JP2004251923A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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JP2004251923A JP2003029509A JP2003029509A JP2004251923A JP 2004251923 A JP2004251923 A JP 2004251923A JP 2003029509 A JP2003029509 A JP 2003029509A JP 2003029509 A JP2003029509 A JP 2003029509A JP 2004251923 A JP2004251923 A JP 2004251923A
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Abstract

【課題】像担持体上のトナー像を記録材に転写する際に中抜けが無く、高画質の画像形成が可能な電子写真方式の画像形成装置とその画像形成方法を提供する。
【解決手段】少なくとも、像担持体への静電潜像形成手段と、像担持体上へのトナー画像現像手段と、トナー画像の中間転写体への一次転写手段と、中間転写体上のトナー画像の記録材上への二次転写手段とを備えた画像形成装置の該トナーとして、担持体および中間転写体上の各トナーに対して各面に水平な方向に遠心力を作用させ、半数の粒子が移動する力から設定されるそれぞれの摩擦力FpとFtとの比(Fp/Ft)が1以下であるものを用いて画像を形成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乾式二成分あるいは一成分現像剤を用いた複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置とその画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式による画像形成装置としては多様な方法が知られており、一般的には、まず像担持体表面を帯電させ、帯電させた像担持体を露光して静電潜像を形成する。次いで、静電潜像に対してトナーを用いて現像し、像担持体上にトナー像を形成する。さらに、中間転写体を介するか、あるいは直接的に像担持体上のトナー像を記録紙などの記録材上に転写し、この転写されたトナー像を加熱、加圧、もしくはこれらの併用により定着する。これら一連の手順によって記録材上に画像が形成された記録物が得られる。なお、トナー像転写後の像担持体上に残存したトナーは、ブレード、ブラシ、ローラ等の既知の方法によりクリーニングされる。
【0003】
これまで、像担持体上のトナー像を記録材に転写する手段としては、コロナ放電を利用して記録材の裏側を帯電するコロナ帯電方式が用いられてきた。しかし、このコロナ帯電方式の場合にはオゾンが発生するという問題があるため、近年は記録材にローラ、ベルト、ブラシ、ブレード等を接触させて、直接電圧を印加する方式が多く用いられている。また、カラー画像を形成するために、像担持体上のトナー像を直接記録材に転写せずに、一旦ローラまたはベルト状の中間転写体に転写し、中間転写体から記録材に転写する方式もある。これらの方式は、コロナ帯電方式に比べてオゾン発生量が低減され、像担持体と記録材間、あるいは像担持体と中間転写体間に圧力が加えられているので、それぞれ両者間の密着性が良く、したがって良好な転写画像が得られる。
【0004】
しかし、上記の中間転写方式では、像担持体と中間転写体間の圧力によって現像されたトナー層が圧縮されるため、トナー層の内部応力が増大してトナーが凝集しやすくなり、トナー画像の一部が転写されない現象が生じやすくなる。この現象は、特に圧力がかかりやすい細線部に起こりやすく、その中心部が転写されない、いわゆる「中抜け現象」が発生する。
この中抜け現象の対策としては、像担持体と中間転写体間の圧力を低く設定する方法が考えられるが、圧力が低い場合には、像担持体と中間転写体間の接触不良による転写ムラや転写ブレが生じやすくなる。
【0005】
また、上記中抜け現象の対策として、像担持体と中間転写体との間に速度差を設け、トナー層にせん断力を与えて中抜けを防止する方法が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
この方法によれば、圧力によって凝集したトナーが機械的な力で分離されるため中抜けの防止には有効である。しかし、像担持体と中間転写体との速度差が大きいと、速度差のばらつきによる画像長さの変動が大きくなり、画像品質が低下しやすいという問題があり、一方逆に速度差が小さいと十分な中抜け改善効果が得られないという問題がある。
【0006】
さらに、トナーにシリカ等の微粒子を添加することによりトナー間の付着力を小さくして、トナー層の内部応力が増大してもトナーが凝集しにくくなるようにして、中抜けを防止する方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。しかし、トナーに外添された微粒子は、キャリアとの混合撹拌等の画像形成装置内の様々なストレスによりトナー内部に埋れ易く、外添剤が埋れたトナーは付着力が大きくなって中抜けが生じ易くなる。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−175474号公報
【特許文献2】
特開2001−183915号公報
【特許文献3】
特許第2987783号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、像担持体上のトナー像を記録材に転写する際に中抜けが無く、高画質の画像形成が可能な乾式二成分あるいは一成分現像剤を用いた電子写真方式の画像形成装置とその画像形成方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る画像形成装置とその画像形成方法は、電子写真方式の画像形成装置における各作像手段(感光体や中間転写体など)とトナーや潤滑剤など多くの要素やパラメータとの関係について鋭意検討した結果、下記に記載する構成により像担持体上のトナー像を記録材に転写する際に中抜けが無く、高画質の画像形成が可能であり、乾式二成分あるいは一成分現像剤を用いた複写機、プリンター、ファクシミリ等に適用することを可能としたものである。
以下、本発明について具体的に説明する。
【0010】
請求項1の発明は、少なくとも、像担持体に静電潜像を形成する手段と、像担持体上にトナーを用いて画像を形成する現像手段と、像担持体上に形成されたトナー画像を中間転写体に転写する一次転写手段と、中間転写体上のトナー画像を記録材上に転写する二次転写手段とを備えた画像形成装置において、
前記像担持体および中間転写体上のトナーに対して各付着面に水平な方向に遠心力を作用させて、該トナーの半数が移動するのに要する遠心力を摩擦力として設定し、像担持体に対する摩擦力の値をFpおよび中間転写体に対する摩擦力の値をFtとした場合に、FpとFtとの比(Fp/Ft)が1以下であることを特徴とする画像形成装置である。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、像担持体である感光体ドラム(感光体)に対するトナーの摩擦力Fpと中間転写体に対するトナーの摩擦力Ftの比Fp/Ftが1以下になるように構成したことにより、転写後にトナーが感光体側に残留することがなく、転写中抜けの発生が抑制され、画像不良が生じない高画質の画像形成装置を提供することができる。
【0012】
請求項2の発明は、前記FpおよびFtは、前記像担持体または中間転写体と同質の表面が形成された基板上にトナーを付着し、次にトナー付着面の一部の領域について初期のトナー粒子数を計測し、次いでトナー付着面に水平な方向に遠心力が作用するように該基板を遠心分離装置に装着して、回転数を低回転数から高回転数へ段階的に上げて基板を回転し、各回転後にトナー付着面の前記一部の領域についてトナー粒子数を計測した後、トナー粒子数が移動により初期の半数になる回転数f50(rpm)を求め、下記式(1)により遠心力(Fc)を算出し、これを摩擦力の代表値とする方法により設定されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
【0013】
【数3】
Fc=(π/5400)×ρ×D×r×(f50 ……(1)
【0014】
(但し、ρ:トナーの真比重(kg/m)、D:トナーの体積平均粒径(m)、r:回転半径(m)を表す。)
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、トナーと像担持体または中間転写体との間の摩擦力を容易に測定することができ、Fp/Ftが1以下となるような構成を容易に設定することができる。
【0016】
請求項3の発明は、前記像担持体上に形成されたトナー画像を中間転写体に転写する該中間転写体の線速を該像担持体の線速と異なるように設定し、像担持体の線速に対する中間転写体と像担持体の線速差の比を1〜5%の範囲内に設定したことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、像担持体像の線速に対する中間転写体と像担持体の線速差の比を5%以内に設定したことにより、画像長さの変動が抑えられ、これによって転写中抜けの発生が抑制され、かつ画像品質の低下を抑制することができる。
【0018】
請求項4の発明は、前記像担持体の表面に潤滑剤を塗布する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、像担持体の表面に潤滑剤を塗布する手段を有することにより、トナーと像担持体間の摩擦が小さくなり、Fp/Ftが1以下となるように構成することができ、転写中抜けの発生を抑制することができる。
【0020】
請求項5の発明は、前記潤滑剤がステアリン酸亜鉛であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置である。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を用いることにより、成形加工が容易で、画像形成に関して悪影響を及ぼさず、安定した画像を得ることができる。
【0022】
請求項6の発明は、前記像担持体上の未帯電トナーに対して付着面に垂直な方向に所定の回転数で逐次遠心力を作用させ、脱離トナーに作用する遠心力を全ての回転数の各脱離トナーについて平均した値を付着力の平均値Fとして設定し、該平均値F(nN)とトナーの体積平均粒径D(μm)との比(F/D)が4.5nN/μm以下となるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、F/Dが4.5nN/μm以下となるようなトナーを用いることにより、非静電的付着力が適切な大きさとなり、トナーの凝集が抑制されて転写中抜けの発生を抑えることができる。
【0024】
請求項7の発明は、前記Fは、前記像担持体と同質の表面が形成された基板上に未帯電トナーを付着し、該基板のトナー付着面が受け基板と対面するようにスペーサを介して測定セルを構成し、次いでトナー付着面の垂直な方向に遠心力が作用するように該測定セルを遠心分離装置に装着して、回転数を上げながら各設定回転後に測定セルの受け基板を取り替え、全ての設定回転数について遠心分離をした後、前記各受け基板の一部の領域について付着した各トナーの粒径dを測定するとともに、トナー脱離前後の回転数f(rpm)における遠心力(Fc)を下記式(2)により算出し、トナー脱離前後の回転数におけるFcの算術平均値を各トナーの付着力とし、計測した全トナーの付着力に関する常用対数の算術平均Aから、トナー付着力の平均値F=10を求める方法により設定することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置である。
【0025】
【数4】
Fc=(π/5400)×ρ×d×r×f ……(2)
【0026】
(但し、ρ:トナーの真比重(kg/m)、d:トナーの粒径(m)、r:回転半径(m)を表す。)
【0027】
請求項7に記載の発明によれば、トナーと像担持体との間の付着力を容易に測定することができ、F/Dが4.5nN/μm以下となるような構成を容易に設定することができる。
【0028】
請求項8の発明は、前記用いられるトナーは、一次粒子径の平均値が30nm〜300nmである微粒子を少なくとも1種類以上含む外添剤によって表面が被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
【0029】
請求項8に記載の発明によれば、一次粒子径の平均値が30nm〜300nmである微粒子を少なくとも1種類以上含む外添剤によってトナーの表面を被覆することによって、外添剤がトナーから分離せず、これによって外添剤がトナー中に埋没することなく高転写性を維持することができる。
【0030】
請求項9の発明は、前記用いられるトナー1粒子の表面積に対する外添剤の被覆面積比率の平均値が15〜100%となるように調整したことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置である。
【0031】
請求項9に記載の発明によれば、外添剤の被覆面積比率の平均値が15〜100%となるように調整したトナーを用いることにより、トナーから外添剤が分離することなくF/Dを適切な範囲に調整することができるため、転写中抜けの発生を抑制することができる。
【0032】
請求項10の発明は、前記外添剤として、疎水化処理されたシリカ、酸化チタンあるいはアルミナのいずれかを少なくとも1種類以上含有することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置である。
【0033】
請求項10に記載の発明によれば、外添剤として、疎水化処理されたシリカ、酸化チタン、アルミナのいずれかを少なくとも1種類以上の含有するトナーを用いることにより、環境安全性も良好で、優れた転写特性が得られる。
【0034】
請求項11の発明は、前記用いられるトナーは、製造工程あるいは熱や機械的力による製造後の工程において球形化されたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
【0035】
請求項11に記載の発明によれば、製造工程あるいは製造後の工程において球形化したトナーを用いるため、像担持体に対するトナーの摩擦力Fpが小さく、転写中抜けの発生を抑制することができる。
【0036】
請求項12の発明は、前記製造工程は、重合法であることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置である。
【0037】
請求項12に記載の発明によれば、重合法により球形トナーを作製するため、トナー形状及び粒径制御が容易であり、またトナー生産性も向上させることができる。
【0038】
請求項13の発明は、前記球形化されたトナーの平均円形度は、0.95〜1.0であることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置である。
【0039】
請求項13に記載の発明によれば、平均円形度が0.95〜1.0となる球形トナーを用いるので、トナー形状の均一性が高く、像担持体に対するトナーの摩擦力Fpが小さなトナーの割合が高く、転写中抜けの発生を抑制することができる。
【0040】
請求項14の発明は、前記用いられるトナーの体積平均粒径Dは、3〜9μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
【0041】
請求項14に記載の発明によれば、トナーの体積平均粒径が3〜9μmとなるように調整されているので、微紛トナーによる画像不良の発生を防ぐと共に、高画質化に対応することができる。
【0042】
請求項15の発明は、前記像担持体における表面凹凸の周期は、その平均値がトナーの体積平均粒径Dの10倍以上となるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
【0043】
請求項15に記載の発明によれば、表面凹凸の周期の平均値がトナーの体積平均粒径の10倍以上となる感光体を用いるので、感光体上でのトナーの移動が阻害されることなく容易であり、転写中抜けの発生を抑制することができる。
【0044】
請求項16の発明は、前記像担持体の感光体は、導電性支持体上に少なくとも有機材料からなる電荷発生層と電荷輸送層とが順次形成され、必要により更に保護層が形成された構成からなる有機感光体であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
【0045】
請求項16に記載の発明によれば、像担持体として、導電性支持体上に少なくとも有機材料の電荷発生層、電荷輸送層が形成され、あるいはさらに保護層が形成された有機感光体を用いるため、高画質の画像形成装置を提供することができる。
【0046】
請求項17の発明は、前記中間転写体として中間転写ベルトを用い、該中間転写ベルトの体積抵抗率が107〜1013Ωcmとなるように調整したことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
