【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイヤハーネスの固定構造に関し、詳しくは、自動車のインストルメントパネル等のパネルに配索するワイヤハーネスをクランプを用いずに、かつ、消音機能を持たせてパネルに固定するものである。
【０００２】
【従来の技術】
自動車のインストルメントパネルに沿って配索するワイヤハーネスをインストルメントパネルに固定するものとして、本出願人は、特開平９−３９６８７号で図７に示すワイヤハーネスの固定構造を提供している。
上記固定構造では、ワイヤハーネス１全体をインストルメントパネル２への配索形態で収容保持するフレーム３を設け、フレーム３の収容部３ａにワイヤハーネス１をクランプ４で係止しておくと共に、フレーム３とインストルメントパネル２とをネジで固定することによりワイヤハーネス１が所要の配索形態でインストルメントパネル２に沿って配索している。
【０００３】
【特許文献１】
特開平９−３９６８７号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ワイヤハーネスの固定構造であると、ワイヤハーネス１をフレーム３にクランプ４を用いて係止してから、フレーム３をインストルメントパネル２にボルト締め固定しなければならず、部品点数および作業工数が増加するという問題がある。また、廃車時に、ワイヤハーネスを回収するためにインストルメントパネル２からフレーム３を取り外し、さらに、フレーム３からワイヤハーネス１を取り外さなければならず、ワイヤハーネスの回収作業が繁雑であるという問題がある。かつ、ワイヤハーネスの配索形態に応じて、フレーム３を設けなければならず、コスト高になるという問題もある。
【０００５】
さらに、ワイヤハーネスをクランプを用いてフレームあるいはパネルに取り付けた場合、車両走行時の振動によりワイヤハーネスも振動してフレームあるいはパネルと当接して振動音が発生しやすい。特に、インストルメントパネル内部に配索するワイヤハーネスは運転者席に近いため、振動音が運転者にとって耳障りとなる場合もある。
【０００６】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、ワイヤハーネスをインストルメントパネル等のパネルへクランプ等を用いずに簡単に固定でき、かつ、廃車時等においてワイヤハーネスをパネルから簡単に取り外せ回収を容易にできるようにし、さらに、消音機能を付加することを課題としている。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、自動車のパネルに沿って配索するワイヤハーネスの固定構造であって、
上記パネルにワイヤハーネスの配索経路に沿って凹部を設け、該凹部にワイヤハーネスを挿入して配索した状態で、内面側に粘着剤を配した厚肉な帯状の消音シートを上記ワイヤハーネスを凹部に押さえ込んだ状態で被せ、該消音シートの幅方向の中央部を上記ワイヤハーネスに粘着すると共に幅方向の両側を上記凹部の両側パネル面に粘着してワイヤハーネスをパネルに固定していることを特徴とするワイヤハーネスの固定構造を提供している。
【０００８】
上記消音シートは、繊維材を厚肉に結束して微細な吸音空隙を多数有する構成からなり、その内面に沿って両面粘着層を有する粘着テープを貼着している。
上記消音シートを構成する繊維材は太い起毛状糸をランダムに結束し、厚さ５〜１５ｍｍ、好ましくは１０ｍｍ程度、幅５０〜１５０ｍｍ、好ましくは１００ｍｍ程度と、長さはワイヤハーネスの幹線長さと対応させ、インストルメントパネルハーネスの場合は５００ｍｍ程度としている。
なお、消音シートとしては強度を有する発泡樹脂でもよい。
【０００９】
上記のように、パネルに凹部を設けてワイヤハーネスを挿入し、消音シートを貼り付けて凹部内にワイヤハーネスを固定すると、クランプ等の機械的手段を用いることなく、ワイヤハーネスをパネルに簡単な作業で固定することができる。また、廃車時には、ワイヤハーネスを上方に持ち上げることにより、ワイヤハーネスを凹部内に固定している消音シートをパネルから剥がして、もしくは消音シートを引き裂いて、ワイヤハーネスをパネルの凹部から引き出すことができ、ワイヤハーネスの回収を容易にすることができる。
【００１０】
また、消音シートで固定で凹部内に移動不可に固定しているため、車両走行時の振動によっても殆ど移動せず、かつ、振動音も消音シートにより吸音されて、異音の発生を防止でき、室内を静寂に保つことができる。さらに、消音シートは軟質で可撓性を有するため、ワイヤハーネスの径が相違しても、該ワイヤハーネスの外周面に密着させて貼り付けることができ、ワイヤハーネスの設計の自由度が高まる。
【００１１】
