JP2004256864A - Mocvd装置における原料供給フィードバック制御システム - Google Patents

Mocvd装置における原料供給フィードバック制御システム Download PDF

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隆弘 山口
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浩 舟窪
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勇吉 高松
Kazuaki Tonari
和昭 十七里
Yoshihisa Inoue
喜央 井上
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Abstract

【課題】MOCVDの原料(溶媒成分を含む混合ガス)供給のフィードバック制御における実用段階の手段の提供。
【解決手段】目標組成の有機金属薄膜(例、PZT膜)を形成すべく、気化器・混合器6を経て供給される原料混合ガスをCVD装置8前段でFTIR分析計11によりインライン測定する。フィードバック制御盤13は原料混合ガスの測定結果に成分補正式を適用して成分毎のガス濃度(実測濃度値)を算出し、更に〔(基準(目標)濃度値/実測濃度値)−1〕×〔最初のMFC値(流量)/最大MFC値(流量)〕×MFC分解能 により、各原料溶液の供給を調整するバルブへの操作量としてフィードバック値を求め、これをMFC5側に帰還する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学気相成長による有機金属薄膜の堆積方法(MOCVD法)に用いる原料供給制御システムに関し、より特定すれば、例えばPZT系強誘電体などの薄膜を形成するための有機金属を混合ガスとしてCVD装置に供給する際の各原料ガスの供給量をインラインでフィードバック制御するようにした原料供給制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、次世代強誘電体メモリに用いる材料としてPZT系強誘電体など有機金属薄膜が注目され、メモリ素子の開発に向けその薄膜形成技術の確立が求められている。
PZT〔Pb(Zr,Ti1−X)O〕などのPZT系強誘電体の薄膜を形成する方法として、MOCVD(Metal−Organic Chemical Vapor Deposition;有機金属化学気相成長)法による薄膜堆積方法が用いられるようになってきている。MOCVD法によるPZT強誘電体薄膜形成プロセスでは、PZT膜の主たる構成元素である、Pb、Zr、Tiを気相の原料ガスとしてCVD装置に供給してそこで化学反応させて基板上に成膜する。
このときに安定した濃度の原料ガスを供給するために、Pb、Zr、Tiを溶液で気化器に送り込む方法が有効であることも知られている。この溶液気化導入法では、テトラヒドロフランを溶媒とする有機金属原料Pb(C1119 、Zr(t−OC 、Ti(i−OC 溶液をソース原料として、溶液に不活性ガスをキャリアガスとして送り込んで気化させるという方法をとる。その1方法としては、各有機金属原料溶液の流量(マスフロー)を定量調整し得るバルブを介して気化器に輸送するとともに、アルゴン(Ar)ガスなどの不活性ガスをキャリアガスとして気化器に送り込んで、Pb、Zr、Tiの有機金属を含む混合ガスを生成する方法によっている。
混合ガスを生成した後のプロセスは、溶液気化導入法以外の方法の場合も同様で、この後に、酸化剤としての酸素ガスを加えて有機金属混合ガスとして,CVD装置の反応室に供給し、この有機金属混合ガスを、適宜の温度に保持された反応室に設けられた基板(例えば、Pt/SiO /SiやPt/MgOなど)の表面上において成長させるというプロセスで薄膜を形成する。
【0003】
ところで、MOCVD法によるPZT強誘電体等の有機金属薄膜の形成においては、形成する有機金属化合物薄膜に所定の化学量論組成が要求されるので、こうした要求を満たすように薄膜形成プロセスが制御される。この制御は、従来から原料となる有機金属のガス濃度を制御する方法によって実施しており、次に示す方法が一般的に知られている方法である。
有機金属ガスの蒸気圧からガス濃度が検知できるので、この手段を用いてガス濃度を検知しながら化学量論組成になるように各有機金属原料の気化器の温度を調整し、各キャリアガスの流量を一定にして、3つの有機金属ガスを生成し、基板上にPZT強誘電体薄膜を形成させる。この後にオフラインで、形成した薄膜の組成を例えばエネルギー分散型X線分析装置(EDX)などの分析装置を用いて組成分析し、その分析結果に基づいて、不足元素の有機金属原料に対し、気化器の温度と各キャリアガスの流量を再調節し、さらに分析装置により組成を確認する。こうした作業を繰り返すことにより、所定の薄膜のプロセス制御条件を設定する。しかしながら、オフラインで行うこの従来方法によると、適正なプロセス制御条件を設定するためにかなりの時間を要し、所定の組成の薄膜を得るのが困難であるという問題が生じる。
