JP2004264492A - 撮影方法及び撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の撮像部を3次元空間内に配置して、場所を選ばずに対象物の複数の映像を撮影することができると共に、この複数の映像を用いて立体的な映像表示を行うことを可能にする撮影方法及び撮像装置を提供する。
【解決手段】支持部3に支持された複数の撮像部50の相対位置を支持部3により変更可能である構成の撮像装置10を使用して、複数の撮像部50により略同一の被写体Hを異なる位置から撮影し、複数の撮像部50からの映像信号を使用して立体的な映像表示を行う。また、複数の撮像部50と、これらを支持する支持部3とを備え、この支持部3が複数の撮像部50の相対位置を変更することが可能な構成とされ、複数の撮像部50によりそれぞれ撮影された映像信号から立体的な映像表示用の映像を作成する信号処理手段を有する撮像装置10を構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】支持部3に支持された複数の撮像部50の相対位置を支持部3により変更可能である構成の撮像装置10を使用して、複数の撮像部50により略同一の被写体Hを異なる位置から撮影し、複数の撮像部50からの映像信号を使用して立体的な映像表示を行う。また、複数の撮像部50と、これらを支持する支持部3とを備え、この支持部3が複数の撮像部50の相対位置を変更することが可能な構成とされ、複数の撮像部50によりそれぞれ撮影された映像信号から立体的な映像表示用の映像を作成する信号処理手段を有する撮像装置10を構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、対象物(被写体)を取り囲むように、複数の撮像部を配置し、各撮像部からの映像を選択して、あたかも視点を自由に変更したような映像を得ることができる撮影方法及び撮像装置に関するものであり、特に、複数の撮像部からの映像を用いて立体的な映像表示(3D表示)を行う場合に適用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
複数の撮像部(カメラ)を使用し、対象物を取り囲むように静止画、動画を撮影し、視点を自由に変更しながら楽しむような撮影システムが開発されつつあり、実用に供されるところである(例えば特許文献1及び特許文献2参照。)。
【0003】
このような撮影システムにおいては、対象物をカメラがどう捕らえるかは、対象物により、また撮影者の意思により決定されるもので、カメラの設定にはフレキシビリティが要求される。
【0004】
一方、それぞれカメラで撮影した画像は最終的には張り合わせられるので、カメラ間の各視点の位置はある曲線状に滑らかに配置される必要がある。また、カメラ間の距離も(これは主としてカメラの画角や、どこまでをオーバーラップさせるかにより決まる)フレキシブル、かつ安定に決める必要がある。
【0005】
また、上述の撮影システムにおいては、複数のカメラが被写体に対して、視点が一致するように配置される必要がある。
【0006】
【特許文献1】
特開昭51−142212号公報
【特許文献2】
米国特許第3815979号明細書
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した複数のカメラを用いた撮影システムにおいて、さらに複数のカメラからのそれぞれの映像を利用して、立体的な映像表示、即ちいわゆる3D表示を行うことが考えられている。
【0008】
しかしながら、このような撮影システムにおいて、多視点からの3D表示を行うと共に、複数のカメラの配置を調整し、対象物に向けて正確に固定する方法は、今までになかった。
【0009】
従来、複数のカメラの配置を調整し、対象物に向けて正確に固定する場合には、例えば床面に配置する固定の治具のようなものに頼っていた。
この固定の治具は、床面に対する平行面上でのカメラの配置形状を2次元的に固定的に決めるものであった。
また、特定のスタジオに設置されるのが常であり、屋外や、スタジオから離れた場所での撮影には向いていなかった。
しかも、複数のカメラによる被写体への視点を一致させるために、従来は撮影現場に固定された複数のカメラの支持装置を使用していたため、機動性が悪いばかりでなく、撮影者の撮影の自由度を阻害し、監督の撮影意図を表現するのが困難であった。
【0010】
上述した問題の解決のために、本発明においては、複数の撮像部を3次元空間内に配置して、場所を選ばずに対象物の複数の映像を撮影することができると共に、この複数の映像を用いて立体的な映像表示を行うことを可能にする撮影方法及び複数の撮像部から成る撮像装置を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の撮影方法は、複数の撮像部が支持部により支持され、複数の撮像部の相対位置が支持部により変更可能である構成の撮像装置を使用して、複数の撮像部により略同一の被写体を異なる位置から撮影し、複数の撮像部からの映像信号を使用して立体的な映像表示を行うものである。
【0012】
本発明の撮像装置は、複数の撮像部と、この複数の撮像部を支持する支持部とを備え、この支持部は複数の撮像部の相対位置を変更することが可能な構成とされ、複数の撮像部によりそれぞれ撮影された映像信号から立体的な映像表示用の映像を作成する信号処理手段を有するものである。
【0013】
上述の本発明の撮影方法によれば、複数の撮像部が支持部により支持され、複数の撮像部の相対位置が支持部により変更可能である構成の撮像装置を使用して、複数の撮像部により略同一の被写体を異なる位置から撮影し、複数の撮像部からの映像信号を使用して立体的な映像表示を行うことにより、被写体の立体的な映像を表示することができると共に、複数の撮像部の相対位置を変更して、撮像部の位置を変えた立体的な映像を得ることが可能になる。
【0014】
上述の本発明の撮像装置の構成によれば、複数の撮像部と、この複数の撮像部を支持する支持部とを備え、この支持部は複数の撮像部の相対位置を変更することが可能な構成とされ、複数の撮像部によりそれぞれ撮影された映像信号から立体的な映像表示用の映像を作成する信号処理手段を有することにより、被写体の立体的な映像を表示することが可能になると共に、複数の撮像部の相対位置を変更して、被写体の見え方が変更前とは異なる立体的な映像を得ることが可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明は、複数の撮像部が支持部により支持され、複数の撮像部の相対位置が支持部により変更可能である構成の撮像装置を使用して、複数の撮像部により略同一の被写体を異なる位置から撮影し、複数の撮像部からの映像信号を使用して立体的な映像表示を行う撮影方法である。
【0016】
また、上記本発明の撮影方法において、撮像装置が撮像部を3つ以上有し、各撮像部からの映像信号のうち2つの撮像部の映像信号を選択して、選択した映像信号をそれぞれ右目用画像と左目用画像として表示することにより、立体的な映像表示を行うことを可能とする。
【0017】
本発明は、複数の撮像部と、この複数の撮像部を支持する支持部とを備え、この支持部は複数の撮像部の相対位置を変更することが可能な構成とされ、複数の撮像部によりそれぞれ撮影された映像信号から立体的な映像表示用の映像を作成する信号処理手段を有する撮像装置である。
【0018】
また、上記本発明の撮像装置において、支持部が複数の撮像部の相対位置を連続的に変化させることが可能である構成とすることを可能とする。
【0019】
また、上記本発明の撮像装置において、支持部により、複数の撮像部が、同一直線上、同一円弧上、同一平面上、同一球面上のいずれかに配置される構成とすることを可能とする。
【0020】
また、上記本発明の撮像装置において、支持部が可搬性を有し、撮像装置全体を持ち運びすることが可能である構成とすることを可能とする。
【0021】
本発明の一実施の形態として、撮像装置の概略構成図を図1に示す。
この撮像装置10は、曲線状に形成された支持フレーム部材3に、複数の撮像部として、5台のカメラ50(50A,50B,50C,50D,50E)が固定されて構成されている。
そして、5台のカメラ50A,50B,50C,50D,50Eを、同一の被写体Hに向けて配置して、この5台のカメラ50A,50B,50C,50D,50Eにより、被写体Hを同一距離から同一の画角θで撮影するように構成されている。
この撮像装置10において、5台のカメラ50A,50B,50C,50D,50Eによって撮影される映像は、被写体Hを多視点から見た映像となる。
【0022】
本実施の形態においては、支持フレーム部材3が、例えば曲線の曲率を変化させることにより、5台のカメラ50A,50B,50C,50D,50Eの相対位置を変更することが可能な構成とする。
【0023】
さらに、より好ましくは、支持フレーム部材3が、5台のカメラ50A,50B,50C,50D,50Eの相対位置を、連続的に(アナログ的に)変化させることが可能な構成とする。
【0024】
このように5台のカメラ50A,50B,50C,50D,50Eの相対位置を変更することが可能な構成とすることにより、カメラ50から被写体までの距離を変更して、被写体に対して所望のカメラ配置とすることが可能になる。
【0025】
撮像装置10の各撮像部を構成する5台のカメラ50(50A,50B,50C,50D、50E)は、被写体の静止画を撮影するものでも、動画を撮影するものでもよい。
例えば動画を撮影するものであれば、視点を変更した複数の動画が得られることになる。
【0026】
カメラ50は、図示しない光学レンズと、光学レンズに連動するように設けられるフォーカスリングと、光学レンズを透過した被写体画像を取り込んで撮像信号を生成する撮像素子例えばCCDイメージセンサ(イメージャー)と、このイメージャーから出力される撮像信号にカメラ信号処理を施すカメラ信号処理回路とを少なくとも備えている。
また、カメラ50がカメラ一体型VTRである場合には、カメラ信号処理回路からの画像信号をテープ状記録媒体やディスク状記録媒体に記録する記録回路と、記録回路により記録媒体に記録された画像信号を記録媒体から再生する再生回路とを備える。
つまり、カメラ50がカメラ一体型VTRではなく、カメラ信号処理回路で処理した信号のみを出力するときには、少なくとも記録部と再生部とを別体に備える。
【0027】
さらに、本実施の形態においては、5台のカメラ50A,50B,50C,50D,50Eによって撮影される映像から、隣接する2台のカメラの映像を用いて、立体的な映像表示、即ちいわゆる3D表示を行う構成とする。
【0028】
この撮像装置10を用いて構成した撮影システムの概略構成のブロック図を図2に示す。
5台のカメラ50A,50B,50C,50D,50Eで撮影された映像は、VTR等の記録装置100に送られて、記録装置100内にて、記録媒体例えばテープ状記録媒体又はディスク状記録媒体(ハードディスクを含む)に記録される。
特に、カメラ50により動画を撮影する場合には、各カメラ50(50A,50B,50C,50D,50E)が被写体Hの各動画像信号を送り、記録装置100内にて同期をとりながら記録する。
記録装置100に記録された映像信号は、再生装置(図中省略)により再生される。
その後、映像信号選択処理装置200により、5台のカメラ50A,50B,50C,50D,50Eからの映像信号のうち、右目用映像と左目用映像として隣り合う2台のカメラからの映像信号が選択されて処理された後、3D表示装置210により視聴者に提示される。
この3D表示装置210には、例えば、右目用映像と、左目用映像とをそれぞれ別の表示装置に提示する眼鏡型ディスプレイを用いることができる。
【0029】
そして、映像信号選択処理装置200を操作して、5台のカメラ50A,50B,50C,50D,50Eから出力された5つの映像信号のうち、右目用と左目用の隣り合うカメラからの2つの映像信号を、50A−50Bから、50B−50C、50C−50D、50D−50Eへと順次切り替えることによって、被写体Hの視点の異なった3D映像を見ることができる。
【0030】
図3には、各カメラ50から記録装置100に送られる、視点を変更したような被写体Hの各動画像信号MP1,MP2,MP3,MP4,MP5を示す。動画像信号MP1は、図3におけるカメラ50Aからの映像信号であり、動画像信号MP2は、カメラ50Bからの映像信号である。以下動画像信号MP3,MP4及びMP5は、それぞれカメラ50C,50D,50Eからの映像信号である。
【0031】
そして、3D表示を行う際には、これら動画像信号MP1,MP2,MP3,MP4,MP5から隣接する2つのカメラからの動画像信号を選択して、3D表示に使用する。
【0032】
なお、3D表示装置210には、上述した2つの表示部から成る眼鏡型ディスプレイを用いる他に、例えば、5つの視点における3D映像を同時に提示することが可能な、多視点型3D表示装置を用いても良い。このような表示装置を用いる場合には、映像信号処理選択装置200は必ずしも必要ではない。
【0033】
