JP2004247160A - 押釦スイッチ用部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】キートップ2の押圧凸部9の先端部はカバー部材6を貫通してカバー部材6の下面に突出しており、押圧凸部9の先端部とクリック部材3との間に弾性部材12を介在させている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電卓、携帯電話、リモコン、OA機器等の各種分野の入力装置に組み込まれる押釦スイッチの部品としての押釦スイッチ用部材に関するものであって、より詳しくは、押釦スイッチのキートップの押圧操作時に高い操作感が得られる押釦スイッチ用部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電卓、携帯電話、リモコン、OA機器等の各種分野の入力装置に組み込まれる押釦スイッチとしては、繰り返し動作に耐え得るように、押圧操作の入力部に当たるキートップと、キートップが押し下げられた位置から元の位置へ復元させるための復帰手段とを有しているものが使用されている。
【0003】
そして、小型軽量を目的とする押釦スイッチにあっては、例えば、キートップとこのキートップの支持部とをシリコーンゴムにて一体成形して、支持部の弾性復元力をキートップの復帰手段として採用する押釦スイッチ用部材が多用されている。しかしながら、このシリコーンゴム一体型の押釦スイッチ用部材にあっては、指に触れるキートップの押圧面がシリコーンゴムの弾性材料であるため、肌触りが柔らかく、堅い肌触りを好む場合には採用されなかった。
【0004】
キートップの肌触りが堅いものを好む場合には、例えば、シリコーンゴムの支持部に、ポリカーボネート等の硬質樹脂にて成形したキートップを固定するようにした押釦スイッチ用部材が採用されている。
【0005】
また、キートップの押圧操作時に、その操作に対応したスイッチ機能が実現されたことを実感できる操作感が得られるように、キートップの一部に押圧凸部を設けるとともに、この押圧凸部が接触できる位置にクリック感を発生させることのできるクリック部材を設けた押釦スイッチ用部材も多用されている。
【0006】
そこで、硬質樹脂製のキートップとシリコーンゴム製の支持部とからなる押釦スイッチ用部材に押圧操作時のクリック感を生じさせるクリック部材を付加することも可能である。
【0007】
このようなものとして、図7に示したようなものが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0008】
キートップ30と対向して配置される基板31の上には、予め固定接点32が配設されている。固定接点32の上面側には、キートップ30が押し下げられない状態では固定接点32と接触せず、キートップ30が押し下げられた状態で固定接点32と接触し得る金属製の逆椀状をした弾性接点部材33が、その下端面を基板31に接触させた状態に設けられている。
【0009】
一方、弾性接点部材33を囲うようにして基板31の上に設置される支持壁34と、この支持壁34の上端部をつなぐ弾性薄膜部35と、この弾性薄膜部35の上面の中央部にキートップ30が載置される座面36とを備えたカバー部材37を有している。
【0010】
カバー部材37の座面36の中央部には、挿通孔38が設けられている。キーットップ30は、その上面を指が触れる押圧面39とし、下面にはカバー部材37の座面36と接触する固定面40と、この固定面40から下方に突出した押圧凸部41とを有している。キートップ30の押圧凸部41は、カバー部材37の挿通孔38に入れられカバー部材37の座面36からその先端部が突出し、その先端部は弾性接点部材33の頂点部に接触している。
【0011】
これにより、キートップ30の押圧面39を指で押し下げると、キートップ30の押圧凸部41が下降し、これに伴い押圧凸部41の先端部が弾性接点部材33の頂点部を押し下げることになり、ついには弾性接点部材33の頂点部の反りが反転して椀状になって固定接点32と接触し、弾性接点部材33と固定接点32とが導通状態になる。
【0012】
