【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、トラクタや乗用芝刈機等、作業車両の操向制御装置に関し、例えば枕地などでの旋回時に前輪の切れ角を大きくして、旋回性能を向上させるものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、特開２００１−２７０４５６号公報に示されるように、アクスルハウジングの左右両端部に、上下方向の第一軸を中心に回動可能な中間ケースを設け、前記左右夫れ夫れの中間ケースの外端部に、前輪を支持し且つ前記第一軸よりも外側に配設する上下方向の第二軸を軸に回動させる車軸ケースを設けた作業車の操向装置が知られている。
【０００３】
【特許文献１】
特開２００１−２７０４５６号公報（第１頁、図５）
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
前記公報による作業車の操向装置は、畦際等での旋回時に車輪の切り角を大きくして旋回性能を向上させるものであるが、これら中間ケースと車軸ケースをリンク機構により機械的に連動連結する為、非作業時、例えば車両が一般道路で高速で走行している時に、前輪が過剰に切れて急旋回を生じ安全性を損なったり、常に前輪が過剰に切れてタイヤを磨耗し耐久性を損なうという課題が有った。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
以上のような課題に鑑みて、この発明は作業車両の操向制御装置を以下のように構成した。即ち、請求項１の発明では、アクスルハウジング（１）の左右両端部に、上下方向の第一軸（２９）を中心に回動可能な中間ケース（４）を設け、前記左右夫れ夫れの中間ケース（４）の外端部に、前輪（１３）を支持し且つ前記第一軸（２９）よりも外側に配設する上下方向の第二軸（３０）を中心に回動可能な車軸ケース（３）を設けた作業車両において、
前記車両の操向操作具（５）との連動部位に車両の旋回操作を検出するセンサ（４０）を設け、前記中間ケース（４）と車軸ケース（３）に夫れ夫れアクチュエータ（７，２）を連動連結すると共に、前記センサ（４０）により車両の旋回操作を検出する迄は前記両アクチュエータ（７，２）の内、車軸ケース（３）に連結したアクチュエータ（２）の駆動で前記前輪（１３）を操向し、前記センサ（４０）により車両の旋回操作を検出した時には、前記両アクチュエータ（７，２）により前記前輪（１３）を旋回内側に操向する制御手段（３９）を備えたことを特徴とする作業車両の操向制御装置とした。
（請求項１の作用）
以上のように構成した請求項１の発明では、車両の旋回操作を検出する迄、即ち一般的な操向操作では前記両アクチュエータ（７，２）の内、車軸ケース（３）に連結したアクチュエータ（２）の駆動で前記前輪（１３）を操向する。また、前記センサ（４０）により車両の旋回操作、即ち作業時と想定される急旋回を検出した時には、前記両アクチュエータ（７，２）により前記前輪（１３）を旋回内側に操向する。
【０００６】
また、請求項２の発明では、前記車両には、車両の旋回操作に連動して前記前輪（１３）の周速を後輪（１４）の周速に比して増速する前輪増速機構（５８）を備え、前記制御手段（３９）は、前記前輪増速機構（５８）を作動させると同時、或いはその作動後に前記両アクチュエータ（７，２）により前記前輪（１３）を旋回内側に操向することを特徴とする請求項１に記載の作業車両の操向制御装置とした。
（請求項２の作用）
以上のように構成した請求項２の発明では、車両の旋回操作、即ち作業時と想定される急旋回を検出した時には、前記前輪増速機構（５８）を作動させると同時、或いはその作動後に前記両アクチュエータ（７，２）により前記前輪（１３）が旋回内側に操向される。
【０００７】
また請求項３の発明では、前記車両には、車両の旋回操作に連動して旋回内側の後輪（１４）を制動するブレーキ用油圧シリンダ（５５）を備え、前記制御手段（３９）は、前記ブレーキ用油圧シリンダ（５５）を作動させると同時、或いはその作動後に前記両アクチュエータ（７，２）により前記前輪（１３）を旋回内側に操向することを特徴とする請求項１に記載の作業車両の操向制御装置とした。
（請求項３の作用）
以上のように構成した請求項３の発明では、車両の旋回操作、即ち作業時と想定される急旋回を検出した時には、前記ブレーキ用油圧シリンダ（５５）を作動させると同時、或いはその作動後に前記両アクチュエータ（７，２）により前記前輪（１３）が旋回内側に操向される。
【０００８】
【発明の効果】
