JP2004238637A - 重合用触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】 共役ジエンの重合又は共役ジエンと芳香族ビニル化合物との共重合を効率的かつ安価に行うことができる触媒を提供する。
【解決手段】 共役ジエンなどの重合用の触媒であって、ガドリニウム化合物のメタロセン型カチオン錯体からなり、例えば一般式(I):RaGdXb(式中、Gdはガドリウムを示し;Rはシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、フルオレニル基、又は置換フルオレニル基を示し;Xはアニオンを示し;aは1又は2の整数を示し;bは1又は2の整数を示す)で示される3価のガドリニウム化合物のメタロセン型カチオン錯体である触媒。
【選択図】 図1

Description

本発明は、共役ジエンの重合や共役ジエンと芳香族ビニル化合物との共重合などに用いるための重合用触媒に関するものである。
共役ジエン類の重合触媒については、従来より数多くの提案がなされており、工業的に極めて重要な役割を担っている。特に、熱的・機械的特性において高性能化された共役ジエン重合体を得る目的で、高い1,4-シス結合含有率を与える数多くの重合触媒が研究・開発されてきた。例えば、ニッケル、コバルト、チタン等の遷移金属化合物を主成分とする複合触媒系は公知であり、それらのうちのいくつかは、すでにブタジエン、イソプレン等の重合触媒として工業的に広く用いられている(非特許文献1および特許文献1を参照)。
一方、更に高い1,4-シス結合含有率および優れた重合活性を達成すべく、希土類金属化合物と第I〜III族の有機金属化合物からなる複合触媒系が研究・開発され、高立体特異性重合の研究が盛んに行われるようになった(例えば、非特許文献2〜5、特許文献2などを参照)。これらの触媒系の中で、ネオジウム化合物と有機アルミニウム化合物を主成分とする複合触媒が高い1,4-シス結合含有率と優れた重合活性を有することが確認され、ブタジエン等の重合触媒としてすでに工業化されている(非特許文献6および7を参照)。
近年の工業技術の進歩に伴い、高分子材料に対する市場要求はますます高度なものとなっており、更に高い熱的特性(熱安定性等)・機械的特性(引張り弾性率、曲げ弾性率等)を有する高分子材料の開発が強く望まれるようになってきた。
この課題を解決するための有力な手段の一つとして、共役ジエン類に対し高い重合活性を有する触媒を用いて、ミクロ構造における1,4-シス構造の含有量が高く、高分子量でかつ狭い分子量分布を有する重合体を製造する試みがなされている。
例えば、1,3-ブタジエンの重合触媒としてサマロセン錯体を用い、この触媒にMMAOやAlR3/[Ph3C][B(C6F5)4]を助触媒として組み合わせて用いると1,4-シス構造が高度に規制され、かつ分子量分布の狭いポリブタジエンが高収率で得られることが知られている(非特許文献8を参照)。さらに、(C5Me5)2Sm[(μ-Me)AlMe2(μ-Me)]2Sm(C5Me5)2/Al(i-Bu)3/[Ph3C][B(C6F5)4]を触媒として用いた系では、重合がリビング的に進行していくことが確認され、生成重合体の分子量の制御が可能になっている(非特許文献9を参照)。また、重合用の触媒組成物として特許文献3に開示された組成物が知られている。
しかしながら、ミクロ構造におけるシス1,4-構造の含有量がさらに高く、高分子量でかつ分子量分布が狭い共役ジエン重合体又は共役ジエンと芳香族ビニル化合物との共重合体を製造する方法及び該製造方法に用いられる重合用触媒の開発が望まれている。また、イソプレンに関しては、これまでミクロ構造におけるシス1,4-構造の含有量が十分に高く、かつ分子量分布が狭い重合体が得られておらず、このような重合体を製造する方法および該製造方法に用いられる重合用触媒の開発が望まれている。
End. Ing. Chem., 48, 784, 1956 Makromol. Chem. Suppl, 4, 61, 1981 J. Polym.Sci., Polym. Chem. Ed., 18, 3345, 1980 Sci. Sinica., 2/3, 734, 1980 Rubber Chem. Technol., 58, 117, 1985 Macromolecules, 15, 230, 1982 Makromol. Chem., 94, 119, 1981 Kaita, S., et al., Macromolecules, 32, 9078, 1999 Kaita, S., et al., Polym. Prepr. Jpn., 49, 211, 2000 特公昭37-8198号公報 独国特許出願2,848,964号 PCT/JP00/1188号明細書