その後、キートップ30の押圧面39から指を離すと、弾性接点部材33及びカバー部材37の弾性薄膜部35の弾性復元力により弾性接点部材33及び弾性薄膜部35が元の形状に戻るとともに、弾性接点部材33の頂点部がキートップ30の押圧凸部41の先端部を押し上げることでキートップ30が元の位置に復帰することとなる。
【0013】
【特許文献1】
特開2002−170459号公報(第1図)。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この硬質樹脂製のキートップの押圧凸部の先端部で弾性接点部材を直接押圧するものにあっては、押圧操作時に高いクリック感が得られるものの、弾性接点部材の反りが反転する際に生じる押圧凸部の弾性接点部材に与える衝撃力が直接伝わるため、繰り返し使用した場合に、弾性接点部材の耐久性を損ねることとなっていた。
【0015】
そこで、この発明は、以上のような従来の技術の問題点を解消すべく、キートップの押圧操作時の高いクリック感を維持しつつ、クリック感を発生させるためのクリック部材の耐久性を高く保つことのできる押釦スイッチ用部材を提供することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
以上のような課題を解決すべく、請求項1に記載の発明は、基板上に配設された固定接点を覆うことのできる弾性を有するカバー部材と、該カバー部材の上面に配置固定される下面に押圧凸部を形成したキートップと、前記押圧凸部の先端部に配置されたクリック感を発生するクリック部材と、を有する押釦スイッチ用部材であって、前記押圧凸部の先端部は前記カバー部材を貫通して前記カバー部材の下面に突出しており、前記押圧凸部の先端部と前記クリック部材との間に弾性部材が介在していることを特徴としている。
【0017】
請求項2に記載の発明は、基板上に配設された固定接点を覆うことのできる弾性を有するカバー部材と、該カバー部材の上面に配置固定される下面に押圧凸部を形成したキートップと、前記押圧凸部の先端部に配置されたクリック感を発生するクリック部材と、を有する押釦スイッチ用部材であって、前記押圧凸部の先端部と前記クリック部材との間に、前記カバー部材の一部が介在していることを特徴としている。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項3に記載の構成に加えて、前記カバー部材には、前記押圧凸部が嵌合する凹部を有することを特徴としている。
【0019】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の構成に加えて、前記押圧凸部の外周面には、平面から見て放射状に突設する突起を有することを特徴としている。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の構成に加えて、前記凹部の内周面には、平面から見て放射状に突設する突起を有することを特徴としている。
【0021】
請求項6に記載の発明は、請求項3に記載の構成に加えて、前記凹部には、前記カバー部材の内部に配設される発光源から光を導入する切り欠き部が設けられていることを特徴としている。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか一つに記載の構成に加えて、前記クリック部材が導電性材料であることを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】
[発明の実施の形態1]
以下、この発明の実施の形態1を図1に従って詳細に説明する。
【0024】
まず、この発明の実施の形態1に係る押釦スイッチ用部材の構成と作用について説明する。
【0025】
図1は、この発明の実施の形態1に係る押釦スイッチ用部材の要部断面図である。
【0026】
電卓、携帯電話、リモコン、OA機器等の各種分野の入力装置に組み込まれる押釦スイッチは、機器本体の筐体の一部又は入力装置の筐体に組み込まれる基板1に取り付けられる。
【0027】
基板1の上には、キートップ2側に配置される弾性接点部材3と接触し得る固定接点4が配設されており、この固定接点4を覆うことのできる弾性を有するカバー部材5を設けることにより、弾性接点部材3と固定接点4との間に導通傷害を起こすような塵埃等が侵入することがないようにしている。
