JP2004250498A - 絶縁体超微粒子及びそれを含有してなる薄膜状成形体 - Google Patents

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Takeshi Otsu
猛 大津
Yasuko Saito
康子 齋藤
Itaru Kamiya
格 神谷
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Abstract

【課題】良好な溶媒への溶解性、ポリマー中での分散性、優れた塗膜性を兼ね備え、種々の光学材料等として応用可能な絶縁体超微粒子を提供する。
【解決手段】ポリアルキレングリコール残基が、絶縁体微結晶表面に結合されてなる絶縁体超微粒子。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は絶縁体超微粒子及びその製造方法並びに該絶縁体超微粒子を含有する薄膜状成形体に関する。詳しくは、良好な溶媒への溶解性、ポリマー中での分散性、優れた塗膜性を兼ね備える新規な絶縁体超微粒子に関するものであり、種々の光学材料等として応用可能な新規材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
絶縁体は、各種付活剤を付活させて蛍光体とされ、ブラウン管、蛍光ランプ、プラズマディスプレーパネル、エレクトロルミネッセンス素子等様々な用途に用いられている。特に、ユーロピウムにより付活された酸化イットリウムやセリウムとテルビウムにより付活されたリン酸ランタンのような絶縁体を希土類等の元素により付活した蛍光体は、その輝度や耐久性の点で非常に有用である。
【0003】
一方、Bhargavaらは、テルビウムにより付活された酸化イットリウム粒子が10nm以下にまで微小化すると、粒径の二乗に反比例して発光効率が増大すると報告している(非特許文献1)。
また、粒子を微小化(超微粒子化)することで、例えば薄膜として用いる場合、密に蛍光体を薄膜に含有させることができ、また表面の凹凸を軽減も軽減され、さらに膜の透明度(光透過性)を高めることも可能となる。特に、エレクトロルミネッセンス素子の発光層として用いられる場合、これらの特性は非常に重要であり、また透明ディスプレイのような用途で用いることも可能となる。
【0004】
超微粒子を薄膜化する際には、粒子の溶媒溶解性や塗膜性が問題となるが、これまで優れた溶媒溶解性や塗膜性を持った付活剤により付活された絶縁体からなる蛍光体超微粒子を製造することは困難であった。
例えば、水溶液中でユーロピウムにより付活されたバナジン酸イットリウム超微粒子を合成した報告例がある(非特許文献2)。この例では超微粒子がクエン酸アニオンにより安定化されて水分散されている。しかしこれを有機溶媒に溶解させて薄膜化しようとすると、超微粒子が有機溶媒に溶解せず、薄膜化は困難である。また、クエン酸アニオンのカルボキシル基が超微粒子に配位していると、水を留去して超微粒子を粉状にした際、粒子間の距離が近付きすぎて凝集してしまいこれを再分散すること難しいため、溶媒や樹脂に分散させて各種用途に用いることは困難であった。
【0005】
一方、有機溶媒に溶解する蛍光体超微粒子として、セリウムとテルビウムにより付活されたリン酸ランタンを配位性有機化合物(トリス(2−エチルヘキシル)リン酸エステル)中で合成した報告がある(非特許文献3)。しかしながら、この粒子を有機溶媒に分散させるには、100℃という高温のN,N−ジメチルホルムアミドを溶媒として用いたり、メタノールに安定化剤として水酸化テトラ−n−ブチルアンモニウムを加えたものを用いる必要があり、有機溶媒に対して十分な溶解性があるとは言い難い。
【0006】
【非特許文献1】
アール.エヌ.バーガバ(R.N.Bhargava)著,「ジャーナル オブ ルミネッセンス(J.Luminescence)」,(米国),72−74巻,1997年,p.46−48
【非特許文献2】
エー.フィグナード(A.Huignard)ら著,「ケミストリー オブ マテリアルズ(Chem.Mater.)」,(米国),14巻,2002年,p.2264−2269
【非特許文献3】
ケー.リウォツキー(K.Riwotzki)ら著,「アンゲバンテ ケミーインターナショナル エディション イン イングリッシュ(Angew.Chem.Int.Ed.)」,(米国),40巻,2001年,p.573−576
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、有機溶媒やポリマーへの良好な分散性、及び優れた塗膜性を有する絶縁体超微粒子の提供にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は前記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、ポリエチレングリコールに代表されるポリアルキレングリコール残基を、絶縁体微結晶表面に結合した場合、有機溶媒やポリマーへの良好な溶解・分散性を付与可能であり、かつ有機溶媒に溶解後スピンコート等により光学的透明な薄膜状成形体を与えることを見出し本発明に到達した。
【0009】
即ち、本発明の第1の要旨は、ポリアルキレングリコール残基が、絶縁体微結晶表面に結合されてなる絶縁体超微粒子、に存する。
本発明の第2の要旨は、有機溶媒中、配位性有機化合物の存在下に絶縁体原料を反応させて配位性有機化合物を微結晶表面に結合してなる絶縁体微結晶を生成させ、該配位性有機化合物とポリアルキレングリコール残基を有する配位性化合物とを配位子交換させることにより絶縁体微結晶表面にポリアルキレングリコール残基を結合させることを特徴とする絶縁体超微粒子の製造方法、に存する。
【0010】
本発明の第3の要旨は、上記蛍光体超微粒子を含有してなる薄膜状成形体、に存する。
【0011】
【発明の実施の形態】
[絶縁体超微粒子]
本発明の対象とする絶縁体超微粒子は、絶縁体微結晶表面に後述するポリアルキレングリコール残基を直接、又は後述する酸性官能基を介して結合させたものである。従って、本発明の絶縁体超微粒子は、絶縁体微結晶とその表面に結合したポリアルキレングリコール残基とを必須構成成分とする。
【0012】
ここで絶縁体とは、事実上電気を伝えない無機物質であり、通常、電気伝導率が10−13S・m−1以下であるようなものをいう。
