JP2004235111A - イオン伝導体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】常温において使用することができ、かつ、プロトン(H)より大きな一価イオン類、あるいは多価イオン類を伝導させることでイオン伝導率を向上させることが可能なイオン伝導体とその製造方法を提供する。
【解決手段】多孔体を貫通する複数の連続細孔の表面にイオン性官能基を付与する。この多孔体は、液体を通過させないものであり、例えば多孔質ガラス、多孔質アルミナ、または多孔質ムライトなどの多孔質セラミックスから構成される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イオン伝導体及びその製造方法に係り、特に、隔膜などのイオニクス素子や、電解装置などのイオニクス機器に用いられるイオン伝導体及びその製造方法に関する。また、本発明は、イオン伝導体を用いたイオニクス素子及びイオニクス機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
物質の内部に電界が生じると、電界の作用により物質中を電荷が移動して電気が流れる。この現象は一般に電気伝導として知られており、電荷を運ぶ担体の種類によって電子伝導とイオン伝導とに大別される。例えば、金属や半導体にみられる電気伝導は、電子を電荷の担体とする電子伝導であり、この電子伝導を基幹としたエレクトロニクス素子は、トランジスタ、ダイオードをはじめ各種機器の根幹技術として発展している。
【0003】
一方、電解質などにみられる電気伝導は、各種イオンを電荷の担体とするイオン伝導である。例えば隔膜は、イオン伝導を利用したイオニクス素子として知られており、このようなイオニクス素子を用いた電解装置などの各種化学品の製造装置や、電気計測器、起電システムなどは、イオニクス機器として実用化されている。しかしながら、一般に、イオン伝導は、常温においては電解質が液状であるときに限って生じるため、このイオン伝導を基幹としたイオニクス素子やイオニクス機器は、固体化を含め素子化が困難とされている。これは、固体中でイオンを自由に移動させるためには、その固体を高温下に置く必要があるからである。
【0004】
最近では、固体中をイオンが移動してイオン伝導性を示す固体イオン伝導体の開発が進められている。このような固体イオン伝導体は、ヨウ化銀結晶やある種のセラミック類などのように高温でのみ用いられるものと、イオン交換樹脂などの常温〜100℃程度の温度領域で用いられるものがある。
【0005】
イオニクス機器の一つである電解装置では、反応時における原料及び反応生成物の混合を回避するために、幾つかの工夫がなされている。例えば、従来使用されていた水銀法によるソーダ製造は、水銀層を介在させることにより、イオンを直接移動させるのではなく金属化合物に変換する方法、すなわち電解によって得られたナトリウムと塩素を分離し、塩化ナトリウムになることを防ぎ、かつ塩素を得る方法を用いていた。しかしながら、この水銀法は、水銀による環境汚染と製品汚染の問題があり、その後は各種隔膜を利用した隔膜法が用いられるようになった。隔膜としては初期にはアスベストなどの無機繊維質を板状に加工したものなどが利用され、隔膜内部の隙間に満たされた水溶液がイオンを移動させていた。しかしながら、この隔膜法は、一方の電極で発生する反応生成物がガス体であって、かつ他の物質から容易に分離できる場合は利用可能であるが、物質混合及び逆反応の防止性が不足しており、生産性が著しく阻害されていた。その後、イオン交換膜が開発され、現在常温において使用できる隔膜の主流となっている。
【0006】
イオン交換樹脂等の固体高分子膜(有機系ポリマー)は、例えばスルホン酸基(−SOH)を有するフッ素樹脂系イオン交換樹脂膜から構成され、ポリマー分子間の隙間をイオンが通過する構造を持つ。イオン交換樹脂にあっては、プロトン水和物(H)がプロトン(H)を伝導させる媒体となり、プロトン(H)が固体高分子(有機系ポリマー)からなるイオン交換樹脂の内部を通って電荷を運搬する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、常温において使用できる従来の固体高分子(有機系ポリマー)では、プロトン(H)がポリマー分子間の隙間を通って移動するため、プロトン(イオン)伝導率が一般に低く、現在実用化されているものでも2×10−3S/cm程度である。しかも、この固体高分子(有機系ポリマー)は経時的に劣化し、イオン伝導率が5×10−6S/cmまで低下し、反応抵抗が高くなる。