【0028】
カバー部材5には、弾性接点部材3を囲うようにして基板1の上に設置される支持壁6と、この支持壁6の上端部をつなぐ弾性薄膜部7とを有している。弾性薄膜部7の上面は、キートップ2を配置固定するための平らな座面8を形成している。弾性薄膜部7の上面の中央部にはキートップ2の下面に形成した押圧凸部9が挿通する挿通孔10が設けられている。キートップ2は、押圧凸部9を除いた下面で接着剤11を介してカバー部材5の座面8に固定されている。したがって、弾性薄膜部7に設けられている挿通孔10は、カバー部材5にキートップ2を固定することによって、完全に塞がるので外部から塵埃等が侵入することはない。
【0029】
カバー部材5の材料は、ポリブタジエン、ポリイソプレン、SBR、ネオプレン等のジエン系合成ゴム、或いは、エチレン−プロピレン系、ウレタン系、シリコーン系等の合成ゴム、又は、これらの組み合わせから作られたものとすればよいが、耐熱性、耐候性、電気絶縁性が優れているシリコーンゴムが望ましい。
【0030】
キートップ2の押圧凸部9の下側、つまり、基板1の上の固定接点4の上面側には、キートップ2が押し下げられない状態では固定接点4と接触せず、キートップ2が押し下げられた状態で固定接点4と接触し得る金属製の逆椀状をした弾性接点部材3が設けられている。具体的には、キートップ2を押し下げる前の状態で、逆椀状をした弾性接点部材3の下端面が基板1と接触するといった位置関係となるよう、弾性接点部材3の全高、キートップ2の押圧凸部9の全高、カバー部材5の全高が決められている。弾性接点部材3は基板1の上に固定されるか、押圧凸部9の先端部に固定されるが、弾性接点部材3の頂点部と押圧凸部9の先端部との間には、ゴム製シートからなる弾性部材12を介在させている。図示した実施の形態1では、押圧凸部9の先端部にゴム製シートからなる弾性部材12を接着剤(図示せず)で固定している。
【0031】
キートップ2の材料やその色調については、特に限定はないが、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタアクリレート樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。
【0032】
キートップ2の押圧面13に文字、記号、数字、絵柄等の表示部を印刷等により形成したり、キートップ2の下面を除く外表面に遮光塗料を塗布し、押圧面13の遮光塗料を文字、記号、数字、絵柄等の形状に切除して表示部を形成するようにしてもよい。さらに、表示部を保護するために表示部の上に保護層を形成してもよい。また、キートップ2の下面を除く外表面にメッキ層を形成して高級感を持たせることも可能である。
【0033】
実施の形態1は、以上のような構成を有しているため、押釦スイッチを操作する場合には、硬質樹脂製のキーットップ2の押圧面13に指を宛い、キートップ2の押圧面13を押し下げると、キートップ2の押圧凸部9が下降し、これに伴い押圧凸部9の先端部が弾性部材12を介して弾性接点部材3の頂点部を押し下げることになり、ついには弾性接点部材3の頂点部の反りが反転してその中央部が椀状に変形して固定接点4と接触し、弾性接点部材3と固定接点4とが導通状態になる。
【0034】
弾性接点部材3が固定接点4に接触する直前でその頂点部の反りが反転する際にキートップ2に与えている押圧力が急激に低下することとなり、その際にキートップ2を操作している指には高いクリック感が伝わることとなる。つまり、実施の形態1では、弾性接点部材3は金属等の導電性材料で製作されており、クリック感を発生するクリック部材としても機能するものである。したがって、弾性接点部材3とクリック感を発生させるクリック部材とを別々の部品として用意する場合に比べて、コスト低減ができる。
【0035】
その後、キートップ2の押圧面13から指を離すと、弾性接点部材3及びカバー部材5の弾性薄膜部7の弾性復元力により弾性接点部材3及び弾性薄膜部7が元の形状に戻るとともに、弾性接点部材3の頂点部がキートップ2の押圧凸部9の先端部を押し上げることでキートップ2が元の位置に復帰することとなる。