また、3D表示装置210に、2つの表示部を有する眼鏡型ディスプレイを用いる代わりに、1つの表示部から、例えばパララックスバリアやレンチキュラーレンズを使用して、右目と左目とにそれぞれ隣接するカメラからの異なる映像が見える構成としてもよい。
【0034】
なお、カメラ50の台数は、5台に限らず、複数であればよく、2台以上の任意の台数とすることが可能である。
カメラ50が2台のみの場合は、2台のカメラの映像信号を3D表示に利用できるので、3D表示に用いられるカメラ50の切り替えや映像信号の選択が不要になる。
一方、カメラ50が3台以上の場合には、3D表示に利用する2台のカメラの映像信号を切り替えることにより、多視点3D撮影を行うことが可能になる。
【0035】
上述の本実施の形態の撮像装置10の構成によれば、複数の撮像部即ち5台のカメラ50(50A,50B,50C,50D,50E)を曲線状の支持フレーム部材3に支持されるように配置し、支持フレーム部材3により各カメラ50の相対位置を変更することが可能な構成とされていることにより、各カメラ50を曲線状に配置し、支持フレーム部材3によってカメラ50を動かして各カメラ50の相対位置を変更することができる。
これにより、所定の場所を選ばずに、被写体Hの複数の映像を撮影することが可能になる。
【0036】
また、複数の撮像部(カメラ)50からの映像信号のうち隣接する2つのカメラからの映像信号が選択されることにより、5台のカメラ50A,50B,50C,50D,50Eによって撮影される映像から、隣接する2台のカメラからの映像を使用して、3D表示装置210において立体的な映像表示、即ちいわゆる3D表示が行われるため、所定の場所を選ばずに、被写体Hの複数の立体的な映像(3D映像)を作成することができる。
さらに、選択される映像信号を切り替えることにより、多視点3D撮影を行うことができる。
【0037】
次に、図1に概略構成図を示した撮像装置10の細部の具体的な構成の各形態を以下に説明する。
図1に示す撮像装置10は、具体的には、例えば図4に概略構成図を示すように構成することができる。
図4に示すように、それぞれのカメラ50(50A,50B,50C,50D,50E)は、雲台2(2A,2B,2C,2D,2E)上に取り付けられて、被写体Hに向けられている。
そして、各雲台2(2A,2B,2C,2D,2E)は、それぞれ5つの支柱1(1A,1B,1C,1D,1E)に支持固定されている。
各雲台2A,2B,2C,2D,2Eは、それぞれ後述するように、基準円環20(20A,20B,20C,20D,20E)を支持フレーム部材3に通すことにより位置合わせがなされている。
そして、さらに微調整されることによって、カメラ50A,50B,50C,50D,50Eの配置が調整される。
曲線状の支持フレーム部材3の両端部は、例えば支持部材となる三脚6(図5参照)に取り付けられている。
【0038】
次に、図1及び図4に示す本実施の形態の撮像装置10について、さらに具体的な形態を図5に示す。
なお、図1及び図4では、5台のカメラ50A,50B,50C,50D,50Eを示したが、この図5では、図示の都合上によりカメラ50を3台にした場合を示している。前述したように、カメラ50の台数は2台以上の任意の台数が可能である。
【0039】
図5に示すように、この撮像装置は、複数のカメラ50を支持するための複数の雲台2と、複数の雲台2を支持するための複数の支柱1と、複数の支柱1を設置面に安定に支持するための複数の支持材4と、複数の雲台2の空間的相対位置を、指定された3次元空間内の曲線に沿うように配置するための位置決め線材となる支持フレーム部材3とを備える。
各支柱1は、設置面上に置かれた自立ベース29に固定されている。
また、図中5は、支柱材4を安定化するためのバラストである。
【0040】
各雲台2は、カメラ50の空間的配置を決定する曲線に沿うように配置、固定される。曲線は、各終端を例えば支点となる三脚6等で固定された支持フレーム部材3により空間中に描かれる。この曲線は、例えば作画監督の意思を反映する、滑らかな曲線である。なお、この曲線は所定半径を有する円等に限定されるものではない。
即ち、支持フレーム部材3は、カメラ50の位置を決定するための位置決め線材として用いられている。
この支持フレーム部材3によって形成された曲線に沿って各雲台2が配置され、固定されることによって、各雲台2に取り付けられた各カメラ50は作画監督の意思を反映して滑らかな曲線状に配置されることになる。
【0041】
位置決め線材となる支持フレーム部材3は、例えば鋼製の金属線を用いて構成することができる。
この鋼製の金属線としては、具体的には、住宅内の電話線引き込み用や、屋内又は屋外の配管内の清掃用に使用される、商品名プラリーダーや、鋼平板等、各種の弾性体線状材料を用いることが可能である。これらの弾性体線状材料は、いわゆる自在定規のように曲線を形成するのに適しており、さらに固定を解けば弾性を有するため形状を初期の状態に戻すことができる。このため、様々な曲線を形成することができる。
なお、このような性質を備える弾性体線状材料であれば、上述の鋼製の金属線に限定されるものではなく、例えばプラスチック材料或いはゴム材料を用いた弾性体線状材料によって支持フレーム部材(位置決め線材)3を構成してもよい。
【0042】
このように、支持フレーム部材(位置決め線材)3を弾性体により構成することにより、各雲台2の後述する基準点となる基準円環20は引っ張られることになる。
【0043】
空間に配置した曲線に対し雲台2の位置決めをするには、まず概略のカメラ位置を設定するために、後述の図6に詳細を示す基準円環20に位置決め線材となる支持フレーム部材3を通す。この基準円環20は、指定された3次元空間内の曲線状に形成された位置決め線材3に合わせられる基準点である。
特に、この構成の基準円環20は、基準点となると共に、この基準点を支持フレーム部材3が描く曲線の位置に保持する基準点保持手段ともなる。この基準円環20と支持フレーム部材3との間には隙間があり、これが遊びとなってカメラ50のさらなる微調整を可能とする。
【0044】
基準円環20の取り付けられる位置は、雲台2上に搭載されるカメラ50の視線と平行な直線上にあり、支持フレーム部材3を基準円環20に通すことにより、雲台2は支持フレーム部材3の弾性力により引っ張られ、自動的にカメラ50の視線方向が支持フレーム部材3の法線方向となる。
【0045】
さらに、雲台2と支柱1の詳細な構成を図6に示す。
雲台2は、カメラ50をベース部分22にカメラ固定ネジ23を用いて固定する。また、ベース部分22は、第1連結部24に対して矢印A方向に回動する。所望の回動位置を保つためには、ねじ25とネジ止め26によって固定される。また、第1連結部24は第2連結部27に対して矢印B方向に回動する。
第2連結部27は、第1連結部24を連結する他に、支柱1の下部28及び支柱1の上部をも連結する。即ち第2連結部27は、支柱28に差し込まれ、かつ第1連結部24を固定する部材であり、支柱1の下部28及び第1連結部24に対してねじ(図示せず)で締め付けられる構造となっている。従って、雲台2には、カメラ50からみれば第1連結部24・ネジ25・ネジ23による3軸の自由度があり、さらに、第2連結部27の上下による自由度がある。
また、支柱1の下部28は、この支柱1を基準面上に固定する自立ベース29のホールに挿入され、固定されている。
【0046】
さらに、雲台2部分の平面図を図7に示す。
基準点となる基準円環20は、カメラ固定ネジ穴32を通る直線上に配置されるように、ベース部分22に棒状部材(スティック)21を介して固定される。
【0047】
次に、図5に示した構成の撮像装置において、複数のカメラ50を配置調整する方法について、図8のフローチャートを用いて詳細に説明する。
まず、ステップS1にて、雲台2が仮固定されている支柱1を仮配置する。このとき、使用するカメラ50の数に応じた必要数だけ、支柱1を設置場所に仮配置することになる。
次に、ステップS2にて、位置決め線材である支持フレーム部材3を、支点となる三脚6で固定しながら、所望の曲線を作成する。
【0048】
次に、ステップS3にて、各雲台2の基準円環(基準点)20を曲線に沿って配置・調整し、雲台2を仮固定する。このとき、曲線を形成している位置決め線材3を基準円環20に通すことにより、自動的にカメラ50の視線方向の概略調整が可能となる。
次に、ステップS4にて、各支柱1の安定化のため支柱材4を固定し、必要に応じてバラスト5で安定化する。
そして、ステップS5にて各カメラ50を各雲台2に取り付け、各カメラ50の画像を見ながら位置を微調整する。
最後に、ステップS6にて、ステップS5で微調整したカメラ50を、最終的に固定する。
【0049】
このように、図8に示すフローチャートに従って複数のカメラ50の配置を調整することにより、複数のカメラ50を予め設定された3次元空間内の曲線に沿って配置することが可能となる。
また、この方法によってカメラ50を配置した撮像装置によれば、撮影場所を固定することなく、所定の場所を選ばずに、対象物の複数の映像を撮影することができ、さらに多視点3D撮影を行うことが可能になる。
【0050】
なお、図9に平面図を示すように、円周上にカメラを複数台配置して、撮像装置を構成してもよい。この場合も、円状にされた支持フレーム部材3が雲台2の棒状部材(スティック)21の先の基準円環20を通るように、雲台2を調整して固定する。このとき、詳細な調整は、前述した図8にフローチャートを示した方法による。
この図9に示す構成においても、被写体Hに向いている矢印がカメラの視線方向である。
【0051】
また、基準円環20は、図10に示すように、スティック30の終端を半円形となし、ラッチ31と組み合わされて形成されても良い。ラッチ31付の基準円環20を用いることにより、支持フレーム部材3をこの穴の中に簡単に通すこともはずすこともできる。
また、支持フレーム部材3をはずさないのであれば、図11に示すように、ネジ33を用意し、これにより線材の遊びをなくし、不要な振動を防ぐことができる。
【0052】
また、前述した実施の形態では、図6及び図7に示したように、支持フレーム部材(位置決め線材)3と雲台2とを固定した構成であった。
ここで、位置決め線材は、カメラ配置を決めるための尺度となるものであるため、カメラが取り付けられた雲台が必ずしも位置決め線材に固定される必要はない。
即ち、位置決め線材がカメラの支持部材を兼ねない構成も考えられる。
その場合の構成を次に示す。
【0053】
図12に示すように、雲台2側に基準点を示す手段があれば、位置決め線材がカメラの支持部材を兼ねない構成が可能になる。
図12における棒状部材(スティック)40は、雲台2側で基準点を示すための基準点表示手段であり、単に位置決定規準となるような球状部分40Aがあるだけである。実際の使用状態では、この球状部分40Aを位置決め線材と接するように設定していけばよい。
この場合、前述した基準円環20に比較したメリットは、カメラの微調整がしやすいということがある。
この構成では、位置決め線材がカメラの支持部材を兼ねないため、カメラの支持部材は、支柱と雲台、並びに支柱の支持材等により構成される。
【0054】
次に、本発明の他の実施の形態として、撮像装置の概略構成図を図13に示す。
本実施の形態も、複数のカメラを使用し、被写体を取り囲むように静止画、動画を撮影し、視点を自由に変更したような映像を得ることができる撮像装置である。なお、この撮像装置は、各撮像部(カメラ)が、基本的に真円状の円周の一部又は全部に沿うように配置される。
【0055】
この撮像装置60は、図13に示すように、それぞれ撮像部となる7台のカメラ61(61A,61B,61C,61D,61E,61F,61G)と、これら7台のカメラ61(61A,61B,61C,61D,61E,61F,61G)の視点を常に一致させ、かつ各視点を連続的に変更できる支持装置とを備える。
支持装置は、7台のカメラ61(61A,61B,61C,61D,61E,61F,61G)をそれぞれ中央部に搭載して支持する相互に回動可能な7本の支持アーム部材62(62A,62B,62C,62D,62E,62F,62G)と、これら支持アーム部材62(62A,62B,62C,62D,62E,62F,62G)同士の間の角度を一定に保つ連結機構とを備える。支持アーム部材62は、アルミニウムのような軽金属を材料としている。
【0056】
各連結機構は、支持アーム部材62間を回動可能とするヒンジ部或いはピンと、各支持アーム部材62をヒンジ部或いはピンに対して回動させるための補助アーム63(63a,63b,63c,63d,63e,63f,63g,63h,63i,63j)と、これら補助アーム63の間を接続する接続ロッド64(641,642,643,644,645)を有してなる。
この撮影システム60において、カメラ61(61A,61B,61C,61D,61E,61F,61G)の視点と、支持アーム部材62(62A,62B,62C,62D,62E,62F,62G)のなす角度は90度が標準である。各支持アーム部材62(62A,62B,62C,62D,62E,62F,62G)は、前述したようにヒンジ部或いはピンにより回動可能なように固定されていて、各カメラ61の視点方向を単一平面内において連続的に変化させることができる。
