JP2004251325A - ロックアップクラッチの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、エネルギロス状態での運転を抑制でき、燃費の改善を図れる自動変速機のロックアップ制御装置を提供することにある。
【解決手段】エンジン1と変速機構6との間に配置されるトルクコンバータ3と、その入力軸12と出力軸5とを係合可能なロックアップクラッチ2と、その係合状熊を制御する変速制御装置26とを備え、車速Vを検出する出力回転センサ37と、エンジンの回転速度Neを検出する入力回転センサ36と、エンジン負荷を検出するアクセル開度センサ34とを有し、変速制御装置26は車速Vが所定値B以上であるときには入力軸12と出力軸5とのスリップ速度Svtが所定値以下となるようにロックアップクラッチの係合状態を制御し、小さいときには、エンジン回転速度Neが車速とエンジン負荷とに基づき設定される目標値となるようにロックアップクラッチ2の係合状態を制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】エンジン1と変速機構6との間に配置されるトルクコンバータ3と、その入力軸12と出力軸5とを係合可能なロックアップクラッチ2と、その係合状熊を制御する変速制御装置26とを備え、車速Vを検出する出力回転センサ37と、エンジンの回転速度Neを検出する入力回転センサ36と、エンジン負荷を検出するアクセル開度センサ34とを有し、変速制御装置26は車速Vが所定値B以上であるときには入力軸12と出力軸5とのスリップ速度Svtが所定値以下となるようにロックアップクラッチの係合状態を制御し、小さいときには、エンジン回転速度Neが車速とエンジン負荷とに基づき設定される目標値となるようにロックアップクラッチ2の係合状態を制御する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トルクコンバータの入出力軸を結合するロックアップクラッチの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の自動変速機であるトルクコンバータはエンジン駆動される入力軸に結合されたポンプインペラと変速機構に連結された出力軸に結合されるタービンランナとの間で作動油を循環させ、その作動油の流動反力に応じたトルク伝達を行なうようにしている。このトルクコンバータのトルク伝達では、タービンの回転速度がポンプの回転速度に対して遅い場合、伝達トルクの増大作用を十分に得ることができ、タービン回転速度がポンプ回転速度に近づくに従って伝達トルクの増大作用は小さくなる。
【0003】
このようなトルクコンバータは、負荷情報であるスロットル開度が増変化している運転域ではタービンとポンプとの間にスリップが生じ、動力伝達効率の低下を避けることができず、燃費が悪くなるという問題を有する。そこで、トルクコンバータの入力軸と出力軸とを断続結合するロックアップクラッチを設け、ロックアップクラッチによって、トルクコンバータの入力軸と出力軸とを結合し、動力伝達効率を向上させて燃費の悪化を防止するようにしている。
【0004】
このロックアップクラッチのロックアップ制御は、例えば、図8に示すように、時点t0で負荷情報であるアクセル開度APSが全閉より増変化し、エンジン回転の上昇に伴ってトルクコンバータの入力軸と出力軸の回転差であるスリップ速度が生じ、車速が経時的に徐々に増加していき、所定車速V01を上回る時点t1(図9に示すタービン回転数NTが所定回転数NT1を上回る時点)よりスリップ直結制御(図9参照)に入り、ロックアップクラッチをスリップ直結状態とする。このスリップ直結制御では、完全直結時におけるロックアップクラッチの係合ショックを抑えると共にエンジン回転数の過度の吹き上がりを抑制するように、例えば、スリップ速度が所定値となるように油圧制御弁のデューティー比を調整している。
【0005】
この後、図8に示す時点t2で車速が所定値V02に達する(タービン回転数NTが所定回転数NT2に達する)と、完全直結の状態を得るデューティー比100%で油圧制御弁を駆動し、ロックアップクラッチを完全直結とする。
このように、所定車速V01以下の低速運転域(図9の非直結域)ではトルクコンバータの伝達トルクの増大作用を得て、トルク優先の走行を行ない、所定車速(V01と所定車速V02との間の中速運転域(図9のスリップ直結域)ではロックアップクラッチの油圧制御弁を操作してスリップ直結制御を行なってエンジン回転数の過度の上昇を抑えつつ車速の増加を図り、完全直結域では燃費の改善を図っての走行を行なうようにしている。
【0006】
なお、特許第2850646号公報(特許文献1)には車両の急発進時に一時ロックアップクラッチを締結し、発進性能を向上させる発明が開示される。
【0007】
【特許文献1】
特許第2850646号公報。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述のロックアップ機構付きのトルクコンバータによれば、通常運転状態においては、図9のシフトマップに基づき、必要に応じてトルクコンバータのロックアップ(完全直結制御)及びそれに先立つスリップ直結制御を車速Vs(タービン回転数NT)及びエンジン負荷(スロットル開度θT)に応じて行ない、ロックアップクラッチの係合ショックを抑え、燃費の向上を図ることができる。
【0009】
このように、車両の発進直後よりスリップ直結域又は完全直結域(高負荷の場合)に達する前の非直結域では、ロックアップクラッチを非直結状態としてトルクコンバータの伝達トルクの増大作用を得て、トルク優先の運転ができる。
しかし、図8に示すような車両の発進時t0より所定車速V01を上回る時点t1までのトルク優先の運転が平坦地で継続して長く行なわれたとする。この場合、トルクコンバータでのスリップ過大による伝達トルクロスの増加や、エンジンが高回転域で運転される時間が長くなり、燃料消費量の増加を招くこととなり、改善が望まれている。
【0010】
本発明は、以上のような課題に基づきなされたもので、従来の非直結域であっても所定のスリップ制御可能条件が満たされた場合、エネルギロス状態での運転を抑制でき、燃費の改善を図れる自動変速機のロックアップ制御装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1の発明は、エンジンと変速機構との間に配置され、該エンジンからの駆動力を該変速機構へ伝達するトルクコンバータと、該トルクコンバータの入力部材と出力部材とを係合可能なロックアップクラッチと、該ロックアップクラッチの係合状熊を車両の運転状態に応じて制御するクラッチ制御手段と、を備えたロックアップクラッチの制御装置において、車速を検出する車速検出手段と、上記エンジンの回転速度を検出するエンジン回転速度検出手段と、エンジン負荷を検出するエンジン負荷検出手段と、を有し、上記クラッチ制御手段は、上記車速が所定車速以上であるときには上記入力部材と上記出力部材との回転速度差が所定値又は所定値以下となるように上記ロックアップクラッチの係合状態を制御し、上記車速が上記所定車速よりも小さいときには、上記エンジン回転速度又は上記回転速度差が上記車速と上記エンジン負行とに基づき設定される目標値となるように上記ロックアップクラッチの係合状態を制御することを特徴とする。
【0012】