【0036】
実施の形態1に係る押釦スイッチ用部材では、キートップ2を押し下げた場合に、押圧凸部9の先端部が弾性部材12を介して弾性接点部材3の頂点部を押し下げるため、押圧凸部9が弾性接点部材3の頂点部の反りを反転させてその中央部が固定接点4と接触する際に生じる衝撃力が、弾性部材12によって緩和される。したがって、硬質樹脂製の押圧凸部9が直接弾性接点部材3を押圧する場合に比べて、弾性接点部材3に与える衝撃力が小さくなるから、押釦スイッチを繰り返し使用する場合であっても、弾性接点部材3の耐久性を維持することができる。
【0037】
ゴム製シートからなる弾性部材12は、キートップ2の押圧凸部9がクリック部材である弾性接点部材3に与える衝撃力を緩和するためのものであって、弾性変形の度合いによりその緩衝性能が変化する。弾性変形が大きすぎるとクリック感が減衰されてしまい、弾性変形が小さすぎるとクリック部材である弾性接点部材3への衝撃力を下げることができない。そこで、弾性変形の度合いをゴム硬度と厚みという観点から考えた場合には、ゴム硬度として30〜80度(JISA硬度)、より好ましくは、40〜60度であって、その厚みは成形性、加工性の点で0.2mm以上であり、高いクリック感を維持する点で0.5mm以下のものを使用することが望ましい。
【0038】
[発明の実施の形態2]
図2は、この発明の実施の形態2に係る押釦スイッチ用部材の要部断面図である。
【0039】
実施の形態2では、実施の形態1と異なり、カバー部材5の弾性薄膜部7には、押圧凸部9が嵌合する凹部14を有している。カバー部材5の弾性薄膜部7に設けた凹部14の内側底面は、押圧凸部9の先端部と接触する位置関係となっており、凹部14の外側の先端部は弾性接点部材3の頂点部と接触している。したがって、実施の形態2にあっては、押圧凸部9の先端部と弾性接点部材3の頂点部との間に弾性部材である弾性薄膜部7が介在している。
【0040】
これにより、実施の形態2に係る押釦スイッチ用部材では、キートップ2を押し下げた場合に、押圧凸部9の先端部が弾性部材である弾性薄膜部7を介して弾性接点部材3の頂点部を押し下げるため、押圧凸部9が弾性接点部材3の頂点部の反りを反転させてその中央部が固定接点4と接触する際に生じる衝撃力が、弾性部材である弾性薄膜部7によって緩和される。したがって、硬質樹脂製の押圧凸部9が直接弾性接点部材3を押圧する場合に比べて、弾性接点部材3に与える衝撃力が小さくなるから、押釦スイッチを繰り返し使用する場合であっても、弾性接点部材3の耐久性を維持することができる。
【0041】
押圧凸部9の外周面と凹部14の内周面とは互いに密着できる平滑な面であってもよいが、より好ましくは、図3及び図4の一部断面とした正面図並びに押圧凸部と凹部との横断面図である図5及び図6に示したように、押圧凸部9の外周面に平面から見て放射状に突設する突起15aを形成するか、凹部14の内周面に平面から見て放射状に突設する突起15bを形成するとよい。
【0042】
図5及び図6の押圧凸部と凹部との横断面図から明らかなように、押圧凸部9の外周面に配置された突起15aと突起15aとの間、又は凹部14の内周面に配置された突起15bと突起15bとの間には、僅かな間隙16a,16bが生じることになる。そこで、キートップ2をカバー部材5に接着する場合に、キートップ2の底面17とカバー部材5の弾性薄膜部7との間に接着剤11を塗布する際に、接着剤11の塗布量が多すぎた場合でも余分な接着剤11が間隙16a,16bに侵入することで、キートップ2の外周部からはみ出すこともなく、適正な接着剤11の量を維持することができる。よって、従来、キートップ2の外周部から接着剤11がはみ出すことを恐れる余り、接着剤11の量を少な目に調整して接着力の低下を招いていたが、突起15a,15bを設けることにより、この問題も解消することになる。
【0043】
また、僅かな面積を有する突起15a,15bの外周面を加工することで、押圧凸部9と凹部14とのはめあいの具合を調整することが可能となるため、その寸法精度が確保し易くなりキートップ2又はカバー部材5の成形金型の製造コストが低減できる。