【0057】
各支持アーム部材62(62A,62B,62C,62D,62E,62F,62G)は、補助アーム63(63a〜63j)の少なくとも1つを一体化している。
支持アーム部材62Aは補助アーム63aを一体化し、支持アーム部材62Bは補助アーム63cを一体化し、支持アーム部材62Cは補助アーム63b及び補助アーム63eを一体化し、支持アーム部材62Dは補助アーム63d及び補助アーム63gを一体化し、支持アーム部材62Eは補助アーム63f及び補助アーム63iを一体化し、支持アーム部材62Fは補助アーム63hを一体化し、支持アーム部材62Gは補助アーム63jを一体化している。
また、補助アーム63aと補助アーム63bが接続ロッド641で結合され、補助アーム63cと補助アーム63dが接続ロッド642で結合され、補助アーム63eと補助アーム63fが接続ロッド643で結合され、補助アーム63gと補助アーム63hが接続ロッド644で結合され、補助アーム63iと補助アーム63jが接続ロッド645で結合されている。
【0058】
この撮像装置60にあっては、支持アーム部材62の数が7であり奇数であるので、中心部となる支持アーム部材62Dの位置に、固定部材68への接続を行うための接続用ベース部材65を取り付けている。固定部材68は、設置面にベース69を接地させて撮像装置60を固定するためのものである。
もちろん、固定部材68を移動可能として、撮像装置60を固定したまま持ち運ぶことができる。この固定部材68は、三脚でもよい。
【0059】
接続用ベース部材65には、固定部材68や、後述するスタビライザー等を取り付けるための取り付けネジが用意されている。取り付けネジは固定点74となる穴を通して、固定部材68や、スタビライザー等に形成されたネジ穴に取り付けられ、接続ベース部材65と固定部材68や、スタビライザー等を固定接続する。また、接続用ベース部材65には、支持アーム部材62を基準とし、隣接支持アーム部材62とのなす角度を変化させるための回転手段であるプーリが取り付けられている。
【0060】
接続用ベース部材65が取り付けられている支持アーム部材62Dについて、その正面図を図14Aに示し、平面図を図14Bに示す。この接続用ベース部材65Dの下部には、オペレータ(撮影者)により支持アーム部材62Eが支持アーム部材62Dに対して回動操作されることにより、回転力が伝えられるアーム駆動プーリ72が支持アーム部材62Eに連動するように設けられている。また、接続用ベース部材65の下部には、アーム駆動プーリ72へ回転力を例えばタイミングベルト71により伝える調整プーリ73が、後述するノブ66に結合されるように設けられている。アーム駆動プーリ72と調整プーリ73は、タイミングベルト71により連結されているのでスリップしない。また、アーム駆動プーリ72は、調整プーリ73に対して減速されている方が調整の力も少なく、微調整もしやすい。
【0061】
ノブ66は、オペレータ(撮影者)が支持アーム部材62Eを支持アーム部材62Dに対して回動させたいときに、直接操作されるものであり、目盛67が用意されている。この目盛67は回転角を示すもの、或いは被写体までの距離を示すもの、のいずれでもよい。そして、オペレータが、この目盛67を確認しながらノブ66を回すと、調整プーリ73が回転する。この調整プーリ73の回転力は、タイミングベルト71を介して伝えられ、これにより支持アーム部材62Eを回動する。
【0062】
支持アーム部材62Eが回動すると、支持アーム部材62Eに一体化されている補助アーム63f及び補助アーム63iも連動して動く。
補助アーム63fは接続ロッド643により補助アーム63eに結合されている。補助アーム63eは、支持アーム部材62Cに一体化されている。従って、支持アーム部材62Cも、目盛67にて指定された目盛数だけ回動する。
また、補助アーム63iは、接続ロッド645により補助アーム63jに結合されている。補助アーム63jは、支持アーム部材62Gに一体化されている。従って、支持アーム部材62Gも、目盛67にて指定された目盛だけ回動する。
【0063】
さらに、支持アーム部材62Eが回動すると、補助アーム63hを介して支持アーム部材62Fも回動する。以下、隣接の支持アーム部材62とそれらの一体化された補助アーム63が動くことにより、全ての支持アーム部材62が目盛67にて指定された目盛数だけ回動する。
【0064】
なお、この撮像装置60においては、ノブ66又はアーム駆動プーリ72にロック機構を用意し、一旦回動した後にロック可能とするようにしている。
以上に説明した構成により、図15に示すように、例えば図中中央の支持アーム部材62Dを基準にして考えると、図中左の支持アーム部材62Cが基準の支持アーム部材62Dとなす角度αと、図中右の支持アーム部材62Eが基準の支持アーム部材62Dとなす角度βとの間に常にα=βの関係が成り立つ。
即ち、中央の支持アーム部材62Dを基準として、左の支持アーム部材62C又は右の支持アーム部材62Eのいずれか一方を回動させると、他方も同じ角度だけ回動する。
この結果、図16に示すように、各支持アーム部材62A,62B,62C,62D,62E,62F,62Gに搭載されたカメラ61の視点が常に一点で交わるようになり、かつ各カメラ61からこの一点までの距離が距離Lで等しくなる。
【0065】
ここで、回動の角度を変えると、各カメラ61とカメラ61の視点の交点との距離Lが変化することになる。
例えば、図17に模式的に示すように、支持アーム部材62Dを基準にして支持アーム部材62C又は支持アーム部材62Eのいずれか一方を角度α1で回動させた場合と、支持アーム部材62Dを基準にして支持アーム部材62C又は支持アーム部材62Eのいずれか一方をα1よりも大きい角度α2(α1<α2)で回動させた場合とを比較する。
図17より、回動の角度をα2とした場合における各カメラからカメラの視点の交点PV2までの距離L2は、回動の角度をα1とした場合の各カメラからカメラの視点の交点PV1まで距離L1よりも長くなる(L2>L1)。即ち、L2−L1だけ距離に差が生じることになる。
【0066】
以上のことから、この撮像装置60において、支持アーム部材62の回動角度をα1からα2に変更しながら、被写体に対してカメラをL2−L1だけ移動させると、或いはその逆に移動させると、被写体に対する視点を常に一致させながらカメラの視点の位置を連続的に変更可能とすることができる。
【0067】
本実施の形態においても、撮像装置60を構成する7台のカメラ61(61A,61B,61C,61D,61E,61F,61G)の映像から隣接する2台のカメラ61の映像を選択して、3D表示を行うことができる。
そして、映像信号が選択される2台のカメラ61を順次切り替えていくことにより、被写体の多視点からの立体的な映像を得ることができる。即ち多視点3D撮影が可能になる。
【0068】
そして、7台のカメラ61(61A,61B,61C,61D,61E,61F,61G)が固定された支持フレーム部材62(62A,62B,62C,62D,62E,62F,62G)が、各フレーム部材62のジョイント部を中心として相対移動することにより、図17に示したように、多視点から撮影可能な被写***置をPV1からPV2に変化させることができる。
これにより、視点位置の変化、3D表示用の撮影(3D撮影)という観点における視差の変化を可能にして、映像表現にバリエーションをつけることが可能となる。
【0069】
さらに、本実施の形態の撮像装置60によれば、図5に示した支柱1に固定された雲台2にカメラ50を取り付けた構成と比較して、複数のカメラ61の相対位置の変更をより容易に短時間で行うことが可能になる。
また、図5のように各カメラに対して支柱を設ける必要がなくなるため、少ない本数の支柱例えば図13に示す1本の固定部材68だけで済み、撮像装置60の可搬性が向上する。
【0070】
次に、図13に示した実施の形態の撮像装置60を変形した形態として、4本の支持アーム部材62により撮像装置を構成した場合における、支持アーム部材62の連動動作機構の一形態を、図18に示す。
まず、図18Aは、各支持アーム部材62に設けられた補助アーム63を、接続ロッド64で互いに結合した状態を示している。この状態で、回動の角度α、β、γは、常に同一に保たれる。
また、図18Bは、各支持アーム部材62を分解して、それぞれ単独で示している。支持アーム部材62には、補助アーム63が各1つずつ一体化されており、また隣接する支持アーム部材62との回動可能な連結のために用いる穴76,75が形成されている。例えば左から2番目の支持アーム部材62は、右側に隣接する支持アーム部材62及び補助アーム63の側に形成された穴75と、左側に隣接する支持アーム部材62の側、即ち後述する断面U字型の端部78の側に形成された穴76とを合わせて回動可能なように連結される。
【0071】
さらに、支持アーム部材62の平面図を図19Aに、側面図を図19Bにそれぞれ示す。補助アーム63の先端側には、接続ロッド64が動きを自由にして結合される穴77が形成されている。
そして、支持アーム部材62の補助アーム63が設けられていない左端部78は、断面U字型に形成されており、この断面U字型の端部78側に前述した穴76が形成されている。
このように支持アーム部材62の左端部78が断面U字型に形成されていることにより、左に隣接する支持アーム部材62の穴75が形成された部分を断面U字型の部分で挟み込んで、回動可能に固定することができる。
【0072】
さらに、他の形態として、支持アーム部材(エレメント)の数を任意にした場合の構成図を図20に示す。
ここでは、全て同じ形状の7本の支持アーム部材(エレメント)81を直線状に接続した状態を示す。
この図20からも明らかなように、同じ形状の支持アーム部材となるエレメントであれば、その数は任意に増やすことができる。エレメントの数nに対する接続ロッド83の数は、n−2となる。
【0073】
このように接続するためのエレメント81の構造は、例えば図21Aに平面図、図21Bに側面図を示すように、補助アーム82a,82bが互いに異なる向き(反対向き)になるようにそれぞれ端部に一体に形成される。そして、いずれか一方の端部85を断面U字型にし、隣接するエレメント81の他方の端部を挿入可能なように連結される。
【0074】
次に、ロック機構の他の具体的な形態の概略構成図を図23に示す。
図13に示した撮像装置60の支持装置におけるノブ66及びアーム駆動プーリ72はロック機構を備えていたのに対して、本形態では、アーム駆動プーリ72をウォールホイル94に置き換えたものである。ノブ66は傘歯ギア91を回転させ、それにかみ合うもう一方の傘歯ギア92、ウォーム93によりウォームホイール94を回転させる。
ウォームホイール94の回転は、例えば図13の支持アーム部材62の回動角度を変化させる。
【0075】
この構成の利点は、ウォーム93によりギアの減速比が非常に大きく取れることである。
従って、ノブ66の回転力が少なくても良く、微調整がしやすい。さらに、支持アーム部材が自動的にロックされる。
【0076】
このとき、ノブ66側で回転角度を表示するのは困難となるので、図23に示すように、隣接する支持アーム部材62Eとの回動部分に表示装置を取り付けるとよい。基準の支持アーム部材62Dに対して、右側の隣接支持アーム部材62Eが回動されて角度が変化するとき、この隣接支持アーム部材62Eと連動する針96が、基準の支持アーム部材62Dに対して固定されている目盛板95上を動くことによって、回動の角度を読み取ることができる。
なお、支持アーム部材62の回動角度は実用上あまり大きくないので、隣接する支持アーム部材62Eと針96との間にギアによる増角機構を設けることにより、針96の動きを大きくすることもできる。
【0077】
また、図22において、ウォーム93をモータによって駆動するようにしてもよい。この場合には遠隔制御が容易になる。モータとしては、ステッピングモータ、DCモータを用いたオープン制御も可能であり、さらに図23に示す針96の代わりに電気的角度検出手段を用意して、モータの回転角を自動制御するフィードバック制御も可能である。
【0078】
なお、支持アーム部材の軽量化を図るために、支持アーム部材にアルミニウム等の軽量合金を使用したり、図示しないが中空部を有する構造(例えば断面コの字構造や断面H字構造)としたりすることが可能である。
また、回動可能に連結される支持アーム部材間の遊びをなくすために、支持アーム部材の結合部に、スプリング等の弾性材を挿入して支持アーム部材の回動方向にテンションを加えることも可能である。この場合、各支持アーム部材は同じ角度で回動するため、支持アーム部材の結合部のうち1箇所にスプリング等の弾性材を挿入すればよい。
【0079】
また、多数のエレメントから成るアーム81のその他の結合形態を、図24に示す。
図24において、接続ロッド83及び接続ロッド125は、全てのアーム(エレメント)81を連結するためのものである。これら接続ロッド83,125とアームには例えばスプリング(図示せず)によりプリロードがかけられているものとする。このような構成では、たとえアーム81同士の間やアーム81とロッド83,125との間に若干の遊びがあった場合でも、これが実質的に吸収され、ガタが生じない。