【0004】
そこで、所望の組成の薄膜を形成するにあたって、再現性と生成プロセスの効率化を可能とする手段を導入することによりこの問題を解決する、下記特許文献1に示す提案がなされた。
下記特許文献1は、有機金属ガスの濃度(混合比)を求め、これをインラインで有機金属ガスの生成側にフィードバックしプロセスの動作条件を制御することを可能にする方法について開示している。ここでは、気化器で発生させた複数の有機金属ガスをガス混合室において混合し、混合されたガスをCVDの反応室内に供給し、反応室内に設けられている基板上に薄膜を堆積させる方法において、ガス混合室内に供給される複数の有機金属ガスの濃度(混合比)を、ガス混合室に設けられているFTIR(フーリエ変換赤外分光)ガス分析計を用いて測定し、測定結果に基づいて各有機金属ガスの流量を個々に調整するようにフィードバックし、プロセス動作条件を制御するようにしている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−234348号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、引用文献1に記載された発明においては、FTIRガス分析計を用いて測定した有機金属ガスの混合比に基づいてマスフローコントローラに対して制御信号をフィードバックし、測定結果により知ることができる混合比の変動に応じて有機金属ガスの流量を調整することにより、その変動を抑え混合比の安定化を図るという制御動作を行わせるとしているが、ここでは、フィードバック制御の基本的な手法のMOCVD法による有機金属薄膜の形成プロセスへの導入を示すに過ぎない。つまり、引用文献1に記載された発明では、各原料有機金属ガスの混合ガスを対象としてFTIRガス分析計によって測定(検出)されたデータに基づいて、各原料ガスの供給量を制御するマスフローコントローラにそれぞれ入力する信号を生成し、また、マスフローコントローラにおいて流量を調節するためのバルブを動作させる制御量をどのように生成するか、こうした一連の測定データの処理過程について示されていない。従って、この文献の記載内容から直ちに所期の組成を持つ有機金属薄膜を形成することが実際上不可能である。
また、引用文献1に記載された発明では、溶液気化導入法により原料有機金属ガスを導入する場合に適応する解決手段を示していないので、この点でも溶液気化導入法を用いるプロセスへの適用が実際上不可能である。
本発明は、MOCVD法により有機金属薄膜を形成するプロセスにおいて、CVD反応室に供給する原料有機金属の混合ガスの濃度を測定するFTIRガス分析計の測定値をインラインでフィードバックし、原料ガスの供給量を制御するとした上記従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、FTIRガス分析計を用いて原料有機金属の混合ガス、もしくは溶媒等の他の成分を含む混合ガスを分析し、その測定結果に基づいて、実用段階の手段として各原料ガスの供給量を制御するマスフローコントローラ側にフィーバックするそれぞれの原料成分の濃度信号を生成する手段を提供し、さらにマスフローコントローラにおいて流量を調節するためのバルブを動作させる制御量を生成する手段を提供することにより、所定組成の有機金属薄膜を形成するプロセスを実現することを可能にする原料供給制御システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、複数の原料有機金属ガス供給源と、原料有機金属ガス供給源からの原料ガスのマスフローを各別に制御するマスフロー制御手段を有し、該マスフロー制御手段を介してMOCVD装置の反応室に各原料有機金属ガスを含む混合ガスを供給可能とした原料供給制御システムであって、反応室に供給する原料有機金属を含む混合ガスを測定するFTIR分析計と、FTIR分析計の測定結果から各原料ガス成分の濃度値を演算する濃度値演算手段と、該濃度値演算手段により算出された濃度値を原料供給源側にフィードバックし、このフィードバック値に基づいて設定する制御量に従って各原料有機金属ガスの前記マスフロー制御手段を動作させるようにしたことを特徴とする原料供給制御システムである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載された原料供給制御システムにおいて、原料供給源側にフィードバックする各原料ガス成分の濃度値を演算する前記濃度値演算手段は、測定値に含まれる他のガス成分による影響を除く補正演算手段を備えるようにしたことを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載された原料供給制御システムにおいて、前記原料供給源が溶液気化により原料有機金属ガスを生成する手段を用いるときに、前記濃度値演算手段は、測定値に含まれる溶媒成分による影響を除く補正演算手段を備えるようにしたことを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項2又は3に記載された原料供給制御システムにおいて、動作条件を設定するための操作入力手段を設け、該操作入力手段により前記濃度値演算手段が補正演算に用いる演算パラメータの設定を変更し得るようにしたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1又は4のいずれかに記載された原料供給制御システムにおいて、前記マスフロー制御手段の制御量を目標濃度値に対する前記演算濃度値の比に基づいて設定するようにしたことを特徴とするものである。
請求項6の発明は、請求項5に記載された原料供給制御システムにおいて、動作条件を設定するための操作入力手段を設け、該操作入力手段により前記制御量の設定に用いるパラメータを変更し得るようにしたことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明を添付する図面とともに示す以下の実施形態に基づき説明する。
本発明の原料供給制御システムに係わる実施形態として、ここではPZT〔Pb(Zr,Ti1−X)O〕などのPZT系強誘電体の薄膜をMOCVD法により堆積する装置に適用した例を示す。
図1は、本発明の原料供給制御システムを適用したPZT系強誘電体の薄膜を形成するMOCVD装置全体を概略的に示す図である。
先ず、原料供給制御システムを適用するMOCVD装置について図1を参照して説明する。
MOCVD法によるPZT強誘電体薄膜形成プロセスでは、PZT膜の主たる構成元素である、Pb、Zr、Tiを気相の原料ガスとしてCVD装置8に供給してそこで化学反応させて基板上に成膜する。このときに安定した濃度の原料ガスを供給するために、Pb、Zr、Tiを溶液で気化器に送り込む溶液気化導入法が有効であり、ここでは、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とする有機金属原料Pb(C1119 、Zr(t−OC 、Ti(i−OC 溶液をソース原料として、溶液に不活性ガスをキャリアガスとして送り込んで気化させるという方法とる。なお、溶媒はTHFに限らず、オクタン等の炭化水素を用いても良い。
【0011】
図1に示す実施形態では、原料ボトル1,2,3にそれぞれTHFにより溶解された液体原料(Pb原料,Zr原料,Ti原料)が入れられており、アルゴン(Ar)4などの不活性ガスで加圧されて原料ボトル1,2,3から押し出された各液体原料は、LMFC(マスフローコントローラ)5を介して気化器・混合器6に輸送される。なお、MFC(マスフローコントローラ)は、図1中では液体を対象とするものであるから、LMFC5として表記している。ここで用いるLMFC5は、液体流量センサ部と液体流量制御バルブとからなり、実際に流れる原料溶液の流量を測定し、この実測値が外部から与えられる設定値と等しくなるように制御バルブの開度を調整することにより原料溶液の流量を制御する機能を持つものである。
LMFC5により流量の制御される各有機金属原料溶液は、この後、気化器・混合器6に輸送される。気化器・混合器6では、高温の気化室に導入する溶液を噴霧したりメッシュに垂らしたりする方法により気化を促進させて溶液を加熱気化させるとともに、アルゴン(Ar)9などの不活性ガスをキャリアガスとして送り込んで気化・混合させて、Pb、Zr、Tiの有機金属を含む混合ガスを生成する。
混合ガスを生成した後のプロセスは、溶液気化導入法以外の方法の場合と同様の一般的に知られた方法によるもので、気化器・混合器6からのガスに、酸化剤としての酸素ガス(O)を加えた有機金属混合ガスとして、CVD装置8の反応室8cに供給し、この有機金属混合ガスを、適宜の温度に保持された反応室8cに設けられた基板(例えば、Pt/SiO /SiやPt/MgOなど)の表面上において成長させるという気相反応により、薄膜を基板に形成する。
【0012】
次に、上記したMOCVD法により有機金属薄膜を形成するプロセスに適用する原料ガスの供給量のフィードバック制御に係わる構成及びその動作について説明する。
以下に説明する実施形態は、本発明により提供される実用化段階のフィードバック制御手段を備えるもので、次に示す要素を備えることを特徴とする。
即ち、CVD反応室に供給する原料有機金属の混合ガスをFTIRガス分析計によってインラインで分析し、その測定結果に基づいて、各原料ガスの供給量を制御するマスフローコントローラ側にフィードバックするそれぞれの原料成分の濃度信号を生成し、さらにフィードバックされる濃度信号と所定組成の有機金属薄膜を形成するために設定された目標値に基づいて、マスフローコントローラにおいて流量を調節するためのバルブを動作させる制御量を生成する手段を要素とする。
