JP2004236201A - 画像処理装置およびその方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】既にガンマ補正された画像に、ガンマ値が異なるガンマ補正などを施すことは好ましくないから、原画像を保持しておきたい。しかし、毎回同じ補正処理を実行するのは冗長であるし、その補正処理を実行可能なモジュールがなければ、同様の補正結果が得られない問題もある。
【解決手段】画像、および、画像に関連するプロファイルを入力し(S1201)、画像に適用すべき補正に相当する色変換を決定し(S1202、S1203)、入力したプロファイルと、色変換とを合成した補正プロファイルを作成し(S1204)、補正プロファイルを画像に関連付けて出力する(S1205)。
【選択図】 図11
【解決手段】画像、および、画像に関連するプロファイルを入力し(S1201)、画像に適用すべき補正に相当する色変換を決定し(S1202、S1203)、入力したプロファイルと、色変換とを合成した補正プロファイルを作成し(S1204)、補正プロファイルを画像に関連付けて出力する(S1205)。
【選択図】 図11
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像処理装置およびその方法に関し、例えば、プロファイルを利用した画像補正に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェット方式による低価格プリンタ、スキャナ、ディジタルカメラなどのカラー画像入出力機器が普及し、所謂エンドユーザによるカラー画像の扱いが増えている。
【0003】
しかし、エンドユーザは必ずしもカラー画像入出力機器に通熟しているわけではない。例えば、ディジタルカメラを用いたすべての撮影結果が良好であるとは限らない。撮影直後にディジタルカメラに付属する液晶ディスプレイで撮影画像を確認し、撮影結果が不良であれば撮影し直すこともできるが、確認しない場合、ディスプレイが付属しないなどの理由で確認できない場合もあるし、さらに一瞬のシャッタチャンスしかなければそもそも撮影し直しができない。
【0004】
そのため、自動もしくは半自動で画像を補正する方式が提案されている。これは、全画素もしくはサンプル画素を調べて画像の特徴量を算出し、その特徴量に基づき不良な画像(暗すぎる、明るすぎる、色かぶり等)と判断される場合、その特徴量に応じて各画素値を補正して、良好な画像を得ようというものである。
【0005】
画素値は整数値で表現され、典型的には画像の1チャネル当り8ビット符号なし整数で表現される。例えばRGBの場合、各チャネル8ビットとして一画素当り24ビットで表現されている。従って、画像補正を行うと、一般に、補正前の情報の一部が欠落する。
【0006】
図1は補正曲線の一例を示す図である。入力信号Inputおよび出力信号Outputは8ビット整数で、0から255の値をとる。補正曲線1001は式(1)の特性を示し、すなわち変更のない状態を表す。一方、補正曲線1002は式(2)の特性を示し、所謂ガンマ補正曲線である。なお、補正曲線1002のガンマ値γは2.2である。例えば、入力画像信号をYCbCr色空間で表し、Y成分に式(2)の補正を適用すると、画像は全体的に明るく補正される。
Output = Input …(1)
Output = (Input/255)1/2.2×255 …(2)
【0007】
式(2)自体は連続的な実数値にも適用可能であるが、先に述べたように、画素値を8ビット符号なし整数のような不連続な整数値で表す場合、小数部の丸めが発生する。その結果、階調性が失われたり、階調ジャンプが発生することになる。
【0008】
図2は式(2)が表す変換を、8ビット符号なし整数に適用した場合の入力信号値と出力信号値の対応を表す図である。図2に示すように、例えば入力信号値241から243に対応する出力信号値は何れも249で、階調性が失われることがわかる。一方、入力信号値0および1に対応する出力信号値は0および21で、階調ジャンプが発生することがわかる。
【0009】
上記のような、ガンマ補正により階調性が失われたり、階調ジャンプが発生した画像に、ガンマ値が異なるガンマ補正などを施すことは好ましくない。その場合は、原画像を保持しておき、保持した原画像にガンマ補正などを施すべきである。勿論、画像の補正結果は参照するだけにして、原画像を保持することも考えられる。しかし、毎回同じ補正処理を実行するのは冗長であるし、その補正処理を実行可能なモジュールがなければ、同様の補正結果が得られない問題もある。
【0010】
例えば特開2000−137806公報は、算出した補正パラメータを画像ファイルに付加することで、原画像を保持しながら補正情報を残す技術を開示する。しかし、残るのは補正パラメータであって、画像を再生する際は、その補正パラメータを解釈して画像を補正することが可能な装置やモジュールを必要とする。
【0011】
【特許文献1】
特開2000−137806公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の問題を個々にまたはまとめて解決するためのもので、原画像を保持しながら、補正情報を残すことができ、かつ、画像の再生を容易にすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の目的を達成する一手段として、以下の構成を備える。
【0014】
本発明は、画像、および、前記画像に関連するプロファイルを入力し、前記画像に適用すべき補正に相当する色変換を決定し、入力したプロファイルと、前記色変換とを合成した補正プロファイルを作成し、前記補正プロファイルを前記画像に関連付けて出力することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる一実施形態の画像処理装置を図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
[概要]
以下では、本発明にかかる実施形態の画像処理方法として、画像およびそれに関連するプロファイルを入力し、画像に適用すべき補正に相当する色変換を決定し、入力したプロファイルと、色変換とを合成した補正プロファイルを作成し、補正プロファイルを画像に関連付けて出力する例、並びに、画像に関連付けられた補正プロファイルを画像に適用する例を説明する。もし、画像に関連するプロファイルがない場合は、入力プロファイルの代わりに既定のプロファイルと、色変換を合成した補正プロファイルを作成する。また、補正プロファイルには、画像補正を行う色空間を規定するプロファイルを合成してもよい。
【0017】
また、画像を入力し、画像に適用すべき補正に相当する色変換を決定し、色変換から補正プロファイルを作成し、補正プロファイルを、画像に関連するプロファイルとは別に関連付けて出力する例、並びに、画像に関連付けられた補正プロファイルを画像に適用する例を説明する。この場合、補正プロファイルはICCプロファイルのアブストラクトプロファイル形式などである。
【0018】
【第1実施形態】
[構成]
図3は実施形態の画像処理を実行可能な画像処理装置の構成例を示すブロック図である。
【0019】
CPU 201は、ROM 202などに記憶された情報データ(プロファイル等)、制御プログラム、OS(オペレーティングシステム)、アプリケーションプログラム、カラーマッチングモジュール(CMM)、デバイスドライバなどに従って、RAM 203をワークエリアとして、システムバス209を介して後述する各構成を制御する。
【0020】
入力デバイス207は、CCDセンサを含むイメージスキャナなどの画像読取装置、ホストコンピュータ、スチルビデオ(SV)カメラ、ビデオカメラなどの外部機器で、図示しないインタフェイスを介して画像を入力する。出力デバイス208は、インクジェットプリンタ、熱転写プリンタ、ワイヤドットプリンタ、レーザビームプリンタなどの外部機器で、図示しないインタフェイスを介して画像を出力する。
【0021】
