JP2004255571A - 射出成形方法 - Google Patents

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信夫 安藤
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Abstract

【課題】射出成形法を用いる熱可塑性樹脂の薄肉成形において、高温の金型温度でも巣が生じない射出成形品を安価で簡便に得る方法を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂の射出成形において、型締めした金型のパーティング面を開かせる充填条件で注入し、開いた状態で保圧をかけ、型締め力を解除する直前の金型開き量が1〜100μmの範囲であることを特徴とする射出成形方法である。
【選択図】 選択図なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
熱可塑性樹脂の射出成形において欠陥の無い成形品を得る方法および得られる成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂の多くは射出成形によって製品化される。該成形方法においては成形品の内部に巣、ボイド等と呼ばれる樹脂の存在しない空洞の欠陥ができることがある。この欠陥があると製品に衝撃がかかった時に破壊しやすくなり問題になることがある。
該欠陥は、結晶性の樹脂や揮発性のガスを生じ易い樹脂を成形する際に発生しやすく、特に結晶性樹脂では金型温度が高いほど発生しやすいことが知られている。
【0003】
該欠陥は、金型温度を下げることにより減少させることができるが、結晶性樹脂は低い金型温度で成形すると、製品を使用する雰囲気が高温になった場合に寸法変化を起す問題があるため最適な方法とは言えない。
これらの問題を解決する手段が以前に報告されている。(例えば特許文献1参照。)この発明は、空洞を無くすことを目的としている点では本発明と共通しているが、本発明は、レンズ等の厚肉樹脂成形品即ち一般的には約10mm以上を対象としている。そのため通常多く用いられる肉厚5mm以下或は3mm以下の成形品は対象にしていない。更に金型の縮小量を正確に制御するための金型機構を設ける必要があるので金型製作のコストアップと保守管理の負担が生じる。
【0004】
【特許文献1】
特公昭 55−6054号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、射出成形法を用いる熱可塑性樹脂の薄肉成形において、高温の金型温度でも巣が生じない射出成形品を安価で簡便に得る方法を提供することを目的とする。
【0006】
【発明を解決する手段】
本発明は、(1)熱可塑性樹脂の射出成形において、型締めした金型のパーティング面を開かせる充填条件で注入し、開いた状態で保圧をかけ、型締め力を解除する直前の金型開き量が1〜100μmの範囲であることを特徴とする射出成形方法、(2)該金型開き量が、1〜20μmの範囲であることを特徴とする上記(1)に記載の方法、(3)該金型キャビティー厚みが0.1〜5mmの範囲であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の方法、(4)該熱可塑性樹脂が、結晶性を有しその結晶化度が20〜95%であることを特徴とする上記(1)から(3)のいずれかに記載の方法、(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の方法によって得られる巣のない射出成形品である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明について以下具体的に説明する。即ち本発明は熱可塑性樹脂の射出成形において、熱可塑性樹脂溶融体を金型に注入する際、型締めした金型のパーティング面が開くほどの充填条件には可塑化量、射出圧力、射出速度、保圧時間が関わる。ここでパーティング面とは型締め状態で固定型と移動型が接触する面を言う。
可塑化量は通常の成形と同様に最終成形品重量よりやや多くする。
射出速度は“ばり”ができないか殆ど目立たなくするように決める。特に流動末端に達する直前には少なくとも速度を低くすることが望ましい。尚“ばり”とは金型充填時に熱可塑性樹脂溶融体が金型キャビティーからはみ出してできた欠陥である。
