JP2002229406A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2002229406A
JP2002229406A JP2001027074A JP2001027074A JP2002229406A JP 2002229406 A JP2002229406 A JP 2002229406A JP 2001027074 A JP2001027074 A JP 2001027074A JP 2001027074 A JP2001027074 A JP 2001027074A JP 2002229406 A JP2002229406 A JP 2002229406A
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toner
image forming
image
forming apparatus
image carrier
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JP2001027074A
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English (en)
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Haruo Iimura
治雄 飯村
Takeo Yamaguchi
剛男 山口
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 球形化トナーを用いた場合でも、転写工程後
に像担持体上に残留したトナーを効率よくクリーニング
することができる画像形成装置を提供する。 【解決手段】 クリーニングローラ11と転写残トナー
13との接触面積よりも像担持体12と転写残トナー1
3との接触面積の方が小さくなるように構成する。像担
持体12表面上に転写残トナー13の体積平均粒径より
も小さい凹凸を設け、転写残トナー13の体積平均粒径
よりも小さい微粒子を分布する。球形化した転写残トナ
ー13の体積平均粒径は3〜12μmとなるよう調節
し、帯電量の平均値を体積平均粒径の二乗で割った値の
絶対値が0.005〜0.5fC/μmとなるように
調節する。トナー1粒子あたりの表面積に対する外添剤
の被覆面積比率の平均値が8%〜100%となるように
調節する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乾式二成分あるい
は一成分現像剤を用いた複写機、プリンター、ファクシ
ミリ等の電子写真方式の画像形成装置に関するものであ
り、特に、球形トナーを用いた際のトナー画像転写後の
クリーニング不良を対策した電子写真方式の画像形成装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式の画像形成装置で
は、現像工程で感光体等の像担持体上に形成したトナー
像を、中間転写ベルトなどの中間転写体を介して、また
は直接的に転写紙などの転写体上に転写して画像を形成
しているが、トナー像転写後の感光体表面には、転写残
のトナーが残留する。このため、感光体上から残留トナ
ーを除去するクリーニング装置が設けられている。この
クリーニング装置としては、種々のものが知られてお
り、弾性部材からなるクリーニングブレードやクリーニ
ングローラのほか、ファーブラシ、磁気ブラシ等を用い
ることができる。この中で、クリーニングブレードまた
はクリーニングローラは、構成が簡単で、装置の小型化
が容易で、コスト面も有利なので、広く実用化されてい
る。
【0003】近年、画質向上のためにトナーの小粒径
化、球形化が進められ、懸濁重合法や分散重合法などに
よる重合トナーや、熱気流、流動造粒法による球形処理
を施したトナーが用いられつつある。しかし、球形化し
たトナーを用いた場合、クリーニングブレードまたはク
リーニングローラによるクリーニング装置を備えた画像
形成装置において、クリーニング不良による画像不良が
発生しやすいという問題点がある。
【0004】この対策として、特開平5−333757
号公報では、トナーの真円度が0.85以上という球形
度の高くないトナーを用いているが、真円度が低いトナ
ーでは球形化によるメリットが低減してしまう。また、
特開平9−96965号公報、特開平9−114232
号公報、特開平9−274364号公報および特開平1
1−84878号公報等には転写工程後の像担持体上に
残留した球形トナーに対して各種除電手段を用い、残留
トナーの帯電量を低減してクリーニング性を改善してい
る。しかしながら、上記除電手段を新たに設けることは
部品点数の増加や製造コストの増加に直結する。また、
クリーニングローラによるクリーニング装置を備えた画
像形成装置において、クリーニングローラと像担持体間
に電圧を印加して像担持体上に残留トナーを静電的な力
を利用して除去する方法が開示されているが、残留トナ
ーの帯電量が小さい場合にはトナーに作用する静電的な
力が小さく、十分なクリーニング性能が得られないとい
う問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の問題点
に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ
は、球形化トナーを用いた場合でも、転写工程後に像担
持体上に残留したトナーを効率よくクリーニングするこ
とができる画像形成装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の本発明では、像担持体上にトナー
像を形成し、像担持体上に形成されたトナー像を転写体
上に転写した後、像担持体上に残留したトナーを除去す
るクリーニング工程を有する画像形成装置において、ク
リーニング工程に使用する部材の内少なくとも一つが像
担持体に接触して回転するクリーニングローラであり、
クリーニングローラと像担持体との間に像担持体上に残
留したトナーがクリーニングローラ側に移動する向きに
電界を形成する手段を設け、クリーニングローラとトナ
ーとの間の非静電的付着力の平均値が像担持体とトナー
との間の非静電的付着力の平均値よりも大きくなるよう
に構成していることを特徴とする画像形成装置とする。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の画像形成
装置において、製造工程あるいは製造後の工程において
球形化したトナーを使用することを特徴とする画像形成
装置とする。請求項3に記載の本発明は、請求項1又は
請求項2に記載の画像形成装置において、像担持体とト
ナーとの接触面積が、クリーニングローラとトナーとの
接触面積よりも小さくなるように構成していることを特
徴とする画像形成装置とする。請求項4に記載の本発明
は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成
装置において、像担持体の表面上に、トナーの体積平均
粒径よりも小さい凹凸を設けていることを特徴とする画
像形成装置とする。請求項5に記載の本発明は、請求項
1乃至請求項4のいずれかに記載の画像形成装置におい
て、像担持体の表面上に、球形化したトナーの体積平均
粒径よりも小さな微粒子を分布していることを特徴とす
る画像形成装置とする。請求項6に記載の本発明は、請
求項1乃至請求項5のいずれかに記載の画像形成装置に
おいて、像担持体が、球形化したトナーの体積平均粒径
よりも小さな微粒子を分散させた層を有することを特徴
とする画像形成装置とする。請求項7に記載の本発明
は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の画像形成
装置において、製造工程あるいは製造後の工程において
球形化したトナーの体積平均粒径が3〜12μmとなる
ように調整していることを特徴とする画像形成装置とす
る。請求項8に記載の本発明は、請求項1乃至請求項7
のいずれかに記載の画像形成装置において、製造工程あ
るいは製造後の工程において球形化したトナーの帯電量
の平均値Q(fC)を体積平均粒径D(μm)の二乗で
割った値の絶対値Q/Dが0.005〜0.5(fC
/μm) となるように調整していることを特徴とす
る画像形成装置とする。請求項9に記載の本発明は、請
求項1乃至請求項8のいずれかに記載の画像形成装置に
おいて、製造工程あるいは製造後の工程において球形化
したトナーが、一次粒子径の平均値が1nm〜100n
mである微粒子から成る外添剤によって外添処理を施さ
れ、トナー粒子1粒子当たりの表面積に対する外添剤の
被覆面積比率の平均値が8%〜100%となるように調
整していることを特徴とする画像形成装置とする。
【0007】(作用)クリーニングローラ11が像担持
体12に接触し、像担持体12上の転写残トナー13が
クリーニングローラ11に接触した状態を図1に示す。
クリーニングローラ11と像担持体12間には、トナー
13が像担持体12からクリーニングローラ11へ移動
する向きに電界15が形成されている。クリーニングロ
ーラ11は、像担持体12の回転方向14と同じ向き、
または逆向きに回転する。転写残トナー13は、転写工
程後に像担持体12の回転方向14に移動し、クリーニ
ングローラ11に接触する。クリーニングローラ11が
回転方向14と逆向きに回転する場合は、この時点で転
写残トナー13が像担持体12から分離する。クリーニ
ングローラ11が回転方向14と同じ向きに回転する場
合は、転写残トナー13がクリーニングローラ11と像
担持体12の接触部を通過後に像担持体12から分離す
る。クリーニングローラ11に付着した転写残トナー1
3は、クリーニングローラ11に当接する不図示のブレ
ードによって、クリーニングローラ11から分離し回収
される。
【0008】像担持体12上の転写残トナー13がクリ
ーニングローラ11に接触する時、転写残トナー13に
は像担持体12との付着力Fp、クリーニングローラ1
1との付着力Fc及び電界によるクーロン力Feが作用
する。転写残トナー13を像担持体12から除去するた
めには、付着力Fpよりも大きな力で転写残トナー13
を像担持体12から分離する必要がある。付着力Fcと
クーロン力Feは、転写残トナー13を像担持体12か
ら分離する力として作用する。このため、転写残トナー
13を像担持体12から分離するためには、付着力Fc
とクーロン力Feの和が付着力Fpよりも大きい必要が
ある。クーロン力Feは転写残トナー13の帯電量qに
比例するため、帯電量qが大きい場合は大きな力となる
が、帯電量qが小さい場合は像担持体12から分離する
力としての寄与が小さい。したがって、転写残トナー1
3の中で帯電量qの小さいトナーを像担持体12から分
離するには、付着力Fcが付着力Fpよりも大きい必要
がある。
【0009】トナーとクリーニングローラ及びトナーと
像担持体との付着力は、トナーの帯電によって生じる静
電的付着力と、それ以外のファンデルワールス力や液架
橋力等の非静電的付着力から構成されるが、帯電量が小
さいトナーでは非静電的付着力の寄与が大きい。本発明
者らは、クリーニングローラとトナー間の非静電的付着
力の平均値が像担持体とトナー間の非静電的付着力の平
均値よりも大きくなるように、クリーニングローラと像
担持体及びトナーを構成することにより、帯電量の小さ
い転写残トナーでも像担持体から分離しやすくなり、ク
リーニング性能の良い画像形成装置が得られることを見
出した。トナーと像担持体及びトナーとクリーニングロ
ーラとの非静電的付着力は様々な要因に依存するが、本
発明者らは、これらの要因のうち特にトナーとクリーニ
ングローラ及び像担持体との接触面積に着目し、クリー
ニングローラとトナーの接触面積が像担持体とトナーの
接触面積よりも大きいように、クリーニングローラと像
担持体及びトナーを構成することにより、クリーニング
ローラとトナー間の非静電的付着力の平均値が像担持体
とトナー間の非静電的付着力の平均値よりも大きくなる
ことを見出した。
【0010】トナーが付着する部材とトナーの接触面積
は、部材の表面とトナー表面の幾何学的な構成によって
決まる。トナーが付着する部材の表面に、トナーの体積
平均粒径よりも小さい凹凸を設けると、凹凸がない場合
に比べて接触面積が小さくなる。したがって、像担持体
の表面にトナーの体積平均粒径よりも小さい凹凸を設け
ることにより、像担持体とトナーの接触面積をクリーニ
ングローラとトナーの接触面積よりも小さくすることが
できる。像担持体の表面に小さな凹凸を設ける方法とし
ては、像担持体の表面に微粒子を分布させる方法を好ま
しく用いることができる。ただし、像担持体の表面に微
粒子を一度付着させただけでは、クリーニングローラや
クリーニングブレードによって削られて微粒子が無くな
ってしまう。このため、クリーニングによって削られて
も、像担持体上に別の微粒子を分布させる必要がある。
像担持体の表面に微粒子を分布させる方法としては、像
担持体を作製する工程で微粒子を像担持体中に分散させ
る方法を好ましく用いることができる。この方法では、
クリーニングによって像担持体表面の微粒子が削られて
