JP2004237144A - 排水処理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】有機性排水の排水処理において、処理槽内の酸化分解能を高め、余剰汚泥を低減させるともに、処理施設のランニングコストを低く抑えることのできる排水処理システムを提案する。
【解決手段】処理槽10と、該処理槽10内に超微細気泡を供給する超微細気泡発生装置16と、該処理槽10内の被処理水を攪拌する攪拌装置34とで排水処理システムを構成し、攪拌装置34は、軸体41と該軸体41の両端に固設した攪拌翼40・40とで構成される立体翼42が、軸体41を軸心として揺動回転しつつ軸体の長尺方向中心を軸心として揺動回転するものを採用した。超微細気泡発生装置16に、超微細気泡の酸素濃度を高めるための酸素発生器21を備えるとともに、超微細気泡供給位置の近傍且つ上方に攪拌装置34の攪拌翼40を配置した。
【選択図】 図1
【解決手段】処理槽10と、該処理槽10内に超微細気泡を供給する超微細気泡発生装置16と、該処理槽10内の被処理水を攪拌する攪拌装置34とで排水処理システムを構成し、攪拌装置34は、軸体41と該軸体41の両端に固設した攪拌翼40・40とで構成される立体翼42が、軸体41を軸心として揺動回転しつつ軸体の長尺方向中心を軸心として揺動回転するものを採用した。超微細気泡発生装置16に、超微細気泡の酸素濃度を高めるための酸素発生器21を備えるとともに、超微細気泡供給位置の近傍且つ上方に攪拌装置34の攪拌翼40を配置した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機性排水中の有機物質を、微生物により酸化分解して浄化処理を行う排水処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、産業社会の急激な拡張に伴い、環境汚染はますます深刻な問題となっている。国や自治体等により定められた環境基準が強化され、企業の環境問題への関心の向上が必要とされている。このような状況から、企業側からの産業廃棄物処理技術、排水処理技術の向上に対する強いニーズがある。
【0003】
従来、有機性排水を処理するための方法として、標準活性汚泥法が用いられてきた。
標準活性汚泥法は、例えば、特許文献1に記載されているように、曝気槽内の槽底部に曝気管を設置し、地上側からブロワ等により高圧空気をダクトを介して供給し、水中に放出された空気の気泡の浮上にともなう旋回流(循環水流)を槽内に発生させ、気泡による排水の曝気を行い、微生物による有機物の酸化分解を行うものである。
【0004】
また、リン成分を多く含有する有機性排水では、リン成分があまり除去されず処理水中にリン成分が多量に残存することがある。このような、リン成分を多量に含む処理水を湖沼などに排出すると水の富栄養化に伴う植物プランクトンの著しい増殖を招くために好ましくない。
【0005】
そこで、排水中に含まれるリン成分の除去プロセスとして、例えば、嫌気−好気活性汚泥法が行われている。
嫌気−好気活性汚泥法は、嫌気状態でエネルギー獲得のためにポリリン酸を正リン酸として放出した微生物が、好気状態で正リン酸を過剰摂取・代謝後ポリリン酸として蓄積することを利用した方法であり、排水を嫌気槽、好気槽及び沈殿池における反復処理に付して、余剰汚泥にリン成分を内包させ、処理水中のリン成分を除去するものである。
【0006】
また、タンパク質に由来する窒素有機物を含む食品排水や、ヒト及び家畜***物を含む排水等の生活排水、或いは、工業的に大量の窒素有機化合物を使用する(例えば、染色工程で発色に大量の尿素を用いるような場合)工場等の廃水については、窒素化合物の処理が特に必要とされる。
排水中の有機物が分解されずに水系へ放流された場合、水系の富栄養化と酸素不足をもたらすことはもとより、窒素処理が不十分である場合には、アンモニアの悪臭と、硝酸・亜硝酸等の毒物により放流水系が汚染されてしまう。
従って、水の入れ替わりが遅い閉鎖水域(例えば、湖沼・堀等)への排水の放流に対して、窒素・リン処理を含む厳しい総合水質規制が実施されるようになっている。
【0007】
一方、消費電力が少なく、省エネルギーで広い範囲を攪拌することのできる攪拌装置が提案されている。例えば、特許文献2に記載の技術である。
この省エネルギー攪拌装置では、一対の回転軸によって立体攪拌翼を揺動させつつ回転することによって、比較的低消費電力により流体を攪拌することのできる構造とされている。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−314888号公報
【特許文献2】
特開2002−143665号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の活性汚泥法による排水処理は、COD(化学的酸素要求量)・BOD(生物化学的酸素要求量)の処理効率の低いことから大型の処理設備が必要となり、エアレーション(曝気)装置等の運転エネルギーコストが嵩む、といった多くの問題点を抱えている。こういった状況から、省エネルギー化、低ランニングコスト化を実現する処理技術の開発が要請されている。
【0010】
また、従来の嫌気−好気活性汚泥法では、排水中から有効にリン成分を除去できるが、余剰汚泥はリン成分に富み、さらにその他種々の有機成分や重金属成分などが含まれているので、その廃棄に問題を生じる。
また、リン成分は、例えば、肥料やリン化合物製造等への有効再生利用の可能性が考えられるが、上述のように雑多な成分と混合した汚泥状態にあるために分離処理が困難である。
こういった状況から、有機性余剰汚泥の低減が要請されている。
【0011】
また、従来の窒素処理法は、メタノール等の還元剤を使用するか、特殊な好気・嫌気処理と大量(原水の約2倍)の液返送を行うため、処理槽の大型化と、ポンプ動力等のエネルギーの著しい増加を必要とするなど、高価なエネルギーコスト・ランニングコストがかかる。
こういった状況から、高効率化、低コスト化への要望が高い。
【0012】
本発明では、上記のような状況に鑑み、排水中に含まれる有機成分をほぼ残らず分解することによって、余剰汚泥を低減させることのできる排水処理システムを提案する。
そして、余剰汚泥を低減させることにより、余剰汚泥の排棄に係る費用の低減及び環境の保護を図る。さらに、リン成分を含む有機性排水の処理においては、排水中に含有されるリン成分を抽出容易な状態とすることでリン成分の有効利用を図る。
これとともに、従来の排水処理設備において、消費電力が大きいために排水処理コストを高める一因となっているブロワをシステムより削除し、よりランニングコストの低い排水処理システムを提案する。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0014】
即ち、請求項1においては、処理槽と、該処理槽内に超微細気泡を供給する超微細気泡発生装置と、該処理槽内の被処理水を攪拌する攪拌装置とを備えたものである。
【0015】
請求項2においては、前記攪拌装置は、軸体と該軸体の両端に固設した攪拌翼とで構成される立体翼が、軸体を軸心として揺動回転しつつ軸体の長尺方向中心を軸心として揺動回転する構成としたものである。
【0016】
請求項3においては、前記攪拌装置の攪拌翼を、超微細気泡供給位置の近傍且つ上方に配置したものである。
【0017】
請求項4においては、前記超微細気泡発生装置に、該超微細気泡発生装置に導入される気体の酸素濃度を高めるための酸素発生器を備えたものである。
【0018】
請求項5においては、前記処理槽を複数連設連通し、そのうち少なくとも一本の処理槽を、好気状態と嫌気状態とを切換可能としたものである。
【0019】
請求項6においては、前記処理槽を複数連設連通し、そのうちの最終槽に、被処理水より活性汚泥と微生物とを分離する固液分離膜を備えたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の第一実施例に係る排水処理システムの全体的な構成を示した図、図2は処理槽の構成の別形態を示す図、図3は攪拌装置の構成を示す図である。図4は本発明の第二実施例に係る排水処理システムの全体的な構成を示した図、図5は第二実施例に係る処理槽の別形態を示す排水処理システムの全体的な構成を示した図、図6は第三実施例に係る排水処理システムの全体的な構成を示した図、図7は第四実施例に係る排水処理システムの全体的な構成を示した図である。
【0021】
本発明に係る排水処理システムは、有機物質を酸化分解する微生物を、有機性排水が流入された開放系の処理槽内に保持させ、微生物の酸化分解作用により有機性排水中の有機物質を炭酸ガスと水とに完全分解する開放系のシステムである。
