JP2004255715A - 昇華インク転写用インクジェット被記録媒体及び転写記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】昇華インクのプリント媒体への転写率が高く、プリント媒体に高濃度の画像形成ができる昇華インク転写用インクジェット被記録媒体及び転写記録方法を提供する。
【解決手段】支持体上に少なくとも顔料、水溶性接着剤及びラテックス系接着剤を含有するインク受理層を設けてなる昇華インク転写用インクジェット被記録媒体において、該ラテックス系接着剤が、ゲル含有量が40%〜85%であるスチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスであることを特徴とする昇華インク転写用インクジェット被記録媒体およびその転写記録方法。
【選択図】 なし
【解決手段】支持体上に少なくとも顔料、水溶性接着剤及びラテックス系接着剤を含有するインク受理層を設けてなる昇華インク転写用インクジェット被記録媒体において、該ラテックス系接着剤が、ゲル含有量が40%〜85%であるスチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスであることを特徴とする昇華インク転写用インクジェット被記録媒体およびその転写記録方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、昇華性染料を含有するインクを用いて記録するインクジェット被記録媒体に関するものであり、更に詳しくはインクジェット記録後に、任意のプリント媒体と重ね合せて加熱することにより、昇華性染料をプリント媒体に転写する際に使用する昇華インク転写用インクジェット被記録媒体とその転写記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙などの記録用紙に付着させ、画像・文字などの記録を行なうものであるが、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きい、現像−定着が不要等の特徴があり、漢字を含め各種図形及びカラー画像等の記録装置として種々の用途に於いて急速に普及している。更に、多色インクジェット方式により形成される画像は、製版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画に比較して、遜色のない記録を得ることが可能である。又、作成部数が少なくて済む用途に於いては、写真技術によるよりも安価であることからフルカラー画像記録分野にまで広く応用されつつある。
【0003】
又、昇華性染料を含有するインクを使用して、グラビア印刷、オフセット印刷等によって印刷した転写用被記録媒体を作成し、布帛等に熱転写する昇華転写捺染方法が従来から知られている。
【0004】
一方、インクジェット記録で作成した画像等を任意のプリント媒体に転写して、プリント物を得る技術も開発されている。例えば、インクジェット記録画像受像層を設け、その受像層が支持体から熱、圧力等により容易に剥離するようにすることによって、任意のプリント媒体に受像層ごと転写する技術が提案されている。
【0005】
更に、昇華性染料を含有するインクを使用して、インクジェット記録し、染料だけを任意のプリント媒体に熱等によって転写する方法も提案されている。例えば、昇華性インクを使用して転写用被記録媒体を得ることにより、印刷版が不要になり、小ロットの転写用被記録媒体を得る場合でも安価に作ることが出来るという技術、また、昇華性染料を使用したインクでミラーイメージ画像を作成し、任意のプリント媒体に重ね合わせて加熱し、画像をプリント媒体へ昇華転写する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
プリント媒体に良好な画像を昇華転写するために転写用インクジェット被記録媒体に求められる特性は、一般的なインクジェット記録シートと同様に、印字濃度、色調の鮮明性、ハジキやムラをなくすためのインク吸収性、汚れをなくすためのインク乾燥性等である。さらに、画像をプリント媒体に昇華転写する際の昇華インクのプリント媒体への高い転写率が要求される。しかし、転写用インクジェット被記録媒体が上記の印字濃度、色調の鮮明性等を実現するためには、一般のインクジェット記録シートと同様にできるだけ嵩高、すなわち多孔質な構造とする必要がある。しかし、それはプリント媒体への昇華インクの転写率を低下させてしまう上、昇華インクが裏面への転移するため転写用インクジェット被記録媒体の裏面に当てられているヒーター(熱板)表面を汚し、作業性を低下させてしまう。
【0007】
そこで、転写紙のインク受理層の反対面にバックコートを設けたり、フィルム、あるいは金属泊等を貼り合わせ昇華インクが裏面に転移し、転写率が下がるのを防止する方法が考えられている(例えば、特許文献2〜3参照)が、その際、転写用インクジェット被記録媒体に含有されている水分もインク受理層側へしか逃げ道がなくなるため、期待通りの転写率を実現することができない。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−15926号公報
【特許文献2】
特開2002−347333号公報
【特許文献3】
特開2001−277706号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、昇華インクのプリント媒体への転写率が高く、プリント媒体に高濃度の画像形成ができる昇華インク転写用インクジェット被記録媒体及び転写記録方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、以上のような問題点を解決するため鋭意研究の結果、以下の発明に至った。
【0011】
すなわち、支持体上に少なくとも顔料、水溶性接着剤及びラテックス系接着剤を含有するインク受理層を設けてなる昇華インク転写用インクジェット被記録媒体において、該ラテックス系接着剤が、ゲル含有量が40%〜85%であるスチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスであることを特徴とする昇華インク転写用インクジェット被記録媒体の発明である。
【0012】
該水溶性接着剤がポリビニルアルコールであることを特徴とする昇華インク転写用インクジェット被記録媒体の発明である。
【0013】
該顔料の平均二次粒径が2μm〜6μmであることを特徴とする昇華インク転写用インクジェット被記録媒体の発明である。
【0014】
該顔料が合成非晶質シリカであることを特徴とする昇華インク転写用インクジェット被記録媒体の発明である。
【0015】
さらに、該被記録媒体に、昇華性染料を含有するインクを用いてインクジェット記録後、任意のプリント媒体と重ね合わせて加熱し、該昇華性染料をプリント媒体へ転写することを特徴とする転写記録方法の発明である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の昇華インク転写用インクジェット被記録媒体は、インク受理層にゲル含有率が40%〜85%のスチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスを含有しているため、該インク受理層に印字された画像をプリント媒体に加熱転写する際、該インク受理層の反対面に抜けてヒーター(熱板)を汚すことなく、該プリント媒体への昇華インクの転写率を大幅に向上させることができる。さらに、本発明の昇華インク転写用インクジェット被記録媒体はインクの吸収性が高いため、より多くのインクを滲みなく印字して、プリント媒体へ転写できるため、プリント媒体には高濃度で鮮明な画像を形成することができる。