かかる絶縁体微結晶の粒径は、数平均粒径として、通常0.5nm以上100nm以下である。結晶性の点で好ましくは、下限値が1nm以上、更に好ましくは1.5nm以上、最も好ましくは2nm以上であり、分散状態における光透過性の点で好ましくは、上限値が50nm以下、更に好ましくは30nm以下、最も好ましくは20nm以下とする。この数平均粒径の決定には、与えられた蛍光体超微粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)観察像より測定される数値を用いる。即ち、観察される蛍光体結晶の粒子像と同面積の円の直径を該粒子像の粒径と定義する。こうして決定される粒径を用い、例えば公知の画像データの統計処理手法により該数平均粒径を算出するが、かかる統計処理に使用する絶縁体結晶の粒子像の数(統計処理データ数)は可及的多いことが当然望ましく、本発明においては、再現性の点で無作為に選ばれた該粒子像の個数として最低でも50個以上、好ましくは80個以上、更に好ましくは100個以上とする。
【0013】
[絶縁体微結晶の組成]
前記絶縁体微結晶の組成例を組成式で表すと、Ca(PO・Ca(F,Cl)、Sr10(POCl、(Sr,Ca)10(POCl、(Ba,Ca,Mg)10(POCl等のハロリン酸塩、Sr、Ba、(Sr,Mg)(PO、Ca(PO、(Ca,Zn)(PO、SrMgP、2SrO・0.84P・0.16B、LaPO、La・0.2SiO・0.9P等のリン酸塩、ZnSiO、CaSiO、(Ba,Sr,Mg)Si、(Ba,Mg,Zn)Si、BaSiO、SrSi・2SrCl、BaMgSi、(Sr,Ba)AlSi、YSiO等のケイ酸塩、CaWO、MgWO等のタングステン酸塩、LiAlO、BaAl813、BaMgAl1017、BaMgAl1627、SrAl1425、SrMgAl1017、CeMgAl1119等のアルミン酸塩、YVO等のバナジン酸塩、Y、Al、SiO等の酸化物絶縁体、Y(P,V)O等のリン酸塩とバナジン酸塩の混晶物、フッ化バリウム、フッ化カルシウム等の金属フッ化物等が挙げられる。
【0014】
また本発明においては、前記絶縁体を付活剤により付活することにより、蛍光体微結晶とすることができる。付活剤とは、蛍光体中に微量含まれ、禁制帯の中にある準位を形成し、その準位が発光中心となる性質を有する化合物を意味し、具体的には、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Al等の遷移金属、F、Cl等のハロゲン原子、及びLa、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Dy、Tb、Ho、Er、Tm、Yb等の希土類元素等の元素を含む化合物が挙げられる。付活剤として複数種の元素が含まれていても構わない。
【0015】
実用的に重要な絶縁体と付活剤の組み合わせとしては、LaPO:Ce,Tb、ZnSiO:Mn、BaMgAl1017:Eu、YVO:Eu、Y:Eu、Y(P,V)O:Eu等が挙げられる。
上記蛍光体微結晶は、付活剤と絶縁体の組み合わせによって発光波長が異なるが、応用上特に有用な発光波長範囲は遠紫外〜赤外領域の光であり、下限値が、通常150nm、好ましくは180nm、更に好ましくは200nm、最も好ましくは220nmであり、上限値が通常、10000nm、好ましくは8000nm、さらに好ましくは6000nm、最も好ましくは、4000nmの範囲である。
【0016】
[ポリアルキレングリコール残基]
本発明におけるポリアルキレングリコール残基とは、下記一般式(1)で表される重合体である。
【0017】
【化1】
−(RO)m−R (1)
(但し一般式(1)において、Rは炭素数2〜6のアルキレン基を、Rは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数10以下のアリール基及び炭素数2〜5のアシル基からなる群から任意に選択される構造を、mは50以下の自然数をそれぞれ表す。)
一般式(1)におけるRの具体例としては、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、n−ペンチレン基、シクロペンチレン基、n−ヘキシレン基、シクロヘキシレン基等が挙げられ、水性溶媒への溶解性の点で好ましくはエチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基等の炭素数2〜4のアルキレン基が、更に好ましくはエチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基等の炭素数2又は3のアルキレン基が、最も好ましくはエチレン基が使用される。一般式(1)において、1残基中に複数種のRが混在していても構わず、この場合の共重合順序(シークエンス)にも制限はない。
【0018】
一般式(1)におけるRに使用されるアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、ビニル基、ベンジル基、ビニルベンジル基等が挙げられ、水性溶媒への溶解性の点で好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等の炭素数3以下のアルキル基が、更に好ましくはメチル基又はエチル基が、最も好ましくはメチル基が使用される。該Rに使用されるアリール基の具体例としては、フェニル基、トルイル基(モノメチルフェニル基)、ジメチルフェニル基、エチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、ビニルフェニル基、ピリジル基、モノメチルピリジル基、ジメチルピリジル基等が挙げられ、水性溶媒への溶解性の点で好ましくはフェニル基あるいはピリジル基が使用される。前記Rに使用されるアシル基の具体例としては、アセチル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、マレオイル基等が挙げられ、水性溶媒への溶解性の点で好ましくはアセチル基が使用される。
【0019】
なお、前記例示の前記Rの具体構造のうち、ビニル基、ビニルベンジル基、ビニルフェニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、マレオイル基等の重合性基を用いると、本発明の蛍光体超微粒子が例えばラジカル重合性モノマー類やイオン重合性モノマー類との共重合性を獲得する場合がある。一般式(1)における自然数mは、好ましくは40以下、より好ましくは30以下、更に好ましくは20以下、溶解性の点から好ましくは10以下、特に好ましくは5以下である。
【0020】
一般式(1)の特に好ましい構造として、トリエチレングリコール残基(Rがエチレン基、m=3)が挙げられ、更に好ましいのはRがメチル基又はエチル基であるトリエチレングリコールモノアルキルエーテル残基であり、最も好ましいのはRがメチル基であるトリエチレングリコールモノメチルエーテル残基(以下MTEG残基と略記)である。
【0021】
[酸性官能基]