そして、処理槽10内の微生物の酸化分解活性を高めるとともに、高い酸化分解活性を保持するための装置が備えられている。すなわち、処理槽10内に備えられた超微細気泡発生装置16と、攪拌装置34と、再生水生成装置18である。
これらの装置により、処理槽10内において酸化分解処理される有機性排水は、高い活性酸素濃度と、高い微生物濃度が保持されることになる。
【0022】
従って、従来の排水処理システムと比較して有機排水中の有機物質の分解処理効率が高まるため、高速処理が可能となるのである。また、分解処理効率が高いために、必要とされる処理槽の大きさを従来のものと比較して小型化することができ、イニシャルコストを低減させることができるとともに、処理槽に備えられた装置を運転するためのコストを低減させることができ、すなわち、ランニングコストを低減させることができる。
【0023】
そして、上記排水処理システムにより処理された有機性排水は、排水中に含まれている有機成分が殆ど残らず分解されることによって、有機成分を含む余剰汚泥が殆ど発生しない。
従って、余剰汚泥の廃棄処理に係る問題の解決、廃棄処理にかかるコストの削減を図ることができ、環境の保護に寄与し、排水処理にかかるランニングコストを低減させることができる。
【0024】
また、特に、嫌気−好気活性汚泥法に本システムを適応させる場合には、余剰汚泥中の有機性排水中に含まれていたリン成分と有機物質との分離を行うまでもなく、余剰汚泥からリン成分を抽出し易い状態とすることが可能となる。従って、リン成分の回収を行い再生に付することができるようになる。
【0025】
次に、排水処理システムの構成について説明する。
図1に示す如く、排水処理システムは、調整槽11と、中和槽13と、処理槽10と、再生水槽19の各水槽から構成されている。
【0026】
前記調整槽11は、第一段階において有機性排水を流入させるための槽であり、調整槽11では処理槽10へ流入される排水の流量が調整され、排水に含まれる比較的大きな固形物等が取り除かれる。そして、調整槽11に備えたポンプ12によって調整槽11から中和槽13へ排水が送られる。
前記中和槽13では、排水のpHが調整されて、排水が中和される。中和槽13には、水槽内の排水の反応促進を図って攪拌翼14が備えられている。中和槽13内において中和された排水は、処理槽10に送られる。
【0027】
前記処理槽10は、連通する複数の水槽で構成されている。処理槽10内には、被処理水(有機性排水)中の有機物質を酸化分解する微生物が投入されており、該微生物の酸化分解活性を高めるための栄養剤が投入されている。処理槽10内では、該微生物の酸化分解機能により被処理水中の有機物質の酸化分解が行われ、処理槽10を順に経ていくうちに、被処理水中の有機物質等より成る活性汚泥が低減され、最終的に処理槽10内に残る余剰汚泥が殆どない状態となる。
【0028】
また、処理槽10のうち最終の水槽には、再生水生成装置18として、固液分離膜23が備えられている。該固液分離膜23を介して被処理水が処理槽10より取り出され、排水処理の済んだ処理済みの再生水として、再生水槽19に流入される。該固液分離膜23の作用により、微生物と、活性汚泥とが被処理水より分離されて、水のみが再生水として再生水槽19に送られる。
再生水生成装置18の固液分離膜23による処理によって、処理槽10内の微生物濃度は高められ、微生物の増殖量と分解量が釣り合うようにして、微生物による有機性物質の定常的な酸化分解処理を行うことができるように調整されている。
【0029】
次に、本発明の排水処理システムの第一実施例に係る処理槽10の構造について説明する。
【0030】
図1に示す如く、本実施例に係る処理槽10では、連通する三本の水槽が設けられ、処理の順に第一処理槽10a、第二処理槽10b、第三処理槽10cとしている。
第一処理槽10aの下部と第二処理槽10bの下部とが連通され、また、第二処理槽10bと第三処理槽10cとの上部が連通されて、中和槽13から第一処理槽10a内に流入された被処理水は、第一処理槽10aから第二処理槽10bを通過して第三処理槽10cへと流れるように構成されている。
【0031】
そして、第一処理槽10a及び第二処理槽10bは分解反応槽とされ、主に、被処理水中の有機物質を分解するための処理槽として設けられている。また、第三処理槽10cは微生物分離槽とされ、再生水生成装置18が備えられている。但し、処理槽10を構成する水槽の数は本実施例に限定されるものではなく、分解反応槽の数を増減させることもできる。
【0032】
前記第一処理槽10a、第二処理槽10b、第三処理槽10cの各処理槽には、水槽の底部に超微細気泡発生装置16及び攪拌装置34が備えられている。各処理槽に配設する攪拌装置34・34・34は同一の駆動源となるモータ30より伝動軸を介して水槽の底部より動力が伝達され、動力伝達構成を簡単にしている。
超微細気泡発生装置16には酸素発生器21が備えられており、処理槽10内の被処理水中に供給される超微細気泡は、空気と比較して酸素が多く含まれている。また、超微細気泡の供給位置の近傍且つ上方に攪拌装置34が設けられて、超微細気泡が攪拌装置34により発生される攪拌流に巻き込まれるように配設されている。なお、超微細気泡供給ノズル24の吐出方向を変化させることにより、例えば、攪拌装置34の近傍且つ上方、攪拌装置34の近傍且つ下方、又は、攪拌装置34の近傍且つ側部に超微細気泡供給ノズル24を配置することもできる。
【0033】
被処理水には、各種の不純物が混入しており、該被処理水を導入する処理槽10の底部には物質が沈殿して堆積しようとするが、処理槽10の底部に配設された攪拌装置34により、被処理水が攪拌され上方への水流が形成されることにより、堆積しようとする物質を巻き上げることができる。
また、超微細気泡が堆積しようとする物質に吸着し、気泡の浮力により該物質を水中内において上昇させることも可能である。
さらに、微生物分離槽とされた処理槽10(第三処理槽10c)においては、再生水生成装置18の固液分離膜23に作用する微生物や活性汚泥の担体として超微細気泡を利用することができ、分離機能を高めることができる。
【0034】
そして、処理槽10内に超微細気泡発生装置16とともに、攪拌装置34を備えることで、以下の相乗効果を得ることができる。
第一に、攪拌装置34により発生される攪拌流に超微細気泡が巻き込まれることにより、超微細気泡の水中滞留時間を延長することができる。
第二に、被処理水中内に供給された超微細気泡が、攪拌装置34により発生される攪拌流に巻き込まれることにより、破泡されて、超微細気泡がさらに微細化される。
第三に、攪拌装置34により発生される攪拌流により、処理槽内の被処理水が均一化されて、被処理水に超微細気泡が素早く混合される。
これらの相乗効果により、より多くの酸素が被処理水中に溶解されて酸素溶解効率が向上し、被処理水中に溶存している活性酸素濃度を高めることができる。
【0035】
このようにして、被処理水中の溶存酸素を高めることによって、微生物の有機物質分解時に、必要とされるよりも十分多くの酸素を供給できるようにして、処理槽10内の有機物質分解速度を、酸素供給律速ではなく、微生物の分解能律速としている。
従って、従来の排水処理システムと比較して有機排水中の有機物質の酸化分解分解速度及び酸化分解分解能が高まることにより、分解処理効率が高まるため、高速処理が可能となるのである。
【0036】
さらに、分解処理効率が高く、また、流動担体である微細気泡により汚泥の発生が抑制されることによって、余剰汚泥が殆ど発生しない排水処理システムとなる。また、汚泥がいくらか発生しても、固液分離膜により処理槽での滞留中に分解されて、定常状態(有機物質として分解し被処理水中に分散した状態)となる。
余剰汚泥が発生しないことにより、従来、産業廃棄物として処理されている余剰汚泥の処理に係るコストが削減され、また、産業廃棄物の処理が問題となっている昨今においては環境保護に寄与することができる。
【0037】
なお、各処理槽10に、pHセンサ、温度センサ、微生物濃度計および溶存酸素量センサを配設し、該センサ類をコントローラに接続し、各処理槽10の状態を情報端末によりモニターすることができる。また、コントローラには超微細気泡発生装置16や、攪拌装置34を接続し、処理槽10内の温度、微生物濃度および溶存酸素量を調節することができる。
【0038】
次に、前記超微細気泡発生装置16について説明する。
超微細気泡発生装置16は、処理槽10内に導入された超微細気泡供給ノズル24と、これに接続された超微細気泡発生器20とで構成されている。超微細気泡発生器20には酸素発生器21が備えられており、超微細気泡発生器20に、酸素濃度の高い気体が供給され、該気体が超微細気泡として被処理中内に供給されるため、超微細気泡は高酸素濃度の気泡となる。
