JP2004297390A - 出力画像の色再現調整 - Google Patents

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Michinao Osawa
道直 大澤
Kentaro Miyazaki
堅太郎 宮▲崎▼
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Abstract

【課題】画像生成装置の違いによらず、画質を適切に調整することを目的とする。
【解決手段】画像生成装置によって生成された対象画像データを用いて画像を出力する方法であって、(a)前記画像生成装置によって生成された任意の画像データのための色再現情報として(i)前記画像生成装置を用いて生成された任意の画像データの色較正に利用される色較正情報と(ii)前記画像生成装置を用いて撮像される任意の画像内の特定の記憶色に近い所定の範囲の色を対象とした色修正に利用される記憶色情報と、を含む色再現情報を、少なくとも前記画像生成装置の型式毎に準備する工程と、(b)前記画像生成装置によって生成された対象画像データに関して、前記色較正情報を用いた色較正と前記記憶色情報を用いた色修正とを含む複数の処理を実行することによって、処理済み画像データを生成する工程と、(c)前記処理済み画像データに基づいて画像を出力する工程と、を備える画像出力方法を用いる。
【選択図】 図12

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像データの画質を調整をする画質調整技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像の出力装置としては、例えば、CRT、LCD、プリンタ、プロジェクタ、テレビ受像器などが知られており、これらの装置を用いることによって、画像データに基づいた画像を出力することが可能である。このような画像データは、デジタルスチルカメラ(DSC)やデジタルビデオカメラ(DVC)、スキャナ等の画像生成装置を用いて生成することができる。このような画像生成装置は、近年、広く普及しつつあり、また、より高画質な画像を出力することが望まれつつある。
【0003】
このような画像データの画質は、例えば、パーソナルコンピュータ上で画像レタッチアプリケーションを用いることによって任意に調整することができる。画像レタッチアプリケーションには、一般的に、画像データの画質を自動的に調整する画像調整機能が備えられており、この画像調整機能を利用すれば、出力装置から出力する画像の画質を向上させることができる。また、出力装置の1つであるプリンタの動作を制御するプリンタドライバにも、画質を自動的に調整する機能が備えられており、このようなプリンタドライバを利用しても、印刷される画像の画質を向上させることができる。
【0004】
これらの画像データの画質を決める重要な要素の1つに、色の再現性がある。画像データの色が、ユーザが好ましいと感じる色で再現されていれば、ユーザは、その画像を高画質な画像として認識することができる。特に、人が着目しやすい領域の色が好ましい色で再現されていれば、高画質な画像として認識することができる。このような着目しやすい領域としては、例えば、人物画像における人の肌色領域や、風景画像における空の青色領域や山の緑色領域などがある(このような、人が着目しやすい領域の色は記憶色と呼ばれる)。そこで、画像データの中の記憶色に近い所定の色範囲の色を、ユーザが好ましいと感じる色(目標色)に近くなるように調整して、画質を向上させる方法が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−169135号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
これら画像レタッチアプリケーションやプリンタドライバなどの画質調整アプリケーションによって提供される画質調整機能では、一般的な画質特性を有する画像データを基準として画質調整が実行されていた。ところが、画像データ生成装置が画像データを生成する際に用いる色空間は、画像データ生成装置によって異なる場合がある。そのため、画像データ生成装置が異なる場合には、同じ被写体を撮影した画像データであっても、その画質特性、特に、色の再現性が異なる場合があった。その結果、画像データを生成した画像生成装置によっては、その画像データに対して一般的な画像データを基準とした画質調整処理を実行しても、意図した色に調整されない場合があった。
【0007】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、画像生成装置の違いによらず、画質を適切に調整することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記課題の少なくとも一部を解決するために、この発明による画像出力方法は、画像生成装置によって生成された対象画像データを用いて画像を出力する方法であって、(a)前記画像生成装置によって生成された任意の画像データのための色再現情報として、(i)前記画像生成装置を用いて生成された任意の画像データの色較正に利用される色較正情報と、(ii)前記画像生成装置を用いて撮像される任意の画像内の特定の記憶色に近い所定の範囲の色を対象とした色修正に利用される記憶色情報と、を含む色再現情報を、少なくとも前記画像生成装置の型式毎に準備する工程と、(b)前記画像生成装置によって生成された対象画像データに関して、前記色較正情報を用いた色較正と前記記憶色情報を用いた色修正とを含む複数の処理を実行することによって、処理済み画像データを生成する工程と、(c)前記処理済み画像データに基づいて画像を出力する工程と、を備える。
【0009】
この発明による画像出力方法によれば、色較正情報と記憶色情報とに基づいて色較正処理と色修正処理とが実行されるので、画像生成装置の違いによらず、画質を適切に調整することができる。
【0010】
上記画像出力方法において、前記色較正情報は、前記画像生成装置を用いて色見本を含む原画を撮像して得られた画像データから前記原画を再現する際に、前記原画の色を忠実に再現するための色較正に利用される情報であることが好ましい。
【0011】
こうすることで、色の再現性をより向上させる色較正情報を準備することができる。
【0012】
上記各画像出力方法において、前記色較正情報は、前記画像生成装置によって生成された任意の画像データの色空間を第1の色空間から第2の色空間へ変換する色空間変換処理を規定する色空間変換プロファイルを含み、前記対象画像データに関する前記色較正は、前記対象画像データに関して前記色空間変換処理を実行することによって実現されることが好ましい。
【0013】
こうすることで、色較正を色空間変換プロファイルを用いて容易に実行することができる。
【0014】
上記各画像出力方法において、前記第1の色空間は、前記画像生成装置が前記対象画像データを生成する際に使用した色空間であり、前記第2の色空間は、装置非依存色空間であることが好ましい。
【0015】
こうすることで、色較正を装置非依存色空間を用いて行うので、容易に色の再現性を向上させることができる。
【0016】
上記各画像出力方法において、前記工程(a)は、前記画像生成装置の複数の型式に対応した複数の前記色再現情報を準備する工程を含み、前記工程(b)は、前記複数の色再現情報の中から、前記画像生成装置の型式に応じて前記画像生成装置に適した1つの色再現情報を選択する工程を含むことが好ましい。
【0017】
こうすることで、画像の出力に適した色再現情報を、型式に応じて適切に選択することができる。
【0018】
上記各画像出力方法において、前記工程(a)は、複数の前記色再現情報を準備する工程を含み、前記工程(b)は、前記複数の色再現情報の中から、ユーザの指示に応じて1つの色較正情報を選択する工程を含むことが好ましい。
【0019】
こうすることで、ユーザの指示に応じた色再現情報を用いて色較正と色修正とが実行されるので、ユーザの好みに応じて画質を適切に調整することができる。
【0020】
また、上記課題の少なくとも一部を解決するために、この発明による画像ファイル生成方法は、画像生成装置によって生成された対象画像データを含む画像ファイルを生成する画像ファイル生成方法であって、(a)前記画像生成装置によって生成された任意の画像データのための色再現情報として、(i)前記画像生成装置を用いて生成された任意の画像データの色較正に利用される色較正情報と、(ii)前記画像生成装置を用いて撮像される任意の画像内の特定の記憶色に近い所定の範囲の色を対象とした色修正に利用される記憶色情報と、を含む色再現情報を、少なくとも前記画像生成装置の型式毎に準備する工程と、(b)前記色再現情報を、前記対象画像データに関連付けて格納する色再現情報付き画像ファイルを生成する工程、を備える。
【0021】
この発明による画像ファイル生成方法によれば、対象画像データと色再現情報とが関連付けられた色再現情報付き画像ファイルを生成することができる。このような色再現情報付き画像ファイルを用いることによって、画像の出力に適した色再現情報を記憶していない出力システムから画像を出力する場合でも、色再現情報付き画像ファイルに含まれる色再現情報を用いて画質を適切に調整した画像を得ることができる。
【0022】
上記画像ファイル生成方法において、前記色較正情報は、前記画像生成装置を用いて色見本を含む原画を撮像して得られた画像データから前記原画を再現する際に、前記原画の色を忠実に再現するための色較正に利用される情報であることが好ましい。
【0023】
こうすることで、色の再現性をより向上させる色較正情報を対象画像データに関連付けることができる。
【0024】
上記各画像ファイル生成方法において、前記色較正情報は、前記画像生成装置によって生成された任意の画像データの色空間を第1の色空間から第2の色空間へ変換する色空間変換処理を規定する色空間変換プロファイルを含み、前記対象画像データに関する前記色較正は、前記対象画像データに関して前記色空間変換処理を実行することによって実現されることが好ましい。
【0025】
こうすることで、色較正を色空間変換プロファイルを用いて容易に実行することができる画像ファイルを生成することができる。
【0026】
上記各画像ファイル生成方法において、前記第1の色空間は、前記画像生成装置が前記対象画像データを生成する際に使用した色空間であり、前記第2の色空間は、装置非依存色空間であることが好ましい。
【0027】
こうすることで、色較正を装置非依存色空間を用いて行うので、色再現性の向上が容易な画像ファイルを生成することができる。
【0028】
上記各画像ファイル生成方法において、前記工程(a)は、前記画像生成装置の複数の型式に対応した複数の前記色再現情報を準備する工程を含み、前記工程(b)は、前記複数の色再現情報の中から、前記画像生成装置の型式に応じて前記画像生成装置に適した1つの色再現情報を選択する工程を含むことが好ましい。
【0029】
こうすることで、画像の出力に適した色再現情報を、型式に応じて適切に選択することができる。
【0030】
上記各画像ファイル生成方法において、前記工程(a)は、複数の前記色再現情報を準備する工程を含み、前記工程(b)は、前記複数の色再現情報の中から、ユーザの指示に応じて1つの色再現情報を選択する工程を含むことが好ましい。
【0031】
こうすることで、ユーザの好みの色再現情報を対象画像データに関連付けることができる。
【0032】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、画像の出力方法および画像の出力装置、画像データ処理方法および画像データ処理装置、これらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.色管理画像出力システム:
B.色管理画像出力処理の第1実施例:
C.プロファイル付き画像ファイル生成処理の第1実施例:
D.画質調整アプリケーションの第2実施例:
E.変形例:
【0034】
A.色管理画像出力システム:
図1は、本発明の一実施例としての色管理画像出力システムの全体構成を示す説明図である。この色管理画像出力システムは、ネットワークNETを介して接続されたメディアプロファイルサーバ110と、デジタルフィルムプロファイルサーバ120と、クライアント装置としての出力システム200と、画像生成装置としてのDSC(デジタルスチルカメラ)600とを備えている。なお、「デジタルフィルムプロファイル」という名前は、後述するように、色再現特性を規定する情報(色再現情報)に付けられた名前である。この名前は、銀塩写真を生成する際に、好みの発色特性を有するフィルムを選択して用いるのと同様に、好みの発色特性を有するデジタルフィルムプロファイルを選択して用いることができることに由来している。
【0035】
出力システム200は、画像データ処理装置としてのコンピュータ300と、画像を出力する画像出力部としてのプリンタ400とを備えている。コンピュータ300とプリンタ400とは、ケーブルを介して互いに接続されており、印刷データ等の画像データの送受信を行うことが可能である。プリンタ400はその動作を制御する制御回路(図示せず)を備えており、受信した画像データに基づく画像の出力処理を実行する。画像出力部としては、プリンタ400の他に、CRTディスプレイ、LCDディスプレイ等のモニタ500、プロジェクタ等を用いることができる。なお、画像データ処理装置としてのコンピュータ300と、画像出力部としてのプリンタ400とは、広義の「出力装置」と呼ぶことができる。