かかるポリアルキレングリコール残基は、本発明においては任意の結合様式により前述した絶縁体微結晶の表面に配位子として結合され、本発明の絶縁体超微粒子を与える。かかる結合様式としては、絶縁体微結晶が含有する元素に対して可能な任意の結合様式、例えば配位結合、共有結合、イオン結合、水素結合等が挙げられ、具体的には、メルカプト基、スルフィド結合、あるいはジスルフィド結合、チオ尿素基等の含硫黄構造、ホスフィンオキシド基、ホスフィン酸基、ホスホン酸基(ホスホノ基)、カルボキシル基、スルホン酸基等の含酸素構造、ニトリル基、アミノ基、あるいはピリジル基等の含窒素構造等の配位性構造を利用した結合様式が例示される。これらのうち好ましいのは、ホスフィン酸基、ホスホン酸基、カルボキシル基、スルホン酸基等の含酸素構造で、かつ酸性を示す官能基である。これは、酸性官能基が絶縁体微結晶表面に対し強い配位力を有することに起因するものと考えられる。この強い配位力の実際の結合構造は明らかではないが、例えば酸素原子の配位結合等の存在が推定される。また、絶縁体に酸素原子が含まれる場合酸性官能基中の水素原子と水素結合することも考えられる。
【0022】
前記、配位力の点から酸性官能基中には酸素原子が多く含まれている方が有利である。よって、前記酸性官能基の中でも酸素原子を三個以上含むものが好ましく、特にホスホン酸基、スルホン酸基が最も好ましく用いられる。
絶縁体微結晶が付活剤により付活された蛍光体微結晶である場合、ホスフィン酸基またはホスホン酸基を用いると、蛍光体の発光強度が向上する場合がある。
【0023】
本発明において、ポリアルキレングリコール残基と前記官能基とを連結する化合物は、任意に選択することができる。具体例としては、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、またそれらの炭素鎖中にエーテル結合、エステル結合、アミド結合、カルボニル基、アミノ基、チオカルボニル基等を含む化合物、及びそれらの水素原子の一つ又はそれ以上が、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基、カルボキシル基、アルキル基、アルコキシル基、アリール基等で置換された化合物等が挙げられる。これらの内、アルキレン基、アルケニレン基が好ましく用いられる。
【0024】
また、ポリアルキレングリコール残基と一般式(1)で表される官能基とが直接結合していてもよい。
[絶縁体微結晶の製造方法]
本発明における絶縁体微結晶の製造方法は任意の方法を使用することができる。
【0025】
好適な方法としては、有機溶媒中で、配位性有機化合物の存在下に絶縁体原料を反応させることで絶縁体微結晶を生成させる方法が挙げられる。
ここで、有機溶媒中に絶縁体微結晶原料とともに付活剤を存在させて反応を行うことにより、付活剤により付活された蛍光体微結晶とすることができる。
ここで用いられる有機溶媒としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン、イソオクタン等のアルカン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、エチレングリコール等のアルコール類、ピリジン、ルチジン、コリジン、あるいはキノリン等の含窒素芳香族化合物、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化アルキル類、ジエチルエーテルやテトラヒドロフラン等の脂肪族エーテル類、アセトンやメチルエチルケトン等の脂肪族ケトン類、酢酸メチルや酢酸エチル等のエステル系溶剤、フェノールやクレゾール等のフェノール類、及び水等の水酸基を有する化合物、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン(NMP)等のアミド系非プロトン性溶剤、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等が例示される。これらの溶剤は、絶縁体原料等の溶解度調整等の必要に応じて、任意の種類・組み合わせ・比において混合して使用して構わない。
【0026】
これらの有機溶媒の使用量は、絶縁体原料の全重量に対して、下限が通常、5倍以上、好ましくは、10倍以上、であり、上限が、通常、500倍以下、好ましくは、300倍以下である。
本発明においては、配位性有機化合物が有機溶媒と配位子を兼ねる場合、さらに好ましい。配位性有機化合物は絶縁体または蛍光体の構成元素に適切な配位力のあるものが選択される。かかる配位性有機化合物の例としては、トリス(2−エチルヘキシル)リン酸エステル、トリオクチルリン酸エステル、ジオクチルリン酸エステル、オクチルリン酸エステル等のリン酸エステル類、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリデシルホスフィン、トリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィン等のトリアルキルホスフィン類、トリエチルホスフィンオキシド、トリブチルホスフィンオキシド、トリヘキシルホスフィンオキシド、トリオクチルホスフィンオキシド、トリデシルホスフィンオキシド、トリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィンオキシド等のトリアルキルホスフィンオキシド類、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン等の一級アルキルアミン類、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン等の二級アルキルアミン類、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン等の三級アルキルアミン類、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジブチルスルホキシド、ジヘキシルスルホキシド、ジオクチルスルホキシド、ジデシルスルホキシド等のジアルキルスルホキシド類等が挙げられる。これらのうち、トリス(2−エチルヘキシル)リン酸エステル等のリン酸エステル類、トリオクチルホスフィンオキシド等のトリアルキルホスフィンオキシド類が好適である。
【0027】
これらの配位性有機化合物の使用量は、前記有機溶媒を兼ねる場合、絶縁体原料の全重量に対して、下限が通常、3倍以上、好ましくは、5倍以上であり、上限が、通常、500倍以下、好ましくは、300倍以下である。
また、配位性有機化合物が有機溶媒を兼用せず、有機溶媒とは別に使用する場合、絶縁体原料の全重量に対して、下限が通常、0.5倍以上、好ましくは、等量以上であり、上限が、通常、200倍以下、好ましくは、100倍以下である。
【0028】
