JP2004262681A - 半導体レーザ装置用光学素子の製造方法、及び半導体レーザ装置用光学素子 - Google Patents

半導体レーザ装置用光学素子の製造方法、及び半導体レーザ装置用光学素子 Download PDF

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Yoshiyuki Shimizu
義之 清水
Tomonobu Yoshikawa
智延 吉川
Shoji Nakamura
正二 中村
Atsushi Ashino
淳 芦野
Atsushi Murata
淳 村田
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Abstract

【課題】面形状精度が安定した光学素子を製造でき、生産性が高く、かつ安価に製造することができる半導体レーザ装置用光学素子の製造方法及び半導体レーザ装置用光学素子を提供する。
【解決手段】1対の上プレスヘッド7と下プレスヘッド8との間に配置した光学素子材料6を加圧して成形する工程を備え、上プレスヘッド7と下プレスヘッド8との少なくとも一方は、光学素子材料6に光学的有効部である非円筒面又は円筒面を成形する溝状部が形成されている。このことにより、面形状精度が安定した光学素子を得ることができ、生産性が高く、かつコスト面でも有利になる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レーザ装置に用いるガラス光学素子のプレス成型に関し、特に高出力の半導体レーザによる溶接機や切断機等の加工機に用いる半導体レーザ装置用光学素子の製造方法及びこの方法により製造した光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体レーザ装置に関する技術として、例えば半導体レーザアレイから放射した光の集光度を高め、しかも光ファイバアレイから出力する光の密度を上げることのできる装置が提案されている(例えば下記特許文献1参照)。
【0003】
このような半導体レーザ装置に用いる光学素子には、例えば半円柱状のレンズや、双曲線状のレンズがあり、レンズ同士を貼り合わせて用いる場合もある。この場合、複雑な形状に対応するため、イオン交換レンズや研磨加工レンズが用いられていた。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−335755号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記のようなイオン交換レンズや研磨加工レンズは、一品一品を個別に加工するため、面形状の精度のばらつきが大きく、このばらつきが集光性や結合効率にも大きく影響するという問題があった。
【0006】
また、加工面全体が光学的有効面として加工されているため、装置に保持するためには、新たな部材を接着したり、位置合わせのために冶工具を用いなければならず、複雑な調整を必要としていた。
【0007】
さらに、面形状の精度は厳格に確保する必要があり、このため、加工工程が長くなる上、安定した形状の確保も困難となり、これに伴い製造コストも増大し、高価なレンズとなっていた。
【0008】
本発明は、前記のような従来の問題を解決するものであり、面形状精度が安定した光学素子を製造でき、生産性が高く、かつ安価に製造することができる半導体レーザ装置用光学素子の製造方法及び半導体レーザ装置用光学素子を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の半導体レーザ装置用光学素子の製造方法は、1対の押圧型の間に配置した光学素子材料を加圧して成形する工程を備え、
前記1対の押圧型の少なくとも一方は、前記光学素子材料に光学的有効部である非円筒面又は円筒面を成形する溝状部が形成されていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の半導体レーザ装置用光学素子は、光学的有効部である非円筒面又は円筒面を備えた半導体レーザ装置用光学素子であって、前記光学素子は、1対の押圧型の間に配置した光学素子材料を加圧して成形され、前記非円筒面又は円筒面は、前記1対の押圧型の少なくとも一方に形成された溝状部により成形されたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体レーザ装置用光学素子の製造方法は、1対の押圧型の間に配置した光学素子材料を加圧して成形するので、面形状精度が安定した光学素子を得ることができ、生産性が高く、かつコスト面でも有利になる。また、本発明の半導体レーザ装置用光学素子は、1対の押圧型の間に配置した光学素子材料を加圧して成形したものであるので、面形状精度が安定し、生産性が高く、かつコスト面でも有利になる。