【0044】
さらに、突起15a,15bのない場合には、押圧凸部9の外周面と凹部14の内周面とが密着する程度のはめあいとするため、凹部14へ押圧凸部9をはめ込む際に摩擦力が作用して組み立てし難い。これに対して、突起15a,15bがある場合には、押圧凸部9と凹部14とに作用する摩擦力は僅かであるから、組立が容易なものとなる。
【0045】
なお、突起15a,15bの形状は、部分的に***した半球状、長手方向に一様な断面を有する畝状のものでよく、これらに限定されることはない。
【0046】
凹部14には、必要に応じて、カバー部材5の内部に配設される発光源18からの光をキートップ2内に導入する切り欠き部19を設けるようにしてもよい。これにより、カバー部材5に遮光性を付与することで、発光源18から光を効果的にキートップ2内に導入することができるから、押釦スイッチを暗がりで使用する場合にキートップ2を明るく照らし出すことができる。
【0047】
その他の構成及び作用は、実施の形態1と同様であり、同一の構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0048】
なお、実施の形態1にあっては押圧凸部9の先端部と弾性接点部材3の頂点部との間にゴム製シートの弾性部材12を介在し、実施の形態2にあっては押圧凸部9の先端部と弾性接点部材3の頂点部との間にカバー部材5に設けた凹部14の先端部の弾性薄膜部7が介在している例について説明した。しかしながら、この発明はこれらに限らず、キートップ2の押圧凸部9の先端部とクリック感を発生するクリック部材との間に、押圧凸部9がクリック部材に与える衝撃力を緩和することのできる弾性部材が介在していればよく、例えば、カバー部材5に押圧凸部9が嵌合する凹部14を設けることなく、カバー部材16の一部(例えば、弾性薄膜部7)を直接弾性部材として押圧凸部9の先端部と弾性接点部材3の頂点部との間に介在させるようにしてもよい。
【0049】
[実施例1]
実施例1として、この発明の実施の形態1に係る押釦スイッチ用部材を以下のとおり製作した。
【0050】
シリコーンコンパウンド(KE−951U、信越化学工業(株)製)100重量部と、架橋材(C−8B、信越化学工業(株)製)0.5重量部からなる原料を、成形温度180℃、成形時間5分、成形圧力10kg/cm2の条件で圧縮成形し、キートップ2の押圧凸部9の断面形状をした挿通孔10が形成されたシリコーンゴム製カバー部材5を成形し、その後200℃、60分で熱処理をした。
【0051】
また、これと同じ成形条件及び熱処理条件にて直径3mm、厚み0.2mmのシリコーンゴム製シートからなる弾性部材12を製作した。
【0052】
ポリカーボネート樹脂(ユーピロン、H−3000R、三菱エンジニアリングプラスチック(株)製)を射出成形により、下面に直径3mmの押圧凸部9を形成したキートップ2を製作した。
【0053】
次に、シリコーンゴム製カバー部材5とシリコーンゴム製シートの弾性部材12とを紫外線照射炉(VUM−3073−B、(株)オーク製作所製)にて、184.9nm及び253.7nmの両波長の紫外線を1200mJ/cm2の条件で照射した。さらに、それぞれについて、紫外線を照射した表面にプライマー(ケムロック607、ロード・ファー・イースト・インコーポレイテッド製)50wt%とメタノール50wt%との混合物20gをスプレー法にて塗布した。
【0054】
以上の表面処理を施したシリコーンゴム製カバー部材5と射出成形されたキートップ2とを紫外線硬化型接着剤(ケミシール5X845C、ケミテック(株)製)により接着して一体化した。同様に、キートップ2の押圧凸部9の先端部にシリコーンゴム製シートの弾性部材12を接着し一体化した。
【0055】
この実施例1に係る押釦スイッチ用部材を、固定接点4とこの固定接点と対向する弾性接点部材3が配設されている基板1の上に取り付けて、キートップ2の押圧凸部9が弾性部材12を介してクリック部材としての弾性接点部材3の頂点部と接触した状態で、キートップ2の押圧面13を指で押し下げる押圧操作を繰り返したところ、押圧面13に触れている指に高いクリック感が得られた。
【0056】
[実施例2]