も、像担持体中に分散した別の微粒子が表面に表れるの
で、常に像担持体表面に微粒子が分布している。画像形
成装置内に、像担持体の表面に微粒子を付着させる装置
を設けて、常に像担持体上に微粒子が付着しているよう
にする方法もあるが、コストがかかる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の画像形成装置における実
施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。本
発明の画像形成装置は、感光体上に静電潜像を形成する
潜像形成手段、該感光体上の潜像上にトナー像を形成す
る現像手段、形成されたトナー像を転写体上に転写する
転写手段、転写体上のトナー像を定着する定着手段、転
写されずに感光体上に残ったトナーを除去・回収するた
めのクリーニング手段を有する。
【0012】図2は、本発明の画像形成装置の一例を示
す概略構成図である。図2において、静電潜像担持体で
ある感光体ドラム21の周囲には、感光体ドラム21表
面を帯電するための帯電装置22、一様帯電処理面に潜
像を形成するためのレーザー光線でなる露光23、感光
体ドラム21表面の潜像に帯電トナーを付着することで
トナー像を形成する現像装置24、形成された感光体ド
ラム21上のトナー像を記録紙へ転写するための転写装
置28、記録紙上のトナーを定着する定着装置32、感
光体ドラム21上の残留トナーを除去し回収するための
クリーニング装置36、感光体ドラム21上の残留電位
を除去するための除電装置42が順に配設されている。
【0013】まず、感光ドラム21は帯電装置22によ
って表面を一様に帯電される。図2の例では、帯電装置
22を用いて感光ドラム21を帯電しているが、コロト
ロンやスコロトロン等のコロナ帯電を用いても良い。帯
電ローラを用いた帯電装置22は、コロナ帯電を用いた
場合よりもオゾン発量が少ない利点があるが、感光体と
接触しているためトナーによってローラ表面が汚れるた
め、帯電ローラをクリーニングする機構が必要になる。
【0014】帯電した感光体ドラム21に画像情報に応
じて露光23が照射され、静電潜像が形成される。感光
ドラム21上の帯電電位や露光部位を電位センサで検出
し、帯電条件や露光条件を制御することもできる。次
に、現像装置24によって、静電潜像が形成された感光
体ドラム21上にトナー像が形成される。現像装置24
では、現像剤がスクリュー25によって攪拌され搬送さ
れて、現像スリーブ26に供給される。現像スリーブ2
6に供給される現像剤はドクターブレード27によって
規制され、供給される現像剤量はドクターブレード27
と現像スリーブ26との間隔であるドクターギャップに
よって制御される。ドクターギャップが小さすぎると、
現像剤量が少なすぎて画像濃度不足になり、逆にドクタ
ーギャップが大きすぎると、現像剤量が過剰に供給され
て感光体ドラム21上にキャリア付着が発生するという
問題が生じる。
【0015】現像スリーブ26には、周表面に現像剤を
穂立ちさせるように磁界を形成する磁石が備えられてお
り、この磁石から発せられる法線方向磁力線に沿うよう
に、現像剤が現像スリーブ26上にチェーン状に穂立ち
されて磁気ブラシが形成される。現像スリーブ26と感
光体ドラム21は、一定の間隙(現像ギャップ)を挟ん
で近接するように配置されていて、双方の対向部分に現
像領域が形成されている。現像スリーブ26は、アルミ
ニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹脂などの非磁性体
を円筒形に形成しており、不図示の回転駆動機構によっ
て回転されるようになっている。磁気ブラシは、現像ス
リーブ26の回転によって現像領域に移送される。現像
スリーブ26には不図示の現像用電源から現像電圧が印
加され、磁気ブラシ上のトナーが現像スリーブ26と感
光体ドラム21間に形成された現像電界によってキャリ
アから分離し、感光体ドラム21上の静電潜像上に現像
される。なお、現像電圧には交流を重畳させても良い。
【0016】なお、現像ギャップは、現像剤粒径の5〜
30倍程度、現像剤粒径が50μmであれば0.5mm
〜1.5mmに設定することが可能である。これより広
くすると、望ましいとされる画像濃度がでにくくなる。
また、ドクターギャップは、現像ギャップと同程度かや
や大きくする必要がある。感光体ドラム21のドラム径
やドラム線速、現像スリーブ26のスリーブ径やスリー
ブ線速は、複写速度や装置の大きさ等の制約によって決
まる。ドラム線速に対するスリーブ線速の比は、必要な
画像濃度を得るために1.1以上にする必要がある。な
お、現像後の位置にセンサを設置し、光学的反射率から
トナー付着量を検出してプロセス条件を制御することも
できる。図2の例では、キャリアとトナーからなる磁気
ブラシによって現像が行われる二成分現像方式を用いて
いるが、本発明は二成分現像方式に限定されるものでは
なく、現像スリーブ上に形成したトナー薄層を電界で感
光体上に現像する一成分現像方式を用いてもよい。
【0017】磁気ブラシを構成するキャリアには、鉄
紛、フェライト紛、磁性粒子を分散した樹脂粒子等の磁
性を有する粉体、及び電気特性を制御するために樹脂な
どで表面を被覆した磁性粉体が好ましく使用される。磁
気ブラシを構成するキャリアとしては、感光体ドラム2
1表面へのダメージを軽減するために球形の粒子を用い
るのが好ましく、平均粒径は150μm以下のものが好
ましい。キャリアの平均粒径が大きすぎると最密状態に
配置してあっても曲率半径が大きく、感光体ドラム21
と接触していない面積が増え、トナー像のかけや抜けが
発生する。逆に平均粒径があまり小さすぎると、交流電
圧を印加する場合には、粒子が動きやすくなって粒子間
の磁力を上回り、粒子が飛散してキャリア付着の原因と
なってしまう。キャリアの平均粒径は、特に30μm以
上、100μm以下であることが好ましい。さらに、キ
ャリアの体積抵抗率が低すぎると、現像電圧の印加時に
キャリアに電荷が注入され、感光体ドラム21へのキャ
リア付着を起こしたり、感光体の絶縁破壊を起こしたり
するため、体積抵抗率が10Ωcm以上のキャリアを
使用する必要がある。
【0018】感光ドラム21上に形成されたトナー像
は、感光ドラム21と転写ベルト29とが接触する転写
ニップに搬送される。同時に、不図示の給紙トレイから
搬送された記録紙が転写ニップに進入する。転写ベルト
29に接触するローラ30に、不図示の転写用電源によ
ってトナーと逆極性の転写電圧が印加される。感光ドラ
ム21上に形成されたトナー像は、転写ベルト29と感
光ドラム21間に作用する転写電界によって記録紙へ転
写される。図2の例では転写部材として転写ベルトの代
わりに転写ローラを用いてもよいが、転写ベルトは転写
ローラに比べて転写ニップを広くとれる利点がある。図
2の例では、転写ベルトを用いた転写方式を用いている
が、紙の背面からトナーと逆極性のコロナチャージを与
えて紙を帯電させて転写するコロナ転写方式を用いても
良い。転写ベルトまたは転写ローラに転写電圧を印加す
る転写方式は、コロナ転写方式に比べて、紙の帯電が少
ないため感光体からの分離が容易で、分離時のはく離放
電による画像不良が生じない利点があるが、ベルトやロ
ーラがトナーで汚れやすくてクリーニング機構が必要と
なり、また前記したように画像の中抜けが発生しやすい
という欠点もある。
【0019】転写の際に感光体ドラム21に付着した記
録紙は、分離爪31によって感光体ドラム21から分離
される。未定着のトナー像が載った記録紙は、定着ロー
ラ33と加圧ローラ34によって記録紙に一定の熱と圧
力を加わり、トナーが記録紙上に定着される。なお、定
着温度を一定に保つために、定着ローラ33には不図示
のサーミスタが接触しており、定着ヒータ35の温度制
御を行なっている。定着ローラを用いた定着方式は、熱
効率が高く、安全性に優れ、小型化が可能で、低速から
高速まで適用範囲が広い。
【0020】一方、転写されずに感光体ドラム21上に
残留したトナーは、感光体ドラム21と逆方向に回転す
るクリーニングローラ37によって除去される。クリー
ニングローラ37には電源装置40によって電圧が印加
され、残留したトナーが感光体ドラム21からクリーニ
ングローラ37へ移動する向きに電界が形成される。電
源装置40による印加電圧は、直流電圧だけでも良い
し、交流電圧を追加しても良い。クリーニングローラ3
7に付着したトナーは、ブレード38によって除去さ
れ、トナー回収装置39に回収される。図2の例では、
クリーニングローラ37が感光体ドラム21と逆方向に
回転するが、同じ方向に回転するようにしても良い。ま
た、図2の例ではクリーニングローラ37だけでクリー
ニングしているが、クリーニングブレードを併用するこ
とも可能である。残留トナーを除去された感光体ドラム
21は除電ランプ41で初期化され、次回の画像形成プ
ロセスに供される。
【0021】なお、図2の例は一つの感光体ドラムと一
つの現像装置を用いた白黒画像形成装置だが、本発明は
白黒画像形成装置には限定されず、一つの感光体ドラム
と複数の現像装置、または複数の感光体ドラムと現像装
置を用いたカラー画像形成装置にも適用できる。
【0022】次に、本発明に用いられるトナーについて
説明する。本発明に用いられるトナーとしては、トナー
の構成材料である樹脂や着色剤などを混合攪拌後に溶融
混練し、粉砕・分級して作製した粉砕トナー、また粉砕
トナーを熱や機械的な力で球形化したトナーでも良い
が、分散重合法及び懸濁重合法により作製されたものが
好適である。まず、本発明の分散重合トナーから説明す
る。
【0023】〔樹脂粒子A〕 本発明における樹脂粒子
Aは親水性有機液体に、その親水性有機液体に溶解する
高分子分散剤を加え、これに前記親水性液体には溶解す
るが、生成する重合体は前記親水性液体にて膨潤される
か、あるいは殆ど溶解しない一種または二種以上のビニ
ル単量体を加えて重合することにより製造される。
【0024】〔親水性有機液体〕 前記の種粒子の形成
時及び種粒子の成長反応時に用いる単量体の希釈剤とし
ての親水性有機液体としては、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、変性エチルアルコール、イソプロピルア
ルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ル、t−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t
−アミルアルコール、3−ペンタノール、オクチルアル
コール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、フ
ルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコー
ル、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリ
コールなどのアルコール類、メチルセロソルブ、セロソ
ルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ルなどのエーテルアルコール類などが代表的なものとし
て挙げられる。これらの有機液体は単独で、もしくは二
種以上の混合物して用いることができる。なお、アルコ
ール類及びエーテルアルコール類以外の有機液体と、上
述のアルコール類及びエーテルアルコール類とを併用す
ることで、有機液体が生成重合体粒子に対して溶解性を
もたせない条件下で、有機液体のSP値を種々変化させ
て重合を行なうことにより、生成される粒子の大きさ、
種粒子同士の合一及び新粒子の発生を抑制することが可
能である。この場合の併用する有機液体としては、ヘキ
サン、オクタン、石油エーテル、シクロヘキサン、ベン
ゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、四塩化炭
素、トリクロルエチレン、テトラブロムエタンなどのハ
ロゲン化炭化水素類、エチルエーテル、ジメチルグリコ
ール、シリオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテ
ル類、メチラール、ジエチルアセタールなどのアセター
ル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサンなどのケトン類、ギ酸ブチ
ル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、セロソルブアセ
テートなどのエステル類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸な
どの酸類、ニトロプロペン、ニトロベンゼン、ジメチル
アミン、モノエタノールアミン、ピリジン、ジメチルス
ルホキシド、ジメチルホルムアミドなどの硫黄、窒素含
有有機化合物類、その他水も含まれる。また、重合開始
時、重合途中、重合末期とそれぞれ混合溶媒の種類及び
組成を変化させ、生成する重合体粒子の平均粒径、粒径
分布、乾燥条件などを調整することができる。