また、絶縁体原料と共に、付活剤を使用する場合、その使用量は、絶縁体と付活剤の組み合わせによって変化するが、絶縁体原料の全重量に対して、下限が通常、0.01重量%以上、好ましくは、0.1重量%以上であり、上限が、通常、50重量%以下、好ましくは、30重量%以下である。
反応温度は、下限が通常、−10℃以上、好ましくは、0℃以上であり、上限が、通常、500℃以下、好ましくは、350℃以下である。
【0029】
反応時間は、下限が通常、5分以上、好ましくは、10分以上であり、上限が、通常、80時間以下、好ましくは、40時間以下である。
かかる有機溶媒中、配位性有機化合物の存在下での絶縁体微結晶の成長反応終了後、通常単離精製を行う。この方法としては、液相成分の濃縮、あるいは沈殿法が好適である。沈殿法の好ましい代表的な手順は以下の通りである。即ち、反応液を絶縁体超微粒子の貧溶媒、例えば絶縁体超微粒子表面がアルキル基となっている場合メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール等の低級アルコール類、あるいは水と混合して絶縁体超微粒子を析出せしめ、これを遠心分離やデカンテーション等の物理的な手段で分離する手順である。こうして得られる析出物をトルエンやクロロホルム等に再度溶解し析出・分離の手順を繰り返すことで更に精製度を上げることが可能である。沈殿溶媒は混合溶媒としても構わない。
【0030】
[ポリアルキレングリコール残基の絶縁体微結晶表面への結合]
前記に例示したような任意の製造方法で得られる絶縁体微結晶に、ホスホン酸基やスルホン酸基等に代表される前記の配位性構造を利用してポリアルキレングリコールを結合させる方法に特に制限はない。その一例として、ホスホン酸基を有するポリアルキレングリコール(以下PAG−PAと略記)を絶縁体結晶の表面に配位させる方法が挙げられ、具体的には、前記配位性有機化合物を表面に有する絶縁体超微粒子をPAG−PAと液相中で接触させる配位子交換反応が可能である。この場合、必要に応じて後述するような溶剤を使用した溶液としても良く、使用するPAG−PAが反応条件において液体である場合には、PAG−PA自身を溶媒として使用し他の溶剤を添加しない反応形式も可能である。
【0031】
かかる配位子交換反応に用いられる溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、エチレングリコール等のアルコール類、ピリジン、ルチジン、コリジン、あるいはキノリン等の含窒素芳香族化合物、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化アルキル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン、イソオクタン等のアルカン類、ジエチルエーテルやテトラヒドロフラン等の脂肪族エーテル類、アセトンやメチルエチルケトン等の脂肪族ケトン類、酢酸メチルや酢酸エチル等のエステル系溶剤、フェノールやクレゾール等のフェノール類、及び水等の水酸基を有する化合物、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン(NMP)等のアミド系非プロトン性溶剤、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、あるいは水等が例示される。これらの溶剤は、絶縁体超微粒子やその生成物等の溶解度調整等の必要に応じて、任意の種類・組み合わせ・比において混合して使用して構わない。
【0032】
前記の配位子交換反応において、使用するPAG−PAの量を制御することにより、絶縁体微結晶表面に所望量のPAG−PAを結合することが可能である。本発明の絶縁体超微粒子におけるPAG−PAの結合量は該超微粒子の有機成分中の重量百分率(wt%)として、通常0.1wt%以上100wt%以下、親水性の点で、下限が好ましくは1wt%、更に好ましくは10wt%、最も好ましくは20wt%である。かかる重量百分率は、核磁気共鳴スペクトル(NMR)や赤外吸収スペクトル(IR)、元素分析、あるいは熱重量分析(TG)等の各種分析手法の組み合わせにより見積もることが可能である。
【0033】
前記の配位子交換反応は、通常−10〜250℃程度の温度範囲で行われ、有機物の熱劣化や交換反応の未完結を避けるため、この温度範囲を、下限が好ましくは0℃、さらに好ましくは10℃、最も好ましくは20℃であり、上限が好ましくは、200℃、さらに好ましくは150℃、最も好ましくは120℃とする。一方反応時間は原料や温度にもよるが、下限が通常1分、好ましくは5分、更に好ましくは10分であり、上限が通常100時間、好ましくは70時間、さらに好ましくは50時間、最も好ましくは30時間である。また、かかる配位子交換反応において、絶縁体超微粒子とPAG−PAを反応液に加える順序に制限はない。
【0034】
かかる配位子交換反応は、酸化等の副反応を避けるため、窒素やアルゴン等の不活性気体雰囲気において行うのが望ましい。また、かかる配位子交換反応だけでなく超微粒子製造の後処理工程は、遮光条件が好ましい場合もある。
かかる配位子交換反応の後、製品を単離するには、濾過、沈殿と遠心分離の併用、蒸留、昇華等の任意の精製方法を使用して構わないが、特に有効なのは、蛍光体結晶の比重が通常の有機化合物より大きいことを利用した沈殿と遠心分離の併用である。遠心分離は、配位子交換反応の生成物を含有する液体を、PAG−PAを結合した本発明の絶縁体超微粒子の貧溶媒(例えばn−ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等の炭化水素を含む有機溶剤)中に投入し、生成する沈殿を含む懸濁液を遠心分離して行われる。得られた沈殿は、デカンテーション等により上澄み液と分離し、必要に応じ溶媒洗浄や再溶解と再沈殿/遠心分離を繰り返して精製度を向上させる。再溶解には例えばトルエン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化アルキル類、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、tert−ブチルアルコール等の炭素数4以下程度の低級アルコール類、アセトン等のケトン類、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類、酢酸エチル等のエステル類、あるいは水等の溶媒が用いられ、これらは任意種類を混合して用いてもよい。遠心分離の回転数は、下限が通常、毎分100回転、好ましくは毎分300回転、更に好ましくは毎分500回転であり、上限が通常毎分8000回転、好ましくは毎分6000回転、さらに好ましくは毎分4000回転とし、温度は、下限が通常−10℃、好ましくは0℃、、更に好ましくは10℃、最も好ましくは20℃であり、上限が通常100℃、好ましくは80℃、更に好ましくは70℃、最も好ましくは60℃の範囲で行う。また、かかる精製工程も、酸化等の副反応を避けるため、窒素やアルゴン等の不活性気体雰囲気において行うのが望ましい場合もある。