【0047】
請求項17に記載の発明によれば、中間転写体として中間転写ベルトを用いるため、転写ニップが広く、設計の自由度が高く小型化が可能であり、さらに中間転写ベルトの体積抵抗率が107〜1013Ωcmとなるように調整することにより、電荷リークによる転写率の低下及び残留電荷による画像不良の発生を抑制することができる。
【0048】
請求項18の発明は、少なくとも、像担持体に静電潜像を形成する手段と、像担持体上にトナーを用いて画像を形成する現像手段と、像担持体上に形成されたトナー画像を中間転写体に転写する一次転写手段と、中間転写体上のトナー画像を記録材上に転写する二次転写手段とを備えた画像形成装置に用いられるトナーであって、
該トナーは平均円形度が0.95〜1.0で、体積平均粒径が3〜9μmとなるように球形化され、かつ一次粒子径が30〜300nmの外添剤によってその表面が被覆されていることを特徴とするトナーである。
【0049】
請求項19の発明は、請求項18に記載のトナーとキャリアを混合したことを特徴とする二成分現像剤である。
【0050】
請求項18および19に記載の発明によれば、外添剤がトナー中に埋没せず、またトナーの摩擦力が制御され、転写による中抜けの発生を抑制し、画像不良の発生を防ぐとともに高画質の画像形成に対応することができる。
【0051】
請求項20の発明は、少なくとも、像担持体に静電潜像を形成する手段と、像担持体上にトナーを用いて画像を形成する現像手段と、像担持体上に形成されたトナー画像を中間転写体に転写する一次転写手段と、中間転写体上のトナー画像を記録材上に転写する二次転写手段とを備えた画像形成装置における像担持体と、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段から選ばれる少なくとも一つの手段とを一体に支持し画像形成装置に着脱自在であるプロセスカートリッジであって、
前記現像手段は請求項18または19に記載のトナーもしくは二成分現像剤を保持することを特徴とするプロセスカートリッジである。
【0052】
請求項20に記載の発明によれば、作業手段の保守、交換性を良好にし、かつトナー像を記録材に転写する際に中抜けがなく、高画質の画像を出力することができる。
【0053】
請求項21の発明は、順次、像担持体に静電潜像を形成し、該像担持体上にトナーを用いて画像を形成し、該像担持体上に形成されたトナー画像を中間転写体に転写し、中間転写体上のトナー画像を記録材上に転写する画像形成方法において、
前記像担持体および中間転写体上のトナーに対して各付着面に水平な方向に遠心力を作用させて、該トナーの半数が移動するのに要する遠心力を摩擦力として設定し、像担持体に対する値をFpおよび中間転写体に対する値をFtとした場合に、FpとFtとの比(Fp/Ft)を1以下とすることを特徴とする画像形成方法である。
【0054】
請求項21に記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様に転写中抜けの発生が抑制され、画像不良が生じない高画質の画像が得られる画像形成方法を提供することができる。
【0055】
請求項22の発明は、前記像担持体上に形成されたトナー画像を中間転写体に転写する該中間転写体の線速を該像担持体の線速と異なるように設定し、像担持体の線速に対する中間転写体と像担持体の線速差の比を1〜5%の範囲内に設定したことを特徴とする請求項21に記載の画像形成方法である。
【0056】
請求項22に記載の発明によれば、請求項3記載の発明と同様に画像長さの変動が抑えられ、これによって転写中抜けの発生が抑制され、かつ画像品質の低下を抑制した画像が得られる画像形成方法を提供することができる。
【0057】
請求項23の発明は、前記像担持体の表面に潤滑剤を塗布する手段を有することを特徴とする請求項21に記載の画像形成方法である。
【0058】
請求項23に記載の発明によれば、請求項4記載の発明と同様に二次転写における中間転写体上へのトナー残存を低減し、Fp/Ftが1以下となるように構成することができ、転写中抜けの発生を抑制した画像が得られる画像形成方法を提供することができる。
【0059】
請求項24の発明は、前記像担持体上の未帯電トナーに対して付着面に垂直な方向に設定回転数で遠心力を作用させ、逐次トナーの脱離前後の回転数における遠心力の平均値Fを付着力として設定し、該平均値F(nN)と脱離トナーの体積平均粒径D(μm)との比(F/D)を4.5(nN/μm)以下とするようにしたことを特徴とする請求項21に記載の画像形成方法である。
【0060】
請求項24に記載の発明によれば、請求項6記載の発明と同様に非静電的付着力が適切な大きさとなり、トナーの凝集が抑制されて転写中抜けの発生を抑えた画像が得られる画像形成方法を提供することができる。
【0061】
請求項25の発明は、前記用いられるトナーは、製造工程あるいは熱や機械的力による製造後の工程において球形化されたことを特徴とする請求項18に記載の画像形成方法である。
【0062】
請求項25に記載の発明によれば、請求項10記載の発明と同様に環境安全性も良好で、優れた転写特性が得られる画像形成方法を提供することができる。
【0063】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の画像形成装置とその画像形成方法について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の画像形成装置は、像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段、像担持体上の潜像上にトナーを用いて画像を形成する現像手段、像担持体上に形成されたトナー像を中間転写体に転写する一次転写手段、中間転写体に転写されたトナー像を記録材上に転写する二次転写手段、記録材上のトナー像を定着する定着手段、転写されずに像担持体上に残ったトナーを除去・回収するためのクリーニング手段を有する。
【0064】
図1に本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図を示す。
図1において、静電潜像担持体である感光体ドラム11の周囲には、該ドラム表面を帯電するための帯電装置12、一様帯電処理面に潜像を形成するための露光装置13、感光体ドラム11表面の潜像に帯電トナーを付着することでトナー像を形成する4つの現像装置14、形成された感光体ドラム11上のトナー像を中間転写体である中間転写ベルト27上へ転写し、中間転写ベルト27上のトナー像を記録材29上に転写する転写装置25、記録材29(記録紙)上のトナーを定着する定着装置30、感光体ドラム11上に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置15、感光体ドラム11上の残留トナーを除去・回収するためのクリーニング装置16、感光体ドラム11上の残留電位を除去するための除電装置17が順に配設されている。
【0065】
まず、感光ドラム11は帯電装置12(帯電ローラ)によって表面を一様に帯電される。図1の例では、帯電ローラを用いて感光ドラム11を帯電しているが、コロトロンやスコロトロン等のコロナ帯電を用いてもよい。帯電ローラを用いた帯電は、コロナ帯電を用いた場合よりもオゾン発量が少ない利点がある。帯電した感光体ドラム11に画像情報に応じて露光装置13からレーザー光線が照射され、静電潜像が形成される。感光体ドラム11上の帯電電位や露光部位を電位センサで検出し、帯電条件や露光条件を制御することもできる。
【0066】
次に、現像装置14によって、静電潜像が形成された感光体ドラム11上にトナー像が形成される。現像装置14は、黒(B)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各トナーに対応した4つの現像装置14B、14C、14M、14Yからなり、各現像装置によって感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト27上に順次重ね合わされる。
【0067】
現像装置14が、トナーとキャリアから成る二成分現像剤を用いた二成分現像装置である場合の構成例を図2に示す。この例では、二成分現像剤がスクリュー41によって攪拌・搬送され、現像スリーブ42に供給される。現像スリーブ42に供給される現像剤はドクターブレード43によって規制され、供給される現像剤量はドクターブレード43と現像スリーブ42との間隔であるドクターギャップによって制御される。ドクターギャップが小さすぎると、現像剤量が少なすぎて画像濃度不足になり、逆にドクターギャップが大きすぎると、現像剤量が過剰に供給されて感光体ドラム11上にキャリア付着が発生するという問題が生じる。
【0068】
現像スリーブ42には、周表面に現像剤を穂立ちさせるように磁界を形成する磁石が備えられており、この磁石から発せられる法線方向磁力線に沿うように、二成分現像剤が現像スリーブ42上にチェーン状に穂立ちされて磁気ブラシが形成される。現像スリーブ42と感光体ドラム11は、一定の間隙(現像ギャップ)を挟んで近接するように配置されていて、双方の対向部分に現像領域が形成されている。現像スリーブ42は、アルミニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹脂などの非磁性体を円筒形に形成しており、不図示の回転駆動機構によって回転されるようになっている。磁気ブラシは、現像スリーブ42の回転によって現像領域に移送される。
【0069】
現像スリーブ42には不図示の現像用電源から現像電圧が印加され、磁気ブラシ上のトナーが現像スリーブ42と感光体ドラム11との間に形成された現像電界によってキャリアから分離し、感光体ドラム11上の静電潜像上に現像される。なお、現像電圧には交流を重畳させてもよい。また、現像ギャップは、現像剤粒径の5〜30倍程度、現像剤粒径が50μmであれば0.5mm〜1.5mm程度に設定することが可能である。これより広くすると、望ましいとされる画像濃度がでにくくなる。また、ドクターギャップは、現像ギャップと同程度かやや大きくする必要がある。
【0070】
感光体ドラム11のドラム径やその線速、および現像スリーブ42のスリーブ径やその線速は、複写速度や装置の大きさ等の制約によって決まる。ドラム線速に対するスリーブ線速の比は、必要な画像濃度を得るために1.1以上にする必要がある。なお、現像後の位置にセンサを設置し、光学的反射率からトナー付着量を検出してプロセス条件を制御することもできる。
【0071】
前記磁気ブラシを構成するキャリアとしては、鉄紛、フェライト紛、磁性粒子を分散した樹脂粒子等の磁性を有する粉体、及び電気特性を制御するために樹脂などで表面を被覆した磁性粉体が好ましく使用される。
磁気ブラシを構成するキャリアとしては、感光体ドラム11表面へのダメージを軽減するために球形の粒子を用いるのが好ましく、その平均粒径は150μm以下のものが好ましい。キャリアの平均粒径が大きすぎると、最密状態に配置してあっても曲率半径が大きいため、感光体ドラム11と接触しない面積が増えてトナー像の欠けや、抜けが発生する。逆に平均粒径があまり小さすぎると、交流電圧を印加する場合には、粒子が動きやすくなって粒子間の磁力を上回り、粒子が飛散してキャリア付着の原因となってしまう。キャリアの平均粒径は、特に30μm以上、100μm以下であることが好ましい。さらに、キャリアの体積抵抗率が低すぎると、現像電圧の印加時にキャリアに電荷が注入され、感光体ドラム11へのキャリア付着を起こしたり、感光体の絶縁破壊を起こしたりするため、体積抵抗率が10Ωcm以上のキャリアを使用する必要がある。
【0072】
また、図1の例では4つの現像装置が感光体ドラム11を囲むように設置されているが、本発明はこの構成には限定されず、4つの現像装置が回転等の動きによって交互に感光体ドラム11に接するように構成してもよい。また、図2の例では現像装置として二成分現像装置を用いているが、本発明は二成分現像装置に限定されるものではなく、現像スリーブ上に形成したトナー薄層を電界で感光体上に現像する一成分現像装置を用いてもよい。
【0073】
前記感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、感光体ドラム11と中間転写ベルト27が接触する転写ニップに搬送される。中間転写ベルト27に接触するローラ26bに不図示の転写用電源によってトナーと逆極性の転写電圧が印加され、中間転写ベルト27と感光ドラム11間に作用する転写電界によって感光体ドラム11上に形成されたトナー像が中間転写ベルト27上へ転写される。フルカラー画像を形成する場合、1色目のトナー像が中間転写ベルト27上へ転写されると、感光体ドラム11上に残留したトナーはクリーニング装置16によって除去され、除電装置17によって感光体ドラム11上の残留電位が除去され、次に感光体ドラム11上に2色目のトナー像が作像され、1色目のトナー像が形成されている中間転写ベルト27上へ2色目のトナー像が転写され、同様の手順で4色のトナー像が順次中間転写ベルト27上へ転写される。なお、中間転写ベルト27は、感光体ドラム11と接離可能で、トナー像の転写が実施されていない時は感光体ドラム11から隔離している。
【0074】
次に、不図示の給紙トレイから搬送された記録材29が転写ニップに進入し、中間転写ベルト27上に形成されたトナー像が、ローラ26bに印加される転写電圧によって記録材29上に一括して転写される。感光体ドラム11から中間転写ベルト27への転写を一次転写、中間転写ベルト27から記録材29への転写を二次転写とする。二次転写後に中間転写ベルト27上に残留したトナーは、中間転写ベルト27用のクリーニング装置28によって中間転写ベルト27上から除去される。なお、クリーニング装置28は中間転写ベルト27と接離可能で、トナー像の転写が実施されている時は中間転写ベルト27から隔離している。
中間転写ベルト27は、高分子フィルムや合成ゴム等にカーボンブラック等の導電性フィラーを添加したものが用いられ、体積抵抗率が10〜1013Ωcmに調整される。図1の例において、中間転写部材として用いた転写ベルトの代りに転写ローラを用いてもよいが、転写ベルトは転写ローラに比べて転写ニップを広くとれる利点がある。
【0075】
未定着のトナー像が載った記録材29には、定着ローラ31と加圧ローラ32によって一定の熱と圧力が加えられ、トナーが記録材29上に定着される。なお、定着温度を一定に保つために、定着ローラ31には不図示のサーミスタが接触しており、定着ローラ31の温度制御が行われる。定着ローラを用いた定着方式は、熱効率が高く、安全性に優れ、小型化が可能で、低速から高速まで適用範囲が広い。
【0076】
前記のように感光体ドラム11上及び中間転写ベルト27上に残留したトナーは、クリーニング装置16及び28によって除去されるが、このようなクリーニング装置としては、クリーニングブレード、クリーニングローラ及びクリーニングブラシ等を用いることができ、またそれらを併用してもよい。さらに、これらのクリーニング部材にトナーと逆極性の電圧を印加して、クリーニングの効率を高めることもできる。
【0077】
また、本発明の画像形成装置では、感光体ドラム11表面に潤滑剤を塗布するために潤滑剤塗布装置15が設置される。図1に示した潤滑剤塗布装置15は、固形の潤滑剤19を回転ブラシ18で削り取り、感光体ドラム11表面に塗布するように構成されている。感光体ドラム11表面に塗布された潤滑剤19は、クリーニングブレード16によって平滑化される。回転ブラシ18は、潤滑剤19の塗布と同時にトナーのクリーニングもしており、特にブレードによるクリーニングが困難な球形トナーのクリーニングに有効である。潤滑剤19の塗布方法としては、回転ブラシ18の代りにローラを用いる方法や、固形の潤滑剤19を直接感光体ドラム11に押し付ける方法もある。また、潤滑剤塗布装置15は、単独での設置も可能であるが、帯電装置など別の装置内へ組み込んでもよい。
【0078】
上記潤滑剤に用いる材料としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やPFAなどのフッ素系ポリマーなどが挙げられる。本発明の画像形成装置に用いる潤滑剤としては、成形加工が容易で、画像形成に関して悪影響を及ぼさず、安定した画像が得られるため、ステアリン酸亜鉛が好ましく用いられる。
【0079】
また、図1に示す例は一つの感光体ドラムと複数の現像装置を用いたカラー画像形成装置であるが、本発明はこの構成には限定されず、複数の感光体ドラムと現像装置を用いたカラー画像形成装置、一つの感光体ドラムと一つの現像装置を用いた白黒画像形成装置にも適用できる。
【0080】
本発明は、上記のような画像形成装置の例において、転写時の中抜けが無く、良好な画像品質が得られることを特徴としており、このためには図1に示したような画像形成装置における画像形成に際して最適な条件設定が必要である。
すなわち、図1の画像形成装置によれば、静電潜像の像担持体である感光体ドラム11(感光体)上に形成されたトナー層は、感光体と中間転写ベルト間の圧力によって圧縮されるため、トナー層の内部応力が増大する。高圧力でトナー層内部応力が高いと、トナー間の付着力が大きくなってトナーが凝集する。トナー間付着力が大きいと、転写電界によるクーロン力でトナー粒子の転写を制御できなくなるため、凝集したトナー層の一部領域が転写できなくなると考えられる。画像の細線部は圧力が高くなりやすく、特に細線の中心部では周辺部に比べてトナーが移動しにくいので応力が高くなりやすいため、細線の中心部が転写されない「中抜け現象」が発生する。