【0017】
本発明におけるゲル含有量の測定方法に関して詳しく説明する。本発明に係わるラテックス系接着剤のpHを8.0±0.1に調整し、5〜10gをポリエチレンシートに薄く広げ、85℃の乾燥機で4時間以上乾燥する。乾燥後の該接着剤をデシケーターで冷却した後、約10mm×10mmに切り取り、該ポリエチレンシートより剥がし、共栓付三角フラスコに0.23〜0.25gを精秤する(Aグラム)。さらに、該共栓付三角フラスコにトルエン100mlを加え48時間放置する。放置後、質量既知の300メッシュ金網(Bグラム)で濾過し、90℃の真空乾燥機で4時間以上乾燥する。乾燥後、金網に残った残渣ごとデシケーターで冷却し、重量(Cグラム)を測定し、ゲル含有量(%)=(C−B)/A×100よりゲル含有量を算出する。
【0018】
ゲル含有量が85%より高くなるとインク受理層の透気性が低下してくるためか昇華インクの転写率が低下してくる。また、40%より低くなると顔料表面との相互作用によるため該インクジェット被記録媒体のインク吸収性が低下してしまう。
【0019】
本発明で使用できるラッテクス系接着剤としては、ゲル含有量が40%〜85%であるスチレン・ブタジエン系共重合体であれば特に制限されない。例えば、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリル共重合体あるいはその変性物の共重合体ラテックスであり、これらを単独あるいは2種類以上のものを併用して用いることもできる。
【0020】
顔料に対する該ラテックス系接着剤の配合量は、該顔料の全固形分100質量部に対して、3〜70質量部、好ましくは5〜50質量部であり、3質量部より少ないとインク受理層の塗層強度が不足しやすくなり、70質量部を越えると画像に滲みが見られることがある。ただし、該ラテックス系接着剤の配合量が少ないために起こるインク受理層の塗層強度不足を補うため、併用する水溶性接着剤の配合量を増やすことができる。
【0021】
本発明で使用できる水溶性接着剤としては、例えば、澱粉、酸化澱粉、カチオン化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースサルフェート等のセルロース誘導体、各種鹸化度のポリビニルアルコール又はそのシラノール変性物、カルボキシル化物、カチオン化物等の各種誘導体、カゼイン、ゼラチン、変性ゼラチン、大豆蛋白等の天然高分子、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、ポリスチレンスルフォン酸ナトリウム等の水溶性合成高分子を用いることができる。
【0022】
顔料に対する該水溶性接着剤の配合量は、該顔料の全固形分100質量部に対して、3〜70質量部、好ましくは5〜50質量部であり、3質量部より少ないとインク受理層の塗層強度が不足しやすくなり、70質量部を越えると画像に滲みが見られることがある。
【0023】
該水溶性接着剤としては、ポリビニルアルコールを用いることが好ましい。ポリビニルアルコールを用いることで、インク受理層の柔軟性が発現し、転写面が曲面であるようなプリント媒体への昇華インクの転写率を向上させることができる。
【0024】
また、本発明のインク受理層に含有するラテックス系接着剤と水溶性接着剤との質量比には特に制限はなく、任意の割合で用いることができるが、インク受理層の強度、柔軟性、耐水性等を勘案して、ラテックス系接着剤と水溶性接着剤との質量比は、1/2〜2/1であることが好ましい。質量比が1/2より小さくなるとインク受理層の耐水性が低下する傾向が見られ、印字した画像に僅かな滲みが見られる傾向が出てくる。一方、質量比が2/1より大きくなるとインク受理層の表面に細かなひび割れが見られることがある。
【0025】
本発明で使用できるの顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、アルミナ水和物(擬ベーマイト等)、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、水酸化マグネシウム等の無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。中でも多孔性合成非晶質シリカ、多孔性炭酸カルシウム、多孔性炭酸マグネシウム、多孔性アルミナ(擬ベーマイト、δアルミナ)などが好ましく用いられる。
【0026】
本発明で用いられる顔料は平均二次粒径が2μm〜6μmであることが好ましい。平均二次粒径を2μm〜6μmとすることにより、プリント媒体を金属とした場合のブロンジング現象が発生しないことが判明した。該ブロンジング現象とは、使用される各インクの昇華インク転写用インクジェット被記録媒体への吸収性の極端な差、またはプリント媒体への転写効率の極端な差に起因するものと推定されており、プリント媒体上の画像上の光沢がブロンズがかった色に見える現象であり、色再現性、画像再現性の見地から好ましくない現象である。平均二次粒径が2μm未満であるとインク吸収性が悪化するためか、また、平均二次粒径が6μmを超えると転写したプリント物の発色濃度が低くなるためかブロンジング現象が生じやすくなる。
【0027】
さらに、本発明で用いられる顔料は、細孔容積の多い多孔性合成非晶質シリカが好ましい。このような合成非晶質シリカとは、ケイ酸のゲル化により、SiO2の三次元構造を形成させた、多孔性、不定形微粒子であり、細孔径10〜2000オングストローム程度を有する。該合成非晶質シリカを用いると本発明のインクジェット被記録媒体のインク吸収性を向上させると共に、昇華インクのプリント媒体への転写率も向上し、プリント媒体上の画像を一層鮮明にすることができる。
【0028】
このような合成非晶質シリカは、市販のものを好適に用いることができ、例えば、ミズカシルP−526、ミズカシルP−801、ミズカシルNP−8、ミズカシルP−802、ミズカシルP−802Y、ミズカシルC−212、ミズカシルP−73、ミズカシルP−78A、ミズカシルP−78F、ミズカシルP−87、ミズカシルP−705、ミズカシルP−707、ミズカシルP−707D、ミズカシルP−709、ミズカシルC−402、ミズカシルC−484(以上水澤化学工業(株))、トクシールU、トクシールUR、トクシールGU、トクシールAL−1、トクシールGU−N、トクシールN、トクシールNR、トクシールPR、ソーレックス、ファインシールE−50、ファインシールT−32、ファインシールX−37、ファインシールX−70、ファインシールRX−70ファインシールA、ファインシールB(以上、(株)トクヤマ)、カープレックスFPS−101、カープレックスCS−7、カープレックス80、カープレックスXR、カープレックス67(以上、塩野義製薬(株))、サイロイド63、サイロイド65、サイロイド66、サイロイド77、サイロイド74、サイロイド79、サイロイド404、サイロイド620、サイロイド800、サイロイド150、サイロイド244、サイロイド266(以上、富士シリシア化学(株))などが挙げられる。