【0012】
前記本発明の半導体レーザ装置用光学素子の製造方法においては、前記溝状部は複数列であることが好ましい。この構成によれば、成形後の光学素子材料には、溝状部に対応した非円筒面又は円筒面が複数列となるので、一つの光学素子材料から光学素子アレイを得ることができる。
【0013】
また、前記溝状部は複数列であり、各列は等間隔に配置されていることが好ましい。
【0014】
また、成形された前記光学素子材料を蒸着した後、前記成形された前記光学素子材料が複数の光学素子になるように切断する切断工程をさらに備えたことが好ましい。この構成によれば、切断後の蒸着が不要となるので、蒸着のために光学素子固定のための押さえ部を設けることも不要となる。
【0015】
また、前記蒸着は、光学的有効部以外の部分にも及ぶようにすることが好ましい。
【0016】
また、成形された前記光学素子材料が複数の光学素子になるように切断する切断工程をさらに備えており、前記溝状部が形成されている押圧型は、前記溝状部に隣接して平面部が形成されており、
前記切断工程において、成形後の前記光学素子材料のうち、前記平面部に対応する部分を残して切断することが好ましい。この構成によれば、切断時にチッピングが生じても、これが光学的有効部にまで及ぶのを防止することができる。また切断後には光学的有効部に加え余剰部分ができるので、この余剰部分を半導体レーザ装置への固定部分として利用することができる。このため、装置に保持するために新たな部材を接着したり、位置合わせのために冶工具を用いることも不要となり、装置に保持の際の調整も容易になる。
【0017】
また、前記溝状部が形成されている押圧型は、前記溝状部に隣接して平面部が形成されており、前記光学素子材料を加圧する前に、前記平面部に遮光材料又は前記光学素子材料に比べ熱伝導性の良い材料を付加しておき、前記光学素子材料の加圧時に、前記光学素子材料に前記付加した材料を転写させることが好ましい。この構成によれば、光学的有効部に加えて形成された余剰部分を遮光部や放熱部として利用することができる。
【0018】
また、前記溝状部が形成されている押圧型は、前記溝状部に隣接して平面部が形成されており、前記光学素子材料を加圧する前に、前記平面部に遮光材料であり、かつ前記光学素子材料に比べ熱伝導性の良い材料を付加しておき、前記光学素子材料の加圧時に、前記光学素子材料に前記付加した材料を転写させることが好ましい。この構成によれば、光学的有効部に加えて形成された余剰部分は、遮光と放熱効果とを同時に兼ね備えることができる。
【0019】
また、前記平面部に付着させる材料は、カーボン、グラファイト、及びグラファイトシートから選ばれる少なくとも一つの材料であることが好ましい。
【0020】
また、前記溝状部が形成されている押圧型は、前記溝状部に隣接して平面部が形成されており、成形後の前記光学素子材料のうち、前記平面部に対応する部分に光学的な遮光効果があるように、前記平面部の表面粗度を前記溝状部の表面粗度に比べて大きくしていることが好ましい。この構成によっても光学的有効部に加えて形成された余剰部分を遮光部として利用することができ、成形毎の粉体塗布やシート貼り付けは不要となるので、生産性に有利となる。
【0021】
次に、本発明の半導体レーザ装置用光学素子においては、前記非円筒面又は円筒面に隣接して平面部を備えていることが好ましい。この構成によれば、切断時にチッピングが生じても、これが光学的有効部にまで及ぶのを防止することができる。また光学的有効部に加え余剰部分を有しているので、この余剰部分を半導体レーザ装置への固定部分として利用することができる。このため、装置に保持するために新たな部材を接着したり、位置合わせのために冶工具を用いることも不要となり、装置に保持の際の調整も容易になる。
【0022】