このような点から、この形態では、一部の接続ロッド、即ち図中接続ロッド125を取り外せるようにした。このように一部の接続ロッド125を取り外すことにより、図中左のアーム群126と、右のアーム群127とがフリーになり、折り畳むことが可能となる。
従って、適当な接続ロッドを取り外せる構造にすることにより、使用しないときにはコンパクトに収納、運搬が可能となる。また、アーム81とアーム81との結合を取り外す構成、例えば点128でアーム81を取り外す構成とすることも可能である。
【0080】
次に、図13に示した実施の形態の撮像装置60を、撮影者131の胴体に移動可能なように取り付けた構成を、図25に示す。
撮影者131の導体部には、ベルト・スプリング・取り付けアーム等からなるスタビライザー130が取り付けられている。
撮影システム60の接続用ベース部材65は、スタビライザー130に形成されたネジ穴に、固定点74となる穴を合わせた状態で、取り付けネジが締め付けられることにより撮影者131のスタビライザー130に取り付けられる。
即ち、撮影者131とスタビライザー130により、図13の固定部材68とベース69と同じ機能を実現している。
このとき、スタビライザー130への固定点74には、撮影システム60の全体の重心が概略一致するようにされている。
スタビライザー130への固定点74は、全体の機構やカメラの上方で、自動的にバランスが取れるようにされている。
また、スタビライザー130には、バッテリー132やモニタ133が取り付けられている。
【0081】
このように撮影者131のスタビライザー130に取り付けられた撮像装置60は、図17に示したように、複数のカメラの視点を常に一致させながらカメラの視点を連続的に変更可能とし、移動撮影可能とされるという、有効な使用を著しく可能とする。
もちろん、機動性を高め、撮影者の自由度を阻害することなく、かつ撮影監督の撮影意図を的確に表現することができる。
【0082】
そして、撮像装置60を、前述したように多視点3D撮影が可能な構成とすれば、図25に示すスタビライザー130に撮像装置60を取り付けた構成とすることにより、可搬性を有し多視点3D撮影が可能な撮像装置を構成することができる。
【0083】
ところで、前述した撮像装置の各実施の形態は、複数のカメラを水平面に平行に配置する構成であったが、対象物(被写体)を取り囲みながら撮影するときに、対象物をできるだけ広範囲から取り囲みたいという要求が撮影現場にある。
従来の撮像装置の構成でこの要求に応えようとすると、対象物(被写体)の背景に撮像装置が入ってしまうため、これを回避すると共に自由に持ち運びができるという条件を満たすシステムが望まれる。
【0084】
これらの条件を満たす撮像装置の一形態を図26に示す。
この撮像装置140は、前述したような撮像装置60等と同様の構成を有する第1の撮像装置141及び第2の撮像装置142を、中心144にて直交するように組み立てたものであり、カメラ143を合計16台と、これらのカメラ143を支持する支持装置からなる。中心144付近には、接続用ベース部材145が設けられている。この接続用ベース部材145には、前述した固定部材68や、三脚等を取り付けることができる。
【0085】
このように撮像装置140を構成し、これを撮影者やオペレータ等が手で保持することによって、対象物(被写体)をカメラ143で取り囲みながら、かつ撮像装置140が映り込まない撮影が可能となる。撮影された画像は、コンピュータ処理により張り合わされる。
そして、第1の撮像装置141及び第2の撮像装置142を、それぞれ前述した多視点3D撮影が可能な構成とすれば、曲面上に配置した16台のカメラ143から、被写体を広範囲に取り囲み、かつ多視点3D撮影を行うことが可能になると共に、撮像装置140を自由に持ち運ぶ可搬性を実現することができる。
【0086】
なお、図26に示す撮像装置140においては、2つの撮像装置141及び142を直交するように配置したが、例えばさらに1つの撮像装置を加え3つの撮像装置を相互に60度の角度となるように配置して全体の撮像装置を構成することも可能である。
この場合も、各撮像装置を多視点3D撮影が可能な構成とすれば、全体の撮像装置で多視点3D撮影を行うことが可能になる。
【0087】
なお、図26に示したように撮像装置を構成すると、カメラの数は非常に増加するが、現在CMOS技術などにより小型・軽量・低消費電力のカメラが、例えば携帯電話に搭載されるようになってきている。そこで、そのようなカメラを用いることにより、カメラの数が増加しても、全体の撮像装置の大きさ・重量・消費電力に影響を与えることがなくなる。
【0088】
また、前述した各形態の撮像装置による取り囲み撮影においては、ライティング(照明)が通常の撮像装置に比べ困難になる。
従って、例えば支持アーム部材上に、各カメラとほぼ同じ位置に照明用ライトを取り付けると、この困難さが大きく軽減される。各照明用ライトがカメラの向きに連動して角度が変わるようにされることにより、撮影時のカメラの向きに最適な方向にライティングを行うことができる。
【0089】
なお、前述した各実施の形態の撮像装置の説明においては、隣接する2つの撮像部(カメラ)の各映像を使用して立体的な映像表示(3D表示)を行うとして説明しているが、立体的な映像表示(3D表示)を行うためには、必ずしも隣接する2つの撮像部を使用しなければならないわけではなく、例えば1つ置きの撮像部を使用することも可能である。
2つのカメラから被写体への向きが違い過ぎる場合(例えば被写体への向きの違いが180度に近い場合)には、3D表示を行うことが不可能となるが、ある程度まで(被写体Hの内容や、カメラから被写体Hまでの距離による)は許容される。特に、多数のカメラを設けて撮像装置を構成した場合には、許容範囲内で任意の2つのカメラを選択して立体表示を行うことが可能になる。
【0090】
本発明の撮像装置は、上述の各実施の形態の構成に限定されるものではなく、その他の構成も可能である。
本発明の撮像装置では、複数の撮像部がそれぞれ個別に独立して配置されているのではなく、支持部上に複数の撮像部が配置されて(一体化された)撮像装置が構成されていればよい。
【0091】
なお、3つ以上の撮像部(カメラ)を用いて多視点3D撮影を行う場合には、容易に3D表示用の映像を作成することができるように、各撮像部から被写体までの距離がほぼ同じことが望ましい。
しかし、撮像部(カメラ)から被写体までの距離にある程度の差がある場合には、2つの撮像部からの映像信号を編集して3D表示用の映像を作成する際に、距離の差による画像の違いを補正するような画像処理を行うようにする。
【0092】
また、各撮像部を支持する支持部の形状は、上述の各実施の形態に示したように、様々な形状が可能である。
例えば、支持部が複数の撮像部を、同一直線上、同一円弧上、同一平面上、同一球面上のいずれかに配置する構成とすれば、隣接又は近くに配置された2つの撮像部において、これら2つの撮像部から被写体までの距離を揃えて、立体的な映像表示用の映像信号に使用することができる。
これにより、2つの撮像部で撮影した映像信号から、立体的な映像表示用の映像を容易に作成することができる。
【0093】
本発明においては、複数の撮像部が支持部材に支持され、支持部材により各撮像部の相対位置の変更が可能な構成の撮像装置を用いて撮影システムを構成し、立体的な映像表示をするが、複数の撮像部によりそれぞれ撮影された映像信号から立体的な映像表示用の映像を作成するための信号処理手段の構成は様々な構成が可能である。
【0094】
例えば、リアルタイムに編集を行う場合には、各撮像部で撮影した映像信号を信号処理して、短時間で立体的な映像表示用の映像を作成する。このとき、例えば図2の記録装置を、映像信号のオーバーフローを防ぐためのバッファ部として用いることが考えられる。
一方、例えば、いったん映像を記録しておいて、後で映像を呼び出して映像信号の処理や編集を行う場合には、図2を用いて説明したと同様の手順で立体的な映像表示用の映像を作成する信号処理を行うことができる。
【0095】
また、撮像部と信号処理手段との間の接続や、記録装置と信号処理手段との間の接続は、有線(例えば、ケーブル、電話回線)又は無線等を通じてデータのやり取りが可能な構成とすることが考えられる。
さらに、例えばネットワーク(イントラネット、インターネット等)上のサーバに編集や選択、処理を行うソフトウエア(コンピュータプログラム)を置き、ネットワークを通じてこのソフトウエアにアクセスして、複数のカメラによって撮影した映像の編集や信号処理を行うことも考えられる。
【0096】
また、立体的な映像表示(3D表示)に使用する2つの撮像部の選択は、撮像部(カメラ)側で行うことも可能である。
例えば、撮像部にシャッター(機械的シャッターや撮像素子の電子シャッター等が考えられる)を設けて、立体表示に使用しない撮像部はシャッターを閉じて撮影が行われないように構成する。
そして、シャッターの開閉を制御して順次切り替えることにより、3D表示に使用される撮像部を切り替えることができる。
【0097】
なお、本発明の撮影方法は、基本的に本発明の撮像装置を用いて撮影を行うものであるが、本発明の撮影方法の手法は、本発明の撮像装置を用いる場合以外の撮影システムにも幅広く適用することが可能である。
即ち、複数の撮像部のうちの2つの撮像部からの映像信号を用いて立体的な映像表示を行う本発明の撮像方法の手法を、複数の撮像部(カメラ等)を使用する撮影システムに幅広く適用することができる。
例えば、従来からある撮影方法である、それぞれ個別に動作する複数のカメラにより多視点の撮影を行う撮影方法に適用して、複数のカメラのうちの2つのカメラからの映像信号を用いて、立体的な映像表示を行うことが可能である。
【0098】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
【0099】
【発明の効果】
上述の本発明によれば、複数の撮像部の機動性を高め、所定の場所を選ばずに、被写体の複数の立体的な映像(3D映像)を作成することができる。
【0100】
また、複数の撮像部が3つ以上の撮像部により構成され、複数の撮像部から2つの撮像部を選択してこの2つの撮像部の映像信号から立体的な映像を作成する構成としたときには、立体的な映像に用いられる映像信号を切り替えて、互いに異なる位置からの複数の立体的な映像を切り替えて表示することが可能になる。
【0101】
また、複数の撮像部を支持する支持部が可搬性を有し、撮像装置全体を持ち運びすることが可能な構成としたときには、機動性をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の撮像装置の一実施の形態の概略構成図である。
【図2】図1の撮像装置を用いた撮影システムの構成を示すブロック図である。
【図3】複数の各カメラから記録装置に送られる被写体の各動画像信号を示す図である。
【図4】図1の撮像装置の具体的な構成を示す概略構成図である。
【図5】図1の撮像装置のさらに具体的な構成を示す図である。
【図6】雲台と支柱の詳細な構成を示す図である。
【図7】雲台の平面図である。
【図8】複数のカメラを配置調整する方法を示すフローチャートである。
【図9】撮像装置におけるカメラ配置の他の形態を示す図である。
【図10】雲台の基準円環の他の形態を示す図である。
【図11】雲台の基準円環のさらに他の形態を示す図である。
【図12】雲台の位置決定基準を示す図である。
【図13】7本の支持アーム部材を用いて成る撮像装置の外観図である。
【図14】接続用ベース部材が取り付けられている支持アーム部材を示す図である。A 正面図である。B 平面図である。
【図15】回動角度の一致を説明するための図である。
【図16】視点の一致を説明するための図である。
【図17】回動の角度を変えたときの、視点の交点とカメラからの距離の関係を説明するための図である。
【図18】A、B 支持アーム部材を4本とした撮像装置の連動動作メカニズムを示す図である。
【図19】A 図18の支持アーム部材の平面図である。B 図18の支持アーム部材の側面図である。
【図20】同じ形状の支持アーム部材(エレメント)の数を任意にした場合の構成図である。
【図21】A 図21の支持アーム部材(エレメント)の平面図である。B 図21の支持アーム部材(エレメント)の断面図である。
【図22】ロック機構の他の具体的な形態を示す図である。
【図23】回転角度の表示の他の形態を示す図である。
【図24】全て同じ形状にしたエレメント(支持アーム部材)により結合した撮像装置の他の形態を示す図である。
【図25】図13の撮像装置を撮影者の胴体に移動可能なように取り付けた様子を示す図である。
【図26】2つの撮像装置を直交させて成る撮影装置を示す図である。
【符号の説明】
1 支柱、2 雲台、3 位置決め線材、6 三脚、10,60,140 撮像装置、50,50A,50B,50C,50D,50E,61A,61B,61C,61D,61E,61F,61G カメラ、H 被写体
【発明の属する技術分野】