【0029】
更に、インク受理層には、添加剤として、染料定着剤(各種カチオン性樹脂)、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、サイズ剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、湿潤強度増強剤、乾燥強度増強剤等を適宜配合することもできる。
【0030】
本発明の実施に用いられる支持体としては、インク受理層が設けられる支持体であればその素材は限定されない。即ち、木材パルプを主成分とする紙や、無機微粒子を含有する熱可塑性樹脂からなる多孔性樹脂フィルム、更には不織布、布帛、フィルム、樹脂被覆紙、合成紙等が挙げられる。本発明の効果が顕著に現れる支持体としては、裏面へ昇華インクが昇華しやすい多孔質な素材であり、具体的には、木材パルプを主成分とする紙や、不織布、布帛である。さらに好ましくは木材パルプを主成分とする紙である。
【0031】
本発明における、インク受理層の塗布量は、あまり少ないとインクの吸収性に問題が生じるばかりでなく、画像濃度・色彩性・鮮明性が低く、インクがインク受理層の面方向に拡散して鳥の羽状にギザギザしたフェザリングと呼ばれるドット形状の悪化が発生する。又、あまり塗布量が多いと塗布後の乾燥工程における乾燥負荷が高まり、塗布速度の低下に伴う生産性の低下ばかりでなく、高負荷での乾燥では、インク受理層を構成する塗被組成物中の接着剤が、蒸発する溶媒と共にインク受理層表面に移動して、その表面の空隙量を低下させるために、吸収性が低下し記録時に地汚れなどが発生したり、カール性が悪化するため好ましくない。このような観点から、インク受理層の塗布量は、1〜30g/m2が好ましい。又、インク受理層はある一定の塗布量を数回に分けて塗布する事も可能であり、後処理で光沢を付与する時に、一度に該塗布量を塗設するよりも光沢が向上する。
【0032】
インク受理層を塗布する方法は、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、カーテンコーター、ショートドウェルコーター、サイズプレス等の各種装置をオンマシン或いはオフマシンで用いることができる。又、塗布後に、マシンカレンダー、TGカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置を用いて平坦化、光沢付与仕上げすることで、インク受理層を形成出来る。
【0033】
インク受理層を塗布する場合、支持体上にそのままインク吸収層を設けても良いし、予めコロナ処理、フレーム処理、プラズマ処理、紫外線照射処理などの公知の表面活性化処理を施した後塗布しても差し支えない。
【0034】
昇華性染料としては、カチオン染料又は分散染料がある。例えば分散染料としては、アゾ系及びアゾ誘導体、ジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メチン系、アゾメチン系、キサンテン系、アントラキノン誘導体、キノフタロン誘導体、スチロジピラン系、インドリノスピロピラン系、フルオラン系、スチリル系、ジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、オキサジン系、トリアジン系、チクリジン系、ジアジン系、ローダミンラクタム系等の染料が挙げられる。また、「WHITE SERIES No.78昇華型感熱転写記録技術」(田口信義監修、株式会社トリケップス発行、昭和63年5月31日)に昇華性色素の代表的なものが記されている。
【0035】
また、これらの染料は1成分のみでなく、2種以上を混合して用いても良い。これ等の染料を樹脂微粒子中に含有させて、液体中に分散させインクとする。例えば、樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共重合体を用い、分散染料をテトラヒドロフラン中に分散させ、高沸点飽和炭化水素中に分散しながら投入することによって、高沸点溶剤タイプのインクとすることが出来る。また、同様に水ベースのインクの作成も可能である。
【0036】
本発明の昇華インク転写用インクジェット被記録媒体を用いての熱転写物の作製は、被記録媒体の記録画像面を昇華性染料の定着性を向上する処理が施されたプリント媒体と重ね合せ、熱転写用プレス機を用いて、それぞれのプリント媒体に適した転写温度と転写時間で処理をし作製する。プリント媒体としては、ポリエステエルフィルムを基本としたフィルム素材、アルミ、ステンレスなどの金属素材、ポリエステル布素材などがある。
【0037】
【実施例】
以下に、本発明の実施例をあげて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例、及び比較例において「部」及び「%」は、特に明示しない限り質量部及び質量%を示す。なお、配合において示す部数は実質成分(固形分)の数量である。
【0038】
<支持体の作製>
濾水度450mlCSFのLBKP70部、濾水度450mlCSFのNBKP30部から成る木材パルプ100部に、軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム/タルクの比率が30/35/35の顔料5部、市販アルキルケテンダイマー0.1部、市販カチオン系アクリルアミド0.03部、市販カチオン化澱粉10部、硫酸バンド0.5部を水に混合し、スラリーを調成後、長網抄紙機を用いて坪量80g/m2で抄造し、市販酸化澱粉をインクラインドサイズプレスで乾燥付着量5g/m2を付着させて乾燥して支持体を得た。
【0039】
実施例1
顔料として平均2次粒径が1.8μmの炭酸カルシウム(白石工業(株) PX)100部、水溶性接着剤としてエステル化澱粉(日本食品加工(株) MS4600)30部、ラテックス系接着剤としてゲル含有量が40%のスチレン・ブタジエン・アクリル共重合体ラテックス(日本エイアンドエル(株) P9222)30部を秤量し、水に混合して、固形分濃度15%に調整したインク受理層塗布液を作製した。該インク受理層塗布液を乾燥塗工量が9g/m2となるように上記支持体の一方の面にエアナイフコーターで塗布し、乾燥してインク受理層を設けた。次にこれをスーパーカレンダー処理して本発明の昇華インク転写用インクジェット被記録媒体を得た。
【0040】
実施例2
顔料を平均2次粒径1.6μmの合成非晶質シリカ(水澤化学工業(株) ミズカシルP527)に変更した以外は実施例1と同様にして本発明の昇華インク転写用インクジェット被記録媒体を得た。
【0041】
実施例3
ラテックス系接着剤をゲル含有量が85%のスチレン・ブタジエン・アクリル共重合体ラテックス(日本エイアンドエル(株) SN335)に変更した以外は実施例2と同様にして本発明の昇華インク転写用インクジェット被記録媒体を得た。
【0042】
実施例4
ラテックス系接着剤をゲル含有量が80%のスチレン・ブタジエン・アクリル共重合体ラテックス(日本エイアンドエル(株) SNX4205)に変更した以外は実施例2と同様にして本発明の昇華インク転写用インクジェット被記録媒体を得た。
【0043】
実施例5