本発明の課題は、共役ジエンの重合又は共役ジエンと芳香族ビニル化合物との共重合を効率的かつ安価に行うことができる触媒を提供することにある。特に、ミクロ構造における1,4-シス構造の含有量が高く、高分子量でかつ狭い分子量分布を有する重合体を効率的かつ安価に製造するための重合用触媒を提供することが本発明の課題である。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、ガドリニウム化合物のメタロセン型カチオン錯体を触媒として用い、有機アルミニウム化合物の存在下で共役ジエン類の重合又は共役ジエンと芳香族ビニル化合物との共重合を行うことにより、極めて効率的かつ安価に重合体を製造できることを見出した。また、上記の触媒を用いることによってミクロ構造における1,4-シス構造の含有量が極めて高く、しかも高分子量で分子量分布が狭い重合体を効率的かつ安価に製造できることを見出した。また、イソプレンに関し、上記の触媒を用いることによってミクロ構造における1,4-シス構造の含有量が極めて高く、しかも分子量分布が狭い重合体を効率的かつ安価に製造できることを見出した。本発明はこれらの知見を基にして完成されたものである。
すなわち、本発明は、共役ジエンの重合又は共役ジエンと芳香族ビニル化合物との共重合のための触媒であって、ガドリニウム化合物のメタロセン型カチオン錯体からなる触媒を提供するものである。この触媒は、有機アルミニウム化合物の存在下で共役ジエンの重合又は共役ジエンと芳香族ビニル化合物との共重合を効率的に行うことができるという特徴がある。この触媒は好ましい態様として、固体状態で提供され、共役ジエンの重合又は共役ジエンと芳香族ビニル化合物との共重合のための触媒として、重合反応系外から固体状態又は固体状態の錯体を溶解して得られた溶液の状態で重合反応系に添加される。あるいは、この触媒は他の好ましい態様として、有機アルミニウム化合物の存在下で触媒を生成しうるガドリニウム化合物とイオン性化合物を反応させて生成させ、共役ジエンの重合又は共役ジエンと芳香族ビニル化合物との共重合のための触媒として、重合反応に用いられる。
また、別の観点からは、本発明により、共役ジエン類の重合体の製造方法又は共役ジエンと芳香族ビニル化合物との共重合体の製造方法であって、有機アルミニウム化合物の存在下においてガドリニウム化合物のメタロセン型カチオン錯体を用いて重合を行う方法が提供される。好ましい態様では、上記メタロセン型カチオン錯体は固体状態で重合反応系に添加されるか、あるいは固体状態の錯体を溶解して得られた溶液として重合反応系に添加される。他の好ましい態様では、上記メタロセン型カチオン錯体は有機アルミニウム化合物の存在下で上記メタロセン型カチオン錯体を生成しうるガドリニウム化合物とイオン性化合物を反応させて生成させて用いられる。さらに別の観点からは、本発明により、ガドリニウム化合物のメタロセン型カチオン錯体の、共役ジエン類の重合又は共役ジエンと芳香族ビニル化合物との共重合のための使用が提供される。さらに別の観点からは、本発明により、本発明の方法により得ることができるミクロ構造におけるシス1,4-構造の含有量が97.0 mol%以上であり、分子量分布Mw/Mnが2.00以下であり、数平均分子量Mnが230,00
0である重合体、およびミクロ構造におけるシス1,4-構造の含有量が97.0 mol%以上であり、分子量分布Mw/Mnが2.50以下であるイソプレン重合体が提供される。
本発明の触媒を用いると、ミクロ構造における1,4-シス構造の含量が極めて高く、高分子量でかつ狭い分子量分布を有する重合体を効率的かつ安価に製造することができる。
ガドリニウム化合物のメタロセン型カチオン錯体としては、例えば、一般式(I):RaGdXb(式中、Gdはガドリニウムを示し;Rはシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、フルオレニル基、又は置換フルオレニル基を示し;Xはアニオンを示し;aは1又は2の整数を示し;bは1又は2の整数を示す)で示される3価のガドリニウム化合物が挙げられる。
上記一般式(I)において、aが2である場合、2個のRは同一でも異なっていてもよい。同様に、bが2である場合には、2個のXは同一でも異なっていてもよい。
置換シクロペンタジエニル基、置換インデニル基、又は置換フルオレニル基における置換基の種類、個数、及び置換位置は特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ヘキシル基、フェニル基、ベンジル基などのほか、トリメチルシリル基などの珪素原子を含有する炭化水素基などを挙げることができる。RはXの一部と互いにジメチルシリル基、ジメチルメチレン基、メチルフェニルメチレン基、ジフェニルメチレン基、エチレン基、置換エチレン基等の架橋基で結合されていてもよく、また、Rどうしが互いにジメチルシリル基、ジメチルメチレン基、メチルフェニルメチレン基、ジフェニルメチレン基、エチレン基、置換エチレン基等の架橋基で結合されていてもよい。