また、本実施形態では、溶液気化導入法により原料有機金属ガスを導入する場合、即ちFTIRガス分析計の測定対象として溶媒成分が含まれてくる場合にも適応し得る形態で、実施する例を示す。
【0013】
図2は、図1に示したMOCVD装置の制御系の構成を概略的に示す図である。
図2に示す制御系によって原料ガスの供給量のフィードバック制御が実行されるが、これ以外にもMOCVD装置の制御に必要な手段を含めた装置全体のメインコントローラとして同図に示された制御盤12が機能する。よって、先ず、メインコントローラとして機能する制御盤12について、このフィードバック制御に係わる部分の概要を説明する。
図2を参照すると、制御盤12は、MOCVD装置20の液体原料気化供給装置10とCVD装置8における動作状態をモニターするとともに、CVD反応室に供給する原料有機金属の混合ガスをFTIRガス分析計11により測定し、得た結果をモニターするためにそれぞれの計器と通信インターフェースを介して接続される。ここでは、FTIRガス分析計11との間のインターフェースとしてRS232Cのシリアル通信を用いている。また、液体原料気化供給装置10とCVD装置8の動作状態をそれぞれに設けた圧力計10p,8p及び温度計10t,8tによりモニターし、又液体原料気化供給装置10のLMFC5が有する流量計(図示せず)により原料容液の流量をモニターしている。
また、上記した通信インターフェースは、制御盤12から接続した各装置に必要な動作を行わせるための指令(制御)信号等を送るために用いられ、その中には液体原料気化供給装置10におけるLMFC5への制御信号も含まれる。
制御盤12は、各種の計器により検出されたMOCVD装置20の動作状態を示すデータに対する処理・操作を行い、装置の各部に制御動作を指示するので、こうした処理・操作を実行するためのソフトウェアを搭載したコンピュータ12p、通信部12t、データを利用可能な形式に相互変換するA/D変換・D/A変換部12cを備える。この他に、制御盤12内には、電源部12sと、オペレータへの表示手段としてディスプレイ部12dを有する。なお、オペレータの入力操作によりコンピュータ12pの処理に必要な演算パラメータ等の定数の設定値を変更可能とするために、コンピュータ12pが備えるキーボード等の入力操作部を用いる。
【0014】
図2に示す制御系は、制御盤12のコンピュータ12pに原料ガス供給量のフィードバック制御のモニタリングソフトウェア(以下、「モニタソフト」という)を搭載している。
モニタソフトは、液体原料気化供給装置10からCVD装置8へ輸送される混合ガスを分析するFTIRガス分析計11により測定結果として得たデータに基づいて各ガス成分濃度の計算を行い(後記で詳述)、さらに求めた各ガス成分濃度と所定組成の有機金属薄膜を形成するために設定された目標値に基づいて、液体原料気化供給装置10における原料系データ(後記で詳述するように、LMFC5において流量を調節するためのバルブを動作させる制御量)を生成し、フィードバックする。なお、後述するフィードバック値を求めるために用いるフィードバックパラメータ(例えば、MFCの初期設定値や基準濃度値等)はオペレータの入力操作により設定できるようにしている。
また、液体原料気化供給装置10及びCVD装置8の計器類をモニタリングし、制御盤12のディスプレイ部12dに表示する。算出した各ガス成分濃度も同様にディスプレイ部12dに表示する。さらに、計器類のモニタリング結果、算出した各ガス成分濃度、生成した原料系データ等の各種データはファイルにログとして蓄積し、ディスプレイ部12dに表示可能とする。
また、液体原料気化供給装置10にフィードバックするために生成した原料系データは、モニタソフトのパラメータの設定により、正常なデータを判断するための閾値を設定し得るようにし、閾値処理により正常な範囲を外れた場合に、アラームの表示を可能とする。
【0015】
次に、原料ガスの供給量のフィードバック制御について詳細に説明する。
図2に示した制御盤12のコンピュータ12pが搭載したモニタソフトにより原料ガスの供給量のフィードバック制御を実行する。
CVD法により所定組成の有機金属薄膜を気相成長させるためには、目標の組成に適合した形成条件を設定する必要があり、そのためにCVD反応室8cに供給する原料ガスの供給量を管理する。このために、図1の実施形態に示すように、気化器・混合器6を経てCVD反応室8cに供給される間の酸化剤(O)が加えられる前の段階において原料有機金属の混合ガスをFTIRガス分析計11によってインライン測定する。混合ガスを対象としてFTIRガス分析計11によって得られた測定データは、フィードバック制御盤13を介して液体原料気化供給装置10側にフィードバックされる。
このフィードバックは、所定組成の有機金属薄膜を形成するために上流の液体原料気化供給装置10側で各成分ガスに求められる濃度に対する制御量として与えるもので、本実施形態では溶液気化導入法を採用しているので、各原料有機金属の溶液を供給するLMFC5におけるマスフロー制御メカニズムを動作させる(即ち溶液の流量を制御バルブの操作により制御する)ための制御量を与えることによって実施する。