操作部204は、後述する出力デバイス設定部207の設定やデータの入力を行う。画像処理部205は、カラーマッチング処理を含む各種の画像処理を行う。モニタ206は、画像処理部205の処理結果や、操作部204から入力されたデータなどを表示する。
【0022】
[画像処理部]
図4はCMMに基づき実行される画像処理部205の処理を示す図である。
【0023】
カラーマッチング処理を行うカラーマッチング部301は、OSを介して入力される入力デバイス207の色空間に依存する画像データを、出力デバイス208の色空間に依存する画像データに変換する。
【0024】
入力プロファイル読出部302は、入力デバイス207の種類を示す情報が入力されると、その情報に対応するプロファイル、つまり入力デバイス207の入力特性が記述されたプロファイルを入力プロファイル記憶部304から読み出す。同様に、出力プロファイル読出部303は、出力デバイス208の種類を示す情報が入力され、出力デバイス208に設定されている「記録メディアの種類」「設定されている二値化方法」「解像度」および「インクの種類」などが入力されると、それらの情報に対応するプロファイル、つまり出力デバイス208およびその各種設定に対応する出力特性が記述された出力プロファイルを出力プロファイル記憶部305から読み出す。
【0025】
なお、実施形態の画像処理装置のROM 202には、予め接続される各種入力デバイス207および出力デバイス208の入出力特性を記述した、複数の入出力プロファイルが格納されている。従って、入力プロファイル読出部302や出力プロファイル読出部303によって、ROM 202から対応するプロファイルが読み出される。
【0026】
[プロファイルの構造]
図5はプリンタプロファイルの概略を示す図である。
【0027】
プロファイルには、各種プロファイルに関する基本情報が記述されるヘッダ、および、カラーマッチング処理に用いられる情報が記述されるテーブルが含まれる。ヘッダには、例えば、ID情報、バージョン情報、デバイスの基本的なタイプを示すデバイスクラス情報などが格納される。
【0028】
また、テーブルには、デバイスに依存しないPCS (Profile Connection Space)における画像データBを、あるデバイスの色空間に依存する画像データAに変換する処理の色処理パラメータが記載されるBtoA情報、並びに、あるデバイスの色空間に依存する画像データAをPCSの画像データBに変換する処理の色処理パラメータが記載されるAtoB情報が格納される。これらBtoAおよびAtoB情報は、CMMがサポートするカラーマッチング方法「色味優先」(Perceptual)、「測色的一致」(Colorimetric)、「彩やかさ優先」(Saturation)のそれぞれに対応して格納されている。
【0029】
色味優先は、写真などの画像に適したカラーマッチングで、色の階調を重視する。測色的一致は、ロゴなどの画像に適したカラーマッチングで、測色的に一致した色を再現することを目的とする。鮮やかさ優先は、グラフやCG(コンピュータグラフィクス)などの画像に適したカラーマッチングで、色の鮮やかさを重視する。また、図5に示す、これら色処理パラメータは、どのカラーマッチング方法に対応するかを区別するために色味優先は「01」、測色的一致は「02」、鮮やかさ優先は「03」という番号を付している。
【0030】
[カラーマッチング]
図6および図7は、図5に示すプリンタプロファイルを用いた画像形成処理およびプレビュー処理にかかるカラーマッチング処理を説明する図である。
【0031】
例えばDTP (Desk Top Publication)アプリケーションなどで生成された画像がOSを介して入力されると、CMM 40によって、画像表示デバイスであるモニタ206の色空間に依存したRGBデータ(モニタRGB)が、出力デバイス208のプリンタの色空間に依存するCMYKデータ(プリンタCMKY)に変換される(S10、S20)。具体的には、入力プロファイル読出部302によってモニタプロファイル42を読み出してAtoB情報43をCMM 40に設定し、出力プロファイル読出部303によってプリンタプロファイル45を読み出して、指定されたカラーマッチング方法に応じたBtoA情報47をCMM 40に設定する。
【0032】
AtoB情報43には、図8に示すように、入力デバイスであるモニタ206のガンマ特性に応じた逆ガンマ処理を行う三つの一次元ルックアップテーブル(1D LUT)群32と、標準空間で定義されるRGBデータをXYZデータに変換する3×3マトリクス33とが格納されている。なお、この場合、図8に示すN次元LUT(ND LUT) 31およびM個の1D LUT群30を用いる処理はスキップされる。一方、BtoA情報47には、図9に示すように、XYZ色空間で定義された画像データをL*a*b*色空間の画像データに変換する3×3マトリクス20、1D LUT群21、指定されたカラーマッチングを画像データに施してプリンタの色再現範囲内に変換する3D LUT 22、および、プリンタの階調特性に応じたガンマ補正を行う1D LUT群23が格納されている。
【0033】
そして、AtoB情報43に基づきモニタRGBデータがXYZデータ(PCSデータ)に変換され(S10)、BtoA情報46に基づきXYZデータがプリンタCMKYデータに変換される(S20)。ここで、プレビューか画像形成かに応じて(S21)、画像を形成する場合はプリンタCMKYデータを出力デバイス208に出力し(S25)、カラーマッチングを終了する。
【0034】
一方、プレビューの場合、CMM 40によって生成されたプリンタCMYKデータは、CMM 41によって、プレビュー画像を表示するモニタ206の色空間に依存するRGBデータに変換される(S30、S40)。具体的には、入力プロファイル読出部302によってプリンタプロファイル45を読み出して、指定されたカラーママッチング方法に応じたAtoB情報46をCMM 41に設定し、出力プロファイル読出部303によってモニタプロファイル42を読み出してBtoA情報44をCMM 41に設定する。
【0035】
AtoB情報46には、図8に示す、プリンタの階調特性に応じたガンマ補正を行う1D LUT群23(図9参照)の逆変換を行う1D LUT群30、1D LUT群30で処理されたプリンタCMYKデータをL*a*b*データに変換するND LUT 31、L*a*b*データをXYZデータ(PCSデータ)に変換する1D LUT群32および3×3マトリクス33を格納されている。一方、BtoA情報44には、図9に示す、3×3マトリクス33(図8参照)の逆処理を行う3×3マトリクス20、および、1D LUT群30(図8参照)の逆処理に相当するモニタガンマ補正を行う1D LUT群23が格納されている。
【0036】
そして、AtoB情報46に基づきプリンタCMYKデータがXYZデータ(PCSデータ)に変換され(S30)、BtoA情報44に基づきPCSデータがモニタRGBデータに変換され(S40)、モニタRGBデータがモニタ206に出力され(S45)、プレビュー表示される。
【0037】
[画像処理]
次に、実施形態の画像処理を説明するが、まず、補正プロファイルの作成について説明する。
【0038】
図10は一般的な画像補正とCMSの処理を示す図で、例えば図3に示した構成の装置などで実行される。
【0039】
図10において、色空間Aは原画像1501の色空間、色空間Bは補正処理1521の処理色空間、色空間Cは出力画像データ1503の色空間である。
【0040】
原画像データ1501は、色空間変換1511(色空間AからPCSへの変換)および色空間変換1512(PCSから色空間Bへの変換)により、補正前画像データ1502に変換され、さらに、補正における変換1521により補正後画像データ1503に変換される。続いて、補正後画像データ1503は、色空間変換1513(色空間BからPCSへの変換)および色空間変換1514(PCSから色空間Cへの変換)により、出力画像データ1503に変換され、表示や印刷に供される。
【0041】
なお、例えば色空間AとBが同一の色空間の場合は、色空間変換1511および1512による変換は無変換と同じである。従って、これら変換処理自体を省略することが可能であるが、その場合も、実施形態の処理が意図するところと同じである。勿論、同様に色空間BとCが同一の場合も同様である。