詳しくは、上記パネルはインストルメントパネルであって、該インストルメントパネルの正面側の側壁内面あるいは／および底壁内面に上記凹部を成形し、該凹部はインストルメントパネルハーネスからなる上記ワイヤハーネスの幹線の略全長を挿入する長さとし、該凹部に挿入した上記幹線にはテープ等の保護材を外装せず或いは部分的にのみテープ巻を施し、該凹部に挿入した幹線全長を上記消音シートにより固定している。
【００１２】
パネルは樹脂製のインストルメントパネル（以下、インパネと略す）等に限定されず、例えば、金属板からなるパネルに凹部を設け、該凹部にワイヤハーネスを挿入して上記消音シートを被せて固定しても良いが、樹脂製のパネルでは凹部を成形で設けることができ、かつ、樹脂製の凹部内にワイヤハーネスを挿入するため、ワイヤハーネスを構成する電線群をテープ巻きで保護する必要もない。
また、インパネ内部には多数の電装品が装備されるため、インパネの壁内面に凹部を設けて、ワイヤハーネスを配索すると、該ワイヤハーネスが電装品と干渉せずに配索でき、かつ、インパネ内部のスペースに余裕を持たせることができる。 ワイヤハーネスの幹線から分岐する支線は電装品と接続するため、凹部内には挿入せず、凹部に挿入している幹線からパネル面上に引き出して分岐させ、電装品と接続している。
【００１３】
上記消音シートは粘着テープ貼着側から外面側へと所要深さ切り込んだスリットを長さ方向に延在させて設け、該スリットを上記凹部の一側壁に沿った位置に沿わせて取り付けている。
上記スリットを設けると、廃車時に、パネルに固定されたワイヤハーネスを上方に持ち上げると、スリットから消音シートが引き裂かれ、ワイヤハーネスを凹部から引き出して、ワイヤハーネスの回収をさらに容易にすることができる。さらに、凹部からワイヤハーネスの上部が突出する場合、スリットの位置から消音シートを円弧状に湾曲させてワイヤハーネスの外面に密着し易くなる。
なお、このスリットは、消音シートの厚さが１０ｍｍの場合、１／２〜２／３程度が好ましい。
【００１４】
上記凹部の深さを該凹部に配索するワイヤハーネスの径以下としていることが好ましい。
上記構成とすると、凹部から突出したワイヤハーネスの外周面に消音シートを確実に粘着させることができ、凹部内でのワイヤハーネスのバタツキを押さえて異音の発生を防止することができる。
【００１５】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図１乃至図５は、本発明の実施形態を示し、図１は、インパネ１０に沿って配索するワイヤハーネス（インストルメントパネルハーネス）６０の配索箇所を示すインパネの概略断面図である。
上記ワイヤハーネス６０はインパネ１０の正面側前壁１０ａの内面と底壁１０ｂの上面に成形した凹部１１内に挿入し、消音シート２０を貼り付けて固定している。ワイヤハーネス挿入用の凹部は下向きとなると、ワイヤハーネスの自重により落下方向の力が加わるため、インパネ１０の上壁１０ｃの下面には設けていない。
なお、インパネ１０の内部を示す図１において、エアダクト３０、４０とリンホース５０のみ図示し、他の部材は省略している。
【００１６】
上記インパネ１０に設けるワイヤハーネス挿通用の凹部１１は、ワイヤハーネス６０の配索形態に合わせて、ワイヤハーネスの幹線の略全長に亙って設けている。本実施形態では、凹部１１の幅Ｌ１を１６ｍｍ、深さＬ２を１５ｍｍとしている。
【００１７】
所要幅を有する帯状の消音シート２０は、太い起毛状の短い糸状の繊維材を厚肉に結束して微細な吸音空隙を多数有する構成からなる。その内面に沿って両面粘着層を有する粘着テープ２２を貼着している。
該消音シート２０の幅は凹部１１の開口面を十分に覆う大きさとし、その長さを凹部１１の全長より若干長くし、本実施形態では長さを５００ｍｍ幅Ｌ３を１００ｍｍ、厚さＬ４を１０ｍｍとしている。消音シート２０をインパネ１０に強固に固定して、ワイヤハーネス６０を確実にインパネ１０に固定するため、消音シート２０の幅Ｌ３は凹部１１の幅Ｌ１の３倍以上であることが好ましく、本実施形態では約６倍としている。
【００１８】
また、消音シート２０には、その長さ方向の全長に亙ってスリット２１を設けている。該スリット部２１は、粘着テープ２２の貼着側から切り込み、その深さＬ５を５ｍｍとして、消音シート２０の厚さＬ４の半分としている。
【００１９】
ワイヤハーネス６０は、インパネ１０の全長に亙る長さを有し、図３に示すように、ワイヤハーネス６０を構成する電線群の所要箇所に部分的にテープＴを巻き付けて電線群を結束している。該インパネハーネス６０の両端末には、他のワイヤハーネス（図示せず）と接続するためのコネクタ３０、３１を取り付けると共に、ワイヤハーネス６０の幹線６０ａから分岐する支線６０ｂ、６０ｃ、…を備えている。支線６０ｂの端末には、速度メータ等（図示せず）に接続されるコネクタ３２を取り付けている一方、支線６０ｃの端末には、エアコン等（図示せず）に接続されるコネクタ３３を取り付けている。