【0036】
出力システム200は、画像生成装置としてのDSC600によって生成された入力画像データGD1に基づいた画像を出力することが可能である。画像生成装置としては、DSC600の他に、デジタルビデオカメラ(DVC)、スキャナ等を用いることができる。図1の例ではDSC600がケーブルCBを介してコンピュータ300に接続されており、コンピュータ300は、ケーブルCBを介して入力画像データGD1を受信することが可能である。また、DSC600が生成した入力画像データGD1をメモリーカード(図示せず)に格納し、入力画像データGD1が記録されたメモリーカードを、コンピュータ300に装着することによって、コンピュータ300が入力画像データGD1を読み込む構成を用いてもよい。また、DSC600をネットワークNETに接続し、コンピュータ300がネットワークNETを経由して入力画像データGD1を受信する構成とすることもできる。なお、画像生成装置は入力画像データGD1を含む画像ファイルを生成することが一般的である。そのため、入力画像データGD1の送受信を行う際には、入力画像データGD1を含む画像ファイルの送受信が行われる。
【0037】
コンピュータ300上では、画質調整アプリケーション320と、プロファイル付き画像ファイル生成アプリケーション340とが動作可能である。画質調整アプリケーション320は、入力画像データGD1に対し、デジタルフィルムプロファイルDPFとメディアプロファイルMPFとを用いた画質調整処理を実行して出力画像データGD2を作成する(詳細は後述)。この出力画像データGD2はプリンタ400に送信され、プリンタ400は出力画像データGD2に基づく画像を出力する。出力画像データGD2の形式がプリンタ400に適合していない場合には、プリンタ400に適合する印刷データPDが出力画像データGD2に基づいて作成され、作成された印刷データPDがプリンタ400に送信される。いずれの場合も、プリンタ400は、出力画像データGD2に基づいて画像を出力するということができる。このような印刷データ作成機能は、コンピュータ300上で動作するプリンタドライバによって実行されることが一般的である。なお、プリンタドライバが画質調整アプリケーション320として機能する場合には、画質調整アプリケーション320が出力画像データGD2に基づく印刷データPDを作成する。
【0038】
プロファイル付き画像ファイル生成アプリケーション340は、入力画像データGD1と、デジタルフィルムプロファイルDPFとを含むプロファイル付き画像ファイルの作成処理を実行する。
【0039】
なお、画質調整アプリケーション320は、画像出力部から画像を出力するための出力画像データを生成する機能を実現するためのプログラムに相当する。また、プロファイル付き画像ファイル生成アプリケーション340は、入力画像データとデジタルフィルムプロファイルとを関連付けて格納するプロファイル付き画像ファイルを作成する機能を実現するためのプログラムに相当する。これらのプログラム320、340は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で供給される。このような記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用できる。
【0040】
メディアプロファイルサーバ110は、画質調整処理に用いるメディアプロファイルMPFの作成を支援し、メディアプロファイルMPFの提供を行うサーバである。デジタルフィルムプロファイルサーバ120は、画質調整処理に用いるデジタルフィルムプロファイルの作成を支援し、デジタルフィルムプロファイルの提供を行うサーバである。これら2つのサーバ110、120は、別々のコンピュータハードウェア上で実現されていてもよく、あるいは、同一のコンピュータハードウェア上で実現されていてもよい。また、2つのサーバ110、120によるサービスを1つのサーバで提供するようにしてもよい。
【0041】
2つのサーバ110、120は、ユーザに対して画像出力用のプロファイルの提供を行うために、種々のデータやプログラムモジュールを格納している。すなわち、メディアプロファイルサーバ110は、出力装置プロファイルとしてのメディアプロファイルMPFを格納するメディアプロファイル格納部118と、メディアプロファイルMPFを作成するメディアプロファイル作成部112と、メディアプロファイル作成用のテストチャートデータ格納部114とを有している。デジタルフィルムプロファイルサーバ120は、デジタルフィルムプロファイルDPFを格納するデジタルフィルムプロファイル格納部128と、デジタルフィルムプロファイルDPFを作成するデジタルフィルムプロファイル作成部122と、デジタルフィルムプロファイル作成用のテストチャートデータ格納部124とを有している。これらのデータやモジュールの内容については後述する。
【0042】
図2は、コンピュータ300の構成を示すブロック図である。コンピュータ300は、送受信部306と、デジタルフィルムプロファイル記憶部302と、メディアプロファイル記憶部304とを備えている。また、コンピュータ300上では、画質調整アプリケーション320とプロファイル付き画像ファイル生成アプリケーション340とが動作可能である。
【0043】
送受信部306はネットワークNETを介したデータの送受信処理を実行する。
【0044】
デジタルフィルムプロファイル記憶部302とメディアプロファイル記憶部304とは、コンピュータ300の図示しないメモリやハードディスク内に構成される。デジタルフィルムプロファイル記憶部302はデジタルフィルムプロファイルDPFを記憶し、メディアプロファイル記憶部304はメディアプロファイルMPFを記憶する。デジタルフィルムプロファイルDPFとメディアプロファイルMPFとは、画質調整アプリケーション320が画質調整処理を実行する際に用いられる。これらのプロファイルは、デジタルフィルムプロファイルサーバ120の送受信部126と、メディアプロファイルサーバ110の送受信部116から、それぞれ、ネットワークNETを介してダウンロードすることが可能である(詳細は後述)。
【0045】
画質調整アプリケーション320は、フロントエンドモジュール336とバックエンドモジュール338とを備えている。フロントエンドモジュール336は、入力色空間変換部322と、画質補正部326と、第1選択部330とを備えている。入力色空間変換部322は、入力画像データGD1に対し、デジタルフィルムプロファイルDPFに基づいた入力色空間変換処理を実行する。画質補正部326は、入力色空間変換処理がなされた画像データに対し、デジタルフィルムプロファイルDPFに基づいた記憶色調整処理を実行する。第1選択部330は、入力色空間変換部322と画質補正部326とが用いるデジタルフィルムプロファイルDPFの選択処理を実行する。このようなデジタルフィルムプロファイルDPFに基づいた処理を実行するフロントエンドモジュール336は、画質調整アプリケーション320のプラグインモジュールとして実装してもよい。
【0046】
バックエンドモジュール338は、画像処理部325と、出力色空間変換部324と、第2選択部332とを備えている。画像処理部325は、記憶色調整処理がなされた画像データに対し、ユーザの指示に応じて明度調整処理等の画像処理を実行する。また、画像処理部325は、必要に応じて画像データを表現する色空間を変換することもできる。出力色空間変換部324は、画像処理部325による処理がなされた画像データに対し、メディアプロファイルMPFに基づいた出力色空間変換処理を実行する。第2選択部332は、出力色空間変換部324が用いるメディアプロファイルMPFの選択処理を実行する。なお、以下の説明では、ユーザの指示が無く、画像処理部325による処理が省略されたものとする。また、プリンタドライバが画質調整アプリケーション320として機能する構成を用いる場合には、画像処理部325は省略されることが一般的である。
【0047】
上述した3つの処理(入力色空間変換処理、出力色空間変換処理、記憶色調整処理)によって、入力画像データGD1に基づく出力画像データGD2が生成される。これらの画質調整処理(入力色空間変換処理、出力色空間変換処理、記憶色調整処理)と選択処理の詳細については後述する。なお、記憶色調整処理は、画像出力部から画像を出力する処理よりも前に実行すればよい。例えば、入力色空間変換処理の前の入力画像データGD1に対して実行してもよく、また、出力色空間変換処理の後の画像データに対して実行してもよい。
【0048】
プロファイル付き画像ファイル生成アプリケーション340は、画像ファイル生成部342と選択部344とを備えている。画像ファイル生成部342は、入力画像データGD1とデジタルフィルムプロファイル記憶部302に記憶されているデジタルフィルムプロファイルDPFとを含むプロファイル付き画像ファイルの生成処理を実行する。選択部344は画像ファイル生成処理に用いるデジタルフィルムプロファイルDPFの選択処理を実行する。これらの処理の詳細については後述する。
【0049】
画質調整アプリケーション320やプロファイル付き画像ファイル生成アプリケーション340の機能は、コンピュータ300の図示しないメモリやハードディスクに格納されたコンピュータプログラムをコンピュータ300が実行することによって実現される。
【0050】
B.色管理画像出力処理の第1実施例:
図3は、デジタルフィルムプロファイルDPFとメディアプロファイルMPFとを用いた色管理画像出力処理を示すフローチャートである。ステップS100では、メディアプロファイルMPFの準備処理が実行される。メディアプロファイルMPFは、プリンタ400の色再現範囲と整合する色空間に関する情報を含んでいる。本実施例では、この色空間としてモニタ用のsRGB色空間よりも広いRGB色空間(「wRGB色空間」と呼ぶ)を用いているものとする。以下の説明では、この色空間を「プリンタに適した色空間wRGB」と呼ぶ。プリンタ400は、プリンタに適した色空間wRGBで表現された出力画像データGD2、もしくは、出力画像データGD2に基づいて生成された印刷データPDに従って画像の出力処理を実行する。すなわち、プリンタ400は、プリンタに適した色空間wRGBで表現された出力画像データGD2に基づいて画像を出力することが可能であるということができる。メディアプロファイルMPFは、このプリンタに適した色空間wRGBと出力された画像の色との関係に関する情報を含んでおり、プリンタ400によって忠実な色再現を行うために利用される。このようなメディアプロファイルMPFは、画像出力に用いる印刷媒体やインクの種類等の出力条件に応じて準備され、コンピュータ300の(図2)のメディアプロファイル記憶部304に記憶される。画像を出力するための出力条件に対応したメディアプロファイルMPFが記憶されていない場合には、メディアプロファイルMPFを、メディアプロファイルサーバ110からネットワークNETを介してコンピュータ300へとダウンロードすることができる。また、メディアプロファイルサーバ110がプリンタ400に対応したメディアプロファイルMPFを格納していない場合には、メディアプロファイルサーバ110を利用して新たに作成することができる。これらの処理の詳細については後述する。
【0051】
次のステップS110では、デジタルフィルムプロファイルDPFの準備処理が実行される。デジタルフィルムプロファイルDPFは、DSC600等の画像生成装置が入力画像データGD1を生成する際に使用した色空間(例えば、sRGB色空間や他の特定のRGB色空間)に関する情報を含んでいる。以下の説明では、この色空間を「DSCの色空間iRGB」と呼ぶ。入力画像データGD1は、このDSCの色空間iRGBで表現されている。また、画像生成装置の中には、生成した画像データを圧縮するものもある。このような圧縮された画像データを扱う場合には、圧縮画像データを伸長し、色空間変換を行うことによってDSCの色空間iRGBで表現された入力画像データGD1を得ることができる。さらに、デジタルフィルムプロファイルDPFは、画像データの中の予め設定された記憶色に近い所定の色範囲の色を予め設定された目標色に近づくように調整するための記憶色パラメータを含んでいる。このようなデジタルフィルムプロファイルDPFは、画像生成装置の型式に応じて準備され、コンピュータ300(図2)のデジタルフィルムプロファイル記憶部302に記憶される。画像生成装置に対応したデジタルフィルムプロファイルDPFが記憶されていない場合には、デジタルフィルムプロファイルサーバ120からネットワークNETを介してコンピュータ300へとダウンロードすることができる。また、デジタルフィルムプロファイルサーバ120が画像生成装置に対応したデジタルフィルムプロファイルDPFを格納していない場合には、デジタルフィルムプロファイルサーバ120を利用して新たに作成することができる。これらの処理の詳細については後述する。
【0052】
次のステップS120では、画像の出力処理が実行される。このステップS120では、画質調整アプリケーション320(図2)による、デジタルフィルムプロファイルDPFとメディアプロファイルMPFとを用いた画質調整処理が実行され、出力画像データが生成される。次に、プリンタ400が、出力画像データに基づいて画像を出力する。これらの処理の詳細については後述する。