【0042】
図11は補正を含む変換を表すプロファイル(以下「補正プロファイル」と呼ぶ)の作成を示すフローチャートである。
【0043】
まず、画像を読み込む(S1201)。画像は例えば図3に示すRAM 203の所定領域、あるいは、図示しないハードディスクなどの補助記憶装置などに、所定のフォーマットで格納されている。画像を読み込む際には、画像に関連付けられたプロファイルがあるか否かを調べて、あればそのプロファイルを読み込み、また、処理色空間を規定するプロファイルと合わせて色空間を変換し、原画像にその色変換を適用する。なお、処理色空間は予め定めておく、あるいは、幾つかの色空間を提示してユーザに選択させる、などでよい。また、関連付けられたプロファイルがない場合は、既定の画像入力用プロファイルを適用すればよい。
【0044】
続いて、読み込んだ画像を解析する(S1202)。この解析は、この後実行する補正処理のパラメータを決定するために画像の特徴量を算出する処理で、補正処理に依存する。なお、実施形態の画像補正は、任意かつ公知のもので構わないが、以後では、次のような画像補正を例として説明する。
・処理色空間はsRGB
・RGBの各チャネル(各チャネル8ビット符号なし、256階調)の平均値に応じて、平均値の信号が入力された場合にそれが128になるようなガンマ補正を各チャネル独立に施す。
・ガンマ補正は式(3)に従う。
y = 255×(x/255)1/ γ …(3)
ここで、x: 入力信号のレベル
y: 出力レベルの信号
【0045】
従って、ステップS1202での解析処理では、入力画像の各画素を調べて各チャネルのレベル値を合計し、合計値を画素数で割ることで各チャネルの平均レベルを算出する。なお、算出された入力画像のRGB各チャネルの平均値をRave、Gave、Baveとする。
【0046】
続いて、画像に適用する補正を決定する(S1203)。上記の画像補正の場合、原画像のRGB各チャネルの平均値から、各チャネルに対するガンマ補正値γR、γG、γBを算出する。このガンマ補正値は、式(3)の変形式(4)に基づく式(5)から算出される。
γ = log(x/255)/log(y/255) …(4)
γR = log(Rave/255)/log(128/255)
γG = log(Gave/255)/log(128/255) …(5)
γB = log(Bave/255)/log(128/255)
【0047】
続いて、補正プロファイルを作成する(S1204)。図12は補正プロファイルの合成を示すフローチャートである。
【0048】
まず、原画像に関連付けられたプロファイルがあるか否かを判定する(S1301)。画像フォーマットに、画像に関連付けられたプロファイルが含まれる場合、そのプロファイルを入力プロファイルに設定する(S1302)。画像に関連付けられたプロファイルがない場合は、既定のプロファイルを入力プロファイルに設定する(S1303)。そして、補正を含む変換を表すプロファイルを合成する(S1304)。
【0049】
プロファイルの合成は、先に説明した図10に符号1531で示す変換群を表す変換を求める処理である。図10に示す色空間変換1511に対応するプロファイルは、ステップS1302もしくはS1303で設定される入力プロファイルである。また、色空間変換1512および1513に対応するプロファイルは、本実施形態の処理色空間がsRGBであるから、sRGBのプロファイルが相当する。これは予めシステムに保持されている。
【0050】
プロファイルの合成は、色空間Aによる入力値の範囲を幾つかサンプリングし、変換群1531による変換をサンプル値に逐次適用して、最終的に得られたPCSの値を求める。具体的は、色空間Aの各チャネル(チャネル数M)の定義域をそれぞれN等分し、(N+1)M通りの値について変換群1531を適用した結果のPCS値を算出する。このサンプリングした入力値と、それに対応するPCS値とからM次元LUTを構成して、先に説明したプロファイルのフォーマットに整形する。
【0051】
図11に戻ると、ステップS1204で作成した補正プロファイルを出力する(S1205)。この補正プロファイルは、原画像のフォーマットに従い、プロファイル格納用領域に格納することが好ましい。例えば、公知の、JPEG方式の画像フォーマットとして広く用いられているJFIFの場合、APP2マーカ内部のICC_PROFILEタグによって参照される領域が、プロファイル格納用領域である。また、ICCプロファイルのInput Device profile(入力デバイスプロファイル)形式でもよいし、画像ファイルと関連付けられた別ファイルとして、補正プロファイルを格納してもよい。例えば、補正プロファイルのファイル識別子の一部として、原画像のファイル識別子などを用いるなどで容易に実現される。さらに、画像ファイルと補正プロファイルの関連付けを公知のデータベースなどを用いて管理してもよい。
【0052】
[補正適用処理]
図13は補正プロファイルの適用処理を示すフローチャートである。
【0053】
まず、読み込む画像を指定を受け付ける(S1401)。例えば、RAM 203もしくは図示しないハードディスクなどに格納されている画像の一覧をモニタ206に提示し、ユーザに操作部204を操作させて、画像を選択(指定)させる。画像一覧の表示方法としては、例えば縮小画像(サムネイル)を表示したり、ファイル識別子の一覧を表示したり、それらを組み合わせてもよい。
【0054】
続いて、指定された画像の補正プロファイルを検出する(S1402)。例えば、画像のフォーマトが、JFIFなど、ファイル内にプロファイルを格納可能なフォーマットの場合、画像を読み込みながらフォーマットを解析して、プロファイルが格納されているか否かを調べる。フォーマットがJFIFの場合、APP2マーカを検出し、さらにICC_PROFILEタグを検出することで実現される。あるいは、補正プロファイルが別ファイルの場合は、画像ファイルと関連付けられたプロファイルファイルがあるか否かを調べればよい。そして、補正プロファイルが検出された場合はそのプロファイルを読み込む。
【0055】
続いて、補正プロファイルが検出されなかった場合は、補正プロファイルを適用せずに、指定された画像を読み込む(S1407)。あるいは、システムに既定のプロファイルを適用してもよい。
【0056】
補正プロファイルが検出された場合は、補正プロファイルを適用するか否かを示すユーザ指示を受付ける。これは、モニタ206に補正プロファイルを適用するか否かを問い合せるメッセージなどを表示し、操作部204を介してユーザの指示を受付ければよい。
【0057】
ユーザが補正プロファイルを適用しないと指示した場合、補正プロファイルが検出されなかった場合は、補正プロファイルを適用せずに、指定された画像を読み込む(S1407)。また、ユーザが補正プロファイルの適用を指示した場合、検出した補正プロファイルを適用して、選択された画像を変換して読み込む(S1406)。補正プロファイルの適用は、通常のプロファイルの適用と同様である。しかし、補正プロファイルにより、図10に符号1531で示す補正群と等価な変換、つまり画像補正が行われるから、補正プロファイルの適用により補正が施された画像が得られることになる。
【0058】
なお、上記では、好適な例として、補正プロファイルを適用するか否かをユーザに問い合わせる処理と、ユーザ指示による処理の分岐とを含むが、これらを省略して、補正プロファイルを検出したか否かだけで補正プロファイルを適用するか否か決定するように構成してもよい。
【0059】
また、上記では、補正方式として単純なガンマ補正を例として説明したが、例えばYCbCr色空間やCIE L*a*b*色空間のような輝度、色相、彩度に分離された色空間において、色相を変換したり、または、彩度を上げ下げするような処理、あるいは、それらの組み合わせのような複雑な補正処理であってもよい。
【0060】
また、上記では、画像を自動的に補正する場合を説明したが、補正方式は任意で、例えばユーザが補正値を直接指示するような補正方式でもよい。その場合、ステップS1202の画像解析処理は省略可能である。