また、固体高分子(有機系ポリマー)は機械的強度が弱く独立した素子への応用が難しかった。さらに、従来の固体高分子(有機系ポリマー)では、ポリマー分子間の隙間が小さいため、プロトン(H)より大きな一価イオン類、あるいは多価イオン類を伝導させることは困難であり、結果としてイオン伝導率を向上させることが困難であった。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みて為されたもので、常温において使用することができ、かつ、プロトン(H)より大きな一価イオン類、あるいは多価イオン類を伝導させることでイオン伝導率を向上させることが可能なイオン伝導体とその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の本発明は、複数の貫通した連続細孔を有する多孔体を備え、前記複数の連続細孔の表面にイオン性官能基を付与したことを特徴とするイオン伝導体である。
【0010】
上述したように、従来では、常温でのイオン伝導は、水溶液などの液相中でイオンを移動させるか、上記固体高分子中でイオンを移動させるものであった。また、セラミック類等を用いた固体電解質の場合は、この固体電解質をある程度高温にしてイオンを移動させるものであった。
【0011】
これに対し、本発明者は鋭意研究を重ねたところ、各種イオンが固体表面に固定されたイオン性官能基を伝わることにより、比較的高速かつ低抵抗でイオンが移動することを見いだした。この現象は、イオンを移動させる媒体が固定されている点で、従来の液相中におけるイオンの移動とは異なっている。また、固体表面に固定されたイオン性官能基を媒体とするイオンの伝導は、イオンを移動させる媒体が固定されている点で固体高分子電解質と共通であるが、イオンが固体の表面あるいは界面を自由に移動する点で、イオンが固体内部の分子間を移動する固体高分子電解質と異なる。即ち、イオンは固体の表面あるいは界面を移動するので、分子間の隙間の大きさに制約されることなくイオンが自由に移動できる。
【0012】
しかしながら、このようなイオンの表面伝播現象を利用してイオン伝導体を構成し、各種イオニクス素子に適用するときに、固体の表面のみを利用したイオンの伝播では移動するイオンの絶対量が不足し、かつ隔膜等への適用が困難であった。そこで本発明者は、このイオンの表面伝播現象と表面積の大きな多孔体とを組み合わせることにより、実用的なイオン伝導体を作製することに成功した。特に、本発明者は、多孔体としてセラミック系の多孔質材料を用い、その内部に形成された多数の細孔の表面を利用することにより、見かけ上固体でありながら、大きなイオン伝導性を持つイオン伝導体を見いだすに至った。
【0013】
従って、本発明に係るイオン伝導体によれば、多孔体を貫通する複数の連続細孔(以下、適宜細孔という)の表面にイオン性官能基を付与したことにより、各種イオンは細孔の表面に吸着され、かつその表面を伝わることで多孔体の内部を移動させることが可能となる。しかも、1価イオンや多価イオンなどの種々のイオンを自由に移動させることができるため、イオン伝導率を大幅に向上させることが可能となる。
【0014】
請求項2に記載の本発明は、前記多孔体は、多孔質セラミックスであることを特徴とする。
本発明に係るイオン伝導体では、有機質の多孔体を用いても良いが、機械的強度および化学的安定性を考えると、多孔体として多孔質セラミックスを用いることが好ましい。
請求項3に記載の本発明は、前記多孔質セラミックスは、多孔質ガラス、多孔質アルミナ、または多孔質ムライトであることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の本発明は、前記連続細孔の平均直径は1nm〜1μmであり、前記多孔体の空隙率が5〜90%であることを特徴とする。
本発明によれば、液体の通過を防止しつつ、種々のイオンを移動させることが可能となる。なお、連続細孔の径の大きさは、移動対象となるイオンの種類に応じて決定することが好ましい。
【0016】
請求項5に記載の本発明は、前記連続細孔の表面に、疎水基を付与したことを特徴とする。
請求項6に記載の本発明は、前記疎水基は、アルキル基またはフッ化炭素系官能基であることを特徴とする。
本発明によれば、細孔の表面に撥水性を持たせることができるので、液体の透過をより効果的に防止することができる。疎水基(撥水性を持つ官能基)としては、例えばアルキル基やフッ化炭素系官能基などが好適に使用される。なお、表面張力の作用により細孔内への液体の浸入を防ぐことができるため、疎水基の細孔への導入は必須ではないが、疎水基とイオン性官能基とを細孔の表面に混在させることにより、移動させるべきイオンの選択性やイオン伝導体の耐久性を大きく向上させることができる。