【0053】
B1.メディアプロファイル準備処理:
図4は、メディアプロファイル準備処理(図3、S100)を示すフローチャートである。このフローチャートは、プリンタ400用のメディアプロファイルMPFの作成から、メディアプロファイル記憶部304(図2)への記憶までの一連の処理を示している。図4の左側は出力システム200で実行される処理を示しており、右側はメディアプロファイルサーバ110で実行される処理を示している。
【0054】
本実施例では、ユーザは、画質調整アプリケーション320の設定画面を通じて、図4の一連の処理に対する指示を行うことができる。図5は、画質調整アプリケーション320の設定画面の一例を示している。図示されているように、画面中にはテストチャート設定部TCSAと、メディアプロファイルダウンロード設定部MPFSAとを有している。このような設定画面はモニタ500に表示される。
【0055】
ユーザは、テストチャート設定部TCSAを操作することによって、テストチャートの出力に用いるテストチャートデータの選択を行うことができる。テストチャートは、複数の色に対応する複数のカラーパッチで構成された画像である。カラーバッチの色がプリンタ400の色の再現範囲内に広く分布するように、テストチャートは、色相、彩度、明度の少なくとも一部が互いに異なる複数のカラーパッチで構成されている。テストチャートデータは、プリンタ400にテストチャートを出力させるための画像データであり、プリンタに適した色空間wRGBで表現された画像データとすることが好ましい。
【0056】
テストチャートデータはメディアプロファイルサーバ110に格納されている。ユーザがダウンロード開始ボタンTCDAを操作すると(S202:Y)、メディアプロファイルサーバ110から出力システム200へテストチャートデータが送信される(S204)。引き続いて、ユーザがテストチャート出力開始ボタンTCOAを操作すると、受信したテストチャートデータに基づくテストチャートがプリンタ400から出力される(S206)。
【0057】
テストチャートデータをダウンロードする代わりに、既に保存してあるテストチャートデータを用いることもできる。このようなテストチャートデータとして、例えば、過去にダウンロードしたデータや、画質調整アプリケーション320とともに提供された標準のテストチャートデータなどを用いることができる。ユーザは、保存してあるテストチャートデータを、図5の設定画面のテストチャートデータファイル設定部TCFAを操作して設定することができる(図4:S200)。
【0058】
次に、ステップS208では、ステップS206で出力したテストチャートの各カラーパッチの測色処理が行われる。測色処理は測色計を用いて行われる。測色の結果得られるデータは、プリンタやモニタ等のデバイスに依存しない色空間、例えば、L*a*b*色空間やXYZ色空間で表されたデータである。このように、ステップS208では、各カラーパッチの測色を行うことによって、プリンタに適したwRGB色空間と装置非依存色空間との対応関係を決定することができる。なお、ステップS206で出力されたテストチャートは、郵送や持ち込み等の方法を用いて測色を行うオペレータのところへ送付される。このオペレータは、メディアプロファイルサーバ110(図1)の管理も行っている。
【0059】
次に、ステップS210では、プリンタに適したwRGB色空間と装置非依存色空間(例えばL*a*b*色空間)との対応関係を表すパラメータ値の算出処理が、メディアプロファイル作成部112(図1)によって実行される。一般的に、2つの色空間の対応関係を表す方法としては、種々の方法を用いることができ、例えば、マトリックスを用いて表す方法や、γ補正等の所定の関数を用いて表す方法や、ルックアップテーブルを用いて表す方法を用いることができる。本実施例では、ルックアップテーブルNを用いて、wRGB色空間とL*a*b*色空間との対応関係を表すものとする。
【0060】
このように、本実施例においては、プリンタに適したwRGB色空間とL*a*b*色空間とは、ルックアップテーブルNで関係付けられている。ステップS210では、ルックアップテーブルNが、ステップS208の測色処理の結果に基づいて設定される。このようにして得られるルックアップテーブルNが、メディアプロファイルMPFとして用いられる。すなわち、メディアプロファイルMPFは、プリンタに適した色空間wRGBと装置非依存色空間(この例ではL*a*b*色空間)との対応関係に関する情報である。このメディアプロファイルMPFは、例えば、ICCプロファイルであり、装置非依存色空間からプリンタ400に適した色空間(wRGB)への変換を行う際に利用される(図2)。この色変換によって、装置非依存色空間で表された色が、プリンタ400によって忠実に再現されることになる。従って、メディアプロファイルMPFは、プリンタ400の色較正を実現するための情報と考えることも可能である。
【0061】
メディアプロファイルMPFのルックアップテーブルNが算出された後、ユーザがメディアプロファイルサーバ110に再びアクセスして設定画面(図5)のダウンロード開始ボタンMPFDLAを操作すると、メディアプロファイルサーバ110の送受信部116(図2)から出力システム200へメディアプロファイルMPFが送信される(S212)。出力システム200は、受信したメディアプロファイルMPFをメディアプロファイル記憶部304に記憶する(S214)。
【0062】
通常のプリンタでは、複数種類の印刷媒体(普通紙、光沢紙、マット紙、フィルムなど)の中から、ユーザによって選択された1つの印刷媒体を使用することを想定している。またプリンタによっては使用するインクの種類を変えることができるものもある。色の再現性は印刷媒体やインクの種類に依存する。通常は、出力画像データGD2をwRGB色空間から、プリンタで利用可能なインクの色で表現される色空間、例えば、CMYK色空間に変換する際に使用する色変換ルックアップテーブルを、印刷媒体やインクの種類に応じてそれぞれ準備しているので、1つのメディアプロファイルMPFを準備すれば忠実な色再現を実現することができる。この代わりに、wRGB色空間をCMYK色空間に変換する色変換ルックアップテーブルとして印刷媒体やインクの種類によらない標準的なテーブルを使用し、メディアプロファイルMPFを印刷媒体やインクの種類に応じて準備する構成を用いることもできる。本実施例では、メディアプロファイルMPFを印刷媒体やインクの種類に応じて準備するものとする。そこで、本実施例のメディアプロファイル記憶部304は、複数種類のメディアプロファイルMPFを記憶することが可能である。また、これらの複数のメディアプロファイルMPFの識別を容易に行うために、メディアプロファイル記憶部304は、メディアプロファイルMPFと、メディアプロファイルMPFに関連付けられる出力条件とを記憶することができるように構成されている。この出力条件は、画像を出力する際に、利用するメディアプロファイルMPFを識別する情報として用いることができる(詳細は後述)。
【0063】
ユーザは、図5に示す設定画面の出力条件設定部OCAを操作することによって、メディアプロファイルMPFに関連付ける出力条件(印刷媒体とインクの種類等)を設定することができる。テストチャートの出力(S206)に用いた用紙とインクの種類を出力条件設定部OCAに設定した後に、ダウンロード開始ボタンMPFDLAを操作すると、メディアプロファイルMPFが、設定された出力条件に関連づけられて記憶される。出力条件としては、ユーザがわかりやすい任意の名前を設定することができる。
【0064】
本実施例では、1つのメディアプロファイルMPFが1つのファイルとして記憶される。ユーザは、図5の画面のファイル名設定部MPFAを操作することによって、メディアプロファイルMPFのためのファイル名を設定することができる。従って、出力条件とメディアプロファイルMPFとを同一のファイルに格納して記憶することによって、出力条件とメディアプロファイルMPFとを関連付けることができる。この代わりに、出力条件とメディアプロファイルMPFとを関連づける関連付けデータを生成し、メディアプロファイルMPFと関連付けデータとをそれぞれ独立したファイルに格納しても良い。いずれの場合も、画像の出力に用いるメディアプロファイルの選択を行う際に、出力条件を用いて容易にプロファイルの選択を行うことができるように構成することが好ましい。なお、メディアプロファイルのダウンロードを実行する際には、他のユーザと区別するための認証を行い、適切なユーザのみが適切なメディアプロファイルMPFをダウンロードすることができる構成とすることが好ましい。このような認証方法としては、例えば、パスワードを用いた認証を用いることができる。
【0065】
複数種類の出力条件に対応するために複数のメディアプロファイルMPFを準備する場合には、図4の一連の処理が必要に応じて繰り返し実行される。この場合、ステップS206のテストチャート出力処理は、所望の出力条件に従った印刷媒体とインクとを用いて実行される。
【0066】
図6は、図4に示すメディアプロファイルMPFの準備処理を、色空間を中心に説明する説明図である。本実施例では、テストチャートデータは、プリンタに適した色空間wRGBで表現されている。ステップS206では、テストチャートデータに基づくテストチャートがプリンタ400から出力される。本実施例での出力処理(ステップS206)では、wRGB色空間からCMYK色空間への標準的な変換処理と、CMYK色空間で表された画像データに基づくハーフトーン処理とが実行される。wRGB色空間からCMYK色空間への変換処理では、色補正無しのルックアップテーブル(LUT)を用いた変換処理が実行される。ここで、「色補正無し」とは、意図的な色補正を行わないという意味である。従って、「色補正無しルックアップテーブル」は、このアプリケーションで利用可能な他のルックアップテーブルと比べて、より忠実に入出力の対応関係を定めている。また、本実施例では、この色補正無しのルックアップテーブルによって、プリンタで再現可能な色の再現範囲をCMYK色空間で表現したときの階調値の全域と、wRGB色空間で表現可能な階調値の全域とが対応付けられる。従って、プリンタで再現可能な色再現範囲を有効に利用した色空間変換処理を行うことができる。なお、本実施例では、ステップS206の処理は、プリンタドライバ(図示せず)によって実行される。
【0067】
次に、ステップS208では、出力したテストチャートの各カラーパッチの測色処理が実行される。この処理の結果、各カラーパッチの色に対応するL*a*b*色空間での階調値を得ることができる。
【0068】
次に、ステップS210では、各カラーパッチの色に対応するL*a*b*色空間で表された階調値と、wRGB色空間で表された階調値との比較処理が実行される。さらに、この比較結果に基づき、ルックアップテーブルNが作成される。
【0069】
以上のように、本実施例で準備されるメディアプロファイルMPFは、カラーバッチの測色を行い、測色結果を反映するように設定される。従って、プリンタ400の色空間の特性をより正確に反映したメディアプロファイルMPFを準備することができる。さらに、本実施例では、ユーザが実際に用いるプリンタ400を用いてメディアプロファイルMPFを設定している。従って、プリンタ400に適した色空間がプリンタ400の型式によって異なる場合や、同じ型式であってもプリンタに適した色空間に個体差がある場合でも、プリンタ400に適した色空間の特性をより正確に反映したメディアプロファイルMPFを準備することができる。さらに、本実施例のように、メディアプロファイルMPFを印刷媒体やインクの種類等の画像の出力条件に応じて複数準備することによって、印刷媒体やインクの種類などに応じて発色特性が異なる場合でも、出力条件に対応したメディアプロファイルMPFを利用することができる。出力条件に対応したメディアプロファイルMPFを利用すれば、その出力条件に応じてプリンタの色較正が行われる。
【0070】
なお、メディアプロファイルサーバ110は、準備したメディアプロファイルMPFをメディアプロファイル格納部118(図1)に格納する。ところで、プリンタの型式が同じであれば、プリンタに適した色空間wRGBはほぼ同じとなる。従って、同じ型式のプリンタを同じ出力条件で使用する他のユーザに、格納されたメディアプロファイルMPFをダウンロードして用いることを許容してもよい。こうすることによって、そのユーザは、自分のプリンタに固有のメディアプロファイルMPFを作成しなくても、予め準備されたメディアプロファイルMPFを用いて出力画像の色の再現性の向上を図ることができる。ただし、図4のフローチャートに従い、実際に用いるプリンタ400を用いてメディアプロファイルMPFを作成すれば、プリンタ400のプリンタに適した色空間に個体差がある場合でも、プリンタ400から出力する画像の色の再現性をより正確なものとすることができる。
【0071】
B2.デジタルフィルムプロファイル準備処理:
図7は、デジタルフィルムプロファイル準備処理(図3、S110)を示すフローチャートである。このフローチャートは、DSC600用のデジタルフィルムプロファイルDPFの作成から、デジタルフィルムプロファイル記憶部302(図2)への記憶までの一連の処理を示している。図7の左側は出力システム200で実行される処理を示しており、右側はデジタルフィルムプロファイルサーバ120で実行される処理を示している。