これにより、請求項１の発明では、作業時の非旋回時、例えば車両の走行時に車線変更するべく進路を調整したり、直角的な交差点を曲がる場合、前輪（１３）が大きく切れることが無くなり、安全性、操作性を向上することができる。また、常に前輪を過剰に切ることも無くなりタイヤを磨耗を低減し耐久性を向上することができる。
【０００９】
また請求項２の発明では、前輪増速機構（５８）を作動させると同時、或いはその作動後に前記両アクチュエータ（７，２）により前記前輪（１３）を旋回内側に操向するので、タイヤにより走行面の土や草を前方へ押し出し作業地が荒れることを極力防止し、円滑に旋回することができる。
【００１０】
また請求項３の発明も同様に、旋回内側のブレーキ用油圧シリンダ（５５）を作動させると同時、或いはその作動後に前記両アクチュエータ（７，２）により前記前輪（１３）を旋回内側に操向するので、タイヤにより走行面の土や草を前方へ押し出し作業地が荒れることを極力防止し、円滑に旋回することができる。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を農業用トラクタに搭載した場合について説明する。
先ずトラクタ全体の概要に付いて説明する。
トラクタは、図４に示すように、前輪１３と後輪１４を有して、ボンネット１５内に搭載のエンジン１６の駆動によって前記前後輪１３，１４を駆動して走行すると共に、操向操作具となるステアリングハンドル５で前記前輪１３を左右操向する構成となっている。また車体後部には運転席１７を搭載し、その周囲をキャビンによって取り囲む構成となっている。また前記エンジン１６後部には、クラッチハウジング１８やフロントミッションケース１９、更にはリヤミッションケース２０と順に連結し車体枠を構成している。
【００１２】
前記前輪１３は、前記フロントミッションケース１９の前面下部から突設した伝動軸５７からフロントアクスルハウジング１の入力軸へ動力を伝達し、後述するようにセンタピボット２２で揺動自在に支架されたフロントアクスルハウジング１、中間ケース４、車軸ケース３内の各種伝動軸で駆動される。
【００１３】
また前記後輪１４は、リヤミッションケース２０の左右側部に連結したリヤアクスルハウジング２４に、後車軸２５で軸装される。
尚、図４中の符号２７はＰＴＯ軸、符号２８車体後部に連結した作業機６６を昇降するためのリフトアームである。
【００１４】
また前記リヤミッションケース２０の後端には、左右のロアリンク８とトップリンク９が上下動自在に連結されて、このロアリンク８が前記リフトアーム２８にリフトロッド１０で連結されて、リヤミッションケース２０上部の作業機昇降用油圧シリンダ１２ａを駆動することにより作業機６６を昇降する。また前記左右のロアリンク８の回動軸１１には、同軸１１を共用して前記リフトアーム２８に接続する補助シリンダ１２ｂを支持する構成となっている。
【００１５】
これにより、前記ステアリングハンドル５下方のレバー操作式の作業機昇降スイッチ６を上下操作することで、操縦席側方の上げ位置設定器７７で設定された高さまで前記作業機６６を上昇する構成となっている。尚、ここでは通常作業時と、後進及び旋回時の作業機の上げ位置を別々の設定器７７ａ、７７ｂで設定する構成となっている。
【００１６】
次に、図１乃至図２に基いて、前記トラクタの前輪１３及びフロントアクスルハウジング１の構成に付いて詳細に説明する。
先ず、前記フロントアクスルハウジング１の左右両側部に中間ケース４を、上下方向に沿う中間ケース軸２９（第一軸）周りに操向回動自在に設ける。また左右の各中間ケース４の外側端には車軸ケース３を、同じく上下方向に沿う車軸ケース軸３０（第二軸）周りに操向回動自在に設ける。そして前記前輪１３を、この車軸ケース３の外側の前車軸２３に取り付け、これらフロントアクスルハウジング１、中間ケース４、及び車軸ケース３内の各伝動軸やベベルギヤ等を経て伝動回動する。
【００１７】
また前記ハンドル５のステアリング軸３１を、全油圧式パワステアリング２を介して第一アクチュエータとなるピットマンアーム３２を連動連結し、更に同アーム３２をロッド３３を介して前記車軸ケース３に構成した操向アーム３４へ連結し、左右車軸ケース３の操向アーム３４間をタイロッド３５で連結して、前記ハンドル５の回転操作で左右車軸ケース３、即ち前輪１３を車軸ケース軸３０の周りに操向旋回する構成となっている。
【００１８】