【００２０】
上記インパネ１０に設ける凹部１１はワイヤハーネス６０の幹線６０ａを挿入するものとし、幹線から分岐する支線６０ｂ、６０ｃ…は凹部１１の幹線から引き出してインパネ１０の内面に沿って配索して、電装品に接続している。凹部１１の深さＬ２は幹線６０ａの外径より小さくし、ワイヤハーネス６０を凹部１１に挿入したときに、幹線６０ａの上側部が凹部１１から若干突出するようにしている。なお、本実施形態では、幹線６０ａの径の最小値を２０ｍｍとしている。
【００２１】
次に、ワイヤハーネス６０のインパネ１０へ固定方法について説明する。
先ず、図４（Ａ）に示すように、インパネ１０に設けた凹部１１にワイヤハーネス６０の幹線６０ａを挿入して配索する。このとき、幹線６０ａの両側及び支線６０ｂ、６０ｃは凹部１１から引き出している。
次いで、図４（Ｂ）に示すように、幹線６０ａを挿入した凹部１１に消音シート２０を覆い被せ、幹線６０ａの凹部１１より突出した外周面に幅方向の中央部を粘着テープ２２で粘着させると共に、両側部を凹部１１の両側のパネル表面に粘着させて固定する。また、消音シート２０に設けたスリット２１は凹部１１の一側壁に位置させている。
【００２２】
上記構成とすると、インパネ１０に消音シート２０を貼り付けると、消音シート２０により凹部１１内にワイヤハーネス６０の幹線６０ａが押さえ込まれると共に、粘着テープと粘着されることにより移動不可の状態で凹部１１内に収容される。
【００２３】
このように、消音シート２０を貼り付けるだけであるため、従来のクランプを用いる場合と比較してワイヤハーネスの固定作業を飛躍的に簡素化できる。
また、凹部１１の深さＬ２を幹線６０ａの径よりも小さくし、かつ、消音シート２０により幹線６０ａの略全長を凹部１１内に押さえ込んでいるので、車両走行時に幹線６０ａのバタツキを押さえて異音の発生を防止することができると共に、消音シート２０の微細な空間で吸音することができ、消音機能を高めることができる。さらに、樹脂製の凹部に幹線６０ａを収容しているため、幹線全体をテープ巻きして保護する必要はなく、部分的にテープ巻して結束するだけでよい。なお、全くテープ巻きせずに電線群を凹部１１内に収容してもよい。
【００２４】
さらに、廃車時には、インパネ１０に固定されたワイヤハーネス６０を上方に持ち上げることにより、消音シート２０がスリット２１から引き裂かれて、凹部１１から幹線６０ａを引き抜くことができる。よって、ワイヤハーネス６０の回収を容易にすることができる。
【００２５】
図６は上記実施形態の変形例を示し、インパネ１０に設けた凹部１１をインパネ１０の全長に設けずに一部分にのみ設けている。凹部１１を設けていない箇所に配索するインパネハーネス６０は凹部１１から引き出している。他の構成は第１実施形態と同様であるため説明を省略する。
【００２６】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、インパネ等の車両用のパネルにワイヤハーネス挿通用の凹部を設け、該凹部にワイヤハーネスを挿入した後に、粘着剤付きの消音シートを貼り付けて、凹部内にワイヤハーネスを押さえ込むと共にワイヤハーネスに消音シートを粘着して固定しているため、クランプ等を用いずにワイヤハーネスを簡単に固定することができる。
【００２７】
また、消音シートにスリットを設けておくと、廃車時に、パネルに固定されたワイヤハーネスを上方に持ち上げることにより、消音シートがスリットから引き裂かれて、ワイヤハーネスを簡単に凹部より抜き出して、パネルより回収することができる。
【００２８】
さらに、ワイヤハーネスを消音シートを用いて固定しているため、車両走行時に振動によりワイヤハーネスが振動しても消音機能があり、室内を静寂に保つことが出来る。かつ、パネルに設ける凹部内に配索しているため、ワイヤハーネスが電装品と干渉せずにワイヤハーネス自体の保護を図ることが出来ると共に、インパネ内部等の電装品が多数配置される箇所ではワイヤハーネスの配索によるスペースの減少を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施形態を示し、ワイヤハーネスをインストルメントパネルの内面に沿って配索している状態を示す概略断面図である。
【図２】インストルメントパネルに設ける凹部と消音シートとの寸法関係を示す断面図である。
【図３】ワイヤハーネスを示す概略図である。
【図４】（Ａ）（Ｂ）は、ワイヤハーネスの固定方法を示す図面である。
【図５】図４（Ｂ）のＩ−Ｉ線断面図である。
【図６】変形例を示す図面である。
【図７】従来例を示す図面である。
【符号の説明】
１０ インストルメントパネル（インパネ）
１１ 凹部
２０ 消音シート
２１ スリット
２２ 粘着テープ
Ｔ テープ