【0017】
請求項7に記載の本発明は、前記多孔体は、平板状、管状、またはハニカム状の形状を有することを特徴とする。
本発明に係るイオン伝導体は、その使用目的に応じて様々な形状の多孔体を用いることができる。
【0018】
請求項8に記載の本発明は、多孔体を貫通する複数の連続細孔の表面に存在する活性基に、共有結合または水素結合によってイオン性官能基を付与することを特徴とするイオン伝導体の製造方法である。
【0019】
請求項9に記載の本発明は、多孔体を貫通する複数の連続細孔の表面に存在する活性基に疎水基を結合させ、前記疎水基に、イオン官能基とアルキル基またはフッ化炭素系官能基とを有するアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、または両性界面活性剤を保持させることを特徴とするイオン伝導体の製造方法である。
【0020】
請求項10に記載の本発明は、複数の貫通した連続細孔を有する多孔体を備え、前記複数の連続細孔の表面にイオン性官能基が付与されたイオン伝導体からなることを特徴とするイオン伝導性隔膜である。
請求項11に記載の本発明は、複数の貫通した連続細孔を有する多孔体を備え、前記複数の連続細孔の表面にイオン性官能基が付与されたイオン伝導体からなることを特徴とするイオニクス素子である。
請求項12に記載の本発明は、複数の貫通した連続細孔を有する多孔体を備え、前記複数の連続細孔の表面にイオン性官能基が付与されたイオン伝導体を備えたことを特徴とするイオニクス機器である。
【0021】
イオニクス素子は、イオニクス機器を構成する部品と考えることができ、イオニクス素子の具体例として、例えば隔膜が挙げられる。イオニクス機器は、このようなイオニクス素子を含む機器類であって、イオン伝導を利用したイオン計測機器、電解装置、起電装置などの機器を含む概念である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1(a)は本発明の第1の実施形態に係るイオン伝導体を模式的に示す断面図であり、図1(b)は図1(a)に示す細孔を拡大した断面図であり、図1(c)は図1(b)に示す細孔の表面を模式的に示す拡大断面図である。
【0023】
図1(a)に示すように、多孔体1は、その内部に多数の貫通した連続細孔(以下、適宜細孔という)1aを有する多孔質ガラスである。より詳しくは、この多孔質ガラス(多孔体)1は、SiOからなる高ケイ酸型の多孔質ガラスまたは多成分系ガラス(例えば、SiO−P、SiO−Al、SiO−GeO、SiO−ZrO)から構成されている。なお、多孔質ガラスに代えて、例えば多孔質ムライト(アルミノシリケート)や多孔質アルミナなど、ある程度の剛性を有し、イオン性官能基及び疎水基の付与を容易に行えるような他の多孔質セラミックスでもよい。
【0024】
図1(c)に示すように、多孔質ガラス1の内部に形成されている細孔1aの表面には、スルホン酸基(−SOH)からなるイオン性官能基(−SO )2が付与されている。また、図示しないが、多孔質ガラス1の細孔1a以外の表面にもスルホン酸基からなるイオン性官能基が付与されている。このように、細孔1aの表面を含む多孔質ガラス1の全表面にイオン性官能基2を付与することで、多孔質ガラス(多孔体)1にイオン伝導性を付与することができる。しかも、特定のイオンを識別し、このイオンを選択的に透過、分配あるいは吸着するようなイオン性官能基を多孔質ガラス1に付与することで、例えば、塩橋や含浸材などのように内部に満たした電解質溶液を媒体としてイオンを選択的に透過させるようにした場合に比較して、イオン透過による十分なイオン伝導性を得ることができる。
【0025】
また、図1(c)に示すように、細孔1aの表面を含む多孔質ガラス1の表面には、疎水基としてのアルキル基(−C2n+1)3が付与されている。このように、多孔質ガラス(多孔体)1にはアルキル基3によって撥水性が付与されているため、イオン供給源となる水溶液中の溶媒である水は疎水基であるアルキル基3によって排除され、イオン伝導体の内部に水(液体)が浸入してしまうことが防止される。従って、細孔1aを含む多孔質ガラス1の表面に付与されたアルキル基3により液体の通過が防止され、同時に、細孔1aの表面に付与されたイオン性官能基2により、1価イオンや多価イオンなどの種々のイオンを移動させることが可能となる。
【0026】
次に、本発明の第2の実施形態について図2を参照して説明する。