また、前記左右の中間ケース４は、後部に操向アーム３６を有して、同アーム３６を、前記フロントアクスルブラケット２１の側面に取り付けた複動式の中間ケース操向用油圧シリンダ７（第二アクチュエータ）とタイロッド３７で連結し、前記中間ケース操向用油圧シリンダ７の伸縮によって左右の中間ケース４が中間ケース軸２９周りに操向回動される。
【００１９】
また、これらハンドル操作による前輪１３の操向制御は、図３に示すように、制御手段となるコントローラ３９の入力側に、作業／走行モード切替スイッチ４１、ステアリングハンドル５の切れ角を検出するステアリング切角センサ４０、旋回制御入切スイッチ６７、車速センサ４２、作業機昇降スイッチ６、上げ位置設定器７７ａ，７７ｂ等を接続し、出力側には、前記左右の中間ケース操向用油圧シリンダ７を作動する切替制御弁のソレノイド４３Ｌ，４３Ｒ、そして後述する前輪増速機構を作動させて前輪を増速する切替制御弁のソレノイド６８、左右後輪を夫れ夫れ制動するブレーキ用切替制御弁のソレノイド６９Ｌ，６９Ｒ、作業機上昇用及び下降用の切替制御弁のソレノイド７８，７９を接続する。
【００２０】
そして前記コントローラ３９では、ハンドル５の切れ角が一定値以下、詳しくは作業時の旋回操作と想定される角度Ｃに満たないときは、通常の操向状態と想定し出力を行わず、前記ピットマンアーム３２だけを回動させて、車軸ケース３、即ち前輪１３を車軸ケース軸３０の周りに操向回動させる。
【００２１】
またハンドル５が前記角度Ｃを超えて回動操作されるときは、作業時の旋回操作と想定し、前記切替制御弁のソレノイド４３へ出力を行い、前記ピットマンアーム３２の回動と共に、中間ケース操向用油圧シリンダ７を作動し、中間ケース４、即ち前輪１３を旋回内側へ回動させる。
【００２２】
また、前記モード切替スイッチ４１が走行モードに切替えられたときや、車速センサ４２が一定以上の高速走行状態を検出したときは、切替制御弁ソレノイドバルブ４３へ出力を常時キャンセルして、この操向制御は行わせないようにしている。
【００２３】
尚、前記作業時の車両の旋回操作を検出する手段としては、ハンドル５の操作速度にて検出する構成としても良いし、ハンドル５との連動部位であれば他の個所、例えば前輪３１側の操向角や操向角速度を検出する構成としても良い。
次に、図５に基いて前記トラクタの伝動機構について説明する。
【００２４】
前記エンジン１６の回転動力は、主クラッチ４４を介して出力軸４５に取り出され、順に前後進切替装置４６、四段変速の主変速装置４７、三段変速の副変速装置４８等を経て出力軸４９へ伝達される。またこの出力軸４９からリヤデフ機構５０を介して前記左右のリヤアクスルハウジング２４の後輪伝動軸５１、後車軸２５へ伝達される。また前記出力軸４９には車速センサ４２を設けている。また前記リヤデフ機構５０から延設した左右夫れ夫れの後輪伝動軸５１上には、操向ブレーキ５２を設け、前記キャビン内のフロア５３の右足側に配置される左右各ブレーキペタル５４の踏み込み操作、またはブレーキ用油圧シリンダ５５の駆動を介して制動する構成としている。また、前記前輪１３を伝動する前輪取出軸５６，５７が該出力軸４９上からギヤ伝動される。この前輪取出軸５６、５７の間に前記前輪増速機構５８を設け、内部クラッチの切替操作によって前輪１３の駆動回転を後輪１４に対して略等速から二倍の回転速度に切り替えて増速する。また前記前輪取出軸５７はフロントアクスルハウジング１の中央部のフロントデフ機構５９へ伝動して、前輪伝動軸６０を伝動して、前記前輪１３を伝動できる。
【００２５】
尚、図中符号２７は、前記トラクタ後部に突設したＰＴＯ軸を示し、同軸２７も前記エンジン１６の回転動力をクラッチ６１、正逆転切替クラッチ６２、及び変速ギヤ６３等を介して駆動される。
以上のように構成した前記操向制御装置と、他の旋回制御（作業機上昇制御、前輪増速制御、ブレーキ制御）の関係に付いて説明する。
【００２６】
前記旋回制御は、前記旋回制御入切スイッチ６７がＯＮのときに夫れ夫れ作動するものであって、前記ハンドル５の操作角によって各制御が作動する。図３に示すように、前記ハンドル５の切れ角には、中立位置Ｎから切れ角が大きくなる順にＡ，Ｂ，Ｃと設定角が設定されている。そして、前記中立位置Ｎから一定の切れ角位置Ａでリフトアーム２８により作業機６６が前記後進・旋回用上げ位置設定器７７ｂの設定位置へ自動上昇され、一定の切れ角位置Ｂに回動されることによって旋回内側の後輪１４が制動され、更に、一定の切れ角位置Ｃに回動されることによって前輪増速機構５８が倍速の増速位置に切替えられる。
【００２７】
このような旋回制御において、中間ケース操向用油圧シリンダ７を作動させて、中間ケース４を中間ケース軸２９の周りに回動させて、前輪１３の操向角を大きくするときには、前記前輪増速機構５８が作動する角、即ち設定角Ｃ、若しくはそれより大きな角Ｃ＋αで作動させる。