従って、FTIRガス分析計11による混合ガスの測定データから各原料有機金属溶液のLMFC5の制御バルブを動作させる制御量を得るまでの処理機能をフィードバック制御盤13が有する。
【0016】
図3は、上記した原料ガスの供給量のフィードバック制御を実施するための制御システムのブロック図を示す。
図3に示すように、フィードバック制御盤13は、変換部13bとコントローラ13aを要素として有する。
変換部13bは、FTIRガス分析計11による混合ガスの測定(検出)データの入力を受け、各原料ガスの成分毎の濃度を求める成分補正演算と、LMFC5における制御バルブの操作量(開度)を制御(調整)するフィードバック値を求めるバルブ流量補正演算を行う。
変換部13bにおける成分補正演算は、複合した混合ガスの測定データからPb、Zr、Tiの各原料有機金属ガス成分の濃度を算出するが、算出する濃度はCVDにより所定組成の有機金属薄膜を形成するために管理される濃度(上流の液体原料気化供給装置10側で管理する各成分ガスの濃度)として求める。つまり、所定組成の有機金属薄膜を形成するために必要とされる濃度値として定められる基準(目標)濃度値に対応可能なスケールを持つ。
また、本実施形態のPZT強誘電体薄膜形成プロセスでは、溶液気化導入法を採用しているので、Pb、Zr、Tiの各原料有機金属の外に、各原料有機金属の溶液であるTHF等の溶媒成分が測定データに含まれるので、溶媒成分を考慮した補正演算をする必要がある。さらに、Pb、Zr、Ti以外に第4の成分が加わる場合には、Pb、Zr、Tiと同様に原料成分の1つとして扱うことにより対応することができる。
【0017】
ここで、成分補正演算の実施例を示す。
成分補正は各原料ガス成分濃度の実測値に対する補正である。この補正は、分析計で測定した有機金属原料の混合ガス測定データからFTIRにより求めた各原料ガス成分濃度の実測値に含まれる雑音成分を除くために行う。ここに含まれる雑音成分は、他の原料や溶媒成分によるものであり、補正演算によりこの雑音分を除くものである。
この補正の前段で行うFTIRによる各原料ガス成分濃度測定では、その手順として、先ず、混合ガスを赤外スペクトル分析し、得られる混合ガスのスペクトルから各ガス成分の濃度値を求めるために用いるピーク値を抽出する検量線を選定する。この検量線の選定を行うためには、予め各原料ガス単体の分光スペクトル、複数の原料ガス混合系の分光スペクトルを実験的に求め、求めた実験データから標準モデルを作成しておく必要がある。実際に行うインライン測定では、このようにして作成しておいた標準モデルを参照することにより、測定した混合ガスにおける各ガス成分に対応するピーク値を抽出するための検量線の選定を行うことができる。
上記の方法により各ガス成分に対応して選定された検量線のデータ(ピーク値)に基づいてフーリエ変換を行うことにより該ガス成分の濃度値を算出する。
【0018】
上記したFTIRによる測定手順により各ガス成分濃度の実測値として算出することができるが、実際には、FTIR測定の対象となる気化器内の混合ガスは、各原料成分値の微妙な相違や気化器の温度、圧力等のプロセス条件の変化により、気相反応が生じる場合があり、こうした場合には反応に従って濃度値の変動、ピーク値のシフトや重なり、或いは新たなピークの発生等が起こり得るので、そのままでは正しい濃度値を示さない場合が生じる。
そこで、気相反応が生じる場合に対応するガス成分濃度の実測値に対する補正として、次に示す成分補正演算を必要とする。
PZT強誘電体薄膜形成プロセスを例にすると、FTIRによる混合ガスの測定データから算出したPb、Zr、Tiの各原料有機金属ガス成分濃度の実測値から気相反応を起す他のガス成分による影響をキャンセルするという形で補正を行う。
例えば、次に示す成分補正式により、各成分F[Pb,Zr,Ti]の正しい濃度値を求めることが可能である。なお、ここでは、溶媒による影響も考慮し、その補正を行うようにしている。
F[Pb,Zr,Ti]=f(Pb,Zr,Ti)−Cn f(溶媒)
なお、上記成分補正式において、f(Pb,Zr,Ti)、f(溶媒)はそれぞれ補正関数で、f(Pb,Zr,Ti)は成分ごとに気相反応を起す他のガス成分による影響をキャンセルするようにその関数が定められ、溶媒成分の補正は、用いる溶媒に依存する関数f(溶媒)と各原料成分に対する関係を補正定数Cnにより定める。
ここで、補正関数f(Pb,Zr,Ti)を、
f(Pb)=「Pb」−A0「Zr」−B0「Ti」
f(Zr)=「Zr」−A1「Pb」−B1「Ti」
f(Ti)=「Ti」−A2「Pb」−B2「Zr」
とすれば、
F[Pb]=f(Pb)−C0 f(溶媒)
F[Zr]=f(Zr)−C1 f(溶媒)
F[Ti]=f(Ti)−C2 f(溶媒)