図2は、本実施形態に係るイオン伝導体の内部に形成された細孔を模式的に示す拡大断面図である。なお、本実施形態に使用される多孔体は、上述した第1の実施形態と同様、多孔質ガラスであるが、多孔質ガラスに代えて多孔質ムライトや多孔質アルミナなどの他の多孔質セラミックスを用いてもよい。
【0027】
図2に示すように、多孔質ガラスの内部に形成されている細孔の表面には、疎水基としてのアルキル基(オクタデシル基、−C1837)3が結合しており、さらに、このアルキル基3の上に、スルホン酸基からなるイオン性官能基(−SO )2と疎水基であるアルキル基とを持つアニオン界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸)4が付着している。このアニオン界面活性剤4のアルキル基(オクタデシル基)3への付与は、疎水結合を利用した、いわゆるダイナミックコーティング法によって行われる。このダイナミックコーティング法によれば、疎水性を持つアルキル基(オクタデシル基)3とアニオン界面活性剤4の疎水性部分とが互いに吸着し合い、これにより、アニオン界面活性剤4が持つイオン性官能基(−SO )2が細孔1aの表面に付与される。このようにして、本実施形態に係るイオン伝導体は、上述した第1の実施形態と同様に、液体の通過を防ぎつつ、良好なイオン伝導性を得ることができる。
【0028】
なお、アニオン界面活性剤に代えて、カチオン界面活性剤、または両性界面活性剤を使用してもよい。カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキル4級アンモニウム塩が好適に使用され、両面活性剤としては、例えば、クロルアルキルスルホン酸ナトリウムや、アミノスルホン酸ナトリウムなどが好適に使用される。また、細孔の表面に結合させる疎水基として、アルキル基に代えてフッ化炭素系官能基(−C2n+1)を使用してもよい。さらに、界面活性剤として、フッ化炭素系官能基を持つアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、または両性界面活性剤を使用してもよい。
【0029】
次に、本発明の第3の実施形態について図3を参照して説明する。
図3(a)は本実施形態に係るイオン伝導体の内部に形成された細孔の表面を示す模式図であり、図3(b)は本発明の比較例としてイオン性官能基が付与されずにシラノール基(−SiOH)が細孔の表面に露出した状態を示す模式図である。なお、本実施形態に使用される多孔体は、上述した第1の実施形態と同様、多孔質ガラスであるが、これに代えて多孔質ムライトや多孔質アルミナなどの他の多孔質セラミックスを用いてもよい。
【0030】
図3(a)に示すように、細孔1aの表面には疎水基としてのアルキル基(−C2n+1)を持つプロパンスルトン(CSO)が付与されており、このプロパンスルトンに4級アンモニウムからなるイオン性官能基(−N(CH)が結合している。このイオン性官能基は、カチオン界面活性剤であるアルキル4級アンモニウム塩を多孔質ガラスに導入することによってプロパンスルトンに結合させることができる。
【0031】
ここで、図3(a)に示す本発明の第3の実施形態に係るイオン伝導体が持つイオン伝導性について図4を参照して説明する。図4は、本発明の第3の実施形態に係るイオン伝導体の場合(曲線A)と、イオン性官能基が付与されていない多孔質ガラス(図3(b)参照)の場合(曲線B)における過塩素酸イオンの活量と電位差の関係を示すグラフ図である。
【0032】
図4に示すように、等しい過塩素酸イオン活量に対して、曲線Aの方がはるかに高い電位差を示すことから、多孔質ガラスの表面に固定されたイオン性官能基が高い電荷運搬性を持つことが判る。これにより、イオン性官能基として、例えば、硫酸基(スルホン酸基)などのアニオン基、4級アンモニウム基などのカチオン基、もしくは両性基の中から最適なイオン性官能基を選択して多孔質ガラス(多孔体)の表面に付与することによってイオン伝導率を飛躍的に高めることができる。
【0033】
つまり、移動する電荷が例えばプロトン(H)の場合には、水素イオンを識別し、高感度で透過させるイオン性官能基(例えばカチオン交換基であるスルホン酸基)を多孔質ガラスの細孔の表面に付与してイオン伝導体を構成することによって、イオン伝導体として十分かつ最適なイオン伝導性を確保することができる。
【0034】