【0061】
このように、本実施形態によれば、画像を読み込む際に補正プロファイルを適用するだけで画像に補正が施される。従って、原画像を保持しながら、補正情報を残すことができ、かつ、補正済みの画像を再生する際はカラーマッチングを行う画像処理部によって画像を補正することが可能になる。
【0062】
【第2実施形態】
以下、第2実施形態を説明するが、第1実施形態と同様な構成には、同一符号を付して、その詳細説明を省略する。
【0063】
第1実施形態では補正処理を含む補正プロファイルを多次元LUTの形で画像ファイルに格納する例を説明したが、幾つかの特定の場合、多次元LUT以外の形式のプロファイルを作成することが可能である。例えば、図10において、色空間AとBが同一の場合、かつ、第1実施形態で説明したような補正方式の場合、その補正処理は色空間変換処理1513の1D LUTと合成することが可能である。この場合、色空間変換処理1513が1D LUTのみ、もしくは、1D LUTとマトリクス演算の構成である場合、合成後の補正プロファイルによる変換も色空間変換処理1513と同じ形式にすることができる。
【0064】
また、例えば色空間BがYCbCr色空間のような明るさ、色相および彩度によって既定される空間で、補正処理が色空間Bにおける回転処理や拡大処理といったマトリクス演算で表現可能な形式である場合も、色空間変換処理1513の1D LUTが入力信号に比例するような変換であれば、補正プロファイルをマトリクス演算の形式で表すことができる。
【0065】
これらの場合、多次元LUTを参照する処理における格子間の値を得る補間処理が不要になり、補正プロファイルによる変換精度が向上する利得がある。
【0066】
【第3実施形態】
以下、第3実施形態を説明するが、第1実施形態と同様な構成には、同一符号を付して、その詳細説明を省略する。
【0067】
第1実施形態では、画像の元々のプロファイル(入力プロファイル)と補正処理とを結合して一つの補正プロファイルにする処理例を説明したが、第3実施形態では、入力プロファイルと補正プロファイルとを別ける例を説明する。
【0068】
ICC (International Color Consortium)が規定するICCプロファイルには、Abstract profile(アブストラクトプロファイル)が規定されている。このAbstract profileによる変換は入出力ともにPCSで、ユーザの主観的な色変換を表すのに用いられる。第3実施形態では、図10に示す変換群1532による変換をAbstract profile形式にするもので、第1実施形態で説明した手順に従い、画像補正処理を決定し、さらに変換群1532を合成したAbstract profile形式の補正プロファイルを出力する。
【0069】
ICCプロファイルの仕様によれば、このAbstract profileを画像ファイルに格納してはいけないことになっている。そこで、プロファイルが通常格納される領域には入力プロファイル(図10の場合は色空間Aのプロファイル)を格納し、それ以外の領域に補正プロファイルを格納する。例えば画像フォーマットのユーザ領域、コメント領域などをあてることができる。ユーザ領域およびコメント領域の例としては、公知のExifフォーマットのメーカノート領域やユーザコメント領域があげられる。そして、補正プロファイルを適用する際は、画像ファイルの読込時に、通常のプロファイル検出するほか、ユーザ領域やコメント領域に格納された補正プロファイルを探す。
【0070】
図14は第3実施形態の補正プロファイルの適用処理を示すフローチャートである。
【0071】
ユーザが読み込む画像を指定すると(S1401)、第1実施形態(図13参照)に示した処理では補正プロファイルを検出し読み込むが、第3実施形態では入力プロファイルを検出し読み込む(S1601)。
【0072】
続いて、入力プロファイルが検出された否かを判定し(S1602)、検出された場合は入力プロファイルを適用するか否かを示すユーザ指示を受け付ける(S1603)。例えば、モニタ206に入力プロファイルを適用をするか否かを問い合せるメッセージなどを表示して、操作部204を介してユーザの指示を受け付ければよい。
【0073】
次に、ユーザ指示を判定して(S1604)、入力プロファイルを適用する場合は読み込んだ入力プロファイルをセットする(S1605)。
【0074】
また、入力プロファイルが検出されなかった場合、あるいは、ユーザが入力プロファイルを適用しないことを指示した場合、入力プロファイルとして既定のプロファイルをセットする(S1606)。
【0075】
続いて、指示された画像から補正プロファイルを検出し読み込む(S1402)。ただし、第1実施形態とは異なり、上述したように、画像ファイルフォーマットのユーザ領域やコメント領域などを調べて補正プロファイルを検出する。
【0076】
以降の処理は第1実施形態と同様であるから、説明を省略する。
【0077】
このうように、第3実施形態によれば、入力プロファイルとは別に補正プロファイルを画像ファイルに格納して、補正プロファイルの適用ありなしに加え、入力プロファイルによるカラーマッチングありなしをユーザに選択させることができる。
【0078】
上述した実施形態によれば、原画像を保持することができるから、補正なし画像、補正あり画像を選択的に容易に再現することが可能になる。また、補正あり画像を再生する場合は、一般のCMSシステムがあればよく、補正のための専用の装置やモジュールを用意する必要がない。
【0079】
【他の実施形態】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0080】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0081】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0082】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、原画像を保持しながら、補正情報を残すことができ、かつ、画像の再生を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】補正曲線の一例を示す図、
【図2】ガンマ補正を、8ビット符号なし整数に適用した場合の入力信号値と出力信号値の対応を表す図、
【図3】実施形態の画像処理を実行可能な画像処理装置の構成例を示すブロック図、
【図4】CMMに基づき実行される画像処理部の処理を示す図、
【図5】プリンタプロファイルの概略を示す図、
【図6】プリンタプロファイルを用いた画像形成処理およびプレビュー処理にかかるカラーマッチング処理を説明する図、
【図7】プリンタプロファイルを用いた画像形成処理およびプレビュー処理にかかるカラーマッチング処理を説明する図、
【図8】AtoB情報に格納される変換処理を説明する図、
【図9】BtoA情報に格納される変換処理を説明する図、
【図10】一般的な画像補正とCMSの処理を示す図、
【図11】補正プロファイルの作成を示すフローチャート、
【図12】補正プロファイルの合成を示すフローチャート、
【図13】補正プロファイルの適用処理を示すフローチャート、
【図14】第3実施形態の補正プロファイルの適用処理を示すフローチャートである。
【発明の属する技術分野】
本発明は画像処理装置およびその方法に関し、例えば、プロファイルを利用した画像補正に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェット方式による低価格プリンタ、スキャナ、ディジタルカメラなどのカラー画像入出力機器が普及し、所謂エンドユーザによるカラー画像の扱いが増えている。
【0003】
しかし、エンドユーザは必ずしもカラー画像入出力機器に通熟しているわけではない。例えば、ディジタルカメラを用いたすべての撮影結果が良好であるとは限らない。撮影直後にディジタルカメラに付属する液晶ディスプレイで撮影画像を確認し、撮影結果が不良であれば撮影し直すこともできるが、確認しない場合、ディスプレイが付属しないなどの理由で確認できない場合もあるし、さらに一瞬のシャッタチャンスしかなければそもそも撮影し直しができない。