【0035】
[薄膜状成形体]
本発明の絶縁体超微粒子は、常法により成形して様々な用途に応用可能であるが、一例としては薄膜状成形体が挙げられる。
かかる薄膜状成形体は、前記の製造方法で得られる本発明の絶縁体超微粒子を適当な溶剤(例えばトルエン等の芳香族系溶剤、アセトン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、あるいはクロロホルム、塩化メチレンやクロロベンゼン等のハロゲン化溶剤、エタノール等のアルコール系溶剤等)に溶解あるいは分散し、これを所望の基板、例えばガラス基板、インジウムドープ錫酸化物(通称ITO)や金属あるいはグラファイト等の導電性基板、シリコン等の半導体基板、ポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリスチレン、ポリシクロオレフィン等の非晶性ポリオレフィン類あるいは芳香族ポリカーボネート等の樹脂基板等の上に流延塗布することにより、成形可能である。
【0036】
このとき配位子であるポリアルキレングリコール残基が絶縁体結晶を互いに凝集しがたい状況とする連続マトリクスとして機能し、特に該絶縁体結晶が蛍光体である場合は、吸発光特性を発揮する安定な塗膜を与える。つまり、本発明の絶縁体超微粒子の1つの特徴は、ポリアルキレングリコール残基をその表面に有することから、樹脂等の有機バインダー成分を必ずしも併用しなくても透明性と機械的強度に優れた塗膜をそれ自身で与えることにある。
【0037】
かかる流延塗布による成形時、あらかじめ適当な有機バインダ成分、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリスチレンあるいは芳香族ポリカーボネート等の樹脂類、ワックス類やシリコーン油脂等を溶媒に溶解させておくことも可能である。この場合の有機バインダ成分の量は、該超微粒子との総和に対して通常0〜90重量%、膜の機械的強度や輝度・吸光度・光線透過度等の光学特性の点で、下限が好ましくは5重量%、更に好ましくは10重量%、最も好ましくは15重量%であり、上限が好ましくは80重量%、更に好ましくは70重量%、最も好ましくは60重量%である。
【0038】
さらに本発明の薄膜状成形体には、その効果を著しく損なわない限りに於いて、任意の添加剤、例えば熱安定剤、紫外線等の光線吸収剤、酸化防止剤、酸素補捉剤、吸湿剤等を添加することも可能である。
該薄膜状成形体は、平面状あるいは任意曲率の曲面状に成形されていても構わない。その厚膜には制限は特にないが、例えば0.003μm〜5000μm程度、輝度や吸光度あるいは光線透過度の点で、下限が好ましくは0.004μm、更に好ましくは0.005μmであり、上限が好ましくは1000μm、更に好ましくは500μm、最も好ましくは100μm程度である。
【0039】
また、薄膜状成形体の片側あるいは両側に追加機能を有する層(例えば機械的損傷に対する保護層、ガスバリアー層、光線遮断層、断熱層、電極層等)を必要に応じ設けることもできる。
上述した本発明の薄膜状成形体は、該超微粒子の発光特性を生かしたディスプレイや照明器具等に用いられる面状発光体やエレクトロルミネッセンス素子の発光層等の光学材料として産業上有用である。
【0040】
【実施例】
以下に実施例により本発明の具体的態様を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらの実施例によって限定されるものではない。
[測定装置と条件等]
(1)核磁気共鳴(NMR)スペクトル:日本電子社製JNM−EX270型FT−NMR( 1H:270MHz,13C:67.8MHz)。溶媒は特に断らない限り重水素化クロロホルムを溶媒として使用し、テトラメチルシランを0ppm対照として23℃にて測定した。
(2)赤外吸収(IR)スペクトル:日本分光工業社製FT/IR−8000型FT−IRにて室温で測定した。
(3)光励起発光(PL)スペクトル:日立製作所(株)製F4500型分光蛍光光度計にて、スキャンスピード60又は240nm/分、励起側スリット5nm、蛍光側スリット5nm、フォトマル電圧400V、スペクトル補正モモードの条件で、溶液は光路長1cmの石英製セルを用いて、薄膜は薄膜試料台に置いて室温で測定した。
(4)吸収スペクトル:ヒューレットパッカード社製HP8453型紫外・可視吸光光度計にて、溶液は光路長1cmの石英製セルを用いて、薄膜は入射光に垂直になるように置いて室温で測定した。
(5)膜厚測定:ケーエルエー・テンコール社製 断面、表面あらさ微細形状測定装置 P−15を使用し、走査長さ20mm、走査速度0.2mm/秒、針圧0.2〜1mgの条件で行った。
【0041】
合成例1:Ce3+,Tb3+により付活されたリン酸ランタンナノ結晶の合成(その1)
Ce3+,Tb3+により付活されたリン酸ランタンナノ結晶の合成は前記非特許文献3を参考にして以下の手順で行った。
空冷式のリービッヒ冷却器と反応温度調節のための熱電対を装着した無色透明のパイレックス(登録商標)ガラス製4口フラスコにトリス(2−エチルヘキシル)リン酸エステル(以下TEHPと略記;東京化成(株);15mL)を入れ、室温で10分間減圧乾燥した。そして、アルゴンガスで内部を大気圧に復圧し次いで再度減圧する内部雰囲気の置換操作を3回行い、最後にアルゴンガス雰囲気とした。そこへ、塩化ランタン・七水和物(和光純薬(株):0.3715g)、塩化セリウム・七水和物(キシダ化学(株):0.4190g)、塩化テルビウム・六水和物(三津和化学(株):0.1400g)をメタノール(純正化学(株):5mL)に溶解した溶液加え、フラスコ内を40℃に加熱し、30分間減圧することで、メタノールを留去した。この間にフラスコをアルミホイルで包むことでフラスコ内を遮光した。別途、リン酸(Aldrich:crystals,99.999+%:0.2450g)、トリオクチルアミン(和光純薬:3.275mL)及びTEHP(7.5mL)に30分間超音波を当てることで混合した溶液を用意し、アルゴンで復圧しておいた前記フラスコ内へ加えた。そして40℃のまま20分間減圧した後にアルゴンで復圧し、200℃まで加熱した。8時間後加熱を止め、室温で一晩放置後、さらに6時間、200℃で加熱した。加熱終了後、30℃まで放冷し、反応溶液をメタノール(150mL)へ加え(フラスコ内を5mLのクロロホルムで洗浄した液も加えた)、撹拌した。生じた白色不溶物を遠心分離(3000rpm)により回収し、クロロホルム(純正化学:10mL)に溶解した後に孔径0.2μmのメンブランフィルターで濾過してNフローで溶液を5mLまで濃縮した。この溶液にメタノール(90mL)を加えて撹拌し、生じた白色不溶物を遠心分離により回収した。この沈殿を真空乾燥することで白色固体(以下LaPO:Ce,Tb−TEHP1と略記、575.9mg)を得た。