【0039】
なお、超微細気泡は、0.1μmから3μmの径の気泡であり、微細気泡(気泡径が10〜100μm)より小さいものである。超微細気泡は、気泡の径が小さく、その浮力が小さい。このため、処理槽10内の攪拌流に超微細気泡を供給した場合においても、該超微細気泡は処理槽10内を上方に向かう流れだけでなく、下方に向かう流れにも乗りやすく、処理槽10内に均一に拡散させることができる。
【0040】
次に、前記攪拌装置34について説明する。
攪拌装置34は、二枚の攪拌翼40・40を備えた立体翼42と、該立体翼42を駆動することによって攪拌翼40・40を回転させると同時に揺動させるための駆動部31と、該駆動部31に動力を供給するモータ30とで構成されている。
攪拌装置34は、処理槽10の底部に設けられているが、図2に示す如く、処理槽10の上部にも設けて、処理槽10の底部と上部両方で攪拌流を発生させるようにすることもできる。
【0041】
図3にも示す如く、軸体41と、該軸体41の両端部に直交位相となるように固定された二枚の攪拌翼40・40で構成されて、立体翼42が形成されている。
軸体41には、各攪拌翼40・40と直交するする状態で軸体41を貫通する軸受部43・43がそれぞれ設けられており、各軸受部43・43は略V字状に形成された連結部材に回動可能44・44に支承されている。
連結部材44・44は、万能継手46・46を介して駆動部31により回転駆動される回転軸45・45に連結されている。二本の回転軸45・45はそれぞれ相反する方向に回転され、一方の回転軸45が所定の基準回転速度よりも高速で回転される間に、他方の回転軸45が、その基準回転速度よりも低速で回転されるように駆動される。各回転軸45・45では高速回転と低速回転とが相互に切り換えられる。
【0042】
そして、各回転軸45・45が高速回転と低速回転とを交互に繰り返すことにより、立体翼42は軸体41がその軸心回りに90度にわたって回転しつつ、軸体41の傾斜方向が90度にわたって変化する。従って、一方の攪拌翼40が上方から下方にわたって揺動しつつ、軸対の周囲を90度にわたって回転する間に、他方の攪拌翼40は下方から上方に向かって揺動しつつ軸対の周囲を90度にわたって回転する。そして、立体翼42がこのような動作を繰り返すことにより、各攪拌翼40・40が間欠的に回転される。
【0043】
このように、互いに逆方向に回転する二本の独立した回転軸45・45の間に、立体翼42を懸架して、立体翼42を揺動反転運動させることにより、攪拌翼40・40は上下運動と回転運動とが組み合わされた運動をすることとなる。このような立体翼42の動きにより、立体翼42の動作を維持しようとする渦流と、立体翼42の左右より交互に移動しようとする水塊とが生み出され、容積排除型の攪拌が行われる。
この結果、攪拌翼40・40が排除した水の体積が水の移動に直接作用することで、確実に攪拌のエネルギーを水に伝達することができ、攪拌翼の単純な回転と比較して格段に大きい送液移動水量が発生し、比較的長い攪拌流の減衰到達距離を得ることができる。また、比較的省エネルギー型の攪拌装置34とすることができる。
【0044】
従って、攪拌装置34を稼動させるためのエネルギーは、曝気装置のブロワを稼動させて処理槽10内を曝気させるときと比較して大幅に低減される。すなわち、攪拌装置34を稼動させるためのコストは、ブロワを稼動させて処理槽10内を曝気させるためのコストと比較して大幅に削減され、ランニングコストを低減させることができる。
【0045】
本実施例に係る排水処理システムの処理槽10は、既存の設備、すなわち、既存の処理槽10に攪拌装置34と超微細気泡発生装置16を備えることにより、実現することができる。よって、イニシャルコストを低く抑えることができ、新規の設備のみならず既存の設備にもシステムの導入を容易としている。
また、微生物の酸化分解活性が高いために、既存の設備と比較して同等の効果を得るために小型の処理槽を採用することができる。従って、設備に係るコスト及び設備を運転するためのコストを抑えることができる。
【0046】
さらに、排水処理システムの運転コストが嵩む要因の一つであったブロワの稼動に係るコストが削減され、稼動に係るコストが比較的少ない省電力の攪拌装置34を採用することによって、排水処理設備のランニングコストを低く抑えることができる。
【0047】
但し、攪拌装置34の形態は本実施例に限定されるものではなく、例えば、単一の攪拌翼を処理槽10内に配設して、該攪拌翼を回転駆動又は揺動回転駆動するように構成することもできる。また、攪拌翼を処理槽10内の適宜位置に複数配設して、処理槽10内の被処理水の水流を制御することもできる。
【0048】
次に、本発明の排水処理システムの第二実施例に係る処理槽10の構造について説明する。
第二実施例では、嫌気−好気活性汚泥法を採用している。
【0049】
図4に示す如く、第二実施例に係る処理槽10では、三本の水槽が設けられており、それぞれ、第一処理槽10a、第二処理槽10b、第三処理槽10cとされている。第一処理槽10aの底部と第二処理槽10bの底部とが連通可能とされ、第二処理槽10bの上部と第三処理槽10cの上部とが連通可能とされている。
前記第一処理槽10aは好気分解反応槽であり、第二処理槽10bは好気・嫌気分解反応槽であり、第三処理槽10cは微生物分離槽である。
これらの各処理槽10の底部には、前述の第一実施例と同様に、超微細気泡発生装置16と、攪拌装置34とが備えられている。
【0050】
第一処理槽10aでは、超微細気泡発生装置16により、酸素の豊富な超微細気泡が処理槽10内に供給されるとともに、攪拌装置34により処理槽10内の被処理水が攪拌されて、被処理水中の溶存活性酸素濃度が高められている。これにより、微生物による有機物質の酸化分解能が高められており、被処理水中の有機成分が、二酸化炭素と水とに酸化分解される。
【0051】
第二処理槽10bでは、好気性環境と、嫌気性環境とが、所定時間毎に交互に切り替わり繰り返される。好気性環境では、超微細気泡発生装置16により、酸素の豊富な超微細気泡が処理槽10内に供給されるとともに、攪拌装置34により、処理槽10内の被処理水が攪拌される。また、嫌気性環境では、超微細気泡発生装置16が停止され、攪拌装置34により、処理槽10内の被処理水が攪拌される。
好気性環境にあり好気状態である被処理水は、嫌気性環境に切り換えることで、やがて、被処理水内の酸素が無くなり、嫌気状態に切り替わる。
【0052】
嫌気状態でエネルギー獲得のためにポリリン酸を正リン酸として放出した微生物は、好気状態では正リン酸を過剰摂取・代謝後、ポリリン酸として蓄積することを利用して、第二処理槽10bの好気性環境と、嫌気性環境とを反復させることで、活性汚泥にリン成分を内包させ、被処理水中のリン成分を除去することができる。
さらに、有機物質から成る活性汚泥は、好気状態において、微生物により水と二酸化炭素とに酸化分解されるため、余剰汚泥には、主にリン成分が残留することとなる。
従って、余剰汚泥は、有機物質が少なくリン成分が豊富となるために、該余剰汚泥を回収してリン成分を抽出し再生させることが容易となる。
【0053】
但し、以下に示す如く、第二実施例において採用している攪拌装置34を、曝気装置25に代えることもできる。
図5に示す如く、各処理槽10の底部には、超微細気泡発生装置16と、曝気装置25とが備えられている。曝気装置25は、該曝気装置25より放出される空気の気泡の浮上に伴い処理槽10内に旋回流(循環水流)を発生させるための装置である。
【0054】
第一処理槽10aでは、超微細気泡発生装置16により、酸素の豊富な超微細気泡が処理槽10内に供給されるとともに、曝気装置25により、処理槽10内の被処理水に循環水流が発生されている。これにより、超微細気泡が被処理水中内に拡散され、超微細気泡に含有される酸素が被処理水中に活性酸素として溶存され、微生物による有機物質の酸化分解能が高められた状態にある。
【0055】
第二処理槽10bでは、好気性環境と、嫌気性環境とが、所定時間毎に交互に切り替わり繰り返される。好気性環境では、超微細気泡発生装置16により、酸素の豊富な超微細気泡が処理槽10内に供給されるとともに、曝気装置25により、処理槽10内の被処理水が循環(攪拌)される。また、嫌気性環境では、超微細気泡発生装置16及び曝気装置25が停止される。
【0056】
次に、本発明に係る排水処理システムの第三実施例について説明する。
第三実施例では、図6に示す如く、前記第一実施例の処理工程における処理槽10のうち最終槽(第三処理槽10c)において、固液分離膜23により活性汚泥や微生物と分離された水が、窒素処理調整槽36に流入され、アンモニアと亜硝酸の比が1:1に調整されたのち、窒素処理槽37に送られて、該窒素処理槽37において微生物(Anammox菌)を利用して脱窒され、排水処理済水とされる。このように、廃水処理に窒素処理行程を備えたことを特徴としている。