実施例2として、この発明の実施の形態2に係る押釦スイッチ用部材を以下のとおり製作した。
【0057】
シリコーンコンパウンド(KE−951U、信越化学工業(株)製)100重量部と、架橋材(C−8B、信越化学工業(株)製)0.5重量部からなる原料を、成形温度180℃、成形時間5分、成形圧力10kg/cm2の条件で圧縮成形し、キートップ2の押圧凸部9が嵌合する凹部14を有するシリコーンゴム製カバー部材5を成形し、その後200℃、60分で熱処理をした。ちなみに、凹部14の肉厚は0.2mmとした。
【0058】
ポリカーボネート樹脂(ユーピロン、H−3000R、三菱エンジニアリングプラスチック(株)製)を射出成形により、下面に直径3mmの押圧凸部9を形成したキートップ2を製作した。
【0059】
次に、シリコーンゴム製カバー部材5とシリコーンゴム製シートの弾性部材12とを紫外線照射炉(VUM−3073−B、(株)オーク製作所製)にて、184.9nm及び253.7nmの両波長の紫外線を1200mJ/cm2の条件で照射した。さらに、それぞれについて、紫外線を照射した表面にプライマー(ケムロック607、ロード・ファー・イースト・インコーポレイテッド製)50wt%とメタノール50wt%との混合物20gをスプレー法にて塗布した。
【0060】
以上の表面処理を施したシリコーンゴム製カバー部材5と射出成形されたキートップ2とを紫外線硬化型接着剤(ケミシール5X845C、ケミテック(株)製)により接着して一体化した。
【0061】
この実施例2に係る押釦スイッチ用部材を、固定接点4とこの固定接点と対向する弾性接点部材3が配設されている基板1の上に取り付けて、キートップ2の押圧凸部9がカバー部材5の凹部14の底面部を介してクリック部材としての弾性接点部材3の頂点部と接触した状態で、キートップ2の押圧面13を指で押し下げる押圧操作を繰り返したところ、押圧面13に触れている指に高いクリック感が得られた。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、押圧凸部の先端部はカバー部材を貫通してカバー部材の下面に突出しており、押圧凸部の先端部とクリック部材との間に弾性部材が介在しているので、キートップを押し下げた場合に、押圧凸部の先端部が弾性部材を介してクリック部材の頂点部を押し下げるため、押圧凸部がクリック部材の頂点部の反りを反転させてその中央部が固定接点と接触する際に生じる衝撃力が緩和される。したがって、硬質樹脂製の押圧凸部が直接クリック部材を押圧する場合に比べて、クリック部材に与える衝撃力が小さくなるから、押釦スイッチを繰り返し使用する場合であっても、クリック部材の耐久性を維持することができる。
【0063】
請求項2に記載の発明によれば、押圧凸部の先端部とクリック部材との間に、カバー部材の一部が介在しているので、キートップを押し下げた場合に、押圧凸部の先端部がカバー部材の一部を介してクリック部材の頂点部を押し下げるため、押圧凸部がクリック部材の頂点部の反りを反転させてその中央部が固定接点と接触する際に生じる衝撃力が緩和される。したがって、硬質樹脂製の押圧凸部が直接クリック部材を押圧する場合に比べて、クリック部材に与える衝撃力が小さくなるから、押釦スイッチを繰り返し使用する場合であっても、クリック部材の耐久性を維持することができる。
【0064】
請求項3に記載の発明によれば、カバー部材には押圧凸部が嵌合する凹部を有するので、カバー部材にキートップを接着する際に凹部がキートップの押圧凸部と組み合わされることで、キートップの位置決が自動的に行われるため、請求項2に記載の発明の効果に加えて、組み立て治具等を必要としないでカバー部材にキートップを固定することができる。
【0065】
請求項4に記載の発明によれば、押圧凸部の外周面には、平面から見て放射状に突設する突起を有するので、押圧凸部とカバー部材の凹部との間に間隙が形成され、この間隙に余分な接着剤が侵入することができるため、請求項3に記載の発明の効果に加えて、キートップの外周部から接着剤がはみ出すこともなく、適正な接着剤の量を維持することができる。したがって、キートップの外周から接着剤がはみ出すことを恐れる余り、接着剤の量を少な目に調整して接着力の低下を招くようなこともなくなる。