水溶性接着剤をシラノール変性ポリビニルアルコール((株)クラレ R1130)に変更した以外は実施例4と同様にして本発明の昇華インク転写用インクジェット被記録媒体を得た。
【0044】
実施例6
水溶性接着剤を20部、ラテックス系接着剤を40部に変更した以外は実施例5と同様にして本発明の昇華インク転写用インクジェット被記録媒体を得た。
【0045】
実施例7
水溶性接着剤を40部、ラテックス系接着剤を20部に変更した以外は実施例5と同様にして本発明の昇華インク転写用インクジェット被記録媒体を得た。
【0046】
実施例8
顔料を平均2次粒径が2μmの合成非晶質シリカ(日本シリカ工業(株) NIPSIL E75)に変更した以外は実施例5と同様にして本発明の昇華インク転写用インクジェット被記録媒体を得た。
【0047】
実施例9
顔料を平均2次粒径が6μmの合成非晶質シリカ((株)トクヤマ ファインシールX60)に変更した以外は実施例5と同様にして本発明の昇華インク転写用インクジェット被記録媒体を得た。
【0048】
実施例10
顔料を平均2次粒径が6.5μmの合成非晶質シリカ(日本シリカ工業(株)NIPGEL AY603)に変更した以外は実施例5と同様にして本発明の昇華インク転写用インクジェット被記録媒体を得た。
【0049】
比較例1
ラテックス系接着剤をゲル含有量が36%のスチレン・ブタジエン・アクリル共重合体ラテックス(日本エイアンドエル(株) P9505)に変更した以外は実施例8と同様にして昇華インク転写用インクジェット被記録媒体を得た。
【0050】
比較例2
ラテックス系接着剤をゲル含有量が89%のスチレン・ブタジエン・アクリル共重合体ラテックス(日本エイアンドエル(株) PA1317)に変更した以外は実施例8と同様にして昇華インク転写用インクジェット被記録媒体を得た。
【0051】
比較例3
透気性支持体の一方の面にポリプロピレン樹脂を押出コーティング法で塗布し、厚みが10μmのポリプロピレン樹脂からなるバックコート層を設け、バックコート層を設けた支持体とした。該支持体のバックコート層と反対の面に、比較例1と同様にしてインク受理層を設け、昇華インク転写用インクジェット被記録媒体を得た。
【0052】
〈試験方法〉
インク受理性
実施例および比較例で作製した昇華インク転写用インクジェット被記録媒体のインク受理性を評価した。インクジェットプリンタ((株)ミマキエンジニアリング JV2−130II)を用いて、昇華インク(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)による写真画像を該被記録媒体上に記録し、インクの溢れ程度を目視で判定して、インク吸収性、解像性を評価した。A,Bが実用できるレベルである。
A:インク吸収性、解像性ともに良好。
B:解像性がやや劣るが実用上全く問題が無い。
C:解像性が悪く、ニジミが発生する。
D:解像性、吸収性共に悪く、ニジミが大きい。
【0053】
昇華性染料転写性
インク受理性の評価に使用した被記録媒体の記録画像面を昇華性染料の定着性を向上する処理が施されたプリント媒体(白色ポリエステルフィルム;紀和化学社製)に重ね合せ、さらに裏面にも昇華性染料の裏抜け評価用として同じ白色ポリエステルフィルムを重ね、熱転写用プレス機(INSTA社製;手動ワイドスインガーModel 221)を用い、140℃、10分間加熱し、昇華性染料をプリント媒体に転写した。プリント媒体は、(1)解像性の評価、(2)ベタ画像部の評価(ベタ画像部の画像濃度と均一性)に分けて目視で判定して昇華性染料転写性を評価した。解像性はA,B,Cが、画像濃度はA,Bのものが実用できるレベルである。
(1)解像性
A:解像性良好。
B:解像性がやや劣るが、実用上全く問題が無い。
C:解像性がやや悪いが、条件によって使用可能。
D:解像性が悪く、使用不可。
(2)ベタ画像部
A:画像濃度が高く、ベタ画像部にムラがない。
B:画像濃度が高く、僅かにベタ画像部にムラがあるが実用上全く問題がない。
C:画像濃度がやや低く、ベタ画像部にムラが認められる。
D:画像濃度が低く、ベタ画像部に多くのムラが認められる。
【0054】
昇華性染料裏抜け防止性
裏抜け評価用の白色ポリエステルフィルムに染着した昇華性染料の濃度を目視で判定して裏抜け防止性を評価した。裏移りが無いA,Bが実用できるレベルである。
A:昇華性染料の裏抜けが全くない。
B:僅かに昇華性染料の裏抜けがあるが実用上全く問題がない。
C:昇華性染料の裏抜けが認められ、裏移りが発生する。
D:昇華性染料の裏抜けが多く認められ、裏移りが激しく装置を汚す。
【0055】
昇華性染料曲面転写性
熱転写用プレス機(INSTA社製;手動ワイドスインガーModel 221)を改造して、曲率半径1.5mのものにも加熱転写できるようにした。プリント媒体としてステンレス板((株)マーキングマジック)を用意し、曲率半径1.5mとなるように湾曲させた。該プリント媒体を用い、昇華性染料転写性の評価と同様にして昇華性染料曲面転写性の評価を行った。
【0056】
ブロンジング
昇華性染料曲面転写性の評価で作製したステンレス板上の転写画像を蛍光灯を光源として斜光で表面の光の反射具合を目視で評価した。A、Bが実用できるレベルである。
A:表面に映った蛍光灯の色が白く、全くブロンジング現象が見られないもの。
B:光源との角度によっては僅かに表面に映った蛍光灯に色が付いているように見えるもの。
C:明らかなブロンジング現象が見られるもの。
【0057】
【表1】
【0058】
評価:
表1より明らかなように本発明の昇華インク転写用インクジェット被記録媒体はプリント媒体への画像の転写性が極めて良い。さらに、裏面へ昇華性インクが抜けることも全くない。ところが、比較例にあるように、インク受理層に含有されるラテックス系接着剤のゲル含有量が本発明の範囲を逸脱すると大きく裏抜けが悪化することが判る。そのため、プリント媒体に転写される画像も劣ったものとなる。また、裏抜け防止のためバックコート層を設けた比較例3では、裏抜けは良好となったもののその他の特性の向上は見られなかった。
【0059】
本発明の昇華インク転写用インクジェット記録媒体のインク受理層に水溶性接着剤としてポリビニルアルコールを用いることでプリンタ媒体の曲面への転写が良好となり、さらに、顔料の平均2次粒径を2μm〜6μmとすることで転写画像のブロンジング現象を防ぐことができることも判る。
【0060】
【発明の効果】
本発明の昇華インク転写用インクジェット被記録媒体は、プリント媒体への昇華インクの転写率が高いため、良好な画像をプリント媒体上に設けることができると共に、昇華インクの裏抜けを防止するため非常に作業性が高く有効である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、昇華性染料を含有するインクを用いて記録するインクジェット被記録媒体に関するものであり、更に詳しくはインクジェット記録後に、任意のプリント媒体と重ね合せて加熱することにより、昇華性染料をプリント媒体に転写する際に使用する昇華インク転写用インクジェット被記録媒体とその転写記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙などの記録用紙に付着させ、画像・文字などの記録を行なうものであるが、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きい、現像−定着が不要等の特徴があり、漢字を含め各種図形及びカラー画像等の記録装置として種々の用途に於いて急速に普及している。更に、多色インクジェット方式により形成される画像は、製版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画に比較して、遜色のない記録を得ることが可能である。又、作成部数が少なくて済む用途に於いては、写真技術によるよりも安価であることからフルカラー画像記録分野にまで広く応用されつつある。