【0072】
本実施例では、ユーザは、画質調整アプリケーション320の設定画面を通じて、図7の一連の処理に対する指示を行うことができる。図8は、設定画面の一例を示している。図示されているように、画面中にはテストチャート設定部TCSBと、テストチャート画像送信設定部IMBと、デジタルフィルムプロファイルダウンロードメニューボタンDFBとを有している。
【0073】
ユーザは、テストチャート設定部TCSBを操作することによって、テストチャート出力に用いるテストチャートデータの選択を行うことができる。本実施例では、テストチャートデータとして、L*a*b*色空間で表現された画像データが用いられる。テストチャートは、例えば、複数のカラーパッチ(色見本)を含んでいる。
【0074】
デジタルフィルムプロファイルサーバ120からダウンロードしたテストチャートデータを用いる場合には(S300)、ユーザが、図8の設定画面のダウンロード開始ボタンTCDBを操作すると(S302:Y)、デジタルフィルムプロファイルサーバ120から出力システム200へテストチャートデータが送信される(S304)。引き続いて、ユーザがテストチャート出力開始ボタンTCOBを操作すると、受信したテストチャートデータに対して色空間変換処理S308が実行され、テストチャートがプリンタ400から出力される(S310)。
【0075】
テストチャートデータをダウンロードする代わりに、既に保存してあるテストチャートデータを用いることもできる。このようなテストチャートデータとして、例えば、過去にダウンロードしたデータや、画質調整アプリケーション320とともに提供された標準のテストチャートデータなどを用いることができる。ユーザは、保存してあるテストチャートデータを、図8の設定画面のテストチャートデータファイル設定部TCFBを操作して設定することができる(図7:S300)。)
【0076】
ステップS308は、テストチャートデータを定義する色空間を、プリンタに適した色空間wRGBへ変換する出力色空間変換処理であり、出力色空間変換部324(図2)によって実行される。この出力色空間変換処理は、メディアプロファイルMPFを用いて実行される。メディアプロファイルMPFは印刷媒体やインクの種類に応じて準備されているので、使用する印刷媒体とインクに応じたメディアプロファイルMPFを選択することが好ましい。ユーザは、図8の設定画面の出力条件一覧表OCBの中の所望の条件を選択することによって、ステップS308の処理に用いるメディアプロファイルMPFを指定することができる。出力条件一覧表OCBには、メディアプロファイルMPFに関連付けられた出力条件(印刷媒体やインクの種類)の一覧が表示され、選択された出力条件が2重線で囲まれている。メディアプロファイル名設定部MPFBには、出力条件一覧表OCBで選択された出力条件に関連付けられたメディアプロファイルMPFのファイル名が自動的に設定される。ステップ308では、メディアプロファイル名設定部MPFBに設定されたファイル(メディアプロファイルMPF)が用いられる。
【0077】
なお、後述するように、出力したテストチャートは、DSC600などの画像生成装置を用いて画像データを生成するために利用される。ここで、光沢の強い印刷媒体を用いてテストチャートの出力を行うと、画像領域の一部が光沢によって明るくなった画像データが生成される可能性がある。このような画像データに基づいてデジタルフィルムプロファイルDPFを準備すると、色の再現性を十分に向上させることができなくなる可能性がある。従って、テストチャートの出力に用いる印刷媒体は、光沢の少ないものが好ましく、例えば、マット紙を用いることが好ましい。また、予め指定された印刷媒体を用いてテストチャートの出力を行う構成とすれば、ユーザは、自分で印刷媒体を選択することなく、好ましいテストチャートを出力することができる。
【0078】
なお、所望の印刷媒体やインクに対してメディアプロファイル準備処理(図3、S100)が実行されていない場合には、その印刷媒体とインクに対応した標準のメディアプロファイルMPFを利用可能とすることが好ましい。このような標準のメディアプロファイルMPFは、予め、画質調整アプリケーション320とともに提供することができる。こうすることによって、メディアプロファイル準備処理を実行していない印刷媒体やインクを用いる場合でも、標準のメディアプロファイルMPFを用いてデジタルフィルムプロファイルの準備を行うことができる。なお、この場合も標準のメディアプロファイルMPFに関連付けられた出力条件を予め設定しておけば、ユーザは出力条件一覧表OCBをみて、容易にメディアプロファイルMPFの選択を行うことができる。
【0079】
ステップS310では、プリンタに適したwRGB色空間で表現されたテストチャートデータに基づいて、テストチャートがプリンタ400から出力される。このテストチャートの出力は、メディアプロファイルMPFを利用して行われるので、プリンタ400は色較正済みのプリンタとして機能する。従って、テストチャート上では、それぞれの色が忠実に再現されている。
【0080】
次に、ステップS312では、画像生成装置を用いて、ステップS310で出力されたテストチャートに基づく画像データの生成が行われる。本実施例では、画像生成装置としてDSC600を用いるので、DSC600によるテストチャートの撮影が行われる。このようにして得られた画像データは、DSCの色空間iRGBで表現されている。このiRGB色空間は画像生成装置の特性を反映した色空間である。ここで、生成された画像データのRGBの各色成分の階調値は、画像データ生成時に用いる光源の種類の影響を受けて変化する場合がある。そのため、このステップS312は、予め指定された光源、例えばD65標準光源や、画像データを生成する際に多用する光源、例えば太陽光を用いて実行することが好ましい。また、画像生成装置によっては、色を調整する機能を複数の動作モードで実行することができるものがある。この場合には、画像データを生成する際に多用する動作モードを用いることが好ましい。例えば、画像生成装置によっては、オートホワイトバランス調整モードとマニュアルホワイトバランス調整モードが利用可能な場合がある。ここで、通常の撮影時にオートホワイトバランス調整モードを多用する場合には、ステップS312の処理を行う際にもオートホワイトバランス調整モードを用いることが好ましい。
【0081】
次に、ステップS314では、出力システム200からデジタルフィルムプロファイルサーバ120へ生成された画像データが送信される。本実施例では、DSC600は、画像データを含む画像ファイルを生成する。生成された画像ファイルは、一度、コンピュータ300に送出され、コンピュータ300からネットワークNETを介してデジタルフィルムプロファイルサーバ120へ送信される。ユーザは、図8の設定画面上の画像データファイル名設定部IMFBに、送信する画像データのファイル名を設定することができる。ファイル名設定の後、画像データ送信開始ボタンIMUBを操作することによって、送信が開始される。
【0082】
次に、デジタルフィルムプロファイルサーバ120では、送受信部126(図2)が受信した画像データに基づいて、DSCの色空間iRGBと装置非依存色空間との対応関係に関する情報の設定処理が、デジタルフィルムプロファイル作成部122(図1)によって実行される(S316)。本実施例では、装置非依存色空間としてL*a*b*色空間が用いられ、また、DSCの色空間iRGBとL*a*b*色空間とがマトリックスによって対応づけられている。ステップS316では、このような対応関係を決めるマトリックスMが、テストチャートの各パッチの、iRGB色空間での各成分の階調値とL*a*b*色空間での各成分の階調値との対応関係を反映するように設定される。
【0083】
このようにして算出されるマトリックスMは、DSCの色空間iRGBと装置非依存色空間との対応関係に関する情報であり、後述するように、DSCの色空間iRGBから装置非依存色空間への色空間変換を行う際に利用される(図2)。この色変換によって、DSC600で生成された入力画像データGD1の色が、装置非依存色空間での色に忠実に反映されることになる。従って、マトリックスMは、画像生成装置(この例ではDSC600)を用いて生成された画像データの色較正を実現するための色較正情報と考えることも可能である。また、本実施例において、入力色空間変換部322は、本発明における色較正部に相当する。
【0084】
図9は、図7に示すデジタルフィルムプロファイルDPFの準備処理を、色空間を中心に説明する説明図である。本実施例では、テストチャートデータは、L*a*b*色空間で表現されている。ステップS308では、メディアプロファイルMPFを用いた色空間変換処理が実行される。この処理によって、テストチャートデータを表す色空間が、L*a*b*色空間からプリンタに適した色空間wRGBへ変換される。
【0085】
次に、ステップS310では、色空間が変換されたテストチャートデータに基づくテストチャートがプリンタ400から出力される。この処理は、図6のS206と同じ処理である。
【0086】
次に、ステップ312では、DSC600によるテストチャートの撮影が行われる。撮影の結果、DSCの色空間iRGBで表現された画像データが生成される。
【0087】
次に、ステップS316では、各カラーパッチの色に対応するL*a*b*色空間で表された階調値と、DSCの色空間iRGBで表された階調値との比較処理が実行される。さらに、この比較結果を反映するように、マトリックスMが設定される。
【0088】
以上のように、色較正情報(本実施例では、マトリックスM)によって、DSC600で生成された入力画像データGD1の色が、装置非依存色空間での色に忠実に反映されることとなる。
【0089】
次に、図7の一連の処理S318、S320によって、記憶色パラメータMCPの設定が行われる。記憶色パラメータMCPは、記憶色調整処理のためのパラメータ値である。記憶色調整処理は、画像データの中の記憶色に近い所定の色範囲(以下、記憶色範囲と呼ぶ)の色を処理対象として選択して目標色に近づくように調整する処理である。記憶色範囲としては、肌色に近い範囲や、青色範囲、緑色範囲等がある。色の調整処理は、画像データを修正することによって実行される。
【0090】
図10は、記憶色調整処理を説明する説明図である。図10(a)は、記憶色調整処理の対象画素を選択するための条件の一例を示す説明図である。図10(a)には、色相Hの値と色の関係が示されている。この実施例では、色相Hは、その取りうる範囲が0度〜360度であり、0度が赤色を示し、さらに、120度が緑色を、240度が青色を示している。ここで、色相Hが赤色に近い範囲にある画素、例えば、色相Hが0〜40度の肌色範囲SRにある画素を選択すれば、肌色に近い色のみを選択することができる。また、緑色に近い範囲、例えば、色相Hが100〜130度の緑色範囲GRを用いれば山の緑色に近い色のみを選択することができる。同様に、青色に近い範囲、例えば、色相Hが200〜260度の青色範囲BRを用いれば、空の青色に近い色のみを選択することができる。なお、この実施例では、色相に条件を課すことによって記憶色範囲を設定しているが、彩度や明度に条件を課しても良い。こうすることによって、より適切に記憶色範囲を設定することができる。
【0091】
なお、記憶色調整処理の対象となる画像データが、色相や彩度や明度をパラメータとして含まない色空間で表現されている場合、例えば、RGB色空間を用いて表現されている場合には、色相と彩度と明度とをパラメータとして含む色空間、例えば、HLS色空間やHIS色空間などに変換することによって、各画素位置における色相と彩度と明度を取得することができる。
【0092】
図10(b)は、緑Gの階調値の入力レベルGinと出力レベルGoutとの関係を示す説明図である。本実施例では、処理対象となる画像データがRGBの3つの階調値で表現されており、図10(b)は、その中の緑Gの強さを調整する場合に用いるトーンカーブを示している。グラフGAは、入力レベルGinと比べて、出力レベルGoutが小さくなるように構成されている。このグラフGAを用いて緑Gの階調値調整を行えば、記憶色範囲の条件を満たす色の緑Gの階調値が目標色と比べて大きい画像において、緑Gの階調値を小さくし、色を目標色に近づけることができる。また、グラフGBは、出力レベルGoutが入力レベルGinよりも大きくなるように構成されている。このグラフGBを用いて緑Gの階調値調整を行えば、記憶色範囲の条件を満たす色の緑Gの階調値が目標色と比べて小さい画像において、緑Gの階調値を大きくし、色を目標色に近づけることができる。
【0093】
このようなグラフGAは、例えば、調整入力レベルGrefにおける出力レベルGoutを、元の値よりも調整量GMだけ小さくなるように調整して構成することができる。他の入力レベルGinに対応する出力レベルGoutはスプライン関数にて補間されている。同様に、グラフGBは、調整入力レベルGrefにおける出力レベルGoutを、元の値よりも調整量GMだけ大きくなるように調整して構成することができる。調整入力レベルGrefとしては、予め決められた値を用いることができる。例えば、緑Gの取りうる範囲が0〜255である場合に、中間値である128を用いても良い。調整量GMは、値の異なる複数の調整量GMを用いて得られる複数の出力画像を比較する感応評価に基づいて設定することができる。複数の出力画像の中から記憶色に近い色が目標色に近い色で再現されている画像を選択し、選択した出力画像に対応する調整量GMを用いることによって、記憶色に近い所定の色範囲の色を適切に目標色に近づけることができる。