【0025】〔分散安定剤〕 種粒子製造時、または成
長粒子の製造時に使用される高分子分散剤の適当な例と
しては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノ
アクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、ク
ロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン
酸などの酸類、あるいは水酸基を含有するアクリル系単
量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタク
リル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキ
シプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、ア
クリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒ
ドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロ
キシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキ
シプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エス
テル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステ
ル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモ
ノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミ
ド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアル
コールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えば
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニル
プロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカル
ボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、アクリルア
ミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあ
るいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライ
ド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビ
ニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾー
ル、エチレンイミンなどの窒素原子またはその複素環を
有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオ
キシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチ
レンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルア
ミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシ
プロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエ
ステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルな
どのポリオキシエチレン系、並びにメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセル
ロースなどのセルロース類、または前記親水性モノマー
とスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなど
のベンゼン核を有するものまたはその誘導体、またはア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド
などのアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体との共重
合体、さらに、架橋性モノマー、例えばエチレングリコ
ールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタク
リレート、メタクリル酸アリル、ジビニルベンゼンなど
との共重合体も使用可能である。これらの高分子分散剤
は、使用する親水性有機液体、目的とする重合体粒子の
種、及び種粒子の製造か成長粒子の製造かにより適宜選
択されるが、特に重合体粒子同士の合一を主に立体的に
防ぐ意味で、重合体粒子表面への親和性、吸着性が高
く、しかも親水性有機液体への親和性、溶解性の高いも
のが選ばれる。また、立体的に粒子同士の反撥を高める
ために、分子鎖がある程度の長さのもの、好ましくは分
子量が1万以上のものが選ばれる。しかしあまり分子量
が高いと、液粘度の上昇が著しく、操作性、撹拌性が悪
くなり、生成重合体の粒子表面への析出確率のばらつき
を与えるため注意を要する。また、先に挙げた高分子分
散剤の単量体を一部、目的とする重合体粒子を構成する
単量体に共存させておくことも安定化には効果がある。
さらに、これら高分子分散剤とともにコバルト、鉄、ニ
ッケル、アルミニウム、銅、錫、鉛、マグネシウムなど
の金属またはその合金(特に粒径1μm以下のものが好
ましい)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、
酸化チタン、酸化珪素などの酸化物の無機化合物微粉
体、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルベンゼン
スルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、燐酸エス
テルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、ア
ミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導
体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメ
チルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム
塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジ
ウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニ
ウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性
剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの
非イオン界面活性剤、例えば、アラニン型「例えばドデ
シルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノ
エチル)グリシン」などのアミノ酸型やベタイン型の両
性界面活性剤を併用しても、生成重合体粒子の安定性及
び粒径分布の改良をさらに高めることができる。一般
に、種粒子製造時の高分子分散剤の使用量は目的とする
重合体粒子形成用の重合性単量体の種類によって異なる
が、親水性有機液体に対し0.1重量%〜10重量%、
好ましくは1〜5重量%である。高分子分散安定剤の濃
度が低い場合には、生成する重合体粒子は比較的大粒径
のものが得られ、濃度の高い場合には小粒径のものが得
られるが、10重量%を越えて用いても小径化への効果
は少ない。
【0026】〔単量体〕 また、前記のビニル単量体と
は、親水性有機液体に溶解可能なものであり、例えば、
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチル
エチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチル
スチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘ
キシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−
ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ド
デシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニル
スチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチ
レンなどのスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、ア
クリル酸ドデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2
−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸
2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルア
クリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチ
ル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ラウリル、メ
タクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリ
ル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミ
ノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα
−メチル脂肪酸モノカルボン酸エステル類、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのア
クリル酸、もしくはメタクリル酸誘導体、塩化ビニル、
塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルなどのハロ
ゲン化ビニル類などからなる単独または相互の混合物及
びこれらを50重量%以上含有し、これらと共重合し得
る単量体との相互の混合物を意味する。また、本発明に
おける前記の重合体は、耐オフセット性を高めるため
に、重合性の二重結合を二個以上有するいわゆる架橋剤
の存在下に重合させたものであっても良い。好ましく用
いられる架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニル
ナフタレン及びそれらの誘導体である芳香族ジビニル化
合物、その他エチレングリコールジメタクリレート、ジ
エチレングリコールメタクリレート、トリエチレングリ
コールメタクリレート、トリメチロールプロパントリア
クリレート、アリルメタクリレート、tert−ブチル
アミノエチルメタクリレート、テトラエチレングリコー
ルジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタク
リレートなどのジエチレン性カルボン酸エステル、N,
N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルス
ルフィド、ジビニルスルホンなど全てのジビニル化合
物、及び三個以上のビニル基を持つ化合物が挙げられ、
これらは単独または混合物などで用いられる。このよう
に架橋された種粒子を用いて成長重合反応を引き続いて
行った場合には、成長する重合体粒子の内部が架橋され
たものとなる。また一方で、成長反応に用いるビニル単
量体溶液に上記の架橋剤を含有させた場合には、粒子表
面が硬化された重合体が得られる。
【0027】〔連鎖移動剤〕 また、平均分子量を調節
する目的として、連鎖移動定数の大きな化合物を共存さ
せて重合を行わせるものに、例えば、メルカプト基をも
つ低分子化合物や四塩化炭素、四臭化炭素が挙げられ
る。
【0028】〔重合開始剤〕 また、前記単量体の重合
開始剤としては、例えば2,2′−アゾビスイソブチロ
ニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)などのアゾ系重合開始剤、ラウリルパーオ
キシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオク
トエートなどの過酸化物系重合開始剤、過硫酸カリウム
などの過硫酸化物系重合開始剤、これにチオ硫酸ナトリ
ウム、アミンなどを併用した系などが用いられる。重合
開始剤濃度は、ビニル単量体100重量部に対して0.