【0081】
上記のように、中抜けはトナーの凝集に起因しているため、中抜けを低減するにはトナーの凝集を抑制するか、あるいは凝集したトナーを分離する必要がある。感光体と中間転写体に線速差を設けてトナー層にせん断力を与える方法は、凝集したトナーを機械的な力で分離するため、中抜けの低減には有効である。しかし、トナー層に十分なせん断力を与えるには速度差を大きくする必要があり、速度差が大きいと速度差のばらつきによる画像長さの変動が大きく、画像品質が低下しやすいという問題がある。
【0082】
本発明者らは、像担持体である感光体ドラム11(感光体)の速度と中間転写ベルト27(中間転写体)の速度とを制御し、様々な速度差で転写実験を実施した結果、画像品質が低下しない速度差は、感光体線速に対して5%以内であることが分かった。また、感光体線速に対する速度差が1%以下では、中抜け改善効果が得られないことが分かった。
【0083】
さらに、本発明者らは、上記のような速度差において中抜けの発生を抑制できる条件を検討した結果、トナーと感光体間の摩擦力(感光体上でトナーを水平方向に動かすのに必要な力)がトナーと中間転写体間の摩擦力以下となるように構成することにより、中抜けの発生を抑制できることが分かった。
すなわち、感光体と中間転写体間に速度差がある場合、図3に示す概念図のように、感光体上に接するトナー層には、感光体面に水平な方向に摩擦力Fpが作用し、中間転写体に接するトナーには摩擦力Ftが作用する。FpがFtよりも大きい場合、すなわちFp/Ftが1よりも大きい場合、中間転写体に接したトナーが感光体に接したトナーよりも動きやすいため、転写圧力によって凝集したトナー層の一部の領域は感光体に付着した状態で移動し、転写後に感光体側に残留するため中抜けが発生しやすい。このため、中抜けの発生を抑制するには、Fp/Ftを1以下にする必要がある。
【0084】
平板に付着した粒子と平板間の摩擦力を測定する方法としては、粉体の付着した平板を徐々に傾け、粉体が滑り出す角度を測定して摩擦力を測定する滑り角法が報告されている。この滑り角法は、粉体を移動させる力として重力を利用しているので、比較的粒径の大きな紛体には適用できるが、トナーのように粒径の小さな粉体には適用できない。このため、本発明者らは、トナーと平板間の摩擦力測定法として、遠心力を利用する方法を開発した。以下、図面を用いてこの方法について説明する。
【0085】
図4は、本発明に係るトナー摩擦力測定装置における遠心分離装置の要部断面を示す側面図である。図4において、図示していない駆動機構により回転動作する遠心分離装置51は、トナーが付着した測定基板56を回転させるロータ53を備えている。ロータ53は、それ自身の回転中心軸52に対して垂直な断面において空洞部を有する形状であり、測定基板56の保持部材55を設置する試料設置部54を備えている。保持部材55は、棒状部55cと、棒状部55cに設けられ測定基板56を保持する基板保持部55f、棒状部55cを試料設置部54に固定する設置固定部55bを備えている。基板保持部55fは、測定基板56を設置したときに、トナー付着面56aが鉛直方向を向き、ロータの回転中心軸52に垂直となるように構成される。また、基板保持部55f内には、測定基板56のトナー付着面56aが基板保持部55fの壁面に接触しないように、測定基板の周辺部に対応する場所にガイド55dを設けている。さらに、測定基板56には大きな遠心力を作用させるので、基板保持部55fにしっかり固定する必要があるため、基板保持部55fに測定基板56を導入後、測定基板56を固定するネジ55eが設けられている。また、基板保持部材55の向きを、測定基板56がロータの回転中心軸52に対して垂直になるように調整するため、保持部材55の向きを調整する部位(角度調整部55a)を設けた。測定基板56の形状は、図4では四角形であるがその他の形でもよく、その場合には、基板保持部55fへの設置方向が一定となるような形状にする必要がある。
【0086】
上記の遠心分離装置51を用いてトナーと感光体または中間転写体の摩擦力を測定する方法を説明する。
まず、感光体または中間転写体の一部を切り出して測定基板56上に接着剤で貼り付ける。次に、トナーを測定基板56上に付着させる。次いで、測定基板56上でトナーの個数を測定する位置を一箇所以上設定し、トナーの個数を測定する。トナーの個数測定は、光学顕微鏡で測定基板56上のトナーを観察し、CCDカメラ等を通してトナーの付着面56aの画像をコンピュータに取り込み、画像処理ソフトウェアを用いて行う。なお、測定基板56上に直接感光体または中間転写体と同じ材質の表面を形成してもよい。
【0087】
次に、測定基板56を基板保持部55fに導入してネジ55eで固定し、保持部材55を試料設置部54に導入し、測定基板56のトナー付着面56aがロータの回転中心軸52に垂直となるように装着する。遠心分離装置51を稼働してロータ53を一定の回転数で回転させる。測定基板56に付着したトナーは回転数に応じた遠心力を受け、トナーの受ける遠心力がトナーと付着面56a間の摩擦力よりも大きい場合は、トナーが遠心力の向きに付着面56a上を移動する。トナーの受ける遠心力Fcは、トナーの重量m、ロータの回転数f(rpm)、ロータの中心軸からトナー付着位置までの距離r(回転半径)を用いて、下記式(3)より求められる。
【0088】
【数5】
Fc = m×r×(2πf/60) ……(3)
【0089】
トナーの重量mは、トナーの真比重ρ、トナー粒子の円相当径dを用いて、下記式(4)より求められる。
【0090】
【数6】
m =(π/6)×ρ×d ……(4)
【0091】
上記式(3)および式(4)から、トナーの受ける遠心力Fcは、下記式(5)により求められる。
【0092】
【数7】
Fc=(π/5400)×ρ×d×r×f ……(5)
【0093】
所定回転数で回転させた後、保持部材55を試料設置部54から取り出し、次いで基板保持部55fから測定基板56を取り出してトナーの個数を測定する。測定後、さらに測定基板56を保持部材55に装着し、保持部材55を試料設置部54に設置してロータ53を前回よりも高回転数で回転させる。トナーの受ける遠心力が前回よりも大きくなり、より摩擦力の大きなトナーが付着面56a上を移動する。このようにして遠心分離装置51の設定回転数を低回転数から高回転数へ段階的に変えて同様の操作を実施することにより、各回転数で受ける遠心力と摩擦力の大小関係に応じて、トナーが測定基板56上を遠心力の向きに移動する。
【0094】
以上の操作により、図5に示した例のように、ロータの回転数f(rpm)と移動したトナー個数の割合(%)の関係が求められる。この関係から、移動したトナー個数の割合が50%、つまり測定基板56上のトナーの半数が移動する回転数f50を求めることができる。前記式(5)において、rをトナーの観察領域の中心位置からロータの中心軸52までの距離とし、dをトナー体積平均粒径Dとし、fをf50として代入することにより求めた遠心力Fcをトナーと基板間の摩擦力の代表値とする。
【0095】
トナーと感光体(感光体ドラム11)間の摩擦力がトナーと中間転写体(中間転写ベルト27)間の摩擦力以下となるようにする必要があることから、単にトナーと中間転写体間の摩擦力を大きくすると、二次転写の際にトナーが中間転写体上に残り易く、中間転写体上の転写残トナーのクリーニング不良等による画像不良が発生しやすくなる。このため、むしろトナーと中間転写体間の摩擦力を小さくする方が好適である。このことから、トナーと感光体間の摩擦力をより小さくする必要があり、感光体の表面に潤滑層を設ける等の対策が考えられる。
感光体表面に潤滑層を設ける場合、感光体中に潤滑剤を混入する方法もあるが、この方法では感光体の光学特性あるいは電気特性が損なわれる可能性がある。本発明では、感光体表面に潤滑層を設ける場合、画像形成装置内で感光体表面に潤滑剤を塗布することが好ましい。
【0096】
トナーと感光体間の摩擦力はトナーと感光体間の付着力に依存する。このため、トナーと感光体間の摩擦力を小さくするには、トナーと感光体間の付着力を小さくする必要がある。特に、転写圧力により増大するトナーと感光体間の非静電的付着力を小さくする必要がある。また、感光体との非静電的付着力が大きなトナーは、トナー同士の非静電的付着力も大きいため、トナーが凝集して中抜けが発生し易く、この点からもトナーと感光体間の非静電的付着力を小さくする必要がある。
【0097】
以下にトナーと感光体間の付着力測定方法として用いた遠心分離法について説明する。
この遠心分離法では、遠心力を用いる点が前記で説明したトナーの摩擦力測定法と同じであるが、トナーに作用する遠心力の方向が異なり、トナー付着面に対して垂直な方向に遠心力を作用して、トナーを付着面から分離、すなわち脱離することによりトナーと付着面間の付着力を測定するものである。
【0098】
図6、図7は、それぞれ本発明に係るトナー付着力測定装置の測定セル、遠心分離装置の一例を示す図である。図6は、トナー付着力測定装置の測定セルの概略斜視図である。図6において、61は測定セルであり、測定セル61は、トナーを付着させるための試料面62aを有する試料基板62と、試料基板62から分離(脱離)したトナーを付着させる付着面63aを有する受け基板63と、試料基板62の試料面62aと受け基板63の付着面63aの間に設けられるスペーサ64から構成される。
【0099】
図7は、図示しない駆動機構により回転動作する遠心分離装置の要部断面を示す側面図である。図7において、75は遠心分離装置であり、遠心分離装置75は、測定セル61を回転させるロータ76と、保持部材77を備えている。ロータ76は、自身の回転中心軸79に対して垂直な断面において空洞部を有する形状であり、保持部材77を設置する試料設置部78を有している。保持部材77は、棒状部77aと、棒状部77aに設けられ測定セル61を保持するセル保持部77b、測定セル61をセル保持部77bから押し出すための穴部77c、棒状部77aを試料設置部78に固定する設置固定部77dを備えている。セル保持部77bは、測定セル61を設置したときに、測定セル61の垂直方向がロータの回転中心軸79に垂直となるように構成される。
【0100】
上記の遠心分離装置を用いてトナーと感光体との間の付着力を測定する方法を説明する。
まず、試料基板62上に直接感光体を形成するか、または感光体の一部を切り出して試料基板62上に接着剤で貼り付ける。次に、トナーを試料基板62上に形成した感光体(試料面62a)上に付着させる。次に、図6に示すように、試料基板62、受け基板63及びスペーサ64を用いて測定セル61を構成する。測定セル61を、保持部材77をロータ76の試料設置部78に設置したときに、試料基板62が受け基板63とロータ76の回転中心軸79との間に位置するように、保持部材77のセル保持部77bに設置する。保持部材77を、測定セル61の垂直方向がロータの回転中心軸79に垂直となるように、ロータ76の試料設置部78に設置する。遠心分離装置75を稼働してロータ76を一定の回転数で回転させる。試料基板62に付着したトナーは回転数に応じた遠心力を受け、トナーの受ける遠心力がトナーと試料面62a間の付着力よりも大きい場合には、トナーが試料面62aから分離(脱離)して付着面63aに付着する。トナーの受ける遠心力Fcは下記式(6)から求められる。
【0101】
【数8】
Fc=(π/5400)×ρ×d×r×f ……(6)
【0102】
(但し、ρ:トナーの真比重(kg/m)、d:トナーの粒径(m)、r:ロータの中心軸からトナー付着位置までの距離(回転半径)(m)、f:ロータの回転数(rpm)を表す。)
【0103】
遠心分離終了後、保持部材77をロータ76の試料設置部78から取り出し、保持部材77のセル保持部77bから測定セル61を取り出す。受け基板63を交換し、測定セル61を保持部材77に設置し、保持部材77をロータ76に設置し、ロータ76を前回よりも高回転数で回転させる。トナーの受ける遠心力が前回よりも大きくなり、付着力の大きなトナーが試料面62aから分離して付着面63aに付着する。このような手順で遠心分離装置の設定回転数を低回転数から高回転数へ変えて順次同様の操作を実施することにより、各回転数で受ける遠心力と付着力の大小関係に応じて、試料面62a上のトナーが付着面63aに移動する。
【0104】
全ての設定回転数について遠心分離を実施後、各回転数の受け基板63の付着面63aに付着したトナーの粒径を計測する。トナー粒径の測定は、光学顕微鏡で付着面63a上のトナーを観察し、CCDカメラを通して付着面の画像を画像処理装置に入力し、画像処理装置を用いて各トナーの粒径測定を行うことができる。ある設定回転数で分離したトナーの付着力は、トナーが分離した回転数における遠心力よりも小さく、分離する前の回転数における遠心力よりも大きいので、前記式(6)により両者の遠心力を計算し、その平均値を付着力とする。ここで、測定したトナー粒子全体の平均値Fは、各トナーの付着力の常用対数について算術平均値Aを算出し、F=10から求めるようにした。
【0105】
上記の方法で粒径の異なる未帯電のトナーについて感光体との付着力を測定した結果、トナーと感光体間の非静電的付着力がトナーの粒径に比例して増大することが分かった。このため、異なるトナーについて非静電的付着力を比較するには、トナー粒径の違いを考慮して、非静電的付着力の平均値Fと体積平均粒径Dとの比F/Dを用いる必要がある。
本発明者らは、感光体と中間転写体との間に線速差を設け、トナーと感光体間の摩擦力がトナーと中間転写体間の摩擦力よりも小さくなるように構成された画像形成装置を用いて、様々なトナーのF/Dと中抜けの関係を調べた結果、F/Dが4.5nN/μm以下となるようなトナーでは、ほとんど中抜けが発生しないことが分かった。
【0106】
トナーと感光体間の非静電的付着力を構成しているファンデルワールス力、液架橋力、分子間力等の力は、トナーが接触している領域の幾何学的な構造に依存しており、特にトナー表面の曲率半径の大きさは、非静電的付着力の大きさを左右する重要な要因である。外添剤によりトナー母粒子(外添剤を添加していないトナー粒子)の表面を被覆すると、トナー表面の曲率半径を大きく変化させることができるので、非静電的付着力を制御する有効な手段となる。本発明者らは、様々なトナーについてF/Dを測定した結果、F/Dが外添剤の材料、粒径及び外添剤被覆率に依存して変化することを見出した。外添剤被覆率は、トナー母粒子の表面積に占める外添剤の面積によって定義され、トナーの電子顕微鏡写真を画像解析することによって計測することができる。
【0107】
一次粒子径の平均値が30nmよりも小粒径の外添剤は、トナーの流動性を向上するのに有効であるが、キャリアとの混合撹拌等の画像形成装置内の様々なストレスによってトナー中に埋没しやすいという問題がある。外添剤が埋没してしまうと、トナー表面の曲率半径が大きくなり、非静電的付着力が増大して中抜けが発生しやすくなる。したがって、小粒径の外添剤の埋没を低減するには、一次粒子径の平均値が30nm以上の大粒径の外添剤を添加する必要がある。ただし、外添剤の一次粒子径の平均値が300nmを超えると、外添剤がトナーから分離しやすくなり、分離した外添剤によって感光体等の画像形成装置の構成部材が損傷しやすい。このため、本発明では、一次粒子径の平均値が30nm〜300nm、好ましくは、80nm〜200nmの外添剤を用いることが好適である。なお、一次粒子径の平均値が30nm〜300nmの外添剤は、一次粒子径の平均値が30nm以下の外添剤と一緒に用いてもよく、単独で使用してもよい。
【0108】
トナーと感光体間の非静電的付着力は外添剤被覆率の増加と共に小さくなり飽和する傾向にあり、外添剤被覆率依存性や飽和値は、外添剤の材質や粒径等に依存する。このため、外添剤被覆率の適切な範囲も外添剤の材質や粒径等によって異なるが、外添剤被覆率を少なくとも15%〜100%未満に調整する必要がある。外添剤被覆率が15%未満では、F/Dを適切な大きさにするのが困難である。また、外添剤被覆率が100%を超えると、外添剤がトナーから分離しやすくなり、感光体等の画像形成装置の構成部材が損傷しやすい。
【0109】
本発明におけるトナーに用いられる外添剤としては、公知の有機微粒子及び無機微粒子を使用することができるが、無機微粒子、特にシリカ、酸化チタン、アルミナのいずれかを少なくとも1種類以上使用することが好適である。これらの微粒子の場合は、環境安定性を考慮すると、疎水化処理を施したものが好適に用いられる。前記疎水化処理は、疎水化処理剤と前記微粉末とを高温度下で反応させて行なうことができる。疎水化処理剤としては特に制限はなく、例えばシラン系カップリング剤、シリコーンオイル等を用いることができる。
また、本発明に用いられる外添剤の外添方法は、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、メカノフージョン等の各種混合装置を用いた公知の外添方法を用いることができる。
【0110】