６０ ワイヤハーネス（インストルメントパネルハーネス）[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a fixing structure of a wire harness, and more particularly, to a structure in which a wire harness routed to a panel such as an instrument panel of an automobile is fixed to a panel without using a clamp and having a sound deadening function. .
[0002]
[Prior art]
As a device for fixing a wire harness routed along an instrument panel of an automobile to the instrument panel, the present applicant has provided a wire harness fixing structure shown in FIG.
In the above-described fixing structure, a frame 3 for housing and holding the entire wire harness 1 in a form of being routed to the instrument panel 2 is provided, and the wire harness 1 is fixed to a housing portion 3a of the frame 3 by a clamp 4, and the frame 3 The wire harness 1 is routed along the instrument panel 2 in a required wiring form by fixing the instrument 3 and the instrument panel 2 with screws.
[0003]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-39687
[Problems to be solved by the invention]
However, with the above-described wire harness fixing structure, it is necessary to lock the wire harness 1 to the frame 3 using the clamp 4 and then fix the frame 3 to the instrument panel 2 by bolting. There is a problem that the number of work steps increases. Further, when the vehicle is scrapped, the frame 3 must be removed from the instrument panel 2 and the wire harness 1 must be removed from the frame 3 in order to collect the wire harness, so that the work of collecting the wire harness is complicated. . In addition, there is a problem that the frame 3 must be provided in accordance with the wiring form of the wire harness, which increases the cost.
[0005]
Furthermore, when the wire harness is attached to the frame or panel using a clamp, the vibration during the traveling of the vehicle also causes the wire harness to vibrate and come into contact with the frame or panel, thereby easily generating a vibration sound. In particular, since the wire harness routed inside the instrument panel is close to the driver's seat, the vibration noise may be annoying to the driver.