として、各原料有機金属ガス成分値F[Pb],F[Zr],F[Ti]を求めることができる。なお、上記した各成分の補正式において、「Pb」「Zr」「Ti」は、FTIRによる各ガス成分濃度の実測値である。また、“A0,A1,A2”“B0,B1,B2”“C0,C1,C2”は、それぞれ補正定数である。
【0019】
これらの補正定数は、混合ガスの各原料成分の違いや気化器の温度、圧力等のプロセス条件によって異なる値をとり、このような変動要素を考慮してそのときの条件に適合する定数を適用する。従って、プロセスの動作時には適用する補正定数を用意する必要がある。補正定数の求め方としては、プロセスの動作時における測定結果に基づいてインラインで算出し求める方法や、予めオフラインで求め用意しておいた値を動作時の状態に応じて選択する方法など様々な方法で対応することが可能である。いずれにしても、所定の気化器の温度、圧力等のプロセス条件における所定の原料有機金属ガス、溶媒の基準試料を実験的にシミュレートし、そのときにFTIRにより実験結果として得られる検量線データを基礎データとして、実際のプロセスにおける対象ガスの測定値へ適用する補正定数を求めることに変わりはない。
【0020】
具体例として、(1) 気相反応が起こらないケースと、(2) 気相反応が起こるケースにおける適用例を以下に示す。
(1) 気相反応が起こらないケース
図4は、このケースにおけるFTIRによるスペクトル測定結果を示すグラフである。なお、図4中の各グラフでは、横軸に波数(cm−1)、縦軸に強度(吸光度)をとっている。
FTIRによるスペクトル測定のために気化器内で検出される混合気体において気相反応が起こらないケースでは、図4の(A)〜(D)に示すように、スペクトル測定結果として得られる、「Pb」「Zr」「Ti」「溶媒」の各ガス成分濃度の実測値(それぞれの成分値を抽出する検量線のピーク値)が、他のガス成分の影響を受けない状態で抽出されるので、“Pb”を例にとると、
Figure 2004256864
において、A0=0、B0=0、C0=0、となる。
よって、F[Pb]=「Pb」で、FTIRによる実測値「Pb」をそのまま最終的な成分濃度値F[Pb]の測定結果として得る。
(2) 気相反応が起こるケース
図5は、このケースにおけるFTIRによるスペクトル測定結果を示すグラフで、図4と同様に、横軸に波数(cm−1)、縦軸に強度(吸光度)をとっている。
FTIRによるスペクトル測定のために気化器内で検出される混合気体において気相反応が起こるケースを示す図5では、“Pb”と“Zr”間で反応が起きている場合で、図5の(A)(B)に示すように、スペクトル測定結果として得られる、「Pb」「Zr」の各ガス成分濃度の実測値(それぞれの成分値を抽出する検量線のピーク値)が重なっている。また、残る「Ti」「溶媒」の各ガス成分濃度の実測値は、図5の(C)(D)に示すように、他のガス成分の影響を受けない状態で抽出されている。
上記した「Pb」「Zr」の各ガス成分濃度のスペクトルにおける重なりは、“Pb”の実測値として得た[Pb]に“Zr”との反応による影響による成分が重畳されていることを意味し、“Pb”については、この分の補正が必要となる。
従って、
Figure 2004256864
における補正定数A0として適正値を定めることになる。
ここでは、補正定数A0として、“Zr”の スペクトル測定結果における「Zr」を抽出する検量線のピーク値(図5中、測定ピーク値a)に対する、スペクトルが“Pb”と重なる検量線のピーク値(図5中、測定ピーク値b)の比:b/aを用いる。従って、補正量は、抽出された検量線データ「Zr」に補正定数A0を掛けた、(b/a)×「Zr」となる。また、上記のように「Ti」「溶媒」の各ガス成分は他に影響をしない。つまり、
Figure 2004256864
において、A0=b/a、B0=0、C0=0、となる。
よって、F[Pb]=「Pb」−(b/a)×「Zr」で、FTIRによる実測値「Pb」を補正して最終的な成分濃度値F[Pb]の測定結果として得る。
【0021】
次に、変換部13bの制御バルブの操作量(開度)を制御(調整)するフィードバック値を求めるバルブ流量補正演算について説明する。
ここで行う制御バルブの開度の制御は、次のようなフィードバックループの制御動作を行う。即ち、FTIR分析計11によって得られる測定値の変動→測定値と目標濃度値の関係に基づきバルブ開度制御量を設定→LMFC5における制御バルブの開度調整→原料溶液のマスフロー増減→原料ガス濃度の増減→FTIR分析計による測定値の変動、となる。
ここでは、上記したフィードバックループにおいて、所定組成の有機金属薄膜に必要な基準(目標)濃度値に各原料有機金属ガスの濃度値を制御するために、上記成分補正演算により算出した各原料ガスの濃度から実際にLMFC5の制御バルブに必要な開度量をフィードバック値として求める。
次に、このフィードバック値としてのバルブ開度の制御(調整)量を求める方法について実施例を説明する。