本発明は、対象物(被写体)を取り囲むように、複数の撮像部を配置し、各撮像部からの映像を選択して、あたかも視点を自由に変更したような映像を得ることができる撮影方法及び撮像装置に関するものであり、特に、複数の撮像部からの映像を用いて立体的な映像表示(3D表示)を行う場合に適用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
複数の撮像部(カメラ)を使用し、対象物を取り囲むように静止画、動画を撮影し、視点を自由に変更しながら楽しむような撮影システムが開発されつつあり、実用に供されるところである(例えば特許文献1及び特許文献2参照。)。
【0003】
このような撮影システムにおいては、対象物をカメラがどう捕らえるかは、対象物により、また撮影者の意思により決定されるもので、カメラの設定にはフレキシビリティが要求される。
【0004】
一方、それぞれカメラで撮影した画像は最終的には張り合わせられるので、カメラ間の各視点の位置はある曲線状に滑らかに配置される必要がある。また、カメラ間の距離も(これは主としてカメラの画角や、どこまでをオーバーラップさせるかにより決まる)フレキシブル、かつ安定に決める必要がある。
【0005】
また、上述の撮影システムにおいては、複数のカメラが被写体に対して、視点が一致するように配置される必要がある。
【0006】
【特許文献1】
特開昭51−142212号公報
【特許文献2】
米国特許第3815979号明細書
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した複数のカメラを用いた撮影システムにおいて、さらに複数のカメラからのそれぞれの映像を利用して、立体的な映像表示、即ちいわゆる3D表示を行うことが考えられている。
【0008】
しかしながら、このような撮影システムにおいて、多視点からの3D表示を行うと共に、複数のカメラの配置を調整し、対象物に向けて正確に固定する方法は、今までになかった。
【0009】
従来、複数のカメラの配置を調整し、対象物に向けて正確に固定する場合には、例えば床面に配置する固定の治具のようなものに頼っていた。
この固定の治具は、床面に対する平行面上でのカメラの配置形状を2次元的に固定的に決めるものであった。
また、特定のスタジオに設置されるのが常であり、屋外や、スタジオから離れた場所での撮影には向いていなかった。
しかも、複数のカメラによる被写体への視点を一致させるために、従来は撮影現場に固定された複数のカメラの支持装置を使用していたため、機動性が悪いばかりでなく、撮影者の撮影の自由度を阻害し、監督の撮影意図を表現するのが困難であった。
【0010】
上述した問題の解決のために、本発明においては、複数の撮像部を3次元空間内に配置して、場所を選ばずに対象物の複数の映像を撮影することができると共に、この複数の映像を用いて立体的な映像表示を行うことを可能にする撮影方法及び複数の撮像部から成る撮像装置を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の撮影方法は、複数の撮像部が支持部により支持され、複数の撮像部の相対位置が支持部により変更可能である構成の撮像装置を使用して、複数の撮像部により略同一の被写体を異なる位置から撮影し、複数の撮像部からの映像信号を使用して立体的な映像表示を行うものである。
【0012】
本発明の撮像装置は、複数の撮像部と、この複数の撮像部を支持する支持部とを備え、この支持部は複数の撮像部の相対位置を変更することが可能な構成とされ、複数の撮像部によりそれぞれ撮影された映像信号から立体的な映像表示用の映像を作成する信号処理手段を有するものである。
【0013】
上述の本発明の撮影方法によれば、複数の撮像部が支持部により支持され、複数の撮像部の相対位置が支持部により変更可能である構成の撮像装置を使用して、複数の撮像部により略同一の被写体を異なる位置から撮影し、複数の撮像部からの映像信号を使用して立体的な映像表示を行うことにより、被写体の立体的な映像を表示することができると共に、複数の撮像部の相対位置を変更して、撮像部の位置を変えた立体的な映像を得ることが可能になる。
【0014】
上述の本発明の撮像装置の構成によれば、複数の撮像部と、この複数の撮像部を支持する支持部とを備え、この支持部は複数の撮像部の相対位置を変更することが可能な構成とされ、複数の撮像部によりそれぞれ撮影された映像信号から立体的な映像表示用の映像を作成する信号処理手段を有することにより、被写体の立体的な映像を表示することが可能になると共に、複数の撮像部の相対位置を変更して、被写体の見え方が変更前とは異なる立体的な映像を得ることが可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明は、複数の撮像部が支持部により支持され、複数の撮像部の相対位置が支持部により変更可能である構成の撮像装置を使用して、複数の撮像部により略同一の被写体を異なる位置から撮影し、複数の撮像部からの映像信号を使用して立体的な映像表示を行う撮影方法である。
【0016】
また、上記本発明の撮影方法において、撮像装置が撮像部を3つ以上有し、各撮像部からの映像信号のうち2つの撮像部の映像信号を選択して、選択した映像信号をそれぞれ右目用画像と左目用画像として表示することにより、立体的な映像表示を行うことを可能とする。
【0017】
本発明は、複数の撮像部と、この複数の撮像部を支持する支持部とを備え、この支持部は複数の撮像部の相対位置を変更することが可能な構成とされ、複数の撮像部によりそれぞれ撮影された映像信号から立体的な映像表示用の映像を作成する信号処理手段を有する撮像装置である。
【0018】
また、上記本発明の撮像装置において、支持部が複数の撮像部の相対位置を連続的に変化させることが可能である構成とすることを可能とする。
【0019】
また、上記本発明の撮像装置において、支持部により、複数の撮像部が、同一直線上、同一円弧上、同一平面上、同一球面上のいずれかに配置される構成とすることを可能とする。
【0020】
また、上記本発明の撮像装置において、支持部が可搬性を有し、撮像装置全体を持ち運びすることが可能である構成とすることを可能とする。
【0021】
本発明の一実施の形態として、撮像装置の概略構成図を図1に示す。
この撮像装置10は、曲線状に形成された支持フレーム部材3に、複数の撮像部として、5台のカメラ50(50A,50B,50C,50D,50E)が固定されて構成されている。
そして、5台のカメラ50A,50B,50C,50D,50Eを、同一の被写体Hに向けて配置して、この5台のカメラ50A,50B,50C,50D,50Eにより、被写体Hを同一距離から同一の画角θで撮影するように構成されている。
この撮像装置10において、5台のカメラ50A,50B,50C,50D,50Eによって撮影される映像は、被写体Hを多視点から見た映像となる。
【0022】
本実施の形態においては、支持フレーム部材3が、例えば曲線の曲率を変化させることにより、5台のカメラ50A,50B,50C,50D,50Eの相対位置を変更することが可能な構成とする。
【0023】
さらに、より好ましくは、支持フレーム部材3が、5台のカメラ50A,50B,50C,50D,50Eの相対位置を、連続的に(アナログ的に)変化させることが可能な構成とする。
【0024】
このように5台のカメラ50A,50B,50C,50D,50Eの相対位置を変更することが可能な構成とすることにより、カメラ50から被写体までの距離を変更して、被写体に対して所望のカメラ配置とすることが可能になる。
【0025】
撮像装置10の各撮像部を構成する5台のカメラ50(50A,50B,50C,50D、50E)は、被写体の静止画を撮影するものでも、動画を撮影するものでもよい。
例えば動画を撮影するものであれば、視点を変更した複数の動画が得られることになる。
【0026】
カメラ50は、図示しない光学レンズと、光学レンズに連動するように設けられるフォーカスリングと、光学レンズを透過した被写体画像を取り込んで撮像信号を生成する撮像素子例えばCCDイメージセンサ(イメージャー)と、このイメージャーから出力される撮像信号にカメラ信号処理を施すカメラ信号処理回路とを少なくとも備えている。
また、カメラ50がカメラ一体型VTRである場合には、カメラ信号処理回路からの画像信号をテープ状記録媒体やディスク状記録媒体に記録する記録回路と、記録回路により記録媒体に記録された画像信号を記録媒体から再生する再生回路とを備える。
つまり、カメラ50がカメラ一体型VTRではなく、カメラ信号処理回路で処理した信号のみを出力するときには、少なくとも記録部と再生部とを別体に備える。
【0027】
さらに、本実施の形態においては、5台のカメラ50A,50B,50C,50D,50Eによって撮影される映像から、隣接する2台のカメラの映像を用いて、立体的な映像表示、即ちいわゆる3D表示を行う構成とする。
【0028】
この撮像装置10を用いて構成した撮影システムの概略構成のブロック図を図2に示す。
5台のカメラ50A,50B,50C,50D,50Eで撮影された映像は、VTR等の記録装置100に送られて、記録装置100内にて、記録媒体例えばテープ状記録媒体又はディスク状記録媒体(ハードディスクを含む)に記録される。
特に、カメラ50により動画を撮影する場合には、各カメラ50(50A,50B,50C,50D,50E)が被写体Hの各動画像信号を送り、記録装置100内にて同期をとりながら記録する。
記録装置100に記録された映像信号は、再生装置(図中省略)により再生される。
その後、映像信号選択処理装置200により、5台のカメラ50A,50B,50C,50D,50Eからの映像信号のうち、右目用映像と左目用映像として隣り合う2台のカメラからの映像信号が選択されて処理された後、3D表示装置210により視聴者に提示される。
この3D表示装置210には、例えば、右目用映像と、左目用映像とをそれぞれ別の表示装置に提示する眼鏡型ディスプレイを用いることができる。
【0029】
そして、映像信号選択処理装置200を操作して、5台のカメラ50A,50B,50C,50D,50Eから出力された5つの映像信号のうち、右目用と左目用の隣り合うカメラからの2つの映像信号を、50A−50Bから、50B−50C、50C−50D、50D−50Eへと順次切り替えることによって、被写体Hの視点の異なった3D映像を見ることができる。
【0030】
図3には、各カメラ50から記録装置100に送られる、視点を変更したような被写体Hの各動画像信号MP1,MP2,MP3,MP4,MP5を示す。動画像信号MP1は、図3におけるカメラ50Aからの映像信号であり、動画像信号MP2は、カメラ50Bからの映像信号である。以下動画像信号MP3,MP4及びMP5は、それぞれカメラ50C,50D,50Eからの映像信号である。
【0031】
そして、3D表示を行う際には、これら動画像信号MP1,MP2,MP3,MP4,MP5から隣接する2つのカメラからの動画像信号を選択して、3D表示に使用する。
【0032】
なお、3D表示装置210には、上述した2つの表示部から成る眼鏡型ディスプレイを用いる他に、例えば、5つの視点における3D映像を同時に提示することが可能な、多視点型3D表示装置を用いても良い。このような表示装置を用いる場合には、映像信号処理選択装置200は必ずしも必要ではない。
【0033】
また、3D表示装置210に、2つの表示部を有する眼鏡型ディスプレイを用いる代わりに、1つの表示部から、例えばパララックスバリアやレンチキュラーレンズを使用して、右目と左目とにそれぞれ隣接するカメラからの異なる映像が見える構成としてもよい。
【0034】
なお、カメラ50の台数は、5台に限らず、複数であればよく、2台以上の任意の台数とすることが可能である。
カメラ50が2台のみの場合は、2台のカメラの映像信号を3D表示に利用できるので、3D表示に用いられるカメラ50の切り替えや映像信号の選択が不要になる。
一方、カメラ50が3台以上の場合には、3D表示に利用する2台のカメラの映像信号を切り替えることにより、多視点3D撮影を行うことが可能になる。
【0035】
上述の本実施の形態の撮像装置10の構成によれば、複数の撮像部即ち5台のカメラ50(50A,50B,50C,50D,50E)を曲線状の支持フレーム部材3に支持されるように配置し、支持フレーム部材3により各カメラ50の相対位置を変更することが可能な構成とされていることにより、各カメラ50を曲線状に配置し、支持フレーム部材3によってカメラ50を動かして各カメラ50の相対位置を変更することができる。
これにより、所定の場所を選ばずに、被写体Hの複数の映像を撮影することが可能になる。
【0036】
また、複数の撮像部(カメラ)50からの映像信号のうち隣接する2つのカメラからの映像信号が選択されることにより、5台のカメラ50A,50B,50C,50D,50Eによって撮影される映像から、隣接する2台のカメラからの映像を使用して、3D表示装置210において立体的な映像表示、即ちいわゆる3D表示が行われるため、所定の場所を選ばずに、被写体Hの複数の立体的な映像(3D映像)を作成することができる。