【0057】
従来の窒素処理は、微生物による好気的分解反応処理により、有機窒素化合物→アンモニア→亜硝酸→硝酸と変化し、生じた亜硝酸並びに硝酸を還元剤により嫌気脱窒して、分子窒素として空気中に放出している。
この際、還元剤としてメタノールを使用するか、或いは、好気的処理後の処理水(硝化液)を大量(原水流入量の約2倍程度)に排水入口へと返送して排水中のBOD物質を還元剤として使用する。このため、従来の窒素処理技術の改良点は、還元剤の使用量を抑え、大量の液送エネルギーを低減させることにあった。
【0058】
これに対し、本実施例に係る排水処理システムの窒素処理槽37では、アンモニアと亜硝酸を主な基質とする嫌気的アンモニア酸化還元反応を行う微生物の作用により、排水中の窒素化合物以外に特殊な還元基質を必要とすることなく、窒素を放出させ、脱窒処理を行うものである。
この微生物の作用による嫌気的アンモニア酸化反応(Anammox反応)の化学式を以下に示す。
【0059】
【化1】
【0060】
上記反応を利用することにより、処理槽外からの還元基質の供給を必要とせず、また、従来のように大量の硝化液返送や、処理槽の大型化を必要とせず、排水中に含まれる窒素化合物をアンモニアと亜硝酸に変換したうえで、窒素処理槽37に流入するだけで、窒素処理槽37内の微生物の作用によって完全に脱窒・消去することができる。
【0061】
なお、処理槽10における酸化分解反応により、排水中に含まれる窒素化合物はアンモニアや亜硝酸等に分解されるため、窒素処理調整槽36に流入される被処理水には、窒素化合物はアンモニアや亜硝酸等となって含まれている。そして、窒素処理調整槽36では、平衡反応を利用して水温やpHを調整することにより、アンモニアと亜硝酸の比が1:1に調整される。
【0062】
上述の如く、本システムによれば、従来の窒素処理技術の改良点であった、還元剤の使用量と、液送エネルギーの低減とを図ることができ、省エネルギー性に優れた窒素処理が可能となる。
【0063】
次に、本発明に係る排水処理システムの第四実施例について説明する。
上記第一乃至第三実施例では、排水処理システムを処理槽において展開しているが、本排水処理システムは、浄化施設の処理槽に限定されず、例えば、河川や湖沼、池、堀等に直接展開することも可能である。
【0064】
従来、河川浄化法として「礫間接触酸化法」、「上向流木炭浄化法」等が採用されているが、これらの方法は、浄化作用時間(距離)の長さ、分解を行う微生物の活性度の低さ、等の問題点があり、短期間で著しい効果を得ることが難しい。
そこで、本排水処理システムを導入することにより、河川・湖沼・池・堀等の直接水質浄化と底質の改善を行い、富栄養化現象が起こり水質汚染が拡大されつつある河川・湖沼・池・堀等の富栄養化物を除去しようとするものである。
【0065】
図7に示す如く、本実施例では湖に廃水処理システムを展開した例を示している。但し、湖に限定されることなく、河川・湖沼・池・堀等に適応させることができる。
湖の適宜位置には、前記第一実施例乃至第三実施例の処理槽10と同様に、湖水中の有機物質の分解活性を高めるための、超微細気泡発生装置16と攪拌装置34とが備えられている。
【0066】
本実施例においては、超微細気泡発生装置16と攪拌装置34とを一組のユニットとして、浮きを付けて湖水中に浮かばせて、超微細気泡発生装置16と攪拌装置34の水深を調節可能に保持している。
超微細気泡発生装置16では、超微細気泡発生器20において吸込口から吸い込まれた湖水に超微細気泡が溶解され、湖水内の吐出タンク32に送られて、超微細気泡供給ノズル24より豊富な超微細気泡が一気に湖水内へ吐出される。
そして、湖水内に供給された超微細気泡は、超微細気泡供給ノズル24の上方に設置された攪拌装置34による送流に並流して、湖水の全面的に拡散される。
【0067】
また、攪拌装置34は湖水を攪拌して、澱みがちな湖水に水流を形成するとともに、超微細気泡を拡散している。さらに、攪拌装置34を湖の底部に配設することで、湖底に沈降している堆積物を攪拌流に乗せて巻き上げ、超微細気泡に吸着させて浮上させることも可能である。
【0068】
前記超微細気泡発生装置16及び攪拌措置34の稼動開始とともに、吸込口から超微細気泡発生器20に吸入される湖水中に、無機凝集剤50と中和剤としての消石灰等とが添加され、超微細気泡発生器20を介して、超微細気泡とともに無機凝集剤50と消石灰とが吐出タンク32に送り込まれ、凝集剤50と消石灰とが超微細気泡とともに湖水中に供給される。
【0069】
この凝集剤50により、湖水に含まれる溶解性リン成分は不溶化されて有機物質とともに凝集し、フロック化される。
フロック52となった有機物質は、攪拌措置34により形成される攪拌流に乗り湖水中を浮遊する。この際に、湖水中の超微細気泡がフロック52に吸着され付着し、フロック52を浮上させる。湖面まで浮上したフロック25は凝集して浮上有機物51として回収することができ、湖水からリン成分を有機物質とともに分離することができる。
このようにして回収槽に回収された浮上有機物51は、脱水され廃棄物処理またはコンポスト化される。これにより、湖水中の有機物質とともに不溶化したリン・窒素・残留農薬等が吸着されて、浮上され回収されることにより、湖水中の有機物質やリン・窒素・残留農薬等の大半を除去することができる。湖水よりリン成分・窒素成分を除去することによって、アオコの発生を抑制する効果が得られる。
【0070】
さらに、上述の如く、湖水中の有機物質やリン成分の多くが浮上有機物51として回収されたうえで、超微細気泡発生装置16による超微細気泡の供給と、攪拌装置34による攪拌を継続することにより、湖水中に生存する微生物により湖水中の有機物質の酸化分解が促進され、湖水の浄化が維持される。
【0071】
本排水処理システムでは、大規模な処理設備を必要とすることがなく、必要なときのみ現地に設置しての使用も可能となる。従って、処理槽と比較して容積の大きい河川・湖沼・池・堀等の水の浄化でも、設備の設置にかかるコストを抑えることができる。また、曝気装置を備えるときと比較して、ランニングコストが削減されることは前述の通りである。
【0072】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0073】
即ち、請求項1に示す如く、処理槽と、該処理槽内に超微細気泡を供給する超微細気泡発生装置と、該処理槽内の被処理水を攪拌する攪拌装置とを備えたので、処理槽内の被処理水中の溶存酸素濃度を高めて微生物の酸化分解活性を高めることができる。
【0074】
請求項2に示す如く、前記攪拌装置は、軸体と該軸体の両端に固設した攪拌翼とで構成される立体翼が、軸体を軸心として揺動回転しつつ軸体の長尺方向中心を軸心として揺動回転する構成としたので、省エネルギーの攪拌装置となり、排水処理システムのランニングコストを低く抑えることができる。
【0075】
請求項3に示す如く、前記攪拌装置の攪拌翼を、超微細気泡供給位置の近傍且つ上方に配置したので、超微細気泡を攪拌装置により発生される攪拌流に巻き込むことができ、また、超微細気泡を効果的に拡散させることができる。
【0076】
請求項4に示す如く、前記超微細気泡発生装置に、該超微細気泡発生装置に導入される気体の酸素濃度を高めるための酸素発生器を備えたので、被処理水への酸素の溶解量を増加させることができる。
【0077】
請求項5に示す如く、前記処理槽を複数連設連通し、そのうち少なくとも一本の処理槽を、好気状態と嫌気状態とを切換可能としたので、好気・嫌気分解を利用して有機性排水中のリン成分を活性汚泥に内包させることができる。
【0078】
請求項6に示す如く、前記処理槽を複数連設連通し、そのうちの最終槽に、被処理水より活性汚泥と微生物とを分離する固液分離膜を備えたので、被処理水中の微生物の濃度を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例に係る排水処理システムの全体的な構成を示した図。
【図2】処理槽の構成の別形態を示す図。
【図3】攪拌装置の構成を示す図。
【図4】本発明の第二実施例に係る排水処理システムの全体的な構成を示した図。
【図5】第二実施例に係る処理槽の別形態を示す排水処理システムの全体的な構成を示した図。
【図6】第三実施例に係る排水処理システムの全体的な構成を示した図。
【図7】第四実施例に係る排水処理システムの全体的な構成を示した図。
【符号の説明】
10 処理槽
16 超微細気泡発生装置
21 酸素発生器
24 超微細気泡供給ノズル
34 攪拌装置
40 攪拌翼