【0004】
そのため、自動もしくは半自動で画像を補正する方式が提案されている。これは、全画素もしくはサンプル画素を調べて画像の特徴量を算出し、その特徴量に基づき不良な画像(暗すぎる、明るすぎる、色かぶり等)と判断される場合、その特徴量に応じて各画素値を補正して、良好な画像を得ようというものである。
【0005】
画素値は整数値で表現され、典型的には画像の1チャネル当り8ビット符号なし整数で表現される。例えばRGBの場合、各チャネル8ビットとして一画素当り24ビットで表現されている。従って、画像補正を行うと、一般に、補正前の情報の一部が欠落する。
【0006】
図1は補正曲線の一例を示す図である。入力信号Inputおよび出力信号Outputは8ビット整数で、0から255の値をとる。補正曲線1001は式(1)の特性を示し、すなわち変更のない状態を表す。一方、補正曲線1002は式(2)の特性を示し、所謂ガンマ補正曲線である。なお、補正曲線1002のガンマ値γは2.2である。例えば、入力画像信号をYCbCr色空間で表し、Y成分に式(2)の補正を適用すると、画像は全体的に明るく補正される。
Output = Input …(1)
Output = (Input/255)1/2.2×255 …(2)
【0007】
式(2)自体は連続的な実数値にも適用可能であるが、先に述べたように、画素値を8ビット符号なし整数のような不連続な整数値で表す場合、小数部の丸めが発生する。その結果、階調性が失われたり、階調ジャンプが発生することになる。
【0008】
図2は式(2)が表す変換を、8ビット符号なし整数に適用した場合の入力信号値と出力信号値の対応を表す図である。図2に示すように、例えば入力信号値241から243に対応する出力信号値は何れも249で、階調性が失われることがわかる。一方、入力信号値0および1に対応する出力信号値は0および21で、階調ジャンプが発生することがわかる。
【0009】
上記のような、ガンマ補正により階調性が失われたり、階調ジャンプが発生した画像に、ガンマ値が異なるガンマ補正などを施すことは好ましくない。その場合は、原画像を保持しておき、保持した原画像にガンマ補正などを施すべきである。勿論、画像の補正結果は参照するだけにして、原画像を保持することも考えられる。しかし、毎回同じ補正処理を実行するのは冗長であるし、その補正処理を実行可能なモジュールがなければ、同様の補正結果が得られない問題もある。
【0010】
例えば特開2000−137806公報は、算出した補正パラメータを画像ファイルに付加することで、原画像を保持しながら補正情報を残す技術を開示する。しかし、残るのは補正パラメータであって、画像を再生する際は、その補正パラメータを解釈して画像を補正することが可能な装置やモジュールを必要とする。
【0011】
【特許文献1】
特開2000−137806公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の問題を個々にまたはまとめて解決するためのもので、原画像を保持しながら、補正情報を残すことができ、かつ、画像の再生を容易にすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の目的を達成する一手段として、以下の構成を備える。
【0014】
本発明は、画像、および、前記画像に関連するプロファイルを入力し、前記画像に適用すべき補正に相当する色変換を決定し、入力したプロファイルと、前記色変換とを合成した補正プロファイルを作成し、前記補正プロファイルを前記画像に関連付けて出力することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる一実施形態の画像処理装置を図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
[概要]
以下では、本発明にかかる実施形態の画像処理方法として、画像およびそれに関連するプロファイルを入力し、画像に適用すべき補正に相当する色変換を決定し、入力したプロファイルと、色変換とを合成した補正プロファイルを作成し、補正プロファイルを画像に関連付けて出力する例、並びに、画像に関連付けられた補正プロファイルを画像に適用する例を説明する。もし、画像に関連するプロファイルがない場合は、入力プロファイルの代わりに既定のプロファイルと、色変換を合成した補正プロファイルを作成する。また、補正プロファイルには、画像補正を行う色空間を規定するプロファイルを合成してもよい。
【0017】
また、画像を入力し、画像に適用すべき補正に相当する色変換を決定し、色変換から補正プロファイルを作成し、補正プロファイルを、画像に関連するプロファイルとは別に関連付けて出力する例、並びに、画像に関連付けられた補正プロファイルを画像に適用する例を説明する。この場合、補正プロファイルはICCプロファイルのアブストラクトプロファイル形式などである。
【0018】
【第1実施形態】
[構成]
図3は実施形態の画像処理を実行可能な画像処理装置の構成例を示すブロック図である。
【0019】
CPU 201は、ROM 202などに記憶された情報データ(プロファイル等)、制御プログラム、OS(オペレーティングシステム)、アプリケーションプログラム、カラーマッチングモジュール(CMM)、デバイスドライバなどに従って、RAM 203をワークエリアとして、システムバス209を介して後述する各構成を制御する。
【0020】
入力デバイス207は、CCDセンサを含むイメージスキャナなどの画像読取装置、ホストコンピュータ、スチルビデオ(SV)カメラ、ビデオカメラなどの外部機器で、図示しないインタフェイスを介して画像を入力する。出力デバイス208は、インクジェットプリンタ、熱転写プリンタ、ワイヤドットプリンタ、レーザビームプリンタなどの外部機器で、図示しないインタフェイスを介して画像を出力する。
【0021】
操作部204は、後述する出力デバイス設定部207の設定やデータの入力を行う。画像処理部205は、カラーマッチング処理を含む各種の画像処理を行う。モニタ206は、画像処理部205の処理結果や、操作部204から入力されたデータなどを表示する。
【0022】
[画像処理部]
図4はCMMに基づき実行される画像処理部205の処理を示す図である。
【0023】
カラーマッチング処理を行うカラーマッチング部301は、OSを介して入力される入力デバイス207の色空間に依存する画像データを、出力デバイス208の色空間に依存する画像データに変換する。
【0024】
入力プロファイル読出部302は、入力デバイス207の種類を示す情報が入力されると、その情報に対応するプロファイル、つまり入力デバイス207の入力特性が記述されたプロファイルを入力プロファイル記憶部304から読み出す。同様に、出力プロファイル読出部303は、出力デバイス208の種類を示す情報が入力され、出力デバイス208に設定されている「記録メディアの種類」「設定されている二値化方法」「解像度」および「インクの種類」などが入力されると、それらの情報に対応するプロファイル、つまり出力デバイス208およびその各種設定に対応する出力特性が記述された出力プロファイルを出力プロファイル記憶部305から読み出す。
【0025】
なお、実施形態の画像処理装置のROM 202には、予め接続される各種入力デバイス207および出力デバイス208の入出力特性を記述した、複数の入出力プロファイルが格納されている。従って、入力プロファイル読出部302や出力プロファイル読出部303によって、ROM 202から対応するプロファイルが読み出される。
【0026】
[プロファイルの構造]
図5はプリンタプロファイルの概略を示す図である。
【0027】
プロファイルには、各種プロファイルに関する基本情報が記述されるヘッダ、および、カラーマッチング処理に用いられる情報が記述されるテーブルが含まれる。ヘッダには、例えば、ID情報、バージョン情報、デバイスの基本的なタイプを示すデバイスクラス情報などが格納される。
【0028】