[0006]
SUMMARY OF THE INVENTION The present invention has been made in view of the above problems, and can easily fix a wire harness to a panel such as an instrument panel without using a clamp or the like. It is another object of the present invention to make it easy to add a noise reduction function.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the present invention is a wire harness fixing structure to be routed along a panel of an automobile,
The panel is provided with a concave portion along the wiring path of the wire harness, and in a state where the wire harness is inserted and wired in the concave portion, the thick band-shaped sound-absorbing sheet provided with an adhesive on the inner surface side is connected to the wire harness. Is held down in a recessed state, and the widthwise central portion of the muffling sheet is adhered to the wire harness, and both sides in the widthwise direction are adhered to both side surfaces of the recessed portion to fix the wire harness to the panel. A wire harness fixing structure is provided.
[0008]
The silencing sheet has a structure in which a fibrous material is bound to a large thickness and has a large number of fine sound absorbing voids, and an adhesive tape having a double-sided adhesive layer is adhered along the inner surface thereof.
The fibrous material constituting the sound-absorbing sheet randomly binds a thick brushed yarn, and has a thickness of 5 to 15 mm, preferably about 10 mm, a width of 50 to 150 mm, preferably about 100 mm, and a length equal to the trunk length of the wire harness. Correspondingly, in the case of an instrument panel harness, the length is about 500 mm.
Note that a foamed resin having strength may be used as the sound deadening sheet.
[0009]
As described above, when the wire harness is inserted into the panel with the concave portion provided, and the sound absorbing sheet is attached and the wire harness is fixed in the concave portion, the wire harness can be easily attached to the panel without using mechanical means such as a clamp. Can be fixed by work. Also, when the vehicle is scrapped, by lifting the wire harness upward, the sound damping sheet fixing the wire harness in the recess can be peeled off the panel or the sound damping sheet is torn, and the wire harness can be pulled out of the recess of the panel. Thus, the collection of the wire harness can be facilitated.
[0010]
In addition, since it is fixed with a sound absorbing sheet and is immovably fixed in the concave portion, it hardly moves due to vibration during vehicle running, and vibration noise is absorbed by the sound absorbing sheet, so that generation of abnormal noise can be prevented. The room can be kept quiet. Further, since the sound deadening sheet is soft and flexible, even if the wire harness has a different diameter, it can be stuck to the outer peripheral surface of the wire harness in close contact with the wire harness, thereby increasing the degree of freedom in designing the wire harness.
[0011]
More specifically, the panel is an instrument panel, and the recess is formed in an inner surface of a side wall and / or an inner surface of a bottom wall on the front side of the instrument panel, and the recess is a trunk line of the wire harness including an instrument panel harness. Approximately the entire length of the trunk line is inserted, and the trunk line inserted in the concave portion is not covered with a protective material such as tape, or is only partially wound with tape, and the entire trunk line inserted in the concave portion is fixed by the sound absorbing sheet. are doing.
[0012]
The panel is not limited to an instrument panel made of resin (hereinafter abbreviated as instrument panel). For example, a concave portion is provided in a panel made of a metal plate, a wire harness is inserted into the concave portion, and the sound absorbing sheet is covered and fixed. However, in the resin panel, the concave portion can be formed by molding, and since the wire harness is inserted into the resin concave portion, it is not necessary to protect a group of wires constituting the wire harness with a tape. .
Also, since a large number of electrical components are provided inside the instrument panel, if a recess is provided on the inner surface of the instrument panel and a wire harness is routed, the wire harness can be routed without interfering with the electrical components, and The space inside the instrument panel can be given a margin. The branch line branching from the main line of the wire harness is connected to the electrical component, so that it is not inserted into the concave portion, but is drawn out from the main line inserted into the concave portion onto the panel surface and branched to be connected to the electrical component.
[0013]
The silencing sheet is provided with a slit cut to a required depth from the adhesive tape sticking side to the outer surface so as to extend in the length direction, and the slit is attached along a position along one side wall of the concave portion. .
By providing the slit, when the wire harness fixed to the panel is lifted upward during scrapping, the muffling sheet is torn from the slit, and the wire harness is pulled out from the concave portion, thereby making it easier to collect the wire harness. . Further, when the upper portion of the wire harness projects from the concave portion, the sound deadening sheet is curved in an arc shape from the position of the slit, so that the sound absorbing sheet easily adheres to the outer surface of the wire harness.