41 軸体
42 立体翼
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機性排水中の有機物質を、微生物により酸化分解して浄化処理を行う排水処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、産業社会の急激な拡張に伴い、環境汚染はますます深刻な問題となっている。国や自治体等により定められた環境基準が強化され、企業の環境問題への関心の向上が必要とされている。このような状況から、企業側からの産業廃棄物処理技術、排水処理技術の向上に対する強いニーズがある。
【0003】
従来、有機性排水を処理するための方法として、標準活性汚泥法が用いられてきた。
標準活性汚泥法は、例えば、特許文献1に記載されているように、曝気槽内の槽底部に曝気管を設置し、地上側からブロワ等により高圧空気をダクトを介して供給し、水中に放出された空気の気泡の浮上にともなう旋回流(循環水流)を槽内に発生させ、気泡による排水の曝気を行い、微生物による有機物の酸化分解を行うものである。
【0004】
また、リン成分を多く含有する有機性排水では、リン成分があまり除去されず処理水中にリン成分が多量に残存することがある。このような、リン成分を多量に含む処理水を湖沼などに排出すると水の富栄養化に伴う植物プランクトンの著しい増殖を招くために好ましくない。
【0005】
そこで、排水中に含まれるリン成分の除去プロセスとして、例えば、嫌気−好気活性汚泥法が行われている。
嫌気−好気活性汚泥法は、嫌気状態でエネルギー獲得のためにポリリン酸を正リン酸として放出した微生物が、好気状態で正リン酸を過剰摂取・代謝後ポリリン酸として蓄積することを利用した方法であり、排水を嫌気槽、好気槽及び沈殿池における反復処理に付して、余剰汚泥にリン成分を内包させ、処理水中のリン成分を除去するものである。
【0006】
また、タンパク質に由来する窒素有機物を含む食品排水や、ヒト及び家畜***物を含む排水等の生活排水、或いは、工業的に大量の窒素有機化合物を使用する(例えば、染色工程で発色に大量の尿素を用いるような場合)工場等の廃水については、窒素化合物の処理が特に必要とされる。
排水中の有機物が分解されずに水系へ放流された場合、水系の富栄養化と酸素不足をもたらすことはもとより、窒素処理が不十分である場合には、アンモニアの悪臭と、硝酸・亜硝酸等の毒物により放流水系が汚染されてしまう。
従って、水の入れ替わりが遅い閉鎖水域(例えば、湖沼・堀等)への排水の放流に対して、窒素・リン処理を含む厳しい総合水質規制が実施されるようになっている。
【0007】
一方、消費電力が少なく、省エネルギーで広い範囲を攪拌することのできる攪拌装置が提案されている。例えば、特許文献2に記載の技術である。
この省エネルギー攪拌装置では、一対の回転軸によって立体攪拌翼を揺動させつつ回転することによって、比較的低消費電力により流体を攪拌することのできる構造とされている。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−314888号公報
【特許文献2】
特開2002−143665号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の活性汚泥法による排水処理は、COD(化学的酸素要求量)・BOD(生物化学的酸素要求量)の処理効率の低いことから大型の処理設備が必要となり、エアレーション(曝気)装置等の運転エネルギーコストが嵩む、といった多くの問題点を抱えている。こういった状況から、省エネルギー化、低ランニングコスト化を実現する処理技術の開発が要請されている。
【0010】
また、従来の嫌気−好気活性汚泥法では、排水中から有効にリン成分を除去できるが、余剰汚泥はリン成分に富み、さらにその他種々の有機成分や重金属成分などが含まれているので、その廃棄に問題を生じる。
また、リン成分は、例えば、肥料やリン化合物製造等への有効再生利用の可能性が考えられるが、上述のように雑多な成分と混合した汚泥状態にあるために分離処理が困難である。
こういった状況から、有機性余剰汚泥の低減が要請されている。
【0011】
また、従来の窒素処理法は、メタノール等の還元剤を使用するか、特殊な好気・嫌気処理と大量(原水の約2倍)の液返送を行うため、処理槽の大型化と、ポンプ動力等のエネルギーの著しい増加を必要とするなど、高価なエネルギーコスト・ランニングコストがかかる。
こういった状況から、高効率化、低コスト化への要望が高い。
【0012】
本発明では、上記のような状況に鑑み、排水中に含まれる有機成分をほぼ残らず分解することによって、余剰汚泥を低減させることのできる排水処理システムを提案する。
そして、余剰汚泥を低減させることにより、余剰汚泥の排棄に係る費用の低減及び環境の保護を図る。さらに、リン成分を含む有機性排水の処理においては、排水中に含有されるリン成分を抽出容易な状態とすることでリン成分の有効利用を図る。
これとともに、従来の排水処理設備において、消費電力が大きいために排水処理コストを高める一因となっているブロワをシステムより削除し、よりランニングコストの低い排水処理システムを提案する。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0014】
即ち、請求項1においては、処理槽と、該処理槽内に超微細気泡を供給する超微細気泡発生装置と、該処理槽内の被処理水を攪拌する攪拌装置とを備えたものである。
【0015】
請求項2においては、前記攪拌装置は、軸体と該軸体の両端に固設した攪拌翼とで構成される立体翼が、軸体を軸心として揺動回転しつつ軸体の長尺方向中心を軸心として揺動回転する構成としたものである。
【0016】
請求項3においては、前記攪拌装置の攪拌翼を、超微細気泡供給位置の近傍且つ上方に配置したものである。
【0017】
請求項4においては、前記超微細気泡発生装置に、該超微細気泡発生装置に導入される気体の酸素濃度を高めるための酸素発生器を備えたものである。
【0018】
請求項5においては、前記処理槽を複数連設連通し、そのうち少なくとも一本の処理槽を、好気状態と嫌気状態とを切換可能としたものである。
【0019】
請求項6においては、前記処理槽を複数連設連通し、そのうちの最終槽に、被処理水より活性汚泥と微生物とを分離する固液分離膜を備えたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の第一実施例に係る排水処理システムの全体的な構成を示した図、図2は処理槽の構成の別形態を示す図、図3は攪拌装置の構成を示す図である。図4は本発明の第二実施例に係る排水処理システムの全体的な構成を示した図、図5は第二実施例に係る処理槽の別形態を示す排水処理システムの全体的な構成を示した図、図6は第三実施例に係る排水処理システムの全体的な構成を示した図、図7は第四実施例に係る排水処理システムの全体的な構成を示した図である。
【0021】
本発明に係る排水処理システムは、有機物質を酸化分解する微生物を、有機性排水が流入された開放系の処理槽内に保持させ、微生物の酸化分解作用により有機性排水中の有機物質を炭酸ガスと水とに完全分解する開放系のシステムである。
そして、処理槽10内の微生物の酸化分解活性を高めるとともに、高い酸化分解活性を保持するための装置が備えられている。すなわち、処理槽10内に備えられた超微細気泡発生装置16と、攪拌装置34と、再生水生成装置18である。
これらの装置により、処理槽10内において酸化分解処理される有機性排水は、高い活性酸素濃度と、高い微生物濃度が保持されることになる。
【0022】
従って、従来の排水処理システムと比較して有機排水中の有機物質の分解処理効率が高まるため、高速処理が可能となるのである。また、分解処理効率が高いために、必要とされる処理槽の大きさを従来のものと比較して小型化することができ、イニシャルコストを低減させることができるとともに、処理槽に備えられた装置を運転するためのコストを低減させることができ、すなわち、ランニングコストを低減させることができる。
【0023】
そして、上記排水処理システムにより処理された有機性排水は、排水中に含まれている有機成分が殆ど残らず分解されることによって、有機成分を含む余剰汚泥が殆ど発生しない。
従って、余剰汚泥の廃棄処理に係る問題の解決、廃棄処理にかかるコストの削減を図ることができ、環境の保護に寄与し、排水処理にかかるランニングコストを低減させることができる。
【0024】
また、特に、嫌気−好気活性汚泥法に本システムを適応させる場合には、余剰汚泥中の有機性排水中に含まれていたリン成分と有機物質との分離を行うまでもなく、余剰汚泥からリン成分を抽出し易い状態とすることが可能となる。従って、リン成分の回収を行い再生に付することができるようになる。