図6は、制御動作を説明する線図である。図6では、縦軸に濃度(圧力)、横軸に流量MFC(LMFCの制御バルブの開度調整により制御される流量:マスフロー)をとっている。
図6において実線(A)は、理想状態の動作特性線を示している。この動作特性線(A)では、所定組成の有機金属薄膜が必要とする基準濃度値(目標値)に対応する流量MFC(LMFCにおける流量値)として理論上想定できる値(もしくは実験により得られる値)を、最初のMFC値(初期設定値)として設定し、動作させると、図示のように基準濃度値に達し、必要とする濃度値の原料ガスを供給することができる。
【0022】
しかし、実際には、図6中の鎖線(B)の動作特性線に示すような動作をして、最初のMFC値の設定では、実測濃度値は基準濃度値(目標値)からずれてしまう。そこで、このずれに応じたフィードバック量:Cn(q)を流量MFCの制御量として新たに設定することにより、基準濃度値に達するような制御動作を行わせる。
ここに、このときに設定するフィードバック量:Cn(q)は、
Figure 2004256864
とする(図6参照)。
上記フィードバック量:Cn(q)の式における補正MFC値:α(q)は、図6中の鎖線(B)の動作特性線をリニアとすると、基準濃度値に達するようにするための補正値であるから、下記式に示すように、
補正MFC値 α(q)=最初のMFC値×〔(基準濃度値−実測濃度値)/実測濃度値〕=最初のMFC値×〔(基準濃度値/実測濃度値)−1〕
となる。なお、上記式において、実測濃度値は、FTIRによる測定値を上記成分補正式により補正し、得た各成分の実測濃度値である。
また、この補正MFC値 α(q)は、実際にはLMFC5の制御バルブ開度の制御量への換算をする。従って、
補正MFC値(バルブ制御量換算値)=α(q)×MFC分解能/最大MFC値
とする。なお、上記式において、最大MFC値はLMFC5の制御バルブ全開時のMFC値(流量)で、MFC分解能はLMFC5の操作(調整)ステップ数(制御バルブ開度0から全開までの開度調整数)を表す。
【0023】
ここで、バルブ流量補正演算を伴う上記したフィードバック制御動作の具体例を以下に示す。
原料ガスの成分の一つにおいて、次の条件、即ち
最大MFC値 =1.00
最初のMFC値 =0.25
基準濃度値 =0.012
を設定する。なお、上記した条件のMFC値(流量)は、最大MFC値(流量)を1としたときの比により表し、基準濃度値は、圧力(torr)で表している。
FTIR分析計11から定時サンプリング(例えば1分)により原料成分の実測濃度値(上記成分補正式を適用して求めた値)が取得できるので、以下に示す▲1▼〜▲3▼‥‥の測定サイクルで制御動作を行うようにする。
▲1▼ 1回目の測定
このときに、実測濃度値として、
実測濃度値 =0.014
が得られると、
補正MFC値α(q)=最初のMFC値×〔(基準濃度値/実測濃度値)−1〕
=0.25×〔(0.012/0.014)−1〕=−0.0357
補正MFC値(バルブ制御量換算値)= α(q) ×MFC分解能/最大MFC値
=−0.0357×4000/1=−143
となる。なお、ここではMFC分解能を4000とする。
従って、このときのフィードバック量は、
フィードバック量 Cn(q) =(前のフィードバック量)+補正MFC値=0+(−143)=−143
となる。なお、“前のフィードバック量”は、初期値=0とする。
【0024】
▲2▼ 2回目の測定
1回目の測定によるフィードバック制御により基準濃度値に到達しなかった場合、1回目と同様に制御動作を行うようにする。
本例では、このときの実測濃度値として、
実測濃度値 =0.013
が得られとする。このときには、補正MFC値α(q)は、
補正MFC値α(q)=最初のMFC値×〔(基準濃度値/実測濃度値)−1〕
=0.25×〔(0.012/0.013)−1〕=−0.0192
補正MFC値(バルブ制御量換算値)= α(q) ×MFC分解能/最大MFC値
=−0.0192×4000/1=−77
となる。
従って、このときのフィードバック量は、
フィードバック量 Cn(q) =(前のフィードバック量)+補正MFC値=−143+(−77)=−220
となる。なお、“前のフィードバック量”は、前回の得た−143を用いる。
▲3▼ 3回目の測定
2回目の測定によるフィードバック制御により基準濃度値に到達したとする。即ち、このときの実測濃度値として、
実測濃度値 =0.012
が得られとする。この場合には、補正MFC値α(q)は、
補正MFC値α(q)=最初のMFC値×〔(基準濃度値/実測濃度値)−1〕
=0.25×〔(0.012/0.012)−1〕=0
補正MFC値(バルブ制御量換算値)= α(q) ×MFC分解能/最大MFC値
=0
となる。
従って、このときのフィードバック量は、
フィードバック量 Cn(q) =(前のフィードバック量)+補正MFC値=−220+0=−220
となり、フィードバック量 Cn(q)は、−220で収束値となる。
【0025】