また、テーブルには、デバイスに依存しないPCS (Profile Connection Space)における画像データBを、あるデバイスの色空間に依存する画像データAに変換する処理の色処理パラメータが記載されるBtoA情報、並びに、あるデバイスの色空間に依存する画像データAをPCSの画像データBに変換する処理の色処理パラメータが記載されるAtoB情報が格納される。これらBtoAおよびAtoB情報は、CMMがサポートするカラーマッチング方法「色味優先」(Perceptual)、「測色的一致」(Colorimetric)、「彩やかさ優先」(Saturation)のそれぞれに対応して格納されている。
【0029】
色味優先は、写真などの画像に適したカラーマッチングで、色の階調を重視する。測色的一致は、ロゴなどの画像に適したカラーマッチングで、測色的に一致した色を再現することを目的とする。鮮やかさ優先は、グラフやCG(コンピュータグラフィクス)などの画像に適したカラーマッチングで、色の鮮やかさを重視する。また、図5に示す、これら色処理パラメータは、どのカラーマッチング方法に対応するかを区別するために色味優先は「01」、測色的一致は「02」、鮮やかさ優先は「03」という番号を付している。
【0030】
[カラーマッチング]
図6および図7は、図5に示すプリンタプロファイルを用いた画像形成処理およびプレビュー処理にかかるカラーマッチング処理を説明する図である。
【0031】
例えばDTP (Desk Top Publication)アプリケーションなどで生成された画像がOSを介して入力されると、CMM 40によって、画像表示デバイスであるモニタ206の色空間に依存したRGBデータ(モニタRGB)が、出力デバイス208のプリンタの色空間に依存するCMYKデータ(プリンタCMKY)に変換される(S10、S20)。具体的には、入力プロファイル読出部302によってモニタプロファイル42を読み出してAtoB情報43をCMM 40に設定し、出力プロファイル読出部303によってプリンタプロファイル45を読み出して、指定されたカラーマッチング方法に応じたBtoA情報47をCMM 40に設定する。
【0032】
AtoB情報43には、図8に示すように、入力デバイスであるモニタ206のガンマ特性に応じた逆ガンマ処理を行う三つの一次元ルックアップテーブル(1D LUT)群32と、標準空間で定義されるRGBデータをXYZデータに変換する3×3マトリクス33とが格納されている。なお、この場合、図8に示すN次元LUT(ND LUT) 31およびM個の1D LUT群30を用いる処理はスキップされる。一方、BtoA情報47には、図9に示すように、XYZ色空間で定義された画像データをL*a*b*色空間の画像データに変換する3×3マトリクス20、1D LUT群21、指定されたカラーマッチングを画像データに施してプリンタの色再現範囲内に変換する3D LUT 22、および、プリンタの階調特性に応じたガンマ補正を行う1D LUT群23が格納されている。
【0033】
そして、AtoB情報43に基づきモニタRGBデータがXYZデータ(PCSデータ)に変換され(S10)、BtoA情報46に基づきXYZデータがプリンタCMKYデータに変換される(S20)。ここで、プレビューか画像形成かに応じて(S21)、画像を形成する場合はプリンタCMKYデータを出力デバイス208に出力し(S25)、カラーマッチングを終了する。
【0034】
一方、プレビューの場合、CMM 40によって生成されたプリンタCMYKデータは、CMM 41によって、プレビュー画像を表示するモニタ206の色空間に依存するRGBデータに変換される(S30、S40)。具体的には、入力プロファイル読出部302によってプリンタプロファイル45を読み出して、指定されたカラーママッチング方法に応じたAtoB情報46をCMM 41に設定し、出力プロファイル読出部303によってモニタプロファイル42を読み出してBtoA情報44をCMM 41に設定する。
【0035】
AtoB情報46には、図8に示す、プリンタの階調特性に応じたガンマ補正を行う1D LUT群23(図9参照)の逆変換を行う1D LUT群30、1D LUT群30で処理されたプリンタCMYKデータをL*a*b*データに変換するND LUT 31、L*a*b*データをXYZデータ(PCSデータ)に変換する1D LUT群32および3×3マトリクス33を格納されている。一方、BtoA情報44には、図9に示す、3×3マトリクス33(図8参照)の逆処理を行う3×3マトリクス20、および、1D LUT群30(図8参照)の逆処理に相当するモニタガンマ補正を行う1D LUT群23が格納されている。
【0036】
そして、AtoB情報46に基づきプリンタCMYKデータがXYZデータ(PCSデータ)に変換され(S30)、BtoA情報44に基づきPCSデータがモニタRGBデータに変換され(S40)、モニタRGBデータがモニタ206に出力され(S45)、プレビュー表示される。
【0037】
[画像処理]
次に、実施形態の画像処理を説明するが、まず、補正プロファイルの作成について説明する。
【0038】
図10は一般的な画像補正とCMSの処理を示す図で、例えば図3に示した構成の装置などで実行される。
【0039】
図10において、色空間Aは原画像1501の色空間、色空間Bは補正処理1521の処理色空間、色空間Cは出力画像データ1503の色空間である。
【0040】
原画像データ1501は、色空間変換1511(色空間AからPCSへの変換)および色空間変換1512(PCSから色空間Bへの変換)により、補正前画像データ1502に変換され、さらに、補正における変換1521により補正後画像データ1503に変換される。続いて、補正後画像データ1503は、色空間変換1513(色空間BからPCSへの変換)および色空間変換1514(PCSから色空間Cへの変換)により、出力画像データ1503に変換され、表示や印刷に供される。
【0041】
なお、例えば色空間AとBが同一の色空間の場合は、色空間変換1511および1512による変換は無変換と同じである。従って、これら変換処理自体を省略することが可能であるが、その場合も、実施形態の処理が意図するところと同じである。勿論、同様に色空間BとCが同一の場合も同様である。
【0042】
図11は補正を含む変換を表すプロファイル(以下「補正プロファイル」と呼ぶ)の作成を示すフローチャートである。
【0043】
まず、画像を読み込む(S1201)。画像は例えば図3に示すRAM 203の所定領域、あるいは、図示しないハードディスクなどの補助記憶装置などに、所定のフォーマットで格納されている。画像を読み込む際には、画像に関連付けられたプロファイルがあるか否かを調べて、あればそのプロファイルを読み込み、また、処理色空間を規定するプロファイルと合わせて色空間を変換し、原画像にその色変換を適用する。なお、処理色空間は予め定めておく、あるいは、幾つかの色空間を提示してユーザに選択させる、などでよい。また、関連付けられたプロファイルがない場合は、既定の画像入力用プロファイルを適用すればよい。
【0044】
続いて、読み込んだ画像を解析する(S1202)。この解析は、この後実行する補正処理のパラメータを決定するために画像の特徴量を算出する処理で、補正処理に依存する。なお、実施形態の画像補正は、任意かつ公知のもので構わないが、以後では、次のような画像補正を例として説明する。
・処理色空間はsRGB
・RGBの各チャネル(各チャネル8ビット符号なし、256階調)の平均値に応じて、平均値の信号が入力された場合にそれが128になるようなガンマ補正を各チャネル独立に施す。
・ガンマ補正は式(3)に従う。
y = 255×(x/255)1/ γ …(3)
ここで、x: 入力信号のレベル
y: 出力レベルの信号
【0045】
従って、ステップS1202での解析処理では、入力画像の各画素を調べて各チャネルのレベル値を合計し、合計値を画素数で割ることで各チャネルの平均レベルを算出する。なお、算出された入力画像のRGB各チャネルの平均値をRave、Gave、Baveとする。
【0046】