このように、車速が所定車速よりも小さいときには、エンジン回転速度又は回転速度差が車速とエンジン負荷とに基づき設定される目標値となるようにロックアップクラッチの係合状態を制御することで、エンジン吹き上がりを防止し、これにより燃費向上を図ることができる。この場合、所定車速はエンジン負荷に応じて変化するように設定するようにシフトマップを作成して用いても良いし、エンジン負荷に関係なく設定するようにしてもよい。
ここで、入力部材と出力部材との回転速度差が所定値又は所定値以下となるようにロックアップクラッチの係合状態を制御するにあたり、所定値とは、例えば、完全直結領域であれば、0rpmに、スリップ直結拡張域であれば、例えば5rpmに設定される。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1記載のロックアップクラッチの制御装置において、上記クラッチ制御手段は、上記車速が所定車速よりも小さいときであっても、上記エンジン負荷が所定値よりも大きいときには、上記ロックアップクラッチを非直結状態とすることを特徴とする。
このように、車速が所定車速よりも小さく、エンジン負荷が所定値よりも大きいときには、ロックアップクラッチを非直結状態としてトルクコンバータのトルク増幅を利用し、加速性(発進性)の向上を図る。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1記載のロックアップクラッチの制御装置において、上記クラッチ制御手段は、上記エンジン負荷からエンジン負行の変化量又は変化速度を求め、上記車速が所定車速よりも小さいときであっても、該変化量又は変化速度が大きいときには、上記ロックアップクラッチを非直結状態とすることを特徴とする。
このように、高負荷域に飛び込む可能性が高いエンジン負荷の変化量又は変化速度が大であるときには、車速が所定車速よりも小さい場合であっても、ロックアップクラッチを非直結状態としてトルクコンバータのトルク増幅を利用し、加速性(発進性)の向上を図る。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1記載のロックアップクラッチの制御装置において、上記クラッチ制御手段は、上記車速が所定車速よりも小さいときであっても、上記エンジン回転速度が所定値以下のときには、上記ロックアップクラッチを非直結状態とすることを特徴とする。
このように、エンジン回転速度が所定値以下のときにロックアップクラッチを係合すると、トルク振動が伝達されるが、所定値よりも大きいときにのみ係合させることにより該振動を抑制できる。また、エンストも回避できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1には本発明の実施形態としてのロックアップクラッチの制御装置を示した。
エンジン1によって発生された動力は、エンジン1のクランク軸4に連結されたトルクコンバータ3と、トルクコンバータ3の出力軸5に連結されて複数組の遊星歯車ユニットによって変速可能な歯車変速機6とを介して、歯車変速機6の出力軸7に伝達されて駆動輪側へと出力される。
【0017】
トルクコンバータ3は流体式回転伝達機構を成し、エンジン1のクランク軸4に直結される入力軸12と、入力軸12と一体結合されたトルクコンバータ3のフロントカバー11と、フロントカバー11に連結されたポンプ羽根車(以下ポンプ)13と、歯車変速機6の入力軸14に連結される出力軸5と、出力軸5に連結されるタービン羽根車(以下、タービン)15と、一方向クラッチ16を介してハウジング17に支持されるステータ羽根車18とを備える。
【0018】
更に、トルクコンバータ3内には、フロントカバー11と夕一ビン15との間に湿式単板型のロックアップクラッチ2が介装され、同ロックアップクラッチ2の係合により入力軸12と出力軸5とが直結可能となっている。ロックアップクラッチ2は油路20,21を介して、油圧制御回路25から供給される作動油により駆動される。
【0019】
さて、油路20を介してフロントカバー11とロックアップクラッチ2との間にトルクコンバータ潤滑油圧(リリース圧)が供給され、同時に油路21を介してフロントカバー11から作動油が排出される。すると、ロックアップクラッチ2が解放状態(非直結状態)となり、入力軸12の回転はポンプ13とタービン15とを介して出力軸5に伝違されるようになる。一方、油路20を介してフロントカバー11とロックアップクラッチ2との間の作動油が排出され、同時に油路21を介してフロントカバー11内に油圧制御回路25の調圧に基づくアプライ圧が供給される。
【0020】
すると、ロックアップクラッチ2が結合状態(完全直結状態)となり、入力軸12の回転は直接に出力軸5に伝達されるようになる。
歯車変速機6は、複数の油圧式摩擦係合装置の係合・非係合の組合せに応じて複数の前進ギア段及び後進ギア段の1つを選択的に成立させ、選択されたギア段に応じて入力軸14から入力した回転を変速して出力軸7に伝達する。
【0021】
油圧制御回路25は、後述の変速制御装置26からの信号により駆動される第1電磁弁27及び第2電磁弁28を備えており、これら電磁弁の作動の組合せにより歯車変速機6の不図示の油圧式摩擦係合装置を選択的に作動させる。
更に、油圧制御回路25は、ロックアップクラッチ2の係合度合いを制御するための第3電磁弁29を備えている。
【0022】
第3電磁弁29は、変速制御装置26からの信号によりON時問とOFF時間との比率であるデューティ比が制御されるソレノイド駆動型の電磁弁である。ここで、第3電磁弁29からのデューティ比信号を受けた切替弁30がデューティ比相当の制御圧を制御弁31に与え、同制御弁31はこの制御圧に応じて油路21にアプライ圧を供給したり、油路20にリリース圧を供給することにより、ロックアップクラッチ2の係合度合いが制御されるようになっている。
【0023】
エンジン1にはこれを制御するエンジン制御装置32が接続される。ロックアップクラッチ2の係合度合いや歯車変速機6の変速状態を油圧制御する油圧制御回路25にはクラッチ制御手段としての変速制御装置26が接続される。
エンジン制御装置32及び変速制御装置26は共にマイクロコンピュータからなる電子制御ユニットとしてのハード構成を備え、後述の各制御機能を内蔵しており、両制御装置は相互に信号の授受を行なうよう連結されている。
【0024】
エンジン制御装置32はクランク角センサ33よりクランク角信号dcを取り込み、アクセルセンサ34よりアクセル開度APS信号を取り込み、アイドルスイッチ35よりアイドル時Ip信号を取り込み、これら運転情報に応じて周知の燃料供給制御及び点火時期制御を行なう機能を備える。なお、燃料供給制御、点火時期制御は周知の制御が成され詳細な説明を略す。
【0025】
変速制御装置26はエンジン制御装置32からクランク角センサ33の検出信号に基づき検出されるエンジン回転速度Neを入力し、出力軸5の回転であるタービン回転速度Nt信号を出力回転センサ37により取り込む。これらエンジン回転速度Neとタービン回転速度Ntとに応じてスリップ速度svt(=Ne−Nt)を演算し、タービン回転速度Nt信号に変速比βを乗じて車速V(=Nt×β)を演算し、これら情報に応じてロックアップクラッチ制御及び変速制御を順次実行するという機能を備える。
【0026】
変速制御装置26は歯車変速機6の変速制御において、予め記憶された複数の変速段設定マップから車両の運転状態に対応した変速段設定マップを選択し、選択したマップからアクセル開度APSとタービン回転速度Ntから演算された車速Vとに基づいて変速段を決定し、この変速段が得られるように第1及び第2電磁弁27,28を駆動して、歯車変速機6の変速制御が行なわれる。