【００２８】
これにより、前記中間ケース４を操向する以前に、前輪増速或いは旋回内側の後輪ブレーキを作動させてトラクタを急旋回する状態に移行させるため、前輪１３により走行面の土を前方へ押し出し圃場が荒れるといった不具合を極力防止し、円滑に旋回することができる。
【００２９】
また前記旋回制御及び操向制御は、旋回制御入切スイッチ６７のＯＮ／ＯＦＦ操作により適宜作動を入切できるので、一般道などで車線変更するべく進路を調整したり、直角的な交差点を曲がるときには、前輪が過剰に切れることも無くなり、タイヤを磨耗を低減し耐久性を向上すると共に、操作性、安全性も向上することができる。
【００３０】
尚、前記旋回制御及び操向制御は、車体の後進状態や左右ブレーキペダルの連結状態を検出して牽制する構成としても良い。
また、前記各旋回制御を各々入切する構成としても良い。例えば、ブレーキ制御だけを作動するときには、これと同時或いはその後に前記中間ケース４を旋回内側へ回動させる。また前輪増速制御だけを作動させるときも、この作動と同時或いはその後に前輪１３を増速させる。また前記中間ケース４を旋回内側へ向かって回動させるタイミングは、前記のようにハンドル切れ角に基く形態の他、先に出力した旋回制御から時間差で作動する構成としても良い。
【００３１】
次に、前記操向制御の別形態に付いて説明する。
図６に示す形態では、前記中間ケース操向用油圧シリンダ７Ｌ，７Ｒをアクスルハウジング１の左右端部の背面に夫れ夫れ一体に構成したものであって、且つ左右独立して前記中間ケース４を回動させるものである。これにより、例えば前記のようにトラクタの路上走行時を検出した状態では、前輪１３を平面視でハの字状形態にトーイン角を制御（鎖線Ｔの位置に回動）してトラクタの高速路上走行時の直進安定性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】フロントアクスルハウジングの平面図。
【図２】フロントアクスルハウジングの正面図。
【図３】操向制御のブロック図とステアリングハンドルの操作角説明図。
【図４】トラクタの側面図。
【図５】その伝動機構線図。
【図６】一部別形態を示すフロントアクスルハウジング部の平面図。
【符号の説明】
１ アクスルハウジング
２ 全油圧式パワーステアリング装置
３ 車軸ケース
４ 中間ケース
７ 中間ケース操向用油圧シリンダ
１３ 前輪
１４ 後輪
３２ ピットマンアーム
４０ ステアリング切角センサ
４１ 作業／走行モード切替スイッチ
４２ 車速センサ[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a steering control device for a work vehicle such as a tractor or a riding lawn mower, and more particularly to improving a turning performance by increasing a turning angle of a front wheel when turning on a headland or the like.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as shown in Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-270456, an intermediate case rotatable around a first axis in a vertical direction is provided at both left and right end portions of an axle housing, and the intermediate case of each of the left and right is provided. There is known a steering device for a work vehicle provided with an axle case at an outer end portion thereof for supporting a front wheel and rotating around a second vertical axis disposed outside the first shaft. .