【0025】
次に、排水処理システムの構成について説明する。
図1に示す如く、排水処理システムは、調整槽11と、中和槽13と、処理槽10と、再生水槽19の各水槽から構成されている。
【0026】
前記調整槽11は、第一段階において有機性排水を流入させるための槽であり、調整槽11では処理槽10へ流入される排水の流量が調整され、排水に含まれる比較的大きな固形物等が取り除かれる。そして、調整槽11に備えたポンプ12によって調整槽11から中和槽13へ排水が送られる。
前記中和槽13では、排水のpHが調整されて、排水が中和される。中和槽13には、水槽内の排水の反応促進を図って攪拌翼14が備えられている。中和槽13内において中和された排水は、処理槽10に送られる。
【0027】
前記処理槽10は、連通する複数の水槽で構成されている。処理槽10内には、被処理水(有機性排水)中の有機物質を酸化分解する微生物が投入されており、該微生物の酸化分解活性を高めるための栄養剤が投入されている。処理槽10内では、該微生物の酸化分解機能により被処理水中の有機物質の酸化分解が行われ、処理槽10を順に経ていくうちに、被処理水中の有機物質等より成る活性汚泥が低減され、最終的に処理槽10内に残る余剰汚泥が殆どない状態となる。
【0028】
また、処理槽10のうち最終の水槽には、再生水生成装置18として、固液分離膜23が備えられている。該固液分離膜23を介して被処理水が処理槽10より取り出され、排水処理の済んだ処理済みの再生水として、再生水槽19に流入される。該固液分離膜23の作用により、微生物と、活性汚泥とが被処理水より分離されて、水のみが再生水として再生水槽19に送られる。
再生水生成装置18の固液分離膜23による処理によって、処理槽10内の微生物濃度は高められ、微生物の増殖量と分解量が釣り合うようにして、微生物による有機性物質の定常的な酸化分解処理を行うことができるように調整されている。
【0029】
次に、本発明の排水処理システムの第一実施例に係る処理槽10の構造について説明する。
【0030】
図1に示す如く、本実施例に係る処理槽10では、連通する三本の水槽が設けられ、処理の順に第一処理槽10a、第二処理槽10b、第三処理槽10cとしている。
第一処理槽10aの下部と第二処理槽10bの下部とが連通され、また、第二処理槽10bと第三処理槽10cとの上部が連通されて、中和槽13から第一処理槽10a内に流入された被処理水は、第一処理槽10aから第二処理槽10bを通過して第三処理槽10cへと流れるように構成されている。
【0031】
そして、第一処理槽10a及び第二処理槽10bは分解反応槽とされ、主に、被処理水中の有機物質を分解するための処理槽として設けられている。また、第三処理槽10cは微生物分離槽とされ、再生水生成装置18が備えられている。但し、処理槽10を構成する水槽の数は本実施例に限定されるものではなく、分解反応槽の数を増減させることもできる。
【0032】
前記第一処理槽10a、第二処理槽10b、第三処理槽10cの各処理槽には、水槽の底部に超微細気泡発生装置16及び攪拌装置34が備えられている。各処理槽に配設する攪拌装置34・34・34は同一の駆動源となるモータ30より伝動軸を介して水槽の底部より動力が伝達され、動力伝達構成を簡単にしている。
超微細気泡発生装置16には酸素発生器21が備えられており、処理槽10内の被処理水中に供給される超微細気泡は、空気と比較して酸素が多く含まれている。また、超微細気泡の供給位置の近傍且つ上方に攪拌装置34が設けられて、超微細気泡が攪拌装置34により発生される攪拌流に巻き込まれるように配設されている。なお、超微細気泡供給ノズル24の吐出方向を変化させることにより、例えば、攪拌装置34の近傍且つ上方、攪拌装置34の近傍且つ下方、又は、攪拌装置34の近傍且つ側部に超微細気泡供給ノズル24を配置することもできる。
【0033】
被処理水には、各種の不純物が混入しており、該被処理水を導入する処理槽10の底部には物質が沈殿して堆積しようとするが、処理槽10の底部に配設された攪拌装置34により、被処理水が攪拌され上方への水流が形成されることにより、堆積しようとする物質を巻き上げることができる。
また、超微細気泡が堆積しようとする物質に吸着し、気泡の浮力により該物質を水中内において上昇させることも可能である。
さらに、微生物分離槽とされた処理槽10(第三処理槽10c)においては、再生水生成装置18の固液分離膜23に作用する微生物や活性汚泥の担体として超微細気泡を利用することができ、分離機能を高めることができる。
【0034】
そして、処理槽10内に超微細気泡発生装置16とともに、攪拌装置34を備えることで、以下の相乗効果を得ることができる。
第一に、攪拌装置34により発生される攪拌流に超微細気泡が巻き込まれることにより、超微細気泡の水中滞留時間を延長することができる。
第二に、被処理水中内に供給された超微細気泡が、攪拌装置34により発生される攪拌流に巻き込まれることにより、破泡されて、超微細気泡がさらに微細化される。
第三に、攪拌装置34により発生される攪拌流により、処理槽内の被処理水が均一化されて、被処理水に超微細気泡が素早く混合される。
これらの相乗効果により、より多くの酸素が被処理水中に溶解されて酸素溶解効率が向上し、被処理水中に溶存している活性酸素濃度を高めることができる。
【0035】
このようにして、被処理水中の溶存酸素を高めることによって、微生物の有機物質分解時に、必要とされるよりも十分多くの酸素を供給できるようにして、処理槽10内の有機物質分解速度を、酸素供給律速ではなく、微生物の分解能律速としている。
従って、従来の排水処理システムと比較して有機排水中の有機物質の酸化分解分解速度及び酸化分解分解能が高まることにより、分解処理効率が高まるため、高速処理が可能となるのである。
【0036】
さらに、分解処理効率が高く、また、流動担体である微細気泡により汚泥の発生が抑制されることによって、余剰汚泥が殆ど発生しない排水処理システムとなる。また、汚泥がいくらか発生しても、固液分離膜により処理槽での滞留中に分解されて、定常状態(有機物質として分解し被処理水中に分散した状態)となる。
余剰汚泥が発生しないことにより、従来、産業廃棄物として処理されている余剰汚泥の処理に係るコストが削減され、また、産業廃棄物の処理が問題となっている昨今においては環境保護に寄与することができる。
【0037】
なお、各処理槽10に、pHセンサ、温度センサ、微生物濃度計および溶存酸素量センサを配設し、該センサ類をコントローラに接続し、各処理槽10の状態を情報端末によりモニターすることができる。また、コントローラには超微細気泡発生装置16や、攪拌装置34を接続し、処理槽10内の温度、微生物濃度および溶存酸素量を調節することができる。
【0038】
次に、前記超微細気泡発生装置16について説明する。
超微細気泡発生装置16は、処理槽10内に導入された超微細気泡供給ノズル24と、これに接続された超微細気泡発生器20とで構成されている。超微細気泡発生器20には酸素発生器21が備えられており、超微細気泡発生器20に、酸素濃度の高い気体が供給され、該気体が超微細気泡として被処理中内に供給されるため、超微細気泡は高酸素濃度の気泡となる。
【0039】
なお、超微細気泡は、0.1μmから3μmの径の気泡であり、微細気泡(気泡径が10〜100μm)より小さいものである。超微細気泡は、気泡の径が小さく、その浮力が小さい。このため、処理槽10内の攪拌流に超微細気泡を供給した場合においても、該超微細気泡は処理槽10内を上方に向かう流れだけでなく、下方に向かう流れにも乗りやすく、処理槽10内に均一に拡散させることができる。
【0040】
次に、前記攪拌装置34について説明する。
攪拌装置34は、二枚の攪拌翼40・40を備えた立体翼42と、該立体翼42を駆動することによって攪拌翼40・40を回転させると同時に揺動させるための駆動部31と、該駆動部31に動力を供給するモータ30とで構成されている。
攪拌装置34は、処理槽10の底部に設けられているが、図2に示す如く、処理槽10の上部にも設けて、処理槽10の底部と上部両方で攪拌流を発生させるようにすることもできる。
【0041】
図3にも示す如く、軸体41と、該軸体41の両端部に直交位相となるように固定された二枚の攪拌翼40・40で構成されて、立体翼42が形成されている。
軸体41には、各攪拌翼40・40と直交するする状態で軸体41を貫通する軸受部43・43がそれぞれ設けられており、各軸受部43・43は略V字状に形成された連結部材に回動可能44・44に支承されている。