また、本発明者らは、様々な形状のトナーについて中抜けの発生状況を検討した結果、トナー形状が球形に近いほど中抜けが発生しにくいことが分かった。この理由を調べるために、様々な形状のトナーについて摩擦力と付着力を測定した結果、トナー付着力が同程度の場合、トナー形状が球形に近いほど摩擦力が小さいことを見出した。これは、トナー付着面に水平方向の力が作用した時に、トナー形状が球形に近いほど回転しやすいためと考えられる。したがって、形状が球形に近いトナーほど、転写圧力及び線速差によるせん断力が作用した時のトナー層内及び付着面上での移動が容易なため、凝集性が弱く、付着面から分離(脱離)しやすく、中抜けが発生しにくいと考えられる。
【0111】
このため、本発明に用いられるトナーとしては、製造工程あるいは製造後の工程において球形化したトナーが好適に用いられる。製造後の工程において球形化したトナーとは、例えばトナーの構成材料である樹脂や着色剤などを混合攪拌後に溶融混練し、粉砕・分級して作製した粉砕トナーを熱や機械的な力で球形化したトナーであり、製造工程において球形化したトナーとは、例えば分散重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の重合法により作製されたトナーである。特に、重合法による製造は、トナーの形状及び粒径制御の容易性、生産性等の点で優れており、本発明に用いられるトナーの製造方法として好適である。以下に本発明におけるトナーの製造方法として好適な各種重合法について説明する。
【0112】
まず、分散重合トナーから説明する。
本発明におけるトナーを形成する樹脂粒子(種粒子)は親水性有機液体に、その親水性有機液体に溶解する高分子分散剤を加え、これに前記親水性液体には溶解するが、生成する重合体は前記親水性液体にて膨潤されるか、あるいは殆ど溶解しない一種または二種以上のビニル単量体を加えて重合することにより製造される。
上記種粒子の形成時及び種粒子の成長反応時に用いる単量体を希釈するための親水性有機液体(希釈剤)としては、メチルアルコール、エチルアルコール、変性エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−アミルアルコール、3−ペンタノール、オクチルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールなどのアルコール類や、メチルセロソルブ、セロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテルアルコール類などが代表的なものとして挙げられる。
【0113】
これらの親水性有機液体(有機液体)は単独で、もしくは二種以上の混合物として用いることができる。なお、アルコール類及びエーテルアルコール類以外の有機液体と、上述のアルコール類及びエーテルアルコール類とを併用することで、有機液体が生成重合体粒子に対して溶解性を持たせない条件下で、有機液体のSP値(溶解性パラメーター)を種々変化させて重合を行なうことにより、生成される粒子の大きさ、種粒子同士の凝集及び新粒子の発生を抑制することが可能である。
【0114】
この場合の併用する有機液体としては、ヘキサン、オクタン、石油エーテル、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、四塩化炭素、トリクロルエチレン、テトラブロムエタンなどのハロゲン化炭化水素類、エチルエーテル、ジメチルグリコール、シリオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、メチラール、ジエチルアセタールなどのアセタール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサンなどのケトン類、ギ酸ブチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、セロソルブアセテートなどのエステル類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸などの酸類、ニトロプロペン、ニトロベンゼン、ジメチルアミン、モノエタノールアミン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどの硫黄、窒素含有有機化合物類、およびその他水も含まれる。また、重合開始時、重合途中、重合末期とそれぞれ混合溶媒の種類及び組成を変化させ、生成する重合体粒子の平均粒径、粒径分布、乾燥条件などを調整することができる。
【0115】
前記種粒子の製造時あるいは成長粒子の製造時に使用される高分子分散剤の適当な例としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有するアクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、並びにメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類、または前記親水性モノマーとスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのベンゼン核を有するものまたはその誘導体、またはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体との共重合体、さらに架橋性モノマー、例えばエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、メタクリル酸アリル、ジビニルベンゼンなどとの共重合体も使用可能である。
【0116】
上記高分子分散剤は、使用する親水性有機液体、および目的とする重合体粒子の種類とその粒子が種粒子の製造なのか、あるいは成長粒子の製造なのかにより適宜選択されるが、特に重合体粒子同士の凝集を主に立体的に防ぐ意味で、重合体粒子表面への親和性、吸着性が高く、しかも親水性有機液体への親和性、溶解性の高いものが選ばれる。また、立体的に粒子同士の反撥を高めるために、分子鎖がある程度の長さのもの、好ましくは分子量が1万以上のものが選ばれる。しかしあまり分子量が高いと、液粘度の上昇が著しく、操作性、撹拌性が悪くなり、生成重合体の粒子表面への析出確率のばらつきを与えるため注意を要する。また、先に挙げた高分子分散剤の単量体を一部、目的とする重合体粒子を構成する単量体に共存させておくことも安定化には効果がある。
【0117】
さらに、上記高分子分散剤とともにコバルト、鉄、ニッケル、アルミニウム、銅、錫、鉛、マグネシウムなどの金属またはその合金(特に、粒径1μm以下のものが好ましい)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化珪素などの酸化物の無機化合物微粉体、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、燐酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えば、アラニン型(例えば、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンなど)のアミノ酸型やベタイン型の両性界面活性剤を併用しても、生成重合体粒子の安定性及び粒径分布の改良をさらに高めることができる。
【0118】
一般に、種粒子製造時の高分子分散剤の使用量は目的とする重合体粒子形成用の重合性単量体の種類によって異なるが、親水性有機液体に対し0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。高分子分散安定剤の濃度が低い場合には、生成する重合体粒子は比較的大粒径のものが得られ、濃度の高い場合には小粒径のものが得られるが、10重量%を越えて用いても小径化への効果は少ない。
【0119】
また、前記の種粒子を得るために使用されるビニル単量体は、親水性有機液体に溶解可能なものであり、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルエチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレンなどのスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα−メチル脂肪酸モノカルボン酸エステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸、もしくはメタクリル酸誘導体、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル類などからなる単独または相互の混合物及びこれらを50重量%以上含有し、これらと共重合し得る単量体との相互の混合物などが含まれる。
【0120】
また、本発明における前記の重合体は、耐オフセット性を高めるために、重合性の二重結合を二個以上有するいわゆる架橋剤の存在下に重合させたものであってもよい。好ましく用いられる架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン及びそれらの誘導体である芳香族ジビニル化合物、その他エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールメタクリレート、トリエチレングリコールメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリルメタクリレート、tert−ブチルアミノエチルメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートなどのジエチレン性カルボン酸エステル、N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンなど全てのジビニル化合物、及び三個以上のビニル基を有する化合物が挙げられ、これらは単独または混合物などが用いられる。
このように架橋された種粒子を用いて成長重合反応を引き続いて行った場合には、成長する重合体粒子の内部が架橋されたものとなる。また一方で、成長反応に用いるビニル単量体溶液に上記の架橋剤を含有させた場合には、粒子表面が硬化された重合体が得られる。また、平均分子量を調節する目的として、連鎖移動定数の大きな化合物を共存させて重合を行わせるものに、例えば、メルカプト基をもつ低分子化合物や四塩化炭素、四臭化炭素が挙げられる。
【0121】
また、前記単量体の重合開始剤としては、例えば2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ系重合開始剤、ラウリルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオクトエートなどの過酸化物系重合開始剤、過硫酸カリウムなどの過硫酸化物系重合開始剤、これにチオ硫酸ナトリウム、アミンなどを併用した系などが用いられる。重合開始剤濃度は、ビニル単量体100重量部に対して0.1〜10重量部が望ましい。
【0122】
種粒子を得るための重合条件は、種粒子を形成する重合体粒子の目標平均粒径、目標粒径分布に合わせて、親水性有機液体中の高分子分散剤、ビニル単量体の濃度、及び配合比が決定される。一般に、粒子の平均粒径を小さくしようとするならば、高分子分散剤の濃度を高く、また平均粒径を大きくしようとするならば、高分子分散剤の濃度が低く設定される。一方、粒子径分布を非常に鋭くしようとするならば、ビニル単量体濃度を低く、また、比較的広い分布でもよい場合は、ビニル単量体濃度は高く設定される。
【0123】
種粒子の製造は親水性有機液体に、高分子分散安定剤を完全に溶解した後、一種または二種以上の前記ビニル単量体、重合開始剤、その他必要ならば無機微粉末、界面活性剤、染料、顔料などを添加し、30〜300rpmの通常の撹拌にて、好ましくはなるべく低速で、しかもパドル型よりもタービン型の撹拌翼を用いて、槽内の流れが均一になるような速度で撹拌しながら、用いた重合開始剤の重合速度に対応した温度にて加熱し重合が行なわれる。なお、重合初期の温度は生成する種粒子に大きな影響を与えるため、単量体を添加した後に温度を重合温度まで上げ、重合開始剤を小量の溶媒に溶解して投入した方が望ましい。重合の際には窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性気体にて反応容器内の空気中の酸素を充分に追い出す必要がある。この酸素パージが不充分であると微粒子が発生し易い。重合を高重合率域で行なうには5〜40時間の重合時間が必要であるが、所望の粒子径、粒子径分布の状態で重合を停止させたり、また重合開始剤を順次添加したり、高圧下で反応を行なうことにより重合速度を速めることができる。
【0124】
重合終了後は、そのまま染着工程に用いてもよいし、沈降分離、遠心分離、デカンテーションなどの操作により不必要な微粒子、残存モノマー、高分子分散安定剤などを除いた後に、重合体スラリーとして回収して染着を行なってもよいが、分散安定剤を除去しない方が染着の安定性は高く、不要な凝集が抑制される。
【0125】
本発明における染着は次のようなものである。すなわち、種粒子である樹脂粒子を溶解せしめない有機溶媒中に当該樹脂粒子を分散し、この分散前または分散後に前記溶媒中に染料を溶解させ、前記染料を樹脂粒子中に浸透させ着色せしめた後、前記有機溶媒を除去して染着トナーを製造する方法において、前記染料の前記有機溶媒に対する液解度(D1)及び前記樹脂粒子の樹脂に対する前記染料の溶解度(D2)の関係が、(D1)/(D2)≦0.5となる染料を選択使用する。これにより、樹脂粒子の深部まで染料が浸透(拡散)したトナーを効率よく製造することができる。なお、本明細書における溶解度は、25℃の温度で測定されたものと定義する。
染料の樹脂中への溶解度とは、染料の溶媒中への溶解度と全く同じ定義であり、樹脂中に染料が相溶状態で含有させることができる最大量を意味する。この溶解状態あるいは染料の析出状態の観察は顕微鏡を用いることにより容易に行なうことができる。樹脂に対する染料の溶解性を知るには、直接観察による方法の代りに間接的な観察方法によってもよい。この方法は樹脂と溶解度係数が近似する液体、即ち樹脂をよく溶解する溶媒を用い、この溶媒に対する染料の溶解度を樹脂に対する溶解度として定めてもよい。
【0126】
着色に使用する染料としては、前述のように使用する有機溶媒への該染料の溶解度(D1)と、前記樹脂粒子を形成する樹脂に対する染料の溶解度(D2)との比(D1)/(D2)を0.5以下とする必要があるが、さらに(D1)/(D2)を0.2以下とすることが好ましい。染料としては、上記の溶解特性を満たせば特に制限はないが、カチオン染料、アニオン染料などの水溶性染料は環境変動が大きいおそれがあり、またトナーの電気抵抗が低くなり、転写率が低下する心配があるので、バット染料、分散染料、油溶性染料の使用が好ましく、特に油溶性染料が好ましい。また、所望の色調に応じて数種の染料を併用することもできる。染着される染料と樹脂粒子との比率(重量)は、着色度に応じて任意に選択されるが、通常は樹脂粒子1重量部に対して、染料1〜50重量部の割合で用いるのが好ましい。
【0127】
例として、染着溶媒にSP値の高いメタノール、エタノールなどのアルコール類を使用し、樹脂粒子としてSP値が9程度のスチレン−アクリル系樹脂を使用した場合、用いられる染料としては、例えばC.I.SOLVENT YELLOW(6,9,17,31,35,102,103,105)、C.I.SOLVENT ORANGE(2,7,13,14,66)、C.I.SOLVENT RED(5,16,17,18,19,22,23,143,145,146,149,150,151,157,158)、C.I.SOLVENT VIOLET(31,32,33,37)、C.I.SOLVENT BLUE(22,63,78,83〜86,91,94,95,104)、C.I.SOLVENT GREEN(24,25)、C.I.SOLVENT BROWN(3,9)などの染料が挙げられる。
【0128】
また、市販染料としては、例えば保土谷化学工業社製の愛染SOT染料、Yellow−1,3,4、Orange−1,2,3、Scarlet−1、Red−1,2,3、Brown−2、Blue−1,2、Violet−1、Green−1,2,3、Black−1,4,6,8や、BASF社製のsudan染料、Yellow−140,150、Orange−220、Red−290,380,460、Blue−670や、三菱化成社製のダイアレジン、Yellow−3G,F,H2G,HG,HC,HL、Orange−HS,G、Red−GG,S,HS,A,K,H5B、Violet−D、Blue−J,G,N,K,P,H3G,4G、Green−C、Brown−Aや、オリエント化学社製のオイルカラー、Yellow−3G,GG−S,#105、Orange−PS,PR,#201、Scarlet−#308、Red−5B、Brown−GR,#416、Green−BG,#502、Blue−BOS,HN、Black−HBB,#803,EE,EXや、住友化学工業社製のスミプラスト、ブルーGP,OR、レッドFB,3B、イエローFL7G,GCや、日本化薬社製のカヤロン、ポリエステルブラックEX−SH3、カヤセットRed−BのブルーA−2Rなどを使用することができる。もちろん染料は樹脂粒子と染着時に使用する溶媒の組み合わせで適宜選択されるため、上記例に限られるものではない。