【0094】
記憶色パラメータMCPには、このような、記憶色範囲を設定するためのパラメータ値(図10の例では色相の範囲)や、色調整の度合いを設定するためのパラメータ値(図10の例では調整量GM)が含まれる。
【0095】
本実施例では、デジタルフィルムプロファイルサーバ120は、記憶色パラメータMCPの設定をユーザに許容する設定画面を表示することができる。ユーザは、図8の設定画面のダウンロードメニューボタンDFBを操作することによって、このような設定画面を表示させることができる。ダウンロードメニューボタンDFBが操作されると、デジタルフィルムプロファイルサーバ120から出力システム200へ設定画面データが送信され、モニタ500に設定画面が表示される。
【0096】
図11は、このような設定画面の一例を示す説明図である。ユーザは、図11の画面の記憶色設定部MCSCを操作することによって、記憶色パラメータMCPの設定を行うことができる(S320)。
【0097】
図11に示す設定画面の記憶色設定部MCSCは、標準設定部STDCと、簡易設定部SPLCと、詳細設定部PRCCとを有している。ユーザはこれら3つの設定部のうちのいずれかを操作することによって、記憶色パラメータMCPの設定を行うことができる。
【0098】
標準設定部STDCは、記憶色パラメータMCPを標準的な値に設定するための操作部である。ユーザは、標準設定部STDCを操作することによって、記憶色パラメータMCPを標準的な値に設定することができる。標準的な値は予め設定されている値であり、例えば、記憶色調整処理を行って出力した画像の感応評価に基づいて設定することができる。このように、ユーザは、標準設定部STDCを操作することによって、手軽に記憶色パラメータMCPの設定を行うことができる。
【0099】
簡易設定部SPLCは、予め準備された複数の記憶色パラメータMCPの中から1つを選択するための設定部である。ユーザは、簡易設定部SPLCを操作することによって、複数の記憶色パラメータMCPの中から好みのものを選択することができる。簡易設定部SPLCには、記憶色領域の色の見えが互いに異なる画像のサンプルが複数表示されている。例えば、肌色の欄には、肌色領域の色の見えの赤味の強いものと、中程度のものと、弱いものとが表示されている。また、空色の欄には、空色領域の色の見えの緑味の強いものと、中程度のものと、弱いものとが表示されている。ユーザはこれらのサンプル画像の中から好みの画像を選択することによって、記憶色調整の設定が好ましい記憶色パラメータMCPを容易に選択することができる。図11の簡易設定部SPLCでは、選択されたサンプル画像が枠Fで囲まれて表示されている。なお、記憶色調整の設定は複数の記憶色について独立に行うことができる。図11の例では、肌色に関しては「赤中程度」が選択され、空色に関しては、「緑強い」が選択されている。このように複数の記憶色調整の設定が選択された場合には、1つの記憶色パラメータMCPに複数の記憶色調整の設定が含まれることになる。
【0100】
詳細設定部PRCCは、任意の記憶色パラメータMCPを設定するための設定部である。ユーザは、詳細設定部PRCCを操作することによって、記憶色パラメータMCPを任意な値に設定することができる。図11の例では、記憶色範囲を決定するための色相範囲調整バーと、色調整の度合い(調整量)を調整する調整バーが表示されている。ユーザはこれらの調整バーを調整することによって記憶色パラメータMCPを調整することができる。また、詳細設定部PRCCには、調整前のサンプル画像IMBFと調整後のサンプル画像IMAFが表示されている。ユーザは、これらの画像を比較しながら容易にパラメータ値の調整を行うことができる。
【0101】
以上の操作によって記憶色パラメータMCPの設定(S320)が終了した後に、図11に示す設定画面のダウンロード開始ボタンDPFDLCを操作すると、設定情報がデジタルフィルムプロファイルサーバ120へ送信される。デジタルフィルムプロファイルサーバ120では、受信した設定情報に応じた記憶色パラメータMCPが、デジタルフィルムプロファイル作成部122(図1)によって準備される(S318)。この記憶色パラメータMCPは、記憶色範囲の条件を満たす色を対象とした記憶色調整処理を行う際に利用される。従って、本実施例において、記憶色調整処理は本発明における色修正に相当し、記憶色パラメータMCPは、本発明における記憶色情報に相当する。また、この記憶色調整処理は、画質補正部326(図2)によって実行される。従って、本実施例において、画質補正部326は、本発明における色修正部に相当する。また、このとき、デジタルフィルムプロファイル作成部122は、クライアント装置(本実施例では出力システム200)から受信した記憶色情報の設定に応じて記憶色情報を作成すると考えることができる。
【0102】
なお、記憶色の好みが同じであっても、記憶色調整処理の対象となる画像データを表す色空間の種類が異なれば、記憶色パラメータMCPの値も異なったものとなる可能性がある。そこで、本実施例では、記憶色調整処理を実行するための色空間を予め設定しておき(以下、画質補正処理のための色空間eRGBと呼ぶ)、この色空間eRGBに基づいて記憶色パラメータMCPの設定を行う。また、後述するように、記憶色調整処理は、eRGB色空間で表現された画像データを用いて実行される。こうすることによって、記憶色調整処理による色の再現性を向上させることができる。
【0103】
次に、準備された記憶色パラメータMCPは、ステップS316で算出されたマトリックスMとともに、デジタルフィルムプロファイルDPFとして、デジタルフィルムプロファイルサーバ120の送受信部126(図2)からネットワークNETを介して出力システム200へ送信される(S322)。すなわち、本実施例においては、デジタルフィルムプロファイルDPFは、本発明における、色再現情報に相当する。
【0104】
出力システム200では、受信したデジタルフィルムプロファイルDPFを、デジタルフィルムプロファイル記憶部302に格納する(S324)。本実施例では、1つのデジタルフィルムプロファイルDPFが1つのファイルとして記憶される。ユーザは、図11の画面のファイル名設定部DPFCを操作することによって、デジタルフィルムプロファイルDPFのためのファイル名を設定することができる。従って、色較正情報(この例では、マトリックスM)と記憶色パラメータMCPとは、共通のファイルに格納されることによって関連付けられる。この代わりに、色較正情報と記憶色パラメータMCPとを関連付ける関連付けデータを生成して記憶する構成としても良い。この場合には、色較正情報と記憶色パラメータMCPとの記憶方法としては、例えば、複数の色較正情報と複数の記憶色パラメータMCPとを1つのファイルに格納して記憶してもよく、また、色較正情報と記憶色パラメータMCPとをそれぞれ独立のファイルに格納して記憶しても良い。いずれの場合も、色較正情報と記憶色パラメータMCPとが互いに関連付けられて記憶されることが好ましい。こうすることによって、デジタルフィルムプロファイルDPFを選択することによって、記憶色パラメータMCPと色較正情報との適切な組み合わせを容易に選択することができる。
【0105】
ところで、画像生成装置が生成する入力画像データGD1のDSCの色空間iRGBは、画像生成装置によって異なることが一般的である。従って、画像生成装置の型式に応じてデジタルフィルムプロファイルDPFを使い分けることが好ましい。そこで、本実施例のデジタルフィルムプロファイル記憶部302は、複数種類のデジタルフィルムプロファイルDPFを記憶することが可能である。また、これらの複数のデジタルフィルムプロファイルDPFの識別を容易に行うために、本実施例のデジタルフィルムプロファイル記憶部302は、デジタルフィルムプロファイルDPFと、デジタルフィルムプロファイルDPFに関連付けられる識別名とを記憶することができるように構成されている。この識別名は、画像を出力する際に、利用するデジタルフィルムプロファイルDPFを識別する情報として用いることができる(詳細は後述)。
【0106】
ユーザは、図11に示す設定画面の識別名設定部IDCを操作することによって、デジタルフィルムプロファイルDPFに関連付ける識別名を設定することができる。識別名としては、例えば、画像生成装置の型式名を設定することができる。テストチャートの画像データ生成(S312、図7)に用いた画像生成装置の型式名を識別名設定部IDCに設定した後に、ダウンロード開始ボタンDPFDLCを操作すると、デジタルフィルムプロファイルDPFが、設定された識別名に関連づけられて記憶される。識別名としては、ユーザがわかりやすい任意の名前を設定することができる。また、画像ファイルに含まれる型式名を設定しても良い。画像生成装置の中には、入力画像データGD1と画像生成装置の型式名とを含む画像ファイルを生成するものがある。このように、画像生成装置が画像データと型式名を含む画像ファイルを生成する場合には、ステップS316(図7)で受信した画像ファイルに含まれている型式名が、図11の設定画面の識別名設定部IDCに自動的に設定される。このようなファイル形式としては、例えば、Exifファイル形式がある。Exifファイル形式においては、画像データや型式名等の情報を格納する領域を特定するために、タグが用いられている。Exifファイル形式の仕様は、日本電子情報技術産業協会(JEITA)によって定められている。
【0107】
なお、本実施例では、1つのデジタルフィルムプロファイルDPFが1つのファイルとして記憶される。従って、識別名とデジタルフィルムプロファイルDPFとを同一のファイルに格納して記憶することによって、識別名とデジタルフィルムプロファイルDPFとを関連付けることができる。この代わりに、デジタルフィルムプロファイルDPFと識別名とを関連づける関連付けデータを生成して記憶する構成としても良い。いずれの場合も、画像の出力に用いるデジタルフィルムプロファイルDPFの選択を行う際に、識別名を用いて容易にプロファイルの選択を行うことができるように構成することが好ましい。なお、識別名とデジタルフィルムプロファイルDPFとを同一のファイルに格納する場合には、図7のステップS322で、デジタルフィルムプロファイルサーバ120が、デジタルフィルムプロファイルDPFと識別名とを含むファイルを作成して送信する構成とすることができる。
【0108】
また、記憶色範囲に対応する好ましい色(目標色)は、画像データ生成時に用いた光源や被写体などの環境条件に応じて変化する場合がある。従って、同じ画像生成装置を用いる場合でも、このような環境条件に応じてデジタルフィルムプロファイルDPFを使い分けることが好ましい。このように、同じ画像生成装置に対応する複数種類のデジタルフィルムプロファイルDPFを記憶する場合には、識別名として、型式名と環境条件とを組み合わせた名前を設定すれば、デジタルフィルムプロファイルDPFの識別を容易に行うことができる。このような識別名としては、例えば、型式名が「NiceDSC」であり、光源として昼光を用いた人物画像に適したデジタルフィルムプロファイルDPFに対して「NiceDSC(昼光色人物)」という名前を設定することができる。
【0109】
また、この場合には、デジタルフィルムプロファイル記憶部302(図2)は、色較正情報が同じで記憶色パラメータMCPが異なる複数のデジタルフィルムプロファイルDPFを記憶することになる。ここで、色較正情報を各デジタルフィルムプロファイルDPFに共通の情報として1つだけ記憶する構成とすることができる。このとき、複数のデジタルフィルムプロファイルDPFのための複数の記憶色パラメータMCPと、1つの色較正情報とを、それぞれ関連付ける関連付けデータが作成される。このような関連付けデータを用いることによって、複数のデジタルフィルムプロファイルDPFの中から1つを適切に選択して用いることができる。こうすることによって、デジタルフィルムプロファイル記憶部302がデジタルフィルムプロファイルDPFを記憶するために必要となる容量を節約することができる。
【0110】
以上のように、本実施例では、デジタルフィルムプロファイルサーバ120は、画像生成装置としてのDSC600を用いて生成した画像データを基にデジタルフィルムプロファイルDPFを準備し、出力システム200へ送信することが可能である。従って、ユーザは、画像生成装置の色空間の特徴をより適切に反映した色較正情報を手軽に準備することができる。また、このようにして準備されたデジタルフィルムプロファイルDPFを考慮して画質調整処理を行うことによって、画像データ(画像生成装置)の色空間によらず、記憶色範囲の条件を満たす色を適切に調整することができる。また、このように、画像出力部としてのプリンタ400から出力したテストチャートに基づいてデジタルフィルムプロファイルDPFを設定すれば、プリンタ400を用いずに予め準備されたメディアプロファイルMPF、例えば、標準のメディアプロファイルMPFを用いる場合でも、プリンタ400から出力する画像の色の再現性を向上させることができる。