さらに、選択される映像信号を切り替えることにより、多視点3D撮影を行うことができる。
【0037】
次に、図1に概略構成図を示した撮像装置10の細部の具体的な構成の各形態を以下に説明する。
図1に示す撮像装置10は、具体的には、例えば図4に概略構成図を示すように構成することができる。
図4に示すように、それぞれのカメラ50(50A,50B,50C,50D,50E)は、雲台2(2A,2B,2C,2D,2E)上に取り付けられて、被写体Hに向けられている。
そして、各雲台2(2A,2B,2C,2D,2E)は、それぞれ5つの支柱1(1A,1B,1C,1D,1E)に支持固定されている。
各雲台2A,2B,2C,2D,2Eは、それぞれ後述するように、基準円環20(20A,20B,20C,20D,20E)を支持フレーム部材3に通すことにより位置合わせがなされている。
そして、さらに微調整されることによって、カメラ50A,50B,50C,50D,50Eの配置が調整される。
曲線状の支持フレーム部材3の両端部は、例えば支持部材となる三脚6(図5参照)に取り付けられている。
【0038】
次に、図1及び図4に示す本実施の形態の撮像装置10について、さらに具体的な形態を図5に示す。
なお、図1及び図4では、5台のカメラ50A,50B,50C,50D,50Eを示したが、この図5では、図示の都合上によりカメラ50を3台にした場合を示している。前述したように、カメラ50の台数は2台以上の任意の台数が可能である。
【0039】
図5に示すように、この撮像装置は、複数のカメラ50を支持するための複数の雲台2と、複数の雲台2を支持するための複数の支柱1と、複数の支柱1を設置面に安定に支持するための複数の支持材4と、複数の雲台2の空間的相対位置を、指定された3次元空間内の曲線に沿うように配置するための位置決め線材となる支持フレーム部材3とを備える。
各支柱1は、設置面上に置かれた自立ベース29に固定されている。
また、図中5は、支柱材4を安定化するためのバラストである。
【0040】
各雲台2は、カメラ50の空間的配置を決定する曲線に沿うように配置、固定される。曲線は、各終端を例えば支点となる三脚6等で固定された支持フレーム部材3により空間中に描かれる。この曲線は、例えば作画監督の意思を反映する、滑らかな曲線である。なお、この曲線は所定半径を有する円等に限定されるものではない。
即ち、支持フレーム部材3は、カメラ50の位置を決定するための位置決め線材として用いられている。
この支持フレーム部材3によって形成された曲線に沿って各雲台2が配置され、固定されることによって、各雲台2に取り付けられた各カメラ50は作画監督の意思を反映して滑らかな曲線状に配置されることになる。
【0041】
位置決め線材となる支持フレーム部材3は、例えば鋼製の金属線を用いて構成することができる。
この鋼製の金属線としては、具体的には、住宅内の電話線引き込み用や、屋内又は屋外の配管内の清掃用に使用される、商品名プラリーダーや、鋼平板等、各種の弾性体線状材料を用いることが可能である。これらの弾性体線状材料は、いわゆる自在定規のように曲線を形成するのに適しており、さらに固定を解けば弾性を有するため形状を初期の状態に戻すことができる。このため、様々な曲線を形成することができる。
なお、このような性質を備える弾性体線状材料であれば、上述の鋼製の金属線に限定されるものではなく、例えばプラスチック材料或いはゴム材料を用いた弾性体線状材料によって支持フレーム部材(位置決め線材)3を構成してもよい。
【0042】
このように、支持フレーム部材(位置決め線材)3を弾性体により構成することにより、各雲台2の後述する基準点となる基準円環20は引っ張られることになる。
【0043】
空間に配置した曲線に対し雲台2の位置決めをするには、まず概略のカメラ位置を設定するために、後述の図6に詳細を示す基準円環20に位置決め線材となる支持フレーム部材3を通す。この基準円環20は、指定された3次元空間内の曲線状に形成された位置決め線材3に合わせられる基準点である。
特に、この構成の基準円環20は、基準点となると共に、この基準点を支持フレーム部材3が描く曲線の位置に保持する基準点保持手段ともなる。この基準円環20と支持フレーム部材3との間には隙間があり、これが遊びとなってカメラ50のさらなる微調整を可能とする。
【0044】
基準円環20の取り付けられる位置は、雲台2上に搭載されるカメラ50の視線と平行な直線上にあり、支持フレーム部材3を基準円環20に通すことにより、雲台2は支持フレーム部材3の弾性力により引っ張られ、自動的にカメラ50の視線方向が支持フレーム部材3の法線方向となる。
【0045】
さらに、雲台2と支柱1の詳細な構成を図6に示す。
雲台2は、カメラ50をベース部分22にカメラ固定ネジ23を用いて固定する。また、ベース部分22は、第1連結部24に対して矢印A方向に回動する。所望の回動位置を保つためには、ねじ25とネジ止め26によって固定される。また、第1連結部24は第2連結部27に対して矢印B方向に回動する。
第2連結部27は、第1連結部24を連結する他に、支柱1の下部28及び支柱1の上部をも連結する。即ち第2連結部27は、支柱28に差し込まれ、かつ第1連結部24を固定する部材であり、支柱1の下部28及び第1連結部24に対してねじ(図示せず)で締め付けられる構造となっている。従って、雲台2には、カメラ50からみれば第1連結部24・ネジ25・ネジ23による3軸の自由度があり、さらに、第2連結部27の上下による自由度がある。
また、支柱1の下部28は、この支柱1を基準面上に固定する自立ベース29のホールに挿入され、固定されている。
【0046】
さらに、雲台2部分の平面図を図7に示す。
基準点となる基準円環20は、カメラ固定ネジ穴32を通る直線上に配置されるように、ベース部分22に棒状部材(スティック)21を介して固定される。
【0047】
次に、図5に示した構成の撮像装置において、複数のカメラ50を配置調整する方法について、図8のフローチャートを用いて詳細に説明する。
まず、ステップS1にて、雲台2が仮固定されている支柱1を仮配置する。このとき、使用するカメラ50の数に応じた必要数だけ、支柱1を設置場所に仮配置することになる。
次に、ステップS2にて、位置決め線材である支持フレーム部材3を、支点となる三脚6で固定しながら、所望の曲線を作成する。
【0048】
次に、ステップS3にて、各雲台2の基準円環(基準点)20を曲線に沿って配置・調整し、雲台2を仮固定する。このとき、曲線を形成している位置決め線材3を基準円環20に通すことにより、自動的にカメラ50の視線方向の概略調整が可能となる。
次に、ステップS4にて、各支柱1の安定化のため支柱材4を固定し、必要に応じてバラスト5で安定化する。
そして、ステップS5にて各カメラ50を各雲台2に取り付け、各カメラ50の画像を見ながら位置を微調整する。
最後に、ステップS6にて、ステップS5で微調整したカメラ50を、最終的に固定する。
【0049】
このように、図8に示すフローチャートに従って複数のカメラ50の配置を調整することにより、複数のカメラ50を予め設定された3次元空間内の曲線に沿って配置することが可能となる。
また、この方法によってカメラ50を配置した撮像装置によれば、撮影場所を固定することなく、所定の場所を選ばずに、対象物の複数の映像を撮影することができ、さらに多視点3D撮影を行うことが可能になる。
【0050】
なお、図9に平面図を示すように、円周上にカメラを複数台配置して、撮像装置を構成してもよい。この場合も、円状にされた支持フレーム部材3が雲台2の棒状部材(スティック)21の先の基準円環20を通るように、雲台2を調整して固定する。このとき、詳細な調整は、前述した図8にフローチャートを示した方法による。
この図9に示す構成においても、被写体Hに向いている矢印がカメラの視線方向である。
【0051】
また、基準円環20は、図10に示すように、スティック30の終端を半円形となし、ラッチ31と組み合わされて形成されても良い。ラッチ31付の基準円環20を用いることにより、支持フレーム部材3をこの穴の中に簡単に通すこともはずすこともできる。
また、支持フレーム部材3をはずさないのであれば、図11に示すように、ネジ33を用意し、これにより線材の遊びをなくし、不要な振動を防ぐことができる。
【0052】
また、前述した実施の形態では、図6及び図7に示したように、支持フレーム部材(位置決め線材)3と雲台2とを固定した構成であった。
ここで、位置決め線材は、カメラ配置を決めるための尺度となるものであるため、カメラが取り付けられた雲台が必ずしも位置決め線材に固定される必要はない。
即ち、位置決め線材がカメラの支持部材を兼ねない構成も考えられる。
その場合の構成を次に示す。
【0053】
図12に示すように、雲台2側に基準点を示す手段があれば、位置決め線材がカメラの支持部材を兼ねない構成が可能になる。
図12における棒状部材(スティック)40は、雲台2側で基準点を示すための基準点表示手段であり、単に位置決定規準となるような球状部分40Aがあるだけである。実際の使用状態では、この球状部分40Aを位置決め線材と接するように設定していけばよい。
この場合、前述した基準円環20に比較したメリットは、カメラの微調整がしやすいということがある。
この構成では、位置決め線材がカメラの支持部材を兼ねないため、カメラの支持部材は、支柱と雲台、並びに支柱の支持材等により構成される。
【0054】
次に、本発明の他の実施の形態として、撮像装置の概略構成図を図13に示す。
本実施の形態も、複数のカメラを使用し、被写体を取り囲むように静止画、動画を撮影し、視点を自由に変更したような映像を得ることができる撮像装置である。なお、この撮像装置は、各撮像部(カメラ)が、基本的に真円状の円周の一部又は全部に沿うように配置される。
【0055】
この撮像装置60は、図13に示すように、それぞれ撮像部となる7台のカメラ61(61A,61B,61C,61D,61E,61F,61G)と、これら7台のカメラ61(61A,61B,61C,61D,61E,61F,61G)の視点を常に一致させ、かつ各視点を連続的に変更できる支持装置とを備える。
支持装置は、7台のカメラ61(61A,61B,61C,61D,61E,61F,61G)をそれぞれ中央部に搭載して支持する相互に回動可能な7本の支持アーム部材62(62A,62B,62C,62D,62E,62F,62G)と、これら支持アーム部材62(62A,62B,62C,62D,62E,62F,62G)同士の間の角度を一定に保つ連結機構とを備える。支持アーム部材62は、アルミニウムのような軽金属を材料としている。
【0056】
各連結機構は、支持アーム部材62間を回動可能とするヒンジ部或いはピンと、各支持アーム部材62をヒンジ部或いはピンに対して回動させるための補助アーム63(63a,63b,63c,63d,63e,63f,63g,63h,63i,63j)と、これら補助アーム63の間を接続する接続ロッド64(641,642,643,644,645)を有してなる。
この撮影システム60において、カメラ61(61A,61B,61C,61D,61E,61F,61G)の視点と、支持アーム部材62(62A,62B,62C,62D,62E,62F,62G)のなす角度は90度が標準である。各支持アーム部材62(62A,62B,62C,62D,62E,62F,62G)は、前述したようにヒンジ部或いはピンにより回動可能なように固定されていて、各カメラ61の視点方向を単一平面内において連続的に変化させることができる。
【0057】
各支持アーム部材62(62A,62B,62C,62D,62E,62F,62G)は、補助アーム63(63a〜63j)の少なくとも1つを一体化している。
支持アーム部材62Aは補助アーム63aを一体化し、支持アーム部材62Bは補助アーム63cを一体化し、支持アーム部材62Cは補助アーム63b及び補助アーム63eを一体化し、支持アーム部材62Dは補助アーム63d及び補助アーム63gを一体化し、支持アーム部材62Eは補助アーム63f及び補助アーム63iを一体化し、支持アーム部材62Fは補助アーム63hを一体化し、支持アーム部材62Gは補助アーム63jを一体化している。
また、補助アーム63aと補助アーム63bが接続ロッド641で結合され、補助アーム63cと補助アーム63dが接続ロッド642で結合され、補助アーム63eと補助アーム63fが接続ロッド643で結合され、補助アーム63gと補助アーム63hが接続ロッド644で結合され、補助アーム63iと補助アーム63jが接続ロッド645で結合されている。
【0058】
この撮像装置60にあっては、支持アーム部材62の数が7であり奇数であるので、中心部となる支持アーム部材62Dの位置に、固定部材68への接続を行うための接続用ベース部材65を取り付けている。固定部材68は、設置面にベース69を接地させて撮像装置60を固定するためのものである。
もちろん、固定部材68を移動可能として、撮像装置60を固定したまま持ち運ぶことができる。この固定部材68は、三脚でもよい。
【0059】