【0042】
得られた固体をクロロホルムに溶解し、PLスペクトルを測定する(励起波長:270nm)と300〜450nmにCe3+由来の発光帯が、また、ピーク波長をそれぞれ491、545、586、621nmにもつTb3+由来の四つの発光帯が見られた。
合成例2:Ce3+,Tb3+により付活されたリン酸ランタンナノ結晶の合成(その2)
Ce3+,Tb3+により付活されたリン酸ランタンナノ結晶の合成は前記非特許文献3を参考にして以下の手順で行った。
【0043】
空冷式のリービッヒ冷却器と反応温度調節のための熱電対を装着した無色透明のパイレックス(登録商標)ガラス製4口フラスコにTEHP(15mL)を入れ、室温で10分間減圧乾燥した。そして、アルゴンガスで内部を大気圧に復圧し次いで再度減圧する内部雰囲気の置換操作を3回行い、最後にアルゴンガス雰囲気とした。そこへ、塩化ランタン・七水和物(0.3715g)、塩化セリウム・七水和物(0.4190g)、塩化テルビウム・六水和物(0.1400g)をメタノール(5mL)に溶解した溶液加え、フラスコ内を40℃に加熱し、1時間減圧することで、メタノールを留去した。この間にフラスコをアルミホイルで包むことでフラスコ内を遮光した。別途、リン酸(0.2450g)、トリオクチルアミン(3.275mL)及びTEHP(7.5mL)に30分間超音波を当て、さらにドライヤーで加熱することでリン酸を溶解した溶液を用意し、アルゴンで復圧しておいた前記フラスコ内へ加えた。そして40℃のまま30分間減圧した後にアルゴンで復圧し、200℃まで加熱した。8時間後加熱を止め、室温で一晩放置後、さらに6時間、200℃で加熱した。加熱終了後、30℃まで放冷し、反応溶液を無水メタノール(Aldrich:unhydrous:90mL)へ加え(フラスコ内を5mLのクロロホルムで洗浄した液も加えた)、撹拌した。生じた白色不溶物を遠心分離(3000rpm)により回収し、クロロホルム(6mL)に溶解した後に孔径0.2μmのメンブランフィルターで濾過してNフローで溶液を3mLまで濃縮した。この溶液に無水メタノール(30mL)を加えて撹拌し、生じた白色不溶物を遠心分離により回収した。この沈殿を真空乾燥することで白色固体(以下LaPO:Ce,Tb−TEHP2と略記、269.5mg)を得た。
【0044】
この固体をクロロホルムに溶解し、PLスペクトルを測定する(励起波長:254nm)と300〜450nmにCe3+由来の発光帯が、また、ピーク波長をそれぞれ491、545、586、622nmにもつTb3+由来の四つの発光帯が見られた。
合成例3:Eu3+により付活されたリン酸ランタンナノ結晶の合成
Eu3+により付活されたリン酸ランタンナノ結晶の合成はK.Riwotzkiら:J.Phys.Chem.B,104巻,2824−2828頁(2000年)に記載の方法を参考にして以下の手順で行った。
【0045】
空冷式のリービッヒ冷却器と反応温度調節のための熱電対を装着した無色透明のパイレックス(登録商標)ガラス製3口フラスコに塩化ランタン・七水和物(0.352g)、塩化ユーロピウム・六水和物(キシダ化学(株):0.0184g)、リン酸(0.098g)を入れ、そこへTEHP(16mL)とトリオクチルアミン(1.3mL)加え、室温で10分間減圧した。アルゴンガスで内部を大気圧に復圧し、200℃に加熱した。10時間後加熱を止め、室温で一晩放置後、さらに5時間、200℃で加熱した。室温まで放冷し、遠心分離によって沈殿する不純物を取り除き、その上澄みを無水メタノール(35mL)へ加え、撹拌した。生じた白色不溶物を遠心分離により回収し、クロロホルム(5mL)に溶解した後に孔径0.2μmのメンブランフィルターで濾過してNフローで溶液を2mLまで濃縮した。この溶液に無水メタノール(20mL)を加えて撹拌し、生じた白色不溶物を遠心分離により回収した。この沈殿を真空乾燥することで白色固体(以下LaPO:Eu−TEHPと略記、100.9mg)を得た。
【0046】
この固体をクロロホルムに溶解し、PLスペクトルを測定する(励起波長:254nm)と、ピーク波長をそれぞれ593、614、686,697nmにもつEu3+由来の四つの発光帯が見られた。
合成例4:10−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシデシルホスホン酸の合成
油性水素化ナトリウム(和光純薬工業(株):741.6mg)をフラスコ内に入れ、容器内をアルゴンで置換した後、アルゴン気流下、0℃でトリエチレングリコールモノメチルエーテル(以下MTEGと略記、東京化成(株):1.27g)及び蒸留ジメチルホルムアミド(10mL)を加えて混合し、室温で30分撹拌した。冷水浴上にフラスコを移し、撹拌しながら1,10−ジブロモデカン(東京化成(株):9mL)を加えた後、室温にて3.5時間撹拌し、室温で一晩放置した。反応混合物にメタノール(純正化学(株):3mL)を加えて室温で30分撹拌した後、減圧濃縮した。濃縮後の反応混合物に塩化メチレン(純正化学(株):100mL)加え、有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥後、濾過して濃縮し、室温で真空乾燥して粗生成物を得た。粗生成物をn−ヘキサン−酢酸エチル系のシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、1−ブロモ−10−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシデカンを得た。
【0047】
1−ブロモ−10−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシデカン(382.4mg)をフラスコ内に入れ、容器内をアルゴンで置換した後、アルゴン気流下でトリス(トリメチルシリル)フォスファイト(東京化成(株):1.05g)を加えて混合し、120℃で13.5時間撹拌した後、撹拌しながら85℃に冷却し、減圧下にて過剰のトリス(トリメチルシリル)フォスファイトを除去し、反応混合物量の減少が見られなくなったところで室温に冷却した。容器内をアルゴンで常圧に戻した後、テトラヒドロフラン/水=5/1(体積比、3.2mL)を加え、室温で3時間撹拌し、さらに減圧下にて1時間撹拌した。残留した反応混合物にクロロホルムを加えて抽出し、抽出液をシリカゲルカラム(シリカゲル量0.09g)に通し、カラムをクロロホルムで洗浄した。カラムを通した抽出液と洗浄液をあわせて減圧濃縮し、残留物にエタノールを加えて溶解し、再度減圧濃縮した。残留物に酢酸エチルを加えて溶解した後、再度減圧濃縮し、室温で真空乾燥させた(351.6mg)。