次に、変速制御装置26のロックアップクラッチ2の制御について説明する。
【0027】
ロックアップクラッチ2は、油圧制御回路25の第3電磁弁29の作動に応じた制御油圧によって制御弁31を作動させることにより、係合量状態が調整されるもので、例えば、第3電磁弁29がデューティー比80%で駆動されると油路21を介してフロントカバー11内にアプライ圧が供給されて、ロックアップクラッチ2が完全直結状態となり、即ち、トルクコンバータ3の入力軸12と出力軸5の回転差がゼロとなる。
【0028】
油圧制御回路25の第3電磁弁29がデューティー比0%で駆動されると油路20を介してフロントカバー11とロックアップクラッチ2との間にリリース圧が供給されて、ロックアップクラッチは解放状態(非直結状態)となる。
発進時のロックアップクラッチ2の制御は、図6,7のロックアップクラッチ制御処理に沿って実行される。このロックアップクラッチ制御処理は、不図示の変速制御でのメインルーチンの途中の適宜のタイミングで割り込み処理として実行される。
【0029】
ステップs1に達すると、出力回転センサ37、油温センサ38、クランク角センサ33、アクセルセンサ34、アイドルスイッチ35などの各センサより最新データが取り込まれる。ここでは最新の運転情報である、タービン回転速度Nt、スリップ速度svt(=Ne−Nt)、車速V(=Nt×β)、油温TATFの各信号と、更に、エンジン制御装置よりエンジン回転数Ne、アクセル開度APS、アイドルスイッチ信号Ipの各信号が取り込まれる。
ステップs2では、車速Vが下限側の所定値Aと上限側の所定値Bの間の車速規制域にあるか否か判断する。
【0030】
この場合、車両の走行判定域の下限側の所定値Aは、例えば3km/hが採用される。上限側の所定値Bは後述の完全直結制御域(又は、スリップ直結制御域)との間のしきい値vbkm/h(例えば、20km/h)で、これら所定車速A,Bによってスリップ直結拡張域が設定される。
ステップs2で3km/h以上vbkm/h以下の走行設定域にないと判断された場合、ステップs7に進み、後述の発進スリップ制御開始フラグFLG1をリセットし、ステップs8では従来同様にシフトマップに基づくロックアップクラッチ制御を実行する。
【0031】
ステップs2よりYes側のステップs3に達すると、ここでは、アクセル開度APSが下限側の所定値Cと上限側の所定値Dの間の負荷設定域にあるか否か判断する。ここで、負荷設定域の下限側の所定値Cは、例えば、図3に示されるスリップ拡張直結域の下限アクセル開度であって、タービン回転数NTに応じて増大設定される。上限側の所定値Dは、図3のスリップ拡張直結域の上限アクセル開度(例えば、アクセル開度40%)に設定される。
【0032】
この負荷設定域にない場合、即ち、エンジン負荷が所定値Cよりも小さいとき、又は、エンジン負荷が所定値Dよりも大きいとき(例えば、アクセル開度40%を上回るとき)には、上述のステップs7に進み、後述の発進スリップ制御開始フラグFLG1をリセットし、ステヅプs8で通常のシフトマップに基づくロックアップクラッチ制御を実行する。これにより、例えば、アクセル開度40%を上回るような高負荷運転域ではロックアップクラッチ2を非連結状態としてトルクコンバータのトルク増幅を利用し、加速性(発進性)の向上を図る。
【0033】
ステップs3のYes側であるステップs4に達すると、ここではエンジン負行の変化量又は変化速度であるアクセル開度の変化率△APSが演算され、この値が下限側の所定値Eと上限側の所定値Fの間のアクセル開度の変化率設定域にあるか否か判断する。
ここで下限側の所定値Eと上限側の所定値Fとはアクセル開度の変化によってエンジン負荷が上記負荷設定域から外れる可能性が高い場合を想定して設定される。例えば、アクセル開度が所定値Dを上回る、或いは、所定値Cを下回る頻度の高い値として適宜の値が設定される。
【0034】
このアクセル開度の変化率設定域にない場合、即ち、エンジン負荷が負荷設定域から外れる(例えば、アクセル開度がアクセル開度40%を上回る、或いは、アクセル開度0%に達する)可能性があるときには、上述のステップs7に進み、後述の発進スリップ制御開始フラグFLG1をリセットし、ステップs8で通常のロックアップクラッチ制御を実行する。これにより、アクセル開度40%を上回るような、高負荷運転域ではロックアップクラッチ2を非連結状態としてトルクコンバータのトルク増幅を利用し、加速性(発進性)の向上を図る。
【0035】
アクセル開度の変化率設定域にあるとしてステップs4のYes側であるステップs5に達すると、ここではATF3の油温TATFが所定値tγを上回るか否か判断し、上回るとステップs6に下回ると油圧応答性が低いということより、上述のステップs7,8と進んで、発進スリツプ制御開始フラグをリセットし、通常のロックアップクラッチ制御を実行し、メインルーチンにリターンする。
【0036】
ステップs5のYes側であるステップs6に達すると、ここでは発進スリップ制御開始フラグFLG1がセットか否か判断し、最初は否であり、ステップs9に進む。
ステップs9ではエンジン回転数Neが所定値Ne1(例えば、1100rpm)にハンチング防止用の修正値α(例えば、100rpm)を加算した値を上回るか否か判断し、上回る場合はステップs11で発進スリップ制御開始フラグFLG1をセットしてメインルーチンにリターンする。なお、下回る場合はステップs10に進み、通常のロックアップクラッチ制御を実行する。
【0037】
このように、車速が所定車速域(所定値A<車速<所定値B)にあるときであっても、エンジン回転速度が所定値Ne(例えば、1110rpm)以下のときには、ステップs10に進んでロックアップクラッチ2を非連結状態とする。これにより、エンジン回転速度が所定値(Ne0+α)以下のときに連結すると、トルク振動が伝達される傾向にあるが、ここでは、所定値よりも大きいときにのみ連結させることによりトルク振動を抑制でき、エンストも回避できる。
【0038】
発進スリップ制御開始フラグFLG1をセットした後、再度ステップs6に達っするとここでの判定はYesで、ステップs12に進む。ここでは、エンジン回転数Neが所定値Ne(例えば、1100rpm)を上回るか否か再度判断し、上回る場合はステップs13に、下回る場合はステツプs7、s8と進んで、発進スリップ制御開始フラグFLG1をリセットし、通常のロックアップクラッチ制御を実行してメインルーチンにリターンする。
上述のステップs2,s3,s4,s5,s12でのスリップ制御可能条件が順次満たされたと判定されるとステップs13に達することとなる。
【0039】
このステップs13ではエンジン回転数Neが所定値Ne1を上回る運転域に達しており、ここで車速Vと負荷情報であるアクセル開度APSに応じて予め設定された目標エンジン回転数Neoを演算する。ここでは、図4に示す目標エンジン回転数Neoの設定マップm1を用いる。この目標エンジン回転数設定マップm1は車速Vとアクセル開度APSの増加に応じて目標エンジン回転数Neoが大きく設定されるように作成されている。
【0040】