また、前記平面部に、前記光学的有効部に比べ熱伝導の良い材料又は光学的透過率の低い材料が付加されていることが好ましい。この構成によれば、光学的有効部に加えて形成された余剰部分を遮光部や放熱部として利用することができる。
【0023】
また、前記平面部に、前記光学的有効部に比べ熱伝導が良く、かつ光学的透過率の低い材料が付加されていることが好ましい。この構成によれば、光学的有効部に加えて形成された余剰部分は、遮光と放熱効果とを同時に兼ね備えることにができる。
【0024】
また、前記平面部に付加した材料は、カーボン、グラファイト、及びグラファイトシートから選ばれる少なくとも一つの材料であることが好ましい。
【0025】
また、前記平面部に遮光効果があるように、前記平面部の表面粗度を前記非円筒面又は円筒面の表面粗度に比べて大きくしていることが好ましい。この構成によっても光学的有効部に加えて形成された余剰部分を遮光部として利用することができる。
【0026】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0027】
(実施の形態1)
図1の各図は、実施の形態1に係る半導体レーザ装置用光学素子の製造方法の工程断面図である。本実施の形態に係る成型用の金型ブロック4は、胴型3、及び押圧型である下型1、上型2を備えている。成形装置には、予熱ステージ、プレスステージ、冷却ステージが配置されており、3組の金型ブロック4をこれらの各ステージに順次搬送していく機構(図示せず)が設けられている。
【0028】
ここで、各ステージでの温度Tとプレス圧力Pとの組み合わせの設定は、予熱ステージ、プレスステージ、冷却ステージの順に、設定1(予熱温度T1、予備圧力P1)、設定2(プレス温度T2、プレス圧力P2)、設定3(冷却温度T3、冷却圧力P3)とする。温度Tの調節は、加圧手段である上プレスヘッド7、下プレスヘッド8に内蔵された加熱手段であるヒータ9の発熱量を調節して行い、プレス圧力Pの調節は、上下プレスヘッド7、8の加圧力を調節して行う。
【0029】
また、プレスステージには、変位センサ5が装備されており、演算処理付きシーケンサ10が制御装置として設けられている。
【0030】
図2は、金型ブロック4の分解斜視図である。光学素子材料6は下型1と上型2との間に配置されることになる。胴型3には開口部3aが形成されており、成形時には、図1に示したように、胴型3の内部に下型1の先端部と上型2の先端部とが光学素子材料6を挟み込んだ状態で配置されていることになる。なお、図2では、下型1、上型2は先端部のみを図示している。
【0031】
下型1には、溝状部1aが形成されており、溝形状部1aの形状は、内面形状が非円筒面又は円筒面に対応する形状である。このため、光学素子材料6には、非円筒面又は円筒面が転写されることになる。
【0032】
図1に示したように、金型ブロック4は、上プレスヘッド7と下プレスヘッド8との間に挟まれている。各ステージ上に下プレスヘッド8を載置した状態で、上プレスヘッド8により、金型ブロック4を加圧することにより、光学素子材料6を加圧することができる。より具体的には、上型2の外周面と胴型3の内周面とが摺動しながら、上型2と下型1との間隔が狭まり、光学素子材料6を加圧することになる。
【0033】
以下、図1を参照しながら工程順に説明する。まず、図1(a)に示したように、下型1上に光学素子材料6を載置して、下型1の上面、上型2の下面、及び胴型3の内周面で囲まれたキャビティ内に光学素子材料6が配置された状態にする。この状態の金型ブロック4を予熱ステージ上で予備加熱する。
【0034】
本実施の形態では、光学素子材料6にホウ珪酸ガラス(ガラス転移点Tg=520℃)の平板研磨硝材を用い、縦9.5mm、横14.5mm、厚さ1mmの大きさのものを用いた。また、予備加熱の予熱温度T1は、ガラス屈服点At=560℃以上(例えば600℃)に設定し、予備圧力をP1(9.8×10N/m)に設定した。この設定の下、一定タクト(t=100秒)で、プレスステージ上に搬送して、次工程である図1(b)のプレス工程へ移行させる。
【0035】
図1(b)のプレス工程においては、金型ブロック4を加熱しながら、上プレスヘッド7で上型2を加圧して、光学素子材料6を変形させて光学素子アレイ6aを成形する。プレス温度T2は、例えば580℃に設定し、プレス圧力P2は、例えば9.8×10N/mとする。光学素子アレイ6aの成形後は、冷却ステージ上に搬送して、次工程である図1(c)の冷却工程へ移行させる。