【0129】
染料を樹脂粒子に染着させるために用いる有機溶媒としては、使用する樹脂粒子が溶解しないもの、あるいは若干の膨潤をきたすもの、具体的には溶解性パラメーター(SP値)の差が1.0以上、好ましくは2.0以上のものが使用される。例えば、スチレン−アクリル系樹脂粒子に対しては、SP値が高いメタノール、エタノール、n−プロパノールなどのアルコール系、あるいはSP値が低いn−ヘキサン、n−ヘプタンなどを使用する。SP値の差があまりに大きすぎると、樹脂粒子に対する濡れが悪くなり、樹脂粒子の良好な分散が得られないため、最適なSP値の差は2〜5が好ましい。
【0130】
染料を溶解した有機溶媒中に樹脂粒子を分散させた後、液温度を樹脂粒子のガラス転移温度以下に保ち、撹拌することが好ましい。これにより、樹脂粒子の凝集を防ぎながら染着することが可能となる。撹拌の方法は市販されている撹拌機、例えばホモミキサー、マグネチックスタラーなどを用いて撹拌すればよい。また、分散重合などで重合終了時得られるスラリー、つまり有機溶媒中に重合樹脂粒子が分散している状態の分散液に、染料を直接添加して前記の条件にて加熱撹拌してもよい。加熱温度がガラス転移温度超過の場合は樹脂粒子同士の融着が生じてしまう。染着後のスラリーを乾燥する方法としては、特に限定はされないが、濾過した後に減圧乾燥あるいは濾別しないで直接減圧乾燥すればよい。本発明において濾別した後に風乾または減圧乾燥して得られた着色粒子は、凝集は殆どなく、投入した樹脂粒子の粒度分布を殆ど損なわないで再現される。
【0131】
次に、懸濁重合トナーについて説明する。
懸濁重合に使用される重合性単量体はビニル基を有するモノマーであり、具体的には以下のようなモノマーが挙げられる。すなわち、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ブチルスチレン、オクチルスチレンなどのスチレン及びその誘導体が挙げられ、なかでもスチレン単量体が最も好ましい。他のビニル系単量体として、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン系不飽和モノオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類、N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物類、ビニルナフタレンなどを挙げることができ、これらの単量体を単独あるいは混合して用いることができる。
【0132】
単量体組成物中には、架橋重合体を生成させるために、次のような架橋剤を存在させて懸濁重合させてもよい。架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2′−ビス(4−メタクリルロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−アクリルオキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールメタンテトラアクリレート、ジブロムネオペンチルグリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリルなどが挙げられる。架橋剤の使用量が多過ぎると、トナーが熱で溶融しにくくなり、熱定着性、熱圧定着性が劣ることになる。また、架橋剤の使用量が少くな過ぎると、トナーとして必要な耐ブロッキング性、耐久性などの性質が低下し、熱ロール定着において、トナーの一部が紙に完全に固着しないでロール表面に付着し、次の紙に転写するという、コールドオフセットが発生してしまう。従って、用いる架橋剤量は、重合性単量体100重量部に対して0.001〜15重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。
【0133】
また、得られるトナーのオフセット防止のために、重合組成物に離型剤を含有させることができる。離型剤としては低分子量のポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンが好ましい。この低分子量オレフィン重合体は、着色剤と共に重合性単量体中に分散させておくのが好ましい。なお、離型剤は重合性単量体100重量部に対して1〜15重量部使用することが好ましい。離型剤の使用量が1重量部未満では、得られたトナーが充分な離型効果をもたず、ローラ上にオフセットしやすくなる。逆に使用量が15重量部を超過すると、トナーから離型剤が摩擦帯電付与部材にスペントするようになるし、また、トナーの流動性が極めて悪くなる。
【0134】
単量体に含有される着色剤としては、従来知られている染料及びカーボンブラック、カーボンブラックの表面を樹脂で被覆してなるグラフト化カーボンブラックのような顔料が使用可能である。その他の着色剤としては、ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシン染料、アニリンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6G、レーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、モノアゾ系染料、ジスアゾ系染料などの染顔料がある。なお、これらの着色剤は、重合性単量体100重量部に対して0.1〜30重量部の量で使用できる。
【0135】
また、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンPー51、含金属アゾ染料のボントロンSー34、オキシナフトエ酸系金属錯体のEー82、サリチル酸系金属錯体のEー84、フェノール系縮合物のEー89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTPー302、TP一415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRAー901、ホウ素錯体であるLRー147(日本カ一リット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
【0136】
分散安定剤としては次のものが使用可能である。すなわち、ポリビニルアルコール、でん粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、タルク、粘土、珪藻土、金属酸化物粉末などが用いられる。これらは水に対して0.1〜10重量%の範囲で用いるのが好ましい。
【0137】
本発明において、重合開始剤は造粒後の単量体組成物を含む分散液中に添加してもよいが、個々の単量体組成物粒子に均一に重合開始剤を付与する点からは、造粒前の単量体組成物に含有させておくことが望ましい。このような重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス−(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メチキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスブチロニトリルなどのアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、イソプロピルパーオキサイド、2,4−ジクロリルベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイドなどの過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
【0138】
次に、乳化重合トナーについて説明する。
本乳化重合法では、無機分散剤または微粒子ポリマーの存在下で、水系媒体中にイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーをはじめとするトナー組成物を分散せしめ、アミン類により伸長反応あるいは架橋反応によりトナー粒子を形成させる。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルをさらにポリイソシアネート(3)と反応させた生成物などが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
【0139】
上記ポリオール(1)としては、ジオール(1−1)および3価以上のポリオール(1−2)が挙げられ、(1−1)単独、または(1−1)と少量の(1−2)の混合物が好ましい。ジオール(1−1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上のポリオール(1−2)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
【0140】
前記ポリカルボン酸(2)としては、ジカルボン酸(2−1)および3価以上のポリカルボン酸(2−2)が挙げられ、(2−1)単独、および(2−1)と少量の(2−2)の混合物が好ましい。ジカルボン酸(2−1)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上のポリカルボン酸(2−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、ポリカルボン酸(2)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
【0141】
前記ポリイソシアネート(3)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。ポリイソシアネート(3)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、変性ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0142】
末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のポリイソシアネート(3)構成成分の含有量は、通常0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは2〜20重量%である。0.5重量%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40重量%を超えると低温定着性が悪化する。イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0143】
前記アミン類(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックした化合物(B6)などが挙げられる。ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックした化合物(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。
【0144】
これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。さらに、必要により伸長停止剤を用いてウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。伸長停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超え、1/2未満では、ウレア変性ポリエステル(i)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。本発明においては、ウレア結合で変性されたポリエステル(i)中に、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0145】
本発明のウレア変性ポリエステル(i)は、ワンショット法、などにより製造される。ウレア変性ポリエステル(i)の重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステルの数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。(i)単独の場合は、数平均分子量は、通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
【0146】
本発明においては、前記ウレア結合で変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、変性されていないポリエステル(ii)をトナーバインダー成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様なポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、(ii)の酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすい傾向がある。
【0147】
トナー粒子は、水系媒体中でイソシアネート基を有するプレポリマー(A)からなる分散体を、アミン類(B)と反応させて形成してもよいし、あらかじめ製造したウレア変性ポリエステル(i)を用いてもよい。水系媒体中でウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)からなる分散体を安定して形成させる方法としては、水系媒体中にウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)からなるトナー原料の組成物を加えて、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。プレポリマー(A)と他のトナー組成物である(以下トナー原料と呼ぶ)着色剤、着色剤マスターバッチ、離型剤、荷電制御剤、未変性ポリエステル樹脂などは、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合してもよいが、あらかじめトナー原料を混合した後、水系媒体中にその混合物を加えて分散させた方がより好ましい。また、本発明においては、着色剤、離型剤、荷電制御剤などの他のトナー原料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。たとえば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
【0148】
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波など公知の方式の分散設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。高温である方が、ウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)からなる分散体の粘度が低く、分散が容易な点で好ましい。
【0149】
ウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)を含むトナー組成物100部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。2000重量部を超えると経済的でない。また、必要に応じて、分散剤を用いることもできる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
【0150】
トナー組成物が分散された油性相を水が含まれる液体に乳化、分散するための分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩、αーオレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性荊、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやNーアルキルーN,Nージメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
【0151】
また微粒子ポリマーも無機分散剤と同様な効果が確認された。このような例としては、MMAポリマー微粒子(1、及び3μm)、スチレン微粒子(0.5及び2μm)、スチレン−アクリロニトリル微粒子ポリマー(1μm)、あるいは市販例としてPB−200H(花王製)、SGP(総研)、テクノポリマーSB(積水化成品工業)、SGP−3G(総研)ミクロパール(積水ファインケミカル)などが挙げられる。また上記の無機分散剤、微粒子ポリマーとを併用して使用することも可能であり、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させてもよい。