1〜10重量部が望ましい。
【0029】〔重合条件〕 種粒子を得るための重合条
件は、重合体粒子の目標平均粒径、目標粒径分布に合わ
せて、親水性有機液体中の高分子分散剤、ビニル単量体
の濃度、及び配合比が決定される。一般に、粒子の平均
粒径を小さくしようとするならば、高分子分散剤の濃度
を高く、また平均粒径を大きくしようとするならば、高
分子分散剤の濃度が低く設定される。一方、粒子径分布
を非常に鋭くしようとするならば、ビニル単量体濃度を
低く、また、比較的広い分布でもよい場合は、ビニル単
量体濃度は高く設定される。粒子の製造は親水性有機液
体に、高分子分散安定剤を完全に溶解した後、一種また
は二種以上のビニル単量体、重合開始剤、その他必要な
らば無機微粉末、界面活性剤、染料、顔料などを添加
し、30〜300rpmの通常の撹拌にて、好ましくは
なるべく低速で、しかもパドル型よりもタービン型の撹
拌翼を用いて、槽内の流れが均一になるような速度で撹
拌しながら、用いた重合開始剤の重合速度に対応した温
度にて加熱し重合が行なわれる。なお、重合初期の温度
が生成する粒子種に大きな影響を与えるため、単量体を
添加した後に温度を重合温度まで上げ、重合開始剤を小
量の溶媒に溶解して投入した方が望ましい。重合の際に
は窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性気体にて反応容
器内の空気中の酸素を充分に追い出す必要がある。この
酸素パージが不充分であると微粒子が発生し易い。重合
を高重合率域で行なうには5〜40時間の重合時間が必
要であるが、所望の粒子径、粒子径分布の状態で重合を
停止させたり、また重合開始剤を順次添加したり、高圧
下で反応を行なうことにより重合速度を速めることがで
きる。重合終了後は、そのまま染着工程に用いてもよい
し、沈降分離、遠心分離、デカンテーションなどの操作
により不必要な微粒子、残存モノマー、高分子分散安定
剤などを除いた後に、重合体スラリーとして回収して染
着を行なってもよいが、分散安定剤を除去しない方が染
着の安定性は高く、不要な凝集が抑制される。
【0030】〔染着工程1〕 本発明における染着は次
のようなものである。即ち、樹脂粒子Aを溶解せしめな
い有機溶媒中に樹脂粒子Aを分散し、この前または後に
前記溶媒中に染料を溶解させ、前記染料を樹脂粒子A中
に浸透させ着色せしめた後、前記有機溶媒を除去して染
着トナーを製造する方法において、前記染料の前記有機
溶媒に対する液解度(D1)及び前記樹脂粒子Aの樹脂
に対する前記染料の溶解度(D2)の関係が、(D1)
/(D2)≦0.5となる染料を選択使用する。これに
より、樹脂粒子Aの深部まで染料が浸透(拡散)したト
ナーを効率よく製造することができる。この明細書にお
ける溶解度は25℃の温度で測定されたものと定義され
る。なお、染料の樹脂中への溶解度とは、染料の溶媒中
への溶解度と全く同じ定義であり、樹脂中に染料が相溶
状態で含有させることができる最大量を意味する。この
溶解状態あるいは染料の析出状態の観察は顕微鏡を用い
ることにより容易に行なうことができる。樹脂に対する
染料の溶解性を知るには、上記した直接観察による方法
の代わりに間接的な観察方法によってもよい。この方法
は樹脂と溶解度係数が近似する液体、即ち樹脂をよく溶
解する溶媒を用い、この溶媒に対する染料の溶解度を樹
脂に対する溶解度として定めてもよい。
【0031】〔染料〕 着色に使用する染料としては、
前述のように使用する有機溶媒への該染料の溶解度(D
1)より樹脂粒子を構成する樹脂への該染料の比(D
1)/(D2)が0.5以下である必要がある。さらに
(D1)/(D2)が0.2以下とすることが好まし
い。染料としては、上記の溶解特性を満たせば特に制限
はないが、カチオン染料、アニオン染料などの水溶性染
料は環境変動が大きいおそれがあり、またトナーの電気
抵抗が低くなり、転写率が低下するおそれがあるので、
バット染料、分散染料、油溶性染料の使用が好ましく、
特に油溶性染料が好ましい。また、所望の色調に応じて
数種の染料が併用することもできる。染着される染料と
樹脂粒子との比率(重量)は、着色度に応じて任意に選
択されるが、通常は樹脂粒子1重量部に対して、染料1
〜50重量部の割合で用いるのが好ましい。例えば、染
着溶媒にSP値の高いメタノール、エタノールなどのア
ルコール類を使用し、樹脂粒子としてSP値が9程度の
スチレン−アクリル系樹脂を使用した場合、使用し得る
染料としては、例えば、以下のような染料が挙げられ
る。 C.I. SOLVENT YELLOW 6,9,17,31,35,1,102,103,105 C.I. SOLVENT ORANGE 2,7,13,14,66 C.I. SOLVENT RED 5,16,17,18,19,22,23,143,145,146,1
49,150,151,157,158 C.I. SOLVENT VIOLET 31,32,33,37 C.I. SOLVENT BLUE 22,63,78,83〜86,91,94,95,104 C.I. SOLVENT GREEN 24,25 C.I. SOLVENT BROWN 3,9など。 市販染料では例えば保土谷化学工業社製の愛染SOT染
料Yellow−1,3,4、Orange−1,2,
3、Scarlet−1、Red−1,2,3、Bro
wn−2、Blue−1,2、Violet−1、Gr
een−1,2,3、Black−1,4,6,8やB
ASF社製のsudan染料、Yellow−140,
150、Orange−220、Red−290,38
0,460、Blue−670や三菱化成社製のダイア
レジン、Yellow−3G,F,H2G,HG,H
C,HL、Orange−HS,G、Red−GG,
S,HS,A,K,H5B、Violet−D、Blu
e−J,G,N,K,P,H3G,4G、Green−
C、Brown−Aやオリエント化学社製のオイルカラ
ー、Yellow−3G,GG−S,#105、Ora
nge−PS,PR,#201、Scarlet−#3
08、Red−5B、Brown−GR,#416、G
reen−BG,#502、Blue−BOS,HN、
Black−HBB,#803,EE,EX、住友化学
工業社製のスミプラスト、ブルーGP,OR、レッドF
B,3B、イエローFL7G,GC、日本化薬社製のカ
ヤロン、ポリエステルブラックEX−SH3、カヤセッ
トRed−BのブルーA−2Rなどを使用することがで
きる。もちろん染料は樹脂粒子と染着時に使用する溶媒
の組み合わせで適宜選択されるため、上記例に限られる
ものではない。
【0032】〔染着用有機溶媒〕 染料を樹脂粒子に染
着させるために用いる有機溶媒としては、使用する樹脂
粒子が溶解しないもの、あるいは若干の膨潤をきたすも
の、具体的には溶解性パラメーター(SP値)の差が
1.0以上、好ましくは2.0以上のものが使用され
る。例えば、スチレン−アクリル系樹脂粒子に対して
は、SP値が高いメタノール、エタノール、n−プロパ
ノールなどのアルコール系、あるいはSP値が低いn−
ヘキサン、n−ヘプタンなどを使用する。SP値の差が
あまりに大きすぎると、樹脂粒子に対する濡れが悪くな
り、樹脂粒子の良好な分散が得られないため、最適なS
P値の差は2〜5が好ましい。
【0033】〔染着工程2〕 染料を溶解した有機溶媒
中に樹脂粒子を分散させた後、液温度を樹脂粒子のガラ
ス転移温度以下に保ち、撹拌することが好ましい。これ
により、樹脂粒子の凝集を防ぎながら染着することが可
能となる。撹拌の方法は市販されている撹拌機、例えば
ホモミキサー、マグネチックスタラーなどを用いて撹拌
すればよい。また、分散重合などで重合終了時得られる
スラリー、つまり有機溶媒中に重合樹脂粒子が分散して
いる状態の分散液に、染料を直接添加して前記の条件に
て加熱撹拌してもよい。加熱温度がガラス転移温度超過
の場合は樹脂粒子同士の融着が生じてしまう。染着後の
スラリーを乾燥する方法としては、特に限定はされない
が、濾過した後に減圧乾燥あるいは濾別しないで直接減
圧乾燥すればよい。本発明において濾別した後に風乾ま
たは減圧乾燥して得られた着色粒子は、凝集は殆どな
く、投入した樹脂粒子の粒度分布を殆ど損なわないで再
現する。次に、本発明の懸濁重合トナーについて説明す
る。
【0034】〔モノマー〕 懸濁重合に使用される重合
性単量体はビニル基を有するモノマーであり、具体的に