続いて、ステップs14では、図2に1点鎖線で示すように、目標エンジン回転数Neoに実エンジン回転数Nenが収束するよう、即ち、差分△Ne(=|Ne0−Nen|)を排除するように制御する。この場合、差分△Neを排除する方向に第3電磁弁29のデューテイー比を増減調整してロックアップクラッチ2の係合状態を制御するという、回転数フィードバック制御を実行することとなる。
【0041】
これにより、実エンジン回転数Nenはその吹き上がりを規制される。しかも、トルクコンバータ3に並列配備されたロックアップクラッチ2がトルク伝達量を徐々に増加させることとなり、トルクコンバータ3の入力軸12と出力軸5の回転差であるスリップ速度svt(=Ne−Nt)が従来のように増大することを確実に規制し、回転差がゼロ側に徐々に近づき、同時に車速Vが引き上げられることとなる。
【0042】
このようなステップs14の制御が継続し、やがて車速Vが上限側の所定値B(例えば、20km/h)を上回るか、アクセル開度APSが上限側の所定値D(例えば、アクセル開度40%)を上回るか、或いは、アクセル開度の変化率△APSがアクセル開度の変化率設定域を離脱し、急変し、更には、エンジン回転数Neが所定値Ne(例えば、1100rpm)を下回ると、ステップs2,s3,s4,s12より発進スリップ制御可能条件を離脱したとしてステップs7,8と進み、発進スリップ制御開始フラグをリセットし、シフトマップに基づく通常のロックアップクラッチ制御を実行し、メインルーチンにリターンする。
【0043】
このように、発進スリップ制御可能条件を満たす運転域ではロックアップクラッチ2をスリップ直結制御することで、エンジン吹き上がりを防止し、これにより燃費向上を図ることができる。また、スリップ状態とすることでトルク振動の伝達を抑制できる。
【0044】
上述のところで、ステップs2で用いる所定車速である上限側の所定値B(例えば、20km/h)は一定の値としていたが、場合により、所定車速はエンジン負荷であるアクセル開度APSに応じて増変化するように設定しても良いし、エンジン負荷に関係なく設定するようにしても良い。
ここで、入力軸12と出力軸5との回転速度差であるスリップ速度svt(=Ne−Nt)が所定値又は所定値以下となるようにロックアップクラッチの係合状態を制御するにあたり、所定値とは完全直結領域であれば、0rpmに、スリップ直結域であれば、例えば5rpmに設定することが好ましい。
【0045】
図1のロックアップクラッチの制御装置では、ステップs2,s3,s4,s5,s12での発進スリップ制御可能条件が全て満たされたと判定されるとステップs13に達し、車速Vとアクセル開度APSに応じて目標エンジン回転数Neoを目標エンジン回転数Neoの設定マップm1を用い演算し、目標エンジン回転数Neoに実エンジン回転数Nenが収束するよう、即ち、差分△Ne(=|Ne0−Nen|)を排除するよう、第3電磁弁29のデューティー比を増減調整し、ロックアップクラッチ2の係合状態を制御するという回転数フィードバック制御を実行していた。
これに代えて、単に車速Vに応じて目標エンジン回転数Neoを設定する不図示の目標エンジン回転数Neoの設定マップを用い、目標エンジン回転数Neoを設定しても良く、この場合制御が簡素化される。
【0046】
更に、ステップs2,s3,s4,s5,s12での発進スリップ制御可能条件が全て満たされたあと、ステップs13に代えて、ステップs13a(不図示)で、車速Vとアクセル開度APSに応じた目標スリップ速度svtoを図5に示す目標スリップ速度の設定マップm2を用いて演算する。その上で、ステップs13に代えてステップs14a(不図示)で目標スリップ速度svtoに実スリップ速度svt(=Ne−Nt)が収束するよう、即ち、差分△svt(=|svto−svt|)を排除するよう、第3電磁弁29のデューティー比を増減調整し、ロックアップクラッチ2の係合状態を制御するというスリップ速度フィードバック制御を実行しても良い。
【0047】
更に、車速Vとアクセル開度APSに応じた目標エンジン回転数Neo、及び、車速Vとアクセル開度APSに応じた目標スリップ速度svtoを共に満たすように、第3電磁弁29のデューティー比を増減調整し、ロックアップクラッチ2の係合状態を制御するという目標エンジン回転数及びスリップ速度フィードバック制御を実行しても良い。この場合、外乱による影響を抑え、より安定したロックアップクラッチ制御処理が成され、燃費の改善をより確実に図ることが出きる。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、車速が所定車速よりも小さいときには、エンジン回転速度又は回転速度差が車速とエンジン負荷とに基づき設定される目標値となるようにロックアップクラッチの係合状態を制御することで、エンジン吹き上がりを防止し、これにより燃費向上を図ることができる。
【0049】
請求項2の発明は、エンジン負荷が所定値よりも大きいときにはロックアップクラッチを非直結状態としてトルクコンバータのトルク増幅を利用し、加速性(発進性)の向上を図る。
【0050】
請求項3の発明は、エンジン負荷の変化量又は変化速度が大であるときには、車速が所定車速よりも小さい場合であっても、ロックアップクラッチを非直結状態としてトルクコンバータのトルク増幅を利用し、加速性(発進性)の向上を図る。
【0051】
請求項4の発明は、エンジン回転速度が所定値以下のときにはロックアップクラッチを非直結状態とすることによりトルク振動を抑制できる。また、エンストも回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての自動変速機のロックアップ制御装置を装備するエンジンの動力伝達系の全体構成図である。
【図2】図1のロックアップ制御装置で制御された車両の経時的な駆動特性線図である。
【図3】図1のロックアップ制御装置で制御されたロックアップクラッチの運転特性線図である。
【図4】図1のロックアップ制御装置で用いる目標エンジン回転数設定マップの特性線図である。
【図5】図1のロックアップ制御装置で用いる目標スリップ速度設定マップの特性線図である。
【図6】図1のロックアップ制御装置の制御処理を説明するフローチャートの前段部である。
【図7】図1のロックアップ制御装置の制御処理を説明するフローチャートの後段部である。
【図8】従来のロックアップ制御装置で制御された車両の経時的な駆動特性線図である。
【図9】図8の従来のロックアップ制御装置で制御されたロックアップクラッチの運転特性線図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 ロックアップクラッチ
3 トルクコンバータ
5 出力軸(出力部材)
6 変速機構
12 入力軸(入力部材)
26 変速制御装置(クラッチ制御手段)
33 エンジン回転センサ(クランク角センサ)
34 アクセル開度センサ(エンジン負荷検出手段)
35 アイドルスイッチ
36 入力回転センサ(エンジン回転センサ)
37 出力回転センサ(車速検出手段)
38 油温センサ
svt スリップ速度(=Ne−Nt)
svto 目標スリップ速度
B 所定値
Ne エンジン回転数
Np ポンプ回転速度
Nt タービン回転速度
△Ne エンジン回転速度差分
APS アクセル開度
Ip アイドル時の信号
V 車速(=Nt×β)
【発明の属する技術分野】