【0048】
この生成物はIRスペクトルにおいて2750cm−1、2363cm−1、1199cm−1及び1018cm−1にホスホン酸構造、1107cm−1にMTEG由来のエーテル構造、及び2928cm−1と2856cm−1にアルキルホスホン酸及びMTEG由来の炭化水素構造にそれぞれ帰属される吸収帯を与えた。更に1H−NMRにおいて、後述するように予想構造に合致する合理的なシグナルと積分値を与えたので、10−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシデシルホスホン酸(以下MTEGPAと略記)を単離したと結論した。
1H−NMRスペクトル:1.16−1.84(マルチプレット、18プロトン、ホスホン酸脂肪族鎖)、3.35(シングレット、3プロトン、メチル基)、3.42(トリプレット、2プロトン、J=6.6Hz、エーテル結合に隣接するホスホン酸側メチレン基)、3.50−3.70(マルチプレット、12プロトン)、8.86(ブロードシングレット、2プロトン、ホスホン酸由来の水酸基)
実施例1:MTEGPAが配位したCe3+,Tb3+により付活されたリン酸ランタン超微粒子の合成
合成例1より得たLaPO:Ce,Tb−TEHP1を合成例4で合成したMTEGPAが配位しやすいように、さらにクロロホルムとメタノールで2回精製した。その後LaPO:Ce,Tb−TEHP1(0.0351g)とMTEGPA(0.0181g)にエタノール(5mL)を加えAr雰囲気下で攪拌しながら80℃で加熱すると、加熱5分後にはすべて粒子が溶解し、無色透明な溶液となった。約2時間加熱後、反応液を減圧濃縮して得た残渣をクロロホルム(0.5mL)に溶解し、n−ヘキサン(25mL)へ加え、次いで遠心分離とデカンテーションにより不溶物を分離した。こうして分離した不溶物をクロロホルム(0.5mL)に再溶解し、n−ヘキサン(25mL)を加えて前記同様に不溶物を遠心分離とデカンテーションにより分離した。このようにして得た沈殿物をクロロホルム(3mL)に溶解し孔径0.2μmのメンブランフィルターで濾過してNフローで溶液を0.5mLまで濃縮した後にn−ヘキサン(25mL)を加えた。不溶物を前記同様に遠心分離及びデカンテーションにより分離し、真空乾燥することで白色固体を得た(以下LaPO:Ce,Tb−MTEGPA1と略記;31.4mg)。
【0049】
こうして得た白固体はトルエン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、エタノール、メタノール等に非常によく溶解して無色透明な溶液を与えた。これは、MTEGPAがLaPO:Ce,Tb微結晶表面に配位した効果であると考えられる。この固体をクロロホルムに溶解し、PLスペクトルを測定する(励起波長:270nm)と配位子交換を行う前と同様に、Ce3+とTb3+に由来する発光帯が見られた。
【0050】
実施例2:LaPO:Ce,Tb−MTEGPA1を含有する薄膜状成形体
(その一)
実施例1で得られたLaPO:Ce,Tb−MTEGPA1(1.7mg)をクロロホルムとトルエンの混合溶媒(体積比1:1,20μL)に溶解し、石英基板上にスピンコート(750rpm)した。すると、平均膜厚600nmの濁りのない無色透明の薄膜が得られた。この薄膜のPLスペクトルを測定(励起波長:270nm)すると、実施例1の溶液の時と同様にCe3+及びTb3+由来の発光帯が観察された。また、吸収スペクトルを測定すると可視光域に干渉縞が見られたことから平坦性と膜厚均一性が非常に優れていると思われる。
【0051】
実施例3:LaPO:Ce,Tb−MTEGPA1を含有する薄膜状成形体
(その二)
実施例1で得られたLaPO:Ce,Tb−MTEGPA1(1.5mg)をポリエチレングリコール(和光純薬:平均分子量30万〜50万:0.02mg)を含むクロロホルムとトルエンの混合溶媒(体積比1:1,20μL)に溶解し、石英基板上にスピンコート(750rpm)した。すると、平均膜厚500nmの濁りのない無色透明の薄膜が得られた。この薄膜のPLスペクトルを測定(励起波長:270nm)すると、実施例1の溶液の時と同様にCe3+及びTb3+由来の発光帯が観察された。また、吸収スペクトルを測定すると可視光域に干渉縞が見られたことから平坦性と膜厚均一性が非常に優れていると思われる。
【0052】
実施例4:MTEGPAが配位したCe3+,Tb3+により付活されたリン酸ランタン超微粒子の保存安定性
合成例2より得たLaPO:Ce,Tb−TEHP2(0.0305g)と合成例4で合成したMTEGPA(0.0151g)にエタノール(5mL)を加えAr雰囲気下で攪拌しながら70℃で加熱すると、加熱30分後にはすべて粒子が溶解し、無色透明な溶液となった。約6時間加熱後、反応液を減圧濃縮して得た残渣にn−ヘキサン(20mL)を加え、次いで遠心分離とデカンテーションにより不溶物を分離した。こうして分離した不溶物をトルエン(3mL)に再溶解し、n−ヘキサン(20mL)を加えて前記同様に不溶物を遠心分離とデカンテーションにより分離した。このようにして得た沈殿物をクロロホルム(3mL)に溶解し孔径0.2μmのメンブランフィルターで濾過した後にn−ヘキサン(20mL)を加えた。不溶物を前記同様に遠心分離及びデカンテーションにより分離し、真空乾燥することで白色固体を得た(以下LaPO:Ce,Tb−MTEGPA2と略記;31.3mg)。
【0053】
こうして得た白固体はクロロホルム、エタノール等の溶媒に非常によく溶解して無色透明な溶液を与えた。これは、MTEGPAがLaPO:Ce,Tb微結晶表面に配位した効果であると考えられる。この固体をクロロホルムに溶解し、PLスペクトルを測定する(励起波長:254nm)と配位子交換を行う前と同様に、Ce3+とTb3+に由来する発光帯が見られた。
【0054】
また、この白色固体(1.5mg)をクロロホルムとトルエンの混合溶媒(体積比2:1、30μL)に溶解し、スピンコート(500rpm)したところ、無色透明な薄膜を与えた。
この固体を空気雰囲気下、冷蔵庫(2〜3℃)で約11ヶ月間保存したが、合成直後と同様にクロロホルムやエタノール等の溶媒に非常によく溶解した。また、この白色固体(1.5mg)をクロロホルムとトルエンの混合溶媒(体積比1:1,20μL)に溶解し、石英基板上にスピンコート(750rpm)すると、濁りのない無色透明の薄膜が得られた。
【0055】
以上の結果、本発明の蛍光体超微粒子は長期間保存しても、その優れた溶媒溶解性や塗膜性がほとんど変わらないということが分かった。