置換シクロペンタジエニル基の具体例としては、例えば、メチルシクロペンタジエニル基、ベンジルシクロペンタジエニル基、ビニルシクロペンタジエニル基、2-メトキシエチルシクロペンタジエニル基、トリメチルシリルシクロペンタジエニル基、tert-ブチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、フェニルシクロペンタジエニル基、1,2-ジメチルシクロペンタジエニル基、1,3-ジメチルシクロペンタジエニル基、1,3-ジ(tert-ブチル)シクロペンタジエニル基、1,2,3-トリメチルシクロペンタジエニル基、1,2,3,4-テトラメチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、1-エチル-2,3,4,5-テトラメチルシクロペンタジエニル基、1-ベンジル-2,3,4,5-テトラメチルシクロペンタジエニル基、1-フェニル-2,3,4,5-テトラメチルシクロペンタジエニル基、1-トリメチルシリル-2,3,4,5-テトラメチルシクロペンタジエニル基、1-トリフルオロメチル-2,3,4,5-テトラメチルシクロペンタジエニル基などが挙げられる。置換インデニル基の具体例としては、例えば、1,2,3-トリメチルインデニル基、ヘプタメチルインデニル基、1,2,4,5,6,7-ヘキサメチルインデニル基などが挙げられる。
Rとしてはペンタメチルシクロペンタジエニル基が好ましい。
Xが表わすアニオンとしては、例えば、テトラ(フェニル)ボレート、テトラキス(モノフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラ(トリル)ボレート、テトラ(キシリル)ボレート、(トリフェニル,ペンタフルオロフェニル)ボレート、[トリス(ペンタフルオロフェニル),フェニル]ボレート、トリデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレートなどが挙げられる。
式(I)で表されるガドリニウム化合物のメタロセン型カチオン錯体の具体例としては、例えば、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルガドリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。
上記式(I)で表されるメタロセン型カチオン錯体は、例えば、一般式(II):RaGdYbQYb(式中、Gdはガドリニウムを示し;Rは一般式(I)におけるRと同義であり;Yは水素原子、ハロゲン原子、アルコキシド基、チオラート基、アミド基、又は炭素数1から20の炭化水素基を示し;Qは周期律表第III族元素を示し;aは1、2、又は3の整数を示し;bは0、1、又は2の整数を示す)で示される2価又は3価のガドリニウム化合物と、イオン性化合物とを反応させることにより製造できる。
上記一般式(II)において、aが2又は3である場合、2又は3個のRは同一でも異なっていてもよい。同様に、bが1又は2である場合、2又は4個のYは同一でも異なっていてもよい。
反応は、不活性溶媒中に一般式(II)で表されるガドリニウム化合物とイオン性化合物を溶解し、0℃〜加温下、好ましくは室温で10分から数時間、好ましくは1時間程度反応させればよい。もっとも、これらの反応条件は適宜選択および変更可能である。一般式(II)で表されるガドリニウム化合物に対してイオン性化合物を2当量反応させることにより、Qで表される元素を含まない一般式(I)の錯体が収率よく得られる。典型的な反応例を下記に示す。
Figure 2004238637
上記反応は、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下において不活性溶媒中で行うことができる。不活性溶媒の種類は特に限定されないが、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン等の飽和脂環式炭化水素;1-ブテン、2-ブテン等のモノオレフィン類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロルエチレン、パークロルエチレン、1,2-ジクロロエタン、クロルベンゼン、ブロムベンゼン、クロルトルエン等のハロゲン化炭化水素などの溶媒を用いることができる。これらのうち、トルエンが好ましい。また、溶媒を2種以上組み合わせて用いてもよい。得られた一般式(I)の錯体は、通常の分離操作により錯体生成反応系から固体として取り出すことができる。一般的には、反応溶媒を留去し、残渣として得られる目的物を不活性溶媒で洗浄して減圧乾燥することにより実用上十分な純度の錯体を得ることができる。
また、上記の反応を有機アルミニウム化合物の存在下で、触媒が十分量生成するようにおこなうことにより、一般式(I)の錯体は生成させた反応溶液中に存在する状態でも触媒として使用することができる。触媒が十分量生成する条件としては、例えば、室温で1時間以上反応させる条件が挙げられる。有機アルミニウム化合物の使用量は、例えば理論的に生成されると予想される一般式(I)の量に対して15当量程度であればよい。なお、生成させた反応溶液中に存在する触媒を重合反応に用いる場合、触媒の生成反応に用いる不活性溶媒として、重合反応においても好適な溶媒を用いると溶媒交換等の手間が必要ないという点で好ましい。
上記一般式(II)において、Rは一般式(I)におけるRと同義であり、シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、フルオレニル基、又は置換フルオレニル基を示す。置換基の種類、個数、置換位置、架橋の有無及びRの好ましい具体例などは前述のとおりである。なお、一般式(II)におけるRは、一般式(I)で表される目的とする触媒に応じて適宜選択することができる。