例えば、アクリル酸、メタクリル酸、αーシアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β一ヒドロキシエチル、メタクリル酸β一ヒドロキシエチル、アクリル酸βーヒドロキシプロビル、メタクリル酸β一ヒドロキシプロピル、アクリル酸γーヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ一ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3ークロロー2一ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、Nーメチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエ一テル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ピニル、プロピオン酸ピニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビsニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
【0152】
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するためには系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に短時間で蒸発除去する方法を採用することができる。なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、伸長および/または架橋反応後、洗浄除去する方がトナーの帯電面から好ましい。
【0153】
さらに、トナー組成物の粘度を低くするために、前記ウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)が可溶の溶剤を使用することもできる。溶剤を用いる方が、粒度分布がシャープになる点で好ましい。用いる溶剤は沸点が100℃未満の揮発性であることが除去が容易である点から好ましい。
溶剤としては、例えばトルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。プレポリマー(A)100重量部に対する溶剤の使用量は、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。溶剤を使用した場合は、伸長および/または架橋反応後、常圧または減圧下にて加温し除去する。
【0154】
伸長および/または架橋反応時間は、プレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
【0155】
次に、本発明に用いられるトナーは球形に近い粒子が好ましく、平均円形度の値が0.95以上のものが好ましい。円形度は下記式(7)で求められる値で、1に近いほど球形な粒子であることを示している。
円形度=(トナー粒子と同面積の円の周囲長)/(トナー粒子の周囲長) …(7)
平均円形度は、各トナー粒子の円形度を平均した値である。トナーの円形度は、市販の画像解析装置を用いて光学顕微鏡または電子顕微鏡で観察したトナー画像を解析する方法や、例えばフロー式粒子像分析装置FPIA−1000(東亜医用電子社製)によって測定することができる。
【0156】
また、本発明に用いられるトナーの粒径は、体積平均粒径が3μm〜9μmであるものが望ましい。トナーの体積平均粒径が3μm以下では、粒径1μm以下の微粉トナーの割合が大きくなってしまい画像不良を発生しやすく、一方体積平均粒径が9μm以上では電子写真画像の高画質化の要求に対応するのが困難である。
【0157】
次に、本発明の画像形成装置に用いられる像担持体(感光体ドラム)の感光体について説明する。
本発明に用いられる感光体は、導電性支持体の上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層が形成されたもの、あるいはさらに電荷輸送層の上に保護層が形成されたもの等が使用される。導電性支持体および電荷発生層としては、公知のものならば如何なるものでも使用することができる。本発明の感光体の材料としては、セレン及びその合金、アモルファスシリコン等の無機感光体材料でもよいが、有機感光体材料が好適である。
【0158】
また、感光体の表面は導電性支持体の表面性や感光体の形成条件等の影響で凹凸が生じるが、感光体表面の凹凸はトナーが容易に移動できるような範囲にする必要がある。感光体表面の凹凸の周期がトナー粒径と同程度から数倍程度では、凹凸によってトナーの動きが阻害される。このため、感光体の表面は、凹凸の周期の平均値がトナーの体積平均粒径よりも十分大きく、少なくとも10倍以上にするのが好ましい。
【0159】
有機感光体の電荷発生層に用いる電荷発生顔料としては、例えばX型の無金属フタロシアニン、π型の無金属フタロシアニン、τ型の無金属フタロシアニン、ε型の銅フタロシアニン、α型チタニルフタロシアニン、β型チタニルフタロシアニン等のフタロシアニン顔料やジスアゾ・トリスアゾ系顔料、アントラキノン系顔料、多環キノン系顔料、インジゴ顔料、ジフェニルメタン、トリメチルメタン系顔料、シアニン系顔料、キノリン系顔料、ベンゾフェノン、ナフトキノン系顔料、ペリレン顔料、フルオレノン系顔料、スクアリリウム系顔料、アズレニウム系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、ポルフィリン系顔料が使用できる。これら電荷発生顔料の感光層全体に占める量は0.1〜40wt%、好ましくは0.3〜25重量%が適当である。なお、これらの電荷発生顔料は有機アクセプタ性化合物と組み合わせて使用することが可能である。
【0160】
また、電荷輸送層に用いる有機正孔輸送物質としては、公知のものが利用できる。例えば、分子中にトリフェニルアミン部位を有する化合物、ヒドラゾン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、オキサジアゾール系化合物、カルバゾール系化合物、ピラゾリン系化合物、スチリル系化合物、ブタジエン系化合物、線状の主鎖がSiよりなるポリシラン系化合物、ポリビニルカルバゾール等高分子ドナー性化合物等が挙げられる。感光層全体に占める該正孔輸送物質の量は、10重量%以上、好ましくは20〜60重量%が適当である。
【0161】
さらに、前記感光層用結着剤としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂等の付加重合型樹脂、重付加型樹脂、重縮合型樹脂、並びにこれらの繰り返し単位のうち2つ以上を含む共重合体樹脂、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂を挙げることができる。これら結着剤の感光層全体に占める量は20〜90重量%、好ましくは30〜70重量%である。
【0162】
また、帯電性を改良する目的で感光層と導電性支持体、いわゆる導電性基体との間に下引き層を設けることができる。これらの材料としては前記結着剤材料の他に、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリビニルピロリドン等公知のものが利用できる。
本発明で用いることができる導電性基体としては、公知のものが利用でき、アルミニウム、ニッケル、銅、ステンレス等の金属板、金属ドラムまたは金属箔、アルミニウム、酸化錫、ヨウ化銅の薄膜を塗布または貼付したプラスチックフィルムあるいはガラス等が挙げられる。
【0163】
本発明の有機感光体を作製するには、前記電荷発生材料を有機溶媒中に溶解または、ボールミル、超音波等で分散して調整した電荷発生層形成液を浸漬法やブレード塗布、スプレー塗布等の公知の方法で基体上に塗布・乾燥し、その上に前記電荷輸送材料を同様の方法で調整した電荷輸送層形成液を塗布・乾燥して形成すればよい。
【0164】
次に、本発明の画像形成装置に用いられる中間転写装置の中間転写体について説明する。
本発明に用いられる中間転写体としては、前記図1の例で示した転写ベルトや転写ローラを用いることができる。転写ベルトは、転写ローラに比べて転写ニップを広くとれ、また設計上の自由度が高いため、装置の小型化を可能とする等の利点があり、本発明に好適に用いられる。本発明に用いられる中間転写ベルトは、単層構成でもよいが、2層以上の多層構成であることが好ましく、特に、弾性を有する素材からなる弾性層を設けることが好ましい。これは、中間転写ベルトに弾性層があると、ベルトが変形することにより応力が分散するため中抜け画像が改善されるためである。しかし、中間転写ベルトが弾性層だけで構成されると、転写ベルトを駆動するときに転写ベルトが伸縮してしまうので、転写画像が色毎にずれてしまう色ずれ現象が発生しやすくなる。このため、転写ベルトの伸縮を抑制する層が必要になり、伸縮の少ない樹脂層や繊維を用いた芯体層等を設けることが好ましい。また、二次転写特性やクリーニング性から、ベルト表面に高離型性の表面層を設けることが好ましい。
【0165】
上記弾性層に使用される材料としては、ブチルゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、EPDM、NBR、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、シンジオタクチック1、2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン系ゴム、リコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴム、熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリウレア、ポリエステル系、フッ素樹脂系)等があるが、上記材料に限定されるものではない。
【0166】
また、上記樹脂層に使用される材料は、ポリカーボネート、フッ素系樹脂(ETFE、PVDF)、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−ジメチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−瘁|クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等があるが、上記材料に限定されるものではない。
【0167】
更に、前記芯体層に使用される繊維としては、綿、絹、麻などの天然繊維、キチン繊維、アルギン酸繊維等の再生繊維、アセテート繊維等の半合成繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアセタール繊維、アラミド繊維等の合成繊維、炭素繊維、ガラス繊維などの無機繊維等を用いることができるが、上記材料に限定されるものではない。
【0168】
表面層に使用される材料としては、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂等の1種類以上を使用し、フッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、2酸化チタン、シリコンカーバイト等の粉体粒子を1種類以上分散させたものや、フッ素系ゴム材料のように熱処理を行なうことで表面にフッ素リッチな層を形成させたものを使用することもできるが、上記材料に限定されるものではない。
【0169】
前記中間転写ベルトの抵抗値は導電性フィラーの添加条件によって調整されているが、本発明に用いられる中間転写ベルトの体積抵抗率は10〜1013Ωcmの範囲に調整されることが好ましい。中間転写ベルトの体積抵抗率が10Ωcm以下になると、電荷のリークが発生し十分な転写効率が得られなくなり、体積抵抗率が1013Ωcmを超えると転写後に残留電荷が発生するため、除電装置が必要になる。
【0170】
導電性フィラーとしては、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化錫、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化インジウム、チタン酸カリウム、酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO)、酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化物、導電性金属酸化物は、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の絶縁性微粒子を被覆したもの、4級アンモニウム塩含有ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアニリン、ポリビニルピロール、ポリジアセチレン、ポリエチレンイミン、含硼素高分子化合物及びポリピロール等が使用できるが、上記材料に限定されるものではない。
【0171】
中間転写ベルトの製造方法としては、回転する円筒形の型に材料を流し込んでベルトを形成する遠心成型法、表層の薄い膜を形成させるスプレイ塗工法、円筒形の型を材料の溶液の中に浸けて引き上げるディッピング法、内型と外型との中に注入する注型法、円筒形の型にコンパウンドを巻き付けて加硫研磨を行なう方法などがあるが、これに限定されるものではなく、複数の製法を組み合わせてベルトを製造することができる。
【0172】
本発明の各作像手段を備えた画像形成装置においては、構成手段の作業手段の保守や交換性を良好なものとするため、像担持体と、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段から選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し画像形成装置に着脱自在とし、該現像手段をトナーもしくは二成分現像剤を保持するプロセスカートリッジとして構成して用いることができる。
【0173】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
(実施例1)
まず、本実施例に使用したトナーについて説明する。
スチレンモノマー40重量部にカーボンブラックMA100(三菱化成社製)20重量部と重合開始剤として2,2′−アゾビスイソブチロニトリルを0.5重量部加え、スリーワンモータ駆動撹拌翼、冷却器、ガス導入管、温度計を取り付けた500ml四つ口セパラブルフラスコに入れ、窒素気流下、室温で30分間撹拌し、フラスコ内の酸素を窒素で置換した。その後、70℃の湯浴中で6時間60rpmにて撹拌し、グラフトカーボンブラックを得た。
次いで、下記分散液組成の混合物をボールミルで10時間分散した。
【0174】
〈分散液組成〉
スチレンモノマー 50重量部
n−ブチルメタクリレート 14.5重量部
1,3−ブタンジオールジメタアクリレート 0.5重量部
t−ブチルアクリルアミドスルフォン酸 3重量部
低分子量ポリエチレン 2重量部
(三井石油化学社製、三井ハイワックス210P)
上記グラフトカーボンブラック 30重量部
【0175】
この分散液に2,2′−アゾビスイソブチロニトリルおよび亜硝酸ナトリウムをそれぞれ1重量部ずつ溶解させた後、ポリビニルアルコールの2%水溶液250重量部に加え、特殊機化社製TKホモミキサー4200rpm、10分間にて撹拌して懸濁液を得た。上記懸濁液をスリーワンモータ駆動撹拌翼、冷却器、ガス導入管、温度計を取り付けた500mlの四つ口セパラブルフラスコに入れ、窒素気流下、室温で撹拌し、フラスコ内の酸素を窒素で置換した。その後、70℃の湯浴中で5〜8時間、約100rpmにて撹拌して重合を完了させ懸濁重合粒子を作製した。この粒子100重量部を、水/メタノール=1/1(重量比)の混合液に固形分として30%になるよう再分散した後、荷電制御剤としてHN(CH CH=C(C を3重量部添加し、撹拌後濾過乾燥して、平均円形度が0.985、体積平均粒径Dが6.8μmの重合粒子Aを得た。なお、平均円形度の測定はフロー式粒子像分析装置FPIA−1000(東亜医用電子社製)、体積平均粒径Dの測定はコールター社製粒径測定装置TA−II型を用いて実施した。
上記重合粒子Aに、疎水化処理したシリカA(一次粒子径平均値14nm)をトナー量の0.8重量%、疎水化処理したシリカB(一次粒子径平均値120nm) をトナー量の0.6重量%、疎水化処理した酸化チタンA(一次粒子径平均値15nm)をトナー量の0.6重量%となるように配合し、ヘンシェルミキサーによって攪拌混合処理して実施例1のトナーを作製した。
【0176】
作製した実施例1のトナーについて、以下に述べる方法で外添剤被覆率を測定した。電子顕微鏡用観察基板にトナーを付着させ、トナーの付着した観察基板を金でコーティングし、トナーの表面を電子顕微鏡(日立製作所製走査電子顕微鏡S−4500)で観察した。トナー表面を3万倍に拡大した画像をパーソナルコンピュータに取り込み、画像処理ソフト(Media Cybernetics製Image−Pro Plus)を用いて外添剤の面積を計測し、トナー表面画像の面積に対する外添剤面積の比を計算して外添剤被覆率を求めた。5個以上のトナーについて外添剤被覆率を測定し、その平均値を求めた結果、トナーの外添剤被覆率の平均値は54.1%であった。
【0177】
次に、本実施例に使用した画像形成装置用感光体について説明する。
下記構造式(1)のビスアゾ顔料0.4重量部をブチラール樹脂(エスレックBL−S 積水化学(株)製)の5重量%テトラヒドロフラン溶液4重量部、及びテトラヒドロフラン 7.6重量部とともにボールミリングを行い、ミリング後テトラヒドロフランを加えて2重量%に希釈し、電荷発生層形成用塗布液を調整した。この電荷発生層形成用塗布液をφ90mmのアルミニウム製感光体ドラムに浸漬法により塗布・乾燥させて電荷発生層を形成した。