【0036】
金型ブロック4は、図1(c)の冷却工程において冷却され、成形された光学素子アレイ6aも冷却されることになる。冷却工程においては、上型2及び下型1に加工された光学素子有効転写面の形状を光学素子材料に転写しながら固化させることになる。このため、所定の冷却圧力P3で加圧しながら、冷却温度T3まで冷却する。冷却圧力P3は、例えば4.9×10N/mに設定し、冷却温度T3は、ガラス転移点以下の例えば515℃に設定する。
【0037】
光学素子アレイ6aがガラス転移点以下の温度に到達すると、プレス開放して(加圧を解除して)、光学素子アレイ6aをキャビティ内から取り出す。図3は、光学素子アレイ6aを下型1から離型させた状態を示す要部拡大斜視図である。成形後の光学素子アレイ6aは、下型1の溝状部1aの形状が転写され、3本の非円筒面6bが形成されている。
【0038】
また、成形機チャンバー内は、N還元雰囲気に置換されており、金型の酸化を防止している。このことにより、光学素子素材と金型転写面との密着性を低下させており、光学素子アレイ6aのキャビティ内から取り出しを容易にしている。
【0039】
本実施の形態では、光学素子アレイ6aの大きさは、厚さ0.8mmの略長方形(10×15mm)であった。光学素子アレイ6aの各非円筒面を含むように、例えば破線6c部で切断すれば所望の光学素子(図6(b)参照)を得ることができる。これらの光学素子の性能を確認したところ、良好な光学性能(集光性)であった。
【0040】
図4は、光学素子切断の別の例を示す斜視図である。図4(a)は、別の押圧型を用いて成形した成形後の光学素子アレイ11の斜視図を示している。本図に示した光学素子アレイ11は、半円筒形の凸部11aが矢印a方向(凸部11aの長手方向と直交する方向)に多数配列されている。図4(b)に示した光学素子12は、図4(a)の光学素子アレイ11を所定幅で、矢印a方向に切断したものである。
【0041】
なお、本実施形態では、3つのステージを用いて成形する例で説明したが、1つのステージを用いて成形してもよい。
【0042】
ここで、図5(a)は半導体レーザから出射される光を示す斜視図である。半導体レーザ100から出射される光の広がり角は、X軸方向(スロウ方向)に比べ、これと直交するY軸方向(ファースト方向)が大きくなっている。図5(b)は、半導体レーザ100と光学素子101、102との位置関係を示す斜視図であり、本図のように、複数の半導体レーザ100から光を出射した場合、Y軸方向については、シリドリカル(円筒)面を有する光学素子101によって、光の広がりを平行に直したり、集光したりすることができる。X軸方向については、各半導体レーザ100に対応するシリドリカル面102aを複数備えた光学素子102によって、光の広がりを平行に直したり、集光したりすることができる。この場合、光学素子の各円筒面の収差(集光のばらつき)をなくすためには、非円筒面を利用がよいことが知られている。
【0043】
円筒面、非円筒面のいずれについても、面形状精度は厳格であり、特に非円筒面の作成は、機械加工や貼り合わせなどの工法では加工精度のばらつきを抑えることが極めて困難であった。これに対して、本実施の形態にように、一旦所定形状に加工した金型を用いてガラス面に非円筒面を転写する製造方法によれば、機械加工や貼り合わせなどの工法に比べ、加工精度のばらつきを抑えることができ、面形状精度を安定させることができる。さらに、生産性に優れており、製造コストの点でも有利である。このため、本実施の形態は、特に非円筒面を有する光学素子の製造に有用である。
【0044】
なお、図5(b)に示した光学素子101は、前記の図3のような切断によって得ることができ、光学素子102は、前記の図4のような切断によって得ることができる。
【0045】
(実施の形態2)
実施の形態2は、前記実施の形態1で説明した構成のうち、特に金型の材料、加工に関する実施の形態である。本実施の形態では、光学素子材料として、高屈折材料(nd=1.83917)のK−PSFn3(住田光学ガラス製、Tg=477℃、At=515℃)を用い集光性をより高めた。
【0046】