Yが表わすアルコキシド基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基などの脂肪族アルコキシ基、フェノキシ基、2,6-ジ-tert-ブチルフェノキシ基、2,6-ジイソプロピルフェノキシ基、2,6-ジネオペンチルフェノキシ基、2-tert-ブチル-6-イソプロピルフェノキシ基、2-tert-ブチル-6-ネオペンチルフェノキシ基、2-イソプロピル-6-ネオペンチルフェノキシ基などのアリールオキシド基のいずれでもよいが、2,6-ジ-tert-ブチルフェノキシ基が好ましい。
Yが表わすチオラート基としては、チオメトキシ基、チオエトキシ基、チオプロポキシ基、チオn-ブトキシ基、チオイソブトキシ基、チオsec-ブトキシ基、チオtert-ブトキシ基などの脂肪族チオラート基、チオフェノキシ基、2,6-ジ-tert-ブチルチオフェノキシ基、2,6-ジイソプロピルチオフェノキシ基、2,6-ジネオペンチルチオフェノキシ基、2-tert-ブチル-6-イソプロピルチオフェノキシ基、2-tert-ブチル-6-チオネオペンチルフェノキシ基、2-イソプロピル-6-チオネオペンチルフェノキシ基、2,4,6-トリイソプロピルチオフェノキシ基などのアリールチオラート基のいずれでもよいが、2,4,6-トリイソプロピルチオフェノキシ基が好ましい。
Yが表わすアミド基としては、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、ジイソプロピルアミド基などの脂肪族アミド基、フェニルアミド基、2,6-ジ-tert-ブチルフェニルアミド基、2,6-ジイソプロピルフェニルアミド基、2,6-ジネオペンチルフェニルアミド基、2-tert-ブチル-6-イソプロピルフェニルアミド基、2-tert-ブチル-6-ネオペンチルフェニルアミド基、2-イソプロピル-6-ネオペンチルフェニルアミド基、2,4,6-tert-ブチルフェニルアミド基などのアリールアミド基のいずれでもよいが、2,4,6-tert-ブチルフェニルアミド基が好ましい。
Yが表わすハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子のいずれでもよいが、塩素原子やヨウ素原子が好ましい。
Yが表わす炭素数1から20の炭化水素基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、オクチル基などの直鎖又は分枝鎖の脂肪族炭化水素基、フェニル基、トリル基、ナフチル基など芳香族炭化水素基、ベンジル基などのアラルキル基などのほか、トリメチルシリルメチル基、ビストリメチルシリルメチル基などのケイ素原子を含有する炭化水素基であってもよい。これらのうち、メチル基、エチル基、イソブチル基、トリメチルシリルメチル基などが好ましい。
Yとしては、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1から20の炭化水素基が好ましい。
Qは周期律表第III族元素を示すが、該元素の具体例としては、ホウ素、アルミニウム、ガリウムなどを挙げることができ、アルミニウムが好ましい。
式(II)で表わされるガドリニウム化合物の具体例としては、例えば、ジメチルアルミニウム(μ-ジメチル)ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ガドリニウムなどが挙げられる。
イオン性化合物は、非配位性アニオンとカチオンとからなり、上記の式(II)で表されるガドリニウム化合物と反応して上記式(I)の錯体を生成できるイオン性化合物であればいかなるものを用いてもよい。非配位性アニオンとしては、例えば、テトラ(フェニル)ボレート、テトラキス(モノフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラ(トリル)ボレート、テトラ(キシリル)ボレート、(トリフェニル,ペンタフルオロフェニル)ボレート、[トリス(ペンタフルオロフェニル),フェニル]ボレート、トリデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレートなどが挙げられる。
カチオンとしては、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプタトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンなどを挙げることができる。カルボニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ置換フェニルカルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオンを挙げることができる。トリ置換フェニルカルボニウムカチオンの具体例としては、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルボニウムカチオンを挙げることができる。アンモニウムカチオンの具体例としては、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、トリ(n-ブチル)アンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン、N,N-ジエチルアニリニウムカチオン、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N-ジアルキルアニリニウムカチオン、ジ(イソプロピル)アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンを挙げることができる。ホスホニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホニウムカチオンを挙げることができる。