【0008】
射出圧力は金型のパーティング面を開かせる推進力であるが、“ばり”発生の観点から高すぎない適度な圧力を選ぶことが好ましい。金型キャビティー内では時間と共に熱可塑性樹脂溶融体の冷却が進み温度低下による体積収縮や結晶化による体積収縮が起って金型開き量が徐々に減少するので、充填過程の金型開き量がそのままであることはない。射出圧力を決める目安は、成形品取り出し時の金型開き量が1〜100μmの範囲、好ましくは1〜20μmの範囲になるように決める。
保圧時間は最低でもゲートシール時間以上必要である。なお、本発明の保圧時間とは、所定の射出圧力をかけている時間を言い、ゲートシール時間とはキャビティーへの流入口であるゲートが固まるに要する時間を言う。
【0009】
以上のようにして注入し固化した成形品を、型締め力を解除して取り出す直前の金型開き量が1〜100μmの範囲、好ましくは1〜20μmの範囲、かつ金型開き量の変化率が0〜−0.5μm/秒、好ましくは0〜−0.2μm/秒であることが必要である。尚、金型の開き量を測定する時は、金型側面に取り付けた変位検出器で金型の開き量をモニターできるようにしておく。変位検出器はダイヤルゲージ等の簡単な機構でよく、取り付け位置は金型の4隅付近の4箇所あることが望ましいが、開く方向が偏っている場合はその開き量が一番大きい所だけでもよい。開き量が場所に依らず均等な場合は1箇所でもよい。変位検出器の固定には磁石付のスタンドや専用に加工した金具も用いてもよい。又、この変位量を記録でき、変位量の時間あたりの変化率も算出して表示、記録できる装置があれば更に好ましいが、金型開き量の変化率は変位検出器とストップウオッチの併用で算出しても簡便的に有効である。
【0010】
よって本発明の設備は、ダイヤルゲージ等の簡単な変位検出器を取り付けるのみで十分であり、金型に特別な機構を設けて作動させる必要は無いため、金型製作のコストアップや保守管理の負担が少なく、必要に応じて簡便に使用できる特長がある。また金型キャビティーの厚みも厚肉である必要がなく、0.1〜5mmの厚さで該成形品を得ることができる。
成形品の厚み測定位置は平らな板状の部分であれば最末端部から2〜3mm以上離れた所が好ましい。即ち最末端は巣との関連が薄く、1〜2mmは“ひけ”と呼ばれる凹みが出易いため不適当である。厚み測定に用いる測定器は最小目盛が10マイクロメータから1マイクロメータであることが望ましい。
【0011】
上記のようにして得られた成形品は巣やボイド等の空洞を有する欠陥が存在しないので、耐衝撃性が低下する心配が無く良い品質の成形品を供給することができる。
なお、本発明の熱可塑性樹脂とは、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリ塩化ビニル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリメタクリル系、ポリカーボネート系、ポリフェニレンエーテル系、ポリオキシメチレン系、ポリフルオロエチレン系、ポリスルホン系、ポリフェニレンサルファイド系、ポリエーテルサルホン系、ポリエーテルエーテルケトン系、ポリイミド系及びポリアミドイミド系樹脂である。また、結晶化度が高い熱可塑性樹脂においても、ボイド等が生じることなく本発明において極めて有効である。
【0012】
【実施例】
本発明を実施例に基づいて説明する。また、以下の算出した物性値は下記の測定方法によって得た。
射出成形機および変位検出器においては下記の測定条件をもちいた。
(1)厚みの測定
マイクロメーター、最小目盛0.01mmを用いて測定した。
(2)結晶化度
丸善(株)平成6年9月20日発行の高分子大辞典を参考に、X線回折法により結晶化度を測定した。なお、本発明において使用した旭化成(株)製ポリオキシメチレン系樹脂、テナック5010の結晶化度は71%であった。
(3)アイゾット衝撃値
東洋精機製作所製のアイゾット衝撃試験機を用いて、測定規格はASTM法のD256に従った。雰囲気温度は23℃、測定数は5点である。
【0013】
(4)射出成形機
1.射出成形機:(株)日本製鋼 N95型 型締力95トン
2.金型:ASTM 1号ダンベル(把持部改造)、厚み3mm
3.ゲート:形状・サイドゲート、幅4.0mm、厚み2.0mm、長さ4.0mm
4.樹脂温度:200℃
5.金型温度:80℃
6.射出圧力:11から47MPa