非円筒面を成形する金型の加工は、砥石を金型母材に対して直線方向に回転させて走らせながら垂直方向の座標をNCコントロールすることにより形成が可能である。この場合、光学素子としての表面粗さを満足させ、かつ非円筒面形状誤差を0.1μm以下に抑えるためには、加工環境をはじめ、砥石の材料、加工条件等の条件を整えることにより実現可能である。また、形状を整えた後に磨きツールを用い、表面粗度だけを改善し鏡面性が得られるように研磨してもよい。
【0047】
また、金型の材料についても、加工後の鏡面性を有し、成形時の温度に耐えるようにSiC等のセラミックやWC(超硬)を用いることが好ましく、安価な材料としてSUS等を用いてもよい。また、成形時のガラスとの反応を少しでも低減させるためにはグラッシーカーボン等を用いてもよい。また、母材を各種セラミック、又は金属とし、表面に金属又はカーボン等の薄膜を形成し成形用金型として用いてもよい。例えば、超硬材料にカーボン(DLC)の被膜をして成形用金型として用いてもよい。
【0048】
(実施の形態3)
実施の形態3は、成形後の光学素子材料の切断に関する実施の形態である。図6(a)は、切断前の光学素子アレイ20の斜視図ある。図6(b)は、切断後の光学素子21を示している。光学素子21は、光学素子アレイ20を、円筒又は非円筒部の長手方向(矢印b方向)に切断したものであり、切断方向と直交する方向(矢印a方向)についてみると、円筒又は非円筒部である光学的有効部分のみを残して切断した例である。
【0049】
この場合、図6(a)の切断前の状態で蒸着工程に移行させ、切断前の状態において蒸着を完了しておくことが好ましい。切断後に蒸着する場合は、光学素子固定のための押さえ部(光学素子21の長手方向の両端部)が未蒸着となるためである。
【0050】
図6(c)は、光学的有効部分22aに加えて、平面部である余剰部分22bを残して切断した例に係る光学素子22の斜視図である。切断は、図6(b)のように、光学的有効部分のみを残して切断してもよいが、切断方法によっては、光学有効面内にチッピングが入る場合がある。この対策として、接着層を設け、チッピングを防止する方法や、切断面を研磨(ラッピング)する方法がある。
【0051】
図6(c)の例では、余剰部分22bを残して切断するので、チッピングが生じても、これが光学有効面22aにまで及ぶのを防止することができる。また、余剰部分22bは、光学素子を半導体レーザ装置の構成部品として用いる際に、固定部分として利用することができる。このため、装置に保持するために新たな部材を接着したり、位置合わせのために冶工具を用いることも不要となり、装置に保持の際の調整も容易になる。
【0052】
図6(d)は、余剰部分を残して切断した別の例に係る光学素子23の斜視図である。本図に示した例は、光学有効面の両側に平面部である余剰部分23bを残している。この切断方法によれば、チッピングが光学有効面23aにまで及ぶのをより確実に防止することができる。また、余剰部分23bを固定部分として利用できることは、図6(c)の構成と同様である。
【0053】
(実施の形態4)
実施の形態4は、実施の形態3の構成に加え、余剰部分を遮光部や放熱部として利用する構成である。図3に示した下型1には、光学有効面に対応する溝状部1aと、余剰部分に対応する平面部1bとを備えている。本実施の形態は、平面部1bにあらかじめグラファイト粉体を塗布しておき、この状態でガラス転写するというものである。この方法によれば、ガラス転写と同時にグラファイト粉体がガラス表面に融着することになり、成形後の光学素子には、光学的に透過しない平面が得られる。
【0054】
図7(a)は、成形後の光学素子アレイ24の斜視図を示しており、下型1の平面部1bに対応した平面部24aには、グラファイト粉体がガラス表面に融着している(斜線部)。図7(b)に示した光学素子25は、図7(a)の光学素子アレイ24を切断して得たものである。光学素子25は、光学的有効部分25aに加えてグラファイト粉体が融着した余剰部分25b(斜線部)を備えている。
【0055】