該イオン性化合物は、非配位性アニオン及びカチオンの中から、それぞれ任意に選択して組み合わせたものを好ましく用いることができる。例えば、イオン性化合物としては、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルボニウムテトラキス(テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1,1'-ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが好ましい。イオン性化合物を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。遷移金属化合物と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成できるルイス酸として、B(C6F5)3、Al(C6F5)3などを用いることができ、これらを前記のイオン性化合物と組み合わせて用いてもよい。
本発明の触媒は、共役ジエン類の重合又は共役ジエンと芳香族ビニル化合物との共重合に用いることができる。本発明の触媒の添加量は、通常の触媒の添加量とほぼ同等である。
本発明の触媒は、有機アルミニウム化合物の存在下で共役ジエン類の重合又は共役ジエンと芳香族ビニル化合物との共重合に用いることができる。有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム及びその混合物などが挙げられ、特に好ましいのはトリイソブチルアルミニウムである。トリメチルアルミニウムとトリブチルアルミニウムとの混合物を用いてもよい。有機アルミニウム化合物の存在下において生成させる錯体を用いる場合については、有機アルミニウム化合物の使用量は前述のとおりである。固体状態で重合反応系に添加して用いる錯体、又は固体状態の錯体を溶解して得られる溶液
を重合反応系に添加して用いる錯体については、有機アルミニウム化合物の使用量は特に限定されないが、例えば、式(I)で表される錯体に対して2当量以上を用いればよく、より好ましくは約2当量である。
本発明の重合体の製造方法で重合可能な共役ジエン化合物モノマーの種類は特に限定されないが、例えば、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2-エチル-1,3- ブタジエン、2,3-ジメチルブタジエン、2-メチルペンタジエン、4-メチルペンタジエン、又は2,4-ヘキサジエンなどを挙げることができ、これらのうち1,3-ブタジエン、イソプレンが好ましい。これらのモノマー成分を単独で用いてもよいが、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、本発明の重合体の製造方法で共重合可能な芳香族ビニル化合物モノマーの種類も特に限定されない。例えば、スチレン、p-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、α-メチルスチレン、クロロメチルスチレン、p-tert-ブトキシスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン、ジメチルアミノエチルスチレン、ビニルトルエンなどが用いられるが、これらのうちスチレンが好ましい。これらのモノマー成分を単独で用いてもよいが、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の重合体の製造方法では、好ましい態様として1種類の共役ジエン化合物モノマーを重合してホモポリマーを得ることができ、このようなホモポリマーとして具体的には1,3-ブタジエンのホモポリマー、イソプレンのホモポリマーなどを挙げることができる。