は以下のようなモノマーが挙げられる。即ち、スチレ
ン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ブチルスチ
レン、オクチルスチレンなどのスチレン及びその誘導体
が挙げられ、なかでもスチレン単量体が最も好ましい。
他のビニル系単量体として、プロピレン、ブチレン、イ
ソブチレンなどのエチレン系不飽和モノオレフィン類、
塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニ
ルなどのハロゲン化ビニル類、酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニル
エステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル
酸プロピル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ド
デシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸
ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル
酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピ
ル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ス
テアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチ
ルアミノエチルなどのα−メチレン脂肪族モノカルボン
酸エステル類、アクリロニトリル、メタアクリロニトリ
ル、アクリルアミドなどのアクリル酸もしくはメタクリ
ル酸誘導体、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチル
エーテルなどのビニルエーテル類、ビニルメチルケト
ン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケト
ンなどのビニルケトン類、N−ビニルピロール、N−ビ
ニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニル
ピロリドンなどのN−ビニル化合物類、ビニルナフタレ
ンなどを挙げることができ、これらの単量体を単独ある
いは混合して用いることができる。
【0035】〔架橋剤〕 単量体組成物中には、架橋重
合体を生成させるために、次のような架橋剤を存在させ
て懸濁重合させてもよい。架橋剤としては、ジビニルベ
ンゼン、ジビニルナフタレン、ポリエチレングリコール
ジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレー
ト、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−
ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサン
グリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコール
ジアクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレ
ート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、
2,2′−ビス(4−メタクリルロキシジエトキシフェ
ニル)プロパン、2,2′−ビス(4−アクリルオキシ
ジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパ
ントリメタクリレート、トリメチロールメタンテトラア
クリレート、ジブロムネオペンチルグリコールジメタク
リレート、フタル酸ジアリルなどが挙げられる。架橋剤
の使用量が多過ぎると、トナーが熱で溶融しにくくな
り、熱定着性、熱圧定着性が劣ることになる。また、架
橋剤の使用量が少くな過ぎると、トナーとして必要な耐
ブロッキング性、耐久性などの性質が低下し、熱ロール
定着において、トナーの一部が紙に完全に固着しないで
ロール表面に付着し、次の紙に転写するという、コール
ドオフセットが発生してしまう。従って、用いる架橋剤
量は、重合性単量体100重量部に対して0.001〜
15重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。
【0036】〔離型剤〕 また、得られるトナーのオフ
セット防止のために、重合組成物に離型剤を含有させる
ことができる。離型剤としては低分子量のポリエチレ
ン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンが好ましい。
この低分子量オレフィン重合体は、着色剤と共に重合性
単量体中に分散させておくのが好ましい。なお、離型剤
は重合性単量体100重量部に対して1〜15重量部使
用することが好ましい。離型剤の使用量が1重量部未満
では、得られたトナーが充分な離型効果をもたず、ロー
ラ上にオフセットしやすくなる。逆に使用量が15重量
部を超過すると、トナーから離型剤が摩擦帯電付与部材
にスペントするようになるし、また、トナーの流動性が
極めて悪くなる。
【0037】〔着色剤〕 単量体に含有される着色剤と
しては、従来知られている染料及びカーボンブラック、
カーボンブラックの表面を樹脂で被覆してなるグラフト
化カーボンブラックのような顔料が使用可能である。そ
の他の着色剤としては、ランプブラック、鉄黒、群青、
ニグロシン染料、アニリンブルー、フタロシアニングリ
ーン、ハンザイエローG、ローダミン6G、レーキ、カ
ルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベ
ンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン
系染料、モノアゾ系染料、ジスアゾ系染料などの染顔料
がある。なお、これらの着色剤は、重合性単量体100
重量部に対して0.1〜30重量部使用できる。
【0038】〔分散安定剤〕 分散安定剤としては次の
ものが使用可能である。即ち、ポリビニルアルコール、
でん粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナト
リウム、ポリメタクリル酸ナトリウム等の水溶性高分
子、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭
酸マグネシウム、リン酸カルシウム、タルク、粘土、珪
藻土、金属酸化物粉末などが用いられる。これらは水に
対して0.1〜10重量%の範囲で用いるのが好まし
い。
【0039】〔重合開始剤〕 本発明において、重合開
始剤は造粒後の単量体組成物を含む分散液中に添加して
もよいが、個々の単量体組成物粒子に均一に重合開始剤
を付与する点からは、造粒前の単量体組成物に含有させ
ておくことが望ましい。このような重合開始剤として
は、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、
1,1′−アゾビス−(シクロヘキサン−1−カルボニ
トリル)、2,2′−アゾビス−4−メチキシ−2,4
−ジメチルバレロニトリル、アゾビスブチロニトリルな
どのアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパー
オキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、イソ
プロピルパーオキサイド、2,4−ジクロリルベンゾイ
ルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイドなどの過酸
化物系重合開始剤が挙げられる。
【0040】〔磁性体〕 本発明のトナーは、磁性体を
含有する型の磁性トナーであってもよい。磁性トナーと
するには、単量体組成物に磁性粒子を添加すればよい。
本発明に用いることができる磁性体には例えば、鉄、コ
バルト、ニッケルなどの強磁性金属の粉末、もしくはマ
グネタイト、ヘマタイト、フェライトなどの合金や化合
物の粉末が挙げられる。磁性粒子としては、粒径が0.
05〜5μm、好ましくは0.1〜1μmのものが用い
られるが、小粒径トナーを生成する場合には、粒径0.