接続用ベース部材65には、固定部材68や、後述するスタビライザー等を取り付けるための取り付けネジが用意されている。取り付けネジは固定点74となる穴を通して、固定部材68や、スタビライザー等に形成されたネジ穴に取り付けられ、接続ベース部材65と固定部材68や、スタビライザー等を固定接続する。また、接続用ベース部材65には、支持アーム部材62を基準とし、隣接支持アーム部材62とのなす角度を変化させるための回転手段であるプーリが取り付けられている。
【0060】
接続用ベース部材65が取り付けられている支持アーム部材62Dについて、その正面図を図14Aに示し、平面図を図14Bに示す。この接続用ベース部材65Dの下部には、オペレータ(撮影者)により支持アーム部材62Eが支持アーム部材62Dに対して回動操作されることにより、回転力が伝えられるアーム駆動プーリ72が支持アーム部材62Eに連動するように設けられている。また、接続用ベース部材65の下部には、アーム駆動プーリ72へ回転力を例えばタイミングベルト71により伝える調整プーリ73が、後述するノブ66に結合されるように設けられている。アーム駆動プーリ72と調整プーリ73は、タイミングベルト71により連結されているのでスリップしない。また、アーム駆動プーリ72は、調整プーリ73に対して減速されている方が調整の力も少なく、微調整もしやすい。
【0061】
ノブ66は、オペレータ(撮影者)が支持アーム部材62Eを支持アーム部材62Dに対して回動させたいときに、直接操作されるものであり、目盛67が用意されている。この目盛67は回転角を示すもの、或いは被写体までの距離を示すもの、のいずれでもよい。そして、オペレータが、この目盛67を確認しながらノブ66を回すと、調整プーリ73が回転する。この調整プーリ73の回転力は、タイミングベルト71を介して伝えられ、これにより支持アーム部材62Eを回動する。
【0062】
支持アーム部材62Eが回動すると、支持アーム部材62Eに一体化されている補助アーム63f及び補助アーム63iも連動して動く。
補助アーム63fは接続ロッド643により補助アーム63eに結合されている。補助アーム63eは、支持アーム部材62Cに一体化されている。従って、支持アーム部材62Cも、目盛67にて指定された目盛数だけ回動する。
また、補助アーム63iは、接続ロッド645により補助アーム63jに結合されている。補助アーム63jは、支持アーム部材62Gに一体化されている。従って、支持アーム部材62Gも、目盛67にて指定された目盛だけ回動する。
【0063】
さらに、支持アーム部材62Eが回動すると、補助アーム63hを介して支持アーム部材62Fも回動する。以下、隣接の支持アーム部材62とそれらの一体化された補助アーム63が動くことにより、全ての支持アーム部材62が目盛67にて指定された目盛数だけ回動する。
【0064】
なお、この撮像装置60においては、ノブ66又はアーム駆動プーリ72にロック機構を用意し、一旦回動した後にロック可能とするようにしている。
以上に説明した構成により、図15に示すように、例えば図中中央の支持アーム部材62Dを基準にして考えると、図中左の支持アーム部材62Cが基準の支持アーム部材62Dとなす角度αと、図中右の支持アーム部材62Eが基準の支持アーム部材62Dとなす角度βとの間に常にα=βの関係が成り立つ。
即ち、中央の支持アーム部材62Dを基準として、左の支持アーム部材62C又は右の支持アーム部材62Eのいずれか一方を回動させると、他方も同じ角度だけ回動する。
この結果、図16に示すように、各支持アーム部材62A,62B,62C,62D,62E,62F,62Gに搭載されたカメラ61の視点が常に一点で交わるようになり、かつ各カメラ61からこの一点までの距離が距離Lで等しくなる。
【0065】
ここで、回動の角度を変えると、各カメラ61とカメラ61の視点の交点との距離Lが変化することになる。
例えば、図17に模式的に示すように、支持アーム部材62Dを基準にして支持アーム部材62C又は支持アーム部材62Eのいずれか一方を角度α1で回動させた場合と、支持アーム部材62Dを基準にして支持アーム部材62C又は支持アーム部材62Eのいずれか一方をα1よりも大きい角度α2(α1<α2)で回動させた場合とを比較する。
図17より、回動の角度をα2とした場合における各カメラからカメラの視点の交点PV2までの距離L2は、回動の角度をα1とした場合の各カメラからカメラの視点の交点PV1まで距離L1よりも長くなる(L2>L1)。即ち、L2−L1だけ距離に差が生じることになる。
【0066】
以上のことから、この撮像装置60において、支持アーム部材62の回動角度をα1からα2に変更しながら、被写体に対してカメラをL2−L1だけ移動させると、或いはその逆に移動させると、被写体に対する視点を常に一致させながらカメラの視点の位置を連続的に変更可能とすることができる。
【0067】
本実施の形態においても、撮像装置60を構成する7台のカメラ61(61A,61B,61C,61D,61E,61F,61G)の映像から隣接する2台のカメラ61の映像を選択して、3D表示を行うことができる。
そして、映像信号が選択される2台のカメラ61を順次切り替えていくことにより、被写体の多視点からの立体的な映像を得ることができる。即ち多視点3D撮影が可能になる。
【0068】
そして、7台のカメラ61(61A,61B,61C,61D,61E,61F,61G)が固定された支持フレーム部材62(62A,62B,62C,62D,62E,62F,62G)が、各フレーム部材62のジョイント部を中心として相対移動することにより、図17に示したように、多視点から撮影可能な被写***置をPV1からPV2に変化させることができる。
これにより、視点位置の変化、3D表示用の撮影(3D撮影)という観点における視差の変化を可能にして、映像表現にバリエーションをつけることが可能となる。
【0069】
さらに、本実施の形態の撮像装置60によれば、図5に示した支柱1に固定された雲台2にカメラ50を取り付けた構成と比較して、複数のカメラ61の相対位置の変更をより容易に短時間で行うことが可能になる。
また、図5のように各カメラに対して支柱を設ける必要がなくなるため、少ない本数の支柱例えば図13に示す1本の固定部材68だけで済み、撮像装置60の可搬性が向上する。
【0070】
次に、図13に示した実施の形態の撮像装置60を変形した形態として、4本の支持アーム部材62により撮像装置を構成した場合における、支持アーム部材62の連動動作機構の一形態を、図18に示す。
まず、図18Aは、各支持アーム部材62に設けられた補助アーム63を、接続ロッド64で互いに結合した状態を示している。この状態で、回動の角度α、β、γは、常に同一に保たれる。
また、図18Bは、各支持アーム部材62を分解して、それぞれ単独で示している。支持アーム部材62には、補助アーム63が各1つずつ一体化されており、また隣接する支持アーム部材62との回動可能な連結のために用いる穴76,75が形成されている。例えば左から2番目の支持アーム部材62は、右側に隣接する支持アーム部材62及び補助アーム63の側に形成された穴75と、左側に隣接する支持アーム部材62の側、即ち後述する断面U字型の端部78の側に形成された穴76とを合わせて回動可能なように連結される。
【0071】
さらに、支持アーム部材62の平面図を図19Aに、側面図を図19Bにそれぞれ示す。補助アーム63の先端側には、接続ロッド64が動きを自由にして結合される穴77が形成されている。
そして、支持アーム部材62の補助アーム63が設けられていない左端部78は、断面U字型に形成されており、この断面U字型の端部78側に前述した穴76が形成されている。
このように支持アーム部材62の左端部78が断面U字型に形成されていることにより、左に隣接する支持アーム部材62の穴75が形成された部分を断面U字型の部分で挟み込んで、回動可能に固定することができる。
【0072】
さらに、他の形態として、支持アーム部材(エレメント)の数を任意にした場合の構成図を図20に示す。
ここでは、全て同じ形状の7本の支持アーム部材(エレメント)81を直線状に接続した状態を示す。
この図20からも明らかなように、同じ形状の支持アーム部材となるエレメントであれば、その数は任意に増やすことができる。エレメントの数nに対する接続ロッド83の数は、n−2となる。
【0073】
このように接続するためのエレメント81の構造は、例えば図21Aに平面図、図21Bに側面図を示すように、補助アーム82a,82bが互いに異なる向き(反対向き)になるようにそれぞれ端部に一体に形成される。そして、いずれか一方の端部85を断面U字型にし、隣接するエレメント81の他方の端部を挿入可能なように連結される。
【0074】
次に、ロック機構の他の具体的な形態の概略構成図を図23に示す。
図13に示した撮像装置60の支持装置におけるノブ66及びアーム駆動プーリ72はロック機構を備えていたのに対して、本形態では、アーム駆動プーリ72をウォールホイル94に置き換えたものである。ノブ66は傘歯ギア91を回転させ、それにかみ合うもう一方の傘歯ギア92、ウォーム93によりウォームホイール94を回転させる。
ウォームホイール94の回転は、例えば図13の支持アーム部材62の回動角度を変化させる。
【0075】
この構成の利点は、ウォーム93によりギアの減速比が非常に大きく取れることである。
従って、ノブ66の回転力が少なくても良く、微調整がしやすい。さらに、支持アーム部材が自動的にロックされる。
【0076】
このとき、ノブ66側で回転角度を表示するのは困難となるので、図23に示すように、隣接する支持アーム部材62Eとの回動部分に表示装置を取り付けるとよい。基準の支持アーム部材62Dに対して、右側の隣接支持アーム部材62Eが回動されて角度が変化するとき、この隣接支持アーム部材62Eと連動する針96が、基準の支持アーム部材62Dに対して固定されている目盛板95上を動くことによって、回動の角度を読み取ることができる。
なお、支持アーム部材62の回動角度は実用上あまり大きくないので、隣接する支持アーム部材62Eと針96との間にギアによる増角機構を設けることにより、針96の動きを大きくすることもできる。
【0077】
また、図22において、ウォーム93をモータによって駆動するようにしてもよい。この場合には遠隔制御が容易になる。モータとしては、ステッピングモータ、DCモータを用いたオープン制御も可能であり、さらに図23に示す針96の代わりに電気的角度検出手段を用意して、モータの回転角を自動制御するフィードバック制御も可能である。
【0078】
なお、支持アーム部材の軽量化を図るために、支持アーム部材にアルミニウム等の軽量合金を使用したり、図示しないが中空部を有する構造(例えば断面コの字構造や断面H字構造)としたりすることが可能である。
また、回動可能に連結される支持アーム部材間の遊びをなくすために、支持アーム部材の結合部に、スプリング等の弾性材を挿入して支持アーム部材の回動方向にテンションを加えることも可能である。この場合、各支持アーム部材は同じ角度で回動するため、支持アーム部材の結合部のうち1箇所にスプリング等の弾性材を挿入すればよい。
【0079】
また、多数のエレメントから成るアーム81のその他の結合形態を、図24に示す。
図24において、接続ロッド83及び接続ロッド125は、全てのアーム(エレメント)81を連結するためのものである。これら接続ロッド83,125とアームには例えばスプリング(図示せず)によりプリロードがかけられているものとする。このような構成では、たとえアーム81同士の間やアーム81とロッド83,125との間に若干の遊びがあった場合でも、これが実質的に吸収され、ガタが生じない。
このような点から、この形態では、一部の接続ロッド、即ち図中接続ロッド125を取り外せるようにした。このように一部の接続ロッド125を取り外すことにより、図中左のアーム群126と、右のアーム群127とがフリーになり、折り畳むことが可能となる。
従って、適当な接続ロッドを取り外せる構造にすることにより、使用しないときにはコンパクトに収納、運搬が可能となる。また、アーム81とアーム81との結合を取り外す構成、例えば点128でアーム81を取り外す構成とすることも可能である。
【0080】
次に、図13に示した実施の形態の撮像装置60を、撮影者131の胴体に移動可能なように取り付けた構成を、図25に示す。
撮影者131の導体部には、ベルト・スプリング・取り付けアーム等からなるスタビライザー130が取り付けられている。
撮影システム60の接続用ベース部材65は、スタビライザー130に形成されたネジ穴に、固定点74となる穴を合わせた状態で、取り付けネジが締め付けられることにより撮影者131のスタビライザー130に取り付けられる。
即ち、撮影者131とスタビライザー130により、図13の固定部材68とベース69と同じ機能を実現している。
このとき、スタビライザー130への固定点74には、撮影システム60の全体の重心が概略一致するようにされている。
スタビライザー130への固定点74は、全体の機構やカメラの上方で、自動的にバランスが取れるようにされている。
また、スタビライザー130には、バッテリー132やモニタ133が取り付けられている。
【0081】