本発明は、トルクコンバータの入出力軸を結合するロックアップクラッチの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の自動変速機であるトルクコンバータはエンジン駆動される入力軸に結合されたポンプインペラと変速機構に連結された出力軸に結合されるタービンランナとの間で作動油を循環させ、その作動油の流動反力に応じたトルク伝達を行なうようにしている。このトルクコンバータのトルク伝達では、タービンの回転速度がポンプの回転速度に対して遅い場合、伝達トルクの増大作用を十分に得ることができ、タービン回転速度がポンプ回転速度に近づくに従って伝達トルクの増大作用は小さくなる。
【0003】
このようなトルクコンバータは、負荷情報であるスロットル開度が増変化している運転域ではタービンとポンプとの間にスリップが生じ、動力伝達効率の低下を避けることができず、燃費が悪くなるという問題を有する。そこで、トルクコンバータの入力軸と出力軸とを断続結合するロックアップクラッチを設け、ロックアップクラッチによって、トルクコンバータの入力軸と出力軸とを結合し、動力伝達効率を向上させて燃費の悪化を防止するようにしている。
【0004】
このロックアップクラッチのロックアップ制御は、例えば、図8に示すように、時点t0で負荷情報であるアクセル開度APSが全閉より増変化し、エンジン回転の上昇に伴ってトルクコンバータの入力軸と出力軸の回転差であるスリップ速度が生じ、車速が経時的に徐々に増加していき、所定車速V01を上回る時点t1(図9に示すタービン回転数NTが所定回転数NT1を上回る時点)よりスリップ直結制御(図9参照)に入り、ロックアップクラッチをスリップ直結状態とする。このスリップ直結制御では、完全直結時におけるロックアップクラッチの係合ショックを抑えると共にエンジン回転数の過度の吹き上がりを抑制するように、例えば、スリップ速度が所定値となるように油圧制御弁のデューティー比を調整している。
【0005】
この後、図8に示す時点t2で車速が所定値V02に達する(タービン回転数NTが所定回転数NT2に達する)と、完全直結の状態を得るデューティー比100%で油圧制御弁を駆動し、ロックアップクラッチを完全直結とする。
このように、所定車速V01以下の低速運転域(図9の非直結域)ではトルクコンバータの伝達トルクの増大作用を得て、トルク優先の走行を行ない、所定車速(V01と所定車速V02との間の中速運転域(図9のスリップ直結域)ではロックアップクラッチの油圧制御弁を操作してスリップ直結制御を行なってエンジン回転数の過度の上昇を抑えつつ車速の増加を図り、完全直結域では燃費の改善を図っての走行を行なうようにしている。
【0006】
なお、特許第2850646号公報(特許文献1)には車両の急発進時に一時ロックアップクラッチを締結し、発進性能を向上させる発明が開示される。
【0007】
【特許文献1】
特許第2850646号公報。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述のロックアップ機構付きのトルクコンバータによれば、通常運転状態においては、図9のシフトマップに基づき、必要に応じてトルクコンバータのロックアップ(完全直結制御)及びそれに先立つスリップ直結制御を車速Vs(タービン回転数NT)及びエンジン負荷(スロットル開度θT)に応じて行ない、ロックアップクラッチの係合ショックを抑え、燃費の向上を図ることができる。
【0009】
このように、車両の発進直後よりスリップ直結域又は完全直結域(高負荷の場合)に達する前の非直結域では、ロックアップクラッチを非直結状態としてトルクコンバータの伝達トルクの増大作用を得て、トルク優先の運転ができる。
しかし、図8に示すような車両の発進時t0より所定車速V01を上回る時点t1までのトルク優先の運転が平坦地で継続して長く行なわれたとする。この場合、トルクコンバータでのスリップ過大による伝達トルクロスの増加や、エンジンが高回転域で運転される時間が長くなり、燃料消費量の増加を招くこととなり、改善が望まれている。
【0010】
本発明は、以上のような課題に基づきなされたもので、従来の非直結域であっても所定のスリップ制御可能条件が満たされた場合、エネルギロス状態での運転を抑制でき、燃費の改善を図れる自動変速機のロックアップ制御装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1の発明は、エンジンと変速機構との間に配置され、該エンジンからの駆動力を該変速機構へ伝達するトルクコンバータと、該トルクコンバータの入力部材と出力部材とを係合可能なロックアップクラッチと、該ロックアップクラッチの係合状熊を車両の運転状態に応じて制御するクラッチ制御手段と、を備えたロックアップクラッチの制御装置において、車速を検出する車速検出手段と、上記エンジンの回転速度を検出するエンジン回転速度検出手段と、エンジン負荷を検出するエンジン負荷検出手段と、を有し、上記クラッチ制御手段は、上記車速が所定車速以上であるときには上記入力部材と上記出力部材との回転速度差が所定値又は所定値以下となるように上記ロックアップクラッチの係合状態を制御し、上記車速が上記所定車速よりも小さいときには、上記エンジン回転速度又は上記回転速度差が上記車速と上記エンジン負行とに基づき設定される目標値となるように上記ロックアップクラッチの係合状態を制御することを特徴とする。
【0012】
このように、車速が所定車速よりも小さいときには、エンジン回転速度又は回転速度差が車速とエンジン負荷とに基づき設定される目標値となるようにロックアップクラッチの係合状態を制御することで、エンジン吹き上がりを防止し、これにより燃費向上を図ることができる。この場合、所定車速はエンジン負荷に応じて変化するように設定するようにシフトマップを作成して用いても良いし、エンジン負荷に関係なく設定するようにしてもよい。
ここで、入力部材と出力部材との回転速度差が所定値又は所定値以下となるようにロックアップクラッチの係合状態を制御するにあたり、所定値とは、例えば、完全直結領域であれば、0rpmに、スリップ直結拡張域であれば、例えば5rpmに設定される。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1記載のロックアップクラッチの制御装置において、上記クラッチ制御手段は、上記車速が所定車速よりも小さいときであっても、上記エンジン負荷が所定値よりも大きいときには、上記ロックアップクラッチを非直結状態とすることを特徴とする。
このように、車速が所定車速よりも小さく、エンジン負荷が所定値よりも大きいときには、ロックアップクラッチを非直結状態としてトルクコンバータのトルク増幅を利用し、加速性(発進性)の向上を図る。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1記載のロックアップクラッチの制御装置において、上記クラッチ制御手段は、上記エンジン負荷からエンジン負行の変化量又は変化速度を求め、上記車速が所定車速よりも小さいときであっても、該変化量又は変化速度が大きいときには、上記ロックアップクラッチを非直結状態とすることを特徴とする。
このように、高負荷域に飛び込む可能性が高いエンジン負荷の変化量又は変化速度が大であるときには、車速が所定車速よりも小さい場合であっても、ロックアップクラッチを非直結状態としてトルクコンバータのトルク増幅を利用し、加速性(発進性)の向上を図る。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1記載のロックアップクラッチの制御装置において、上記クラッチ制御手段は、上記車速が所定車速よりも小さいときであっても、上記エンジン回転速度が所定値以下のときには、上記ロックアップクラッチを非直結状態とすることを特徴とする。