8μm以下の磁性粒子を使用することが望ましい。この
磁性粒子は、単量体組成物100重量部中に10〜60
重量部含有されていることが望ましい。また、これら磁
性粒子はシランカップリング剤、チタンカップリング剤
などの表面処理剤、あるいは適当な反応性の樹脂などで
処理されていてもよい。この場合、磁性粒子の表面積あ
るいは表面に存在する水酸基の密度にもよるが、通常、
磁性粒子100重量部に対して表面処理剤が5重量部以
下、好ましくは0.1〜3重量部の処理で、充分な重合
性単量体への分散性が得られ、トナー物性に対しても悪
影響を及ぼさない。
【0041】本発明に用いられるトナーの粒径は、体積
平均粒径が3μm〜12μm、より好ましくは4μm〜
10μmであるものが望ましい。トナーの体積平均粒径
が3μm以下では、画像不良を発生しやすい粒径1μm
以下の微粉トナーの割合が大きくなってしまい、体積平
均粒径が12μm以上では電子写真画像の高画質化の要
求に対応するのが困難である。本発明に用いられるトナ
ーは、帯電量を適正な範囲にする必要がある。トナーの
帯電量が大きすぎると、トナーと他部材間の静電的付着
力が大きくなり、またトナー同士の静電反発力が大きく
なるため、画像不良が発生しやすくなる。また、トナー
帯電量が小さすぎると、トナーに作用する静電気力が小
さくなり、トナーの現像及び転写ができなくなる。トナ
ーの帯電量は粒径に依存し、トナーの帯電量Q(fC)
の絶対値を体積平均粒径D(μm)の二乗で割った値
Q/Dを0.005〜0.5(fC/μm )、よ
り好ましくは0.01〜0.4(fC/μm)の範囲
にする必要がある。また、上記の球形化トナーには、ト
ナーの流動性を向上するために、シリカ、アルミナ、チ
タニア等の無機微粒子、または有機微粒子等の外添剤を
添加する。外添剤としては、一次粒子径が1nm〜10
0nm、より好ましくは5nm〜80nmの微粒子が好
ましく用いられる。外添剤の一次粒子径の平均値が1n
m未満では、外添剤がトナー母粒子に埋没してしまうた
めに外添剤の効果が無くなってしまう。また、外添剤の
一次粒子径の平均値が100nmを超えると、外添剤が
トナー母粒子から分離しやすくなり、分離した外添剤に
よって感光体等の画像形成装置の構成部材が損傷しやす
い。また、トナー粒子1粒子当たりの表面積に対する外
添剤の被覆面積比率(外添剤被覆率)の平均値が8%〜
100%、より好ましくは10%〜90%とした場合が
好適である。外添剤被覆率の平均値が8%未満ではトナ
ーの流動性が不十分であり、また、外添剤被覆率の平均
値が100%を超えると外添剤がトナーから分離しやす
くなり感光体等が損傷しやすい。
【0042】次に、本発明の像担持体として用いられる
電子写真用感光体について説明する。本発明の電子写真
用感光体は、導電性支持体の上に電荷発生層、電荷輸送
層が形成されたもの、更に電荷輸送層の上に保護層が形
成されたもの等が使用される。導電性支持体および電荷
発生層としては、公知のものならば如何なるものでも使
用することができる。本発明の電子写真用感光体の材料
としては、セレン及びその合金、アモルファスシリコン
等の無機感光体材料でも、有機感光体材料でも良い。
【0043】有機感光体材料を用いる場合、電荷発生顔
料としては、例えばX型の無金属フタロシアニン、π型
の無金属フタロシアニン、τ型の無金属フタロシアニ
ン、ε型の銅フタロシアニン、α型チタニルフタロシア
ニン、β型チタニルフタロシアニン等のフタロシアニン
顔料やジスアゾ・トリスアゾ系顔料、アントラキノン系
顔料、多環キノン系顔料、インジゴ顔料、ジフェニルメ
タン、トリメチルメタン系顔料、シアニン系顔料、キノ
リン系顔料、ベンゾフェノン、ナフトキノン系顔料、ペ
リレン顔料、フルオレノン系顔料、スクアリリウム系顔
料、アズレニウム系顔料、ペリノン系顔料、キナクリド
ン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、ポルフィリン系顔
料が使用できる。前記有機アクセプタ性化合物と組み合
わせて使用が可能なこれら電荷発生顔料の感光層全体に
占める量は0.1〜40wt%、好ましくは0.3〜2
5重量%が適当である。
【0044】また、有機正孔輸送物質としては公知のも
のが利用でき、例えば分子中にトリフェニルアミン部位
を有する化合物、ヒドラゾン系化合物、トリフェニルメ
タン系化合物、オキサジアゾール系化合物、カルバゾー
ル系化合物、ピラゾリン系化合物、スチリル系化合物、
ブタジエン系化合物、線状の主鎖がSiよりなるポリシ
ラン系化合物、ポリビニルカルバゾール等高分子ドナー
性化合物等が挙げられる。感光層全体に占める該正孔輸
送物質の量は、10%以上、好ましくは20〜60重量
%が適当である。
【0045】また、感光層用結着剤としては、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、メタクリル樹
脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、
ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹
脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコー
ン樹脂、メラミン樹脂等の付加重合型樹脂、重付加型樹
脂、重縮合型樹脂、並びにこれらの繰り返し単位のうち
2つ以上を含む共重合体樹脂、例えば塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイ
ン酸共重合体樹脂を挙げることができる。これら結着剤
の感光層全体に占める量は20〜90%、好ましくは3
0〜70重量%である。
【0046】また、帯電性を改良する目的で感光層と導
電性基体の間に下引き層を設けることができる。これら
の材料としては前記結着剤材料の他に、ポリアミド樹
脂、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリビニルピロ
リドン等公知のものが利用できる。本発明で用いること
ができる導電性基体としては、公知のものが利用でき、
アルミニウム、ニッケル、銅、ステンレス等の金属板、
金属ドラムまたは金属箔、アルミニウム、酸化錫、ヨウ
化銅の薄膜を塗布または貼付したプラスチックフィルム
あるいはガラス等が挙げられる。
【0047】本発明の有機感光体をつくるには、前記電
荷発生材料を有機溶媒中に溶解または、ボールミル、超
音波等で分散して調整した電荷発生層形成液を浸漬法や
ブレード塗布、スプレー塗布等の公知の方法で基体上に
塗布・乾燥し、その上に前記電荷輸送材料を前記の方法
で塗布・乾燥し、さらに微粒子を分散させた有機溶媒を
前記の方法により電荷輸送層の上に形成すればよい。あ
るいは、電荷発生層の上に微粒子を分散させた電荷輸送
層を形成しても良い。また、無機感光体材料を用いる場
合も、同様にして微粒子を分散した表面層を形成すれば
良い。本発明の感光体に使用する微粒子は、シリカ、ア
ルミナ、チタニア等の無機微粒子、または有機微粒子を
使用することができる。
【0048】次に、本発明に用いられるクリーニングロ
ーラについて説明する。本発明のクリーニングローラと
しては、弾性体や弾性発砲体を用いることができる。弾
性体の材料としては、シリコンゴム、ウレタンゴム等が
ある。クリーニングローラは、金属またはプラスチック
ローラの表面に、弾性体や弾性発砲体を形成することに
よって作製できる。また、弾性体や弾性発砲体上に別の
材料で表面層を設けても良い。クリーニングローラは、
Asker−C硬度(JIS K6301、スプリング
式硬さ試験C形)で20°以上、70°以下の硬さに形
成されたものが好ましく用いられる。
【0049】以下、本発明の実施例について説明する
が、本発明はこれらの例によってなんら限定されるもの
ではない。 (実施例1)まず、本実施例に使用した球形トナーにつ
いて説明する。スチレンモノマー40重量部にカーボン
ブラックMA100(三菱化成社製)20重量部と重合
開始剤として2,2′−アゾビスイソブチロニトリルを
0.5重量部加え、スリーワンモータ駆動撹拌翼、冷却
器、ガス導入管、温度計を取り付けた500ml四つ口
セパラブルフラスコに入れ、窒素気流下、室温で30分
間撹拌し、フラスコ内の酸素を窒素で置換した。その
後、70℃の湯浴中で6時間60rpmにて撹拌し、グ
ラフトカーボンブラックを得た。次いで、 スチレンモノマー 50重量部 n−ブチルメタクリレート 14.5重量部 1,3−ブタンジオールジメタアクリレート 0.5重
量部 t−ブチルアクリルアミドスルフォン酸 3重量部 低分子量ポリエチレン 2重量部(三井石油化学社製、
三井ハイワックス210P) 上記グラフトカーボンブラック 30重量部 上記の混合物をボールミルで10時間分散した。この分
散液に2,2′−アゾビスイソブチロニトリルおよび亜
硝酸ナトリウムをそれぞれ1重量部ずつ溶解させた後、
ポリビニルアルコールの2%水溶液250重量部に加
え、特殊機化社製TKホモミキサー1,000〜6,0
00rpm、10分間にて撹拌し懸濁液を得た。上記懸
濁液をスリーワンモータ駆動撹拌翼、冷却器、ガス導入
管、温度計を取り付けた500mlの四つ口セパラブル
フラスコに入れ、窒素気流下、室温で撹拌し、フラスコ
内の酸素を窒素で置換した。その後、70℃の湯浴中で
5〜8時間、約100rpmにて撹拌して重合を完了さ
せ懸濁重合粒子を作成した。この粒子100重量部を水
/メタノール=1/1(重量比)の混合液に固形分30
%になるよう再分散し、荷電制御剤としてHN(CH
CH=C(Cを3重量部添加し、撹拌
後濾過乾燥し、体積平均粒径Dが7.3μmのトナーを
得た。なお、トナー体積平均粒径の測定は、コールター
社製粒径測定装置TA−II型を用いて実施した。
【0050】上記トナー粒子と一次粒子径の平均値が1
4nmの疎水性シリカ(キャボット製TS−720)
を、シリカの添加量がトナー量の0.5重量%となるよ
うに配合し、ヘンシェルミキサーによって攪拌混合処理
して電子写真用トナーを作製した。上記方法により取得
した電子写真用トナーを、リコー製複写機Imagio
MF3550(二成分現像方式のモノクロ複写機)用の
キャリアと、トナー濃度が2.5重量%となるように混
合して2成分現像剤を作製した。このトナーと上記キャ
リアを充分混ぜ合わせた後、トナーの帯電量の平均値Q
を細川ミクロン製のE−スパートアナライザーによって
測定した。測定したトナーのQ/Dは−0.11(f
C/μm)であった。
【0051】次に、本実施例に使用した感光体について
説明する。下記構造式(1)のビスアゾ顔料0.4重量
部をブチラール樹脂(エスレックBL−S 積水化学
(株)製)の5重量%テトラヒドロフラン溶液4重量
部、及びテトラヒドロフラン 7.6重量部とともにボ
ールミリングし、ミリング後テトラヒドロフランを加え
て 2重量%に希釈し、電荷発生層形成用塗液を調整し
た。この感光液を60φのアルミニウム製感光体ドラム
に浸漬法で塗布・乾燥させて電荷発生層を形成した。
【化1】
【0052】次に、下記構造式(2)の正孔輸送物質を
6.0重量部と、感光体バインダー樹脂としてシクロヘ
キシリデンビスフェノールポリカーボネート(Zポリ
カ、帝人化成TS2050)9.0重量部を、テトラヒ
ドロフラン67重量部に溶解し、これを浸漬法で電荷発
生層上に塗布・乾燥させて、膜厚が20μmの電荷輸送
層を形成した。
【化2】
【0053】次に、一次粒径16nmの疎水性シリカ微
粒子(日本アエロジル社製アエロジルR972)を1.