このように撮影者131のスタビライザー130に取り付けられた撮像装置60は、図17に示したように、複数のカメラの視点を常に一致させながらカメラの視点を連続的に変更可能とし、移動撮影可能とされるという、有効な使用を著しく可能とする。
もちろん、機動性を高め、撮影者の自由度を阻害することなく、かつ撮影監督の撮影意図を的確に表現することができる。
【0082】
そして、撮像装置60を、前述したように多視点3D撮影が可能な構成とすれば、図25に示すスタビライザー130に撮像装置60を取り付けた構成とすることにより、可搬性を有し多視点3D撮影が可能な撮像装置を構成することができる。
【0083】
ところで、前述した撮像装置の各実施の形態は、複数のカメラを水平面に平行に配置する構成であったが、対象物(被写体)を取り囲みながら撮影するときに、対象物をできるだけ広範囲から取り囲みたいという要求が撮影現場にある。
従来の撮像装置の構成でこの要求に応えようとすると、対象物(被写体)の背景に撮像装置が入ってしまうため、これを回避すると共に自由に持ち運びができるという条件を満たすシステムが望まれる。
【0084】
これらの条件を満たす撮像装置の一形態を図26に示す。
この撮像装置140は、前述したような撮像装置60等と同様の構成を有する第1の撮像装置141及び第2の撮像装置142を、中心144にて直交するように組み立てたものであり、カメラ143を合計16台と、これらのカメラ143を支持する支持装置からなる。中心144付近には、接続用ベース部材145が設けられている。この接続用ベース部材145には、前述した固定部材68や、三脚等を取り付けることができる。
【0085】
このように撮像装置140を構成し、これを撮影者やオペレータ等が手で保持することによって、対象物(被写体)をカメラ143で取り囲みながら、かつ撮像装置140が映り込まない撮影が可能となる。撮影された画像は、コンピュータ処理により張り合わされる。
そして、第1の撮像装置141及び第2の撮像装置142を、それぞれ前述した多視点3D撮影が可能な構成とすれば、曲面上に配置した16台のカメラ143から、被写体を広範囲に取り囲み、かつ多視点3D撮影を行うことが可能になると共に、撮像装置140を自由に持ち運ぶ可搬性を実現することができる。
【0086】
なお、図26に示す撮像装置140においては、2つの撮像装置141及び142を直交するように配置したが、例えばさらに1つの撮像装置を加え3つの撮像装置を相互に60度の角度となるように配置して全体の撮像装置を構成することも可能である。
この場合も、各撮像装置を多視点3D撮影が可能な構成とすれば、全体の撮像装置で多視点3D撮影を行うことが可能になる。
【0087】
なお、図26に示したように撮像装置を構成すると、カメラの数は非常に増加するが、現在CMOS技術などにより小型・軽量・低消費電力のカメラが、例えば携帯電話に搭載されるようになってきている。そこで、そのようなカメラを用いることにより、カメラの数が増加しても、全体の撮像装置の大きさ・重量・消費電力に影響を与えることがなくなる。
【0088】
また、前述した各形態の撮像装置による取り囲み撮影においては、ライティング(照明)が通常の撮像装置に比べ困難になる。
従って、例えば支持アーム部材上に、各カメラとほぼ同じ位置に照明用ライトを取り付けると、この困難さが大きく軽減される。各照明用ライトがカメラの向きに連動して角度が変わるようにされることにより、撮影時のカメラの向きに最適な方向にライティングを行うことができる。
【0089】
なお、前述した各実施の形態の撮像装置の説明においては、隣接する2つの撮像部(カメラ)の各映像を使用して立体的な映像表示(3D表示)を行うとして説明しているが、立体的な映像表示(3D表示)を行うためには、必ずしも隣接する2つの撮像部を使用しなければならないわけではなく、例えば1つ置きの撮像部を使用することも可能である。
2つのカメラから被写体への向きが違い過ぎる場合(例えば被写体への向きの違いが180度に近い場合)には、3D表示を行うことが不可能となるが、ある程度まで(被写体Hの内容や、カメラから被写体Hまでの距離による)は許容される。特に、多数のカメラを設けて撮像装置を構成した場合には、許容範囲内で任意の2つのカメラを選択して立体表示を行うことが可能になる。
【0090】
本発明の撮像装置は、上述の各実施の形態の構成に限定されるものではなく、その他の構成も可能である。
本発明の撮像装置では、複数の撮像部がそれぞれ個別に独立して配置されているのではなく、支持部上に複数の撮像部が配置されて(一体化された)撮像装置が構成されていればよい。
【0091】
なお、3つ以上の撮像部(カメラ)を用いて多視点3D撮影を行う場合には、容易に3D表示用の映像を作成することができるように、各撮像部から被写体までの距離がほぼ同じことが望ましい。
しかし、撮像部(カメラ)から被写体までの距離にある程度の差がある場合には、2つの撮像部からの映像信号を編集して3D表示用の映像を作成する際に、距離の差による画像の違いを補正するような画像処理を行うようにする。
【0092】
また、各撮像部を支持する支持部の形状は、上述の各実施の形態に示したように、様々な形状が可能である。
例えば、支持部が複数の撮像部を、同一直線上、同一円弧上、同一平面上、同一球面上のいずれかに配置する構成とすれば、隣接又は近くに配置された2つの撮像部において、これら2つの撮像部から被写体までの距離を揃えて、立体的な映像表示用の映像信号に使用することができる。
これにより、2つの撮像部で撮影した映像信号から、立体的な映像表示用の映像を容易に作成することができる。
【0093】
本発明においては、複数の撮像部が支持部材に支持され、支持部材により各撮像部の相対位置の変更が可能な構成の撮像装置を用いて撮影システムを構成し、立体的な映像表示をするが、複数の撮像部によりそれぞれ撮影された映像信号から立体的な映像表示用の映像を作成するための信号処理手段の構成は様々な構成が可能である。
【0094】
例えば、リアルタイムに編集を行う場合には、各撮像部で撮影した映像信号を信号処理して、短時間で立体的な映像表示用の映像を作成する。このとき、例えば図2の記録装置を、映像信号のオーバーフローを防ぐためのバッファ部として用いることが考えられる。
一方、例えば、いったん映像を記録しておいて、後で映像を呼び出して映像信号の処理や編集を行う場合には、図2を用いて説明したと同様の手順で立体的な映像表示用の映像を作成する信号処理を行うことができる。
【0095】
また、撮像部と信号処理手段との間の接続や、記録装置と信号処理手段との間の接続は、有線(例えば、ケーブル、電話回線)又は無線等を通じてデータのやり取りが可能な構成とすることが考えられる。
さらに、例えばネットワーク(イントラネット、インターネット等)上のサーバに編集や選択、処理を行うソフトウエア(コンピュータプログラム)を置き、ネットワークを通じてこのソフトウエアにアクセスして、複数のカメラによって撮影した映像の編集や信号処理を行うことも考えられる。
【0096】
また、立体的な映像表示(3D表示)に使用する2つの撮像部の選択は、撮像部(カメラ)側で行うことも可能である。
例えば、撮像部にシャッター(機械的シャッターや撮像素子の電子シャッター等が考えられる)を設けて、立体表示に使用しない撮像部はシャッターを閉じて撮影が行われないように構成する。
そして、シャッターの開閉を制御して順次切り替えることにより、3D表示に使用される撮像部を切り替えることができる。
【0097】
なお、本発明の撮影方法は、基本的に本発明の撮像装置を用いて撮影を行うものであるが、本発明の撮影方法の手法は、本発明の撮像装置を用いる場合以外の撮影システムにも幅広く適用することが可能である。
即ち、複数の撮像部のうちの2つの撮像部からの映像信号を用いて立体的な映像表示を行う本発明の撮像方法の手法を、複数の撮像部(カメラ等)を使用する撮影システムに幅広く適用することができる。
例えば、従来からある撮影方法である、それぞれ個別に動作する複数のカメラにより多視点の撮影を行う撮影方法に適用して、複数のカメラのうちの2つのカメラからの映像信号を用いて、立体的な映像表示を行うことが可能である。
【0098】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
【0099】
【発明の効果】
上述の本発明によれば、複数の撮像部の機動性を高め、所定の場所を選ばずに、被写体の複数の立体的な映像(3D映像)を作成することができる。
【0100】
また、複数の撮像部が3つ以上の撮像部により構成され、複数の撮像部から2つの撮像部を選択してこの2つの撮像部の映像信号から立体的な映像を作成する構成としたときには、立体的な映像に用いられる映像信号を切り替えて、互いに異なる位置からの複数の立体的な映像を切り替えて表示することが可能になる。
【0101】
また、複数の撮像部を支持する支持部が可搬性を有し、撮像装置全体を持ち運びすることが可能な構成としたときには、機動性をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の撮像装置の一実施の形態の概略構成図である。
【図2】図1の撮像装置を用いた撮影システムの構成を示すブロック図である。
【図3】複数の各カメラから記録装置に送られる被写体の各動画像信号を示す図である。
【図4】図1の撮像装置の具体的な構成を示す概略構成図である。
【図5】図1の撮像装置のさらに具体的な構成を示す図である。
【図6】雲台と支柱の詳細な構成を示す図である。
【図7】雲台の平面図である。
【図8】複数のカメラを配置調整する方法を示すフローチャートである。
【図9】撮像装置におけるカメラ配置の他の形態を示す図である。
【図10】雲台の基準円環の他の形態を示す図である。
【図11】雲台の基準円環のさらに他の形態を示す図である。
【図12】雲台の位置決定基準を示す図である。
【図13】7本の支持アーム部材を用いて成る撮像装置の外観図である。
【図14】接続用ベース部材が取り付けられている支持アーム部材を示す図である。A 正面図である。B 平面図である。
【図15】回動角度の一致を説明するための図である。
【図16】視点の一致を説明するための図である。
【図17】回動の角度を変えたときの、視点の交点とカメラからの距離の関係を説明するための図である。
【図18】A、B 支持アーム部材を4本とした撮像装置の連動動作メカニズムを示す図である。
【図19】A 図18の支持アーム部材の平面図である。B 図18の支持アーム部材の側面図である。
【図20】同じ形状の支持アーム部材(エレメント)の数を任意にした場合の構成図である。
【図21】A 図21の支持アーム部材(エレメント)の平面図である。B 図21の支持アーム部材(エレメント)の断面図である。
【図22】ロック機構の他の具体的な形態を示す図である。
【図23】回転角度の表示の他の形態を示す図である。
【図24】全て同じ形状にしたエレメント(支持アーム部材)により結合した撮像装置の他の形態を示す図である。
【図25】図13の撮像装置を撮影者の胴体に移動可能なように取り付けた様子を示す図である。
【図26】2つの撮像装置を直交させて成る撮影装置を示す図である。
【符号の説明】
1 支柱、2 雲台、3 位置決め線材、6 三脚、10,60,140 撮像装置、50,50A,50B,50C,50D,50E,61A,61B,61C,61D,61E,61F,61G カメラ、H 被写体
Claims (6)
- 複数の撮像部が支持部により支持され、複数の撮像部の相対位置が前記支持部により変更可能である構成の撮像装置を使用して、
前記複数の撮像部により、略同一の被写体を異なる位置から撮影し、
前記複数の撮像部からの映像信号を使用して、立体的な映像表示を行う
ことを特徴とする撮影方法。 - 前記撮像装置が前記撮像部を3つ以上有し、各前記撮像部からの映像信号のうち2つの撮像部の映像信号を選択して、選択した映像信号をそれぞれ右目用画像と左目用画像として表示することにより、前記立体的な映像表示を行うことを特徴とする請求項1に記載の撮影方法。
- 複数の撮像部と、
前記複数の撮像部を支持する支持部とを備え、
前記支持部は、前記複数の撮像部の相対位置を変更することが可能な構成とされ、
前記複数の撮像部によりそれぞれ撮影された映像信号から、立体的な映像表示用の映像を作成する信号処理手段を有する
ことを特徴とする撮像装置。 - 前記支持部は、前記複数の撮像部の相対位置を連続的に変化させることが可能な構成であることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
- 前記支持部により、前記複数の撮像部が、同一直線上、同一円弧上、同一平面上、同一球面上のいずれかに配置されることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
- 前記支持部が可搬性を有し、撮像装置全体を持ち運びすることが可能であることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
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