このように、エンジン回転速度が所定値以下のときにロックアップクラッチを係合すると、トルク振動が伝達されるが、所定値よりも大きいときにのみ係合させることにより該振動を抑制できる。また、エンストも回避できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1には本発明の実施形態としてのロックアップクラッチの制御装置を示した。
エンジン1によって発生された動力は、エンジン1のクランク軸4に連結されたトルクコンバータ3と、トルクコンバータ3の出力軸5に連結されて複数組の遊星歯車ユニットによって変速可能な歯車変速機6とを介して、歯車変速機6の出力軸7に伝達されて駆動輪側へと出力される。
【0017】
トルクコンバータ3は流体式回転伝達機構を成し、エンジン1のクランク軸4に直結される入力軸12と、入力軸12と一体結合されたトルクコンバータ3のフロントカバー11と、フロントカバー11に連結されたポンプ羽根車(以下ポンプ)13と、歯車変速機6の入力軸14に連結される出力軸5と、出力軸5に連結されるタービン羽根車(以下、タービン)15と、一方向クラッチ16を介してハウジング17に支持されるステータ羽根車18とを備える。
【0018】
更に、トルクコンバータ3内には、フロントカバー11と夕一ビン15との間に湿式単板型のロックアップクラッチ2が介装され、同ロックアップクラッチ2の係合により入力軸12と出力軸5とが直結可能となっている。ロックアップクラッチ2は油路20,21を介して、油圧制御回路25から供給される作動油により駆動される。
【0019】
さて、油路20を介してフロントカバー11とロックアップクラッチ2との間にトルクコンバータ潤滑油圧(リリース圧)が供給され、同時に油路21を介してフロントカバー11から作動油が排出される。すると、ロックアップクラッチ2が解放状態(非直結状態)となり、入力軸12の回転はポンプ13とタービン15とを介して出力軸5に伝違されるようになる。一方、油路20を介してフロントカバー11とロックアップクラッチ2との間の作動油が排出され、同時に油路21を介してフロントカバー11内に油圧制御回路25の調圧に基づくアプライ圧が供給される。
【0020】
すると、ロックアップクラッチ2が結合状態(完全直結状態)となり、入力軸12の回転は直接に出力軸5に伝達されるようになる。
歯車変速機6は、複数の油圧式摩擦係合装置の係合・非係合の組合せに応じて複数の前進ギア段及び後進ギア段の1つを選択的に成立させ、選択されたギア段に応じて入力軸14から入力した回転を変速して出力軸7に伝達する。
【0021】
油圧制御回路25は、後述の変速制御装置26からの信号により駆動される第1電磁弁27及び第2電磁弁28を備えており、これら電磁弁の作動の組合せにより歯車変速機6の不図示の油圧式摩擦係合装置を選択的に作動させる。
更に、油圧制御回路25は、ロックアップクラッチ2の係合度合いを制御するための第3電磁弁29を備えている。
【0022】
第3電磁弁29は、変速制御装置26からの信号によりON時問とOFF時間との比率であるデューティ比が制御されるソレノイド駆動型の電磁弁である。ここで、第3電磁弁29からのデューティ比信号を受けた切替弁30がデューティ比相当の制御圧を制御弁31に与え、同制御弁31はこの制御圧に応じて油路21にアプライ圧を供給したり、油路20にリリース圧を供給することにより、ロックアップクラッチ2の係合度合いが制御されるようになっている。
【0023】
エンジン1にはこれを制御するエンジン制御装置32が接続される。ロックアップクラッチ2の係合度合いや歯車変速機6の変速状態を油圧制御する油圧制御回路25にはクラッチ制御手段としての変速制御装置26が接続される。
エンジン制御装置32及び変速制御装置26は共にマイクロコンピュータからなる電子制御ユニットとしてのハード構成を備え、後述の各制御機能を内蔵しており、両制御装置は相互に信号の授受を行なうよう連結されている。
【0024】
エンジン制御装置32はクランク角センサ33よりクランク角信号dcを取り込み、アクセルセンサ34よりアクセル開度APS信号を取り込み、アイドルスイッチ35よりアイドル時Ip信号を取り込み、これら運転情報に応じて周知の燃料供給制御及び点火時期制御を行なう機能を備える。なお、燃料供給制御、点火時期制御は周知の制御が成され詳細な説明を略す。
【0025】
変速制御装置26はエンジン制御装置32からクランク角センサ33の検出信号に基づき検出されるエンジン回転速度Neを入力し、出力軸5の回転であるタービン回転速度Nt信号を出力回転センサ37により取り込む。これらエンジン回転速度Neとタービン回転速度Ntとに応じてスリップ速度svt(=Ne−Nt)を演算し、タービン回転速度Nt信号に変速比βを乗じて車速V(=Nt×β)を演算し、これら情報に応じてロックアップクラッチ制御及び変速制御を順次実行するという機能を備える。
【0026】
変速制御装置26は歯車変速機6の変速制御において、予め記憶された複数の変速段設定マップから車両の運転状態に対応した変速段設定マップを選択し、選択したマップからアクセル開度APSとタービン回転速度Ntから演算された車速Vとに基づいて変速段を決定し、この変速段が得られるように第1及び第2電磁弁27,28を駆動して、歯車変速機6の変速制御が行なわれる。
次に、変速制御装置26のロックアップクラッチ2の制御について説明する。
【0027】
ロックアップクラッチ2は、油圧制御回路25の第3電磁弁29の作動に応じた制御油圧によって制御弁31を作動させることにより、係合量状態が調整されるもので、例えば、第3電磁弁29がデューティー比80%で駆動されると油路21を介してフロントカバー11内にアプライ圧が供給されて、ロックアップクラッチ2が完全直結状態となり、即ち、トルクコンバータ3の入力軸12と出力軸5の回転差がゼロとなる。
【0028】
油圧制御回路25の第3電磁弁29がデューティー比0%で駆動されると油路20を介してフロントカバー11とロックアップクラッチ2との間にリリース圧が供給されて、ロックアップクラッチは解放状態(非直結状態)となる。
発進時のロックアップクラッチ2の制御は、図6,7のロックアップクラッチ制御処理に沿って実行される。このロックアップクラッチ制御処理は、不図示の変速制御でのメインルーチンの途中の適宜のタイミングで割り込み処理として実行される。
【0029】
ステップs1に達すると、出力回転センサ37、油温センサ38、クランク角センサ33、アクセルセンサ34、アイドルスイッチ35などの各センサより最新データが取り込まれる。ここでは最新の運転情報である、タービン回転速度Nt、スリップ速度svt(=Ne−Nt)、車速V(=Nt×β)、油温TATFの各信号と、更に、エンジン制御装置よりエンジン回転数Ne、アクセル開度APS、アイドルスイッチ信号Ipの各信号が取り込まれる。
ステップs2では、車速Vが下限側の所定値Aと上限側の所定値Bの間の車速規制域にあるか否か判断する。
【0030】
この場合、車両の走行判定域の下限側の所定値Aは、例えば3km/hが採用される。上限側の所定値Bは後述の完全直結制御域(又は、スリップ直結制御域)との間のしきい値vbkm/h(例えば、20km/h)で、これら所定車速A,Bによってスリップ直結拡張域が設定される。