【0178】
【化1】
Figure 2004251923
【0179】
次に、下記構造式(2)の正孔輸送物質を6.0重量部と、感光体バインダー樹脂としてシクロヘキシリデンビスフェノールポリカーボネート(Zポリカ,帝人化成TS2050)9.0重量部を、テトラヒドロフラン67重量部に溶解し、電荷輸送層形成用塗布液を調整し、これを浸漬法で電荷発生層上に塗布・乾燥させて、膜厚が20μmの電荷輸送層を形成し、本実施例の有機感光体を作製した。
【0180】
【化2】
Figure 2004251923
【0181】
本実施例の有機感光体の表面形状を日本真空技術製の触針式表面形状測定器DEKTAKを用いて測定した結果、表面凹凸の周期の平均値は570μmで、トナーの体積平均粒径の約80倍であった。
【0182】
次に、本実施例に使用した中間転写ベルトを次のようにして作製した。
円筒形の型をフッ素系樹脂(PVDF)にカーボンブラックを均一に分散させた分散液に浸け、静かに引き上げて室温にて乾燥させた。この工程を繰り返して、円筒形型の表面に厚みが150μmの樹脂層を形成した。次に、この樹脂層が形成されている円筒形型を、ウレタンゴムにカーボンブラックを均一に分散させた分散液に浸け、静かに引き上げて自然乾燥させた。この工程を繰り返して、前記樹脂層の表面に厚みが300μmの弾性層を形成した。さらに、上記の樹脂層及び弾性層が形成されている円筒形型を、ポリウレタンにPTFE樹脂粒子を均一に分散させた分散液に浸け、静かに引き上げて自然乾燥させた。この工程を繰り返して、弾性層の表面に厚みが10μmの表面層を形成後、加熱硬化処理をおこなった。最後に、樹脂層(150μm)、弾性層(300μm)、表面層(10μm)の3層構成からなる無端状ベルトを円筒形型から脱型させ、本実施例の中間転写ベルトを得た。樹脂層及び弾性層に分散させたカーボンブラックの添加量は、中間転写ベルトの体積抵抗率が1011〜1012Ωcmとなるように調整した。
【0183】
次に、リコー製カラー複写機Imagio Color 4000改を用いて、転写ベルト上の画像評価を実施した。Imagio Color 4000では、現像は二成分現像方式、転写は中間転写ベルト方式を用いているので、これを改造し、一色のみを現像するようにし、さらに外部信号によって任意のタイミングで作像プロセスを止められるようにした。また、中間転写ベルトの線速を任意に設定できるように改造した。さらに、潤滑剤のステアリン酸亜鉛を、感光体ドラム及び中間転写ベルトへ塗布するか、否かを選択できるように改造した。
【0184】
感光体ドラム上に複数の細線画像の潜像を書き込み、一次転写の途中で作像プロセスを止め、転写ベルトユニットを複写機から取り出し、転写ベルト上の画像評価を実施し、細線画像の中抜け発生状況の程度を評価した。中抜け画像に対する4段階の評価見本を用意し、画像を目視及び光学顕微鏡によって観察し、評価見本と比較することによって以下に示す4段階で評価した。
4:問題が無い、3:ほぼ問題が無い、2:やや問題がある、1:問題がある
【0185】
実施例1では、感光体の線速に対する中間転写ベルトと感光体の線速差の比を5%に設定し、感光体に対してはステアリン酸亜鉛を塗布し、中間転写ベルトには塗布しないように設定し、Imagio Color 4000で使用しているキャリアと本実施例のトナーをトナー濃度が5重量%となるように混合して作製した二成分現像剤(現像剤を交換)、および本実施例の感光体及び中間転写ベルトを用いた場合の、初期と5万枚連続複写後の画像評価の結果を表1に示す。
【0186】
前記に説明した摩擦力測定方法により、本実施例のトナーと感光体間の摩擦力Fp及びトナーと中間転写ベルト間の摩擦力Ftを以下のようにして測定した。本実施例の有機感光体材料を、アルミ蒸着したPETフィルム上に塗布して有機感光体膜を形成し、その上にステアリン酸亜鉛を塗布した。このフィルムを5×6mmの長方形に切り出し、測定基板上にプラスチック用接着剤を用いて貼り付けた。本実施例のトナーをキャリアから分離して、感光体上に自然落下させて付着させ、前記の摩擦力測定方法を用いてFpを測定した。また、本実施例の中間転写ベルトを5×6mmの長方形に切り出し、測定基板上にプラスチック用接着剤を用いて貼り付けた。本実施例のトナーをキャリアから分離して、感光体上に自然落下させて付着させ、前記の摩擦力測定方法を用いてFtを測定した。
Fp/Ftの値を表1に示す。なお、摩擦力測定に使用した装置及び測定条件は下記のとおりである。
【0187】
〈摩擦力測定に使用した装置及び測定条件〉
遠心装置:日立工機製CP100α(最高回転数:100、000rpm、最大加速度:800、000g)
ロータ:日立工機製アングルロータP100AT
画像処理装置:インタークエスト製Hyper700
測定基板:長方形のアルミニウム板(5.2×6.2mm)
保持部材:直径13mm、長さ59mmの円筒で、材料はアルミニウム。
ロータの中心軸からトナー個数測定位置までの距離:61.2mm
設定回転数f:1000、1600、2200、2700、3200、5000、7100、8700、10000、15800、22400、31600、50000、70700、86600、100000(rpm)
【0188】
さらに、前記に説明した遠心分離法により、本実施例の未帯電トナーと感光体間の付着力を測定した。上記の有機感光体膜を形成したフィルムを直径7.8mmの円板状に切り出し、遠心分離に使用する試料基板上にプラスチック用接着剤を用いて貼り付けた。本実施例のトナーを自然落下させて感光体上に付着させ、前記の遠心分離法を用いてトナーと感光体間の非静電的付着力を測定し、平均値Fの値を求めた。Fと体積平均粒径Dから求めたF/Dの値を表1に示す。なお、付着力測定に使用した装置及び測定条件は下記のとおりである。
【0189】
〈付着力測定に使用した装置及び測定条件〉
遠心分離装置:日立工機製CP100α
ロータ:日立工機製アングルロータP100AT
画像処理装置:インタークエスト製Hyper700
試料基板と受け基板:直径8mm、厚み1.5mmの円板で、材料はアルミニウム。
スペーサ:外径8mm、内径5.2mm、厚み1mmでのリングで、材料はアルミニウム。
保持部材:直径13mm、長さ59mmの円筒で、材料はアルミニウム。
ロータの中心軸から試料基板のトナー付着面までの距離:64.5mm
設定回転数f:1000、1600、2200、2700、3200、5000、7100、8700、10000、15800、22400、31600、50000、70700、86600、100000(rpm)
【0190】
表1に示すように、本実施例では、Fp/Ftは1以下で、F/Dの値が本発明の請求項に記載した範囲内にあり、中抜けの発生が問題の無い段階にあり、良好な画像が得られた。
【0191】
(実施例2)
実施例1と同じ現像剤、感光体、中間転写ベルトを用い、感光体の線速に対する中間転写ベルトと感光体の線速差の比を5%に設定し、感光体及び中間転写ベルトにステアリン酸亜鉛を塗布し、実施例1と同様の画像評価を実施した結果を表1に示す。また、感光体及び中間転写ベルトにステアリン酸亜鉛を塗布した場合のFp/Ft、F/Dを実施例1と同様にして測定した結果を併せて表1に示す。
【0192】
表1に示すように、本実施例2では、F/Dの値が本発明の請求項に記載した範囲内にあり、Fp/Ftは1以下で、中抜けの発生がほぼ問題の無い段階にあり、良好な画像が得られた。
【0193】
(参考例1)
実施例1と同じ現像剤、感光体、中間転写ベルトを用い、感光体の線速に対する中間転写ベルトと感光体の線速差の比を5%に設定し、感光体にはステアリン酸亜鉛を塗布せず、中間転写ベルトにステアリン酸亜鉛を塗布し、実施例1と同様の画像評価を実施した結果を表1に示す。また、感光体にステアリン酸亜鉛を塗布せず、中間転写ベルトにステアリン酸亜鉛を塗布した場合のFp/Ft、F/Dを実施例1と同様にして測定した結果を併せて表1に示す。
【0194】
表1に示すように、本参考例1では、F/Dの値は本発明の請求項に記載した範囲内にあるが、Fp/Ftは1よりも大きく、中抜けが発生した。
【0195】
(参考例2)
実施例1と同じ現像剤、感光体、中間転写ベルトを用い、感光体の線速に対する中間転写ベルトと感光体の線速差の比を5%に設定し、感光体及び中間転写ベルトにステアリン酸亜鉛を塗布せず、実施例1と同様の画像評価を実施した結果を表1に示す。また、感光体及び中間転写ベルトにステアリン酸亜鉛を塗布しない場合のFp/Ft、F/Dを実施例1と同様にして測定した結果を併せて表1に示す。
【0196】
表1に示すように、本参考例2では、F/Dの値は本発明の請求項に記載した範囲内にあるが、Fp/Ftは1よりも大きく、中抜けが発生した。
【0197】
(実施例3)
実施例1と同じ現像剤、感光体、中間転写ベルトを用い、感光体の線速に対する中間転写ベルトと感光体の線速差の比を1%に設定し、感光体にステアリン酸亜鉛を塗布し、中間転写ベルトにはステアリン酸亜鉛を塗布せず、実施例1と同様の画像評価を実施した結果を表1に示す。また、感光体にステアリン酸亜鉛を塗布し、中間転写ベルトにはステアリン酸亜鉛を塗布しない場合のFp/Ft、F/Dを実施例1と同様にして測定した結果を併せて表1に示す。
【0198】
表1に示すように、本実施例3は線速差が小さいので、実施例1に比べるとやや中抜けが発生しているが、ほぼ問題の無い段階にあり、良好な画像が得られた。
【0199】
(参考例3)
実施例1と同じ現像剤、感光体、中間転写ベルトを用い、感光体の線速に対する中間転写ベルトと感光体の線速差の比を10%に設定し、感光体にステアリン酸亜鉛を塗布し、中間転写ベルトにはステアリン酸亜鉛を塗布せず、実施例1と同様の画像評価を実施した結果を表1に示す。また、感光体にステアリン酸亜鉛を塗布し、中間転写ベルトにはステアリン酸亜鉛を塗布しない場合のFp/Ft、F/Dを実施例1と同様にして測定した結果を併せて表1に示す。
【0200】
表1に示すように、本参考例3は中抜けの発生は問題ないが、線速差が10%と大きいため、画像ムラが発生した。
【0201】
(実施例4)
実施例1で得た重合粒子Aに、シリカAを0.2重量%、シリカBを0.2重量%、酸化チタンAを0.2重量%配合し、ヘンシェルミキサーによって攪拌混合処理して実施例4のトナーを作製した。実施例1と同様にして外添剤被覆率を測定した結果、トナーの外添剤被覆率の平均値は18.2%となった。Imagio Color 4000で使用しているキャリアと本実施例のトナーを、トナー濃度が5重量%となるように混合して、実施例4の二成分現像剤を作製した。
【0202】
実施例4の現像剤と、実施例1と同じ感光体及び中間転写ベルトを用い、感光体の線速に対する中間転写ベルトと感光体の線速差の比を5%に設定し、感光体にステアリン酸亜鉛を塗布し、中間転写ベルトにはステアリン酸亜鉛を塗布せず、実施例1と同様の画像評価を実施した結果を表1に示す。また、感光体にステアリン酸亜鉛を塗布し、中間転写ベルトにはステアリン酸亜鉛を塗布しない場合のFp/Ft、F/Dを実施例1と同様にして測定した結果を併せて表1に示す。
【0203】
表1に示すように、本実施例4では、Fp/Ftは1以下で、F/Dの値が本発明の請求項に記載した範囲内にあり、中抜けの発生がほぼ問題の無い段階にあり、良好な画像が得られた。
【0204】
(実施例5)
実施例1で得た重合粒子Aに、シリカAを1.2重量%、シリカBを0.7重量%、酸化チタンAを1.0重量%配合し、ヘンシェルミキサーによって攪拌混合処理して実施例5のトナーを作製した。実施例1と同様にして外添剤被覆率を測定した結果、トナーの外添剤被覆率の平均値は69.7%となった。Imagio Color 4000で使用しているキャリアと本実施例のトナーを、トナー濃度が5重量%となるように混合して、実施例5の二成分現像剤を作製した。
【0205】
実施例5の現像剤と、実施例1と同じ感光体及び中間転写ベルトを用い、感光体の線速に対する中間転写ベルトと感光体の線速差の比を5%に設定し、感光体にステアリン酸亜鉛を塗布し、中間転写ベルトにはステアリン酸亜鉛を塗布せず、実施例1と同様の画像評価を実施した結果を表1に示す。また、感光体にステアリン酸亜鉛を塗布し、中間転写ベルトにはステアリン酸亜鉛を塗布しない場合のFp/Ft、F/Dを実施例1と同様にして測定した結果を併せて表1に示す。
【0206】
表1に示すように、本実施例5では、Fp/Ftは1以下で、F/Dの値が本発明の請求項に記載した範囲内にあり、中抜けの発生が問題の無い段階にあり、良好な画像が得られた。
【0207】
(参考例4)
実施例1で得た重合粒子Aに、シリカAを0.1重量%、シリカBを0.15重量%、酸化チタンAを0.05重量%配合し、ヘンシェルミキサーによって攪拌混合処理して参考例4のトナーを作製した。実施例1と同様にして外添剤被覆率を測定した結果、トナーの外添剤被覆率の平均値は9.5%となった。Imagio Color 4000で使用しているキャリアと本比較例のトナーを、トナー濃度が5重量%となるように混合して、参考例4の二成分現像剤を作製した。
【0208】
参考例4の現像剤と、実施例1と同じ感光体及び中間転写ベルトを用い、感光体の線速に対する中間転写ベルトと感光体の線速差の比を5%に設定し、感光体にステアリン酸亜鉛を塗布し、中間転写ベルトにはステアリン酸亜鉛を塗布せず、実施例1と同様の画像評価を実施した結果を表1に示す。また、感光体にステアリン酸亜鉛を塗布し、中間転写ベルトにはステアリン酸亜鉛を塗布しない場合のFp/Ft、F/Dを実施例1と同様にして測定した結果を併せて表1に示す。
【0209】
表1に示すように、本参考例4では、Fp/Ftは1以下だが、F/Dの値が大きく、中抜けが発生した。
【0210】
(実施例6)
下記組成の混合物をヘンシェルミキサー中で十分撹拌混合した後、ロールミルにより130〜140℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後、ハンマーミルを用いて得られた混練物を約1mm〜2mmに粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕し、不定形の粒子Bを得た。
【0211】
〈混合物組成〉
ポリエステル樹脂(重量平均分子量25万) 80重量部
スチレン−メチルメタアクリレート共重合体 20重量部
酸価ライスワックス(酸価15) 5重量部
カーボンブラック(三菱化成工業社製、#44) 8重量部
含金属モノアゾ染料 3重量部
【0212】
上記混合物から得た粒子Bを、奈良機械製作所製のハイブリダイゼーションシステムにより回転数12000rpmで5分間処理して球形化し、風力式分級機を用いて分級し、平均円形度が0.961、体積平均粒径が7.1μmの粒子Cを得た。粒子Cに、シリカAを0.8重量%、シリカBを0.7重量%、酸化チタンAを0.7重量%配合し、ヘンシェルミキサーによって攪拌混合処理して実施例6のトナーを作製した。実施例1と同様にして外添剤被覆率を測定した結果、トナーの外添剤被覆率の平均値は52.3%となった。Imagio Color 4000で使用しているキャリアと本実施例のトナーを、トナー濃度が5重量%となるように混合して、実施例6の二成分現像剤を作製した。
【0213】
実施例6の二成分現像剤と、実施例1と同じ感光体及び中間転写ベルトを用い、感光体の線速に対する中間転写ベルトと感光体の線速差の比を5%に設定し、感光体にステアリン酸亜鉛を塗布し、中間転写ベルトにはステアリン酸亜鉛を塗布せず、実施例1と同様の画像評価を実施した結果を表1に示す。また、感光体にステアリン酸亜鉛を塗布し、中間転写ベルトにはステアリン酸亜鉛を塗布しない場合のFp/Ft、F/Dを実施例1と同様にして測定した結果を併せて表1に示す。
【0214】
表1に示すように、本実施例6では、Fp/Ftは1以下で、F/Dの値が本発明の請求項に記載した範囲内にあり、中抜けの発生が問題の無い段階にあり、良好な画像が得られた。
【0215】
(参考例5)
実施例6で得た粒子Bに、シリカAを0.8重量%、酸化チタンAを0.9重量%配合し、ヘンシェルミキサーによって攪拌混合処理して参考例5のトナーを作製した。実施例1と同様にして外添剤被覆率を測定した結果、トナーの外添剤被覆率の平均値は47.5%となった。Imagio Color 4000で使用しているキャリアと本比較例のトナーを、トナー濃度が5重量%となるように混合して、参考例5の二成分現像剤を作製した。
【0216】
参考例5の二成分現像剤と、実施例1と同じ感光体及び中間転写ベルトを用い、感光体の線速に対する中間転写ベルトと感光体の線速差の比を5%に設定し、感光体にステアリン酸亜鉛を塗布し、中間転写ベルトにはステアリン酸亜鉛を塗布せず、実施例1と同様の画像評価を実施した結果を表1に示す。また、感光体にステアリン酸亜鉛を塗布し、中間転写ベルトにはステアリン酸亜鉛を塗布しない場合のFp/Ft、F/Dを実施例1と同様にして測定した結果を併せて表1に示す。
【0217】