【0111】
また、図2に示すように、本実施例では、DSCの色空間iRGBからプリンタに適した色空間wRGBへの色空間変換処理は、装置非依存色空間を介して行われており、色較正情報はプリンタに適した色空間wRGBに依存しない情報、すなわち、画像出力部に依存しない情報である。従って、色較正情報と記憶色パラメータMCPとを含むデジタルフィルムプロファイルDPFは、型式や種類の異なる複数の画像出力部を備える出力システムにおいて共通に用いることができる。また、異なる出力システムに対しても共通に用いることができる。
【0112】
なお、デジタルフィルムプロファイルサーバ120は、準備したデジタルフィルムプロファイルDPFをデジタルフィルムプロファイル格納部128(図1)に格納することができる。また、画像生成装置の型式が同じであれば、DSCの色空間iRGBはほぼ同じとなる。従って、同じ型式の画像生成装置を使用する他のユーザに、格納されたデジタルフィルムプロファイルDPFをダウンロードして用いることを許容してもよい。こうすることによって、そのユーザは、自分のDSC固有のデジタルフィルムプロファイルDPFを作成しなくても、記憶色範囲の条件を満たす色を適切に調整するデジタルフィルムプロファイルDPFを手軽に準備することができる。ただし、図7のフローチャートに従い、実際に用いる画像生成装置と画像出力部とを用いてデジタルフィルムプロファイルDPFを作成すれば、画像生成装置や画像出力部の色空間に個体差がある場合でも、画像生成装置と画像出力部とにより適したデジタルフィルムプロファイルDPFを準備することができる。
【0113】
B3.画像出力処理:
図12は、メディアプロファイルMPFとデジタルフィルムプロファイルDPFとを利用して出力システム200で実行される画像出力処理(図3、S120)を示すフローチャートである。画像出力処理では、まず、画質調整アプリケーション320(図2)による、入力画像データGD1の読み込みが実行される(S500)。入力画像データGD1は画像生成装置で生成された画像データである。入力画像データGD1は、画像ファイルに格納されていることが一般的である。そこで、画質調整アプリケーション320は画像ファイルを解析して入力画像データGD1を読み込む。
【0114】
次に、第1と第2の選択部330、332(図2)によってデジタルフィルムプロファイルDPFとメディアプロファイルMPFが選択される(S502)。
【0115】
ユーザは、画質調整アプリケーション320の設定画面を通じて、S502で選択されるプロファイルの確認と設定を行うことができる。図13は、設定画面の一例を示している。図示されているように、画面中には、メディアプロファイル設定部MPFSDと、デジタルフィルムプロファイル設定部DPFSDとを有している。
【0116】
メディアプロファイル設定部MPFSDには、利用可能なメディアプロファイルMPFに関連付けられた出力条件の一覧表OCDが表示され、選択された出力条件が2重線で囲まれている。メディアプロファイル名設定部MPFDには、出力条件一覧表OCDで選択された出力条件に関連付けられたメディアプロファイルMPFのファイル名が自動的に設定される。後述するステップS508(図12)では、メディアプロファイル名設定部MPFDに設定されたファイル(メディアプロファイルMPF)が用いられる。選択されている出力条件が実際に利用する印刷媒体とインクの種類の組み合わせと異なっている場合には、ユーザは、好ましい出力条件を選択し直すことができる。
【0117】
デジタルフィルムプロファイル設定部DPFSDには、利用可能なデジタルフィルムプロファイルDPFに関連付けられた識別名の一覧表IDDが表示され、選択された識別名が2重線で囲まれている。デジタルフィルムプロファイル名設定部DPFDには、識別名一覧表IDDで選択された識別名に関連付けられたデジタルフィルムプロファイルDPFのファイル名が自動的に設定される。後述するステップS504、S506では、デジタルフィルムプロファイル名設定部DPFDに設定されたファイル(デジタルフィルムプロファイルDPF)が用いられる。ユーザは、これらの識別名の中から、所望の識別名を選択することによって、画像出力処理に用いるデジタルフィルムプロファイルDPFの設定を行うことができる。
【0118】
なお、画像ファイルが画像生成装置の型式名を含んでいる場合には、同じ型式名を含む識別名に関連付けられたデジタルフィルムプロファイルDPFが自動的に選択される。従って、ユーザが設定することなく、適切なデジタルフィルムプロファイルが選択される。また、このような型式名に応じた選択処理は、入力画像データGD1の内容や、入力画像データ生成時の画像生成装置の動作設定条件(例えば、フラッシュ発光の有無や、絞り値、シャッタースピード等の設定条件。)に依らずに実行される。従って、選択処理を、入力画像データGD1や動作設定条件を解析することなく、高速に実行することができる。なお、動作設定条件は、型式名と同様に、画像生成装置が入力画像データGD1を含む画像ファイルを生成する際に画像ファイルに格納した情報から得ることができる。
【0119】
また、同じ型式名を含む識別名が複数存在する場合には、ユーザの好みのプロファイルを選択することができる。画面中の画像表示部IMDには、選択されたデジタルフィルムプロファイルDPFに基づいて画質調整処理を行った結果の画像が表示されている。ユーザはこの画像表示部IMDに表示される画像を確認することによって、デジタルフィルムプロファイルDPFの選択を容易に行うことができる。さらに、画像ファイルがデジタルフィルムプロファイルDPFを含むプロファイル付き画像ファイルである場合には、プロファイル指定部GFPDを操作することによって、画像ファイルに含まれるプロファイルを用いるように設定することもできる。
【0120】
プロファイルの確認、設定の後、印刷開始ボタンGOを操作することによって、ステップS502が終了し、ステップ504以下の処理が実行される。
【0121】
次のステップS504では、入力色空間変換部322(図2)によって、画像データを定義する色空間を、DSCの色空間iRGBから画質補正処理のための色空間eRGBへ変換する入力色空間変換処理が実行される。DSCの色空間iRGBは入力画像データGD1を定義する色空間である。画質補正処理のための色空間eRGBは、他の色空間との対応関係が予め設定された色空間であり、本実施例では、L*a*b*色空間とのeRGB−L*a*b*対応関係が予め設定されている。iRGB色空間からeRGB色空間への入力色空間変換処理は、eRGB−L*a*b*対応関係と、デジタルフィルムプロファイルDPFに含まれる色較正情報(マトリックスM)とを用いることによって実行される。
【0122】
ステップS506では、画質補正部326(図2)によって、記憶色調整処理が実行される。記憶色調整処理は上述の図10に示す処理である。このステップS504の記憶色調整処理は、ステップS502で選択されたデジタルフィルムプロファイルDPFに含まれる記憶色パラメータMCPに従って実行される。
【0123】
次のステップS508では、出力色空間変換部324(図2)によって、画像データを定義する色空間を、画質補正処理のための色空間eRGBからプリンタに適した色空間wRGBへ変換する出力色空間変換処理が実行される。この出力色空間変換処理は、eRGB−L*a*b*対応関係と、メディアプロファイルMFP(ルックアップテーブルN)とを用いることによって実行される。
【0124】
次のステップS510では、プリンタに適したwRGB色空間で表現された出力画像データGD2に基づいた画像が、プリンタ400から出力される。
【0125】
図14は、図12に示す画像の出力処理を、色空間を中心に説明する説明図である。本実施例では、入力画像データGD1はDSCの色空間iRGBで表現されている。ステップS504では、デジタルフィルムプロファイルDPFとeRGB−L*a*b*対応関係とを用いた入力色空間変換処理が実行される。この処理によって、画像データを表す色空間が、iRGB色空間からeRGB色空間へ変換される。
【0126】
次に、ステップS506では、デジタルフィルムプロファイルDPFに基づく記憶色調整処理が実行される。
【0127】
次に、ステップS508では、メディアプロファイルMPFとeRGB−L*a*b*対応関係とを用いた出力色空間変換処理が実行される。この処理によって、画像データを表す色空間が、eRGB色空間からプリンタに適した色空間wRGBへ変換される。
【0128】
次のステップS510では、色空間が変換された画像データに基づいて画像がプリンタ400から出力される。この処理は、図6のS206と同様の処理である。
【0129】
なお、デジタルフィルムプロファイルDPFやメディアプロファイルMPFを用いた画質調整処理を実行することができないアプリケーションから画像を出力するときには、プリンタドライバが図14の全て処理(S504〜S510)を実行するように構成することが好ましい。このとき、デジタルフィルムプロファイルDPFとメディアプロファイルMPFとは、画質調整アプリケーション320が用いるものと同じものが用いられることが好ましい。このように、複数の画像処理プログラムが、デジタルフィルムプロファイルDPFやメディアプロファイルMPFを用いた画質調整処理を実行可能なときには、それぞれ、同じ記憶部(デジタルフィルムプロファイル記憶部302やメディアプロファイル記憶部304)に記憶された同一のプロファイル(デジタルフィルムプロファイルDPFやメディアプロファイルMPF)を利用することが好ましい。こうすれば、いずれのプログラム(例えば、画質調整アプリケーション320やプリンタドライバ)を用いても、適切に画質を調整した画像を出力することができる。
【0130】
このように、本実施例では、色較正情報と記憶色パラメータMCPとを含むデジタルフィルムプロファイルDPFと、プリンタに適した色空間wRGBに関する情報を含むメディアプロファイルMPFとを用いることによって、画像出力部から出力される画像の色再現性を向上させるとともに、記憶色範囲の条件を満たす色の調整を実行している。従って、記憶色パラメータMCPの設定を同じとすれば、DSCの色空間iRGBが異なる画像生成装置で生成された画像データを用いる場合や、プリンタに適した色空間wRGBが異なる画像出力部を用いる場合にも、ほぼ同じ発色特性を有する画像を得ることができる。また、本実施例では、デジタルフィルムプロファイルDPFは、色較正情報と記憶色パラメータMCPとが関連付けられたものである。従って、デジタルフィルムプロファイルDPFを選択することによって、記憶色パラメータMCPと色較正情報との適切な組み合わせを容易に選択することができる。
【0131】
C.プロファイル付き画像ファイル生成処理の第1実施例:
図15は、プロファイル付き画像ファイル生成処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、画像生成装置によって生成された入力画像データGD1と、デジタルフィルムプロファイルDPFとを含むプロファイル付き画像ファイルを生成する処理である。デジタルフィルムプロファイルDPFは、前述したように、色較正情報と記憶色パラメータMCPとを含んでおり、色再現情報に相当する。従って、本実施例においては、プロファイル付き画像ファイルは、本発明における色再現情報付き画像ファイルに相当する。
【0132】
まず、ステップ600で、デジタルフィルムプロファイルDPFの準備処理が実行される。この準備処理は、図3のフローチャートのステップS110と同じ処理である。デジタルフィルムプロファイル記憶部302(図2)が、所望のデジタルフィルムプロファイルDPFを記憶していない場合には、デジタルフィルムプロファイルサーバ120からダウンロードしても良い。また、デジタルフィルムプロファイルサーバ120が所望のデジタルフィルムプロファイルDPFを格納していない場合には、デジタルフィルムプロファイルDPFを作成しても良い。デジタルフィルムの作成処理としては、例えば、図7に示す方法を用いることができる。このようにして準備されたデジタルフィルムプロファイルDPFは、色較正情報と記憶色パラメータMCPとを含んでいる。
【0133】
次に、ステップS602では、プロファイル付き画像ファイル生成アプリケーション340(図2)による入力画像データGD1の読み込みが実行される。ユーザは、プロファイル付き画像ファイル生成アプリケーション340の設定画面を通じて、ステップS602で用いられる入力画像データGD1の設定を行うことができる。図16は、設定画面の一例を示している。図示されているように、画面中には、画像ファイル設定部GFEと、デジタルフィルムプロファイル設定部DPFSEとを有している。
【0134】
画像ファイル設定部GFEは、入力ファイル設定部IGFEと出力ファイル設定部OGFEとを有している。ユーザは、入力ファイル設定部IGFEを操作することによって、所望の入力画像データGD1を格納した画像ファイルを指定することができる。また、出力ファイル設定部OGFEを操作することによって、新たに生成する画像ファイルのファイル名を指定することができる。
【0135】