【0003】
又、昇華性染料を含有するインクを使用して、グラビア印刷、オフセット印刷等によって印刷した転写用被記録媒体を作成し、布帛等に熱転写する昇華転写捺染方法が従来から知られている。
【0004】
一方、インクジェット記録で作成した画像等を任意のプリント媒体に転写して、プリント物を得る技術も開発されている。例えば、インクジェット記録画像受像層を設け、その受像層が支持体から熱、圧力等により容易に剥離するようにすることによって、任意のプリント媒体に受像層ごと転写する技術が提案されている。
【0005】
更に、昇華性染料を含有するインクを使用して、インクジェット記録し、染料だけを任意のプリント媒体に熱等によって転写する方法も提案されている。例えば、昇華性インクを使用して転写用被記録媒体を得ることにより、印刷版が不要になり、小ロットの転写用被記録媒体を得る場合でも安価に作ることが出来るという技術、また、昇華性染料を使用したインクでミラーイメージ画像を作成し、任意のプリント媒体に重ね合わせて加熱し、画像をプリント媒体へ昇華転写する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
プリント媒体に良好な画像を昇華転写するために転写用インクジェット被記録媒体に求められる特性は、一般的なインクジェット記録シートと同様に、印字濃度、色調の鮮明性、ハジキやムラをなくすためのインク吸収性、汚れをなくすためのインク乾燥性等である。さらに、画像をプリント媒体に昇華転写する際の昇華インクのプリント媒体への高い転写率が要求される。しかし、転写用インクジェット被記録媒体が上記の印字濃度、色調の鮮明性等を実現するためには、一般のインクジェット記録シートと同様にできるだけ嵩高、すなわち多孔質な構造とする必要がある。しかし、それはプリント媒体への昇華インクの転写率を低下させてしまう上、昇華インクが裏面への転移するため転写用インクジェット被記録媒体の裏面に当てられているヒーター(熱板)表面を汚し、作業性を低下させてしまう。
【0007】
そこで、転写紙のインク受理層の反対面にバックコートを設けたり、フィルム、あるいは金属泊等を貼り合わせ昇華インクが裏面に転移し、転写率が下がるのを防止する方法が考えられている(例えば、特許文献2〜3参照)が、その際、転写用インクジェット被記録媒体に含有されている水分もインク受理層側へしか逃げ道がなくなるため、期待通りの転写率を実現することができない。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−15926号公報
【特許文献2】
特開2002−347333号公報
【特許文献3】
特開2001−277706号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、昇華インクのプリント媒体への転写率が高く、プリント媒体に高濃度の画像形成ができる昇華インク転写用インクジェット被記録媒体及び転写記録方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、以上のような問題点を解決するため鋭意研究の結果、以下の発明に至った。
【0011】
すなわち、支持体上に少なくとも顔料、水溶性接着剤及びラテックス系接着剤を含有するインク受理層を設けてなる昇華インク転写用インクジェット被記録媒体において、該ラテックス系接着剤が、ゲル含有量が40%〜85%であるスチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスであることを特徴とする昇華インク転写用インクジェット被記録媒体の発明である。
【0012】
該水溶性接着剤がポリビニルアルコールであることを特徴とする昇華インク転写用インクジェット被記録媒体の発明である。
【0013】
該顔料の平均二次粒径が2μm〜6μmであることを特徴とする昇華インク転写用インクジェット被記録媒体の発明である。
【0014】
該顔料が合成非晶質シリカであることを特徴とする昇華インク転写用インクジェット被記録媒体の発明である。
【0015】
さらに、該被記録媒体に、昇華性染料を含有するインクを用いてインクジェット記録後、任意のプリント媒体と重ね合わせて加熱し、該昇華性染料をプリント媒体へ転写することを特徴とする転写記録方法の発明である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の昇華インク転写用インクジェット被記録媒体は、インク受理層にゲル含有率が40%〜85%のスチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスを含有しているため、該インク受理層に印字された画像をプリント媒体に加熱転写する際、該インク受理層の反対面に抜けてヒーター(熱板)を汚すことなく、該プリント媒体への昇華インクの転写率を大幅に向上させることができる。さらに、本発明の昇華インク転写用インクジェット被記録媒体はインクの吸収性が高いため、より多くのインクを滲みなく印字して、プリント媒体へ転写できるため、プリント媒体には高濃度で鮮明な画像を形成することができる。
【0017】
本発明におけるゲル含有量の測定方法に関して詳しく説明する。本発明に係わるラテックス系接着剤のpHを8.0±0.1に調整し、5〜10gをポリエチレンシートに薄く広げ、85℃の乾燥機で4時間以上乾燥する。乾燥後の該接着剤をデシケーターで冷却した後、約10mm×10mmに切り取り、該ポリエチレンシートより剥がし、共栓付三角フラスコに0.23〜0.25gを精秤する(Aグラム)。さらに、該共栓付三角フラスコにトルエン100mlを加え48時間放置する。放置後、質量既知の300メッシュ金網(Bグラム)で濾過し、90℃の真空乾燥機で4時間以上乾燥する。乾燥後、金網に残った残渣ごとデシケーターで冷却し、重量(Cグラム)を測定し、ゲル含有量(%)=(C−B)/A×100よりゲル含有量を算出する。
【0018】
ゲル含有量が85%より高くなるとインク受理層の透気性が低下してくるためか昇華インクの転写率が低下してくる。また、40%より低くなると顔料表面との相互作用によるため該インクジェット被記録媒体のインク吸収性が低下してしまう。
【0019】
本発明で使用できるラッテクス系接着剤としては、ゲル含有量が40%〜85%であるスチレン・ブタジエン系共重合体であれば特に制限されない。例えば、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリル共重合体あるいはその変性物の共重合体ラテックスであり、これらを単独あるいは2種類以上のものを併用して用いることもできる。
【0020】