7.保圧時間:20秒(別途実施した測定によりゲートシール時間は15秒であった)
8.冷却時間:15秒
【0014】
(5)変位検出器
変位検出器:ミツトヨ製ダイヤルゲージ 最小目盛0.01mm
(6)金型開き量の変化率
変位検出器とストップウオッチ(最小目盛0.1秒)の併用で算出
【0015】
【実施例】
本発明を実施例に基づいて説明する。
【0016】
【実施例1】
旭化成(株)製のポリオキシメチレン系樹脂テナック5010のペレットを用いて、射出成形を行った。図1に射出圧力と成形品の厚みの関係を示した。射出圧力が増すと徐々に成形品の厚みが増し、成形品の中央部厚みがキャビティー厚みを越える圧力になると、急激に成形品の厚みが増加する傾向が見られた。なお、成形品の厚み測定は成形後23℃に12時間保存後行った。
同時に、金型開き量の経時変化を測定した。測定結果を図2に示す。中央部厚みが金型キャビティー厚み以下の射出圧力31MPa、34MPa、37MPaでは一時、金型が開くものの、時間と共に金型開き量は減少し、最終的に金型開き量はゼロとなった。成形品の中央部厚みが金型キャビティー厚みより大きい40MPaでは時間が長い領域でも金型開き量がプラス側に保たれて本発明の条件を満たしている。
【0017】
【実施例2】
実施例1の結果をもとに、本発明の条件を満たす成形品中央厚みが金型キャビティー厚みより僅かに大きい成形品のアイゾット衝撃強さ5点の平均値を測定した。測定結果を表1に、アイゾット衝撃強さを測定するための試験片採取場所を図3に示した。この試験片に所定の切欠き加工を施した後測定に供した。
上記で得られた、金型キャビティー厚みより僅かに大きい成形品の成形品断面の偏光顕微鏡を観測した。顕微鏡写真を図4に示す。写真を見て分かるように、樹脂の表面にボイドは観測されなかった。即ち、本発明において、このボイドを無くすことに成功し、アイゾット衝撃度を向上させることができた。
【0018】
【比較例1】
実施例1に準じて作成した成形品中央厚みが金型キャビティー厚み3.00mmより僅かに小さい成形品のアイゾット衝撃強さを実施例2と同様に測定した。測定結果を表1に示す。成形品中央厚みが金型キャビティー厚み3.00mmより僅かに小さい場合、実施例1で得られた成形品の70%程度のアイゾット衝撃値を示すにとどまった。
また、実施例2と同様に得られた成形品の断面の偏光顕微鏡写真を観測した。顕微鏡写真を図5に示す。実施例3では観測されなかった成形品の厚み方向の矢印で示した部分に数個のボイドが観察された。ボイドが生じているためにアイゾット衝撃値が減少したことが、表1からわかった。
【0019】
【表1】
Figure 2004255571
【0020】
【発明の効果】
以上述べたように本発明は、射出成形法を用いる熱可塑性樹脂の薄肉成形において、高温の金型温度でも巣が生じない射出成形品を安価で簡便に得る方法を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の射出圧力と成形品厚みとの関係を示したグラフである。
【図2】実施例1の経過時間と金型開き量との関係を示したグラフである。
【図3】実施例2のアイゾット衝撃試験で使用した成形品の試験片の図である。
【図4】実施例2で得られた成形品断面の偏光顕微鏡写真である。
【図5】比較例1で得られた成形品断面の偏光顕微鏡写真である。

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂の射出成形において、型締めした金型のパーティング面を開かせる充填条件で注入し、開いた状態で保圧をかけ、型締め力を解除する直前の金型開き量が1〜100μmの範囲であることを特徴とする射出成形方法。
  2. 該金型開き量が、1〜20μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 該金型キャビティー厚みが、0.1〜5mmの範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 該熱可塑性樹脂が、結晶性を有しその結晶化度が20〜95%であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の方法によって得られる巣のない射出成形品。
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