[0003]
[Patent Document 1]
JP 2001-270456 A (page 1, FIG. 5)
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
The work vehicle steering device disclosed in the above publication is designed to improve turning performance by increasing the turning angle of a wheel when turning on a ridge or the like, but these intermediate case and axle case are mechanically linked by a link mechanism. Because it is connected, when not working, for example, when the vehicle is running at high speed on a general road, the front wheels are excessively cut off, causing a sharp turn and impairing safety, or the front wheels are excessively cut off and tires are worn and endurance There was a problem of impairing the performance.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
In view of the above problems, the present invention provides a steering control device for a work vehicle as follows. That is, in the invention of claim 1, an intermediate case (4) rotatable about a first shaft (29) in the vertical direction is provided at both left and right end portions of the axle housing (1). The outer end of the intermediate case (4) supports the front wheel (13) and is rotatable about a vertical second shaft (30) disposed outside the first shaft (29). In the working vehicle provided with the axle case (3),
A sensor (40) for detecting a turning operation of the vehicle is provided at a portion interlocked with the steering operation tool (5) of the vehicle, and the intermediate case (4) and the axle case (3) are respectively provided with actuators (7, 2) and the actuator (2) connected to the axle case (3) of the two actuators (7, 2) until the sensor (40) detects the turning operation of the vehicle. Control means (39) for steering the front wheel (13) and turning the front wheel (13) inward by the two actuators (7, 2) when the turning operation of the vehicle is detected by the sensor (40); And a steering control device for a working vehicle.
(Operation of Claim 1)
According to the first aspect of the present invention, the actuator connected to the axle case (3) of the two actuators (7, 2) until the turning operation of the vehicle is detected, that is, in the general steering operation. The front wheel (13) is steered by the drive of (2). When the sensor (40) detects a turning operation of the vehicle, that is, a sharp turn assumed to be in operation, the front wheels (13) are steered inward by the two actuators (7, 2).
[0006]
Further, in the invention according to claim 2, the vehicle has a front wheel speed increasing mechanism for increasing a peripheral speed of the front wheel (13) in comparison with a peripheral speed of the rear wheel (14) in conjunction with a turning operation of the vehicle. (58), and the control means (39) moves the front wheel (13) inward by the actuators (7, 2) simultaneously with or after the operation of the front wheel speed increasing mechanism (58). The steering control device for a work vehicle according to claim 1, wherein the steering is performed.
(Function of Claim 2)
According to the second aspect of the present invention, when a turning operation of the vehicle, that is, a sharp turn assumed to be at the time of work is detected, the front wheel speed increasing mechanism (58) is operated simultaneously with or after the operation. The front wheels (13) are steered inward by the two actuators (7, 2).