0重量部と、構造式(1)の正孔輸送物質を2.0重量
部と、シクロヘキシリデンビスフェノールポリカーボネ
ート(Zポリカ、帝人化成TS2050)3.0重量部
を、テトラヒドロフラン67重量部に溶解・分散し、こ
の分散液をスプレードライ法で電荷輸送層上に塗布・乾
燥させて、膜厚が5μmの微粒子分散層を形成し、本実
施例の有機感光体を作製した。作製した本実施例の感光
体の一部を切り出し、その表面に金をスパッタリング
し、走査型電子顕微鏡で観察した結果、感光体の表面に
一様に分布したシリカ微粒子の凝集体が見られた。
【0054】次に、本実施例で使用したクリーニングロ
ーラについて説明する。本実施例では、シリコンゴムを
金属ローラ上に発砲シリコン層を形成し、その表面にシ
リコンゴム層を形成してクリーニングローラを作製し
た。
【0055】次に、トナーと感光体及びトナーとクリー
ニングローラの付着力の測定方法について説明する。ト
ナーの付着力を測定する方法は、トナーの付着している
物体からトナーを分離するのに必要な力を見積もる方法
が一般的である。トナーを分離させる方法としては、遠
心力、振動、衝撃、空気圧、電界、磁界等を用いた方法
が知られている。この内、遠心力を利用した方法は定量
化が容易で、かつ測定精度が高い。このため、本実施例
では付着力測定方法として、遠心分離法を用いた。
【0056】まず、トナー付着力測定を実施する際の装
置について説明する。図3、図4は、本発明に係るトナ
ー付着力測定装置の測定セル、遠心分離装置の一例を示
す図である。図3は、トナー付着力測定装置の測定セル
の説明図である。図3において、測定セル51は、トナ
ーを付着させた試料面52aを有する試料基板52と、
試料基板52から分離したトナーを付着させる付着面5
3aを有する受け基板53と、試料基板52の試料面5
2aと受け基板53の付着面53aの間に設けられたス
ペーサ54から構成される。図4は、遠心分離装置の一
部断面図である。図4において、遠心分離装置55は、
測定セル51を回転させるロータ56と、保持部材57
を備えている。ロータ56は、自身の回転中心軸59に
対して垂直な断面で穴形状であり保持部材57を設置す
る試料設置部58を有している。保持部材57は、棒状
部57aと、棒状部57aに設けられ測定セル51を保
持するセル保持部57b、測定セル51をセル保持部5
7bから押し出すための穴部57c、棒状部57aを試
料設置部58に固定する設置固定部57dを備えてい
る。セル保持部57bは、測定セル51を設置したとき
に、測定セル51の垂直方向がロータの回転中心軸59
に垂直となるように構成される。
【0057】次に、上記の装置を用いてトナーの非静電
的付着力を測定する方法を説明する。まず、感光体また
はクリーニングローラの一部を試料基板52の形状に合
わせて加工し、試料基板52上に接着剤で貼りつける。
次に、未帯電の前記球形トナーを試料基板52上の試料
面52a(感光体またはクリーニングローラ)上に付着
させる。次に、図3のように、試料基板52、受け基板
53及びスペーサ54を用いて測定セル51を構成す
る。測定セル51を、保持部材57をロータ56の試料
設置部58に設置したときに、試料基板52が受け基板
53とロータ56の回転中心軸59の間になるように、
保持部材57のセル保持部57bに設置する。保持部材
57を、測定セル51の垂直方向がロータの回転中心軸
59に垂直となるように、ロータ56の試料設置部58
に設置する。遠心分離装置55を稼働してロータ56を
一定の回転数で回転させる。試料基板52に付着したト
ナーは回転数に応じた遠心力を受け、トナーの受ける遠
心力がトナーと試料面52a間の付着力よりも大きい場
合は、トナーが試料面52aから分離し、付着面53a
に付着する。
【0058】トナーの受ける遠心力Fは、トナーの重量
m、ロータの回転数f(rpm)、ロータの中心軸から
試料基板のトナー付着面までの距離rを用いて、式
(1)より求められる。 F = m×r×(2πf/60)		…(1) トナーの重量mは、トナーの真比重ρ、円相当径dを用
いて、式(2)より求められる。 m =(π/6)×ρ×d			…(2) 式(1)と式(2)より、トナーの受ける遠心力Fは、
式(3)から求められる。 F =(π/5400)×ρ×d×r×f	…(3)
【0059】遠心分離終了後、保持部材57をロータ5
6の試料設置部58から取り出し、保持部材57のセル
保持部57bから測定セル51を取り出す。受け基板5
3を交換し、測定セル51を保持部材57に設置し、保
持部材57をロータ56に設置し、ロータ56を前回よ
りも高回転数で回転させる。トナーの受ける遠心力が前
回よりも大きくなり、付着力の大きなトナーが、トナー
が試料面52aから分離して付着面53aに付着する。
遠心分離装置の設定回転数を低回転数から高回転数へ変
えて同様の操作を実施することにより、各回転数で受け
る遠心力と付着力の大小関係に応じて、試料面52a上
のトナーが付着面53aに移動する。全ての設定回転数
について遠心分離を実施後、各回転数の受け基板53の
付着面53aに付着したトナーの粒径を計測することに
より、式(3)を用いて各トナーの付着力を求めること
ができる。トナーの粒径及び個数の測定は、光学顕微鏡
で付着面53a上のトナーを観察し、その画像をCCD
カメラを通して画像処理装置に入力し、画像処理装置を
用いて各トナーの粒径測定をおこなうことができる。
【0060】なお、付着力測定に使用した装置及び測定
条件は以下のとおりである。 遠心分離装置:日立工機製CP100α(最高回転数:
100、000rpm、最大加速度:800、000
g) ロータ:日立工機製アングルロータP100AT 画像処理装置:インタークエスト製Hyper700 試料基板と受け基板:直径8mm、厚み1.5mmの円
板で、材料はアルミニウム スペーサ:外径8mm、内径5.2mm、厚み1mmで
のリングで、材料はアルミニウム 保持部材:直径13mm、長さ59mmの円筒で、材料
はアルミニウム ロータの中心軸から試料基板のトナー付着面までの距
離:64.5mm 設定回転数f:1000、1600、2200、270
0、3200、5000、7100、8700、100
00、15800、22400、31600、5000
0、70700、86600、100000(rpm)
【0061】以上の方法を用いて、本実施例の帯電した
球形トナーと本実施例の感光体、及び本実施例のトナー
と本実施例のクリーニングローラの付着力を測定した。
その結果、トナーと感光体との非静電的付着力の平均値
は6.2nN、トナーとクリーニングローラとの非静電
的付着力の平均値は12.5nNで、トナーとクリーニ
ングローラの付着力はトナーと感光体の付着力よりも大
きい。リコー製複写機Imagio MF3550を改
造し、本実施例のクリーニングローラを用いた図4のよ
うなクリーニング装置を設置し、本実施例の現像剤、感
光体を使用して5万枚通紙による連続複写を実施した。
初期及び5万枚連続複写後に画像評価を実施し、同時に
CCD顕微鏡カメラ(キーエンス社ハイパーマイクロス
コープ)によってクリーニング後の感光体のトナー付着
を観察した。初期及び5万枚連続複写後のクリーニング
後の感光体にトナーは観察されず、画像不良は見られな
かった。
【0062】(実施例2)一次粒径15nmの疎水性酸
化チタン微粒子(テイカ製MT150A)を0.8重量
部と、構造式(1)の正孔輸送物質を2.0重量部と、
シクロヘキシリデンビスフェノールポリカーボネート
(Zポリカ、帝人化成TS2050)3.0重量部を、
テトラヒドロフラン67重量部に溶解・分散して、この
分散液を実施例1でドラム上に形成した電荷輸送層上
に、スプレードライ法を用いて塗布・乾燥させて、膜厚
が5μmの微粒子分散層を形成し、本実施例の有機感光
体を作製した。実施例1と同様にして走査型電子顕微鏡
で感光体表面を観察した結果、感光体の表面に一様に分
布した酸化チタンの凝集体が見られた。実施例1と同様
にして、実施例1のトナーと本実施例の感光体の非静電
的付着力を測定した結果、トナーと感光体の非静電的付
着力の平均値は8.5nNで、トナーとクリーニングロ
ーラの非静電的付着力(12.5nN)はトナーと感光
体の付着力よりも大きい。本実施例の感光体を用いて実
施例1と同様にして連続複写を実施した結果、初期及び
5万枚連続複写後のクリーニング後の感光体にトナーは
観察されず、画像不良は見られなかった。
【0063】(実施例3)疎水性シリカ微粒子(日本ア
エロジル社製アエロジルR972)を4.0重量部と、
構造式(1)の正孔輸送物質を6.0重量部と、感光体
バインダー樹脂としてシクロヘキシリデンビスフェノー
ルポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成TS205