続いて、画像に適用する補正を決定する(S1203)。上記の画像補正の場合、原画像のRGB各チャネルの平均値から、各チャネルに対するガンマ補正値γR、γG、γBを算出する。このガンマ補正値は、式(3)の変形式(4)に基づく式(5)から算出される。
γ = log(x/255)/log(y/255) …(4)
γR = log(Rave/255)/log(128/255)
γG = log(Gave/255)/log(128/255) …(5)
γB = log(Bave/255)/log(128/255)
【0047】
続いて、補正プロファイルを作成する(S1204)。図12は補正プロファイルの合成を示すフローチャートである。
【0048】
まず、原画像に関連付けられたプロファイルがあるか否かを判定する(S1301)。画像フォーマットに、画像に関連付けられたプロファイルが含まれる場合、そのプロファイルを入力プロファイルに設定する(S1302)。画像に関連付けられたプロファイルがない場合は、既定のプロファイルを入力プロファイルに設定する(S1303)。そして、補正を含む変換を表すプロファイルを合成する(S1304)。
【0049】
プロファイルの合成は、先に説明した図10に符号1531で示す変換群を表す変換を求める処理である。図10に示す色空間変換1511に対応するプロファイルは、ステップS1302もしくはS1303で設定される入力プロファイルである。また、色空間変換1512および1513に対応するプロファイルは、本実施形態の処理色空間がsRGBであるから、sRGBのプロファイルが相当する。これは予めシステムに保持されている。
【0050】
プロファイルの合成は、色空間Aによる入力値の範囲を幾つかサンプリングし、変換群1531による変換をサンプル値に逐次適用して、最終的に得られたPCSの値を求める。具体的は、色空間Aの各チャネル(チャネル数M)の定義域をそれぞれN等分し、(N+1)M通りの値について変換群1531を適用した結果のPCS値を算出する。このサンプリングした入力値と、それに対応するPCS値とからM次元LUTを構成して、先に説明したプロファイルのフォーマットに整形する。
【0051】
図11に戻ると、ステップS1204で作成した補正プロファイルを出力する(S1205)。この補正プロファイルは、原画像のフォーマットに従い、プロファイル格納用領域に格納することが好ましい。例えば、公知の、JPEG方式の画像フォーマットとして広く用いられているJFIFの場合、APP2マーカ内部のICC_PROFILEタグによって参照される領域が、プロファイル格納用領域である。また、ICCプロファイルのInput Device profile(入力デバイスプロファイル)形式でもよいし、画像ファイルと関連付けられた別ファイルとして、補正プロファイルを格納してもよい。例えば、補正プロファイルのファイル識別子の一部として、原画像のファイル識別子などを用いるなどで容易に実現される。さらに、画像ファイルと補正プロファイルの関連付けを公知のデータベースなどを用いて管理してもよい。
【0052】
[補正適用処理]
図13は補正プロファイルの適用処理を示すフローチャートである。
【0053】
まず、読み込む画像を指定を受け付ける(S1401)。例えば、RAM 203もしくは図示しないハードディスクなどに格納されている画像の一覧をモニタ206に提示し、ユーザに操作部204を操作させて、画像を選択(指定)させる。画像一覧の表示方法としては、例えば縮小画像(サムネイル)を表示したり、ファイル識別子の一覧を表示したり、それらを組み合わせてもよい。
【0054】
続いて、指定された画像の補正プロファイルを検出する(S1402)。例えば、画像のフォーマトが、JFIFなど、ファイル内にプロファイルを格納可能なフォーマットの場合、画像を読み込みながらフォーマットを解析して、プロファイルが格納されているか否かを調べる。フォーマットがJFIFの場合、APP2マーカを検出し、さらにICC_PROFILEタグを検出することで実現される。あるいは、補正プロファイルが別ファイルの場合は、画像ファイルと関連付けられたプロファイルファイルがあるか否かを調べればよい。そして、補正プロファイルが検出された場合はそのプロファイルを読み込む。
【0055】
続いて、補正プロファイルが検出されなかった場合は、補正プロファイルを適用せずに、指定された画像を読み込む(S1407)。あるいは、システムに既定のプロファイルを適用してもよい。
【0056】
補正プロファイルが検出された場合は、補正プロファイルを適用するか否かを示すユーザ指示を受付ける。これは、モニタ206に補正プロファイルを適用するか否かを問い合せるメッセージなどを表示し、操作部204を介してユーザの指示を受付ければよい。
【0057】
ユーザが補正プロファイルを適用しないと指示した場合、補正プロファイルが検出されなかった場合は、補正プロファイルを適用せずに、指定された画像を読み込む(S1407)。また、ユーザが補正プロファイルの適用を指示した場合、検出した補正プロファイルを適用して、選択された画像を変換して読み込む(S1406)。補正プロファイルの適用は、通常のプロファイルの適用と同様である。しかし、補正プロファイルにより、図10に符号1531で示す補正群と等価な変換、つまり画像補正が行われるから、補正プロファイルの適用により補正が施された画像が得られることになる。
【0058】
なお、上記では、好適な例として、補正プロファイルを適用するか否かをユーザに問い合わせる処理と、ユーザ指示による処理の分岐とを含むが、これらを省略して、補正プロファイルを検出したか否かだけで補正プロファイルを適用するか否か決定するように構成してもよい。
【0059】
また、上記では、補正方式として単純なガンマ補正を例として説明したが、例えばYCbCr色空間やCIE L*a*b*色空間のような輝度、色相、彩度に分離された色空間において、色相を変換したり、または、彩度を上げ下げするような処理、あるいは、それらの組み合わせのような複雑な補正処理であってもよい。
【0060】
また、上記では、画像を自動的に補正する場合を説明したが、補正方式は任意で、例えばユーザが補正値を直接指示するような補正方式でもよい。その場合、ステップS1202の画像解析処理は省略可能である。
【0061】
このように、本実施形態によれば、画像を読み込む際に補正プロファイルを適用するだけで画像に補正が施される。従って、原画像を保持しながら、補正情報を残すことができ、かつ、補正済みの画像を再生する際はカラーマッチングを行う画像処理部によって画像を補正することが可能になる。
【0062】
【第2実施形態】
以下、第2実施形態を説明するが、第1実施形態と同様な構成には、同一符号を付して、その詳細説明を省略する。
【0063】
第1実施形態では補正処理を含む補正プロファイルを多次元LUTの形で画像ファイルに格納する例を説明したが、幾つかの特定の場合、多次元LUT以外の形式のプロファイルを作成することが可能である。例えば、図10において、色空間AとBが同一の場合、かつ、第1実施形態で説明したような補正方式の場合、その補正処理は色空間変換処理1513の1D LUTと合成することが可能である。この場合、色空間変換処理1513が1D LUTのみ、もしくは、1D LUTとマトリクス演算の構成である場合、合成後の補正プロファイルによる変換も色空間変換処理1513と同じ形式にすることができる。
【0064】
また、例えば色空間BがYCbCr色空間のような明るさ、色相および彩度によって既定される空間で、補正処理が色空間Bにおける回転処理や拡大処理といったマトリクス演算で表現可能な形式である場合も、色空間変換処理1513の1D LUTが入力信号に比例するような変換であれば、補正プロファイルをマトリクス演算の形式で表すことができる。
【0065】
これらの場合、多次元LUTを参照する処理における格子間の値を得る補間処理が不要になり、補正プロファイルによる変換精度が向上する利得がある。
【0066】
【第3実施形態】
以下、第3実施形態を説明するが、第1実施形態と同様な構成には、同一符号を付して、その詳細説明を省略する。
【0067】