図5は、平均直径を200nmに制御して細孔を形成したときの多孔質ガラスを示す走査型電子顕微鏡写真である。図6は、細孔の平均径を6nm(グラフA)、10nm(グラフB)、30nm(グラフC)、50nm(グラフD)及び100nm(グラフE)に制御して多孔質ガラスに細孔を形成したときの細孔の径の大きさの分布を示すグラフである。
【0035】
図6に示すように、多孔質ガラスでは、ほぼ均一でバラツキのない直径を持つ細孔が均一に分布している。このような多孔質ガラスにあっては、例えば最小10Åまでの細孔径の制御を容易に行うことができる。そして、この細孔径を制御することで、イオン性を帯びていない水やその他の溶媒分子の透過を回避することができる。従って、孔径の制御が容易な多孔質ガラスを多孔体として用いることによって、イオン伝導体(多孔質ガラス)を通して溶媒液がリークすることを防止しつつ、しかもイオン伝導性を極大にするような実用上最適な孔径を追求することができる。
【0036】
なお、本発明に係るイオン伝導体を隔膜として構成し(以下、イオン伝導性隔膜という)、その膜厚と孔径(4〜500nm)を様々に変化させて実験を行った結果、膜厚と孔径を最適に選択することによって電荷運搬量を最大にできることが確認されている。即ち、イオン伝導性隔膜を構成する多孔体として例えば多孔質ガラスを使用した場合、膜厚は、1μm〜1mmとすることが好ましく、更に150μm〜500μmとすることが好ましい。これは、膜厚を1μm以下にすると、均一な膜厚の多孔質ガラス(イオン伝導性隔膜)を形成することが因難となり、一方、膜厚を1mm以上とすると、イオン移動に対する抵抗が増大してしまうからである。なお、本発明に係るイオン伝導体を隔膜として使用する場合は、機械的強度を確保するためにサポート材を利用し、イオン伝導体を不均一膜として構成することも有効である。
【0037】
細孔径はイオン伝導率や溶媒液のリークの回避等を考慮して決定される。一般的にはプロトン(H)が移動する場合、細孔の径の大きさは、1nm〜1μm、好ましくは1nm〜100nm、更に好ましくは4nm〜50nmに設定される。細孔の径が小さすぎるとイオン移動の障害になるが、大きすぎると溶媒液のリーク防止が不十分になる。多孔体の空隙率は、一般的には5〜90%、好ましくは10〜70%、更に好ましくは20〜60%に設定され、多孔質ガラスにあっては、通常は50〜60%の空隙率のものが使用される。多孔体の空隙率も、大きい方がイオン移動の抵抗が小さく効率良くイオンを移動させることができるが、強度が弱くなる。なお、溶媒液のリーク防止を考慮した場合には、必ずしもイオン伝導体の全体が緻密である必要性はなく、製造面での問題が無ければ、例えば一端面でも緻密な領域が形成されていればよい。
【0038】
また、細孔の表面に、疎水性の官能基を付与することにより親水性の物質の透過を抑制することが可能となり、これによっても、イオン伝導性隔膜(多孔質ガラス膜)を通して溶媒としての水がリークすることが回避され、しかもイオン(例えばプロトン)伝導性を極大にするような実用上最適な孔径を追求することができる。
【0039】
例えば、疎水基であるアルキル基を細孔の表面に導入すると、イオン伝導体の細孔内部の疎水性が高くなり、溶媒液のリークを防止することができる。なお、溶媒液のリークの防止を考慮した場合には、必ずしもイオン伝導体全体にアルキル基を導入する必要性はなく、製造面での問題が無ければ、例えば一端面でもアルキル基が導入されていればよい。
【0040】
次に、多孔体として膜状の多孔質ガラスを備えた本発明に係るイオン伝導体の製造例について説明する。なお、本発明における多孔体は、その表面に官能基を付与できるものであれば特に制限されず、多孔質ガラスに代えて多孔質ムライトや多孔質アルミナなどの他の多孔質セラミックスを使用してもよい。
【0041】
イオン伝導体に使用される多孔質ガラスの製造法としては、分相法、ゾル−ゲル法、均一粒子の焼結法などがある。ここでは、分相法によって多孔質ガラスを製造する例について説明する。
【0042】
まず、例えばNaO−B−SiO系のガラス原料を、所定の形状に成形する。そして、この所定の形状のガラス原料に熱処理(500〜600℃)を施して、NaO−B相とSiO相とに分相させる。次に、このガラス原料に酸処理を施してNaO−B相を溶出して除去し、これによって、SiO相を骨格とした多孔質ガラスが得られる。本発明者は、ガラス原料の組成や分相の熱処理条件(温度、時間)、酸による溶出条件などによって細孔の径の制御が可能であることを報告している(H.Tanaka,H.Nagasawa et,all: .journal of Non−Crystalline Solids 65p301−309,(1984))。
【0043】