【0066】
請求項5に記載の発明によれば、凹部の内周面には平面から見て放射状に突設する突起を有するので、押圧凸部とカバー部材の凹部との間に間隙が形成され、この間隙に余分な接着剤が侵入することができるため、請求項3に記載の発明の効果に加えて、キートップの外周部から接着剤がはみ出すこともなく、適正な接着剤の量を維持することができる。したがって、キートップの外周から接着剤がはみ出すことを恐れる余り、接着剤の量を少な目に調整して接着力の低下を招くようなこともなくなる。
【0067】
請求項6に記載の発明によれば、凹部にはカバー部材の内部に配設される発光源から光を導入する切り欠き部が設けられているので、カバー部材に遮光性を付与することで、発光源から光を効果的にキートップ内に導入することができるから、請求項3に記載の発明の効果に加えて、押釦スイッチを暗がりで使用する場合にキートップを明るく照らし出すことができる。
【0068】
請求項7に記載の発明によれば、クリック部材が導電性材料であるので、請求項1乃至6のいずれか一つに記載の発明の効果に加えて、固定接点と接触する接点部材とクリック感を発生させるクリック部材とを別々に用意する必要がないため、コスト低減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る押釦スイッチ用部材の要部断面図である。
【図2】同実施の形態2に係る押釦スイッチ用部材の要部断面図である。
【図3】キートップの押圧凸部に突起を有する実施の形態2の一部破断した正面図である。
【図4】カバー部材の凹部に突起を有する実施の形態2の一部破断した正面図である。
【図5】図3のA−Aに対応する拡大断面図である。
【図6】図4のB−Bに対応する拡大断面図である。
【図7】従来の押釦スイッチ用部材の要部断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 キートップ
3 弾性接点部材(クリック部材)
4 固定接点
5 カバー部材
6 支持壁
7 弾性薄膜部
9 押圧凸部
10 挿通孔
11 接着剤
12 弾性部材
14 凹部
15a,15b 突起
16a,16b 間隙
17 底面
18 発光源
19 切り欠き
Claims (7)
- 基板上に配設された固定接点を覆うことのできる弾性を有するカバー部材と、該カバー部材の上面に配置固定される下面に押圧凸部を形成したキートップと、前記押圧凸部の先端部に配置されたクリック感を発生するクリック部材と、を有する押釦スイッチ用部材であって、
前記押圧凸部の先端部は前記カバー部材を貫通して前記カバー部材の下面に突出しており、前記押圧凸部の先端部と前記クリック部材との間に弾性部材が介在していることを特徴とする押釦スイッチ用部材。 - 基板上に配設された固定接点を覆うことのできる弾性を有するカバー部材と、該カバー部材の上面に配置固定される下面に押圧凸部を形成したキートップと、前記押圧凸部の先端部に配置されたクリック感を発生するクリック部材と、を有する押釦スイッチ用部材であって、
前記押圧凸部の先端部と前記クリック部材との間に、前記カバー部材の一部が介在していることを特徴とする押釦スイッチ用部材。 - 前記カバー部材には、前記押圧凸部が嵌合する凹部を有することを特徴とする請求項2に記載の押釦スイッチ用部材。
- 前記押圧凸部の外周面には、平面から見て放射状に突設する突起を有することを特徴とする請求項3に記載の押釦スイッチ用部材。
- 前記凹部の内周面には、平面から見て放射状に突設する突起を有することを特徴とする請求項3に記載の押釦スイッチ用部材。
- 前記凹部には、前記カバー部材の内部に配設される発光源から光を導入する切り欠き部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の押釦スイッチ用部材。
- 前記クリック部材が導電性材料であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載の押釦スイッチ用部材。
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