第1実施形態では、画像の元々のプロファイル(入力プロファイル)と補正処理とを結合して一つの補正プロファイルにする処理例を説明したが、第3実施形態では、入力プロファイルと補正プロファイルとを別ける例を説明する。
【0068】
ICC (International Color Consortium)が規定するICCプロファイルには、Abstract profile(アブストラクトプロファイル)が規定されている。このAbstract profileによる変換は入出力ともにPCSで、ユーザの主観的な色変換を表すのに用いられる。第3実施形態では、図10に示す変換群1532による変換をAbstract profile形式にするもので、第1実施形態で説明した手順に従い、画像補正処理を決定し、さらに変換群1532を合成したAbstract profile形式の補正プロファイルを出力する。
【0069】
ICCプロファイルの仕様によれば、このAbstract profileを画像ファイルに格納してはいけないことになっている。そこで、プロファイルが通常格納される領域には入力プロファイル(図10の場合は色空間Aのプロファイル)を格納し、それ以外の領域に補正プロファイルを格納する。例えば画像フォーマットのユーザ領域、コメント領域などをあてることができる。ユーザ領域およびコメント領域の例としては、公知のExifフォーマットのメーカノート領域やユーザコメント領域があげられる。そして、補正プロファイルを適用する際は、画像ファイルの読込時に、通常のプロファイル検出するほか、ユーザ領域やコメント領域に格納された補正プロファイルを探す。
【0070】
図14は第3実施形態の補正プロファイルの適用処理を示すフローチャートである。
【0071】
ユーザが読み込む画像を指定すると(S1401)、第1実施形態(図13参照)に示した処理では補正プロファイルを検出し読み込むが、第3実施形態では入力プロファイルを検出し読み込む(S1601)。
【0072】
続いて、入力プロファイルが検出された否かを判定し(S1602)、検出された場合は入力プロファイルを適用するか否かを示すユーザ指示を受け付ける(S1603)。例えば、モニタ206に入力プロファイルを適用をするか否かを問い合せるメッセージなどを表示して、操作部204を介してユーザの指示を受け付ければよい。
【0073】
次に、ユーザ指示を判定して(S1604)、入力プロファイルを適用する場合は読み込んだ入力プロファイルをセットする(S1605)。
【0074】
また、入力プロファイルが検出されなかった場合、あるいは、ユーザが入力プロファイルを適用しないことを指示した場合、入力プロファイルとして既定のプロファイルをセットする(S1606)。
【0075】
続いて、指示された画像から補正プロファイルを検出し読み込む(S1402)。ただし、第1実施形態とは異なり、上述したように、画像ファイルフォーマットのユーザ領域やコメント領域などを調べて補正プロファイルを検出する。
【0076】
以降の処理は第1実施形態と同様であるから、説明を省略する。
【0077】
このうように、第3実施形態によれば、入力プロファイルとは別に補正プロファイルを画像ファイルに格納して、補正プロファイルの適用ありなしに加え、入力プロファイルによるカラーマッチングありなしをユーザに選択させることができる。
【0078】
上述した実施形態によれば、原画像を保持することができるから、補正なし画像、補正あり画像を選択的に容易に再現することが可能になる。また、補正あり画像を再生する場合は、一般のCMSシステムがあればよく、補正のための専用の装置やモジュールを用意する必要がない。
【0079】
【他の実施形態】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0080】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0081】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0082】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、原画像を保持しながら、補正情報を残すことができ、かつ、画像の再生を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】補正曲線の一例を示す図、
【図2】ガンマ補正を、8ビット符号なし整数に適用した場合の入力信号値と出力信号値の対応を表す図、
【図3】実施形態の画像処理を実行可能な画像処理装置の構成例を示すブロック図、
【図4】CMMに基づき実行される画像処理部の処理を示す図、
【図5】プリンタプロファイルの概略を示す図、
【図6】プリンタプロファイルを用いた画像形成処理およびプレビュー処理にかかるカラーマッチング処理を説明する図、
【図7】プリンタプロファイルを用いた画像形成処理およびプレビュー処理にかかるカラーマッチング処理を説明する図、
【図8】AtoB情報に格納される変換処理を説明する図、
【図9】BtoA情報に格納される変換処理を説明する図、
【図10】一般的な画像補正とCMSの処理を示す図、
【図11】補正プロファイルの作成を示すフローチャート、
【図12】補正プロファイルの合成を示すフローチャート、
【図13】補正プロファイルの適用処理を示すフローチャート、
【図14】第3実施形態の補正プロファイルの適用処理を示すフローチャートである。
Claims (11)
- 画像、および、前記画像に関連するプロファイルを入力し、
前記画像に適用すべき補正に相当する色変換を決定し、
入力したプロファイルと、前記色変換とを合成した補正プロファイルを作成し、
前記補正プロファイルを前記画像に関連付けて出力することを特徴とする画像処理方法。 - 前記画像に関連するプロファイルがない場合、前記入力プロファイルの代わりに既定のプロファイルを用いて、前記色変換を合成した補正プロファイルを作成することを特徴とする請求項1に記載された画像処理方法。
- 前記補正プロファイルには、画像補正を行う色空間を規定するプロファイルも合成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された画像処理方法。
- 前記補正プロファイルはICCプロファイル形式であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載された画像処理方法。
- 前記補正プロファイルはICCプロファイルの入力デバイスプロファイル形式であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載された画像処理方法。
- 画像、および、前記画像に関連するプロファイルを入力する入力手段と、
前記画像に適用すべき補正に相当する色変換を決定する決定手段と、
入力したプロファイルと、前記色変換とを合成した補正プロファイルを作成する作成手段と、
前記補正プロファイルを前記画像に関連付けて出力する出力手段とを有することを特徴とする画像処理装置。 - 画像を入力し、
前記画像に適用すべき補正に相当する色変換を決定し、
前記色変換から補正プロファイルを作成し、
前記補正プロファイルを、前記画像に関連するプロファイルとは別に関連付けて出力することを特徴とする画像処理方法。 - 前記補正プロファイルはICCプロファイルのアブストラクトプロファイル形式であることを特徴とする請求項7に記載された画像処理方法。
- 請求項1から請求項8の何れかに記載された画像処理を画像処理装置に実行させることを特徴とするプログラム。
- 請求項9に記載されたプログラムが記録されたことを特徴とする記録媒体。
- 画像を入力する入力手段と、
前記画像に適用すべき補正に相当する色変換を決定する決定手段と、
前記色変換から補正プロファイルを作成する作成手段と、
前記補正プロファイルを、前記画像に関連するプロファイルとは別に関連付けて出力する出力手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
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