実施例5:MTEGPAが配位したEu3+により付活されたリン酸ランタン超微粒子の合成
合成例3より得たLaPO:Eu−TEHP(0.0237g)と合成例4で合成したMTEGPA(0.0117g)にエタノール(5mL)を加えAr雰囲気下で攪拌しながら80℃で加熱すると、すぐにすべて粒子が溶解し、無色透明な溶液となった。約6時間加熱後、反応液を減圧濃縮して得た残渣をクロロホルム(3mL)に溶解し、n−ヘキサン(25mL)を加え、次いで遠心分離とデカンテーションにより不溶物を分離した。こうして分離した不溶物をクロロホルム(2mL)に再溶解し、n−ヘキサン(20mL)を加えて前記同様に不溶物を遠心分離とデカンテーションにより分離した。この様な精製分離行程をもう一度行った。このようにして得た沈殿物をクロロホルム(4mL)に溶解し孔径0.2μmのメンブランフィルターで濾過した後にn−ヘキサン(20mL)を加えた。不溶物を前記同様に遠心分離及びデカンテーションにより分離し、真空乾燥することで白色固体を得た(以下LaPO:Eu−MTEGPAと略記;22.8mg)。
【0056】
こうして得た白固体はトルエン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、エタノール、メタノール等に非常によく溶解して無色透明な溶液を与えた。これは、MTEGPAがLaPO:Eu結晶表面に配位した効果であると考えられる。この固体をクロロホルムに溶解し、PLスペクトルを測定する(励起波長:254nm)と配位子交換を行う前と同様に、Eu3+に由来する発光帯が見られた。
【0057】
実施例6:LaPO:Eu−MTEGPAを含有する薄膜状成形体
実施例5で得られたLaPO:Eu−MTEGPA(1.5mg)をクロロホルムとトルエンの混合溶媒(体積比1:1,20μL)に溶解し、石英基板上にスピンコート(750rpm)した。すると、平均膜厚300nmの濁りのない無色透明の薄膜が得られた。この薄膜のPLスペクトルを測定(励起波長:254nm)すると、実施例5の溶液の時と同様にEu3+由来の発光帯が観察された。また、吸収スペクトルを測定すると可視光域に干渉縞が見られたことから平坦性と膜厚均一性が非常に優れていると思われる。
【0058】
比較例1:LaPO4:Ce,Tb−TEHP1の溶解性
合成例1で得られたLaPO4:Ce,Tb−TEHP1はクロロホルムやトルエンには溶解したが、アセトン、ジメチルホルムアミド、エタノール、メタノール、酢酸エチルにはほとんど溶解しなかった。また、1.5mgのLaPO4:Ce,Tb−TEHP1を30μLのクロロホルムと10μLのトルエンの混合溶媒に溶解しようとしたが、完全に溶解せず、LaPO4:Ce,Tb−TEHP1を高濃度に含む薄膜を作成する事は困難であった。
【0059】
比較例2:LaPO4:Ce,Tb−TEHP1を含む薄膜状成形体
合成例1で得られたLaPO:Ce,Tb−TEHP1(1.5mg)をポリエチレングリコール(Mw30万〜50万:0.02mg)を含むクロロホルムとトルエンの混合溶媒(体積比1:1,20μL)に溶解しようとしたが、完全に溶解しなかったため、さらにクロロホルム(20μ)を加えたがやはり完全には溶解しなかった。そこで、溶液部分を石英基板上にスピンコート(750rpm)した。得られた薄膜は黙視で白濁していることが確認できた。この原因は定かではないが、粒子表面がアルキル基で疎水性が強いため、親水性のポリエチレングリコール内で粒子が凝集したことが推測される。また、吸収スペクトルを測定しても実施例3で見られるような干渉縞は見られなかった。
【0060】
比較例3:LaPO4:Ce,Tb−TEHP2の保存安定性
合成例2で得られたLaPO4:Ce,Tb−TEHP2を空気雰囲気下、冷蔵庫中(2〜3℃)で約11ヶ月間保存しておいた。この粒子(1mg)をクロロホルム(3mL)に溶解しようとしたが、溶液は濁ってしまい透明な溶液は得られなかった。合成直後であれば溶解していたことから、LaPO4:Ce,Tb−TEHP2は長期保存により、分散性が低下することが分かった。
【0061】
比較例4:LaPO4:Eu−TEHPを含む薄膜状成形体
合成例4で得られたLaPO4:Eu−TEHP(3mg)をクロロホルム(40μL)に溶解しようとしたが、完全に溶解しなかったため、水酸化テトラ−n−ブチルアンモニウム(東京化成:10% in メタノール:5μL)加えると完全に溶解した。この溶液をスピンコート(500rpm)すると、黙視で白濁が確認される薄膜が得られた。
【0062】
【発明の効果】
本発明の絶縁体超微粒子は、良好な溶媒への溶解性、ポリマー中での分散性、優れた塗膜性を兼ね備えるため、種々の光学材料等として応用可能である。

Claims (7)

  1. ポリアルキレングリコール残基が、絶縁体微結晶表面に結合されてなる絶縁体超微粒子。
  2. 絶縁体が、付活剤により付活されてなる蛍光体である請求項1に記載の絶縁体超微粒子。
  3. ポリアルキレングリコール残基が酸性官能基を介して蛍光体微結晶表面に結合されてなる請求項1または2に記載の絶縁体超微粒子。
  4. 酸性官能基が、1つの官能基当たり酸素原子を3個以上有するものである、請求項3に記載の絶縁体超微粒子。
  5. 有機溶媒中、配位性有機化合物の存在下に絶縁体原料を反応させて配位性有機化合物を微結晶表面に結合してなる絶縁体微結晶を生成させ、該配位性有機化合物とポリアルキレングリコール残基を有する配位性化合物とを配位子交換させることにより絶縁体微結晶表面にポリアルキレングリコール残基を結合させることを特徴とする絶縁体超微粒子の製造方法。
  6. 絶縁体原料の反応時に付活剤を存在させる、請求項6に記載の絶縁体超微粒子の製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の絶縁体超微粒子を含有してなる薄膜状成形体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006028354A (ja) * 2004-07-16 2006-02-02 Keio Gijuku 蛍光体及び蛍光体の製造方法
WO2006054402A1 (ja) * 2004-11-19 2006-05-26 National University Corporation NARA Institute of Science and Technology 半導体超微粒子を含有する組成物及びその製造方法
US11047747B2 (en) 2017-03-27 2021-06-29 Firouzeh Sabri Light weight flexible temperature sensor kit

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