連結部材44・44は、万能継手46・46を介して駆動部31により回転駆動される回転軸45・45に連結されている。二本の回転軸45・45はそれぞれ相反する方向に回転され、一方の回転軸45が所定の基準回転速度よりも高速で回転される間に、他方の回転軸45が、その基準回転速度よりも低速で回転されるように駆動される。各回転軸45・45では高速回転と低速回転とが相互に切り換えられる。
【0042】
そして、各回転軸45・45が高速回転と低速回転とを交互に繰り返すことにより、立体翼42は軸体41がその軸心回りに90度にわたって回転しつつ、軸体41の傾斜方向が90度にわたって変化する。従って、一方の攪拌翼40が上方から下方にわたって揺動しつつ、軸対の周囲を90度にわたって回転する間に、他方の攪拌翼40は下方から上方に向かって揺動しつつ軸対の周囲を90度にわたって回転する。そして、立体翼42がこのような動作を繰り返すことにより、各攪拌翼40・40が間欠的に回転される。
【0043】
このように、互いに逆方向に回転する二本の独立した回転軸45・45の間に、立体翼42を懸架して、立体翼42を揺動反転運動させることにより、攪拌翼40・40は上下運動と回転運動とが組み合わされた運動をすることとなる。このような立体翼42の動きにより、立体翼42の動作を維持しようとする渦流と、立体翼42の左右より交互に移動しようとする水塊とが生み出され、容積排除型の攪拌が行われる。
この結果、攪拌翼40・40が排除した水の体積が水の移動に直接作用することで、確実に攪拌のエネルギーを水に伝達することができ、攪拌翼の単純な回転と比較して格段に大きい送液移動水量が発生し、比較的長い攪拌流の減衰到達距離を得ることができる。また、比較的省エネルギー型の攪拌装置34とすることができる。
【0044】
従って、攪拌装置34を稼動させるためのエネルギーは、曝気装置のブロワを稼動させて処理槽10内を曝気させるときと比較して大幅に低減される。すなわち、攪拌装置34を稼動させるためのコストは、ブロワを稼動させて処理槽10内を曝気させるためのコストと比較して大幅に削減され、ランニングコストを低減させることができる。
【0045】
本実施例に係る排水処理システムの処理槽10は、既存の設備、すなわち、既存の処理槽10に攪拌装置34と超微細気泡発生装置16を備えることにより、実現することができる。よって、イニシャルコストを低く抑えることができ、新規の設備のみならず既存の設備にもシステムの導入を容易としている。
また、微生物の酸化分解活性が高いために、既存の設備と比較して同等の効果を得るために小型の処理槽を採用することができる。従って、設備に係るコスト及び設備を運転するためのコストを抑えることができる。
【0046】
さらに、排水処理システムの運転コストが嵩む要因の一つであったブロワの稼動に係るコストが削減され、稼動に係るコストが比較的少ない省電力の攪拌装置34を採用することによって、排水処理設備のランニングコストを低く抑えることができる。
【0047】
但し、攪拌装置34の形態は本実施例に限定されるものではなく、例えば、単一の攪拌翼を処理槽10内に配設して、該攪拌翼を回転駆動又は揺動回転駆動するように構成することもできる。また、攪拌翼を処理槽10内の適宜位置に複数配設して、処理槽10内の被処理水の水流を制御することもできる。
【0048】
次に、本発明の排水処理システムの第二実施例に係る処理槽10の構造について説明する。
第二実施例では、嫌気−好気活性汚泥法を採用している。
【0049】
図4に示す如く、第二実施例に係る処理槽10では、三本の水槽が設けられており、それぞれ、第一処理槽10a、第二処理槽10b、第三処理槽10cとされている。第一処理槽10aの底部と第二処理槽10bの底部とが連通可能とされ、第二処理槽10bの上部と第三処理槽10cの上部とが連通可能とされている。
前記第一処理槽10aは好気分解反応槽であり、第二処理槽10bは好気・嫌気分解反応槽であり、第三処理槽10cは微生物分離槽である。
これらの各処理槽10の底部には、前述の第一実施例と同様に、超微細気泡発生装置16と、攪拌装置34とが備えられている。
【0050】
第一処理槽10aでは、超微細気泡発生装置16により、酸素の豊富な超微細気泡が処理槽10内に供給されるとともに、攪拌装置34により処理槽10内の被処理水が攪拌されて、被処理水中の溶存活性酸素濃度が高められている。これにより、微生物による有機物質の酸化分解能が高められており、被処理水中の有機成分が、二酸化炭素と水とに酸化分解される。
【0051】
第二処理槽10bでは、好気性環境と、嫌気性環境とが、所定時間毎に交互に切り替わり繰り返される。好気性環境では、超微細気泡発生装置16により、酸素の豊富な超微細気泡が処理槽10内に供給されるとともに、攪拌装置34により、処理槽10内の被処理水が攪拌される。また、嫌気性環境では、超微細気泡発生装置16が停止され、攪拌装置34により、処理槽10内の被処理水が攪拌される。
好気性環境にあり好気状態である被処理水は、嫌気性環境に切り換えることで、やがて、被処理水内の酸素が無くなり、嫌気状態に切り替わる。
【0052】
嫌気状態でエネルギー獲得のためにポリリン酸を正リン酸として放出した微生物は、好気状態では正リン酸を過剰摂取・代謝後、ポリリン酸として蓄積することを利用して、第二処理槽10bの好気性環境と、嫌気性環境とを反復させることで、活性汚泥にリン成分を内包させ、被処理水中のリン成分を除去することができる。
さらに、有機物質から成る活性汚泥は、好気状態において、微生物により水と二酸化炭素とに酸化分解されるため、余剰汚泥には、主にリン成分が残留することとなる。
従って、余剰汚泥は、有機物質が少なくリン成分が豊富となるために、該余剰汚泥を回収してリン成分を抽出し再生させることが容易となる。
【0053】
但し、以下に示す如く、第二実施例において採用している攪拌装置34を、曝気装置25に代えることもできる。
図5に示す如く、各処理槽10の底部には、超微細気泡発生装置16と、曝気装置25とが備えられている。曝気装置25は、該曝気装置25より放出される空気の気泡の浮上に伴い処理槽10内に旋回流(循環水流)を発生させるための装置である。
【0054】
第一処理槽10aでは、超微細気泡発生装置16により、酸素の豊富な超微細気泡が処理槽10内に供給されるとともに、曝気装置25により、処理槽10内の被処理水に循環水流が発生されている。これにより、超微細気泡が被処理水中内に拡散され、超微細気泡に含有される酸素が被処理水中に活性酸素として溶存され、微生物による有機物質の酸化分解能が高められた状態にある。
【0055】
第二処理槽10bでは、好気性環境と、嫌気性環境とが、所定時間毎に交互に切り替わり繰り返される。好気性環境では、超微細気泡発生装置16により、酸素の豊富な超微細気泡が処理槽10内に供給されるとともに、曝気装置25により、処理槽10内の被処理水が循環(攪拌)される。また、嫌気性環境では、超微細気泡発生装置16及び曝気装置25が停止される。
【0056】
次に、本発明に係る排水処理システムの第三実施例について説明する。
第三実施例では、図6に示す如く、前記第一実施例の処理工程における処理槽10のうち最終槽(第三処理槽10c)において、固液分離膜23により活性汚泥や微生物と分離された水が、窒素処理調整槽36に流入され、アンモニアと亜硝酸の比が1:1に調整されたのち、窒素処理槽37に送られて、該窒素処理槽37において微生物(Anammox菌)を利用して脱窒され、排水処理済水とされる。このように、廃水処理に窒素処理行程を備えたことを特徴としている。
【0057】
従来の窒素処理は、微生物による好気的分解反応処理により、有機窒素化合物→アンモニア→亜硝酸→硝酸と変化し、生じた亜硝酸並びに硝酸を還元剤により嫌気脱窒して、分子窒素として空気中に放出している。
この際、還元剤としてメタノールを使用するか、或いは、好気的処理後の処理水(硝化液)を大量(原水流入量の約2倍程度)に排水入口へと返送して排水中のBOD物質を還元剤として使用する。このため、従来の窒素処理技術の改良点は、還元剤の使用量を抑え、大量の液送エネルギーを低減させることにあった。
【0058】
これに対し、本実施例に係る排水処理システムの窒素処理槽37では、アンモニアと亜硝酸を主な基質とする嫌気的アンモニア酸化還元反応を行う微生物の作用により、排水中の窒素化合物以外に特殊な還元基質を必要とすることなく、窒素を放出させ、脱窒処理を行うものである。
この微生物の作用による嫌気的アンモニア酸化反応(Anammox反応)の化学式を以下に示す。
【0059】
【化1】
【0060】
上記反応を利用することにより、処理槽外からの還元基質の供給を必要とせず、また、従来のように大量の硝化液返送や、処理槽の大型化を必要とせず、排水中に含まれる窒素化合物をアンモニアと亜硝酸に変換したうえで、窒素処理槽37に流入するだけで、窒素処理槽37内の微生物の作用によって完全に脱窒・消去することができる。