顔料に対する該ラテックス系接着剤の配合量は、該顔料の全固形分100質量部に対して、3〜70質量部、好ましくは5〜50質量部であり、3質量部より少ないとインク受理層の塗層強度が不足しやすくなり、70質量部を越えると画像に滲みが見られることがある。ただし、該ラテックス系接着剤の配合量が少ないために起こるインク受理層の塗層強度不足を補うため、併用する水溶性接着剤の配合量を増やすことができる。
【0021】
本発明で使用できる水溶性接着剤としては、例えば、澱粉、酸化澱粉、カチオン化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースサルフェート等のセルロース誘導体、各種鹸化度のポリビニルアルコール又はそのシラノール変性物、カルボキシル化物、カチオン化物等の各種誘導体、カゼイン、ゼラチン、変性ゼラチン、大豆蛋白等の天然高分子、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、ポリスチレンスルフォン酸ナトリウム等の水溶性合成高分子を用いることができる。
【0022】
顔料に対する該水溶性接着剤の配合量は、該顔料の全固形分100質量部に対して、3〜70質量部、好ましくは5〜50質量部であり、3質量部より少ないとインク受理層の塗層強度が不足しやすくなり、70質量部を越えると画像に滲みが見られることがある。
【0023】
該水溶性接着剤としては、ポリビニルアルコールを用いることが好ましい。ポリビニルアルコールを用いることで、インク受理層の柔軟性が発現し、転写面が曲面であるようなプリント媒体への昇華インクの転写率を向上させることができる。
【0024】
また、本発明のインク受理層に含有するラテックス系接着剤と水溶性接着剤との質量比には特に制限はなく、任意の割合で用いることができるが、インク受理層の強度、柔軟性、耐水性等を勘案して、ラテックス系接着剤と水溶性接着剤との質量比は、1/2〜2/1であることが好ましい。質量比が1/2より小さくなるとインク受理層の耐水性が低下する傾向が見られ、印字した画像に僅かな滲みが見られる傾向が出てくる。一方、質量比が2/1より大きくなるとインク受理層の表面に細かなひび割れが見られることがある。
【0025】
本発明で使用できるの顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、アルミナ水和物(擬ベーマイト等)、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、水酸化マグネシウム等の無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。中でも多孔性合成非晶質シリカ、多孔性炭酸カルシウム、多孔性炭酸マグネシウム、多孔性アルミナ(擬ベーマイト、δアルミナ)などが好ましく用いられる。
【0026】
本発明で用いられる顔料は平均二次粒径が2μm〜6μmであることが好ましい。平均二次粒径を2μm〜6μmとすることにより、プリント媒体を金属とした場合のブロンジング現象が発生しないことが判明した。該ブロンジング現象とは、使用される各インクの昇華インク転写用インクジェット被記録媒体への吸収性の極端な差、またはプリント媒体への転写効率の極端な差に起因するものと推定されており、プリント媒体上の画像上の光沢がブロンズがかった色に見える現象であり、色再現性、画像再現性の見地から好ましくない現象である。平均二次粒径が2μm未満であるとインク吸収性が悪化するためか、また、平均二次粒径が6μmを超えると転写したプリント物の発色濃度が低くなるためかブロンジング現象が生じやすくなる。
【0027】
さらに、本発明で用いられる顔料は、細孔容積の多い多孔性合成非晶質シリカが好ましい。このような合成非晶質シリカとは、ケイ酸のゲル化により、SiO2の三次元構造を形成させた、多孔性、不定形微粒子であり、細孔径10〜2000オングストローム程度を有する。該合成非晶質シリカを用いると本発明のインクジェット被記録媒体のインク吸収性を向上させると共に、昇華インクのプリント媒体への転写率も向上し、プリント媒体上の画像を一層鮮明にすることができる。
【0028】
このような合成非晶質シリカは、市販のものを好適に用いることができ、例えば、ミズカシルP−526、ミズカシルP−801、ミズカシルNP−8、ミズカシルP−802、ミズカシルP−802Y、ミズカシルC−212、ミズカシルP−73、ミズカシルP−78A、ミズカシルP−78F、ミズカシルP−87、ミズカシルP−705、ミズカシルP−707、ミズカシルP−707D、ミズカシルP−709、ミズカシルC−402、ミズカシルC−484(以上水澤化学工業(株))、トクシールU、トクシールUR、トクシールGU、トクシールAL−1、トクシールGU−N、トクシールN、トクシールNR、トクシールPR、ソーレックス、ファインシールE−50、ファインシールT−32、ファインシールX−37、ファインシールX−70、ファインシールRX−70ファインシールA、ファインシールB(以上、(株)トクヤマ)、カープレックスFPS−101、カープレックスCS−7、カープレックス80、カープレックスXR、カープレックス67(以上、塩野義製薬(株))、サイロイド63、サイロイド65、サイロイド66、サイロイド77、サイロイド74、サイロイド79、サイロイド404、サイロイド620、サイロイド800、サイロイド150、サイロイド244、サイロイド266(以上、富士シリシア化学(株))などが挙げられる。
【0029】
更に、インク受理層には、添加剤として、染料定着剤(各種カチオン性樹脂)、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、サイズ剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、湿潤強度増強剤、乾燥強度増強剤等を適宜配合することもできる。
【0030】
本発明の実施に用いられる支持体としては、インク受理層が設けられる支持体であればその素材は限定されない。即ち、木材パルプを主成分とする紙や、無機微粒子を含有する熱可塑性樹脂からなる多孔性樹脂フィルム、更には不織布、布帛、フィルム、樹脂被覆紙、合成紙等が挙げられる。本発明の効果が顕著に現れる支持体としては、裏面へ昇華インクが昇華しやすい多孔質な素材であり、具体的には、木材パルプを主成分とする紙や、不織布、布帛である。さらに好ましくは木材パルプを主成分とする紙である。
【0031】
本発明における、インク受理層の塗布量は、あまり少ないとインクの吸収性に問題が生じるばかりでなく、画像濃度・色彩性・鮮明性が低く、インクがインク受理層の面方向に拡散して鳥の羽状にギザギザしたフェザリングと呼ばれるドット形状の悪化が発生する。又、あまり塗布量が多いと塗布後の乾燥工程における乾燥負荷が高まり、塗布速度の低下に伴う生産性の低下ばかりでなく、高負荷での乾燥では、インク受理層を構成する塗被組成物中の接着剤が、蒸発する溶媒と共にインク受理層表面に移動して、その表面の空隙量を低下させるために、吸収性が低下し記録時に地汚れなどが発生したり、カール性が悪化するため好ましくない。このような観点から、インク受理層の塗布量は、1〜30g/m2が好ましい。又、インク受理層はある一定の塗布量を数回に分けて塗布する事も可能であり、後処理で光沢を付与する時に、一度に該塗布量を塗設するよりも光沢が向上する。
【0032】