表1示すように、本参考例5では、Fp/Ftは1以下で、F/Dの値が本発明の請求項に記載した範囲内にあり、現像剤交換後の初期には中抜けの発生が問題の無い段階にあったが、連続複写後には中抜けが発生している。これは、参考例5のトナーでは粒子径の大きな外添剤を用いていないため、連続複写により外添剤が埋没し、付着力が増大したためと考えられる。
【0218】
(実施例7)
実施例6で得た不定形粒子Bを、奈良機械製作所製のハイブリダイゼーションシステムにより回転数12000rpmで30秒間処理して球形化し、風力式分級機を用いて分級し、平均円形度が0.938、体積平均粒径が7.3μmの粒子Dを得た。粒子Dに、シリカAを0.9重量%、シリカBを0.8重量%、酸化チタンAを0.8重量%配合し、ヘンシェルミキサーによって攪拌混合処理して実施例7のトナーを作製した。実施例1と同様にして外添剤被覆率を測定した結果、トナーの外添剤被覆率の平均値は48.6%となった。Imagio Color 4000で使用しているキャリアと本実施例のトナーを、トナー濃度が5重量%となるように混合して、実施例7の二成分現像剤を作製した。
【0219】
実施例7の二成分現像剤と、実施例1と同じ感光体及び中間転写ベルトを用い、感光体の線速に対する中間転写ベルトと感光体の線速差の比を5%に設定し、感光体にステアリン酸亜鉛を塗布し、中間転写ベルトにはステアリン酸亜鉛を塗布せず、実施例1と同様の画像評価を実施した結果を表1に示す。また、感光体にステアリン酸亜鉛を塗布し、中間転写ベルトにはステアリン酸亜鉛を塗布しない場合のFp/Ft、F/Dを実施例1と同様にして測定した結果を併せて表1に示す。
【0220】
表1に示すように、本実施例7は平均円形度が低いが、Fp/Ftは1以下で、F/Dの値が本発明の請求項に記載した範囲内にあるので、中抜けの発生がほぼ問題の無い段階にあり、良好な画像が得られた。
【0221】
(参考例6)
実施例7で得た粒子Dに、シリカAを0.2重量%、シリカBを0.2重量%、酸化チタンAを0.1重量%配合し、ヘンシェルミキサーによって攪拌混合処理して参考例6のトナーを作製した。実施例1と同様にして外添剤被覆率を測定した結果、トナーの外添剤被覆率の平均値は10.7%となった。ImagioColor 4000で使用しているキャリアと本実施例のトナーを、トナー濃度が5重量%となるように混合して、参考例6の二成分現像剤を作製した。
【0222】
参考例6の二成分現像剤と、実施例1と同じ感光体及び中間転写ベルトを用い、感光体の線速に対する中間転写ベルトと感光体の線速差の比を5%に設定し、感光体にステアリン酸亜鉛を塗布し、中間転写ベルトにはステアリン酸亜鉛を塗布せず、実施例1と同様の画像評価を実施した結果を表1に示す。また、感光体にステアリン酸亜鉛を塗布し、中間転写ベルトにはステアリン酸亜鉛を塗布しない場合のFp/Ft、F/Dを実施例1と同様にして測定した結果を併せて表1に示す。
【0223】
表1に示すように、本参考例6では、Fp/Ftは1以下だが、F/Dの値が大きく、中抜けが発生した。
【0224】
【表1】
Figure 2004251923
【0225】
【発明の効果】
請求項1〜17の発明によれば、新規に開発した本発明の遠心分離法により感光体に対するトナーの摩擦力(Fp)と中間転写体に対するトナーの摩擦力(Ft)とが容易に測定でき、Fp/Ftを1以下となるような構成を容易に設定することができ、転写中抜けの発生が抑制され、画像不良が生じない高画質の画像形成装置を提供することができる。また、像担持体像の線速に対する中間転写体と像担持体の線速差の比を5%以内に設定したことにより、画像長さの変動が抑えられ、転写中抜けの発生と画像品質の低下を抑制し、さらに像担持体の表面に潤滑剤を塗布する手段を有することにより、トナーと像担持体間の摩擦が小さくなり、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を用いることにより、成形加工を容易とし、安定した画像を提供することができる。
さらに、新規に開発した本発明の遠心分離法により感光体に対するトナーの付着力が容易に測定でき、F/Dが4.5nN/μm以下となるような構成を容易に設定することができてトナーの非静電的付着力を適切な大きさとし、トナーの凝集を抑制して転写中抜けの発生を抑えることができる。
また、一次粒子径の平均値が30nm〜300nmである微粒子を少なくとも1種類以上含む外添剤(疎水化処理されたシリカ、チタン、アルミナのいずれかを少なくとも1種類以上含有)を用いてトナーの表面を被覆し、そのの被覆面積比率の平均値を15〜100%となるように調整することにより、トナーから外添剤が分離せず、外添剤がトナー中に埋没することなく転写中抜けの発生を抑制し、高転写性を維持することができる。
さらに、製造工程(重合法)あるいは製造後の工程において球形化(平均円形度が0.95〜1.0、体積平均粒径が3〜9μm)したトナーを用いることにより、転写中抜けの発生を抑制して高画質化に対応することができる。さらに、表面凹凸の周期(平均値)がトナーの体積平均粒径の10倍以上となる感光体を用いるので、トナーの移動が阻害されることなく転写中抜けの発生を抑制することができる。また、像担持体として、有機感光体(導電性支持体/電荷発生層/電荷輸送層/必要により保護層を形成)を用いるため、高品質の画像が得られる。
さらにまた、中間転写体として中間転写ベルトを用いるため、転写ニップが広く、設計の自由度が高く小型化が可能であり、体積抵抗率(10〜1013Ωcm)の調整により、電荷リークによる転写率の低下や残留電荷による画像不良の発生を抑制することができる。
請求項18および19の発明によれば、外添剤がトナー中に埋没せず、またトナーの摩擦力が制御されるため、中抜けの発生を抑制し、画像不良の発生を防いで高画質の画像形成に対応することができる。
請求項20の発明によれば、作業手段の保守、交換性が良好となり、トナー像を記録材に転写する際に中抜けを起すことなく高画質の画像を出力することができる。
請求項21〜25の発明によれば、前記実施例1、3、4、6、10と同様に転写中抜けの発生が抑制され、画像不良が生じない高画質の画像が得られる画像形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明の画像形成装置に設置される二成分現像剤を供給する現像装置の一例を示す概略構成図である。
【図3】実施の形態においてトナーと感光体間に作用する摩擦力を説明するための概念図である。
【図4】実施の形態において本発明に係るトナーと感光体間およびトナーと中間転写体間の摩擦力を測定する遠心分離装置の要部断面を示す側面図である。
【図5】本発明に係る摩擦力の代表値を求めるため、ロータ回転数(f)と遠心力で移動したトナー個数の割合(%)との関係からf50を求める方法を示す図である。
【図6】実施の形態において本発明に係るトナーと感光体間の付着力を測定する測定セルを説明するための概略斜視図である。
【図7】実施の形態において本発明に係るトナーと感光体間の付着力を測定する遠心分離装置の要部断面を示す側面図である。
【符号の説明】
11 感光体ドラム
12 帯電装置
13 露光装置
14 現像装置
14B、14C、14M、14Y 現像装置
15 潤滑剤塗布装置
16 クリーニング装置
17 除電装置、
18 回転ブラシ
19 潤滑剤
25 転写装置
26a〜26f ローラ
27 中間転写ベルト
28 クリーニング装置
29 記録材
30 定着装置
31 定着ローラ
32 加圧ローラ
41 スクリュー
42 現像スリーブ
43 ドクターブレード
51 遠心分離装置
52 回転中心軸
53 ロータ
54 試料設置部
55 保持部材
55a 角度調整部
55b 設置固定部
55c 棒状部
55d ガイド
55e ネジ
55f 基板保持部
56 測定基板
56a 付着面
61 測定セル
62 試料基板
62a 試料面
63 受け基板
63a 付着面
64 スペーサ
75 遠心分離装置
76 ロータ
77 保持部材
77a 棒状部
77b セル保持部
77c 穴部
77d 設置固定部
78 試料設置部
79 回転中心軸

Claims (25)

  1. 少なくとも、像担持体に静電潜像を形成する手段と、像担持体上にトナーを用いて画像を形成する現像手段と、像担持体上に形成されたトナー画像を中間転写体に転写する一次転写手段と、中間転写体上のトナー画像を記録材上に転写する二次転写手段とを備えた画像形成装置において、
    前記像担持体および中間転写体上のトナーに対して各付着面に水平な方向に遠心力を作用させて、該トナーの半数が移動するのに要する遠心力を摩擦力として設定し、像担持体に対する摩擦力の値をFpおよび中間転写体に対する摩擦力の値をFtとした場合に、FpとFtとの比(Fp/Ft)が1以下であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記FpおよびFtは、前記像担持体または中間転写体と同質の表面が形成された基板上にトナーを付着し、次にトナー付着面の一部の領域について初期のトナー粒子数を計測し、次いでトナー付着面に水平な方向に遠心力が作用するように該基板を遠心分離装置に装着して、回転数を低回転数から高回転数へ段階的に上げて基板を回転し、各回転後にトナー付着面の前記一部の領域についてトナー粒子数を計測した後、トナー粒子数が移動により初期の半数になる回転数f50(rpm)を求め、下記式(1)により遠心力(Fc)を算出し、これを摩擦力の代表値とする方法により設定されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
    Figure 2004251923
    (但し、ρ:トナーの真比重(kg/m)、D:トナーの体積平均粒径(m)、r:回転半径(m)を表す。)
  3. 前記像担持体上に形成されたトナー画像を中間転写体に転写する該中間転写体の線速を該像担持体の線速と異なるように設定し、像担持体の線速に対する中間転写体と像担持体の線速差の比を1〜5%の範囲内に設定したことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記像担持体の表面に潤滑剤を塗布する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 前記潤滑剤がステアリン酸亜鉛であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記像担持体上の未帯電トナーに対して付着面に垂直な方向に所定の回転数で逐次遠心力を作用させ、脱離トナーに作用する遠心力を全ての回転数の各脱離トナーについて平均した値を付着力の平均値Fとして設定し、該平均値F(nN)とトナーの体積平均粒径D(μm)との比(F/D)が4.5nN/μm以下となるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  7. 前記Fは、前記像坦持体と同質の表面が形成された基板上に未帯電トナーを付着し、該基板のトナー付着面が受け基板と対面するようにスペーサを介して測定セルを構成し、次いでトナー付着面の垂直な方向に遠心力が作用するように該測定セルを遠心分離装置に装着して、回転数を上げながら各設定回転後に測定セルの受け基板を取り替え、全ての設定回転数について遠心分離をした後、前記各受け基板の一部の領域について付着した各トナーの粒径dを計測するとともに、トナー脱離前後の回転数f(rpm)における遠心力(Fc)を下記式(2)により算出し、トナー脱離前後の回転数におけるFcの算術平均値を各トナーの付着力とし、計測した全トナーの付着力に関する常用対数の算術平均Aから、トナー付着力の平均値F=10を求める方法により設定することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
    Figure 2004251923
    (但し、ρ:トナーの真比重(kg/m)、d:トナーの粒径(m)、r:回転半径(m)を表す。)
  8. 前記用いられるトナーは、一次粒子径の平均値が30nm〜300nmである微粒子を少なくとも1種類以上含む外添剤によって表面が被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  9. 前記用いられるトナー1粒子の表面積に対する外添剤の被覆面積比率の平均値が15〜100%となるように調整したことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記外添剤として、疎水化処理されたシリカ、酸化チタンあるいはアルミナのいずれかを少なくとも1種類以上含有することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  11. 前記用いられるトナーは、製造工程あるいは熱や機械的力による製造後の工程において球形化されたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  12. 前記製造工程は、重合法であることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 前記球形化されたトナーの平均円形度は、0.95〜1.0であることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
  14. 前記用いられるトナーの体積平均粒径Dは、3〜9μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  15. 前記像担持体における表面凹凸の周期は、その平均値がトナーの体積平均粒径Dの10倍以上となるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  16. 前記像担持体の感光体は、導電性支持体上に少なくとも有機材料からなる電荷発生層と電荷輸送層とが順次形成され、必要により更に保護層が形成された構成からなる有機感光体であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  17. 前記中間転写体として中間転写ベルトを用い、該中間転写ベルトの体積抵抗率が10〜1013Ωcmとなるように調整したことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  18. 少なくとも、像担持体に静電潜像を形成する手段と、像担持体上にトナーを用いて画像を形成する現像手段と、像担持体上に形成されたトナー画像を中間転写体に転写する一次転写手段と、中間転写体上のトナー画像を記録材上に転写する二次転写手段とを備えた画像形成装置に用いられるトナーであって、
    該トナーは平均円形度が0.95〜1.0で、体積平均粒径が3〜9μmとなるように球形化され、かつ一次粒子径が30〜300nmの外添剤によってその表面が被覆されていることを特徴とするトナー。
  19. 請求項18に記載のトナーとキャリアを混合したことを特徴とする二成分現像剤。
  20. 少なくとも、像担持体に静電潜像を形成する手段と、像担持体上にトナーを用いて画像を形成する現像手段と、像担持体上に形成されたトナー画像を中間転写体に転写する一次転写手段と、中間転写体上のトナー画像を記録材上に転写する二次転写手段とを備えた画像形成装置における像担持体と、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段から選ばれる少なくとも一つの手段とを一体に支持し画像形成装置に着脱自在であるプロセスカートリッジであって、
    前記現像手段は請求項18または19に記載のトナーもしくは二成分現像剤を保持することを特徴とするプロセスカートリッジ。
  21. 順次、像担持体に静電潜像を形成し、該像担持体上にトナーを用いて画像を形成し、該像担持体上に形成されたトナー画像を中間転写体に転写し、中間転写体上のトナー画像を記録材上に転写する画像形成方法において、
    前記像担持体および中間転写体上のトナーに対して各付着面に水平な方向に遠心力を作用させて、該トナーの半数が移動するのに要する遠心力を摩擦力として設定し、像担持体に対する摩擦力の値をFpおよび中間転写体に対する摩擦力の値をFtとした場合に、FpとFtとの比(Fp/Ft)を1以下とすることを特徴とする画像形成方法。
  22. 前記像担持体上に形成されたトナー画像を中間転写体に転写する該中間転写体の線速を該像担持体の線速と異なるように設定し、像担持体の線速に対する中間転写体と像担持体の線速差の比を1〜5%の範囲内に設定したことを特徴とする請求項21に記載の画像形成方法。
  23. 前記像担持体の表面に潤滑剤を塗布する手段を有することを特徴とする請求項21に記載の画像形成方法。
  24. 前記像担持体上の未帯電トナーに対して付着面に垂直な方向に設定回転数で遠心力を作用させ、逐次トナーの脱離前後の回転数における遠心力の平均値Fを付着力として設定し、該平均値F(nN)と脱離トナーの体積平均粒径D(μm)との比(F/D)を4.5(nN/μm)以下とするようにしたことを特徴とする請求項21に記載の画像形成方法。
  25. 前記用いられるトナーは、製造工程あるいは熱や機械的力による製造後の工程において球形化されたことを特徴とする請求項18に記載の画像形成方法。
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