本発明の重合体の製造方法は、溶媒の存在下又は非存在下のいずれで行なってもよい。溶媒を用いる場合には、溶媒が重合反応において実質的に不活性であり、モノマー及び触媒組成物に対して十分な溶解性を有していれば、その種類は特に限定されない。例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン等の飽和脂環式炭化水素;1-ブテン、2-ブテン等のモノオレフィン類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロルエチレン、パークロルエチレン、1,2-ジクロロエタン、クロルベンゼン、ブロムベンゼン、クロルトルエン等のハロゲン化炭化水素が挙げられるが、これらのうち、トルエンが好ましい。また、溶媒を2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の重合体の製造方法における重合温度は、例えば-100〜100℃の範囲、好ましくは -50〜80℃の範囲、更に好ましくは0℃以下の範囲である。重合時間は、例えば1分〜12時間程度であり、好ましくは5分〜5時間程度である。もっとも、これらの反応条件は、モノマーの種類や触媒の種類に応じて、適宜選択することが可能であり、上記に例示した範囲に限定されることはない。重合反応が所定の重合率に達した後、公知の重合停止剤を重合系に加えて停止させ、次いで通常の方法に従い生成した重合体を重合反応系から分離することができる。
本発明の重合体の製造方法は、好ましい態様として、固体状態の一般式(I)の触媒を重合反応系に添加し、さらに有機アルミニウム化合物を添加した後、モノマーを重合反応系内に導入することにより行われる。又は、通常の方法に従って、固体状態の一般式(I)の触媒を溶解させて得られた溶液として重合反応系に添加してもよい。もっとも、上記触媒、有機アルミニウム化合物、反応種モノマーの添加順序は適宜変更可能である。本発明の重合体の製造方法は、好ましい態様として、一般式(II)で示されるガドリニウム化合物と上記イオン性化合物を重合の反応系外であらかじめ反応させて得られた固体状態の一般式(I)の触媒又は該触媒を溶解させて得られた溶液を重合反応系内に導入して重合を行うことができ、これによって反応コストを低減し、かつ効率的な重合が可能になる。例えば、上記一般式(II):RaGdYbQYbで表されるガドリニウム化合物と上記イオン性化合物とを反応させて得られる本発明の一般式(I)の触媒は、元素Q又はそれに由来する化合物を含有していない。このため、上記一般式(II)、上記イオン性化合物、及び有
機アルミニウム化合物の3種類を重合反応系に導入して重合を行う従来の方法に比べて、本発明の重合体の製造方法はコスト的に有利である。また、反応に関与する反応種が少ないため、反応の制御も容易になり、効率的かつ安価な重合を達成できる。
また、本発明の重合体の製造方法は、他の好ましい態様として、重合反応系内において、有機アルミニウム化合物の存在下で、触媒を生成しうるガドリニウム化合物とイオン性化合物を反応させ、触媒を生成させ、さらにモノマーを重合反応系に導入することによっても行われる。または、重合反応系外において、有機アルミニウム化合物の存在下で、触媒を生成しうるガドリニウム化合物とイオン性化合物を反応させ、触媒を生成させ、重合反応系に添加した後、さらにモノマーを重合反応系に導入することによっても行われる。もっとも、重合反応系外から触媒を添加する場合、上記触媒、反応種モノマーの添加順序は適宜変更可能である。なお、このような技術は、触媒の調製の過程において、有機アルミニウム化合物の存在下で反応させることならびに反応時間および温度を調整することにより可能となったものである。具体的には、例えば、有機アルミニウム化合物の存在下で室温で1時間以上触媒原料溶液を反応することにより可能である。本発明の重合体の製造方法のこのような態様は、生成させた触媒を固体状態として単離する必要がなく、工程が一段階省略されるという点で有利である。
本発明の方法により得られる重合体のミクロ構造における1,4-シス構造の含有量は、通常は80.0 mol% 以上であり、好ましくは90.0 mol% 以上、より好ましくは95.0 mol%以上、特に好ましくは98.0 mol%以上、さらに好ましくは99.0 %以上、もっとも好ましくはほぼ100 %である。である。また、分子量分布に関しては、Mw/Mnが2.50以下、好ましくは 2.20以下、より好ましくは 2.00以下、さらに好ましくは1.90以下、特に好ましくは1.80以下である。また、数平均分子量に関しては、Mnが100,000以上、好ましくは150,000以上、より好ましくは200,000以上、さらに好ましくは230,000以上、特に好ましくは240,000以上である。本発明の方法により得られる重合体は、ミクロ構造における1,4-シス構造の含有量が極めて高く、しかも高分子量で分子量分布が狭いといった優れた特性を有する重合体である。また、本発明の方法により得られるイソプレン重合体は、ミクロ構造における1,4-シス構造の含有量が極めて高く、しかも分子量分布が狭いといった優れた特性を有する重合体である。さらに好ましい形態としての本発明の方法により得られるイソプレン重合体は、ミクロ構造における1,4-シス構造の含有量が極めて高く、しかも高分子量で分子量分布が狭いといった優れた特性を有する重合体である。本発明の方法により得られる重合体は、高い熱的特性(熱安定性等)と機械的特性(引張り弾性率、曲げ弾性率等)を有することが期待されるので、高分子材料として多様な用途に利用することが可能である。
本発明の方法により得られる重合体はミクロ構造においてシス構造の含有量が高く、熱的・機械的特性において高性能である。シス構造の含有量を数%でも向上させることは、工業的に高分子を製造する場合において、大変有意義である。