インク受理層を塗布する方法は、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、カーテンコーター、ショートドウェルコーター、サイズプレス等の各種装置をオンマシン或いはオフマシンで用いることができる。又、塗布後に、マシンカレンダー、TGカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置を用いて平坦化、光沢付与仕上げすることで、インク受理層を形成出来る。
【0033】
インク受理層を塗布する場合、支持体上にそのままインク吸収層を設けても良いし、予めコロナ処理、フレーム処理、プラズマ処理、紫外線照射処理などの公知の表面活性化処理を施した後塗布しても差し支えない。
【0034】
昇華性染料としては、カチオン染料又は分散染料がある。例えば分散染料としては、アゾ系及びアゾ誘導体、ジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メチン系、アゾメチン系、キサンテン系、アントラキノン誘導体、キノフタロン誘導体、スチロジピラン系、インドリノスピロピラン系、フルオラン系、スチリル系、ジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、オキサジン系、トリアジン系、チクリジン系、ジアジン系、ローダミンラクタム系等の染料が挙げられる。また、「WHITE SERIES No.78昇華型感熱転写記録技術」(田口信義監修、株式会社トリケップス発行、昭和63年5月31日)に昇華性色素の代表的なものが記されている。
【0035】
また、これらの染料は1成分のみでなく、2種以上を混合して用いても良い。これ等の染料を樹脂微粒子中に含有させて、液体中に分散させインクとする。例えば、樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共重合体を用い、分散染料をテトラヒドロフラン中に分散させ、高沸点飽和炭化水素中に分散しながら投入することによって、高沸点溶剤タイプのインクとすることが出来る。また、同様に水ベースのインクの作成も可能である。
【0036】
本発明の昇華インク転写用インクジェット被記録媒体を用いての熱転写物の作製は、被記録媒体の記録画像面を昇華性染料の定着性を向上する処理が施されたプリント媒体と重ね合せ、熱転写用プレス機を用いて、それぞれのプリント媒体に適した転写温度と転写時間で処理をし作製する。プリント媒体としては、ポリエステエルフィルムを基本としたフィルム素材、アルミ、ステンレスなどの金属素材、ポリエステル布素材などがある。
【0037】
【実施例】
以下に、本発明の実施例をあげて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例、及び比較例において「部」及び「%」は、特に明示しない限り質量部及び質量%を示す。なお、配合において示す部数は実質成分(固形分)の数量である。
【0038】
<支持体の作製>
濾水度450mlCSFのLBKP70部、濾水度450mlCSFのNBKP30部から成る木材パルプ100部に、軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム/タルクの比率が30/35/35の顔料5部、市販アルキルケテンダイマー0.1部、市販カチオン系アクリルアミド0.03部、市販カチオン化澱粉10部、硫酸バンド0.5部を水に混合し、スラリーを調成後、長網抄紙機を用いて坪量80g/m2で抄造し、市販酸化澱粉をインクラインドサイズプレスで乾燥付着量5g/m2を付着させて乾燥して支持体を得た。
【0039】
実施例1
顔料として平均2次粒径が1.8μmの炭酸カルシウム(白石工業(株) PX)100部、水溶性接着剤としてエステル化澱粉(日本食品加工(株) MS4600)30部、ラテックス系接着剤としてゲル含有量が40%のスチレン・ブタジエン・アクリル共重合体ラテックス(日本エイアンドエル(株) P9222)30部を秤量し、水に混合して、固形分濃度15%に調整したインク受理層塗布液を作製した。該インク受理層塗布液を乾燥塗工量が9g/m2となるように上記支持体の一方の面にエアナイフコーターで塗布し、乾燥してインク受理層を設けた。次にこれをスーパーカレンダー処理して本発明の昇華インク転写用インクジェット被記録媒体を得た。
【0040】
実施例2
顔料を平均2次粒径1.6μmの合成非晶質シリカ(水澤化学工業(株) ミズカシルP527)に変更した以外は実施例1と同様にして本発明の昇華インク転写用インクジェット被記録媒体を得た。
【0041】
実施例3
ラテックス系接着剤をゲル含有量が85%のスチレン・ブタジエン・アクリル共重合体ラテックス(日本エイアンドエル(株) SN335)に変更した以外は実施例2と同様にして本発明の昇華インク転写用インクジェット被記録媒体を得た。
【0042】
実施例4
ラテックス系接着剤をゲル含有量が80%のスチレン・ブタジエン・アクリル共重合体ラテックス(日本エイアンドエル(株) SNX4205)に変更した以外は実施例2と同様にして本発明の昇華インク転写用インクジェット被記録媒体を得た。
【0043】
実施例5
水溶性接着剤をシラノール変性ポリビニルアルコール((株)クラレ R1130)に変更した以外は実施例4と同様にして本発明の昇華インク転写用インクジェット被記録媒体を得た。
【0044】
実施例6
水溶性接着剤を20部、ラテックス系接着剤を40部に変更した以外は実施例5と同様にして本発明の昇華インク転写用インクジェット被記録媒体を得た。
【0045】
実施例7
水溶性接着剤を40部、ラテックス系接着剤を20部に変更した以外は実施例5と同様にして本発明の昇華インク転写用インクジェット被記録媒体を得た。
【0046】
実施例8
顔料を平均2次粒径が2μmの合成非晶質シリカ(日本シリカ工業(株) NIPSIL E75)に変更した以外は実施例5と同様にして本発明の昇華インク転写用インクジェット被記録媒体を得た。
【0047】
実施例9
顔料を平均2次粒径が6μmの合成非晶質シリカ((株)トクヤマ ファインシールX60)に変更した以外は実施例5と同様にして本発明の昇華インク転写用インクジェット被記録媒体を得た。
【0048】
実施例10
顔料を平均2次粒径が6.5μmの合成非晶質シリカ(日本シリカ工業(株)NIPGEL AY603)に変更した以外は実施例5と同様にして本発明の昇華インク転写用インクジェット被記録媒体を得た。
【0049】
比較例1
ラテックス系接着剤をゲル含有量が36%のスチレン・ブタジエン・アクリル共重合体ラテックス(日本エイアンドエル(株) P9505)に変更した以外は実施例8と同様にして昇華インク転写用インクジェット被記録媒体を得た。
【0050】
比較例2
ラテックス系接着剤をゲル含有量が89%のスチレン・ブタジエン・アクリル共重合体ラテックス(日本エイアンドエル(株) PA1317)に変更した以外は実施例8と同様にして昇華インク転写用インクジェット被記録媒体を得た。
【0051】
比較例3
透気性支持体の一方の面にポリプロピレン樹脂を押出コーティング法で塗布し、厚みが10μmのポリプロピレン樹脂からなるバックコート層を設け、バックコート層を設けた支持体とした。該支持体のバックコート層と反対の面に、比較例1と同様にしてインク受理層を設け、昇華インク転写用インクジェット被記録媒体を得た。