図7(c)は、図7(b)に示した光学素子25による半導体レーザ100からの光の収束作用を示している。矢印で示した射出光は、図5(a)に示したY方向に広がった光に相当する。余剰部分25bは、光学的に透過しない平面であるので、破線の矢印で示したように、光学的有効径外の光の通過を防止することができる。このため、迷光などの余分な光が吸収され集光性が向上することになる。また、グラファイトはガラス材に比べ熱伝導性が良く、散乱する光により蓄えられる熱を一定方向(図7(c)の例では矢印b方向)に放熱することが可能になり、余剰部分25bは遮光と放熱効果とを同時に兼ね備えることができる。このため、この光学素子を半導体レーザ加工機等の装置に用いれば装置の品質を向上できる。
【0056】
また、図3において下型1の平面部1bの表面粗度を溝状部1aの表面粗度より大きくしておき、この大きくした表面粗度をガラス材に転写して遮光効果を得るようにしてもよい。この方法によれば、成形毎の粉体塗布やシート貼り付けは不要となるので、生産性に有利となる。
【0057】
なお、光学素子の余剰部分に付加する材料として、グラファイトの粉体の例で説明したが、これに限るものでなく、遮光効果又は放熱効果を有する材料であればよく、遮光効果と放熱効果との双方を有する材料がより好ましい。例えば、グラファイトの粉体に代えてカーボンの粉体を用いてもよく、粉体状のものに限らず、等配性焼結されたグラファイトシートを用いてもよい。
【0058】
(実施の形態5)
実施の形態5は、光学素子材料の形状に係る実施形態である。図8(a)は成形前の状態における光学素子材料30、下型31、及び上型32の斜視図を示している。前記実施の形態1においては、光学素子材料は平板硝材であったのに対して、本図の光学素子材料30は棒形状の棒硝材である。各光学素子材料30を下型31の溝状部31aに対応するように配置して成形すれば、図8(b)のような光学素子33が得られる。本実施の形態によれば、1回の成形で光学的有効部が分離した複数個の光学素子材料30が得られるので切断工程が不要になる。
【0059】
図9に示した例は、光学素子材料40が球形状のボール硝材である。図9(a)は成形前の状態における光学素子材料40、下型41、及び上型42の斜視図を示している。ボール状の各光学素子材料40を下型41の溝状部41aに並べて配置して成形すれば、図9(b)のような、光学素子43が得られる。本実施の形態においても、1回の成形で光学的有効部が分離した複数個の光学素子材料43が得られる。
【0060】
【発明の効果】
以上のように、本発明の半導体レーザ装置用光学素子の製造方法によれば、1対の押圧型の間に配置した光学素子材料を加圧して成形するので、面形状精度が安定した光学素子を得ることができ、生産性が高く、かつコストでも有利になる。また、本発明の半導体レーザ装置用光学素子は、1対の押圧型の間に配置した光学素子材料を加圧して成形したものであるので、面形状精度が安定し、生産性が高く、かつコスト面でも有利になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の実施の形態1に係る半導体レーザ装置用光学素子の製造方法の予備加熱工程を示す工程断面図
(b)本発明の実施の形態1に係る半導体レーザ装置用光学素子の製造方法のプレス工程を示す工程断面図
(c)本発明の実施の形態1に係る半導体レーザ装置用光学素子の製造方法の冷却工程を示す工程断面図
【図2】本発明の一実施形態に係る金型ブロックの分解斜視図
【図3】本発明の一実施形態に係る光学素子材料を下型から離型させた状態を示す要部拡大図
【図4】(a)本発明の一実施形態に係る成形後の光学素子材料の斜視図
(b)本発明の一実施形態に係る切断後の光学素子材料の斜視図
【図5】(a)半導体レーザから出射される光を示す斜視図
(b)半導体レーザと光学素子との位置関係を示す斜視図
【図6】(a)本発明の一実施形態に係る成形後の光学素子材料の斜視図
(b)本発明の一実施形態に係る切断後の光学素子の第1の例の斜視図
(c)本発明の一実施形態に係る切断後の光学素子の第2の例の斜視図
(d)本発明の一実施形態に係る切断後の光学素子の第3の例の斜視図
【図7】(a)本発明の一実施形態に係る成形後の光学素子材料の斜視図
(b)本発明の一実施形態に係る切断後の光学素子の斜視図
(c)図7(b)に示した光学素子の光の収束作用を示しす断面図
【図8】(a)本発明の一実施形態に係る光学素子材料と上下型の斜視図
(b)本発明の一実施形態に係る成形後の光学素子の斜視図
【図9】(a)本発明の一実施形態に係る光学素子材料と上下型の斜視図