また、本発明の方法により得られる重合体はタンパク質がほとんど含まれないという特性を持つ。したがって、低タンパク質ゴム材料への登用という点で有利である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例中のポリブタジエンのミクロ構造は、1H NMRおよび13C NMRにより得られたピーク[1H NMR: δ 4.8-5.0 (1,2-ビニルユニットの=CH2)、5.2-5.8 (1,4-ユニットの-CH=と1,2-ビニルユニットの-CH=)、13C NMR: δ 27.4 (1,4-シスユニット)、32.7 (1,4-トランスユニット)、127.7-131.8 (1,4-ユニット)、113.8-114.8と143.3-144.7 (1,2-ビニルユニット)]の積分比から、ポリイソプレンのミクロ構造は13C NMRにより得られたピーク[δ23.4 (1,4-シスユニット)、15.9 (1,4-トランスユニット)、18
.6 (3,4ユニット)]の積分比からそれぞれ算出した。また、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)は、GPCによりポリスチレンを標準物質として用い求めた。
[実施例1]
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、十分に乾燥した30ml耐圧ガラスボトルに、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルガドリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート [(Cp*)2Gd][B(C6F5)4] (Cp*:ペンタメチルシクロペンタジエニル配位子)を0.02mmol仕込みトルエン10mlで溶解させた。次いでトリイソブチルアルミニウム 0.10mmolを添加しボトルを打栓した。その後、グローブボックスからボトルを取り出し、1,3-ブタジエンを0.54g仕込み、50℃で3分間重合を行った。重合後、BHT〔2,6-ビス(t−ブチル)-4-メチルフェノール〕の10wt%のメタノール溶液10mlを加えて反応を停止させ、さらに大量のメタノール/塩酸混合溶媒で重合体を分離させ、60℃で真空乾燥した。得られた重合体の収率は100wt%であった。重合体のミクロ構造はシス含量が97.3mol%で、数平均分子量は245,000であり、Mw/Mnは1.73であった。
[実施例2]
実施例1において、重合を30℃で5分間行う以外は同様の方法で実験したところ、得られた重合体の収率は100wt%であった。重合体のミクロ構造はシス含量が98.5mol%で、数平均分子量は261,400であり、Mw/Mnは1.52であった。
[実施例3]
実施例1において、重合を0℃で10分間行う以外は同様の方法で実験したところ、得られた重合体の収率は91wt%であった。重合体のミクロ構造はシス含量が99.0mol%で、数平均分子量は300,500であり、Mw/Mnは1.45であった。
[実施例4]
実施例1において、重合を-20℃で30分間行う以外は同様の方法で実験したところ、得られた重合体の収率は93wt%であった。重合体のミクロ構造はシス含量が99.7mol%で、数平均分子量は405,000であり、Mw/Mnは1.41であった。
[実施例5]
実施例1において、重合を-40℃で150分間行う以外は同様の方法で実験したところ、得られた重合体の収率は92wt%であった。重合体のミクロ構造はシス含量が99.8mol%で、数平均分子量は501,600であり、Mw/Mnは1.57であった。
[実施例6]
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、十分に乾燥した100 ml耐圧ガラスボトルに、ジメチルアルミニウム(μ-ジメチル)ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ガドリニウム [(Cp*)2Gd(μ-Me)2AlMe2] を0.05 mmol仕込みトルエン34.0 mlで溶解させた。次いでトリイソブチルアルミニウム 1.5 mmol、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(Ph3CB(C6F5)4)0.05 mmolを添加しボトルを打栓した。室温で1時間反応後、グローブボックスからボトルを取り出し、イソプレンを1.0 ml仕込み、-40 ℃で15時間重合を行った。
重合後、BHT〔2,6-ビス(t−ブチル)-4-メチルフェノール〕の10 wt%のメタノール溶液10 mlを加えて反応を停止させ、さらに大量のメタノール/塩酸混合溶媒で重合体を分離させ、60 ℃で真空乾燥した。得られた重合体の収率は100 wt%であった。重合体のミクロ構造はシス含量が100.0 mol%で、数平均分子量は1,281,600であり、Mw/Mnは1.75であった。
[実施例7]
実施例6において、トリイソブチルアルミニウム 0.5 mmol、重合温度を-20 ℃、重合時間を2.5時間で行う以外は同様の方法で実験を行った。得られた重合体の収率は93 wt%であり、重合体のミクロ構造はシス含量が99.4 mol%、トランス含量が0.0 mol%、3,4含量が0.6 mol%で、数平均分子量は931,100であり、Mw/Mnは1.99であった。