[0007]
According to the third aspect of the present invention, the vehicle includes a brake hydraulic cylinder (55) that brakes a rear wheel (14) inside the turn in conjunction with a turning operation of the vehicle, and the control means (39) includes: 2. The front wheel (13) is steered inward by the actuators (7, 2) simultaneously with or after the operation of the brake hydraulic cylinder (55). A steering control device for the work vehicle was used.
(Function of Claim 3)
According to the third aspect of the present invention, when a turning operation of the vehicle, that is, a sharp turn assumed to be at the time of work is detected, the brake hydraulic cylinder (55) is operated simultaneously with or after the operation. The front wheels (13) are steered inward by the two actuators (7, 2).
[0008]
【The invention's effect】
Thus, according to the first aspect of the present invention, the front wheel (13) is not severely cut when the vehicle is not turning at the time of work, for example, when the course is adjusted to change lanes or the vehicle turns at a right angle at the time of traveling of the vehicle. , Safety and operability can be improved. Further, the front wheels are not always excessively cut, so that the tires can be reduced in wear and durability can be improved.
[0009]
According to the second aspect of the present invention, the front wheel (13) is steered inward by the actuators (7, 2) simultaneously with or after the front wheel speed increasing mechanism (58) is operated. The soil and grass on the running surface can be pushed forward to prevent the working area from being roughened, and the vehicle can turn smoothly.
[0010]
Similarly, the front wheel (13) is steered inward by the two actuators (7, 2) simultaneously with or after actuation of the brake hydraulic cylinder (55) on the inside of the turn. Therefore, it is possible to prevent the working land from being pushed out by pushing the soil and grass on the running surface forward with the tires as much as possible and to smoothly turn.
[0011]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, a case where the present invention is mounted on an agricultural tractor will be described.
First, an overview of the entire tractor will be described.
The tractor has a front wheel 13 and a rear wheel 14, as shown in FIG. 4, drives the front and rear wheels 13, 14 by driving an engine 16 mounted in a bonnet 15 and travels. The front steering wheel 13 is steered left and right by the steering wheel 5. A driver's seat 17 is mounted on the rear part of the vehicle body, and the periphery is surrounded by a cabin. At the rear of the engine 16, a clutch housing 18, a front transmission case 19, and a rear transmission case 20 are sequentially connected to form a vehicle body frame.
[0012]
The front wheel 13 transmits power from a transmission shaft 57 projecting from a lower front surface of the front transmission case 19 to an input shaft of the front axle housing 1, and a front pivotally supported by a center pivot 22 as described later. It is driven by various transmission shafts in the axle housing 1, the intermediate case 4, and the axle case 3.
[0013]
The rear wheel 14 is mounted on a rear axle housing 24 connected to the left and right sides of a rear transmission case 20 by a rear axle 25.
Reference numeral 27 in FIG. 4 denotes a PTO shaft, and reference numeral 28 denotes a lift arm for lifting and lowering the work machine 66 connected to the rear of the vehicle body.
[0014]
A lower link 8 on the left and right and a top link 9 are connected to the rear end of the rear transmission case 20 so as to be movable up and down. The lower link 8 is connected to the lift arm 28 by a lift rod 10. The working machine 66 is moved up and down by driving the working machine lifting hydraulic cylinder 12a at the upper part of the case 20. The rotation shafts 11 of the left and right lower links 8 are configured to support an auxiliary cylinder 12b connected to the lift arm 28 by sharing the coaxial 11.
[0015]
Thus, the working machine 66 is raised to the height set by the lifting position setting device 77 on the side of the cockpit by vertically operating the lever-operated working machine lifting switch 6 below the steering handle 5. Has become. Here, the lifting position of the working machine at the time of normal work, and at the time of reverse movement and turning, is configured to be set by separate setting devices 77a and 77b.
[0016]
Next, the configuration of the front wheel 13 and the front axle housing 1 of the tractor will be described in detail with reference to FIGS.
First, an intermediate case 4 is provided on both left and right sides of the front axle housing 1 so as to be steerable and rotatable around an intermediate case shaft 29 (first axis) along the vertical direction. An axle case 3 is provided at the outer end of each of the left and right intermediate cases 4 so as to be steerable and rotatable around an axle case shaft 30 (second axis) which is also along the vertical direction. Then, the front wheel 13 is attached to a front axle 23 outside the axle case 3, and is driven to rotate through the front axle housing 1, the intermediate case 4, the transmission shafts and the bevel gears in the axle case 3, and the like.