(b)本発明の一実施形態に係る成形後の光学素子の斜視図
【符号の説明】
1 下型
1a 溝状部
1b,22b,23b,25b 平面部
2 上型
3 胴型
4 金型ブロック
6 光学素子材料
6a,11,20,24 光学素子アレイ
12,21,22,23,25,33,43 光学素子

Claims (16)

  1. 1対の押圧型の間に配置した光学素子材料を加圧して成形する工程を備え、
    前記1対の押圧型の少なくとも一方は、前記光学素子材料に光学的有効部である非円筒面又は円筒面を成形する溝状部が形成されていることを特徴とする半導体レーザ装置用光学素子の製造方法。
  2. 前記溝状部は複数列である請求項1に記載の半導体レーザ装置用光学素子の製造方法。
  3. 前記溝状部は複数列であり、各列は等間隔に配置されている請求項1に記載の半導体レーザ装置用光学素子の製造方法。
  4. 成形された前記光学素子材料を蒸着した後、前記成形された前記光学素子材料が複数の光学素子になるように切断する切断工程をさらに備えた請求項1に記載の半導体レーザ装置用光学素子の製造方法。
  5. 前記蒸着は、光学的有効部以外の部分にも及ぶようにする請求項5に記載の半導体レーザ装置用光学素子の製造方法。
  6. 成形された前記光学素子材料が複数の光学素子になるように切断する切断工程をさらに備えており、前記溝状部が形成されている押圧型は、前記溝状部に隣接して平面部が形成されており、
    前記切断工程において、成形後の前記光学素子材料のうち、前記平面部に対応する部分を残して切断する請求項1に記載の半導体レーザ装置用光学素子の製造方法。
  7. 前記溝状部が形成されている押圧型は、前記溝状部に隣接して平面部が形成されており、前記光学素子材料を加圧する前に、前記平面部に遮光材料又は前記光学素子材料に比べ熱伝導性の良い材料を付加しておき、前記光学素子材料の加圧時に、前記光学素子材料に前記付加した材料を転写させる請求項1に記載の半導体レーザ装置用光学素子の製造方法。
  8. 前記溝状部が形成されている押圧型は、前記溝状部に隣接して平面部が形成されており、前記光学素子材料を加圧する前に、前記平面部に遮光材料であり、かつ前記光学素子材料に比べ熱伝導性の良い材料を付加しておき、前記光学素子材料の加圧時に、前記光学素子材料に前記付加した材料を転写させる請求項1に記載の半導体レーザ装置用光学素子の製造方法。
  9. 前記平面部に付着させる材料は、カーボン、グラファイト、及びグラファイトシートから選ばれる少なくとも一つの材料である請求項7又は8に記載の半導体レーザ装置用光学素子の製造方法。
  10. 前記溝状部が形成されている押圧型は、前記溝状部に隣接して平面部が形成されており、成形後の前記光学素子材料のうち、前記平面部に対応する部分に光学的な遮光効果があるように、前記平面部の表面粗度を前記溝状部の表面粗度に比べて大きくしている請求項1に記載の半導体レーザ装置用光学素子の製造方法。
  11. 光学的有効部である非円筒面又は円筒面を備えた半導体レーザ装置用光学素子であって、前記光学素子は、1対の押圧型の間に配置した光学素子材料を加圧して成形され、前記非円筒面又は円筒面は、前記1対の押圧型の少なくとも一方に形成された溝状部により成形されたことを特徴とする半導体レーザ装置用光学素子。
  12. 前記非円筒面又は円筒面に隣接して平面部を備えている請求項11に記載の半導体レーザ装置用光学素子。
  13. 前記平面部に、前記光学的有効部に比べ熱伝導の良い材料又は光学的透過率の低い材料が付加されている請求項12に記載の半導体レーザ装置用光学素子。
  14. 前記平面部に、前記光学的有効部に比べ熱伝導が良く、かつ光学的透過率の低い材料が付加されている請求項12に記載の半導体レーザ装置用光学素子。
  15. 前記平面部に付加した材料は、カーボン、グラファイト、及びグラファイトシートから選ばれる少なくとも一つの材料である請求項13又は14に記載の半導体レーザ装置用光学素子。
  16. 前記平面部に遮光効果があるように、前記平面部の表面粗度を前記非円筒面又は円筒面の表面粗度に比べて大きくしている請求項12に記載の半導体レーザ装置用光学素子。
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