[比較例1]
実施例1において、[(Cp*)2Gd][B(C6F5)4]の代わりにビスペンタメチルシクロペンタジエニルサマリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート [(Cp*)2Sm][B(C6F5)4]を用いる以外は同様の方法で実験したところ、得られた重合体の収率は94wt%であった。重合体のミクロ構造はシス含量が96.9mol%で、数平均分子量は148,300であり、Mw/Mnは1.42であった。
[比較例2]
実施例1において、[(Cp*)2Gd][B(C6F5)4]の代わりにビスペンタメチルシクロペンタジエニルネオジムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート [(Cp*)2Nd][B(C6F5)4]を用いる以外は同様の方法で実験したところ、得られた重合体の収率は96wt%であった。重合体のミクロ構造はシス含量が91.3mol%で、数平均分子量は129,800であり、Mw/Mnは1.37であった。
[比較例3]
実施例1において、[(Cp*)2Gd][B(C6F5)4]の代わりにビスペンタメチルシクロペンタジエニルプラセオジムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート [(Cp*)2Pr][B(C6F5)4]を用いる以外は同様の方法で実験したところ、得られた重合体の収率は95wt%であった。重合体のミクロ構造はシス含量が89.4mol%で、数平均分子量は75,700であり、Mw/Mnは1.65であった。
[比較例4]
実施例2において、[(Cp*)2Gd][B(C6F5)4]の代わりにビスペンタメチルシクロペンタジエニルサマリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート [(Cp*)2Sm][B(C6F5)4]を用いる以外は同様の方法で実験したところ、得られた重合体の収率は100wt%であった。重合体のミクロ構造はシス含量が97.3mol%で、数平均分子量は108,400であり、Mw/Mnは1.51であった。
[比較例5]
実施例3において、[(Cp*)2Gd][B(C6F5)4]の代わりにビスペンタメチルシクロペンタジエニルサマリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート [(Cp*)2Sm][B(C6F5)4]を用いる以外は同様の方法で実験したところ、得られた重合体の収率は82wt%であった。重合体のミクロ構造はシス含量が99.0mol%で、数平均分子量は161,400であり、Mw/Mnは1.48であった。
[比較例6]
実施例4において、[(Cp*)2Gd][B(C6F5)4]の代わりにビスペンタメチルシクロペンタジエニルサマリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート [(Cp*)2Sm][B(C6F5)4]を用いる以外は同様の方法で実験したところ、得られた重合体の収率は91wt%であった。重合体のミクロ構造はシス含量が99.3mol%で、数平均分子量は223,800であり、Mw/Mnは1.35であった。
図1は、実施例6により得られたイソプレン重合体の13CNMRスペクトルを示す図である。

Claims (6)

  1. 共役ジエンの重合又は共役ジエンと芳香族ビニル化合物との共重合のための触媒であって、ガドリニウム化合物のメタロセン型カチオン錯体からなる触媒。
  2. 前記メタロセン型カチオン錯体が、一般式(I):RaGdXb(式中、Gdはガドリニウムを示し;Rはシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、フルオレニル基、又は置換フルオレニル基を示し;Xはアニオンを示し;aは1又は2の整数を示し;bは1又は2の整数を示す)で示される3価のガドリニウム化合物のメタロセン型カチオン錯体である請求項1に記載の触媒。
  3. 有機アルミニウム化合物の存在下で重合を行うための請求項1又は2に記載の触媒。
  4. 共役ジエン類の重合体又は共役ジエンと芳香族ビニル化合物との共重合体の製造方法であって、請求項1〜3のいずれか一項に記載のガドリニウム化合物のメタロセン型カチオン錯体および有機アルミニウム化合物の存在下において重合を行う方法。
  5. 前記メタロセン型カチオン錯体を固体状態で重合反応系に添加するか、又は固体状態の前記メタロセン型カチオン錯体を溶解して得られる溶液を重合反応系に添加する工程を含む請求項4に記載の方法。
  6. 有機アルミニウム化合物の存在下で前記メタロセン型カチオン錯体を生成しうるガドリニウム化合物とイオン性化合物を反応させ、前記メタロセン型カチオン錯体を生成する工程を含む請求項4に記載の方法。
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