次に、選択部344(図2)によるデジタルフィルムプロファイルDPFの選択処理が実行される(S604)。ユーザは、設定画面(図16)のデジタルフィルムプロファイル設定部DPFSEを通じて、ステップS604で選択されるデジタルフィルムプロファイルDPFの確認と設定を行うことができる。
【0136】
デジタルフィルムプロファイル設定部DPFSEには、利用可能なデジタルフィルムプロファイルDPFに関連付けられた識別名の一覧表IDEが表示され、選択された識別名が2重線で囲まれている。ユーザは、これらの識別名の中から、所望の識別名を選択することによって、プロファイル付き画像ファイル生成処理に用いるデジタルフィルムプロファイルDPFの設定を行うことができる。デジタルフィルムプロファイル名設定部DPFEには、識別名一覧表IDEで選択された識別名に関連付けられたデジタルフィルムプロファイルDPFのファイル名が自動的に設定される。後述するステップS606(図15)では、デジタルフィルムプロファイル名設定部DPFEに設定されたファイル(デジタルフィルムプロファイルDPF)が用いられる。
【0137】
なお、画像データGD1を格納する画像ファイルが画像生成装置の型式名を含んでいる場合には、同じ型式名を含む識別名に関連付けられたデジタルフィルムプロファイルDPFが自動的に選択される。従って、ユーザが設定することなく、適切なデジタルフィルムプロファイルが選択される。また、このような型式名に応じた選択処理は、入力画像データGD1の内容や、入力画像データ生成時の画像生成装置の動作設定条件に依らずに実行される。従って、選択処理を高速に実行することができる。
【0138】
また、同じ型式名を含む識別名が複数存在する場合には、ユーザの好みのプロファイルを選択することができる。画面中の画像表示部IMEには、選択されたデジタルフィルムプロファイルDPFに基づいて画質調整処理を行った結果の画像が表示されている。ユーザはこの画像表示部IMEに表示される画像を確認することによって、デジタルフィルムプロファイルDPFの選択を容易に行うことができる。
【0139】
デジタルフィルムプロファイルDPFの確認、設定の後、ファイル生成ボタンGOEを操作することによって、入力画像データGD1とデジタルフィルムプロファイルDPFを含んだプロファイル付き画像ファイルが生成される(S606)。新しい画像ファイルは、出力ファイル設定部OGFEで指定されたファイル名に従って生成される。
【0140】
このように、本実施例では、画像生成装置が生成する入力画像データGD1とデジタルフィルムプロファイルDPFとを含むプロファイル付き画像ファイルの生成処理が実行される。このようなプロファイル付き画像ファイルを用いることによって、画像の出力に適したデジタルフィルムプロファイルDPFを記憶していない出力システムから画像を出力する場合でも、プロファイル付き画像ファイルに含まれるデジタルフィルムプロファイルを用いて画質を適切に調整した画像を得ることができる。また、本実施例では、デジタルフィルムプロファイルDPFに含まれる色較正情報は、マトリックスMで構成されている。従って、色較正情報をルックアップテーブルを用いて構成する場合と比較して、デジタルフィルムプロファイルDPFの大きさを小さいものとすることができるので、デジタルフィルムプロファイル付き画像ファイルの大きさを小さいものとすることができる。その結果、デジタルフィルムプロファイル付き画像ファイルを、CD−ROMやメモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録する場合の記録媒体の容量を節約することができる。また、デジタルフィルムプロファイル付き画像ファイルをネットワークやケーブルを介して送受信する処理を、高速に実行することができる。
【0141】
D.画質調整アプリケーションの第2実施例:
図17は、本実施例の画質調整アプリケーション320aの構成を示すブロック図である。図2に示す画質調整アプリケーション320との差異は、画質調整アプリケーション320aが記憶色パラメータ調整部334aを備えている点である。他の機能部(322a、324a、325a、326a、328a、330a、332a)の機能は、図2に示す機能部(322、324、326、328、330、332)とそれぞれ同じである。
【0142】
記憶色パラメータ調整部334aは、第1選択部330aによって選択されたデジタルフィルムプロファイルDPFに含まれる記憶色パラメータMCP(図示せず)を調整する処理を実行する。画質補正部326aは、記憶色パラメータ調整部334aによって記憶色パラメータMCPが調整されたデジタルフィルムプロファイルDPFに従って記憶色調整処理を実行する。
【0143】
本実施例では、ユーザは、画質調整アプリケーション320aの設定画面を通じて、記憶色パラメータ調整部334aが実行する調整処理の設定を行うことができる。このような設定画面としては、図11に示す記憶色設定部MCSCと同様の設定画面を用いることができる。ユーザは、このような設定画面を操作することによって、記憶色パラメータMCPを好みに応じて調整することができる。
【0144】
このように、本実施例では、ユーザが、画質補正部326aが実際の記憶色調整処理に用いる記憶色パラメータMCPの調整を行うことができる。従って、ユーザの好みの記憶色パラメータMCPを含むデジタルフィルムプロファイルDPFを利用可能でない場合でも、記憶色パラメータMCPの調整を行うことによって、画質を適切に調整することができる。
【0145】
以上説明したように、上述の各実施例においては、色較正情報と記憶色パラメータとを含むデジタルフィルムプロファイルを利用して画像の出力を実行する。従って、画像生成装置の違いによらず、好みの発色特性を有する画像を出力することができる。特に、記憶色パラメータMCPの設定が同じデジタルフィルムプロファイルDPFを用いることによって、型式の異なる画像生成装置を用いる場合でも、ほぼ同じ発色特性を有する画像を得ることができる。また、プリンタに適した色空間wRGBに関する情報を含むメディアプロファイルMPFを利用して画像の出力を実行することによって、画像出力部の違いによらず、記憶色範囲の条件を満たす色が目標色に近い好ましい色で再現された画像を出力することができる。また、デジタルフィルムプロファイルDPFと画像データとを含むプロファイル付き画像ファイルを生成して用いることによって、画像の出力に適したデジタルフィルムプロファイルDPFを記憶していない出力システムから画像を出力する場合でも、画質を適切に調整した画像を得ることができる。さらに、ユーザは、デジタルフィルムプロファイルサーバ120を利用することによって、手軽に画像生成装置に適したデジタルフィルムプロファイルDPFの準備を行うことができる。
【0146】
E.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0147】
E1.変形例1:
上述の各実施例における記憶色調整処理は、トーンカーブを用いた処理に限らず、記憶色に近い範囲の色を目標色に近い色に調整する処理であれば良い。例えば、入力値と出力値との組み合わせを複数含むルックアップテーブルを用いて色を調整する構成としても良い。この場合には、ルックアップテーブルが記憶色パラメータMCPとして用いられる。
【0148】
E2.変形例2:
色空間変換処理を実行するための入力値と出力値との対応関係を表す方法としては、マトリックスやルックアップテーブルを用いた方法に限らず、適切に色空間変換処理を実行できるような方法であればよい。
【0149】
E3.変形例3:
各実施例では、デジタルフィルムプロファイルDPFが含む色較正情報は、DSCの色空間iRGBと装置非依存色空間との対応関係に関する情報であったが、一般に、色較正情報は、画像データの色較正に利用される情報であればよい。色較正を、色空間変換処理によって実現する場合には、この色較正情報は、一般に、第1の色空間と第2の色空間との対応関係に関する情報とすることができる。例えば、第1の色空間としてDSCの色空間iRGBを用い、第2の色空間としてプリンタに適した色空間wRGBを用いてもよい。このとき、入力色空間変換部322(図2)は、画像データを定義する色空間を、DSCの色空間iRGBからプリンタに適した色空間wRGBへ変換する色空間変換処理を実行する。また、メディアプロファイル記憶部304、第2選択部332、出力色空間変換部324(図2)や、メディアプロファイル準備処理S100(図3)は、省略することができる。このような構成を用いる場合にも、画像出力部から出力したテストチャートに基づいて色較正情報を設定すれば、画像生成装置や画像出力部の違いによらず、出力する画像の色再現性を向上させるとともに、記憶色範囲の条件を満たす色が目標色に近い好ましい色で再現された画像を得ることができる。
【0150】
また、上述の各実施例では、色空間変換処理を行うことによって色較正を実行する構成であるが、この代わりに、色空間変換処理と色較正とを別々に実行する構成とすることもできる。このとき、色再現情報は、色空間変換プロファイルとは別に、色較正のためのパラメータ値を含むように構成される。
【0151】
E4.変形例4:
上述の各実施例における、種々のサーバ(メディアプロファイルサーバ110、デジタルフィルムプロファイルサーバ120)と情報をやり取りするための設定画面(図5、図8、図11)は、画質調整アプリケーション320の設定画面として表示する構成に限らず、ユーザに設定の確認と変更を許容する画面であれば良い。例えば、コンピュータ300上でブラウザを動作させ、メディアプロファイルサーバ110やデジタルフィルムプロファイルサーバ120が提供する設定画面用のウェブページをブラウザによって表示する構成としても良い。
【0152】
E5.変形例5:
上記各実施例においては、コンピュータ300の画質調整アプリケーション320がプロファイルMPF、DPFを用いた処理を行っていたが、この代わりに、プリンタ400の制御回路(図示せず)が、画質調整アプリケーション320の機能を実現するようにしてもよい。このとき、例えば、プリンタ400と画像生成装置としてのDSC600とをケーブルCBで接続し、プリンタ400がケーブルCBを介して入力画像データGD1を受信する構成を用いることができる。また、DSC600が生成した入力画像データGD1をメモリーカード(図示せず)に格納し、入力画像データGD1が記録されたメモリーカードを、プリンタ400に装着することによって、プリンタ400が入力画像データGD1を読み込む構成を用いてもよい。また、DSC600とプリンタ400とをネットワークNETに接続し、プリンタ400がネットワークNETを経由して入力画像データGD1を受信する構成とすることもできる。
【0153】
E6.変形例6:
上記プロファイル付き画像ファイル生成アプリケーションの実施例では、入力画像データGD1とデジタルフィルムプロファイルDPFとが同一の画像ファイルに含まれる場合を例にとって説明したが、入力画像データGD1とデジタルフィルムプロファイルDPFとは必ずしも同一のファイル内に格納される必要はない。すなわち、入力画像データGD1とデジタルフィルムプロファイルDPFとが関連づけられていれば良く、例えば、入力画像データGD1とデジタルフィルムプロファイルDPFとを関連付ける関連付けデータを生成し、入力画像データGD1とデジタルフィルムプロファイルDPFとをそれぞれ独立したファイルに格納し、入力画像データGD1を処理する際に関連付けられたデジタルフィルムプロファイルDPFを参照しても良い。かかる場合には、入力画像データGD1とデジタルフィルムプロファイルDPFとが別ファイルに格納されているものの、デジタルフィルムプロファイルDPFを利用する画像データ処理の時点では、入力画像データGD1およびデジタルフィルムプロファイルDPFとが相互に関連付けられており、実質的に同一のファイルに格納されている場合と同様に機能するからである。すなわち、少なくとも画像データ処理の時点において、入力画像データGD1とデジタルフィルムプロファイルDPFとが関連付けられているものは、プロファイル付き画像ファイルと見なすことが可能である。
【0154】
E7.変形例7:
上述の各実施例では、色較正のための処理(入力色空間変換処理、出力色空間変換処理)と記憶色調整処理とを1つのアプリケーション(画質調整アプリケーション320)で実行していたが、この代わりに、各処理を独立したアプリケーションで実行する構成とすることもできる。例えば、図2のフロントエンドモジュール336と、バックエンドモジュール338とを、別のアプリケーションとして構成しても良い。このとき、各アプリケーションで処理された画像データは、別のアプリケーションに渡されることになるが、画像データとともに、画像データを表す色空間に関する情報も渡される構成とすることが好ましい。こうすることによって、画像データを受け取ったアプリケーションは、忠実な色再現を維持しつつ処理を実行することができる。色空間に関する情報は、色較正に利用される情報であればよく、例えば、画像データを表す色空間と別の色空間との対応関係を表す情報を用いることができる。
【0155】
E8.変形例8:
上述の各実施例では、色較正のための処理(入力色空間変換処理、出力色空間変換処理)に加えて記憶色調整処理を実行しているが、さらに、他の画質調整処理を実行する構成としても良い。例えば、画質補正部326が、記憶色調整処理に加えて、コントラストの調整処理やシャープネスの調整処理を実行する構成としてもよい。このときも、デジタルフィルムプロファイルDPFが、コントラスト調整処理やシャープネス調整処理のためのパラメータを含むように構成することによって、ユーザは、手軽に画質を適切に調整した画像を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】色管理画像出力システムの全体構成を示す説明図。