次に、上述のようにして製造された多孔質ガラスの細孔の表面を含む全表面に官能基を付与する方法について、ダイナミックコーティング法と直接法を例にして説明する。なお、以下に説明するダイナミックコーティング法は、図2に示す第2の実施形態に係るイオン伝導体の製造方法である。
【0044】
▲1▼ダイナミックコーティング法
前述のようにして製作された多孔質ガラスを、オクタデシルトリクロロシラン(C1837ClSi、ODS)を分散させたトルエン(C)中に浸漬し、例えば冷却器をつけたフラスコ内で還流加熱する。この時、機械的攪拌ではなくNガスを吹き込んで攪拌することが好ましい。反応温度と時間によってオクタデシルトリクロロシランの付与量が制御できる。一般的には、トルエンの沸点(110.6℃)で約2時間程度反応させることで、多孔質ガラスの表面に露出する活性基としてのシラノール基(−SiOH)にアルキル基が結合し、これにより、アルキル基の導入が完了する。
【0045】
アルキル基を導入した後、多孔質ガラスをアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、C1829SONa)を添加したトルエンに15〜60分浸漬する。その後、多孔質ガラスをトルエンから引き上げ、常温にてトルエンを乾燥させる。これにより、疎水基であるアルキル基にアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの疎水基が吸着し、スルホン酸基からなるイオン性官能基(−SO )が多孔質ガラスの表面に現れるため、この多孔質ガラスに導電性(イオン伝導性)が付与される。なお、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの添加量やトルエンへの浸漬時間を調節することによって導電性の制御が可能である。
【0046】
▲2▼直接法(第1例)
前述のようにして製作された多孔質ガラスを、フェニルトリクロロシラン(CClSi)などのフェニル系のシランカップリング剤を分散させたトルエンに浸漬し、例えば冷却器をつけたフラスコ内で還流加熱する。シランカップリング剤の添加量と反応温度と時間によってシランカップリング剤の付与率が制御できる。一般的には、トルエンの沸点で約2時間程度反応させる。
【0047】
このサンプルを濃硫酸などと混合させることによってスルホン化させ、常温で約1日乾操させる。スルホン化条件によってアルキル基のスルホン化率が変化し、導電性(イオン伝導性)の制御が可能である。
【0048】
▲3▼直接法(第2例)
以下に説明する方法は、図1(c)に示す本発明の第1の実施形態に係るイオン伝導体の製造方法である。まず、前述のようにして作製した多孔質ガラスを、プロパンスルトン(CSO、PS)を分散させたトルエンに浸漬し、例えば冷却器をつけたフラスコ内で還流加熱する。プロパンスルトンの添加量と反応温度と時間によってプロパンスルトンの付与率が制御できる。一般的には、トルエンの沸点で約2時間程度反応させる。プロパンスルトンは下記に示す開環反応により多孔質ガラス表面に露出するシラノール基(−SiOH)と結合し、多孔質ガラスの表面に−CSOH基が導入される。
−SiOH + CSO → −SiO−CSO
この−CSOH基は、スルホン酸基及びアルキル基を備えるため、細孔の表面を含む多孔質ガラスの表面にはスルホン酸基からなるイオン性官能基とアルキル基からなる疎水基とが付与される。
【0049】
このアルキル基が導入された多孔質ガラスをオクタデシルトリクロロシラン(C1837ClSi、ODS)を分散させたトルエン中に浸漬し、例えば冷却器をつけたフラスコ内で還流加熱する。反応温度と時間によってオクタデシルトリクロロシランの付与量が制御できる。一般的には、トルエンの沸点で約2時間程度反応させる。これで追加のアルキル基の導入が終了する。
【0050】
上述した第1及び第2例の直接法では、イオン性官能基は共有結合によって多孔質ガラス(多孔体)の細孔の表面に付与されている。イオン性官能基は、水素結合によっても細孔の表面に付与することができる。この場合は、多孔質ガラス(多孔体)を濃硫酸または希硫酸の中に一定時間浸漬し、多孔質ガラスの表面に露出するシラノール基にスルホン酸基を水素結合により吸着させる。これにより、スルホン酸基からなるイオン性官能基を細孔の表面に付与することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、イオン伝導の基礎となるイオンを、固体高分子の内部ではなく、イオン性官能基が付与された多孔体の細孔の表面上を移動させることができると共に、イオン伝導体内部への液体の浸入を実質的に阻止することによって経時的なイオン伝導率の低下を抑制できる。