【0061】
なお、処理槽10における酸化分解反応により、排水中に含まれる窒素化合物はアンモニアや亜硝酸等に分解されるため、窒素処理調整槽36に流入される被処理水には、窒素化合物はアンモニアや亜硝酸等となって含まれている。そして、窒素処理調整槽36では、平衡反応を利用して水温やpHを調整することにより、アンモニアと亜硝酸の比が1:1に調整される。
【0062】
上述の如く、本システムによれば、従来の窒素処理技術の改良点であった、還元剤の使用量と、液送エネルギーの低減とを図ることができ、省エネルギー性に優れた窒素処理が可能となる。
【0063】
次に、本発明に係る排水処理システムの第四実施例について説明する。
上記第一乃至第三実施例では、排水処理システムを処理槽において展開しているが、本排水処理システムは、浄化施設の処理槽に限定されず、例えば、河川や湖沼、池、堀等に直接展開することも可能である。
【0064】
従来、河川浄化法として「礫間接触酸化法」、「上向流木炭浄化法」等が採用されているが、これらの方法は、浄化作用時間(距離)の長さ、分解を行う微生物の活性度の低さ、等の問題点があり、短期間で著しい効果を得ることが難しい。
そこで、本排水処理システムを導入することにより、河川・湖沼・池・堀等の直接水質浄化と底質の改善を行い、富栄養化現象が起こり水質汚染が拡大されつつある河川・湖沼・池・堀等の富栄養化物を除去しようとするものである。
【0065】
図7に示す如く、本実施例では湖に廃水処理システムを展開した例を示している。但し、湖に限定されることなく、河川・湖沼・池・堀等に適応させることができる。
湖の適宜位置には、前記第一実施例乃至第三実施例の処理槽10と同様に、湖水中の有機物質の分解活性を高めるための、超微細気泡発生装置16と攪拌装置34とが備えられている。
【0066】
本実施例においては、超微細気泡発生装置16と攪拌装置34とを一組のユニットとして、浮きを付けて湖水中に浮かばせて、超微細気泡発生装置16と攪拌装置34の水深を調節可能に保持している。
超微細気泡発生装置16では、超微細気泡発生器20において吸込口から吸い込まれた湖水に超微細気泡が溶解され、湖水内の吐出タンク32に送られて、超微細気泡供給ノズル24より豊富な超微細気泡が一気に湖水内へ吐出される。
そして、湖水内に供給された超微細気泡は、超微細気泡供給ノズル24の上方に設置された攪拌装置34による送流に並流して、湖水の全面的に拡散される。
【0067】
また、攪拌装置34は湖水を攪拌して、澱みがちな湖水に水流を形成するとともに、超微細気泡を拡散している。さらに、攪拌装置34を湖の底部に配設することで、湖底に沈降している堆積物を攪拌流に乗せて巻き上げ、超微細気泡に吸着させて浮上させることも可能である。
【0068】
前記超微細気泡発生装置16及び攪拌措置34の稼動開始とともに、吸込口から超微細気泡発生器20に吸入される湖水中に、無機凝集剤50と中和剤としての消石灰等とが添加され、超微細気泡発生器20を介して、超微細気泡とともに無機凝集剤50と消石灰とが吐出タンク32に送り込まれ、凝集剤50と消石灰とが超微細気泡とともに湖水中に供給される。
【0069】
この凝集剤50により、湖水に含まれる溶解性リン成分は不溶化されて有機物質とともに凝集し、フロック化される。
フロック52となった有機物質は、攪拌措置34により形成される攪拌流に乗り湖水中を浮遊する。この際に、湖水中の超微細気泡がフロック52に吸着され付着し、フロック52を浮上させる。湖面まで浮上したフロック25は凝集して浮上有機物51として回収することができ、湖水からリン成分を有機物質とともに分離することができる。
このようにして回収槽に回収された浮上有機物51は、脱水され廃棄物処理またはコンポスト化される。これにより、湖水中の有機物質とともに不溶化したリン・窒素・残留農薬等が吸着されて、浮上され回収されることにより、湖水中の有機物質やリン・窒素・残留農薬等の大半を除去することができる。湖水よりリン成分・窒素成分を除去することによって、アオコの発生を抑制する効果が得られる。
【0070】
さらに、上述の如く、湖水中の有機物質やリン成分の多くが浮上有機物51として回収されたうえで、超微細気泡発生装置16による超微細気泡の供給と、攪拌装置34による攪拌を継続することにより、湖水中に生存する微生物により湖水中の有機物質の酸化分解が促進され、湖水の浄化が維持される。
【0071】
本排水処理システムでは、大規模な処理設備を必要とすることがなく、必要なときのみ現地に設置しての使用も可能となる。従って、処理槽と比較して容積の大きい河川・湖沼・池・堀等の水の浄化でも、設備の設置にかかるコストを抑えることができる。また、曝気装置を備えるときと比較して、ランニングコストが削減されることは前述の通りである。
【0072】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0073】
即ち、請求項1に示す如く、処理槽と、該処理槽内に超微細気泡を供給する超微細気泡発生装置と、該処理槽内の被処理水を攪拌する攪拌装置とを備えたので、処理槽内の被処理水中の溶存酸素濃度を高めて微生物の酸化分解活性を高めることができる。
【0074】
請求項2に示す如く、前記攪拌装置は、軸体と該軸体の両端に固設した攪拌翼とで構成される立体翼が、軸体を軸心として揺動回転しつつ軸体の長尺方向中心を軸心として揺動回転する構成としたので、省エネルギーの攪拌装置となり、排水処理システムのランニングコストを低く抑えることができる。
【0075】
請求項3に示す如く、前記攪拌装置の攪拌翼を、超微細気泡供給位置の近傍且つ上方に配置したので、超微細気泡を攪拌装置により発生される攪拌流に巻き込むことができ、また、超微細気泡を効果的に拡散させることができる。
【0076】
請求項4に示す如く、前記超微細気泡発生装置に、該超微細気泡発生装置に導入される気体の酸素濃度を高めるための酸素発生器を備えたので、被処理水への酸素の溶解量を増加させることができる。
【0077】
請求項5に示す如く、前記処理槽を複数連設連通し、そのうち少なくとも一本の処理槽を、好気状態と嫌気状態とを切換可能としたので、好気・嫌気分解を利用して有機性排水中のリン成分を活性汚泥に内包させることができる。
【0078】
請求項6に示す如く、前記処理槽を複数連設連通し、そのうちの最終槽に、被処理水より活性汚泥と微生物とを分離する固液分離膜を備えたので、被処理水中の微生物の濃度を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例に係る排水処理システムの全体的な構成を示した図。
【図2】処理槽の構成の別形態を示す図。
【図3】攪拌装置の構成を示す図。
【図4】本発明の第二実施例に係る排水処理システムの全体的な構成を示した図。
【図5】第二実施例に係る処理槽の別形態を示す排水処理システムの全体的な構成を示した図。
【図6】第三実施例に係る排水処理システムの全体的な構成を示した図。
【図7】第四実施例に係る排水処理システムの全体的な構成を示した図。
【符号の説明】
10 処理槽
16 超微細気泡発生装置
21 酸素発生器
24 超微細気泡供給ノズル
34 攪拌装置
40 攪拌翼
41 軸体
42 立体翼
Claims (6)
- 処理槽と、該処理槽内に超微細気泡を供給する超微細気泡発生装置と、該処理槽内の被処理水を攪拌する攪拌装置とを備えたことを特徴とする排水処理システム。
- 前記攪拌装置は、軸体と該軸体の両端に固設した攪拌翼とで構成される立体翼が、軸体を軸心として揺動回転しつつ軸体の長尺方向中心を軸心として揺動回転する構成とした、請求項1に記載の排水処理システム。
- 前記攪拌装置の攪拌翼を、超微細気泡供給位置の近傍且つ上方に配置した、請求項1又は請求項2に記載の排水処理システム。
- 前記超微細気泡発生装置に、該超微細気泡発生装置に導入される気体の酸素濃度を高めるための酸素発生器を備えた、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の排水処理システム。
- 前記処理槽を複数連設連通し、そのうち少なくとも一本の処理槽を、好気状態と嫌気状態とを切換可能とした、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の排水処理システム。
- 前記処理槽を複数連設連通し、そのうちの最終槽に、被処理水より活性汚泥と微生物とを分離する固液分離膜を備えた、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の排水処理システム。
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