[0017]
A steering shaft 31 of the steering wheel 5 is connected to a pitman arm 32 serving as a first actuator via an all-hydraulic power steering 2, and the arm 32 is connected to the axle case 3 via a rod 33. The steering arm 34 of the left and right axle case 3 is connected with a tie rod 35, and the left and right axle case 3, that is, the front wheel 13, is steered around the axle case shaft 30 by rotating the handle 5. It turns.
[0018]
The left and right intermediate cases 4 have a steering arm 36 at the rear, and the arm 36 is attached to a side surface of the front axle bracket 21, a double-acting intermediate case steering hydraulic cylinder 7 (the The left and right intermediate cases 4 are steered and rotated around the intermediate case shaft 29 by expansion and contraction of the intermediate case steering hydraulic cylinder 7.
[0019]
As shown in FIG. 3, the steering control of the front wheels 13 by operating the steering wheel is performed by inputting a work / running mode changeover switch 41 and a steering wheel for detecting the turning angle of the steering wheel 5 to the input side of a controller 39 serving as a control means. An angle sensor 40, a turning control on / off switch 67, a vehicle speed sensor 42, a work implement elevating switch 6, an up position setting device 77a, 77b, and the like are connected. The solenoids 43L and 43R of the switching control valves that actuate the brakes, the solenoid 68 of the switching control valve that operates the front wheel speed increasing mechanism described below to speed up the front wheels, and the brake switching control valve that brakes the left and right rear wheels respectively. , And solenoids 78 and 79 of a switching control valve for raising and lowering the work implement are connected.
[0020]
When the steering angle of the steering wheel 5 is equal to or smaller than a predetermined value, specifically, when the steering angle is less than the angle C which is assumed to be a turning operation at the time of work, the controller 39 assumes that the steering is in a normal steering state and does not perform the output. By turning only the arm 32, the axle case 3, ie, the front wheel 13, is steered and rotated around the axle case shaft 30.
[0021]
When the handle 5 is turned beyond the angle C, the turn is performed during the operation, and the output is sent to the solenoid 43 of the switching control valve. The steering hydraulic cylinder 7 is operated to rotate the intermediate case 4, that is, the front wheel 13, to the inside of the turning.
[0022]
Further, when the mode changeover switch 41 is switched to the driving mode or when the vehicle speed sensor 42 detects a high speed driving state exceeding a certain level, the output to the switching control valve solenoid valve 43 is always canceled and the steering operation is performed. Control is not performed.
[0023]
The means for detecting the turning operation of the vehicle at the time of the work may be configured to detect the turning speed of the steering wheel 5. It may be configured to detect the steering angle and the steering angular velocity.
Next, a transmission mechanism of the tractor will be described with reference to FIG.
[0024]
The rotational power of the engine 16 is taken out to an output shaft 45 via a main clutch 44, and sequentially passes through a forward / reverse switching device 46, a four-speed main transmission 47, a three-speed auxiliary transmission 48, and the like. 49. Further, the power is transmitted from the output shaft 49 to the rear wheel transmission shaft 51 and the rear axle 25 via the rear differential mechanism 50. The output shaft 49 is provided with a vehicle speed sensor 42. A steering brake 52 is provided on each of the left and right rear wheel transmission shafts 51 extending from the rear differential mechanism 50, and left and right brake petals 54 disposed on the right foot side of a floor 53 in the cabin are provided. The braking is performed through a stepping operation or driving of the brake hydraulic cylinder 55. Further, front wheel take-out shafts 56 and 57 for transmitting the front wheels 13 are gear-transmitted from the output shaft 49. The front wheel speed-up mechanism 58 is provided between the front wheel take-out shafts 56 and 57, and the drive rotation of the front wheel 13 is switched from substantially the same speed to the double speed of the rear wheel 14 by a switching operation of the internal clutch to increase the speed. Speed up. Further, the front wheel take-out shaft 57 can be transmitted to a front differential mechanism 59 at the center of the front axle housing 1 to transmit the front wheel transmission shaft 60 to transmit the front wheel 13.