【0052】
〈試験方法〉
インク受理性
実施例および比較例で作製した昇華インク転写用インクジェット被記録媒体のインク受理性を評価した。インクジェットプリンタ((株)ミマキエンジニアリング JV2−130II)を用いて、昇華インク(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)による写真画像を該被記録媒体上に記録し、インクの溢れ程度を目視で判定して、インク吸収性、解像性を評価した。A,Bが実用できるレベルである。
A:インク吸収性、解像性ともに良好。
B:解像性がやや劣るが実用上全く問題が無い。
C:解像性が悪く、ニジミが発生する。
D:解像性、吸収性共に悪く、ニジミが大きい。
【0053】
昇華性染料転写性
インク受理性の評価に使用した被記録媒体の記録画像面を昇華性染料の定着性を向上する処理が施されたプリント媒体(白色ポリエステルフィルム;紀和化学社製)に重ね合せ、さらに裏面にも昇華性染料の裏抜け評価用として同じ白色ポリエステルフィルムを重ね、熱転写用プレス機(INSTA社製;手動ワイドスインガーModel 221)を用い、140℃、10分間加熱し、昇華性染料をプリント媒体に転写した。プリント媒体は、(1)解像性の評価、(2)ベタ画像部の評価(ベタ画像部の画像濃度と均一性)に分けて目視で判定して昇華性染料転写性を評価した。解像性はA,B,Cが、画像濃度はA,Bのものが実用できるレベルである。
(1)解像性
A:解像性良好。
B:解像性がやや劣るが、実用上全く問題が無い。
C:解像性がやや悪いが、条件によって使用可能。
D:解像性が悪く、使用不可。
(2)ベタ画像部
A:画像濃度が高く、ベタ画像部にムラがない。
B:画像濃度が高く、僅かにベタ画像部にムラがあるが実用上全く問題がない。
C:画像濃度がやや低く、ベタ画像部にムラが認められる。
D:画像濃度が低く、ベタ画像部に多くのムラが認められる。
【0054】
昇華性染料裏抜け防止性
裏抜け評価用の白色ポリエステルフィルムに染着した昇華性染料の濃度を目視で判定して裏抜け防止性を評価した。裏移りが無いA,Bが実用できるレベルである。
A:昇華性染料の裏抜けが全くない。
B:僅かに昇華性染料の裏抜けがあるが実用上全く問題がない。
C:昇華性染料の裏抜けが認められ、裏移りが発生する。
D:昇華性染料の裏抜けが多く認められ、裏移りが激しく装置を汚す。
【0055】
昇華性染料曲面転写性
熱転写用プレス機(INSTA社製;手動ワイドスインガーModel 221)を改造して、曲率半径1.5mのものにも加熱転写できるようにした。プリント媒体としてステンレス板((株)マーキングマジック)を用意し、曲率半径1.5mとなるように湾曲させた。該プリント媒体を用い、昇華性染料転写性の評価と同様にして昇華性染料曲面転写性の評価を行った。
【0056】
ブロンジング
昇華性染料曲面転写性の評価で作製したステンレス板上の転写画像を蛍光灯を光源として斜光で表面の光の反射具合を目視で評価した。A、Bが実用できるレベルである。
A:表面に映った蛍光灯の色が白く、全くブロンジング現象が見られないもの。
B:光源との角度によっては僅かに表面に映った蛍光灯に色が付いているように見えるもの。
C:明らかなブロンジング現象が見られるもの。
【0057】
【表1】
【0058】
評価:
表1より明らかなように本発明の昇華インク転写用インクジェット被記録媒体はプリント媒体への画像の転写性が極めて良い。さらに、裏面へ昇華性インクが抜けることも全くない。ところが、比較例にあるように、インク受理層に含有されるラテックス系接着剤のゲル含有量が本発明の範囲を逸脱すると大きく裏抜けが悪化することが判る。そのため、プリント媒体に転写される画像も劣ったものとなる。また、裏抜け防止のためバックコート層を設けた比較例3では、裏抜けは良好となったもののその他の特性の向上は見られなかった。
【0059】
本発明の昇華インク転写用インクジェット記録媒体のインク受理層に水溶性接着剤としてポリビニルアルコールを用いることでプリンタ媒体の曲面への転写が良好となり、さらに、顔料の平均2次粒径を2μm〜6μmとすることで転写画像のブロンジング現象を防ぐことができることも判る。
【0060】
【発明の効果】
本発明の昇華インク転写用インクジェット被記録媒体は、プリント媒体への昇華インクの転写率が高いため、良好な画像をプリント媒体上に設けることができると共に、昇華インクの裏抜けを防止するため非常に作業性が高く有効である。
Claims (5)
- 支持体上に少なくとも顔料、水溶性接着剤及びラテックス系接着剤を含有するインク受理層を設けてなる昇華インク転写用インクジェット被記録媒体において、該ラテックス系接着剤が、ゲル含有量が40%〜85%であるスチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスであることを特徴とする昇華インク転写用インクジェット被記録媒体。
- 該水溶性接着剤がポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1記載の昇華インク転写用インクジェット被記録媒体。
- 該顔料の平均二次粒径が2μm〜6μmであることを特徴とする請求項1または2記載の昇華インク転写用インクジェット被記録媒体。
- 該顔料が合成非晶質シリカであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の昇華インク転写用インクジェット被記録媒体。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の被記録媒体に、昇華性染料を含有するインクを用いてインクジェット記録後、任意のプリント媒体と重ね合わせて加熱し、該昇華性染料をプリント媒体へ転写することを特徴とする転写記録方法。
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JP2003049226A JP2004255715A (ja) | 2003-02-26 | 2003-02-26 | 昇華インク転写用インクジェット被記録媒体及び転写記録方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009523079A (ja) * | 2006-01-12 | 2009-06-18 | インペリアル・ケミカル・インダストリーズ・リミテッド | 熱転写印刷 |
JP2015058707A (ja) * | 2013-09-20 | 2015-03-30 | ゼロックス コーポレイションXerox Corporation | 水性インクジェット転写のための改良されたコーティング |
JP2016511165A (ja) * | 2012-12-17 | 2016-04-14 | ズヴォニミル マルティノヴィチZvonimir Martinovic | 改善された転写媒体 |
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-
2003
- 2003-02-26 JP JP2003049226A patent/JP2004255715A/ja active Pending
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