ステップs2で3km/h以上vbkm/h以下の走行設定域にないと判断された場合、ステップs7に進み、後述の発進スリップ制御開始フラグFLG1をリセットし、ステップs8では従来同様にシフトマップに基づくロックアップクラッチ制御を実行する。
【0031】
ステップs2よりYes側のステップs3に達すると、ここでは、アクセル開度APSが下限側の所定値Cと上限側の所定値Dの間の負荷設定域にあるか否か判断する。ここで、負荷設定域の下限側の所定値Cは、例えば、図3に示されるスリップ拡張直結域の下限アクセル開度であって、タービン回転数NTに応じて増大設定される。上限側の所定値Dは、図3のスリップ拡張直結域の上限アクセル開度(例えば、アクセル開度40%)に設定される。
【0032】
この負荷設定域にない場合、即ち、エンジン負荷が所定値Cよりも小さいとき、又は、エンジン負荷が所定値Dよりも大きいとき(例えば、アクセル開度40%を上回るとき)には、上述のステップs7に進み、後述の発進スリップ制御開始フラグFLG1をリセットし、ステヅプs8で通常のシフトマップに基づくロックアップクラッチ制御を実行する。これにより、例えば、アクセル開度40%を上回るような高負荷運転域ではロックアップクラッチ2を非連結状態としてトルクコンバータのトルク増幅を利用し、加速性(発進性)の向上を図る。
【0033】
ステップs3のYes側であるステップs4に達すると、ここではエンジン負行の変化量又は変化速度であるアクセル開度の変化率△APSが演算され、この値が下限側の所定値Eと上限側の所定値Fの間のアクセル開度の変化率設定域にあるか否か判断する。
ここで下限側の所定値Eと上限側の所定値Fとはアクセル開度の変化によってエンジン負荷が上記負荷設定域から外れる可能性が高い場合を想定して設定される。例えば、アクセル開度が所定値Dを上回る、或いは、所定値Cを下回る頻度の高い値として適宜の値が設定される。
【0034】
このアクセル開度の変化率設定域にない場合、即ち、エンジン負荷が負荷設定域から外れる(例えば、アクセル開度がアクセル開度40%を上回る、或いは、アクセル開度0%に達する)可能性があるときには、上述のステップs7に進み、後述の発進スリップ制御開始フラグFLG1をリセットし、ステップs8で通常のロックアップクラッチ制御を実行する。これにより、アクセル開度40%を上回るような、高負荷運転域ではロックアップクラッチ2を非連結状態としてトルクコンバータのトルク増幅を利用し、加速性(発進性)の向上を図る。
【0035】
アクセル開度の変化率設定域にあるとしてステップs4のYes側であるステップs5に達すると、ここではATF3の油温TATFが所定値tγを上回るか否か判断し、上回るとステップs6に下回ると油圧応答性が低いということより、上述のステップs7,8と進んで、発進スリツプ制御開始フラグをリセットし、通常のロックアップクラッチ制御を実行し、メインルーチンにリターンする。
【0036】
ステップs5のYes側であるステップs6に達すると、ここでは発進スリップ制御開始フラグFLG1がセットか否か判断し、最初は否であり、ステップs9に進む。
ステップs9ではエンジン回転数Neが所定値Ne1(例えば、1100rpm)にハンチング防止用の修正値α(例えば、100rpm)を加算した値を上回るか否か判断し、上回る場合はステップs11で発進スリップ制御開始フラグFLG1をセットしてメインルーチンにリターンする。なお、下回る場合はステップs10に進み、通常のロックアップクラッチ制御を実行する。
【0037】
このように、車速が所定車速域(所定値A<車速<所定値B)にあるときであっても、エンジン回転速度が所定値Ne(例えば、1110rpm)以下のときには、ステップs10に進んでロックアップクラッチ2を非連結状態とする。これにより、エンジン回転速度が所定値(Ne0+α)以下のときに連結すると、トルク振動が伝達される傾向にあるが、ここでは、所定値よりも大きいときにのみ連結させることによりトルク振動を抑制でき、エンストも回避できる。
【0038】
発進スリップ制御開始フラグFLG1をセットした後、再度ステップs6に達っするとここでの判定はYesで、ステップs12に進む。ここでは、エンジン回転数Neが所定値Ne(例えば、1100rpm)を上回るか否か再度判断し、上回る場合はステップs13に、下回る場合はステツプs7、s8と進んで、発進スリップ制御開始フラグFLG1をリセットし、通常のロックアップクラッチ制御を実行してメインルーチンにリターンする。
上述のステップs2,s3,s4,s5,s12でのスリップ制御可能条件が順次満たされたと判定されるとステップs13に達することとなる。
【0039】
このステップs13ではエンジン回転数Neが所定値Ne1を上回る運転域に達しており、ここで車速Vと負荷情報であるアクセル開度APSに応じて予め設定された目標エンジン回転数Neoを演算する。ここでは、図4に示す目標エンジン回転数Neoの設定マップm1を用いる。この目標エンジン回転数設定マップm1は車速Vとアクセル開度APSの増加に応じて目標エンジン回転数Neoが大きく設定されるように作成されている。
【0040】
続いて、ステップs14では、図2に1点鎖線で示すように、目標エンジン回転数Neoに実エンジン回転数Nenが収束するよう、即ち、差分△Ne(=|Ne0−Nen|)を排除するように制御する。この場合、差分△Neを排除する方向に第3電磁弁29のデューテイー比を増減調整してロックアップクラッチ2の係合状態を制御するという、回転数フィードバック制御を実行することとなる。
【0041】
これにより、実エンジン回転数Nenはその吹き上がりを規制される。しかも、トルクコンバータ3に並列配備されたロックアップクラッチ2がトルク伝達量を徐々に増加させることとなり、トルクコンバータ3の入力軸12と出力軸5の回転差であるスリップ速度svt(=Ne−Nt)が従来のように増大することを確実に規制し、回転差がゼロ側に徐々に近づき、同時に車速Vが引き上げられることとなる。
【0042】
このようなステップs14の制御が継続し、やがて車速Vが上限側の所定値B(例えば、20km/h)を上回るか、アクセル開度APSが上限側の所定値D(例えば、アクセル開度40%)を上回るか、或いは、アクセル開度の変化率△APSがアクセル開度の変化率設定域を離脱し、急変し、更には、エンジン回転数Neが所定値Ne(例えば、1100rpm)を下回ると、ステップs2,s3,s4,s12より発進スリップ制御可能条件を離脱したとしてステップs7,8と進み、発進スリップ制御開始フラグをリセットし、シフトマップに基づく通常のロックアップクラッチ制御を実行し、メインルーチンにリターンする。
【0043】
このように、発進スリップ制御可能条件を満たす運転域ではロックアップクラッチ2をスリップ直結制御することで、エンジン吹き上がりを防止し、これにより燃費向上を図ることができる。また、スリップ状態とすることでトルク振動の伝達を抑制できる。
【0044】
上述のところで、ステップs2で用いる所定車速である上限側の所定値B(例えば、20km/h)は一定の値としていたが、場合により、所定車速はエンジン負荷であるアクセル開度APSに応じて増変化するように設定しても良いし、エンジン負荷に関係なく設定するようにしても良い。
ここで、入力軸12と出力軸5との回転速度差であるスリップ速度svt(=Ne−Nt)が所定値又は所定値以下となるようにロックアップクラッチの係合状態を制御するにあたり、所定値とは完全直結領域であれば、0rpmに、スリップ直結域であれば、例えば5rpmに設定することが好ましい。