その結果、従来の固体高分子型イオン伝導体よりもイオン伝導率を10〜100倍程度改善することができ、しかも機械的、熱的強度に優れたイオン伝導体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の第1の実施形態に係るイオン伝導体の一部を模式的に示す断面図であり、図1(b)は図1(a)に示す細孔を拡大した断面図であり、図1(c)は図1(b)に示す細孔の表面を模式的に示す拡大断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係るイオン伝導体の内部に形成された細孔を模式的に示す拡大断面図である。
【図3】図3(a)は本発明の第3の実施形態に係るイオン伝導体の内部に形成された細孔の表面を示す模式図であり、図3(b)はイオン性官能基が付与されずにシラノール基が細孔の表面に露出した状態を示す模式図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係るイオン伝導体の場合(曲線A)と、イオン性官能基が付与されていない多孔質ガラスの場合(曲線B)における過塩素酸イオンの活量と電位差との関係を示すグラフ図である。
【図5】平均直径を200nmに制御して細孔を形成したときの多孔質ガラスを示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図6】平均細孔を6nm(グラフA)、10nm(グラフB)、30nm(グラフC)、50nm(グラフD)及び100nm(グラフE)に制御して多孔質ガラスに細孔を形成したときの細孔の径の大きさの分布状態を示すグラフである。
【符号の説明】
1 多孔質ガラス(多孔体)
2 スルホン酸基(イオン性官能基)
3 オクタデシル基(疎水基)
4 アニオン界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸)

Claims (12)

  1. 複数の貫通した連続細孔を有する多孔体を備え、前記複数の連続細孔の表面にイオン性官能基を付与したことを特徴とするイオン伝導体。
  2. 前記多孔体は、多孔質セラミックスであることを特徴とする請求項1に記載のイオン伝導体。
  3. 前記多孔質セラミックスは、多孔質ガラス、多孔質アルミナ、または多孔質ムライトであることを特徴とする請求項2に記載のイオン伝導体。
  4. 前記連続細孔の平均直径は1nm〜1μmであり、前記多孔体の空隙率が5〜90%であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のイオン伝導体。
  5. 前記連続細孔の表面に、疎水基を付与したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のイオン伝導体。
  6. 前記疎水基は、アルキル基またはフッ化炭素系官能基であることを特徴とする請求項5に記載のイオン伝導体。
  7. 前記多孔体は、平板状、管状、またはハニカム状の形状を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のイオン伝導体。
  8. 多孔体を貫通する複数の連続細孔の表面に存在する活性基に、共有結合または水素結合によってイオン性官能基を付与することを特徴とするイオン伝導体の製造方法。
  9. 多孔体を貫通する複数の連続細孔の表面に存在する活性基に疎水基を結合させ、前記疎水基に、イオン官能基とアルキル基またはフッ化炭素系官能基とを有するアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、または両性界面活性剤を保持させることを特徴とするイオン伝導体の製造方法。
  10. 複数の貫通した連続細孔を有する多孔体を備え、前記複数の連続細孔の表面にイオン性官能基が付与されたイオン伝導体からなることを特徴とするイオン伝導性隔膜。
  11. 複数の貫通した連続細孔を有する多孔体を備え、前記複数の連続細孔の表面にイオン性官能基が付与されたイオン伝導体からなることを特徴とするイオニクス素子。
  12. 複数の貫通した連続細孔を有する多孔体を備え、前記複数の連続細孔の表面にイオン性官能基が付与されたイオン伝導体を備えたことを特徴とするイオニクス機器。
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