0)9.0重量部を、テトラヒドロフラン67重量部に
溶解分散し、これを浸漬法で実施例1の電荷発生層上に
塗布・乾燥させて、膜厚が20μmの電荷輸送層を形成
し、本実施例の有機感光体を作製した。実施例1と同様
にして走査型電子顕微鏡で感光体表面を観察した結果、
感光体の表面に一様に分布したシリカの凝集体が見られ
た。実施例1と同様にして、実施例1のトナーと本実施
例の感光体の付着力を測定した結果、トナーと感光体の
付着力の平均値は5.7nNで、トナーとクリーニング
ローラの付着力(12.5nN)はトナーと感光体の付
着力よりも大きい。本実施例の感光体を用いて実施例1
と同様にして連続複写を実施した結果、初期及び5万枚
連続複写後のクリーニング後の感光体にトナーは観察さ
れず、画像不良は見られなかった。
【0064】(比較例1)実施例1でドラム上に形成し
た電荷発生層及び電荷輸送層上に微粒子分散層を設けず
に、比較例1の有機感光体とした。実施例1と同様にし
て、実施例1のトナーと本比較例の感光体の付着力を測
定した結果、トナーと感光体の付着力の平均値は14.
1nNで、トナーとクリーニングローラの付着力(1
2.5nN)はトナーと感光体の付着力よりも小さい。
本比較例の感光体を用いて実施例1と同様にして連続複
写を実施した結果、初期及び5万枚連続複写後のクリー
ニング後の感光体にトナーが多数観察され、画像不良が
発生した。
【0065】(比較例2)疎水性シリカ微粒子(日本ア
エロジル社製アエロジルR972)を0.1重量部と、
構造式(1)の正孔輸送物質を2.0重量部と、シクロ
ヘキシリデンビスフェノールポリカーボネート(Zポリ
カ、帝人化成TS2050)3.0重量部を、テトラヒ
ドロフラン67重量部に溶解・分散し、この分散液を実
施例1でドラム上に形成した電荷輸送層上に、スプレー
ドライ法を用いて塗布・乾燥させて、膜厚が5μmの微
粒子分散層を形成し、本実施例の有機感光体を作製し
た。実施例1と同様にして走査型電子顕微鏡で感光体表
面を観察した結果、感光体の表面に不均一に分散したシ
リカの凝集体が見られた。実施例1と同様にして、実施
例1のトナーと本比較例の感光体の付着力を測定した結
果、トナーと感光体の付着力の平均値は13.5nN
で、トナーとクリーニングローラの付着力(12.5n
N)はトナーと感光体の付着力よりも小さい。本比較例
の感光体を用いて実施例1と同様にして連続複写を実施
した結果、初期及び5万枚連続複写後のクリーニング後
の感光体にトナーが観察され、画像不良が発生した。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、転写工程後に像担持体
上に残留したトナーを、電圧を印加したクリーニングロ
ーラを用いてクリーニングする画像形成装置において、
トナーとクリーニングローラの非静電的付着力がトナー
と像担持体の非静電的付着力よりも大きくなるように構
成することにより、球形化したトナーでも効率よくクリ
ーニングすることが可能な画像形成装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】感光体とクリーニングローラとに対するトナー
の付着力を示す概略図である。
【図2】画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図3】本発明の実施例に係るトナー付着力測定装置の
測定セルの斜視図である。
【図4】本発明の実施例に係る遠心分離装置の一部断面
図である。
【符号の説明】 11 クリーニングローラ 12 像担持体 13 転写残トナー 14 回転方向 15 電界 21 感光体ドラム 22 帯電装置 23 露光 24 現像装置 25 スクリュー 26 現像スリーブ 27 ドクターブレード 28 転写装置 29 転写ベルト 30 ローラ 31 分離爪 32 定着装置 33 定着ローラ 34 加圧ローラ 35 定着ヒータ 36 クリーニング装置 37 クリーニングローラ 38 ブレード 39 トナー回収装置 40 電源装置 41 除電ランプ 51 測定セル 52 試料基板 52a 試料面 53 受け基板 53a 付着面 54 スペーサ 55 遠心分離装置 56 ロータ 57 保持部材 57a 棒状部 57b セル保持部 57c 穴部 57d 設置固定部 58 試料設置部 59 回転中心軸 Fc 付着力 Fe クーロン力 Fp 付着力 q 帯電量

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像担持体上にトナー像を形成し、像担持
    体上に形成されたトナー像を転写体上に転写した後、像
    担持体上に残留したトナーを除去するクリーニング工程
    を有する画像形成装置において、 クリーニング工程に使用する部材の内少なくとも一つが
    像担持体に接触して回転するクリーニングローラであ
    り、クリーニングローラと像担持体との間に像担持体上
    に残留したトナーがクリーニングローラ側に移動する向
    きに電界を形成する手段を設け、クリーニングローラと
    トナーとの間の非静電的付着力の平均値が像担持体とト
    ナーとの間の非静電的付着力の平均値よりも大きくなる
    ように構成していることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の画像形成装置におい
    て、 製造工程あるいは製造後の工程において球形化したトナ
    ーを使用することを特徴とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の画像形成
    装置において、 像担持体とトナーとの接触面積が、クリーニングローラ
    とトナーとの接触面積よりも小さくなるように構成して
    いることを特徴とする画像形成装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    の画像形成装置において、 像担持体の表面上に、トナーの体積平均粒径よりも小さ
    い凹凸を設けていることを特徴とする画像形成装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
    の画像形成装置において、 像担持体の表面上に、球形化したトナーの体積平均粒径
    よりも小さな微粒子を分布していることを特徴とする画
    像形成装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載
    の画像形成装置において、 像担持体が、球形化したトナーの体積平均粒径よりも小
    さな微粒子を分散させた層を有することを特徴とする画
    像形成装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載
    の画像形成装置において、 製造工程あるいは製造後の工程において球形化したトナ
    ーの体積平均粒径が3〜12μmとなるように調整して
    いることを特徴とする画像形成装置。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載
    の画像形成装置において、 製造工程あるいは製造後の工程において球形化したトナ
    ーの帯電量の平均値Q(fC)を体積平均粒径D(μ
    m)の二乗で割った値の絶対値Q/Dが0.005〜
    0.5(fC/μm) となるように調整しているこ
    とを特徴とする画像形成装置。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載
    の画像形成装置において、 製造工程あるいは製造後の工程において球形化したトナ
    ーが、一次粒子径の平均値が1nm〜100nmである
    微粒子から成る外添剤によって外添処理を施され、トナ
    ー粒子1粒子当たりの表面積に対する外添剤の被覆面積
    比率の平均値が8%〜100%となるように調整してい
    ることを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015059962A (ja) * 2013-09-17 2015-03-30 株式会社リコー 画像形成装置
JP2015084078A (ja) * 2013-09-17 2015-04-30 株式会社リコー 画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ
JP2021028665A (ja) * 2019-08-09 2021-02-25 富士ゼロックス株式会社 定着装置及び画像形成装置

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