CD使用時における温度特性について検証すると、温度上昇が+30度、波長λ1の変化量が+8.1nmの時に、球面収差は0.009λrms程度の増加に留まった。これより、温度特性について実用上問題がないことが分かった。
また、CD使用時における波長特性について検証すると、波長λ1の変化量が−10nmの時に、球面収差は0.019λrms程度の増加に留まった。これより、温度特性について実用上問題がないことが分かった。
以上より、DVDとCDに対して十分な互換性を有することが確認された。
本実施の形態に係る光ピックアップ装置及び対物レンズを示す平面図である。 対物レンズの構造を示す縦断面図である。 情報記録面上のスポットとフレア光による光軸を中心とした同心円形状を示す正面図である。 波長600nm〜800nmの各光束に回折作用を与えた場合の、回折次数と回折効率との関係を示すグラフである。 対物レンズの構造を示す縦断面図である。 対物レンズの構造を示す縦断面図である。 対物レンズの構造を示す縦断面図である。 光ピックアップ装置の他の構成を示す平面図である。 球面収差量を示すグラフ(a)、(b)である。 温度特性と波長特性を示す表である。 球面収差量を示すグラフ(a)、(b)である。 温度特性と波長特性を示す表である。
符号の説明
A1 中央径領域
A2 周辺領域
1 光ピックアップ装置
2 光源
10 光情報記録媒体
12 情報記録面
20 対物レンズ
21 光学機能面(入射面)
22 光学機能面(出射面)
30 位相差付与構造

Claims (11)

  1. 第1の光源から出射される波長λ1の光束を保護基板厚t1の第1の光情報記録媒体の情報記録面上に集光させると共に第2の光源から出射される波長λ2(λ2>λ1)の光束を保護基板厚t2(t2>t1)の第2の光情報記録媒体の情報記録面上に集光させることにより、前記第1の光情報記録媒体と第2の光情報記録媒体の両方に対して情報の再生が可能であると共に、少なくとも一方に対して情報の記録が可能な光ピックアップ装置に用いられる対物レンズであって、
    前記波長λ1の光束に対する前記対物レンズの結像倍率m1が−1/4<m1<−1/15を満たし、
    前記対物レンズの少なくとも一方の光学面には、前記波長λ1と波長λ2の光束の少なくとも一方に対して位相差を付与する位相差付与構造が形成されると共に、該光学面が、光軸を含む同心円状の中央領域と、この中央領域の周囲を覆う周辺領域とを備え、
    前記波長λ1の光束は、前記中央領域及び周辺領域を通過して前記第1の光情報記録媒体の情報記録面上に集光し、
    前記波長λ2の光束のうち、前記中央領域を通過する光束は前記第2の光情報記録媒体の情報記録面上に集光し、前記周辺領域を通過する光束は前記第2の光情報記録媒体の情報記録面上に集光せずにフレア光となり、
    前記フレア光により前記第2の光情報記録媒体の情報記録面上に形成される、光軸を中心とした同心円形状の内径が5μm以上100μm以下であることを特徴とする対物レンズ。
  2. 請求項1記載の対物レンズであって、
    前記結像倍率m1、前記波長λ1の光束による前記対物レンズの像側の開口数NA1、前記波長λ2の光束による前記対物レンズの像側の開口数NA2が、
    −1/4<m1<−1/10
    0.60<NA1<0.70
    0.45<NA2<0.55
    を満たすことを特徴とする対物レンズ。
  3. 請求項1又は2記載の対物レンズであって、
    プラスチック材料により構成され、
    前記フレア光により前記第2の光情報記録媒体の情報記録面上に形成される、光軸を中心とした同心円形状の内径が5μm以上50μm以下であることを特徴とする対物レンズ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の対物レンズであって、
    前記波長λ2の光束に対する前記対物レンズの結像倍率m2が−1/4<m2<−1/15を満たすことを特徴とする対物レンズ。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の対物レンズであって、
    前記結像倍率m1と前記波長λ2の光束に対する前記対物レンズの結像倍率m2とがほぼ等しいことを特徴とする対物レンズ。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の対物レンズであって、
    前記位相差付与構造としての回折構造が前記周辺領域に形成され、該回折構造により回折作用を受ける前記波長λ1の光束の2次〜6次回折光のいずれかを利用して情報の再生及び/又は記録を行ない、該回折構造に関するブレーズ化波長λB2がλ1とほぼ等しいことを特徴とする対物レンズ。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の対物レンズであって、
    前記位相差付与構造としての回折構造が前記中央領域に形成され、該回折構造により回折作用を受ける前記波長λ1の光束と波長λ2の光束それぞれの1次回折光を利用して情報の再生及び/又は記録を行ない、該回折構造に関するブレーズ化波長λB1が、
    λ1<λB1<λ2
    を満たすことを特徴とする対物レンズ。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の対物レンズであって、
    前記周辺領域を通過した前記波長λ2の光束による、前記対物レンズの近軸像点を基準とした場合の球面収差量の絶対値が5μm以上100μm以下であることを特徴とする対物レンズ。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の対物レンズを備えることを特徴とする光ピックアップ装置。
  10. 請求項9に記載の光ピックアップ装置であって、
    前記波長λ2の光束に対する前記第2の光源から前記第2の光情報記録媒体の情報記録面上までの光学系倍率M2と、前記波長λ2の光束に対する前記対物レンズの結像倍率m2とが、M2<m2を満たすことを特徴とする光ピックアップ装置。
  11. 請求項9又は10に記載の光ピックアップ装置を備えることを特徴とする光情報記録再生装置。
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