In addition, when the thickness of the muffling sheet is 10 mm, this slit is preferably about 1/2 to 2/3.
[0014]
It is preferable that the depth of the concave portion is equal to or less than the diameter of the wire harness routed in the concave portion.
With the above configuration, the muffling sheet can be securely adhered to the outer peripheral surface of the wire harness protruding from the recess, and the occurrence of abnormal noise can be prevented by suppressing flapping of the wire harness in the recess.
[0015]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
1 to 5 show an embodiment of the present invention. FIG. 1 is a schematic cross-sectional view of the instrument panel showing a wiring location of a wire harness (instrument panel harness) 60 to be routed along the instrument panel 10.
The wire harness 60 is inserted into the concave portion 11 formed on the inner surface of the front side front wall 10a of the instrument panel 10 and the upper surface of the bottom wall 10b, and the sound absorbing sheet 20 is adhered and fixed. When the concave portion for inserting the wire harness faces downward, a force in the falling direction is applied by the weight of the wire harness, and therefore, the concave portion is not provided on the lower surface of the upper wall 10c of the instrument panel 10.
In FIG. 1 showing the inside of the instrument panel 10, only the air ducts 30, 40 and the phosphorus hose 50 are shown, and other members are omitted.
[0016]
The wire harness insertion recess 11 provided in the instrument panel 10 is provided over substantially the entire length of the main wire of the wire harness in accordance with the wiring form of the wire harness 60. In the present embodiment, the width L1 of the recess 11 is 16 mm, and the depth L2 is 15 mm.
[0017]
The band-shaped sound-absorbing sheet 20 having a required width has a configuration in which a thick, brushed, short, thread-like fiber material is bound to a large thickness and has many fine sound-absorbing voids. An adhesive tape 22 having a double-sided adhesive layer is stuck along its inner surface.
The width of the muffling sheet 20 is set to be sufficiently large to cover the opening surface of the concave portion 11, and the length is slightly longer than the entire length of the concave portion 11. In the present embodiment, the length is 500 mm, the width L3 is 100 mm, and the thickness L4 is 10 mm. And In order to securely fix the noise reduction sheet 20 to the instrument panel 10 and securely fix the wire harness 60 to the instrument panel 10, the width L3 of the noise reduction sheet 20 is preferably at least three times the width L1 of the concave portion 11, and this embodiment In the form, it is about 6 times.
[0018]
Further, the muffling sheet 20 is provided with a slit 21 over the entire length in the length direction. The slit portion 21 is cut from the side where the adhesive tape 22 is adhered, and has a depth L5 of 5 mm, which is half the thickness L4 of the sound deadening sheet 20.
[0019]
The wire harness 60 has a length corresponding to the entire length of the instrument panel 10, and as shown in FIG. 3, the tape T is partially wound around a required portion of the wire group constituting the wire harness 60 to bind the wire group. I have. At both ends of the instrument panel harness 60, connectors 30 and 31 for connecting to other wire harnesses (not shown) are attached, and branch lines 60b, 60c,... Branching from a main line 60a of the wire harness 60 are provided. I have. A connector 32 connected to a speed meter or the like (not shown) is attached to the terminal of the branch line 60b, while a connector 33 connected to an air conditioner or the like (not shown) is attached to the terminal of the branch line 60c. I have.
[0020]
The recess 11 provided in the instrument panel 10 inserts the trunk 60a of the wire harness 60, and the branch lines 60b, 60c,... Branching from the trunk are pulled out from the trunk of the recess 11 and routed along the inner surface of the instrument panel 10, and Connected to the product. The depth L2 of the recess 11 is made smaller than the outer diameter of the trunk 60a so that when the wire harness 60 is inserted into the recess 11, the upper part of the trunk 60a slightly protrudes from the recess 11. In the present embodiment, the minimum diameter of the trunk line 60a is set to 20 mm.
[0021]
Next, a method of fixing the wire harness 60 to the instrument panel 10 will be described.
First, as shown in FIG. 4 (A), the main line 60a of the wire harness 60 is inserted into the recess 11 provided in the instrument panel 10 and wired. At this time, both sides of the trunk line 60a and the branch lines 60b and 60c are drawn out from the concave portion 11.