【図2】コンピュータ300の構成を示すブロック図。
【図3】色管理画像出力処理を示すフローチャート。
【図4】メディアプロファイル準備処理を示すフローチャート。
【図5】画質調整アプリケーション320の設定画面の一例。
【図6】メディアプロファイル準備処理の説明図。
【図7】デジタルフィルムプロファイル準備処理を示すフローチャート。
【図8】設定画面の一例を示す図。
【図9】デジタルフィルムプロファイル準備処理の説明図。
【図10】記憶色調整処理を説明する説明図。
【図11】設定画面の一例を示す説明図である。
【図12】画像出力処理を示すフローチャート。
【図13】設定画面の一例を示す説明図。
【図14】画像出力処理の説明図。
【図15】プロファイル付き画像ファイル生成処理の一例を示すフローチャート。
【図16】設定画面の一例を示す説明図。
【図17】画質調整アプリケーション320aの構成を示すブロック図。
【符号の説明】
110…メディアプロファイルサーバ
112…メディアプロファイル作成部
114…メディアプロファイル作成用テストチャートデータ格納部
116、126、306…送受信部
120…デジタルフィルムプロファイルサーバ
122…デジタルフィルムプロファイル作成部
124…デジタルフィルムプロファイル作成用テストチャートデータ格納部
200…出力システム
300…コンピュータ
302…デジタルフィルムプロファイル記憶部
304…メディアプロファイル記憶部
320、320a…画質調整アプリケーション
322、322a…入力色空間変換部
324、324a…出力色空間変換部
326、326a…画質補正部
328、328a…色空間変換部
330、330a…第1選択部
332、332a…第2選択部
334a…記憶色パラメータ調整部
336、336a…フロントエンドモジュール
338、338a…バックエンドモジュール
340…プロファイル付き画像ファイル生成アプリケーション
342…画像ファイル生成部
344…選択部
400…プリンタ
500…モニタ
NET…ネットワーク
CB…ケーブル
GD1…入力画像データ
GD2…出力画像データ
PD…印刷データ
DFB…デジタルフィルムプロファイルダウンロードメニューボタン
IMB…テストチャート画像送信設定部
OCA…出力条件設定部
OCB、OCD…出力条件一覧表
DPF…デジタルフィルムプロファイル
DPFSD、DPFSE…デジタルフィルムプロファイル設定部
DPFC、DPFD、DPFE…デジタルフィルムプロファイル名設定部
DPFDLC…ダウンロード開始ボタン
MPF…メディアプロファイル
MPFSA…メディアプロファイルダウンロード設定部
MPFSD…メディアプロファイル設定部
MPFA、MPFB、MPFD…メディアプロファイル名設定部
MPFDLA…ダウンロード開始ボタン
TCDA、TCDB…ダウンロード開始ボタン
TCFA、TCFB…テストチャートデータファイル設定部
TCOA、TCOB…テストチャート出力開始ボタン
TCSA、TCSB…テストチャート設定部
IMFB…画像データファイル名設定部
IMUB…画像データ送信開始ボタン
MCP…記憶色パラメータ
DFB…デジタルフィルムプロファイルダウンロードメニューボタン
MCSC…記憶色設定部
STDC…標準設定部
SPLC…簡易設定部
PRCC…詳細設定部
IMBF…調整前サンプル画像
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Claims (18)

  1. 画像生成装置によって生成された対象画像データを用いて画像を出力する方法であって、
    (a)前記画像生成装置によって生成された任意の画像データのための色再現情報として、
    (i)前記画像生成装置を用いて生成された任意の画像データの色較正に利用される色較正情報と、
    (ii)前記画像生成装置を用いて撮像される任意の画像内の特定の記憶色に近い所定の範囲の色を対象とした色修正に利用される記憶色情報と、
    を含む色再現情報を、少なくとも前記画像生成装置の型式毎に準備する工程と、
    (b)前記画像生成装置によって生成された対象画像データに関して、前記色較正情報を用いた色較正と前記記憶色情報を用いた色修正とを含む複数の処理を実行することによって、処理済み画像データを生成する工程と、
    (c)前記処理済み画像データに基づいて画像を出力する工程と、
    を備える画像出力方法。
  2. 請求項1に記載の画像出力方法であって、
    前記色較正情報は、前記画像生成装置を用いて色見本を含む原画を撮像して得られた画像データから前記原画を再現する際に、前記原画の色を忠実に再現するための色較正に利用される情報である、画像出力方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の画像出力方法であって、
    前記色較正情報は、前記画像生成装置によって生成された任意の画像データの色空間を第1の色空間から第2の色空間へ変換する色空間変換処理を規定する色空間変換プロファイルを含み、
    前記対象画像データに関する前記色較正は、前記対象画像データに関して前記色空間変換処理を実行することによって実現される、画像出力方法。
  4. 請求項3に記載の画像出力方法であって、
    前記第1の色空間は、前記画像生成装置が前記対象画像データを生成する際に使用した色空間であり、
    前記第2の色空間は、装置非依存色空間である、
    画像出力方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の画像出力方法であって、
    前記工程(a)は、前記画像生成装置の複数の型式に対応した複数の前記色再現情報を準備する工程を含み、
    前記工程(b)は、前記複数の色再現情報の中から、前記画像生成装置の型式に応じて前記画像生成装置に適した1つの色再現情報を選択する工程を含む、画像出力方法。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の画像出力方法であって、
    前記工程(a)は、複数の前記色再現情報を準備する工程を含み、
    前記工程(b)は、前記複数の色再現情報の中から、ユーザの指示に応じて1つの色較正情報を選択する工程を含む、画像出力方法。
  7. 画像生成装置によって生成された対象画像データを用いて画像を出力する出力装置であって、
    前記画像生成装置を用いて生成された任意の画像データの色較正を実行する色較正部と、
    前記画像生成装置を用いて撮像される任意の画像内の特定の記憶色に近い所定の範囲の色を対象とした色修正を実行する色修正部と、
    前記対象画像データに対して前記色較正と前記色修正とを含む複数の処理を実行することによって得られる処理済み画像データに基づいて画像を出力する画像出力部と、
    を備え、
    前記色較正部と前記色修正部とは、
    前記画像生成装置によって生成された任意の画像データのための色再現情報であって、
    (i)前記色較正に利用される色較正情報と、
    (ii)前記色修正に利用される記憶色情報と、
    を含むとともに、少なくとも前記画像生成装置の型式毎に準備される色再現情報に基づいて処理を実行する、
    出力装置
  8. 画像生成装置によって生成された対象画像データを用いて画像出力部から画像を出力するための処理済み画像データを生成する処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
    (a)前記画像生成装置を用いて生成された任意の画像データの色較正を実行する機能と、
    (b)前記画像生成装置を用いて撮像される任意の画像内の特定の記憶色に近い所定の範囲の色を対象とした色修正を実行する機能と、
    (c)前記対象画像データに対して前記機能(a)(b)を実行して前記処理済み画像データを生成する機能と、
    を、前記コンピュータに実現させるコンピュータプログラムであり、
    前記機能(a)(b)は、
    前記画像生成装置によって生成された任意の画像データのための色再現情報であって、
    (i)前記色較正に利用される色較正情報と、
    (ii)前記色修正に利用される記憶色情報と、
    を含むとともに、少なくとも前記画像生成装置の型式毎に準備される色再現情報に基づいて実現される、コンピュータプログラム。
  9. 請求項8に記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  10. 画像生成装置によって生成された対象画像データを含む画像ファイルを生成する画像ファイル生成方法であって、
    (a)前記画像生成装置によって生成された任意の画像データのための色再現情報として、
    (i)前記画像生成装置を用いて生成された任意の画像データの色較正に利用される色較正情報と、
    (ii)前記画像生成装置を用いて撮像される任意の画像内の特定の記憶色に近い所定の範囲の色を対象とした色修正に利用される記憶色情報と、
    を含む色再現情報を、少なくとも前記画像生成装置の型式毎に準備する工程と、
    (b)前記色再現情報を、前記対象画像データに関連付けて格納する色再現情報付き画像ファイルを生成する工程、を備える、
    画像ファイル生成方法。
  11. 請求項10に記載の画像ファイル生成方法であって、
    前記色較正情報は、前記画像生成装置を用いて色見本を含む原画を撮像して得られた画像データから前記原画を再現する際に、前記原画の色を忠実に再現するための色較正に利用される情報である、画像ファイル生成方法。
  12. 請求項10または請求項11に記載の画像ファイル生成方法であって、
    前記色較正情報は、前記画像生成装置によって生成された任意の画像データの色空間を第1の色空間から第2の色空間へ変換する色空間変換処理を規定する色空間変換プロファイルを含み、
    前記対象画像データに関する前記色較正は、前記対象画像データに関して前記色空間変換処理を実行することによって実現される、画像ファイル生成方法。
  13. 請求項12に記載の画像ファイル生成方法であって、
    前記第1の色空間は、前記画像生成装置が前記対象画像データを生成する際に使用した色空間であり、
    前記第2の色空間は、装置非依存色空間である、
    画像ファイル生成方法。
  14. 請求項10ないし請求項13のいずれかに記載の画像ファイル生成方法であって、
    前記工程(a)は、前記画像生成装置の複数の型式に対応した複数の前記色再現情報を準備する工程を含み、
    前記工程(b)は、前記複数の色再現情報の中から、前記画像生成装置の型式に応じて前記画像生成装置に適した1つの色再現情報を選択する工程を含む、画像ファイル生成方法。
  15. 請求項10ないし請求項13のいずれかに記載の画像ファイル生成方法であって、
    前記工程(a)は、複数の前記色再現情報を準備する工程を含み、
    前記工程(b)は、前記複数の色再現情報の中から、ユーザの指示に応じて1つの色再現情報を選択する工程を含む、画像ファイル生成方法。
  16. 画像生成装置によって生成された対象画像データを含む画像ファイルを生成する画像ファイル生成装置であって、
    前記画像生成装置によって生成された任意の画像データのための色再現情報であって、
    (i)前記画像生成装置を用いて生成された任意の画像データの色較正に利用される色較正情報と、
    (ii)前記画像生成装置を用いて撮像される任意の画像内の特定の記憶色に近い所定の範囲の色を対象とした色修正に利用される記憶色情報と、
    を含むとともに、少なくとも前記画像生成装置の型式毎に準備される色再現情報を、前記対象画像データに関連付けて格納する色再現情報付き画像ファイルを生成する画像ファイル生成部を備える、
    画像ファイル生成装置。
  17. 画像生成装置によって生成された対象画像データを含む画像ファイルを生成する処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
    (a)前記画像生成装置によって生成された任意の画像データのための色再現情報であって、
    (i)前記画像生成装置を用いて生成された任意の画像データの色較正に利用される色較正情報と、
    (ii)前記画像生成装置を用いて撮像される任意の画像内の特定の記憶色に近い所定の範囲の色を対象とした色修正に利用される記憶色情報と、
    を含むとともに、少なくとも前記画像生成装置の型式毎に準備される色再現情報を、前記対象画像データに関連付けて格納する色再現情報付き画像ファイルを生成する機能、を前記コンピュータに実現させる、
    コンピュータプログラム。
  18. 請求項17に記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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