[0025]
Reference numeral 27 in the drawing denotes a PTO shaft protruding from the rear of the tractor, and the coaxial 27 is also driven by the rotational power of the engine 16 via a clutch 61, a forward / reverse switching clutch 62, a transmission gear 63 and the like. .
The relationship between the steering control device configured as described above and other turning control (work implement lifting control, front wheel speed-up control, brake control) will be described.
[0026]
The turning control is operated when the turning control ON / OFF switch 67 is ON, and each control is operated according to the operation angle of the handle 5. As shown in FIG. 3, set angles A, B, and C are set in the turning angle of the handle 5 in order of increasing turning angle from the neutral position N. Then, the work implement 66 is automatically raised by the lift arm 28 from the neutral position N to a set position of the reverse / turning raising position setting device 77b at a fixed turning angle position A, and is turned to a fixed turning angle position B. As a result, the rear wheel 14 inside the turning is braked, and furthermore, the front wheel speed increasing mechanism 58 is switched to the double speed increasing position by being rotated to the constant turning angle position C.
[0027]
In such turning control, when the intermediate case 4 is rotated around the intermediate case shaft 29 by operating the intermediate case steering hydraulic cylinder 7 to increase the steering angle of the front wheel 13, the front wheel increase is required. It is operated at the angle at which the speed mechanism 58 operates, that is, at the set angle C or at an angle C + α larger than that.
[0028]
Thus, before steering the intermediate case 4, the front wheel 13 pushes the soil on the running surface forward by the front wheels 13 in order to increase the speed of the front wheels or to activate the rear wheel brake on the inside of the turn to shift the tractor to a sharp turn. Problems such as roughening of the field can be prevented as much as possible, and the vehicle can turn smoothly.
[0029]
The turning control and the steering control can be appropriately turned on and off by turning on / off the turning control on / off switch 67. Therefore, the course is adjusted to change lanes on a general road or the like, and the vehicle turns at a right-angle intersection. Occasionally, the front wheels are not excessively cut, so that the tires can be reduced in wear and durability, and operability and safety can be improved.
[0030]
Note that the turning control and the steering control may be configured to detect the backward movement state of the vehicle body or the connection state of the left and right brake pedals to perform a check.
Further, a configuration may be employed in which each of the turning controls is turned on / off. For example, when only the brake control is operated, the intermediate case 4 is turned to the inside of the turning at the same time or thereafter. When only the front wheel speed-up control is operated, the front wheel 13 is speeded up simultaneously with or after this operation. The timing of rotating the intermediate case 4 toward the inside of the turn may be based on the steering wheel turning angle as described above, or may be configured to operate with a time difference from the previously output turning control.
[0031]
Next, another embodiment of the steering control will be described.
In the embodiment shown in FIG. 6, the intermediate case steering hydraulic cylinders 7L and 7R are integrally formed on the rear surfaces of the left and right ends of the axle housing 1, respectively, and the left and right independent intermediate case 4 is rotated. Thus, for example, in the state where the traveling of the tractor on the road is detected as described above, the toe-in angle is controlled (turned to the position of the dashed line T) by the front wheel 13 in a C-shape in plan view, and the tractor is moved on the high-speed road. Straight running stability during running can be improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a plan view of a front axle housing.
FIG. 2 is a front view of a front axle housing.
FIG. 3 is a block diagram of steering control and an explanatory diagram of an operation angle of a steering handle.
FIG. 4 is a side view of the tractor.
FIG. 5 is a diagram of the transmission mechanism.
FIG. 6 is a plan view of a front axle housing showing a partially different form.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Axle housing 2 Full hydraulic power steering device 3 Axle case 4 Intermediate case 7 Intermediate case steering hydraulic cylinder 13 Front wheel 14 Rear wheel 32 Pitman arm 40 Steering angle sensor 41 Work / running mode switch 42 Vehicle speed sensor