Next, as shown in FIG. 4B, the sound absorbing sheet 20 is covered over the concave portion 11 into which the main line 60a is inserted, and the central portion in the width direction is adhered to the outer peripheral surface protruding from the concave portion 11 of the main line 60a with the adhesive tape 22. At the same time, both sides are adhered and fixed to the panel surfaces on both sides of the recess 11. Further, the slit 21 provided in the sound deadening sheet 20 is located on one side wall of the concave portion 11.
[0022]
With the above configuration, when the sound deadening sheet 20 is attached to the instrument panel 10, the trunk line 60a of the wire harness 60 is pressed into the concave portion 11 by the sound deadening sheet 20, and the concave portion 11 is immovable by being adhered to the adhesive tape. Housed within.
[0023]
As described above, since the muffling sheet 20 is merely attached, the work of fixing the wire harness can be significantly simplified as compared with the case where a conventional clamp is used.
Further, since the depth L2 of the concave portion 11 is smaller than the diameter of the main line 60a, and the substantially entire length of the main line 60a is pressed into the concave portion 11 by the sound deadening sheet 20, the flapping of the main line 60a is suppressed during traveling of the vehicle. The generation of sound can be prevented, and the sound can be absorbed in the minute space of the sound deadening sheet 20, so that the sound deadening function can be enhanced. Furthermore, since the trunk 60a is housed in the resin recess, it is not necessary to protect the entire trunk by tape-wrapping, and it is only necessary to partially wind and bind the tape. Note that the wire group may be accommodated in the recess 11 without winding the tape at all.
[0024]
Further, when the vehicle is scrapped, by lifting the wire harness 60 fixed to the instrument panel 10 upward, the muffling sheet 20 is torn from the slit 21 and the main line 60a can be pulled out from the concave portion 11. Therefore, collection of the wire harness 60 can be facilitated.
[0025]
FIG. 6 shows a modification of the above-described embodiment, in which the concave portion 11 provided in the instrument panel 10 is provided not in the entire length of the instrument panel 10 but only in a part thereof. The instrument panel harness 60 that is routed to a place where the recess 11 is not provided is drawn out of the recess 11. The other configuration is the same as that of the first embodiment, and the description is omitted.
[0026]
【The invention's effect】
As apparent from the above description, according to the present invention, a recess for inserting a wire harness is provided in a vehicle panel such as an instrument panel, and after inserting the wire harness into the recess, a sound-absorbing sound-absorbing sheet is attached. In addition, since the wire harness is pressed into the recess and the muffling sheet is adhered and fixed to the wire harness, the wire harness can be easily fixed without using a clamp or the like.
[0027]
Also, if a slit is provided in the noise reduction sheet, when the vehicle is scrapped, by lifting the wire harness fixed to the panel upward, the noise reduction sheet is torn from the slit, the wire harness is easily pulled out from the recess, and the panel is removed from the panel. Can be recovered.
[0028]
Further, since the wire harness is fixed by using the sound deadening sheet, even if the wire harness vibrates due to vibration during running of the vehicle, there is a sound deadening function, and the room can be kept quiet. In addition, since the wiring harness is arranged in the recess provided in the panel, the wiring harness can be protected without interfering with the electric component, and in a place where a large number of electric components such as the inside of the instrument panel are arranged. The space reduction due to the wiring of the wire harness can be suppressed.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic cross-sectional view showing an embodiment of the present invention and showing a state in which a wire harness is routed along an inner surface of an instrument panel.
FIG. 2 is a cross-sectional view showing a dimensional relationship between a concave portion provided in the instrument panel and a sound deadening sheet.
FIG. 3 is a schematic diagram showing a wire harness.
FIGS. 4A and 4B are diagrams showing a method of fixing a wire harness.
FIG. 5 is a sectional view taken along line II of FIG. 4 (B).
FIG. 6 is a drawing showing a modification.
FIG. 7 is a drawing showing a conventional example.
[Explanation of symbols]
10 Instrument panel (instrument panel)
11 Concave part 20 Noise reduction sheet 21 Slit 22 Adhesive tape T Tape 60 Wire harness (instrument panel harness)