なお、このような基準濃度値に到達したときの動作として、例えば、基準濃度値と実測濃度値との差が所定範囲内にあるか否かを判断し、所定範囲内に入り、基準(目標)濃度値にほぼ達したと判断された場合には、フィードバック量の演算処理を行わずに、前のフィードバック量 Cn(q)をそのまま用いるような動作を行わせるようにしてもよい。
上記のようにして算出したフィードバック値としてのバルブの操作量をコントローラ13aに指示する。
この指示を受けるコントローラ13aでは、与えられたフィードバック値に基づいてPID制御動作を行うことによりLMFC5の制御バルブの開度を調整し、原料有機金属溶液の流量を制御することにより、所定組成の有機金属薄膜が必要とする成分濃度を生成することを可能とする。
【0026】
【発明の効果】
本発明の原料供給制御システムは、反応室に供給する原料有機金属を含む混合ガスを測定するFTIR分析計の測定結果から各原料ガス成分の濃度値を演算し、算出された濃度値を原料供給源側にフィードバックし、このフィードバック値に基づいて設定する制御量に従って各原料有機金属ガスのマスフローを制御する手段を備えることにより、原料供給のインラインフィードバック制御の実施に有効な手段を提供することができるので、MOCVD法による所定組成の有機金属薄膜を再現性良く、且つ効率的に形成するという実用段階における技術を確立することが可能になる。
また、FTIR分析計の測定値に含まれる溶媒成分による影響を除く(溶媒により誤差分を補正する)ようにしたので、溶液気化法により原料が供給される場合においても適正な動作が可能になる。
また、マスフロー制御手段の制御量を目標濃度値に対する実測(演算)濃度値の比に基づいて設定するようにしたので、より適正な動作が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原料供給制御システムを適用したPZT系強誘電体の薄膜を形成するMOCVD装置全体を概略的に示す。
【図2】図1に示したMOCVD装置の制御系の構成を概略的に示す。
【図3】原料ガス供給量のフィードバック制御を実施するための制御システムのブロック図を示す。
【図4】気相反応が起こらないケースにおけるFTIRによる各成分スペクトルの測定結果を示す。
【図5】気相反応が起こるケースにおけるFTIRによる各成分スペクトルの測定結果を示す。
【図6】原料ガス供給量のフィードバック制御動作を説明する線図である。
【符号の説明】
1,2,3…原料ボトル、 5…LMFC(マスフローコントローラ)、
6…気化器・混合器、 8…CVD装置、
10…液体原料気化供給装置、 11…FTIRガス分析計
12…制御盤、 13…フィードバック制御盤、
20…MOCVD装置。

Claims (6)

  1. 複数の原料有機金属ガス供給源と、原料有機金属ガス供給源からの原料ガスのマスフローを各別に制御するマスフロー制御手段を有し、該マスフロー制御手段を介してMOCVD装置の反応室に各原料有機金属ガスを含む混合ガスを供給可能とした原料供給制御システムであって、反応室に供給する原料有機金属を含む混合ガスを測定するFTIR分析計と、FTIR分析計の測定結果から各原料ガス成分の濃度値を演算する濃度値演算手段と、該濃度値演算手段により算出された濃度値を原料供給源側にフィードバックし、このフィードバック値に基づいて設定する制御量に従って各原料有機金属ガスの前記マスフロー制御手段を動作させるようにしたことを特徴とする原料供給制御システム。
  2. 請求項1に記載された原料供給制御システムにおいて、原料供給源側にフィードバックする各原料ガス成分の濃度値を演算する前記濃度値演算手段は、測定値に含まれる他のガス成分による影響を除く補正演算手段を備えるようにしたことを特徴とする原料供給制御システム。
  3. 請求項1又は2に記載された原料供給制御システムにおいて、前記原料供給源が溶液気化により原料有機金属ガスを生成する手段を用いるときに、前記濃度値演算手段は、測定値に含まれる溶媒成分による影響を除く補正演算手段を備えるようにしたことを特徴とする原料供給制御システム。
  4. 請求項2又は3に記載された原料供給制御システムにおいて、動作条件を設定するための操作入力手段を設け、該操作入力手段により前記濃度値演算手段が補正演算に用いる演算パラメータの設定を変更し得るようにしたことを特徴とする原料供給制御システム。
  5. 請求項1又は4のいずれかに記載された原料供給制御システムにおいて、前記マスフロー制御手段の制御量を目標濃度値に対する前記演算濃度値の比に基づいて設定するようにしたことを特徴とする原料供給制御システム。
  6. 請求項5に記載された原料供給制御システムにおいて、動作条件を設定するための操作入力手段を設け、該操作入力手段により前記制御量の設定に用いるパラメータを変更し得るようにしたことを特徴とする原料供給制御システム。
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