【0045】
図1のロックアップクラッチの制御装置では、ステップs2,s3,s4,s5,s12での発進スリップ制御可能条件が全て満たされたと判定されるとステップs13に達し、車速Vとアクセル開度APSに応じて目標エンジン回転数Neoを目標エンジン回転数Neoの設定マップm1を用い演算し、目標エンジン回転数Neoに実エンジン回転数Nenが収束するよう、即ち、差分△Ne(=|Ne0−Nen|)を排除するよう、第3電磁弁29のデューティー比を増減調整し、ロックアップクラッチ2の係合状態を制御するという回転数フィードバック制御を実行していた。
これに代えて、単に車速Vに応じて目標エンジン回転数Neoを設定する不図示の目標エンジン回転数Neoの設定マップを用い、目標エンジン回転数Neoを設定しても良く、この場合制御が簡素化される。
【0046】
更に、ステップs2,s3,s4,s5,s12での発進スリップ制御可能条件が全て満たされたあと、ステップs13に代えて、ステップs13a(不図示)で、車速Vとアクセル開度APSに応じた目標スリップ速度svtoを図5に示す目標スリップ速度の設定マップm2を用いて演算する。その上で、ステップs13に代えてステップs14a(不図示)で目標スリップ速度svtoに実スリップ速度svt(=Ne−Nt)が収束するよう、即ち、差分△svt(=|svto−svt|)を排除するよう、第3電磁弁29のデューティー比を増減調整し、ロックアップクラッチ2の係合状態を制御するというスリップ速度フィードバック制御を実行しても良い。
【0047】
更に、車速Vとアクセル開度APSに応じた目標エンジン回転数Neo、及び、車速Vとアクセル開度APSに応じた目標スリップ速度svtoを共に満たすように、第3電磁弁29のデューティー比を増減調整し、ロックアップクラッチ2の係合状態を制御するという目標エンジン回転数及びスリップ速度フィードバック制御を実行しても良い。この場合、外乱による影響を抑え、より安定したロックアップクラッチ制御処理が成され、燃費の改善をより確実に図ることが出きる。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、車速が所定車速よりも小さいときには、エンジン回転速度又は回転速度差が車速とエンジン負荷とに基づき設定される目標値となるようにロックアップクラッチの係合状態を制御することで、エンジン吹き上がりを防止し、これにより燃費向上を図ることができる。
【0049】
請求項2の発明は、エンジン負荷が所定値よりも大きいときにはロックアップクラッチを非直結状態としてトルクコンバータのトルク増幅を利用し、加速性(発進性)の向上を図る。
【0050】
請求項3の発明は、エンジン負荷の変化量又は変化速度が大であるときには、車速が所定車速よりも小さい場合であっても、ロックアップクラッチを非直結状態としてトルクコンバータのトルク増幅を利用し、加速性(発進性)の向上を図る。
【0051】
請求項4の発明は、エンジン回転速度が所定値以下のときにはロックアップクラッチを非直結状態とすることによりトルク振動を抑制できる。また、エンストも回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての自動変速機のロックアップ制御装置を装備するエンジンの動力伝達系の全体構成図である。
【図2】図1のロックアップ制御装置で制御された車両の経時的な駆動特性線図である。
【図3】図1のロックアップ制御装置で制御されたロックアップクラッチの運転特性線図である。
【図4】図1のロックアップ制御装置で用いる目標エンジン回転数設定マップの特性線図である。
【図5】図1のロックアップ制御装置で用いる目標スリップ速度設定マップの特性線図である。
【図6】図1のロックアップ制御装置の制御処理を説明するフローチャートの前段部である。
【図7】図1のロックアップ制御装置の制御処理を説明するフローチャートの後段部である。
【図8】従来のロックアップ制御装置で制御された車両の経時的な駆動特性線図である。
【図9】図8の従来のロックアップ制御装置で制御されたロックアップクラッチの運転特性線図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 ロックアップクラッチ
3 トルクコンバータ
5 出力軸(出力部材)
6 変速機構
12 入力軸(入力部材)
26 変速制御装置(クラッチ制御手段)
33 エンジン回転センサ(クランク角センサ)
34 アクセル開度センサ(エンジン負荷検出手段)
35 アイドルスイッチ
36 入力回転センサ(エンジン回転センサ)
37 出力回転センサ(車速検出手段)
38 油温センサ
svt スリップ速度(=Ne−Nt)
svto 目標スリップ速度
B 所定値
Ne エンジン回転数
Np ポンプ回転速度
Nt タービン回転速度
△Ne エンジン回転速度差分
APS アクセル開度
Ip アイドル時の信号
V 車速(=Nt×β)
Claims (4)
- エンジンと変速機構との間に配置され、該エンジンからの駆動力を該変速機構へ伝達するトルクコンバータと、
該トルクコンバータの入力部材と出力部材とを係合可能なロックアップクラッチと、
該ロックアップクラッチの係合状熊を車両の運転状態に応じて制御するクラッチ制御手段と、
を備えたロックアップクラッチの制御装置において、
車速を検出する車速検出手段と、
上記エンジンの回転速度を検出するエンジン回転速度検出手段と、
エンジン負荷を検出するエンジン負荷検出手段と、を有し、
上記クラッチ制御手段は、上記車速が所定車速以上であるときには上記入力部材と上記出力部材との回転速度差が所定値又は所定値以下となるように上記ロックアップクラッチの係合状態を制御し、上記車速が上記所定車速よりも小さいときには、上記エンジン回転速度又は上記回転速度差が上記車速と上記エンジン負荷とに基づき設定される目標値となるように上記ロックアップクラッチの係合状態を制御することを特徴とするロックアップクラッチの制御装置。 - 上記クラッチ制御手段は、上記車速が所定車速よりも小さいときであっても、上記エンジン負荷が所定値よりも大きいときには、上記ロックアップクラッチを非直結状態とすることを特徴とする請求項1記載のロックアップクラッチの制御装置。
- 上記クラッチ制御手段は、上記エンジン負荷からエンジン負行の変化量又は変化速度を求め、上記車速が所定車速よりも小さいときであつても、該変化量又は変化速度が大きいときには、上記ロックアップクラッチを非直結状態とすることを特徴とする請求項1記載のロックアップクラッチの制御装置。
- 上記クラッチ制御手段は、上記車速が所定車速よりも小さいときであっても、上記エンジン回転速度が所定値以下のときには、上記ロックアップクラッチを非直結状態とすることを特徴とする請求項1記載のロックアップクラッチの制御装置。
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JP2003040111A JP2004251325A (ja) | 2003-02-18 | 2003-02-18 | ロックアップクラッチの制御装置 |
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2003
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